JP2004088880A - 背面界磁型誘導子回転機 - Google Patents
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Abstract
【課題】界磁巻線をもたない小径の回転子でありながら大きな励磁力がかけられること、そして多くの磁束を発生することができることを目的としている。
【解決手段】回転子1外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、また前記電機子鉄心は前記軸方向に磁気的抵抗を大きくするように非磁性領域を介在して軸方向の磁気抵抗を径方向よりも大きくしており、かつ通常の回転材と異なり電機子の内側に回転子をもちながら電機子の外側に界磁をもつという構造すなわち前記電機子鉄心の外径部に磁気的に当接固定する界磁鉄心とそれに巻装された界磁巻線と、を有する構成としている。
【選択図】 図1
【解決手段】回転子1外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、また前記電機子鉄心は前記軸方向に磁気的抵抗を大きくするように非磁性領域を介在して軸方向の磁気抵抗を径方向よりも大きくしており、かつ通常の回転材と異なり電機子の内側に回転子をもちながら電機子の外側に界磁をもつという構造すなわち前記電機子鉄心の外径部に磁気的に当接固定する界磁鉄心とそれに巻装された界磁巻線と、を有する構成としている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は産業機器などを含む一般の発電機や電動機に適用出来るものであるが、とりわけ超高速のタービン発電機やターボ圧縮機、高減速比モータ、サーボモータなどの超高速回転機に好適である。かかる超高速回転の分野では遠心力や応答性のために回転子は小径低慣性であることが重要である。本発明はそのような耐高速低慣性の小径回転子にて高出力を達成した回転機を提供することが目的である。
【0002】
【従来の技術】
超高速で使用される例として例えば自動車のターボチャージャの過給機を駆動する排気タービンに回転機を併設して排気ガスエネルギーの一部を発電に回す技術がある。排気タービンは通常数万rpmから最高20万rpm程度の高速で回転するため、遠心力が極めて大きくなる。そのため回転子を小さくする必要があり、さらには小径でありながら高出力とするには回転子の励磁力を強化する必要がある。しかしながら超高速で小型の回転子には励磁力を与える界磁巻線を多く巻く事が出来ず、電機子鉄心スロットに電機子巻線とは別の磁極ピッチ(電気角180°)にて巻装することが考えられたが、電機子巻線と界磁巻線が干渉しあうため占積率が上がらないことや、界磁巻線が多く巻き込めないなどの問題があった。
【0003】
また一方、小型化のために希土類磁石を用いる磁石発電方式にする方法もあるがそうすると高速回転時の電圧制限(発電時)や磁束制限(電動時)の問題の解決を要することとなり、そのために高価で複雑なインバータやその制御を必要とするなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
界磁巻線をもたない小径の回転子でありながら大きな励磁力がかけられること、そして多くの磁束を発生することができること、を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の構成では、外周囲に磁気的に凹凸を有する誘導子型回転子と、該回転子の外周に配置され略軸方向の巻線スロットを有し該スロットに電機子巻線を収納した軸方向積層電機子鉄心よりなる固定子と、前記電機子鉄心の背面部すなわち電機子巻線よりも外周側の少なくとも一部に磁気的に当接固定し、かつ該電機子鉄心の外側にあってこれと略同軸状に周回する界磁鉄心と、該界磁鉄心の内側に巻装されて前記電機子鉄心の外側にあってこの周回と同軸状に巻回された界磁巻線と、を有する構成としている。
【0006】
これにより、界磁巻線の収納容積が狭い電機子鉄心と回転子の間、または更に狭い回転子内に詰める必要がなくなり、多くの巻線量が巻装できる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0007】
請求項2の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、また前記電機子鉄心は前記軸方向に磁気的抵抗を大きくするように非磁性領域を介在して軸方向の磁気抵抗を径方向よりも大きくしており、かつ前記電機子鉄心の外径部に磁気的に当接固定する界磁鉄心とそれに巻装された界磁巻線と、を有する構成としている。これにより軸方向に二分された電機子鉄心に大きな起磁力が与えられ、その結果これに対向した回転子にも大きな起磁力が与えられ、また回転子の磁極も軸方向を二分して180度反転する関係に設置しているので、電機子から回転子、また回転子から電機子に戻る磁束の流れにおいてもれが少なく、その結果電機子巻線鎖交磁束が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子でも大きな磁束を確保する課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0008】
請求項3の構成では、前記界磁鉄心は、その断面において内径側に磁気的非連接領域を設けた略「コ」の字突き合わせ形状であるとともに、前記電機子鉄心の外径に嵌合する構成としている。
【0009】
これにより、電機子鉄心の外側より、構造的に支持するとともに励磁力を与える事が出来るので、回転子を小さくすべき条件の中で界磁巻線巻装量の制約はなくなり本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0010】
請求項4の構成では、前記界磁鉄心の磁気的非連接領域には永久磁石が設けられ、前記界磁巻線による励磁力を対向する向きの着磁がされている構成としている。
【0011】
これにより前記界磁鉄心の内径側での漏れ磁束が減って界磁鉄心が電機子鉄心に与える起磁力が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0012】
請求項5の構成では、前記電機子鉄心は軸方向の略中央に非磁性部材を介在して磁気的には軸方向に略二分し、かつ構造的には一体となっており、これを括った電機子巻線が巻装される構成としている。
【0013】
このように電機子鉄心が一体になることにより軸方向がコンパクトに、すなわち磁気回路も短く起磁力損失が小さくできる。すなわち本発明の課題である小径回転子での起磁力確保高性能確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0014】
請求項6の構成では、前記界磁巻線の形成する界磁起磁力と対向する向きに着磁した板状永久磁石を、前記電機子鉄心は軸方向の略中央に介在配置して、該構造的一体とした電機子鉄心にはこれを括った電機子巻線が巻装される構成としている。
【0015】
これにより、軸方向に二分された電機子鉄心間の漏れ磁束が少なくなり、起磁力差の低下を防ぐ事が出きるので、これと対向する回転子についても励磁力も確保できる。そのため目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0016】
請求項7の構成では、前記電機子巻線は二組の三相よりなり相互に電気的に30°の位相差をもたせる構成としている。
【0017】
これにより電機子巻線のスロットの数が通常の分布巻きの場合1極1相あたり3のものが6と2倍となり、巻線の電機子鉄心への伝達や、また電機子巻線の放熱量が増えるため冷却性が良くなるので、これと連接した界磁鉄心の昇温も少なくなり、したがって低抵抗になる。そのため定電圧印加の条件の下で電流の低下、すなわち励磁力低下が少なくなる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0018】
請求項8の構成では、軸方向に配列した前記電機子鉄心と電機子巻線とからなる固定子を二つ、軸方向に配列するとともに、それら二つの固定子のそれぞれの電機子鉄心背面同士を略アーチ状の界磁鉄心部材で磁気的に連接し、該アーチ状界磁鉄心の内径側と前記電機子鉄心の外径との間の空間に界磁巻線を電機子鉄心と略同軸的に周回巻装した構成としている。
【0019】
これにより特別な電機子鉄心や巻線をしなくとも従来の一般的電機子を二つ組み合わせるだけで、回転子に与える励磁力が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0020】
請求項9の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となるとともに該回転子は一体の塊状鉄心により形成した構成としている。
【0021】
これにより回転子の組立てが簡素であるほか、一体のため磁気的に継ぎ目がないため起磁力損失が少なくて済む。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が実用上解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0022】
請求項10の構成では、前記回転子の外周凸部は積層鉄心となっておりその内央部は塊状鉄心とした構成としている。
【0023】
これにより、回転子表面での変動磁界による渦電流による反作用起磁力を低下させることができ、回転子への起磁力の印加が効率良く出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0024】
請求項11の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。
【0025】
これにより電機子鉄心に巻装された電機子巻線には回転子の磁極に誘導される磁束の脈動変動が与えられるだけでなく、磁極と磁極の間の磁石により前記脈動の基底値が逆極性に反転できるので、電機子巻線の鎖交磁束は交番とする事が出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子の励磁力を電機子側からみた時の振幅が大きくできるので、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0026】
請求項12の構成では、前記界磁巻線の通電電流の極性を反転できるように切り替え手段をもうけた構成としている。
【0027】
これにより、前記磁極間に設ける磁石の強さを強くしても、軽負荷時などに必要なときはこれを界磁起磁力により抑制することができる。すなわち界磁起磁力の反転制御手段を持つ事で磁石のアシストにより本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決されることとなり、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0028】
請求項13の構成では、前記界磁巻線の中途にタップを設けてこれを接地あるいは正極に接続し、該巻線の両端をそれぞれスイッチ手段を介して正極、あるいは接地して、前記スイッチ手段の開閉により該巻線の合成起磁力の極性が反転できるようにした構成としている。
【0029】
これにより、界磁起磁力を反転させるのにHブリッジ回路を必要とせず低コストにて本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0030】
請求項14の構成では、ガスエネルギーで駆動したり、ガスを圧縮するのに用いる高速タービン回転機として構成ししている。
【0031】
本発明による小径回転機を適用すれば、低慣性で応答性がよいのでタービンブレードに過渡的過大応力を発生させる事も無く、また小径であるがために高速耐力もすぐれているので、高性能のタービン発電機・・となり・・・できる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0032】
請求項15の構成では、エンジンスタータモータとして構成している。
【0033】
これにより、飛躍的高速回転が可能となるので減速比を高める事が出来て小型で高トルクを発生する事ができる。すなわち本発明の目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0034】
請求項16の構成では、インバータにて駆動する車両走行用モータに適用しておりこれにより極めて高速回転と出来るので超小型にでき、例えばホイル内部に設置することができるようになる。
【0035】
請求項17の構成では、電機子巻線への入出力電力はAC−DC変換されるとともに、該DC電力は該DC出力部に設けた巻線に通じる構成として、かつ該巻線を前記界磁鉄心の内央部の少なくとも一部に直巻界磁巻線として収納した構成としている。
【0036】
これにより、負荷に対応して大電流が流れて励磁力が高められる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0037】
請求項18の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。また前記磁石を電磁ステンレス系材料の薄板鋼鈑にて積層したシュリンクリングにて所定締めしろをあたえて緊縛するとともに、該鋼鈑の一部は前記磁極をなし、また周方向でその間の部分は磁石起磁力にてバイアスされて磁石内蔵磁極としている。この構成により、電気伝導率が低いため渦電流損失も小さく効率がよいここともあるが、特に本材料特性の有効性としては、その材料の高強度より永久磁石の遠心方向への飛び出し耐力が高められるとともに、飽和磁束密度の低い磁気特性より磁石位置の極と他の電磁ステンレスよりなる極との間の漏れ磁束が抑制でき、磁束漏洩が小さくできる。
【0038】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
車両エンジンの排ガス駆動の発電機に適用した例を図1乃至図3を用いて説明する。
【0039】
塊状鉄心よりなる回転子1には図示無き排気タービンにより駆動される回転軸2が一体的に形成されている。該回転子の外径部には磁極となる二つの凸部と、凹部すなわち外径面より小径となる部分とを有している。
【0040】
前記磁極は、図2に示す如く回転子の軸方向の中央を境に相互に回転周方向にほぼ機械角90°、電気角180°ずれており、これらの磁極は相互に前記塊状鉄心部にて磁気的に連接している。
【0041】
また前記磁極は回転周方向にほぼ後述電機子鉄心の1スロットピッチのスキューが与えてある
(図1は、理解の単純化のためスキュー無しのストレートとしてモデル的に描いている)。
【0042】
また回転子中央を境としてその両側の磁極群はそのスキューの傾斜は逆となっている。
【0043】
回転子塊状鉄心の材料は軟鋼よりも電気的導電率の低くて強度のある磁性ステンレス材(一般に電磁ステンレスと呼ばれる)にて製作されている。
【0044】
該回転子の外径はφ20mmでありその両端には該径にほぼ等しい全周円盤状のツバ部を備えている。該円盤は後述電機子鉄心の両端面よりも約3mm軸方向外側に位置している。
【0045】
前記回転子の外径から半径分で約1mm離間した外周囲には約0.2mmの電磁鋼鈑の部分切り抜き材を交互に千鳥状に積層した電機子鉄心が前記回転子と同軸配置されていて、この内径はφ22で外径はφ65であり、電機子鉄心の軸方向の積層厚さは50mmである。
【0046】
前記電機子鉄心6はほぼその中央でその間に厚さ5mmの熱硬化型耐熱樹脂板よりなる非磁性部材を介在して電機子鉄心の磁性領域は軸方向中央で遮断され二分されている。
【0047】
前記電機子鉄心6および軸方向中央の非磁性介在部材8にはともに軸方向に略平行なスロットが24箇所設けられており該スロット部には電気的位相差30°の二組の第1,第2三相巻線701、702とが巻装されている。これら三相巻線は図2に示すようにそれぞれ第1,第2整流器11に接続されて、それらの出力は系外のワイパーモータなどの電気負荷14や14Vバッテリ13に接続されている。
【0048】
前記電機子鉄心6の外径部には、軸方向に沿った略断面「コ」の字で内径約φ65外径約φ87の円環状の鉄心を突き合わせた低炭素電磁用鋼の界磁鉄心が嵌合しており、該断面「コ」の字の突き当て外径部は磁気的に連接しておりかつ該断面「コ」の字の内径部は突き当てておらず、空間すなわち非磁性領域を設けている。
【0049】
該界磁鉄心の内央部には巻線10が約330T周回巻装されており抵抗値は約2.3Ωである。該巻線10は図3に示すように発電機直流出力の正極と負極(接地)との間にスイッチ素子12を介在して接続されており、該素子のゲート制御端子には図示無き発電制御コントローラのHi/Lo信号出力端子が接続されている。
【0050】
次に、以上の構成を有する第1実施例の作動について説明する。
【0051】
まず基本的な発電作用について説明する。
【0052】
前記界磁鉄心中に巻装された界磁巻線10端が14Vバッテリの正極と負極との間に極性切り替え用素子を介して接続されると、約4.3Aの界磁電流が流れて、前記界磁巻線10には約1500ATの励磁起磁力が発生する。該起磁力は前記界磁鉄心と密着した電機子鉄心に印加され、該起磁力はまたその内径側にある凹凸形状を有する塊状鉄心回転子に印加されることとなる。このためこの電機子鉄心内径部と接近した回転子の凸部すなわち磁極は、軸方向に略2分した他の磁極へと磁束を流し、該磁束は前記界磁鉄心9より電機子鉄心6を通り前記磁極を通り前記電機子鉄心の二分された他の電機子鉄心部を通り前記界磁鉄心に戻ってくる流れとなる。
【0053】
図示無きエンジンの排気ガスによりタービンが駆動され、これと接続した前記回転軸および回転子が回転すると、前記の磁極を通る磁束の流れも回転するので、前記電機子鉄心にもうけられた固定した電機子巻線の鎖交磁束が変化することとなる。このため起電力が発生し前記第1、第2電機子巻線に接続された整流器により直流電力となり、外部の電気負荷やバッテリに充電されることとなる。
【0054】
次に該構成の特徴となる構成を中心に作動を個別に補足説明する。
【0055】
前記回転子1外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、また前記電機子鉄心は前記軸方向に磁気的抵抗を大きくするように非磁性領域を介在して軸方向の磁気抵抗を径方向よりも大きくしており、かつ前記電機子鉄心の外径部に磁気的に当接固定する界磁鉄心とそれに巻装された界磁巻線と、を有する構成としているので、軸方向に二分された電機子鉄心に大きな起磁力が与えられ、その結果これに対向した回転子にも大きな起磁力が与えられ、電機子から回転子、また回転子から電機子に戻る磁束の流れにおいてもれが少なく、その結果電機子巻線鎖交磁束が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子でも大きな磁束を確保する課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0056】
前記界磁鉄心9は、その断面において内径側に磁気的非連接領域を設けた略「コ」の字突き合わせ形状であるとともに、前記電機子鉄心の外径に嵌合する構成としているので電機子鉄心の外側より、構造的に支持するとともに励磁力を与える事が出来、回転子を小さくすべき条件の中で界磁巻線巻装量の制約はなくなり本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できる。
【0057】
前記電機子鉄心6は軸方向の略中央に非磁性部材を介在して磁気的には軸方向に略二分し、かつ構造的には一体となっており、これを括った電機子巻線が巻装される構成としている。これにより軸方向がコンパクトに、すなわち磁気回路も短く起磁力損失が小さくできる。
【0058】
前記電機子巻線7は二組の三相よりなり相互に電気的に30°の位相差をもたせる構成としているので、電機子巻線のスロットの数が通常の分布巻きの場合1極1相あたり3のものが6と2倍となり、巻線の電機子鉄心への伝達や、また電機子巻線の放熱量が増えるため冷却性が良くなるので、これと連接した界磁鉄心の昇温も少なくなり、したがって低抵抗になる。そのため定電圧印加の条件の下で電流の低下、すなわち励磁力低下が少なくなる。
【0059】
前記回転子1外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となるとともに該回転子は一体の塊状鉄心により形成しているので、一体のため磁気的に継ぎ目がないため起磁力損失が少なくて済む。
【0060】
以上のように構成した回転機は小径低慣性の回転子でありながら高性能であり高速耐力もすぐれているので、高性能のタービン発電機への適用において特に有用である。
【0061】
実験結果によると、この第1実施例の体格と同じ体格の従来技術のものだと、発電出力が500W(5万rpm)であったが、この第1実施例のものだと約2kW(10万rpm)と、著しい高性能化が達成できた。
【0062】
[第2の実施形態]
前記第1実施例では回転子は一体の塊状鉄心であるが、図4に示す第二実施例では、前記回転子の外周凸部は積層鉄心となっておりその内央部は塊状鉄心とした構成としている。これにより、回転子表面での変動磁界による渦電流による反作用起磁力を低下させることができ、回転子への起磁力の印加が効率良く出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。また前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。これにより電機子鉄心に巻装された電機子巻線には回転子の磁極に誘導される磁束の脈動変動が与えられるだけでなく、磁極と磁極の間の磁石により前記脈動の基底値が逆極性に反転できるので、電機子巻線の鎖交磁束は交番とする事が出きる。請求項18の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。また前記磁石を電磁ステンレス系材料の薄板鋼鈑にて積層したシュリンクリングにて所定締めしろをあたえて緊縛するとともに、該鋼鈑の一部は前記磁極をなし、また周方向でその間の部分は磁石起磁力にてバイアスされて磁石内蔵磁極としている。この構成により、電気伝導率が低いため前記渦電流損失も積層効果とあいまって更に小さくでき効率がよくなることの他、特に本材料特性の有効性として、その材料の高強度より永久磁石の遠心方向への飛び出し耐力が高められるとともに、飽和磁束密度の低い磁気特性より磁石位置の極と他の電磁ステンレスよりなる極との間の漏れ磁束が抑制でき、磁束漏洩が小さくできるという効果がある。
【0063】
なお前記界磁巻線は図5に示すごとく前記界磁巻線の通電電流の極性を反転できるように切り替え手段をもうけた構成としている。これにより、前記磁極間に設ける磁石の強さを強くしても、軽負荷時などに必要なときはこれを界磁起磁力により抑制することができる。すなわち界磁起磁力の反転制御手段を持つ事で磁石のアシストにより本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決されることとなり、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0064】
[第3の実施形態]
前記第1,第2実施例では電機子は一体であるが、図6に示す如く別体としてもよい。
【0065】
軸方向に配列した前記電機子鉄心と電機子巻線とからなる固定子を二つ、軸方向に配列するとともに、それら二つの固定子のそれぞれの電機子鉄心背面同士を略アーチ状の界磁鉄心部材で磁気的に連接し、該アーチ状界磁鉄心の内径側と前記電機子鉄心の外径との間の空間に界磁巻線を電機子鉄心と略同軸的に周回巻装した構成としている。
【0066】
これにより特別な電機子鉄心や巻線をしなくとも従来の一般的電機子を二つ組み合わせるだけで、回転子に与える励磁力が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0067】
また図7に示す如く、前記界磁巻線の中途にタップを設けてこれを接地あるいは正極に接続し、該巻線の両端をそれぞれスイッチ手段を介して正極、あるいは接地して、前記スイッチ手段の開閉により該巻線の合成起磁力の極性が反転できるようにした構成としている。
【0068】
これにより、界磁起磁力を反転させるのにHブリッジ回路を必要とせず低コストにて本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0069】
[第4の実施形態]
前記第1,第2,第3実施例では界磁巻線は分巻構成となっているが、図8,図9に示す実施例では、直巻構成としている。すなわち電機子巻線への入出力電力はAC−DC変換されるとともに、該DC電力は該DC出力部に設けた巻線に通じる構成として、かつ該巻線を前記界磁鉄心の内央部の少なくとも一部に直巻界磁巻線として収納した構成としている。
【0070】
これにより、負荷に対応して大電流が流れて励磁力が高められる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0071】
[その他の実施例]
以上の実施例では界磁鉄心や界磁巻線を電機子鉄心の外径背面丁度の寸法で配置しているが、多少その範囲がずれたり広がったりしても、また電機子巻線のコイルエンド部などに広がって配置されても本発明の構成となることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
第1実施例の要部断面図である。
【図2】
第1実施例の回転子の軸方向視図である。
【図3】
第1実施例での回路構成説明図である。
【図4】
(a)は第2実施例の要部断面図で左側面図である。
(b)は第2実施例の要部断面図で正面図である。
(c)は第2実施例の要部断面図で右側面図である。
【図5】
第2実施例の回路構成説明図である。
【図6】
第3実施例の要部断面図である。
【図7】
第3実施例の界磁巻線の構成の説明図である。
【図8】
第4実施例の要部断面図である。
【図9】第4実施例の回路構成説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・回転子
2・・・・・回転軸
3・・・・・塊状鉄心
4・・・・・磁極
401・・・第1磁極
402・・・第2磁極
5・・・・・固定子
6・・・・・電機子鉄心
7・・・・・電機子巻線
701・・・第1電機子巻線
702・・・第2電機子巻線
8・・・・・非磁性スペーサ
9・・・・・界磁鉄心
10・・・・界磁巻線
101・・・中途タップ
11・・・・整流器
12・・・・極性切り替えスイッチ
121・・・第1FET
122・・・第2FET
13・・・・バッテリ
14・・・・電気負荷
15・・・・磁石
16・・・・シュリンクリング
17・・・・直巻界磁巻線
【発明の属する技術分野】
本発明は産業機器などを含む一般の発電機や電動機に適用出来るものであるが、とりわけ超高速のタービン発電機やターボ圧縮機、高減速比モータ、サーボモータなどの超高速回転機に好適である。かかる超高速回転の分野では遠心力や応答性のために回転子は小径低慣性であることが重要である。本発明はそのような耐高速低慣性の小径回転子にて高出力を達成した回転機を提供することが目的である。
【0002】
【従来の技術】
超高速で使用される例として例えば自動車のターボチャージャの過給機を駆動する排気タービンに回転機を併設して排気ガスエネルギーの一部を発電に回す技術がある。排気タービンは通常数万rpmから最高20万rpm程度の高速で回転するため、遠心力が極めて大きくなる。そのため回転子を小さくする必要があり、さらには小径でありながら高出力とするには回転子の励磁力を強化する必要がある。しかしながら超高速で小型の回転子には励磁力を与える界磁巻線を多く巻く事が出来ず、電機子鉄心スロットに電機子巻線とは別の磁極ピッチ(電気角180°)にて巻装することが考えられたが、電機子巻線と界磁巻線が干渉しあうため占積率が上がらないことや、界磁巻線が多く巻き込めないなどの問題があった。
【0003】
また一方、小型化のために希土類磁石を用いる磁石発電方式にする方法もあるがそうすると高速回転時の電圧制限(発電時)や磁束制限(電動時)の問題の解決を要することとなり、そのために高価で複雑なインバータやその制御を必要とするなどの問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
界磁巻線をもたない小径の回転子でありながら大きな励磁力がかけられること、そして多くの磁束を発生することができること、を課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の構成では、外周囲に磁気的に凹凸を有する誘導子型回転子と、該回転子の外周に配置され略軸方向の巻線スロットを有し該スロットに電機子巻線を収納した軸方向積層電機子鉄心よりなる固定子と、前記電機子鉄心の背面部すなわち電機子巻線よりも外周側の少なくとも一部に磁気的に当接固定し、かつ該電機子鉄心の外側にあってこれと略同軸状に周回する界磁鉄心と、該界磁鉄心の内側に巻装されて前記電機子鉄心の外側にあってこの周回と同軸状に巻回された界磁巻線と、を有する構成としている。
【0006】
これにより、界磁巻線の収納容積が狭い電機子鉄心と回転子の間、または更に狭い回転子内に詰める必要がなくなり、多くの巻線量が巻装できる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0007】
請求項2の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、また前記電機子鉄心は前記軸方向に磁気的抵抗を大きくするように非磁性領域を介在して軸方向の磁気抵抗を径方向よりも大きくしており、かつ前記電機子鉄心の外径部に磁気的に当接固定する界磁鉄心とそれに巻装された界磁巻線と、を有する構成としている。これにより軸方向に二分された電機子鉄心に大きな起磁力が与えられ、その結果これに対向した回転子にも大きな起磁力が与えられ、また回転子の磁極も軸方向を二分して180度反転する関係に設置しているので、電機子から回転子、また回転子から電機子に戻る磁束の流れにおいてもれが少なく、その結果電機子巻線鎖交磁束が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子でも大きな磁束を確保する課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0008】
請求項3の構成では、前記界磁鉄心は、その断面において内径側に磁気的非連接領域を設けた略「コ」の字突き合わせ形状であるとともに、前記電機子鉄心の外径に嵌合する構成としている。
【0009】
これにより、電機子鉄心の外側より、構造的に支持するとともに励磁力を与える事が出来るので、回転子を小さくすべき条件の中で界磁巻線巻装量の制約はなくなり本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0010】
請求項4の構成では、前記界磁鉄心の磁気的非連接領域には永久磁石が設けられ、前記界磁巻線による励磁力を対向する向きの着磁がされている構成としている。
【0011】
これにより前記界磁鉄心の内径側での漏れ磁束が減って界磁鉄心が電機子鉄心に与える起磁力が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0012】
請求項5の構成では、前記電機子鉄心は軸方向の略中央に非磁性部材を介在して磁気的には軸方向に略二分し、かつ構造的には一体となっており、これを括った電機子巻線が巻装される構成としている。
【0013】
このように電機子鉄心が一体になることにより軸方向がコンパクトに、すなわち磁気回路も短く起磁力損失が小さくできる。すなわち本発明の課題である小径回転子での起磁力確保高性能確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0014】
請求項6の構成では、前記界磁巻線の形成する界磁起磁力と対向する向きに着磁した板状永久磁石を、前記電機子鉄心は軸方向の略中央に介在配置して、該構造的一体とした電機子鉄心にはこれを括った電機子巻線が巻装される構成としている。
【0015】
これにより、軸方向に二分された電機子鉄心間の漏れ磁束が少なくなり、起磁力差の低下を防ぐ事が出きるので、これと対向する回転子についても励磁力も確保できる。そのため目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0016】
請求項7の構成では、前記電機子巻線は二組の三相よりなり相互に電気的に30°の位相差をもたせる構成としている。
【0017】
これにより電機子巻線のスロットの数が通常の分布巻きの場合1極1相あたり3のものが6と2倍となり、巻線の電機子鉄心への伝達や、また電機子巻線の放熱量が増えるため冷却性が良くなるので、これと連接した界磁鉄心の昇温も少なくなり、したがって低抵抗になる。そのため定電圧印加の条件の下で電流の低下、すなわち励磁力低下が少なくなる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0018】
請求項8の構成では、軸方向に配列した前記電機子鉄心と電機子巻線とからなる固定子を二つ、軸方向に配列するとともに、それら二つの固定子のそれぞれの電機子鉄心背面同士を略アーチ状の界磁鉄心部材で磁気的に連接し、該アーチ状界磁鉄心の内径側と前記電機子鉄心の外径との間の空間に界磁巻線を電機子鉄心と略同軸的に周回巻装した構成としている。
【0019】
これにより特別な電機子鉄心や巻線をしなくとも従来の一般的電機子を二つ組み合わせるだけで、回転子に与える励磁力が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0020】
請求項9の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となるとともに該回転子は一体の塊状鉄心により形成した構成としている。
【0021】
これにより回転子の組立てが簡素であるほか、一体のため磁気的に継ぎ目がないため起磁力損失が少なくて済む。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が実用上解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0022】
請求項10の構成では、前記回転子の外周凸部は積層鉄心となっておりその内央部は塊状鉄心とした構成としている。
【0023】
これにより、回転子表面での変動磁界による渦電流による反作用起磁力を低下させることができ、回転子への起磁力の印加が効率良く出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0024】
請求項11の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。
【0025】
これにより電機子鉄心に巻装された電機子巻線には回転子の磁極に誘導される磁束の脈動変動が与えられるだけでなく、磁極と磁極の間の磁石により前記脈動の基底値が逆極性に反転できるので、電機子巻線の鎖交磁束は交番とする事が出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子の励磁力を電機子側からみた時の振幅が大きくできるので、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0026】
請求項12の構成では、前記界磁巻線の通電電流の極性を反転できるように切り替え手段をもうけた構成としている。
【0027】
これにより、前記磁極間に設ける磁石の強さを強くしても、軽負荷時などに必要なときはこれを界磁起磁力により抑制することができる。すなわち界磁起磁力の反転制御手段を持つ事で磁石のアシストにより本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決されることとなり、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0028】
請求項13の構成では、前記界磁巻線の中途にタップを設けてこれを接地あるいは正極に接続し、該巻線の両端をそれぞれスイッチ手段を介して正極、あるいは接地して、前記スイッチ手段の開閉により該巻線の合成起磁力の極性が反転できるようにした構成としている。
【0029】
これにより、界磁起磁力を反転させるのにHブリッジ回路を必要とせず低コストにて本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0030】
請求項14の構成では、ガスエネルギーで駆動したり、ガスを圧縮するのに用いる高速タービン回転機として構成ししている。
【0031】
本発明による小径回転機を適用すれば、低慣性で応答性がよいのでタービンブレードに過渡的過大応力を発生させる事も無く、また小径であるがために高速耐力もすぐれているので、高性能のタービン発電機・・となり・・・できる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0032】
請求項15の構成では、エンジンスタータモータとして構成している。
【0033】
これにより、飛躍的高速回転が可能となるので減速比を高める事が出来て小型で高トルクを発生する事ができる。すなわち本発明の目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0034】
請求項16の構成では、インバータにて駆動する車両走行用モータに適用しておりこれにより極めて高速回転と出来るので超小型にでき、例えばホイル内部に設置することができるようになる。
【0035】
請求項17の構成では、電機子巻線への入出力電力はAC−DC変換されるとともに、該DC電力は該DC出力部に設けた巻線に通じる構成として、かつ該巻線を前記界磁鉄心の内央部の少なくとも一部に直巻界磁巻線として収納した構成としている。
【0036】
これにより、負荷に対応して大電流が流れて励磁力が高められる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0037】
請求項18の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。また前記磁石を電磁ステンレス系材料の薄板鋼鈑にて積層したシュリンクリングにて所定締めしろをあたえて緊縛するとともに、該鋼鈑の一部は前記磁極をなし、また周方向でその間の部分は磁石起磁力にてバイアスされて磁石内蔵磁極としている。この構成により、電気伝導率が低いため渦電流損失も小さく効率がよいここともあるが、特に本材料特性の有効性としては、その材料の高強度より永久磁石の遠心方向への飛び出し耐力が高められるとともに、飽和磁束密度の低い磁気特性より磁石位置の極と他の電磁ステンレスよりなる極との間の漏れ磁束が抑制でき、磁束漏洩が小さくできる。
【0038】
【発明の実施の形態】
[第1の実施形態]
車両エンジンの排ガス駆動の発電機に適用した例を図1乃至図3を用いて説明する。
【0039】
塊状鉄心よりなる回転子1には図示無き排気タービンにより駆動される回転軸2が一体的に形成されている。該回転子の外径部には磁極となる二つの凸部と、凹部すなわち外径面より小径となる部分とを有している。
【0040】
前記磁極は、図2に示す如く回転子の軸方向の中央を境に相互に回転周方向にほぼ機械角90°、電気角180°ずれており、これらの磁極は相互に前記塊状鉄心部にて磁気的に連接している。
【0041】
また前記磁極は回転周方向にほぼ後述電機子鉄心の1スロットピッチのスキューが与えてある
(図1は、理解の単純化のためスキュー無しのストレートとしてモデル的に描いている)。
【0042】
また回転子中央を境としてその両側の磁極群はそのスキューの傾斜は逆となっている。
【0043】
回転子塊状鉄心の材料は軟鋼よりも電気的導電率の低くて強度のある磁性ステンレス材(一般に電磁ステンレスと呼ばれる)にて製作されている。
【0044】
該回転子の外径はφ20mmでありその両端には該径にほぼ等しい全周円盤状のツバ部を備えている。該円盤は後述電機子鉄心の両端面よりも約3mm軸方向外側に位置している。
【0045】
前記回転子の外径から半径分で約1mm離間した外周囲には約0.2mmの電磁鋼鈑の部分切り抜き材を交互に千鳥状に積層した電機子鉄心が前記回転子と同軸配置されていて、この内径はφ22で外径はφ65であり、電機子鉄心の軸方向の積層厚さは50mmである。
【0046】
前記電機子鉄心6はほぼその中央でその間に厚さ5mmの熱硬化型耐熱樹脂板よりなる非磁性部材を介在して電機子鉄心の磁性領域は軸方向中央で遮断され二分されている。
【0047】
前記電機子鉄心6および軸方向中央の非磁性介在部材8にはともに軸方向に略平行なスロットが24箇所設けられており該スロット部には電気的位相差30°の二組の第1,第2三相巻線701、702とが巻装されている。これら三相巻線は図2に示すようにそれぞれ第1,第2整流器11に接続されて、それらの出力は系外のワイパーモータなどの電気負荷14や14Vバッテリ13に接続されている。
【0048】
前記電機子鉄心6の外径部には、軸方向に沿った略断面「コ」の字で内径約φ65外径約φ87の円環状の鉄心を突き合わせた低炭素電磁用鋼の界磁鉄心が嵌合しており、該断面「コ」の字の突き当て外径部は磁気的に連接しておりかつ該断面「コ」の字の内径部は突き当てておらず、空間すなわち非磁性領域を設けている。
【0049】
該界磁鉄心の内央部には巻線10が約330T周回巻装されており抵抗値は約2.3Ωである。該巻線10は図3に示すように発電機直流出力の正極と負極(接地)との間にスイッチ素子12を介在して接続されており、該素子のゲート制御端子には図示無き発電制御コントローラのHi/Lo信号出力端子が接続されている。
【0050】
次に、以上の構成を有する第1実施例の作動について説明する。
【0051】
まず基本的な発電作用について説明する。
【0052】
前記界磁鉄心中に巻装された界磁巻線10端が14Vバッテリの正極と負極との間に極性切り替え用素子を介して接続されると、約4.3Aの界磁電流が流れて、前記界磁巻線10には約1500ATの励磁起磁力が発生する。該起磁力は前記界磁鉄心と密着した電機子鉄心に印加され、該起磁力はまたその内径側にある凹凸形状を有する塊状鉄心回転子に印加されることとなる。このためこの電機子鉄心内径部と接近した回転子の凸部すなわち磁極は、軸方向に略2分した他の磁極へと磁束を流し、該磁束は前記界磁鉄心9より電機子鉄心6を通り前記磁極を通り前記電機子鉄心の二分された他の電機子鉄心部を通り前記界磁鉄心に戻ってくる流れとなる。
【0053】
図示無きエンジンの排気ガスによりタービンが駆動され、これと接続した前記回転軸および回転子が回転すると、前記の磁極を通る磁束の流れも回転するので、前記電機子鉄心にもうけられた固定した電機子巻線の鎖交磁束が変化することとなる。このため起電力が発生し前記第1、第2電機子巻線に接続された整流器により直流電力となり、外部の電気負荷やバッテリに充電されることとなる。
【0054】
次に該構成の特徴となる構成を中心に作動を個別に補足説明する。
【0055】
前記回転子1外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、また前記電機子鉄心は前記軸方向に磁気的抵抗を大きくするように非磁性領域を介在して軸方向の磁気抵抗を径方向よりも大きくしており、かつ前記電機子鉄心の外径部に磁気的に当接固定する界磁鉄心とそれに巻装された界磁巻線と、を有する構成としているので、軸方向に二分された電機子鉄心に大きな起磁力が与えられ、その結果これに対向した回転子にも大きな起磁力が与えられ、電機子から回転子、また回転子から電機子に戻る磁束の流れにおいてもれが少なく、その結果電機子巻線鎖交磁束が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子でも大きな磁束を確保する課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0056】
前記界磁鉄心9は、その断面において内径側に磁気的非連接領域を設けた略「コ」の字突き合わせ形状であるとともに、前記電機子鉄心の外径に嵌合する構成としているので電機子鉄心の外側より、構造的に支持するとともに励磁力を与える事が出来、回転子を小さくすべき条件の中で界磁巻線巻装量の制約はなくなり本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できる。
【0057】
前記電機子鉄心6は軸方向の略中央に非磁性部材を介在して磁気的には軸方向に略二分し、かつ構造的には一体となっており、これを括った電機子巻線が巻装される構成としている。これにより軸方向がコンパクトに、すなわち磁気回路も短く起磁力損失が小さくできる。
【0058】
前記電機子巻線7は二組の三相よりなり相互に電気的に30°の位相差をもたせる構成としているので、電機子巻線のスロットの数が通常の分布巻きの場合1極1相あたり3のものが6と2倍となり、巻線の電機子鉄心への伝達や、また電機子巻線の放熱量が増えるため冷却性が良くなるので、これと連接した界磁鉄心の昇温も少なくなり、したがって低抵抗になる。そのため定電圧印加の条件の下で電流の低下、すなわち励磁力低下が少なくなる。
【0059】
前記回転子1外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となるとともに該回転子は一体の塊状鉄心により形成しているので、一体のため磁気的に継ぎ目がないため起磁力損失が少なくて済む。
【0060】
以上のように構成した回転機は小径低慣性の回転子でありながら高性能であり高速耐力もすぐれているので、高性能のタービン発電機への適用において特に有用である。
【0061】
実験結果によると、この第1実施例の体格と同じ体格の従来技術のものだと、発電出力が500W(5万rpm)であったが、この第1実施例のものだと約2kW(10万rpm)と、著しい高性能化が達成できた。
【0062】
[第2の実施形態]
前記第1実施例では回転子は一体の塊状鉄心であるが、図4に示す第二実施例では、前記回転子の外周凸部は積層鉄心となっておりその内央部は塊状鉄心とした構成としている。これにより、回転子表面での変動磁界による渦電流による反作用起磁力を低下させることができ、回転子への起磁力の印加が効率良く出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。また前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。これにより電機子鉄心に巻装された電機子巻線には回転子の磁極に誘導される磁束の脈動変動が与えられるだけでなく、磁極と磁極の間の磁石により前記脈動の基底値が逆極性に反転できるので、電機子巻線の鎖交磁束は交番とする事が出きる。請求項18の構成では、前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成する構成としている。また前記磁石を電磁ステンレス系材料の薄板鋼鈑にて積層したシュリンクリングにて所定締めしろをあたえて緊縛するとともに、該鋼鈑の一部は前記磁極をなし、また周方向でその間の部分は磁石起磁力にてバイアスされて磁石内蔵磁極としている。この構成により、電気伝導率が低いため前記渦電流損失も積層効果とあいまって更に小さくでき効率がよくなることの他、特に本材料特性の有効性として、その材料の高強度より永久磁石の遠心方向への飛び出し耐力が高められるとともに、飽和磁束密度の低い磁気特性より磁石位置の極と他の電磁ステンレスよりなる極との間の漏れ磁束が抑制でき、磁束漏洩が小さくできるという効果がある。
【0063】
なお前記界磁巻線は図5に示すごとく前記界磁巻線の通電電流の極性を反転できるように切り替え手段をもうけた構成としている。これにより、前記磁極間に設ける磁石の強さを強くしても、軽負荷時などに必要なときはこれを界磁起磁力により抑制することができる。すなわち界磁起磁力の反転制御手段を持つ事で磁石のアシストにより本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決されることとなり、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0064】
[第3の実施形態]
前記第1,第2実施例では電機子は一体であるが、図6に示す如く別体としてもよい。
【0065】
軸方向に配列した前記電機子鉄心と電機子巻線とからなる固定子を二つ、軸方向に配列するとともに、それら二つの固定子のそれぞれの電機子鉄心背面同士を略アーチ状の界磁鉄心部材で磁気的に連接し、該アーチ状界磁鉄心の内径側と前記電機子鉄心の外径との間の空間に界磁巻線を電機子鉄心と略同軸的に周回巻装した構成としている。
【0066】
これにより特別な電機子鉄心や巻線をしなくとも従来の一般的電機子を二つ組み合わせるだけで、回転子に与える励磁力が大きく出きる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0067】
また図7に示す如く、前記界磁巻線の中途にタップを設けてこれを接地あるいは正極に接続し、該巻線の両端をそれぞれスイッチ手段を介して正極、あるいは接地して、前記スイッチ手段の開閉により該巻線の合成起磁力の極性が反転できるようにした構成としている。
【0068】
これにより、界磁起磁力を反転させるのにHブリッジ回路を必要とせず低コストにて本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0069】
[第4の実施形態]
前記第1,第2,第3実施例では界磁巻線は分巻構成となっているが、図8,図9に示す実施例では、直巻構成としている。すなわち電機子巻線への入出力電力はAC−DC変換されるとともに、該DC電力は該DC出力部に設けた巻線に通じる構成として、かつ該巻線を前記界磁鉄心の内央部の少なくとも一部に直巻界磁巻線として収納した構成としている。
【0070】
これにより、負荷に対応して大電流が流れて励磁力が高められる。すなわち本発明の課題である小径回転子での励磁力の確保の課題が解決され、目的とする小径低慣性の回転子にて高性能が発揮できることとなる。
【0071】
[その他の実施例]
以上の実施例では界磁鉄心や界磁巻線を電機子鉄心の外径背面丁度の寸法で配置しているが、多少その範囲がずれたり広がったりしても、また電機子巻線のコイルエンド部などに広がって配置されても本発明の構成となることはいうまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】
第1実施例の要部断面図である。
【図2】
第1実施例の回転子の軸方向視図である。
【図3】
第1実施例での回路構成説明図である。
【図4】
(a)は第2実施例の要部断面図で左側面図である。
(b)は第2実施例の要部断面図で正面図である。
(c)は第2実施例の要部断面図で右側面図である。
【図5】
第2実施例の回路構成説明図である。
【図6】
第3実施例の要部断面図である。
【図7】
第3実施例の界磁巻線の構成の説明図である。
【図8】
第4実施例の要部断面図である。
【図9】第4実施例の回路構成説明図である。
【符号の説明】
1・・・・・回転子
2・・・・・回転軸
3・・・・・塊状鉄心
4・・・・・磁極
401・・・第1磁極
402・・・第2磁極
5・・・・・固定子
6・・・・・電機子鉄心
7・・・・・電機子巻線
701・・・第1電機子巻線
702・・・第2電機子巻線
8・・・・・非磁性スペーサ
9・・・・・界磁鉄心
10・・・・界磁巻線
101・・・中途タップ
11・・・・整流器
12・・・・極性切り替えスイッチ
121・・・第1FET
122・・・第2FET
13・・・・バッテリ
14・・・・電気負荷
15・・・・磁石
16・・・・シュリンクリング
17・・・・直巻界磁巻線
Claims (18)
- 外周囲に磁気的に凹凸を有する誘導子型回転子と、該回転子の外周に配置され略軸方向の巻線スロットを有し該スロットに電機子巻線を収納した軸方向積層電機子鉄心よりなる固定子と、前記電機子鉄心の背面部すなわち電機子巻線よりも外周側の少なくとも一部に磁気的に当接固定し、かつ該電機子鉄心の外側において略同軸状に周回する界磁鉄心と、該界磁鉄心の内側に巻装されてかつ前記電機子鉄心の外側において該電機子鉄心の周回と同軸状に巻回された界磁巻線と、を有する背面界磁型誘導子回転機。
- 前記回転子外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、また前記電機子鉄心は前記軸方向に磁気的抵抗を大きくするように非磁性領域を介在して軸方向の磁気抵抗を径方向よりも大きくしておりかつ前記電機子鉄心の外径部に磁気的に当接固定する界磁鉄心とそれに巻装された界磁巻線とを有する前記請求項1の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記界磁鉄心は、その断面において内径側に磁気的非連接領域を設けた略コの字突き合わせ形状であるとともに、前記電機子鉄心の外径に嵌合してなることを特徴とする前記請求項1または2の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記界磁鉄心の磁気的非連接領域には永久磁石が設けられ、前記界磁巻線による励磁力を対向する向きの着磁がされていることを特徴とする前記請求項3の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記電機子鉄心は軸方向の略中央に非磁性部材を介在して磁気的には軸方向に略二分し、かつ構造的には一体となっており、これを括った電機子巻線が巻装されていることを特徴とする前記請求項1乃至4の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記界磁巻線の形成する界磁起磁力と対向する向きに着磁した板状永久磁石を前記電機子鉄心は軸方向の略中央に介在配置して電機子鉄心に磁気ポテンシャル差を形成するとともに、該構造的一体とした電機子鉄心にはこれを括った電機子巻線が巻装されていることを特徴とする前記請求項1乃至5の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記電機子巻線は二組の三相よりなり相互に電気的に30°の位相差をもたせていることを特徴とする前記請求項1乃至6の背面界磁型誘導子回転機。
- 軸方向に配列した前記電機子鉄心と電機子巻線とからなる固定子を二つ、軸方向に配列するとともに、それら二つの固定子のそれぞれの電機子鉄心背面同士を略アーチ状の界磁鉄心部材で磁気的に連接し、該アーチ状界磁鉄心の内径側と前記電機子鉄心の外径との間の空間に界磁巻線を電機子鉄心と略同軸的に周回巻装したことを特徴とする前記請求項1乃至7の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記回転子外周囲の磁気的凹凸は、軸方向に略二分されており、相互にその周方向の配置位相差が電気的に180度反転する関係となっており、該回転子は一体の塊状鉄心により形成されていることを特徴とする前記請求項1乃至8の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記回転子の外周凸部は積層鉄心となっておりその内央部は塊状鉄心となっていることを特徴とする前記請求項1乃至9の背面界磁型誘導子回転機
- 前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成することを特徴とする前記請求項1乃至10の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記界磁巻線の通電電流の極性を反転できるように切り替え手段をもうけたことを特徴とする前記請求項1乃至11の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記界磁巻線の中途にタップを設けてこれを接地あるいは正極に接続し、該巻線の両端をそれぞれスイッチ手段を介して正極、あるいは接地して、前記スイッチ手段の開閉により該巻線の合成起磁力の極性が反転できるようにしたことを特徴とする前記請求項1乃至12の背面界磁型誘導子回転機。
- ガスエネルギーで駆動したり、ガスを圧縮するのに用いる高速タービン回転機として構成した前記請求項1乃至14の背面界磁型誘導子回転機。
- エンジンスタータモータとして構成した請求項1乃至13の背面界磁型誘導子回転機。
- インバータにて駆動する車両走行用モータとして構成した請求項1乃至13の背面界磁型誘導子回転機。
- 電機子巻線への入出力電力はAC−DC変換されるとともに、該DC電力は該DC出力部に設けた巻線を通じる構成として、かつ該巻線は前記界磁鉄心の内央部の少なくとも一部に直巻界磁巻線として収納されたことを特徴とする前記請求項1乃至16の背面界磁型誘導子回転機。
- 前記回転子外周囲の磁気的凹凸において、凹の部分には凸の部分の極性と反対の極性となる永久磁石を貼りつけまたは内蔵し、前記凸部分と凹部分とで極性が交番する磁極を形成している。さらに前記磁石を電磁ステンレス系材料の薄板鋼鈑にて積層したシュリンクリングにて所定締めしろをあたえて緊縛するとともに、該鋼鈑の一部は前記磁極をなし、また周方向でその間の部分は磁石起磁力にてバイアスされて磁石内蔵磁極として作用させることを特徴とする前記請求項1乃至17の背面界磁型誘導子回転機。
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JP2002244943A JP2004088880A (ja) | 2002-08-26 | 2002-08-26 | 背面界磁型誘導子回転機 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
2002
- 2002-08-26 JP JP2002244943A patent/JP2004088880A/ja active Pending
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