JP2004092403A - サクションフィルタ - Google Patents

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Abstract

【課題】フィルタ部材に形成される空隙を確保しつつ、フィルタ部材の厚みを必要以上に増大することなく寿命が延長され、かつ繊維の抜け落ちが防止されるサクションフィルタを提供する。
【解決手段】燃料ポンプ1に吸入される比較的大きな異物を除去するサクションフィルタ30は、燃料ポンプ1の燃料吸入口27に装着される。サクションフィルタ30は不織布からなるフィルタ部材40を備えており、フィルタ部材40は内側に位置する密層部と外側に位置する粗層部とを有している。粗層部を形成する第二繊維は、密層部を形成する第一繊維よりも外径が大きい。そのため、粗層部と密層部とを加圧し接合する場合でも、粗層部に形成されている空隙が減少したり、つぶされることはない。そのため、フィルタ部材40は粗層部の厚みを必要以上に増大することなく寿命が延長される。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関(以下、内燃機関を「エンジン」という。)の燃料ポンプに吸入される燃料に含まれる異物を除去するサクションフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、燃料タンク内の燃料を外部に吐出する燃料ポンプが公知である。燃料ポンプは燃料タンク内の燃料を吸引しエンジンへ供給する。このような燃料ポンプの燃料吸入側には、サクションフィルタが設けられている。サクションフィルタは、燃料に含まれる異物を捕集し、異物が燃料ポンプの内部に侵入するのを防止する。
【0003】
従来用いられているサクションフィルタとして、例えば密度の異なる複数の不織布を積層したものが利用されている。密度の異なる不織布を積層すると、比較的大きな異物は粗層部で捕集され、比較的小さな異物は密層部で捕集されるため、サクションフィルタを構成するフィルタ部材の寿命を延長することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
粗層部および密層部を有するフィルタ部材を形成する場合、一般に粗層部を形成するための繊維の量は、密層部を形成するための繊維の量よりも低減される。これにより、粗層部に形成される空隙は、密層部よりも大きくなる。しかしながら、粗層部を形成する不織布と密層部を形成する不織布とからフィルタ部材を構成する場合、各不織布は加圧して接合される。そのため、加圧の際に粗層部の不織布に形成されている空隙は縮小する。その結果、フィルタ部材による異物の捕集能力の低下、ならびにフィルタ部材の寿命の短縮を招くという問題がある。
【0005】
一方、フィルタ部材の寿命を延長するためには、フィルタ部材の厚みを増大することが考えられる。また、サクションフィルタは取付手段により燃料ポンプに取り付けられている。取付手段がフィルタ部材を挟み込むことにより、取付手段とフィルタ部材との間はシールされる。これにより、燃料がフィルタ部材を通過することなく取付手段とフィルタ部材との間を通り、燃料ポンプへ吸入されることを防止している。そのため、フィルタ部材は、取付手段との間のシール性を高めるために、ある程度の厚みを必要とする。しかしながら、フィルタ部材の厚みが必要以上に増大すると、サクションフィルタの大型化を招く。
【0006】
また、不織布からなるフィルタ部材を形成する繊維は相互に絡み合っているにすぎない。そのため、不織布を形成する繊維の一部は、燃料の流れによって抜け落ち、燃料ポンプへ吸入されるおそれがある。そこで、従来は不織布で形成されているフィルタ部材を例えば布状のシートを覆い、抜け落ちた繊維が燃料ポンプへ吸入されることを防止している。しかし、フィルタ部材を覆うシートが必要となり、部品点数の増大を招くという問題がある。
【0007】
そこで、本発明の目的は、フィルタ部材に形成される空隙を確保しつつ、フィルタ部材の厚みを必要以上に増大することなく寿命が延長され、かつ繊維の抜け落ちが防止されるサクションフィルタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1または2記載のサクションフィルタによると、フィルタ部材の粗層部を形成する第二繊維は密層部を形成する第一繊維よりも外径が大きい。そのため、粗層部に形成される空隙は大きくなり、かつ粗層部に形成される空隙は密層部との接合時において縮小しにくくなる。また、粗層部の空隙が縮小しにくくなることにより、異物の捕集能力を高めるためにフィルタ部材の厚みを必要以上に増大する必要がない。したがって、粗層部に形成される空隙を確保しつつ、フィルタ部材の厚みを必要以上に増大することなく、寿命を延長することができる。また、密層部および粗層部はバインダ繊維を含有している。バインダ繊維は、加熱により少なくとも外周部が溶融し、近傍の第一繊維または第二繊維を相互に溶着するとともに、密層部と粗層部とを接合する。したがって、フィルタ部材からの繊維の抜け落ちを防止することができる。なお、密層部のバインダ繊維と粗層部のバインダ繊維とは、例えば材質あるいは外径などが必ずしも同一である必要はない。
【0009】
本発明の請求項2記載のサクションフィルタによると、第二繊維の外径は第一繊維の外径の1.5倍以上である。第二繊維の外径が第一繊維の外径1.5倍より小さい場合、密層部と粗層部との接合時に粗層部に形成されている空隙が縮小するおそれがある。そこで、第二繊維の外径は第一繊維の外径の1.5倍以上に設定している。
【0010】
本発明の請求項3記載のサクションフィルタによると、圧縮率≦95である。圧縮率は、取付部材に挟み込まれる前におけるフィルタ部材の厚さをt1、ならびに取付部材に挟み込まれたときにフィルタ部材が圧縮され減少する厚さをt2とすると、t2/t1×100で算出される。圧縮率を95より大きくすると、密層部および粗層部を形成する第一繊維または第二繊維が圧縮により切断されるおそれがある。そのため、圧縮率を95以下に設定している。また、圧縮率は大きくなるほど、取付部材に挟み込まれたフィルタ部材の密層部および粗層部に形成されている空隙が縮小する。そのため、取付部材の挟み込まれた部分におけるフィルタ部材の圧力損失が増大し、シール性が向上する。したがって、圧縮率は、95以下であって、かつ大きい方が望ましい。
【0011】
本発明の請求項4記載のサクションフィルタによると、フィルタ部材は密層部を粗層部よりも内側とした袋状に形成されている。したがって、フィルタ部材を大型化することなく燃料が通過する面積を拡大することができる。
本発明の請求項5記載のサクションフィルタによると、フィルタ部材の内周側にはフィルタ部材を内側から支持する骨格部材が設置されている。そのため、燃料の圧力によって袋状のフィルタ部材がつぶされることはない。したがって、フィルタ部材を大型化することなく燃料が通過する面積を拡大することができる。
【0012】
本発明の請求項6記載のサクションフィルタによると、バインダ繊維は耐油性の樹脂で形成されている。そのため、燃料の通過にともなうバインダ繊維の劣化を防止することができる。また、バインダ繊維を形成する耐油性の樹脂の軟化点は、第一繊維および第二繊維の軟化点よりも低い。そのため、加熱により第一繊維および第二繊維を溶着する場合でも、第一繊維および第二繊維が軟化し、強度が低下することはない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を示す一実施例を図面に基づいて説明する。
本発明の一実施例によるサクションフィルタを適用した燃料ポンプを図2に示す。燃料ポンプ1は、図示しない燃料タンクの内部に設置され、燃料タンクの内部の燃料を吸い上げて燃料タンクの外部へ吐出する。
【0014】
燃料ポンプのハウジング2は樹脂で形成されており、フランジ部材10、ケース部材11および支持部材12を有する。フランジ部材10の円板部13は図示しない燃料タンクに取り付けられている。フランジ部材10は、外部コネクタ14、内部コネクタ15および吐出管取付部16を有しており、吐出管取付部16に吐出管17が取り付けられている。外部コネクタ14および内部コネクタ15は、ポンプ本体20に電力を供給するとともに、液面計21で検出された液面位置の信号を外部のECUに出力する。
【0015】
ケース部材11はケース部18とキャップ部19を有しており、ケース部18とキャップ部19とは接合されている。ケース部18は、フィルタケース181およびポンプケース182を有している。フィルタエレメント22はフィルタケース181に収容されており、ポンプ本体20はポンプケース182に収容されている。支持部材12は、ポンプ本体20ならびに図示しないプレッシャレギュレータの脱落を防止している。
【0016】
液面計21は、フロート23、腕部24およびセンサ部25を有し、センサ部25が液面計取付部26に脱着可能に取り付けられている。燃料量の変化にともなう腕部24の回転角度の変化をセンサ部25が検出することにより、燃料タンクの内部における燃料の量が計測される。図示しないプレッシャレギュレータは、フィルタエレメント22から吐出管17に燃料を供給する図示しない燃料通路に接続しており、吐出管17から燃料タンクの外部へ吐出される燃料の圧力を調整する。
【0017】
サクションフィルタ30は、燃料ポンプ1の燃料吸入側である燃料入口27に接続されている。サクションフィルタ30は、燃料入口27からポンプ本体20に吸入される燃料に含まれる比較的大きな異物を除去する。燃料タンクに蓄えられている燃料は、サクションフィルタ30により比較的大きな異物が除去された後、燃料入口27から燃料ポンプ1の内部へ吸入される。燃料ポンプ1の内部に吸入された燃料は、ポンプ本体20により加圧され、フィルタエレメント22へ流入する。フィルタエレメント22では、燃料に含まれる微小な異物が除去される。フィルタエレメント22を通過した燃料は、図示しないプレッシャレギュレータで圧力が調整された後、吐出管17から燃料ポンプ1の外部へ吐出される。
【0018】
次に、サクションフィルタ30について詳細に説明する。
図1に示すように、サクションフィルタ30は不織布で形成されているフィルタ部材40と、取付手段としての骨格部材50および装着部材60とを有している。フィルタ部材40は、図3に示すように絡まった繊維により形成される空隙が小さな密層部41と、空隙が大きな粗層部42とを有している。図1に示すように袋状に形成されたフィルタ部材40は、内側に密層部41ならびに外側に粗層部42が位置する。そのため、フィルタ部材40を通過する燃料は、図3の矢印で示すように外側の粗層部42から内側の密層部41へ流れる。
【0019】
サクションフィルタ30のフィルタ部材40を袋状に形成することにより、燃料はフィルタ部材40の外側から内側へ流入する。フィルタ部材40を袋状に形成することにより、袋状でない場合と比較して同一のろ過面積のフィルタ部材40を設置するために必要な面積は低減される。そのため、サクションフィルタ30を大型化することなく、フィルタ部材40によるろ過面積を増大することができる。また、骨格部材50は内側からフィルタ部材40を支持している。そのため、図示しない燃料タンクに蓄えられている燃料の内部にサクションフィルタ30を設置する場合でも、サクションフィルタ30のフィルタ部材40は袋状の形態を維持し、ろ過面積が確保される。
【0020】
本実施例の場合、密層部41は外径が約11μmの第一繊維から形成された不織布からなり、粗層部42は外径が約25μmの第二繊維から形成された不織布からなる。粗層部42の第二繊維の外径を密層部41の第一繊維の外径よりも大きくすることにより、粗層部42を構成する不織布は圧縮に対する強度が向上する。また、第二繊維の外径が大きくなることにより、粗層部42を形成する第二繊維の密度は低下し、粗層部42に形成される空隙の割合は増大する。すなわち、フィルタ部材40の粗層部42は密層部41に比較して目が粗くなる。そのため、密層部41となる不織布と粗層部42となる不織布とを加圧して接合することによりフィルタ部材40を形成する場合でも、強度が向上した粗層部42の空隙は減少したり、つぶれたりしない。
【0021】
密層部41および粗層部42には、図4(A)に示すように通常の繊維80からなる第一繊維または第二繊維に加えてバインダ繊維90を含有している。バインダ繊維90の外周部には、バインダ層91が形成されている。本実施例の場合、通常の繊維80からなる第一繊維および第二繊維は、耐油性が高いPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂から形成されている。また、バインダ繊維90は、ベース92がPET樹脂から形成され、バインダ層91が耐油性の高いポリアミド系の樹脂により形成されている。バインダ繊維90は、密層部41および粗層部42にそれぞれ所定の割合で含有されている。バインダ繊維90のベース92は、密層部41では第一繊維と同一の外径であり、粗層部42では第二繊維と同一の外径である。なお、バインダ繊維90のベース92は、密層部41および粗層部42のいずれにおいても第一繊維または第二繊維の外径と同一にしてもよく、第一繊維または第二繊維のいずれとも異なる外径としてもよい。
【0022】
バインダ層91は、加熱することにより溶融し、図4(B)に示すように近傍の通常の繊維80と溶着する。通常の繊維80からなる第一繊維および第二繊維、ならびにバインダ繊維90のベース92を形成するPET樹脂の軟化点は約220℃であるのに対し、バインダ層91を形成するポリアミド系の樹脂の軟化点は約250℃である。そのため、通常の繊維80からなる第一繊維および第二繊維ならびにバインダ繊維90から不織布を形成した後、形成された不織布を加熱しバインダ層91を溶融する場合でも、第一繊維および第二繊維ならびにベース92は軟化したり強度が低下することはない。第一繊維または第二繊維とバインダ繊維90とからそれぞれ不織布が形成された後、各不織布は加圧および加熱される。これにより、密層部41および粗層部42に含まれるバインダ繊維90は溶融し、近傍の繊維と溶着するとともに、密層部41と粗層部42とは接合される。
【0023】
フィルタ部材40は、図5および図6に示すように骨格部材50と装着部材60との間に挟み込まれている。骨格部材50は筒部51、フランジ部52および本体53を有しており、筒部51、フランジ部52および本体53は耐油性の樹脂により一体に形成されている。図6に示すように、フランジ部52の筒部51の外周側には凹部54が形成されている。筒部51には、径方向外側へ突出する突起部55が形成されている。
【0024】
装着部材60は、樹脂により形成されており、図1および図2に示すように燃料ポンプ1の燃料入口27に取り付けられる。装着部材60は、図5に示すように燃料入口27が挿入されフィルタ部材40を通過した燃料が流れる装着口61を有している。装着部材60は、装着口61の骨格部材50側に筒部51が挿入される挿入部62を有している。図6に示すように、挿入部62の内周側には溝部63が形成されている。挿入部62に筒部51を挿入することにより、筒部51の突起部55は挿入部62の溝部63に嵌合し、骨格部材50と装着部材60とはスナップフィットにより連結される。また、装着部材60には、挿入部62の径方向外側へ突出するフランジ部64、ならびに骨格部材50側へ突出する突出部65が形成されている。突出部65は骨格部材50の凹部54に挿入される。
【0025】
フィルタ部材40は、図7に示すように中央に開口部43を有する矩形に形成されている。開口部43の密層部41側から骨格部材50の筒部51を挿入し、骨格部材50に装着部材60を取り付けることにより、図5および図6に示すようにフィルタ部材40は骨格部材50と装着部材60との間に挟み込まれる。フィルタ部材40は、図6に示すように骨格部材50のフランジ部52と装着部材60のフランジ部64との間に挟み込まれるとともに、骨格部材50の凹部54の内壁54aと装着部材60の突出部65の外周側との間に挟み込まれる。フィルタ部材40を凹部54の内壁54aと突出部65との間に挟み込むことにより、フィルタ部材40は厚さが減少する方向へ圧縮される。
【0026】
フィルタ部材40は、開口部43に骨格部材50および装着部材60が取り付けられた後、密層部41が内側として長手方向の端部同士が重なるように折り曲げられる。そして、折り畳まれたフィルタ部材40の外縁部を加熱することにより溶着し、フィルタ部材40は図1および図5に示すように内側に骨格部材50を収容した袋状に形成される。
【0027】
凹部54の内壁54aと突出部65との間においてフィルタ部材40を圧縮することにより、フィルタ部材40の密層部41および粗層部42に形成されている空隙は小さくなる。そのため、フィルタ部材40の圧縮された部分を流れる燃料の圧力損失は増大する。また、骨格部材50と装着部材60との間にもフィルタ部材40を挟んで締め付け力が生じるため、フィルタ部材40と骨格部材50および装着部材60との境界部も燃料が流れにくくなる。これにより、骨格部材50と装着部材60との間はフィルタ部材40を挟んでシールされ、燃料はより圧力損失の小さなフィルタ部材40の圧縮されていない部分を通過する。その結果、フィルタ部材40を通過する燃料が、フィルタ部材40と骨格部材50および装着部材60との境界部を経由してフィルタ部材40の内側へ侵入することは防止される。
【0028】
このとき、本実施例では、フィルタ部材40の圧縮率を次のように設定している。図8に示すように圧縮される前のフィルタ部材40の厚さをt1とし、圧縮により減少する厚さをt2としたとき、フィルタ部材40の圧縮率PをP=t2/t1×100と定義すると、P≦95と設定している。圧縮された部分においてフィルタ部材40の内部の空隙を小さくし圧力損失を高めるためには、Pはより大きな方が好ましい。しかし、P>95とすると、フィルタ部材40を構成する不織布の第一繊維および第二繊維が切断され、圧縮された部分におけるフィルタ部材40の圧力損失が減少するおそれがある。そのため、圧縮率Pの上限を95に設定している。
【0029】
以上、説明した本発明の一実施例では、粗層部42を形成する第二繊維の外径を第一繊維よりも大きく、粗層部42の強度は高められる。そのため、フィルタ部材40が骨格部材50と装着部材60との間に挟み込まれ圧縮された場合、粗層部42に形成されている空隙は減少したり、つぶされることがない。その結果、燃料に含まれる比較的大きな異物は粗層部42に捕集され、密層部41の目詰まりは低減される。したがって、フィルタ部材40の寿命を延長することができる。また、密層部41の目詰まりが低減されることにより、フィルタ部材40の厚みを必要以上に増大させなくてもよい。したがって、サクションフィルタ30の大型化を回避することができる。さらに、骨格部材50と装着部材60とによりフィルタ部材40を挟み込むことにより、骨格部材50および装着部材60とフィルタ部材40との間のシール性を確保することができる。
【0030】
さらに、本実施例では、密層部41および粗層部42を構成する第一繊維または第二繊維は、バインダ繊維90を含有している。密層部41および粗層部42が加熱されることにより、バインダ繊維90の外周部に形成されているバインダ層91は溶融し、バインダ繊維90の近傍の繊維同士は溶着する。そのため、第一繊維および第二繊維は、フィルタ部材40から抜け落ちることがない。したがって、抜け落ちた繊維を捕集するためのカバーなどが不要となり、部品点数を低減することができる。また、バインダ層91は耐油性の高いポリアミド系の樹脂により形成されている。したがって、バインダ層91の燃料による劣化を防止することができる。
【0031】
以上、本発明の一実施例では、サクションフィルタを燃料ポンプに適用する一例について説明した。しかし、本発明のサクションフィルタは、上記で説明した燃料ポンプに限らず、例えばサブタンクを有し燃料ポンプの底部にサクションフィルタを配置する形態の燃料供給装置など、上記の実施例に限定されるものではない。また、上記の実施例では、ベースの外周側にバインダ層を有するバインダ繊維を適用する例について説明したが、例えばバインダ繊維の全体がバインダ層と同一の材質で形成され、加熱によりバインダ繊維の全体が溶融する構成としてもよい。さらに、上記の実施例では、フィルタ部材を矩形の袋状に形成する場合について説明したが、フィルタ部材は矩形に限らず例えば円形状あるいは多角形状など所望の形状とすることができ、袋状に限らずシート状にすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例によるサクションフィルタを示す模式図である。
【図2】本発明の一実施例によるサクションフィルタを適用した燃料ポンプを示す部分断面図である。
【図3】本発明の一実施例によるサクションフィルタのフィルタ部材を示す図であって、密層部および粗層部を構成する繊維の状態を示す模式図である。
【図4】本発明の一実施例によるサクションフィルタのフィルタ部材を示す図であって、(A)は通常の繊維にバインダ繊維が位置している位置関係を示す模式図であり、(B)はバインダ繊維により近傍の通常の繊維が溶着された状態を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施例によるサクションフィルタを示す部分断面図である。
【図6】図5の要部を拡大した断面図である。
【図7】本発明の一実施例によるサクションフィルタのフィルタ部材を展開した模式図である。
【図8】本発明の一実施例によるサクションフィルタのフィルタ部材の圧縮を説明するための模式図である。
【符号の説明】
1  燃料ポンプ
27  燃料入口(燃料吸入側)
30  サクションフィルタ
40  フィルタ部材
41  密層部
42  粗層部
50  骨格部材(取付手段)
60  装着部材(取付手段)
90  バインダ繊維
91  バインダ層

Claims (6)

  1. 燃料ポンプの燃料吸入側に設けられ、不織布から形成されているフィルタ部材と、前記フィルタ部材を挟み込んで前記フィルタ部材を支持し前記フィルタ部材を前記燃料ポンプの燃料吸入側に取り付ける取付手段とを備え、前記燃料ポンプに吸入される燃料に含まれる異物を除去するサクションフィルタであって、
    前記フィルタ部材は、
    第一繊維、ならびに少なくとも外周部が加熱により溶融するバインダ繊維から形成されている密層部と、
    前記第一繊維よりも外径が大きな第二繊維、ならびに前記バインダ繊維から形成され、前記密層部と接合されている粗層部と、
    を備えることを特徴とするサクションフィルタ。
  2. 前記第二繊維の外径は、前記第一繊維の外径の1.5倍以上であることを特徴とする請求項1記載のサクションフィルタ。
  3. 前記フィルタ部材は、前記取付手段に挟み込まれる前の厚さをt1、ならびに挟み込まれたときに圧縮され減少する厚さをt2とし、圧縮率=t2/t1×100としたとき、圧縮率≦95であることを特徴とする請求項1または2記載のサクションフィルタ。
  4. 前記フィルタ部材は、前記密層部を前記粗層部よりも内側とした袋状に形成されていることを特徴とする請求項1、2または3記載のサクションフィルタ。
  5. 前記取付手段は、袋状に形成された前記フィルタ部材を内側から支持する骨格部材と、前記骨格部材との間に前記フィルタ部材を挟み込んで前記骨格部材と嵌合し前記フィルタ部材を前記骨格部材とともに前記燃料ポンプの燃料吸入側に装着可能な装着部材とを有することを特徴とする請求項4記載のサクションフィルタ。
  6. 前記バインダ繊維は耐油性の樹脂により形成され、前記耐油性の樹脂の軟化点は前記第一繊維および第二繊維の軟化点よりも低いことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載のサクションフィルタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007255192A (ja) * 2006-03-20 2007-10-04 Aisan Ind Co Ltd 燃料フィルタ及び燃料供給装置
JP2017002834A (ja) * 2015-06-11 2017-01-05 愛三工業株式会社 燃料フィルタ

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