JP2004089975A - 強電解水生成装置 - Google Patents
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Abstract
【目的】イオン交換隔膜を使用した強電解水生成装置の電解に伴い、水道水中のカルシウムやマグネシウムなどの水酸化物の沈殿が電極に付着して、電解を阻害するのを改善する洗浄機構を備えた電解水生成装置を提供する。
【解決手段】電解水生成時の陰極室内に複数の電極を設置し、陰極室内の電極のうち陽極室に近い電極の極性を電極洗浄時反転させて陽極とすることにより、電解水生成時電極に析出した付着物を洗浄する。
【選択図】 図1
【解決手段】電解水生成時の陰極室内に複数の電極を設置し、陰極室内の電極のうち陽極室に近い電極の極性を電極洗浄時反転させて陽極とすることにより、電解水生成時電極に析出した付着物を洗浄する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、水系の電気分解装置更に詳細には、電解質を含む水の電気分解を行うことによって、アルカリ水と酸性水またはこれらの混合水を生成する装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
水に食塩などの電解質を溶かして、隔膜で隔てた電極室を構成して、電気分解する装置は相当数のメーカーから発売されている。
この装置は強電解水生成装置と呼ばれ、主として生成する次亜塩素酸水の殺菌効果を利用するものである。
強電解水生成装置は連続流水式のものと、一定量の生成水を単回で生成させるバッチ式のものに大別されるが、その構成には電気分解するための直流電源とプラスとマイナスの電極が必須である。
また、電気分解には隔膜により電極を隔てた室を構成し、陰極の設置されている側の室内にアルカリ性水、陽極の設置されている側の室内に酸性水が生成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで水を電気分解する際、原水に含まれるカルシウム、マグネシウムなどや、食塩に含まれるカルシウム、マグネシウムなどが陰極に析出してくるため、電気分解が繰り返し行われると、次第に電気分解時の電流が流れなくなり、電解効率が劣化する。
そのため、原水を軟水化したりイオン交換して脱イオン水として使用し、食塩の代わりに特級精製塩を使用して対応している。
また、付着したカルシウムやマグネシウムなどを、電気分解の電極の極性を逆転して自動的に除去しようとする装置もある。(PR電解法と言われる方法である)これらの対応のうち、原水を軟水化したり脱イオン化する方法は、別途設備費がかかりスペース上も大型化して、設置してしまった後は移動するのが困難になる。食塩の代わりに特級精製塩を使用するのは良い方法であるが、それだけでは原水中のカルシウムやマグネシウムの対応がとれず、解決はできない。
また、PR電解法は電極の極性が逆転するので、電気が流れれば効率的に洗浄される方法として良いと思われる。
実際に飲料水用のアルカリイオン整水器には、隔膜として中性膜が使用され、相互にイオンが行き来できるので採用されている方法である。
隔膜にイオン交換膜を使用すると、陽イオン交換膜は陽イオンのみ、陰イオン交換膜は陰イオンのみが透過できる。従って陽イオン交換膜の外側の電極は陰極、陰イオン交換膜の外側には陽極が設置されている条件でなければ、電流は流れず、電気分解も殆どおこらない。
イオン交換膜を使用するメリットは、比較的純粋なイオン水を得る目的で使用される。
そして一方通行で不可逆であるため、いちど生成したイオンは電気分解の電源を切っても、膜を逆に透過することはできない。
このような理由で、イオン交換膜は酸、アルカリの水溶液を生成するにはとても良い方法ではあるが、PR電解は出来ないため電極の洗浄には利用できない。
このように電気分解の電極が、カルシウムやマグネシウムの水酸化物で覆われ、電解効率の劣化する対策としてスペース的にも、設備費用の点からも問題があり、安価で効果的、かつスペースの殆ど必要のない方法の開発が望まれていた。
【0004】
【問題を解決するための手段】
そこで上記問題を解決するため、本発明では通常の電気分解をする際の陰極室内に複数枚の電極を設置した。
さらに陰極および陽極への直流電源の他に、陰極を洗浄するための直流電源を別に用意し、通常の電気分解を行うとき陰極として使用していた陰極室内の電極6を陽極とし、同室内の別の電極7を陰極として、前述した陰極洗浄用の直流電源から電流を供給する。
また、通常の電気分解用の直流電源と陰極洗浄用の直流電源を共用とし、電極6の極性を反転することによっても同様の効果が得られる。
このような電源の切り替えを行うことにより、通常の電解水生成時に陰極に付着したカルシウムや、マグネシウムなどは除去される。
カルシウムやマグネシウムなどの除去がPR電解法では効果がなかったが、本発明の方式では十分な除去性能を示す。そのため電解水の生成が安定する。
上記した本発明の構成では直流電源用のプリント基板および電極板を装置に組み込むだけで、電気回路を組めば装置の自動洗浄が簡単にできる。
これまでの様に、軟水装置や脱イオン水装置を付帯させる必要がなくなり、設置スペースの削減、設置場所の移動がしやすくなる、維持管理費用も大幅に削減が可能となるなどメリットは非常に大である。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の具体的構成例を図により説明する。
図1は、本発明の電気分解装置の電解槽の構成と、水系の流れを説明するための模式図であり、この図の例では電解槽4はイオン交換隔膜であるアニオンA、カチオンCにより1,2,3の各室に仕切られている。
アニオン交換膜Aで仕切られた2室には、電解水生成用電極5が設けられ、プラス(陽)極として使用される。
カチオン交換膜Cで仕切られた1室には電解水生成用電極6が設けられており、電源供給装置の陰極に接続される。
真ん中の3室は中間室で、塩水タンク8内の塩水がポンプ9により3室内に送液され、配管10を通って再び塩水タンク8に戻る循環系が構成されている。
Wは水道などの原水供給源で、配管11を通って1室および2室に原水が圧送され、陽極5および陰極6に直流電気が通電している時は、配管12の出口から酸性水、配管13の出口からはアルカリ水が排出する。
14、15はそれぞれ陽極室への原水通過量を制御する流量計と、陰極室への原水通過量を制御する流量計である。
通常、電解水を生成させる時は上記構成で運転する。
電極6を陰極として電気分解を繰り返し行っていると、電極6には水道水中にとけているカルシウムやマグネシウムなどや、塩の中に含まれているカルシウムやマグネシウムなどが析出し、電極や配管内などに付着する。
これら析出物は、堆積してくると電気が流れ難くなり、電解効率が悪くなってくる。
特に、電極に付着すると電気分解が不十分になるので、時々電極6の析出物は除去する必要がある。
本発明では、電極を洗浄するときは、陰極として使用されていた電極6を陽極とし、同じ室内の別の電極7を陰極として洗浄用の電気分解を行なう。
これにより、電解水生成時に陰極として使用されていた電極6の表面析出物は、陽極として通電されるため、電極表面から溶け出して剥離される。
表面析出物は陰極室内で水酸化物になると、溶解度が低いので沈殿となって槽壁などにも析出する。
洗浄のための電気分解は、電解水の生成装置を停止させる毎に行うのが望ましく、本発明者の実験では、3日間連続採水し3分間洗浄、4日間連続採水し3分間洗浄するという1週間のサイクルを8週間おこなって、電解槽を分解調査したところ、全く電極に付着物が堆積しないことが確認された。
以下、本発明の実施例を説明する。
【0006】
【実施例】
電解条件:3日間連続運転後3分洗浄、4日間連続運転後3分間洗浄を1サイクルとして8サイクル
電解槽 :3室構成、アニオン交換膜とカチオン交換膜で仕切り
陽極板 :片面99cm2(開孔率16%)チタン素材に酸化イリジウムをコーティング
陰極板 :片面99cm2(開孔率16%)チタン材
極間距離:13mm
電解電圧:10V
中間室塩濃度:平均12%
【特級精製塩】
酸性水流量 :1500ml/分 ph 3.0
アルカリ水流量:150ml/分 ph12.0
電解液温度 :32℃
原水 :水道水
8サイクルのテスト終了後電解槽を分解し、付着物のチェックを行ったところ、電極には全く析出付着物はなかった。
また、電気分解のレベルを示す指標として電流値を測定したが、スタートから終了時を通じて15〜18アンペアで安定していた。
比較として洗浄操作を組み込まずに、実施例と同じ8サイクル(洗浄相当時間は休止した)を運転したものは、陰極の電極表面に白色のクリーム状析出付着物が薄皮状に堆積された。
電流値もスタート時15アンペアだったものが、8アンペアに低下した。
酸性水pHが4.0に上昇し、アルカリ水pHが11.5に低下し、電気分解効果が大幅に劣化した。
つぎに、本発明の実験で使用した電気回路を図2に示す。
【0007】
【実施例の作用】
原水をイオン交換膜で仕切られた陰極室1と陽極室2に通水しつつ、中間室3の塩水を循環しながら、陰極と陽極間に直流電気を通すと、陰極室内には中間室からカチオン交換膜を透過してナトリウムが流入してくるため、アルカリ性となる。
原水の水道水にはカルシウム、マグネシウムの陽イオンが合わせて20ppm程度含まれており、陰極にひきよせられる。
同時にナトリウムも陰極室に引き寄せられてアルカリ性になるため、これらアルカリ土類金属は水酸化物の沈殿となり、陰極に付着する。
陽極室内には、水の電気分解で生じる酸素と、塩から透析してきた塩素が他のきょう雑陰イオンと共に生成し塩酸と次亜塩素酸の水溶液となる。
電解水生成から電極洗浄に電気回路を切り替えると、今まで陰極としてカルシウム、マグネシウムなどが析出していた電極は陽極となり、同一室内に別途設けらている電極が陰極として通電されるので、付着していたカルシウム、マグネシウムなどが素材金属のチタンの表面で発生する酸素ガスにより、剥離する。
カルシウム、マグネシウムなどは室内がアルカリ性であるため、新たに陰極に引き寄せられることは殆どなく、通水により洗い流され、電極は清浄化される。
再び電解水を生成するときは、電解をさまたげる付着物のない陰極として再生せれている。
【0008】
【発明の効果】
水に電解質を加えて、イオン交換隔膜により電極を隔離して、電気分解する方法において、水道水を原水として電気分解すると、陰極に不溶性の導電性を阻害する沈殿物が生成し、電気分解時の電流が流れなくなり、電解効率がどんどん劣化するが、本発明による電極洗浄を行うことにより、電解効率の劣化は全く問題にならないほどに改善される。
従来、電解前に水道水を軟水化装置に通したり、脱イオン装置に通したりしていた設備が不要になる。
前処理設備が不要になると、設置コストが低減するのはもちろん、その設備を稼働するのに要していた、イオン交換樹脂の再生塩などの維持管理費用も殆どかからなくなる。
また、本体の電解水生成装置の移動や設置も簡単に出来るようになり、設置スペースも大幅に削減できる。
さらに再生装置などの不具合で電極が汚染されるなどの心配もなくなり、極めて安定した電解水の生成ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解槽の構成および水系の流れ模式図
【図2】電気制御回路例
【図3】オフディレータイマー
【図4】オンディレータイマー
【符号の説明】
1〜3・・・隔膜で仕切った各室
4・・・・・電解槽
5〜7・・・電極
8・・・・・塩水タンク
9・・・・・ポンプ
10〜13・配管
14〜15・流量計
A・・・・・アニオン交換膜
C・・・・・カチオン交換膜
W・・・・・原水供給源
SV・・・・電磁弁
【産業上の利用分野】
本発明は、水系の電気分解装置更に詳細には、電解質を含む水の電気分解を行うことによって、アルカリ水と酸性水またはこれらの混合水を生成する装置の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
水に食塩などの電解質を溶かして、隔膜で隔てた電極室を構成して、電気分解する装置は相当数のメーカーから発売されている。
この装置は強電解水生成装置と呼ばれ、主として生成する次亜塩素酸水の殺菌効果を利用するものである。
強電解水生成装置は連続流水式のものと、一定量の生成水を単回で生成させるバッチ式のものに大別されるが、その構成には電気分解するための直流電源とプラスとマイナスの電極が必須である。
また、電気分解には隔膜により電極を隔てた室を構成し、陰極の設置されている側の室内にアルカリ性水、陽極の設置されている側の室内に酸性水が生成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで水を電気分解する際、原水に含まれるカルシウム、マグネシウムなどや、食塩に含まれるカルシウム、マグネシウムなどが陰極に析出してくるため、電気分解が繰り返し行われると、次第に電気分解時の電流が流れなくなり、電解効率が劣化する。
そのため、原水を軟水化したりイオン交換して脱イオン水として使用し、食塩の代わりに特級精製塩を使用して対応している。
また、付着したカルシウムやマグネシウムなどを、電気分解の電極の極性を逆転して自動的に除去しようとする装置もある。(PR電解法と言われる方法である)これらの対応のうち、原水を軟水化したり脱イオン化する方法は、別途設備費がかかりスペース上も大型化して、設置してしまった後は移動するのが困難になる。食塩の代わりに特級精製塩を使用するのは良い方法であるが、それだけでは原水中のカルシウムやマグネシウムの対応がとれず、解決はできない。
また、PR電解法は電極の極性が逆転するので、電気が流れれば効率的に洗浄される方法として良いと思われる。
実際に飲料水用のアルカリイオン整水器には、隔膜として中性膜が使用され、相互にイオンが行き来できるので採用されている方法である。
隔膜にイオン交換膜を使用すると、陽イオン交換膜は陽イオンのみ、陰イオン交換膜は陰イオンのみが透過できる。従って陽イオン交換膜の外側の電極は陰極、陰イオン交換膜の外側には陽極が設置されている条件でなければ、電流は流れず、電気分解も殆どおこらない。
イオン交換膜を使用するメリットは、比較的純粋なイオン水を得る目的で使用される。
そして一方通行で不可逆であるため、いちど生成したイオンは電気分解の電源を切っても、膜を逆に透過することはできない。
このような理由で、イオン交換膜は酸、アルカリの水溶液を生成するにはとても良い方法ではあるが、PR電解は出来ないため電極の洗浄には利用できない。
このように電気分解の電極が、カルシウムやマグネシウムの水酸化物で覆われ、電解効率の劣化する対策としてスペース的にも、設備費用の点からも問題があり、安価で効果的、かつスペースの殆ど必要のない方法の開発が望まれていた。
【0004】
【問題を解決するための手段】
そこで上記問題を解決するため、本発明では通常の電気分解をする際の陰極室内に複数枚の電極を設置した。
さらに陰極および陽極への直流電源の他に、陰極を洗浄するための直流電源を別に用意し、通常の電気分解を行うとき陰極として使用していた陰極室内の電極6を陽極とし、同室内の別の電極7を陰極として、前述した陰極洗浄用の直流電源から電流を供給する。
また、通常の電気分解用の直流電源と陰極洗浄用の直流電源を共用とし、電極6の極性を反転することによっても同様の効果が得られる。
このような電源の切り替えを行うことにより、通常の電解水生成時に陰極に付着したカルシウムや、マグネシウムなどは除去される。
カルシウムやマグネシウムなどの除去がPR電解法では効果がなかったが、本発明の方式では十分な除去性能を示す。そのため電解水の生成が安定する。
上記した本発明の構成では直流電源用のプリント基板および電極板を装置に組み込むだけで、電気回路を組めば装置の自動洗浄が簡単にできる。
これまでの様に、軟水装置や脱イオン水装置を付帯させる必要がなくなり、設置スペースの削減、設置場所の移動がしやすくなる、維持管理費用も大幅に削減が可能となるなどメリットは非常に大である。
【0005】
【発明の実施の形態】
次に本発明の具体的構成例を図により説明する。
図1は、本発明の電気分解装置の電解槽の構成と、水系の流れを説明するための模式図であり、この図の例では電解槽4はイオン交換隔膜であるアニオンA、カチオンCにより1,2,3の各室に仕切られている。
アニオン交換膜Aで仕切られた2室には、電解水生成用電極5が設けられ、プラス(陽)極として使用される。
カチオン交換膜Cで仕切られた1室には電解水生成用電極6が設けられており、電源供給装置の陰極に接続される。
真ん中の3室は中間室で、塩水タンク8内の塩水がポンプ9により3室内に送液され、配管10を通って再び塩水タンク8に戻る循環系が構成されている。
Wは水道などの原水供給源で、配管11を通って1室および2室に原水が圧送され、陽極5および陰極6に直流電気が通電している時は、配管12の出口から酸性水、配管13の出口からはアルカリ水が排出する。
14、15はそれぞれ陽極室への原水通過量を制御する流量計と、陰極室への原水通過量を制御する流量計である。
通常、電解水を生成させる時は上記構成で運転する。
電極6を陰極として電気分解を繰り返し行っていると、電極6には水道水中にとけているカルシウムやマグネシウムなどや、塩の中に含まれているカルシウムやマグネシウムなどが析出し、電極や配管内などに付着する。
これら析出物は、堆積してくると電気が流れ難くなり、電解効率が悪くなってくる。
特に、電極に付着すると電気分解が不十分になるので、時々電極6の析出物は除去する必要がある。
本発明では、電極を洗浄するときは、陰極として使用されていた電極6を陽極とし、同じ室内の別の電極7を陰極として洗浄用の電気分解を行なう。
これにより、電解水生成時に陰極として使用されていた電極6の表面析出物は、陽極として通電されるため、電極表面から溶け出して剥離される。
表面析出物は陰極室内で水酸化物になると、溶解度が低いので沈殿となって槽壁などにも析出する。
洗浄のための電気分解は、電解水の生成装置を停止させる毎に行うのが望ましく、本発明者の実験では、3日間連続採水し3分間洗浄、4日間連続採水し3分間洗浄するという1週間のサイクルを8週間おこなって、電解槽を分解調査したところ、全く電極に付着物が堆積しないことが確認された。
以下、本発明の実施例を説明する。
【0006】
【実施例】
電解条件:3日間連続運転後3分洗浄、4日間連続運転後3分間洗浄を1サイクルとして8サイクル
電解槽 :3室構成、アニオン交換膜とカチオン交換膜で仕切り
陽極板 :片面99cm2(開孔率16%)チタン素材に酸化イリジウムをコーティング
陰極板 :片面99cm2(開孔率16%)チタン材
極間距離:13mm
電解電圧:10V
中間室塩濃度:平均12%
【特級精製塩】
酸性水流量 :1500ml/分 ph 3.0
アルカリ水流量:150ml/分 ph12.0
電解液温度 :32℃
原水 :水道水
8サイクルのテスト終了後電解槽を分解し、付着物のチェックを行ったところ、電極には全く析出付着物はなかった。
また、電気分解のレベルを示す指標として電流値を測定したが、スタートから終了時を通じて15〜18アンペアで安定していた。
比較として洗浄操作を組み込まずに、実施例と同じ8サイクル(洗浄相当時間は休止した)を運転したものは、陰極の電極表面に白色のクリーム状析出付着物が薄皮状に堆積された。
電流値もスタート時15アンペアだったものが、8アンペアに低下した。
酸性水pHが4.0に上昇し、アルカリ水pHが11.5に低下し、電気分解効果が大幅に劣化した。
つぎに、本発明の実験で使用した電気回路を図2に示す。
【0007】
【実施例の作用】
原水をイオン交換膜で仕切られた陰極室1と陽極室2に通水しつつ、中間室3の塩水を循環しながら、陰極と陽極間に直流電気を通すと、陰極室内には中間室からカチオン交換膜を透過してナトリウムが流入してくるため、アルカリ性となる。
原水の水道水にはカルシウム、マグネシウムの陽イオンが合わせて20ppm程度含まれており、陰極にひきよせられる。
同時にナトリウムも陰極室に引き寄せられてアルカリ性になるため、これらアルカリ土類金属は水酸化物の沈殿となり、陰極に付着する。
陽極室内には、水の電気分解で生じる酸素と、塩から透析してきた塩素が他のきょう雑陰イオンと共に生成し塩酸と次亜塩素酸の水溶液となる。
電解水生成から電極洗浄に電気回路を切り替えると、今まで陰極としてカルシウム、マグネシウムなどが析出していた電極は陽極となり、同一室内に別途設けらている電極が陰極として通電されるので、付着していたカルシウム、マグネシウムなどが素材金属のチタンの表面で発生する酸素ガスにより、剥離する。
カルシウム、マグネシウムなどは室内がアルカリ性であるため、新たに陰極に引き寄せられることは殆どなく、通水により洗い流され、電極は清浄化される。
再び電解水を生成するときは、電解をさまたげる付着物のない陰極として再生せれている。
【0008】
【発明の効果】
水に電解質を加えて、イオン交換隔膜により電極を隔離して、電気分解する方法において、水道水を原水として電気分解すると、陰極に不溶性の導電性を阻害する沈殿物が生成し、電気分解時の電流が流れなくなり、電解効率がどんどん劣化するが、本発明による電極洗浄を行うことにより、電解効率の劣化は全く問題にならないほどに改善される。
従来、電解前に水道水を軟水化装置に通したり、脱イオン装置に通したりしていた設備が不要になる。
前処理設備が不要になると、設置コストが低減するのはもちろん、その設備を稼働するのに要していた、イオン交換樹脂の再生塩などの維持管理費用も殆どかからなくなる。
また、本体の電解水生成装置の移動や設置も簡単に出来るようになり、設置スペースも大幅に削減できる。
さらに再生装置などの不具合で電極が汚染されるなどの心配もなくなり、極めて安定した電解水の生成ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】電解槽の構成および水系の流れ模式図
【図2】電気制御回路例
【図3】オフディレータイマー
【図4】オンディレータイマー
【符号の説明】
1〜3・・・隔膜で仕切った各室
4・・・・・電解槽
5〜7・・・電極
8・・・・・塩水タンク
9・・・・・ポンプ
10〜13・配管
14〜15・流量計
A・・・・・アニオン交換膜
C・・・・・カチオン交換膜
W・・・・・原水供給源
SV・・・・電磁弁
Claims (1)
- 電解質を含む水溶液をイオン交換膜を隔膜として複数の室に分割構成した電解槽を用いて電気分解を行なう電解装置において、電解槽内の電極室1内に2枚以上の電極、電極室2内に1枚以上の電極を設置し、強電解水生成時には電極室1内の電極のうち電極室2内の陽極に近い電極6または電極6を含む電極室1内の任意数の電極を陰極とし、電極室2内の電極5を陽極として直流電気を通電して電気分解を行ない、電極洗浄時には電極室1内の電極のうち電極室2内の陽極に遠い電極7を陰極とし、電極室1内の電極6または電極6を含む任意数の電極を陽極として直流電気を通電し、電極室1内で電気分解を行なうことを特徴とする強電解水生成装置
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002294234A JP2004089975A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 強電解水生成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002294234A JP2004089975A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 強電解水生成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004089975A true JP2004089975A (ja) | 2004-03-25 |
Family
ID=32064051
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002294234A Pending JP2004089975A (ja) | 2002-08-30 | 2002-08-30 | 強電解水生成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004089975A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007209546A (ja) * | 2006-02-09 | 2007-08-23 | Tech Corporation:Kk | 電解水洗浄システム |
JP2007268346A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Shimazaki Denki Kk | 電解装置における電解質槽の給排水装置 |
JP2009072755A (ja) * | 2007-04-13 | 2009-04-09 | Masaaki Arai | 電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 |
JP2009072778A (ja) * | 2007-04-13 | 2009-04-09 | Masaaki Arai | 電解水の製造装置、電解水の製造方法および電解水 |
JP2009178710A (ja) * | 2007-12-31 | 2009-08-13 | Masaaki Arai | 精密機器洗浄装置、空気清浄装置、製氷装置、内視鏡用洗浄装置、洗髪装置、水耕栽培装置および洗車装置 |
-
2002
- 2002-08-30 JP JP2002294234A patent/JP2004089975A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007209546A (ja) * | 2006-02-09 | 2007-08-23 | Tech Corporation:Kk | 電解水洗浄システム |
JP2007268346A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Shimazaki Denki Kk | 電解装置における電解質槽の給排水装置 |
JP4722749B2 (ja) * | 2006-03-30 | 2011-07-13 | 島崎電機株式会社 | 電解装置における電解質槽の給排水装置 |
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