JP2004079191A - バッテリ充電制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、バッテリ充電制御装置に関し、二次バッテリを構成する各単位セルの充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることを目的とする。
【解決手段】直列接続する複数の単位セル18により構成される二次バッテリ12と、共通トランス22の一次側へ供給された電気エネルギを二次側コイル28を介して各単位セル18へ分配する均等化回路20と、を設ける。各二次側コイル28と各単位セル18との間に、両者の導通・非導通をそれぞれ切り替える導通スイッチ40〜44を介挿する。二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、充電状態が満充電に近い状態に至っていない単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオンとし、該単位セル18への充電電流の流通を許容する一方、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオフとし、該単位セル18への充電電流の流通を阻止する。
【選択図】 図1
【解決手段】直列接続する複数の単位セル18により構成される二次バッテリ12と、共通トランス22の一次側へ供給された電気エネルギを二次側コイル28を介して各単位セル18へ分配する均等化回路20と、を設ける。各二次側コイル28と各単位セル18との間に、両者の導通・非導通をそれぞれ切り替える導通スイッチ40〜44を介挿する。二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、充電状態が満充電に近い状態に至っていない単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオンとし、該単位セル18への充電電流の流通を許容する一方、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオフとし、該単位セル18への充電電流の流通を阻止する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリ充電制御装置に係り、特に、共通トランスを用いて電気エネルギを直列接続された複数の単位セルのそれぞれへ分配することにより各単位セルの充電状態を均等化するバッテリ充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開2001−286072号公報に開示される如く、直列接続された複数の単位セルにより構成される二次バッテリと、二次バッテリに接続される一次側コイル及び各単位セルに対応して接続される二次側コイルにより構成される共通トランスを有し、一次側コイルに供給された電気エネルギを該共通トランスによる磁気結合を用いて各単位セルへ分配供給する均等化回路と、を備えるバッテリ充電制御装置が知られている。この装置において、均等化回路を介して各単位セルにそれぞれ分配供給される電気エネルギは、各単位セルの電圧に逆比例する。すなわち、その電圧が大きいほど少なく、一方、電圧が小さいほど多くなる。従って、上記従来の装置によれば、各単位セルの充電状態がアンバランスになっている際にその均等化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、充電状態の比較的大きな単位セルには、電気エネルギを供給することは不要である。しかしながら、上記従来の装置においては、充電状態の比較的大きな単位セルに対しても他の単位セルとの関係でその供給が行われることがある。電気エネルギが分配供給される際には、その流通過程で電力ロスが発生する。このため、上記従来の装置では、単位セルに対して不必要に電気エネルギの供給が行われるので、電力ロスが増大する事態が生ずる。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、二次バッテリを構成する各単位セルの充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることが可能なバッテリ充電制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、直列接続する複数の単位セルにより構成される二次バッテリと、共通トランスの一次側コイルへ供給された電気エネルギを前記二次バッテリの各単位セルに対応する二次側コイルへ磁気結合により供給することにより各単位セルへ分配する均等化回路と、を備えるバッテリ充電制御装置であって、
前記共通トランスの各二次側コイルと各単位セルとの導通・非導通をそれぞれ切り替えるスイッチ群と、
各単位セルへの電気エネルギの分配時、充電状態が所定の条件を満たさない単位セルと対応二次側コイルとを導通させる一方、充電状態が前記所定の条件を満たす単位セルと対応二次側コイルとを導通させないように前記スイッチ群を制御するスイッチ制御手段と、
を備えるバッテリ充電制御装置により達成される。
【0006】
本発明において、二次バッテリを構成する各単位セルへ電気エネルギが分配される際、スイッチ群が制御されることにより、充電状態が所定の条件を満たさない単位セルと対応二次側コイルとは導通される一方、充電状態が所定の条件を満たす単位セルと対応二次側コイルとは非導通となる。二次側コイルと導通しない単位セルが存在すると、その単位セルへの電気エネルギの供給は行われない。このため、単位セルへの電気エネルギの供給に起因する電力ロスは低減される。また、電気エネルギの供給されない単位セルが存在すると、その分の電気エネルギは他の単位セルへ分配供給される。この場合、他の単位セルには、通常時に比して多くの電気エネルギが供給される。従って、本発明によれば、二次バッテリを構成する各単位セルの充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることができると共に、その均等化を促進することができる。
【0007】
ところで、単位セルが共通トランスの二次側コイルと非導通となる状態が長期間継続すると、その単位セルが充電されない状態が継続し、各単位セルの充電状態の均等化が困難となる。
【0008】
従って、請求項2に記載する如く、請求項1記載のバッテリ充電制御装置において、前記スイッチ制御手段は、各単位セルへの電気エネルギの分配時にスイッチの作動により二次側コイルと導通しない単位セルが存在する場合において該単位セルの充電状態の変化が所定条件を満たしたときは、該単位セルと対応二次側コイルとを導通させるように該スイッチを制御することとすれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態が過剰に変化するのを抑制することができ、均等化処理を適切に行うことができる。
【0009】
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載のバッテリ充電制御装置において、前記スイッチ制御手段は、各単位セルへの電気エネルギの分配時にスイッチの作動により二次側コイルと導通しない単位セルが存在する場合において該非導通が開始された後、所定の時間が経過したときは、該単位セルと対応二次側コイルとを導通させるように該スイッチを制御することとすれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態の過剰変化の抑制を簡素な構成で実現することができ、均等化処理を適切に行うことができる。
【0010】
尚、単位セルの充電状態が満充電に近づくほど、その両端に生ずる電圧値は高くなり、その単位セルへ供給される電流値は小さくなる。
【0011】
従って、請求項4に記載する如く、請求項1又は3記載のバッテリ充電制御装置において、前記単位セルの充電状態は、該単位セルの両端に生ずる電圧値又は該単位セルへ供給される電流値に基づいて把握されることとしてもよい。
【0012】
また、単位セルが二次側コイルと導通しない場合、その単位セルへ向けて電流は流通しないので、その単位セルの充電状態を供給電流値に基づいて把握することはできない。
【0013】
従って、請求項5に記載する如く、請求項2記載のバッテリ充電制御装置であって、前記単位セルの充電状態は、該単位セルの両端に生ずる電圧値に基づいて把握されることとしてもよい。
【0014】
この場合、請求項6に記載する如く、請求項1記載のバッテリ充電制御装置において、前記均等化回路は、前記二次バッテリから所定の電流経路を介して前記共通トランスの一次側コイルへ供給された電気エネルギを各単位セルへ分配することとしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例であるバッテリ充電制御装置10の構成図を示す。本実施例のバッテリ充電制御装置10は、車両に搭載されている。車両は、車載バッテリとして機能する二次バッテリ12と、モータ・ジェネレータやオルタネータ等の充電器14と、補機やエアコン,カーナビ等の電気負荷16と、を有している。二次バッテリ12は、直列に接続する複数(図1において3個)の単位セル18により構成されており、例えば12V程度の出力電圧を有するニッケル水素バッテリ或いはリチウムイオンバッテリである。二次バッテリ12は、上記した充電器14および電気負荷16に接続されており、車両の回生制動時や車両エンジンによる動力発生時にその運動エネルギを変換して得た電気エネルギを充電器14から供給されることにより電力として各単位セル18に蓄えると共に、電気負荷16の作動時に各単位セル18に蓄えている電力を電気負荷16に供給する。
【0016】
本実施例のバッテリ充電制御装置10は、均等化回路20を備えている。均等化回路20は、二次バッテリ12の各単位セル18の充電状態を均等化する回路である。均等化回路20は、二次バッテリ12と充電器14との間に介挿して設けられている。均等化回路20は、共通トランス22及びメインスイッチ24を備えている。共通トランス22は、一次側コイル26及び二次側コイル28により構成されている。共通トランス22の一次側コイル26には、メインスイッチ24が直列に接続されていると共に、抵抗30およびコンデンサ32からなるスナバ回路34とダイオード36とを直列接続する回路が並列に接続されている。スナバ回路34及びダイオード36は、メインスイッチ24がオフとなった際に共通トランス22に生ずる漏れインダクタンスのエネルギを吸収する機能を有する。一次側コイル26のメインスイッチ24側と反対側の端子と、メインスイッチ24の一次側コイル26側と反対側の端子との間には、上記した充電器14が接続されている。
【0017】
共通トランス22の二次側コイル28は、二次バッテリ12の各単位セル18にそれぞれ対応して複数(図1において3個)設けられている。各二次側コイル28は、一次側コイル26に対して逆相巻きで構成されている。各二次側コイル28には、ダイオードからなる整流回路38が直列に接続されていると共に、対応する単位セル18が並列に接続されている。整流回路38は、一次側コイル26による磁気結合により二次側コイル28に誘導された交流を直流に変換する回路である。各単位セル18は、整流回路38からの直流電力を蓄えることが可能となっている。
【0018】
整流回路38と単位セル18との間にはそれぞれ、例えばMOS−FETやバイポーラトランジスタ,電磁式スイッチ等で構成された導通スイッチ40,42,44が介挿されている。導通スイッチ40〜44はそれぞれ、共通トランス22の二次側コイル28と単位セル18との導通・非導通を切り替えるためのスイッチである。導通スイッチ40〜44がオフであると、二次側コイル28と単位セル18とは導通しない一方、導通スイッチ40〜44がオンであると、二次側コイル28と単位セル18とは導通する。
【0019】
共通トランス22の一次側と二次バッテリ12とは、電流経路46,48を介して接続されている。電流経路46は、共通トランス22の一次側コイル26のメインスイッチ24側と反対側の端子に接続すると共に、二次バッテリ12の+端子側に接続する。また、電流経路48は、メインスイッチ24の一次側コイル26側と反対側の端子に接続すると共に、二次バッテリ12の−端子側に接続する。
【0020】
電流経路46の中途には、ダイオード50が設けられている。ダイオード50は、共通トランス22の一次側コイル26から二次バッテリ12の+端子側へ向かう方向を順方向とするダイオードである。電流経路46には、ダイオード50に並列にバイパス通路52が設けられている。バイパス通路52には、その経路を遮断・導通させるバイパス用スイッチ54が設けられている。バイパス用スイッチ54は、電磁式スイッチ,バイポーラトランジスタ,MOS−FET等により構成されており、オフ状態にある場合にバイパス通路52を遮断させ、オン状態にある場合にバイパス通路52を導通させる。
【0021】
上記したメインスイッチ24、導通スイッチ40〜44、及びバイパス用スイッチ54はそれぞれ、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)60に接続されている。メインスイッチ24は、ECU60からの指令に従ってPWM(Pulse Width Modulation)制御によりオン・オフされる。また、導通スイッチ40〜44及びバイパス用スイッチ54はそれぞれ、ECU60からの指令に従ってオン・オフされる。
【0022】
ECU60には、また、単位セル電圧検出回路62及び単位セル充電電流検出回路64が接続されている。単位セル電圧検出回路62は、単位セル18ごとに並列に設けられており、対応する単位セル18の端子間電圧に応じた信号を出力する。また、単位セル充電電流検出回路64は、シャント抵抗を用いて構成され、単位セル18ごとに設けられており、共通トランス22の二次側コイル28から単位セル18へ供給される電流に応じた信号を出力する。ECU60は、単位セル電圧検出回路62の出力信号に基づいて各単位セル18の端子間電圧VC1,VC2,・・・,VCn(本実施例においてn=3)を検出すると共に、単位セル充電電流検出回路64の出力信号に基づいて各単位セル18への充電電流IC1,IC2,・・・,ICn(本実施例においてn=3)を検出する。ECU60は、各検出結果に基づいてメインスイッチ24をPWM制御し、導通スイッチ40〜44及びバイパス用スイッチ54をオン・オフ制御する。
【0023】
図2は、本実施例のバッテリ充電制御装置10の動作について説明するための図を示す。尚、図2(A)にはメインスイッチ24がオンされた場合を、また、図2(B)にはメインスイッチ24がオフされた場合を、それぞれ示している。
【0024】
本実施例の構成においては、バイパス用スイッチ54がオフにあっても、ダイオード50の機能により充電器14から電流経路46を介する二次バッテリ12への電流の流通は許容される。このため、直列接続された単位セル18により構成される二次バッテリ12は、充電器14から電流経路46およびダイオード50を介して電荷による電気エネルギの供給を受けることにより充電される。また、二次バッテリ12は、電気負荷16に電気エネルギを供給することにより放電される。
【0025】
二次バッテリ12が電力を蓄えている状況下で、例えば単位セル18の充電状態のバラツキが大きくなったことに起因して図2(A)に示す如く均等化回路20のメインスイッチ24がオン状態になると、バイパス用スイッチ54がオン状態にあることを前提として、破線矢印に示す如く二次バッテリ12の+端子側から電流経路46及びバイパス通路52を介して共通トランス22の一次側コイル26に向けて放電電流Iが流れる。この際、放電電流Iは、各単位セル18の放電電流を総和したものである。一次側コイル26に電流が供給されると、その分の電荷による電気エネルギが共通トランス22の一次側に充填される。
【0026】
かかる状態から図2(B)に示す如くメインスイッチ24がオフ状態に変化すると、共通トランス22の一次側コイル26に充填された電気エネルギにより各二次側コイル28に起電力が誘導される。二次側コイル28に起電力が誘導されると、各単位セル18にそれぞれ、端子間電圧VC*を超える電圧が作用し、破線矢印に示す如く二次側コイル28から充電電流I1,I2,・・・,Inが供給される。この際、各単位セル18に流れる充電電流I1,I2,・・・,Inは、自己に対応する二次側コイル28に誘導された起電力と自己の端子間電圧VC*との差圧に応じた値となる。すなわち、端子間電圧VCが大きい単位セル18には、起電力との差圧が小さくなるので、相対的に小さな充電電流I*が流れ、一方、端子間電圧VCが小さい単位セル18には、起電力との差圧が大きくなるので、相対的に大きな充電電流I*(ただし、*=1,2,・・・,n)が流れる。
【0027】
このように、本実施例の構成においては、メインスイッチ24がオンされた場合に二次バッテリ12の各単位セル18から電荷による電気エネルギを取り出して共通トランス22の一次側に充填すると共に、メインスイッチ24がオフされた場合に共通トランス22による磁気結合を用いてその二次側から各単位セル18にその単位セル18の端子間電圧VC*に応じた電気エネルギを供給する。
【0028】
単位セル18は、充電状態が満充電に近いほど残容量が多く、端子間電圧VC*の大きい状態となっている。すなわち、単位セル18の端子間電圧VC*は、その充電状態に応じた値となる。従って、本実施例の構成においては、メインスイッチ24のオン時、各単位セル18から等分ずつ電荷による電気エネルギが取り出される一方、メインスイッチ24のオフ時、残容量の比較的少ない単位セル18には比較的多くの電気エネルギが供給され、また、残容量の比較的多い単位セル18には比較的少ない電気エネルギが供給される。
【0029】
このため、メインスイッチ24のオン・オフを繰り返すことにより、二次バッテリ12を構成する各単位セル18の充電状態のばらつきを解消させることができ、その充電状態の均等化を図ることができる。このように、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、一部の単位セル18のみが過充電となるのを回避することができ、単位セル18をバランスよく充電することができるので、過充電に起因するバッテリ12全体の充電不能の事態を回避することができ、二次バッテリ12全体を効率的に充放電させることが可能となっている。以下、メインスイッチ24のオン・オフにより単位セル18の均等化を図る処理を「均等化処理」と称す。
【0030】
また、本実施例の構成において、充電器14が二次バッテリ12を充電する場合、その充電電流は、電流経路46を介して二次バッテリ12へ流通すると共に、メインスイッチ24がオン状態にある際には共通トランス22の一次側コイル26にも流通する。一次側コイル26に電流が供給されると、その分の電荷による電気エネルギが共通トランス22の一次側に充填される。かかる状態からメインスイッチ24がオフになると、共通トランス22の各二次側コイル28に起電力が誘導され、二次バッテリ12の各単位セル18に充電電流が供給される。この際、各単位セル18への各充電電流は、自己に対応する二次側コイル28に誘導された起電力と自己の端子間電圧VC*との差圧に応じた値となる。
【0031】
すなわち、本実施例においては、充電器14が二次バッテリ12を充電する場合にも、二次バッテリ12の単位セル18から電気エネルギを取り出して各単位セル18の充電状態を強制的に均等化する場合と同様に、共通トランス22による磁気結合を用いて電気エネルギが各単位セル18へその充電状態に応じて分配される。従って、充電器14による二次バッテリ12の充電時、二次バッテリ12は、充電器14による充電電流の一部が共通トランス22を介して供給されることにより、各単位セル18の充電状態が均等化されるように充電される。この点、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われる際には、各単位セル18の充電状態の均等化を図るうえで、各単位セル18から電気エネルギを強制的に共通トランス22の一次側に取り出すことは不要である。
【0032】
本実施例において、二次バッテリ12と共通トランス22の一次側との間には、電流経路46が設けられている。電流経路46には、一次側コイル26から二次バッテリ12の+端子側へ向かう方向を順方向とするダイオード50、及び、ダイオード50に並列に設けられたバイパス通路52を遮断・導通させるバイパス用スイッチ54が設けられている。バイパス用スイッチ54がオン状態にある場合は、バイパス通路52が導通するので、充電器14側から電流経路46を介する二次バッテリ12への電流の流通、及び、二次バッテリ12から電流経路46を介する充電器14側への電流の流通は共に許容される。一方、バイパス用スイッチ54がオフ状態にある場合は、バイパス通路52が遮断されるので、充電器14側から電流経路46およびダイオード50を介する二次バッテリ12への電流の流通は許容される一方、二次バッテリ12から電流経路46を介する充電器14側への電流の流通は禁止される。
【0033】
そこで、本実施例においては、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われない場合はバイパス用スイッチ54がオン状態とされ、一方、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われる場合はバイパス用スイッチ54がオフ状態とされる。この場合、二次バッテリ12の非充電時に二次バッテリ12から電流経路46およびバイパス通路52を介する充電器14側への電流の流通が許容される一方、二次バッテリ12の充電時には二次バッテリ12から電流経路46を介する充電器14側への電流の流通が禁止される。すなわち、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われる際、各単位セル18の充電状態の均等化処理を行うための、各単位セル18から共通トランス22の一次側への電気エネルギの取り出しは行われない。
【0034】
従って、本実施例の構成においては、充電器14による二次バッテリ12の非充電時には各単位セル18から共通トランス22の一次側に電気エネルギを取り出して各単位セル18へ分配するので、二次バッテリ12の均等化処理を行うことができると共に、二次バッテリ12の充電時には各単位セル18から共通トランス22の一次側への電気エネルギの取り出しを行わないので、各単位セル18からの電気エネルギが共通トランス22を介して各単位セル18に分配される過程で生ずるエネルギ損失(電力ロス)の発生を抑制することができる。
【0035】
ところで、充電状態が他の単位セルに比べて比較的大きくなっている単位セルは、電荷による電気エネルギが取り出されても不都合が生ずることはなく、また、電荷の供給を受けることは不要である。電荷が単位セル18に供給される際には、充電電流が共通トランス22の二次側コイル28から単位セル18へ至るまでの過程で電力ロスが発生する。このため、充電状態の比較的大きな単位セルに不必要に電気エネルギが供給されると、電力ロスの増大が招来する。
【0036】
そこで、本実施例においては、充電状態が所定の条件を満たす単位セル18には充電電流の供給を行わないことにより、電流流通に起因する電力ロスの低減を図る点に特徴を有している。以下、図3及び図4を参照して、本実施例の特徴部について説明する。
【0037】
本実施例においては、二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、各単位セル18の充電状態がそれぞれ監視される。単位セル18の充電状態が満充電に近いほど、その端子間電圧VCが大きく、充電電流ICが小さい。従って、具体的には、各単位セル18の端子間電圧VC、又は、各単位セル18への充電電流ICが検出される。そして、その検出結果により充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18が存在する場合には、その単位セル18以外の単位セル18への電荷による電気エネルギの供給は継続される一方、その単位セル18への電気エネルギの供給は中止される。
【0038】
具体的には、本実施例において、二次側コイル28と単位セル18との間にはそれぞれ、導通スイッチ40〜44が介挿されている。従って、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18が存在する場合、電気エネルギの供給が継続されるべき単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44はオンされ続ける一方、電気エネルギの供給が中止されるべき単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44はオフとされる。この場合には、充電状態が満充電に近い状態に至っていない単位セル18と、対応する共通トランス22の二次側コイル28とは導通され、電気エネルギの供給は許容される一方、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セルと、対応する二次側コイル28とは非導通とされ、電気エネルギの供給は禁止される。
【0039】
単位セル18に電気エネルギが供給されない場合は、その単位セル18に対応する共通トランス22の二次側コイル28からその単位セル18へ向けての充電電流の流通が阻止される。充電電流が流通しなければ、その経路において電流の流通に起因する電力ロスが発生することはない。従って、二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、上記の如く充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対して導通スイッチ40〜44の作動により充電電流を供給しないこととすれば、充電電流の流通する経路を減らすことができ、充電電流の流通に起因する電力ロスを低減することが可能となる。
【0040】
図3は、本実施例において、二次バッテリ12の均等化処理が開始された後、充電状態が所定の条件を満たすことにより単位セル18への充電電流の流通が阻止されることとなる状況を表した図を示す。尚、図3(A)〜(C)には二次バッテリ12を構成する3つの単位セル(C1,C2,C3)18にそれぞれ供給される充電電流の大きさの時間変化が、また、図3(D)には3つの単位セル18の充電状態の時間変化が、それぞれ示されている。
【0041】
二次バッテリ12の均等化処理が実行される際は、充電状態(残容量)の比較的少ない単位セル18に比較的多くの電気エネルギが供給され、また、充電状態の比較的多い単位セル18に比較的少ない電気エネルギが供給される。従って、均等化処理時に二次バッテリ12を構成する3つの単位セル18の充電状態が互いに異なっている場合、共通トランス22の各二次側コイル28から各単位セル18へ供給される充電電流は、図3に示す如く、互いに異なる大きさとなる。
【0042】
時刻t=0において均等化処理が開始された後、時刻t=t1において一の単位セル18の充電状態が満充電に近い状態に至ると、その単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44がオフとされ、図3(A)に示す如く、その単位セル18への充電電流の流通が中止される。この場合には、その分の電気エネルギが、その単位セル18へ供給されなくなり、他の単位セル18へ分配供給される。また、その後、時刻t=t2において更に一の単位セル18の充電状態が満充電に近い状態に至ると、その単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44がオフとされ、図3(B)に示す如く、その単位セル18への充電電流の流通が中止される。この場合には、その分の電気エネルギが、その単位セル18へ供給されなくなり、3つのうち残りの一の単位セル18へ分配供給される。
【0043】
このように、均等化処理が実行される際に単位セル18への充電電流の流通が中止される場合は、他の単位セル18へその分だけ通常時に比して多量の電気エネルギが供給される。多量の電気エネルギが供給されれば、充電電流の流通が中止された単位セル18以外の単位セル18の充電が促進される。従って、二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、上記の如く充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対して導通スイッチ40〜44の作動により充電電流を供給しないこととすれば、均等化を促進することができ、均等化処理を短期間に完了させることが可能となる。
【0044】
尚、二次バッテリ12の均等化処理が各単位セル18から等分ずつ電気エネルギを取り出して行われる場合は、導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が中止されている単位セル18は、電気エネルギの取り出しに起因して充電量の低下を招く。このため、単位セル18が導通スイッチ40〜44のオフにより二次側コイル28と非導通となる状態が長期間継続するものとすると、各単位セル18の充電状態が均等化され難くなる。
【0045】
そこで、本実施例においては、導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が中止されている単位セル18の充電状態、具体的には、端子間電圧VCが監視される。そして、その結果、端子間電圧VCが導通スイッチ40〜44がオフされ始めてから大きく変化し、その単位セル18が充電を要する状態となった場合、その導通スイッチ40〜44がオンとされ、その単位セル18と二次側コイル28とが導通される。
【0046】
単位セル18が二次側コイル28と導通すれば、その単位セル18へ一次側コイル26に充填された電気エネルギの一部が二次側コイル28を介して供給されるので、その単位セル18が充電される。従って、二次バッテリ12の均等化処理が行われる状況下において導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が中止された単位セル18の充電状態を監視することとすれば、その単位セル18の充電状態が過剰に変化するのを抑制することができ、各単位セル18の均等化を適切に行うことが可能となる。
【0047】
図4は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてECU60が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図4に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動されるルーチンである。図4に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0048】
ステップ100では、二次バッテリ12の各単位セル18から共通トランス22の一次側コイル26へ電気エネルギが強制的に取り出され、或いは、充電器14による充電電流が一次側コイル26へ流通することにより、各単位セル18の充電状態の均等化処理が実行されているか否かが判別される。本ステップ100の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0049】
ステップ102では、二次バッテリ12を構成する複数(3つ)の単位セル18のうち、充電状態が満充電に近い状態に至ることにより均等化処理の実行終了条件が成立する単位セル18が存在するか否かが判別される。本ステップ102の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ104の処理が実行される。
【0050】
ステップ104では、上記ステップ102において上記した条件が成立すると判断された単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオフにする処理が実行される。本ステップ104の処理が実行されると、以後、複数の単位セル18のうち上記した条件が成立する単位セル18とその単位セル18に対応する共通トランス22の二次側コイル28とが非導通となり、その単位セル18への充電電流の流通が阻止され、電気エネルギの供給が中止される。
【0051】
ステップ106では、導通スイッチ40〜44のオフにより二次側コイル28と非導通となった単位セル18の端子間電圧VCがそのオフ開始から大きく低下変化し、その単位セル18が充電を要する状態となっているか否かが判別される。本ステップ106の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ108の処理が実行される。
【0052】
ステップ108では、上記ステップ106において二次側コイル28と非導通となりかつ端子間電圧VCが低下変化したと判断された単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオフからオンへ移行する処理が実行される。本ステップ108の処理が実行されると、以後、二次側コイル28と非導通となっていた単位セル18とその二次側コイル28とが再び導通することとなり、その単位セル18への充電電流の流通が再開され、電気エネルギの供給が再び行われることとなる。本ステップ108の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0053】
上記図4に示すルーチンによれば、二次バッテリ12を構成する各単位セル18の充電状態の均等化処理が行われる際、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対する充電電流の流通を導通スイッチ40〜44のオフにより阻止することができる。単位セル18は、充電状態が比較的大きくなっていれば、電荷による電気エネルギの供給を受けることは不要である。また、単位セル18に対して共通トランス22の二次側コイル28から充電電流が供給されない場合は、その分だけ電力ロスが生ずることは回避される。従って、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、充電電流の流通する経路を減らすことで、二次バッテリ12の充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることが可能となっている。
【0054】
また、導通スイッチ40〜44のオフにより単位セル18に対する充電電流の流通が阻止されると、その分の電気エネルギは、その単位セル18へ供給されなくなり、他の単位セル18へ分配供給される。この場合には、他の単位セル18へ通常時に比して多くの電気エネルギが供給され、その他の単位セル18の充電が促進される。従って、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、二次バッテリ12を構成する単位セル18の充電状態の均等化を促進することができ、その均等化処理を短期間に完了させることが可能となっている。
【0055】
更に、上記図4に示すルーチンによれば、導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が阻止された単位セル18の充電状態が充電を要するものに変化した場合には、その導通スイッチ40〜44をオンすることによりその単位セル18に対する充電電流の流通を再開し、電気エネルギの供給を再び行うことができる。従って、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、二次側コイル28と導通せず充電電流の流通が阻止された単位セル18の充電状態が過剰に低下するのを抑制することができ、その均等化処理を適切に行うことが可能となっている。
【0056】
尚、上記の実施例においては、導通スイッチ40〜44が特許請求の範囲に記載した「スイッチ群」に、また、電流経路46が特許請求の範囲に記載した「所定の電流経路」に、それぞれ相当していると共に、ECU60が図4に示すルーチンを実行することにより特許請求の範囲に記載した「スイッチ制御手段」が実現されている。
【0057】
ところで、上記の実施例においては、導通スイッチ40〜44をオフからオンへ移行させるタイミングを、そのスイッチ40〜44に対応する単位セル18の端子間電圧VCが充電を要する程度に大きく変化した時点とすることとしているが、かかる時点に限定されることなく、その導通スイッチ40〜44がオフとされた後、所定の時間が経過した時点とすることとしてもよい。かかる構成においては、導通スイッチ40〜44がオフとされた後の経過時間を計数するだけで、そのオンタイミングを把握することが可能となるので、二次側コイル28と導通せず充電電流の流通が阻止された単位セル18の充電状態の過剰変化の抑制を電圧回路等を用いることなく簡素な構成で実現することができ、その均等化を適切に行うことが可能となる。
【0058】
また、上記の実施例においては、二次バッテリ12の均等化処理を単位セル18の充電状態のバラツキが大きくなった場合に開始することとしているが、端子間電圧VC1,VC2,・・・,VCnの何れか2つの差が所定値以上となった場合や全単位セル18の端子間電圧のうち最大値と最小値との差が所定値以上となった場合に開始することとしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1、4、5、及び6記載の発明によれば、電気エネルギが分配される際に充電状態が所定の条件を満たす単位セルを二次側コイルと導通させないことで、各単位セルの充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることができると共に、その均等化を促進することができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態が過剰に変化するのを抑制することができ、その均等化を適切に行うことができる。
【0061】
また、請求項3記載の発明によれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態の過剰変化の抑制を簡素な構成で実現することができ、その均等化を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるバッテリ充電制御装置の構成図である。
【図2】本実施例のバッテリ充電制御装置の動作について説明するための図である。
【図3】本実施例において、二次バッテリの均等化処理が開始された後、充電状態が所定の条件を満たすことにより単位セルへの充電電流の流通が阻止されることとなる状況を表した図である。
【図4】本実施例のバッテリ充電制御装置においてスイッチ群を制御すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 バッテリ充電制御装置
12 二次バッテリ
18 単位セル
20 均等化回路
22 共通トランス
26 一次側コイル
28 二次側コイル
40〜44 導通スイッチ
60 電子制御ユニット(ECU)
62 単位セル電圧検出回路
64 単位セル充電電流検出回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、バッテリ充電制御装置に係り、特に、共通トランスを用いて電気エネルギを直列接続された複数の単位セルのそれぞれへ分配することにより各単位セルの充電状態を均等化するバッテリ充電制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば特開2001−286072号公報に開示される如く、直列接続された複数の単位セルにより構成される二次バッテリと、二次バッテリに接続される一次側コイル及び各単位セルに対応して接続される二次側コイルにより構成される共通トランスを有し、一次側コイルに供給された電気エネルギを該共通トランスによる磁気結合を用いて各単位セルへ分配供給する均等化回路と、を備えるバッテリ充電制御装置が知られている。この装置において、均等化回路を介して各単位セルにそれぞれ分配供給される電気エネルギは、各単位セルの電圧に逆比例する。すなわち、その電圧が大きいほど少なく、一方、電圧が小さいほど多くなる。従って、上記従来の装置によれば、各単位セルの充電状態がアンバランスになっている際にその均等化を図ることができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、充電状態の比較的大きな単位セルには、電気エネルギを供給することは不要である。しかしながら、上記従来の装置においては、充電状態の比較的大きな単位セルに対しても他の単位セルとの関係でその供給が行われることがある。電気エネルギが分配供給される際には、その流通過程で電力ロスが発生する。このため、上記従来の装置では、単位セルに対して不必要に電気エネルギの供給が行われるので、電力ロスが増大する事態が生ずる。
【0004】
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、二次バッテリを構成する各単位セルの充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることが可能なバッテリ充電制御装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記の目的は、請求項1に記載する如く、直列接続する複数の単位セルにより構成される二次バッテリと、共通トランスの一次側コイルへ供給された電気エネルギを前記二次バッテリの各単位セルに対応する二次側コイルへ磁気結合により供給することにより各単位セルへ分配する均等化回路と、を備えるバッテリ充電制御装置であって、
前記共通トランスの各二次側コイルと各単位セルとの導通・非導通をそれぞれ切り替えるスイッチ群と、
各単位セルへの電気エネルギの分配時、充電状態が所定の条件を満たさない単位セルと対応二次側コイルとを導通させる一方、充電状態が前記所定の条件を満たす単位セルと対応二次側コイルとを導通させないように前記スイッチ群を制御するスイッチ制御手段と、
を備えるバッテリ充電制御装置により達成される。
【0006】
本発明において、二次バッテリを構成する各単位セルへ電気エネルギが分配される際、スイッチ群が制御されることにより、充電状態が所定の条件を満たさない単位セルと対応二次側コイルとは導通される一方、充電状態が所定の条件を満たす単位セルと対応二次側コイルとは非導通となる。二次側コイルと導通しない単位セルが存在すると、その単位セルへの電気エネルギの供給は行われない。このため、単位セルへの電気エネルギの供給に起因する電力ロスは低減される。また、電気エネルギの供給されない単位セルが存在すると、その分の電気エネルギは他の単位セルへ分配供給される。この場合、他の単位セルには、通常時に比して多くの電気エネルギが供給される。従って、本発明によれば、二次バッテリを構成する各単位セルの充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることができると共に、その均等化を促進することができる。
【0007】
ところで、単位セルが共通トランスの二次側コイルと非導通となる状態が長期間継続すると、その単位セルが充電されない状態が継続し、各単位セルの充電状態の均等化が困難となる。
【0008】
従って、請求項2に記載する如く、請求項1記載のバッテリ充電制御装置において、前記スイッチ制御手段は、各単位セルへの電気エネルギの分配時にスイッチの作動により二次側コイルと導通しない単位セルが存在する場合において該単位セルの充電状態の変化が所定条件を満たしたときは、該単位セルと対応二次側コイルとを導通させるように該スイッチを制御することとすれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態が過剰に変化するのを抑制することができ、均等化処理を適切に行うことができる。
【0009】
また、請求項3に記載する如く、請求項1記載のバッテリ充電制御装置において、前記スイッチ制御手段は、各単位セルへの電気エネルギの分配時にスイッチの作動により二次側コイルと導通しない単位セルが存在する場合において該非導通が開始された後、所定の時間が経過したときは、該単位セルと対応二次側コイルとを導通させるように該スイッチを制御することとすれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態の過剰変化の抑制を簡素な構成で実現することができ、均等化処理を適切に行うことができる。
【0010】
尚、単位セルの充電状態が満充電に近づくほど、その両端に生ずる電圧値は高くなり、その単位セルへ供給される電流値は小さくなる。
【0011】
従って、請求項4に記載する如く、請求項1又は3記載のバッテリ充電制御装置において、前記単位セルの充電状態は、該単位セルの両端に生ずる電圧値又は該単位セルへ供給される電流値に基づいて把握されることとしてもよい。
【0012】
また、単位セルが二次側コイルと導通しない場合、その単位セルへ向けて電流は流通しないので、その単位セルの充電状態を供給電流値に基づいて把握することはできない。
【0013】
従って、請求項5に記載する如く、請求項2記載のバッテリ充電制御装置であって、前記単位セルの充電状態は、該単位セルの両端に生ずる電圧値に基づいて把握されることとしてもよい。
【0014】
この場合、請求項6に記載する如く、請求項1記載のバッテリ充電制御装置において、前記均等化回路は、前記二次バッテリから所定の電流経路を介して前記共通トランスの一次側コイルへ供給された電気エネルギを各単位セルへ分配することとしてもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施例であるバッテリ充電制御装置10の構成図を示す。本実施例のバッテリ充電制御装置10は、車両に搭載されている。車両は、車載バッテリとして機能する二次バッテリ12と、モータ・ジェネレータやオルタネータ等の充電器14と、補機やエアコン,カーナビ等の電気負荷16と、を有している。二次バッテリ12は、直列に接続する複数(図1において3個)の単位セル18により構成されており、例えば12V程度の出力電圧を有するニッケル水素バッテリ或いはリチウムイオンバッテリである。二次バッテリ12は、上記した充電器14および電気負荷16に接続されており、車両の回生制動時や車両エンジンによる動力発生時にその運動エネルギを変換して得た電気エネルギを充電器14から供給されることにより電力として各単位セル18に蓄えると共に、電気負荷16の作動時に各単位セル18に蓄えている電力を電気負荷16に供給する。
【0016】
本実施例のバッテリ充電制御装置10は、均等化回路20を備えている。均等化回路20は、二次バッテリ12の各単位セル18の充電状態を均等化する回路である。均等化回路20は、二次バッテリ12と充電器14との間に介挿して設けられている。均等化回路20は、共通トランス22及びメインスイッチ24を備えている。共通トランス22は、一次側コイル26及び二次側コイル28により構成されている。共通トランス22の一次側コイル26には、メインスイッチ24が直列に接続されていると共に、抵抗30およびコンデンサ32からなるスナバ回路34とダイオード36とを直列接続する回路が並列に接続されている。スナバ回路34及びダイオード36は、メインスイッチ24がオフとなった際に共通トランス22に生ずる漏れインダクタンスのエネルギを吸収する機能を有する。一次側コイル26のメインスイッチ24側と反対側の端子と、メインスイッチ24の一次側コイル26側と反対側の端子との間には、上記した充電器14が接続されている。
【0017】
共通トランス22の二次側コイル28は、二次バッテリ12の各単位セル18にそれぞれ対応して複数(図1において3個)設けられている。各二次側コイル28は、一次側コイル26に対して逆相巻きで構成されている。各二次側コイル28には、ダイオードからなる整流回路38が直列に接続されていると共に、対応する単位セル18が並列に接続されている。整流回路38は、一次側コイル26による磁気結合により二次側コイル28に誘導された交流を直流に変換する回路である。各単位セル18は、整流回路38からの直流電力を蓄えることが可能となっている。
【0018】
整流回路38と単位セル18との間にはそれぞれ、例えばMOS−FETやバイポーラトランジスタ,電磁式スイッチ等で構成された導通スイッチ40,42,44が介挿されている。導通スイッチ40〜44はそれぞれ、共通トランス22の二次側コイル28と単位セル18との導通・非導通を切り替えるためのスイッチである。導通スイッチ40〜44がオフであると、二次側コイル28と単位セル18とは導通しない一方、導通スイッチ40〜44がオンであると、二次側コイル28と単位セル18とは導通する。
【0019】
共通トランス22の一次側と二次バッテリ12とは、電流経路46,48を介して接続されている。電流経路46は、共通トランス22の一次側コイル26のメインスイッチ24側と反対側の端子に接続すると共に、二次バッテリ12の+端子側に接続する。また、電流経路48は、メインスイッチ24の一次側コイル26側と反対側の端子に接続すると共に、二次バッテリ12の−端子側に接続する。
【0020】
電流経路46の中途には、ダイオード50が設けられている。ダイオード50は、共通トランス22の一次側コイル26から二次バッテリ12の+端子側へ向かう方向を順方向とするダイオードである。電流経路46には、ダイオード50に並列にバイパス通路52が設けられている。バイパス通路52には、その経路を遮断・導通させるバイパス用スイッチ54が設けられている。バイパス用スイッチ54は、電磁式スイッチ,バイポーラトランジスタ,MOS−FET等により構成されており、オフ状態にある場合にバイパス通路52を遮断させ、オン状態にある場合にバイパス通路52を導通させる。
【0021】
上記したメインスイッチ24、導通スイッチ40〜44、及びバイパス用スイッチ54はそれぞれ、電子制御ユニット(以下、ECUと称す)60に接続されている。メインスイッチ24は、ECU60からの指令に従ってPWM(Pulse Width Modulation)制御によりオン・オフされる。また、導通スイッチ40〜44及びバイパス用スイッチ54はそれぞれ、ECU60からの指令に従ってオン・オフされる。
【0022】
ECU60には、また、単位セル電圧検出回路62及び単位セル充電電流検出回路64が接続されている。単位セル電圧検出回路62は、単位セル18ごとに並列に設けられており、対応する単位セル18の端子間電圧に応じた信号を出力する。また、単位セル充電電流検出回路64は、シャント抵抗を用いて構成され、単位セル18ごとに設けられており、共通トランス22の二次側コイル28から単位セル18へ供給される電流に応じた信号を出力する。ECU60は、単位セル電圧検出回路62の出力信号に基づいて各単位セル18の端子間電圧VC1,VC2,・・・,VCn(本実施例においてn=3)を検出すると共に、単位セル充電電流検出回路64の出力信号に基づいて各単位セル18への充電電流IC1,IC2,・・・,ICn(本実施例においてn=3)を検出する。ECU60は、各検出結果に基づいてメインスイッチ24をPWM制御し、導通スイッチ40〜44及びバイパス用スイッチ54をオン・オフ制御する。
【0023】
図2は、本実施例のバッテリ充電制御装置10の動作について説明するための図を示す。尚、図2(A)にはメインスイッチ24がオンされた場合を、また、図2(B)にはメインスイッチ24がオフされた場合を、それぞれ示している。
【0024】
本実施例の構成においては、バイパス用スイッチ54がオフにあっても、ダイオード50の機能により充電器14から電流経路46を介する二次バッテリ12への電流の流通は許容される。このため、直列接続された単位セル18により構成される二次バッテリ12は、充電器14から電流経路46およびダイオード50を介して電荷による電気エネルギの供給を受けることにより充電される。また、二次バッテリ12は、電気負荷16に電気エネルギを供給することにより放電される。
【0025】
二次バッテリ12が電力を蓄えている状況下で、例えば単位セル18の充電状態のバラツキが大きくなったことに起因して図2(A)に示す如く均等化回路20のメインスイッチ24がオン状態になると、バイパス用スイッチ54がオン状態にあることを前提として、破線矢印に示す如く二次バッテリ12の+端子側から電流経路46及びバイパス通路52を介して共通トランス22の一次側コイル26に向けて放電電流Iが流れる。この際、放電電流Iは、各単位セル18の放電電流を総和したものである。一次側コイル26に電流が供給されると、その分の電荷による電気エネルギが共通トランス22の一次側に充填される。
【0026】
かかる状態から図2(B)に示す如くメインスイッチ24がオフ状態に変化すると、共通トランス22の一次側コイル26に充填された電気エネルギにより各二次側コイル28に起電力が誘導される。二次側コイル28に起電力が誘導されると、各単位セル18にそれぞれ、端子間電圧VC*を超える電圧が作用し、破線矢印に示す如く二次側コイル28から充電電流I1,I2,・・・,Inが供給される。この際、各単位セル18に流れる充電電流I1,I2,・・・,Inは、自己に対応する二次側コイル28に誘導された起電力と自己の端子間電圧VC*との差圧に応じた値となる。すなわち、端子間電圧VCが大きい単位セル18には、起電力との差圧が小さくなるので、相対的に小さな充電電流I*が流れ、一方、端子間電圧VCが小さい単位セル18には、起電力との差圧が大きくなるので、相対的に大きな充電電流I*(ただし、*=1,2,・・・,n)が流れる。
【0027】
このように、本実施例の構成においては、メインスイッチ24がオンされた場合に二次バッテリ12の各単位セル18から電荷による電気エネルギを取り出して共通トランス22の一次側に充填すると共に、メインスイッチ24がオフされた場合に共通トランス22による磁気結合を用いてその二次側から各単位セル18にその単位セル18の端子間電圧VC*に応じた電気エネルギを供給する。
【0028】
単位セル18は、充電状態が満充電に近いほど残容量が多く、端子間電圧VC*の大きい状態となっている。すなわち、単位セル18の端子間電圧VC*は、その充電状態に応じた値となる。従って、本実施例の構成においては、メインスイッチ24のオン時、各単位セル18から等分ずつ電荷による電気エネルギが取り出される一方、メインスイッチ24のオフ時、残容量の比較的少ない単位セル18には比較的多くの電気エネルギが供給され、また、残容量の比較的多い単位セル18には比較的少ない電気エネルギが供給される。
【0029】
このため、メインスイッチ24のオン・オフを繰り返すことにより、二次バッテリ12を構成する各単位セル18の充電状態のばらつきを解消させることができ、その充電状態の均等化を図ることができる。このように、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、一部の単位セル18のみが過充電となるのを回避することができ、単位セル18をバランスよく充電することができるので、過充電に起因するバッテリ12全体の充電不能の事態を回避することができ、二次バッテリ12全体を効率的に充放電させることが可能となっている。以下、メインスイッチ24のオン・オフにより単位セル18の均等化を図る処理を「均等化処理」と称す。
【0030】
また、本実施例の構成において、充電器14が二次バッテリ12を充電する場合、その充電電流は、電流経路46を介して二次バッテリ12へ流通すると共に、メインスイッチ24がオン状態にある際には共通トランス22の一次側コイル26にも流通する。一次側コイル26に電流が供給されると、その分の電荷による電気エネルギが共通トランス22の一次側に充填される。かかる状態からメインスイッチ24がオフになると、共通トランス22の各二次側コイル28に起電力が誘導され、二次バッテリ12の各単位セル18に充電電流が供給される。この際、各単位セル18への各充電電流は、自己に対応する二次側コイル28に誘導された起電力と自己の端子間電圧VC*との差圧に応じた値となる。
【0031】
すなわち、本実施例においては、充電器14が二次バッテリ12を充電する場合にも、二次バッテリ12の単位セル18から電気エネルギを取り出して各単位セル18の充電状態を強制的に均等化する場合と同様に、共通トランス22による磁気結合を用いて電気エネルギが各単位セル18へその充電状態に応じて分配される。従って、充電器14による二次バッテリ12の充電時、二次バッテリ12は、充電器14による充電電流の一部が共通トランス22を介して供給されることにより、各単位セル18の充電状態が均等化されるように充電される。この点、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われる際には、各単位セル18の充電状態の均等化を図るうえで、各単位セル18から電気エネルギを強制的に共通トランス22の一次側に取り出すことは不要である。
【0032】
本実施例において、二次バッテリ12と共通トランス22の一次側との間には、電流経路46が設けられている。電流経路46には、一次側コイル26から二次バッテリ12の+端子側へ向かう方向を順方向とするダイオード50、及び、ダイオード50に並列に設けられたバイパス通路52を遮断・導通させるバイパス用スイッチ54が設けられている。バイパス用スイッチ54がオン状態にある場合は、バイパス通路52が導通するので、充電器14側から電流経路46を介する二次バッテリ12への電流の流通、及び、二次バッテリ12から電流経路46を介する充電器14側への電流の流通は共に許容される。一方、バイパス用スイッチ54がオフ状態にある場合は、バイパス通路52が遮断されるので、充電器14側から電流経路46およびダイオード50を介する二次バッテリ12への電流の流通は許容される一方、二次バッテリ12から電流経路46を介する充電器14側への電流の流通は禁止される。
【0033】
そこで、本実施例においては、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われない場合はバイパス用スイッチ54がオン状態とされ、一方、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われる場合はバイパス用スイッチ54がオフ状態とされる。この場合、二次バッテリ12の非充電時に二次バッテリ12から電流経路46およびバイパス通路52を介する充電器14側への電流の流通が許容される一方、二次バッテリ12の充電時には二次バッテリ12から電流経路46を介する充電器14側への電流の流通が禁止される。すなわち、充電器14による二次バッテリ12の充電が行われる際、各単位セル18の充電状態の均等化処理を行うための、各単位セル18から共通トランス22の一次側への電気エネルギの取り出しは行われない。
【0034】
従って、本実施例の構成においては、充電器14による二次バッテリ12の非充電時には各単位セル18から共通トランス22の一次側に電気エネルギを取り出して各単位セル18へ分配するので、二次バッテリ12の均等化処理を行うことができると共に、二次バッテリ12の充電時には各単位セル18から共通トランス22の一次側への電気エネルギの取り出しを行わないので、各単位セル18からの電気エネルギが共通トランス22を介して各単位セル18に分配される過程で生ずるエネルギ損失(電力ロス)の発生を抑制することができる。
【0035】
ところで、充電状態が他の単位セルに比べて比較的大きくなっている単位セルは、電荷による電気エネルギが取り出されても不都合が生ずることはなく、また、電荷の供給を受けることは不要である。電荷が単位セル18に供給される際には、充電電流が共通トランス22の二次側コイル28から単位セル18へ至るまでの過程で電力ロスが発生する。このため、充電状態の比較的大きな単位セルに不必要に電気エネルギが供給されると、電力ロスの増大が招来する。
【0036】
そこで、本実施例においては、充電状態が所定の条件を満たす単位セル18には充電電流の供給を行わないことにより、電流流通に起因する電力ロスの低減を図る点に特徴を有している。以下、図3及び図4を参照して、本実施例の特徴部について説明する。
【0037】
本実施例においては、二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、各単位セル18の充電状態がそれぞれ監視される。単位セル18の充電状態が満充電に近いほど、その端子間電圧VCが大きく、充電電流ICが小さい。従って、具体的には、各単位セル18の端子間電圧VC、又は、各単位セル18への充電電流ICが検出される。そして、その検出結果により充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18が存在する場合には、その単位セル18以外の単位セル18への電荷による電気エネルギの供給は継続される一方、その単位セル18への電気エネルギの供給は中止される。
【0038】
具体的には、本実施例において、二次側コイル28と単位セル18との間にはそれぞれ、導通スイッチ40〜44が介挿されている。従って、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18が存在する場合、電気エネルギの供給が継続されるべき単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44はオンされ続ける一方、電気エネルギの供給が中止されるべき単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44はオフとされる。この場合には、充電状態が満充電に近い状態に至っていない単位セル18と、対応する共通トランス22の二次側コイル28とは導通され、電気エネルギの供給は許容される一方、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セルと、対応する二次側コイル28とは非導通とされ、電気エネルギの供給は禁止される。
【0039】
単位セル18に電気エネルギが供給されない場合は、その単位セル18に対応する共通トランス22の二次側コイル28からその単位セル18へ向けての充電電流の流通が阻止される。充電電流が流通しなければ、その経路において電流の流通に起因する電力ロスが発生することはない。従って、二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、上記の如く充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対して導通スイッチ40〜44の作動により充電電流を供給しないこととすれば、充電電流の流通する経路を減らすことができ、充電電流の流通に起因する電力ロスを低減することが可能となる。
【0040】
図3は、本実施例において、二次バッテリ12の均等化処理が開始された後、充電状態が所定の条件を満たすことにより単位セル18への充電電流の流通が阻止されることとなる状況を表した図を示す。尚、図3(A)〜(C)には二次バッテリ12を構成する3つの単位セル(C1,C2,C3)18にそれぞれ供給される充電電流の大きさの時間変化が、また、図3(D)には3つの単位セル18の充電状態の時間変化が、それぞれ示されている。
【0041】
二次バッテリ12の均等化処理が実行される際は、充電状態(残容量)の比較的少ない単位セル18に比較的多くの電気エネルギが供給され、また、充電状態の比較的多い単位セル18に比較的少ない電気エネルギが供給される。従って、均等化処理時に二次バッテリ12を構成する3つの単位セル18の充電状態が互いに異なっている場合、共通トランス22の各二次側コイル28から各単位セル18へ供給される充電電流は、図3に示す如く、互いに異なる大きさとなる。
【0042】
時刻t=0において均等化処理が開始された後、時刻t=t1において一の単位セル18の充電状態が満充電に近い状態に至ると、その単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44がオフとされ、図3(A)に示す如く、その単位セル18への充電電流の流通が中止される。この場合には、その分の電気エネルギが、その単位セル18へ供給されなくなり、他の単位セル18へ分配供給される。また、その後、時刻t=t2において更に一の単位セル18の充電状態が満充電に近い状態に至ると、その単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44がオフとされ、図3(B)に示す如く、その単位セル18への充電電流の流通が中止される。この場合には、その分の電気エネルギが、その単位セル18へ供給されなくなり、3つのうち残りの一の単位セル18へ分配供給される。
【0043】
このように、均等化処理が実行される際に単位セル18への充電電流の流通が中止される場合は、他の単位セル18へその分だけ通常時に比して多量の電気エネルギが供給される。多量の電気エネルギが供給されれば、充電電流の流通が中止された単位セル18以外の単位セル18の充電が促進される。従って、二次バッテリ12の均等化処理が行われる際、上記の如く充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対して導通スイッチ40〜44の作動により充電電流を供給しないこととすれば、均等化を促進することができ、均等化処理を短期間に完了させることが可能となる。
【0044】
尚、二次バッテリ12の均等化処理が各単位セル18から等分ずつ電気エネルギを取り出して行われる場合は、導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が中止されている単位セル18は、電気エネルギの取り出しに起因して充電量の低下を招く。このため、単位セル18が導通スイッチ40〜44のオフにより二次側コイル28と非導通となる状態が長期間継続するものとすると、各単位セル18の充電状態が均等化され難くなる。
【0045】
そこで、本実施例においては、導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が中止されている単位セル18の充電状態、具体的には、端子間電圧VCが監視される。そして、その結果、端子間電圧VCが導通スイッチ40〜44がオフされ始めてから大きく変化し、その単位セル18が充電を要する状態となった場合、その導通スイッチ40〜44がオンとされ、その単位セル18と二次側コイル28とが導通される。
【0046】
単位セル18が二次側コイル28と導通すれば、その単位セル18へ一次側コイル26に充填された電気エネルギの一部が二次側コイル28を介して供給されるので、その単位セル18が充電される。従って、二次バッテリ12の均等化処理が行われる状況下において導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が中止された単位セル18の充電状態を監視することとすれば、その単位セル18の充電状態が過剰に変化するのを抑制することができ、各単位セル18の均等化を適切に行うことが可能となる。
【0047】
図4は、上記の機能を実現すべく、本実施例においてECU60が実行する制御ルーチンの一例のフローチャートを示す。図4に示すルーチンは、所定時間ごとに繰り返し起動されるルーチンである。図4に示すルーチンが起動されると、まずステップ100の処理が実行される。
【0048】
ステップ100では、二次バッテリ12の各単位セル18から共通トランス22の一次側コイル26へ電気エネルギが強制的に取り出され、或いは、充電器14による充電電流が一次側コイル26へ流通することにより、各単位セル18の充電状態の均等化処理が実行されているか否かが判別される。本ステップ100の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ102の処理が実行される。
【0049】
ステップ102では、二次バッテリ12を構成する複数(3つ)の単位セル18のうち、充電状態が満充電に近い状態に至ることにより均等化処理の実行終了条件が成立する単位セル18が存在するか否かが判別される。本ステップ102の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ104の処理が実行される。
【0050】
ステップ104では、上記ステップ102において上記した条件が成立すると判断された単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオフにする処理が実行される。本ステップ104の処理が実行されると、以後、複数の単位セル18のうち上記した条件が成立する単位セル18とその単位セル18に対応する共通トランス22の二次側コイル28とが非導通となり、その単位セル18への充電電流の流通が阻止され、電気エネルギの供給が中止される。
【0051】
ステップ106では、導通スイッチ40〜44のオフにより二次側コイル28と非導通となった単位セル18の端子間電圧VCがそのオフ開始から大きく低下変化し、その単位セル18が充電を要する状態となっているか否かが判別される。本ステップ106の処理は、肯定判定がなされるまで繰り返し実行される。その結果、肯定判定がなされた場合は、次にステップ108の処理が実行される。
【0052】
ステップ108では、上記ステップ106において二次側コイル28と非導通となりかつ端子間電圧VCが低下変化したと判断された単位セル18に対応する導通スイッチ40〜44をオフからオンへ移行する処理が実行される。本ステップ108の処理が実行されると、以後、二次側コイル28と非導通となっていた単位セル18とその二次側コイル28とが再び導通することとなり、その単位セル18への充電電流の流通が再開され、電気エネルギの供給が再び行われることとなる。本ステップ108の処理が終了すると、今回のルーチンは終了される。
【0053】
上記図4に示すルーチンによれば、二次バッテリ12を構成する各単位セル18の充電状態の均等化処理が行われる際、充電状態が満充電に近い状態に至っている単位セル18に対する充電電流の流通を導通スイッチ40〜44のオフにより阻止することができる。単位セル18は、充電状態が比較的大きくなっていれば、電荷による電気エネルギの供給を受けることは不要である。また、単位セル18に対して共通トランス22の二次側コイル28から充電電流が供給されない場合は、その分だけ電力ロスが生ずることは回避される。従って、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、充電電流の流通する経路を減らすことで、二次バッテリ12の充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることが可能となっている。
【0054】
また、導通スイッチ40〜44のオフにより単位セル18に対する充電電流の流通が阻止されると、その分の電気エネルギは、その単位セル18へ供給されなくなり、他の単位セル18へ分配供給される。この場合には、他の単位セル18へ通常時に比して多くの電気エネルギが供給され、その他の単位セル18の充電が促進される。従って、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、二次バッテリ12を構成する単位セル18の充電状態の均等化を促進することができ、その均等化処理を短期間に完了させることが可能となっている。
【0055】
更に、上記図4に示すルーチンによれば、導通スイッチ40〜44のオフにより充電電流の流通が阻止された単位セル18の充電状態が充電を要するものに変化した場合には、その導通スイッチ40〜44をオンすることによりその単位セル18に対する充電電流の流通を再開し、電気エネルギの供給を再び行うことができる。従って、本実施例のバッテリ充電制御装置10によれば、二次側コイル28と導通せず充電電流の流通が阻止された単位セル18の充電状態が過剰に低下するのを抑制することができ、その均等化処理を適切に行うことが可能となっている。
【0056】
尚、上記の実施例においては、導通スイッチ40〜44が特許請求の範囲に記載した「スイッチ群」に、また、電流経路46が特許請求の範囲に記載した「所定の電流経路」に、それぞれ相当していると共に、ECU60が図4に示すルーチンを実行することにより特許請求の範囲に記載した「スイッチ制御手段」が実現されている。
【0057】
ところで、上記の実施例においては、導通スイッチ40〜44をオフからオンへ移行させるタイミングを、そのスイッチ40〜44に対応する単位セル18の端子間電圧VCが充電を要する程度に大きく変化した時点とすることとしているが、かかる時点に限定されることなく、その導通スイッチ40〜44がオフとされた後、所定の時間が経過した時点とすることとしてもよい。かかる構成においては、導通スイッチ40〜44がオフとされた後の経過時間を計数するだけで、そのオンタイミングを把握することが可能となるので、二次側コイル28と導通せず充電電流の流通が阻止された単位セル18の充電状態の過剰変化の抑制を電圧回路等を用いることなく簡素な構成で実現することができ、その均等化を適切に行うことが可能となる。
【0058】
また、上記の実施例においては、二次バッテリ12の均等化処理を単位セル18の充電状態のバラツキが大きくなった場合に開始することとしているが、端子間電圧VC1,VC2,・・・,VCnの何れか2つの差が所定値以上となった場合や全単位セル18の端子間電圧のうち最大値と最小値との差が所定値以上となった場合に開始することとしてもよい。
【0059】
【発明の効果】
上述の如く、請求項1、4、5、及び6記載の発明によれば、電気エネルギが分配される際に充電状態が所定の条件を満たす単位セルを二次側コイルと導通させないことで、各単位セルの充電状態を均等化させるうえで電力ロスの低減を図ることができると共に、その均等化を促進することができる。
【0060】
請求項2記載の発明によれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態が過剰に変化するのを抑制することができ、その均等化を適切に行うことができる。
【0061】
また、請求項3記載の発明によれば、二次側コイルと導通しない単位セルの充電状態の過剰変化の抑制を簡素な構成で実現することができ、その均等化を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例であるバッテリ充電制御装置の構成図である。
【図2】本実施例のバッテリ充電制御装置の動作について説明するための図である。
【図3】本実施例において、二次バッテリの均等化処理が開始された後、充電状態が所定の条件を満たすことにより単位セルへの充電電流の流通が阻止されることとなる状況を表した図である。
【図4】本実施例のバッテリ充電制御装置においてスイッチ群を制御すべく実行される制御ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
10 バッテリ充電制御装置
12 二次バッテリ
18 単位セル
20 均等化回路
22 共通トランス
26 一次側コイル
28 二次側コイル
40〜44 導通スイッチ
60 電子制御ユニット(ECU)
62 単位セル電圧検出回路
64 単位セル充電電流検出回路
Claims (6)
- 直列接続する複数の単位セルにより構成される二次バッテリと、共通トランスの一次側コイルへ供給された電気エネルギを前記二次バッテリの各単位セルに対応する二次側コイルへ磁気結合により供給することにより各単位セルへ分配する均等化回路と、を備えるバッテリ充電制御装置であって、
前記共通トランスの各二次側コイルと各単位セルとの導通・非導通をそれぞれ切り替えるスイッチ群と、
各単位セルへの電気エネルギの分配時、充電状態が所定の条件を満たさない単位セルと対応二次側コイルとを導通させる一方、充電状態が前記所定の条件を満たす単位セルと対応二次側コイルとを導通させないように前記スイッチ群を制御するスイッチ制御手段と、
を備えることを特徴とするバッテリ充電制御装置。 - 前記スイッチ制御手段は、各単位セルへの電気エネルギの分配時にスイッチの作動により二次側コイルと導通しない単位セルが存在する場合において該単位セルの充電状態の変化が所定条件を満たしたときは、該単位セルと対応二次側コイルとを導通させるように該スイッチを制御することを特徴とする請求項1記載のバッテリ充電制御装置。
- 前記スイッチ制御手段は、各単位セルへの電気エネルギの分配時にスイッチの作動により二次側コイルと導通しない単位セルが存在する場合において該非導通が開始された後、所定の時間が経過したときは、該単位セルと対応二次側コイルとを導通させるように該スイッチを制御することを特徴とする請求項1記載のバッテリ充電制御装置。
- 前記単位セルの充電状態は、該単位セルの両端に生ずる電圧値又は該単位セルへ供給される電流値に基づいて把握されることを特徴とする請求項1又は3記載のバッテリ充電制御装置。
- 前記単位セルの充電状態は、該単位セルの両端に生ずる電圧値に基づいて把握されることを特徴とする請求項2記載のバッテリ充電制御装置。
- 前記均等化回路は、前記二次バッテリから所定の電流経路を介して前記共通トランスの一次側コイルへ供給された電気エネルギを各単位セルへ分配することを特徴とする請求項1記載のバッテリ充電制御装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002233537A JP2004079191A (ja) | 2002-08-09 | 2002-08-09 | バッテリ充電制御装置 |
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Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005210877A (ja) * | 2003-12-26 | 2005-08-04 | Fuji Heavy Ind Ltd | 蓄電素子の電圧均等化装置 |
JP2007048746A (ja) * | 2005-07-12 | 2007-02-22 | Nissan Motor Co Ltd | バイポーラ電池、組電池及びそれらの電池を搭載した車両 |
JP2010522963A (ja) * | 2007-03-26 | 2010-07-08 | ザ ジレット カンパニー | バイパス回路を有する集積電圧コンバータを備えた電池 |
JP2012213290A (ja) * | 2011-03-31 | 2012-11-01 | Toyota Industries Corp | 補機バッテリ充電装置 |
-
2002
- 2002-08-09 JP JP2002233537A patent/JP2004079191A/ja active Pending
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