JP2004085089A - ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時並びに緊急開放指令出力時に、それぞれに見合った適切な速度で脱硫バイパスダンパを開放させ、排ガスを脱硫バイパスラインへ逃がすことができ、脱硫装置の昇温や昇圧に伴う弊害を回避しつつ、ボイラ本体の火炉圧変動を抑制し得、ボイラトリップに到ることを防止し得るボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置を提供する。
【解決手段】脱硫バイパスライン8途中に設けられる脱硫バイパスダンパ9を複数枚の羽根9a,9b,9cが並列配置されるものとし、そのうちの羽根9bの開閉速度を遅くし、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時には、開閉速度を遅くした羽根9bを開いた後、残りの羽根9a,9cを開く一方、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12出力時には、全ての羽根9a,9b,9cを同時に開くよう構成する。
【選択図】 図1
【解決手段】脱硫バイパスライン8途中に設けられる脱硫バイパスダンパ9を複数枚の羽根9a,9b,9cが並列配置されるものとし、そのうちの羽根9bの開閉速度を遅くし、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時には、開閉速度を遅くした羽根9bを開いた後、残りの羽根9a,9cを開く一方、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12出力時には、全ての羽根9a,9b,9cを同時に開くよう構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石炭等の硫黄分を含む燃料が使用され、硫黄酸化物を含む排ガスが排出されるボイラプラントにおいては、排ガスから硫黄酸化物を除去するための脱硫装置が設けられる。
【0003】
図2は斯かる従来のボイラプラントの排ガス系統の一例を表わすものであって、1は石炭等の燃料を燃焼させた熱により蒸気を発生させ且つ硫黄酸化物を含む排ガスが排出されるボイラ本体、2はボイラ本体1から排出される排ガスの排ガスライン、3は排ガスライン2途中に設けられ且つボイラ本体1から排出される排ガスを誘引する誘引通風機(IDF)、4は誘引通風機3より下流側の排ガスライン2途中に配設され且つ前記排ガスから硫黄酸化物を除去するための脱硫装置、5は脱硫装置4で硫黄酸化物が除去され温度降下した排ガスを脱硫装置4の上流側の高温の排ガスの熱によって再加熱するためのガスガスヒータ、6は脱硫装置4より上流側で且つガスガスヒータ5より上流側の排ガスライン2途中に設けられた脱硫入口ダンパ、7は脱硫装置4より下流側で且つガスガスヒータ5より下流側の排ガスライン2途中に設けられた脱硫出口ダンパ、8は誘引通風機3と脱硫入口ダンパ6との間の排ガスライン2途中から分岐し且つ脱硫出口ダンパ7より下流側の排ガスライン2途中に接続される脱硫バイパスライン、9は脱硫バイパスライン8途中に設けられた脱硫バイパスダンパ、10は排ガスを大気中へ放出するための煙突である。
【0004】
前述の如き従来のボイラプラントの排ガス系統の場合、基本的には、脱硫バイパスダンパ9は閉じており、ボイラ本体1から排出される排ガスは、誘引通風機3の作動により排ガスライン2を通って脱硫装置4へ導入され、該脱硫装置4において脱硫が行われた後、ガスガスヒータ5において前記脱硫装置4の上流側の高温の排ガスの熱によって再加熱され、煙突10から大気へ放出されるようになっている。
【0005】
尚、前記脱硫装置4で硫黄酸化物が除去された排ガスは、通常、およそ50℃前後まで温度降下し飽和状態となっており、この脱硫後の排ガスをそのまま煙突10から大気中へ放出すると、白煙が発生するため、前記ガスガスヒータ5を用いて前記脱硫装置4から排出される排ガスを再加熱するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、脱硫装置4の吸収塔の循環ポンプ(図示せず)が停止したような場合、高温のガスが吸収塔のミストエリミネータに直接触れ、該ミストエリミネータが溶損してしまう可能性がある。又、オペレーションミスにより脱硫装置4の脱硫入口ダンパ6や脱硫出口ダンパ7が閉じてしまったり、或いはガスガスヒータ5がトリップしたような場合、ボイラ本体1から排出される排ガスの逃げ場がなくなって、脱硫系統の入側の圧力が極めて高くなる虞がある。このため、前述の如き緊急時には、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令を出力し、該脱硫バイパスダンパ9を速やかに開いて高温の排ガスを脱硫バイパスライン8へ逃がすことにより、脱硫装置4の昇温や昇圧に伴う弊害を避ける必要がある。尚、前記脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令が出力される緊急時以外においても、例えば、全燃料停止(MFT:Master Fuel Trip)等の場合には、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令が出力され、該脱硫バイパスダンパ9を開く操作が行われる。
【0007】
ここで、仮に脱硫装置4の下流側に脱硫通風機(BUF)を設けてあれば、該脱硫通風機によって脱硫装置4の下流側における圧力損失分は負担され、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間で差圧が略ゼロとなっているため、脱硫バイパスダンパ9を急激に開いてもさほど問題はない。
【0008】
しかしながら、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間に、前記脱硫装置4の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じており、この状態で、脱硫バイパスダンパ9を急激に開くと、前記圧力差が急激になくなり、その際に生じる圧力変動がもろに誘引通風機3に伝わって、該誘引通風機3の圧力調整が追いつかなくなり、ボイラ本体1の火炉圧が大きく変動し、ボイラトリップに到る虞があった。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時並びに緊急開放指令出力時に、それぞれに見合った適切な速度で脱硫バイパスダンパを開放させ、排ガスを脱硫バイパスラインへ逃がすことができ、脱硫装置の昇温や昇圧に伴う弊害を回避しつつ、ボイラ本体の火炉圧変動を抑制し得、ボイラトリップに到ることを防止し得るボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ボイラの排ガスライン途中に誘引通風機と脱硫装置とを設け、誘引通風機と脱硫装置との間の排ガスライン途中から分岐し且つ脱硫装置の下流側の排ガスライン途中に接続される脱硫バイパスラインを設け、該脱硫バイパスライン途中に脱硫バイパスダンパを設けてなるボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置であって、
脱硫バイパスダンパを複数枚の羽根が並列配置されるものとし、該複数枚の羽根のうち所定の羽根の開閉速度を遅くし、脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時には、開閉速度を遅くした羽根を開いた後、残りの羽根を開く一方、脱硫バイパスダンパの緊急開放指令出力時には、全ての羽根を同時に開くよう構成したことを特徴とするボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置にかかるものである。
【0011】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0012】
脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時に、開閉速度を遅くした羽根を開いた後、残りの羽根を開くようにすると、先ず初めに、開閉速度を遅くした羽根がゆっくりと開放され、続いて、開閉速度を遅くしていない羽根が速やかに開放される形となり、ボイラ本体から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスラインの流路断面の一部から徐々に逃がされて行き、続いて脱硫バイパスラインの流路断面全部から逃がされるため、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパの入側と出側との間に、脱硫装置の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパを急激に開くのとは異なり、前記圧力差が緩やかになくなって行き、ボイラ本体の火炉圧の変動が抑えられ、負担がかからなくなる。
【0013】
一方、脱硫バイパスダンパの緊急開放指令出力時に、全ての羽根を同時に開くようにすると、開閉速度を遅くしていない羽根が速やかに開放されると共に、開閉速度を遅くした羽根がゆっくりと開放される形となり、ボイラ本体から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスラインの流路断面の一部から迅速に逃がされ、続いて脱硫バイパスラインの流路断面全部から徐々に逃がされて行くため、脱硫装置の昇温や昇圧に伴う弊害を避けることが可能となり、しかも、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパの入側と出側との間に、脱硫装置の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパを急激に開くのとは異なり、前記圧力差が急激になくならず、その際に生じる圧力変動がもろに誘引通風機に伝わらなくなって、該誘引通風機の圧力調整が追従可能となり、ボイラ本体の火炉圧が大きく変動せず、ボイラトリップに到る心配がなくなる。
【0014】
前記ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置においては、脱硫バイパスダンパの羽根の駆動系に流体圧シリンダを用いることができる。
【0015】
又、前記ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置においては、脱硫バイパスダンパの羽根の駆動系に電動モータを用いることもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】
図1は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図2と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図2に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示す如く、脱硫バイパスライン8途中に設けられる脱硫バイパスダンパ9を複数枚(図の例では三枚)の羽根9a,9b,9cが並列配置されるものとし、該複数枚の羽根9a,9b,9cのうち所定の羽根9b(図の例では三枚のうち中央に位置する一枚の羽根9b)の開閉速度を遅くし、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時には、開閉速度を遅くした羽根9bを開いた後、残りの羽根9a,9cを開く一方、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12出力時には、全ての羽根9a,9b,9cを同時に開くよう構成した点にある。
【0018】
本図示例の場合、脱硫バイパスダンパ9の羽根9a,9b,9cの駆動系には、エアシリンダ等の流体圧シリンダ14a,14b,14cを用い、該流体圧シリンダ14a,14b,14cのヘッド側室15a,15b,15cに対し、圧力源17からの圧縮空気等の流体を、電磁切換弁18a,18b,18cの切り換えによって供給することにより羽根9a,9b,9cが閉じ、又、流体圧シリンダ14a,14b,14cのロッド側室16a,16b,16cに対し、圧力源17からの圧縮空気等の流体を、電磁切換弁18a,18b,18cの切り換えによって供給することにより羽根9a,9b,9cが開くようにしてある。
【0019】
前記電磁切換弁18bと流体圧シリンダ14bとをつなぐ流体ライン途中には、該電磁切換弁18b側から流体圧シリンダ14b側への流体の流れのみを遅延させるスピードコントローラ19を設け、該スピードコントローラ19の作動により、流体圧シリンダ14bの駆動速度を遅くし、三枚のうち中央に位置する一枚の羽根9bの開閉速度を遅くするようにしてある。
【0020】
一方、前記羽根9aを開く側のポジションに電磁切換弁18aを切り換えるための制御系としては、
全燃料停止等の場合に出力される通常開放指令11が入力された場合に、予め設定した時間遅れt(例えば、50[sec])を生じさせて該通常開放指令11を出力するオンディレイタイマ20aと、
該オンディレイタイマ20aから出力される通常開放指令11と、脱硫系統の入側の圧力や温度が極めて高くなった場合等に出力される緊急開放指令12とが入力され、それらの論理和信号を電磁切換弁18aの切換信号21aとして出力するOR回路22aとを備え、
又、前記羽根9bを開く側のポジションに電磁切換弁18bを切り換えるための制御系としては、
前記通常開放指令11と前記緊急開放指令12とが入力され、それらの論理和信号を電磁切換弁18bの切換信号21bとして出力するOR回路22bを備え、
更に又、前記羽根9cを開く側のポジションに電磁切換弁18cを切り換えるための制御系としては、
通常開放指令11が入力された場合に、予め設定した時間遅れt(例えば、50[sec])を生じさせて該通常開放指令11を出力するオンディレイタイマ20cと、
該オンディレイタイマ20cから出力される通常開放指令11と、前記緊急開放指令12とが入力され、それらの論理和信号を電磁切換弁18cの切換信号21cとして出力するOR回路22cとを備え、
これにより、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時には、開閉速度を遅くした羽根9bを電磁切換弁18bの切換によって開いた後、前記時間遅れt(例えば、50[sec])を生じさせて、残りの羽根9a,9cを電磁切換弁18a,18cの切換によって開く一方、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12出力時には、全ての羽根9a,9b,9cを電磁切換弁18a,18b,18cの切換によって同時に開くようにしてある。
【0021】
尚、脱硫バイパスダンパ9の閉鎖指令13が出力された場合、前記電磁切換弁18a,18cは、羽根9a,9cを閉じる側のポジションに切り換えられる一方、前記電磁切換弁18bは、オンディレイタイマ20bに予め設定された時間遅れt’(例えば、6[sec])経過後に、羽根9bを閉じる側のポジションに切り換えられるようにしてある。
【0022】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0023】
全燃料停止等の場合に脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11が出力されると、先ず初めに、OR回路22bから出力される切換信号21bによって電磁切換弁18bが羽根9bを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体がスピードコントローラ19を介して流体圧シリンダ14bのヘッド側室15bに供給され、開閉速度を遅くした羽根9bがゆっくりと開放され、続いて、オンディレイタイマ20a,20cに予め設定された時間遅れt(例えば、50[sec])経過後にOR回路22a,22cから出力される切換信号21a,21cによって電磁切換弁18a,18cが羽根9a,9cを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体が流体圧シリンダ14a,14cのヘッド側室15a,15cに供給され、開閉速度を遅くしていない羽根9a,9cが速やかに開放される形となり、図2に示すボイラ本体1から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスライン8の流路断面の一部(本図示例では全体の1/3の流路断面)から徐々に逃がされて行き、続いて脱硫バイパスライン8の流路断面全部から逃がされるため、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間に、脱硫装置4の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパ9を急激に開くのとは異なり、前記圧力差が緩やかになくなって行き、ボイラ本体1の火炉圧の変動が抑えられ、負担がかからなくなる。
【0024】
一方、脱硫系統の入側の圧力や温度が極めて高くなった場合等に脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12が出力されると、OR回路22a,22cから出力される切換信号21a,21cによって電磁切換弁18a,18cが羽根9a,9cを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体が流体圧シリンダ14a,14cのヘッド側室15a,15cに供給され、開閉速度を遅くしていない羽根9a,9cが速やかに開放されると共に、OR回路22bから出力される切換信号21bによって電磁切換弁18bが羽根9bを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体がスピードコントローラ19を介して流体圧シリンダ14bのヘッド側室15bに供給され、開閉速度を遅くした羽根9bがゆっくりと開放される形となり、前記ボイラ本体1から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスライン8の流路断面の一部(本図示例では全体の2/3の流路断面)から迅速に逃がされ、続いて脱硫バイパスライン8の流路断面全部から徐々に逃がされて行くため、脱硫装置4の昇温や昇圧に伴う弊害を避けることが可能となり、しかも、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間に、脱硫装置4の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパ9を急激に開くのとは異なり、前記圧力差が急激になくならず、その際に生じる圧力変動がもろに誘引通風機3に伝わらなくなって、該誘引通風機3の圧力調整が追従可能となり、ボイラ本体1の火炉圧が大きく変動せず、ボイラトリップに到る心配がなくなる。
【0025】
こうして、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時並びに緊急開放指令12出力時に、それぞれに見合った適切な速度で脱硫バイパスダンパ9を開放させ、排ガスを脱硫バイパスライン8へ逃がすことができ、脱硫装置4の昇温や昇圧に伴う弊害を回避しつつ、ボイラ本体1の火炉圧変動を抑制し得、ボイラトリップに到ることを防止し得る。
【0026】
尚、本発明のボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、脱硫バイパスダンパ9の羽根9a,9b,9cの駆動系には、流体圧シリンダ14a,14b,14cの代りに駆動速度可変の電動モータを用いることも可能であること等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置によれば、脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時並びに緊急開放指令出力時に、それぞれに見合った適切な速度で脱硫バイパスダンパを開放させ、排ガスを脱硫バイパスラインへ逃がすことができ、脱硫装置の昇温や昇圧に伴う弊害を回避しつつ、ボイラ本体の火炉圧変動を抑制し得、ボイラトリップに到ることを防止し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の回路図である。
【図2】従来例の全体概要構成図である。
【符号の説明】
1 ボイラ本体
2 排ガスライン
3 誘引通風機
4 脱硫装置
5 ガスガスヒータ
6 脱硫入口ダンパ
7 脱硫出口ダンパ
8 脱硫バイパスライン
9 脱硫バイパスダンパ
9a 羽根
9b 羽根
9c 羽根
11 通常開放指令
12 緊急開放指令
14a 流体圧シリンダ
14b 流体圧シリンダ
14c 流体圧シリンダ
18a 電磁切換弁
18b 電磁切換弁
18c 電磁切換弁
19 スピードコントローラ
20a オンディレイタイマ
20c オンディレイタイマ
t 時間遅れ
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、石炭等の硫黄分を含む燃料が使用され、硫黄酸化物を含む排ガスが排出されるボイラプラントにおいては、排ガスから硫黄酸化物を除去するための脱硫装置が設けられる。
【0003】
図2は斯かる従来のボイラプラントの排ガス系統の一例を表わすものであって、1は石炭等の燃料を燃焼させた熱により蒸気を発生させ且つ硫黄酸化物を含む排ガスが排出されるボイラ本体、2はボイラ本体1から排出される排ガスの排ガスライン、3は排ガスライン2途中に設けられ且つボイラ本体1から排出される排ガスを誘引する誘引通風機(IDF)、4は誘引通風機3より下流側の排ガスライン2途中に配設され且つ前記排ガスから硫黄酸化物を除去するための脱硫装置、5は脱硫装置4で硫黄酸化物が除去され温度降下した排ガスを脱硫装置4の上流側の高温の排ガスの熱によって再加熱するためのガスガスヒータ、6は脱硫装置4より上流側で且つガスガスヒータ5より上流側の排ガスライン2途中に設けられた脱硫入口ダンパ、7は脱硫装置4より下流側で且つガスガスヒータ5より下流側の排ガスライン2途中に設けられた脱硫出口ダンパ、8は誘引通風機3と脱硫入口ダンパ6との間の排ガスライン2途中から分岐し且つ脱硫出口ダンパ7より下流側の排ガスライン2途中に接続される脱硫バイパスライン、9は脱硫バイパスライン8途中に設けられた脱硫バイパスダンパ、10は排ガスを大気中へ放出するための煙突である。
【0004】
前述の如き従来のボイラプラントの排ガス系統の場合、基本的には、脱硫バイパスダンパ9は閉じており、ボイラ本体1から排出される排ガスは、誘引通風機3の作動により排ガスライン2を通って脱硫装置4へ導入され、該脱硫装置4において脱硫が行われた後、ガスガスヒータ5において前記脱硫装置4の上流側の高温の排ガスの熱によって再加熱され、煙突10から大気へ放出されるようになっている。
【0005】
尚、前記脱硫装置4で硫黄酸化物が除去された排ガスは、通常、およそ50℃前後まで温度降下し飽和状態となっており、この脱硫後の排ガスをそのまま煙突10から大気中へ放出すると、白煙が発生するため、前記ガスガスヒータ5を用いて前記脱硫装置4から排出される排ガスを再加熱するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、例えば、脱硫装置4の吸収塔の循環ポンプ(図示せず)が停止したような場合、高温のガスが吸収塔のミストエリミネータに直接触れ、該ミストエリミネータが溶損してしまう可能性がある。又、オペレーションミスにより脱硫装置4の脱硫入口ダンパ6や脱硫出口ダンパ7が閉じてしまったり、或いはガスガスヒータ5がトリップしたような場合、ボイラ本体1から排出される排ガスの逃げ場がなくなって、脱硫系統の入側の圧力が極めて高くなる虞がある。このため、前述の如き緊急時には、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令を出力し、該脱硫バイパスダンパ9を速やかに開いて高温の排ガスを脱硫バイパスライン8へ逃がすことにより、脱硫装置4の昇温や昇圧に伴う弊害を避ける必要がある。尚、前記脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令が出力される緊急時以外においても、例えば、全燃料停止(MFT:Master Fuel Trip)等の場合には、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令が出力され、該脱硫バイパスダンパ9を開く操作が行われる。
【0007】
ここで、仮に脱硫装置4の下流側に脱硫通風機(BUF)を設けてあれば、該脱硫通風機によって脱硫装置4の下流側における圧力損失分は負担され、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間で差圧が略ゼロとなっているため、脱硫バイパスダンパ9を急激に開いてもさほど問題はない。
【0008】
しかしながら、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間に、前記脱硫装置4の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じており、この状態で、脱硫バイパスダンパ9を急激に開くと、前記圧力差が急激になくなり、その際に生じる圧力変動がもろに誘引通風機3に伝わって、該誘引通風機3の圧力調整が追いつかなくなり、ボイラ本体1の火炉圧が大きく変動し、ボイラトリップに到る虞があった。
【0009】
本発明は、斯かる実情に鑑み、脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時並びに緊急開放指令出力時に、それぞれに見合った適切な速度で脱硫バイパスダンパを開放させ、排ガスを脱硫バイパスラインへ逃がすことができ、脱硫装置の昇温や昇圧に伴う弊害を回避しつつ、ボイラ本体の火炉圧変動を抑制し得、ボイラトリップに到ることを防止し得るボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置を提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ボイラの排ガスライン途中に誘引通風機と脱硫装置とを設け、誘引通風機と脱硫装置との間の排ガスライン途中から分岐し且つ脱硫装置の下流側の排ガスライン途中に接続される脱硫バイパスラインを設け、該脱硫バイパスライン途中に脱硫バイパスダンパを設けてなるボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置であって、
脱硫バイパスダンパを複数枚の羽根が並列配置されるものとし、該複数枚の羽根のうち所定の羽根の開閉速度を遅くし、脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時には、開閉速度を遅くした羽根を開いた後、残りの羽根を開く一方、脱硫バイパスダンパの緊急開放指令出力時には、全ての羽根を同時に開くよう構成したことを特徴とするボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置にかかるものである。
【0011】
上記手段によれば、以下のような作用が得られる。
【0012】
脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時に、開閉速度を遅くした羽根を開いた後、残りの羽根を開くようにすると、先ず初めに、開閉速度を遅くした羽根がゆっくりと開放され、続いて、開閉速度を遅くしていない羽根が速やかに開放される形となり、ボイラ本体から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスラインの流路断面の一部から徐々に逃がされて行き、続いて脱硫バイパスラインの流路断面全部から逃がされるため、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパの入側と出側との間に、脱硫装置の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパを急激に開くのとは異なり、前記圧力差が緩やかになくなって行き、ボイラ本体の火炉圧の変動が抑えられ、負担がかからなくなる。
【0013】
一方、脱硫バイパスダンパの緊急開放指令出力時に、全ての羽根を同時に開くようにすると、開閉速度を遅くしていない羽根が速やかに開放されると共に、開閉速度を遅くした羽根がゆっくりと開放される形となり、ボイラ本体から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスラインの流路断面の一部から迅速に逃がされ、続いて脱硫バイパスラインの流路断面全部から徐々に逃がされて行くため、脱硫装置の昇温や昇圧に伴う弊害を避けることが可能となり、しかも、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパの入側と出側との間に、脱硫装置の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパを急激に開くのとは異なり、前記圧力差が急激になくならず、その際に生じる圧力変動がもろに誘引通風機に伝わらなくなって、該誘引通風機の圧力調整が追従可能となり、ボイラ本体の火炉圧が大きく変動せず、ボイラトリップに到る心配がなくなる。
【0014】
前記ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置においては、脱硫バイパスダンパの羽根の駆動系に流体圧シリンダを用いることができる。
【0015】
又、前記ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置においては、脱硫バイパスダンパの羽根の駆動系に電動モータを用いることもできる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
【0017】
図1は本発明を実施する形態の一例であって、図中、図2と同一の符号を付した部分は同一物を表わしており、基本的な構成は図2に示す従来のものと同様であるが、本図示例の特徴とするところは、図1に示す如く、脱硫バイパスライン8途中に設けられる脱硫バイパスダンパ9を複数枚(図の例では三枚)の羽根9a,9b,9cが並列配置されるものとし、該複数枚の羽根9a,9b,9cのうち所定の羽根9b(図の例では三枚のうち中央に位置する一枚の羽根9b)の開閉速度を遅くし、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時には、開閉速度を遅くした羽根9bを開いた後、残りの羽根9a,9cを開く一方、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12出力時には、全ての羽根9a,9b,9cを同時に開くよう構成した点にある。
【0018】
本図示例の場合、脱硫バイパスダンパ9の羽根9a,9b,9cの駆動系には、エアシリンダ等の流体圧シリンダ14a,14b,14cを用い、該流体圧シリンダ14a,14b,14cのヘッド側室15a,15b,15cに対し、圧力源17からの圧縮空気等の流体を、電磁切換弁18a,18b,18cの切り換えによって供給することにより羽根9a,9b,9cが閉じ、又、流体圧シリンダ14a,14b,14cのロッド側室16a,16b,16cに対し、圧力源17からの圧縮空気等の流体を、電磁切換弁18a,18b,18cの切り換えによって供給することにより羽根9a,9b,9cが開くようにしてある。
【0019】
前記電磁切換弁18bと流体圧シリンダ14bとをつなぐ流体ライン途中には、該電磁切換弁18b側から流体圧シリンダ14b側への流体の流れのみを遅延させるスピードコントローラ19を設け、該スピードコントローラ19の作動により、流体圧シリンダ14bの駆動速度を遅くし、三枚のうち中央に位置する一枚の羽根9bの開閉速度を遅くするようにしてある。
【0020】
一方、前記羽根9aを開く側のポジションに電磁切換弁18aを切り換えるための制御系としては、
全燃料停止等の場合に出力される通常開放指令11が入力された場合に、予め設定した時間遅れt(例えば、50[sec])を生じさせて該通常開放指令11を出力するオンディレイタイマ20aと、
該オンディレイタイマ20aから出力される通常開放指令11と、脱硫系統の入側の圧力や温度が極めて高くなった場合等に出力される緊急開放指令12とが入力され、それらの論理和信号を電磁切換弁18aの切換信号21aとして出力するOR回路22aとを備え、
又、前記羽根9bを開く側のポジションに電磁切換弁18bを切り換えるための制御系としては、
前記通常開放指令11と前記緊急開放指令12とが入力され、それらの論理和信号を電磁切換弁18bの切換信号21bとして出力するOR回路22bを備え、
更に又、前記羽根9cを開く側のポジションに電磁切換弁18cを切り換えるための制御系としては、
通常開放指令11が入力された場合に、予め設定した時間遅れt(例えば、50[sec])を生じさせて該通常開放指令11を出力するオンディレイタイマ20cと、
該オンディレイタイマ20cから出力される通常開放指令11と、前記緊急開放指令12とが入力され、それらの論理和信号を電磁切換弁18cの切換信号21cとして出力するOR回路22cとを備え、
これにより、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時には、開閉速度を遅くした羽根9bを電磁切換弁18bの切換によって開いた後、前記時間遅れt(例えば、50[sec])を生じさせて、残りの羽根9a,9cを電磁切換弁18a,18cの切換によって開く一方、脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12出力時には、全ての羽根9a,9b,9cを電磁切換弁18a,18b,18cの切換によって同時に開くようにしてある。
【0021】
尚、脱硫バイパスダンパ9の閉鎖指令13が出力された場合、前記電磁切換弁18a,18cは、羽根9a,9cを閉じる側のポジションに切り換えられる一方、前記電磁切換弁18bは、オンディレイタイマ20bに予め設定された時間遅れt’(例えば、6[sec])経過後に、羽根9bを閉じる側のポジションに切り換えられるようにしてある。
【0022】
次に、上記図示例の作用を説明する。
【0023】
全燃料停止等の場合に脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11が出力されると、先ず初めに、OR回路22bから出力される切換信号21bによって電磁切換弁18bが羽根9bを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体がスピードコントローラ19を介して流体圧シリンダ14bのヘッド側室15bに供給され、開閉速度を遅くした羽根9bがゆっくりと開放され、続いて、オンディレイタイマ20a,20cに予め設定された時間遅れt(例えば、50[sec])経過後にOR回路22a,22cから出力される切換信号21a,21cによって電磁切換弁18a,18cが羽根9a,9cを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体が流体圧シリンダ14a,14cのヘッド側室15a,15cに供給され、開閉速度を遅くしていない羽根9a,9cが速やかに開放される形となり、図2に示すボイラ本体1から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスライン8の流路断面の一部(本図示例では全体の1/3の流路断面)から徐々に逃がされて行き、続いて脱硫バイパスライン8の流路断面全部から逃がされるため、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間に、脱硫装置4の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパ9を急激に開くのとは異なり、前記圧力差が緩やかになくなって行き、ボイラ本体1の火炉圧の変動が抑えられ、負担がかからなくなる。
【0024】
一方、脱硫系統の入側の圧力や温度が極めて高くなった場合等に脱硫バイパスダンパ9の緊急開放指令12が出力されると、OR回路22a,22cから出力される切換信号21a,21cによって電磁切換弁18a,18cが羽根9a,9cを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体が流体圧シリンダ14a,14cのヘッド側室15a,15cに供給され、開閉速度を遅くしていない羽根9a,9cが速やかに開放されると共に、OR回路22bから出力される切換信号21bによって電磁切換弁18bが羽根9bを開く側のポジションに切り換えられ、圧力源17からの圧縮空気等の流体がスピードコントローラ19を介して流体圧シリンダ14bのヘッド側室15bに供給され、開閉速度を遅くした羽根9bがゆっくりと開放される形となり、前記ボイラ本体1から排出される排ガスは、先ず脱硫バイパスライン8の流路断面の一部(本図示例では全体の2/3の流路断面)から迅速に逃がされ、続いて脱硫バイパスライン8の流路断面全部から徐々に逃がされて行くため、脱硫装置4の昇温や昇圧に伴う弊害を避けることが可能となり、しかも、コストリダクションのために脱硫通風機を設けていないような場合に、脱硫バイパスダンパ9の入側と出側との間に、脱硫装置4の下流側における圧力損失分に相当する圧力差が生じていたとしても、脱硫バイパスダンパ9を急激に開くのとは異なり、前記圧力差が急激になくならず、その際に生じる圧力変動がもろに誘引通風機3に伝わらなくなって、該誘引通風機3の圧力調整が追従可能となり、ボイラ本体1の火炉圧が大きく変動せず、ボイラトリップに到る心配がなくなる。
【0025】
こうして、脱硫バイパスダンパ9の通常開放指令11出力時並びに緊急開放指令12出力時に、それぞれに見合った適切な速度で脱硫バイパスダンパ9を開放させ、排ガスを脱硫バイパスライン8へ逃がすことができ、脱硫装置4の昇温や昇圧に伴う弊害を回避しつつ、ボイラ本体1の火炉圧変動を抑制し得、ボイラトリップに到ることを防止し得る。
【0026】
尚、本発明のボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、脱硫バイパスダンパ9の羽根9a,9b,9cの駆動系には、流体圧シリンダ14a,14b,14cの代りに駆動速度可変の電動モータを用いることも可能であること等、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明のボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置によれば、脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時並びに緊急開放指令出力時に、それぞれに見合った適切な速度で脱硫バイパスダンパを開放させ、排ガスを脱硫バイパスラインへ逃がすことができ、脱硫装置の昇温や昇圧に伴う弊害を回避しつつ、ボイラ本体の火炉圧変動を抑制し得、ボイラトリップに到ることを防止し得るという優れた効果を奏し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施する形態の一例の回路図である。
【図2】従来例の全体概要構成図である。
【符号の説明】
1 ボイラ本体
2 排ガスライン
3 誘引通風機
4 脱硫装置
5 ガスガスヒータ
6 脱硫入口ダンパ
7 脱硫出口ダンパ
8 脱硫バイパスライン
9 脱硫バイパスダンパ
9a 羽根
9b 羽根
9c 羽根
11 通常開放指令
12 緊急開放指令
14a 流体圧シリンダ
14b 流体圧シリンダ
14c 流体圧シリンダ
18a 電磁切換弁
18b 電磁切換弁
18c 電磁切換弁
19 スピードコントローラ
20a オンディレイタイマ
20c オンディレイタイマ
t 時間遅れ
Claims (3)
- ボイラの排ガスライン途中に誘引通風機と脱硫装置とを設け、誘引通風機と脱硫装置との間の排ガスライン途中から分岐し且つ脱硫装置の下流側の排ガスライン途中に接続される脱硫バイパスラインを設け、該脱硫バイパスライン途中に脱硫バイパスダンパを設けてなるボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置であって、
脱硫バイパスダンパを複数枚の羽根が並列配置されるものとし、該複数枚の羽根のうち所定の羽根の開閉速度を遅くし、脱硫バイパスダンパの通常開放指令出力時には、開閉速度を遅くした羽根を開いた後、残りの羽根を開く一方、脱硫バイパスダンパの緊急開放指令出力時には、全ての羽根を同時に開くよう構成したことを特徴とするボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置。 - 脱硫バイパスダンパの羽根の駆動系に流体圧シリンダを用いた請求項1記載のボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置。
- 脱硫バイパスダンパの羽根の駆動系に電動モータを用いた請求項1記載のボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置。
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JP2002247277A JP2004085089A (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | ボイラプラントの脱硫バイパスダンパ制御装置 |
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WO2004068034A1 (ja) * | 2003-01-31 | 2004-08-12 | Babcock-Hitachi Kabushiki Kaisha | 排ガス処理装置とその運用方法 |
CN102297440A (zh) * | 2011-07-15 | 2011-12-28 | 江苏南自通华电站辅机有限公司 | 正负压烟道余热利用脱硫风门 |
CN104976618A (zh) * | 2015-06-30 | 2015-10-14 | 内蒙古电力勘测设计院有限责任公司 | 减少循环流化床锅炉停机的方法及逻辑控制模块和控制*** |
JP7515868B2 (ja) | 2020-09-25 | 2024-07-16 | 株式会社キンセイ産業 | 乾溜ガス化焼却処理装置 |
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2002
- 2002-08-27 JP JP2002247277A patent/JP2004085089A/ja active Pending
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