JP2004090853A - 車両用空調装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】乗員に空調空気が当たるときでもこの空調空気に違和感を覚えることがなく、かつ車室内が設定温度に維持されるように空調空気の吹出状態を制御可能な車両用空調装置を提供する。
【解決手段】ステップ200において、まず空調空気の必要吹出温度TAOを算出する。ステップ210〜260において、車室内が冷房中で室温安定状態にあり、FACE吹出口に配設されているスインググリルのルーバーが揺動機構により揺動中であり、これにより、現在空調空気が乗員に向けて吹き出されていると判定された場合は、ステップ270において、目標吹出温度TMPを、必要吹出温度TAOに所定値αを加算した温度(TAO+α)と室温相当温度Taのうち大きくない方の値に決定する。それ以外の場合は、ステップ220において、目標吹出温度TMPを必要吹出温度TAOに決定する。
【選択図】    図8

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、オートスイングルーバー機構を備えた車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、空調空気の吹出方向を周期的に変化させるためのオートスイングルーバー機構を備えた車両用空調装置が提案されている。このような車両用空調装置では、吹出口に設けられたスインググリルのルーバーを自動的に揺動させることにより、乗員に向けて空調空気が吹き出される範囲と乗員から逸れた方向に向けて空調空気が吹き出される範囲を含む広い範囲で空調空気の吹出方向を周期的に変化させる。乗員は、このようにして吹き出される空調空気に気流の変化を感じ取るため、快適性が向上する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような車両用空調装置において、吹出方向を変化させながら吹き出される空調空気の温度は、車室内を乗員が設定した温度に維持するために必要な温度に制御される。従って、オートスイングにより変化する吹出方向範囲のうち乗員に向けて空調空気が吹き出されている間も、空調空気は必要吹出温度で吹き出される。通常、オートスイングが用いられるのは冷房時であるため、乗員は車室内温度よりも低い温度の風が当てられることになる。また、特公平7−61765号公報には、乗員がより気流を感じることができるように、空調空気が乗員に向いている間は必要吹出温度よりさらに低い温度で空調空気を吹き出すことが提案されている。このように車室内温度より低い温度の空調空気が乗員に向けて吹き出されると、車室内温度が比較的安定している状態においては、乗員が冷たい風に違和感を覚える、あるいは冷たい風により乗員の上半身が冷たくなってしまうという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、乗員に空調空気が当たるときでもこの空調空気に違和感を覚えることがなく、かつ車室内が設定温度に維持されるように空調空気の吹出状態を制御可能な車両用空調装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1記載の車両用空調装置は、車室内に空調空気を吹き出すための吹出口を有する空調ユニットと、車室内の温度に相当する室温相当温度を取得する室温相当温度取得手段と、車室内の空調負荷を検出する空調負荷検出手段と、吹出口から吹き出す空調空気の目標吹出温度を空調負荷検出手段によって検出した空調負荷に基づいて決定する吹出温度決定手段と、吹出口から吹き出す空調空気の向きを空調対象となる車室内の所定の座席方向を含む所定の範囲内で周期的に変化させる吹出方向変更手段とを備えており、吹出温度決定手段は、空調負荷に基づいて決定した必要吹出温度が室温相当温度取得手段により取得した室温相当温度より低く、かつ吹出方向変更手段により空調空気の少なくとも一部が所定の座席方向に向くように吹出方向が調節されている場合には、目標吹出温度を必要吹出温度より高い温度に決定し、それ以外の場合は目標吹出温度を必要吹出温度以下の温度に決定する。このようにして、座席に着座している乗員に空調空気が向けられている間は吹出温度を必要吹出温度より高くすると、乗員が自身に当てられる空調空気を冷たく感じることは少ない。また、空調空気が乗員から逸れた方向に向けられている間は、空調空気の目標吹出温度を例えば必要吹出温度に制御すれば、車室内を設定温度に維持することができる。
【0006】
また請求項1記載の車両用空調装置は、請求項2記載のように、室温状態判定手段により車室内温度が安定状態にあるか否かを判定して、車室内温度が安定状態にあると判定された場合にのみ、座席方向に吹き出される空調空気の温度を必要吹出温度より高く制御するとよい。車室内温度が非常に高い場合などは、座席方向に吹き出される空調空気も必要吹出温度に制御すると、車室内温度を速く設定温度に近づけることができる。また、車室内温度が非常に高い場合には、座席に着座している乗員に向けて必要吹出温度の空調空気が当てられても、乗員が空調空気を冷たく感じることは少ない。
【0007】
座席方向に吹き出される空調空気の目標吹出温度として設定される必要吹出温度より高い温度は、請求項3記載のように、室温相当温度取得手段により取得した室温相当温度以下の温度に制御するとよい。このように、座席に着座している乗員に当てられる空調空気の温度を必要吹出温度より高く室温相当温度以下に制御すると、乗員は自身に当てられる空調空気に違和感を覚えにくく、また乗員から逸れて吹き出される空調空気を必要吹出温度に制御した場合に車室内を設定温度に維持しやすい。必要吹出温度より高く室温相当温度以下の温度の中でも、請求項4記載のように、室温相当温度を座席方向に吹き出す空調空気の目標吹出温度として選択すると、室温相当温度より低い温度の空調空気が乗員に当てられる場合に比較して、乗員が冷たさを感じることは少なくなる。
【0008】
また、請求項5記載のように、日射量検出手段により車室内への日射量を検出して、検出された日射量に応じて、乗員に向けて吹き出される空調空気の目標吹出温度として設定される必要吹出温度より高い温度を変化させるようにしてもよい。例えば、日射量が多いときには目標吹出温度を比較的必要吹出温度に近い温度に設定するようにすると、乗員は空調空気をより快適に感じる。
【0009】
あるいは、請求項6記載のように、空調空気が座席方向に向けられている間に、その間の吹出方向の変化に応じて、目標吹出温度として設定する必要吹出温度より高い温度を変化させるようにしてもよい。例えば、空調空気が座席方向に向けられている間の前半において必要吹出温度から徐々に室温相当温度まで空調空気の吹出温度を上げていき、後半において徐々に空調空気の吹出温度を必要吹出温度まで下げるようにする。このように空調空気の吹出温度を徐々に変化させるようにすると、座席に着座している乗員の上半身が通常の位置からずれたところにある場合でも、乗員に当たる空調空気の温度が急に変化することはない
室温相当温度取得手段は、請求項7記載のように、室温検出手段により検出した車室内温度、外気温検出手段により検出した外気の温度、座席温度検出手段により検出した座席付近の温度、および設定温度取得手段によりユーザから取得した設定温度のうちの少なくとも1つに基づいて室温相当温度を取得するように構成するとよい。例えば、座席温度検出手段により、乗員の皮膚温度や、乗員が着座している座席の温度、さらにステアリング・ホイールの温度など座席付近の温度を検出して、これらに基づいて室温相当温度を導出すると、座席付近の空気の温度を得ることができるため、このような温度に等しくなるように座席方向に向けられる空調空気の温度を制御すれば、座席付近の気温が周囲より高めである場合でも、座席に着座している乗員は空調空気に違和感を覚えにくい。
【0010】
また、乗員に向けられる空気の温度を、乗員が所望の車室内温度として設定した温度に制御してもよい。特に室温安定状態においては、実際の室温は設定温度に近く、また、設定温度は乗員により設定された値であるため、座席方向に向けられる空気の温度を設定温度に制御すれば、座席に着座している乗員は空調空気を冷たく感じることはない。
【0011】
請求項1記載の車両用空調装置において、座席方向に向けられる空調空気の吹出温度を必要吹出温度より高く制御する場合には、請求項8記載のように、空調空気の吹出方向の周期的変化に対して吹出温度をフィードフォワード制御するとよい。このようにして吹出温度を変化させる制御を少し早めに行うと、座席に着座している乗員に向けて実際に空調空気が吹き出されている期間と吹出温度が必要吹出温度より高くなっている期間が一致するため、吹出方向変更手段により空調空気が乗員に対して向けられ始めたときなどに乗員に冷たい空調空気が当てられることがなく、また吹出方向が乗員から逸れたら直ちに吹出温度を必要吹出温度に下げるようにすれば、車室内を設定温度に維持することができる。
【0012】
また、座席方向に向けて吹き出される空調空気は、その吹出温度を必要吹出温度より高く制御するだけでなく、さらに請求項9記載のように、その風量を、風量決定手段により、空調負荷に基づいて決定した必要風量より小さい風量に制御するとよい。このようにして、冷房時に乗員に向けられる空調空気の温度を高めに制御するだけでなく、風量を少なめに制御すると、乗員は空調空気に違和感を覚えにくい。
【0013】
請求項10記載の車両用空調装置は、車室内に空調空気を吹き出すための吹出口を有する空調ユニットと、車室内の空調負荷を検出する空調負荷検出手段と、吹出口から吹き出す空調空気の目標風量を前記空調負荷検出手段によって検出した空調負荷に基づいて決定する風量決定手段と、吹出口から吹き出す空調空気の向きを所定の範囲内で周期的に変化させる吹出方向変更手段とを備えており、風量決定手段は、空調負荷に基づいて決定した必要風量が最小吹出風量より大きく、かつ吹出方向変更手段により空調空気の少なくとも一部が乗員に当たるように吹出方向が調節されている場合には、目標風量を必要風量より小さい風量に決定し、それ以外の場合は目標風量を必要風量以上の風量に決定する。このように空調空気が座席方向に向けて吹き出されている間は風量を少なく制御するようにすると、座席に着座している乗員は自分に向けて吹き出される空調空気を不快に感じることは少ない。また、空調空気が乗員から逸れた方向に吹き出されている間は、空調空気を例えば空調負荷に基づいて決定した必要風量で吹き出すようにすると、車室内を設定温度に維持することができる。
【0014】
また請求項10記載の車両用空調装置は、請求項11記載のように、室温状態判定手段により車室内温度が安定状態にあるか否かを判定して、車室内温度が安定状態にあると判定された場合にのみ、座席方向に向けて吹き出される空調空気の風量を必要風量より少なく制御するとよい。車室内温度が非常に高い場合などは、座席方向に向けた空調空気も必要風量で吹き出すようにすると、車室内温度を速く設定温度に近づけることができる。また、車室内温度が非常に高い場合には、座席に着座している乗員は空調空気が必要風量で当てられてもそれほど違和感を覚えることはない。
【0015】
座席方向に向けて吹き出される空調空気の風量を少なめに制御する場合には、座席に着座している乗員が気流を感じることができるように、請求項12記載のように、目標風量を必要風量より小さく最小吹出風量以上の風量に、つまり風量がゼロにならないように制御するとよい。また、請求項13記載のように、目標風量として設定する必要風量より小さい風量を、必要風量の値に応じて変化させるとよい。例えば、必要風量が比較的大きい場合には目標風量を必要風量よりかなり小さく設定するようにすると、乗員に向けて吹き出される空調空気の風量は常にそれほど大きくならないように抑えられるため、乗員が空調空気に違和感を覚えることはない。
【0016】
また、請求項14記載のように、空調空気が座席方向に向けられている間に、その間の吹出方向の変化に応じて、目標風量として設定する必要風量より小さい風量を変化させるようにしてもよい。例えば、空調空気が座席方向に向けられている間の前半において必要風量から徐々に最小吹出風量まで風量を下げていき、後半において徐々に風量を必要風量まで上げていくようにする。このように風量を徐々に変化させるようにすると、座席に着座している乗員の上半身が通常の位置からずれたところにある場合でも、乗員に当たる空調空気の風量が急に変化することはない。また、風量を徐々に変化させると、送風機音の変化もゆるやかであるため、乗員は風量の変化を不快に感じることはない。
【0017】
請求項10記載の車両用空調装置において、座席方向に向けられる空調空気の風量を空調負荷に基づく必要風量より少なく制御する場合には、請求項15記載のように、空調空気の吹出方向の周期的変化に対して風量をフィードフォワード制御するとよい。このようにして風量を変化させる制御を少し早めに行うと、実際に乗員に向けて空調空気が吹き出されている期間と空調空気が必要風量より小さい風量で吹き出されている期間が一致するため、吹出方向変更手段により空調空気が乗員に対して向けられ始めたときなどに乗員に大きな風量で空調空気が当てられることがなく、また吹出方向が乗員から逸れたら直ちに風量を必要風量に上げるようにすれば、車室内を設定温度に維持することができる。
【0018】
室温状態判定手段は、請求項16記載のように、空調負荷検出手段により検出した空調負荷に基づいて車室内温度が安定状態にあるか否かを判定するとよい。このように空調負荷検出手段により検出した空調負荷を利用すると、簡単に、しかも的確に室温安定状態を検出することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置1の全体構成を示している。この車両用空調装置1は車両に搭載されてその車室内の運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンの温度調節をそれぞれ設定温度に保つように自動制御するオートエアコンであり、エアコンユニット(空調ユニット)2と、エアコンユニット2を構成する機器を制御するエアコンECU3からなる。エアコンユニット2は、車室内の前方側に配置されて車室内の各空調ゾーンに空調空気を導く空気通路を形成する空調ダクト20を備えており、この空調ダクト20の空気の流れの上流側には空調ダクト20内において空気を送る遠心式のブロワユニット30が配設されている。
【0020】
空調ダクト20の最上流側には内外気切替箱が設けられており、これは内気吸込口21と外気吸込口22を有している。これらの吸込口21、22の内側には内外気切替ドア23が回動自在に取り付けられており、この内外気切替ドア23をサーボモータ等のアクチュエータ60により駆動することにより、内気吸込口21と外気吸込口22の開度を変化させて吸込モードを切り替えることができる。
【0021】
空調ダクト20は、その下流側において仕切り板14により第1空気通路11と第2空気通路12に分けられており、それぞれの空気通路11、12の最下流側には吹出口切替箱が設けられている。第1空気通路11の吹出口切替箱には、デフロスタ(DEF)開口部、センタフェイス(FACE)開口部、サイドフェイス(FACE)開口部、およびフット(FOOT)開口部が形成されており、これらの開口部にはそれぞれダクトが接続されている。各開口部に接続されたダクトの最下流端には、車両のフロントガラスの内面に向かって空調空気を吹き出すデフロスタ(DEF)吹出口15、運転席の乗員の上半身に向かって空調空気を吹き出す運転席側センタフェイス(FACE)吹出口16aおよび運転席側サイドフェイス(FACE)吹出口16b、運転席の乗員の足元に向かって空調空気を吹き出す運転席側フット(FOOT)吹出口16cがそれぞれ開口している。
【0022】
第2空気通路12の吹出口切替箱には、センタフェイス(FACE)開口部、サイドフェイス(FACE)開口部、およびフット(FOOT)開口部が形成されており、これらの開口部にはそれぞれダクトが接続されている。各開口部に接続されたダクトの最下流端には、助手席の乗員の上半身に向かって空調空気を吹き出す助手席側センタフェイス(FACE)吹出口17aおよび助手席側サイドフェイス(FACE)吹出口17b、助手席の乗員の足元に向かって空調空気を吹き出す運転席側フット(FOOT)吹出口17cがそれぞれ開口している。
【0023】
これらの吹出口15、16a〜16c、17a〜17cの内側には吹出口切替ドア24〜28が回動自在に取り付けられており、これらをサーボモータ等のアクチュエータ61〜63によりそれぞれ駆動することにより、吹出口モードをフェイス(FACE)モード、バイレベル(B/L)モード、フット(FOOT)モード、フットデフ(F/D)モード、およびデフロスタ(DEF)モードのいずれかに切り替える。なお、FACEモードとは、空調空気を乗員の上半身(頭胸部)に向けて吹き出す吹出口モードであり、B/Lモードとは、空調空気を乗員の上半身(頭胸部)および足元部に向けて吹き出す吹出口モードである。また、FOOTモードとは、空調空気を乗員の足元部に向けて吹き出す吹出口モードであり、F/Dモードとは、空調空気を乗員の足元部および車両のフロントウィンドウの内面に向けて吹き出す吹出口モードである。そして、DEFモードとは空調空気を車両のフロントウィンドウの内面に向けて吹き出す吹出口モードである。
【0024】
ブロワユニット30は、空調ダクト20に一体的に構成されたスクロールケースに回転自在に収納された遠心式ファン31と、この遠心式ファン31を回転駆動するブロワモータ32を有している。ブロワ駆動回路33を介してブロワモータ32に印加される電圧を制御することにより、送風量(遠心式ファン31の回転速度)を制御することができる。
【0025】
空調ダクト20内にはさらに冷凍サイクルのエバポレータ45と冷却水回路のヒータコア51が配設されている。エバポレータ45は、空調ダクト20の空気通路が第1空気通路11と第2空気通路12に分岐している箇所よりも上流側に空気通路を全面塞ぐようにしてに配設され、通過する空気を冷却・除湿する。ヒータコア51は、第1空気通路11および第2空気通路12を部分的に塞ぐようにして空気ダクト20内においてエバポレータ45よりも下流側に配設され、空気通路11、12を通過する空気を加熱する。ヒータコア51の近傍には第1空気通路11と第2空気通路12にそれぞれエアミックス(A/M)ドア52、53が回動自在に取り付けられており、これはサーボモータ等のアクチュエータ64、65により駆動されて、その停止位置によりヒータコア51を通過する空気量とヒータコア51を迂回する空気量との割合を調節して、車室内の運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンへ吹き出す空気の温度をそれぞれ独立に調節する。
【0026】
運転席側センタFACE吹出口16a、運転席側サイドFACE吹出口16b、助手席側センタFACE吹出口17a、および助手席側サイドFACE吹出口17bは図2に示すようにインストルメントパネル4に配置されている。これらの吹出口16a、16b、17a、17bには、それぞれ図3に示すようなスインググリル70が取り付けられている。スインググリル70は、車両の高さ方向に延びる細長い板が車両の幅方向に複数列設された垂直ルーバー70aと車両の幅方向に延びる細長い板が車両の高さ方向に複数列設された水平ルーバー70bとを有している。
【0027】
垂直ルーバー70aには、図4(A)に示すように、垂直ルーバー70aを左右に揺動させるための左右方向揺動機構71が連結されている。左右方向揺動機構71は、垂直ルーバー70bに連結されているリンクレバー71a、ステッピングモータ71b、およびステッピングモータ71bをリンクレバー71aに連結するアームプレート71cからなる。ステッピングモータ71bを回転させると、図4(A)に示すように、垂直ルーバー70aが車両の幅方向に所定の範囲内で揺動して、空調空気が吹き出される方向が左右に変化する。各FACE吹出口16a、16b、17a、17bの垂直ルーバー70aが揺動可能な範囲には、図5(A)に示すように、吹き出された空調空気の少なくとも一部が車両の前席または前席に着座している乗員に当たる範囲φと、空調空気が前席または前席乗員から逸れる範囲φが含まれる。
【0028】
水平ルーバー70bには、図4(B)に示すように、水平ルーバー70bを上下に揺動させるための上下方向揺動機構72が連結されている。上下方向揺動機構72は、水平ルーバー70bに連結されているリンクレバー71a、ステッピングモータ72b、およびステッピングモータ72bをリンクレバー71aに連結するアームプレート72cからなる。ステッピングモータ72bを回転させると、図4(B)に示すように、水平ルーバー70bが車両の高さ方向に所定の範囲内で揺動して、空調空気が吹き出される方向が上下に変化する。各FACE吹出口16a、16b、17a、17bの水平ルーバー70bが揺動可能な範囲には、図5(B)に示すように、吹き出された空調空気の少なくとも一部が前席または前席に着座している乗員に当たる範囲φと、空調空気が前席または前席乗員から逸れる範囲φが含まれる。
【0029】
従って、各空調ゾーンにおいて、FACE吹出口16a、16b、17a、17bから吹き出される空調空気は、垂直ルーバー70aの向きが範囲φにあり、かつ水平ルーバー70bの向きが範囲φにあるときに、その空調ゾーンの座席に着座している乗員に当たることになり、それ以外の場合は乗員から逸れることになる。
【0030】
ステッピングモータ71b、72bは、エアコンECU3からの1パルスに応じて作動する角度が決まっており、従って、ルーバー70a、70bを特定の角度動かす必要がある場合には、下記の数式により求めた数のパルスをエアコンECU3から出力することによりステッピングモータ71b、72bを駆動する。
【0031】
【数1】
パルス数 = (必要作動角)/(1パルス当たりの作動角)
なお、ステッピングモータ71b、72bの出力軸とリンクレバー71a、72aまたはアームプレート71c、72cとの間にはクラッチが設けられており、これは、ルーバー70a、70bが乗員により手動操作された場合にその力がリンクレバー71a、72aおよびアームプレート71c、72cを介してステッピングモータ71b、72bの出力軸に伝達されないように遮断する。
【0032】
エアコンECU3は、その内部に、図示しないCPU、ROM、RAM等からなる周知のマイクロコンピュータを有している。エアコンECU3には、エアコン操作パネル75、運転席側ルーバー操作パネル76、助手席側ルーバー操作パネル77上のスイッチ類から様々なスイッチ信号が入力される。
【0033】
エアコン操作パネル75は、図6に示すように、インストルメントパネル4の前面中央部分に配設されており、エアコン(A/C)スイッチ75a、吸込モード切替スイッチ75b、フロントデフロスタ・スイッチ75c、リヤデフロスタ・スイッチ75d、DUALスイッチ75e、吹出口モード切替スイッチ75f、ブロワ風量切替スイッチ75g、オートスイッチ75h、オフスイッチ75i、液晶ディスプレイ75j、運転席側温度設定スイッチ75k、助手席側温度設定スイッチ75l等を有している。これらのスイッチのうちDUALスイッチ75eは、運転席側空調ゾーンの温度調節と助手席側空調ゾーンの温度調節とを独立して行うことを指示するためのスイッチで、これを操作することにより乗員が独立温度調節を指示した場合、乗員は運転席側空調ゾーンの所望の温度を運転席側温度設定スイッチ75kで設定し、助手席側空調ゾーンの所望の温度を助手席側温度設定スイッチ75lで設定する。
【0034】
運転席側ルーバー操作パネル76は、インストルメントパネル4の前面中央部分にエアコン操作パネル75の右側に隣接して配設されており、MATCHスイッチ76a、CENTERスイッチ76b、SIDEスイッチ76c、およびスイングモード切替スイッチ76dを有している。MATCHスイッチ76aは運転席側センタFACE吹出口16aと運転席側サイドFACE吹出口16bの両方においてスインググリル70のルーバー70a、70bを揺動させることを指示するためのプッシュ式ONOFFスイッチであり、CENTERスイッチ76bは運転席側センタFACE吹出口16aのルーバー70a、70bのみを揺動させることを指示するためのスイッチであり、SIDEスイッチ76cは運転席側サイドFACE吹出口16bのルーバー70a、70bのみを揺動させることを指示するためのプッシュ式ONOFFスイッチである。スイングモード切替スイッチ76dは、「OFF」、「AUTO」、「U−D SWING」、「R−L
SWING」の各切替位置を有するロータリー式スイッチである。
【0035】
スイングモード切替スイッチ76dを「AUTO」に設定すると、垂直ルーバー70aと水平ルーバー70bが状況に応じて自動的に設定されるスイング範囲で揺動する。「U−D SWING」に設定すると、水平ルーバー70bが上下方向に所定の範囲で揺動する。「R−L SWING」に設定すると、垂直ルーバー70aが左右方向に所定の範囲で揺動する。「OFF」に設定すると、ルーバー70a、70bの揺動は停止する。MATCHスイッチ76aが選択されている時には、運転席側センタFACE吹出口16aのルーバー70a、70bと運転席側サイドFACE吹出口16bのルーバー70a、70bは同期して揺動する。つまり、センタFACE吹出口16aからの空調空気が運転席の乗員に当っているときには、サイドFACE吹出口16bからの空調空気も運転席の乗員に当っており、センタFACE吹出口16aからの空調空気が運転席の乗員から逸れているときには、サイドFACE吹出口16bからの空調空気も運転席の乗員から逸れている。
【0036】
助手席側ルーバー操作パネル77は、インストルメントパネル4の前面に助手席側サイドFACE吹出口17bと隣接して配設されており、上記運転席側ルーバー操作パネル76と同様に、MATCHスイッチ77a、CENTERスイッチ77b、SIDEスイッチ77c、およびスイングモード切替スイッチ77dを有しており、これらにより助手席側センタFACE吹出口17aおよび助手席側サイドFACE吹出口17bにおけるルーバー70a、70bの揺動に関する設定を上記運転席側ルーバー操作パネル76の場合と同様に行うことができる。MATCHスイッチ77aが選択されている時には、助手席側センタFACE吹出口17aのルーバー70a、70bと助手席側サイドFACE吹出口17bのルーバー70a、70bは同期して揺動する。さらに、運転席側スイングモード切替スイッチ76dにより選択されているスイングモードと助手席側スイングモード切替スイッチ77dにより選択されているスイングモードが一致している時には、プッシュスイッチ76a〜76cにより選択されている運転席側FACE吹出口16a、16bのルーバー70a、70bとプッシュスイッチ77a〜77cにより選択されている助手席側FACE吹出口17a、17bのルーバー70a、70bは同期して揺動する。つまり、運転席側FACE吹出口16a、16bからの空調空気が運転席の乗員に当っているときには、助手席側FACE吹出口17a、17bからの空調空気も助手席の乗員に当っており、運転席側FACE吹出口16a、16bからの空調空気が運転席の乗員から逸れているときには、助手席側FACE吹出口17a、17bからの空調空気も助手席の乗員から逸れている。
【0037】
運転席側センタFACE吹出口16aと助手席側センタFACE吹出口17aの間には、図3に示すように、運転席側センタFACE吹出口16aと助手席側センタFACE吹出口17aを開閉するシャッタ(図示せず)を手動操作するためのドア開閉スイッチ78が設けられている。また、運転席側センタFACE吹出口16a、運転席側サイドFACE吹出口16b、助手席側センタFACE吹出口17a、および助手席側サイドFACE吹出口17bそれぞれのスインググリル70には、ルーバー70a、70bの向きを手動操作により変えるためのノブ79、80が設けられている。
【0038】
エアコンECU3には、さらに各種センサからのセンサ信号が入力される。ここで、各種センサとは、車室内の温度を検出する内気温センサ91、車室外の温度(外気温)を検出する外気温センサ92、運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンに照射される日射量を検出する運転席側、助手席側日射センサ93a、93b、エバポレータ45を通過した直後の空気温度を検出するエバ後温度センサ95、ヒータコア51に流入する冷却水の温度を検出する水温センサ96、および車両の走行速度を検出する車速センサ等である。日射センサ93a、93bは例えばフォトダイオードであり、車室内最前方側のフロントウィンドウ近傍のインストルメントパネル4上に設置されて、日射強度に対応した出力信号をエアコンECU3に出力する。これら各種センサ91、92、93a、93b、95、96からのセンサ信号は、エアコンECU3内の図示しない入力回路によってA/D変換された後にマイクロコンピュータに入力される。
【0039】
エアコンECU3は、車両のイグニションスイッチがONされるとバッテリから直流電源が供給されて作動し、エアコン制御処理の実行を開始する。エアコン制御処理の実行は、イグニションスイッチがOFFされるまで継続される。図7は、エアコンECU3によって実行されるエアコン制御処理のメインルーチンを示している。まずステップ100でデータ処理用メモリ(RAM)の記憶内容などの初期化を行う。続いて、ステップ110で各スイッチ75a〜75l、76a〜76d、77a〜77dからスイッチ信号を読み込み、ステップ120で各センサ91、92、93a、93b、95、96からのセンサ信号を読み込み、これらのデータはデータ処理用メモリに記憶される。
【0040】
ステップ130では、運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンへの吹き出す空調空気の目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を決定する。図8は目標吹出温度決定処理の手順を示すフローチャートである。まず、ステップ200で、つぎの数式に基づいて、運転席側の必要吹出温度TAO(Dr)、および助手席側の必要吹出温度TAO(Pa)を計算する。
【0041】
【数2】
TAO(Dr)=Kset・Tset(Dr)−K・T−Kam・Tam−K・T(Dr)+K(Dr)×{CD(Dr)+K(Dr)(10−Tam)}×{Tset(Dr)−Tset(Pa)}+C
【0042】
【数3】
TAO(Pa)=Kset・Tset(Pa)−K・T−Kam・Tam−K・T(Pa)+K(Pa)×{CD(Pa)+K(Pa)(10−Tam)}×{Tset(Pa)−Tset(Dr)}+C
但し、Tset(Dr)は運転席側空調ゾーンの設定温度、Tset(Pa)は助手席側空調ゾーンの設定温度を表し、T(Dr)は運転席側日射センサ93aにより検出した運転席側日射量、T(Pa)は助手席側日射センサ93bにより検出した助手席側日射量を表し、Tは内気温センサ91により検出した車室内温度を表し、Tamは外気温センサ92により検出した外気温を表す。Kset、K、Kam、K、K(Dr)およびK(Pa)は、それぞれ温度設定ゲイン、車室内温度ゲイン、外気温ゲイン、日射量ゲイン、運転席側、助手席側空調ゾーンの温度差補正ゲインを表す。なお、K(Dr)、K(Pa)は、それぞれ外気温Tamが運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンの各空調温度に及ぼす影響度合を補正するゲインを表し、CD(Dr)、CD(Pa)は上記影響度合に応じた定数、Cは補正定数を表す。ここで、K(Dr)、K(Pa)、CD(Dr)、CD(Pa)といった値は、車両の形や大きさ、エアコンユニット2の各吹出口15、16a〜16c、17a〜17cからの吹出方向など様々なパラメータにより変化する。
【0043】
次に、ステップ210で、運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンのセンタFACE吹出口16a、17aおよびサイドFACE吹出口16b、17bのいずれかにおいて垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であるかどうか判定する。センタFACE吹出口16a、17aおよびサイドFACE吹出口16b、17bのいずれにおいてもルーバー70a、70bが揺動中でない空調ゾーンについては、ステップ220において、その空調ゾーンの目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に決定し、メインルーチンに戻る。
【0044】
ステップ210でセンタFACE吹出口16a、17aおよびサイドFACE吹出口16b、17bのいずれかにおいて垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であると判定された空調ゾーンについては、ステップ230で、その空調ゾーンの温度が安定状態にあるかどうか判定する。具体的には、その空調ゾーンの必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が所定範囲内(例えば20〜40)である場合に室温安定状態であると判定する。室温安定状態にないと判定した空調ゾーンについては、ステップ220において目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に決定し、メインルーチンに戻る。
【0045】
ステップ230において室温安定状態であると判定した空調ゾーンについては、ステップ240で、その空調ゾーンのFACE吹出口16a、16b、17a、17bにおけるルーバー70a、70bの現在の向きθを検出し、これにより、現在、空調空気の少なくとも一部が乗員に当たっているかどうか、つまり空調空気の少なくとも一部がその空調ゾーンに配置されている座席方向に向いているかどうか判定する。ルーバー70a、70bの向きθは、ステッピングモータ71b、72bに出力したパルスの数をカウントすることにより検出する。ステップ240においてNOと判定した空調ゾーンについては、ステップ220において目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に決定し、メインルーチンに戻る。
【0046】
ステップ240においてYESと判定した空調ゾーンについては、ステップ250に進み、車室内温度に相当する温度を表す室温相当温度Taを取得する。本実施形態では、室温相当温度Taとして、内気温センサ91により検出した車室内温度Tを取得する。次に、ステップ260で、その空調ゾーンの必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が室温相当温度Ta未満であるかどうか判定する。必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が室温相当温度Ta以上であると判定された空調ゾーンについては、ステップ220で目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に決定し、メインルーチンに戻る。
【0047】
ステップ260において必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が室温相当温度Ta未満であると判定された空調ゾーンについては、ステップ270で、目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を、必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に所定値αを加算して得られる温度(TAO+α)と室温相当温度Taのうち小さい方、あるいは大きくない方の値に決定し、メインルーチンに戻る。このようにして、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンのそれぞれについて図8に示す手順で目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)が決定され、その結果、冷房時にルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている場合には、室温相当温度Taを限度として、必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より所定値αだけ高い温度に目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)が設定される。ここで、所定値αは例えば3〜5度の範囲にある値である。
【0048】
図7に戻って、ステップ140で、ブロワモータ32に印加する電圧(ブロワ電圧)BLWを決定する。具体的には、図9(A)に示す特性図を用いて運転席側、助手席側空調ゾーンの必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に従ってブロワ電圧VA(Dr)、VA(Pa)をそれぞれ決定し、これらのブロワ電圧VA(Dr)、VA(Pa)の平均値をブロワモータ32に印加する電圧BLWとして決定する。
【0049】
次に、ステップ150において、図9(B)に示す特性図に従って、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンの必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)の平均TAOに応じた吸込モードを決定する。但し、エアコン操作パネル75に設けられた吸込モード切替スイッチ75bを乗員が手動操作することにより外気導入モード、内外気導入モード、内気循環モードのいずれかが選択された場合は、選択された吸込モードに固定する。
【0050】
さらに、ステップ160において、図9(C)に示す特性図に従って、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンの必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に応じた吹出口モードをそれぞれ決定する。具体的には、必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が低い温度から高い温度になるにつれて、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードと移行するようになっている。但し、エアコン操作パネル75に設けられた吹出口モード切替スイッチ75fを乗員が操作することにより、FACEモード、B/Lモード、FOOTモードおよびF/Dモードのうちのいずれかが選択された場合は、選択された吹出口モードに固定する。また、フロントデフロスタ・スイッチ75cを乗員が操作することによりDEFモードが選択された場合は、DEFモードに固定する。
【0051】
次に、ステップ170で、運転席側A/Mドア52の目標開度SW(Dr)(%)および助手席側A/Mドア53の目標開度SW(Pa)(%)を計算する。なお、このような目標A/M開度SW(Dr)、SW(Pa)の計算は、ステップ130で決定した運転席側、助手席側の目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)と、エバ後温度センサ95により検出したエバ後温度(TE)と、水温センサ96により検出した冷却水温(TW)を用いて、下記の数式に基づいて行われる。
【0052】
【数4】
SW(Dr)={TMP(Dr)−TE}×100/(TW−TE)
【0053】
【数5】
SW(Pa)={TMP(Pa)−TE}×100/(TW−TE)
次に、ステップ180でスイングルーバー制御処理を実行する。図10はスイングルーバー制御処理の手順を示すフローチャートである。まず、ステップ300で、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンのそれぞれにおいて、吹出口モードがFACEモードまたはB/Lモードであるか否か判定する。NOと判定した空調ゾーンについては、ステップ310でその空調ゾーンのセンタFACE吹出口16a、16bおよびサイドFACE吹出口17a、17bにおけるルーバー70a、70bのスイング停止を決定して、メインルーチンに戻る。ステップ300でYESと判定した空調ゾーンについては、ルーバー操作パネル76、77上のスイングモード切替スイッチ76d、77dが「OFF」に設定されているか否かを判定する。「OFF」に設定されている空調ゾーンについては、ステップ310で、その空調ゾーンのFACE吹出口16a、16b、17a、17bにおけるルーバー70a、70bのスイング停止を決定して、メインルーチンに戻る。また、「OFF」に設定されていない空調ゾーンにおいてプッシュスイッチ76a〜76c、77a〜77cにより選択されていないFACE吹出口16a、16b、17a、17bについても、ルーバー70a、70bのスイング停止を決定する。
【0054】
スイングモード切替スイッチ76d、77dが「OFF」に設定されていない空調ゾーンについては、ステップ330でルーバー操作パネル76、77のスイングモード切替スイッチ76d、77dが「AUTO」に設定されているか否かを判定する。スイングモード切替スイッチ76d、77dが「AUTO」以外に設定されている空調ゾーンについては、ステップ340において、その空調ゾーンのプッシュスイッチ76a〜76c、77a〜77cにより選択されているFACE吹出口16a、16b、17a、17bにおけるルーバー70a、70bのスイング範囲を予め設定されている所定の範囲に決定し、さらにスイング範囲の両端でのスイング一時停止時間を予め設定されている所定の一時停止時間に決定する。
【0055】
このようにして、スイングモード切替スイッチ76d、77dが「U−D SWING」に設定されている空調ゾーンについては、プッシュスイッチ76a〜76c、77a〜77cにより選択されているFACE吹出口16a、16b、17a、17bの水平ルーバー70bが所定のスイング範囲、所定の一時停止時間で上下に揺動され、スイングモード切替スイッチ76d、77dが「R−L SWING」に設定されている空調ゾーンについては、プッシュスイッチ76a〜76c、77a〜77cにより選択されているFACE吹出口16a、16b、17a、17bの垂直ルーバー70aが所定のスイング範囲、所定の一時停止時間で左右に揺動される。このとき、垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動される所定のスイング範囲には、空調空気の少なくとも一部が乗員に当たるように吹き出される向きと空調空気が乗員から逸れて吹き出される向きがそれぞれ含まれている。
【0056】
一方、ステップ330でルーバー操作パネル76、77のスイングモード切替スイッチ76d、77dが「AUTO」に設定されていると判定された空調ゾーンについては、ステップ350において、その空調ゾーンの座席の位置(シートポジション)や、外気温センサ92により検出した外気温Tam、車室内温度Tと設定温度Tset(Dr)、Tset(Pa)との差などに基づいて、スイング範囲を決定する。ステップ360では、その空調ゾーンの日射センサ93a、93bにより検出した日射量T(Dr)、T(Pa)から求めた日射量の左右比に基づいてスイング範囲の両端における一時停止時間を決定し、その後メインルーチンに戻る。ステップ360では、日射量が多い方の端はもう一方の端より一時停止時間が長くなるように設定される。なお、運転席および助手席のシートポジションは、座席近傍にポテンショメータなどを設けて、これにより検出することができる。
【0057】
このようにして、スイングモード切替スイッチ76d、77dにより「AUTO」が選択されている場合には、プッシュスイッチ76a〜76c、77a〜77cにより選択されているFACE吹出口16a、16b、17a、17bの垂直ルーバー70aと水平ルーバー70bが、状況に応じたスイング範囲とスイング一時停止時間で揺動される。なお、「AUTO」モードにおいて設定される垂直ルーバー70aおよび水平ルーバー70bのスイング範囲には、空調空気の少なくとも一部が乗員に当たるように吹き出される向きと空調空気が乗員から逸れて吹き出される向きが含まれる。
【0058】
図7に戻って、ステップ190では、ステップ140で決定したブロワ電圧BLWがブロワモータ32に印加されるようにブロワ駆動回路33に制御信号を送る。さらに、ステップ150で決定した吹込モードに従ってアクチュエータ60に制御信号を送り、ステップ160で決定した吹出口モードに従ってアクチュエータ61〜63に制御信号を送り、ステップ170で決定したA/M開度SW(Dr)、SW(Pa)に従って、アクチュエータ64、65に制御信号を送る。そして、ステップ180で決定したスイング範囲およびスイング一時停止時間、現在までにステッピングモータ71b、72bに出力したパルス数などに基づいて、ステッピングモータ71b、72bに適当な数のパルスを出力する。このとき、MATCHスイッチ76a、77aが選択されている場合や、運転席側スイングモード切替スイッチ76dと助手席側スイングモード切替スイッチ77dにより同じスイングモードが選択されている場合に、揺動されるルーバー70a、70bの乗員を基準とした向きが一致していないときには、これらのルーバー70a、70bが全て同じ向きになるように各ステッピングモータ71b、72bにパルスを出力する。ステップ190の実行を終了したら、ステップ110に戻り、以後ステップ110からステップ190の処理を繰り返す。
【0059】
本実施形態によると、冷房時に室温安定状態において、ルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている時には、空調空気の吹出温度を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より所定値αだけ高い温度に設定するため、乗員が空調空気を冷たく感じることは少ない。また、乗員に向けて吹き出される空調空気の吹出温度は高くても室温相当温度Taとされ、ルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員から逸れた方向に吹き出されている間の吹出温度は必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に設定されるため、車室内を設定温度に維持することが可能である。
【0060】
本実施形態における内気温センサ91は本発明の空調負荷検出手段および室温検出手段に対応しており、外気温センサ92は空調負荷検出手段および外気温検出手段に対応している。運転席側、助手席側日射センサ93a、93bは空調負荷検出手段および日射量検出手段に対応しており、運転席側、助手席側温度設定スイッチ75k、75lは空調負荷検出手段および設定温度取得手段に対応している。さらに、垂直ルーバー70a、水平ルーバー70bおよび左右方向揺動機構71、上下方向揺動機構72は本発明の吹出方向変更手段に対応している。
【0061】
また、ステップ130は吹出温度決定手段に、ステップ140は風量決定手段に、ステップ180は吹出方向変更手段にそれぞれ対応している。ステップ230は室温状態判定手段に、ステップ250は室温相当温度取得手段に対応している。
【0062】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では冷房時の室温安定状態においてルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている時には吹出温度を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より所定値αだけ高い温度に設定したのに対して、本実施形態では、冷房時の室温安定状態においてルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている時には吹出温度を室温相当温度Taに設定する。
【0063】
具体的には、図7のステップ130における目標吹出温度決定処理を図11に示す手順で行う。ステップ200〜260を第1実施形態と同様に実行し、これにより、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンのうち、冷房中で室温安定状態にある空調ゾーンにおいて、センタFACE吹出口16a、17aおよびサイドFACE吹出口16b、17bのいずれかにおいて垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であり、かつ揺動中のルーバー70a、70bにより現在乗員に向けて空調空気が吹き出されていると判定されたら、ステップ280において、その空調ゾーンの目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を室温相当温度Taに決定して、メインルーチンに戻る。ステップ210〜240およびステップ260のいずれかにおいてNOと判定された空調ゾーンについては、ステップ220において、目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に決定して、メインルーチンに戻る。
【0064】
このように、乗員に向けて吹き出す空調空気の吹出温度を室温相当温度Taに設定すると、乗員が空調空気を冷たく感じることはない。また、空調空気が乗員から逸れた方向に吹き出されている間は吹出温度を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に設定するため、車室内を設定温度に維持することができる。
【0065】
(第3実施形態)
本実施形態の車両用空調装置1では、冷房時の室温安定状態においてルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている場合に、上記第1実施形態と同様に空調空気の吹出温度を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より所定値αだけ高い温度に設定するのに加えて、さらにブロワ電圧を所定値βだけ低く設定する。
【0066】
具体的には、図7のステップ140においてブロワ電圧決定処理を図12に示す手順で実行する。まず、ステップ400で、運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンに対応するブロワ電圧VA(Dr)、VA(Pa)を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいて決定し、さらにこれらを平均して必要ブロワ電圧VAを算出する。つぎに、ステップ410で、運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンのセンタFACE吹出口16a、17aおよびサイドFACE吹出口16b、17bのいずれかにおいて垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であるかどうか判定する。運転席側、助手席側両方の空調ゾーンにおいて、センタFACE吹出口16a、17aおよびサイドFACE吹出口16b、17bのいずれにおいてもルーバー70a、70bが揺動中でない場合は、ステップ420において、ブロワモータ32に印加するブロワ電圧BLWを必要ブロワ電圧VAに決定して、メインルーチンに戻る。
【0067】
ステップ410で、運転席側空調ゾーンおよび助手席側空調ゾーンのいずれかにおいて、センタFACE吹出口16a、17aおよびサイドFACE吹出口16b、17bのいずれかにおいて垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であると判定された場合は、ステップ430で、ルーバー70a、70bが揺動中である空調ゾーンが室温安定状態にあるかどうか判定する。ルーバー70a、70bが揺動中であるいずれの空調ゾーンも室温安定状態にないと判定された場合は、ステップ420において、ブロワモータ32に印加するブロワ電圧BLWを必要ブロワ電圧VAに決定して、メインルーチンに戻る。
【0068】
ステップ440では、垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であり、かつ室温安定状態にあると判定された空調ゾーンにおいて、揺動中であるルーバー70a、70bの現在の向きθを検出して、これにより、現在、空調空気の少なくとも一部が乗員に当たっているかどうか判定する。垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であり、かつ室温安定状態にあると判定された空調ゾーンのいずれについてもステップ440でNOと判定した場合は、ステップ420において、ブロワモータ32に印加するブロワ電圧BLWを必要ブロワ電圧VAに決定して、メインルーチンに戻る。
【0069】
ステップ440において、垂直ルーバー70aまたは水平ルーバー70bが揺動中であり、かつ室温安定状態にあると判定された空調ゾーンのいずれかについてYESと判定した場合は、ステップ450において、必要ブロワ電圧VAから所定値βを減算して得られる電圧(VA−β)と最小ブロワ電圧BLWminのうち大きい方、あるいは小さくない方の値をブロワモータ32に印加する電圧BLWとして決定し、メインルーチンに戻る。最小ブロワ電圧BLWminとは、エアコンユニット2において空調空気が吹き出される場合の最小風量に対応するブロワ電圧である。
【0070】
このようにして、冷房時の室温安定状態においてルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている場合に、吹出温度を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より高くするだけでなく、風量を減少させると、乗員は空調空気に違和感を覚えにくい。また、空調空気が乗員から逸れた方向に吹き出されているときには、必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいて算出したブロワ電圧VAに制御されるため、車室内を設定温度に維持することができる。
【0071】
本実施形態におけるステップ430は室温状態判定手段に対応している。
【0072】
(第4実施形態)
上記第1実施形態では、冷房時の室温安定状態においてルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている場合に、必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に加算される所定値(温度補正量)αが日射量T(Dr)、T(Pa)に関らず一定であったが、これに対して本実施形態では、図13に示すように、温度補正量αを日射センサ93a、93bにより検出した日射量T(Dr)、T(Pa)に応じて変化させる。具体的には、日射量T(Dr)、T(Pa)が多くなるほど温度補正量αを小さくする。
【0073】
このようにして乗員に当たる空調空気の吹出温度を日射量T(Dr)、T(Pa)に応じて変化させると、日射量T(Dr)、T(Pa)が多いときには必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に近い温度で空調空気が吹き出されるため、乗員は空調空気をより快適に感じる。
【0074】
(第5実施形態)
上記第3実施形態では、「AUTO」スイングモード、「U−D SWING」モード、および「R−L SWING」モードのいずれかのスイングモードでのルーバー70a、70bの揺動により空調空気の吹出方向が乗員に向いている間、吹出温度が必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より固定値αだけ高く設定され、ブロワ電圧BLWが必要ブロワ電圧VAより固定値βだけ低く設定されたが、これに対して本実施形態では、「U−D SWING」モードまたは「R−L SWING」モードでのルーバー70a、70bの揺動中には、空調空気の吹出方向が乗員に向いている間にルーバー70a、70bの向きに応じて温度補正量αを変化させ、さらにルーバー70a、70bの向きに応じて電圧補正量βを変化させる。具体的には、揺動されているルーバー70a、70bの角度θが0からθの間にあるときに空調空気が乗員に向けて吹き出されるとすると、図14(A)に示すように、ルーバー70a、70bの角度が0からθまで変化する間の前半において温度補正量αを0から徐々に所定値(例えば4度)まで増加させ、後半において温度補正量αを所定値から徐々に0まで減少させる。揺動されているルーバー70a、70bの角度が逆にθから0まで変化する場合も同様に、前半において温度補正量αを0から徐々に所定値まで増加させ、後半において温度補正量αを所定値から徐々に0まで減少させる。「AUTO」スイングモードでのルーバー70a、70b揺動中には、温度補正量αは固定とする。
【0075】
一方、必要ブロワ電圧VAから減算する電圧補正量βについては、運転席側スイングモード切替スイッチ76dと助手席側スイングモード切替スイッチ77dが共に「U−D SWING」に設定されているか、あるいは共に「R−L SWING」に設定されている場合にのみ、揺動中のルーバー70a、70bの向きに応じて変化させる。具体的には、図14(B)に示すように、揺動中のルーバー70a、70bの角度が0からθまで変化する間の前半において電圧補正量βを0から徐々に所定値まで増加させ、後半において電圧補正量βを所定値から徐々に0まで減少させる。運転席側スイングモード切替スイッチ76dにより設定されているスイングモードと助手席側スイングモード切替スイッチ77dにより設定されているスイングモードが一致していない場合および「AUTO」に設定されている場合は、電圧補正量βは固定とする。
【0076】
このように、「U−D SWING」モードあるいは「R−L SWING」モードでのルーバー70a、70b揺動中に、ルーバー70a、70bの向きに応じて吹出温度および風量を徐々に変化させるようにすると、座席に着座している乗員の上半身が通常の位置からずれたところにある場合でも、乗員に当たる空調空気の温度が急に変化することがない。乗員は、自身に向けて吹き出される空調空気の温度の急な変化に比較して、風量の急な変化を特に不快に感じるため、電圧補正量βを徐々に変化させるようにすることは乗員の快適感を向上するために特に有効である。
【0077】
(第6実施形態)
上記第3実施形態では、冷房時の室温安定状態においてルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に向けて吹き出されている場合に、必要ブロワ電圧VAから減算する電圧補正量βは必要ブロワ電圧VAに関らず一定であったが、これに対して本実施形態では、必要ブロワ電圧VAの値に応じて電圧補正量βを変化させる。具体的には、図15(A)に示すように、必要ブロワ電圧VAの値がエアコンユニット2の最小風量に対応する最小ブロワ電圧BLWminから大きくなるにつれて、電圧補正量βを大きくする。あるいは、図15(B)に示すように、必要ブロワ電圧VAが所定の閾値BLWthに達するまではβを0とし、必要ブロワ電圧VAが所定の閾値BLWthを越えたらβ=(VA−BLWth)することにより、常にブロワ電圧BLWが閾値BLWth以下に抑えられるようにする。
【0078】
このように、必要ブロワ電圧VAの値に応じて電圧補正量βを変化させると、必要ブロワ電圧VAの値が大きい場合でも、乗員に向けて実際に吹き出される空調空気の風量は所定量以下かあるいはそれほど大きくならないように抑えられるため、乗員が違和感を覚えるような大きな風量で空調空気が乗員に当てられることはない。
【0079】
(第7実施形態)
上記第3実施形態におけるステップ240およびステップ440では、空調空気の吹出方向が現在乗員に向いているか否かを判定したが、これに対して本実施形態では、ステップ240においてΔt1秒後のルーバー70a、70bの向きを推定し、ステップ440においてΔt2秒後のルーバー70a、70bの向きを推定する。これにより、ステップ240およびステップ440ではΔt1秒後およびΔt2秒後に乗員に向けて空調空気が吹き出されているか否かを判定する。このようにして、本実施形態では、吹出温度および風量がルーバー70a、70bの向きに関してフィードフォワード制御される。
【0080】
Δt1を、空調空気の吹出温度を制御して実際に目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)で空調空気が吹き出されるようになるまでにかかる時間(秒数)に設定し、Δt2を、ブロワ電圧を制御して実際に目標風量で空調空気が吹き出されるようになるまでにかかる時間(秒数)に設定すれば、ルーバー70a、70bの向きに対応して、遅れることなく目標吹出温度TMP(Dr)、TMP(Pa)および目標風量での吹き出しが行われる。一般的にブロワユニット30は応答性がよいので、Δt2はΔt1より小さい値に設定される。Δt1秒後およびΔt2秒後のルーバー70a、70bの向きは、具体的には、図6のステップ180で実行されるスイングルーバー制御処理において設定されたスイング範囲やスイング一時停止時間、スイングモード切替スイッチ76d、77dにより設定されているスイングモードなどに基づいて現在のルーバー70a、70bの向きから推定する。
【0081】
このように吹出温度および風量をルーバー70a、70bの向きに関してフィードフォワード制御すると、空調空気が必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より高めの吹出温度で少なめの風量で吹き出される期間と、空調空気が乗員に向けて吹き出される期間が一致するため、ルーバー70a、70bの揺動により空調空気が乗員に対して向けられ始めたときに、乗員に対して冷たい空調空気が当てられたり、高い風量の空調空気が当てられたりすることがない。
【0082】
なお、本発明は上記実施形態に限定されることなく、次のように種々の変形が可能である。
【0083】
上記実施形態では、必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)を運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンの設定温度Tset(Dr)、Tset(Pa)、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンの日射量、T(Dr)、T(Pa)、車室内温度T、外気温Tamに基づいて算出したが、さらに車速、送風量、乗員数などに基づいて算出するようにしてもよい。また、運転席側空調ゾーン、助手席側空調ゾーンに対応する2つの内気温センサを配置して、これにより検出した運転席側空調ゾーンの温度T(Dr)、助手席側空調ゾーンの温度T(Pa)を用いて運転席側必要吹出温度TAO(Dr)と助手席側必要吹出温度TAO(Pa)をそれぞれ求めるようにしてもよい。2つの内気温センサにより検出した運転席側空調ゾーンの温度T(Dr)および助手席側空調ゾーンの温度T(Pa)は、スイングルーバー制御のステップ350におけるスイング範囲の決定や目標吹出温度決定処理のステップ250における室温相当温度Taの取得の際などにも、それぞれの空調ゾーンにおける車室内温度として用いることができる。
【0084】
上記実施形態では、ステップ250において、内気温センサ91により検出した車室内温度を室温相当温度として取得したが、内気温センサ91の代わりに、乗員の皮膚温度や乗員周辺の座席の温度やステアリング・ホイールの温度などを検出するためのセンサ(座席温度検出手段)を設けて、これらのセンサにより検出した温度から室温相当温度を導出してもよい。また乗員が温度設定スイッチ75k、75lにより設定した温度を室温相当温度として取得してもよい。
【0085】
上記実施形態では、目標吹出温度決定処理のステップ230およびブロワ電圧決定処理のステップ430において、室温安定状態である否かを必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)が所定範囲内にあるか否かに基づいて判定したが、車室内温度Tと設定温度Tset(Dr)、Tset(Pa)との差が所定値(例えば5度)以内であるか否かに基づいて判定してもよく、また車室内温度Tが所定範囲内にあるか否かに基づいて判定してもよい。
【0086】
上記実施形態では、ステッピングモータ71b、72bに送るパルスの数をカウントすることによりルーバー70a、70bの向きを検出したが、ルーバー70a、70bの向きを検出するためのポテンショメータを設けて、これによりルーバー70a、70bの向きを検出してもよい。
【0087】
上記実施形態では、各FACE吹出口16a、16b、17a、17bに垂直ルーバー70aとこれを左右に揺動させる左右方向揺動機構71、水平ルーバー70bとこれを上下に揺動させる上下方向揺動機構72が配置されていたが、各FACE吹出口16a、16b、17a、17bに垂直ルーバー70aと左右方向揺動機構71のみが配置されていてもよい。
【0088】
上記実施形態では、1つのブロワユニット30により各FACE吹出口16a、16b、17a、17bからの空調空気の吹き出しを行ったが、運転席側FACE吹出口16a、16bから吹き出す空調空気の風量と助手席側FACE吹出口17a、17bから吹き出す空調空気の風量を独立に設定できるように、運転席側FACE吹出口16a、16bと助手席側FACE吹出口17a、17bに対応する2つのブロワユニットを備えていてもよい。運転席側FACE吹出口16a、16bと助手席側FACE吹出口17a、17bに対応する2つのブロワユニットを備えている場合は、ブロワ電圧決定処理において必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に基づいて算出したブロワ電圧VA(Dr)、VA(Pa)を平均化することなくそのまま運転席側、助手席側の必要ブロワ電圧として用いることができる。さらに、上記第5実施形態では運転席側FACE吹出口16a、16bと助手席側FACE吹出口17a、17bにおいてルーバー70a、70bが共に「R−L SWING」モードで揺動中であるか、あるいは共に「U−D SWING」モードで揺動中である場合のみ電圧補正量βをルーバー70a、70bの向きに応じて変化させたのに対して、2つのブロワユニットを備えている場合には、運転席側FACE吹出口16a、16b、助手席側FACE吹出口17a、17bのいずれかにおいて「R−L SWING」モードあるいは「U−D SWING」モードによりルーバー70a、70bが揺動中であれば、その空調ゾーンに対応するブロワユニットに印加するブロワ電圧VA(Dr)、VA(Pa)から減算する電圧補正量β(Dr)、β(Pa)を揺動中のルーバー70a、70bの向きに応じて変化させることができる。
【0089】
また、上記第5実施形態では、揺動中のルーバー70a、70bの向きに応じて、図14(A)および(B)に示すように温度補正値αおよび電圧補正値βを変化させたが、これらの値を、空調空気の少なくとも一部が乗員に向けて吹き出されるルーバー角度θの範囲0〜θの両端における所定範囲では0に近い値に設定するようにしてもよい。具体的には、図16(A)および(B)に示すように、ルーバー70a、70bの角度θが0からθ/2より小さい所定値θまでの範囲0〜θ、およびθ/2より大きい所定値θからθまでの所定の範囲θ〜θにおいては温度補正値αおよび電圧補正値βを0に近い値に設定し、ルーバー角度θが範囲θ〜θにあるときには温度補正値αおよび電圧補正値βをより大きい値に設定する。このように温度補正値αおよび電圧補正値βを変化させると、「R−L SWING」モードまたは「U−D SWING」モードによる揺動範囲に空調空気が乗員から逸れる範囲を含まない、つまりルーバー70a、70bが0〜θの範囲で揺動する構成の車両用空調装置に本発明を適用することができる。この場合、ルーバー角度θが範囲0〜θまたは範囲θ〜θにあるときには、乗員に対して必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)に非常に近い温度の空調空気が必要風量VAに非常に近い風量で当てられることになるが、乗員に向けて吹き出される空調空気の温度を必要吹出温度TAO(Dr)、TAO(Pa)より高めに調節しながらも、車室内を設定温度に近い温度に維持することができる
上記実施形態では、運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンへ吹き出す空調空気の吹出温度を独立に設定することが可能な左右独立温度コントロール方式のエアコンユニット2を備えた車両用空調装置1に本発明を適用したが、運転席側空調ゾーンと助手席側空調ゾーンに同じ吹出温度で空調空気を吹き出す構成の車両用空調装置に本発明を適用してもよい。
【0090】
上記実施形態では、運転席側サイドFACE吹出口16bおよび助手席側サイドFACE吹出口17bをインストルメントパネル4に設けたが、これらの吹出口16b、17bは車両の前側ドアあるいは側面ボディのインナパネルに設けてもよい。また、ルーバー70a、70bとその揺動機構71、72は、車室内の車両側面、車室内の中央部(例えばコンソールボックス付近)または車両の天井部に設けた吹出口に配置してもよい。
【0091】
上記実施形態では、各FACE吹出口16a、16b、17a、17bにおいてスインググリル70はインストルメントパネル4に固定されていたが、スインググリル70を左右方向に回動自在に取り付けて、スインググリル70を揺動させることにより空調空気の吹出方向を左右に変化させることができる構成にしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用空調装置の全体構成を示す図である。
【図2】図1に示す車両用空調装置のFACE吹出口が配置された車両のインストルメントパネルの正面図である。
【図3】図1に示す車両用空調装置の各FACE吹出口に配置されたスインググリルとその揺動機構を示す図である。
【図4】(A)は左右方向揺動機構の構成を示す図であり、(B)は上下方向揺動機構の構成を示す図である。
【図5】(A)は左右方向揺動機構により空調空気の吹出方向が変化する範囲を示す図であり、(B)は上下方向揺動機構により空調空気の吹出方向が変化する範囲を示す図である。
【図6】図1に示す車両用空調装置の操作パネルを示す図である。
【図7】図1に示すエアコンECUによって実行されるエアコン制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図8】図7に示すステップ130で実行される目標吹出温度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図9】(A)は必要吹出温度に対するブロワ電圧を示す制御特性図であり、(B)は必要吹出温度に対する吸込モードを示す制御特性図であり、(C)は必要吹出温度に対する吹出口モードを示す制御特性図である。
【図10】図7に示すステップ180で実行されるスイングルーバー制御処理の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明の第2実施形態に係る車両用空調装置における目標吹出温度決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明の第3実施形態に係る車両用空調装置におけるブロワ電圧決定処理の手順を示すフローチャートである。
【図13】本発明の第4実施形態に係る車両用空調装置において目標吹出温度の補正に用いられる値αの日射量に対する関係を示す図である。
【図14】(A)は本発明の第5実施形態に係る車両用空調装置において目標吹出温度の補正に用いられる値αのルーバー角度に対する関係を示す図であり、(B)はブロワ電圧の補正に用いられる値βのルーバー角度に対する関係を示す図である。
【図15】(A)、(B)は本発明の第6実施形態に係る車両用空調装置においてブロワ電圧の補正に用いられる値βの必要ブロワ電圧に対する関係の例を示す図である。
【図16】(A)は第5実施形態の変形例において目標吹出温度の補正に用いられる値αのルーバー角度に対する関係を示す図であり、(B)はブロワ電圧の補正に用いられる値βのルーバー角度に対する関係を示す図である。
【符号の説明】
1 空調装置
2 エアコンユニット (空調ユニット)
3 エアコンECU
16a 運転席側センタFACE吹出口
16b 運転席側サイドFACE吹出口
17a 助手席側センタFACE吹出口
17b 助手席側サイドFACE吹出口
70 スインググリル
70a 垂直ルーバー (吹出方向変更手段)
70b 水平ルーバー (吹出方向変更手段)
71 左右方向揺動機構 (吹出方向変更手段)
72 上下方向揺動機構 (吹出方向変更手段)
75k 運転席側温度設定スイッチ (空調負荷検出手段、設定温度取得手段)
75l 助手席側温度設定スイッチ (空調負荷検出手段、設定温度取得手段)
91 内気温センサ (空調負荷検出手段、室温検出手段)
92 外気温センサ (空調負荷検出手段、外気温検出手段)
93a 運転席側日射センサ (空調負荷検出手段、日射量検出手段)
93b 助手席側日射センサ (空調負荷検出手段、日射量検出手段)

Claims (16)

  1. 車室内に空調空気を吹き出すための吹出口(16a、16b、17a、17b)を有する空調ユニット(2)と、
    車室内の温度に相当する室温相当温度を取得する室温相当温度取得手段(250)と、
    車室内の空調負荷を検出する空調負荷検出手段(91、92、93a、93b、75k、75l)と、
    前記吹出口(16a、16b、17a、17b)から吹き出す空調空気の目標吹出温度を、前記空調負荷に基づいて決定する吹出温度決定手段(130)と、
    前記吹出口(16a、16b、17a、17b)から吹き出す空調空気の向きを、空調対象となる車室内の所定の座席方向を含む所定の範囲内で周期的に変化させる吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)とを備えた車両用空調装置であって、
    前記吹出温度決定手段(130)は、前記空調負荷に基づいて決定した必要吹出温度が前記室温相当温度より低く、かつ前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)により空調空気の少なくとも一部が前記所定の座席方向に向くように吹出方向が調節されている場合には、前記目標吹出温度を前記必要吹出温度より高い温度に決定し、それ以外の場合は前記目標吹出温度を前記必要吹出温度以下の温度に決定することを特徴とする車両用空調装置。
  2. 車室内の温度が安定状態にあるか否かを判定する室温状態判定手段(230)を備え、
    前記吹出温度決定手段(130)は、前記必要吹出温度が前記室温相当温度より低く、かつ前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)により空調空気の少なくとも一部が前記所定の座席方向に向くように吹出方向が調節されている場合に、前記室温状態判定手段(230)により車室内温度が安定状態にあると判定されたならば、前記目標吹出温度を前記必要吹出温度より高い前記温度に決定することを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  3. 前記吹出温度決定手段(130)が前記目標吹出温度に決定する前記必要吹出温度より高い前記温度は、前記室温相当温度以下の温度であることを特徴とする請求項1または2記載の車両用空調装置。
  4. 前記吹出温度決定手段(130)が前記目標吹出温度に決定する前記必要吹出温度より高い前記温度は、前記室温相当温度であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  5. 前記空調負荷検出手段は車室内への日射量を検出する日射量検出手段(93a、93b)を有し、
    前記吹出温度決定手段(130)は、前記日射量検出手段(93a、93b)により検出された日射量に応じて、前記目標吹出温度に決定する前記必要吹出温度より高い前記温度を変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  6. 前記吹出温度決定手段(130)は、前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)により前記所定の座席方向に向けて調節されている空調空気の吹出方向に応じて、前記目標吹出温度に決定する前記必要吹出温度より高い前記温度を変化させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  7. 前記室温相当温度取得手段(250)は、車室内の温度を検出する室温検出手段(91)、車両の外気の温度を検出する外気温検出手段(92)、前記所定の座席付近の温度を検出する座席温度検出手段、前記車両の乗員から所望の車室内温度を取得する設定温度取得手段(75k、75l)のうち少なくとも1つを有しており、前記室温検出手段(91)により検出された温度、前記外気温検出手段(92)により検出された温度、前記座席温度検出手段により検出された温度、および前記設定温度取得手段(75k、75l)により取得された設定温度のうちの少なくとも1つに基づいて前記室温相当温度を取得することを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  8. 前記吹出温度決定手段(130)は、前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)によって周期的に変化させられる空調空気の吹出方向に関して、前記目標吹出温度をフィードフォワード制御することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  9. 前記吹出口(16a、16b、17a、17b)から吹き出す空調空気の目標風量を前記空調負荷に基づいて決定する風量決定手段(140)を備え、
    前記風量決定手段(140)は、前記空調負荷に基づいて決定した必要風量が前記空調ユニット(2)の最小吹出風量より大きく、かつ前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)により空調空気の少なくとも一部が前記所定の座席方向に向くように吹出方向が調節されている場合には、前記目標風量を前記必要風量より小さい風量に決定し、それ以外の場合は前記目標風量を前記必要風量以上の風量に決定することを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  10. 車室内に空調空気を吹き出すための吹出口(16a、16b、17a、17b)を有する空調ユニット(2)と、
    車室内の空調負荷を検出する空調負荷検出手段(91、92、93a、93b、75k、75l)と、
    前記吹出口(16a、16b、17a、17b)から吹き出す空調空気の目標風量を、前記空調負荷に基づいて決定する風量決定手段(140)と、
    前記吹出口(16a、16b、17a、17b)から吹き出す空調空気の向きを、空調対象となる車室内の所定の座席方向を含む所定の範囲内で周期的に変化させる吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)とを備えた車両用空調装置であって、
    前記風量決定手段(140)は、前記空調負荷に基づいて決定した必要風量が前記空調ユニット(2)の最小吹出風量より大きく、かつ前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)により空調空気の少なくとも一部が前記所定の座席方向に向くように吹出方向が調節されている場合には、前記目標風量を、前記必要風量より小さい風量に決定し、それ以外の場合は前記目標風量を前記必要風量以上の風量に決定することを特徴とする車両用空調装置。
  11. 車室内温度が安定状態にあるか否かを判定する室温状態判定手段(430)を備え、
    前記風量決定手段(140)は、前記必要風量が前記最小吹出風量より大きく、かつ前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)により空調空気の少なくとも一部が前記所定の座席方向に向くように吹出方向が調節されている場合に、前記室温状態判定手段(430)により車室内温度が安定状態にあると判定されたならば、前記目標風量を前記必要風量より小さい前記風量に決定することを特徴とする請求項10記載の車両用空調装置。
  12. 前記風量決定手段(140)が前記目標風量として決定する前記必要風量より小さい前記風量は、前記最小吹出風量以上の風量であることを特徴とする請求項10または11記載の車両用空調装置。
  13. 前記風量決定手段(140)は、前記必要風量に応じて、前記目標風量に決定する前記必要風量より小さい前記風量を変化させることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  14. 前記風量決定手段(140)は、前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)により前記所定の座席方向に向けて調節されている空調空気の吹出方向に応じて、前記目標風量に決定する前記必要風量より小さい前記風量を変化させることを特徴とする請求項10ないし12のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  15. 前記風量決定手段(140)は、前記吹出方向変更手段(70a、70b、71、72、180)によって周期的に変化させられる空調空気の吹出方向に関して、前記目標風量をフィードフォワード制御することを特徴とする請求項10ないし14のいずれか1つに記載の車両用空調装置。
  16. 前記室温状態判定手段(230、430)は、前記空調負荷に基づいて、車室内の温度が安定状態にあるか否かを判定することを特徴とする請求項2または11記載の車両用空調装置。
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