JP2004084858A - 密封装置とこれを組み込んだ転がり軸受及びハブユニット - Google Patents

密封装置とこれを組み込んだ転がり軸受及びハブユニット Download PDF

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Abstract

【課題】3本のシールリップ11、12a、13aのうち、最も内側に位置する内側シールリップ13aの、スリンガ2の外周面の動きに対する追従性を良好にする。
【解決手段】上記各シールリップ11、12a、13aのうち、中間に位置する中間シールリップ12aを、先端寄り部分に設けた肉厚部18と、基端寄り部分に設けたこの肉厚部18の最大厚さよりも厚さが小さくなった括れ部19とにより構成する。この括れ部19の内周面に上記内側シールリップ13aを、径方向内方に突出する状態で設ける。この内側シールリップ13aの先端縁と上記肉厚部18の先端縁とを、上記スリンガ2の外周面に摺接させる。
【選択図】  図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明に係る密封装置と転がり軸受及びハブユニットは、例えば自動車用車輪の支持装置等の回転支持部に組み込む転がり軸受やハブユニットの密封装置の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
各種機械装置の回転支持部に、玉軸受、円筒ころ軸受、円すいころ軸受等の転がり軸受が組み込まれている。この様な転がり軸受には密封装置を組み込んで、この転がり軸受の内部に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外部に存在する雨水、泥、塵等の各種異物が転がり軸受の内部に入り込む事を防止している。図6〜7は、この様な目的で転がり軸受の端部開口に装着した密封装置の従来構造を示している。
【0003】
この図6〜7に示した従来構造の密封装置14、14は、保持部材である芯金1と、スリンガ2と、シール材3とから成る。このうちの芯金1は、外輪4の端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部5と、この外径側円筒部5の軸方向内端縁(転がり軸受6の軸方向中央寄り端縁で、図7の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部7を備えた、断面L字形で全体を円環状としている。又、上記スリンガ2は、内輪8の端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部9と、この内径側円筒部9の軸方向外端縁(転がり軸受6の軸方向開口寄り端縁で、図7の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部10とを備えた、断面L字形で円環状としている。又、上記シール材3は、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られて、外側、中間、内側の3本のシールリップ11〜13を備え、上記芯金1にその基端部を結合固定している。そして、最も外側に位置する外側シールリップ11の先端縁を、上記スリンガ2を構成する外側円輪部10の内側面に摺接させ、それぞれが請求項に記載した径方向シールリップに相当する、残り2本のシールリップである中間シールリップ12及び内側シールリップ13の先端縁を、上記スリンガ2を構成する内径側円筒部9の外周面に摺接させている。
【0004】
尚、上述の図6〜7に示した従来構造の場合、内側シールリップ13を、先端縁に向かう程、転がり軸受6の軸方向外側に向かう方向に傾斜させている。又、上記各シールリップ11〜13のうち、中間に位置する中間シールリップ12の厚さを、基端部から中間部に亙りほぼ同じ大きさとすると共に、先端寄り部分で急激に大きく(厚く)している。この中間シールリップ12も、上記内側シールリップ13と同様に、先端縁に向かう程、上記転がり軸受6の軸方向外側に向かう方向に傾斜させている。又、上記内側シールリップ13の全長は、上記中間シールリップ12の全長よりも小さい(短い)。
【0005】
上述の様な密封装置14は、転がり軸受6の端部に組み込んで使用する。図5に示す転がり軸受6の場合、1対の内輪8、8の外周面に内輪軌道15、15を形成すると共に、これら内輪8、8の周囲に設けた外輪4の内周面に、1対の外輪軌道16、16を形成している。そして、これら各外輪軌道16、16と上記各内輪軌道15、15との間に、複数の転動体17、17を転動自在に組み込んでいる。
【0006】
上述の様な従来構造の場合には、各シール材3に設けたシールリップ11〜13の先端縁とスリンガ2とを摺接させる事により、転がり軸受6(図6)の端部開口を塞ぐ。そして、この転がり軸受6の内部に封入したグリースが外部に漏洩する事を防止すると共に、外部に存在する雨水、泥、塵等の各種異物が転がり軸受の内部に入り込む事を防止する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の図6〜7に示した従来構造の場合、次の様な点を改良する事が望まれている。即ち、上述した従来構造を、例えば、自動車用車輪の支持装置に組み込む転がり軸受6に使用した場合で、自動車が急旋回した場合には、スリンガ2を外嵌した内輪8と、芯金1を内嵌した外輪4とが、相対的に傾く(両部材8、4の中心軸が不一致になる)可能性がある。この様に内、外両輪8、4が相対的に傾いた場合には、上記スリンガ2と芯金1とが一部で近づいて、上記各シールリップ11〜13が一部で過度に圧縮される。又、何らかの理由で、内輪8が外輪4に対し偏心しても、上記各シールリップ11〜13が一部で過度に圧縮される可能性がある。この様に各シールリップ11〜13が一部で過度に圧縮された場合、これら各シールリップ11〜13の先端縁がスリンガ2に押し付けられる力である、所謂緊迫力が大きくなる。この為、上記各シールリップ11〜13の先端縁が摩耗し易くなり、これら各シールリップ11〜13の先端縁とスリンガ2との摺接部での密封性能が悪化する。又、この場合、転がり軸受6の回転トルクが大きくなったり、この摺接部での摩擦に基づく発熱量が大きくなる。
【0008】
又、上記内、外両輪8、4同士が相対的に傾いたり、内輪8が外輪4に対し偏心すると、これら両輪8、4の周面同士が、上記スリンガ2と芯金1との一部と径方向反対側部分で互いに遠ざかる。この為、この反対側部分に存在するシールリップ11〜13の緊迫力が小さくなり、密封装置14の内部に雨水等が進入し易くなる。
【0009】
特に、上記複数のシールリップ11〜13のうち、内側に位置する内側シールリップ13の全長は小さく(短く)、しかも、前記芯金1の中心軸に対し直交する仮想平面に対するこの内側シールリップ13の傾斜角度α(図7)は小さい。この為、上記スリンガ2からこの内側シールリップ13の先端縁に加わる径方向の力に対する、この内側シールリップ13の基端部の変形量が小さい。従って、上記内、外両輪8、4同士が相対的に傾いたり、或は内輪8が外輪4に対し偏心した場合に、上記内側シールリップ13の先端縁が上記スリンガ2の外周面の動きに対し追従しにくい。例えば、このスリンガ2を固定した内輪8が上記芯金1を固定した外輪4に対し偏心した場合には、図8(A)に示す様に、内側シールリップ13の円周方向一部で先端縁がスリンガ2の外周面に強く押し付けられて、緊迫力が過大になる。同時に、図8(B)に示す様に、上記内側シールリップ13の円周方向一部と径方向反対側部分で、先端縁が上記スリンガ2の外周面から離れたり、緊迫力が過小になる。この為、密封性が悪化したり、転がり軸受6の回転トルクや発熱量が大きくなり易い。尚、図8に二点鎖線で示した部分は、上記芯金1とスリンガ2との中心軸同士が一致した場合での、中間、内側両シールリップ12、13とスリンガ2との摺接状態を表している。
【0010】
一方、上記内側シールリップ13の全長を十分に大きく(長く)すると共に、上記芯金1の中心軸に対し直交する仮想平面に対するこの内側シールリップ13の傾斜角度αを十分に大きくすれば、この様な不都合を防止できる。但し、この場合には、この内側シールリップ13と、この内側シールリップ13と隣接する状態で設けた中間シールリップ12とが干渉し易くなり、これら両シールリップ13、12の良好な性能を確保する事が難しくなる。
本発明は、この様な事情に鑑みて、2本の径方向シールリップのうちの一方の径方向シールリップの性能を損なう事なく、相手側の周面の動きに対する、他方の径方向シールリップの追従性を良好にして、密封性を十分に確保すると共に、回転トルクと発熱量との増大を抑えるべく発明したものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の密封装置と転がり軸受及びハブユニットのうち、請求項1に記載した密封装置は、内輪の外周面に設けた内輪軌道と外輪の内周面に設けた外輪軌道との間に複数の転動体を設けて上記内輪と外輪との相対回転を自在とした転がり軸受に組み込み、これら内輪の外周面と外輪の内周面との間を塞ぐものである。この為に、本発明の密封装置は、前述の図6〜7に示した従来構造と同様に、保持部材と、シール材と、2本の径方向シールリップとを備える。このうちの保持部材は、上記内輪の外周面と外輪の内周面とのうちの一方の周面に固定されている。又、上記シール材は、弾性材により造られて上記保持部材にその一部を結合固定している。又、上記各径方向シールリップは、上記シール材の一部に設けられて、それぞれの先端縁を、上記内輪の外周面と外輪の内周面とのうちの他方に設けられた周面又はこの他方に支持された部材の周面に摺接又は近接対向させている。
【0012】
特に、請求項1に記載した密封装置に於いては、上記2本の径方向シールリップのうちの一方の径方向シールリップが、先端寄り部分に設けられた肉厚部と、基端寄り部分に設けられた、この肉厚部の最大厚さよりも厚さが小さくなった括れ部とを備えたものである。又、上記2本の径方向シールリップのうちの他方の径方向シールリップが、上記括れ部の周面に、上記一方の周面から離れる方向に突出する状態で設けられたものである。そして、上記他方の径方向シールリップの先端縁と上記肉厚部の先端縁とを、上記内輪の外周面と外輪の内周面とのうちの他方に設けられた周面又はこの他方に支持された部材の周面に摺接又は近接対向させている。
【0013】
又、請求項2に記載した転がり軸受は、請求項1に記載した密封装置を少なくとも1個組み込んでいる。
又、請求項3に記載したハブユニットは、内輪又は外輪が車輪を固定する為のハブであり、請求項1に記載した密封装置を少なくとも1個組み込んでいる。
【0014】
【作用】
上述の様に構成する本発明の密封装置と転がり軸受とハブユニットによれば、シール材に設けた2本の径方向シールリップのうちの他方の径方向シールリップの、相手側の周面の動きに対する追従性を良好にする事ができる。この為、この他方の径方向シールリップの緊迫力の変化を抑える事ができる。しかも、上記追従性を良好にする為に、上記他方のシールリップの全長を大きくしたり、保持部材の中心軸に対し直交する仮想平面に対するこの他方のシールリップの傾斜角度を大きくする必要がない。この為、上記2本の径方向シールリップ同士が干渉する事を防止できる。この結果、これら2本の径方向シールリップのうちの一方の径方向シールリップの性能を損なう事なく、上記他方の径方向シールリップの先端縁の摩耗を抑えて、良好な密封性能を得る事ができ、しかも、回転トルクと発熱量との増大を抑える事ができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1〜2は、本発明の実施の形態の第1例を示している。本発明の密封装置14aは、保持部材である芯金1と、スリンガ2と、シール材3aとから成る。このうちの芯金1は、低炭素鋼板等の金属板にプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この様な芯金1は、転がり軸受6を構成する外輪4(図6参照)の外端部内周面に内嵌固定自在な外径側円筒部5と、この外径側円筒部5の軸方向内端縁(図1、2の左端縁)から直径方向内方に折れ曲がった内側円輪部7とを備えた、断面略L字形で全体を円環状としている。
【0016】
又、上記スリンガ2は、ステンレス鋼板等、優れた耐食性を有する金属板に、やはりプレス加工等の打ち抜き加工並びに塑性加工を施す事により、一体成形している。この様なスリンガ2は、上記転がり軸受6を構成する内輪8(図6参照)の外端部外周面に外嵌固定自在な内径側円筒部9と、この内径側円筒部9の軸方向外端縁(図1、2の右端縁)から直径方向外方に折れ曲がった外側円輪部10とを備えた、断面略L字形で全体を円環状としている。
【0017】
又、上記シール材3aは、ゴムの如きエラストマー等の弾性材により造られて、外側、中間、内側の3本のシールリップ11、12a、13aを備え、上記芯金1にその基端部を結合固定している。又、請求項に記載した一方の径方向シールリップに相当する、上記中間シールリップ12aは、先端寄り部分に設けた肉厚部18と、基端寄り部分に設けた、この肉厚部18の最大厚さよりも厚さが小さくなった括れ部19とを備える。又、この肉厚部18の厚さを、この括れ部19との連続部分付近で急激に大きく(厚く)し、先端縁付近で小さくしている。そして、この括れ部19の内周面の中間部に、請求項に記載した他方の径方向シールリップに相当する、上記内側シールリップ13aを、径方向内方に突出する状態で設けている。この内側シールリップ13aの全長は、上記中間シールリップ12aの全長よりも小さい(短い)。又、上記外側シールリップ11を、先端縁に向かう程、径方向外方に傾斜させている。そして、上記外側シールリップ11の先端縁を上記スリンガ2を構成する外側円輪部10の内側面(図1、2の左側面)に摺接させ、残り2本のシールリップである、中間シールリップ12aと内側シールリップ13aとの先端縁を、上記スリンガ2を構成する内径側円筒部9の外周面の軸方向に離隔した位置に摺接させている。
【0018】
上述の様に構成する本発明の密封装置と転がり軸受とハブユニットによれば、3本のシールリップ11、12a、13aのうち、中間に位置する中間シールリップ12aの性能を損なう事なく、径方向に向いた相手側の周面の動きに対する、最も内側に位置する内側シールリップ13aの追従性を良好にして、密封性を十分に確保する事ができる。即ち、本発明の場合には、この内側シールリップ13aを、中間シールリップ12aの一部で厚さが小さくなった括れ部19の内周面に、径方向内方に突出する状態で設けている。又、この中間シールリップ12aは、全長を大きくできると共に、芯金1の中心軸に対し直交する仮想平面に対する傾斜角度も大きくできる。この為、上記スリンガ2を構成する内径側円筒部9の外周面から加わる径方向の力に対する、上記中間シールリップ12aの基端部の変形量を大きくできる。更に、この中間シールリップ12aの剛性を、上記括れ部19部分で小さくできる。従って、上記内径側円筒部9の外周面から上記内側シールリップ13aに加わる径方向の力に対する、この内側シールリップ13aの先端縁の変位量を十分に大きくできる。この結果、使用時に、内輪8が外輪4に対し傾いたり、或は偏心する事により、芯金1とスリンガ2の外周面とが一部で近づいたり、或は遠ざかった場合に、上記内側シールリップ13aの先端縁を、このスリンガ2の外周面の動きに対して良好に追従させる事ができる。例えば、このスリンガ2を固定した内輪8が、上記芯金1を固定した外輪4に対し偏心した場合には、図2(A)に示す様に、上記内側シールリップ13aの円周方向一部で、この内側シールリップ13aの先端縁が上記内径側円筒部9の外周面に強く押し付けられる傾向となる。これに対して、本発明の場合には、上記中間シールリップ12aで上記内側シールリップ13aの基端部を結合した部分である括れ部19が外径側に変位するのに伴って、この内側シールリップ13aの基端部も外径側に変位する。この為、この内側シールリップ13aの先端縁と上記スリンガ2の外周面との緊迫力が過大になる事を防止できる。又、上述の様に内輪8が外輪4に対し偏心した場合には、図2(B)に示す様に、上記内側シールリップ13aの円周方向一部と径方向反対側部分で、この内側シールリップ13aの先端縁が上記内径側円筒部9の外周面から離れる傾向となる。これに対して、本発明の場合には、上記中間シールリップ12aで上記内側シールリップ13aの基端部を結合した括れ部19が内径側に変位する為、上記緊迫力が過小になったり、上記先端縁が上記内径側円筒部9の外周面から離れる事を防止できる。尚、図2に二点鎖線で示した部分は、前記芯金1と上記スリンガ2との中心軸同士が一致した場合での、中間、内側両シールリップ12a、13aとスリンガ2との摺接状態を表している。
【0019】
この様に、本発明の場合には、上記内側シールリップ13aの先端縁が上記スリンガ2の外周面の動きに対し良好に追従する為、この内側シールリップ13aの緊迫力の変化を抑える事ができる。又、この内側シールリップ13aの全長を大きくしたり、上記芯金1の中心軸に対し直交する仮想平面に対するこの内側シールリップ13aの傾斜角度α´(図1)を大きくする必要がない。この為、この内側シールリップ13aと上記中間シールリップ12aとが干渉する事を防止できる。この結果、この中間シールリップ12aの性能を損なう事なく、上記内側シールリップ13aの先端縁の摩耗を抑えて、良好な密封性能を得る事ができ、しかも回転トルクと発熱量との増大を抑える事ができる。
【0020】
又、本例の場合には、上記内側シールリップ13aを含め、3本のシールリップ11、12a、13aを総て、それぞれの先端縁に向かう程流体の流れ方向に関して外側に向かう方向に傾斜させている。この為、転がり軸受6の内部に封入したグリースが上記各シールリップ11、12a、13aの先端縁とスリンガ2との摺接部に、適度に供給される。従って、これら各摺接部の潤滑状態を良好に保持して、転がり軸受6の回転トルクを低く抑えると共に、各摺接部をグリースにより塞いで、これら各摺接部の密封性能を向上させる事ができる。
【0021】
次に、図3は、本発明の実施の形態の第2例を示している。本例の場合には、上述した第1例の場合と異なり、内側シールリップ13aを非接触シールとしている。即ち、本例の場合には、この内側シールリップ13aの先端縁を、スリンガ2を構成する内径側円筒部9の外周面に、厚さ寸法dを有する微小隙間を介して近接対向させている。この様な本例の場合には、上述した第1例の場合よりも回転トルクを小さくできる。又、前述の図7に示した従来構造で、本例と同様に、内側シールリップ13を非接触シールとした場合には、使用時にスリンガ2の中心軸が芯金5の中心軸に対し傾斜したり、これら両部材2、5同士が偏心する可能性がある事を考慮して、上記内側シールリップ13の先端縁と内径側円筒部9の外周面との間の隙間の厚さを大きく設定する必要がある。そして、この様に隙間の厚さを大きく設定した場合には、シール性能を良好に確保する事が難しくなる。これに対して、本例の場合には、内側シールリップ13aの先端縁が、スリンガ2の外周面の動きに対して良好に追従する。この為、上記微小隙間の厚さ寸法dを小さく設定しても、上記内側シールリップ13aとスリンガ2とが接触する事を防止でき、回転トルクを小さくしつつ、良好なシール性能を確保できる。
その他の構成及び作用に就いては、上述した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0022】
次に、図4は、本発明の実施の形態の第3例を示している。本例の場合には、上述した第1例の場合と異なり、内側シールリップ13bを、先端縁に向かう程転がり軸受6(図6参照)の軸方向内側(図4の左側)に向かう方向に傾斜させている。この様な本例の場合には、転がり軸受6の内部に封入したグリースが、上述した第1例の場合に比べて、中間シールリップ12a及び外側シールリップ11の先端縁とスリンガ2との摺接部に供給されにくくはなる。但し、本例の場合には、上記中間シールリップ12aの肉厚部18と内側シールリップ13bとの干渉を防止しつつ、この内側シールリップ13bの全長を大きくすると共に、芯金1の中心軸に対し直交する仮想平面に対する傾斜角度α´を大きくする事ができる。
その他の構成及び作用に就いては、前述の図1〜2に示した第1例の場合と同様である為、同等部分には同一符号を付して重複する説明は省略する。
【0023】
尚、本発明の密封装置及びこれを組み込んだ転がり軸受は、使用時に転がり軸受6を構成する内輪8と外輪4との何れが回転する場合でも実施できる。又、本発明は、外輪4にスリンガ2を内嵌固定すると共に、内輪8にシール材3aを結合した芯金1を外嵌固定した構造でも実施できる。この場合には、このシール材3aを構成する中間シールリップの外周面に径方向外方に突出する状態で設けた内側シールリップの先端縁を、上記スリンガ2の内周面に摺接させる。又、本発明の密封装置及びこれを組み込んだ転がり軸受は、内輪8を、車輪を支持する為のハブの外周面に外嵌固定すると共に、外輪4を、自動車の懸架装置を構成するナックルの支持孔に内嵌固定自在とした、ハブユニットに組み込んで使用する事もできる。又、この場合に、上記外輪4の外周面に、上記ナックルの端面に固定する為の固定側フランジを形成する事もできる。更に、図5に示す様に、ハブ20の内端部(図5の右端部)外周面に、外周面に内輪軌道15を有する内輪8を外嵌固定すると共に、上記ハブ20の中間部外周面でこの内輪8から外れた部分に別の内輪軌道15を形成したハブユニットに、本発明の密封装置14aを組み込む事もできる。又、この図5に示したハブユニットの場合には、外輪4の外周面に、ナックル21の端面に固定する為の固定側フランジ22を形成している。又、上記ハブ21の外端寄り部分(図5の左端寄り部分)外周面に、車輪を固定する為の回転側フランジ23を形成している。
尚、同図に示したハブユニットで、ハブ20の中間部外周面と外輪4の外端部内周面との間に組み込んだ密封装置14bの様に、シール材3aに設けたシールリップの先端縁を、ハブ20(又は内輪8)の外周面に直接摺接させる構造に、本発明を適用する事もできる。更には、ハブを外輪側に設けた(外輪回転型の)ハブユニットで本発明を実施する事もできる。
【0024】
【発明の効果】
本発明は、以上に述べた通り構成され作用するので、優れたシール性及び耐久性を有し、しかも回転トルクが小さい密封装置を実現できる。この為、雨水、泥、塵等の各種異物が転がり軸受やハブユニットの内部空間に入り込む事を防止して、この転がり軸受やハブユニットの耐久性の向上を図れると共に、燃費性能や加速性能を中心とする、車両の走行性能の向上を図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す部分断面図。
【図2】スリンガを固定した内輪が芯金を固定した外輪に対し偏心した状態で、(A)は芯金とスリンガとが近づいた部分を、(B)は芯金とスリンガとが遠ざかった部分を示す、図1と同様の図。
【図3】本発明の実施の形態の第2例を示す部分断面図。
【図4】同第3例を示す部分断面図。
【図5】本発明の密封装置を組み込んだハブユニットを示す断面図。
【図6】従来構造の密封装置を、転がり軸受に組み込んだ状態で示す半部断面図。
【図7】同密封装置のみを取り出して示す部分拡大断面図。
【図8】同密封装置で、スリンガを固定した内輪が芯金を固定した外輪に対し偏心した状態で、(A)は芯金とスリンガとが近づいた部分を、(B)は芯金とスリンガとが遠ざかった部分を示す、図7と同様の図。
【符号の説明】
1  芯金
2  スリンガ
3、3a シール材
4  外輪
5  外径側円筒部
6  転がり軸受
7  内側円輪部
8  内輪
9  内径側円筒部
10  外側円輪部
11  外側シールリップ
12、12a 中間シールリップ
13、13a、13b 内側シールリップ
14、14a、14b 密封装置
15  内輪軌道
16  外輪軌道
17  転動体
18  肉厚部
19  括れ部
20  ハブ
21  ナックル
22  固定側フランジ
23  回転側フランジ

Claims (3)

  1. 内輪の外周面に設けた内輪軌道と外輪の内周面に設けた外輪軌道との間に複数の転動体を設けて上記内輪と外輪との相対回転を自在とした転がり軸受に組み込み、これら内輪の外周面と外輪の内周面との間を塞ぐ為、これら内輪の外周面と外輪の内周面とのうちの一方の周面に固定された保持部材と、弾性材により造られてこの保持部材にその一部を結合固定したシール材と、このシール材の一部に設けられて、それぞれの先端縁を、上記内輪の外周面と外輪の内周面とのうちの他方に設けられた周面又はこの他方に支持された部材の周面に摺接又は近接対向させた2本の径方向シールリップとを備えた密封装置に於いて、
    これら2本の径方向シールリップのうちの一方の径方向シールリップが、先端寄り部分に設けられた肉厚部と、基端寄り部分に設けられた、この肉厚部の最大厚さよりも厚さが小さくなった括れ部とを備えたものであり、上記2本の径方向シールリップのうちの他方の径方向シールリップが、上記括れ部の周面に、上記一方の周面から離れる方向に突出する状態で設けられたものであり、上記他方の径方向シールリップの先端縁と上記肉厚部の先端縁とを、上記内輪の外周面と外輪の内周面とのうちの他方に設けられた周面又はこの他方に支持された部材の周面に摺接又は近接対向させている事を特徴とする密封装置。
  2. 請求項1に記載した密封装置を少なくとも1個組み込んだ転がり軸受。
  3. 内輪又は外輪が車輪を固定する為のハブであり、請求項1に記載した密封装置を少なくとも1個組み込んだハブユニット。
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