JP2004093887A - 表示装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】消費電力を増やすことなく表示品質を向上可能な表示装置を提供する。
【解決手段】本発明の表示装置のアレイ基板上には、画素アレイ部1と、走査線駆動回路2と、信号線駆動回路3の一部である信号線選択アナログスイッチ4、アンプ回路5及びサンプルホールド回路6とが形成され、アレイ基板とは別個に、信号線駆動回路3の一部を構成するディスプレイコントローラ7と、アナログ画素電圧を画素アレイ部1に供給するTAB−IC8とが設けられる。1水平ライン期間に、同じ信号線に対して2度ずつ信号線電圧を書き込むため、画素TFT9周辺の容量の影響をほとんど受けずに信号線書き込みを行うことができ、各信号線を所望の電圧に設定できることから、表示品質が向上する。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の表示装置のアレイ基板上には、画素アレイ部1と、走査線駆動回路2と、信号線駆動回路3の一部である信号線選択アナログスイッチ4、アンプ回路5及びサンプルホールド回路6とが形成され、アレイ基板とは別個に、信号線駆動回路3の一部を構成するディスプレイコントローラ7と、アナログ画素電圧を画素アレイ部1に供給するTAB−IC8とが設けられる。1水平ライン期間に、同じ信号線に対して2度ずつ信号線電圧を書き込むため、画素TFT9周辺の容量の影響をほとんど受けずに信号線書き込みを行うことができ、各信号線を所望の電圧に設定できることから、表示品質が向上する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号線駆動回路の少なくとも一部がアレイ基板上に形成された表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ機器用のモニタとして一般的に用いられている液晶表示装置は、アクティブマトリックス型と呼ばれるものであり、列設された信号線及び走査線の各交点付近に画素TFTが設けられている。
【0003】
最近では、画面サイズが大きく、高解像度の液晶表示装置に対する要求が強くなっている。ところが、画面サイズが大きくなると、画素TFTは種々の容量の影響を強く受ける。
【0004】
図11は画素TFT周辺の回路構成を示す図である。図示のように、画素TFTの周辺には4つの容量C1〜C4が形成される。容量C1は画素TFTの一端に接続される画素電極と自信号線との間の容量である。容量C2は画素電極と隣接信号線との間の容量である。容量C3は液晶容量と補助容量(Cs容量)との合成容量である。容量C4は信号線容量である。
【0005】
図12は容量C1〜C3の発生要因を示す図であり、図12(a)は画素アレイ部の1画素分のレイアウト図、図12(b)は図12(a)のA−A線断面図、図12(c)は図12(a)のB−B線断面図である。また、図13は液晶表示装置の分解斜視図である。
【0006】
図12(a)に示すように、容量C1は、カラーフィルタ21を介して対向配置される画素電極22と信号線23とにより形成され、容量C2は、カラーフィルタ21を介して対向配置される画素電極22と隣接信号線23とにより形成される。
【0007】
また、図12(b)に示すように、容量C3は、液晶層24を挟んで対向配置される対向電極25と画素電極22との間に形成される液晶容量C3aと、補助容量線(Cs線)26とポリシリコン層27との間に形成される補助容量C3bと、により形成される。
【0008】
ポリシリコンTFTを用いた液晶表示装置では、信号線駆動回路の少なくとも一部を画素アレイ部と同じガラス基板に形成することが可能である。この場合、ガラス基板に占める駆動回路部分の面積が大きくなると、液晶パネルの額縁部分が大きくなるため、望ましくない。そこで、信号線駆動回路内D/A変換回路を複数の信号線で共用する回路構成が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
次に、1個のアンプ回路で赤、緑、青の順に信号線書込みを行う場合について説明する。図14は、書き込み行の特定の赤画素r1を書き込んだ直後の状態を示している。赤を書き込んだ後、緑を書き込むことにより、緑の信号線電位がΔV0だけ変化したとする。これにより、赤画素r1以外の全赤画素の電位がΔV1だけ変動する。この電位変動ΔV1は、以下の(1)式で表される。
【0010】
ΔV1=C2/(C1+C2+C3)×ΔV0 …(1)
次に、書込み済みの赤画素に対応する信号線電位がΔV2だけ変動する。この電位変動ΔV2は、以下の(2)式で表される。
【0011】
ΔV2=C2/(C1+C2+C3)×C2/(C1+C2+C4)×ΔV0 …(2)
図15はアンプ回路に入力されるアナログ画素電圧と信号線電圧の電圧波形図である。図示のように、赤画素用のアナログ画素電圧とその次の緑画素用のアナログ画素電圧との電圧差が大きい場合には、書込み済みの赤画素用信号線の電位がΔV2だけ変動する。
【0012】
上述した電位変動ΔV0,ΔV1,ΔV2は、例えば21インチサイズのXGA規格の液晶表示装置の場合、21mV以上になり、さまざまな画質不良を引き起こす。例えば、中間調の背景の中に黒ウインドウを表示させるような場合に、縦方向のスジが視認されてしまう。また、駆動方法によっては、全画面均一な中間調表示を行った場合に、個々の画素の液晶層に印加される実効電圧が少しずつ異なるため、フリッカ(ちらつき)や焼きつきを招く場合もある。いずれにしても、書き込みが済んだ画素に対応する信号線の電位が変動する割合は極力抑制する必要がある。
【0013】
この種の問題を解決するために、従来は、補助容量を大きくしたり、信号線容量を大きくするなどの対策が取られていた。前者は、開口率が小さくなることから、バックライトの消費電力が増大するという問題がある。また、後者は、アレイ基板にアナログ画素電圧を供給するICの駆動負荷が増大することから、このICの消費電力が増えるという問題がある。
【0014】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力を増やすことなく表示品質を向上可能な表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、列設された信号線および走査線の各交点付近に形成された表示素子と、前記信号線を駆動する信号線駆動回路と、前記走査線を駆動する走査線駆動回路と、を備え、前記信号線駆動回路は、前記走査線駆動回路が1本の走査線を駆動している間に、同じ信号線を複数回ずつ駆動する。
【0016】
本発明では、同じ信号線に対して複数回の書込みを行うため、表示素子周辺の容量の影響を受けずに信号線書込みを行うことができ、信号線書込み精度が向上する。
【0017】
また、絶縁基板上に列設された信号線及び走査線と、これら信号線及び走査線の交点付近に設けられる表示素子と、半導体チップが出力するアナログ電圧をサンプリングして表示装置の信号線駆動を行うアンプ回路と、を備えるアレイ基板と、デジタル画素データを表示装置の信号線を駆動するためのアナログ電圧に変換する半導体チップと、を備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下では、表示装置の一例として、液晶表示装置を例に取って説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図であり、画面サイズの大きい(例えば、21インチ)の液晶表示装置の構成を示している。図示のように、ガラス基板からなるアレイ基板上には、XGA規格(1024×768画素で、各画素がR,G,Bの副画素を備える)の画素アレイ部1と、768本の走査線を駆動する走査線駆動回路2と、3072本の信号線を駆動する信号線駆動回路3の一部である信号線選択アナログスイッチ4、アンプ回路5及びサンプルホールド回路6とが形成されている。
【0020】
本実施形態の液晶表示装置で用いられる液晶は、2枚の偏光板と組み合わせて表示を行うツイステッドネマチック液晶であり、4V印加時に透過率最低、0V印加時に透過率最大となるごく普通のものを用いる。この液晶を用いて、印加電圧に応じて64階調表示を行う。印加電圧が所定値からずれると、とくに中間調付近で表示ムラの表示不良を招く。印加電圧に対する透過率応答は線形でなく、とくに中間調付近では、印加電圧精度が20mV以内であることが一般に要求される。
【0021】
また、アレイ基板とは別個に、ディスプレイコントローラ7と、アナログ画素電圧を画素アレイ部1に供給するTAB−IC8とが設けられている。ディスプレイコントローラ7は、少なくとも1画面分のデジタル画素データを保持するメモリと、画素データを所定タイミングおよび所定のデータ順にて出力する出力回路とを備える。
【0022】
TAB−IC8は、デジタル画素データを保持するラッチ回路と、デジタル画素データを表示素子の駆動のためのアナログ電圧に変換するD/A変換回路と、D/A変換回路が出力するアナログ電圧を負荷に書き込むアンプ回路を備える。全TAB−IC8から合計1024本の出力がアレイ基板に供給される。TAB−IC8は、アレイ基板とは別個の基板に実装されて、FPC等によりアレイ基板にデータを供給してもよいし、あるいはアレイ基板上に直接実装されてもよい。
【0023】
図2は画素アレイ部1の詳細構成を示す回路図の一例である。図示のように、画素アレイ部1は、列設された信号線及び走査線と、これら信号線及び走査線の各交点付近に形成された画素TFT9と、これら画素TFT9に接続された液晶容量C3a及び補助容量C3bとを有する。
【0024】
走査線駆動回路2は、複数のレジスタ回路からなるシフトレジスタ10と、各レジスタ回路に接続されたバッファ11とを有する。
【0025】
信号線駆動回路3内のアンプ回路5とサンプルホールド回路6は、赤緑青の3本の信号線ごとに一つずつ設けられている。信号線選択アナログスイッチ4は、各信号線に接続される3個のアナログスイッチXSW1,XSW2,XSW3を有し、これらアナログスイッチXSW1,XSW2,XSW3をオン・オフすることにより、一個のアンプ回路5の出力が3本の信号線のいずれかに供給される。
【0026】
サンプルホールド回路6は、TAB−IC8からのアナログ画素電圧をサンプルホールドする3個のスイッチASP1,ASP2,ASP3を有する。これら3個のスイッチASP1,ASP2,ASP3はそれぞれ赤緑青用のアナログ画素電圧をサンプルホールドする。ここで、サンプルホールドとは、信号線に書き込むべきアナログ電圧を、直接信号線に書き込む前に、一旦、信号線とは別の場所に保持することをいう。
【0027】
アンプ回路5は、並列接続された3個のインバータINV1,INV2,INV3と、これらインバータINV1,INV2,INV3の出力のいずれか一つを選択するスイッチISP1,ISP2,ISP3と、インバータINV1,INV2,INV3の各入力端子とスイッチASP1,ASP2,ASP3との間に接続されるキャパシタ素子C1,C2,C3と、スイッチISP1,ISP2,ISP3の共通接続端子に縦続接続されるキャパシタ素子C4、インバータINV4、キャパシタ素子C5及びインバータINV5と、インバータINV1〜INV5の各入出力端子間を短絡するか否かを切り替えるスイッチISPと、最終段のインバータINV5の出力信号を初段のインバータINV1,INV2,INV3にフィードバックさせるか否かを切り替えるスイッチAFB1,AFB2,AFB3と、中間のインバータINV2の入出力端子間に縦続接続された抵抗R1及びキャパシタ素子C6とを有する。
【0028】
図3は本実施形態と従来の信号線駆動回路3の動作タイミングを比較した図である。図示のように、従来は、1水平ライン期間を第1〜第3の期間に分け、第1の期間では赤色画素(R画素)を、第2の期間では緑色画素(G画素)を、第3の期間では青色画素(B画素)を書き込んでいた。
【0029】
これに対して、本実施形態では、まず、各色のアナログ画素電圧をサンプルホールドした(時刻t1〜t2)後、各色ごとに順に1回目の信号線書込みを行い(時刻t2〜t3、t3〜t4、t4〜t5)、その後、各色ごとに順に2回目の信号線書込みを行う(時刻t5〜t6、t6〜t7、t7〜t8)。
【0030】
このような動作は、従来に比べてタイミング制御が複雑になるが、サンプルホールド回路6をアレイ基板上に一体形成することにより、新規なTAB−ICを用いる必要がなくなり、汎用のTAB−IC8を用いることができる。すなわち、この場合のTAB−IC8は、1水平ライン期間内に従来どおりアナログ電圧をR画素について一回、G画素について一回、B画素について一回ずつアレイ基板に供給すればよい。
【0031】
また、サンプルホールド回路6をアレイ基板上に一体形成すれば、表示装置の画面サイズが大きくても、TAB−IC8の負荷駆動能力をことさら高める必要がなくなる。すなわち、TAB−IC8は、アレイ基板上のサンプルホールド回路6を充放電すれば足り、アレイ基板上の信号線を直接駆動する必要がないため、TAB−IC8の負荷駆動能力(例えば単位時間に出力できる電流量)をことさら高める必要がない。
【0032】
本実施形態の信号線駆動回路3は、1回目の信号線書込みでは、それほど精度を要求しないことから、誤差500mV程度を許容する。一方、2回目の信号線書込みでは、誤差20mV以下の精度を要求する。実際には、1回目の信号線書き込み期間よりも2回目の信号線書き込み期間を長くして、2回目の書き込み精度を上げる。この他にも、1回目の書き込みと2回目の書き込みとで、アンプ回路5の電源電圧や信号線選択アナログスイッチの駆動電圧を変更する方法など種々の変形が可能である。
【0033】
図4は本実施形態における1垂直期間の信号線書込みタイミング図である。図示のように、1水平期間ごとにコモン電圧Vcsが反転する極性反転駆動が行われ、各水平ライン期間にて、同じ信号線に対して2回ずつ信号線書込みが行われる。
【0034】
図5は本実施形態における1水平期間の詳細な信号線書込みタイミング図である。図示のように、まず、時刻t1〜t6ではサンプリング動作を行う。図2のアンプ回路5のスイッチASPiとスイッチISPiを同時にオンし、キャパシタCiの下端にTAB−IC8の出力電圧Vi(i=1〜3)を、上端にインバータINViの動作しきい値を充電する(ただし、i=1〜3)。より詳しくは、まずR画素に対応するスイッチASP1,ISP1をオンし(時刻t1〜t2)、次に、G画素に対応するスイッチASP2,ISP2をオンし(時刻t3〜t4)、最後に、B画素に対応するスイッチASP3,ISP3をオンする(時刻t5〜t6)。ここまでがサンプリング動作である。キャパシタCiには、INViの動作しきい値電圧とTAB−ICが出力するアナログ電圧との差分電圧が保持される。
【0035】
次に、時刻t7〜t8では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV1の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0036】
時刻t9〜t10では、スイッチAFB1とスイッチXSW1を同時にオンし、R信号線に1回目の信号線書き込み(粗書き込み)を行う。この間、信号線の電位が、サンプリング動作の際にキャパシタ素子C1の下端に保持されたアナログ電圧V1と等しくなるような方向の書き込み動作が行われる。仮にt9〜t10の間の時間が十分長ければ電圧V1に収束するが、1回目の書き込みでは誤差電圧500mVを許容するので、電圧V1に達しなくてもかまわない。
【0037】
次に、時刻t11〜t12では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV2の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0038】
時刻t13〜t14では、スイッチAFB2とスイッチXSW2を同時にオンし、G信号線に1回目の信号線書き込み(粗書き込み)を行う。
【0039】
次に、時刻t15〜t16では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV3の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0040】
時刻t17〜t18では、スイッチAFB3とスイッチXSW3を同時にオンし、B信号線に1回目の信号線書き込み(粗書き込み)を行う。
【0041】
次に、時刻t19〜t20では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV1の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0042】
時刻t21〜t22では、スイッチAFB1とスイッチXSW1を同時にオンし、R信号線に2回目の信号線書き込み(高精度書き込み)を行う。
【0043】
次に、時刻t23〜t24では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV2の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0044】
時刻t25〜t26では、スイッチAFB2とスイッチXSW2を同時にオンし、G信号線に2回目の信号線書き込み(高精度書き込み)を行う。
【0045】
次に、時刻t27〜t28では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV3の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0046】
時刻t29〜t30では、スイッチAFB3とスイッチXSW3を同時にオンし、B信号線に2回目の信号線書き込み(高精度書き込み)を行う。
【0047】
図6は、TAB−IC8から出力されるアナログ画素電圧、R信号線及びG信号線の各電圧波形図である。図示のように、1回目の信号線書込みでは、R信号線は完全には電圧が上がりきらず、2回目の信号線書込みで、所望の電圧に設定される。また、1回目の信号線書込みで、G信号線は電圧が低下するため、2回目のG信号線の信号線書込みを行う時点では、R信号線にはG信号線の書き込みの影響は小さくなる。R信号線への影響は、G信号線の最後の書き込み時の振幅に比例するが、1回目の書き込みを済ませているので、2回目の書き込み時のG信号線の振幅は小さくなるからである。
【0048】
このように、第1の実施形態では、1水平ライン期間に、同じ信号線に対して2度ずつ信号線電圧を書き込むため、画素TFT9周辺の容量の影響をほとんど受けずに信号線書き込みを行うことができ、各信号線を所望の電圧に設定できることから、表示品質が向上する。特に、本実施形態の場合、画面サイズが大きくて容量の影響を受けやすい液晶表示装置について有効である。
【0049】
なお、本実施形態で示したアンプ回路5は、TAB−IC8からアナログ電圧をキャパシタ素子C5にサンプリングする動作だけでなく、インバータの動作閾値を同じキャパシタ素子C5に保持するため、いわゆる閾値キャンセルを効率的に行うことができる。
【0050】
本実施形態は、ガラス基板などの絶縁基板上に低温ポリシリコンTFT技術を用いてアンプ回路5を一体形成する場合に有効である。比較的面積の大きい絶縁基板上に低温ポリシリコンTFT技術を用いてCMOS回路を形成する場合、どうしてもNチャネルTFTおよびPチャネルTFTのVthが例えば1V程度ばらついてしまうことがあり、なんらかの手段で閾値ばらつきをキャンセルするような手段が必要となることが多いからである。
【0051】
また、本実施形態では、アンプ回路5として図14に示す特殊なものを用いて説明したが、これに限定されるものではない。要は、入力されるアナログ電圧を一旦サンプルホールドし、その後信号線書き込みを行うようなものであれば、オペアンプやソースフォロアなどのよく知られたアンプでもよい。これらの場合にもなんらかの閾値ばらつきをキャンセルする手段は有効である。
【0052】
上述した実施形態では、1水平ライン期間中に、TAB−IC8はR,G,Bに相当する3種類のアナログ電圧を出力したが、4種類以上のアナログ電圧を出力するようにしてもよい。例えば、該期間中に、TAB−IC8が6種類のアナログ電圧を出力するようにしてもよい。その場合は、3072本の信号線を駆動するためのTAB−IC8の出力合計数を512本に減らすことができ、接続不良の発生確率を低減することができる。なお、その場合、アレイ基板側では、一つのTAB−IC8からの出力に対し、サンプルホールド回路6および信号線選択アナログスイッチ4を6つずつ設け、6本の信号線に対して、粗書き込みと精密書き込みをおのおの1回ずつ行うような構成にすればよい。
【0053】
近年の半導体製造プロセスは微細化が進展し、512本程度の出力であれば、1乃至2個のTAB−IC8しか要しない。表示装置を少ない半導体数で構成することが可能となり、製造コストを低減できる、表示装置全体の重量を軽量化できるなどの利点がある。
【0054】
また、本実施形態では、アレイ基板とTAB−IC8の間は表示データの受け渡しに関してはアナログインタフェースとなっており、1画素あたり6ビットのデジタル画素データを受け渡すのでなく、1画素あたり一つのアナログ電圧を受け渡すようにしている。
【0055】
大型表示装置では、本実施形態のように、アンプ回路5をアレイ基板に一体形成し、D/A変換回路などのデジタル信号の処理をアレイ基板の外部のTAB−IC8側で行うようにアレイ基板とTAB−IC8との間で機能分担を行うことは以下の理由で特に有利である。
【0056】
仮に、D/A変換回路をアレイ基板に一体形成すると、アレイ基板はデジタル画素データをTAB−IC8から受けなければならない。滑らかな動画表示や液晶の焼きつき防止などのために、画面は60Hz程度で周期的にリフレッシュされる。XGAでは総画素数が1024x3x768=2.4x106も有り,1フレーム期間には、1024x3x768x6=1.4x107ビットのデータを更新する必要がある。このデータを例えば18本のデータ伝送線で送ろうとすると、データ周波数は60x1.4x107/18=47MHzと高速になる。
【0057】
また、ディスプレイコントローラがLVDS(低電圧差動信号)方式などで信号出力するような場合、さらに高い周波数のデータをアレイが受け取らなければならなくなる。
【0058】
しかしながら、シリコンウェハー上に形成されるトランジスタと異なり、ガラスなどの絶縁基板上に形成されるTFTは移動度があまり速くなく、また基板上でVth等の特性ばらつきを生じることがあるため、上述のような高速デジタルデータを常に正確に受けることが難しく、ミスラッチが生じて表示を正常に行えないことがある。
【0059】
また、動作マージンを確保しようとすると、アレイ基板のインターフェース回路(レベルシフタ、サンプリング回路など)に大きな電流を流す必要が生じ、消費電力の点からも不利となる。
【0060】
これに対して、アンプ回路5をアレイ基板に一体形成する本実施形態のような構成では、高速デジタルデータの処理はTAB−IC8等の外部半導体で確実かつ最低限の消費電力で行うことができる。
【0061】
また、アンプ回路5だけをアレイ基板に一体化する利点は次のようである。仮にアンプ回路5がアレイ基板に一体形成されていないとすると、大画面表示装置の信号線(100pF程度以上の大容量)をTAB−IC8等の外部半導体が直接駆動しなければならず、このようなICは大電流を流せるように特殊仕様となるため、コストアップにつながる。
【0062】
ところが、アンプ回路5をアレイ基板に一体形成する場合には、TAB−IC8が駆動しなければならない負荷はTAB−IC8とアレイ基板の間に設けられる伝送線の容量およびアンプの入力容量であり、大画面表示装置の大きな信号線負荷は除かれる。大きな信号線負荷を駆動するためにことさら駆動能力の高いTAB−IC8を必要とせず、汎用の安価なものを用いることができるため、表示装置の製造コストの点でも有利となる。
【0063】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、凹面表示装置である。第1の実施形態との違いは、アレイ基板上にTFT素子などを形成するアレイ工程と、対向基板と組み合わせてその間に液晶材料を充填するセル工程の後に、通常は0.5mm〜1.1mmの厚さを有するアレイ基板を0.1mm程度まで薄くする工程を有する点である。アレイ基板を薄くすることにより、液晶充填後の表示パネル31を図7のように湾曲して凹面化させても破壊されにくくなる。このように表示面が凹面である表示装置は、ユーザーと表示面の距離を、ほぼ一定に保てるようになり、ユーザーの目の疲れが緩和される利点をもつ。
【0064】
基板薄化は例えばフッ酸系エッチャントによる化学エッチングにより実現可能である。この他、機械的研磨あるいは化学的研磨を行ってもよい。
【0065】
以下、化学エッチングにより基板薄化を行う場合の凹面表示装置の製造方法を説明する。まず、対向基板側を耐薬品性を有するシート等で保護する。
【0066】
次に、アレイ基板をエッチャントに所定時間浸し、厚さ0.1mmとする。この厚さは、セルの柔軟性、研磨精度、機械強度、アレイに一体形成される回路に加わる内部応力、セル内部に水分などがガラス基板を通過して進入しないこと等の条件を考慮し、0.01mm以上0.15mm以下とすることが好ましい。厚すぎると曲げに対する柔軟性がなくなって割れやすくなり、薄すぎると液晶層に水分などが浸入し使用時間とともに液晶が著しく劣化し、ムラなどの表示不良が生じてくる。
【0067】
続いて対向基板も同様な処理を行う。さらに、研磨されたアレイ基板および対向基板の外面に、所定の光学軸を有した偏光板を貼り付ける。偏光板はアレイ基板および対向基板の補強材の役割を果たす。
【0068】
このようにして湾曲可能となった表示パネル31にFPC32を接着して、TAB−IC8等の外部半導体と接続する。あるいは、図8に示すように、TAB−IC8などの半導体を直接表示パネル31に実装してしまってもよい。いずれの場合にも、表示パネル31とFPC32の接続点数、または表示パネル31とTAB−IC8などの半導体との接続点数が少ないほど、接続不良の故障発生確率を低減することができ、有利である。こうして作製された表示装置を、ユーザーは適当に湾曲して凹面表示装置として利用することができる。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、信号線駆動回路3内のアンプ回路5をアレイ基板の外部に設けるものである。
【0070】
図9は本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図である。図示のように、アレイ基板上には、信号線駆動回路3のうち信号線選択アナログスイッチ4だけが設けられている。信号線駆動回路3の残りの構成部分であるアンプ回路5、D/A変換回路13、デジタルバッファ14、ラインメモリ15及びデジタルサンプリング回路16は、アレイ基板とは別個のTAB−IC8に内蔵されている。第1の実施形態と同様に、TAB−IC8はアレイ基板とは別基板に実装されてもよいし、アレイ基板上に実装されてもよい。
【0071】
図10はアレイ基板の詳細構成を示す回路図である。図示のように、列設された信号線及び走査線と、これら信号線及び走査線の各交点付近に形成された画素TFT9と、信号線の端部に接続された信号線選択アナログスイッチ4と、シフトレジスタ10及びバッファからなる走査線駆動回路2とが設けられている。
【0072】
以下、第2の実施形態における信号線駆動回路3の動作を説明する。
【0073】
(1)1水平ライン期間に1回デジタルサンプリング回路16が動作し、外部から供給される1水平ライン分のデジタル画素データをラインメモリ15に格納する。
【0074】
(2)次に、1水平ライン期間分のデジタル画素データを保持するラインメモリ15から、例えば赤のみのデジタル画素データをデジタルバッファ14に転送する。
【0075】
(3)D/A変換回路13はラダー抵抗式であり、デジタルバッファ14のデータに応じて64階調のアナログ画素電圧のうち1つを出力する。
【0076】
(4)アレイ基板上の走査線駆動回路2は、各走査線を交互に駆動し、ある走査線を駆動している間に、1水平ライン分の信号線書き込みが行われる。より具体的には、アンプ回路5は、D/A変換回路13の出力を増幅して、アレイ基板上の所望の信号線に供給する。ここでは、租書込みを行うため、書込み誤差は500mV程度を許容する。
【0077】
(5)上記の(2)〜(4)の動作は、緑データ及び青データについても順次繰り返される。
【0078】
(6)書込み誤差を20mV程度にして、上記の(3)〜(5)の動作が再び繰り返され、高精度の信号線書込みが行われる。
【0079】
このように、第2の実施形態では、アンプ回路5をアレイ基板の代わりにTAB−IC8の内部に設けるため、アレイ基板内の信号線駆動回路3の回路規模を縮小でき、額縁を小さくできる。
【0080】
上述した実施形態では、表示装置の一例として液晶表示装置を例に取って説明したが、本発明は、画素ごとに表示素子を持つすべての表示装置(例えば、EL(electroluminescence)表示装置)についても適用可能である。
【0081】
また、上述した実施形態では、1水平ライン期間に、同じ信号線を2回駆動する例を説明したが、時間的に余裕があれば、3回以上駆動してもよい。
【0082】
さらに、アンプ回路5のインバータの段数についても特に制限はない。
【0083】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、走査線駆動回路が1本の走査線を駆動している間に、同じ信号線を複数回ずつ駆動するようにしたため、表示素子周辺に形成される容量の影響を受けずに信号線書き込みを行うことができ、信号線を所望の電圧に設定できることから、表示品質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図。
【図2】画素アレイ部1の詳細構成を示す回路図。
【図3】本実施形態と従来の信号線駆動回路3の動作タイミングを比較した図。
【図4】本実施形態における1垂直期間の信号線書込みタイミング図。
【図5】本実施形態における1水平期間の詳細な信号線書込みタイミング図。
【図6】TAB−IC8から出力されるアナログ画素電圧、R信号線及びG信号線の各電圧波形図。
【図7】凹面表示装置の外観を示す図。
【図8】図7の変形例を示す図。
【図9】本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図。
【図10】アレイ基板の詳細構成を示す回路図。
【図11】画素TFT周辺の回路構成を示す図。
【図12】容量C1〜C3の発生要因を示す図であり、(a)は画素アレイ部の1画素分のレイアウト図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図。
【図13】液晶表示装置の分解斜視図。
【図14】書き込み行の特定の赤画素r1を書き込んだ直後の状態を示す図。
【図15】アンプ回路に入力されるアナログ画素電圧と信号線電圧の電圧波形図。
【符号の説明】
1 画素アレイ部
2 走査線駆動回路
3 信号線駆動回路
4 信号線選択アナログスイッチ
5 アンプ回路
6 サンプルホールド回路
7 ディスプレイコントローラ
8 TAB−IC
9 画素TFT
10 シフトレジスタ
11 バッファ
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号線駆動回路の少なくとも一部がアレイ基板上に形成された表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンピュータ機器用のモニタとして一般的に用いられている液晶表示装置は、アクティブマトリックス型と呼ばれるものであり、列設された信号線及び走査線の各交点付近に画素TFTが設けられている。
【0003】
最近では、画面サイズが大きく、高解像度の液晶表示装置に対する要求が強くなっている。ところが、画面サイズが大きくなると、画素TFTは種々の容量の影響を強く受ける。
【0004】
図11は画素TFT周辺の回路構成を示す図である。図示のように、画素TFTの周辺には4つの容量C1〜C4が形成される。容量C1は画素TFTの一端に接続される画素電極と自信号線との間の容量である。容量C2は画素電極と隣接信号線との間の容量である。容量C3は液晶容量と補助容量(Cs容量)との合成容量である。容量C4は信号線容量である。
【0005】
図12は容量C1〜C3の発生要因を示す図であり、図12(a)は画素アレイ部の1画素分のレイアウト図、図12(b)は図12(a)のA−A線断面図、図12(c)は図12(a)のB−B線断面図である。また、図13は液晶表示装置の分解斜視図である。
【0006】
図12(a)に示すように、容量C1は、カラーフィルタ21を介して対向配置される画素電極22と信号線23とにより形成され、容量C2は、カラーフィルタ21を介して対向配置される画素電極22と隣接信号線23とにより形成される。
【0007】
また、図12(b)に示すように、容量C3は、液晶層24を挟んで対向配置される対向電極25と画素電極22との間に形成される液晶容量C3aと、補助容量線(Cs線)26とポリシリコン層27との間に形成される補助容量C3bと、により形成される。
【0008】
ポリシリコンTFTを用いた液晶表示装置では、信号線駆動回路の少なくとも一部を画素アレイ部と同じガラス基板に形成することが可能である。この場合、ガラス基板に占める駆動回路部分の面積が大きくなると、液晶パネルの額縁部分が大きくなるため、望ましくない。そこで、信号線駆動回路内D/A変換回路を複数の信号線で共用する回路構成が提案されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
次に、1個のアンプ回路で赤、緑、青の順に信号線書込みを行う場合について説明する。図14は、書き込み行の特定の赤画素r1を書き込んだ直後の状態を示している。赤を書き込んだ後、緑を書き込むことにより、緑の信号線電位がΔV0だけ変化したとする。これにより、赤画素r1以外の全赤画素の電位がΔV1だけ変動する。この電位変動ΔV1は、以下の(1)式で表される。
【0010】
ΔV1=C2/(C1+C2+C3)×ΔV0 …(1)
次に、書込み済みの赤画素に対応する信号線電位がΔV2だけ変動する。この電位変動ΔV2は、以下の(2)式で表される。
【0011】
ΔV2=C2/(C1+C2+C3)×C2/(C1+C2+C4)×ΔV0 …(2)
図15はアンプ回路に入力されるアナログ画素電圧と信号線電圧の電圧波形図である。図示のように、赤画素用のアナログ画素電圧とその次の緑画素用のアナログ画素電圧との電圧差が大きい場合には、書込み済みの赤画素用信号線の電位がΔV2だけ変動する。
【0012】
上述した電位変動ΔV0,ΔV1,ΔV2は、例えば21インチサイズのXGA規格の液晶表示装置の場合、21mV以上になり、さまざまな画質不良を引き起こす。例えば、中間調の背景の中に黒ウインドウを表示させるような場合に、縦方向のスジが視認されてしまう。また、駆動方法によっては、全画面均一な中間調表示を行った場合に、個々の画素の液晶層に印加される実効電圧が少しずつ異なるため、フリッカ(ちらつき)や焼きつきを招く場合もある。いずれにしても、書き込みが済んだ画素に対応する信号線の電位が変動する割合は極力抑制する必要がある。
【0013】
この種の問題を解決するために、従来は、補助容量を大きくしたり、信号線容量を大きくするなどの対策が取られていた。前者は、開口率が小さくなることから、バックライトの消費電力が増大するという問題がある。また、後者は、アレイ基板にアナログ画素電圧を供給するICの駆動負荷が増大することから、このICの消費電力が増えるという問題がある。
【0014】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、その目的は、消費電力を増やすことなく表示品質を向上可能な表示装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明は、列設された信号線および走査線の各交点付近に形成された表示素子と、前記信号線を駆動する信号線駆動回路と、前記走査線を駆動する走査線駆動回路と、を備え、前記信号線駆動回路は、前記走査線駆動回路が1本の走査線を駆動している間に、同じ信号線を複数回ずつ駆動する。
【0016】
本発明では、同じ信号線に対して複数回の書込みを行うため、表示素子周辺の容量の影響を受けずに信号線書込みを行うことができ、信号線書込み精度が向上する。
【0017】
また、絶縁基板上に列設された信号線及び走査線と、これら信号線及び走査線の交点付近に設けられる表示素子と、半導体チップが出力するアナログ電圧をサンプリングして表示装置の信号線駆動を行うアンプ回路と、を備えるアレイ基板と、デジタル画素データを表示装置の信号線を駆動するためのアナログ電圧に変換する半導体チップと、を備える。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る表示装置について、図面を参照しながら具体的に説明する。以下では、表示装置の一例として、液晶表示装置を例に取って説明する。
【0019】
(第1の実施形態)
図1は本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図であり、画面サイズの大きい(例えば、21インチ)の液晶表示装置の構成を示している。図示のように、ガラス基板からなるアレイ基板上には、XGA規格(1024×768画素で、各画素がR,G,Bの副画素を備える)の画素アレイ部1と、768本の走査線を駆動する走査線駆動回路2と、3072本の信号線を駆動する信号線駆動回路3の一部である信号線選択アナログスイッチ4、アンプ回路5及びサンプルホールド回路6とが形成されている。
【0020】
本実施形態の液晶表示装置で用いられる液晶は、2枚の偏光板と組み合わせて表示を行うツイステッドネマチック液晶であり、4V印加時に透過率最低、0V印加時に透過率最大となるごく普通のものを用いる。この液晶を用いて、印加電圧に応じて64階調表示を行う。印加電圧が所定値からずれると、とくに中間調付近で表示ムラの表示不良を招く。印加電圧に対する透過率応答は線形でなく、とくに中間調付近では、印加電圧精度が20mV以内であることが一般に要求される。
【0021】
また、アレイ基板とは別個に、ディスプレイコントローラ7と、アナログ画素電圧を画素アレイ部1に供給するTAB−IC8とが設けられている。ディスプレイコントローラ7は、少なくとも1画面分のデジタル画素データを保持するメモリと、画素データを所定タイミングおよび所定のデータ順にて出力する出力回路とを備える。
【0022】
TAB−IC8は、デジタル画素データを保持するラッチ回路と、デジタル画素データを表示素子の駆動のためのアナログ電圧に変換するD/A変換回路と、D/A変換回路が出力するアナログ電圧を負荷に書き込むアンプ回路を備える。全TAB−IC8から合計1024本の出力がアレイ基板に供給される。TAB−IC8は、アレイ基板とは別個の基板に実装されて、FPC等によりアレイ基板にデータを供給してもよいし、あるいはアレイ基板上に直接実装されてもよい。
【0023】
図2は画素アレイ部1の詳細構成を示す回路図の一例である。図示のように、画素アレイ部1は、列設された信号線及び走査線と、これら信号線及び走査線の各交点付近に形成された画素TFT9と、これら画素TFT9に接続された液晶容量C3a及び補助容量C3bとを有する。
【0024】
走査線駆動回路2は、複数のレジスタ回路からなるシフトレジスタ10と、各レジスタ回路に接続されたバッファ11とを有する。
【0025】
信号線駆動回路3内のアンプ回路5とサンプルホールド回路6は、赤緑青の3本の信号線ごとに一つずつ設けられている。信号線選択アナログスイッチ4は、各信号線に接続される3個のアナログスイッチXSW1,XSW2,XSW3を有し、これらアナログスイッチXSW1,XSW2,XSW3をオン・オフすることにより、一個のアンプ回路5の出力が3本の信号線のいずれかに供給される。
【0026】
サンプルホールド回路6は、TAB−IC8からのアナログ画素電圧をサンプルホールドする3個のスイッチASP1,ASP2,ASP3を有する。これら3個のスイッチASP1,ASP2,ASP3はそれぞれ赤緑青用のアナログ画素電圧をサンプルホールドする。ここで、サンプルホールドとは、信号線に書き込むべきアナログ電圧を、直接信号線に書き込む前に、一旦、信号線とは別の場所に保持することをいう。
【0027】
アンプ回路5は、並列接続された3個のインバータINV1,INV2,INV3と、これらインバータINV1,INV2,INV3の出力のいずれか一つを選択するスイッチISP1,ISP2,ISP3と、インバータINV1,INV2,INV3の各入力端子とスイッチASP1,ASP2,ASP3との間に接続されるキャパシタ素子C1,C2,C3と、スイッチISP1,ISP2,ISP3の共通接続端子に縦続接続されるキャパシタ素子C4、インバータINV4、キャパシタ素子C5及びインバータINV5と、インバータINV1〜INV5の各入出力端子間を短絡するか否かを切り替えるスイッチISPと、最終段のインバータINV5の出力信号を初段のインバータINV1,INV2,INV3にフィードバックさせるか否かを切り替えるスイッチAFB1,AFB2,AFB3と、中間のインバータINV2の入出力端子間に縦続接続された抵抗R1及びキャパシタ素子C6とを有する。
【0028】
図3は本実施形態と従来の信号線駆動回路3の動作タイミングを比較した図である。図示のように、従来は、1水平ライン期間を第1〜第3の期間に分け、第1の期間では赤色画素(R画素)を、第2の期間では緑色画素(G画素)を、第3の期間では青色画素(B画素)を書き込んでいた。
【0029】
これに対して、本実施形態では、まず、各色のアナログ画素電圧をサンプルホールドした(時刻t1〜t2)後、各色ごとに順に1回目の信号線書込みを行い(時刻t2〜t3、t3〜t4、t4〜t5)、その後、各色ごとに順に2回目の信号線書込みを行う(時刻t5〜t6、t6〜t7、t7〜t8)。
【0030】
このような動作は、従来に比べてタイミング制御が複雑になるが、サンプルホールド回路6をアレイ基板上に一体形成することにより、新規なTAB−ICを用いる必要がなくなり、汎用のTAB−IC8を用いることができる。すなわち、この場合のTAB−IC8は、1水平ライン期間内に従来どおりアナログ電圧をR画素について一回、G画素について一回、B画素について一回ずつアレイ基板に供給すればよい。
【0031】
また、サンプルホールド回路6をアレイ基板上に一体形成すれば、表示装置の画面サイズが大きくても、TAB−IC8の負荷駆動能力をことさら高める必要がなくなる。すなわち、TAB−IC8は、アレイ基板上のサンプルホールド回路6を充放電すれば足り、アレイ基板上の信号線を直接駆動する必要がないため、TAB−IC8の負荷駆動能力(例えば単位時間に出力できる電流量)をことさら高める必要がない。
【0032】
本実施形態の信号線駆動回路3は、1回目の信号線書込みでは、それほど精度を要求しないことから、誤差500mV程度を許容する。一方、2回目の信号線書込みでは、誤差20mV以下の精度を要求する。実際には、1回目の信号線書き込み期間よりも2回目の信号線書き込み期間を長くして、2回目の書き込み精度を上げる。この他にも、1回目の書き込みと2回目の書き込みとで、アンプ回路5の電源電圧や信号線選択アナログスイッチの駆動電圧を変更する方法など種々の変形が可能である。
【0033】
図4は本実施形態における1垂直期間の信号線書込みタイミング図である。図示のように、1水平期間ごとにコモン電圧Vcsが反転する極性反転駆動が行われ、各水平ライン期間にて、同じ信号線に対して2回ずつ信号線書込みが行われる。
【0034】
図5は本実施形態における1水平期間の詳細な信号線書込みタイミング図である。図示のように、まず、時刻t1〜t6ではサンプリング動作を行う。図2のアンプ回路5のスイッチASPiとスイッチISPiを同時にオンし、キャパシタCiの下端にTAB−IC8の出力電圧Vi(i=1〜3)を、上端にインバータINViの動作しきい値を充電する(ただし、i=1〜3)。より詳しくは、まずR画素に対応するスイッチASP1,ISP1をオンし(時刻t1〜t2)、次に、G画素に対応するスイッチASP2,ISP2をオンし(時刻t3〜t4)、最後に、B画素に対応するスイッチASP3,ISP3をオンする(時刻t5〜t6)。ここまでがサンプリング動作である。キャパシタCiには、INViの動作しきい値電圧とTAB−ICが出力するアナログ電圧との差分電圧が保持される。
【0035】
次に、時刻t7〜t8では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV1の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0036】
時刻t9〜t10では、スイッチAFB1とスイッチXSW1を同時にオンし、R信号線に1回目の信号線書き込み(粗書き込み)を行う。この間、信号線の電位が、サンプリング動作の際にキャパシタ素子C1の下端に保持されたアナログ電圧V1と等しくなるような方向の書き込み動作が行われる。仮にt9〜t10の間の時間が十分長ければ電圧V1に収束するが、1回目の書き込みでは誤差電圧500mVを許容するので、電圧V1に達しなくてもかまわない。
【0037】
次に、時刻t11〜t12では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV2の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0038】
時刻t13〜t14では、スイッチAFB2とスイッチXSW2を同時にオンし、G信号線に1回目の信号線書き込み(粗書き込み)を行う。
【0039】
次に、時刻t15〜t16では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV3の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0040】
時刻t17〜t18では、スイッチAFB3とスイッチXSW3を同時にオンし、B信号線に1回目の信号線書き込み(粗書き込み)を行う。
【0041】
次に、時刻t19〜t20では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV1の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0042】
時刻t21〜t22では、スイッチAFB1とスイッチXSW1を同時にオンし、R信号線に2回目の信号線書き込み(高精度書き込み)を行う。
【0043】
次に、時刻t23〜t24では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV2の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0044】
時刻t25〜t26では、スイッチAFB2とスイッチXSW2を同時にオンし、G信号線に2回目の信号線書き込み(高精度書き込み)を行う。
【0045】
次に、時刻t27〜t28では、キャパシタ素子C4の一端をインバータINV3の動作しきい値に、他端をインバータINV4の動作しきい値に設定する。同時にキャパシタ素子C5の一端をインバータINV4の動作しきい値に、他端をインバータINV5の動作しきい値に設定する。
【0046】
時刻t29〜t30では、スイッチAFB3とスイッチXSW3を同時にオンし、B信号線に2回目の信号線書き込み(高精度書き込み)を行う。
【0047】
図6は、TAB−IC8から出力されるアナログ画素電圧、R信号線及びG信号線の各電圧波形図である。図示のように、1回目の信号線書込みでは、R信号線は完全には電圧が上がりきらず、2回目の信号線書込みで、所望の電圧に設定される。また、1回目の信号線書込みで、G信号線は電圧が低下するため、2回目のG信号線の信号線書込みを行う時点では、R信号線にはG信号線の書き込みの影響は小さくなる。R信号線への影響は、G信号線の最後の書き込み時の振幅に比例するが、1回目の書き込みを済ませているので、2回目の書き込み時のG信号線の振幅は小さくなるからである。
【0048】
このように、第1の実施形態では、1水平ライン期間に、同じ信号線に対して2度ずつ信号線電圧を書き込むため、画素TFT9周辺の容量の影響をほとんど受けずに信号線書き込みを行うことができ、各信号線を所望の電圧に設定できることから、表示品質が向上する。特に、本実施形態の場合、画面サイズが大きくて容量の影響を受けやすい液晶表示装置について有効である。
【0049】
なお、本実施形態で示したアンプ回路5は、TAB−IC8からアナログ電圧をキャパシタ素子C5にサンプリングする動作だけでなく、インバータの動作閾値を同じキャパシタ素子C5に保持するため、いわゆる閾値キャンセルを効率的に行うことができる。
【0050】
本実施形態は、ガラス基板などの絶縁基板上に低温ポリシリコンTFT技術を用いてアンプ回路5を一体形成する場合に有効である。比較的面積の大きい絶縁基板上に低温ポリシリコンTFT技術を用いてCMOS回路を形成する場合、どうしてもNチャネルTFTおよびPチャネルTFTのVthが例えば1V程度ばらついてしまうことがあり、なんらかの手段で閾値ばらつきをキャンセルするような手段が必要となることが多いからである。
【0051】
また、本実施形態では、アンプ回路5として図14に示す特殊なものを用いて説明したが、これに限定されるものではない。要は、入力されるアナログ電圧を一旦サンプルホールドし、その後信号線書き込みを行うようなものであれば、オペアンプやソースフォロアなどのよく知られたアンプでもよい。これらの場合にもなんらかの閾値ばらつきをキャンセルする手段は有効である。
【0052】
上述した実施形態では、1水平ライン期間中に、TAB−IC8はR,G,Bに相当する3種類のアナログ電圧を出力したが、4種類以上のアナログ電圧を出力するようにしてもよい。例えば、該期間中に、TAB−IC8が6種類のアナログ電圧を出力するようにしてもよい。その場合は、3072本の信号線を駆動するためのTAB−IC8の出力合計数を512本に減らすことができ、接続不良の発生確率を低減することができる。なお、その場合、アレイ基板側では、一つのTAB−IC8からの出力に対し、サンプルホールド回路6および信号線選択アナログスイッチ4を6つずつ設け、6本の信号線に対して、粗書き込みと精密書き込みをおのおの1回ずつ行うような構成にすればよい。
【0053】
近年の半導体製造プロセスは微細化が進展し、512本程度の出力であれば、1乃至2個のTAB−IC8しか要しない。表示装置を少ない半導体数で構成することが可能となり、製造コストを低減できる、表示装置全体の重量を軽量化できるなどの利点がある。
【0054】
また、本実施形態では、アレイ基板とTAB−IC8の間は表示データの受け渡しに関してはアナログインタフェースとなっており、1画素あたり6ビットのデジタル画素データを受け渡すのでなく、1画素あたり一つのアナログ電圧を受け渡すようにしている。
【0055】
大型表示装置では、本実施形態のように、アンプ回路5をアレイ基板に一体形成し、D/A変換回路などのデジタル信号の処理をアレイ基板の外部のTAB−IC8側で行うようにアレイ基板とTAB−IC8との間で機能分担を行うことは以下の理由で特に有利である。
【0056】
仮に、D/A変換回路をアレイ基板に一体形成すると、アレイ基板はデジタル画素データをTAB−IC8から受けなければならない。滑らかな動画表示や液晶の焼きつき防止などのために、画面は60Hz程度で周期的にリフレッシュされる。XGAでは総画素数が1024x3x768=2.4x106も有り,1フレーム期間には、1024x3x768x6=1.4x107ビットのデータを更新する必要がある。このデータを例えば18本のデータ伝送線で送ろうとすると、データ周波数は60x1.4x107/18=47MHzと高速になる。
【0057】
また、ディスプレイコントローラがLVDS(低電圧差動信号)方式などで信号出力するような場合、さらに高い周波数のデータをアレイが受け取らなければならなくなる。
【0058】
しかしながら、シリコンウェハー上に形成されるトランジスタと異なり、ガラスなどの絶縁基板上に形成されるTFTは移動度があまり速くなく、また基板上でVth等の特性ばらつきを生じることがあるため、上述のような高速デジタルデータを常に正確に受けることが難しく、ミスラッチが生じて表示を正常に行えないことがある。
【0059】
また、動作マージンを確保しようとすると、アレイ基板のインターフェース回路(レベルシフタ、サンプリング回路など)に大きな電流を流す必要が生じ、消費電力の点からも不利となる。
【0060】
これに対して、アンプ回路5をアレイ基板に一体形成する本実施形態のような構成では、高速デジタルデータの処理はTAB−IC8等の外部半導体で確実かつ最低限の消費電力で行うことができる。
【0061】
また、アンプ回路5だけをアレイ基板に一体化する利点は次のようである。仮にアンプ回路5がアレイ基板に一体形成されていないとすると、大画面表示装置の信号線(100pF程度以上の大容量)をTAB−IC8等の外部半導体が直接駆動しなければならず、このようなICは大電流を流せるように特殊仕様となるため、コストアップにつながる。
【0062】
ところが、アンプ回路5をアレイ基板に一体形成する場合には、TAB−IC8が駆動しなければならない負荷はTAB−IC8とアレイ基板の間に設けられる伝送線の容量およびアンプの入力容量であり、大画面表示装置の大きな信号線負荷は除かれる。大きな信号線負荷を駆動するためにことさら駆動能力の高いTAB−IC8を必要とせず、汎用の安価なものを用いることができるため、表示装置の製造コストの点でも有利となる。
【0063】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、凹面表示装置である。第1の実施形態との違いは、アレイ基板上にTFT素子などを形成するアレイ工程と、対向基板と組み合わせてその間に液晶材料を充填するセル工程の後に、通常は0.5mm〜1.1mmの厚さを有するアレイ基板を0.1mm程度まで薄くする工程を有する点である。アレイ基板を薄くすることにより、液晶充填後の表示パネル31を図7のように湾曲して凹面化させても破壊されにくくなる。このように表示面が凹面である表示装置は、ユーザーと表示面の距離を、ほぼ一定に保てるようになり、ユーザーの目の疲れが緩和される利点をもつ。
【0064】
基板薄化は例えばフッ酸系エッチャントによる化学エッチングにより実現可能である。この他、機械的研磨あるいは化学的研磨を行ってもよい。
【0065】
以下、化学エッチングにより基板薄化を行う場合の凹面表示装置の製造方法を説明する。まず、対向基板側を耐薬品性を有するシート等で保護する。
【0066】
次に、アレイ基板をエッチャントに所定時間浸し、厚さ0.1mmとする。この厚さは、セルの柔軟性、研磨精度、機械強度、アレイに一体形成される回路に加わる内部応力、セル内部に水分などがガラス基板を通過して進入しないこと等の条件を考慮し、0.01mm以上0.15mm以下とすることが好ましい。厚すぎると曲げに対する柔軟性がなくなって割れやすくなり、薄すぎると液晶層に水分などが浸入し使用時間とともに液晶が著しく劣化し、ムラなどの表示不良が生じてくる。
【0067】
続いて対向基板も同様な処理を行う。さらに、研磨されたアレイ基板および対向基板の外面に、所定の光学軸を有した偏光板を貼り付ける。偏光板はアレイ基板および対向基板の補強材の役割を果たす。
【0068】
このようにして湾曲可能となった表示パネル31にFPC32を接着して、TAB−IC8等の外部半導体と接続する。あるいは、図8に示すように、TAB−IC8などの半導体を直接表示パネル31に実装してしまってもよい。いずれの場合にも、表示パネル31とFPC32の接続点数、または表示パネル31とTAB−IC8などの半導体との接続点数が少ないほど、接続不良の故障発生確率を低減することができ、有利である。こうして作製された表示装置を、ユーザーは適当に湾曲して凹面表示装置として利用することができる。
【0069】
(第3の実施形態)
第3の実施形態は、信号線駆動回路3内のアンプ回路5をアレイ基板の外部に設けるものである。
【0070】
図9は本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図である。図示のように、アレイ基板上には、信号線駆動回路3のうち信号線選択アナログスイッチ4だけが設けられている。信号線駆動回路3の残りの構成部分であるアンプ回路5、D/A変換回路13、デジタルバッファ14、ラインメモリ15及びデジタルサンプリング回路16は、アレイ基板とは別個のTAB−IC8に内蔵されている。第1の実施形態と同様に、TAB−IC8はアレイ基板とは別基板に実装されてもよいし、アレイ基板上に実装されてもよい。
【0071】
図10はアレイ基板の詳細構成を示す回路図である。図示のように、列設された信号線及び走査線と、これら信号線及び走査線の各交点付近に形成された画素TFT9と、信号線の端部に接続された信号線選択アナログスイッチ4と、シフトレジスタ10及びバッファからなる走査線駆動回路2とが設けられている。
【0072】
以下、第2の実施形態における信号線駆動回路3の動作を説明する。
【0073】
(1)1水平ライン期間に1回デジタルサンプリング回路16が動作し、外部から供給される1水平ライン分のデジタル画素データをラインメモリ15に格納する。
【0074】
(2)次に、1水平ライン期間分のデジタル画素データを保持するラインメモリ15から、例えば赤のみのデジタル画素データをデジタルバッファ14に転送する。
【0075】
(3)D/A変換回路13はラダー抵抗式であり、デジタルバッファ14のデータに応じて64階調のアナログ画素電圧のうち1つを出力する。
【0076】
(4)アレイ基板上の走査線駆動回路2は、各走査線を交互に駆動し、ある走査線を駆動している間に、1水平ライン分の信号線書き込みが行われる。より具体的には、アンプ回路5は、D/A変換回路13の出力を増幅して、アレイ基板上の所望の信号線に供給する。ここでは、租書込みを行うため、書込み誤差は500mV程度を許容する。
【0077】
(5)上記の(2)〜(4)の動作は、緑データ及び青データについても順次繰り返される。
【0078】
(6)書込み誤差を20mV程度にして、上記の(3)〜(5)の動作が再び繰り返され、高精度の信号線書込みが行われる。
【0079】
このように、第2の実施形態では、アンプ回路5をアレイ基板の代わりにTAB−IC8の内部に設けるため、アレイ基板内の信号線駆動回路3の回路規模を縮小でき、額縁を小さくできる。
【0080】
上述した実施形態では、表示装置の一例として液晶表示装置を例に取って説明したが、本発明は、画素ごとに表示素子を持つすべての表示装置(例えば、EL(electroluminescence)表示装置)についても適用可能である。
【0081】
また、上述した実施形態では、1水平ライン期間に、同じ信号線を2回駆動する例を説明したが、時間的に余裕があれば、3回以上駆動してもよい。
【0082】
さらに、アンプ回路5のインバータの段数についても特に制限はない。
【0083】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、走査線駆動回路が1本の走査線を駆動している間に、同じ信号線を複数回ずつ駆動するようにしたため、表示素子周辺に形成される容量の影響を受けずに信号線書き込みを行うことができ、信号線を所望の電圧に設定できることから、表示品質の向上が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図。
【図2】画素アレイ部1の詳細構成を示す回路図。
【図3】本実施形態と従来の信号線駆動回路3の動作タイミングを比較した図。
【図4】本実施形態における1垂直期間の信号線書込みタイミング図。
【図5】本実施形態における1水平期間の詳細な信号線書込みタイミング図。
【図6】TAB−IC8から出力されるアナログ画素電圧、R信号線及びG信号線の各電圧波形図。
【図7】凹面表示装置の外観を示す図。
【図8】図7の変形例を示す図。
【図9】本発明に係る表示装置の第1の実施形態の全体レイアウト図。
【図10】アレイ基板の詳細構成を示す回路図。
【図11】画素TFT周辺の回路構成を示す図。
【図12】容量C1〜C3の発生要因を示す図であり、(a)は画素アレイ部の1画素分のレイアウト図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図。
【図13】液晶表示装置の分解斜視図。
【図14】書き込み行の特定の赤画素r1を書き込んだ直後の状態を示す図。
【図15】アンプ回路に入力されるアナログ画素電圧と信号線電圧の電圧波形図。
【符号の説明】
1 画素アレイ部
2 走査線駆動回路
3 信号線駆動回路
4 信号線選択アナログスイッチ
5 アンプ回路
6 サンプルホールド回路
7 ディスプレイコントローラ
8 TAB−IC
9 画素TFT
10 シフトレジスタ
11 バッファ
Claims (7)
- 列設された信号線および走査線の各交点付近に形成された表示素子と、
前記信号線を駆動する信号線駆動回路と、
前記走査線を駆動する走査線駆動回路と、を備え、
前記信号線駆動回路は、前記走査線駆動回路が1本の走査線を駆動している間に、同じ信号線を複数回ずつ駆動することを特徴とする表示装置。 - 前記信号線駆動回路は、同じ信号線を複数回ずつ駆動する際、2回目以降の信号線書込み精度を1回目の信号線書込み精度よりも高くすることを特徴とする請求項1に記載の表示装置。
- 前記信号線駆動回路は、
アナログ画素電圧をサンプルホールドするサンプルホールド回路と、
サンプルホールドされたアナログ画素電圧に基づいて信号線駆動を行うアンプ回路と、
前記アンプ回路の出力を複数の信号線のどれに供給するかを切り替える信号線選択回路と、を有し、
前記サンプルホールド回路及び前記信号線選択回路は、複数の信号線ごとに設けられ、
前記信号線選択回路は、前記アンプ回路の出力を、対応する前記複数の信号線のいずれかに供給することを特徴とする請求項1または2に記載の表示装置。 - 前記アンプ回路は、
前記複数の信号線のそれぞれに対応する並列接続された複数の第1インバータと、
前記複数の第1インバータそれぞれの入力端子と前記サンプルホールド回路の出力端子との間に接続された複数の第1キャパシタと、
前記複数の第1インバータの出力のいずれか一つを選択する第1切換回路と、
前記第1切換回路の選択出力端子に縦続接続された複数の第2インバータと、
前記複数の第2インバータの段間にそれぞれ接続された複数の第2キャパシタ素子と、
前記第1及び第2インバータそれぞれの入出力端子間を短絡するか否かを切り替える複数の第2切換回路と、
前記複数の第1インバータそれぞれの入力端子と最終段の前記第2インバータの出力端子とを短絡するか否かを切り替える第3切換回路と、
前記複数の第1インバータそれぞれの入力端子と最終段の前記第2インバータの出力端子との接続経路上に接続される複数の第3キャパシタ素子と、を有することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。 - 前記サンプルホールド回路でサンプルホールドした状態で、前記第2切換回路により前記複数のインバータそれぞれの入出力端子間を短絡させ、その後、前記第3切換回路により前記初段のインバータの入力端子と前記最終段のインバータの出力端子とを第1の期間だけ短絡させた状態で、前記信号線選択回路により複数の信号線を順に選択し、その後、前記第3切換回路により前記初段のインバータの入力端子と前記最終段のインバータの出力端子とを第1の期間よりも長い第2の期間だけ短絡させた状態で、前記信号線選択回路により前記複数の信号線を順に選択することを特徴とする請求項3に記載の表示装置。
- 絶縁基板上に列設された信号線及び走査線と、これら信号線及び走査線の交点付近に設けられる表示素子と、半導体チップが出力するアナログ電圧をサンプリングして表示装置の信号線駆動を行うアンプ回路と、を備えるアレイ基板と、
デジタル画素データを前記表示装置の信号線を駆動するためのアナログ電圧に変換する半導体チップと、を備える表示装置。 - アレイ基板および対向基板は、厚さ0.01乃至0.15mmのガラス基板で形成された湾曲表示面を有する請求項1及至6のいずれかに記載の表示装置。
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