JP2004096892A - 電源切換装置 - Google Patents
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Abstract
【構成】ジャック14にACアダプタのプラグが挿入されていないときは、スイッチ回路20および22はオン状態となる。この場合、負荷18は、電池20から出力される直流電力Pbによって駆動される。一方、ジャック14にプラグが挿入されて、当該ジャック14の正極端子14aおよび負極端子14c間に直流電力Paに従う電圧Vが印加されると、スイッチ回路20および22はオフ状態となる。この場合、負荷18は、直流電力Paによって駆動される。
【効果】プラグがジャック14に挿入される過程においても常に負荷18に対して直流電力PaまたはPbが供給されるので、当該負荷18の安定動作が保障される。また、2つのスイッチ回路20および22が設けられているので、直流電力Paが供給されているときに当該直流電力Paに従う電流が電池12に流れ込むのが確実に防止され、電池12の安全がより一層確保される。
【選択図】 図1
【効果】プラグがジャック14に挿入される過程においても常に負荷18に対して直流電力PaまたはPbが供給されるので、当該負荷18の安定動作が保障される。また、2つのスイッチ回路20および22が設けられているので、直流電力Paが供給されているときに当該直流電力Paに従う電流が電池12に流れ込むのが確実に防止され、電池12の安全がより一層確保される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、電源切換装置に関し、特にたとえば、ジャックに挿入可能なプラグから出力される第1直流電力および電池から出力される第2直流電力のいずれかを電源電力として負荷を駆動させる、電源切換装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のこの種の電源切換装置の一例が、2001年7月10日付けで出願公開された特開2001−190034号公報[H02J9/06]に開示されている。この従来技術では、プラグが挿入されたときに当該プラグの正電極と接触する第1の接続端子,プラグの負電極と接触する第2の接続端子,およびプラグの挿入/非挿入によって第2の接続端子と非接触/接触状態となる可動切片を有するジャック(公報では「ソケット」と表記されている。)が、設けられている。そして、このジャックの第1の接続端子と電池の正電極との間に、可動切片の接触/非接触状態に応じてオン/オフするスイッチ手段が設けられている。
【0003】
したがって、プラグがジャックに挿入されておらず、可動切片が第2の接続端子と接続されているときには、スイッチ手段がオンし、これによって電池の出力電力が負荷(制御回路8)の駆動電源となる。一方、プラグがジャックに挿入されているときは、当該プラグから供給される直流電力が駆動電源となる。このとき、可動切片が第2の接続端子と非接触状態となり、スイッチ手段がオフするので、プラグからの直流電力に従う電流が電池に流れ込むことはない。なお、スイッチ手段としては、それ自体による電圧降下を抑制するために、FET(電解効果トランジスタ)スイッチング素子が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来技術においては、プラグがジャックに挿入されるとき、まずプラグの負電極がジャックの第2の接続端子と接触し、次にジャックの可動切片が当該第2の接続端子から離れて非接触状態となり、最後にプラグの正電極がジャックの第1の接続端子と接触する。したがって、プラグがジャックに挿入される過程の途中で、具体的には、可動切片が第2の接続端子と非接触となってからプラグの正電極がジャックの第1の接続端子と接触するまでの間に、電池の出力電力およびプラグからの直流電力のいずれも負荷に供給されない状態が生じる。このように負荷に対して駆動電源が一瞬供給されなくなるという言わば瞬断が生じると、負荷の動作が不安定となり、場合によってはフリーズするという問題がある。なお、この瞬断は、プラグがジャックに挿入されている状態で、当該プラグをジャックから引き抜くときにも生じる。
【0005】
また、スイッチ手段を構成するFETが何らかの原因で破損して短絡した場合、プラグからの直流電力に従う電流が電池に流れ込み、これによって電池が破損する可能性があるという問題もある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、負荷の安定動作を保障しつつ、電池の安全を確保できる、電源切換装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ジャックに挿入可能なプラグから出力される第1直流電力および電池から出力される第2直流電力のいずれかを駆動電源として負荷を駆動させる電源切換装置において、第1直流電力の供給/非供給に応じて電池の第1極端子と負荷の第1極端子との接続/非接続を制御する第1スイッチ手段、および第1直流電力の供給/非供給に応じて電池の第2極端子と負荷の第2極端子との接続/非接続を制御する第2スイッチ手段を備えることを特徴とする、電源切換装置である。
【0008】
【作用】
この発明では、プラグがジャックに挿入されておらず、当該ジャックを介して第1直流電力が供給されていないとき、第1スイッチ手段は、電池の第1極端子と負荷の第1極端子とを接続し、第2スイッチ手段は、電池の第2極端子と負荷の第2極端子とを接続する。この場合、負荷は、電池から出力される第2直流電力を駆動電源として駆動する。一方、プラグがジャックに挿入され、これによってジャックを介して第1直流電力が供給されると、第1スイッチ手段は、電池の第1電極端子と負荷の第2電極端子とを非接続とし、第2スイッチ手段は、電池の第2電極端子と負荷の第2電極端子とを非接続とする。この場合、負荷は、プラグから出力される第1直流電力を駆動電源として駆動する。つまり、第1直流電力が供給されたか否かに基づいて、当該第1直流電力自体および第2直流電力のいずれかが負荷の駆動電源とされる。
【0009】
また、負荷に第1直流電力が供給されているときに、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の一方が破損して短絡状態となっても、他方は開放状態にあるので、当該第1直流電力に従う電流が電池に流入することはない。換言すれば、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の両方が短絡しない限り、第1直流電力に従う電流が電池に流入することはない。
【0010】
なお、ジャックは、負荷の第1極端子に接続された接続端子、およびプラグの挿入/非挿入によって接続端子と接触/非接触状態となるスイッチ端子を備えたものであってもよい。この場合、スイッチ端子は、電池の第1極端子に接続されるようにする。このようにすれば、プラグがジャックに挿入されていないとき、電池の第1極端子は、スイッチ端子および接続端子を介して負荷の第1極端子に接続され、換言すれば第1スイッチ手段を介さない経路でも負荷の第1極端子に接続される。したがって、電池から出力される第2直流電力によって負荷が駆動されるときの第1スイッチ手段による当該第2直流電力の損失を排除できる。
【0011】
また、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の少なくとも一方は、FETスイッチング素子を含むものとするのが望ましい。すなわち、FETスイッチング素子は、他の半導体スイッチング素子に比べて損失が小さいため、かかるFETスイッチング素子を第1スイッチ手段に用いることで、当該第1スイッチ手段を介することによる第1直流電力の損失が抑制される。これと同様に、第2スイッチ手段にFETスイッチング素子を用いることで、当該第2スイッチ手段を介することによる第2直流電力の損失が抑制される。
【0012】
そして、電池としては、一次電池を用いることができる。すなわち、電池として充電の禁止されている一次電池が採用されている場合に、この発明は特に有効である。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、プラグからジャックを介して第1直流電力が供給されたか否かに基づいて、当該第1直流電力自体および第2直流電力のいずれかが負荷の駆動電源とされる。したがって、ジャックの可動切片の状態に応じて駆動電源が切り換わるという上述の従来技術とは異なり、プラグがジャックに挿入される過程またはプラグがジャックから引き抜かれる過程で瞬断は生じない。また、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の両方が破損して短絡状態にならない限り、第1直流電力に従う電流が電池に流入することはないので、スイッチ手段が1つのみとされている従来技術に比べて、電池の安全を確保できる。つまり、負荷の安定動作を保障しつつ、電池の安全を確保することができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【実施例】
図1を参照して、この実施例の電子機器10は、図示しないACアダプタから得られる直流電力Paおよび電池12から得られる直流電力Pbのいずれによっても駆動可能なものであり、かかる電子機器10としては、たとえば携帯型のメモリオーディオプレーヤやディジタルカメラがある。なお、直流電力Paの電圧値Vは、直流電力Pbの電圧値Eと略同等(V≒E)または当該電圧値Eよりも若干高め(V>E)とされている。
【0016】
ACアダプタの出力端子としての図示しないプラグは、ジャック14に挿入される。このジャック14は、プラグが挿入されたときに当該プラグの図示しない正極端子と接触する正極端子14a,当該プラグの図示しない負極端子と接触する負極端子14b,およびプラグの挿入/非挿入に応じて負極端子14bと非接触/接触状態となるスイッチ端子14cを有している。なお、このジャック14にプラグが挿入されるときは、まずプラグの負極端子がジャック14の負極端子14bに接触し、負極端子14bがスイッチ端子14cから離れる。これによって、両端子14bおよび14cが非接触状態となる。続いて、プラグの正極端子がジャック14の正極端子14aに接触する。プラグがジャック14から引き抜かれるときは、これと逆の動作となる。
【0017】
ジャック14の正極端子14aは、逆流阻止用のダイオード16のアノード端子に接続され、このダイオード16のカソード端子は、負荷18の正極端子18aに接続されている。正極端子14aはまた、後述するスイッチ回路20の制御端子20aおよびスイッチ回路22の第1制御端子22aにも接続されている。一方、ジャック14の負極端子14bは、接地電位(GND)に接続されており、スイッチ端子14cは、スイッチ回路22の入力端子22bおよび後述する負極中継端子24に接続されている。
【0018】
電池12は、図示しない電池ホルダに対して着脱可能とされており、この電池ホルダに装着されることで、当該電池12の正極端子12aが正極中継端子26に接続され、負極端子12bが上述の負極中継端子24に接続される。このうち正極中継端子26は、上述のスイッチ回路20の入力端子20bおよびスイッチ回路22の第2制御端子22cに接続されている。一方、負極中継端子24は、上述したようにジャック14のスイッチ端子14cに接続されており、スイッチ回路22の入力端子22bにも接続されている。なお、電池12としては、マンガン乾電池やアルカリ乾電池などの一次電池の他に、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン蓄電池などの二次電池をも使用することができる。
【0019】
スイッチ回路20は、制御端子20aおよび入力端子20bの他に、出力端子20cを有している。この出力端子20cは、負荷18の正極端子18aおよびダイオード16のカソード端子に接続されている。
【0020】
スイッチ回路22もまた、出力端子22dを有しており、この出力端子22dは、接地電位に接続されている。接地電位には、負荷18の負極端子18bも接続されている。換言すれば、負荷18の負荷端子18bは、接地電位を介してスイッチ回路22の出力端子22dおよびジャック14の負極端子14bに接続されている。
【0021】
図2を参照して、スイッチ回路20は、スイッチング動作を目的とするFET50を有している。このFET50のソース端子は入力端子20bに接続されており、ドレイン端子は出力端子20cに接続されている。そして、このFET50のゲート端子は、別のFET52のドレイン端子に接続されている。
【0022】
FET52は、上述のFET50をオン/オフ駆動するためのもので、そのソース端子は、接地電位に接続されている。そして、このFET52のゲート端子は、抵抗器54を介して入力端子20bに接続されるとともに、NPN型のトランジスタ56のコレクタ端子にも接続されている。
【0023】
トランジスタ56は、ジャック14に直流電力Paが供給されたか否かに応じてFET52をオン/オフ駆動するもので、そのコレクタ端子は、上述したようにFET52のゲート端子に接続されており、抵抗器54を介して入力端子20bにも接続されている。そして、このトランジスタ56のエミッタ端子は、接地電位に接続されており、ベース端子は、抵抗器58を介して接地電位に接続されている。さらに、トランジスタ56のエミッタ端子は、抵抗器60を介してツェナダイオード62のアノード端子にも接続されており、このツェナダイオード60のカソード端子は、制御端子20aに接続されている。
【0024】
一方、図3を参照して、スイッチ回路22は、スイッチング動作を目的とするFET70を有している。このFET70のドレイン端子は入力端子22bに接続されており、ソース端子は出力端子22dに接続されている。そして、このFET70のゲート端子は、抵抗器72を介して第2制御端子22cに接続されるとともに、別のFET74のドレイン端子にも接続されている。
【0025】
FET74は、ジャック14に直流電力Paが供給されたか否かに応じて上述のFET70をオン/オフ駆動するもので、そのソース端子は、接地電位に接続されている。そして、このFET74のゲート端子は、抵抗器76を介して第1制御端子22aに接続されるとともに、抵抗器78を介して接地電位にも接続されている。
【0026】
このように構成された電子機器10において、たとえば今、プラグがジャック14に挿入されていない状態にあるとする。すなわち、プラグからジャック14を介して電子機器10内に直流電力Paが供給されておらず、換言すればジャック14の正極端子14aと負極端子14bとの間に電圧Vが印加されていない状態にあるとする。そして、ジャック14のスイッチ端子14cが負極端子14bに接触しており、これによって電池12の負極端子12bが当該スイッチ端子14cおよび負極端子14bを介して接地電位に接続されているとする。
【0027】
この場合、スイッチ回路20の制御端子20aに対して何ら電圧(信号)が印加されないため、当該スイッチ回路20内においては、図2に示すトランジスタ56のベース端子電圧が接地電位となる。したがって、トランジスタ56のベース−エミッタ端子間電圧が当該トランジスタ56をオンさせるのに必要な条件を満足できず、トランジスタ56はオフ状態となる。すると、FET52のゲート端子に対し、抵抗器54を介して電池12から直流電力Pbに従う電圧Eが印加され、これによってFET52のゲート−ソース端子間電圧が当該FET52をオンさせるのに必要な条件を満足し、FET52はオン状態となる。このようにFET52がオン状態となると、FET50のゲート端子がFET52を介して接地電位に接続される。
【0028】
FET50のソース端子には、電圧Eが印加されているので、上述のようにFET50のゲート端子がFET52を介して接地電位に接続されることで、FET50のゲート−ソース端子間電圧は当該FET50がオンするのに必要な条件を満足する。これによって、FET50がオン状態となり、当該FET50を介してスイッチ回路20の入力端子20bと出力端子20cとが互いに電気的に接続され、ひいては電池12の正極端子12aと負荷18の正極端子18bとが互いに電気的に接続される。
【0029】
一方、負荷18の負極端子18bは、接地電位を介して電池12の負極端子12bに接続された状態にある。また、負荷18の負極端子18bは、スイッチ回路22経由でも電池12の負極端子12bと電気的に接続された状態にある。
【0030】
すなわち、スイッチ回路22の第1制御端子22aに対して何ら電圧が印加されておらず、第2制御端子22cに対しては電圧Eが印加されている状態にあるため、図3に示すスイッチ回路22内においては、FET74のゲート端子電圧が接地電位となる。したがって、FET74のゲート−ソース端子間電圧が当該FET74をオンさせるのに必要な条件を満足せず、これによってFET74はオフ状態となる。
【0031】
このようにFET74がオフ状態となると、もう一方のFET70のゲート端子に抵抗器72を介して電圧Eが印加される。これによって、FET70のゲート−ソース端子間電圧が当該FET70をオンさせるのに必要な条件を満足し、当該FET70がオンされる。その結果、スイッチ回路22の入力端子22bと出力端子22dとがFET70を介して互いに接続され、ひいては負荷18の負極端子18bが当該スイッチ回路22(FET70)を介して電池12の負極端子12bと電気的に接続される。
【0032】
つまり、プラグがジャック14に挿入されていない状態にあるときは、電池12の正極端子12aが負荷18の正極端子18aと接続され、電池12の負極端子12bが負荷18の負極端子18bと接続される。したがって、負荷18は、電池12から出力される直流電力Pbによって駆動される。
【0033】
次に、ジャック14にプラグが挿入され、その途中で当該プラグの負極端子がジャック14の負極端子14bと接触することで、当該負極端子14bがスイッチ端子14cから離れ、これによって両端子14bおよび14cが非接触状態になったとする。ただし、プラグの正極端子は、未だジャック14の正極端子14aと接触していない状態にあるとする。
【0034】
この場合、スイッチ回路20の制御端子20aに対しては、未だ何らの電圧も印加されないので、電池12の正極端子12aは当該スイッチ回路20(FET50)を介して負荷18の正極端子18aと接続されている状態にある。一方、スイッチ回路22の第1制御端子22bに対しても、未だ何らの電圧も印加されないので、電池12の負極端子12bは当該スイッチ回路22(FET70)を介して接地電位に接続された状態にある。したがって、上述のようにジャック14のスイッチ端子14cが負極端子14bと非接触状態となっても、電池12の負極端子12bはスイッチ回路22を介して接地電位と接続され、ひいては負荷18の負極端子18bと接続された状態にある。
【0035】
このように、ジャック14にプラグが挿入される過程において、当該プラグの正極端子がジャック14の正極端子14aと接触するまでの間は、電池12の正極端子12aがスイッチ回路20を介して負荷18の正極端子18aと接続され、電池12の負極端子12bがスイッチ回路22を介して負荷18の負極端子18bと接続された状態にある。したがって、負荷18は、電池12から出力される直流電力Pbによって駆動される。
【0036】
ここで、さらにプラグがジャック14の奥深くに挿入され、これによって当該プラグの正極端子がジャック14の正極端子14aと接触したとする。
【0037】
この場合、スイッチ回路20の制御端子20aに対して電圧Vが印加されるので、このスイッチ回路20内においては、図2に示すトランジスタ56のベース端子に、ツェナダイオード62の定格電圧と2つの抵抗器58および60の分圧比とに応じた電圧が印加される。これによって、トランジスタ56がオン状態となり、FET52のゲート端子が当該トランジスタ56を介して接地電位に接続される。このようにゲート端子が接地電位に接続されると、FET52はオフ状態となり、これに伴ってFET50もオフ状態となる。これによって、スイッチ回路20の入力端子20bと出力端子20cとの間が電気的に切断され、ひいては電池12の正極端子12aと負荷18の正極端子18aとの間が電気的に切断される。
【0038】
一方、スイッチ回路22の第1制御端子22aに対しても電圧Vが印加されるので、このスイッチ回路22内においては、図3に示すFET74のゲート端子に、当該電圧Vと抵抗器76および78の分圧比とに応じた電圧が印加される。これによって、FET74がオン状態となり、FET70のゲート端子が当該FET74を介して接地電位に接続される。このようにゲート端子が接地電位に接続されると、FET70はオフ状態となり、これによってスイッチ回路22の入力端子22bと出力端子22dとの間が電気的に切断され、ひいては電池12の負極端子12bと負荷18の負極端子18bとの間が電気的に切断される。また、FET70がオフ状態となることで、電池12の負極端子12bは接地電位とも電気的に切断される。
【0039】
なお、負荷18の正極端子18aはダイオード16を介してジャック14の正極端子14aと接続され、負荷の負極端子18bは接地電位を介してジャック14の負極端子14bと接続された状態にある。したがって、当該ジャック14の正極端子14aおよび負極端子14b間に印加された電圧Vは、ダイオード16および接地電位を介して負荷18の正極端子18aおよび負極端子18b間に印加される。
【0040】
つまり、プラグがジャック14に挿入されて、ジャック14の正極端子14aと負極端子14bとの間に電圧Vが印加された場合、換言すればジャック14を介して電子機器10内に直流電力Paが供給された場合には、電池12と負荷18との間が電気的に切断され、代わりに当該直流電圧Paが負荷18に供給される。したがって、負荷18は、直流電力Paによって駆動される。また、電池12の正極端子12aとジャック14の正極端子14aとの間、および電池12の負極端子12bとジャック14の負極端子14bとの間も電気的に切断されるので、直流電力Paに従う電流が電池12に流入することもない。
【0041】
なお、プラグがジャック14に挿入されている状態で、当該プラグをジャック14から引き抜く場合には、上述と逆の動作が行われるので、これについては詳しい説明を省略する。
【0042】
以上の説明から判るように、この実施例によれば、ジャック14を介して電子機器10内に直流電力Paが供給されたか否かに基づいて、当該直流電力Paおよび電池12からの直流電力Pbのいずれかが負荷18に供給される。したがって、ジャックの可動切片の状態に応じて駆動電源が切り換わるという上述した従来技術とは異なり、プラグがジャック14に挿入される過程、或いはプラグがジャック14から引き抜かれる過程で、瞬断は生じない。よって、負荷18の安定動作が保障される。
【0043】
また、電池12と負荷18(ジャック14)との間には2つのスイッチ回路20および22が設けられているので、負荷18に直流電力Paが供給されているときは、これら両方のスイッチ回路20および22が破損して短絡状態にならない限り、当該直流電力Paに従う電流が電池12に流れ込むことはない。したがって、スイッチ手段が1つのみとされている従来技術に比べて、電池12の安全をより一層確保することができる。このことは、電池12として充電が禁止されている一次電池が用いられている場合に、特に有効である。
【0044】
そして、スイッチ回路20においては、その入力端子20bおよび出力端子20c間を開閉するのに損失(電圧降下量)の小さいFET50が用いられており、スイッチ回路22においても、その入力端子22bおよび出力端子22d間を開閉するのにFET70が用いられている。したがって、負荷18が直流電力Pbによって駆動されているときの各スイッチ回路20および22による当該直流電力Pbの損失が低減される。このことは、電子機器10が公知の減電検出機能を有する場合に、特に有効である。
【0045】
すなわち、減電検出機能によれば、負荷18に供給される直流電力Pbの電圧値が検出され、検出された電圧値が所定の基準値を下回ったとき、電池12の残り容量が少ないと判断されて、当該直流電力Pbの供給が自動的に停止される。ここで、たとえばスイッチ回路20および22による電圧降下量が大きいと、電池12の残り容量に余裕がある場合でも、電池12の残り容量が少ないと判断され、予定よりも早めに直流電力Pbの供給が停止されてしまう。これに対して、この実施例では、スイッチ回路20および22による電圧降下量が小さいので、電池12の残り容量が比較的に正確に判断され、略予定通りに直流電力Pbの供給が停止される。したがって、電池12の容量(性能)を有効に利用できる。
【0046】
さらに、プラグがジャック14に挿入されていないときは、電池12の負極端子12bがジャック14のスイッチ端子14cおよび負極端子14bを介して接地電位に接続され、換言すればスイッチ回路22を経由せずに直接接地電位に接続される。したがって、負荷18が直流電力Pbによって駆動されているとき、スイッチ回路22による当該直流電力Pbの損失が無くなり、電池12の容量をより有効に利用できる。
【0047】
なお、この実施例では、ジャック14のスイッチ端子14cが負極端子14bと接触/非接触状態になる場合について説明したが、当該スイッチ端子14cが正極端子14aと接触/非接触状態となる場合にも、この発明を適用することができる。ただし、この場合、スイッチ端子14cは、電池12の負極端子12bに接続されるのではなく、正極端子12aに接続される必要がある。
【0048】
また、スイッチ回路20の詳細を図2に示したが、これは飽くまで一例であって、当該図2以外の構成によってスイッチ回路20を実現してもよい。このことは、図3に示すスイッチ回路22についても、同様である。
【0049】
さらに、電池12は、電池ホルダに装着されるものではなく、外付け型のもの(いわゆる外部バッテリ)であってもよい。また、直流電力Paの供給源も、ACアダプタに限らず、電池12とは別の電池であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1における一方のスイッチ回路の詳細な構成を示す電気回路図である。
【図3】図1における他方のスイッチ回路の詳細な構成を示す電気回路図である。
【符号の説明】
10…電子機器
12…電池
14…ジャック
18…負荷
20,22…スイッチ回路
【産業上の利用分野】
この発明は、電源切換装置に関し、特にたとえば、ジャックに挿入可能なプラグから出力される第1直流電力および電池から出力される第2直流電力のいずれかを電源電力として負荷を駆動させる、電源切換装置に関する。
【0002】
【従来技術】
従来のこの種の電源切換装置の一例が、2001年7月10日付けで出願公開された特開2001−190034号公報[H02J9/06]に開示されている。この従来技術では、プラグが挿入されたときに当該プラグの正電極と接触する第1の接続端子,プラグの負電極と接触する第2の接続端子,およびプラグの挿入/非挿入によって第2の接続端子と非接触/接触状態となる可動切片を有するジャック(公報では「ソケット」と表記されている。)が、設けられている。そして、このジャックの第1の接続端子と電池の正電極との間に、可動切片の接触/非接触状態に応じてオン/オフするスイッチ手段が設けられている。
【0003】
したがって、プラグがジャックに挿入されておらず、可動切片が第2の接続端子と接続されているときには、スイッチ手段がオンし、これによって電池の出力電力が負荷(制御回路8)の駆動電源となる。一方、プラグがジャックに挿入されているときは、当該プラグから供給される直流電力が駆動電源となる。このとき、可動切片が第2の接続端子と非接触状態となり、スイッチ手段がオフするので、プラグからの直流電力に従う電流が電池に流れ込むことはない。なお、スイッチ手段としては、それ自体による電圧降下を抑制するために、FET(電解効果トランジスタ)スイッチング素子が用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述の従来技術においては、プラグがジャックに挿入されるとき、まずプラグの負電極がジャックの第2の接続端子と接触し、次にジャックの可動切片が当該第2の接続端子から離れて非接触状態となり、最後にプラグの正電極がジャックの第1の接続端子と接触する。したがって、プラグがジャックに挿入される過程の途中で、具体的には、可動切片が第2の接続端子と非接触となってからプラグの正電極がジャックの第1の接続端子と接触するまでの間に、電池の出力電力およびプラグからの直流電力のいずれも負荷に供給されない状態が生じる。このように負荷に対して駆動電源が一瞬供給されなくなるという言わば瞬断が生じると、負荷の動作が不安定となり、場合によってはフリーズするという問題がある。なお、この瞬断は、プラグがジャックに挿入されている状態で、当該プラグをジャックから引き抜くときにも生じる。
【0005】
また、スイッチ手段を構成するFETが何らかの原因で破損して短絡した場合、プラグからの直流電力に従う電流が電池に流れ込み、これによって電池が破損する可能性があるという問題もある。
【0006】
それゆえに、この発明の主たる目的は、負荷の安定動作を保障しつつ、電池の安全を確保できる、電源切換装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、ジャックに挿入可能なプラグから出力される第1直流電力および電池から出力される第2直流電力のいずれかを駆動電源として負荷を駆動させる電源切換装置において、第1直流電力の供給/非供給に応じて電池の第1極端子と負荷の第1極端子との接続/非接続を制御する第1スイッチ手段、および第1直流電力の供給/非供給に応じて電池の第2極端子と負荷の第2極端子との接続/非接続を制御する第2スイッチ手段を備えることを特徴とする、電源切換装置である。
【0008】
【作用】
この発明では、プラグがジャックに挿入されておらず、当該ジャックを介して第1直流電力が供給されていないとき、第1スイッチ手段は、電池の第1極端子と負荷の第1極端子とを接続し、第2スイッチ手段は、電池の第2極端子と負荷の第2極端子とを接続する。この場合、負荷は、電池から出力される第2直流電力を駆動電源として駆動する。一方、プラグがジャックに挿入され、これによってジャックを介して第1直流電力が供給されると、第1スイッチ手段は、電池の第1電極端子と負荷の第2電極端子とを非接続とし、第2スイッチ手段は、電池の第2電極端子と負荷の第2電極端子とを非接続とする。この場合、負荷は、プラグから出力される第1直流電力を駆動電源として駆動する。つまり、第1直流電力が供給されたか否かに基づいて、当該第1直流電力自体および第2直流電力のいずれかが負荷の駆動電源とされる。
【0009】
また、負荷に第1直流電力が供給されているときに、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の一方が破損して短絡状態となっても、他方は開放状態にあるので、当該第1直流電力に従う電流が電池に流入することはない。換言すれば、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の両方が短絡しない限り、第1直流電力に従う電流が電池に流入することはない。
【0010】
なお、ジャックは、負荷の第1極端子に接続された接続端子、およびプラグの挿入/非挿入によって接続端子と接触/非接触状態となるスイッチ端子を備えたものであってもよい。この場合、スイッチ端子は、電池の第1極端子に接続されるようにする。このようにすれば、プラグがジャックに挿入されていないとき、電池の第1極端子は、スイッチ端子および接続端子を介して負荷の第1極端子に接続され、換言すれば第1スイッチ手段を介さない経路でも負荷の第1極端子に接続される。したがって、電池から出力される第2直流電力によって負荷が駆動されるときの第1スイッチ手段による当該第2直流電力の損失を排除できる。
【0011】
また、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の少なくとも一方は、FETスイッチング素子を含むものとするのが望ましい。すなわち、FETスイッチング素子は、他の半導体スイッチング素子に比べて損失が小さいため、かかるFETスイッチング素子を第1スイッチ手段に用いることで、当該第1スイッチ手段を介することによる第1直流電力の損失が抑制される。これと同様に、第2スイッチ手段にFETスイッチング素子を用いることで、当該第2スイッチ手段を介することによる第2直流電力の損失が抑制される。
【0012】
そして、電池としては、一次電池を用いることができる。すなわち、電池として充電の禁止されている一次電池が採用されている場合に、この発明は特に有効である。
【0013】
【発明の効果】
この発明によれば、プラグからジャックを介して第1直流電力が供給されたか否かに基づいて、当該第1直流電力自体および第2直流電力のいずれかが負荷の駆動電源とされる。したがって、ジャックの可動切片の状態に応じて駆動電源が切り換わるという上述の従来技術とは異なり、プラグがジャックに挿入される過程またはプラグがジャックから引き抜かれる過程で瞬断は生じない。また、第1スイッチ手段および第2スイッチ手段の両方が破損して短絡状態にならない限り、第1直流電力に従う電流が電池に流入することはないので、スイッチ手段が1つのみとされている従来技術に比べて、電池の安全を確保できる。つまり、負荷の安定動作を保障しつつ、電池の安全を確保することができる。
【0014】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【0015】
【実施例】
図1を参照して、この実施例の電子機器10は、図示しないACアダプタから得られる直流電力Paおよび電池12から得られる直流電力Pbのいずれによっても駆動可能なものであり、かかる電子機器10としては、たとえば携帯型のメモリオーディオプレーヤやディジタルカメラがある。なお、直流電力Paの電圧値Vは、直流電力Pbの電圧値Eと略同等(V≒E)または当該電圧値Eよりも若干高め(V>E)とされている。
【0016】
ACアダプタの出力端子としての図示しないプラグは、ジャック14に挿入される。このジャック14は、プラグが挿入されたときに当該プラグの図示しない正極端子と接触する正極端子14a,当該プラグの図示しない負極端子と接触する負極端子14b,およびプラグの挿入/非挿入に応じて負極端子14bと非接触/接触状態となるスイッチ端子14cを有している。なお、このジャック14にプラグが挿入されるときは、まずプラグの負極端子がジャック14の負極端子14bに接触し、負極端子14bがスイッチ端子14cから離れる。これによって、両端子14bおよび14cが非接触状態となる。続いて、プラグの正極端子がジャック14の正極端子14aに接触する。プラグがジャック14から引き抜かれるときは、これと逆の動作となる。
【0017】
ジャック14の正極端子14aは、逆流阻止用のダイオード16のアノード端子に接続され、このダイオード16のカソード端子は、負荷18の正極端子18aに接続されている。正極端子14aはまた、後述するスイッチ回路20の制御端子20aおよびスイッチ回路22の第1制御端子22aにも接続されている。一方、ジャック14の負極端子14bは、接地電位(GND)に接続されており、スイッチ端子14cは、スイッチ回路22の入力端子22bおよび後述する負極中継端子24に接続されている。
【0018】
電池12は、図示しない電池ホルダに対して着脱可能とされており、この電池ホルダに装着されることで、当該電池12の正極端子12aが正極中継端子26に接続され、負極端子12bが上述の負極中継端子24に接続される。このうち正極中継端子26は、上述のスイッチ回路20の入力端子20bおよびスイッチ回路22の第2制御端子22cに接続されている。一方、負極中継端子24は、上述したようにジャック14のスイッチ端子14cに接続されており、スイッチ回路22の入力端子22bにも接続されている。なお、電池12としては、マンガン乾電池やアルカリ乾電池などの一次電池の他に、ニッケル水素蓄電池やリチウムイオン蓄電池などの二次電池をも使用することができる。
【0019】
スイッチ回路20は、制御端子20aおよび入力端子20bの他に、出力端子20cを有している。この出力端子20cは、負荷18の正極端子18aおよびダイオード16のカソード端子に接続されている。
【0020】
スイッチ回路22もまた、出力端子22dを有しており、この出力端子22dは、接地電位に接続されている。接地電位には、負荷18の負極端子18bも接続されている。換言すれば、負荷18の負荷端子18bは、接地電位を介してスイッチ回路22の出力端子22dおよびジャック14の負極端子14bに接続されている。
【0021】
図2を参照して、スイッチ回路20は、スイッチング動作を目的とするFET50を有している。このFET50のソース端子は入力端子20bに接続されており、ドレイン端子は出力端子20cに接続されている。そして、このFET50のゲート端子は、別のFET52のドレイン端子に接続されている。
【0022】
FET52は、上述のFET50をオン/オフ駆動するためのもので、そのソース端子は、接地電位に接続されている。そして、このFET52のゲート端子は、抵抗器54を介して入力端子20bに接続されるとともに、NPN型のトランジスタ56のコレクタ端子にも接続されている。
【0023】
トランジスタ56は、ジャック14に直流電力Paが供給されたか否かに応じてFET52をオン/オフ駆動するもので、そのコレクタ端子は、上述したようにFET52のゲート端子に接続されており、抵抗器54を介して入力端子20bにも接続されている。そして、このトランジスタ56のエミッタ端子は、接地電位に接続されており、ベース端子は、抵抗器58を介して接地電位に接続されている。さらに、トランジスタ56のエミッタ端子は、抵抗器60を介してツェナダイオード62のアノード端子にも接続されており、このツェナダイオード60のカソード端子は、制御端子20aに接続されている。
【0024】
一方、図3を参照して、スイッチ回路22は、スイッチング動作を目的とするFET70を有している。このFET70のドレイン端子は入力端子22bに接続されており、ソース端子は出力端子22dに接続されている。そして、このFET70のゲート端子は、抵抗器72を介して第2制御端子22cに接続されるとともに、別のFET74のドレイン端子にも接続されている。
【0025】
FET74は、ジャック14に直流電力Paが供給されたか否かに応じて上述のFET70をオン/オフ駆動するもので、そのソース端子は、接地電位に接続されている。そして、このFET74のゲート端子は、抵抗器76を介して第1制御端子22aに接続されるとともに、抵抗器78を介して接地電位にも接続されている。
【0026】
このように構成された電子機器10において、たとえば今、プラグがジャック14に挿入されていない状態にあるとする。すなわち、プラグからジャック14を介して電子機器10内に直流電力Paが供給されておらず、換言すればジャック14の正極端子14aと負極端子14bとの間に電圧Vが印加されていない状態にあるとする。そして、ジャック14のスイッチ端子14cが負極端子14bに接触しており、これによって電池12の負極端子12bが当該スイッチ端子14cおよび負極端子14bを介して接地電位に接続されているとする。
【0027】
この場合、スイッチ回路20の制御端子20aに対して何ら電圧(信号)が印加されないため、当該スイッチ回路20内においては、図2に示すトランジスタ56のベース端子電圧が接地電位となる。したがって、トランジスタ56のベース−エミッタ端子間電圧が当該トランジスタ56をオンさせるのに必要な条件を満足できず、トランジスタ56はオフ状態となる。すると、FET52のゲート端子に対し、抵抗器54を介して電池12から直流電力Pbに従う電圧Eが印加され、これによってFET52のゲート−ソース端子間電圧が当該FET52をオンさせるのに必要な条件を満足し、FET52はオン状態となる。このようにFET52がオン状態となると、FET50のゲート端子がFET52を介して接地電位に接続される。
【0028】
FET50のソース端子には、電圧Eが印加されているので、上述のようにFET50のゲート端子がFET52を介して接地電位に接続されることで、FET50のゲート−ソース端子間電圧は当該FET50がオンするのに必要な条件を満足する。これによって、FET50がオン状態となり、当該FET50を介してスイッチ回路20の入力端子20bと出力端子20cとが互いに電気的に接続され、ひいては電池12の正極端子12aと負荷18の正極端子18bとが互いに電気的に接続される。
【0029】
一方、負荷18の負極端子18bは、接地電位を介して電池12の負極端子12bに接続された状態にある。また、負荷18の負極端子18bは、スイッチ回路22経由でも電池12の負極端子12bと電気的に接続された状態にある。
【0030】
すなわち、スイッチ回路22の第1制御端子22aに対して何ら電圧が印加されておらず、第2制御端子22cに対しては電圧Eが印加されている状態にあるため、図3に示すスイッチ回路22内においては、FET74のゲート端子電圧が接地電位となる。したがって、FET74のゲート−ソース端子間電圧が当該FET74をオンさせるのに必要な条件を満足せず、これによってFET74はオフ状態となる。
【0031】
このようにFET74がオフ状態となると、もう一方のFET70のゲート端子に抵抗器72を介して電圧Eが印加される。これによって、FET70のゲート−ソース端子間電圧が当該FET70をオンさせるのに必要な条件を満足し、当該FET70がオンされる。その結果、スイッチ回路22の入力端子22bと出力端子22dとがFET70を介して互いに接続され、ひいては負荷18の負極端子18bが当該スイッチ回路22(FET70)を介して電池12の負極端子12bと電気的に接続される。
【0032】
つまり、プラグがジャック14に挿入されていない状態にあるときは、電池12の正極端子12aが負荷18の正極端子18aと接続され、電池12の負極端子12bが負荷18の負極端子18bと接続される。したがって、負荷18は、電池12から出力される直流電力Pbによって駆動される。
【0033】
次に、ジャック14にプラグが挿入され、その途中で当該プラグの負極端子がジャック14の負極端子14bと接触することで、当該負極端子14bがスイッチ端子14cから離れ、これによって両端子14bおよび14cが非接触状態になったとする。ただし、プラグの正極端子は、未だジャック14の正極端子14aと接触していない状態にあるとする。
【0034】
この場合、スイッチ回路20の制御端子20aに対しては、未だ何らの電圧も印加されないので、電池12の正極端子12aは当該スイッチ回路20(FET50)を介して負荷18の正極端子18aと接続されている状態にある。一方、スイッチ回路22の第1制御端子22bに対しても、未だ何らの電圧も印加されないので、電池12の負極端子12bは当該スイッチ回路22(FET70)を介して接地電位に接続された状態にある。したがって、上述のようにジャック14のスイッチ端子14cが負極端子14bと非接触状態となっても、電池12の負極端子12bはスイッチ回路22を介して接地電位と接続され、ひいては負荷18の負極端子18bと接続された状態にある。
【0035】
このように、ジャック14にプラグが挿入される過程において、当該プラグの正極端子がジャック14の正極端子14aと接触するまでの間は、電池12の正極端子12aがスイッチ回路20を介して負荷18の正極端子18aと接続され、電池12の負極端子12bがスイッチ回路22を介して負荷18の負極端子18bと接続された状態にある。したがって、負荷18は、電池12から出力される直流電力Pbによって駆動される。
【0036】
ここで、さらにプラグがジャック14の奥深くに挿入され、これによって当該プラグの正極端子がジャック14の正極端子14aと接触したとする。
【0037】
この場合、スイッチ回路20の制御端子20aに対して電圧Vが印加されるので、このスイッチ回路20内においては、図2に示すトランジスタ56のベース端子に、ツェナダイオード62の定格電圧と2つの抵抗器58および60の分圧比とに応じた電圧が印加される。これによって、トランジスタ56がオン状態となり、FET52のゲート端子が当該トランジスタ56を介して接地電位に接続される。このようにゲート端子が接地電位に接続されると、FET52はオフ状態となり、これに伴ってFET50もオフ状態となる。これによって、スイッチ回路20の入力端子20bと出力端子20cとの間が電気的に切断され、ひいては電池12の正極端子12aと負荷18の正極端子18aとの間が電気的に切断される。
【0038】
一方、スイッチ回路22の第1制御端子22aに対しても電圧Vが印加されるので、このスイッチ回路22内においては、図3に示すFET74のゲート端子に、当該電圧Vと抵抗器76および78の分圧比とに応じた電圧が印加される。これによって、FET74がオン状態となり、FET70のゲート端子が当該FET74を介して接地電位に接続される。このようにゲート端子が接地電位に接続されると、FET70はオフ状態となり、これによってスイッチ回路22の入力端子22bと出力端子22dとの間が電気的に切断され、ひいては電池12の負極端子12bと負荷18の負極端子18bとの間が電気的に切断される。また、FET70がオフ状態となることで、電池12の負極端子12bは接地電位とも電気的に切断される。
【0039】
なお、負荷18の正極端子18aはダイオード16を介してジャック14の正極端子14aと接続され、負荷の負極端子18bは接地電位を介してジャック14の負極端子14bと接続された状態にある。したがって、当該ジャック14の正極端子14aおよび負極端子14b間に印加された電圧Vは、ダイオード16および接地電位を介して負荷18の正極端子18aおよび負極端子18b間に印加される。
【0040】
つまり、プラグがジャック14に挿入されて、ジャック14の正極端子14aと負極端子14bとの間に電圧Vが印加された場合、換言すればジャック14を介して電子機器10内に直流電力Paが供給された場合には、電池12と負荷18との間が電気的に切断され、代わりに当該直流電圧Paが負荷18に供給される。したがって、負荷18は、直流電力Paによって駆動される。また、電池12の正極端子12aとジャック14の正極端子14aとの間、および電池12の負極端子12bとジャック14の負極端子14bとの間も電気的に切断されるので、直流電力Paに従う電流が電池12に流入することもない。
【0041】
なお、プラグがジャック14に挿入されている状態で、当該プラグをジャック14から引き抜く場合には、上述と逆の動作が行われるので、これについては詳しい説明を省略する。
【0042】
以上の説明から判るように、この実施例によれば、ジャック14を介して電子機器10内に直流電力Paが供給されたか否かに基づいて、当該直流電力Paおよび電池12からの直流電力Pbのいずれかが負荷18に供給される。したがって、ジャックの可動切片の状態に応じて駆動電源が切り換わるという上述した従来技術とは異なり、プラグがジャック14に挿入される過程、或いはプラグがジャック14から引き抜かれる過程で、瞬断は生じない。よって、負荷18の安定動作が保障される。
【0043】
また、電池12と負荷18(ジャック14)との間には2つのスイッチ回路20および22が設けられているので、負荷18に直流電力Paが供給されているときは、これら両方のスイッチ回路20および22が破損して短絡状態にならない限り、当該直流電力Paに従う電流が電池12に流れ込むことはない。したがって、スイッチ手段が1つのみとされている従来技術に比べて、電池12の安全をより一層確保することができる。このことは、電池12として充電が禁止されている一次電池が用いられている場合に、特に有効である。
【0044】
そして、スイッチ回路20においては、その入力端子20bおよび出力端子20c間を開閉するのに損失(電圧降下量)の小さいFET50が用いられており、スイッチ回路22においても、その入力端子22bおよび出力端子22d間を開閉するのにFET70が用いられている。したがって、負荷18が直流電力Pbによって駆動されているときの各スイッチ回路20および22による当該直流電力Pbの損失が低減される。このことは、電子機器10が公知の減電検出機能を有する場合に、特に有効である。
【0045】
すなわち、減電検出機能によれば、負荷18に供給される直流電力Pbの電圧値が検出され、検出された電圧値が所定の基準値を下回ったとき、電池12の残り容量が少ないと判断されて、当該直流電力Pbの供給が自動的に停止される。ここで、たとえばスイッチ回路20および22による電圧降下量が大きいと、電池12の残り容量に余裕がある場合でも、電池12の残り容量が少ないと判断され、予定よりも早めに直流電力Pbの供給が停止されてしまう。これに対して、この実施例では、スイッチ回路20および22による電圧降下量が小さいので、電池12の残り容量が比較的に正確に判断され、略予定通りに直流電力Pbの供給が停止される。したがって、電池12の容量(性能)を有効に利用できる。
【0046】
さらに、プラグがジャック14に挿入されていないときは、電池12の負極端子12bがジャック14のスイッチ端子14cおよび負極端子14bを介して接地電位に接続され、換言すればスイッチ回路22を経由せずに直接接地電位に接続される。したがって、負荷18が直流電力Pbによって駆動されているとき、スイッチ回路22による当該直流電力Pbの損失が無くなり、電池12の容量をより有効に利用できる。
【0047】
なお、この実施例では、ジャック14のスイッチ端子14cが負極端子14bと接触/非接触状態になる場合について説明したが、当該スイッチ端子14cが正極端子14aと接触/非接触状態となる場合にも、この発明を適用することができる。ただし、この場合、スイッチ端子14cは、電池12の負極端子12bに接続されるのではなく、正極端子12aに接続される必要がある。
【0048】
また、スイッチ回路20の詳細を図2に示したが、これは飽くまで一例であって、当該図2以外の構成によってスイッチ回路20を実現してもよい。このことは、図3に示すスイッチ回路22についても、同様である。
【0049】
さらに、電池12は、電池ホルダに装着されるものではなく、外付け型のもの(いわゆる外部バッテリ)であってもよい。また、直流電力Paの供給源も、ACアダプタに限らず、電池12とは別の電池であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1における一方のスイッチ回路の詳細な構成を示す電気回路図である。
【図3】図1における他方のスイッチ回路の詳細な構成を示す電気回路図である。
【符号の説明】
10…電子機器
12…電池
14…ジャック
18…負荷
20,22…スイッチ回路
Claims (4)
- ジャックに挿入可能なプラグから出力される第1直流電力および電池から出力される第2直流電力のいずれかを駆動電源として負荷を駆動させる電源切換装置において、
前記第1直流電力の供給/非供給に応じて前記電池の第1極端子と前記負荷の第1極端子との接続/非接続を制御する第1スイッチ手段、および
前記第1直流電力の供給/非供給に応じて前記電池の第2極端子と前記負荷の第2極端子との接続/非接続を制御する第2スイッチ手段を備えることを特徴とする、電源切換装置。 - 前記ジャックは、前記負荷の第1極端子に接続された接続端子、および前記プラグの挿入/非挿入によって前記接続端子と接触/非接触状態となるスイッチ端子を備え、
前記スイッチ端子は前記電池の第1極端子に接続される、請求項1記載の電源切換装置。 - 前記第1スイッチ手段および前記第2スイッチ手段の少なくとも一方は、FETスイッチング素子を含む、請求項1または2記載の電源切換装置。
- 前記電池は一次電池である、請求項1ないし3のいずれかに記載の電源切換装置。
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A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
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