JP2004085272A - 角質採取シート及び角質撮像方法 - Google Patents

Abstract

【課題】保管中に基材シートがキズついたり取扱中に汚損しても観測時にノイズを生ずることなく、また、専用の観察装置を用いなくても通常の店舗に多く設置されている肌用撮像装置を用いるだけで角質を観察できるようにする。
【解決手段】不透明な基材フィルム（２）の片面に角質採取用粘着部（３）を形成し、反射光で角質を観察するようにしたので、保管中や取扱中に基材フィルム（２）の裏面がキズついたり汚損されることがあっても、そのキズや汚れがノイズとして映し出されることがなく、また、内部照明付肌用撮像装置（４）の撮像ヘッド（５）に形成された観察孔（６）を覆うように貼り付けられる大きさにしたので、その観察孔（６）に貼り付けることによりノイズとなる外光が遮断され、内部照明の照明光により常に同じ条件で角質を撮像できるようなっている。
【選択図】図１

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、皮膚表面から角質を剥がして採取する角質採取シートと、その角質採取シートで採取された角質を撮像する角質撮像方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
皮膚の表面は、基底細胞が老化して形成される角質層で覆われており、この角質層から角質を剥がして観察することにより、皮膚の状態を判断することかできる。
このため、コスメティックサロン（化粧品販売店）などでは、顧客の顔の肌の角質を観察することにより、肌の状態を客観的に判断し、その観察結果に基づいてその顧客に最適な化粧品を推奨することとしている。
【０００３】角質を観察する場合は、粘着部が形成された角質採取シートを皮膚に押し当てて剥がすことにより角質を採取し、これを専用の撮像装置で撮像するのが一般的である（特許第３０６４２３４号、特許第３１４３０４４号、特開平１１−３０９１３２号公報参照）。
【０００４】図５に示す従来の角質採取シート５０は、基材フィルム５１Ａとカバーフィルム５１Ｂが粘着層５２を挟んで接着されると共に、カバーシート５１Ｂに角質採取用粘着部５３となる円形の切欠部が形成され、その粘着部５３に同形の剥離片５４が貼りつけられている。
また、専用の撮像装置５５は、撮像ヘッド５６に撮像素子５７と照明装置５８が内蔵されたカメラ５９と、角質採取用粘着部５３をカメラ５９の撮像ヘッド５６に対峙させて角質採取シート５０を置くことのできるシートホルダ６０が形成されたカメラ台６１からなる。
【０００５】このシートホルダ６０は、エレクトロルミネッセンスのような面状発光体で形成されており、カメラ台６１に配されたスイッチ６２により、カメラ５９の内蔵照明装置５８とシートホルダ６０を切り換えて択一的に発光させることができるようになっている。
【０００６】そして、角質を撮像するときは、角質採取シート５０の剥離片５４を剥がして、角質採取用粘着部５３を肌に押し当てて角質を採取する。
次いで、その角質採取シート５０をカメラ台６１のシートホルダ６０に載せて、カメラ５９をセットし、その撮像ヘッド５６とシートホルダ６０の間に角質採取シート５０を挟みつけて固定した状態で、カメラ５９の内蔵照明装置５８とシートホルダ６０の照明光を選択することにより、採取シート５０で採取された角質を反射光及び透過光を選択して観察できる。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように透過光と反射光の双方で観察する場合、角質採取シート５０は当然のことながら透明であることが要求されるが、保管中に角質採取用粘着部５３の裏面側の基材シート５１Ａがキズついたり取扱中に汚損し、反射光、透過光のいずれで撮像する場合も、キズや汚れがノイズとなるという問題があった。
また、カメラ５９の置き方によっては、その撮像ヘッド５６と角質採取シート５０との間に隙間ができてしまい、外光が撮像されてノイズになってしまうという問題があった。
【０００８】また、化粧品販売店では、比較的小規模のブースで販売しているところでも、角質観察装置の他に、肌用撮像装置などその他の販促用機器を設置しているところが多く、カメラ５９とカメラ台６１からなる角質観察専用の撮像装置５５を設置しようとすると、スペースを別途確保しなければならず、手狭なカウンターがさらに狭くなるという問題があった。
【０００９】そこで本発明は、保管中に基材シートがキズついたり取扱中に汚損しても観測時にノイズを生ずることなく、また、専用の観察装置を用いなくても通常の店舗に多く設置されている肌用撮像装置を用いるだけで角質を観察できるようにすることを技術的課題としている。
【００１０】
【課題を解決するための手段】
この課題を解決するために、請求項１に係る角質採取シートは、不透明な基材フィルムの少なくとも片面に角質採取用粘着部が形成され、その粘着部の大きさが、内部照明付肌用撮像装置の撮像ヘッドに形成された観察孔を覆うように貼り付けられる程度に選定されたことを特徴としている。
【００１１】角質は肌荒れのバロメータであり、採取された角質が大きいほど又は大小混ざって不均一であるほど荒肌であり、小さくて揃っているほど正常な肌であると評価される。
このような観察を行う場合に、発明者の実験によれば、反射光で観察した方が個々の角質の形状を正確に把握できるので評価し易く、透過光では逆光となるために角質が重なっているような場合に個々の角質の形状を観察し難く、また、肌の状態を評価するその他の有益なデータも得られなかった。
【００１２】そこで請求項１の発明では、角質採取シートとして、不透明な基材フィルムに角質採取用粘着部を形成したものを用いて、反射光でのみ角質を観察するようにした。
これにより、保管中や取扱中に基材フィルムの裏面がキズついたり汚損されることがあっても、そのキズや汚れがノイズとして映し出されることがない。
【００１３】そして、請求項２に係る角質撮像方法のように、角質採取シートを皮膚に押し当てて剥がすことにより角質を採取した後、内部照明付肌用撮像装置の撮像ヘッドに形成された観察孔を覆うように角質採取シートの粘着部を貼り付けて肌用撮像装置をオンすれば、採取された角質が内部照明により照射されて、肌を観察するのと同じ要領で角質を観察できるので、肌用観察装置があれば専用の撮像装置も不要になる。
【００１４】この場合に、内部照明付肌用撮像装置の観察孔を覆うように角質採取シートを隙間なく貼り付けることができるので、ノイズとなる外光が遮断されるだけでなく、肌用撮像装置の内部照明の照明光を照射できるので外部の明るさにかかわらず常に同じ条件で角質が撮像される。
【００１５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて具体的に説明する。
図１は本発明に係る角質採取シートを示す説明図、図２は角質採取シートの保管状態を示す説明図，図３は角質撮像方法を示す説明図、図４は角質採取シートの他の実施形態を示す説明図である。
【００１６】図１に示す角質採取シート１は、不透明な基材フィルム２の少なくとも片面に角質採取用粘着部３が形成されてなり、その粘着部３が、内部照明付肌用撮像装置４の撮像ヘッド５に形成された観察孔６に貼付可能な大きさに形成されている。
【００１７】この角質採取シート１は、基材フィルム２として、例えば黒色に着色された厚さ約５０μｍの遮光性の円形ＰＥＴフィルムが用いられ、肌用撮像装置４の撮像ヘッド５に形成された観察孔６の直径が１０ｍｍである場合に基材フィルム２の直径が１５〜２０ｍｍ程度に形成され、その片面全面に粘着剤が塗付されて角質採取用粘着部３が形成されている。
【００１８】肌用撮像装置４は、ドーム型の撮像ヘッド５内に、その先端に開口形成された直径１０ｍｍ程度の観察孔６に向って照明光を照射する照明装置７と、観察孔６を肌に押し当てたときにその肌を拡大撮像するためのレンズ８及びＣＣＤなどの撮像素子９が内蔵されている。
【００１９】なお、角質採取シート１…は例えば約１０ｃｍ×８ｃｍの長方形の剥離紙１０に５×４枚ずつ貼り付けられて２０枚一組で供給され、一枚一枚剥がしながら使用できるようになっている。
【００２０】そして、角質を撮像する場合は、まず、剥離紙１０から角質採取シート１を１枚だけ剥がして（図３（ａ））、角質を観察しようとする顧客の顔など肌荒れが気になる部分に貼り付けた後、これを剥がすことにより角質を採取する（図３（ｂ））。
【００２１】次いで、その角質採取シート１の角質採取用粘着部３を撮像素子９に対向させて、肌用撮像装置４の観察孔６を覆うように粘着部３の周縁を撮像ヘッド５に貼り付け（図３（ｃ））、肌用撮像装置４をオンすることにより、照明装置７の照明光で粘着部３が照明されて角質が撮像される。
【００２２】この場合に、角質採取シート１は、不透明の基材フィルム２が用いられているので、保管中や取扱中に角質採取シート１の裏面がキズついたり汚損されることがあってもこれがノイズとして撮像されることがない。
【００２３】また、角質採取シート１が、撮像ヘッド５の観察孔６を覆うように隙間なく貼り付けられられて外光が遮断されるので、その外光がノイズとして撮像されることがなく、さらに、肌用撮像装置４の内部照明７の照明光が照射されるので外部の明るさにかかわらず常に同じ条件で角質を撮像することができる。
【００２４】なお、角質採取シート１は円形に限るものではないが、肌用撮像装置４の観察孔６が一般的に円形であることから円形が使いやすい。
また、図４に示すように、円形の粘着部３を形成した角質採取シート１に、つまみとなる耳部１１を形成すれば、剥がしたり貼ったりする際の取扱がより便利になる。
さらに、角質採取用粘着部３は基材フィルム２の片面全面に形成されている必要はなく、観察孔６を覆うように貼り付けられる大きさが確保されていれば、基材フィルム２より小さくても良い。
【００２５】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明に係る角質採取シートによれば、不透明の基材フィルムが用いられているので、保管中や取扱中にキズついたり汚損されることがあってもこれがノイズとして撮像されることがなく、また、内部照明付肌用撮像装置の観察孔を覆うように隙間なく貼り付けられて外光が遮断されるので、外光がノイズとして撮像されることがなく、さらに、肌用撮像装置の内部照明の照明光が照射されるので外部の明るさにかかわらず常に同じ条件で角質を撮像することができるという大変優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係る角質採取シートを示す説明図。
【図２】角質採取シートの保管状態を示す説明図。
【図３】角質撮像方法を示す説明図。
【図４】角質採取シートの他の実施形態を示す説明図。
【図５】従来技術を示す説明図。
【符号の説明】
１………角質採取シート
２………基材フィルム
３………角質採取用粘着部
４………内部照明付肌用撮像装置
５………撮像ヘッド
６………観察孔

Claims (2)

1. 不透明な基材フィルムの少なくとも片面に角質採取用粘着部が形成され、その粘着部の大きさが、内部照明付肌用撮像装置の撮像ヘッドに形成された観察孔を覆うように貼り付けられる程度に選定されたことを特徴とする角質採取シート。
2. 不透明な基材シートの少なくとも片面に角質採取用粘着部が形成された角質採取シートを皮膚に押し当てて剥がすことにより角質を採取した後、内部照明付肌用撮像装置の撮像ヘッドに形成された観察孔を覆うように前記粘着部を貼り付けた状態で、該粘着部に付着した角質を撮像することを特徴とする角質撮像方法。

Images