JP2004078356A - 自動販売機 - Google Patents
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Abstract
【課題】自動販売機における冷凍回路の運転状態を良好な状態に安定的に保つようにする。
【解決手段】複数の商品庫2a〜2cの庫内を個別に冷却する複数の蒸発器4a〜4cを冷凍回路Rにおいて冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら蒸発器4a〜4cに対する個別の電子制御膨張弁10a〜10cを設け、蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように電子制御膨張弁10a〜10cの開度を調整する制御手段15を設ける自動販売機において、制御手段15を、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて目標過熱度Smを変更する構成にする。
【選択図】 図1
【解決手段】複数の商品庫2a〜2cの庫内を個別に冷却する複数の蒸発器4a〜4cを冷凍回路Rにおいて冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら蒸発器4a〜4cに対する個別の電子制御膨張弁10a〜10cを設け、蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように電子制御膨張弁10a〜10cの開度を調整する制御手段15を設ける自動販売機において、制御手段15を、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて目標過熱度Smを変更する構成にする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は自動販売機に関し、詳しくは、次の(イ)〜(ハ)のうちのいずれかの自動販売機に関する。
【0002】
(イ)複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する個別の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機。
【0003】
(ロ) 複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列又は直列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する共通の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、前記蒸発器の並列配置群又は直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機。
【0004】
(ハ) 複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器のうちの一部の蒸発器に対する電子制御膨張弁、及び、それら複数の蒸発器のうちの他の蒸発器に対するキャピラリーチューブを設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、前記蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度又は機能状態にある前記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機。
【0005】
【従来の技術】
従来、この種の自動販売機では、冷凍回路の運転において上記した各冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように電子制御膨張弁の開度を調整する膨張弁制御を実行させるのに、使用冷媒種などに応じて適当な目標過熱度をメーカーサイドで固定的に初期設定し、販売機の実使用時には、その固定された目標過熱度での膨張弁制御の実行下で各蒸発器を機能させて各商品庫の庫内を冷却していた(特開2001−165547号公報、特開2001−167341号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の販売機では、庫内温度に応じ蒸発器を機能状態と機能停止状態とに切り換えることで庫内温度を目標冷却温度に保ったり、あるいは、いずれかの商品庫を季節や商品の売れ行きなどに応じ加熱庫として使用する際にその商品庫の蒸発器を機能停止状態にするなど、販売機の実使用において種々の理由で各々の商品庫につき、その商品庫に対する蒸発器を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作が実施され、その切り換えにより、いずれの商品庫に対する蒸発器が機能状態にあるかの状況(特に、機能状態にある蒸発器の個数)が変化すると、冷凍回路の運転状態が目標過熱度の初期設定の際に期した適正な運転状態から外れた運転状態になって、冷凍回路の成績係数が低下したり、各商品庫に対する冷却効果が不均一になる等の庫内冷却性能の低下を招いたり、あるいはまた、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルを招き易くなるといった問題があった。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、膨張弁制御に対する合理的な改良により上記問題を効果的に解消する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1に係る発明は自動販売機に係り、その特徴は、
複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する個別の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設ける構成において、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある点にある。
【0009】
つまり、各商品庫に対する蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、それら蒸発器に対する個別の電子制御膨張弁を設ける先述(イ)の自動販売機において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(換言すれば、いずれの商品庫に対する蒸発器が機能状態にあるかの状況)が変化すると、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度についても、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(すなわち、目標過熱度とすべき過熱度)が変化してしまい、このことが従来における先述(イ)の自動販売機において上記切り換え状況が変化すると冷凍回路の運転状態が目標過熱度の固定的な初期設定の際に期した適正な運転状態から外れたものになってしまう原因になっていた。
【0010】
したがって、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように各蒸発器に対する個別電子制御膨張弁の開度を制御手段に調整させる先述(イ)の自動販売機において、それら冷媒過熱度(機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度)の夫々についての目標過熱度を、上記の如く蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて変更するようにすれば、その切り換え状況の変化にかかわらず、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度をその時々の切り換え状況下での適正過熱度にして、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができる。
【0011】
そして、このことにより、先述(イ)の自動販売機につき前述の如き従来の問題を効果的に解消することができて、従来に比べ冷凍回路の成績係数(換言すれば省エネ性)や庫内冷却性能を安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も効果的に防止することができる。
【0012】
〔2〕請求項2に係る発明は同じく自動販売機に係り、その特徴は、
複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列又は直列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する共通の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、前記蒸発器の並列配置群又は直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設ける構成において、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある点にある。
【0013】
つまり、各商品庫に対する蒸発器を冷媒経路上で並列又は直列に配置するとともに、それら蒸発器に対する共通の電子制御膨張弁を設ける先述(ロ)の自動販売機において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況が変化すると、それら蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度についても、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(目標過熱度とすべき過熱度)が変化してしまい、このことが従来における先述(ロ)の自動販売機において上記切り換え状況が変化すると冷凍回路の運転状態が目標過熱度の固定的な初期設定の際に期した適正な運転状態から外れたものになってしまう原因になっていた。
【0014】
したがって、蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように各蒸発器に対する共通電子制御膨張弁の開度を制御手段に調整させる先述(ロ)の自動販売機において、その冷媒過熱度(蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度)についての目標過熱度を、上記の如く蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて変更するようにすれば、その切り換え状況の変化にかかわらず、蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度をその時々の切り換え状況下での適正過熱度にして、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができる。
【0015】
そして、このことにより、請求項1に係る発明と同様、先述(ロ)の自動販売機につき前述の如き従来の問題を効果的に解消することができて、従来に比べ冷凍回路の成績係数(換言すれば省エネ性)や庫内冷却性能を安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も効果的に防止することができる。
【0016】
〔3〕請求項3に係る発明は同じく自動販売機に係り、その特徴は、
複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器のうちの一部の蒸発器に対する電子制御膨張弁、及び、それら複数の蒸発器のうちの他の蒸発器に対するキャピラリーチューブを設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、前記蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度又は機能状態にある前記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設ける構成において、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある点にある。
【0017】
つまり、各商品庫に対する蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、それら蒸発器のうちの一部の蒸発器に対する電子制御膨張弁、及び、それら蒸発器のうちの他の蒸発器に対するキャピラリーチューブを設ける先述(ハ)の自動販売機において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況が変化すると、先述(イ),(ロ)の自動販売機と同様、それら蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度や、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度についても、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(目標過熱度とすべき過熱度)が変化してしまい、このことが従来における先述(ハ)の自動販売機において上記切り換え状況が変化すると冷凍回路の運転状態が目標過熱度の固定的な初期設定の際に期した適正な運転状態から外れたものになってしまう原因になっていた。
【0018】
したがって、蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度、又は、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように上記一部蒸発器に対する電子制御膨張弁の開度を制御手段に調整させる先述(ハ)の自動販売機において、その冷媒過熱度(蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度、又は、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度)についての目標過熱度を、上記の如く蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて変更するようにすれば、その切り換え状況の変化にかかわらず、蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度、又は、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度をその時々の切り換え状況下での適正過熱度にして、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができる。
【0019】
そして、このことにより、請求項1,2に係る発明と同様、先述(ハ)の自動販売機につき前述の如き従来の問題を効果的に解消することができて、従来に比べ冷凍回路の成績係数(換言すれば省エネ性)や庫内冷却性能を安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も効果的に防止することができる。
【0020】
なお、請求項1〜3に係る発明の実施において、冷媒経路上で並列に配置した蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換えるには、それら蒸発器に対し個別に設けた電子制御膨張弁を閉弁可能なものにして、それら電子制御膨張弁の開閉により各蒸発器に対する冷媒流通を断続する方式、あるいは、各蒸発器に対し個別に開閉弁を設けて、それら開閉弁の開閉により各蒸発器に対する冷媒流通を断続する方式など、種々の切り換え方式を採用することができる。
【0021】
また、冷媒経路上で直列に配置した蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換えるにも、各蒸発器に対しバイパス路を設けるとともに、冷媒を蒸発器に通過させるかバイパス路に通過させるかを切り換える弁機構を設けて、この弁機構により各蒸発器に対する冷媒流通を断続する方式を初め、種々の切り換え方式を採用することができる。
【0022】
請求項1〜3に係る発明の実施において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じ目標過熱度を変更するには、その切り換え状況と各切り換え状況下での適正過熱度との対応関係を予め設定しておいて、その設定対応関係に基づき、目標過熱度をその設定対応関係上でその時の切り換え状況に対応する過熱度に変更する方式や、その時の切り換え状況下での適正過熱度を所定の演算式により算出して、目標過熱度を算出過熱度に変更する方式など、種々の変更方式を採用することができる。
【0023】
また、請求項1〜3に係る発明の実施において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じ目標過熱度を変更するのに、機能状態にある蒸発器がいずれの蒸発器(すなわち、いずれの商品庫に対する蒸発器)であるかの区別も行う厳密な形態でその時の切り換え状況に応じて目標過熱度を変更する方式に限らず、簡易には、機能状態にある蒸発器の個数に応じて目標過熱度を変更する方式や、複数の蒸発器のうちの特定の蒸発器が機能状態にあるか否かの状況に応じて目標過熱度を変更する方式などを採用してもよい。
【0024】
〔4〕請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記制御手段を、前記切り換え状況と外気温と過熱度とについての設定対応関係に基づき、前記目標過熱度を前記設定対応関係上でその時の前記切り換え状況及びその時の外気温に対応する過熱度に変更する構成にしてある点にある。
【0025】
つまり、先述(イ)〜(ハ)の各自動販売機における前記した各冷媒出口での冷媒過熱度について、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(目標過熱度とすべき過熱度)は、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化によって変化するだけでなく、冷凍回路の放熱源である外気の温度によっても変化する。
【0026】
したがって、上記構成(略言すれば、目標過熱度をその時の前記切り換え状況及びその時の外気温に対して予め設定されている過熱度に変更する制御構成)の実施において、切り換え状況と外気温と過熱度とについての対応関係を設定するのに、その過熱度を対応する切り換え状況及び対応する外気温の下での適正過熱度(すなわち、対応する切り換え状況及び対応する外気温の下で冷凍回路の運転状態を適正なものにする過熱度)にしておけば、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化にかかわらず、また、外気温の変化にもかかわらず、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができ、これにより、冷凍回路の成績係数や庫内冷却性能を一層安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も一層効果的に防止することができる。
【0027】
〔5〕請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記制御手段を、前記目標過熱度の変更後は設定時間の間、前記目標過熱度の変更を実施しない構成にしてある点にある。
【0028】
つまり、請求項1〜4のいずれかに係る発明の実施により先述(イ)〜(ハ)の各自動販売機において目標過熱度の変更が実行されると、その変更の原因である前記切り換え状況の変化の為に、また、前記した各冷媒出口での冷媒過熱度を新たな目標過熱度に調整する為に冷凍回路の運転状態が一時的に変動するが、この変動の途中に、例えば庫内温度の調整のためにいずれか蒸発器が機能停止状態に切り換えられたり逆に機能状態に切り換えられて、再び目標過熱度の変更があると、運転状態の変動が増長されて極めて不安定な運転状態に陥り、それが原因で庫内温度の上昇や冷凍回路の運転トラブルなどの不都合を招く虞がある。
【0029】
これに対し、上記構成によれば、設定時間として適当な時間を設定しておくことで、目標過熱度の変更が短時間の間に繰り返されて運転状態の変動が増長されることによる上記の如き運転状態の不安定化を防止することができ、これにより、冷凍回路運転の安定性(換言すれば、庫内冷却機能の安定性)及び耐久性に一層優れた自動販売機にすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は、缶飲料やペットボトル飲料を販売する自動販売機を示し、機体1の内部には、払い出し商品を収納する断熱構造の第1〜第3の商品庫2a〜2cを形成してあり、また、機体1の内部で商品庫2a〜2cの下方には外気流通を許す構造の機器室3を形成し、この機器室3には、各商品庫2a〜2cの庫内を冷却する蒸発器4a〜4cとともに蒸気圧縮式の冷凍回路Rを構成する凝縮器5及び圧縮機6、並びに、凝縮器5に対し放熱源としての外気を通風する外気ファン7を内装してある。
【0031】
第1〜第3商品庫2a〜2cの夫々には、それらの庫内を個別に冷却する上記蒸発器4a〜4cを内装し、また、第2及び第3商品庫2b,2cの夫々には、それらの庫内を個別に加熱する加熱器8b,8c(本実施形態では電気ヒータ)を内装し、さらに、第1〜第3商品庫2a〜2cの夫々には、庫内の空気を庫内装備の蒸発器4a〜4cや加熱器8b,8cに対して通風する形態で庫内循環させる庫内ファン9a〜9cを内装してある。
【0032】
つまり、第1商品庫2aは蒸発器4aにより庫内を冷却して収納商品を冷却する冷却専用庫にしてあり、一方、第2及び第3商品庫2b,2cの夫々は、加熱器8b,8cを機能停止させた状態で蒸発器4b,4cより庫内を冷却して収納商品を冷却する冷却庫と、蒸発器4b,4cを機能停止させた状態で加熱器8b,8cにより庫内を加熱して収納商品を加熱する加熱庫とに切り換え可能な商品庫にしてある。
【0033】
各商品庫2a〜2cの蒸発器4a〜4cは冷凍回路Rにおいて冷媒経路上で並列に配置し、また、冷凍回路Rには各蒸発器4a〜4cに対する個別の電子制御膨張弁10a〜10c(すなわち、蒸発器4a〜4cとともに冷媒経路上で並列に配置した電子制御膨張弁)を装備してある。
【0034】
11a〜11cは各商品庫2a〜2cの庫内温度tiを検出する庫温センサ、12は外気の温度toを検出する外気温センサであり、13a〜13cは各蒸発器4a〜4cの冷媒入口における冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14a〜14cは各蒸発器4a〜4cの冷媒出口における冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0035】
15は制御装置であり、この制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0036】
(a)冷却庫温調制御
冷却専用庫である第1商品庫2a、並びに、第2及び第3商品庫2b,2cのうち冷却庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する電子制御膨張弁10a〜10cを閉弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0037】
また、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する電子制御膨張弁10a〜10cを開弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0038】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つ。
【0039】
なお、全ての電子制御膨張弁10a〜10cを閉弁して全ての蒸発器4a〜4cを機能停止状態にする際には、次に少なくとも1つの電子制御膨張弁10a〜10cを開弁して少なくとも1つの蒸発器4a〜4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0040】
(b)加熱庫温調制御
第2及び第3商品庫2b,2cのうち加熱庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0041】
また、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0042】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0043】
(c)過熱度調整制御
機能状態にある蒸発器4a〜4cの各々につき、出口冷媒温度センサ14a〜14cにより検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13a〜13cにより検出される入口冷媒温度triを減算して、その蒸発器4a〜4cの冷媒出口における冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0044】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ、その蒸発器4a〜4cに対する電子制御膨張弁10a〜10cの開度を調整して、その蒸発器4a〜4cの冷媒出口における冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0045】
(d)目標過熱度変更制御
機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nと、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての図2に示す如き設定対応関係Kに基づき、機能状態にある蒸発器4a〜4cの各々についての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K上において、その時の機能状態蒸発器4a〜4cの個数nとその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0046】
上記の設定対応関係Kにおいて、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、また、各過熱度S1〜S9には、対応する機能状態蒸発器4a〜4cの個数n及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0047】
なお、上記の設定対応関係Kにおける各過熱度S1〜S9は、蒸発器4a〜4cごとの個別の過熱度にするのが望ましいが、各蒸発器4a〜4cがほぼ同条件のものである場合など、場合によっては各蒸発器4a〜4cについて共通の過熱度にしてよい。
【0048】
つまり、この自動販売機では、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(具体的には機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nの変化)や、外気温toの変化(具体的には該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0049】
以上要するに、本第1実施形態の自動販売機において、制御装置15は、冷媒経路上で並列に配置した蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、機能状態にある蒸発器4a〜4c各々の冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように各蒸発器4a〜4cに対する個別電子制御膨張弁10a〜10cの開度を調整する制御手段を構成する。
【0050】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数n)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、機能状態にある蒸発器4a〜4cの各々について上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0051】
〔第2実施形態〕
図3は、冷凍回路Rの回路構成が第1実施形態の自動販売機と相違する自動販売機を示し、この自動販売機では、各商品庫2a〜2cの蒸発器4a〜4cを冷凍回路Rの冷媒経路上で並列に配置するのに対し、それら蒸発器4a〜4cに対する共通の電子制御膨張弁10(すなわち、蒸発器4a〜4cの並列配置群に対する電子制御膨張弁)、及び、各蒸発器4a〜4cに対する個別の開閉弁Va〜Vcを冷凍回路Rに装備してある。
【0052】
13は蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒入口での冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14は蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0053】
そして、この自動販売機において制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0054】
(a)冷却庫温調制御
冷却専用庫である第1商品庫2a、並びに、第2及び第3商品庫2b,2cのうち冷却庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを閉弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0055】
また、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを開弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0056】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つ。
【0057】
なお、全ての開閉弁Va〜Vcを閉弁して全ての蒸発器4a〜4cを機能停止状態にする際には、次に少なくとも1つの開閉弁Va〜Vcを開弁して少なくとも1つの蒸発器4a〜4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0058】
(b)加熱庫温調制御
加熱庫温調制御については、第1実施形態の自動販売機と同様、第2及び第3商品庫2b,2cのうち加熱庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0059】
また、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0060】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0061】
(c)過熱度調整制御
蒸発器4a〜4cの並列配置群につき、出口冷媒温度センサ14により検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13により検出される入口冷媒温度triを減算して、蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0062】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ、各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整して、蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0063】
(d)目標過熱度変更制御
機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nと、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての前記図2に示す如き設定対応関係Kに基づき、蒸発器4a〜4cの並列配置群についての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K上において、その時の機能状態蒸発器4a〜4cの個数nとその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0064】
なお、上記の設定対応関係Kにおいて、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、また、蒸発器4a〜4cの並列配置群についての各過熱度S1〜S9には、対応する機能状態蒸発器4a〜4cの個数n及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0065】
つまり、この自動販売機においても、第1実施形態の自動販売機と同様、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nの変化)や、外気温toの変化(該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0066】
以上要するに、本第2実施形態の自動販売機において、制御装置15は、冷媒経路上で並列に配置した蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、それら蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整する制御手段を構成する。
【0067】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数n)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、蒸発器4a〜4cの並列配置群についての上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0068】
〔第3実施形態〕
図4は、冷凍回路Rの回路構成が第1及び第2実施形態の自動販売機と相違する自動販売機を示し、この自動販売機では、各商品庫2a〜2cの蒸発器4a〜4cを、第1商品庫2aに対する第1蒸発器4a−第2商品庫2bに対する第2蒸発器4b−第3商品庫2cに対する第3蒸発器4cの順に冷凍回路Rの冷媒経路上で直列に配置し、それら蒸発器4a〜4cに対する共通の電子制御膨張弁10(すなわち、蒸発器4a〜4cの直列配置群に対する電子制御膨張弁)を冷凍回路Rに装備してある。
【0069】
また、この蒸発器直列回路において、各蒸発器4a〜4cに対する個別のバイパス路p1〜p3を設けるとともに、各蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vc、及び、各バイパス路p1〜p3に対する開閉弁V1〜V3を設けてある。
【0070】
13は蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒入口での冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14は蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0071】
この自動販売機において制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0072】
(a)冷却庫温調制御
冷却専用庫である第1商品庫2a、並びに、第2及び第3商品庫2b,2cのうち冷却庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを閉弁するとともに、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対するバイパス路p1〜p3の開閉弁V1〜V3を開弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0073】
また、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを開弁するとともに、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対するバイパス路p1〜p3の開閉弁V1〜V3を閉弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0074】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つ。
【0075】
なお、第2実施形態の自動販売機と同様、全ての開閉弁Va〜Vcを閉弁して全ての蒸発器4a〜4cを機能停止状態にする際には、次に少なくとも1つの開閉弁Va〜Vcを開弁して少なくとも1つの蒸発器4a〜4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0076】
(b)加熱庫温調制御
加熱庫温調制御については、第1及び第2実施形態の自動販売機と同様、第2及び第3商品庫2b,2cのうち加熱庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0077】
また、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0078】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0079】
(c)過熱度調整制御
蒸発器4a〜4cの直列配置群につき、出口冷媒温度センサ14により検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13により検出される入口冷媒温度triを減算して、蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0080】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ、各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整して、蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0081】
(d)目標過熱度変更制御
第2実施形態の自動販売機と同様、機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nと、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての図2に示す如き設定対応関係Kに基づき、蒸発器4a〜4cの直列配置群についての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K上において、その時の機能状態蒸発器4a〜4cの個数nとその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0082】
なお、第2実施形態の自動販売機と同様、上記の設定対応関係Kにおいて、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、また、蒸発器4a〜4cの直列配置群についての各過熱度S1〜S9には、対応する機能状態蒸発器4a〜4cの個数n及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0083】
つまり、この自動販売機においても、第1及び第2実施形態の自動販売機と同様、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nの変化)や、外気温toの変化(該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0084】
以上要するに、本第3実施形態の自動販売機において、制御装置15は、冷媒経路上で直列に配置した蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、それら蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整する制御手段を構成する。
【0085】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数n)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、蒸発器4a〜4cの直列配置群についての上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0086】
〔第4実施形態〕
図5は、冷凍回路Rの回路構成、及び、庫内冷却構成が第1〜第3実施形態の自動販売機と相違する自動販売機を示し、この自動販売機では、第2商品庫2bの蒸発器を省いて、第1商品庫2aに対する蒸発器4aと第3商品庫2cに対する蒸発器4cとを冷凍回路Rの冷媒経路上で並列に配置し、そして、第1商品庫2aの蒸発器4aに対する電子制御膨張弁10a、並びに、第3商品庫2cの蒸発器4cに対する開閉弁Vc及びキャピラリーチューブCを冷凍回路Rに装備してある。
【0087】
また、第1商品庫2aと第2商品庫2bとの間の隔壁には、両庫2a,2bを連通させる連通路f、及び、その連通路fを開閉するシャッター装置16を設け、第2商品庫2bが冷却庫としての使用を指定されている状況では、シャッター装置16を連通路開き状態にして、冷却専用庫である第1商品庫2aに対し第2商品庫2bを連通路fを通じて連通させることにより、第1商品庫2aに対する蒸発器4aをもって第1及び第2商品庫2a,2bの両方の庫内を冷却する(換言すれば、庫内冷却上で第1及び第2商品庫2a,2bを共通蒸発器4aにより庫内冷却を行う実質的に1つの商品庫にする)ようにしてある。
【0088】
13aは第1商品庫2aに対する蒸発器4aの冷媒入口における冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14aは第1商品庫2aに対する蒸発器4aの冷媒出口における冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0089】
そして、この自動販売機において制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0090】
(a)冷却庫温調制御
第2商品庫2bが冷却庫としての使用を指定されているときには、シャッター装置16を連通路開き状態にして、第1商品庫2aに対し第2商品庫2bを連通路fを通じて連通させ、その状態で、第1及び第2商品庫2a,2bについて、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiと庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiとの両方が目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを閉弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0091】
また、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiと庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiとの少なくとも一方が目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを開弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0092】
これに対し、第2商品庫2bが加熱庫としての使用を指定されているときには、シャッター装置16を連通路閉じ状態にして、冷却専用庫である第1商品庫2aと第2商品庫2bとの連通路fを通じての連通を断ち、その状態で、第1商品庫2aについて、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを閉弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを開弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0093】
一方、第3商品庫2cについては、それが冷却庫としての使用を指定されているとき、庫温センサ11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、開閉弁Vcを閉弁して第3商品庫2cに対する蒸発器4cを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、開閉弁Vcを開弁して第3商品庫2cに対する蒸発器4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0094】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを極力、目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つようにする。
【0095】
なお、電子制御膨張弁10a及び開閉弁Vcの両方を閉弁して全ての蒸発器4a,4cを機能停止状態にする際には、次に電子制御膨張弁10aと開閉弁Vcとの少なくとも一方を開弁して少なくとも1つの蒸発器4a,4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0096】
(b)加熱庫温調制御
第2商品庫2bが加熱庫としての使用を指定されているときには、シャッター装置16の連通路閉じ状態の下で、庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、第2商品庫の加熱器8bを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、第2商品庫の加熱器8bを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0097】
同様に、第3商品庫2cが加熱庫としての使用を指定されているときには、対応蒸発器4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11cにより検出される第3商品庫2cの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、第3商品庫の加熱器8cを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11cにより検出される第3商品庫2cの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、第3商品庫の加熱器8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0098】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0099】
(c)過熱度調整制御
第1商品庫2aの蒸発器4aにつき、出口冷媒温度センサ14aにより検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13aにより検出される入口冷媒温度triを減算して、第1商品庫2aの蒸発器4aにおける冷媒出口での冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0100】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ電子制御膨張弁10aの開度を調整して、第1商品庫2aに対する蒸発器4aの冷媒出口における冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0101】
(d)目標過熱度変更制御
各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換えに関する3つの切り換え状況M1〜M3と、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての図6に示す如き設定対応関係K′に基づき、第1商品庫2aの蒸発器4aについての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K′上において、その時の蒸発器切り換え状況M1〜M3とその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0102】
なお、上記の設定対応関係K′において、3つの切り換え状況M1〜M3とは、第1商品庫2aの蒸発器4aのみが機能状態にある状況M1と、第3商品庫2cの蒸発器4cのみが機能状態にある状況M2と、両蒸発器4a,4cがともに機能状態にある状況M3との3状況である。
【0103】
また、前述の各実施形態と同様、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、蒸発器4aについての各過熱度S1〜S9には、対応する切り換え状況M1〜M3及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0104】
つまり、この自動販売機においても、前述の各実施形態の自動販売機と同様、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(該当する切り換え状況M1〜M3の変化)や、外気温toの変化(該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0105】
以上要するに、本第4実施形態の自動販売機において、制御装置15は、一部のものに電子制御膨張弁10aを装備しかつ他のものにキャピラリーチューブCを装備して冷媒経路上で並列に配置した蒸発器4a,4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、それら蒸発器4a,4cのうちの電子制御膨張弁10aを装備した一部の蒸発器4aにおける冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように、その電子制御膨張弁10aの開度を調整する制御手段を構成する。
【0106】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(該当する切り換え状況M1〜M3)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、電子制御膨張弁10aを装備した蒸発器4aついての上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0107】
なお、第1〜第4実施形態の各自動販売機において、制御装置15は、目標過熱度Smの変更が短時間の間に繰り返されることよる冷凍回路運転状態の不安定化を防止する為、目標過熱度Smの変更を実施した後、設定時間Twの間は目標過熱度Smの変更を実施しない構成にしてある。
【0108】
また、第4実施形態の自動販売機では、電子制御膨張弁10aを装備した一部蒸発器4aの冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように電子制御膨張弁10aの開度を調整する構成において、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(該当する切り換え状況M1〜M3)や外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、その一部蒸発器4aについての上記目標過熱度Smを変更するようにしたが、これに代え、電子制御膨張弁10aを装備した一部蒸発器4aとキャピラリーチューブCを装備した他の蒸発器4cとを冷媒経路上で並列配置する構成において、それら蒸発器4a,4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように一部蒸発器4aに対する電子制御膨張弁10aの開度を調整するようにし、そして、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(該当する切り換え状況M1〜M3)や外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、それら蒸発器4a,4cの並列配置群についての上記目標過熱度Smを変更するようにしてもよい。
【0109】
第2〜第4実施形態の自動販売機について、第1実施形態の自動販売機と同様の部分については、第1実施形態の自動販売機において各部に付した符号と同じ符号を付してある。
【0110】
〔別の実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
【0111】
前述の各実施形態では、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況、及び、外気温の両方に応じて目標過熱度Smを変更する例を示したが、本発明の実施において、場合によっては、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況のみに応じて目標過熱度Smを変更する構成にしてもよく、また、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況、及び、外気温以外の単数ないし複数の条件(又は外気温を含む複数の条件)に応じて目標過熱度Smを変更する構成にしてもよい。
【0112】
蒸発器の冷媒出口や蒸発器群の冷媒出口における冷媒過熱度Sを検出するのに、前述の各実施形態では、出口冷媒温度センサにより検出する出口冷媒温度troと入口冷媒温度センサにより検出する入口冷媒温度triとに基づき、それらの差として冷媒過熱度Sを検出するようにしたが、本発明の実施において、冷媒過熱度Sの検出には、これに限らず種々の検出方式を採用することができ、蒸発器の冷媒出口や蒸発器群の冷媒出口における冷媒過熱度Sの検出を冷媒圧力の検出などに基づいて行うようにしてもよい。
【0113】
本発明の実施において、蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換えるための構造は前述の各実施形態で示した切り換え構造に限らず、種々の構造を採用することができ、また、各商品庫に対する蒸発器の装備構造もどのような構造であってもよい。
【0114】
複数の商品庫の各々は、冷却庫と加熱庫とに切り換え使用可能なもの、あるいは、冷却専用庫のいずれであってもよく、また、各商品庫に収納する商品もペットボトル飲料や缶飲料に限らず、どのような商品であってもよい。
【0115】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図2】切換状況と外気温と過熱度とについての設定対応関係を示す図表
【図3】第2実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図4】第3実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図5】第4実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図6】切換状況と外気温と過熱度とについての設定対応関係を示す図表
【符号の説明】
2a〜2c 商品庫
4a〜4c 蒸発器
5 凝縮器
10 電子制御膨張弁
10a〜10c 電子制御膨張弁
15 制御手段
C キャピラリーチューブ
K,K′ 設定対応関係
M1〜M3 切り換え状況
n 切り換え状況
R 冷凍回路
S 冷媒過熱度
Sm 目標過熱度
to 外気温
Tw 設定時間
【発明の属する技術分野】
本発明は自動販売機に関し、詳しくは、次の(イ)〜(ハ)のうちのいずれかの自動販売機に関する。
【0002】
(イ)複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する個別の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機。
【0003】
(ロ) 複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列又は直列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する共通の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、前記蒸発器の並列配置群又は直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機。
【0004】
(ハ) 複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器のうちの一部の蒸発器に対する電子制御膨張弁、及び、それら複数の蒸発器のうちの他の蒸発器に対するキャピラリーチューブを設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、前記蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度又は機能状態にある前記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機。
【0005】
【従来の技術】
従来、この種の自動販売機では、冷凍回路の運転において上記した各冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように電子制御膨張弁の開度を調整する膨張弁制御を実行させるのに、使用冷媒種などに応じて適当な目標過熱度をメーカーサイドで固定的に初期設定し、販売機の実使用時には、その固定された目標過熱度での膨張弁制御の実行下で各蒸発器を機能させて各商品庫の庫内を冷却していた(特開2001−165547号公報、特開2001−167341号公報参照)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この従来の販売機では、庫内温度に応じ蒸発器を機能状態と機能停止状態とに切り換えることで庫内温度を目標冷却温度に保ったり、あるいは、いずれかの商品庫を季節や商品の売れ行きなどに応じ加熱庫として使用する際にその商品庫の蒸発器を機能停止状態にするなど、販売機の実使用において種々の理由で各々の商品庫につき、その商品庫に対する蒸発器を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作が実施され、その切り換えにより、いずれの商品庫に対する蒸発器が機能状態にあるかの状況(特に、機能状態にある蒸発器の個数)が変化すると、冷凍回路の運転状態が目標過熱度の初期設定の際に期した適正な運転状態から外れた運転状態になって、冷凍回路の成績係数が低下したり、各商品庫に対する冷却効果が不均一になる等の庫内冷却性能の低下を招いたり、あるいはまた、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルを招き易くなるといった問題があった。
【0007】
この実情に鑑み、本発明の主たる課題は、膨張弁制御に対する合理的な改良により上記問題を効果的に解消する点にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
〔1〕請求項1に係る発明は自動販売機に係り、その特徴は、
複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する個別の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設ける構成において、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある点にある。
【0009】
つまり、各商品庫に対する蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、それら蒸発器に対する個別の電子制御膨張弁を設ける先述(イ)の自動販売機において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(換言すれば、いずれの商品庫に対する蒸発器が機能状態にあるかの状況)が変化すると、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度についても、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(すなわち、目標過熱度とすべき過熱度)が変化してしまい、このことが従来における先述(イ)の自動販売機において上記切り換え状況が変化すると冷凍回路の運転状態が目標過熱度の固定的な初期設定の際に期した適正な運転状態から外れたものになってしまう原因になっていた。
【0010】
したがって、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように各蒸発器に対する個別電子制御膨張弁の開度を制御手段に調整させる先述(イ)の自動販売機において、それら冷媒過熱度(機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度)の夫々についての目標過熱度を、上記の如く蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて変更するようにすれば、その切り換え状況の変化にかかわらず、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度をその時々の切り換え状況下での適正過熱度にして、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができる。
【0011】
そして、このことにより、先述(イ)の自動販売機につき前述の如き従来の問題を効果的に解消することができて、従来に比べ冷凍回路の成績係数(換言すれば省エネ性)や庫内冷却性能を安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も効果的に防止することができる。
【0012】
〔2〕請求項2に係る発明は同じく自動販売機に係り、その特徴は、
複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列又は直列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する共通の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、前記蒸発器の並列配置群又は直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設ける構成において、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある点にある。
【0013】
つまり、各商品庫に対する蒸発器を冷媒経路上で並列又は直列に配置するとともに、それら蒸発器に対する共通の電子制御膨張弁を設ける先述(ロ)の自動販売機において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況が変化すると、それら蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度についても、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(目標過熱度とすべき過熱度)が変化してしまい、このことが従来における先述(ロ)の自動販売機において上記切り換え状況が変化すると冷凍回路の運転状態が目標過熱度の固定的な初期設定の際に期した適正な運転状態から外れたものになってしまう原因になっていた。
【0014】
したがって、蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように各蒸発器に対する共通電子制御膨張弁の開度を制御手段に調整させる先述(ロ)の自動販売機において、その冷媒過熱度(蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度)についての目標過熱度を、上記の如く蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて変更するようにすれば、その切り換え状況の変化にかかわらず、蒸発器の並列配置群や直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度をその時々の切り換え状況下での適正過熱度にして、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができる。
【0015】
そして、このことにより、請求項1に係る発明と同様、先述(ロ)の自動販売機につき前述の如き従来の問題を効果的に解消することができて、従来に比べ冷凍回路の成績係数(換言すれば省エネ性)や庫内冷却性能を安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も効果的に防止することができる。
【0016】
〔3〕請求項3に係る発明は同じく自動販売機に係り、その特徴は、
複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、
外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器のうちの一部の蒸発器に対する電子制御膨張弁、及び、それら複数の蒸発器のうちの他の蒸発器に対するキャピラリーチューブを設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、前記蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度又は機能状態にある前記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設ける構成において、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある点にある。
【0017】
つまり、各商品庫に対する蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、それら蒸発器のうちの一部の蒸発器に対する電子制御膨張弁、及び、それら蒸発器のうちの他の蒸発器に対するキャピラリーチューブを設ける先述(ハ)の自動販売機において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況が変化すると、先述(イ),(ロ)の自動販売機と同様、それら蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度や、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度についても、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(目標過熱度とすべき過熱度)が変化してしまい、このことが従来における先述(ハ)の自動販売機において上記切り換え状況が変化すると冷凍回路の運転状態が目標過熱度の固定的な初期設定の際に期した適正な運転状態から外れたものになってしまう原因になっていた。
【0018】
したがって、蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度、又は、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように上記一部蒸発器に対する電子制御膨張弁の開度を制御手段に調整させる先述(ハ)の自動販売機において、その冷媒過熱度(蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度、又は、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度)についての目標過熱度を、上記の如く蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて変更するようにすれば、その切り換え状況の変化にかかわらず、蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度、又は、機能状態にある上記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度をその時々の切り換え状況下での適正過熱度にして、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができる。
【0019】
そして、このことにより、請求項1,2に係る発明と同様、先述(ハ)の自動販売機につき前述の如き従来の問題を効果的に解消することができて、従来に比べ冷凍回路の成績係数(換言すれば省エネ性)や庫内冷却性能を安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も効果的に防止することができる。
【0020】
なお、請求項1〜3に係る発明の実施において、冷媒経路上で並列に配置した蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換えるには、それら蒸発器に対し個別に設けた電子制御膨張弁を閉弁可能なものにして、それら電子制御膨張弁の開閉により各蒸発器に対する冷媒流通を断続する方式、あるいは、各蒸発器に対し個別に開閉弁を設けて、それら開閉弁の開閉により各蒸発器に対する冷媒流通を断続する方式など、種々の切り換え方式を採用することができる。
【0021】
また、冷媒経路上で直列に配置した蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換えるにも、各蒸発器に対しバイパス路を設けるとともに、冷媒を蒸発器に通過させるかバイパス路に通過させるかを切り換える弁機構を設けて、この弁機構により各蒸発器に対する冷媒流通を断続する方式を初め、種々の切り換え方式を採用することができる。
【0022】
請求項1〜3に係る発明の実施において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じ目標過熱度を変更するには、その切り換え状況と各切り換え状況下での適正過熱度との対応関係を予め設定しておいて、その設定対応関係に基づき、目標過熱度をその設定対応関係上でその時の切り換え状況に対応する過熱度に変更する方式や、その時の切り換え状況下での適正過熱度を所定の演算式により算出して、目標過熱度を算出過熱度に変更する方式など、種々の変更方式を採用することができる。
【0023】
また、請求項1〜3に係る発明の実施において、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じ目標過熱度を変更するのに、機能状態にある蒸発器がいずれの蒸発器(すなわち、いずれの商品庫に対する蒸発器)であるかの区別も行う厳密な形態でその時の切り換え状況に応じて目標過熱度を変更する方式に限らず、簡易には、機能状態にある蒸発器の個数に応じて目標過熱度を変更する方式や、複数の蒸発器のうちの特定の蒸発器が機能状態にあるか否かの状況に応じて目標過熱度を変更する方式などを採用してもよい。
【0024】
〔4〕請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記制御手段を、前記切り換え状況と外気温と過熱度とについての設定対応関係に基づき、前記目標過熱度を前記設定対応関係上でその時の前記切り換え状況及びその時の外気温に対応する過熱度に変更する構成にしてある点にある。
【0025】
つまり、先述(イ)〜(ハ)の各自動販売機における前記した各冷媒出口での冷媒過熱度について、冷凍回路の運転状態を適正なものにする適正過熱度(目標過熱度とすべき過熱度)は、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化によって変化するだけでなく、冷凍回路の放熱源である外気の温度によっても変化する。
【0026】
したがって、上記構成(略言すれば、目標過熱度をその時の前記切り換え状況及びその時の外気温に対して予め設定されている過熱度に変更する制御構成)の実施において、切り換え状況と外気温と過熱度とについての対応関係を設定するのに、その過熱度を対応する切り換え状況及び対応する外気温の下での適正過熱度(すなわち、対応する切り換え状況及び対応する外気温の下で冷凍回路の運転状態を適正なものにする過熱度)にしておけば、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化にかかわらず、また、外気温の変化にもかかわらず、冷凍回路の運転状態を適正な運転状態に保つようにすることができ、これにより、冷凍回路の成績係数や庫内冷却性能を一層安定的に高く保つことができ、また、冷媒圧力異常や液バックなどの運転トラブルの発生も一層効果的に防止することができる。
【0027】
〔5〕請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれか1項に係る発明の実施に好適な実施形態を特定するものであり、その特徴は、
前記制御手段を、前記目標過熱度の変更後は設定時間の間、前記目標過熱度の変更を実施しない構成にしてある点にある。
【0028】
つまり、請求項1〜4のいずれかに係る発明の実施により先述(イ)〜(ハ)の各自動販売機において目標過熱度の変更が実行されると、その変更の原因である前記切り換え状況の変化の為に、また、前記した各冷媒出口での冷媒過熱度を新たな目標過熱度に調整する為に冷凍回路の運転状態が一時的に変動するが、この変動の途中に、例えば庫内温度の調整のためにいずれか蒸発器が機能停止状態に切り換えられたり逆に機能状態に切り換えられて、再び目標過熱度の変更があると、運転状態の変動が増長されて極めて不安定な運転状態に陥り、それが原因で庫内温度の上昇や冷凍回路の運転トラブルなどの不都合を招く虞がある。
【0029】
これに対し、上記構成によれば、設定時間として適当な時間を設定しておくことで、目標過熱度の変更が短時間の間に繰り返されて運転状態の変動が増長されることによる上記の如き運転状態の不安定化を防止することができ、これにより、冷凍回路運転の安定性(換言すれば、庫内冷却機能の安定性)及び耐久性に一層優れた自動販売機にすることができる。
【0030】
【発明の実施の形態】
〔第1実施形態〕
図1は、缶飲料やペットボトル飲料を販売する自動販売機を示し、機体1の内部には、払い出し商品を収納する断熱構造の第1〜第3の商品庫2a〜2cを形成してあり、また、機体1の内部で商品庫2a〜2cの下方には外気流通を許す構造の機器室3を形成し、この機器室3には、各商品庫2a〜2cの庫内を冷却する蒸発器4a〜4cとともに蒸気圧縮式の冷凍回路Rを構成する凝縮器5及び圧縮機6、並びに、凝縮器5に対し放熱源としての外気を通風する外気ファン7を内装してある。
【0031】
第1〜第3商品庫2a〜2cの夫々には、それらの庫内を個別に冷却する上記蒸発器4a〜4cを内装し、また、第2及び第3商品庫2b,2cの夫々には、それらの庫内を個別に加熱する加熱器8b,8c(本実施形態では電気ヒータ)を内装し、さらに、第1〜第3商品庫2a〜2cの夫々には、庫内の空気を庫内装備の蒸発器4a〜4cや加熱器8b,8cに対して通風する形態で庫内循環させる庫内ファン9a〜9cを内装してある。
【0032】
つまり、第1商品庫2aは蒸発器4aにより庫内を冷却して収納商品を冷却する冷却専用庫にしてあり、一方、第2及び第3商品庫2b,2cの夫々は、加熱器8b,8cを機能停止させた状態で蒸発器4b,4cより庫内を冷却して収納商品を冷却する冷却庫と、蒸発器4b,4cを機能停止させた状態で加熱器8b,8cにより庫内を加熱して収納商品を加熱する加熱庫とに切り換え可能な商品庫にしてある。
【0033】
各商品庫2a〜2cの蒸発器4a〜4cは冷凍回路Rにおいて冷媒経路上で並列に配置し、また、冷凍回路Rには各蒸発器4a〜4cに対する個別の電子制御膨張弁10a〜10c(すなわち、蒸発器4a〜4cとともに冷媒経路上で並列に配置した電子制御膨張弁)を装備してある。
【0034】
11a〜11cは各商品庫2a〜2cの庫内温度tiを検出する庫温センサ、12は外気の温度toを検出する外気温センサであり、13a〜13cは各蒸発器4a〜4cの冷媒入口における冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14a〜14cは各蒸発器4a〜4cの冷媒出口における冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0035】
15は制御装置であり、この制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0036】
(a)冷却庫温調制御
冷却専用庫である第1商品庫2a、並びに、第2及び第3商品庫2b,2cのうち冷却庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する電子制御膨張弁10a〜10cを閉弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0037】
また、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する電子制御膨張弁10a〜10cを開弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0038】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つ。
【0039】
なお、全ての電子制御膨張弁10a〜10cを閉弁して全ての蒸発器4a〜4cを機能停止状態にする際には、次に少なくとも1つの電子制御膨張弁10a〜10cを開弁して少なくとも1つの蒸発器4a〜4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0040】
(b)加熱庫温調制御
第2及び第3商品庫2b,2cのうち加熱庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0041】
また、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0042】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0043】
(c)過熱度調整制御
機能状態にある蒸発器4a〜4cの各々につき、出口冷媒温度センサ14a〜14cにより検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13a〜13cにより検出される入口冷媒温度triを減算して、その蒸発器4a〜4cの冷媒出口における冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0044】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ、その蒸発器4a〜4cに対する電子制御膨張弁10a〜10cの開度を調整して、その蒸発器4a〜4cの冷媒出口における冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0045】
(d)目標過熱度変更制御
機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nと、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての図2に示す如き設定対応関係Kに基づき、機能状態にある蒸発器4a〜4cの各々についての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K上において、その時の機能状態蒸発器4a〜4cの個数nとその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0046】
上記の設定対応関係Kにおいて、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、また、各過熱度S1〜S9には、対応する機能状態蒸発器4a〜4cの個数n及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0047】
なお、上記の設定対応関係Kにおける各過熱度S1〜S9は、蒸発器4a〜4cごとの個別の過熱度にするのが望ましいが、各蒸発器4a〜4cがほぼ同条件のものである場合など、場合によっては各蒸発器4a〜4cについて共通の過熱度にしてよい。
【0048】
つまり、この自動販売機では、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(具体的には機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nの変化)や、外気温toの変化(具体的には該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0049】
以上要するに、本第1実施形態の自動販売機において、制御装置15は、冷媒経路上で並列に配置した蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、機能状態にある蒸発器4a〜4c各々の冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように各蒸発器4a〜4cに対する個別電子制御膨張弁10a〜10cの開度を調整する制御手段を構成する。
【0050】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数n)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、機能状態にある蒸発器4a〜4cの各々について上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0051】
〔第2実施形態〕
図3は、冷凍回路Rの回路構成が第1実施形態の自動販売機と相違する自動販売機を示し、この自動販売機では、各商品庫2a〜2cの蒸発器4a〜4cを冷凍回路Rの冷媒経路上で並列に配置するのに対し、それら蒸発器4a〜4cに対する共通の電子制御膨張弁10(すなわち、蒸発器4a〜4cの並列配置群に対する電子制御膨張弁)、及び、各蒸発器4a〜4cに対する個別の開閉弁Va〜Vcを冷凍回路Rに装備してある。
【0052】
13は蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒入口での冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14は蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0053】
そして、この自動販売機において制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0054】
(a)冷却庫温調制御
冷却専用庫である第1商品庫2a、並びに、第2及び第3商品庫2b,2cのうち冷却庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを閉弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0055】
また、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを開弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0056】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つ。
【0057】
なお、全ての開閉弁Va〜Vcを閉弁して全ての蒸発器4a〜4cを機能停止状態にする際には、次に少なくとも1つの開閉弁Va〜Vcを開弁して少なくとも1つの蒸発器4a〜4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0058】
(b)加熱庫温調制御
加熱庫温調制御については、第1実施形態の自動販売機と同様、第2及び第3商品庫2b,2cのうち加熱庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0059】
また、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0060】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0061】
(c)過熱度調整制御
蒸発器4a〜4cの並列配置群につき、出口冷媒温度センサ14により検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13により検出される入口冷媒温度triを減算して、蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0062】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ、各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整して、蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0063】
(d)目標過熱度変更制御
機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nと、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての前記図2に示す如き設定対応関係Kに基づき、蒸発器4a〜4cの並列配置群についての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K上において、その時の機能状態蒸発器4a〜4cの個数nとその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0064】
なお、上記の設定対応関係Kにおいて、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、また、蒸発器4a〜4cの並列配置群についての各過熱度S1〜S9には、対応する機能状態蒸発器4a〜4cの個数n及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0065】
つまり、この自動販売機においても、第1実施形態の自動販売機と同様、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nの変化)や、外気温toの変化(該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0066】
以上要するに、本第2実施形態の自動販売機において、制御装置15は、冷媒経路上で並列に配置した蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、それら蒸発器4a〜4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整する制御手段を構成する。
【0067】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数n)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、蒸発器4a〜4cの並列配置群についての上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0068】
〔第3実施形態〕
図4は、冷凍回路Rの回路構成が第1及び第2実施形態の自動販売機と相違する自動販売機を示し、この自動販売機では、各商品庫2a〜2cの蒸発器4a〜4cを、第1商品庫2aに対する第1蒸発器4a−第2商品庫2bに対する第2蒸発器4b−第3商品庫2cに対する第3蒸発器4cの順に冷凍回路Rの冷媒経路上で直列に配置し、それら蒸発器4a〜4cに対する共通の電子制御膨張弁10(すなわち、蒸発器4a〜4cの直列配置群に対する電子制御膨張弁)を冷凍回路Rに装備してある。
【0069】
また、この蒸発器直列回路において、各蒸発器4a〜4cに対する個別のバイパス路p1〜p3を設けるとともに、各蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vc、及び、各バイパス路p1〜p3に対する開閉弁V1〜V3を設けてある。
【0070】
13は蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒入口での冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14は蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0071】
この自動販売機において制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0072】
(a)冷却庫温調制御
冷却専用庫である第1商品庫2a、並びに、第2及び第3商品庫2b,2cのうち冷却庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを閉弁するとともに、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対するバイパス路p1〜p3の開閉弁V1〜V3を開弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0073】
また、庫温センサ11a〜11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対する開閉弁Va〜Vcを開弁するとともに、その商品庫の蒸発器4a〜4cに対するバイパス路p1〜p3の開閉弁V1〜V3を閉弁して、その商品庫の蒸発器4a〜4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0074】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つ。
【0075】
なお、第2実施形態の自動販売機と同様、全ての開閉弁Va〜Vcを閉弁して全ての蒸発器4a〜4cを機能停止状態にする際には、次に少なくとも1つの開閉弁Va〜Vcを開弁して少なくとも1つの蒸発器4a〜4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0076】
(b)加熱庫温調制御
加熱庫温調制御については、第1及び第2実施形態の自動販売機と同様、第2及び第3商品庫2b,2cのうち加熱庫としての使用を指定されている商品庫の各々について、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0077】
また、対応蒸発器4b,4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11b,11cにより検出される庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、その商品庫の加熱器8b,8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0078】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0079】
(c)過熱度調整制御
蒸発器4a〜4cの直列配置群につき、出口冷媒温度センサ14により検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13により検出される入口冷媒温度triを減算して、蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0080】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ、各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整して、蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0081】
(d)目標過熱度変更制御
第2実施形態の自動販売機と同様、機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nと、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての図2に示す如き設定対応関係Kに基づき、蒸発器4a〜4cの直列配置群についての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K上において、その時の機能状態蒸発器4a〜4cの個数nとその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0082】
なお、第2実施形態の自動販売機と同様、上記の設定対応関係Kにおいて、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、また、蒸発器4a〜4cの直列配置群についての各過熱度S1〜S9には、対応する機能状態蒸発器4a〜4cの個数n及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0083】
つまり、この自動販売機においても、第1及び第2実施形態の自動販売機と同様、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数nの変化)や、外気温toの変化(該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0084】
以上要するに、本第3実施形態の自動販売機において、制御装置15は、冷媒経路上で直列に配置した蒸発器4a〜4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、それら蒸発器4a〜4cの直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように各蒸発器4a〜4cに対する共通電子制御膨張弁10の開度を調整する制御手段を構成する。
【0085】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a〜4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(機能状態にある蒸発器4a〜4cの個数n)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、蒸発器4a〜4cの直列配置群についての上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0086】
〔第4実施形態〕
図5は、冷凍回路Rの回路構成、及び、庫内冷却構成が第1〜第3実施形態の自動販売機と相違する自動販売機を示し、この自動販売機では、第2商品庫2bの蒸発器を省いて、第1商品庫2aに対する蒸発器4aと第3商品庫2cに対する蒸発器4cとを冷凍回路Rの冷媒経路上で並列に配置し、そして、第1商品庫2aの蒸発器4aに対する電子制御膨張弁10a、並びに、第3商品庫2cの蒸発器4cに対する開閉弁Vc及びキャピラリーチューブCを冷凍回路Rに装備してある。
【0087】
また、第1商品庫2aと第2商品庫2bとの間の隔壁には、両庫2a,2bを連通させる連通路f、及び、その連通路fを開閉するシャッター装置16を設け、第2商品庫2bが冷却庫としての使用を指定されている状況では、シャッター装置16を連通路開き状態にして、冷却専用庫である第1商品庫2aに対し第2商品庫2bを連通路fを通じて連通させることにより、第1商品庫2aに対する蒸発器4aをもって第1及び第2商品庫2a,2bの両方の庫内を冷却する(換言すれば、庫内冷却上で第1及び第2商品庫2a,2bを共通蒸発器4aにより庫内冷却を行う実質的に1つの商品庫にする)ようにしてある。
【0088】
13aは第1商品庫2aに対する蒸発器4aの冷媒入口における冷媒温度triを検出する入口冷媒温度センサ、14aは第1商品庫2aに対する蒸発器4aの冷媒出口における冷媒温度troを検出する出口冷媒温度センサである。
【0089】
そして、この自動販売機において制御装置15は各センサの検出情報に基づき次の(a)〜(d)の各制御を実行する。
【0090】
(a)冷却庫温調制御
第2商品庫2bが冷却庫としての使用を指定されているときには、シャッター装置16を連通路開き状態にして、第1商品庫2aに対し第2商品庫2bを連通路fを通じて連通させ、その状態で、第1及び第2商品庫2a,2bについて、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiと庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiとの両方が目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを閉弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能状態から機能停止状態に切り換える。
【0091】
また、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiと庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiとの少なくとも一方が目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを開弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0092】
これに対し、第2商品庫2bが加熱庫としての使用を指定されているときには、シャッター装置16を連通路閉じ状態にして、冷却専用庫である第1商品庫2aと第2商品庫2bとの連通路fを通じての連通を断ち、その状態で、第1商品庫2aについて、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを閉弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11aにより検出される第1商品庫2aの庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、電子制御膨張弁10aを開弁して、第1商品庫2aの蒸発器4aを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0093】
一方、第3商品庫2cについては、それが冷却庫としての使用を指定されているとき、庫温センサ11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを低温側に逸脱すると、開閉弁Vcを閉弁して第3商品庫2cに対する蒸発器4cを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11cにより検出される庫内温度tiが目標冷却温度範囲Xを高温側に逸脱すると、開閉弁Vcを開弁して第3商品庫2cに対する蒸発器4cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0094】
すなわち、この冷却庫温調制御により、冷却庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを極力、目標冷却温度範囲Xの範囲内に保つようにする。
【0095】
なお、電子制御膨張弁10a及び開閉弁Vcの両方を閉弁して全ての蒸発器4a,4cを機能停止状態にする際には、次に電子制御膨張弁10aと開閉弁Vcとの少なくとも一方を開弁して少なくとも1つの蒸発器4a,4cを機能状態に切り換えるときまで、圧縮機6の運転を停止して冷凍回路Rの運転そのものを停止する。
【0096】
(b)加熱庫温調制御
第2商品庫2bが加熱庫としての使用を指定されているときには、シャッター装置16の連通路閉じ状態の下で、庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、第2商品庫の加熱器8bを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11bにより検出される第2商品庫2bの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、第2商品庫の加熱器8bを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0097】
同様に、第3商品庫2cが加熱庫としての使用を指定されているときには、対応蒸発器4cの機能停止状態の下で、庫温センサ11cにより検出される第3商品庫2cの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを高温側に逸脱すると、第3商品庫の加熱器8cを機能状態から機能停止状態に切り換え、また、庫温センサ11cにより検出される第3商品庫2cの庫内温度tiが目標加熱温度範囲Yを低温側に逸脱すると、第3商品庫の加熱器8cを機能停止状態から機能状態に切り換える。
【0098】
すなわち、この加熱庫温調制御により、加熱庫として使用されている商品庫の庫内温度tiを目標加熱温度範囲Yの範囲内に保つ。
【0099】
(c)過熱度調整制御
第1商品庫2aの蒸発器4aにつき、出口冷媒温度センサ14aにより検出される出口冷媒温度troから入口冷媒温度センサ13aにより検出される入口冷媒温度triを減算して、第1商品庫2aの蒸発器4aにおける冷媒出口での冷媒過熱度S(=tro―tri)を算出する。
【0100】
そして、算出した冷媒過熱度Sに応じ電子制御膨張弁10aの開度を調整して、第1商品庫2aに対する蒸発器4aの冷媒出口における冷媒過熱度Sを目標過熱度Smに調整する。
【0101】
(d)目標過熱度変更制御
各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換えに関する3つの切り換え状況M1〜M3と、3つの外気温範囲T1〜T3と、過熱度S1〜S9との三者についての図6に示す如き設定対応関係K′に基づき、第1商品庫2aの蒸発器4aについての前記目標過熱度Smを、その設定対応関係K′上において、その時の蒸発器切り換え状況M1〜M3とその時の外気温センサ12による検出外気温toが属する外気温範囲T1〜T3との両方に対応する過熱度S1〜S9に変更する。
【0102】
なお、上記の設定対応関係K′において、3つの切り換え状況M1〜M3とは、第1商品庫2aの蒸発器4aのみが機能状態にある状況M1と、第3商品庫2cの蒸発器4cのみが機能状態にある状況M2と、両蒸発器4a,4cがともに機能状態にある状況M3との3状況である。
【0103】
また、前述の各実施形態と同様、3つの外気温範囲T1〜T3は、年間を通じての外気温toの変化範囲を夏季の外気温変化範囲と冬季の外気温変化範囲と中間季の外気温変化範囲とに区分したものであり、蒸発器4aについての各過熱度S1〜S9には、対応する切り換え状況M1〜M3及び対応する外気温範囲T1〜T3の下で冷凍回路Rの運転状態を適正なものにする過熱度を選定してある。
【0104】
つまり、この自動販売機においても、前述の各実施形態の自動販売機と同様、(c)の過熱度調整制御とともに(d)の目標過熱度変更制御を実行することで、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況の変化(該当する切り換え状況M1〜M3の変化)や、外気温toの変化(該当する外気温範囲T1〜T3の変化)にかかわらず、冷凍回路Rの運転状態を適正な運転状態に保つようにしてある。
【0105】
以上要するに、本第4実施形態の自動販売機において、制御装置15は、一部のものに電子制御膨張弁10aを装備しかつ他のものにキャピラリーチューブCを装備して冷媒経路上で並列に配置した蒸発器4a,4cの各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、それら蒸発器4a,4cのうちの電子制御膨張弁10aを装備した一部の蒸発器4aにおける冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように、その電子制御膨張弁10aの開度を調整する制御手段を構成する。
【0106】
そして、この制御装置15は、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(該当する切り換え状況M1〜M3)、及び、外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、電子制御膨張弁10aを装備した蒸発器4aついての上記目標過熱度Smを変更する構成にしてある。
【0107】
なお、第1〜第4実施形態の各自動販売機において、制御装置15は、目標過熱度Smの変更が短時間の間に繰り返されることよる冷凍回路運転状態の不安定化を防止する為、目標過熱度Smの変更を実施した後、設定時間Twの間は目標過熱度Smの変更を実施しない構成にしてある。
【0108】
また、第4実施形態の自動販売機では、電子制御膨張弁10aを装備した一部蒸発器4aの冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように電子制御膨張弁10aの開度を調整する構成において、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(該当する切り換え状況M1〜M3)や外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、その一部蒸発器4aについての上記目標過熱度Smを変更するようにしたが、これに代え、電子制御膨張弁10aを装備した一部蒸発器4aとキャピラリーチューブCを装備した他の蒸発器4cとを冷媒経路上で並列配置する構成において、それら蒸発器4a,4cの並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度Sが目標過熱度Smになるように一部蒸発器4aに対する電子制御膨張弁10aの開度を調整するようにし、そして、各蒸発器4a,4cの機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況(該当する切り換え状況M1〜M3)や外気温to(該当する外気温範囲T1〜T3)に応じ、それら蒸発器4a,4cの並列配置群についての上記目標過熱度Smを変更するようにしてもよい。
【0109】
第2〜第4実施形態の自動販売機について、第1実施形態の自動販売機と同様の部分については、第1実施形態の自動販売機において各部に付した符号と同じ符号を付してある。
【0110】
〔別の実施形態〕
次に別実施形態を列記する。
【0111】
前述の各実施形態では、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況、及び、外気温の両方に応じて目標過熱度Smを変更する例を示したが、本発明の実施において、場合によっては、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況のみに応じて目標過熱度Smを変更する構成にしてもよく、また、蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況、及び、外気温以外の単数ないし複数の条件(又は外気温を含む複数の条件)に応じて目標過熱度Smを変更する構成にしてもよい。
【0112】
蒸発器の冷媒出口や蒸発器群の冷媒出口における冷媒過熱度Sを検出するのに、前述の各実施形態では、出口冷媒温度センサにより検出する出口冷媒温度troと入口冷媒温度センサにより検出する入口冷媒温度triとに基づき、それらの差として冷媒過熱度Sを検出するようにしたが、本発明の実施において、冷媒過熱度Sの検出には、これに限らず種々の検出方式を採用することができ、蒸発器の冷媒出口や蒸発器群の冷媒出口における冷媒過熱度Sの検出を冷媒圧力の検出などに基づいて行うようにしてもよい。
【0113】
本発明の実施において、蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換えるための構造は前述の各実施形態で示した切り換え構造に限らず、種々の構造を採用することができ、また、各商品庫に対する蒸発器の装備構造もどのような構造であってもよい。
【0114】
複数の商品庫の各々は、冷却庫と加熱庫とに切り換え使用可能なもの、あるいは、冷却専用庫のいずれであってもよく、また、各商品庫に収納する商品もペットボトル飲料や缶飲料に限らず、どのような商品であってもよい。
【0115】
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図2】切換状況と外気温と過熱度とについての設定対応関係を示す図表
【図3】第2実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図4】第3実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図5】第4実施形態の自動販売機を示す概略装置構成図
【図6】切換状況と外気温と過熱度とについての設定対応関係を示す図表
【符号の説明】
2a〜2c 商品庫
4a〜4c 蒸発器
5 凝縮器
10 電子制御膨張弁
10a〜10c 電子制御膨張弁
15 制御手段
C キャピラリーチューブ
K,K′ 設定対応関係
M1〜M3 切り換え状況
n 切り換え状況
R 冷凍回路
S 冷媒過熱度
Sm 目標過熱度
to 外気温
Tw 設定時間
Claims (5)
- 複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する個別の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、機能状態にある蒸発器各々の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機であって、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある自動販売機。 - 複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列又は直列に配置するとともに、これら複数の蒸発器に対する共通の電子制御膨張弁を設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うとともに、前記蒸発器の並列配置群又は直列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機であって、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある自動販売機。 - 複数の商品庫の庫内を個別に冷却する複数の蒸発器を設け、外気に対して放熱する凝縮器を備える蒸気圧縮式の冷凍回路において、複数の前記蒸発器を冷媒経路上で並列に配置するとともに、これら複数の蒸発器のうちの一部の蒸発器に対する電子制御膨張弁、及び、それら複数の蒸発器のうちの他の蒸発器に対するキャピラリーチューブを設け、
前記蒸発器の各々を機能状態と機能停止状態とに切り換える切換操作を行うともに、前記蒸発器の並列配置群における冷媒出口での冷媒過熱度又は機能状態にある前記一部蒸発器の冷媒出口での冷媒過熱度が目標過熱度になるように前記電子制御膨張弁の開度を調整する制御手段を設けてある自動販売機であって、
前記制御手段を、前記蒸発器各々の機能状態と機能停止状態とへの切り換え状況に応じて前記目標過熱度を変更する構成にしてある自動販売機。 - 前記制御手段を、前記切り換え状況と外気温と過熱度とについての設定対応関係に基づき、前記目標過熱度を前記設定対応関係上でその時の前記切り換え状況及びその時の外気温に対応する過熱度に変更する構成にしてある請求項1〜3のいずれか1項に記載の自動販売機。
- 前記制御手段を、前記目標過熱度の変更後は設定時間の間、前記目標過熱度の変更を実施しない構成にしてある請求項1〜4のいずれか1項に記載の自動販売機。
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JP2021134935A (ja) * | 2020-02-21 | 2021-09-13 | 三浦工業株式会社 | 給水加温システム |
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