JP2004087339A - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定常点灯時の効率等の特性を良好に保ち、且つDC/DC変換回路を電流連続モードで動作させる場合にスイッチング周波数の安定化を図った簡易な構成の放電灯点灯装置を提供する。
【解決手段】スイッチング素子22がオンすると、トランス21の1次巻線21aに1次電流I1が流れ始め、ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波電圧がPWM指令値Sopに達すると、スイッチング素子22がオフし、トランス21の2次巻線21bに2次電流I2が流れる。そして、2次電流I2は徐々に低下していき、2次電流I2がゼロになると、リセット用コンパレータ713の出力はHレベルとなり、AND素子715の出力はHレベルとなり、ノコギリ波発振器711にはリセット信号Srが入力されて、スイッチング素子22を強制的に再オンさせている。
【選択図】 図1
【解決手段】スイッチング素子22がオンすると、トランス21の1次巻線21aに1次電流I1が流れ始め、ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波電圧がPWM指令値Sopに達すると、スイッチング素子22がオフし、トランス21の2次巻線21bに2次電流I2が流れる。そして、2次電流I2は徐々に低下していき、2次電流I2がゼロになると、リセット用コンパレータ713の出力はHレベルとなり、AND素子715の出力はHレベルとなり、ノコギリ波発振器711にはリセット信号Srが入力されて、スイッチング素子22を強制的に再オンさせている。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電源から放電灯を定常点灯させるために必要な電力を出力させる電力変換回路を備える放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図22は、直流電源装置やバッテリー等の直流電源1を電源として、放電灯5を点灯させる従来の放電灯点灯装置の構成例であり、直流電源1と、直流電源1を入力として放電灯5を点灯させるために必要な出力電圧に変換して、出力電流を安定化させるDC/DC変換回路2と、DC/DC変換回路2の出力を数百Hz〜数kHzの低周波の矩形波に変換する低周波インバータ回路3と、放電灯5が点灯する前に起動させるための高電圧を発生する始動回路4と、始動回路4を介して低周波インバータ回路3から低周波矩形波の点灯電力を供給される放電灯5と、DC/DC変換回路2の出力電圧及び出力電流を検出した出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutに応じてPWM指令値Sopを出力する出力制御回路6’と、PWM指令値Sopに応じて、DC/DC変換回路2の動作を制御するPWM信号Spwmを出力するPWM信号発生器7’とから構成される。
【0003】
DC/DC変換回路2は、直流電源1に並列接続したトランス21の1次巻線21aとスイッチング素子22との直列回路と、トランス21の2次巻線21bの一端に接続した半波整流用のダイオード23と、ダイオード23を介して2次巻線21bの出力端間に接続したコンデンサ24とを備え、スイッチング素子22がオン・オフすることによって所望の電圧をコンデンサ24の両端間に発生させて、放電灯5を安定に点灯させるための出力調整を行っている。
【0004】
インバータ回路3は、FETQ1,Q2及びFETQ3,Q4の各直列回路を並列接続して、FETQ1〜Q4をオン・オフさせるドライブ回路31を備えており、FETQ1,Q4と、FETQ2,Q3とを交互にオン・オフ駆動することで、DC/DC変換回路2の直流出力を矩形波交番電力に変換して、放電灯5に供給する。
【0005】
出力制御回路6’は、電力指令値発生回路601と、電流指令値演算部602と、誤差増幅器603と、アンプ604,605とを備えており、DC/DC変換回路2の出力電流を検出した出力電流信号Iout及び出力電圧を検出した出力電圧信号Voutをアンプ604,605で各々増幅した後、アンプ604が出力する電流検出値は誤差増幅器603に入力され、アンプ605が出力する電圧検出値は電流指令値演算部602に入力される。電流指令値演算部602は、電力指令値発生回路601から出力された放電灯5に供給すべき電力指令値と電圧検出値とから放電灯5に供給すべき出力電流指令値を演算する。誤差増幅器603では、出力電流指令値と電流検出値との差を比例積分処理したPWM指令値Sopを出力する。
【0006】
PWM信号発生回路7’は、ノコギリ波電圧を発生するノコギリ波発信器701と、PWMコンパレータ702とを備えており、PWMコンパレータ702は反転入力端子に入力したPWM指令値Sopと非反転入力端子に入力したノコギリ波電圧とを比較する三角波比較方式を用いて、スイッチング素子22のオン・オフを制御するPWM信号Spwmを出力する。このPWM信号Spwmは、PWM指令値Sopによってそのデューティが可変され、デューティを可変することによってDC/DC変換回路2の出力を調整する。上記動作によって、放電灯5に点灯するために必要な電力を供給し、安定点灯させている。
【0007】
次に、図23は、DC/DC変換回路として降圧コンバータを用いた従来の放電灯点灯装置の構成例であり、直流電源(図示なし)を入力される降圧コンバータは、直流電源の高圧側に直列接続されるスイッチング素子200とインダクタ201との直列回路と、スイッチング素子200を介して入力端間に接続されるダイオード202と、インダクタ201を介してダイオード202に並列接続されるコンデンサ203とから構成され、コンデンサ203の両端電圧が出力となる。この降圧コンバータの出力はインバータ回路3、始動回路4を介して放電灯5に供給される。スイッチング素子200は制御回路13によって定常点灯時には自己発振モードで動作するが、最大オフ時間と最小オフ時間とを限定しているものである。
【0008】
例えば放電灯5としてHIDランプを用いる場合、ランプが冷えている状態ではランプ電圧が低く、そのためスイッチング素子200のオフ期間にインダクタ201を流れるインダクタ電流の傾きが緩やかになるため、インダクタ201に蓄えられたエネルギーを負荷側に放出するための時間が長くなり、スイッチング周波数が大幅に低下することになる。このスイッチング周波数の低下はランプ電流のピーク電流の増大や、可聴周波数領域でのスイッチング動作等の問題が発生するため、最大オフ時間を限定しているのである。
【0009】
一方、放電灯5が点灯していないときは、放電灯5は無負荷開放状態と同じ状態となり、降圧コンバータの出力電圧(コンデンサ203の両端電圧)は高くなるので、スイッチング素子200のオフ期間にインダクタ201に蓄えられたエネルギーを負荷側に放出するための時間が短くなり、スイッチング周波数が高くなる。これは、スイッチング素子200のスイッチング能力の限界もあり、スイッチング周波数の過度の増加は問題となるので、最小オフ時間を限定しているのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般にDC/DC変換回路は、自励発振制御によって、トランスやインダクタ等のインダクタンス素子電流がゼロになった時点で、スイッチング素子をオフからオンさせる(再オンさせる)制御を行うほうがインダクタンス素子の利用率や効率向上の面から考えてよい。一方、図23に示す従来例では、定常時以外の特異条件下におけるスイッチング素子200のオフ時間を制限することでスイッチング周波数の過度の上昇、低下を抑えている。
【0011】
ところで、HIDランプは、ランプ温度が低い条件ではランプ電圧が低く、スイッチングのオフ時間制限が動作している場合、インダクタンス素子電流が常に流れている状態でスイッチング素子がオン・オフする電流連続モードで動作している。この場合、スイッチング周波数は定常時に比べて低下しているため、オン時のスイッチング素子電流は定常時より大きくなり、インダクタンス素子の設計においては、電流値が大きいという条件下で磁気飽和しないように設計する必要がある。
【0012】
しかし、ランプ電圧は、ランプ温度、寿命、バラツキ等の要因で大きく変動し、さらに電源が電池等の場合、入力電圧が変動するので、これらの入出力条件の変動によって、前述の電流連続モード時のスイッチング周波数が変動し、その変動に伴ってオン時のスイッチング素子電流のピーク電流が変動するため、設計ポイントの決定が難しく、インダクタンス素子の設計も困難になる。また、スイッチング素子のオフ時間の最大、最小を制限するためには時間を測定する回路が必要となり、回路規模の増大を招いてしまう。
【0013】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、定常点灯時の効率等の特性を良好に保ち、且つDC/DC変換回路を電流連続モードで動作させる場合にスイッチング周波数の安定化を図った簡易な構成の放電灯点灯装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、放電灯と、
前記放電灯を点灯させるための電力を供給する直流電源と、
オン・オフすることで前記直流電源からの入力を導通・遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすることで前記直流電源から供給されるエネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフすることで蓄えたエネルギーを出力側へ放出するインダクタンス素子とを少なくとも有して、前記直流電源からの入力を放電灯が必要としている電力に変換して出力するDC/DC変換回路と、
前記DC/DC変換回路の出力を放電灯の点灯電力に変換して放電灯を点灯させる点灯回路と、
前記スイッチング素子のデューティを指示するデューティ指令信号を出力するデューティ指令手段と、所定の発振周期且つ前記デューティ指令信号が指示するデューティで前記スイッチング素子を駆動するPWM信号を出力するPWM発振手段と、前記スイッチング素子が前記デューティに対応した期間オンしてからオフに移行した後、前記デューティに対応した期間オフしていなくても、前記インダクタンス素子を流れる電流が略ゼロになったときに前記PWM発振手段にリセット信号を出力し、前記PWM発振手段が出力するPWM信号を前記スイッチング素子がオン状態に移行する状態に遷移させるリセット動作を行うリセット手段とを有して、前記DC/DC変換回路の出力を制御する制御回路とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、前記DC/DC変換回路のインダクタンス素子は、少なくとも1次巻線と2次巻線とを有するトランス構造であることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1において、放電灯のランプ電圧あるいは前記DC/DC変換回路の出力電圧が所定値を超えた場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1において、放電灯が消灯していることを検出した場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1において、前記制御回路のリセット手段は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を所定値と比較するリセット用コンパレータとを備え、前記加極電圧値が所定値以下に低下した場合、前記PWM発振手段へリセット信号を出力することを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項5において、前記電圧源は、コンデンサと、前記スイッチング素子がオン状態のときは前記コンデンサを前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に対して加極性に充電し、前記スイッチング素子がオフ状態のときは前記コンデンサを所定の時定数で放電させる手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1において、前記PWM発振手段は、
コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの充電電圧と所定値とを比較する発振用コンパレータと、前記発振用コンパレータによって前記コンデンサの充電電圧が所定値を超えたことが検出されるとオンして前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチとを有して、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させるノコギリ波発生回路と、
デューティ指令信号とノコギリ波形の電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとで構成され、
前記リセット手段はリセット信号を出力することで前記放電用スイッチをオンすることを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1において、前記制御回路は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値を所定値にクランプするクランプ回路と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチと、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を前記コンデンサの両端電圧と比較する発振・リセット用コンパレータと、デューティ指令信号と前記コンデンサの両端電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとを備えて、前記コンデンサの充電電圧が前記加極電圧値を超えると前記発振・リセット用コンパレータの出力によって前記放電用スイッチをオンして前記コンデンサを放電させることで、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させると共に、前記PWM発振手段のリセット動作を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項9の発明は、請求項8において、前記発振・リセット用コンパレータと放電用スイッチとは、PNP型の第1のトランジスタと、第1のトランジスタのベースをコレクタに接続し、第1のトランジスタのコレクタをベースに接続したNPN型の第2のトランジスタとからなるサイリスタ構成の2つのトランジスタで構成され、前記コンデンサの充電電圧を第1のトランジスタのエミッタに接続し、前記スイッチング素子の両端電圧に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を第2のトランジスタのコレクタに接続し、第1のトランジスタが加極電圧値を前記コンデンサの充電電圧と比較して、第1,第2のトランジスタがオンして前記コンデンサを放電させることを特徴とする。
【0023】
請求項10の発明は、請求項7乃至9いずれかにおいて、前記充電手段は、前記コンデンサの充電速度を、前記直流電源の電圧が高い場合に早くし、低い場合に遅くすることを特徴とする。
【0024】
請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流の検出値に少なくとも所定ゲインを乗じた補正信号を生成する補正信号生成手段とを備え、前記デューティ指令手段は、前記DC/DC変換回路の出力をフィードバックすることで前記DC/DC変換回路の出力値を指示する出力指令値を生成する出力指令手段と、出力指令値に補正信号を加えた信号をデューティ指令信号とする加算手段とを有することを特徴とする。
【0025】
請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電圧を分圧する2つ以上の抵抗の直列回路と、前記抵抗の接続中点にエミッタを接続し、所定電圧にベースを接続したクランプ用トランジスタとを備えて、前記抵抗の接続中点の電圧が所定範囲を超えた場合には前記クランプ用トランジスタのベース−エミッタ間のダイオード特性を利用してエミッタ電圧を前記所定電圧にクランプすることで分圧した電圧値をクランプすると共に、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる信号を前記DC/DC変換回路の出力電圧の電圧判定信号として用い、前記デューティ指令手段は分圧した電圧値に応じてデューティ指令信号を出力することを特徴とする。
【0026】
請求項13の発明は、請求項12において、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる電圧判定信号は、放電灯が点灯しているか否かを判別する点灯判別信号であることを特徴とする。
【0027】
請求項14の発明は、請求項1乃至13いずれかにおいて、直流電源からの入力に直列接続した第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子を介した直流電源からの入力より制御電圧を生成する制御電圧生成手段と、制御電圧にカソードを接続したツェナダイオードと、前記ツェナダイオードのアノードに直列接続した第2のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子を介した前記ツェナダイオードのアノードの電圧によって第1のスイッチング素子のデューティを可変するデューティ可変手段とを有する制御電源部を備え、第1のスイッチング素子がオンしているときのみ第2のスイッチング素子をオンすることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
(実施形態1)
本実施形態の放電灯点灯装置は、図1に示すように、直流電源装置やバッテリー等の直流電源1を電源として、放電灯5を点灯させるものであり、放電灯5を点灯させるための電力を供給する直流電源1と、直流電源1を入力として放電灯5を点灯させるために必要な出力電圧に変換して、出力電流を安定化させるDC/DC変換回路2と、DC/DC変換回路2の出力を数百Hz〜数kHzの低周波の矩形波に変換して放電灯5を点灯させる点灯回路たるインバータ回路3と、放電灯5が点灯する前に起動させるための高電圧を発生する始動回路4と、始動回路4を介してインバータ回路3から低周波矩形波の点灯電力を供給される放電灯5と、DC/DC変換回路2の出力電圧及び出力電流を検出した出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutをフィードバックすることで出力値を指示するPWM指令値Sop、及びリセット機能許可信号Saを出力する出力制御回路6と、PWM指令値Sop及びリセット機能許可信号Saに応じて、DC/DC変換回路2の動作を制御するPWM信号Spwmを出力するPWM信号発生器7とから構成される。
【0030】
DC/DC変換回路2は、直流電源1に並列接続したトランス21の1次巻線21aとスイッチング素子22との直列回路と、トランス21の2次巻線21bの一端に接続した半波整流用のダイオード23と、ダイオード23を介して2次巻線21bの出力端間に接続したコンデンサ24とを備えたフライバック回路方式を用いており、スイッチング素子22がオン・オフして、直流電源1からの1次巻線21aへの入力電流I1を導通・遮断することで、2次巻線21bに電圧が誘起する。このとき、トランス21はスイッチング素子22がオンすることで直流電源1から供給されるエネルギーを蓄え、スイッチング素子22がオフすることで蓄えたエネルギーを出力側へ放出するインダクタンス素子として動作する。2次巻線21bに誘起した電圧は、ダイオード23で半波整流され、コンデンサ24で平滑された所望の電圧で出力されており、スイッチング素子22のオン・オフを調整することで放電灯5を安定に点灯させるための出力調整を行っている。
【0031】
出力制御回路6は、出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutに応じてスイッチング素子のデューティを指示するPWM指令値Sop(デューティ指令信号)を出力すると共に、非反転入力端子に基準電圧Vref1を接続し、反転入力端子に出力電圧信号Voutを接続した出力電圧監視コンパレータ61を備えて、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以下になったときはリセット機能許可信号Saを出力する。
【0032】
PWM信号発生回路7は、ノコギリ波を発生するノコギリ波発振器711と、出力制御回路6が出力するPWM指令値Sopとノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波とを比較し、その比較結果に対応したPWM信号を出力することで、PWM指令値Sopが指示するデューティでスイッチング素子22を駆動させるPWM用コンパレータ712と、PWM用コンパレータ712の出力を反転させるNOT素子714と、反転入力端子に2次巻線21bを流れる2次電流I2に対応した電圧が入力され、非反転入力端子にGNDレベルを接続したリセット用コンパレータ713と、NOT素子714とリセット用コンパレータ713との各出力の論理積演算を行うAND素子715と、AND素子715の出力と出力制御回路6が出力するリセット機能許可信号Saとの論理積演算を行うAND素子716とを備えて、PWM信号Spwmは、PWM指令値Sopのレベルによってそのデューティが調整され、スイッチング素子22の動作を制御することで、DC/DC変換回路2の出力制御を行っている。
【0033】
上記構成を備えた放電灯点灯装置では、コンパレータ61の非反転入力端子に接続された基準電圧Vref1は、放電灯5が点灯状態であるときのランプ電圧、すなわちDC/DC変換回路2の出力電圧を検出した出力電圧信号Voutより大きく、コンパレータ61の出力は放電灯5が点灯状態ではHレベル出力となる。放電灯5が消灯した無負荷状態であるときのDC/DC変換回路2の出力電圧は点灯時の電圧より上昇し、基準電圧Vref1を超えるとコンパレータ61の出力はLレベル出力となる。基準電圧Vref1の値は上記動作を行うように決められている。
【0034】
ノコギリ波発振器711は、所定の周波数で最低電圧Vslから最大電圧Vspまで所定の傾きで上昇した後、急速に最低電圧Vslまで低下し、再び最大電圧Vspまで上昇に転じるノコギリ波を発生する発振器である、さらに、リセット入力を備えており、入力されたリセット信号Srの立ち上がりで、発生するノコギリ波が最大電圧Vspまで立ち上がる途中であっても、初期状態、すなわち最低電圧Vslに戻り、再び最大電圧Vspに向かって上昇を開始する動作を行う。
【0035】
PWM用コンパレータ712は、ノコギリ波発振回路711が発生するノコギリ波と出力制御回路6が出力するPWM指令値Sopとを比較することにより、ノコギリ波電圧<PWM指令値Sopである場合は、Hレベルの信号を出力してスイッチング素子22をオンし、ノコギリ波電圧>PWM指令値Sopである場合は、Lレベルの信号を出力してスイッチング素子22をオフするようになっている。また、PWM指令値Sopはノコギリ波の最大電圧Vspより小さい値とする必要がある。
【0036】
ここで図2に放電灯5が定常状態にあるときの各部の動作波形を示す。ノコギリ波が最低電圧Vslから上昇を開始する時点では、スイッチング素子22はオンし、トランス21の1次巻線21aに1次電流I1が流れ始める。このときのNOT素子714の出力はLレベルであり、AND素子715の出力はリセット用コンパレータ713の出力に関わらずLレベルである。ノコギリ波電圧がPWM指令値Sopに達すると、スイッチング素子22がオフし、トランス21の2次巻線21bに2次電流I2が流れる。このときのNOT素子714の出力はHレベルであり、AND素子715の出力はリセット用コンパレータ713の出力に依る。そして、2次電流I2は徐々に低下していき、2次電流I2がゼロになると、リセット用コンパレータ713の出力はHレベルとなり、AND素子715の出力はHレベルとなる。そして、放電灯5は点灯状態であるので、前述の通り、出力電圧監視コンパレータ61の出力はHレベルとなっており、AND素子716の出力はHレベルとなり、ノコギリ波発振器711にはリセット信号Srが入力されて、出力電圧は最低電圧Vslに戻り、PWM用コンパレータ712の出力はHレベルとなってスイッチング素子22を強制的に再オンさせている。
【0037】
AND素子715は、スイッチング素子22のオン時には2次電流I2がゼロであるために、スイッチング素子22のオン時、すなわちNOT素子714の出力がLレベル時にはノコギリ波発振器711へリセット信号Srを伝達しないために設けてある。
【0038】
このように放電灯5が定常状態にあるときは、トランス21の2次電流I2がゼロになった時点で、スイッチング素子22をオフからオンさせる(再オンさせる)制御を行って、電流境界モードで動作する。
【0039】
次に、放電灯5が初始動状態の場合について説明する、放電灯5が初始動状態で温度が低い場合は、ランプ電圧が低く、スイッチング素子22がオフしているときのトランス21の2次電流I2の傾きが小さくなる。このときの各部の動作波形を図3に示す。まず、ノコギリ波発振器711の出力がPWM指令値Sopに達するとスイッチング素子22はオフする。すると、2次電流I2が流れると共にノコギリ波発振器711の出力はさらに上昇を続ける。2次電流I2がゼロになる前にノコギリ波電圧が最大電圧Vspに達すると、最低電圧Vslに戻り、スイッチング素子22は再オンされる。
【0040】
このように放電灯5が初始動状態で温度が低い場合は、トランス21の2次電流I2がゼロにならない電流連続モードで動作する。このときは、ノコギリ波発振器711によって決められた発振周波数によって動作することになり、出力条件等に依らず、一義的にスイッチング周波数は決められ、トランス21等の設計が容易となる。
【0041】
また、放電灯5が消灯状態で無負荷開放状態となり、DC/DC変換回路2の出力電圧が高くなると、スイッチング素子22がオフ時の2次電流I2の傾きが大きくなるため、スイッチング周波数が過度に高くなる可能性がある。この場合の各部の動作波形を図4に示す。このため、出力電圧監視コンパレータ61によってDC/DC変換回路2の出力電圧(コンデンサ24の両端電圧)を監視し、出力電圧が放電灯5の点灯状態ではあり得ないほど高い値に上昇した場合、コンパレータ61の出力がLレベルになることで、AND素子716の出力がAND素子715の出力に依らずLレベルとなるので、リセット信号Srはノコギリ波発振器711には入力されない。
【0042】
このように、放電灯5が消灯状態で無負荷開放状態となった場合は、ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波の周波数にてスイッチング動作を行い、過度のスイッチング周波数の上昇を容易に防止できる。
【0043】
なお、本実施形態においては、DC/DC変換回路2にフライバックコンバータを用いた構成について述べたが、チョッパ回路等、スイッチング素子のオン時にインダクタンス素子にエネルギーを蓄積し、スイッチング素子のオフ時に蓄積されたエネルギーを負荷側の閉回路に放出するようなDC/DC変換回路であれば適用することができる。
【0044】
また、DC/DC変換回路の出力電圧の監視用として、コンパレータ61を設けているが、出力電流のゼロ監視、光センサによる消灯監視等によって、無負荷状態、消灯状態を監視する回路をコンパレータ61の代わりに設けてもよい。
【0045】
さらに、図2〜4では、ノコギリ波発振器711が発生するのこぎり波の最低電圧Vslは略ゼロであるが、ゼロ以外の値であってもよい。
【0046】
(実施形態2)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図5に示す。実施形態1では、トランス21の2次巻線21bを流れる2次電流I2を直接測定し、2次電流I2のゼロ点検出を行っていたが、図5に示す本実施形態は、DC/DC変換回路2の1次側のスイッチング素子22の両端電圧を検出して2次電流I2のゼロ点検出を行うものである。これは、スイッチング素子22がオンからオフに切り換わると、スイッチング素子22の両端には、V1+V2/n(V1:直流電源1の電源電圧、V2:DC/DC変換回路2の出力電圧、n:トランス21の巻数比)の電圧が印加され、2次電流I2がゼロになると両端電圧は低下するので、この電圧低下を検出することで発振器711のリセット信号Srを出力するものである。しかし、スイッチング素子22の両端電圧を検出するため、検出した電圧波形にも漏れインダクタンス等によるリンギングがスイッチング直後に発生する。このリンギングが大きいと、例えばスイッチング素子22がオフした直後、すぐに再オンしてしまう恐れがある。
【0047】
そこで、図5に示す回路構成では、スイッチング素子22の両端電圧の検出値に電圧源732の電圧を重畳させた信号が所定値より低下したことをリセット用コンパレータ713で検出することで、2次電流I2が略ゼロになったことを検出している。リセット用コンパレータ713は、非反転入力端子に基準電圧Vref3を接続し、反転入力端子にはスイッチング素子22の両端電圧の検出値に電圧源732の電圧を重畳させた信号を接続しており、反転入力端子に接続された回路は、基準電圧Vref2から反転入力端子に逆方向に接続したダイオード733と、ダイオード733に並列接続した抵抗731bと電圧源732との直列回路と、検出したスイッチング素子22の両端電圧から抵抗731bと電圧源732との接続中点に逆方向に接続したダイオード731aとから構成され、ダイオード731aと抵抗731bとは電圧制限回路731を成している。
【0048】
ここで図6に各部の動作波形を示す。電圧源732は、スイッチング素子22がオンした後、基準電圧Vref3以上のHレベルに上昇し、スイッチング素子22がオフした後、遅延時間Tr後に基準電圧Vref3未満のLレベルに低下する信号である。遅延時間Trはスイッチング素子22がオフしたときに、電圧制限回路731の出力に発生するスイッチング素子22の両端電圧のリンギングが抑えられる時間に設定されている。この電圧源732の波形はピーク電圧が基準電圧Vref2を超える矩形波状であるが、リセット用コンパレータ713の反転入力端子への入力は、ダイオード733によって基準電圧Vref2にクランプされるため、スイッチング素子22がオンして電圧源732の出力がHレベルである間は基準電圧Vref2に保たれ、スイッチング素子22がオフして遅延時間Trが経過した後、電圧源732の出力がLレベル(ゼロ)になると、スイッチング素子22の両端電圧が入力される。但し、このときも基準電圧Vref2以上の電圧は基準電圧Vref2にクランプされる。
【0049】
そして2次電流I2が略ゼロになり、スイッチング素子22の両端電圧が低下して基準電圧Vref3以下になると、リセット用コンパレータ713の出力はHレベルとなり、出力制御回路6からのリセット機能許可信号SaがHレベルでAND素子716に入力されていれば、AND素子716はリセット信号Srをノコギリ波発振器711に出力する。
【0050】
本実施形態のノコギリ波発振器711は、電流源721と、電流源721によって充電されるコンデンサ722と、コンデンサ722に並列接続されてコンデンサ722の電荷を放電する放電用スイッチ723と、コンデンサ722の両端電圧を基準電圧Vref4と比較する発振用コンパレータ725と、発振用コンパレータ725とAND素子716との各出力の論理和演算を行い、出力がHレベル時に放電用スイッチ723をオン(短絡)させるOR素子724とから構成されている。このノコギリ波発振器711は、コンデンサ722の両端にノコギリ波を発生させてPWM用コンパレータ712の反転入力端子に入力するもので、コンデンサ722の両端電圧は0Vから基準電圧Vref4まで電流源721とコンデンサ722との時定数で上昇した後、発振用コンパレータ725の出力がHレベルとなり、OR素子724の出力もHレベルとなって放電用スイッチ723がオンしてコンデンサ722の電荷を放電することで、コンデンサ722の両端電圧は急速に0Vまで低下し、放電用スイッチ723がオフとなって再び基準電圧Vref4まで上昇に転じる。ここで、基準電圧Vref4が最大電圧Vspとなり、0Vが最低電圧Vlpとなる。
【0051】
そして、スイッチング素子22の両端電圧が低下して、すなわち2次電流I2が略ゼロとなってAND素子716からのリセット信号SrがOR素子724に入力されると、放電用スイッチ723はオンしてコンデンサ722の電荷は放電されて、発生するノコギリ波が最大電圧Vspまで立ち上がる途中であっても、初期状態、すなわち最低電圧Vslに戻り、再び最大電圧Vspに向かって上昇を開始する動作を行う。ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波が最低電圧Vslにリセットされると、PWM用コンパレータ712の出力はHレベルとなってスイッチング素子22を強制的に再オンさせる。
【0052】
このように、トランス21の2次電流I2がゼロになった時点で、スイッチング素子22をオフからオンさせる(再オンさせる)制御を行って、電流境界モードで動作させている。
【0053】
また、スイッチング素子22の両端電圧は、通常、制御信号に比べて高くなるため、ダイオード731a、抵抗731bとからなる電圧制限回路731を設けて、PWM信号発生回路7に入力される電圧値を制限している。
【0054】
(実施形態3)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図7に示す。実施形態2では、スイッチング素子22の電圧低下を検出するリセット用コンパレータ713と、ノコギリ波発振器711において最大電圧Vspを規定するための発振用コンパレータ725との2つのコンパレータを用いているが、本実施形態はこの2つのコンパレータを1つの発振・リセット用コンパレータ713’で兼用したものである。実施形態2の図6の動作波形よりリセット用コンパレータ713の入力は、電圧源732の波形が適切であれば2次電流I2がスイッチング素子22がオフした後ゼロになる点以外では基準電圧Vref2にクランプされている。そこで本実施形態では、発振・リセット用コンパレータ713’の反転入力端子に、スイッチング素子22の両端電圧の検出値に電圧源732の電圧を重畳させた信号を接続し、非反転入力端子にノコギリ波を発生するコンデンサ722の両端電圧を接続し、その比較結果の出力で放電用スイッチ723を開閉したものであり、ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波の最大電圧Vspを基準電圧Vref2とすることでコンパレータの兼用化を図っている。
【0055】
さらに、出力制御回路6は、非反転入力端子に出力電圧信号Voutを接続し、反転入力端子に基準電圧Vref1を接続したコンパレータ61を備えており、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以下になったときはLレベルのリセット機能許可信号Saを出力する。PWM信号発生回路7の電圧制限回路731は、ダイオード731aにスイッチ734を直列接続しており、スイッチ734はリセット機能許可信号Saによってオン・オフされる。そして、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以上になりリセット許可が禁止となって、出力制御回路6がHレベルのリセット機能許可信号Saを出力した場合は、スイッチ734がオフ(開放)されることで、スイッチング素子22の両端電圧の信号をPWM信号発生回路7から切り離している。
【0056】
次に、図8は他の実施例の構成を示しており、図7のPWM信号発生回路7の電圧源732の代わりにコンデンサ735と、コンデンサ735の電荷を放電するスイッチ737とを備え、電流源721の代わりに基準電圧Vref5に一端を接続した抵抗726を備えている。
【0057】
ここで図9に各部の動作波形を示す。スイッチング素子22のオン時は、コンデンサ735は基準電圧Vref2から抵抗736を介して充電される。このときコンデンサ735と抵抗736との直列回路の時定数は、ノコギリ波発振器711の所定の発振周期内で、電流連続モード時においてはコンデンサ735の両端電圧がコンデンサ722両端のノコギリ波電圧よりも常に高くなるように設定される。より良いのは、ノコギリ波の1周期時には、コンデンサ735の充電電圧はほぼ飽和しているように時定数を設定することである。このように設定することで、電流連続モード時に、ノコギリ波発振器711の発振周期でスイッチング素子22をオン・オフさせることができる。
【0058】
スイッチング素子22のオフ時は、コンデンサ735の電荷はダイオード733と抵抗731bとを介して放電される。このとき、電圧制限回路731を介したスイッチング素子22の両端電圧と、コンデンサ735の両端電圧とは重畳される。実際には、ダイオード733によってクランプされるため、基準電圧Vref2以上の電圧は発振・リセット用コンパレータ713’には入力されない。
【0059】
スイッチング素子22がオフした直後は、コンデンサ735の電圧は高いため、スイッチング素子22の両端電圧にリンギングが発生しても、発振・リセット用コンパレータ713’の反転入力端子には大きく表れず、PWM指令値Sop以下にまで低下しなければ誤スイッチングは発生しない。
【0060】
コンデンサ735の放電時の時定数は、スイッチング素子22がオフしてからリンギングが収まるまでの期間においてはコンデンサ735の電圧がPWM指令値Sopの最大値以上となる最小の時定数であることが望ましい。
【0061】
また、ノコギリ波発振器711のコンデンサ722の充電は、抵抗726を直列接続したCR充電回路で構成しているが、他の回路構成であってもよい。
【0062】
さらに、リセット機能許可信号Saは、スイッチ737のオン・オフを制御しており、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以上になりリセット許可が禁止となって、出力制御回路6がHレベルのリセット機能許可信号Saを出力した場合は、スイッチ737はオンして、スイッチング素子22の両端電圧の変化をPWM信号発生回路7に伝達せずにGNDレベル一定にしておくようにしている。
【0063】
次に、図10は、図8の発振・リセット用コンパレータ713’と放電用スイッチ723との代わりにPNP型トランジスタ727と、NPN型トランジスタ728と、NPN型トランジスタ729と、抵抗720とを備え、さらにスイッチング素子22としてFET221を備えて、PWM用コンパレータ712の出力にFET221を駆動するためのドライブ回路790を設けたもので、トランジスタ727のベースをトランジスタ728のコレクタに接続し、トランジスタ727のコレクタをトランジスタ728のベースに接続したサイリスタ構成としており、トランジスタ727がコンパレータの機能を有して、エミッタ電圧とベース電圧との比較をし、エミッタ電圧>ベース電圧となると、トランジスタ727,728で構成されるサイリスタ回路がオンし、トランジスタ727,728を介してコンデンサ722を放電する。放電が終わると、サイリスタ回路はオフし、コンデンサ722は再び充電されてノコギリ波を発生する。
【0064】
トランジスタ729は、抵抗720を介してベースをドライブ回路790の出力に接続し、エミッタをトランジスタ728のベースに接続し、コレクタをGNDレベルに接続しており、抵抗726の値が小さくてもトランジスタ727,728のサイリスタ回路を確実にオフするために、FET221の駆動信号がオン(Hレベル)になった場合に、トランジスタ728のベース電流をゼロにするためのものである。
【0065】
(実施形態4)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図11に示す。図11のPWM信号発生回路7は、図10のPWM用コンパレータ712をトランジスタ回路770で構成しており、トランジスタ回路770は、ベースをコンデンサ722が発生するノコギリ波に接続し、エミッタを基準電源Vref5に接続したPNP型トランジスタ771と、トランジスタ771のコレクタに接続した抵抗775と、エミッタを基準電圧Vref5に接続したPNP型のトランジスタ772と、トランジスタ772のコレクタに接続した抵抗776と、ベースをトランジスタ771のコレクタに接続し、エミッタをGNDレベルに接続したNPN型トランジスタ773と、ベースをトランジスタ772のコレクタに接続し、エミッタをGNDレベルに接続したNPN型トランジスタ774とから構成される。トランジスタ772のベースにはPWM指令値Sop(出力制御回路6から出力された出力指令値Sbが抵抗777を介した信号)が入力され、トランジスタ774のベースには抵抗776を介して出力制御回路6から発振停止信号Scが入力されており、トランジスタ773のコレクタが正論理出力a、トランジスタ774のコレクタが負論理出力bとなっている。
【0066】
ドライブ回路790は、電流増幅段を構成するNPN型トランジスタ791とPNP型トランジスタ792とを直列接続したトーテムポール回路と、コレクタをトランジスタ791,792の各ベースに接続したPNP型トランジスタ794、トランジスタ794のエミッタと制御電源Vccとの間に接続した抵抗795、トランジスタ794のベースと制御電源Vccと間に接続した抵抗796、トランジスタ794のベースとトランジスタ回路770の正論理出力aとの間に接続した抵抗797から構成されるベース電流供給量切替回路793とからなり、トランジスタ792のベースはトランジスタ回路770の負倫理出力bにも接続される。トランジスタ791とトランジスタ792との接続中点(トランジスタ791,792のエミッタ)はドライブ回路790の出力としてFET221のゲートに接続される。
【0067】
すなわち、トランジスタ回路770の正論理出力aはドライブ回路790のベース電流をオン・オフし、負論理出力bはベース電流供給量切替回路793のいわゆる制御端子に接続されているものである。負論理出力bがLレベルのとき、トランジスタ791,792の各ベースには所定のベース電流が供給され、負論理出力bがハイインピーダンスのときは、トランジスタ791,792の各ベース電流を略ゼロに抑えることで、ドライブ回路790の消費電流を抑制することができる。
【0068】
また、出力制御回路6からのリセット機能禁止信号Saによって、FET221の両端電圧の変化をPWM信号発生回路7に伝達せずにGNDレベル一定にしておくNPN型トランジスタからなるスイッチ737は、リセット機能禁止信号Sa以外にドライブ回路790の出力によっても制御されている。これは、FET221がオンしているとき、スイッチ737もオンにすることによって、電圧制限回路731を構成するダイオード731aの順方向電圧を除いて、コンデンサ735の充電電圧を増加させて、FET221のオフ時に両端電圧に発生するリンギングの抑止能力の増大を図っている。ここで、スイッチ737のベースへの制御信号は、リセット機能禁止信号Saとドライブ回路790の出力とのワイヤードOR回路を形成しており、リセット機能禁止信号Saは抵抗742を介して、ドライブ回路790の出力は抵抗743を介してスイッチ737のベースに各々接続され、スイッチ737のベースは抵抗741を介してGNDレベルに接続されている。また、電圧制限回路731の抵抗731bにダイオード746が並列接続されている。
【0069】
そして、出力制御回路6からの発振停止信号Scは通常、Lレベルであるが、Hレベル出力になるとトランジスタ回路770の正論理出力aをLレベルに維持し、FET221へのドライブ出力を停止させる。さらに同じ発振停止信号Scによってトランジスタ729をオンすることで、ノコギリ波を発生するコンデンサ722がゼロ電圧にまで放電できないようにしている。
【0070】
出力電圧信号Voutを入力された過電圧制御回路780は、消灯時等の無負荷状態ではDC/DC変換回路2の出力電圧が過度に上昇しないように、所定電圧以上ではPWM指令値Sopを低減させるもので、NPN型トランジスタ785,786と、トランジスタ786のベースと出力電圧信号Voutとの間に接続された抵抗781と、トランジスタ786のベース−コレクタ間に接続された抵抗782と、トランジスタ785,786の各エミッタとGNDレベルとの間に接続された抵抗787と、トランジスタ785のベースと基準電圧Vref6との間に接続された抵抗783と、トランジスタ785のベースとGNDレベルとの間に接続された抵抗784とからなり、基準電圧Vref6はトランジスタ786のエミッタに接続され、PWM指令値Sopはトランジスタ785のエミッタに接続されている。
【0071】
なお、本実施形態のDC/DC変換回路2は、コンデンサ24を1次巻線21aと2次巻線21bとの各一端の間に設け、半波整流用のダイオード23の方向をGNDレベルが高電圧側となるようにしているが、この構成に限るものではない。
【0072】
(実施形態5)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図12に示す。本実施形態では、ノコギリ波発振器711において、ノコギリ波の上昇傾きを直流電源1の電源電圧Vinに応じて可変するものであり、ノコギリ波を生成するコンデンサ722への平均充電電流Icを電源電圧Vinに応じて可変する充電電流調整回路730を備えている。
【0073】
充電電流調整回路730の回路構成例としては、図13(a)に示すように、電源電圧Vinに一端を接続された抵抗741と、基準電圧Vref5と抵抗741の他端との間に接続された抵抗742とから構成され、抵抗741,742の各他端をコンデンサ722に接続して、平均充電電流Icを出力する。そして、図13(b)に示すように電源電圧Vinが高いほど平均充電電流Icを増加させることで、電源電圧Vinが高いときには電流連続モードにおけるFET221の発振周波数を上げ、オン時間を短くしてトランス21の1次電流I1のピーク値を抑えることができる。さらには、電源電圧Vinの変動に対して、出力変動を抑えることもできる。
【0074】
また、充電電流調整回路730の別の回路構成例としては、図14(a)に示すように、抵抗741に直列に抵抗745とダイオード746とを接続し、抵抗741と抵抗745との接続中点とGNDレベルとの間にツェナダイオード748を接続して、さらに抵抗742に直列にダイオード747を接続することで、図14(b)に示すように、平均充電電流Icの上限、下限を規定するとともに、電源電圧Vinの変動域での平均充電電流Icの可変量を増加させることができ、電源電圧Vinの変動に対して出力変動をより強力に抑えることができる。
【0075】
(実施形態6)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図15に示す。本実施形態では、出力電流信号Ioutにゲイン−Kを乗じて、さらにオフセットαを加えた補正信号を生成する補正信号生成部80を備えている。
【0076】
また、出力制御回路6は、出力指令部62と、加算部63とを備えており、出力指令部62は、DC/DC変換回路2の出力電圧及び出力電流を検出した出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutをフィードバックすることで出力値を指示する出力指令値Sb、及びリセット機能許可信号Saを出力し、加算部63は、補正信号と出力指令値Sbとを加算して、PWM指令値Sopとして前述のPWM信号発生回路7のPWM信号発振器711に出力する。ゲインKの極性はPWM指令値Sopが増加するほどDC/DC変換回路2の出力が増加する場合には、本実施形態のように負に設定される。
【0077】
図16は、出力電流信号Ioutを検出して、補正信号を生成する補正信号生成回路8、及び補正信号と出力指令値Sbとを加算する加算部63の具体的な構成を示している。補正信号生成回路8は、DC/DC変換回路2とインバータ回路3とを接続する低圧側の配線に挿入された抵抗81と、抵抗81の一端と加算部6との間に接続されたNPN型トランジスタ82とPNP型トランジスタ84との直列回路と、抵抗81の他端とGNDレベルとの間に接続された抵抗86とNPN型トランジスタ83とPNP方トランジスタ85とコンデンサ89との直列回路と、トランジスタ84,85の各エミッタ間に接続された抵抗87,88の直列回路とから構成され、トランジスタ82,85の各エミッタ−ベース間は短絡され、トランジスタ82,83及びトランジスタ84,85の各ベース間も短絡されており、抵抗87,88の接続中点は基準電圧Vref7に接続されている。
【0078】
出力電流信号Ioutは、トランジスタ85のエミッタから出力されて、オフセットαは基準電圧Vref7の値を有しており、負荷電流が増加するほど出力電流信号Ioutは減少する構成となっている。
【0079】
加算部63は、一端を互いに接続した抵抗64,65とからなり、抵抗64の他端にはトランジスタ84のエミッタが接続され、抵抗65の他端には出力指令値Sbが入力されており、抵抗64,65の各他端は同様の出力特性となっており、抵抗64,65の接続中点から補正信号と出力指令値Sbとを加算したPWM指令値Sopを出力する。
【0080】
(実施形態7)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図17に示す。本実施形態では、DC/DC変換回路2の出力電圧を抵抗分圧して、出力電圧信号Voutを検出し、出力制御回路6に入力する出力電圧検出回路10について説明する。
【0081】
出力電圧検出回路10は、DC/DC変換回路2の出力と基準電圧Vref8との間に接続された抵抗101,102,103の直列回路と、エミッタを抵抗101,102の接続中点に接続し、ベースをGNDレベルに接続したトランジスタ106と、トランジスタ106のコレクタを一端に接続した抵抗105と、抵抗105の他端と基準電圧Vref8との間に接続された抵抗104とからなる。
【0082】
ここで、本実施形態のDC/DC変換回路2は、コンデンサ24を1次巻線21aと2次巻線21bとの各一端の間に設け、半波整流用のダイオード23の方向をGNDレベルが高電圧側となるようにしているため、DC/DC変換回路2の出力はGNDレベルに対して負側の出力となる。そのため、抵抗101,102の接続中点から出力される出力電圧信号Voutは、基準電圧Vref8を加えた正電圧で検出している。
【0083】
DC/DC変換回路2の出力を制御する範囲は通常、放電灯5が点灯している出力電圧の範囲内であるから、消灯時における出力電圧が高い範囲での検出の必要性はない。そこで、所定電圧以上は検出範囲外とし、抵抗101,102,103の抵抗分圧比を下げることで検出値のダイナミックレンジを広くして、制御精度やノイズ耐量を上げることができる。本実施形態では、検出電圧が必要範囲外にまで上昇したときにトランジスタ106のベース−エミッタ間のダイオード特性によって、検出電圧をクランプし、必要以上の電圧が出力電圧信号Voutとして出力制御回路6に入力されないようにしている。
【0084】
さらに、トランジスタ106のコレクタを抵抗105を介して出力制御回路6に接続することで、出力制御回路6に放電灯5の点灯判別信号Sdを出力することができる。これは、DC/DC変換回路2の出力電圧が負側に高くなり、トランジスタ106のエミッタ電圧が負になると、ベース電流が流れ、エミッタ電圧が略GNDレベルにクランプされるとともに、トランジスタ106のコレクタがエミッタ電圧、すなわち略GNDレベルに低下する2値出力を点灯判別信号Sdとして用いることができるからである。
【0085】
図18は、DC/DC変換回路2の出力が正電圧である場合の出力電圧検出回路10´の構成を示しており、DC/DC変換回路2の出力とGNDレベルとの間に接続された抵抗101´,102´,103´の直列回路と、エミッタを抵抗101´,102´の接続中点に接続し、ベースを基準電圧Vref8に接続したトランジスタ106´と、トランジスタ106´のコレクタを一端に接続した抵抗105´と、抵抗105´の他端とGNDレベルとの間に接続された抵抗104´とからなり、この場合は、図17に示す回路とは点灯判別信号Sdは、HレベルとLレベルとが逆になる。
【0086】
(実施形態8)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図19に示す。本実施形態では、DC/DC変換回路2の直流出力を低周波の交番電力に変換するインバータ回路3について説明する。インバータ回路3は、DC/DC変換回路2の出力端間に接続したFETQ1,Q2の直列回路及びFETQ3,Q4の直列回路のフルブリッジインバータ回路と、FETQ1〜Q4を駆動するドライブ回路30とからなり、FETQ1,Q4がオン、且つFETQ2,Q3がオフ、あるいはFETQ1,Q4がオフ、且つFETQ2,Q3がオンの状態を交互に繰り返すことによって矩形波出力を得る。そのため、図20に示すようにFETQ1,Q4には同一の駆動信号S1、FETQ2,Q3には同一の駆動信号S2が入力され、駆動信号S1,S2は互いに逆相となっている。しかし、FETQ1〜Q4のスイッチングの遅れを考慮して、すべてのFETQ1〜Q4がオフする期間であるデッドタイムTdを設けている。
【0087】
このような駆動信号S1,S2は、回路的に遅延させて生成することができるが、マイコン等によってソフトウェア的に遅延させてデッドタイムTdを有する互いに逆相の駆動信号S1,S2を生成することこともできる。しかし、マイコンで制御する場合には構成は簡単になるが、マイコンが暴走等を起こして、すべてのFETQ1〜Q4をオンする駆動信号を出力すると、DC/DC変換回路2の出力を短絡してしまうという不具合が生じる。
【0088】
そこで、本実施形態では、信号変換回路11を備えている。信号変換回路11は、コレクタをFETQ1,Q4の駆動回路に接続し、エミッタをGNDレベルに接続した信号変換用のNPN型トランジスタ111と、コレクタをFETQ2,Q3の駆動回路に接続し、エミッタをGNDレベルに接続した信号変換用のNPN型トランジスタ112と、制御回路12の駆動信号S1出力とトランジスタ111のベースとの間に接続された抵抗118と、トランジスタ111のベースと制御電源Vccとの間に接続された抵抗113,115の直列回路と、トランジスタ111のコレクタと制御電源Vccとの間に接続された抵抗114と、トランジスタ111のベース−エミッタ間に接続された抵抗116と、制御回路12の駆動信号S2出力とトランジスタ112のベースとの間に接続された抵抗119と、トランジスタ112のベース−エミッタ間に接続された抵抗117とからなり、トランジスタ112のコレクタは抵抗113,115の接続中点に接続したいる。
【0089】
トランジスタ112がオン信号を出力しているとき、トランジスタ111はオフ信号を必ず出力するように、トランジスタ112の出力を抵抗113を介してトランジスタ111のベースへ入力するものであり、このとき、各抵抗の値は、ドライブ回路30の入力仕様のHレベル下限Vhl、トランジスタの最小ベース電流Ibmnとすると、Vcc×抵抗113/(抵抗113+抵抗115)>Vhl、Vcc/(抵抗113+抵抗115)>Ibmnを満足する必要がある。
【0090】
(実施形態9)
本実施形態では、実施形態1〜8においてスイッチング素子を駆動するための電源や、制御電源Vccとして利用できる小容量のスイッチング電源の構成例について図21を用いて説明する。スイッチング電源は、PNP型トランジスタ131、インダクタ136、ダイオード138の直列回路と、トランジスタ131のベース−エミッタ間に接続された抵抗130と、トランジスタ131のコレクタとGNDレベルとの間に接続されたダイオード132及び抵抗134,135の直列回路と、抵抗134に並列接続されたダイオード133と、インダクタ136を介して抵抗134,135の直列回路に並列に接続されて、ベースを抵抗134,135の接続中点に接続されたNPN型トランジスタ137と、ダイオード138を介して出力端間に接続されたツェナダイオード139、NPN型トランジスタ147、抵抗141の直列回路と、出力端に接続された平滑用のコンデンサ148と、トランジスタ131のベースとトランジスタ147のエミッタとの間に接続されたNPN型トランジスタ140と、トランジスタ140,147の各ベース間に接続されたCR直列回路144、抵抗145の直列回路と、トランジスタ140のベースとGNDレベルとの間に接続されたダイオード142,抵抗143と、CR直列回路144と抵抗145との接続中点に出力する矩形波発振器146とからなり、トランジスタ131のエミッタに直流電源1の電源電圧Vinを入力し、コンデンサ148の両端に制御電源Vccを発生させるものである。CR直列回路144は抵抗144aとコンデンサ144bとの直列回路で構成されている。
【0091】
以下、本実施形態のスイッチング電源の動作について説明する。まずトランジスタ131がオンすると、そのコレクタから抵抗134で制限されたベース電流がトランジスタ137のベースに入力されて、トランジスタ137はオンする。トランジスタ131,137がオンしたことにより、電源電圧Vin(直流電源1)からインダクタ136に電流が流れ、エネルギーを蓄積する。そしてトランジスタ131をオフするとトランジスタ137もオフし、インダクタ136に蓄積されたエネルギーは平滑コンデンサ148を充電する。
【0092】
トランジスタ131の駆動信号は、矩形波発振器146が発生する矩形波電圧をCR直列回路144によってノコギリ波状に変換したノコギリ波電圧と、ツェナダイオード139によって得られる電圧とをトランジスタ140で比較することによって、出力フィードバックを兼ねたノコギリ波(三角波)比較を行ってトランジスタ131のベース電流のデューティ調整を行い、出力制御をしている。
【0093】
ここで、トランジスタ140のエミッタ抵抗141は、トランジスタ131のベース電流を確保するためにあまり大きくできない。一方、出力フィードバックに用いられるツェナダイオード139はエミッタ抵抗141を小さくすると消費電力が大きくなり、素子が大型化してしまう。
【0094】
そこで、矩形波発振器146の矩形波出力でトランジスタ147をオン・オフすることで、ツェナダイオード139の出力からエミッタ抵抗141への経路を断続させている。すなわち、トランジスタ140がオンする条件で、ツェナダイオード139によって得られる電圧とノコギリ波との比較を行えばよいので、トランジスタ140,147を同時刻にオンさせれば(すなわちトランジスタ131,147を同時刻にオンさせることになる)、出力フィードバックによる出力制御を行いつつ、ツェナダイオード139の消費電力を削減することができる。
【0095】
【発明の効果】
請求項1の発明は、放電灯と、
前記放電灯を点灯させるための電力を供給する直流電源と、
オン・オフすることで前記直流電源からの入力を導通・遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすることで前記直流電源から供給されるエネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフすることで蓄えたエネルギーを出力側へ放出するインダクタンス素子とを少なくとも有して、前記直流電源からの入力を放電灯が必要としている電力に変換して出力するDC/DC変換回路と、
前記DC/DC変換回路の出力を放電灯の点灯電力に変換して放電灯を点灯させる点灯回路と、
前記スイッチング素子のデューティを指示するデューティ指令信号を出力するデューティ指令手段と、所定の発振周期且つ前記デューティ指令信号が指示するデューティで前記スイッチング素子を駆動するPWM信号を出力するPWM発振手段と、前記スイッチング素子が前記デューティに対応した期間オンしてからオフに移行した後、前記デューティに対応した期間オフしていなくても、前記インダクタンス素子を流れる電流が略ゼロになったときに前記PWM発振手段にリセット信号を出力し、前記PWM発振手段が出力するPWM信号を前記スイッチング素子がオン状態に移行する状態に遷移させるリセット動作を行うリセット手段とを有して、前記DC/DC変換回路の出力を制御する制御回路とを備えるので、定常点灯時には電流境界モードで動作して効率等の特性を良好に保つことができ、電流連続モード時にはDC/DC変換回路のスイッチング素子のスイッチング周波数が一義的に決まるため、スイッチング周波数の安定化を図ることができるとともにインダクタンス素子の設計が容易となるという効果がある。さらに、スイッチング素子のオン・オフ時間を規定するためのタイマ機能を多く備える必要がないため、PWM発振手段の構成の簡易化を図ることができる。
【0096】
請求項2の発明は、請求項1において、前記DC/DC変換回路のインダクタンス素子は、少なくとも1次巻線と2次巻線とを有するトランス構造であるので、トランスを用いたDC/DC変換回路においても請求項1と同様の効果を奏する。
【0097】
請求項3の発明は、請求項1において、放電灯のランプ電圧あるいは前記DC/DC変換回路の出力電圧が所定値を超えた場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えるので、過度のスイッチング周波数の上昇を防止できるという効果がある。
【0098】
請求項4の発明は、請求項1において、放電灯が消灯していることを検出した場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えるので、請求項3と同様の効果を奏する。
【0099】
請求項5の発明は、請求項1において、前記制御回路のリセット手段は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を所定値と比較するリセット用コンパレータとを備え、前記加極電圧値が所定値以下に低下した場合、前記PWM発振手段へリセット信号を出力するので、スイッチング素子の両端電圧のリンギングの影響を検出値に及ぼすことがないという効果がある。
【0100】
請求項6の発明は、請求項5において、前記電圧源は、コンデンサと、前記スイッチング素子がオン状態のときは前記コンデンサを前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に対して加極性に充電し、前記スイッチング素子がオフ状態のときは前記コンデンサを所定の時定数で放電させる手段とを備えるので、請求項5と同様の効果を奏する。
【0101】
請求項7の発明は、請求項1において、前記PWM発振手段は、
コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの充電電圧と所定値とを比較する発振用コンパレータと、前記発振用コンパレータによって前記コンデンサの充電電圧が所定値を超えたことが検出されるとオンして前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチとを有して、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させるノコギリ波発生回路と、
デューティ指令信号とノコギリ波形の電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとで構成され、
前記リセット手段はリセット信号を出力することで前記放電用スイッチをオンするので、リセット手段を有するPWM発振手段を構成することができるという効果がある。
【0102】
請求項8の発明は、請求項1において、前記制御回路は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値を所定値にクランプするクランプ回路と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチと、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を前記コンデンサの両端電圧と比較する発振・リセット用コンパレータと、デューティ指令信号と前記コンデンサの両端電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとを備えて、前記コンデンサの充電電圧が前記加極電圧値を超えると前記発振・リセット用コンパレータの出力によって前記放電用スイッチをオンして前記コンデンサを放電させることで、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させると共に、前記PWM発振手段のリセット動作を行うので、PWM発振手段とリセット手段とで1つのコンパレータを兼用することで、回路構成の簡易化を図ることができるという効果がある。
【0103】
請求項9の発明は、請求項8において、前記発振・リセット用コンパレータと放電用スイッチとは、PNP型の第1のトランジスタと、第1のトランジスタのベースをコレクタに接続し、第1のトランジスタのコレクタをベースに接続したNPN型の第2のトランジスタとからなるサイリスタ構成の2つのトランジスタで構成され、前記コンデンサの充電電圧を第1のトランジスタのエミッタに接続し、前記スイッチング素子の両端電圧に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を第2のトランジスタのコレクタに接続し、第1のトランジスタが加極電圧値を前記コンデンサの充電電圧と比較して、第1,第2のトランジスタがオンして前記コンデンサを放電させるので、トランジスタ回路を用いてコンパレータと放電用スイッチを構成することができるという効果がある。
【0104】
請求項10の発明は、請求項7乃至9いずれかにおいて、前記充電手段は、前記コンデンサの充電速度を、前記直流電源の電圧が高い場合に早くし、低い場合に遅くするので、直流電源の電源電圧が高いときにスイッチング素子のスイッチング周波数を上げ、オン時間を短くすることで、スイッチング電流のピークを抑えることができるという効果がある。また、電源電圧の変動による出力変動も抑制することができる。
【0105】
請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流の検出値に少なくとも所定ゲインを乗じた補正信号を生成する補正信号生成手段とを備え、前記デューティ指令手段は、前記DC/DC変換回路の出力をフィードバックすることで前記DC/DC変換回路の出力値を指示する出力指令値を生成する出力指令手段と、出力指令値に補正信号を加えた信号をデューティ指令信号とする加算手段とを有するので、出力電流の変動に対する応答性を向上させることができるという効果がある。
【0106】
請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電圧を分圧する2つ以上の抵抗の直列回路と、前記抵抗の接続中点にエミッタを接続し、所定電圧にベースを接続したクランプ用トランジスタとを備えて、前記抵抗の接続中点の電圧が所定範囲を超えた場合には前記クランプ用トランジスタのベース−エミッタ間のダイオード特性を利用してエミッタ電圧を前記所定電圧にクランプすることで分圧した電圧値をクランプすると共に、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる信号を前記DC/DC変換回路の出力電圧の電圧判定信号として用い、前記デューティ指令手段は分圧した電圧値に応じてデューティ指令信号を出力するので、抵抗分圧比を下げて、出力電圧検出値のダイナミックレンジを広く取ることで、制御精度やノイズ耐量を上げることができるという効果がある。
【0107】
請求項13の発明は、請求項12において、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる電圧判定信号は、放電灯が点灯しているか否かを判別する点灯判別信号であるので、同一の回路で出力電圧を検出するとともに、放電灯の点灯、消灯を判別することもできるという効果がある。
【0108】
請求項14の発明は、請求項1乃至13いずれかにおいて、直流電源からの入力に直列接続した第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子を介した直流電源からの入力より制御電圧を生成する制御電圧生成手段と、制御電圧にカソードを接続したツェナダイオードと、前記ツェナダイオードのアノードに直列接続した第2のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子を介した前記ツェナダイオードのアノードの電圧によって第1のスイッチング素子のデューティを可変するデューティ可変手段とを有する制御電源部を備え、第1のスイッチング素子がオンしているときのみ第2のスイッチング素子をオンするので、ツェナダイオードの消費電力を低減させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図2】同上の定常状態での動作波形を示す図である。
【図3】同上の初始動状態での動作波形を示す図である。
【図4】同上の消灯状態での動作波形を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図6】同上の定常状態での動作波形を示す図である。
【図7】本発明の実施形態3の放電灯点灯装置の第1の構成を示す図である。
【図8】同上の第2の構成を示す図である。
【図9】同上の定常状態での動作波形を示す図である。
【図10】同上の第3の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態4の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態5の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図13】(a)同上の充電電流調整回路の第1の構成を示す図である。(b)同上の充電電流調整回路の特性を示す図である。
【図14】(a)同上の充電電流調整回路の第2の構成を示す図である。(b)同上の充電電流調整回路の特性を示す図である。
【図15】本発明の実施形態6の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図16】同上の補正信号生成回路の構成を示す図である。
【図17】本発明の実施形態7の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図18】同上の出力電圧検出回路の構成を示す図である。
【図19】本発明の実施形態8の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図20】同上の駆動信号の波形を示す図である。
【図21】本発明の実施形態9の放電点灯装置のスイッチング電源の構成を示す図である。
【図22】従来の放電灯点灯装置の第1の構成を示す図である。
【図23】従来の放電灯点灯装置の第2の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 DC/DC変換回路
3 インバータ回路
4 始動回路
5 放電灯
6 出力制御回路
7 PWM信号発生回路
21 トランス
22 スイッチング素子
【発明の属する技術分野】
本発明は、直流電源から放電灯を定常点灯させるために必要な電力を出力させる電力変換回路を備える放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図22は、直流電源装置やバッテリー等の直流電源1を電源として、放電灯5を点灯させる従来の放電灯点灯装置の構成例であり、直流電源1と、直流電源1を入力として放電灯5を点灯させるために必要な出力電圧に変換して、出力電流を安定化させるDC/DC変換回路2と、DC/DC変換回路2の出力を数百Hz〜数kHzの低周波の矩形波に変換する低周波インバータ回路3と、放電灯5が点灯する前に起動させるための高電圧を発生する始動回路4と、始動回路4を介して低周波インバータ回路3から低周波矩形波の点灯電力を供給される放電灯5と、DC/DC変換回路2の出力電圧及び出力電流を検出した出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutに応じてPWM指令値Sopを出力する出力制御回路6’と、PWM指令値Sopに応じて、DC/DC変換回路2の動作を制御するPWM信号Spwmを出力するPWM信号発生器7’とから構成される。
【0003】
DC/DC変換回路2は、直流電源1に並列接続したトランス21の1次巻線21aとスイッチング素子22との直列回路と、トランス21の2次巻線21bの一端に接続した半波整流用のダイオード23と、ダイオード23を介して2次巻線21bの出力端間に接続したコンデンサ24とを備え、スイッチング素子22がオン・オフすることによって所望の電圧をコンデンサ24の両端間に発生させて、放電灯5を安定に点灯させるための出力調整を行っている。
【0004】
インバータ回路3は、FETQ1,Q2及びFETQ3,Q4の各直列回路を並列接続して、FETQ1〜Q4をオン・オフさせるドライブ回路31を備えており、FETQ1,Q4と、FETQ2,Q3とを交互にオン・オフ駆動することで、DC/DC変換回路2の直流出力を矩形波交番電力に変換して、放電灯5に供給する。
【0005】
出力制御回路6’は、電力指令値発生回路601と、電流指令値演算部602と、誤差増幅器603と、アンプ604,605とを備えており、DC/DC変換回路2の出力電流を検出した出力電流信号Iout及び出力電圧を検出した出力電圧信号Voutをアンプ604,605で各々増幅した後、アンプ604が出力する電流検出値は誤差増幅器603に入力され、アンプ605が出力する電圧検出値は電流指令値演算部602に入力される。電流指令値演算部602は、電力指令値発生回路601から出力された放電灯5に供給すべき電力指令値と電圧検出値とから放電灯5に供給すべき出力電流指令値を演算する。誤差増幅器603では、出力電流指令値と電流検出値との差を比例積分処理したPWM指令値Sopを出力する。
【0006】
PWM信号発生回路7’は、ノコギリ波電圧を発生するノコギリ波発信器701と、PWMコンパレータ702とを備えており、PWMコンパレータ702は反転入力端子に入力したPWM指令値Sopと非反転入力端子に入力したノコギリ波電圧とを比較する三角波比較方式を用いて、スイッチング素子22のオン・オフを制御するPWM信号Spwmを出力する。このPWM信号Spwmは、PWM指令値Sopによってそのデューティが可変され、デューティを可変することによってDC/DC変換回路2の出力を調整する。上記動作によって、放電灯5に点灯するために必要な電力を供給し、安定点灯させている。
【0007】
次に、図23は、DC/DC変換回路として降圧コンバータを用いた従来の放電灯点灯装置の構成例であり、直流電源(図示なし)を入力される降圧コンバータは、直流電源の高圧側に直列接続されるスイッチング素子200とインダクタ201との直列回路と、スイッチング素子200を介して入力端間に接続されるダイオード202と、インダクタ201を介してダイオード202に並列接続されるコンデンサ203とから構成され、コンデンサ203の両端電圧が出力となる。この降圧コンバータの出力はインバータ回路3、始動回路4を介して放電灯5に供給される。スイッチング素子200は制御回路13によって定常点灯時には自己発振モードで動作するが、最大オフ時間と最小オフ時間とを限定しているものである。
【0008】
例えば放電灯5としてHIDランプを用いる場合、ランプが冷えている状態ではランプ電圧が低く、そのためスイッチング素子200のオフ期間にインダクタ201を流れるインダクタ電流の傾きが緩やかになるため、インダクタ201に蓄えられたエネルギーを負荷側に放出するための時間が長くなり、スイッチング周波数が大幅に低下することになる。このスイッチング周波数の低下はランプ電流のピーク電流の増大や、可聴周波数領域でのスイッチング動作等の問題が発生するため、最大オフ時間を限定しているのである。
【0009】
一方、放電灯5が点灯していないときは、放電灯5は無負荷開放状態と同じ状態となり、降圧コンバータの出力電圧(コンデンサ203の両端電圧)は高くなるので、スイッチング素子200のオフ期間にインダクタ201に蓄えられたエネルギーを負荷側に放出するための時間が短くなり、スイッチング周波数が高くなる。これは、スイッチング素子200のスイッチング能力の限界もあり、スイッチング周波数の過度の増加は問題となるので、最小オフ時間を限定しているのである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
一般にDC/DC変換回路は、自励発振制御によって、トランスやインダクタ等のインダクタンス素子電流がゼロになった時点で、スイッチング素子をオフからオンさせる(再オンさせる)制御を行うほうがインダクタンス素子の利用率や効率向上の面から考えてよい。一方、図23に示す従来例では、定常時以外の特異条件下におけるスイッチング素子200のオフ時間を制限することでスイッチング周波数の過度の上昇、低下を抑えている。
【0011】
ところで、HIDランプは、ランプ温度が低い条件ではランプ電圧が低く、スイッチングのオフ時間制限が動作している場合、インダクタンス素子電流が常に流れている状態でスイッチング素子がオン・オフする電流連続モードで動作している。この場合、スイッチング周波数は定常時に比べて低下しているため、オン時のスイッチング素子電流は定常時より大きくなり、インダクタンス素子の設計においては、電流値が大きいという条件下で磁気飽和しないように設計する必要がある。
【0012】
しかし、ランプ電圧は、ランプ温度、寿命、バラツキ等の要因で大きく変動し、さらに電源が電池等の場合、入力電圧が変動するので、これらの入出力条件の変動によって、前述の電流連続モード時のスイッチング周波数が変動し、その変動に伴ってオン時のスイッチング素子電流のピーク電流が変動するため、設計ポイントの決定が難しく、インダクタンス素子の設計も困難になる。また、スイッチング素子のオフ時間の最大、最小を制限するためには時間を測定する回路が必要となり、回路規模の増大を招いてしまう。
【0013】
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、定常点灯時の効率等の特性を良好に保ち、且つDC/DC変換回路を電流連続モードで動作させる場合にスイッチング周波数の安定化を図った簡易な構成の放電灯点灯装置を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、放電灯と、
前記放電灯を点灯させるための電力を供給する直流電源と、
オン・オフすることで前記直流電源からの入力を導通・遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすることで前記直流電源から供給されるエネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフすることで蓄えたエネルギーを出力側へ放出するインダクタンス素子とを少なくとも有して、前記直流電源からの入力を放電灯が必要としている電力に変換して出力するDC/DC変換回路と、
前記DC/DC変換回路の出力を放電灯の点灯電力に変換して放電灯を点灯させる点灯回路と、
前記スイッチング素子のデューティを指示するデューティ指令信号を出力するデューティ指令手段と、所定の発振周期且つ前記デューティ指令信号が指示するデューティで前記スイッチング素子を駆動するPWM信号を出力するPWM発振手段と、前記スイッチング素子が前記デューティに対応した期間オンしてからオフに移行した後、前記デューティに対応した期間オフしていなくても、前記インダクタンス素子を流れる電流が略ゼロになったときに前記PWM発振手段にリセット信号を出力し、前記PWM発振手段が出力するPWM信号を前記スイッチング素子がオン状態に移行する状態に遷移させるリセット動作を行うリセット手段とを有して、前記DC/DC変換回路の出力を制御する制御回路とを備えることを特徴とする。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1において、前記DC/DC変換回路のインダクタンス素子は、少なくとも1次巻線と2次巻線とを有するトランス構造であることを特徴とする。
【0016】
請求項3の発明は、請求項1において、放電灯のランプ電圧あるいは前記DC/DC変換回路の出力電圧が所定値を超えた場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えることを特徴とする。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1において、放電灯が消灯していることを検出した場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項1において、前記制御回路のリセット手段は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を所定値と比較するリセット用コンパレータとを備え、前記加極電圧値が所定値以下に低下した場合、前記PWM発振手段へリセット信号を出力することを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項5において、前記電圧源は、コンデンサと、前記スイッチング素子がオン状態のときは前記コンデンサを前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に対して加極性に充電し、前記スイッチング素子がオフ状態のときは前記コンデンサを所定の時定数で放電させる手段とを備えることを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明は、請求項1において、前記PWM発振手段は、
コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの充電電圧と所定値とを比較する発振用コンパレータと、前記発振用コンパレータによって前記コンデンサの充電電圧が所定値を超えたことが検出されるとオンして前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチとを有して、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させるノコギリ波発生回路と、
デューティ指令信号とノコギリ波形の電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとで構成され、
前記リセット手段はリセット信号を出力することで前記放電用スイッチをオンすることを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明は、請求項1において、前記制御回路は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値を所定値にクランプするクランプ回路と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチと、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を前記コンデンサの両端電圧と比較する発振・リセット用コンパレータと、デューティ指令信号と前記コンデンサの両端電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとを備えて、前記コンデンサの充電電圧が前記加極電圧値を超えると前記発振・リセット用コンパレータの出力によって前記放電用スイッチをオンして前記コンデンサを放電させることで、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させると共に、前記PWM発振手段のリセット動作を行うことを特徴とする。
【0022】
請求項9の発明は、請求項8において、前記発振・リセット用コンパレータと放電用スイッチとは、PNP型の第1のトランジスタと、第1のトランジスタのベースをコレクタに接続し、第1のトランジスタのコレクタをベースに接続したNPN型の第2のトランジスタとからなるサイリスタ構成の2つのトランジスタで構成され、前記コンデンサの充電電圧を第1のトランジスタのエミッタに接続し、前記スイッチング素子の両端電圧に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を第2のトランジスタのコレクタに接続し、第1のトランジスタが加極電圧値を前記コンデンサの充電電圧と比較して、第1,第2のトランジスタがオンして前記コンデンサを放電させることを特徴とする。
【0023】
請求項10の発明は、請求項7乃至9いずれかにおいて、前記充電手段は、前記コンデンサの充電速度を、前記直流電源の電圧が高い場合に早くし、低い場合に遅くすることを特徴とする。
【0024】
請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流の検出値に少なくとも所定ゲインを乗じた補正信号を生成する補正信号生成手段とを備え、前記デューティ指令手段は、前記DC/DC変換回路の出力をフィードバックすることで前記DC/DC変換回路の出力値を指示する出力指令値を生成する出力指令手段と、出力指令値に補正信号を加えた信号をデューティ指令信号とする加算手段とを有することを特徴とする。
【0025】
請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電圧を分圧する2つ以上の抵抗の直列回路と、前記抵抗の接続中点にエミッタを接続し、所定電圧にベースを接続したクランプ用トランジスタとを備えて、前記抵抗の接続中点の電圧が所定範囲を超えた場合には前記クランプ用トランジスタのベース−エミッタ間のダイオード特性を利用してエミッタ電圧を前記所定電圧にクランプすることで分圧した電圧値をクランプすると共に、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる信号を前記DC/DC変換回路の出力電圧の電圧判定信号として用い、前記デューティ指令手段は分圧した電圧値に応じてデューティ指令信号を出力することを特徴とする。
【0026】
請求項13の発明は、請求項12において、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる電圧判定信号は、放電灯が点灯しているか否かを判別する点灯判別信号であることを特徴とする。
【0027】
請求項14の発明は、請求項1乃至13いずれかにおいて、直流電源からの入力に直列接続した第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子を介した直流電源からの入力より制御電圧を生成する制御電圧生成手段と、制御電圧にカソードを接続したツェナダイオードと、前記ツェナダイオードのアノードに直列接続した第2のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子を介した前記ツェナダイオードのアノードの電圧によって第1のスイッチング素子のデューティを可変するデューティ可変手段とを有する制御電源部を備え、第1のスイッチング素子がオンしているときのみ第2のスイッチング素子をオンすることを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0029】
(実施形態1)
本実施形態の放電灯点灯装置は、図1に示すように、直流電源装置やバッテリー等の直流電源1を電源として、放電灯5を点灯させるものであり、放電灯5を点灯させるための電力を供給する直流電源1と、直流電源1を入力として放電灯5を点灯させるために必要な出力電圧に変換して、出力電流を安定化させるDC/DC変換回路2と、DC/DC変換回路2の出力を数百Hz〜数kHzの低周波の矩形波に変換して放電灯5を点灯させる点灯回路たるインバータ回路3と、放電灯5が点灯する前に起動させるための高電圧を発生する始動回路4と、始動回路4を介してインバータ回路3から低周波矩形波の点灯電力を供給される放電灯5と、DC/DC変換回路2の出力電圧及び出力電流を検出した出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutをフィードバックすることで出力値を指示するPWM指令値Sop、及びリセット機能許可信号Saを出力する出力制御回路6と、PWM指令値Sop及びリセット機能許可信号Saに応じて、DC/DC変換回路2の動作を制御するPWM信号Spwmを出力するPWM信号発生器7とから構成される。
【0030】
DC/DC変換回路2は、直流電源1に並列接続したトランス21の1次巻線21aとスイッチング素子22との直列回路と、トランス21の2次巻線21bの一端に接続した半波整流用のダイオード23と、ダイオード23を介して2次巻線21bの出力端間に接続したコンデンサ24とを備えたフライバック回路方式を用いており、スイッチング素子22がオン・オフして、直流電源1からの1次巻線21aへの入力電流I1を導通・遮断することで、2次巻線21bに電圧が誘起する。このとき、トランス21はスイッチング素子22がオンすることで直流電源1から供給されるエネルギーを蓄え、スイッチング素子22がオフすることで蓄えたエネルギーを出力側へ放出するインダクタンス素子として動作する。2次巻線21bに誘起した電圧は、ダイオード23で半波整流され、コンデンサ24で平滑された所望の電圧で出力されており、スイッチング素子22のオン・オフを調整することで放電灯5を安定に点灯させるための出力調整を行っている。
【0031】
出力制御回路6は、出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutに応じてスイッチング素子のデューティを指示するPWM指令値Sop(デューティ指令信号)を出力すると共に、非反転入力端子に基準電圧Vref1を接続し、反転入力端子に出力電圧信号Voutを接続した出力電圧監視コンパレータ61を備えて、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以下になったときはリセット機能許可信号Saを出力する。
【0032】
PWM信号発生回路7は、ノコギリ波を発生するノコギリ波発振器711と、出力制御回路6が出力するPWM指令値Sopとノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波とを比較し、その比較結果に対応したPWM信号を出力することで、PWM指令値Sopが指示するデューティでスイッチング素子22を駆動させるPWM用コンパレータ712と、PWM用コンパレータ712の出力を反転させるNOT素子714と、反転入力端子に2次巻線21bを流れる2次電流I2に対応した電圧が入力され、非反転入力端子にGNDレベルを接続したリセット用コンパレータ713と、NOT素子714とリセット用コンパレータ713との各出力の論理積演算を行うAND素子715と、AND素子715の出力と出力制御回路6が出力するリセット機能許可信号Saとの論理積演算を行うAND素子716とを備えて、PWM信号Spwmは、PWM指令値Sopのレベルによってそのデューティが調整され、スイッチング素子22の動作を制御することで、DC/DC変換回路2の出力制御を行っている。
【0033】
上記構成を備えた放電灯点灯装置では、コンパレータ61の非反転入力端子に接続された基準電圧Vref1は、放電灯5が点灯状態であるときのランプ電圧、すなわちDC/DC変換回路2の出力電圧を検出した出力電圧信号Voutより大きく、コンパレータ61の出力は放電灯5が点灯状態ではHレベル出力となる。放電灯5が消灯した無負荷状態であるときのDC/DC変換回路2の出力電圧は点灯時の電圧より上昇し、基準電圧Vref1を超えるとコンパレータ61の出力はLレベル出力となる。基準電圧Vref1の値は上記動作を行うように決められている。
【0034】
ノコギリ波発振器711は、所定の周波数で最低電圧Vslから最大電圧Vspまで所定の傾きで上昇した後、急速に最低電圧Vslまで低下し、再び最大電圧Vspまで上昇に転じるノコギリ波を発生する発振器である、さらに、リセット入力を備えており、入力されたリセット信号Srの立ち上がりで、発生するノコギリ波が最大電圧Vspまで立ち上がる途中であっても、初期状態、すなわち最低電圧Vslに戻り、再び最大電圧Vspに向かって上昇を開始する動作を行う。
【0035】
PWM用コンパレータ712は、ノコギリ波発振回路711が発生するノコギリ波と出力制御回路6が出力するPWM指令値Sopとを比較することにより、ノコギリ波電圧<PWM指令値Sopである場合は、Hレベルの信号を出力してスイッチング素子22をオンし、ノコギリ波電圧>PWM指令値Sopである場合は、Lレベルの信号を出力してスイッチング素子22をオフするようになっている。また、PWM指令値Sopはノコギリ波の最大電圧Vspより小さい値とする必要がある。
【0036】
ここで図2に放電灯5が定常状態にあるときの各部の動作波形を示す。ノコギリ波が最低電圧Vslから上昇を開始する時点では、スイッチング素子22はオンし、トランス21の1次巻線21aに1次電流I1が流れ始める。このときのNOT素子714の出力はLレベルであり、AND素子715の出力はリセット用コンパレータ713の出力に関わらずLレベルである。ノコギリ波電圧がPWM指令値Sopに達すると、スイッチング素子22がオフし、トランス21の2次巻線21bに2次電流I2が流れる。このときのNOT素子714の出力はHレベルであり、AND素子715の出力はリセット用コンパレータ713の出力に依る。そして、2次電流I2は徐々に低下していき、2次電流I2がゼロになると、リセット用コンパレータ713の出力はHレベルとなり、AND素子715の出力はHレベルとなる。そして、放電灯5は点灯状態であるので、前述の通り、出力電圧監視コンパレータ61の出力はHレベルとなっており、AND素子716の出力はHレベルとなり、ノコギリ波発振器711にはリセット信号Srが入力されて、出力電圧は最低電圧Vslに戻り、PWM用コンパレータ712の出力はHレベルとなってスイッチング素子22を強制的に再オンさせている。
【0037】
AND素子715は、スイッチング素子22のオン時には2次電流I2がゼロであるために、スイッチング素子22のオン時、すなわちNOT素子714の出力がLレベル時にはノコギリ波発振器711へリセット信号Srを伝達しないために設けてある。
【0038】
このように放電灯5が定常状態にあるときは、トランス21の2次電流I2がゼロになった時点で、スイッチング素子22をオフからオンさせる(再オンさせる)制御を行って、電流境界モードで動作する。
【0039】
次に、放電灯5が初始動状態の場合について説明する、放電灯5が初始動状態で温度が低い場合は、ランプ電圧が低く、スイッチング素子22がオフしているときのトランス21の2次電流I2の傾きが小さくなる。このときの各部の動作波形を図3に示す。まず、ノコギリ波発振器711の出力がPWM指令値Sopに達するとスイッチング素子22はオフする。すると、2次電流I2が流れると共にノコギリ波発振器711の出力はさらに上昇を続ける。2次電流I2がゼロになる前にノコギリ波電圧が最大電圧Vspに達すると、最低電圧Vslに戻り、スイッチング素子22は再オンされる。
【0040】
このように放電灯5が初始動状態で温度が低い場合は、トランス21の2次電流I2がゼロにならない電流連続モードで動作する。このときは、ノコギリ波発振器711によって決められた発振周波数によって動作することになり、出力条件等に依らず、一義的にスイッチング周波数は決められ、トランス21等の設計が容易となる。
【0041】
また、放電灯5が消灯状態で無負荷開放状態となり、DC/DC変換回路2の出力電圧が高くなると、スイッチング素子22がオフ時の2次電流I2の傾きが大きくなるため、スイッチング周波数が過度に高くなる可能性がある。この場合の各部の動作波形を図4に示す。このため、出力電圧監視コンパレータ61によってDC/DC変換回路2の出力電圧(コンデンサ24の両端電圧)を監視し、出力電圧が放電灯5の点灯状態ではあり得ないほど高い値に上昇した場合、コンパレータ61の出力がLレベルになることで、AND素子716の出力がAND素子715の出力に依らずLレベルとなるので、リセット信号Srはノコギリ波発振器711には入力されない。
【0042】
このように、放電灯5が消灯状態で無負荷開放状態となった場合は、ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波の周波数にてスイッチング動作を行い、過度のスイッチング周波数の上昇を容易に防止できる。
【0043】
なお、本実施形態においては、DC/DC変換回路2にフライバックコンバータを用いた構成について述べたが、チョッパ回路等、スイッチング素子のオン時にインダクタンス素子にエネルギーを蓄積し、スイッチング素子のオフ時に蓄積されたエネルギーを負荷側の閉回路に放出するようなDC/DC変換回路であれば適用することができる。
【0044】
また、DC/DC変換回路の出力電圧の監視用として、コンパレータ61を設けているが、出力電流のゼロ監視、光センサによる消灯監視等によって、無負荷状態、消灯状態を監視する回路をコンパレータ61の代わりに設けてもよい。
【0045】
さらに、図2〜4では、ノコギリ波発振器711が発生するのこぎり波の最低電圧Vslは略ゼロであるが、ゼロ以外の値であってもよい。
【0046】
(実施形態2)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図5に示す。実施形態1では、トランス21の2次巻線21bを流れる2次電流I2を直接測定し、2次電流I2のゼロ点検出を行っていたが、図5に示す本実施形態は、DC/DC変換回路2の1次側のスイッチング素子22の両端電圧を検出して2次電流I2のゼロ点検出を行うものである。これは、スイッチング素子22がオンからオフに切り換わると、スイッチング素子22の両端には、V1+V2/n(V1:直流電源1の電源電圧、V2:DC/DC変換回路2の出力電圧、n:トランス21の巻数比)の電圧が印加され、2次電流I2がゼロになると両端電圧は低下するので、この電圧低下を検出することで発振器711のリセット信号Srを出力するものである。しかし、スイッチング素子22の両端電圧を検出するため、検出した電圧波形にも漏れインダクタンス等によるリンギングがスイッチング直後に発生する。このリンギングが大きいと、例えばスイッチング素子22がオフした直後、すぐに再オンしてしまう恐れがある。
【0047】
そこで、図5に示す回路構成では、スイッチング素子22の両端電圧の検出値に電圧源732の電圧を重畳させた信号が所定値より低下したことをリセット用コンパレータ713で検出することで、2次電流I2が略ゼロになったことを検出している。リセット用コンパレータ713は、非反転入力端子に基準電圧Vref3を接続し、反転入力端子にはスイッチング素子22の両端電圧の検出値に電圧源732の電圧を重畳させた信号を接続しており、反転入力端子に接続された回路は、基準電圧Vref2から反転入力端子に逆方向に接続したダイオード733と、ダイオード733に並列接続した抵抗731bと電圧源732との直列回路と、検出したスイッチング素子22の両端電圧から抵抗731bと電圧源732との接続中点に逆方向に接続したダイオード731aとから構成され、ダイオード731aと抵抗731bとは電圧制限回路731を成している。
【0048】
ここで図6に各部の動作波形を示す。電圧源732は、スイッチング素子22がオンした後、基準電圧Vref3以上のHレベルに上昇し、スイッチング素子22がオフした後、遅延時間Tr後に基準電圧Vref3未満のLレベルに低下する信号である。遅延時間Trはスイッチング素子22がオフしたときに、電圧制限回路731の出力に発生するスイッチング素子22の両端電圧のリンギングが抑えられる時間に設定されている。この電圧源732の波形はピーク電圧が基準電圧Vref2を超える矩形波状であるが、リセット用コンパレータ713の反転入力端子への入力は、ダイオード733によって基準電圧Vref2にクランプされるため、スイッチング素子22がオンして電圧源732の出力がHレベルである間は基準電圧Vref2に保たれ、スイッチング素子22がオフして遅延時間Trが経過した後、電圧源732の出力がLレベル(ゼロ)になると、スイッチング素子22の両端電圧が入力される。但し、このときも基準電圧Vref2以上の電圧は基準電圧Vref2にクランプされる。
【0049】
そして2次電流I2が略ゼロになり、スイッチング素子22の両端電圧が低下して基準電圧Vref3以下になると、リセット用コンパレータ713の出力はHレベルとなり、出力制御回路6からのリセット機能許可信号SaがHレベルでAND素子716に入力されていれば、AND素子716はリセット信号Srをノコギリ波発振器711に出力する。
【0050】
本実施形態のノコギリ波発振器711は、電流源721と、電流源721によって充電されるコンデンサ722と、コンデンサ722に並列接続されてコンデンサ722の電荷を放電する放電用スイッチ723と、コンデンサ722の両端電圧を基準電圧Vref4と比較する発振用コンパレータ725と、発振用コンパレータ725とAND素子716との各出力の論理和演算を行い、出力がHレベル時に放電用スイッチ723をオン(短絡)させるOR素子724とから構成されている。このノコギリ波発振器711は、コンデンサ722の両端にノコギリ波を発生させてPWM用コンパレータ712の反転入力端子に入力するもので、コンデンサ722の両端電圧は0Vから基準電圧Vref4まで電流源721とコンデンサ722との時定数で上昇した後、発振用コンパレータ725の出力がHレベルとなり、OR素子724の出力もHレベルとなって放電用スイッチ723がオンしてコンデンサ722の電荷を放電することで、コンデンサ722の両端電圧は急速に0Vまで低下し、放電用スイッチ723がオフとなって再び基準電圧Vref4まで上昇に転じる。ここで、基準電圧Vref4が最大電圧Vspとなり、0Vが最低電圧Vlpとなる。
【0051】
そして、スイッチング素子22の両端電圧が低下して、すなわち2次電流I2が略ゼロとなってAND素子716からのリセット信号SrがOR素子724に入力されると、放電用スイッチ723はオンしてコンデンサ722の電荷は放電されて、発生するノコギリ波が最大電圧Vspまで立ち上がる途中であっても、初期状態、すなわち最低電圧Vslに戻り、再び最大電圧Vspに向かって上昇を開始する動作を行う。ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波が最低電圧Vslにリセットされると、PWM用コンパレータ712の出力はHレベルとなってスイッチング素子22を強制的に再オンさせる。
【0052】
このように、トランス21の2次電流I2がゼロになった時点で、スイッチング素子22をオフからオンさせる(再オンさせる)制御を行って、電流境界モードで動作させている。
【0053】
また、スイッチング素子22の両端電圧は、通常、制御信号に比べて高くなるため、ダイオード731a、抵抗731bとからなる電圧制限回路731を設けて、PWM信号発生回路7に入力される電圧値を制限している。
【0054】
(実施形態3)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図7に示す。実施形態2では、スイッチング素子22の電圧低下を検出するリセット用コンパレータ713と、ノコギリ波発振器711において最大電圧Vspを規定するための発振用コンパレータ725との2つのコンパレータを用いているが、本実施形態はこの2つのコンパレータを1つの発振・リセット用コンパレータ713’で兼用したものである。実施形態2の図6の動作波形よりリセット用コンパレータ713の入力は、電圧源732の波形が適切であれば2次電流I2がスイッチング素子22がオフした後ゼロになる点以外では基準電圧Vref2にクランプされている。そこで本実施形態では、発振・リセット用コンパレータ713’の反転入力端子に、スイッチング素子22の両端電圧の検出値に電圧源732の電圧を重畳させた信号を接続し、非反転入力端子にノコギリ波を発生するコンデンサ722の両端電圧を接続し、その比較結果の出力で放電用スイッチ723を開閉したものであり、ノコギリ波発振器711が発生するノコギリ波の最大電圧Vspを基準電圧Vref2とすることでコンパレータの兼用化を図っている。
【0055】
さらに、出力制御回路6は、非反転入力端子に出力電圧信号Voutを接続し、反転入力端子に基準電圧Vref1を接続したコンパレータ61を備えており、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以下になったときはLレベルのリセット機能許可信号Saを出力する。PWM信号発生回路7の電圧制限回路731は、ダイオード731aにスイッチ734を直列接続しており、スイッチ734はリセット機能許可信号Saによってオン・オフされる。そして、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以上になりリセット許可が禁止となって、出力制御回路6がHレベルのリセット機能許可信号Saを出力した場合は、スイッチ734がオフ(開放)されることで、スイッチング素子22の両端電圧の信号をPWM信号発生回路7から切り離している。
【0056】
次に、図8は他の実施例の構成を示しており、図7のPWM信号発生回路7の電圧源732の代わりにコンデンサ735と、コンデンサ735の電荷を放電するスイッチ737とを備え、電流源721の代わりに基準電圧Vref5に一端を接続した抵抗726を備えている。
【0057】
ここで図9に各部の動作波形を示す。スイッチング素子22のオン時は、コンデンサ735は基準電圧Vref2から抵抗736を介して充電される。このときコンデンサ735と抵抗736との直列回路の時定数は、ノコギリ波発振器711の所定の発振周期内で、電流連続モード時においてはコンデンサ735の両端電圧がコンデンサ722両端のノコギリ波電圧よりも常に高くなるように設定される。より良いのは、ノコギリ波の1周期時には、コンデンサ735の充電電圧はほぼ飽和しているように時定数を設定することである。このように設定することで、電流連続モード時に、ノコギリ波発振器711の発振周期でスイッチング素子22をオン・オフさせることができる。
【0058】
スイッチング素子22のオフ時は、コンデンサ735の電荷はダイオード733と抵抗731bとを介して放電される。このとき、電圧制限回路731を介したスイッチング素子22の両端電圧と、コンデンサ735の両端電圧とは重畳される。実際には、ダイオード733によってクランプされるため、基準電圧Vref2以上の電圧は発振・リセット用コンパレータ713’には入力されない。
【0059】
スイッチング素子22がオフした直後は、コンデンサ735の電圧は高いため、スイッチング素子22の両端電圧にリンギングが発生しても、発振・リセット用コンパレータ713’の反転入力端子には大きく表れず、PWM指令値Sop以下にまで低下しなければ誤スイッチングは発生しない。
【0060】
コンデンサ735の放電時の時定数は、スイッチング素子22がオフしてからリンギングが収まるまでの期間においてはコンデンサ735の電圧がPWM指令値Sopの最大値以上となる最小の時定数であることが望ましい。
【0061】
また、ノコギリ波発振器711のコンデンサ722の充電は、抵抗726を直列接続したCR充電回路で構成しているが、他の回路構成であってもよい。
【0062】
さらに、リセット機能許可信号Saは、スイッチ737のオン・オフを制御しており、出力電圧信号Voutが基準電圧Vref1以上になりリセット許可が禁止となって、出力制御回路6がHレベルのリセット機能許可信号Saを出力した場合は、スイッチ737はオンして、スイッチング素子22の両端電圧の変化をPWM信号発生回路7に伝達せずにGNDレベル一定にしておくようにしている。
【0063】
次に、図10は、図8の発振・リセット用コンパレータ713’と放電用スイッチ723との代わりにPNP型トランジスタ727と、NPN型トランジスタ728と、NPN型トランジスタ729と、抵抗720とを備え、さらにスイッチング素子22としてFET221を備えて、PWM用コンパレータ712の出力にFET221を駆動するためのドライブ回路790を設けたもので、トランジスタ727のベースをトランジスタ728のコレクタに接続し、トランジスタ727のコレクタをトランジスタ728のベースに接続したサイリスタ構成としており、トランジスタ727がコンパレータの機能を有して、エミッタ電圧とベース電圧との比較をし、エミッタ電圧>ベース電圧となると、トランジスタ727,728で構成されるサイリスタ回路がオンし、トランジスタ727,728を介してコンデンサ722を放電する。放電が終わると、サイリスタ回路はオフし、コンデンサ722は再び充電されてノコギリ波を発生する。
【0064】
トランジスタ729は、抵抗720を介してベースをドライブ回路790の出力に接続し、エミッタをトランジスタ728のベースに接続し、コレクタをGNDレベルに接続しており、抵抗726の値が小さくてもトランジスタ727,728のサイリスタ回路を確実にオフするために、FET221の駆動信号がオン(Hレベル)になった場合に、トランジスタ728のベース電流をゼロにするためのものである。
【0065】
(実施形態4)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図11に示す。図11のPWM信号発生回路7は、図10のPWM用コンパレータ712をトランジスタ回路770で構成しており、トランジスタ回路770は、ベースをコンデンサ722が発生するノコギリ波に接続し、エミッタを基準電源Vref5に接続したPNP型トランジスタ771と、トランジスタ771のコレクタに接続した抵抗775と、エミッタを基準電圧Vref5に接続したPNP型のトランジスタ772と、トランジスタ772のコレクタに接続した抵抗776と、ベースをトランジスタ771のコレクタに接続し、エミッタをGNDレベルに接続したNPN型トランジスタ773と、ベースをトランジスタ772のコレクタに接続し、エミッタをGNDレベルに接続したNPN型トランジスタ774とから構成される。トランジスタ772のベースにはPWM指令値Sop(出力制御回路6から出力された出力指令値Sbが抵抗777を介した信号)が入力され、トランジスタ774のベースには抵抗776を介して出力制御回路6から発振停止信号Scが入力されており、トランジスタ773のコレクタが正論理出力a、トランジスタ774のコレクタが負論理出力bとなっている。
【0066】
ドライブ回路790は、電流増幅段を構成するNPN型トランジスタ791とPNP型トランジスタ792とを直列接続したトーテムポール回路と、コレクタをトランジスタ791,792の各ベースに接続したPNP型トランジスタ794、トランジスタ794のエミッタと制御電源Vccとの間に接続した抵抗795、トランジスタ794のベースと制御電源Vccと間に接続した抵抗796、トランジスタ794のベースとトランジスタ回路770の正論理出力aとの間に接続した抵抗797から構成されるベース電流供給量切替回路793とからなり、トランジスタ792のベースはトランジスタ回路770の負倫理出力bにも接続される。トランジスタ791とトランジスタ792との接続中点(トランジスタ791,792のエミッタ)はドライブ回路790の出力としてFET221のゲートに接続される。
【0067】
すなわち、トランジスタ回路770の正論理出力aはドライブ回路790のベース電流をオン・オフし、負論理出力bはベース電流供給量切替回路793のいわゆる制御端子に接続されているものである。負論理出力bがLレベルのとき、トランジスタ791,792の各ベースには所定のベース電流が供給され、負論理出力bがハイインピーダンスのときは、トランジスタ791,792の各ベース電流を略ゼロに抑えることで、ドライブ回路790の消費電流を抑制することができる。
【0068】
また、出力制御回路6からのリセット機能禁止信号Saによって、FET221の両端電圧の変化をPWM信号発生回路7に伝達せずにGNDレベル一定にしておくNPN型トランジスタからなるスイッチ737は、リセット機能禁止信号Sa以外にドライブ回路790の出力によっても制御されている。これは、FET221がオンしているとき、スイッチ737もオンにすることによって、電圧制限回路731を構成するダイオード731aの順方向電圧を除いて、コンデンサ735の充電電圧を増加させて、FET221のオフ時に両端電圧に発生するリンギングの抑止能力の増大を図っている。ここで、スイッチ737のベースへの制御信号は、リセット機能禁止信号Saとドライブ回路790の出力とのワイヤードOR回路を形成しており、リセット機能禁止信号Saは抵抗742を介して、ドライブ回路790の出力は抵抗743を介してスイッチ737のベースに各々接続され、スイッチ737のベースは抵抗741を介してGNDレベルに接続されている。また、電圧制限回路731の抵抗731bにダイオード746が並列接続されている。
【0069】
そして、出力制御回路6からの発振停止信号Scは通常、Lレベルであるが、Hレベル出力になるとトランジスタ回路770の正論理出力aをLレベルに維持し、FET221へのドライブ出力を停止させる。さらに同じ発振停止信号Scによってトランジスタ729をオンすることで、ノコギリ波を発生するコンデンサ722がゼロ電圧にまで放電できないようにしている。
【0070】
出力電圧信号Voutを入力された過電圧制御回路780は、消灯時等の無負荷状態ではDC/DC変換回路2の出力電圧が過度に上昇しないように、所定電圧以上ではPWM指令値Sopを低減させるもので、NPN型トランジスタ785,786と、トランジスタ786のベースと出力電圧信号Voutとの間に接続された抵抗781と、トランジスタ786のベース−コレクタ間に接続された抵抗782と、トランジスタ785,786の各エミッタとGNDレベルとの間に接続された抵抗787と、トランジスタ785のベースと基準電圧Vref6との間に接続された抵抗783と、トランジスタ785のベースとGNDレベルとの間に接続された抵抗784とからなり、基準電圧Vref6はトランジスタ786のエミッタに接続され、PWM指令値Sopはトランジスタ785のエミッタに接続されている。
【0071】
なお、本実施形態のDC/DC変換回路2は、コンデンサ24を1次巻線21aと2次巻線21bとの各一端の間に設け、半波整流用のダイオード23の方向をGNDレベルが高電圧側となるようにしているが、この構成に限るものではない。
【0072】
(実施形態5)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図12に示す。本実施形態では、ノコギリ波発振器711において、ノコギリ波の上昇傾きを直流電源1の電源電圧Vinに応じて可変するものであり、ノコギリ波を生成するコンデンサ722への平均充電電流Icを電源電圧Vinに応じて可変する充電電流調整回路730を備えている。
【0073】
充電電流調整回路730の回路構成例としては、図13(a)に示すように、電源電圧Vinに一端を接続された抵抗741と、基準電圧Vref5と抵抗741の他端との間に接続された抵抗742とから構成され、抵抗741,742の各他端をコンデンサ722に接続して、平均充電電流Icを出力する。そして、図13(b)に示すように電源電圧Vinが高いほど平均充電電流Icを増加させることで、電源電圧Vinが高いときには電流連続モードにおけるFET221の発振周波数を上げ、オン時間を短くしてトランス21の1次電流I1のピーク値を抑えることができる。さらには、電源電圧Vinの変動に対して、出力変動を抑えることもできる。
【0074】
また、充電電流調整回路730の別の回路構成例としては、図14(a)に示すように、抵抗741に直列に抵抗745とダイオード746とを接続し、抵抗741と抵抗745との接続中点とGNDレベルとの間にツェナダイオード748を接続して、さらに抵抗742に直列にダイオード747を接続することで、図14(b)に示すように、平均充電電流Icの上限、下限を規定するとともに、電源電圧Vinの変動域での平均充電電流Icの可変量を増加させることができ、電源電圧Vinの変動に対して出力変動をより強力に抑えることができる。
【0075】
(実施形態6)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図15に示す。本実施形態では、出力電流信号Ioutにゲイン−Kを乗じて、さらにオフセットαを加えた補正信号を生成する補正信号生成部80を備えている。
【0076】
また、出力制御回路6は、出力指令部62と、加算部63とを備えており、出力指令部62は、DC/DC変換回路2の出力電圧及び出力電流を検出した出力電圧信号Vout及び出力電流信号Ioutをフィードバックすることで出力値を指示する出力指令値Sb、及びリセット機能許可信号Saを出力し、加算部63は、補正信号と出力指令値Sbとを加算して、PWM指令値Sopとして前述のPWM信号発生回路7のPWM信号発振器711に出力する。ゲインKの極性はPWM指令値Sopが増加するほどDC/DC変換回路2の出力が増加する場合には、本実施形態のように負に設定される。
【0077】
図16は、出力電流信号Ioutを検出して、補正信号を生成する補正信号生成回路8、及び補正信号と出力指令値Sbとを加算する加算部63の具体的な構成を示している。補正信号生成回路8は、DC/DC変換回路2とインバータ回路3とを接続する低圧側の配線に挿入された抵抗81と、抵抗81の一端と加算部6との間に接続されたNPN型トランジスタ82とPNP型トランジスタ84との直列回路と、抵抗81の他端とGNDレベルとの間に接続された抵抗86とNPN型トランジスタ83とPNP方トランジスタ85とコンデンサ89との直列回路と、トランジスタ84,85の各エミッタ間に接続された抵抗87,88の直列回路とから構成され、トランジスタ82,85の各エミッタ−ベース間は短絡され、トランジスタ82,83及びトランジスタ84,85の各ベース間も短絡されており、抵抗87,88の接続中点は基準電圧Vref7に接続されている。
【0078】
出力電流信号Ioutは、トランジスタ85のエミッタから出力されて、オフセットαは基準電圧Vref7の値を有しており、負荷電流が増加するほど出力電流信号Ioutは減少する構成となっている。
【0079】
加算部63は、一端を互いに接続した抵抗64,65とからなり、抵抗64の他端にはトランジスタ84のエミッタが接続され、抵抗65の他端には出力指令値Sbが入力されており、抵抗64,65の各他端は同様の出力特性となっており、抵抗64,65の接続中点から補正信号と出力指令値Sbとを加算したPWM指令値Sopを出力する。
【0080】
(実施形態7)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図17に示す。本実施形態では、DC/DC変換回路2の出力電圧を抵抗分圧して、出力電圧信号Voutを検出し、出力制御回路6に入力する出力電圧検出回路10について説明する。
【0081】
出力電圧検出回路10は、DC/DC変換回路2の出力と基準電圧Vref8との間に接続された抵抗101,102,103の直列回路と、エミッタを抵抗101,102の接続中点に接続し、ベースをGNDレベルに接続したトランジスタ106と、トランジスタ106のコレクタを一端に接続した抵抗105と、抵抗105の他端と基準電圧Vref8との間に接続された抵抗104とからなる。
【0082】
ここで、本実施形態のDC/DC変換回路2は、コンデンサ24を1次巻線21aと2次巻線21bとの各一端の間に設け、半波整流用のダイオード23の方向をGNDレベルが高電圧側となるようにしているため、DC/DC変換回路2の出力はGNDレベルに対して負側の出力となる。そのため、抵抗101,102の接続中点から出力される出力電圧信号Voutは、基準電圧Vref8を加えた正電圧で検出している。
【0083】
DC/DC変換回路2の出力を制御する範囲は通常、放電灯5が点灯している出力電圧の範囲内であるから、消灯時における出力電圧が高い範囲での検出の必要性はない。そこで、所定電圧以上は検出範囲外とし、抵抗101,102,103の抵抗分圧比を下げることで検出値のダイナミックレンジを広くして、制御精度やノイズ耐量を上げることができる。本実施形態では、検出電圧が必要範囲外にまで上昇したときにトランジスタ106のベース−エミッタ間のダイオード特性によって、検出電圧をクランプし、必要以上の電圧が出力電圧信号Voutとして出力制御回路6に入力されないようにしている。
【0084】
さらに、トランジスタ106のコレクタを抵抗105を介して出力制御回路6に接続することで、出力制御回路6に放電灯5の点灯判別信号Sdを出力することができる。これは、DC/DC変換回路2の出力電圧が負側に高くなり、トランジスタ106のエミッタ電圧が負になると、ベース電流が流れ、エミッタ電圧が略GNDレベルにクランプされるとともに、トランジスタ106のコレクタがエミッタ電圧、すなわち略GNDレベルに低下する2値出力を点灯判別信号Sdとして用いることができるからである。
【0085】
図18は、DC/DC変換回路2の出力が正電圧である場合の出力電圧検出回路10´の構成を示しており、DC/DC変換回路2の出力とGNDレベルとの間に接続された抵抗101´,102´,103´の直列回路と、エミッタを抵抗101´,102´の接続中点に接続し、ベースを基準電圧Vref8に接続したトランジスタ106´と、トランジスタ106´のコレクタを一端に接続した抵抗105´と、抵抗105´の他端とGNDレベルとの間に接続された抵抗104´とからなり、この場合は、図17に示す回路とは点灯判別信号Sdは、HレベルとLレベルとが逆になる。
【0086】
(実施形態8)
本実施形態の放電灯点灯装置の構成を図19に示す。本実施形態では、DC/DC変換回路2の直流出力を低周波の交番電力に変換するインバータ回路3について説明する。インバータ回路3は、DC/DC変換回路2の出力端間に接続したFETQ1,Q2の直列回路及びFETQ3,Q4の直列回路のフルブリッジインバータ回路と、FETQ1〜Q4を駆動するドライブ回路30とからなり、FETQ1,Q4がオン、且つFETQ2,Q3がオフ、あるいはFETQ1,Q4がオフ、且つFETQ2,Q3がオンの状態を交互に繰り返すことによって矩形波出力を得る。そのため、図20に示すようにFETQ1,Q4には同一の駆動信号S1、FETQ2,Q3には同一の駆動信号S2が入力され、駆動信号S1,S2は互いに逆相となっている。しかし、FETQ1〜Q4のスイッチングの遅れを考慮して、すべてのFETQ1〜Q4がオフする期間であるデッドタイムTdを設けている。
【0087】
このような駆動信号S1,S2は、回路的に遅延させて生成することができるが、マイコン等によってソフトウェア的に遅延させてデッドタイムTdを有する互いに逆相の駆動信号S1,S2を生成することこともできる。しかし、マイコンで制御する場合には構成は簡単になるが、マイコンが暴走等を起こして、すべてのFETQ1〜Q4をオンする駆動信号を出力すると、DC/DC変換回路2の出力を短絡してしまうという不具合が生じる。
【0088】
そこで、本実施形態では、信号変換回路11を備えている。信号変換回路11は、コレクタをFETQ1,Q4の駆動回路に接続し、エミッタをGNDレベルに接続した信号変換用のNPN型トランジスタ111と、コレクタをFETQ2,Q3の駆動回路に接続し、エミッタをGNDレベルに接続した信号変換用のNPN型トランジスタ112と、制御回路12の駆動信号S1出力とトランジスタ111のベースとの間に接続された抵抗118と、トランジスタ111のベースと制御電源Vccとの間に接続された抵抗113,115の直列回路と、トランジスタ111のコレクタと制御電源Vccとの間に接続された抵抗114と、トランジスタ111のベース−エミッタ間に接続された抵抗116と、制御回路12の駆動信号S2出力とトランジスタ112のベースとの間に接続された抵抗119と、トランジスタ112のベース−エミッタ間に接続された抵抗117とからなり、トランジスタ112のコレクタは抵抗113,115の接続中点に接続したいる。
【0089】
トランジスタ112がオン信号を出力しているとき、トランジスタ111はオフ信号を必ず出力するように、トランジスタ112の出力を抵抗113を介してトランジスタ111のベースへ入力するものであり、このとき、各抵抗の値は、ドライブ回路30の入力仕様のHレベル下限Vhl、トランジスタの最小ベース電流Ibmnとすると、Vcc×抵抗113/(抵抗113+抵抗115)>Vhl、Vcc/(抵抗113+抵抗115)>Ibmnを満足する必要がある。
【0090】
(実施形態9)
本実施形態では、実施形態1〜8においてスイッチング素子を駆動するための電源や、制御電源Vccとして利用できる小容量のスイッチング電源の構成例について図21を用いて説明する。スイッチング電源は、PNP型トランジスタ131、インダクタ136、ダイオード138の直列回路と、トランジスタ131のベース−エミッタ間に接続された抵抗130と、トランジスタ131のコレクタとGNDレベルとの間に接続されたダイオード132及び抵抗134,135の直列回路と、抵抗134に並列接続されたダイオード133と、インダクタ136を介して抵抗134,135の直列回路に並列に接続されて、ベースを抵抗134,135の接続中点に接続されたNPN型トランジスタ137と、ダイオード138を介して出力端間に接続されたツェナダイオード139、NPN型トランジスタ147、抵抗141の直列回路と、出力端に接続された平滑用のコンデンサ148と、トランジスタ131のベースとトランジスタ147のエミッタとの間に接続されたNPN型トランジスタ140と、トランジスタ140,147の各ベース間に接続されたCR直列回路144、抵抗145の直列回路と、トランジスタ140のベースとGNDレベルとの間に接続されたダイオード142,抵抗143と、CR直列回路144と抵抗145との接続中点に出力する矩形波発振器146とからなり、トランジスタ131のエミッタに直流電源1の電源電圧Vinを入力し、コンデンサ148の両端に制御電源Vccを発生させるものである。CR直列回路144は抵抗144aとコンデンサ144bとの直列回路で構成されている。
【0091】
以下、本実施形態のスイッチング電源の動作について説明する。まずトランジスタ131がオンすると、そのコレクタから抵抗134で制限されたベース電流がトランジスタ137のベースに入力されて、トランジスタ137はオンする。トランジスタ131,137がオンしたことにより、電源電圧Vin(直流電源1)からインダクタ136に電流が流れ、エネルギーを蓄積する。そしてトランジスタ131をオフするとトランジスタ137もオフし、インダクタ136に蓄積されたエネルギーは平滑コンデンサ148を充電する。
【0092】
トランジスタ131の駆動信号は、矩形波発振器146が発生する矩形波電圧をCR直列回路144によってノコギリ波状に変換したノコギリ波電圧と、ツェナダイオード139によって得られる電圧とをトランジスタ140で比較することによって、出力フィードバックを兼ねたノコギリ波(三角波)比較を行ってトランジスタ131のベース電流のデューティ調整を行い、出力制御をしている。
【0093】
ここで、トランジスタ140のエミッタ抵抗141は、トランジスタ131のベース電流を確保するためにあまり大きくできない。一方、出力フィードバックに用いられるツェナダイオード139はエミッタ抵抗141を小さくすると消費電力が大きくなり、素子が大型化してしまう。
【0094】
そこで、矩形波発振器146の矩形波出力でトランジスタ147をオン・オフすることで、ツェナダイオード139の出力からエミッタ抵抗141への経路を断続させている。すなわち、トランジスタ140がオンする条件で、ツェナダイオード139によって得られる電圧とノコギリ波との比較を行えばよいので、トランジスタ140,147を同時刻にオンさせれば(すなわちトランジスタ131,147を同時刻にオンさせることになる)、出力フィードバックによる出力制御を行いつつ、ツェナダイオード139の消費電力を削減することができる。
【0095】
【発明の効果】
請求項1の発明は、放電灯と、
前記放電灯を点灯させるための電力を供給する直流電源と、
オン・オフすることで前記直流電源からの入力を導通・遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすることで前記直流電源から供給されるエネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフすることで蓄えたエネルギーを出力側へ放出するインダクタンス素子とを少なくとも有して、前記直流電源からの入力を放電灯が必要としている電力に変換して出力するDC/DC変換回路と、
前記DC/DC変換回路の出力を放電灯の点灯電力に変換して放電灯を点灯させる点灯回路と、
前記スイッチング素子のデューティを指示するデューティ指令信号を出力するデューティ指令手段と、所定の発振周期且つ前記デューティ指令信号が指示するデューティで前記スイッチング素子を駆動するPWM信号を出力するPWM発振手段と、前記スイッチング素子が前記デューティに対応した期間オンしてからオフに移行した後、前記デューティに対応した期間オフしていなくても、前記インダクタンス素子を流れる電流が略ゼロになったときに前記PWM発振手段にリセット信号を出力し、前記PWM発振手段が出力するPWM信号を前記スイッチング素子がオン状態に移行する状態に遷移させるリセット動作を行うリセット手段とを有して、前記DC/DC変換回路の出力を制御する制御回路とを備えるので、定常点灯時には電流境界モードで動作して効率等の特性を良好に保つことができ、電流連続モード時にはDC/DC変換回路のスイッチング素子のスイッチング周波数が一義的に決まるため、スイッチング周波数の安定化を図ることができるとともにインダクタンス素子の設計が容易となるという効果がある。さらに、スイッチング素子のオン・オフ時間を規定するためのタイマ機能を多く備える必要がないため、PWM発振手段の構成の簡易化を図ることができる。
【0096】
請求項2の発明は、請求項1において、前記DC/DC変換回路のインダクタンス素子は、少なくとも1次巻線と2次巻線とを有するトランス構造であるので、トランスを用いたDC/DC変換回路においても請求項1と同様の効果を奏する。
【0097】
請求項3の発明は、請求項1において、放電灯のランプ電圧あるいは前記DC/DC変換回路の出力電圧が所定値を超えた場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えるので、過度のスイッチング周波数の上昇を防止できるという効果がある。
【0098】
請求項4の発明は、請求項1において、放電灯が消灯していることを検出した場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えるので、請求項3と同様の効果を奏する。
【0099】
請求項5の発明は、請求項1において、前記制御回路のリセット手段は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を所定値と比較するリセット用コンパレータとを備え、前記加極電圧値が所定値以下に低下した場合、前記PWM発振手段へリセット信号を出力するので、スイッチング素子の両端電圧のリンギングの影響を検出値に及ぼすことがないという効果がある。
【0100】
請求項6の発明は、請求項5において、前記電圧源は、コンデンサと、前記スイッチング素子がオン状態のときは前記コンデンサを前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に対して加極性に充電し、前記スイッチング素子がオフ状態のときは前記コンデンサを所定の時定数で放電させる手段とを備えるので、請求項5と同様の効果を奏する。
【0101】
請求項7の発明は、請求項1において、前記PWM発振手段は、
コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの充電電圧と所定値とを比較する発振用コンパレータと、前記発振用コンパレータによって前記コンデンサの充電電圧が所定値を超えたことが検出されるとオンして前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチとを有して、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させるノコギリ波発生回路と、
デューティ指令信号とノコギリ波形の電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとで構成され、
前記リセット手段はリセット信号を出力することで前記放電用スイッチをオンするので、リセット手段を有するPWM発振手段を構成することができるという効果がある。
【0102】
請求項8の発明は、請求項1において、前記制御回路は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値を所定値にクランプするクランプ回路と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチと、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を前記コンデンサの両端電圧と比較する発振・リセット用コンパレータと、デューティ指令信号と前記コンデンサの両端電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとを備えて、前記コンデンサの充電電圧が前記加極電圧値を超えると前記発振・リセット用コンパレータの出力によって前記放電用スイッチをオンして前記コンデンサを放電させることで、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させると共に、前記PWM発振手段のリセット動作を行うので、PWM発振手段とリセット手段とで1つのコンパレータを兼用することで、回路構成の簡易化を図ることができるという効果がある。
【0103】
請求項9の発明は、請求項8において、前記発振・リセット用コンパレータと放電用スイッチとは、PNP型の第1のトランジスタと、第1のトランジスタのベースをコレクタに接続し、第1のトランジスタのコレクタをベースに接続したNPN型の第2のトランジスタとからなるサイリスタ構成の2つのトランジスタで構成され、前記コンデンサの充電電圧を第1のトランジスタのエミッタに接続し、前記スイッチング素子の両端電圧に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を第2のトランジスタのコレクタに接続し、第1のトランジスタが加極電圧値を前記コンデンサの充電電圧と比較して、第1,第2のトランジスタがオンして前記コンデンサを放電させるので、トランジスタ回路を用いてコンパレータと放電用スイッチを構成することができるという効果がある。
【0104】
請求項10の発明は、請求項7乃至9いずれかにおいて、前記充電手段は、前記コンデンサの充電速度を、前記直流電源の電圧が高い場合に早くし、低い場合に遅くするので、直流電源の電源電圧が高いときにスイッチング素子のスイッチング周波数を上げ、オン時間を短くすることで、スイッチング電流のピークを抑えることができるという効果がある。また、電源電圧の変動による出力変動も抑制することができる。
【0105】
請求項11の発明は、請求項1乃至10いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流の検出値に少なくとも所定ゲインを乗じた補正信号を生成する補正信号生成手段とを備え、前記デューティ指令手段は、前記DC/DC変換回路の出力をフィードバックすることで前記DC/DC変換回路の出力値を指示する出力指令値を生成する出力指令手段と、出力指令値に補正信号を加えた信号をデューティ指令信号とする加算手段とを有するので、出力電流の変動に対する応答性を向上させることができるという効果がある。
【0106】
請求項12の発明は、請求項1乃至11いずれかにおいて、前記DC/DC変換回路の出力電圧を分圧する2つ以上の抵抗の直列回路と、前記抵抗の接続中点にエミッタを接続し、所定電圧にベースを接続したクランプ用トランジスタとを備えて、前記抵抗の接続中点の電圧が所定範囲を超えた場合には前記クランプ用トランジスタのベース−エミッタ間のダイオード特性を利用してエミッタ電圧を前記所定電圧にクランプすることで分圧した電圧値をクランプすると共に、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる信号を前記DC/DC変換回路の出力電圧の電圧判定信号として用い、前記デューティ指令手段は分圧した電圧値に応じてデューティ指令信号を出力するので、抵抗分圧比を下げて、出力電圧検出値のダイナミックレンジを広く取ることで、制御精度やノイズ耐量を上げることができるという効果がある。
【0107】
請求項13の発明は、請求項12において、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる電圧判定信号は、放電灯が点灯しているか否かを判別する点灯判別信号であるので、同一の回路で出力電圧を検出するとともに、放電灯の点灯、消灯を判別することもできるという効果がある。
【0108】
請求項14の発明は、請求項1乃至13いずれかにおいて、直流電源からの入力に直列接続した第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子を介した直流電源からの入力より制御電圧を生成する制御電圧生成手段と、制御電圧にカソードを接続したツェナダイオードと、前記ツェナダイオードのアノードに直列接続した第2のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子を介した前記ツェナダイオードのアノードの電圧によって第1のスイッチング素子のデューティを可変するデューティ可変手段とを有する制御電源部を備え、第1のスイッチング素子がオンしているときのみ第2のスイッチング素子をオンするので、ツェナダイオードの消費電力を低減させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図2】同上の定常状態での動作波形を示す図である。
【図3】同上の初始動状態での動作波形を示す図である。
【図4】同上の消灯状態での動作波形を示す図である。
【図5】本発明の実施形態2の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図6】同上の定常状態での動作波形を示す図である。
【図7】本発明の実施形態3の放電灯点灯装置の第1の構成を示す図である。
【図8】同上の第2の構成を示す図である。
【図9】同上の定常状態での動作波形を示す図である。
【図10】同上の第3の構成を示す図である。
【図11】本発明の実施形態4の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図12】本発明の実施形態5の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図13】(a)同上の充電電流調整回路の第1の構成を示す図である。(b)同上の充電電流調整回路の特性を示す図である。
【図14】(a)同上の充電電流調整回路の第2の構成を示す図である。(b)同上の充電電流調整回路の特性を示す図である。
【図15】本発明の実施形態6の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図16】同上の補正信号生成回路の構成を示す図である。
【図17】本発明の実施形態7の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図18】同上の出力電圧検出回路の構成を示す図である。
【図19】本発明の実施形態8の放電灯点灯装置の構成を示す図である。
【図20】同上の駆動信号の波形を示す図である。
【図21】本発明の実施形態9の放電点灯装置のスイッチング電源の構成を示す図である。
【図22】従来の放電灯点灯装置の第1の構成を示す図である。
【図23】従来の放電灯点灯装置の第2の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 DC/DC変換回路
3 インバータ回路
4 始動回路
5 放電灯
6 出力制御回路
7 PWM信号発生回路
21 トランス
22 スイッチング素子
Claims (14)
- 放電灯と、
前記放電灯を点灯させるための電力を供給する直流電源と、
オン・オフすることで前記直流電源からの入力を導通・遮断するスイッチング素子と、前記スイッチング素子がオンすることで前記直流電源から供給されるエネルギーを蓄え、前記スイッチング素子がオフすることで蓄えたエネルギーを出力側へ放出するインダクタンス素子とを少なくとも有して、前記直流電源からの入力を放電灯が必要としている電力に変換して出力するDC/DC変換回路と、
前記DC/DC変換回路の出力を放電灯の点灯電力に変換して放電灯を点灯させる点灯回路と、
前記スイッチング素子のデューティを指示するデューティ指令信号を出力するデューティ指令手段と、所定の発振周期且つ前記デューティ指令信号が指示するデューティで前記スイッチング素子を駆動するPWM信号を出力するPWM発振手段と、前記スイッチング素子が前記デューティに対応した期間オンしてからオフに移行した後、前記デューティに対応した期間オフしていなくても、前記インダクタンス素子を流れる電流が略ゼロになったときに前記PWM発振手段にリセット信号を出力し、前記PWM発振手段が出力するPWM信号を前記スイッチング素子がオン状態に移行する状態に遷移させるリセット動作を行うリセット手段とを有して、前記DC/DC変換回路の出力を制御する制御回路とを備えることを特徴とする放電灯点灯装置。 - 前記DC/DC変換回路のインダクタンス素子は、少なくとも1次巻線と2次巻線とを有するトランス構造であることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 放電灯のランプ電圧あるいは前記DC/DC変換回路の出力電圧が所定値を超えた場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 放電灯が消灯していることを検出した場合、前記制御回路のリセット手段のリセット信号出力を禁止する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記制御回路のリセット手段は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を所定値と比較するリセット用コンパレータとを備え、前記加極電圧値が所定値以下に低下した場合、前記PWM発振手段へリセット信号を出力することを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記電圧源は、コンデンサと、前記スイッチング素子がオン状態のときは前記コンデンサを前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に対して加極性に充電し、前記スイッチング素子がオフ状態のときは前記コンデンサを所定の時定数で放電させる手段とを備えることを特徴とする請求項5記載の放電灯点灯装置。
- 前記PWM発振手段は、
コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの充電電圧と所定値とを比較する発振用コンパレータと、前記発振用コンパレータによって前記コンデンサの充電電圧が所定値を超えたことが検出されるとオンして前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチとを有して、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させるノコギリ波発生回路と、
デューティ指令信号とノコギリ波形の電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとで構成され、
前記リセット手段はリセット信号を出力することで前記放電用スイッチをオンすることを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。 - 前記制御回路は、前記スイッチング素子の両端電圧を検出する電圧検出手段と、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値を所定値にクランプするクランプ回路と、前記スイッチング素子がオンした直後からオフした後所定の時間が経過するまでの間、所定の電圧を前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に加極する電圧源と、コンデンサと、前記コンデンサを充電する充電手段と、前記コンデンサの電荷を放電させる放電用スイッチと、前記スイッチング素子の両端電圧の検出値に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を前記コンデンサの両端電圧と比較する発振・リセット用コンパレータと、デューティ指令信号と前記コンデンサの両端電圧とを比較した結果をPWM信号として前記スイッチング素子へ出力するPWM用コンパレータとを備えて、前記コンデンサの充電電圧が前記加極電圧値を超えると前記発振・リセット用コンパレータの出力によって前記放電用スイッチをオンして前記コンデンサを放電させることで、前記コンデンサの両端に所定の周期でノコギリ波形の電圧を発生させると共に、前記PWM発振手段のリセット動作を行うことを特徴とする請求項1記載の放電灯点灯装置。
- 前記発振・リセット用コンパレータと放電用スイッチとは、PNP型の第1のトランジスタと、第1のトランジスタのベースをコレクタに接続し、第1のトランジスタのコレクタをベースに接続したNPN型の第2のトランジスタとからなるサイリスタ構成の2つのトランジスタで構成され、前記コンデンサの充電電圧を第1のトランジスタのエミッタに接続し、前記スイッチング素子の両端電圧に前記電圧源の発生電圧を加極した加極電圧値を第2のトランジスタのコレクタに接続し、第1のトランジスタが加極電圧値を前記コンデンサの充電電圧と比較して、第1,第2のトランジスタがオンして前記コンデンサを放電させることを特徴とする請求項8記載の放電灯点灯装置。
- 前記充電手段は、前記コンデンサの充電速度を、前記直流電源の電圧が高い場合に早くし、低い場合に遅くすることを特徴とする請求項7乃至9いずれか記載の放電灯点灯装置。
- 前記DC/DC変換回路の出力電流を検出する電流検出手段と、前記出力電流の検出値に少なくとも所定ゲインを乗じた補正信号を生成する補正信号生成手段とを備え、前記デューティ指令手段は、前記DC/DC変換回路の出力をフィードバックすることで前記DC/DC変換回路の出力値を指示する出力指令値を生成する出力指令手段と、出力指令値に補正信号を加えた信号をデューティ指令信号とする加算手段とを有することを特徴とする請求項1乃至10いずれか記載の放電灯点灯装置。
- 前記DC/DC変換回路の出力電圧を分圧する2つ以上の抵抗の直列回路と、前記抵抗の接続中点にエミッタを接続し、所定電圧にベースを接続したクランプ用トランジスタとを備えて、前記抵抗の接続中点の電圧が所定範囲を超えた場合には前記クランプ用トランジスタのベース−エミッタ間のダイオード特性を利用してエミッタ電圧を前記所定電圧にクランプすることで分圧した電圧値をクランプすると共に、前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる信号を前記DC/DC変換回路の出力電圧の電圧判定信号として用い、前記デューティ指令手段は分圧した電圧値に応じてデューティ指令信号を出力することを特徴とする請求項1乃至11いずれか記載の放電灯点灯装置。
- 前記クランプ用トランジスタのコレクタから得られる電圧判定信号は、放電灯が点灯しているか否かを判別する点灯判別信号であることを特徴とする請求項12記載の放電灯点灯装置。
- 直流電源からの入力に直列接続した第1のスイッチング素子と、第1のスイッチング素子を介した直流電源からの入力より制御電圧を生成する制御電圧生成手段と、制御電圧にカソードを接続したツェナダイオードと、前記ツェナダイオードのアノードに直列接続した第2のスイッチング素子と、第2のスイッチング素子を介した前記ツェナダイオードのアノードの電圧によって第1のスイッチング素子のデューティを可変するデューティ可変手段とを有する制御電源部を備え、第1のスイッチング素子がオンしているときのみ第2のスイッチング素子をオンすることを特徴とする請求項1乃至13いずれか記載の放電灯点灯装置。
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