JP2004085212A - 光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法 - Google Patents
光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】検体、例えば体液中の極微量のグルコースを高感度かつ高精度で分析することが可能な光導波路型グルコースセンサを提供する。
【解決手段】基板1と、基板1に接して設けられた第1光導波路層2と、第1光導波路層2に接して、第1光導波路層2の両端部部位に離間して設けられた入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bと、第1光導波路層2に接して、入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bの間に設けられた、第1光導波路層2より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層4と、第2光導波路層4上に接して設けられた酵素及び電荷性の発色試薬を含む機能層8とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】基板1と、基板1に接して設けられた第1光導波路層2と、第1光導波路層2に接して、第1光導波路層2の両端部部位に離間して設けられた入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bと、第1光導波路層2に接して、入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bの間に設けられた、第1光導波路層2より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層4と、第2光導波路層4上に接して設けられた酵素及び電荷性の発色試薬を含む機能層8とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルコースセンサに関し、特に血液等の溶液中のグルコース濃度を測定するための光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平9−61346号公報には平面光導波路型グルコースセンサが開示されている。このグルコースセンサは、基板表面に一対のグレーティング(回折格子)を配置し、一方のグレーティングに光が入射され、もう一方のグレーティングから光が出射される。これらグレーティングに位置する基板表面に単一の光導波路層を形成し、さらにこの光導波路層上に分子認識機能及び情報変換機能を有する膜を形成した構造を有する。
【0003】
このような構造のグルコースセンサにおいて、検体から抽出した血液等に含まれる生体分子を分子認識機能及び情報交換機能を有する膜に接触した状態でレーザ光のような光をグレーティングを通して光導波路層に入射させ、エバネッセント波を発生させ、光導波路層上の膜による血液等に含まれる生体分子との反応に起因するエバネッセント波の変化量をグレーティングから出射される光を受光する受光素子により検出して、血液等に含まれる生体分子を分析する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のグルコースセンサは光導波路層が単層で、ここで発生するエバネッセント波の変化量の検出には感度的に限界があり、また光導波路層上の膜構造から検体から抽出した血液等に含まれる極微量の生体分子分析には不向きであるという問題があった。
【0005】
本発明は、検体から抽出した、例えば体液中の極微量のグルコースを好感度かつ高精度で分析することが可能な光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、基板と、基板に接して設けられた第1光導波路層と、第1光導波路層に接して、第1光導波路層の両端部部位に離間して設けられた入射側グレーティング及び出射側グレーティングと、第1光導波路層に接して、入射側グレーティング及び出射側グレーティングの間に設けられた、第1光導波路層より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層と、第2光導波路層上に接して設けられた酵素及び電荷性の発色試薬を含む機能層とを具備する光導波路型グルコースセンサを提供することにある。
【0007】
また、第2光導波路層を陰極に配線し、電極板を陽極に配線した電源とを更に具備することが好ましい。さらに、電荷性の発色試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−サルフォプロピル)トリジンジナトリウム塩四水和物であることが好ましい。また、酵素にグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ又はムタロターゼを含むことが好ましい。
【0008】
本発明の第1の特徴によれば、第2光導波路層と電極板の間に電界を生じさせることで、電荷性の発色試薬を効率よく第2光導波路層表面に誘引し、この発色試薬の発色に基づく第2光導波路層を伝播する光の極微な変化を、第1光導波路層と第2光導波路層の界面で検出できる。このため、検体から抽出された極微量のグルコースを一層高感度で分析することができる。
【0009】
本発明の第2の特徴は、第1光導波路層より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層上に測定対象となる酵素及び電荷性の発色試薬を含む試料溶液を接触させるステップと、酵素の酵素反応により生成されるラジカル酸素原子により荷電性の発色試薬を発色させるステップと、第2光導波路層の表面側に電界を発生させ、荷電性の発色試薬を第2光導波路層表面に誘引させるステップと、第2光導波路層に裏面側から光を導入し、第2光導波路層表面にエバネッセント波を生じさせ、誘引された荷電性の発色試薬を励起するステップとを有する光導波路型グルコースセンサ測定方法を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の特徴によれば、電荷性の発色試薬を効率よく第2光導波路層表面に誘引し、この発色試薬の発色に基づく第2光導波路層を伝播する光の極微な変化を、第1光導波路層と第2光導波路層の界面で検出できる。このため、検体から抽出された極微量のグルコースを一層高感度で分析することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分は同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る光導波路型グルコースセンサは、図1に示すように、基板1と、基板1に接して設けられた第1光導波路層2と、第1光導波路層2の両端部付近に離間して設けられた入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bと、第1光導波路層2に接して設けられ、入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bの間に位置する第1光導波路層2より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層4と、第2光導波路層4に接して設けられた酵素及び電荷性の発色試薬を含有する機能層8とを備える。さらに、機能層8に接して設けられた多孔質膜9と、入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bを覆うように第1光導波路層2に接して設けられた保護膜5と、保護膜5をさらに覆うように接して設けられた迷光トラッピング層7とを備える。
【0013】
基板1は、例えばホウケイ酸ガラス等からなる。第1光導波路層2は、基板1より高い屈折率を有する材質からなる。入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bは、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化タルタル(Ta2O5)またはポリイミド等の第1光導波路層2より高い屈折率を有する材質からなる。第2光導波路層4は、例えば酸化錫(SnO2)、ITO等の導電性材料からなり、外周が傾斜した形状をしている。酵素及び電荷性の発色試薬を含有する機能層8は、例えば、酸化酵素としてグルコースオキシダーゼ(GOD)、酸化還元酵素としてペルオキシダーゼ(POD)、そしてα−D−グルコースをβ−D−グルコースに転換するためのムタロターゼ等を含有する。また、電荷性の発色試薬として、例えば下記式(1)に示す構造式のようなN,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−サルフォプロピル)トリジンジナトリウム塩四水和物等を含有する。
【化1】
【0014】
さらに、多孔質膜9は、例えば含水ゲル等からなる。保護膜5は、例えばフッ素樹脂等からなる。そして、迷光トラッピング層7は、例えば液晶表示装置に用いられるブラックマトリックス(顔料入りレジスト)等からなる。
【0015】
なお、基板1の屈折率をn1、第1光導波路層2の屈折率をn2、入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bの屈折率をn3、第2光導波路層4の屈折率をn4及び保護膜5の屈折率をn5、とすると、それらの屈折率の大小関係は、n4≧n3>n2>n1>n5となる。
【0016】
次に、図1に示した光導波路型グルコースセンサの製造方法の一例を図2、図3を参照して説明する。
【0017】
(イ)まず、図2(a)に示すように、例えばホウケイ酸ガラスからなる基板1の表面を例えば380〜400℃の硝酸カリウム溶液塩等のイオン交換溶液に浸漬してカリウム、ナトリウム等の高屈折率元素をイオン交換することにより第1光導波路層2を形成する。その後、化学蒸着(CVD)法等を用いて、第1光導波路層2上に例えばTiO2、ZnO、LiNbO3、GaAs、ITO、Ta2O5またはポリイミド等の第1光導波路層2より屈折率の高い材料の層12を形成する。
【0018】
(ロ)次に、図2(b)に示すように、第1光導波路層より屈折率の高い材料の層12をフォトエッチング技術等を用いてパターニングすることにより第1光導波路層2の中央付近に外周が傾斜した形状の第2光導波路層4を形成する。
【0019】
(ハ)次に、例えばCVD法等により、第1光導波路層2の全面に第1光導波路層より屈折率の高い材料の層12を再度形成する。その後、フォトエッチング技術等を用いて第1光導波路層2より屈折率の高い材料の層12をパターニングすることにより、図2(c)に示すように、第1光導波路層2の両端部付近表面上に2つの入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bを形成する。
【0020】
(ニ)次に、入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3b及び第2光導波路層4を含む第1光導波路層2上に、例えば感光性フッ素系樹脂のような入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bに比べて低屈折率を有する材料の被膜をスピン塗布する。つづいて、この被膜に露光、現像処理を施すことにより、図2(d)に示すように、第2光導波路層4の表面に対応する箇所に矩形状の開口部6を有する感光性フッ素系樹脂からなる保護膜5を形成する。
【0021】
(ホ)次に、CVD法や真空蒸着法等により、図3(e)に示すように、保護膜5の表面(開口部6の内面を除く)に例えば液晶表示装置に用いられるブラックマトリックスからなる迷光トラッピング層7を形成する。
【0022】
(ヘ)次に、図3(f)に示すように、保護膜5の開口部6から露出した第2光導波路層4表面部分に酵素及び電荷性の発色試薬を含む機能層8を形成する。具体的には、酵素及び電荷性の発色試薬を溶媒の存在下で例えばゲル等と混合し、このゲル溶液を保護膜5の開口部6から露出した第2光導波路層4表面部分にインクジェット又はスピン塗布する。
【0023】
(ト)次に、保護膜5の開口部6から露出した機能層8上に、例えば有機モノマー、光反応開始剤及びデカン酸メチルのような貧溶媒を含む溶液をスピン塗布し、乾燥させ、光重合させた後、洗浄処理することにより、図3(g)に示すように、多孔質膜9を形成する。
【0024】
(チ)最後に、図3(h)に示すように、電界(例えばパルス状の電界)が印加されるように陽極に電極板101を配線した電源102の陰極を第2光導波路層4に配線することにより図1に示す光導波路型グルコースセンサを製造する。
【0025】
次に、検体100のグルコースの測定方法について説明する。図1に示す光導波路型グルコースセンサの多孔質膜9側に検体100、例えば人体の皮膚の一部を接触させ、さらに検体100の別の部位に電極板101を接触させる。ここで、この多孔質膜9の下方に配置された導電性のある金属酸化物でできた第2光導波路層4と電極板101の間に電源102から所望の電界(例えばパルス状電界)を印加すると、人体の皮膚下のグルコースを含む体液が多孔質膜9を通して機能層8に効率よく抽出される、いわゆる微浸襲作用がなされる。
【0026】
この体液中のグルコースは、機能層8でグルコースオキシダーゼ(GOD)等との酸化酵素反応により過酸化水素(H2O2)を発生させる。さらに過酸化水素からペルオキシダーゼ(POD)等との酸化還元酵素反応によりラジカル酸素原子(O*)が生成される。このラジカル酸素原子により機能層8で発色試薬を発色させる。この反応を模式すると(1)、(2)、(3)のようになる。
グルコース + 酸化酵素(GOD等)→ H2O2 ・・・・(1)
H2O2 + 酸化還元酵素(POD等)→ O* ・・・・(2)
O* + 電荷性の発色試薬 → 発色 ・・・・(3)
【0027】
さらに、機能層8で発色した電荷性の発色試薬は、上述したように第2光導波路層4と電極板101の間に電界が印加されているため、第2光導波路層4側に効率よく誘引される。この結果、エバネッセント波がしみ出す第2光導波路層4表面から約100nmの範囲内に、発色した電荷性の発色試薬を効率良く取り込むことが可能となる。
【0028】
このような状態で、図1に示すように光源21(例えば波長650nmの半導体レーザ)及び受光素子22をそれぞれグルコースセンサの基板1の裏面左側及び右側に配置する。光源21からレーザ光を偏光フィルタ23を通してグルコースセンサの基板1裏面側に入射する。そのレーザ光は基板1を通して入射側グレーティング3aと第1光導波路層2の界面で屈折されて、その第1光導波路層2を伝播される。第1光導波路層2を伝播されるレーザ光は、この第1光導波路層2より高屈折率の第2光導波路層4との界面で2つのモード(TMモード、TEモード)に分割され、TMモードレーザ光は第1光導波路層2を、TEモードレーザ光は第2光導波路層4を伝播する。このとき、機能層8における発色試薬の発色に基づく変化(例えば吸光度変化)により、この機能層8直下の第2光導波路層4を伝播する光の強度が変化する。第1光導波路層2と第2光導波路層4を伝播した光は、受光素子22側端付近において第1光導波路層2と第2光導波路層4の界面で再び結合、干渉するため、第2光導波路層4を伝播する光の強度変化が増幅される。その結果、第2光導波路層4を伝播する光の極微な変化も偏光フィルタ24を通して受光素子22で検出される。
【0029】
したがって、光導波路を第1光導波路層2と第2光導波路層4により構成し、第2光導波路層4と電極板101の間に電界を生じさせることで、検体100(人体の皮膚下)から抽出されたグルコースと酵素との反応による電荷性の発色試薬を効率よく第2光導波路層4表面に誘引し、この発色試薬の発色に基づく第2光導波路層4を伝播する光の極微な変化を、第1光導波路層2と第2光導波路層4の界面で検出できる。このため、検体100から抽出された極微量のグルコースを一層高感度で分析することができる。
【0030】
また、図1に示すように入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bを含む第1光導波路層2上に保護膜5を設けることによって、第1光導波路層2及び入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bに外部圧力が直接加わるのを防止できる。このため、第1光導波路層2及び出射側グレーティング3bに外部圧力が直接加わることに伴う部材の屈折率変化によって、その第1光導波路層2を伝播する光が外部に漏れるのを防止できる。しかも、保護膜5を第1光導波路層2に比べて低屈折率材料で形成することによって、その第1光導波路層2を伝播する光を第1光導波路層2と保護膜5との界面で効果的に全反射させて第1光導波路層2内に封じ込めることができる。このため、第1光導波路層2から光が外部に漏れるのを防止できる。その結果、検体100中の極微量のグルコースをより高感度で分析することが可能となる。
【0031】
さらに、第1光導波路層2を伝播する光が保護膜5との界面から保護膜5側に漏れた場合、迷光トラッピング層7を保護膜5の表面(開口部6の内面を除く)に設けることによって、漏光を迷光トラッピング層7でトラップすることができる。すなわち、第1光導波路層2を伝播する光が保護膜5との界面から保護膜5側に漏れると、保護膜5表面と外界(空気)との屈折率の差により漏光は保護膜5表面で全反射して第2光導波路層4に迷光として入射されるため、前述した検体100中のグルコースの検出感度を低下させる。これに対し、迷光トラッピング層7を保護膜5の表面に設けることによって、漏光が保護膜5表面で全反射することなく迷光トラッピング層7でトラップできる。このため、漏光が第2光導波路層4に迷光として入射するのを防止でき、検体100中のグルコースをより高感度で分析することが可能となる。
【0032】
さらに、機能層8を多孔質膜9で覆うことによって、機能層8に検体100から抽出される溶液(例えば体液)中のグルコース以外の蛋白や血球等の不純物の影響を防止できる。つまり機能層8における酵素とグルコースの酵素反応及び機能層8での発色試薬の発色反応に基づく変化による第2光導波路層4を伝播する光の強度変化に対して作用する外乱を低減できる。したがって、検体100から抽出された体液中の極微量のグルコースをより一層高感度で分析することが可能になる。
【0033】
(その他の実施の形態)
ここで、図1は、微浸襲作用を利用して体液を抽出する場合について示しているが、本発明のその他の実施の形態として、検体100への電界の印加に代えて、検体100への穿刺等によって得られる血液等を直接多孔質膜9上から滴下して分析することも可能である。また、機能層8に代えて、酵素及び電荷性の発色試薬を含むサンプル溶液を用意し、このサンプル溶液を測定時に光導波路型グルコースセンサの開口部6から露出した第2光導波路層4表面部分に導入して分析することも可能であることは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、検体100から抽出される、例えば体液中の極微量のグルコースを高感度かつ高精度で分析することが可能な光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光導波路型グルコースセンサを示す断面図である。
【図2】図1の光導波路型グルコースセンサの製造工程を示す工程断面図である(その1)。
【図3】図1の光導波路型グルコースセンサの製造工程を示す工程断面図である(その2)。
【符号の説明】
1 基板
2 第1光導波路層
3a 入射側グレーティング
3b 出射側グレーティング
4 第2光導波路層
5 保護膜
6 開口部
7 迷光トラッピング層
8 機能層
9 多孔質膜
12 第1光導波路層より屈折率の高い層
21 光源
22 受光素子
23,24 偏光フィルタ
100 検出器
101 電極板
102 電源
【発明の属する技術分野】
本発明は、グルコースセンサに関し、特に血液等の溶液中のグルコース濃度を測定するための光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特開平9−61346号公報には平面光導波路型グルコースセンサが開示されている。このグルコースセンサは、基板表面に一対のグレーティング(回折格子)を配置し、一方のグレーティングに光が入射され、もう一方のグレーティングから光が出射される。これらグレーティングに位置する基板表面に単一の光導波路層を形成し、さらにこの光導波路層上に分子認識機能及び情報変換機能を有する膜を形成した構造を有する。
【0003】
このような構造のグルコースセンサにおいて、検体から抽出した血液等に含まれる生体分子を分子認識機能及び情報交換機能を有する膜に接触した状態でレーザ光のような光をグレーティングを通して光導波路層に入射させ、エバネッセント波を発生させ、光導波路層上の膜による血液等に含まれる生体分子との反応に起因するエバネッセント波の変化量をグレーティングから出射される光を受光する受光素子により検出して、血液等に含まれる生体分子を分析する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来のグルコースセンサは光導波路層が単層で、ここで発生するエバネッセント波の変化量の検出には感度的に限界があり、また光導波路層上の膜構造から検体から抽出した血液等に含まれる極微量の生体分子分析には不向きであるという問題があった。
【0005】
本発明は、検体から抽出した、例えば体液中の極微量のグルコースを好感度かつ高精度で分析することが可能な光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の第1の特徴は、基板と、基板に接して設けられた第1光導波路層と、第1光導波路層に接して、第1光導波路層の両端部部位に離間して設けられた入射側グレーティング及び出射側グレーティングと、第1光導波路層に接して、入射側グレーティング及び出射側グレーティングの間に設けられた、第1光導波路層より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層と、第2光導波路層上に接して設けられた酵素及び電荷性の発色試薬を含む機能層とを具備する光導波路型グルコースセンサを提供することにある。
【0007】
また、第2光導波路層を陰極に配線し、電極板を陽極に配線した電源とを更に具備することが好ましい。さらに、電荷性の発色試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−サルフォプロピル)トリジンジナトリウム塩四水和物であることが好ましい。また、酵素にグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ又はムタロターゼを含むことが好ましい。
【0008】
本発明の第1の特徴によれば、第2光導波路層と電極板の間に電界を生じさせることで、電荷性の発色試薬を効率よく第2光導波路層表面に誘引し、この発色試薬の発色に基づく第2光導波路層を伝播する光の極微な変化を、第1光導波路層と第2光導波路層の界面で検出できる。このため、検体から抽出された極微量のグルコースを一層高感度で分析することができる。
【0009】
本発明の第2の特徴は、第1光導波路層より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層上に測定対象となる酵素及び電荷性の発色試薬を含む試料溶液を接触させるステップと、酵素の酵素反応により生成されるラジカル酸素原子により荷電性の発色試薬を発色させるステップと、第2光導波路層の表面側に電界を発生させ、荷電性の発色試薬を第2光導波路層表面に誘引させるステップと、第2光導波路層に裏面側から光を導入し、第2光導波路層表面にエバネッセント波を生じさせ、誘引された荷電性の発色試薬を励起するステップとを有する光導波路型グルコースセンサ測定方法を提供することにある。
【0010】
本発明の第2の特徴によれば、電荷性の発色試薬を効率よく第2光導波路層表面に誘引し、この発色試薬の発色に基づく第2光導波路層を伝播する光の極微な変化を、第1光導波路層と第2光導波路層の界面で検出できる。このため、検体から抽出された極微量のグルコースを一層高感度で分析することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分は同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。従って、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0012】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態に係る光導波路型グルコースセンサは、図1に示すように、基板1と、基板1に接して設けられた第1光導波路層2と、第1光導波路層2の両端部付近に離間して設けられた入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bと、第1光導波路層2に接して設けられ、入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bの間に位置する第1光導波路層2より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層4と、第2光導波路層4に接して設けられた酵素及び電荷性の発色試薬を含有する機能層8とを備える。さらに、機能層8に接して設けられた多孔質膜9と、入射側グレーティング3a及び出射側グレーティング3bを覆うように第1光導波路層2に接して設けられた保護膜5と、保護膜5をさらに覆うように接して設けられた迷光トラッピング層7とを備える。
【0013】
基板1は、例えばホウケイ酸ガラス等からなる。第1光導波路層2は、基板1より高い屈折率を有する材質からなる。入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bは、例えば酸化チタン(TiO2)、酸化亜鉛(ZnO)、ニオブ酸リチウム(LiNbO3)、ガリウム砒素(GaAs)、インジウム錫酸化物(ITO)、酸化タルタル(Ta2O5)またはポリイミド等の第1光導波路層2より高い屈折率を有する材質からなる。第2光導波路層4は、例えば酸化錫(SnO2)、ITO等の導電性材料からなり、外周が傾斜した形状をしている。酵素及び電荷性の発色試薬を含有する機能層8は、例えば、酸化酵素としてグルコースオキシダーゼ(GOD)、酸化還元酵素としてペルオキシダーゼ(POD)、そしてα−D−グルコースをβ−D−グルコースに転換するためのムタロターゼ等を含有する。また、電荷性の発色試薬として、例えば下記式(1)に示す構造式のようなN,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−サルフォプロピル)トリジンジナトリウム塩四水和物等を含有する。
【化1】
【0014】
さらに、多孔質膜9は、例えば含水ゲル等からなる。保護膜5は、例えばフッ素樹脂等からなる。そして、迷光トラッピング層7は、例えば液晶表示装置に用いられるブラックマトリックス(顔料入りレジスト)等からなる。
【0015】
なお、基板1の屈折率をn1、第1光導波路層2の屈折率をn2、入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bの屈折率をn3、第2光導波路層4の屈折率をn4及び保護膜5の屈折率をn5、とすると、それらの屈折率の大小関係は、n4≧n3>n2>n1>n5となる。
【0016】
次に、図1に示した光導波路型グルコースセンサの製造方法の一例を図2、図3を参照して説明する。
【0017】
(イ)まず、図2(a)に示すように、例えばホウケイ酸ガラスからなる基板1の表面を例えば380〜400℃の硝酸カリウム溶液塩等のイオン交換溶液に浸漬してカリウム、ナトリウム等の高屈折率元素をイオン交換することにより第1光導波路層2を形成する。その後、化学蒸着(CVD)法等を用いて、第1光導波路層2上に例えばTiO2、ZnO、LiNbO3、GaAs、ITO、Ta2O5またはポリイミド等の第1光導波路層2より屈折率の高い材料の層12を形成する。
【0018】
(ロ)次に、図2(b)に示すように、第1光導波路層より屈折率の高い材料の層12をフォトエッチング技術等を用いてパターニングすることにより第1光導波路層2の中央付近に外周が傾斜した形状の第2光導波路層4を形成する。
【0019】
(ハ)次に、例えばCVD法等により、第1光導波路層2の全面に第1光導波路層より屈折率の高い材料の層12を再度形成する。その後、フォトエッチング技術等を用いて第1光導波路層2より屈折率の高い材料の層12をパターニングすることにより、図2(c)に示すように、第1光導波路層2の両端部付近表面上に2つの入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bを形成する。
【0020】
(ニ)次に、入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3b及び第2光導波路層4を含む第1光導波路層2上に、例えば感光性フッ素系樹脂のような入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bに比べて低屈折率を有する材料の被膜をスピン塗布する。つづいて、この被膜に露光、現像処理を施すことにより、図2(d)に示すように、第2光導波路層4の表面に対応する箇所に矩形状の開口部6を有する感光性フッ素系樹脂からなる保護膜5を形成する。
【0021】
(ホ)次に、CVD法や真空蒸着法等により、図3(e)に示すように、保護膜5の表面(開口部6の内面を除く)に例えば液晶表示装置に用いられるブラックマトリックスからなる迷光トラッピング層7を形成する。
【0022】
(ヘ)次に、図3(f)に示すように、保護膜5の開口部6から露出した第2光導波路層4表面部分に酵素及び電荷性の発色試薬を含む機能層8を形成する。具体的には、酵素及び電荷性の発色試薬を溶媒の存在下で例えばゲル等と混合し、このゲル溶液を保護膜5の開口部6から露出した第2光導波路層4表面部分にインクジェット又はスピン塗布する。
【0023】
(ト)次に、保護膜5の開口部6から露出した機能層8上に、例えば有機モノマー、光反応開始剤及びデカン酸メチルのような貧溶媒を含む溶液をスピン塗布し、乾燥させ、光重合させた後、洗浄処理することにより、図3(g)に示すように、多孔質膜9を形成する。
【0024】
(チ)最後に、図3(h)に示すように、電界(例えばパルス状の電界)が印加されるように陽極に電極板101を配線した電源102の陰極を第2光導波路層4に配線することにより図1に示す光導波路型グルコースセンサを製造する。
【0025】
次に、検体100のグルコースの測定方法について説明する。図1に示す光導波路型グルコースセンサの多孔質膜9側に検体100、例えば人体の皮膚の一部を接触させ、さらに検体100の別の部位に電極板101を接触させる。ここで、この多孔質膜9の下方に配置された導電性のある金属酸化物でできた第2光導波路層4と電極板101の間に電源102から所望の電界(例えばパルス状電界)を印加すると、人体の皮膚下のグルコースを含む体液が多孔質膜9を通して機能層8に効率よく抽出される、いわゆる微浸襲作用がなされる。
【0026】
この体液中のグルコースは、機能層8でグルコースオキシダーゼ(GOD)等との酸化酵素反応により過酸化水素(H2O2)を発生させる。さらに過酸化水素からペルオキシダーゼ(POD)等との酸化還元酵素反応によりラジカル酸素原子(O*)が生成される。このラジカル酸素原子により機能層8で発色試薬を発色させる。この反応を模式すると(1)、(2)、(3)のようになる。
グルコース + 酸化酵素(GOD等)→ H2O2 ・・・・(1)
H2O2 + 酸化還元酵素(POD等)→ O* ・・・・(2)
O* + 電荷性の発色試薬 → 発色 ・・・・(3)
【0027】
さらに、機能層8で発色した電荷性の発色試薬は、上述したように第2光導波路層4と電極板101の間に電界が印加されているため、第2光導波路層4側に効率よく誘引される。この結果、エバネッセント波がしみ出す第2光導波路層4表面から約100nmの範囲内に、発色した電荷性の発色試薬を効率良く取り込むことが可能となる。
【0028】
このような状態で、図1に示すように光源21(例えば波長650nmの半導体レーザ)及び受光素子22をそれぞれグルコースセンサの基板1の裏面左側及び右側に配置する。光源21からレーザ光を偏光フィルタ23を通してグルコースセンサの基板1裏面側に入射する。そのレーザ光は基板1を通して入射側グレーティング3aと第1光導波路層2の界面で屈折されて、その第1光導波路層2を伝播される。第1光導波路層2を伝播されるレーザ光は、この第1光導波路層2より高屈折率の第2光導波路層4との界面で2つのモード(TMモード、TEモード)に分割され、TMモードレーザ光は第1光導波路層2を、TEモードレーザ光は第2光導波路層4を伝播する。このとき、機能層8における発色試薬の発色に基づく変化(例えば吸光度変化)により、この機能層8直下の第2光導波路層4を伝播する光の強度が変化する。第1光導波路層2と第2光導波路層4を伝播した光は、受光素子22側端付近において第1光導波路層2と第2光導波路層4の界面で再び結合、干渉するため、第2光導波路層4を伝播する光の強度変化が増幅される。その結果、第2光導波路層4を伝播する光の極微な変化も偏光フィルタ24を通して受光素子22で検出される。
【0029】
したがって、光導波路を第1光導波路層2と第2光導波路層4により構成し、第2光導波路層4と電極板101の間に電界を生じさせることで、検体100(人体の皮膚下)から抽出されたグルコースと酵素との反応による電荷性の発色試薬を効率よく第2光導波路層4表面に誘引し、この発色試薬の発色に基づく第2光導波路層4を伝播する光の極微な変化を、第1光導波路層2と第2光導波路層4の界面で検出できる。このため、検体100から抽出された極微量のグルコースを一層高感度で分析することができる。
【0030】
また、図1に示すように入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bを含む第1光導波路層2上に保護膜5を設けることによって、第1光導波路層2及び入射側グレーティング3aと出射側グレーティング3bに外部圧力が直接加わるのを防止できる。このため、第1光導波路層2及び出射側グレーティング3bに外部圧力が直接加わることに伴う部材の屈折率変化によって、その第1光導波路層2を伝播する光が外部に漏れるのを防止できる。しかも、保護膜5を第1光導波路層2に比べて低屈折率材料で形成することによって、その第1光導波路層2を伝播する光を第1光導波路層2と保護膜5との界面で効果的に全反射させて第1光導波路層2内に封じ込めることができる。このため、第1光導波路層2から光が外部に漏れるのを防止できる。その結果、検体100中の極微量のグルコースをより高感度で分析することが可能となる。
【0031】
さらに、第1光導波路層2を伝播する光が保護膜5との界面から保護膜5側に漏れた場合、迷光トラッピング層7を保護膜5の表面(開口部6の内面を除く)に設けることによって、漏光を迷光トラッピング層7でトラップすることができる。すなわち、第1光導波路層2を伝播する光が保護膜5との界面から保護膜5側に漏れると、保護膜5表面と外界(空気)との屈折率の差により漏光は保護膜5表面で全反射して第2光導波路層4に迷光として入射されるため、前述した検体100中のグルコースの検出感度を低下させる。これに対し、迷光トラッピング層7を保護膜5の表面に設けることによって、漏光が保護膜5表面で全反射することなく迷光トラッピング層7でトラップできる。このため、漏光が第2光導波路層4に迷光として入射するのを防止でき、検体100中のグルコースをより高感度で分析することが可能となる。
【0032】
さらに、機能層8を多孔質膜9で覆うことによって、機能層8に検体100から抽出される溶液(例えば体液)中のグルコース以外の蛋白や血球等の不純物の影響を防止できる。つまり機能層8における酵素とグルコースの酵素反応及び機能層8での発色試薬の発色反応に基づく変化による第2光導波路層4を伝播する光の強度変化に対して作用する外乱を低減できる。したがって、検体100から抽出された体液中の極微量のグルコースをより一層高感度で分析することが可能になる。
【0033】
(その他の実施の形態)
ここで、図1は、微浸襲作用を利用して体液を抽出する場合について示しているが、本発明のその他の実施の形態として、検体100への電界の印加に代えて、検体100への穿刺等によって得られる血液等を直接多孔質膜9上から滴下して分析することも可能である。また、機能層8に代えて、酵素及び電荷性の発色試薬を含むサンプル溶液を用意し、このサンプル溶液を測定時に光導波路型グルコースセンサの開口部6から露出した第2光導波路層4表面部分に導入して分析することも可能であることは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
【0034】
【発明の効果】
本発明によれば、検体100から抽出される、例えば体液中の極微量のグルコースを高感度かつ高精度で分析することが可能な光導波路型グルコースセンサ及び光導波路型グルコースセンサ測定方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る光導波路型グルコースセンサを示す断面図である。
【図2】図1の光導波路型グルコースセンサの製造工程を示す工程断面図である(その1)。
【図3】図1の光導波路型グルコースセンサの製造工程を示す工程断面図である(その2)。
【符号の説明】
1 基板
2 第1光導波路層
3a 入射側グレーティング
3b 出射側グレーティング
4 第2光導波路層
5 保護膜
6 開口部
7 迷光トラッピング層
8 機能層
9 多孔質膜
12 第1光導波路層より屈折率の高い層
21 光源
22 受光素子
23,24 偏光フィルタ
100 検出器
101 電極板
102 電源
Claims (8)
- 基板と、
前記基板に接して設けられた第1光導波路層と、
前記第1光導波路層に接して、前記第1光導波路層の両端部部位に離間して設けられた入射側グレーティング及び出射側グレーティングと、
前記第1光導波路層に接して、前記入射側グレーティング及び前記出射側グレーティングの間に設けられた、前記第1光導波路層より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層と、
前記第2光導波路層上に接して設けられた酵素及び電荷性の発色試薬を含む機能層
とを具備することを特徴とする光導波路型グルコースセンサ。 - 前記第2光導波路層を陰極に配線し、電極板を陽極に配線した電源とを更に具備することを特徴とする請求項1に記載の光導波路型グルコースセンサ。
- 前記電荷性の発色試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−サルフォプロピル)トリジンジナトリウム塩四水和物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路型グルコースセンサ。
- 前記酵素にグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ又はムタロターゼを含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の光導波路型グルコースセンサ。
- 前記機能層に接して設けられた多孔質膜を更に具備することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の光導波路型グルコースセンサ。
- 第1光導波路層より高屈折率を有し、導電性材料からなる第2光導波路層上に測定対象となる酵素及び電荷性の発色試薬を含む試料溶液を接触させるステップと、
前記酵素の酵素反応により生成されるラジカル酸素原子により前記荷電性の発色試薬を発色させるステップと、
前記第2光導波路層の表面側に電界を発生させ、前記荷電性の発色試薬を前記第2光導波路層表面に誘引させるステップと、
前記第2光導波路層に裏面側から光を導入し、前記第2光導波路層表面にエバネッセント波を生じさせ、前記誘引された荷電性の発色試薬を励起するステップ
とを有することを特徴とする光導波路型グルコースセンサ測定方法。 - 前記電荷性の発色試薬が、N,N−ビス(2−ヒドロキシ−3−サルフォプロピル)トリジンジナトリウム塩四水和物であることを特徴とする請求項6に記載の光導波路型グルコースセンサ測定方法。
- 前記酵素にグルコースオキシダーゼ、ペルオキシダーゼ又はムタロターゼを含むことを特徴とする請求項6に記載の光導波路型グルコースセンサ測定方法。
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