JP2004096152A - 処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】画像形成装置において、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することができるようにする。
【解決手段】変換部402でパラレルデータをシリアルデータに変換した後、光電変換部404でシリアルデータを信号光に変換し、この信号光を光ファイバ410に入射する。信号光を光ファイバ410内に通過させることで、対岸側の光電変換部424で受光し、シリアルデータに変換する。このシリアルデータを変換部422でパラレルデータに変換した後、ビデオ基板427に入力する。光伝送技術を採用すれば、複数の機能モジュール回路の間を離しても、電磁界干渉や電磁環境適合性の問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることがない。したがって、機能モジュール回路の配置場所の自由度が格段に広がり、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することができる。
【選択図】 図9
【解決手段】変換部402でパラレルデータをシリアルデータに変換した後、光電変換部404でシリアルデータを信号光に変換し、この信号光を光ファイバ410に入射する。信号光を光ファイバ410内に通過させることで、対岸側の光電変換部424で受光し、シリアルデータに変換する。このシリアルデータを変換部422でパラレルデータに変換した後、ビデオ基板427に入力する。光伝送技術を採用すれば、複数の機能モジュール回路の間を離しても、電磁界干渉や電磁環境適合性の問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることがない。したがって、機能モジュール回路の配置場所の自由度が格段に広がり、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することができる。
【選択図】 図9
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された画像データに基づいて画像を所定の記録媒体に形成して出力する画像形成部など、所定の処理をする処理装置に関する。より詳細には、処理装置内または処理装置間の回路モジュール間における電気信号の伝送に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置や複写装置などの印刷機能を備えた画像形成装置が様々な分野で使用されている。また、今日では、画像形成装置がカラー化され、ユーザの様々な表現手段として利用されるようになってきている。たとえば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラーページプリンタ装置は、高品質な画質あるいは高速プリンティングの点で注目されている。
【0003】
一方、印刷機能という点では、家庭内での個人ユースやオフィスでのビジネスユースといった比較的小規模(たとえば1ジョブが数枚〜数十枚程度)の印刷出力を要求されるものと、製本などの印刷業界で使用される比較的大規模(たとえば1ジョブが数千枚以上)の印刷出力を要求されるものとに大別される。前者の比較的小規模の印刷出力を要求されるものにおいては、その多くが(たとえば孔版印刷を除いて)、印刷データを受け取り版下を生成せずに印刷物を出力する。一方、後者の比較的大規模の印刷出力を要求されるものにおいては、従来は、印刷データに基づいて版下を生成し、この生成した版下を使用して印刷物を出力していた。
【0004】
ところが、今日では、DTP(DeskTop Publishing/Prepress)の普及による印刷工程の変化、いわゆる「印刷のデジタル革命」により、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」もしくは「オンデマンド印刷」(以下オンデマンドプリンティングという)が着目されている。このオンデマンドプリンティングでは、従来の印刷(たとえばオフセット印刷)における写植などの紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版などの中間成果物を生成せずに、プリプレス工程を完全にデジタル化することで電子データだけに基づいて印刷物を出力する仕組み(CTP;Computer To Print or Paper)が取られている。そして、このオンデマンドプリンティングの要求に対して、電子写真プロセスを用いた印刷機能が着目されている。
【0005】
図11は、従来の画像形成装置の一例を備えた画像形成システムの概略を示す図である。ここで、図11(A)は、システムの全体構成図であり、図11(B)における(B1)〜(B3)は、ユーザインタフェース装置の詳細を示す図である。
【0006】
この画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE(Digital Front End Processor )装置とから構成されている。
【0007】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、IOT(Image Output Terminal)モジュール2、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5、出力モジュール7、ユーザインタフェース装置8、およびIOTモジュール2とフィードモジュール5とを連結する連結モジュール9を備えている。
【0008】
DFE装置は、プリンタコントローラ機能を備えており、たとえば図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:PageDescription Language )で記述された印刷データをクライアント端末から受け取り、この印刷データをラスターイメージに変換(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータおよび印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置1に送り、画像形成装置1のプリントエンジンや用紙搬送系を制御して、画像形成装置1に印刷処理を実行させる。つまり、画像形成装置1の印刷動作は、DFE装置によるプリンタコントローラ機能によって制御される。
【0009】
印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(以下纏めてYMCKという)分が画像形成装置1に送られる。
【0010】
ユーザインタフェース装置8は、オペレータと画像形成装置1との分かり易い対話を支援するもので、このような操作性の向上を図るため、図11(B)にその詳細を示すように、カラーディスプレイ8aとその横にハードコントロールパネル8bとを備える。そして、カラー表示の工夫によりユーザへ見やすく判りやすいメニューを提供するとともに、カラーディスプレイ8aにタッチパネル893を組み合わせて画面のソフトボタンで直接アクセスできるようにしている。タッチパネル893は、CRT891のフェース部を囲むベゼル892部分に取り付けられている。ハードコントロールパネル8bのハードボタンとカラーディスプレイ8aの画面に表示したソフトボタンに操作内容を効率的に配分することにより操作の簡素化、メニュー画面の効率的な構成を可能にしている。
【0011】
このカラーディスプレイ8aとハードコントロールパネル8bとの裏側には、モニタ制御や電源用の基板894、ユーザインタフェース装置8用のエンジン基板895、CRT891のドライバ基板896などが搭載され、ハードコントロールパネル8bは、カラーディスプレイ8aの面よりさらに中央の方へ向くような角度を有している。また、カラーディスプレイ8aおよびハードコントロールパネル8bは、図示のようにベースマシン890(装置本体;本例では連結モジュール9)上に直接でなく、ベースマシンに支持アーム8cを立ててその上に取り付けられている。
【0012】
IOTモジュール2は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されるようになっている。
【0013】
IOTコア部20は、光走査装置31や感光体ドラム32などを有するプリントエンジン(印字ユニット)30を前述の色成分に対応する色ごとに備えており、このプリントエンジン30をシート搬送方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。またIOTコア部20は、プリントエンジン30を制御する電気回路あるいは各モジュール用の電源回路などを収容する電気系制御収納部39を備える。
【0014】
さらに、IOTコア部20は、画像転写方式として、感光体ドラム32上のトナー像を1次転写器35にて中間転写ベルト43に転写(1次転写)し、その後、2次転写部45にて中間転写ベルト43上のトナー像を印刷用紙に転写(2次転写)する方式を用いている。このような構成では、YMCKの各色トナーにより画像形成を各別の感光体ドラム32上に行なって、これトナー像を中間転写ベルト43に多重転写しその後所定の印刷用紙に転写することでカラー画像を得るようにする。
【0015】
たとえば、プリントエンジン30では、先ず光走査装置31が画像情報により変調されたレーザ光で帯電済みの感光体ドラム32上の被走査面を走査露光し感光体ドラム32上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、YMCK各色のトナーがそれぞれ供給される現像器34によってトナー像として可視画像化され、このトナー像は、1次転写器35で中間転写ベルト43上に転写される。
【0016】
この中間転写ベルト43への転写に合わせて、フィードモジュール5では用紙トレイ52から印刷用紙を引き出してIOTモジュール2の第1搬送路47に渡す。第1搬送路47は位置合わせ機能(Regi/Aligner)を有しており、受け取った印刷用紙の書込位置を合わせて2次転写部45に印刷用紙を供給する。
【0017】
中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール5から搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48で定着器(Fuser )70まで搬送され、この定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、スタッカ(排紙トレイ)74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路76に引き出され、IOTモジュール2の反転搬送路49に渡される。
【0018】
図12は、図11に示した画像形成装置1の回路モジュールの構成例を示す図である。図示するように、回路モジュールとしては、IOTコア部20用の回路モジュールとフィードモジュール5用の回路モジュールとに分けられている。IOTコア部20用の回路モジュールは電気系制御収納部39に収容され、フィードモジュール5用の回路モジュールは、フィードモジュール5内に収容される。
【0019】
IOTコア部20用の回路モジュールは、画像形成(イメージデータの生成や加工など)に関わる主要部であるマーキング部MK、用紙搬送に関わる給紙制御部PH、定着器70の制御に関わる定着部FU、印刷済みの用紙を機外へ排出する部分に関わる排紙部EX、IOTコア部20内の各部を制御するIOTコントロール部CT、これらの各部に電力を供給する電源回路PWなどを含んでいる。
【0020】
前述の各部は、回路基板PWB(Printed Wiring Board)に搭載され、また、IOTコントロール部CTと前述の各部とがドライバ回路を介して接続されるようになっている。また、IOTコア部20用の回路モジュールは、I/Fコントロール部を介してユーザインタフェース装置8と接続されるようになっている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今日では、画像形成処理(プリント処理)のさらなる高性能化や高速化の要求がある。たとえば、DFE装置が備えるプリンタコントローラは、高速/高性能CPUの搭載により、プリントエンジンのスピードを生かす高速データ生成を可能にし、印刷指示からプリント出力までトータルの生産性をサポートした高速フルカラープリント、たとえば、100枚〜200枚/分以上のカラー印刷に対応するシステムを可能とするものが提案されつつある。
【0022】
この高性能化や高速化の要求に応えるには、DFE装置の対応のみならず、画像形成装置1も高速化・高性能化・多機能化が必要となる。たとえば、4色の色材を使用する4版タンデム構成のものを5色(あるいはそれ以上)の色材を使用する5版(あるいはそれ以上の)タンデム構成とする要求、100枚〜200枚/分以上の高速処理仕様への対応などである。また、1つの装置を、要求される仕様に応じて適宜切り替えたいという要求もある。
【0023】
しかしながら、従来の画像形成装置1では、このような要求に応えるのが難しくなってきている。たとえば、前述のように、画像形成装置1を構成する回路の大部分が、IOTコア部20用の回路モジュール内に収容されるようになっており、処理制御機構がほぼ1ユニットで構成されている。
【0024】
この構成において、高速化・高性能化・多機能化への対応をとる場合、変更がたとえ一部の回路に対するものであっても、その都度、IOTコア部20用の回路モジュール全体の交換や、その回路モジュール基板PWBの設計変更が必要となり、結果として、さらなるコストアップを招く。
【0025】
また、高速・高機能化のために回路構成を大きくする必要が生じた場合、1つの回路モジュール基板PWB内に新規回路が収まらない事態も生じる。電気系制御収納部39は、実際には余裕がないので、この新規回路用の基板を収容しきれないことにもなる。この場合、たとえば図11に示したユーザインタフェース装置8の近傍などへ、新規回路基板や既存の回路基板を移設することで対応を採ることも考えられる。
【0026】
しかしながら、回路基板を他の場所へ移設すると、回路の接続線に使用している銅線などの金属線から、不要信号が放出されることで、EMI(ElectroMagnetic Interference;電磁界干渉)やEME(ElectroMagnetic Emission;電磁放射)の問題が生じ得る。また、信号線を延ばすことで負荷容量が増え、波形鈍りが生じ、画像品質が低下する、あるいは制御タイミングがずれることで適切な駆動制御ができない、などの問題を招く。
【0027】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることなく、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することのできる処理装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る処理装置は、画像を所定の記録媒体に形成する画像形成装置など、所定の処理をする処理装置であって、処理装置のそれぞれの機能部分に応じた複数の機能モジュール回路の間の電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る光インタフェース部を備えたものとした。
【0029】
ここで、「電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る」とは、電気信号を信号光に変換し、変換された信号光を光伝送媒体内に通過させることで、信号の伝送を採ることを意味する。
【0030】
たとえば、機能モジュール回路の各々が、それぞれ異なる回路基板に搭載されている形態では、光インタフェース部は、それぞれの回路基板の間において、電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る。
【0031】
光伝送媒体としては、プラスチック光ファイバやシート状の光伝送バスなどを使用するのがよい。
【0032】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る処理装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0033】
【作用】
上記構成の処理装置において、光インタフェース部は、処理装置のそれぞれの機能部分に応じた機能モジュール回路間の電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る。
【0034】
電気信号を信号光に変換し、変換された信号光を光伝送媒体内に通過させることで信号の伝送を採ることとすれば、複数の機能モジュール回路の間を離しても、電磁界干渉や電磁環境適合性の問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることがない。したがって、機能モジュール回路の配置場所の自由度が格段に広がる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第1実施形態を示す図である。ここで、図1(A)はシステム構成の概略図、図1(B)は、ユーザインタフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。
【0037】
この画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE装置とから構成されている。
【0038】
画像形成装置1は、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、従来装置のIOTモジュール2に設けられていた定着器を出力(Exit)モジュール7に移設した構成となっている。
【0039】
すなわち、この画像形成システムにおける画像形成装置1は、IOTモジュール(IOT本体)2と、フィード(給紙)モジュール5と、出力モジュール7と、パソコン(PC)などのユーザインタフェース装置8とを備える。なお、フィードモジュール5は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。
【0040】
また、出力モジュール7の後段に、さらにフィニッシャ(Finisher;後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、たとえば、用紙をスタック処理をし、そのコーナ部の1個所または一辺の2個所以上を綴じるステープラを備えたもの、あるいはファイリング用のパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたものなどがある。このフィニッシャモジュールは、ユーザインタフェース装置8との接続が切られたオフライン状態でも使用可能とすることが望ましい。
【0041】
画像形成装置1は、モジュール単位で、自由に取替可能になっている。特に、本実施形態の画像形成装置1は、IOTモジュール2と出力モジュール7とを別のモジュールとして構成したので、高速化・高性能化・多機能化への対応をとる場合において、何れか一方のみの変更で対応可能であれば、その一方のみを交換するだけでよくなる。
【0042】
DFE装置は、フロントエンドプロセッサFEP(Front End Processor )部を備えている。DFE装置と画像形成装置1とは、独自のインタフェースであるDDI(Direct Digital Interface)にて接続される。フロントエンドプロセッサFEP部は、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント(Client)からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能に加え、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備える。DFE装置には、画像形成装置1とのインタフェース用のDDI基板が搭載され、ROP処理部やプリンタコントローラ部などがこの基板上に配される。
【0043】
IOTモジュール2の高速処理に対応可能なようにRIP処理や圧縮処理が高速処理対応になっている。たとえば、DFE装置が備えるプリンタコントローラは、高速/高性能CPUの搭載により、プリントエンジンのスピードを生かす高速データ生成を可能にし、印刷指示からプリントまでトータルの生産性をサポートした、高速フルカラープリントが可能なものである。たとえば、100枚/分以上のカラー印刷に対応するシステムを可能とする。
【0044】
ユーザインタフェース装置8は、キーボード81やマウス82などの入力デバイスを有し、CRT84の表示面上にユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)部80を備えるとともに、その本体83内に画像形成装置1の各モジュールやDFE装置との間の接続インタフェース機能や制御機能をなすSys(システム制御)部85を備える。図11に示した従来装置におけるモニタ制御や電源用の基板894あるいはエンジン基板895などユーザインタフェース装置8用の基板類も本体83内に収容される。
【0045】
このユーザインタフェース装置8は、図11に示した従来装置と異なり、装置本体(本例では連結モジュール9)上に直接に載置されている。また、従来装置におけるタッチパネルを利用する画面に表示したソフトボタンやハードコントロールパネル8bの機能は、キーボード81やマウス82に置き換わっている。勿論、本実施形態においても、ユーザインタフェース装置8の表示面にタッチパネルを組み合わせてもよい。
【0046】
ユーザインタフェース装置8には、画像形成装置1を操作するための制御ソフトウェアが組み込まれている。このユーザインタフェース装置8は、画像処理の機能を備えたDFE装置と接続されており、たとえば、RIP(Raster Image Process)処理済みの印刷データ、および印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報をDFE装置から受け取り、要求された印刷処理を画像形成装置1に実行させる。
【0047】
印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分がある。また、この4色に加えて、第5の色成分、たとえばグレイ(G)分を含めてもよい。
【0048】
ユーザインタフェース装置8の制御ソフトウェアは、DFE装置からの印刷制御情報(印刷コマンド)を画像形成装置1内のインタフェース部を介して受け取り、DFE装置の制御の元にSys部を介して画像形成装置1の印刷動作を制御する。また、たとえば、コレーション(Collation )設定による複数部出力やプリントアウト後もう1枚欲しいときのリプリントなど、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。
【0049】
図2は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第2実施形態を示す図である。ここで、図2(A)はシステム構成の概略図、図2(B)は、ユーザインタフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。
【0050】
DFE装置からフロントエンドプロセッサFEP部用に設けられたDDI用基板を取り除くとともに、ユーザインタフェース装置8にて画像形成装置1に依存した処理(エンジン特性に依存した処理)の制御機能を果たすようにするとともに、IOTコア部20やフィードモジュール5,6あるいは出力モジュール7などとのインタフェース基板をユーザインタフェース装置8と画像形成装置1との間に設けた点が、図1に示した第1実施形態と異なる。DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えておらず、主にRIP処理のみをする。
【0051】
DFE装置とユーザインタフェース装置8やIOTコア部20との間は、それぞれの機能モジュール回路の間の電気信号の伝送を、光伝送媒体を用いて採る構成とする。
【0052】
このような構成におけるユーザインタフェース装置8の画像形成装置1に依存した処理の制御機能を果たすプリンタコントローラ機能部分と接続インタフェースに関わる部分とを纏めてバックエンドプロセッサBEP(Back End Processor)部という。結果として、第2実施形態の構成におけるユーザインタフェース装置8は、第1実施形態のGUI部80と、IOTコア部20などエンジン特性に応じた制御するプリンタコントローラ機能部分とを含むようになっている。
【0053】
DFE装置では、クライアントで生成されたコードデータをフロントエンジン側のRIP処理でラスタデータ化し、圧縮処理を施す。DFE装置側のフロントエンドプロセッサFEP部は、IOTコア部20に対して比較的疎(ほぼ独立に動作可能)な関係にあり、フロントエンドプロセッサFEP部とバックエンドプロセッサBEP部との間の電気信号の伝送は汎用のネットワークによる疎結合で接続される。
【0054】
たとえば、図2(A)に示すように、DFE装置とバックエンドプロセッサBEP部との間は、たとえば通信速度が1GBPS(Giga Bit Per Sec)程度の汎用の通信プロトコルによる高速有線LAN(Local Area Network)などで接続するとよい。印刷ファイルは、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりフロントエンドプロセッサFEP部からバックエンドプロセッサBEP部へファイル転送される。
【0055】
これに対して、バックエンドプロセッサBEP部と画像記録部の一例であるIOTコア部20との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的密な関係にある、つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に依存した通信インタフェースで構築される。たとえば、専用の通信プロトコルで接続される。
【0056】
DFE装置からバックエンドプロセッサBEP部には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含む印刷ファイルデータが送られる。印刷ファイルデータとしては、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマットなどのラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無など印刷制御情報などが含まれる。
【0057】
バックエンドプロセッサBEP部には、DFE装置から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置1内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御するコントローラも設けられる。また、バックエンドプロセッサBEP部は、IOTモジュール2やフィードモジュール5,6あるいは出力モジュール7などのエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール2に画像データを渡す。バックエンドプロセッサBEP部は、エンジン特性に依存した制御処理をする。また、エンジン特性に依存した紙詰まりなどのリカバリ処理を自動的に行なう。
【0058】
たとえば、クライアントからの指示をフロントエンドプロセッサFEP部で判断し、IOTコア部20や定着器70あるいはフィニッシャ部などの画像形成装置1の各部に依存せず専らフロントエンドプロセッサFEP部のみで処理可能なものはフロントエンドプロセッサFEP部で処理し、画像形成装置1の各部に依存するものであってバックエンドプロセッサBEP部で行なうべき処理はバックエンドプロセッサBEP部側へコマンドをスルーさせる。
【0059】
たとえば、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)などのRIP処理と関わりのある処理は、フロントエンドプロセッサFEP部にて処理し、その制御コマンドをバックエンドプロセッサBEP部へは通知しない(非通知)。
【0060】
一方、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラなどのフィニッシャ装置あるいは用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正などのキャリブレーション処理、スクリーン指定処理など、画像形成装置1の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをフロントエンドプロセッサFEP部はスルーすることで、バックエンドプロセッサBEP部にて処理する。
【0061】
なお、用紙サイズ合わせに関しては、フロントエンドプロセッサFEP部だけでなく、バックエンドプロセッサBEP部にても処理してもかまわない。
【0062】
このように、第2実施形態の構成では、画像データがTiffなどの圧縮データとして、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりユーザインタフェース装置8側にファイル転送される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にバックエンドプロセッサBEP部側へ一方的に転送し、バックエンドプロセッサBEP部側で印刷用にページ再配置をする。
【0063】
この第2実施形態の構成によれば、DFE装置はエンジン特性に応じた煩雑な処理から開放されるので、一般的なPC(パソコン)をDFE装置として使用し、このPC上にソフトウェアを搭載することによって、フロントエンドプロセッサFEP部の機能を果たすことができるようになる。
【0064】
加えて、エンジン特性に応じた煩雑な処理を担当するバックエンドプロセッサBEP部側は、RIP処理から開放され、IOTモジュール2の性能に応じて、柔軟に制御を変更することができる。
【0065】
これにより、フロントエンドプロセッサFEP部側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなくても、容易にビジネス上必要なターゲットとしたいエンジンにプリンタコントローラを提供していくことが可能になる。
【0066】
そして、フロントエンドプロセッサFEP部がプリントエンジン30に非依存であるため、ユーザはプリントエンジンを新規に購入しても従来のフロントエンドを流用することできる。また、他のメーカのフロントエンドとの接続も可能となる。つまり、汎用印刷RIPエンジンや他社のRIPエンジンが使用可能となる。
【0067】
また、フロントエンドプロセッサFEP部に必要なコマンドはフロントエンドプロセッサFEP部で処理を終え、バックエンドプロセッサBEP部が必要としているコマンドはRIP処理しながら直ちにバックエンドプロセッサBEP部側へ通知させておくようにしたので、生産性を高めることができる。すなわち、ジョブ内の全ページについてのRIP処理完了前に画像形成装置1にて印刷処理可能なページは、待ち時間を持つことなく即時に処理可能としているので、クライアントが希望する出力形態がどのようなものであっても、画像形成装置1の持つ高速性能をフルに活かすことができる。
【0068】
図3は、第1実施形態の画像形成システムと第2実施形態の画像形成システムとの差を説明する図である。ここで、図3(A)は第1実施形態のシステム構成を示し、図3(B)および図4(C)は第2実施形態のシステム構成例を示す。
【0069】
第1実施形態の接続例では、画像形成装置1の特性に合わせたRIP処理済みの画像データ(Video Data)をDFE装置からIOTモジュール2に渡す。また、画像形成装置1の高速化に際しては、高速化が進むほど、DFE装置側のコントローラにて画像形成装置1内の各部の処理タイミングを制御するのが難しくなる。このため、図3(A)に示すように、DFE装置と画像形成装置1とがほぼ密接不可分であり、個々の画像形成装置1に応じた専用のDFE装置を使用する構成とならざるを得ない。
【0070】
たとえば、ラスタデータ展開(すなわちRIP処理)や印字ユニットの制御に際し、高機能モデルのDFE装置は、高画質、高度制御を主張する業界標準コントローラを使っている。フロントエンドプロセッサFEP部側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなければ、高速高機能の画像形成装置1を制御することができないが、高速高機能になるほどそれが難しくなるので、第1実施形態の構成では、画像形成装置1に合わせた専用の処理機能をなすDFE装置が必要である。このため、1台の画像形成装置1が複数のDFE装置からの印刷要求を受け付けるシステムを構築することは難しかった。
【0071】
たとえば、より高機能・高速なシステムにしようとする場合、画像形成装置1の制御方法を予め標準コントローラに知らせておき、その標準コントローラの制御の元で動作するしかない。しかしながら、高速化、高機能化させると、従来のようなコントローラや汎用のコントローラで、高速高機能の画像形成装置1の画像形成動作を制御することは難しくなる。たとえば、連続処理をしているとき、いつの時点で次のシート(印刷用紙)に対する画像形成プロセスをスタートさせるかなど、その制御がより困難になる。特に、両面印刷時には、表面の連続搬送の途中に、あるシートの裏面印刷処理を割り込ませる必要があるが、高速処理にするほどその制御は困難となる。
【0072】
これに対して、第2実施形態の構成では、DFE装置側(詳しくはフロントエンドプロセッサFEP部)は主にRIP処理機能部を担当し、ユーザインタフェース装置8(詳しくはバックエンドプロセッサBEP部)がプリンタコントローラ機能を担当する構成とすることで、画像形成用の画像データと画像形成条件(部数、片面/両面、色、ソート有無、など)とをバックエンドプロセッサBEP部が受け取り、バックエンドプロセッサBEP部にて、プリントエンジンの性能や特性に応じて、当該装置の画像形成動作を制御することができる。
【0073】
バックエンドプロセッサBEP部は従来のDFE装置のような標準コントローラの使用の制約がないので、このバックエンドプロセッサBEP部による画像形成動作の制御は、DFE装置によるものよりも高速性や拡張性に富む。したがって、第1実施形態の構成例に比べて、画像形成装置1の高速化、高機能化に柔軟に対応することが容易となる。
【0074】
また第2実施形態の構成では、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部にてRIP処理をしておき、バックエンドプロセッサBEP部にて画像形成装置1に合わせたページ再配置をすることができ、DFE装置(詳しくはフロントエンドプロセッサFEP部)と画像形成装置1(詳しくはプリントエンジン)との関係はルーズ(Loosely connection)であってよい。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部とプリントエンジンとの間が疎な関係であってよく、DFE装置にて処理としては、画像形成装置1の性能の影響を受けないRIP処理などの範囲に留めることができる。
【0075】
これにより、DFE装置の処理負担が減るので、高速処理可能な汎用コントローラを備えたDFE装置を使用することができ、トータルのシステムコストを低減することができる。加えて、汎用のDFE装置を使用できるので、図3(B)に示すように、1台の画像形成装置1が複数のDFE装置からの印刷要求を受け付けるシステム、すなわちDFE装置の台数と画像形成装置の台数とがn:1のシステムを構築することもできる。
【0076】
また、図3(C)に示すように、画像形成装置1も複数台接続したシステム、すなわち、DFE装置の台数と画像形成装置の台数とがn:mのシステムを構築することもできる。この場合、バックエンドプロセッサBEP部の後段に高速高性能の画像形成装置1と出力確認用のプルーファ(画像形成装置1の一例)など2種類の画像形成装置1を並列設置したシステム、あるいは、縦連接続して並列処理させるシステムとすることもできる。
【0077】
プルーファ接続のシステムでは、高速高機能の画像形成装置1によるダイレクト印刷に先立って、DTPデータから直接カラー校正用プリントの出力をプルーファにて行なうDDCP(Digital Direct Color Proofing )システムを構築することができる。たとえば、バックエンドプロセッサBEP部は、印刷ジョブとしてプルーフデータを受け取るとプルーフィングに適したデータ形式(たとえば低ビデオレートなど)の画像データをプルーファに出力してカラー校正用プリント出力を指令する一方、通常の印刷ジョブを受け取ると、高速高機能マシンに高ビデオレートの画像データを出力して高速高機能の印刷指示を発する。
【0078】
なお、この図3(C)に示すシステムの場合、高速高機能マシンとプルーファあるいは縦連接続された機種とのとの間の異なるカラー出力の微妙な差異(デバイス差)を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)を搭載することが望ましい。
【0079】
このように、n:1あるいはn:mのシステムとすることで、画像形成装置1の空き状況や印刷ジョブに適合した画像形成装置を選択して、効率よい出力処理をすることができるようにもなる。
【0080】
図4は、本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。この画像形成装置1は、IOTモジュール2、第1フィード(給紙)モジュール(FFM;First Feeder Module )5、第2フィードモジュール(SFM;Second Feeder Module)6、出力モジュール7と、ユーザインタフェース装置8とを備える。
【0081】
IOTモジュール2と第1フィードモジュール5との間は第1連結モジュール9aにより連結され、第1フィードモジュール5と第2フィードモジュール6との間は第2連結モジュール9bにより連結されている。またIOTモジュール2と出力モジュール7とは直接に連結されている。
【0082】
たとえば、画像形成装置の高性能化・高速化のニーズがあるが、プリントエンジンが5色やそれ以上に対応する場合、定着ユニットも複雑・大型になるので、プリントエンジンと定着部とを同一のIOTモジュール内に収容することは難しくなる。
【0083】
そこで、本実施形態の画像形成装置1は、IOTモジュール2、2つのフィードモジュール5,6、および出力モジュール7を別ユニット化して、フィードモジュールや定着部が変更されても、本体(IOTモジュール2)の変更を最小化して拡張性を向上可能としている。なお、図中、出力モジュール7の中央部に1点鎖線で示すように、出力モジュール7を、さらに定着モジュールと排紙モジュールとに分けてもよい。
【0084】
第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6には、用紙トレイ(それぞれ52,62)から印刷用紙を引き出すピックアップローラ群(それぞれ54,64)が設けられている。第1連結モジュール9aには、第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6から搬送されてきた印刷用紙をIOTモジュール2の搬送路に向けて引き渡す搬送ローラ群92が設けられている。
【0085】
出力モジュール7は、IOTモジュール2にて印刷用紙に転写された画像を定着させる定着器70、および画像の転写が完了した印刷用紙に対して排紙処理をする排紙処理装置72、印刷済みの用紙を機外へ排紙せずに一時的に保存しておく排紙トレイ74、および印刷済みの用紙をIOTモジュール2に反転状態で戻す反転路76を備えている。定着器70は、IOTモジュール2の高速処理に対応可能なように高速駆動仕様になっている。
【0086】
排紙処理装置72としては、たとえば、簡易なステープラ処理などフィニッシャ機能を備えたものとしてもよい。この排紙処理装置72は、ユーザインタフェース装置8との接続が切られたオフライン状態でも使用可能となっている。
【0087】
IOTモジュール2は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が標準セットとして搭載されるようになっている。また、この4色に加えて、第5の色成分としてのグレイGのトナーカートリッジ24を搭載することもできるようになっている。
【0088】
IOTコア部20は、前述の色成分に対応する色ごとのプリントエンジン(印字ユニット)30を、シート搬送方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。このプリントエンジン30の現像器34には、トナーカートリッジ24から図示しない供給路(たとえばリザーブタンクなど)を経て現像剤としてのトナー(着色粉末)が供給されるようになっている。
【0089】
なお、色材色に対応した各プリントエンジン30は、たとえば暗減衰と各トナーの特性との関係、あるいはブラックトナーへの他のトナーの混色による影響の違いといったようなことを考慮して、その配置順序が決定される(図示した例は一例に過ぎない)。
【0090】
また、トナーカートリッジ24や感光体ドラム32は、装置本体に対して着脱自在に構成されている。また、従来の公知の方式よりもより強固な不正品対策を採るべく、トナーカートリッジ24などと本体との間の電気信号の伝送を、レーザ光や赤外光を送信/受信する光学部材を使用し光伝送技術を利用した非接触(detachably connecting )で採るようにしている。
【0091】
光伝送部品は、一般的に、電波を利用する回路部品よりも入手困難あるいは高価であるので、電波を使用した不正品対策手法(たとえば米国特許第6,181,885号)よりも、その実装が困難となると考えられる。特に半導体レーザなどのレーザ光を利用する部材は、その傾向が強い。
【0092】
したがって、不正品対策としては、電波を利用した方法よりも、強固なものとなる。また、非接触であるので、トナーカートリッジ24などの装着作業が容易である。また、電波技術を利用する不正品対策では、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題が生じ得るが、光伝送では、そのような問題は生じない。
【0093】
IOTコア部20は、中間転写ベルト43、2次転写部45、印刷用紙を2次転写部45に向けて搬送するとともに位置合わせ機能(Regi/Aligner)を有する第1搬送路47、2次転写部45を通過した印刷済みの印刷用紙を出力モジュール7に向けて搬送する第2搬送路48、および片面に印刷された後に出力モジュール7にて反転された印刷用紙を搬送路50に向けて搬送する反転搬送路49を備える。第1搬送路47には、位置合わせ機能(Regi/Aligner)を備えている。
【0094】
また、タンデム構成されたプリントエンジン30のベルト搬送方向における最前流側の中間転写ベルト43上の近傍(図ではイエロY用のプリントエンジン30の右側)には、中間転写ベルト43上に転写された画像を除去(クリーン)するクリーナ44が配置されている。
【0095】
このIOTコア部20は、従来の画像形成装置1にて使用されているモータよりも高速駆動可能なモータを備えた高速印字仕様となっている。さらに、IOTコア部20は、高周波数のクロックを使用して内部回路を駆動するようにした高速駆動仕様ともなっている。
【0096】
IOTコア部20内のプリントエンジン30は、プリンタや複写機などの印刷機能部分として使用されるものと同様に、光走査装置31、感光体ドラム32、および電子写真プロセス用の各種部材を有するROS(Raster Output Scanner )ベースのプリントエンジン(マーキングエンジン)である。このプリントエンジン30は、回路の高速化に対応した高速駆動仕様になっている。
【0097】
光走査装置31は、図示しない半導体レーザから発せられたレーザ光(レーザビーム)を図示しないポリゴンミラー(回転多面鏡)により、感光性部材の一例である感光体ドラム32に向けて反射偏向させて、画像情報により変調されたレーザ光を図示しないレンズ群で感光体ドラム32上の被走査面に結像させる。
【0098】
画像形成に際しては、先ず一定速度で回転する感光体ドラム32が帯電器33によって所定の極性および所定の電圧に帯電される。次いで、印刷用紙が用紙トレイ52,62からピックアップローラ群54,64により所定のタイミングで1枚ずつ引き出され、連結モジュール9aおよび第1搬送路47を介して2次転写部45まで給紙される。
【0099】
印刷用紙の先端が図示しない先端検出器より検出されると、光走査装置31にて、画像信号(たとえば各画素各色成分8ビット)により変調されてレーザ光が半導体レーザから、スキャナモータにより駆動されるポリゴンミラーに向けて射出され、ポリゴンミラーにより反射された後、レンズ群を経て、感光体ドラム32に導かれ、感光体ドラム32上を走査する。
【0100】
一方、先端検出器からの信号は垂直同期信号として、光走査装置31を制御する記録制御部(図示せず)に出力される。また、主走査検出器がレーザ光を検知すると、水平同期信号となるビームディテクト信号を記録制御部に出力する。そして、画像信号がビームディテクト信号に同期して順次、半導体レーザに送出される。
【0101】
これにより、光走査装置31のポリゴンミラーにより反射偏向されたレーザ光がレンズ群を介して1次帯電器33によって帯電された感光体ドラム32上を走査することで、画像部あるいは背景部が選択的に露光し感光体ドラム32上に静電潜像を形成する。
【0102】
この静電潜像は、YMCKあるいはGの各色のトナーがそれぞれ供給される現像器34によってトナー像として可視画像化され、このトナー像は、1次転写器35によって中間転写ベルト43上に吸着され順次多重転写される。そして1次転写後に感光体ドラム32上に残ったトナーはクリーナ36によって、感光体ドラム32の表面から回収される。
【0103】
中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、その後、第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6から第1連結モジュール9aを介して搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48により出力モジュール7まで搬送される。そして、出力モジュール7の定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、排紙トレイ74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路76に引き出され、IOTモジュール2の反転搬送路49に渡される。
【0104】
なお、図4に示したIOTコア部20は、中間転写ベルト43を1つ備えた1ベルト方式の中間転写IBT(Intermediate Belt Transfer)方式のものであるが、これに限らず、たとえば、中間転写ベルトを2つ備えた2ベルト方式や中間転写体を備えずに感光体ドラム32上のトナー像を直接に印刷用紙に転写する方式としてもよい。
【0105】
IBT方式を採用する場合、1ベルトと2ベルトとのメリット/デメリットを考慮した設計をする。たとえば、1ベルト方式は、ベルト駆動制御が容易である、あるいは画質劣化が少ない、などの利点があるが、ベルト長が長い(たとえば4m前後程度)、交換に人手を要する(たとえば2人作業など)、最大ユニット幅が大きい(たとえば2m程度)で搬入/搬出性が劣る、ベルトにはモジュール剛性を要する、などのデメリットがある。
【0106】
これに対して、2ベルト方式は、ベルト長が短く(たとえば2m程度)交換も容易である、高速化が比較的容易で拡張性に富む(増速性)、最大ユニット幅が小さい(たとえば1m程度)、などの利点がある。しかし、画質劣化リスクがある、2ベルトの位置制御(アライメント)制御を要する、装置高さ(M/C高さ)が高くなる(たとえば1m強)、ベルトが2本になることのランコストインパクト上の問題、などのデメリットがある。
【0107】
図5は、図4に示した画像形成装置1の回路モジュールの構成例を示す図である。ここで、図5(A)は、回路モジュールに関わる主要部分を説明する図、図5(B)は、図5(A)を適用した画像形成装置1の具体的な構成例を示す図である。
【0108】
本実施形態の画像形成装置1は、図4にて説明したように、各モジュールを別ユニット化して、フィードモジュールや定着部など本体(IOTモジュール2)周辺部のモジュールが変更されても、本体の変更を最小化して拡張性を向上可能としている。これに合わせて、回路構成も、各モジュールに対応して基板PWBを分割することで、拡張性を向上するようにしている。
【0109】
このため、先ず図5(A)に示すように、各基板PWBは、各基板内の各部の主要な情報処理機能や演算処理機能を有するCPU(central processing unit ;中央演算処理部)100と、各モジュール内の回路部やモータなどの個々のモジュールの専用機能部分に応じた動作をする機能動作部(以下デバイスという)を駆動するための入出力インタフェース部分であるI/O部200とを備えている。そして、このCPU100とI/O部200とを最小構成要素とした回路モジュールとしている。
【0110】
CPU100は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor )などのフトウェアにより処理内容を更新可能な論理回路(ハードウェアロジック)で構成されていて、またその周辺パーツとしてRAM(random access memory)などの揮発性の半導体メモリやROM(read only memory)あるいはメモリコントローラなどが配され、画像形成装置1における印刷処理や入出力処理が再プログラミング可能になっている。こうすることで、ソフトウェアのバグ修正に柔軟に対応することができることに加え、高速化・高性能化・多機能化の仕様変更のために、予め想定される画像形成装置1とは異なるモジュールがIOTモジュール2に接続された場合でも、柔軟に対応することができる。
【0111】
また、各基板に搭載されるCPU100は、共通のOS(Operating System)にて他の回路部分を制御可能になっており、他の回路基板との関係において実質的に共通のソフトウェアアーキテクチャが組み込まれるオペレーティングシステム部として機能する。またI/O部200は、モジュール専用機能部分に応じたデバイス駆動用のデバイスドライバを共通OSの元で制御可能となっている。加えて、CPU100とI/O部200とは各モジュール用の専用のマザーボード(Mother Board)上にドータボード(Daughter Board)として搭載されるようになっている。なお、CPU100とI/O部200とは、共通のドータボードに搭載されてもよいし、それぞれ別のドータボードに搭載されてもよい。
【0112】
こうすることで、CPU100およびI/O部200からなるソフトウェアモジュールの共通化を図り、スペアパーツとしてのソフトウェアモジュール基板PWBは1種類でよく(CPU100とI/O部200とを個別ドータボードとする場合はそれぞれも)、またCPUボードに対してソフトウェア更新にて各モジュールに適した処理ソフトウェアモジュールをインストールする(組み込む)だけでよい。また、FPGAへのソフトウェアのダウンロードで同一ソフトウェアモジュール基板に対してソフト(OSやアプリケーション)の変更やI/Oマッピングが変更可能で、1種類のソフトウェアモジュール基板がどのモジュールにでも、あるいはモジュール内のどこにでも使えるようになり、その増減も自由となる。このように、回路基板を交換もしくは増減する方式を採用することで、拡張性のある画像形成装置1を実現することができる。
【0113】
なお、CPU100やI/O部200と、デバイス間との接続形態としては、図5(A)の“その1”に示すように、I/O部200を介して入力デバイスあるいは出力デバイスに接続する形態と、“その2”に示すように、I/O部200とデバイス間をバッファを介して接続する形態とがある。また、何れの接続形態においても、2系統以上のデバイスとも接続可能である。加えて、2系統以上のデバイスのマスター/スレーブの関係を自由に設定することもできるようになっている。さらに、各基板間においても、各CPU100のマスター/スレーブの関係を自由に設定することもできるようになっている。
【0114】
図4に示した画像形成装置1においては、個別商品最適化から拡張のためのモジュール化に対応して、各モジュール用の回路モジュールを設け、かつ、図5(A)に示した技術(CPU100+I/O部200+デバイスの構成)を適用した回路モジュール基板を増減可能な構成を採る。また各機能部やCPU100あるいはI/O部200は、それぞれ専用の基板PWBに搭載し、それら個別基板をマザーボード上に着脱可能に構成する。このように、回路基板を増減する方式を採用することで、拡張性のある画像形成装置1を実現することができる。
【0115】
たとえば、図5(B)に示すように、ユーザインタフェース装置8側にGUI&Sys部を用意し、そこにユーザインタフェース回路やCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBを設ける。また、IOTコア部20には、印字処理に関わるマーキング部MKとこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBと、フィードモジュール5,6を制御する給紙制御部PHとこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBとを設ける。出力モジュール7には、定着器を制御する定着部とこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBと、排紙処理をする排紙部(EXIT)とこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBとを設ける。フィードモジュール5,6には、フィードモータなどを駆動するフィーダ部とこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBとを設ける。さらに予備として、拡張モジュール用の基板を用意する。たとえば中間転写体方式(IBT方式)の切り替えに対応するようにIBT制御部と、これを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBを設ける。
【0116】
上述のように、本実施形態の画像形成装置1は、モジュール分割することで、より高機能、高速の装置のニーズに適宜対応することができるようにしている。たとえば、4連タンデム構成を5連やそれ以上にする、あるいは毎分200枚以上の高速処理にするなどである。この際、バグ修正やモジュール仕様変更に対応するように、個々のモジュールに組み込まれているソフトウェアを更新する必要が生じる場合もあるが、どうやって効率のよい更新をするかが問題となる。
【0117】
本実施形態の画像形成装置1は、モジュール分割されており、かつ事実上マルチCPU構成になっているが、共通のOSを搭載したCPUを使用した点を利用して、効率的にソフトウェアを更新する仕組みを講じる。
【0118】
たとえば、モジュール化された基板PWBに対し、アプリケーションを書き換えることで異なる機能の基板PWBに変更する。これにより、仕様変更への簡易な対処を実現する。また、更新対象モジュールが複数ある場合は、個々のモジュールに向けて個々の更新用プログラムを送るのではなく、個々の更新用プログラムを1つのモジュールに一括ダウンロードし、そこから他モジュールを“共通の書換プログラム”を用いて更新制御する。共通のOSを搭載したCPUを利用したことの利点である。すなわち、共通のOS(同一アーキテクチャ)であるから書換プログラムが共通でよく、1箇所において他を更新することが可能となる。
【0119】
この場合、更新用プログラムを何処のモジュールにダウンロードするのが効率がよいかを判断し、その効率のよりモジュールへ他の更新プログラム分も含めてダウンロードするとよい。また、複数モジュールについてのプログラムの書換作業を時分割で並行処理してもよい。
【0120】
図6は、図5に示した回路モジュールの組合せ例を図4に示した画像形成装置1に適用した場合における具体的な基板構成例を示した図である。本実施形態では、マザーボード上に各回路ブロック用の基板を配する構成としている。
【0121】
図5に示したようなCPU100およびI/O部200を最小構成要素とする回路モジュールを組み合わせて画像形成装置1の全体回路を構成する場合、装置のモジュール構成に応じて各別に回路モジュールを設けてもよいし、何れか複数の回路モジュールを纏めて1つの複合回路モジュールとしてもよい。また、各モジュール用のCPU100やI/O部200を基板上に配置する際には、同一モジュール用のCPU100とI/O部200とが必ずしも同一基板上に載置される必要はない。たとえば、IOTモジュール2用のCPU100とI/O部200とが別個のサブ基板上に配置され、各サブ基板がマザー基板上に載置される構成であってもよい。どのような組合せ形態とするかによって、回路モジュールの物理インタフェースや論理インタフェースの接続構成が変わってくる。
【0122】
また、各モジュール用のCPU100やI/O部200との間の論理インタフェースは、CPU100やI/O部200の負荷状況、あるいはモジュール特性に応じて決定するのがよい。たとえば、出力モジュール7は、一旦設置されると変更されることはあまりなく、ある程度固定されたものであるの対して、フィニッシャモジュールは、ユーザ希望に応じて適宜仕様変更があるものであるという点を考慮するとよい。また、画像形成装置1を構成する場合、データ処理に関わる系統以外に、装置内の各部の状態を診断する診断処理(Diagnostic)機能が備えられる。この診断処理機能のための系統についても、負荷を分散したり、モジュール変更に柔軟に対応するための仕組みを講じることが望ましい。
【0123】
たとえば、全体を統轄する統轄CPUや統轄診断部を設ける。そして、統轄CPUにてユーザインタフェース装置8からの指令を受け、各モジュールに設けられた個別のCPU(モジュールCPU)を制御するようにしてもよい。また、この統轄CPUが全てのモジュールCPUを制御するのではなく、主要なモジュールCPUのみを統轄CPUにて制御し、その制御の元で何れかのモジュールCPUが残りのモジュールCPU(サブモジュールCPU)を制御する構成としてもよい。こうすることで、負荷を配分することができる。加えて、主要CPUが配されていないサブモジュールの変更の影響を統轄CPUに与えないようにすることができる。
【0124】
たとえば、物理インタフェースや論理インタフェースは、次のような観点から決めるのがよい。先ず、IOTモジュール2用の基板の構成変更に左右されないような構成を目指す。本実施形態では、拡張性のあるIOT構成を実現するために、基板を増減する方式を採用しているが、このときのソフトウェアの変更を最小にできるような方式、つまりインタフェースの変更が極力発生しないような仕組みを実現できるようにする。これにより、ソフトウェアのフレーム化も加速される。
【0125】
また、負荷を分散するために、統轄CPUを備えたIOTマネージャIMを設ける。そして、IOTモジュール2の印字処理に関わるマーキング部MK(Mark)はイメージ(Image)生成系を、給紙制御部PH(ペーパーハンドリング)は用紙搬送系(すなわち第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6など)を行なうようにする。そして、IOTマネージャIMは、これらの統轄を行なうようにする。このような形態とした場合、フィニッシャモジュールは給紙制御部PH系となる。
【0126】
装置内の各部の状態を診断する診断処理系統(Diag)は、負荷分散やモジュール変更への対応のため、各基板の診断処理系統であるサブ診断処理部(Diag(Sub))と、フィニッシャモジュール用を除く各サブ診断処理部の状態を集約する統轄診断部の一例であるメイン診断処理部(Diag(Main))とに分ける。こうすることで、メイン診断処理部にて基板構成の変化を吸収することができる。また、メイン診断処理部とサブ診断処理部の関係がパターン化することになり、診断処理系統のフレームワーク化が行なえる。
【0127】
なお、診断処理系統は、メモリのリード/ライト、メモリのイニシャライズ、入出力(I/O)チェック、消耗品使用状況、センサ情報などアナログ量の監視(アナログモニタ)のみ行ない、たとえば本装置を複写装置として利用する場合におけるスキャナ部などの他のモジュールの有無、動作の可否チェックを行なわない。また、フィニッシャモジュールの診断処理機能は、フィニッシャモジュール自身で行なうようにする。これにより、フィニッシャ変更に伴うメイン診断処理部の変更は発生しない。また、フィニッシャのオフライン使用も可能となる。
【0128】
また、IOTマネージャIMが相手するモジュールは変えないようにする。このためたとえば、IOTマネージャIMは、マーキング部MK、給紙制御部PH、メイン診断処理部、およびユーザインタフェース装置8のSys部85とのみインタフェースを行なう。診断処理系統については、IOTマネージャIMは、メイン診断処理部とのインタフェースを行なうが、サブ診断処理部とのインタフェースは行なわない。これにより、診断処理系統についての基板構成が変更になっても、IOTマネージャIMは何ら変更を行なう必要がない。これにより、IOTマネージャIMの抽象度を高め、フレームワーク化させることができる。
【0129】
給紙制御部PHは、フィードモジュール5,6が変更になっても、IOTマネージャIMに影響を与えない、すなわち、IOT内部インタフェースを変更しないようにする。このためたとえば、第1フィードモジュール(1stFdr)5および第2フィードモジュール(2ndFdr)6は、給紙制御部PHとのみインタフェースを行なうようにする。こうすることで、IOTマネージャIMのフレームワーク化を達成することができる。
【0130】
出力モジュール7が変更になっても、IOTマネージャIMに影響を与えないようにする。このためたとえば、出力モジュール7は、給紙制御部PHとのみインタフェースを行なうようにする。こうすることで、出力モジュール7の変更を給紙制御部PHが吸収することができる。
【0131】
論理インタフェースの観点からは、ハーネスコストの削減、モジュール間通信の信頼性の向上、あるいは伝送スピードの高速化に適した通信プロトコルのものを使用する。たとえば、CAN(Controller Area Network ;ISO11898)が好適である。このCANを利用したCANバスを使用すれば、コマンドを一斉送信することができる。また、このコマンドの一斉送信可能な利点を利用して、インタフェースの負荷低減を図るため、フィードモジュール5,6と出力モジュール7とを同一インタフェースとする。
【0132】
出力モジュール(EXIT)7の構成が変更になっても、フィニッシャモジュールのインタフェースへの影響を与えないように、あるいは負荷低減を図るようにする。このためたとえば、フィニッシャモジュールの制御は給紙制御部PHが行なうようにする。出力モジュール7でフィニッシャモジュールを制御したとするとフィニッシャ制御に必要な情報をIOTマネージャIM→給紙制御部PH→出力モジュール7と転送しなければならず、インタフェース負荷が大きい。これに対して前述のように給紙制御部PHにてフィニッシャ制御をするようにすればインタフェース負荷を低減することができる。
【0133】
図6に示した基板構成は、上述の結果を示したもので、たとえば、IOTモジュール2には、IOTマネージャIM用のマザーボード、マーキング部MK用のマザーボード(MOTHER)、および給紙制御部PH用のマザーボードが配されている。同様に、フィードモジュール5,6や出力モジュール7には、それぞれのマザーボードが配される。
【0134】
なお、仕様変更など必要に応じて追加基板を取り付けることができるように、付加的なマザーボード(Ext.MOTHER)が用意される。また、フィニッシャモジュールを取り付ける場合には、それに応じた基板モジュールを追加すればよい。
【0135】
マザーボード上には、たとえばIOTマネージャIMとマーキング部MK、給紙制御部PH、フィード部、あるいは出力処理部など主要回路部分間のインタフェース機能用の入出力基板(I/O)、ドライバとのインタフェース機能用の入出力切替基板(I/OSEL)、各モジュールのCPU用の基板、あるいはビデオ基板(Video)などモジュール特有の回路基板などのドータボードが、基板コネクタを介して搭載されている。各回路モジュール間の論理インタフェースには、CANバスを使用している。
【0136】
このように、装置内のそれぞれの機能部分に応じた機能モジュール回路からなる回路アーキテクチャを採用することで、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に応える際には、必要部分のモジュール回路基板を交換するだけでよくなる。
【0137】
また、何れの回路モジュールについても、共通のオペレーションシステムOSが組み込まれるCPU(中央演算処理部)100とI/O部200とを具備しており、CPU100が使用するアプリケーションソフトウェアを書き換えることで、回路モジュールの機能を更新することができる。個々のCPU100による制御機構は、共通のオペレーションシステムOSが組み込まれ共通のアーキテクチャで構築されているので、仕様変更などがあった場合に、効率的に仕様変更に答えることができる。特に、仕様変更に答える際に、プログラム更新対象部分が複数の制御系統に及ぶ場合には、共通OSが組み込まれている点を利用してプログラムを書き換える仕組みを利用することで、より効率的かつ柔軟に、アプリケーションプログラムを更新することができる。
【0138】
なお、基板コネクタを介さず、ワイヤハーネスおよびコネクタを介してマザーボードとドータボードとを接続してもよい。また、たとえば、CPU基板やビデオ基板とマザーボードとの間、あるいはビデオ基板とプリントエンジン(ROS)30との間の電気伝送のバス伝送路を、プラスチック光ファイバPOF(Plastic Optical Fiber )やシート状の光伝送バス(以下光シートバスという)などの光伝送媒体にて構成してもよい。
【0139】
ここで、光シートバスとは、拡散光学系を有する平面導波路の端面に信号光を入射し、平面導波路内に信号光を拡散させることにより、対向端部から複数の信号光を出力する光伝送部材である。この光シートバスを使用すると、信号光は、平行平板の端部で拡散され平面導波路に入射し、拡散した信号光は平面導波路内の上下の面で全反射を繰り返しながら、入射部と対向する多数の出射部に伝送される。
【0140】
したがって、1対1の片方向通信を基本とする光ファイバの応用とは異なり、たとえば、1)平面導波路の対向端部の各々に配置した複数のノード間で、N対Nの伝送を行なうマルチキャスト伝送が可能、2)平面導波路の対向端部の各々に配置したノード間でどちらの方向からも伝送する双方向伝送が可能、3)平面導波路を積層化することで、伝送路を多ビット化するマルチチャネル伝送が可能、などの利点を光シートバスは有する。
【0141】
また、平面導波路のコア層が、たとえば厚さ1mm程度のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの光学樹脂シート材で構成できるので、受発光素子(前例では、変換部444,464)との結合が容易である。たとえば、シングルモード光ファイバや光導波路と受発光素子の結合で実施されているような信号光の強度をモニタリングして実装するアクティブアライメントではなく、受発光素子を駆動せずに位置を合わせるパッシブアライメントが可能である。このパッシブアライメントを利用すれば、低コスト化や量産化に適した簡易的な実装が可能となる。
【0142】
このように、光伝送媒体を基板間の信号伝送インタフェースに利用することで、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題あるいは波形鈍りに起因する問題を解消しつつ配線長の長距離化を実現することができる。加えて、光シートバスを採用すれば、伝送速度の高速化やノード数の増加などを実現することもできる。
【0143】
たとえば、基板分割して、レイアウトに自由度を持たせる際、単純に分けたのでは、インタフェースのための信号線が増え実装が難しくなる。また、高速信号がメタリックワイヤ(たとえば銅線)を走るので、波形鈍りやEMIなどの問題も生じる。これに対して、光伝送技術を利用することで、波形鈍りやEMIなどの問題から解消される。また、光シートバスを利用すれば、実装上の問題が解決される。これにより、基板配置の制約が緩和される。
【0144】
図7および図8は、光伝送技術を利用したインタフェース機構を採用する場合における具体的な基板構成例を示した図である。CPU基板やI/O基板は、図示しないマザーボードに搭載されている。なお、図中、オプション用の“SFM”はセカンドフィードモジュール(Second Feeder Module)、“HCF”はハイキャパシティフィーダ(Hi Capacity Feeder)である。
【0145】
図7に示す第1例および図8に示す第2例の何れにおいても、ビデオ基板とのインタフェースを光ファイバOF(Optical Fiber )を利用することとし、IOTモジュール2用のマザーボードからビデオ基板を離すようにしている。また、このビデオ基板を、Sys部85用のCPU基板やI/O基板とともに電気ボックス(ELEC.BOX)に収容するようにしている。
【0146】
また、図7に示す第1例では、ビデオ基板とプリントエンジン(ROS)30との間、およびDFE装置とビデオ基板との間を通常のプラスチック光ファイバPOF(Plastic Optical Fiber )にて接続している(図2も参照)。また、CPU基板やI/O基板とビデオ基板の間を、光シートバスを利用して接続している。光シートバスへの結合にはプラスチック光ファイバPOFを利用している。なお、図示した例では、電気ボックス(ELEC.BOX)内のマザーボード上において光シートバスを配するボードレベルインターコネクションとしているが、CPU基板やI/O基板とビデオ基板との間の略全体に対して光シートバスを利用するようにしてもよい。
【0147】
これに対して、図8に示す第2例では、IOTモジュール2用のCPU基板についても、IOTモジュール2用のマザーボードから離して、ビデオ基板やSys部85用のCPU基板やI/O基板とともに電気ボックス(ELEC.BOX)に収容するようにしている。
【0148】
そして、電気ボックス(ELEC.BOX)内にて、ビデオ基板とIOTモジュール2用のCPU基板との間を、光シートバスを利用して接続している。また、IOTモジュール2用のCPU基板とIOTモジュール2用のI/O基板が搭載されたマザーボードとの間は、プラスチック光ファイバPOFの束(Optical Fiber Bus )にて接続している。なお、光シートバスへの結合にプラスチック光ファイバPOFを利用している点は第1例と同じである。
【0149】
図9は、光ファイバ410などの光伝送媒体を用いて基板インタフェースを採る方法を説明する概念図である。たとえば、リセット(Reset )、ページ同期信号(Page Sync )、あるいはライン同期信号(Line Sync )などの、略リアルタイムな制御を必要とする信号に関しては、光ファイバ410ではなく、従来と同様にメタリック線を用いたホットラインを介して、並列ビットデータのまま伝送する。
【0150】
一方、略リアルタイムな制御を必要としないその他の制御データ信号やビデオデータ信号、あるいはシリアルデータにて対応可能なものについては、光ファイバ410を用いた接続インタフェース機能を備えた光インタフェース部400により、基板間における電気信号の伝送を採ることとする。光インタフェース用の発光素子としては、たとえば面発光型半導体レーザ(VCSEL)などレーザ光を発するものを用いることができる。
【0151】
また、伝送対象信号線の数の低減のため、電送信号をパラシリ変換してから光伝送し、受光側にてはシリパラ変換して元の信号に戻すようにする。さらに、光ファイバ410や光源の寿命対策として、交換の容易化を図る。このため、光ファイバ410と回路モジュールとの間は基板コネクタや光コネクタを利用してドッキング接続する。たとえば、インタフェース基板を設け、そこに光源や光コネクタなどを配置する。これは、光源や光ファイバの寿命がマシンのライフに比べて短く、交換の必要あるためである。
【0152】
たとえば、CPU基板側においては、所定ビット幅、所定駆動周波数のデータ信号が、CPUモジュール内のパラ/シリ変換やシリ/パラ変換の双方向変換機能を備えた変換部402によりN:1にパラレル/シリアル変換された後、電気/光変換や光/電気の双方向変換機能を備えた光電変換部404により電気信号が信号光に変換されて、その信号光が光コネクタ406に入力される。そして、光コネクタ406は、光ファイバ410に装着された光コネクタと勘合することで、光ファイバ410と光学的に結合される。
【0153】
信号光は、この光ファイバ410により伝送された後、光コネクタ426を介して電気/光変換や光/電気の双方向変換機能を備えた光電変換部424に入射され、この光電変換部424により信号光が電気信号に変換される。そしてさらにパラ/シリ変換やシリ/パラ変換の双方向変換機能を備えた変換部422により1:Nにシリアル/パラレル変換されてIOTコア部20のビデオ基板427に送られる。同様にビデオ基板427からのデータ信号も同様の流れで、同一の伝送路を介してCPU100に伝送される。
【0154】
パラレル/シリアル変換した後の信号光を光ファイバ410にて伝送するようにしたので、必要となるファイバ数を少なくすることができるので、実装が容易となる。なお、変換部402,422によりパラ/シリ変換やシリ/パラ変換に際しては、レイテンシ(クロック遅延)に注意する。
【0155】
たとえば変換部402,422によるパラ/シリ変換やシリ/パラ変換に起因するクロック遅延を補償する遅延補償部を設ける。そして、変換に際して7クロック分の遅延を生じる場合、この遅延補償部により、トータルで14クロック分のズレを相殺する仕組みを講じる。なお、実際には、遅延時間を時間的に先に戻すことはできないので、後段の処理系統にて使用する処理パルスなどを所定分だけ遅延させる仕組みを講じる。たとえば、図9(B)に示すように、CPU基板からビデオ基板に入力される処理パルスを所定クロック分だけ遅延させる遅延補償部429を設けるとよい。
【0156】
また、基板コネクタ、電気/光変換および光/電気の双方向変換機能を備えた変換部404,424、並びに光コネクタ406,426をそれぞれIF基板上に配置すれば、光源不良が生じた際には、基板コネクタおよび光コネクタ部分にてIF基板を交換することで対応を取ることができる。また、光ファイバに不良が生じた際には、光コネクタにて光ファイバを交換することで対応を取ることができる。
【0157】
図10は、電気信号の光シートバスへの結合方法を説明する概念図である。たとえば、データ信号ビット幅64、駆動周波数200MHzのCPU、メモリを用いた場合のCPUからのデータ信号を、CPUモジュール内の電送I/F部(パラシリ/シリパラ変換部)442により8:1にパラレル/シリアル変換した後、電気/光変換部(光電変換部)444により電気信号を信号光に変換して、光シートバス450に光学的に結合する。光シートバス450の拡散部によりマルチキャストされた信号光は、64ビットに対応する8層の平面導波路の各層を1.6Gbpsで伝送された後、電気/光変換部464により信号光が電気信号に変換され、さらに電送I/F部462により1:8にシリアル/パラレル変換されて他の回路モジュールに送られる。
【0158】
同様に、他の回路モジュールからのデータ信号も同様の流れで、同一の伝送路を介してCPUにマルチキャストされる。また、CPUから他の回路側へ、他の回路からCPU側へのデータ伝送は、同一伝送路内で同時に可能(双方向伝送可能)である。このためには、光シートバス450の双方向性だけでなく、電送I/F部442,462や電気/光変換部444,464も双方向性を有するものとする。さらに波長多重などの多重伝送技術を用いることで、同一の伝送路内に入力される信号の多重化により複数のCPU−他回路間でのマルチアクセスも可能となる。
【0159】
なお、電気/光変換部444と光シートバス450との間の光学的結合に当たっては、基板上に配した電気/光変換部444の受発光素子と直接に光シートバス450の入射端面や出射端面を対向させる形態の他、図10(B)に示すように、電気/光変換部444の受発光素子と光シートバス450との間にプラスチック光ファイバPOF芯線(入射POF芯線452や出射POF芯線454)を介在させる光分岐器の形態がある。図7や図8に示した形態は、図10(B)に示す形態を利用したものである。
【0160】
そして、この図10(B)に示す形態を利用して回路モジュールを接続するには、たとえば図10(C)に示すように、種々の回路部品が搭載されたマザーボード上に、光配線基板456を配する(略ベタ付けで)とともに、個々の回路モジュールに対応するドータボード458を基板コネクタを介して立設する。光配線基板456上には、光シートバス450を敷設する。そして、この光シートバス450とドータボード458との間を、入射POF芯線452や出射POF芯線で接続する。
【0161】
ドータボード458に電気/光変換部444,464を配置することで、このドータボード458上の回路との電気信号の伝送が採られる。また、ドータボード458に光コネクタ468を配すれば、たとえばIOTモジュール2との間の電気信号の伝送を、プラスチック光ファイバPOFなどで採ることもできる。
【0162】
このように、回路モジュールや基板を光伝送技術を利用して接続するようにすれば、バスラインを伸ばしても、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題あるいは波形鈍りの問題を生じることなく、モジュール間や回路間を接続することができる。この結果、回路モジュールを設置する場所の制約から開放される(レイアウト自由化)ので、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することができるようになる。
【0163】
たとえば、ビデオ系とCPU系やI/O系とを光インタフェースにて接続することで、CPU系やI/O系をプリントエンジン30(ROS)に近い所に配置しつつ、ビデオ系をプリントエンジン30(ROS)から離した所に配置することができる。たとえば、ユーザインタフェース装置8用のボックスに配されるビデオ信号I/F部側にビデオ回路を配置することができる(図7の形態)。また、CPU系とI/O系とを光インタフェースにて接続することで、I/O系をプリントエンジン30(ROS)に近い所に配置しつつ、CPU系についても、プリントエンジン30(ROS)から離した所、たとえばビデオ系用のCPU系であればビデオ系の配される場所と同一場所に配置することができる(図8の形態)。したがって、IOTコア部20とこのIOTコア部20を制御する部分とを別筐体とすることもできる。
【0164】
また、光インタフェース化のため信号線を1箇所に集中させることになるので、EMI対策が容易にもなる。加えて、基板コネクタや光コネクタを利用して光インタフェースを採るようにすれば、光源や光ファイバに不良が生じた際の交換が容易で、メンテナンス性も向上する。さらに、メタリックインタフェースではないので、電源の電圧降下もなくなる。従来は、電源部から離れたバックパネルにIOTコア部20用などの回路部材を配してメタリックインタフェースで接続していたため、電源部とバックパネルの間のドロップがあり問題となっていたのと大きな違いである。
【0165】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0166】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0167】
たとえば、上記実施形態では、記録媒体上に可視画像を形成する主要部であるプリントエンジンとして電子写真プロセスを利用するものに対して、本発明を適用した事例を説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されない。たとえば感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいはその他の同様な従来の画像形成機構を備えたエンジンにより普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する構成の画像形成装置に本発明を適用し得る。
【0168】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、電子写真プロセスを利用したプリントエンジンを備える印刷装置(プリンタ)を例に説明したが、画像形成装置は、これに限らず、カラー複写機やファクシミリなど、記録媒体上に画像を形成するいわゆる印刷機能を有するものであればよい。
【0169】
また、上記実施形態では、入力された画像データに基づいて画像を所定の記録媒体に形成して出力する画像形成部を備えた画像形成装置において、機能モジュール回路間の電気信号伝送を、光伝送媒体を用いて採る仕組みについて説明したが、上述の光伝送媒体を用いて電気信号の伝送を採る手法は、画像形成装置に限らず、複数の回路モジュールを備えた装置であれば、どのような装置に対しても適用可能である。
【0170】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機能モジュール回路間の信号伝送を光伝送媒体を用いて採る構成としたので、複数の機能モジュール回路の間を離しても、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることがない。
【0171】
したがって、たとえば従来であればプリントエンジンの近傍に配置せざるを得なかったビデオ回路をプリントエンジンから離れた場所に移設することができるなど、機能モジュール回路の配置場所の自由度が格段に広がる。これにより、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第2実施形態を示す図である。
【図3】第1実施形態の画像形成システムと第2実施形態の画像形成システムとの差を説明する図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図5】図4に示した画像形成装置の回路モジュールの構成例を示す図である。
【図6】図5に示した回路モジュールの組合せ例を図2に示した画像形成装置に適用した場合における具体的な基板構成例を示した図である。
【図7】光伝送技術を利用したインタフェース機構を採用する場合における基板構成の第1例を示した図である。
【図8】光伝送技術を利用したインタフェース機構を採用する場合における基板構成の第2例を示した図である。
【図9】光伝送媒体を用いて基板インタフェースを採る方法を説明する概念図である。
【図10】電気信号の光シートバスへの結合方法を説明する図である。
【図11】従来の画像形成装置の一例を備えた画像形成システムの概略を示す図である。
【図12】図11に示した画像形成装置の回路モジュールの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…IOTモジュール、5,6…フィードモジュール、7…出力モジュール、8…ユーザインタフェース装置、9,9a,9b…連結モジュール、20…IOTコア部、30…プリントエンジン、31…光走査装置、32…感光体ドラム、39…電気系制御収納部、43…中間転写ベルト、45…2次転写部、70…定着器、80…GUI部、100…CPU、200…I/O部、400…光インタフェース部、402,422,442,462…変換部(パラシリ、シリパラ)、404,424,444,464…光電変換部、406,426…光コネクタ、遅延補償部429、450…光シートバス、452…入射POF芯線、454…出射POF芯線
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力された画像データに基づいて画像を所定の記録媒体に形成して出力する画像形成部など、所定の処理をする処理装置に関する。より詳細には、処理装置内または処理装置間の回路モジュール間における電気信号の伝送に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ装置や複写装置などの印刷機能を備えた画像形成装置が様々な分野で使用されている。また、今日では、画像形成装置がカラー化され、ユーザの様々な表現手段として利用されるようになってきている。たとえば、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を用いたカラーページプリンタ装置は、高品質な画質あるいは高速プリンティングの点で注目されている。
【0003】
一方、印刷機能という点では、家庭内での個人ユースやオフィスでのビジネスユースといった比較的小規模(たとえば1ジョブが数枚〜数十枚程度)の印刷出力を要求されるものと、製本などの印刷業界で使用される比較的大規模(たとえば1ジョブが数千枚以上)の印刷出力を要求されるものとに大別される。前者の比較的小規模の印刷出力を要求されるものにおいては、その多くが(たとえば孔版印刷を除いて)、印刷データを受け取り版下を生成せずに印刷物を出力する。一方、後者の比較的大規模の印刷出力を要求されるものにおいては、従来は、印刷データに基づいて版下を生成し、この生成した版下を使用して印刷物を出力していた。
【0004】
ところが、今日では、DTP(DeskTop Publishing/Prepress)の普及による印刷工程の変化、いわゆる「印刷のデジタル革命」により、DTPデータから直接印刷する「ダイレクト印刷」もしくは「オンデマンド印刷」(以下オンデマンドプリンティングという)が着目されている。このオンデマンドプリンティングでは、従来の印刷(たとえばオフセット印刷)における写植などの紙焼き(印画紙)、版下、網ネガ、網ポジ、PS版などの中間成果物を生成せずに、プリプレス工程を完全にデジタル化することで電子データだけに基づいて印刷物を出力する仕組み(CTP;Computer To Print or Paper)が取られている。そして、このオンデマンドプリンティングの要求に対して、電子写真プロセスを用いた印刷機能が着目されている。
【0005】
図11は、従来の画像形成装置の一例を備えた画像形成システムの概略を示す図である。ここで、図11(A)は、システムの全体構成図であり、図11(B)における(B1)〜(B3)は、ユーザインタフェース装置の詳細を示す図である。
【0006】
この画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE(Digital Front End Processor )装置とから構成されている。
【0007】
画像形成装置1は、電子写真プロセスを利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、IOT(Image Output Terminal)モジュール2、フィード(給紙)モジュール(FM;Feeder Module )5、出力モジュール7、ユーザインタフェース装置8、およびIOTモジュール2とフィードモジュール5とを連結する連結モジュール9を備えている。
【0008】
DFE装置は、プリンタコントローラ機能を備えており、たとえば図形、文字などの拡大、回転、変形などが自由に制御できるページ記述言語(PDL:PageDescription Language )で記述された印刷データをクライアント端末から受け取り、この印刷データをラスターイメージに変換(RIP処理;Raster Image Process)し、さらにRIP処理済みのイメージデータおよび印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報(ジョブチケット)を画像形成装置1に送り、画像形成装置1のプリントエンジンや用紙搬送系を制御して、画像形成装置1に印刷処理を実行させる。つまり、画像形成装置1の印刷動作は、DFE装置によるプリンタコントローラ機能によって制御される。
【0009】
印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(以下纏めてYMCKという)分が画像形成装置1に送られる。
【0010】
ユーザインタフェース装置8は、オペレータと画像形成装置1との分かり易い対話を支援するもので、このような操作性の向上を図るため、図11(B)にその詳細を示すように、カラーディスプレイ8aとその横にハードコントロールパネル8bとを備える。そして、カラー表示の工夫によりユーザへ見やすく判りやすいメニューを提供するとともに、カラーディスプレイ8aにタッチパネル893を組み合わせて画面のソフトボタンで直接アクセスできるようにしている。タッチパネル893は、CRT891のフェース部を囲むベゼル892部分に取り付けられている。ハードコントロールパネル8bのハードボタンとカラーディスプレイ8aの画面に表示したソフトボタンに操作内容を効率的に配分することにより操作の簡素化、メニュー画面の効率的な構成を可能にしている。
【0011】
このカラーディスプレイ8aとハードコントロールパネル8bとの裏側には、モニタ制御や電源用の基板894、ユーザインタフェース装置8用のエンジン基板895、CRT891のドライバ基板896などが搭載され、ハードコントロールパネル8bは、カラーディスプレイ8aの面よりさらに中央の方へ向くような角度を有している。また、カラーディスプレイ8aおよびハードコントロールパネル8bは、図示のようにベースマシン890(装置本体;本例では連結モジュール9)上に直接でなく、ベースマシンに支持アーム8cを立ててその上に取り付けられている。
【0012】
IOTモジュール2は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が搭載されるようになっている。
【0013】
IOTコア部20は、光走査装置31や感光体ドラム32などを有するプリントエンジン(印字ユニット)30を前述の色成分に対応する色ごとに備えており、このプリントエンジン30をシート搬送方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。またIOTコア部20は、プリントエンジン30を制御する電気回路あるいは各モジュール用の電源回路などを収容する電気系制御収納部39を備える。
【0014】
さらに、IOTコア部20は、画像転写方式として、感光体ドラム32上のトナー像を1次転写器35にて中間転写ベルト43に転写(1次転写)し、その後、2次転写部45にて中間転写ベルト43上のトナー像を印刷用紙に転写(2次転写)する方式を用いている。このような構成では、YMCKの各色トナーにより画像形成を各別の感光体ドラム32上に行なって、これトナー像を中間転写ベルト43に多重転写しその後所定の印刷用紙に転写することでカラー画像を得るようにする。
【0015】
たとえば、プリントエンジン30では、先ず光走査装置31が画像情報により変調されたレーザ光で帯電済みの感光体ドラム32上の被走査面を走査露光し感光体ドラム32上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、YMCK各色のトナーがそれぞれ供給される現像器34によってトナー像として可視画像化され、このトナー像は、1次転写器35で中間転写ベルト43上に転写される。
【0016】
この中間転写ベルト43への転写に合わせて、フィードモジュール5では用紙トレイ52から印刷用紙を引き出してIOTモジュール2の第1搬送路47に渡す。第1搬送路47は位置合わせ機能(Regi/Aligner)を有しており、受け取った印刷用紙の書込位置を合わせて2次転写部45に印刷用紙を供給する。
【0017】
中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、所定のタイミングでフィードモジュール5から搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48で定着器(Fuser )70まで搬送され、この定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、スタッカ(排紙トレイ)74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路76に引き出され、IOTモジュール2の反転搬送路49に渡される。
【0018】
図12は、図11に示した画像形成装置1の回路モジュールの構成例を示す図である。図示するように、回路モジュールとしては、IOTコア部20用の回路モジュールとフィードモジュール5用の回路モジュールとに分けられている。IOTコア部20用の回路モジュールは電気系制御収納部39に収容され、フィードモジュール5用の回路モジュールは、フィードモジュール5内に収容される。
【0019】
IOTコア部20用の回路モジュールは、画像形成(イメージデータの生成や加工など)に関わる主要部であるマーキング部MK、用紙搬送に関わる給紙制御部PH、定着器70の制御に関わる定着部FU、印刷済みの用紙を機外へ排出する部分に関わる排紙部EX、IOTコア部20内の各部を制御するIOTコントロール部CT、これらの各部に電力を供給する電源回路PWなどを含んでいる。
【0020】
前述の各部は、回路基板PWB(Printed Wiring Board)に搭載され、また、IOTコントロール部CTと前述の各部とがドライバ回路を介して接続されるようになっている。また、IOTコア部20用の回路モジュールは、I/Fコントロール部を介してユーザインタフェース装置8と接続されるようになっている。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、今日では、画像形成処理(プリント処理)のさらなる高性能化や高速化の要求がある。たとえば、DFE装置が備えるプリンタコントローラは、高速/高性能CPUの搭載により、プリントエンジンのスピードを生かす高速データ生成を可能にし、印刷指示からプリント出力までトータルの生産性をサポートした高速フルカラープリント、たとえば、100枚〜200枚/分以上のカラー印刷に対応するシステムを可能とするものが提案されつつある。
【0022】
この高性能化や高速化の要求に応えるには、DFE装置の対応のみならず、画像形成装置1も高速化・高性能化・多機能化が必要となる。たとえば、4色の色材を使用する4版タンデム構成のものを5色(あるいはそれ以上)の色材を使用する5版(あるいはそれ以上の)タンデム構成とする要求、100枚〜200枚/分以上の高速処理仕様への対応などである。また、1つの装置を、要求される仕様に応じて適宜切り替えたいという要求もある。
【0023】
しかしながら、従来の画像形成装置1では、このような要求に応えるのが難しくなってきている。たとえば、前述のように、画像形成装置1を構成する回路の大部分が、IOTコア部20用の回路モジュール内に収容されるようになっており、処理制御機構がほぼ1ユニットで構成されている。
【0024】
この構成において、高速化・高性能化・多機能化への対応をとる場合、変更がたとえ一部の回路に対するものであっても、その都度、IOTコア部20用の回路モジュール全体の交換や、その回路モジュール基板PWBの設計変更が必要となり、結果として、さらなるコストアップを招く。
【0025】
また、高速・高機能化のために回路構成を大きくする必要が生じた場合、1つの回路モジュール基板PWB内に新規回路が収まらない事態も生じる。電気系制御収納部39は、実際には余裕がないので、この新規回路用の基板を収容しきれないことにもなる。この場合、たとえば図11に示したユーザインタフェース装置8の近傍などへ、新規回路基板や既存の回路基板を移設することで対応を採ることも考えられる。
【0026】
しかしながら、回路基板を他の場所へ移設すると、回路の接続線に使用している銅線などの金属線から、不要信号が放出されることで、EMI(ElectroMagnetic Interference;電磁界干渉)やEME(ElectroMagnetic Emission;電磁放射)の問題が生じ得る。また、信号線を延ばすことで負荷容量が増え、波形鈍りが生じ、画像品質が低下する、あるいは制御タイミングがずれることで適切な駆動制御ができない、などの問題を招く。
【0027】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることなく、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することのできる処理装置を提供することを目的とする。
【0028】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明に係る処理装置は、画像を所定の記録媒体に形成する画像形成装置など、所定の処理をする処理装置であって、処理装置のそれぞれの機能部分に応じた複数の機能モジュール回路の間の電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る光インタフェース部を備えたものとした。
【0029】
ここで、「電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る」とは、電気信号を信号光に変換し、変換された信号光を光伝送媒体内に通過させることで、信号の伝送を採ることを意味する。
【0030】
たとえば、機能モジュール回路の各々が、それぞれ異なる回路基板に搭載されている形態では、光インタフェース部は、それぞれの回路基板の間において、電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る。
【0031】
光伝送媒体としては、プラスチック光ファイバやシート状の光伝送バスなどを使用するのがよい。
【0032】
また従属項に記載された発明は、本発明に係る処理装置のさらなる有利な具体例を規定する。
【0033】
【作用】
上記構成の処理装置において、光インタフェース部は、処理装置のそれぞれの機能部分に応じた機能モジュール回路間の電気信号の伝送を光伝送媒体を用いて採る。
【0034】
電気信号を信号光に変換し、変換された信号光を光伝送媒体内に通過させることで信号の伝送を採ることとすれば、複数の機能モジュール回路の間を離しても、電磁界干渉や電磁環境適合性の問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることがない。したがって、機能モジュール回路の配置場所の自由度が格段に広がる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0036】
図1は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第1実施形態を示す図である。ここで、図1(A)はシステム構成の概略図、図1(B)は、ユーザインタフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。
【0037】
この画像形成システムは、画像形成装置1と、この画像形成装置1に印刷データを渡し印刷指示をする端末装置であるDFE装置とから構成されている。
【0038】
画像形成装置1は、電子写真プロセス(ゼログラフィ)を利用して画像を所定の記録媒体に記録するもので、従来装置のIOTモジュール2に設けられていた定着器を出力(Exit)モジュール7に移設した構成となっている。
【0039】
すなわち、この画像形成システムにおける画像形成装置1は、IOTモジュール(IOT本体)2と、フィード(給紙)モジュール5と、出力モジュール7と、パソコン(PC)などのユーザインタフェース装置8とを備える。なお、フィードモジュール5は、多段構成としてもよい。また、必要に応じて、各モジュール間を連結する連結モジュールを設けてもよい。
【0040】
また、出力モジュール7の後段に、さらにフィニッシャ(Finisher;後処理装置)モジュールを接続してもよい。フィニッシャモジュールとしては、たとえば、用紙をスタック処理をし、そのコーナ部の1個所または一辺の2個所以上を綴じるステープラを備えたもの、あるいはファイリング用のパンチ孔を穿設するパンチング機構を備えたものなどがある。このフィニッシャモジュールは、ユーザインタフェース装置8との接続が切られたオフライン状態でも使用可能とすることが望ましい。
【0041】
画像形成装置1は、モジュール単位で、自由に取替可能になっている。特に、本実施形態の画像形成装置1は、IOTモジュール2と出力モジュール7とを別のモジュールとして構成したので、高速化・高性能化・多機能化への対応をとる場合において、何れか一方のみの変更で対応可能であれば、その一方のみを交換するだけでよくなる。
【0042】
DFE装置は、フロントエンドプロセッサFEP(Front End Processor )部を備えている。DFE装置と画像形成装置1とは、独自のインタフェースであるDDI(Direct Digital Interface)にて接続される。フロントエンドプロセッサFEP部は、フロントエンジンによるROP(Raster OPeration)処理によりクライアント(Client)からのデータをラスタデータに変換(RIP処理)し、その変換後のラスタ画像を圧縮処理する機能に加え、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備える。DFE装置には、画像形成装置1とのインタフェース用のDDI基板が搭載され、ROP処理部やプリンタコントローラ部などがこの基板上に配される。
【0043】
IOTモジュール2の高速処理に対応可能なようにRIP処理や圧縮処理が高速処理対応になっている。たとえば、DFE装置が備えるプリンタコントローラは、高速/高性能CPUの搭載により、プリントエンジンのスピードを生かす高速データ生成を可能にし、印刷指示からプリントまでトータルの生産性をサポートした、高速フルカラープリントが可能なものである。たとえば、100枚/分以上のカラー印刷に対応するシステムを可能とする。
【0044】
ユーザインタフェース装置8は、キーボード81やマウス82などの入力デバイスを有し、CRT84の表示面上にユーザに画像を提示しつつ指示入力を受け付けるGUI(Graphic User Interface)部80を備えるとともに、その本体83内に画像形成装置1の各モジュールやDFE装置との間の接続インタフェース機能や制御機能をなすSys(システム制御)部85を備える。図11に示した従来装置におけるモニタ制御や電源用の基板894あるいはエンジン基板895などユーザインタフェース装置8用の基板類も本体83内に収容される。
【0045】
このユーザインタフェース装置8は、図11に示した従来装置と異なり、装置本体(本例では連結モジュール9)上に直接に載置されている。また、従来装置におけるタッチパネルを利用する画面に表示したソフトボタンやハードコントロールパネル8bの機能は、キーボード81やマウス82に置き換わっている。勿論、本実施形態においても、ユーザインタフェース装置8の表示面にタッチパネルを組み合わせてもよい。
【0046】
ユーザインタフェース装置8には、画像形成装置1を操作するための制御ソフトウェアが組み込まれている。このユーザインタフェース装置8は、画像処理の機能を備えたDFE装置と接続されており、たとえば、RIP(Raster Image Process)処理済みの印刷データ、および印刷枚数や用紙サイズなどの印刷制御情報をDFE装置から受け取り、要求された印刷処理を画像形成装置1に実行させる。
【0047】
印刷データとしては、カラー印刷用の基本色である、イエロ(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)の3色と、ブラック(K)とを合わせた4色(YMCK)分がある。また、この4色に加えて、第5の色成分、たとえばグレイ(G)分を含めてもよい。
【0048】
ユーザインタフェース装置8の制御ソフトウェアは、DFE装置からの印刷制御情報(印刷コマンド)を画像形成装置1内のインタフェース部を介して受け取り、DFE装置の制御の元にSys部を介して画像形成装置1の印刷動作を制御する。また、たとえば、コレーション(Collation )設定による複数部出力やプリントアウト後もう1枚欲しいときのリプリントなど、DFE装置に保持しておいたRIP処理済みのデータを利用することで、効率的な高速出力を可能としている。
【0049】
図2は、本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第2実施形態を示す図である。ここで、図2(A)はシステム構成の概略図、図2(B)は、ユーザインタフェース装置の詳細との関係における接続例を示す図である。
【0050】
DFE装置からフロントエンドプロセッサFEP部用に設けられたDDI用基板を取り除くとともに、ユーザインタフェース装置8にて画像形成装置1に依存した処理(エンジン特性に依存した処理)の制御機能を果たすようにするとともに、IOTコア部20やフィードモジュール5,6あるいは出力モジュール7などとのインタフェース基板をユーザインタフェース装置8と画像形成装置1との間に設けた点が、図1に示した第1実施形態と異なる。DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部は、画像形成装置1に依存した印刷制御機能を果たすプリンタコントローラ機能を備えておらず、主にRIP処理のみをする。
【0051】
DFE装置とユーザインタフェース装置8やIOTコア部20との間は、それぞれの機能モジュール回路の間の電気信号の伝送を、光伝送媒体を用いて採る構成とする。
【0052】
このような構成におけるユーザインタフェース装置8の画像形成装置1に依存した処理の制御機能を果たすプリンタコントローラ機能部分と接続インタフェースに関わる部分とを纏めてバックエンドプロセッサBEP(Back End Processor)部という。結果として、第2実施形態の構成におけるユーザインタフェース装置8は、第1実施形態のGUI部80と、IOTコア部20などエンジン特性に応じた制御するプリンタコントローラ機能部分とを含むようになっている。
【0053】
DFE装置では、クライアントで生成されたコードデータをフロントエンジン側のRIP処理でラスタデータ化し、圧縮処理を施す。DFE装置側のフロントエンドプロセッサFEP部は、IOTコア部20に対して比較的疎(ほぼ独立に動作可能)な関係にあり、フロントエンドプロセッサFEP部とバックエンドプロセッサBEP部との間の電気信号の伝送は汎用のネットワークによる疎結合で接続される。
【0054】
たとえば、図2(A)に示すように、DFE装置とバックエンドプロセッサBEP部との間は、たとえば通信速度が1GBPS(Giga Bit Per Sec)程度の汎用の通信プロトコルによる高速有線LAN(Local Area Network)などで接続するとよい。印刷ファイルは、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりフロントエンドプロセッサFEP部からバックエンドプロセッサBEP部へファイル転送される。
【0055】
これに対して、バックエンドプロセッサBEP部と画像記録部の一例であるIOTコア部20との間の電気信号の伝送は、IOTコア部20に対して比較的密な関係にある、つまり、画像記録部としてのプリントエンジン30に依存した通信インタフェースで構築される。たとえば、専用の通信プロトコルで接続される。
【0056】
DFE装置からバックエンドプロセッサBEP部には、RIP処理が施されたラスタベース画像を含む印刷ファイルデータが送られる。印刷ファイルデータとしては、TIFF(Tagged Image File Format)フォーマットなどのラスタベースの画像ファイルデータの他、印刷部数、両面/片面、カラー/白黒、合成印刷、ソートの有無、ステープラの有無など印刷制御情報などが含まれる。
【0057】
バックエンドプロセッサBEP部には、DFE装置から受け取った印刷制御情報に基づいてコマンドコード(Command Code)を生成し、画像形成装置1内の各部の処理タイミングをエンジン特性に応じて制御するコントローラも設けられる。また、バックエンドプロセッサBEP部は、IOTモジュール2やフィードモジュール5,6あるいは出力モジュール7などのエンジン特性に適合するようにスプール(Spool)処理を完結させてからIOTモジュール2に画像データを渡す。バックエンドプロセッサBEP部は、エンジン特性に依存した制御処理をする。また、エンジン特性に依存した紙詰まりなどのリカバリ処理を自動的に行なう。
【0058】
たとえば、クライアントからの指示をフロントエンドプロセッサFEP部で判断し、IOTコア部20や定着器70あるいはフィニッシャ部などの画像形成装置1の各部に依存せず専らフロントエンドプロセッサFEP部のみで処理可能なものはフロントエンドプロセッサFEP部で処理し、画像形成装置1の各部に依存するものであってバックエンドプロセッサBEP部で行なうべき処理はバックエンドプロセッサBEP部側へコマンドをスルーさせる。
【0059】
たとえば、回転(Rotation)、1枚の用紙内へのページ割付(N−UP)、リピート処理、用紙サイズ合わせ、デバイス差を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)、解像度変換、コントラスト調整、圧縮率指定(低/中/高)などのRIP処理と関わりのある処理は、フロントエンドプロセッサFEP部にて処理し、その制御コマンドをバックエンドプロセッサBEP部へは通知しない(非通知)。
【0060】
一方、コレーション(帳合い)、両面印刷、スタンプ・パンチ・ステープラなどのフィニッシャ装置あるいは用紙トレーと関わりのある位置合わせ処理、排出面(上下)合わせ、グレーバランスや色ズレ補正などのキャリブレーション処理、スクリーン指定処理など、画像形成装置1の処理特性と関わりの強いもの(IOT依存の処理)に関しては、その制御コマンドをフロントエンドプロセッサFEP部はスルーすることで、バックエンドプロセッサBEP部にて処理する。
【0061】
なお、用紙サイズ合わせに関しては、フロントエンドプロセッサFEP部だけでなく、バックエンドプロセッサBEP部にても処理してもかまわない。
【0062】
このように、第2実施形態の構成では、画像データがTiffなどの圧縮データとして、たとえばFTP(File Transfer Protocol)などによりユーザインタフェース装置8側にファイル転送される。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部側は1つのジョブ(JOB)をエンジン特性に依存せずRIP処理した順にバックエンドプロセッサBEP部側へ一方的に転送し、バックエンドプロセッサBEP部側で印刷用にページ再配置をする。
【0063】
この第2実施形態の構成によれば、DFE装置はエンジン特性に応じた煩雑な処理から開放されるので、一般的なPC(パソコン)をDFE装置として使用し、このPC上にソフトウェアを搭載することによって、フロントエンドプロセッサFEP部の機能を果たすことができるようになる。
【0064】
加えて、エンジン特性に応じた煩雑な処理を担当するバックエンドプロセッサBEP部側は、RIP処理から開放され、IOTモジュール2の性能に応じて、柔軟に制御を変更することができる。
【0065】
これにより、フロントエンドプロセッサFEP部側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなくても、容易にビジネス上必要なターゲットとしたいエンジンにプリンタコントローラを提供していくことが可能になる。
【0066】
そして、フロントエンドプロセッサFEP部がプリントエンジン30に非依存であるため、ユーザはプリントエンジンを新規に購入しても従来のフロントエンドを流用することできる。また、他のメーカのフロントエンドとの接続も可能となる。つまり、汎用印刷RIPエンジンや他社のRIPエンジンが使用可能となる。
【0067】
また、フロントエンドプロセッサFEP部に必要なコマンドはフロントエンドプロセッサFEP部で処理を終え、バックエンドプロセッサBEP部が必要としているコマンドはRIP処理しながら直ちにバックエンドプロセッサBEP部側へ通知させておくようにしたので、生産性を高めることができる。すなわち、ジョブ内の全ページについてのRIP処理完了前に画像形成装置1にて印刷処理可能なページは、待ち時間を持つことなく即時に処理可能としているので、クライアントが希望する出力形態がどのようなものであっても、画像形成装置1の持つ高速性能をフルに活かすことができる。
【0068】
図3は、第1実施形態の画像形成システムと第2実施形態の画像形成システムとの差を説明する図である。ここで、図3(A)は第1実施形態のシステム構成を示し、図3(B)および図4(C)は第2実施形態のシステム構成例を示す。
【0069】
第1実施形態の接続例では、画像形成装置1の特性に合わせたRIP処理済みの画像データ(Video Data)をDFE装置からIOTモジュール2に渡す。また、画像形成装置1の高速化に際しては、高速化が進むほど、DFE装置側のコントローラにて画像形成装置1内の各部の処理タイミングを制御するのが難しくなる。このため、図3(A)に示すように、DFE装置と画像形成装置1とがほぼ密接不可分であり、個々の画像形成装置1に応じた専用のDFE装置を使用する構成とならざるを得ない。
【0070】
たとえば、ラスタデータ展開(すなわちRIP処理)や印字ユニットの制御に際し、高機能モデルのDFE装置は、高画質、高度制御を主張する業界標準コントローラを使っている。フロントエンドプロセッサFEP部側が特にエンジンの特性やノウハウを熟知していなければ、高速高機能の画像形成装置1を制御することができないが、高速高機能になるほどそれが難しくなるので、第1実施形態の構成では、画像形成装置1に合わせた専用の処理機能をなすDFE装置が必要である。このため、1台の画像形成装置1が複数のDFE装置からの印刷要求を受け付けるシステムを構築することは難しかった。
【0071】
たとえば、より高機能・高速なシステムにしようとする場合、画像形成装置1の制御方法を予め標準コントローラに知らせておき、その標準コントローラの制御の元で動作するしかない。しかしながら、高速化、高機能化させると、従来のようなコントローラや汎用のコントローラで、高速高機能の画像形成装置1の画像形成動作を制御することは難しくなる。たとえば、連続処理をしているとき、いつの時点で次のシート(印刷用紙)に対する画像形成プロセスをスタートさせるかなど、その制御がより困難になる。特に、両面印刷時には、表面の連続搬送の途中に、あるシートの裏面印刷処理を割り込ませる必要があるが、高速処理にするほどその制御は困難となる。
【0072】
これに対して、第2実施形態の構成では、DFE装置側(詳しくはフロントエンドプロセッサFEP部)は主にRIP処理機能部を担当し、ユーザインタフェース装置8(詳しくはバックエンドプロセッサBEP部)がプリンタコントローラ機能を担当する構成とすることで、画像形成用の画像データと画像形成条件(部数、片面/両面、色、ソート有無、など)とをバックエンドプロセッサBEP部が受け取り、バックエンドプロセッサBEP部にて、プリントエンジンの性能や特性に応じて、当該装置の画像形成動作を制御することができる。
【0073】
バックエンドプロセッサBEP部は従来のDFE装置のような標準コントローラの使用の制約がないので、このバックエンドプロセッサBEP部による画像形成動作の制御は、DFE装置によるものよりも高速性や拡張性に富む。したがって、第1実施形態の構成例に比べて、画像形成装置1の高速化、高機能化に柔軟に対応することが容易となる。
【0074】
また第2実施形態の構成では、DFE装置のフロントエンドプロセッサFEP部にてRIP処理をしておき、バックエンドプロセッサBEP部にて画像形成装置1に合わせたページ再配置をすることができ、DFE装置(詳しくはフロントエンドプロセッサFEP部)と画像形成装置1(詳しくはプリントエンジン)との関係はルーズ(Loosely connection)であってよい。つまり、フロントエンドプロセッサFEP部とプリントエンジンとの間が疎な関係であってよく、DFE装置にて処理としては、画像形成装置1の性能の影響を受けないRIP処理などの範囲に留めることができる。
【0075】
これにより、DFE装置の処理負担が減るので、高速処理可能な汎用コントローラを備えたDFE装置を使用することができ、トータルのシステムコストを低減することができる。加えて、汎用のDFE装置を使用できるので、図3(B)に示すように、1台の画像形成装置1が複数のDFE装置からの印刷要求を受け付けるシステム、すなわちDFE装置の台数と画像形成装置の台数とがn:1のシステムを構築することもできる。
【0076】
また、図3(C)に示すように、画像形成装置1も複数台接続したシステム、すなわち、DFE装置の台数と画像形成装置の台数とがn:mのシステムを構築することもできる。この場合、バックエンドプロセッサBEP部の後段に高速高性能の画像形成装置1と出力確認用のプルーファ(画像形成装置1の一例)など2種類の画像形成装置1を並列設置したシステム、あるいは、縦連接続して並列処理させるシステムとすることもできる。
【0077】
プルーファ接続のシステムでは、高速高機能の画像形成装置1によるダイレクト印刷に先立って、DTPデータから直接カラー校正用プリントの出力をプルーファにて行なうDDCP(Digital Direct Color Proofing )システムを構築することができる。たとえば、バックエンドプロセッサBEP部は、印刷ジョブとしてプルーフデータを受け取るとプルーフィングに適したデータ形式(たとえば低ビデオレートなど)の画像データをプルーファに出力してカラー校正用プリント出力を指令する一方、通常の印刷ジョブを受け取ると、高速高機能マシンに高ビデオレートの画像データを出力して高速高機能の印刷指示を発する。
【0078】
なお、この図3(C)に示すシステムの場合、高速高機能マシンとプルーファあるいは縦連接続された機種とのとの間の異なるカラー出力の微妙な差異(デバイス差)を補正するCMS(Colour Management System;カラー管理システム)を搭載することが望ましい。
【0079】
このように、n:1あるいはn:mのシステムとすることで、画像形成装置1の空き状況や印刷ジョブに適合した画像形成装置を選択して、効率よい出力処理をすることができるようにもなる。
【0080】
図4は、本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。この画像形成装置1は、IOTモジュール2、第1フィード(給紙)モジュール(FFM;First Feeder Module )5、第2フィードモジュール(SFM;Second Feeder Module)6、出力モジュール7と、ユーザインタフェース装置8とを備える。
【0081】
IOTモジュール2と第1フィードモジュール5との間は第1連結モジュール9aにより連結され、第1フィードモジュール5と第2フィードモジュール6との間は第2連結モジュール9bにより連結されている。またIOTモジュール2と出力モジュール7とは直接に連結されている。
【0082】
たとえば、画像形成装置の高性能化・高速化のニーズがあるが、プリントエンジンが5色やそれ以上に対応する場合、定着ユニットも複雑・大型になるので、プリントエンジンと定着部とを同一のIOTモジュール内に収容することは難しくなる。
【0083】
そこで、本実施形態の画像形成装置1は、IOTモジュール2、2つのフィードモジュール5,6、および出力モジュール7を別ユニット化して、フィードモジュールや定着部が変更されても、本体(IOTモジュール2)の変更を最小化して拡張性を向上可能としている。なお、図中、出力モジュール7の中央部に1点鎖線で示すように、出力モジュール7を、さらに定着モジュールと排紙モジュールとに分けてもよい。
【0084】
第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6には、用紙トレイ(それぞれ52,62)から印刷用紙を引き出すピックアップローラ群(それぞれ54,64)が設けられている。第1連結モジュール9aには、第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6から搬送されてきた印刷用紙をIOTモジュール2の搬送路に向けて引き渡す搬送ローラ群92が設けられている。
【0085】
出力モジュール7は、IOTモジュール2にて印刷用紙に転写された画像を定着させる定着器70、および画像の転写が完了した印刷用紙に対して排紙処理をする排紙処理装置72、印刷済みの用紙を機外へ排紙せずに一時的に保存しておく排紙トレイ74、および印刷済みの用紙をIOTモジュール2に反転状態で戻す反転路76を備えている。定着器70は、IOTモジュール2の高速処理に対応可能なように高速駆動仕様になっている。
【0086】
排紙処理装置72としては、たとえば、簡易なステープラ処理などフィニッシャ機能を備えたものとしてもよい。この排紙処理装置72は、ユーザインタフェース装置8との接続が切られたオフライン状態でも使用可能となっている。
【0087】
IOTモジュール2は、IOTコア部20とトナー供給部22とを有する。トナー供給部22には、カラー印刷用のYMCK分のトナーカートリッジ24が標準セットとして搭載されるようになっている。また、この4色に加えて、第5の色成分としてのグレイGのトナーカートリッジ24を搭載することもできるようになっている。
【0088】
IOTコア部20は、前述の色成分に対応する色ごとのプリントエンジン(印字ユニット)30を、シート搬送方向に一列に配置したいわゆるタンデム構成のものとなっている。このプリントエンジン30の現像器34には、トナーカートリッジ24から図示しない供給路(たとえばリザーブタンクなど)を経て現像剤としてのトナー(着色粉末)が供給されるようになっている。
【0089】
なお、色材色に対応した各プリントエンジン30は、たとえば暗減衰と各トナーの特性との関係、あるいはブラックトナーへの他のトナーの混色による影響の違いといったようなことを考慮して、その配置順序が決定される(図示した例は一例に過ぎない)。
【0090】
また、トナーカートリッジ24や感光体ドラム32は、装置本体に対して着脱自在に構成されている。また、従来の公知の方式よりもより強固な不正品対策を採るべく、トナーカートリッジ24などと本体との間の電気信号の伝送を、レーザ光や赤外光を送信/受信する光学部材を使用し光伝送技術を利用した非接触(detachably connecting )で採るようにしている。
【0091】
光伝送部品は、一般的に、電波を利用する回路部品よりも入手困難あるいは高価であるので、電波を使用した不正品対策手法(たとえば米国特許第6,181,885号)よりも、その実装が困難となると考えられる。特に半導体レーザなどのレーザ光を利用する部材は、その傾向が強い。
【0092】
したがって、不正品対策としては、電波を利用した方法よりも、強固なものとなる。また、非接触であるので、トナーカートリッジ24などの装着作業が容易である。また、電波技術を利用する不正品対策では、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題が生じ得るが、光伝送では、そのような問題は生じない。
【0093】
IOTコア部20は、中間転写ベルト43、2次転写部45、印刷用紙を2次転写部45に向けて搬送するとともに位置合わせ機能(Regi/Aligner)を有する第1搬送路47、2次転写部45を通過した印刷済みの印刷用紙を出力モジュール7に向けて搬送する第2搬送路48、および片面に印刷された後に出力モジュール7にて反転された印刷用紙を搬送路50に向けて搬送する反転搬送路49を備える。第1搬送路47には、位置合わせ機能(Regi/Aligner)を備えている。
【0094】
また、タンデム構成されたプリントエンジン30のベルト搬送方向における最前流側の中間転写ベルト43上の近傍(図ではイエロY用のプリントエンジン30の右側)には、中間転写ベルト43上に転写された画像を除去(クリーン)するクリーナ44が配置されている。
【0095】
このIOTコア部20は、従来の画像形成装置1にて使用されているモータよりも高速駆動可能なモータを備えた高速印字仕様となっている。さらに、IOTコア部20は、高周波数のクロックを使用して内部回路を駆動するようにした高速駆動仕様ともなっている。
【0096】
IOTコア部20内のプリントエンジン30は、プリンタや複写機などの印刷機能部分として使用されるものと同様に、光走査装置31、感光体ドラム32、および電子写真プロセス用の各種部材を有するROS(Raster Output Scanner )ベースのプリントエンジン(マーキングエンジン)である。このプリントエンジン30は、回路の高速化に対応した高速駆動仕様になっている。
【0097】
光走査装置31は、図示しない半導体レーザから発せられたレーザ光(レーザビーム)を図示しないポリゴンミラー(回転多面鏡)により、感光性部材の一例である感光体ドラム32に向けて反射偏向させて、画像情報により変調されたレーザ光を図示しないレンズ群で感光体ドラム32上の被走査面に結像させる。
【0098】
画像形成に際しては、先ず一定速度で回転する感光体ドラム32が帯電器33によって所定の極性および所定の電圧に帯電される。次いで、印刷用紙が用紙トレイ52,62からピックアップローラ群54,64により所定のタイミングで1枚ずつ引き出され、連結モジュール9aおよび第1搬送路47を介して2次転写部45まで給紙される。
【0099】
印刷用紙の先端が図示しない先端検出器より検出されると、光走査装置31にて、画像信号(たとえば各画素各色成分8ビット)により変調されてレーザ光が半導体レーザから、スキャナモータにより駆動されるポリゴンミラーに向けて射出され、ポリゴンミラーにより反射された後、レンズ群を経て、感光体ドラム32に導かれ、感光体ドラム32上を走査する。
【0100】
一方、先端検出器からの信号は垂直同期信号として、光走査装置31を制御する記録制御部(図示せず)に出力される。また、主走査検出器がレーザ光を検知すると、水平同期信号となるビームディテクト信号を記録制御部に出力する。そして、画像信号がビームディテクト信号に同期して順次、半導体レーザに送出される。
【0101】
これにより、光走査装置31のポリゴンミラーにより反射偏向されたレーザ光がレンズ群を介して1次帯電器33によって帯電された感光体ドラム32上を走査することで、画像部あるいは背景部が選択的に露光し感光体ドラム32上に静電潜像を形成する。
【0102】
この静電潜像は、YMCKあるいはGの各色のトナーがそれぞれ供給される現像器34によってトナー像として可視画像化され、このトナー像は、1次転写器35によって中間転写ベルト43上に吸着され順次多重転写される。そして1次転写後に感光体ドラム32上に残ったトナーはクリーナ36によって、感光体ドラム32の表面から回収される。
【0103】
中間転写ベルト43上に転写された画像(トナー像)は、その後、第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6から第1連結モジュール9aを介して搬送されてきた用紙上に転写され、さらに第2搬送路48により出力モジュール7まで搬送される。そして、出力モジュール7の定着器70によってトナー像が用紙上に溶融定着される。そしてその後、排紙トレイ74に一時的に保持されたりあるいは直ちに排紙処理装置72に渡され、必要に応じて所定の終末処理を経て機外へ排出される。また、両面印刷時には、印刷済みの用紙が排紙トレイ74から反転路76に引き出され、IOTモジュール2の反転搬送路49に渡される。
【0104】
なお、図4に示したIOTコア部20は、中間転写ベルト43を1つ備えた1ベルト方式の中間転写IBT(Intermediate Belt Transfer)方式のものであるが、これに限らず、たとえば、中間転写ベルトを2つ備えた2ベルト方式や中間転写体を備えずに感光体ドラム32上のトナー像を直接に印刷用紙に転写する方式としてもよい。
【0105】
IBT方式を採用する場合、1ベルトと2ベルトとのメリット/デメリットを考慮した設計をする。たとえば、1ベルト方式は、ベルト駆動制御が容易である、あるいは画質劣化が少ない、などの利点があるが、ベルト長が長い(たとえば4m前後程度)、交換に人手を要する(たとえば2人作業など)、最大ユニット幅が大きい(たとえば2m程度)で搬入/搬出性が劣る、ベルトにはモジュール剛性を要する、などのデメリットがある。
【0106】
これに対して、2ベルト方式は、ベルト長が短く(たとえば2m程度)交換も容易である、高速化が比較的容易で拡張性に富む(増速性)、最大ユニット幅が小さい(たとえば1m程度)、などの利点がある。しかし、画質劣化リスクがある、2ベルトの位置制御(アライメント)制御を要する、装置高さ(M/C高さ)が高くなる(たとえば1m強)、ベルトが2本になることのランコストインパクト上の問題、などのデメリットがある。
【0107】
図5は、図4に示した画像形成装置1の回路モジュールの構成例を示す図である。ここで、図5(A)は、回路モジュールに関わる主要部分を説明する図、図5(B)は、図5(A)を適用した画像形成装置1の具体的な構成例を示す図である。
【0108】
本実施形態の画像形成装置1は、図4にて説明したように、各モジュールを別ユニット化して、フィードモジュールや定着部など本体(IOTモジュール2)周辺部のモジュールが変更されても、本体の変更を最小化して拡張性を向上可能としている。これに合わせて、回路構成も、各モジュールに対応して基板PWBを分割することで、拡張性を向上するようにしている。
【0109】
このため、先ず図5(A)に示すように、各基板PWBは、各基板内の各部の主要な情報処理機能や演算処理機能を有するCPU(central processing unit ;中央演算処理部)100と、各モジュール内の回路部やモータなどの個々のモジュールの専用機能部分に応じた動作をする機能動作部(以下デバイスという)を駆動するための入出力インタフェース部分であるI/O部200とを備えている。そして、このCPU100とI/O部200とを最小構成要素とした回路モジュールとしている。
【0110】
CPU100は、FPGA(Field Programmable Gate Array)やDSP(Digital Signal Processor )などのフトウェアにより処理内容を更新可能な論理回路(ハードウェアロジック)で構成されていて、またその周辺パーツとしてRAM(random access memory)などの揮発性の半導体メモリやROM(read only memory)あるいはメモリコントローラなどが配され、画像形成装置1における印刷処理や入出力処理が再プログラミング可能になっている。こうすることで、ソフトウェアのバグ修正に柔軟に対応することができることに加え、高速化・高性能化・多機能化の仕様変更のために、予め想定される画像形成装置1とは異なるモジュールがIOTモジュール2に接続された場合でも、柔軟に対応することができる。
【0111】
また、各基板に搭載されるCPU100は、共通のOS(Operating System)にて他の回路部分を制御可能になっており、他の回路基板との関係において実質的に共通のソフトウェアアーキテクチャが組み込まれるオペレーティングシステム部として機能する。またI/O部200は、モジュール専用機能部分に応じたデバイス駆動用のデバイスドライバを共通OSの元で制御可能となっている。加えて、CPU100とI/O部200とは各モジュール用の専用のマザーボード(Mother Board)上にドータボード(Daughter Board)として搭載されるようになっている。なお、CPU100とI/O部200とは、共通のドータボードに搭載されてもよいし、それぞれ別のドータボードに搭載されてもよい。
【0112】
こうすることで、CPU100およびI/O部200からなるソフトウェアモジュールの共通化を図り、スペアパーツとしてのソフトウェアモジュール基板PWBは1種類でよく(CPU100とI/O部200とを個別ドータボードとする場合はそれぞれも)、またCPUボードに対してソフトウェア更新にて各モジュールに適した処理ソフトウェアモジュールをインストールする(組み込む)だけでよい。また、FPGAへのソフトウェアのダウンロードで同一ソフトウェアモジュール基板に対してソフト(OSやアプリケーション)の変更やI/Oマッピングが変更可能で、1種類のソフトウェアモジュール基板がどのモジュールにでも、あるいはモジュール内のどこにでも使えるようになり、その増減も自由となる。このように、回路基板を交換もしくは増減する方式を採用することで、拡張性のある画像形成装置1を実現することができる。
【0113】
なお、CPU100やI/O部200と、デバイス間との接続形態としては、図5(A)の“その1”に示すように、I/O部200を介して入力デバイスあるいは出力デバイスに接続する形態と、“その2”に示すように、I/O部200とデバイス間をバッファを介して接続する形態とがある。また、何れの接続形態においても、2系統以上のデバイスとも接続可能である。加えて、2系統以上のデバイスのマスター/スレーブの関係を自由に設定することもできるようになっている。さらに、各基板間においても、各CPU100のマスター/スレーブの関係を自由に設定することもできるようになっている。
【0114】
図4に示した画像形成装置1においては、個別商品最適化から拡張のためのモジュール化に対応して、各モジュール用の回路モジュールを設け、かつ、図5(A)に示した技術(CPU100+I/O部200+デバイスの構成)を適用した回路モジュール基板を増減可能な構成を採る。また各機能部やCPU100あるいはI/O部200は、それぞれ専用の基板PWBに搭載し、それら個別基板をマザーボード上に着脱可能に構成する。このように、回路基板を増減する方式を採用することで、拡張性のある画像形成装置1を実現することができる。
【0115】
たとえば、図5(B)に示すように、ユーザインタフェース装置8側にGUI&Sys部を用意し、そこにユーザインタフェース回路やCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBを設ける。また、IOTコア部20には、印字処理に関わるマーキング部MKとこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBと、フィードモジュール5,6を制御する給紙制御部PHとこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBとを設ける。出力モジュール7には、定着器を制御する定着部とこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBと、排紙処理をする排紙部(EXIT)とこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBとを設ける。フィードモジュール5,6には、フィードモータなどを駆動するフィーダ部とこれを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBとを設ける。さらに予備として、拡張モジュール用の基板を用意する。たとえば中間転写体方式(IBT方式)の切り替えに対応するようにIBT制御部と、これを制御するためのCPU100およびI/O部200用のドータボードPWBを設ける。
【0116】
上述のように、本実施形態の画像形成装置1は、モジュール分割することで、より高機能、高速の装置のニーズに適宜対応することができるようにしている。たとえば、4連タンデム構成を5連やそれ以上にする、あるいは毎分200枚以上の高速処理にするなどである。この際、バグ修正やモジュール仕様変更に対応するように、個々のモジュールに組み込まれているソフトウェアを更新する必要が生じる場合もあるが、どうやって効率のよい更新をするかが問題となる。
【0117】
本実施形態の画像形成装置1は、モジュール分割されており、かつ事実上マルチCPU構成になっているが、共通のOSを搭載したCPUを使用した点を利用して、効率的にソフトウェアを更新する仕組みを講じる。
【0118】
たとえば、モジュール化された基板PWBに対し、アプリケーションを書き換えることで異なる機能の基板PWBに変更する。これにより、仕様変更への簡易な対処を実現する。また、更新対象モジュールが複数ある場合は、個々のモジュールに向けて個々の更新用プログラムを送るのではなく、個々の更新用プログラムを1つのモジュールに一括ダウンロードし、そこから他モジュールを“共通の書換プログラム”を用いて更新制御する。共通のOSを搭載したCPUを利用したことの利点である。すなわち、共通のOS(同一アーキテクチャ)であるから書換プログラムが共通でよく、1箇所において他を更新することが可能となる。
【0119】
この場合、更新用プログラムを何処のモジュールにダウンロードするのが効率がよいかを判断し、その効率のよりモジュールへ他の更新プログラム分も含めてダウンロードするとよい。また、複数モジュールについてのプログラムの書換作業を時分割で並行処理してもよい。
【0120】
図6は、図5に示した回路モジュールの組合せ例を図4に示した画像形成装置1に適用した場合における具体的な基板構成例を示した図である。本実施形態では、マザーボード上に各回路ブロック用の基板を配する構成としている。
【0121】
図5に示したようなCPU100およびI/O部200を最小構成要素とする回路モジュールを組み合わせて画像形成装置1の全体回路を構成する場合、装置のモジュール構成に応じて各別に回路モジュールを設けてもよいし、何れか複数の回路モジュールを纏めて1つの複合回路モジュールとしてもよい。また、各モジュール用のCPU100やI/O部200を基板上に配置する際には、同一モジュール用のCPU100とI/O部200とが必ずしも同一基板上に載置される必要はない。たとえば、IOTモジュール2用のCPU100とI/O部200とが別個のサブ基板上に配置され、各サブ基板がマザー基板上に載置される構成であってもよい。どのような組合せ形態とするかによって、回路モジュールの物理インタフェースや論理インタフェースの接続構成が変わってくる。
【0122】
また、各モジュール用のCPU100やI/O部200との間の論理インタフェースは、CPU100やI/O部200の負荷状況、あるいはモジュール特性に応じて決定するのがよい。たとえば、出力モジュール7は、一旦設置されると変更されることはあまりなく、ある程度固定されたものであるの対して、フィニッシャモジュールは、ユーザ希望に応じて適宜仕様変更があるものであるという点を考慮するとよい。また、画像形成装置1を構成する場合、データ処理に関わる系統以外に、装置内の各部の状態を診断する診断処理(Diagnostic)機能が備えられる。この診断処理機能のための系統についても、負荷を分散したり、モジュール変更に柔軟に対応するための仕組みを講じることが望ましい。
【0123】
たとえば、全体を統轄する統轄CPUや統轄診断部を設ける。そして、統轄CPUにてユーザインタフェース装置8からの指令を受け、各モジュールに設けられた個別のCPU(モジュールCPU)を制御するようにしてもよい。また、この統轄CPUが全てのモジュールCPUを制御するのではなく、主要なモジュールCPUのみを統轄CPUにて制御し、その制御の元で何れかのモジュールCPUが残りのモジュールCPU(サブモジュールCPU)を制御する構成としてもよい。こうすることで、負荷を配分することができる。加えて、主要CPUが配されていないサブモジュールの変更の影響を統轄CPUに与えないようにすることができる。
【0124】
たとえば、物理インタフェースや論理インタフェースは、次のような観点から決めるのがよい。先ず、IOTモジュール2用の基板の構成変更に左右されないような構成を目指す。本実施形態では、拡張性のあるIOT構成を実現するために、基板を増減する方式を採用しているが、このときのソフトウェアの変更を最小にできるような方式、つまりインタフェースの変更が極力発生しないような仕組みを実現できるようにする。これにより、ソフトウェアのフレーム化も加速される。
【0125】
また、負荷を分散するために、統轄CPUを備えたIOTマネージャIMを設ける。そして、IOTモジュール2の印字処理に関わるマーキング部MK(Mark)はイメージ(Image)生成系を、給紙制御部PH(ペーパーハンドリング)は用紙搬送系(すなわち第1フィードモジュール5や第2フィードモジュール6など)を行なうようにする。そして、IOTマネージャIMは、これらの統轄を行なうようにする。このような形態とした場合、フィニッシャモジュールは給紙制御部PH系となる。
【0126】
装置内の各部の状態を診断する診断処理系統(Diag)は、負荷分散やモジュール変更への対応のため、各基板の診断処理系統であるサブ診断処理部(Diag(Sub))と、フィニッシャモジュール用を除く各サブ診断処理部の状態を集約する統轄診断部の一例であるメイン診断処理部(Diag(Main))とに分ける。こうすることで、メイン診断処理部にて基板構成の変化を吸収することができる。また、メイン診断処理部とサブ診断処理部の関係がパターン化することになり、診断処理系統のフレームワーク化が行なえる。
【0127】
なお、診断処理系統は、メモリのリード/ライト、メモリのイニシャライズ、入出力(I/O)チェック、消耗品使用状況、センサ情報などアナログ量の監視(アナログモニタ)のみ行ない、たとえば本装置を複写装置として利用する場合におけるスキャナ部などの他のモジュールの有無、動作の可否チェックを行なわない。また、フィニッシャモジュールの診断処理機能は、フィニッシャモジュール自身で行なうようにする。これにより、フィニッシャ変更に伴うメイン診断処理部の変更は発生しない。また、フィニッシャのオフライン使用も可能となる。
【0128】
また、IOTマネージャIMが相手するモジュールは変えないようにする。このためたとえば、IOTマネージャIMは、マーキング部MK、給紙制御部PH、メイン診断処理部、およびユーザインタフェース装置8のSys部85とのみインタフェースを行なう。診断処理系統については、IOTマネージャIMは、メイン診断処理部とのインタフェースを行なうが、サブ診断処理部とのインタフェースは行なわない。これにより、診断処理系統についての基板構成が変更になっても、IOTマネージャIMは何ら変更を行なう必要がない。これにより、IOTマネージャIMの抽象度を高め、フレームワーク化させることができる。
【0129】
給紙制御部PHは、フィードモジュール5,6が変更になっても、IOTマネージャIMに影響を与えない、すなわち、IOT内部インタフェースを変更しないようにする。このためたとえば、第1フィードモジュール(1stFdr)5および第2フィードモジュール(2ndFdr)6は、給紙制御部PHとのみインタフェースを行なうようにする。こうすることで、IOTマネージャIMのフレームワーク化を達成することができる。
【0130】
出力モジュール7が変更になっても、IOTマネージャIMに影響を与えないようにする。このためたとえば、出力モジュール7は、給紙制御部PHとのみインタフェースを行なうようにする。こうすることで、出力モジュール7の変更を給紙制御部PHが吸収することができる。
【0131】
論理インタフェースの観点からは、ハーネスコストの削減、モジュール間通信の信頼性の向上、あるいは伝送スピードの高速化に適した通信プロトコルのものを使用する。たとえば、CAN(Controller Area Network ;ISO11898)が好適である。このCANを利用したCANバスを使用すれば、コマンドを一斉送信することができる。また、このコマンドの一斉送信可能な利点を利用して、インタフェースの負荷低減を図るため、フィードモジュール5,6と出力モジュール7とを同一インタフェースとする。
【0132】
出力モジュール(EXIT)7の構成が変更になっても、フィニッシャモジュールのインタフェースへの影響を与えないように、あるいは負荷低減を図るようにする。このためたとえば、フィニッシャモジュールの制御は給紙制御部PHが行なうようにする。出力モジュール7でフィニッシャモジュールを制御したとするとフィニッシャ制御に必要な情報をIOTマネージャIM→給紙制御部PH→出力モジュール7と転送しなければならず、インタフェース負荷が大きい。これに対して前述のように給紙制御部PHにてフィニッシャ制御をするようにすればインタフェース負荷を低減することができる。
【0133】
図6に示した基板構成は、上述の結果を示したもので、たとえば、IOTモジュール2には、IOTマネージャIM用のマザーボード、マーキング部MK用のマザーボード(MOTHER)、および給紙制御部PH用のマザーボードが配されている。同様に、フィードモジュール5,6や出力モジュール7には、それぞれのマザーボードが配される。
【0134】
なお、仕様変更など必要に応じて追加基板を取り付けることができるように、付加的なマザーボード(Ext.MOTHER)が用意される。また、フィニッシャモジュールを取り付ける場合には、それに応じた基板モジュールを追加すればよい。
【0135】
マザーボード上には、たとえばIOTマネージャIMとマーキング部MK、給紙制御部PH、フィード部、あるいは出力処理部など主要回路部分間のインタフェース機能用の入出力基板(I/O)、ドライバとのインタフェース機能用の入出力切替基板(I/OSEL)、各モジュールのCPU用の基板、あるいはビデオ基板(Video)などモジュール特有の回路基板などのドータボードが、基板コネクタを介して搭載されている。各回路モジュール間の論理インタフェースには、CANバスを使用している。
【0136】
このように、装置内のそれぞれの機能部分に応じた機能モジュール回路からなる回路アーキテクチャを採用することで、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に応える際には、必要部分のモジュール回路基板を交換するだけでよくなる。
【0137】
また、何れの回路モジュールについても、共通のオペレーションシステムOSが組み込まれるCPU(中央演算処理部)100とI/O部200とを具備しており、CPU100が使用するアプリケーションソフトウェアを書き換えることで、回路モジュールの機能を更新することができる。個々のCPU100による制御機構は、共通のオペレーションシステムOSが組み込まれ共通のアーキテクチャで構築されているので、仕様変更などがあった場合に、効率的に仕様変更に答えることができる。特に、仕様変更に答える際に、プログラム更新対象部分が複数の制御系統に及ぶ場合には、共通OSが組み込まれている点を利用してプログラムを書き換える仕組みを利用することで、より効率的かつ柔軟に、アプリケーションプログラムを更新することができる。
【0138】
なお、基板コネクタを介さず、ワイヤハーネスおよびコネクタを介してマザーボードとドータボードとを接続してもよい。また、たとえば、CPU基板やビデオ基板とマザーボードとの間、あるいはビデオ基板とプリントエンジン(ROS)30との間の電気伝送のバス伝送路を、プラスチック光ファイバPOF(Plastic Optical Fiber )やシート状の光伝送バス(以下光シートバスという)などの光伝送媒体にて構成してもよい。
【0139】
ここで、光シートバスとは、拡散光学系を有する平面導波路の端面に信号光を入射し、平面導波路内に信号光を拡散させることにより、対向端部から複数の信号光を出力する光伝送部材である。この光シートバスを使用すると、信号光は、平行平板の端部で拡散され平面導波路に入射し、拡散した信号光は平面導波路内の上下の面で全反射を繰り返しながら、入射部と対向する多数の出射部に伝送される。
【0140】
したがって、1対1の片方向通信を基本とする光ファイバの応用とは異なり、たとえば、1)平面導波路の対向端部の各々に配置した複数のノード間で、N対Nの伝送を行なうマルチキャスト伝送が可能、2)平面導波路の対向端部の各々に配置したノード間でどちらの方向からも伝送する双方向伝送が可能、3)平面導波路を積層化することで、伝送路を多ビット化するマルチチャネル伝送が可能、などの利点を光シートバスは有する。
【0141】
また、平面導波路のコア層が、たとえば厚さ1mm程度のPMMA(ポリメタクリル酸メチル)などの光学樹脂シート材で構成できるので、受発光素子(前例では、変換部444,464)との結合が容易である。たとえば、シングルモード光ファイバや光導波路と受発光素子の結合で実施されているような信号光の強度をモニタリングして実装するアクティブアライメントではなく、受発光素子を駆動せずに位置を合わせるパッシブアライメントが可能である。このパッシブアライメントを利用すれば、低コスト化や量産化に適した簡易的な実装が可能となる。
【0142】
このように、光伝送媒体を基板間の信号伝送インタフェースに利用することで、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題あるいは波形鈍りに起因する問題を解消しつつ配線長の長距離化を実現することができる。加えて、光シートバスを採用すれば、伝送速度の高速化やノード数の増加などを実現することもできる。
【0143】
たとえば、基板分割して、レイアウトに自由度を持たせる際、単純に分けたのでは、インタフェースのための信号線が増え実装が難しくなる。また、高速信号がメタリックワイヤ(たとえば銅線)を走るので、波形鈍りやEMIなどの問題も生じる。これに対して、光伝送技術を利用することで、波形鈍りやEMIなどの問題から解消される。また、光シートバスを利用すれば、実装上の問題が解決される。これにより、基板配置の制約が緩和される。
【0144】
図7および図8は、光伝送技術を利用したインタフェース機構を採用する場合における具体的な基板構成例を示した図である。CPU基板やI/O基板は、図示しないマザーボードに搭載されている。なお、図中、オプション用の“SFM”はセカンドフィードモジュール(Second Feeder Module)、“HCF”はハイキャパシティフィーダ(Hi Capacity Feeder)である。
【0145】
図7に示す第1例および図8に示す第2例の何れにおいても、ビデオ基板とのインタフェースを光ファイバOF(Optical Fiber )を利用することとし、IOTモジュール2用のマザーボードからビデオ基板を離すようにしている。また、このビデオ基板を、Sys部85用のCPU基板やI/O基板とともに電気ボックス(ELEC.BOX)に収容するようにしている。
【0146】
また、図7に示す第1例では、ビデオ基板とプリントエンジン(ROS)30との間、およびDFE装置とビデオ基板との間を通常のプラスチック光ファイバPOF(Plastic Optical Fiber )にて接続している(図2も参照)。また、CPU基板やI/O基板とビデオ基板の間を、光シートバスを利用して接続している。光シートバスへの結合にはプラスチック光ファイバPOFを利用している。なお、図示した例では、電気ボックス(ELEC.BOX)内のマザーボード上において光シートバスを配するボードレベルインターコネクションとしているが、CPU基板やI/O基板とビデオ基板との間の略全体に対して光シートバスを利用するようにしてもよい。
【0147】
これに対して、図8に示す第2例では、IOTモジュール2用のCPU基板についても、IOTモジュール2用のマザーボードから離して、ビデオ基板やSys部85用のCPU基板やI/O基板とともに電気ボックス(ELEC.BOX)に収容するようにしている。
【0148】
そして、電気ボックス(ELEC.BOX)内にて、ビデオ基板とIOTモジュール2用のCPU基板との間を、光シートバスを利用して接続している。また、IOTモジュール2用のCPU基板とIOTモジュール2用のI/O基板が搭載されたマザーボードとの間は、プラスチック光ファイバPOFの束(Optical Fiber Bus )にて接続している。なお、光シートバスへの結合にプラスチック光ファイバPOFを利用している点は第1例と同じである。
【0149】
図9は、光ファイバ410などの光伝送媒体を用いて基板インタフェースを採る方法を説明する概念図である。たとえば、リセット(Reset )、ページ同期信号(Page Sync )、あるいはライン同期信号(Line Sync )などの、略リアルタイムな制御を必要とする信号に関しては、光ファイバ410ではなく、従来と同様にメタリック線を用いたホットラインを介して、並列ビットデータのまま伝送する。
【0150】
一方、略リアルタイムな制御を必要としないその他の制御データ信号やビデオデータ信号、あるいはシリアルデータにて対応可能なものについては、光ファイバ410を用いた接続インタフェース機能を備えた光インタフェース部400により、基板間における電気信号の伝送を採ることとする。光インタフェース用の発光素子としては、たとえば面発光型半導体レーザ(VCSEL)などレーザ光を発するものを用いることができる。
【0151】
また、伝送対象信号線の数の低減のため、電送信号をパラシリ変換してから光伝送し、受光側にてはシリパラ変換して元の信号に戻すようにする。さらに、光ファイバ410や光源の寿命対策として、交換の容易化を図る。このため、光ファイバ410と回路モジュールとの間は基板コネクタや光コネクタを利用してドッキング接続する。たとえば、インタフェース基板を設け、そこに光源や光コネクタなどを配置する。これは、光源や光ファイバの寿命がマシンのライフに比べて短く、交換の必要あるためである。
【0152】
たとえば、CPU基板側においては、所定ビット幅、所定駆動周波数のデータ信号が、CPUモジュール内のパラ/シリ変換やシリ/パラ変換の双方向変換機能を備えた変換部402によりN:1にパラレル/シリアル変換された後、電気/光変換や光/電気の双方向変換機能を備えた光電変換部404により電気信号が信号光に変換されて、その信号光が光コネクタ406に入力される。そして、光コネクタ406は、光ファイバ410に装着された光コネクタと勘合することで、光ファイバ410と光学的に結合される。
【0153】
信号光は、この光ファイバ410により伝送された後、光コネクタ426を介して電気/光変換や光/電気の双方向変換機能を備えた光電変換部424に入射され、この光電変換部424により信号光が電気信号に変換される。そしてさらにパラ/シリ変換やシリ/パラ変換の双方向変換機能を備えた変換部422により1:Nにシリアル/パラレル変換されてIOTコア部20のビデオ基板427に送られる。同様にビデオ基板427からのデータ信号も同様の流れで、同一の伝送路を介してCPU100に伝送される。
【0154】
パラレル/シリアル変換した後の信号光を光ファイバ410にて伝送するようにしたので、必要となるファイバ数を少なくすることができるので、実装が容易となる。なお、変換部402,422によりパラ/シリ変換やシリ/パラ変換に際しては、レイテンシ(クロック遅延)に注意する。
【0155】
たとえば変換部402,422によるパラ/シリ変換やシリ/パラ変換に起因するクロック遅延を補償する遅延補償部を設ける。そして、変換に際して7クロック分の遅延を生じる場合、この遅延補償部により、トータルで14クロック分のズレを相殺する仕組みを講じる。なお、実際には、遅延時間を時間的に先に戻すことはできないので、後段の処理系統にて使用する処理パルスなどを所定分だけ遅延させる仕組みを講じる。たとえば、図9(B)に示すように、CPU基板からビデオ基板に入力される処理パルスを所定クロック分だけ遅延させる遅延補償部429を設けるとよい。
【0156】
また、基板コネクタ、電気/光変換および光/電気の双方向変換機能を備えた変換部404,424、並びに光コネクタ406,426をそれぞれIF基板上に配置すれば、光源不良が生じた際には、基板コネクタおよび光コネクタ部分にてIF基板を交換することで対応を取ることができる。また、光ファイバに不良が生じた際には、光コネクタにて光ファイバを交換することで対応を取ることができる。
【0157】
図10は、電気信号の光シートバスへの結合方法を説明する概念図である。たとえば、データ信号ビット幅64、駆動周波数200MHzのCPU、メモリを用いた場合のCPUからのデータ信号を、CPUモジュール内の電送I/F部(パラシリ/シリパラ変換部)442により8:1にパラレル/シリアル変換した後、電気/光変換部(光電変換部)444により電気信号を信号光に変換して、光シートバス450に光学的に結合する。光シートバス450の拡散部によりマルチキャストされた信号光は、64ビットに対応する8層の平面導波路の各層を1.6Gbpsで伝送された後、電気/光変換部464により信号光が電気信号に変換され、さらに電送I/F部462により1:8にシリアル/パラレル変換されて他の回路モジュールに送られる。
【0158】
同様に、他の回路モジュールからのデータ信号も同様の流れで、同一の伝送路を介してCPUにマルチキャストされる。また、CPUから他の回路側へ、他の回路からCPU側へのデータ伝送は、同一伝送路内で同時に可能(双方向伝送可能)である。このためには、光シートバス450の双方向性だけでなく、電送I/F部442,462や電気/光変換部444,464も双方向性を有するものとする。さらに波長多重などの多重伝送技術を用いることで、同一の伝送路内に入力される信号の多重化により複数のCPU−他回路間でのマルチアクセスも可能となる。
【0159】
なお、電気/光変換部444と光シートバス450との間の光学的結合に当たっては、基板上に配した電気/光変換部444の受発光素子と直接に光シートバス450の入射端面や出射端面を対向させる形態の他、図10(B)に示すように、電気/光変換部444の受発光素子と光シートバス450との間にプラスチック光ファイバPOF芯線(入射POF芯線452や出射POF芯線454)を介在させる光分岐器の形態がある。図7や図8に示した形態は、図10(B)に示す形態を利用したものである。
【0160】
そして、この図10(B)に示す形態を利用して回路モジュールを接続するには、たとえば図10(C)に示すように、種々の回路部品が搭載されたマザーボード上に、光配線基板456を配する(略ベタ付けで)とともに、個々の回路モジュールに対応するドータボード458を基板コネクタを介して立設する。光配線基板456上には、光シートバス450を敷設する。そして、この光シートバス450とドータボード458との間を、入射POF芯線452や出射POF芯線で接続する。
【0161】
ドータボード458に電気/光変換部444,464を配置することで、このドータボード458上の回路との電気信号の伝送が採られる。また、ドータボード458に光コネクタ468を配すれば、たとえばIOTモジュール2との間の電気信号の伝送を、プラスチック光ファイバPOFなどで採ることもできる。
【0162】
このように、回路モジュールや基板を光伝送技術を利用して接続するようにすれば、バスラインを伸ばしても、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題あるいは波形鈍りの問題を生じることなく、モジュール間や回路間を接続することができる。この結果、回路モジュールを設置する場所の制約から開放される(レイアウト自由化)ので、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することができるようになる。
【0163】
たとえば、ビデオ系とCPU系やI/O系とを光インタフェースにて接続することで、CPU系やI/O系をプリントエンジン30(ROS)に近い所に配置しつつ、ビデオ系をプリントエンジン30(ROS)から離した所に配置することができる。たとえば、ユーザインタフェース装置8用のボックスに配されるビデオ信号I/F部側にビデオ回路を配置することができる(図7の形態)。また、CPU系とI/O系とを光インタフェースにて接続することで、I/O系をプリントエンジン30(ROS)に近い所に配置しつつ、CPU系についても、プリントエンジン30(ROS)から離した所、たとえばビデオ系用のCPU系であればビデオ系の配される場所と同一場所に配置することができる(図8の形態)。したがって、IOTコア部20とこのIOTコア部20を制御する部分とを別筐体とすることもできる。
【0164】
また、光インタフェース化のため信号線を1箇所に集中させることになるので、EMI対策が容易にもなる。加えて、基板コネクタや光コネクタを利用して光インタフェースを採るようにすれば、光源や光ファイバに不良が生じた際の交換が容易で、メンテナンス性も向上する。さらに、メタリックインタフェースではないので、電源の電圧降下もなくなる。従来は、電源部から離れたバックパネルにIOTコア部20用などの回路部材を配してメタリックインタフェースで接続していたため、電源部とバックパネルの間のドロップがあり問題となっていたのと大きな違いである。
【0165】
以上、本発明を実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。発明の要旨を逸脱しない範囲で上記実施形態に多様な変更または改良を加えることができ、そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0166】
また、上記の実施形態は、クレーム(請求項)にかかる発明を限定するものではなく、また実施形態の中で説明されている特徴の組合せの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。前述した実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜の組合せにより種々の発明を抽出できる。実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、効果が得られる限りにおいて、この幾つかの構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【0167】
たとえば、上記実施形態では、記録媒体上に可視画像を形成する主要部であるプリントエンジンとして電子写真プロセスを利用するものに対して、本発明を適用した事例を説明したが、本発明の適用範囲は、これに限定されない。たとえば感熱式、熱転写式、インクジェット式、あるいはその他の同様な従来の画像形成機構を備えたエンジンにより普通紙や感熱紙上に可視画像を形成する構成の画像形成装置に本発明を適用し得る。
【0168】
また、上記実施形態では、画像形成装置として、電子写真プロセスを利用したプリントエンジンを備える印刷装置(プリンタ)を例に説明したが、画像形成装置は、これに限らず、カラー複写機やファクシミリなど、記録媒体上に画像を形成するいわゆる印刷機能を有するものであればよい。
【0169】
また、上記実施形態では、入力された画像データに基づいて画像を所定の記録媒体に形成して出力する画像形成部を備えた画像形成装置において、機能モジュール回路間の電気信号伝送を、光伝送媒体を用いて採る仕組みについて説明したが、上述の光伝送媒体を用いて電気信号の伝送を採る手法は、画像形成装置に限らず、複数の回路モジュールを備えた装置であれば、どのような装置に対しても適用可能である。
【0170】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、機能モジュール回路間の信号伝送を光伝送媒体を用いて採る構成としたので、複数の機能モジュール回路の間を離しても、電磁界干渉EMIや電磁放射EMEの問題、あるいは波形鈍りに起因する問題などを生じることがない。
【0171】
したがって、たとえば従来であればプリントエンジンの近傍に配置せざるを得なかったビデオ回路をプリントエンジンから離れた場所に移設することができるなど、機能モジュール回路の配置場所の自由度が格段に広がる。これにより、システムの高速化、高性能化、あるいは多機能化に柔軟に対応することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第1実施形態を示す図である。
【図2】本発明に係る画像形成装置の一実施形態を備えた画像形成システムの第2実施形態を示す図である。
【図3】第1実施形態の画像形成システムと第2実施形態の画像形成システムとの差を説明する図である。
【図4】本発明に係る画像形成装置の全体構成を示す概略図である。
【図5】図4に示した画像形成装置の回路モジュールの構成例を示す図である。
【図6】図5に示した回路モジュールの組合せ例を図2に示した画像形成装置に適用した場合における具体的な基板構成例を示した図である。
【図7】光伝送技術を利用したインタフェース機構を採用する場合における基板構成の第1例を示した図である。
【図8】光伝送技術を利用したインタフェース機構を採用する場合における基板構成の第2例を示した図である。
【図9】光伝送媒体を用いて基板インタフェースを採る方法を説明する概念図である。
【図10】電気信号の光シートバスへの結合方法を説明する図である。
【図11】従来の画像形成装置の一例を備えた画像形成システムの概略を示す図である。
【図12】図11に示した画像形成装置の回路モジュールの構成例を示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…IOTモジュール、5,6…フィードモジュール、7…出力モジュール、8…ユーザインタフェース装置、9,9a,9b…連結モジュール、20…IOTコア部、30…プリントエンジン、31…光走査装置、32…感光体ドラム、39…電気系制御収納部、43…中間転写ベルト、45…2次転写部、70…定着器、80…GUI部、100…CPU、200…I/O部、400…光インタフェース部、402,422,442,462…変換部(パラシリ、シリパラ)、404,424,444,464…光電変換部、406,426…光コネクタ、遅延補償部429、450…光シートバス、452…入射POF芯線、454…出射POF芯線
Claims (12)
- 所定の処理をする処理装置であって、
当該処理装置のそれぞれの機能部分に応じた複数の機能モジュール回路の間の電気信号の伝送を、光伝送媒体を用いて採る光インタフェース部を備えていることを特徴とする処理装置。 - 入力された画像データに基づいて、画像を所定の記録媒体に形成して出力する画像形成部を備えていることを特徴とする請求項1に記載の処理装置。
- 前記複数の機能モジュール回路の各々は、それぞれ異なる回路基板に搭載されており、
前記光インタフェース部は、それぞれの回路基板の間において、前記電気信号の伝送を前記光伝送媒体を用いて採ることを特徴とする請求項1または2に記載の処理装置。 - 前記光インタフェース部は、拡散光学系を有する平面導波路の端面に信号光を入射し、前記平面導波路内に信号光を拡散させることにより、対向端部から複数の信号光を出力する光伝送部材を使用するものであることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか1項に記載の処理装置。
- 前記光インタフェース部は、
パラレル形式の前記電気信号をシリアル形式の電気信号に変換するパラシリ変換部と、
当該パラシリ変換部により変換されたシリアル形式の電気信号を信号光に変換し当該信号光を前記光伝送媒体に入射させる第1の光電変換部と、
前記光伝送媒体を通過した前記信号光を受光してシリアル形式の電気信号に変換する第2の光電変換部と、
前記第2の光電変換部により変換されたシリアル形式の電気信号をパラレル形式の電気信号に変換するシリパラ変換部と
を備えることを特徴とする請求項1から4のうちの何れか1項に記載の処理装置。 - 前記パラシリ変換部による変換および前記シリパラ変換部による変換の内の少なくとも一方に起因するクロック遅延を補償する遅延補償部を備えていることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか1項に記載の処理装置。
- 前記第1の光電変換部および前記第2の光電変換部のうちの少なくとも一方を交換可能に構成するコネクタ部を備えていることを特徴とする請求項1から6のうちの何れか1項に記載の処理装置。
- 前記光伝送媒体を交換可能に構成する光コネクタ部を備えていることを特徴とする請求項1から7のうちの何れか1項に記載の処理装置。
- 前記機能モジュール回路として、画像形成に関わるマーキング部にて使用されるイメージデータを処理するビデオ回路と、当該ビデオ回路の動作を制御する制御部とを備え、
前記光インタフェース部は、前記ビデオ回路と前記制御部との間の電気信号の伝送を、前記光伝送媒体を用いて採ることを特徴とする請求項1から8のうちの何れか1項に記載の処理装置。 - 前記機能モジュール回路として、前記処理装置のそれぞれの機能部分に応じた動作をする機能動作部との間のインタフェースを採る入出力インタフェース部とを備え、
前記光インタフェース部は、前記制御部と前記入出力インタフェース部との間の電気信号の伝送を、前記光伝送媒体を用いて採ることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。 - 前記ビデオ回路は、前記制御部が収容される筐体とは異なる筐体内に配されていることを特徴とする請求項9に記載の処理装置。
- 前記ビデオ回路は、前記入出力インタフェース部が収容される筐体とは異なる筐体内に配されていることを特徴とする請求項10に記載の処理装置。
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