JP2004078114A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】定着手段手前に設けられた、発熱体を有する搬送部による加熱効果を損なわず、安定した定着性や画像品質を実現できる定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】プレ加熱搬送ベルト41は、転写材Pを搬送する無端状のフィルム413と、フィルム413の転写材Pが搬送される側とは反対側に配置されて転写材Pを加熱する略平面状の平面ヒータ414と、を備える。
【選択図】 図1
【解決手段】プレ加熱搬送ベルト41は、転写材Pを搬送する無端状のフィルム413と、フィルム413の転写材Pが搬送される側とは反対側に配置されて転写材Pを加熱する略平面状の平面ヒータ414と、を備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート等の記録媒体上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタ、あるいは、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関し、特に、これらの装置に備えられる定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザービームプリンターなど電子写真技術を用いた画像形成装置では、感光層を有する潜像担持体表面にレーザー照射によって静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させることにより可視像化し、このトナー像を静電気力により記録媒体に転写することにより画像を形成している。
【0003】
しかしながら、この状態ではトナーは記録媒体の上にただ載っているだけで固定されていないので、その後、トナーを記録媒体の上に永久的に固定させるという作業を施す必要がある。
【0004】
それを行う手段としては、熱を加えて粉末状のトナーを溶融し、さらに、トナーと記録媒体を圧迫させるように圧力をかけるのが最も有用である。
【0005】
一般的に、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、トナーを記録媒体の上に永久的に固定させる手段として、定着ローラ及び加圧ローラと呼ばれる二本のローラを中心に構成された、いわゆる熱ローラ式の定着装置を用いている。
【0006】
これらのローラ表面は、いずれも弾性体ゴムで構成されており、定着ローラ表面、もしくは定着ローラ及び加圧ローラ表面はローラ円筒芯金空洞内のヒータによって、150〜200℃に熱せられ温度検知装置により制御されている。
【0007】
また、定着ローラ及び加圧ローラは一定の圧力により互いに当接しながら等速度で回転するようになっており、トナーの転写された記録媒体が、トナー担持面を定着ローラ側に向けて、定着ローラと加圧ローラ間ニップ部に突入することにより、トナーに熱と圧力が加えられ、記録媒体へのトナーの定着が行われる。
【0008】
近年では、市場のカラー化、高速化に伴って、定着装置に要求される性能はますます厳しくなってきている。
【0009】
カラー画像では、トナーを4色使用するため、定着するトナーの絶対量が増加する。さらに、各色のトナーを良く溶かして、合成色を発色させることが必要となってくる。そのため、カラー画像定着装置においてはトナーの溶融温度を下げて混色しやすくしたり、定着ローラと加圧ローラの硬度を下げ、定着ニップを増やして、定着性を確保するなどの対策がとられてきた。
【0010】
また、高速化が進んでくると、同じニップ長さでも定着に使われる時間が短くなるため、記録媒体に与えられる熱量としては少なくなり、定着性が悪化する。
【0011】
そのため、定着性を加熱時間を増やすことで解決しようと、例えば特開平11−344883号公報等に示されている、定着装置の手前のいわゆる搬送部におけるプレ加熱を行うことが提案されている。
【0012】
この様な、定着前でプレ加熱する画像形成装置においては、定着部に入る前に記録媒体がある程度の温度まで達するため、定着性は格段に向上する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0014】
図5は従来技術に係る定着装置4’を示す概略断面図である。
【0015】
従来のプレ加熱搬送路の部分(以下、プレ加熱定着器と称す)は、図5の符号41’に示される様に、ヒータを内蔵したローラにゴム等を用いたベルトを張り渡して構成されていた。
【0016】
この様なプレ加熱定着器ではローラの熱をゴムベルトに蓄えてベルト全体の熱が簡単に下がらないように構成され、搬送中の記録媒体を効率よく加熱するように考慮されている。
【0017】
しかしながら、電子写真装置を用いた複写機等は色々な種類の紙(記録媒体)を使用するためにその定着条件が異なり、多種類の紙を同一の複写機に使用した場合には、厚紙の定着性を確保すると薄紙で加熱量が過剰になると言った問題が発生した。
【0018】
これはローラ内部のヒータをオフしてもベルトの熱が簡単には冷めないため解決されず、また、画像形成速度(以下、プロセススピードと称す)の速い装置ほどその差が顕著に現れた。
【0019】
この様に加熱量が過剰になると、過剰に溶けたトナー像が定着ローラ42’に付着してしまうホットオフセットといった現象が起こり、画像が悪化したり定着器を汚してその後の紙に付着して画像を悪化させると言った問題が発生した。
【0020】
また、ホットオフセットまでいかなくても、過剰に加熱されたトナー像はその表面の光沢が増し、結果として厚紙と薄紙との光沢性が違ってしまうと言った画像品質の相違をもたらした。
【0021】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、定着手段手前に設けられた、発熱体を有する搬送部による加熱効果を損なわず、安定した定着性や画像品質を実現できる定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された記録媒体上に転写された未定着のトナー像を、加熱及び加圧して該記録媒体上に定着せしめる定着手段と、
を備えた定着装置において、
前記搬送手段は、
記録媒体を搬送する無端状フィルムと、
前記無端状フィルムの記録媒体が搬送される側とは反対側に配置されて記録媒体を加熱する略平面状の発熱体と、
を備えることを特徴とする。
【0023】
記録媒体の種類に応じて前記発熱体の発熱動作を制御する制御手段を備えることも好適である。
【0024】
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて前記発熱体の発熱動作のオン−オフを切り替えることも好適である。
【0025】
前記発熱体は搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われ、
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて、前記複数に分割された発熱体のうち発熱すべき発熱体を発熱させることも好適である。
【0026】
前記発熱体は搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われ、
前記制御手段は、前記複数に分割された発熱体にそれぞれ設けられて、該複数の発熱体の発熱動作をそれぞれ独立して行うことも好適である。
【0027】
前記発熱体を、前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させる位置切替手段を備え、
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて前記位置切替手段を動作させて、前記発熱体の位置を前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させることも好適である。
【0028】
前記発熱体は、搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われることも好適である。
【0029】
前記発熱体を、前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させる位置切替手段を備えることも好適である。
【0030】
前記無端状フィルムの記録媒体が搬送される側とは反対側に配置されて、該無端状フィルムを駆動する少なくとも2本の回転体を備えることも好適である。
【0031】
前記無端状フィルムは、導電層と抵抗層とを備えることも好適である。
【0032】
前記導電層の基準電位に対して前記抵抗層表面あるいはその上に搬送される記録媒体表面に電荷を付与して、記録媒体を静電的に搬送することも好適である。
【0033】
画像形成装置にあっては、記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、該トナー像が形成された記録材を通過させる上記記載の定着装置とを備えることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0035】
(第1の実施の形態)
図2は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一実施形態である電子写真方式のカラー複写機を示す概略構成図である。
【0036】
1は画像形成を行う画像形成手段を構成するプロセスユニットであって、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色毎に1Y,1M,1C,1Bが有り、それぞれの色を形成する。
【0037】
プロセスユニット1の構成はトナー色以外は同じなので、イエローステーションの1Yを使って画像形成プロセスを説明する。
【0038】
11は像担持体としての感光体で、アルミなどの導電性基体の表面に光半導電層を有し、矢印X方向に回転している。
【0039】
12は一次帯電器で、中抵抗のゴムローラにAC+DCバイアスをかけ、感光体11の表面を一様にマイナス帯電する。
【0040】
13は露光装置で、一様帯電された感光体11表面をカラー画像を各色毎に分解した画像状に露光し、静電潜像を形成する。
【0041】
14は現像装置で、イエローのトナーにより感光体11上の静電潜像を現像し可視化する。
【0042】
2は転写ベルトであり、紙カセット3から搬送されてきた記録媒体としての転写材Pをベルト表面に電気的に吸着搬送し、各プロセスユニットの感光体11とベルトを挟んで対向側に配置された転写ブレード21に印加されたバイアスにより、感光体11上に形成されたトナー像を転写材P上に静電的に転写する。
【0043】
15はクリーニング装置で、トナー像を転写した後の感光体11表面に残留するトナーを掻き取り、感光体11を再度作像に使用可能にする。
【0044】
4は定着装置であり、各色を転写された転写材Pを熱及び加圧により定着し、トナーを転写材P上に固定する。定着装置4は本実施の形態の特徴的な構成を備えるものであり、後に詳しく述べる。
【0045】
以下、本実施の形態の装置全体のシーケンスについて、フルカラーモードのコピーの場合を例として簡単に説明する。
【0046】
コピーが開始されると先ず、感光体11上を一次帯電器12が一様に帯電する。
【0047】
続いて、原稿台5の原稿を読み込んだ、色分解された画像露光が露光装置13により露光され、感光体11上に第1色目のイエローの静電潜像が形成される。
【0048】
次に、現像部では、現像装置14により、静電潜像が可視化され、イエローのトナー像が感光体11上に形成される。
【0049】
同様の作像プロセスで、マゼンタ,シアン,ブラックの各プロセスユニット1M,1C,1Bの感光体上に各色に対応するトナー像が形成される。
【0050】
一方、このトナー像とタイミングを合わせて紙カセット3から原稿に合わせたサイズの転写材Pが、搬送ローラ31により送られてきて、転写ベルト2上に静電吸着される。
【0051】
転写ベルト2上に吸着された転写材Pは各プロセスユニットのトナー像に合わせて感光体11と接触する転写部に搬送され、転写ブレード21に印加されたバイアスによって順次トナー像が転写材P上に転写され重ね合わされて、フルカラー画像を形成する。
【0052】
フルカラー画像を形成された転写材Pは転写ベルト終端で分離され、定着装置4に運ばれる。
【0053】
定着装置4において、転写材P上に重ね合わされた各色のトナーは、熱及び加圧力により混色し転写材Pと結着して、フルカラープリントとして排紙トレイ6に排紙される。
【0054】
次に、本実施の形態の特徴である定着装置について詳細に述べる。
【0055】
図1は、本実施の形態の特徴を備えた定着装置の一例を示す概略構成図である。
【0056】
定着装置4は、概略、定着・加圧ローラを備えた従来のローラ定着器と同様の定着部42と、それより定着紙搬送方向上流側にある熱源を備えたプレ加熱搬送部41と、の2つの部分に分けられる。ここで、定着部42は定着手段を構成し、プレ加熱搬送部41は搬送手段を構成している。
【0057】
プレ加熱搬送部41は、互いに平行に配置された回転体として駆動ローラ411とテンションローラ412の2本のローラに無端状フィルム413を張り渡し、このフィルム413の背面側で2本のローラ間に配置されフィルム413に接触している略平面状の発熱体としての平面ヒータ414により構成されている。
【0058】
フィルム413は、ポリイミド樹脂の無端状に形成した数〜数十μmのフィルム表面に、数μm単位の導電層および離型層(抵抗層)を順次コーティングした多層構成となっている。
【0059】
フィルム413の導電層は不図示の電気的接続によりアースに落とされ、絶縁層でもある離型層あるいはさらにその上にくる転写材Pとの間に電荷を付与することで転写材Pを静電的に吸着して、安定して搬送できるようになっている。
【0060】
さらに、最表面である離型層は両面印字の際に加熱された1面目画像がフィルムに付着するのを防止できるよう離型性をコントロールされている。
【0061】
駆動ローラ411は、スリップすることなくフィルム413を駆動できるよう、芯金の周りに摩擦の大きいゴムを巻いてローラ状に形成されている。
【0062】
テンションローラ412は、駆動ローラ411に対して搬送方向手前側に不図示のバネによりテンションがかけられており、フィルム413をたるみやしわが発生しないように保持している。
【0063】
平面ヒータ414は、セラミック上に抵抗体をプリントして形成され、表面の摺動性を上げるためガラスでコートされている。平面ヒータ414はその裏側に配置された検温素子415により温度制御されている。
【0064】
定着部42は、従来のローラ定着器を踏襲しており、図において上側の定着ローラ421と下側の加圧ローラ422とで構成されている。定着ローラ421と加圧ローラ422は、それぞれAlの中空ローラの内部にハロゲンランプ424を配置し、それぞれ独立して検温素子425により温度制御されている。
【0065】
定着ローラ421はAlの中空ローラ表面に弾性層であるシリコーンゴム層423をコートしている。シリコーンゴム層423は直接転写材P上のトナー像に接するため、溶けたトナーとの離型性が良くなければならない。また、加圧ローラ422からの加圧力により弾性変形して、定着に必要なニップを形成できるようある程度柔らかい硬度に設定する必要がある。
【0066】
加圧ローラ422は定着ローラ421と同様に、Alの中空ローラにシリコーンゴム層423をコートし、内部にハロゲンランプ424を配置して加熱及び加圧を行っている。加圧は、定着ローラ421が中心軸の位置を固定しているのに対して、加圧ローラ422は不図示のバネにより、その中心軸位置を定着ローラ421と加圧ローラ422の互いの中心を結ぶ線上に沿って押しつけるよう加圧されている。
【0067】
ここで、本実施の形態の特徴は、プレ加熱部分の構成にある。プレ加熱部分の部材を、薄いフィルム+平面上ヒータとすることで、転写材Pに対する加熱の応答性を上げ、転写材Pの厚さによって加熱をON−OFFすることで、安定した定着性や画像品質を得ることができる。
【0068】
従来は図5に示すような、厚いベルトとハロゲンヒータを内包した熱ローラの組み合わせでプレ加熱を行っていたので、転写材Pに対する加熱の応答性は悪く、転写材Pの種類によるプレ加熱の選択を行うのは困難であった。このため、定着性の悪い厚紙(転写材Pのうち厚いものを指す)に対して定着性を満足させると、薄紙(転写材Pのうち薄いものを指す)の時にはプレ加熱分の熱量が過剰に追加され、加熱過剰によるグロスのアップや、あるいはホットオフセットといった画像不良を引き起こす可能性があった。
【0069】
本実施の形態では、ベルトに80μmの低熱容量のフィルム413を用い、さらに低熱容量のベルトでも確実に転写材Pに熱を与えられるように、ベルト裏面の搬送路全面にわたって平面ヒータ414を配置している。また、この平面ヒータ414も出来るだけ薄い0.6mmのものを用いて低熱容量化し、電源のON−OFFに対する熱の応答性を上げている。
【0070】
平面ヒータ414のON−OFFは、転写材Pの厚さ等の種類を使用者が操作パネル上で指定し、指定された転写材Pの種類に応じて制御手段により制御させればよく、また、転写材Pの厚さ等の種類や特性を検出する検出手段を設け、検出手段の検出結果に応じて制御手段により制御させてもよい。
【0071】
また、平面ヒータ414の動作は、ON−OFFだけでなく、温度を段階的に制御してもよい。
【0072】
本実施の形態の構成で画像形成したところ、プレ加熱部の平面ヒータ414のON−OFFだけでプロセススピードを落とすことなく厚紙の定着性と薄紙の過剰過熱防止を両立することが出来た。さらに紙種による光沢の差も発生せず、良好な画像形成を行うことができた。
【0073】
すなわち、定着装置に異なった種類の記録媒体が突入しても適切な加熱量で加熱することが可能となり、記録媒体の種類によらぬ安定した定着性と画像品質を得ることができる。
【0074】
また、フィルム413を導電層と絶縁層との2層構造とし、記録媒体を静電搬送することで、フィルム413と記録媒体の密着性がよくなり、確実に記録媒体を加熱することができる。
【0075】
(第2の実施の形態)
図3には、第2の実施の形態が示されている。本実施の形態は、第1の実施の形態に対して他の実施形態を示すものであり、第1の実施の形態で示した定着装置4を改良したものである。
【0076】
図3は本実施の形態に係る定着装置の一例を示す概略断面図であり、図1と同じ構図で示している。なお、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0077】
本実施の形態では、プレ加熱の熱量をより細かく制御できるように改良されている。
【0078】
プレ加熱部分の熱量を、厚紙、薄紙だけではなく、その間の厚さの転写材Pに対しても適切な熱量を加えることが出来るように、第1の実施の形態の平面ヒータ414を紙搬送方向に対し複数に分割している。
【0079】
この複数本に分割された平面ヒータを、転写材Pの厚さ等の種類に応じてON−OFF制御することで、転写材Pの厚さに適した熱量を供給することが可能となる。なお、複数本に分割された平面ヒータをそれぞれ段階的に動作させてもよい。
【0080】
414a〜414eは第1の実施の形態の平面ヒータ414を搬送方向に5分割したヒータであり、それぞれに検温素子415a〜415eを配置して一定温度に制御されている。この5本の平面ヒータを、転写材Pの厚さ別に0〜5本点灯させ、プレ加熱の熱量を6段階に制御している。
【0081】
第1の実施の形態の平面ヒータ414を5段階の温度に制御しても同等の効果を得ることが出来るが、ヒータを分割して一定温度で温調をかけたことで各ヒータの温度が安定し、第1の実施の形態のヒータ全体を温度制御するよりも紙に対する加熱のばらつきを押さえることが出来る。
【0082】
また、プレ加熱の効果を有効に機能させるには、プレ加熱の熱源と後段(搬送方向下流側)の定着部42との間が短い程良いので、分割したヒータの点灯の順番は定着部42に近い方から順に、414a−414b−414c−414d−414eの順に増やしていくのが望ましい。
【0083】
本実施の形態の構成で画像形成したところ、厚紙、薄紙だけでなく、その間の厚さの転写材に対しても適切なプレ加熱を与えることができ、転写材の種類、特に厚さに対しより細かく対応できるようになった。
【0084】
このように、平面ヒータを複数個に分割し各々を個別に制御することで、記録媒体の種類に対してより細かな加熱制御ができ、さらに安定した定着性と画像品質を得ることができる。
【0085】
(第3の実施の形態)
図4には、第3の実施の形態が示されている。本実施の形態は、上述した実施の形態に対して他の実施形態を示すものであり、第1の実施の形態で示した定着装置4を改良したものである。
【0086】
図4は本実施の形態に係る定着装置の一例を示す概略断面図であり、図1と同じ構図で示している。なお、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0087】
本実施の形態では、より高速のプロセススピードに対応するよう構成されている。
【0088】
第1の実施の形態のような構成でプロセススピードを上げていくと、プレ加熱が連続で使われた後にプレ加熱無しを行った場合に、若干プレ加熱の効果が残ってしまう可能性がある。
【0089】
これは、平面ヒータ414の熱容量が問題であって、厚紙連続時にプレ加熱連続ONの影響で熱せられた平面ヒータが、プロセススピードの速さのために冷める間が無く、薄紙が搬送されて来てしまう場合には、光沢の変化が生じてしまうこととなる。
【0090】
これは、ベルトに使われているフィルム413の厚さに比べて、発熱体である平面ヒータ414は5〜10倍厚くなってしまうためで、その熱容量が無視できなくなる。
【0091】
そこで、本実施の形態では、この様なプロセススピードが速い場合にも速やかにプレ加熱効果がOFFできるように、平面ヒータ414を機械的にフィルム413から離間できるよう構成した。
【0092】
プレ加熱ON時は、フィルム413に接している位置、すなわち図4において点線で示す位置Aで通電された平面ヒータ414が、プレ加熱OFFと同時にカム416が動くことでフィルム413から離間し、搬送中の転写材Pに影響のないところで冷却されるよう構成されている。
【0093】
このため、プレ加熱OFFで搬送されるべき薄紙等にはプロセススピードが高速になっても熱の影響が出ずに、所定の熱量で定着が可能になる。
【0094】
ここで、カム416は位置切替手段を構成している。そして、カム416の動作は、例えばプロセススピードが所定の速さ以上で、プレ加熱が連続で使われた後にプレ加熱無しが行われる場合に、制御手段により制御されればよい。
【0095】
本実施の形態の構成で画像形成したところ、厚紙連続後の薄紙通紙でも過剰に加熱されることなく、所定の光沢の安定した画像を得ることが出来た。
【0096】
このように、平面ヒータをフィルムと離間可能とすることで、プロセススピードの速い画像形成装置でも発熱体の熱容量を気にすることなく温度制御ができ、高速化に対応した安定した定着性と画像品質を得ることができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、定着手段手前に設けられた、発熱体を有する搬送部による加熱効果を損なわず、安定した定着性や画像品質を実現できる定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図5】従来技術に係るプレ加熱搬送ベルトを用いた定着装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1(1Y,1M,1C,1B) プロセスユニット
11 感光体
12 一次帯電器
13 露光装置
14 現像装置
15 クリーニング装置
2 転写ベルト
21 転写ブレード
3 紙カセット
31 搬送ローラ
4 定着装置
41 プレ加熱搬送ベルト
411 駆動ローラ
412 テンションローラ
413 フィルム
414,414a〜414e 平面ヒータ
415,415a〜415e 検温素子
416 カム
42 定着部
421 定着ローラ
422 加圧ローラ
423 シリコーンゴム層
424 ハロゲンランプ
425 検温素子
5 原稿台
6 排紙トレイ
P 転写材
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート等の記録媒体上に画像を形成する機能を備えた、例えば、複写機、プリンタ、あるいは、ファクシミリ装置などの画像形成装置に関し、特に、これらの装置に備えられる定着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、複写機やレーザービームプリンターなど電子写真技術を用いた画像形成装置では、感光層を有する潜像担持体表面にレーザー照射によって静電潜像を形成し、この静電潜像にトナーを付着させることにより可視像化し、このトナー像を静電気力により記録媒体に転写することにより画像を形成している。
【0003】
しかしながら、この状態ではトナーは記録媒体の上にただ載っているだけで固定されていないので、その後、トナーを記録媒体の上に永久的に固定させるという作業を施す必要がある。
【0004】
それを行う手段としては、熱を加えて粉末状のトナーを溶融し、さらに、トナーと記録媒体を圧迫させるように圧力をかけるのが最も有用である。
【0005】
一般的に、電子写真方式を用いた画像形成装置においては、トナーを記録媒体の上に永久的に固定させる手段として、定着ローラ及び加圧ローラと呼ばれる二本のローラを中心に構成された、いわゆる熱ローラ式の定着装置を用いている。
【0006】
これらのローラ表面は、いずれも弾性体ゴムで構成されており、定着ローラ表面、もしくは定着ローラ及び加圧ローラ表面はローラ円筒芯金空洞内のヒータによって、150〜200℃に熱せられ温度検知装置により制御されている。
【0007】
また、定着ローラ及び加圧ローラは一定の圧力により互いに当接しながら等速度で回転するようになっており、トナーの転写された記録媒体が、トナー担持面を定着ローラ側に向けて、定着ローラと加圧ローラ間ニップ部に突入することにより、トナーに熱と圧力が加えられ、記録媒体へのトナーの定着が行われる。
【0008】
近年では、市場のカラー化、高速化に伴って、定着装置に要求される性能はますます厳しくなってきている。
【0009】
カラー画像では、トナーを4色使用するため、定着するトナーの絶対量が増加する。さらに、各色のトナーを良く溶かして、合成色を発色させることが必要となってくる。そのため、カラー画像定着装置においてはトナーの溶融温度を下げて混色しやすくしたり、定着ローラと加圧ローラの硬度を下げ、定着ニップを増やして、定着性を確保するなどの対策がとられてきた。
【0010】
また、高速化が進んでくると、同じニップ長さでも定着に使われる時間が短くなるため、記録媒体に与えられる熱量としては少なくなり、定着性が悪化する。
【0011】
そのため、定着性を加熱時間を増やすことで解決しようと、例えば特開平11−344883号公報等に示されている、定着装置の手前のいわゆる搬送部におけるプレ加熱を行うことが提案されている。
【0012】
この様な、定着前でプレ加熱する画像形成装置においては、定着部に入る前に記録媒体がある程度の温度まで達するため、定着性は格段に向上する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような従来技術の場合には、下記のような問題が生じていた。
【0014】
図5は従来技術に係る定着装置4’を示す概略断面図である。
【0015】
従来のプレ加熱搬送路の部分(以下、プレ加熱定着器と称す)は、図5の符号41’に示される様に、ヒータを内蔵したローラにゴム等を用いたベルトを張り渡して構成されていた。
【0016】
この様なプレ加熱定着器ではローラの熱をゴムベルトに蓄えてベルト全体の熱が簡単に下がらないように構成され、搬送中の記録媒体を効率よく加熱するように考慮されている。
【0017】
しかしながら、電子写真装置を用いた複写機等は色々な種類の紙(記録媒体)を使用するためにその定着条件が異なり、多種類の紙を同一の複写機に使用した場合には、厚紙の定着性を確保すると薄紙で加熱量が過剰になると言った問題が発生した。
【0018】
これはローラ内部のヒータをオフしてもベルトの熱が簡単には冷めないため解決されず、また、画像形成速度(以下、プロセススピードと称す)の速い装置ほどその差が顕著に現れた。
【0019】
この様に加熱量が過剰になると、過剰に溶けたトナー像が定着ローラ42’に付着してしまうホットオフセットといった現象が起こり、画像が悪化したり定着器を汚してその後の紙に付着して画像を悪化させると言った問題が発生した。
【0020】
また、ホットオフセットまでいかなくても、過剰に加熱されたトナー像はその表面の光沢が増し、結果として厚紙と薄紙との光沢性が違ってしまうと言った画像品質の相違をもたらした。
【0021】
本発明は上記の従来技術の課題を解決するためになされたもので、その目的とするところは、定着手段手前に設けられた、発熱体を有する搬送部による加熱効果を損なわず、安定した定着性や画像品質を実現できる定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明にあっては、
記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された記録媒体上に転写された未定着のトナー像を、加熱及び加圧して該記録媒体上に定着せしめる定着手段と、
を備えた定着装置において、
前記搬送手段は、
記録媒体を搬送する無端状フィルムと、
前記無端状フィルムの記録媒体が搬送される側とは反対側に配置されて記録媒体を加熱する略平面状の発熱体と、
を備えることを特徴とする。
【0023】
記録媒体の種類に応じて前記発熱体の発熱動作を制御する制御手段を備えることも好適である。
【0024】
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて前記発熱体の発熱動作のオン−オフを切り替えることも好適である。
【0025】
前記発熱体は搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われ、
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて、前記複数に分割された発熱体のうち発熱すべき発熱体を発熱させることも好適である。
【0026】
前記発熱体は搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われ、
前記制御手段は、前記複数に分割された発熱体にそれぞれ設けられて、該複数の発熱体の発熱動作をそれぞれ独立して行うことも好適である。
【0027】
前記発熱体を、前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させる位置切替手段を備え、
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて前記位置切替手段を動作させて、前記発熱体の位置を前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させることも好適である。
【0028】
前記発熱体は、搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われることも好適である。
【0029】
前記発熱体を、前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させる位置切替手段を備えることも好適である。
【0030】
前記無端状フィルムの記録媒体が搬送される側とは反対側に配置されて、該無端状フィルムを駆動する少なくとも2本の回転体を備えることも好適である。
【0031】
前記無端状フィルムは、導電層と抵抗層とを備えることも好適である。
【0032】
前記導電層の基準電位に対して前記抵抗層表面あるいはその上に搬送される記録媒体表面に電荷を付与して、記録媒体を静電的に搬送することも好適である。
【0033】
画像形成装置にあっては、記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、該トナー像が形成された記録材を通過させる上記記載の定着装置とを備えることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して、この発明の好適な実施の形態を例示的に詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状それらの相対配置などは、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるべきものであり、この発明の範囲を以下の実施の形態に限定する趣旨のものではない。
【0035】
(第1の実施の形態)
図2は本発明の第1の実施の形態に係る画像形成装置の一実施形態である電子写真方式のカラー複写機を示す概略構成図である。
【0036】
1は画像形成を行う画像形成手段を構成するプロセスユニットであって、イエロー,マゼンタ,シアン,ブラックの各色毎に1Y,1M,1C,1Bが有り、それぞれの色を形成する。
【0037】
プロセスユニット1の構成はトナー色以外は同じなので、イエローステーションの1Yを使って画像形成プロセスを説明する。
【0038】
11は像担持体としての感光体で、アルミなどの導電性基体の表面に光半導電層を有し、矢印X方向に回転している。
【0039】
12は一次帯電器で、中抵抗のゴムローラにAC+DCバイアスをかけ、感光体11の表面を一様にマイナス帯電する。
【0040】
13は露光装置で、一様帯電された感光体11表面をカラー画像を各色毎に分解した画像状に露光し、静電潜像を形成する。
【0041】
14は現像装置で、イエローのトナーにより感光体11上の静電潜像を現像し可視化する。
【0042】
2は転写ベルトであり、紙カセット3から搬送されてきた記録媒体としての転写材Pをベルト表面に電気的に吸着搬送し、各プロセスユニットの感光体11とベルトを挟んで対向側に配置された転写ブレード21に印加されたバイアスにより、感光体11上に形成されたトナー像を転写材P上に静電的に転写する。
【0043】
15はクリーニング装置で、トナー像を転写した後の感光体11表面に残留するトナーを掻き取り、感光体11を再度作像に使用可能にする。
【0044】
4は定着装置であり、各色を転写された転写材Pを熱及び加圧により定着し、トナーを転写材P上に固定する。定着装置4は本実施の形態の特徴的な構成を備えるものであり、後に詳しく述べる。
【0045】
以下、本実施の形態の装置全体のシーケンスについて、フルカラーモードのコピーの場合を例として簡単に説明する。
【0046】
コピーが開始されると先ず、感光体11上を一次帯電器12が一様に帯電する。
【0047】
続いて、原稿台5の原稿を読み込んだ、色分解された画像露光が露光装置13により露光され、感光体11上に第1色目のイエローの静電潜像が形成される。
【0048】
次に、現像部では、現像装置14により、静電潜像が可視化され、イエローのトナー像が感光体11上に形成される。
【0049】
同様の作像プロセスで、マゼンタ,シアン,ブラックの各プロセスユニット1M,1C,1Bの感光体上に各色に対応するトナー像が形成される。
【0050】
一方、このトナー像とタイミングを合わせて紙カセット3から原稿に合わせたサイズの転写材Pが、搬送ローラ31により送られてきて、転写ベルト2上に静電吸着される。
【0051】
転写ベルト2上に吸着された転写材Pは各プロセスユニットのトナー像に合わせて感光体11と接触する転写部に搬送され、転写ブレード21に印加されたバイアスによって順次トナー像が転写材P上に転写され重ね合わされて、フルカラー画像を形成する。
【0052】
フルカラー画像を形成された転写材Pは転写ベルト終端で分離され、定着装置4に運ばれる。
【0053】
定着装置4において、転写材P上に重ね合わされた各色のトナーは、熱及び加圧力により混色し転写材Pと結着して、フルカラープリントとして排紙トレイ6に排紙される。
【0054】
次に、本実施の形態の特徴である定着装置について詳細に述べる。
【0055】
図1は、本実施の形態の特徴を備えた定着装置の一例を示す概略構成図である。
【0056】
定着装置4は、概略、定着・加圧ローラを備えた従来のローラ定着器と同様の定着部42と、それより定着紙搬送方向上流側にある熱源を備えたプレ加熱搬送部41と、の2つの部分に分けられる。ここで、定着部42は定着手段を構成し、プレ加熱搬送部41は搬送手段を構成している。
【0057】
プレ加熱搬送部41は、互いに平行に配置された回転体として駆動ローラ411とテンションローラ412の2本のローラに無端状フィルム413を張り渡し、このフィルム413の背面側で2本のローラ間に配置されフィルム413に接触している略平面状の発熱体としての平面ヒータ414により構成されている。
【0058】
フィルム413は、ポリイミド樹脂の無端状に形成した数〜数十μmのフィルム表面に、数μm単位の導電層および離型層(抵抗層)を順次コーティングした多層構成となっている。
【0059】
フィルム413の導電層は不図示の電気的接続によりアースに落とされ、絶縁層でもある離型層あるいはさらにその上にくる転写材Pとの間に電荷を付与することで転写材Pを静電的に吸着して、安定して搬送できるようになっている。
【0060】
さらに、最表面である離型層は両面印字の際に加熱された1面目画像がフィルムに付着するのを防止できるよう離型性をコントロールされている。
【0061】
駆動ローラ411は、スリップすることなくフィルム413を駆動できるよう、芯金の周りに摩擦の大きいゴムを巻いてローラ状に形成されている。
【0062】
テンションローラ412は、駆動ローラ411に対して搬送方向手前側に不図示のバネによりテンションがかけられており、フィルム413をたるみやしわが発生しないように保持している。
【0063】
平面ヒータ414は、セラミック上に抵抗体をプリントして形成され、表面の摺動性を上げるためガラスでコートされている。平面ヒータ414はその裏側に配置された検温素子415により温度制御されている。
【0064】
定着部42は、従来のローラ定着器を踏襲しており、図において上側の定着ローラ421と下側の加圧ローラ422とで構成されている。定着ローラ421と加圧ローラ422は、それぞれAlの中空ローラの内部にハロゲンランプ424を配置し、それぞれ独立して検温素子425により温度制御されている。
【0065】
定着ローラ421はAlの中空ローラ表面に弾性層であるシリコーンゴム層423をコートしている。シリコーンゴム層423は直接転写材P上のトナー像に接するため、溶けたトナーとの離型性が良くなければならない。また、加圧ローラ422からの加圧力により弾性変形して、定着に必要なニップを形成できるようある程度柔らかい硬度に設定する必要がある。
【0066】
加圧ローラ422は定着ローラ421と同様に、Alの中空ローラにシリコーンゴム層423をコートし、内部にハロゲンランプ424を配置して加熱及び加圧を行っている。加圧は、定着ローラ421が中心軸の位置を固定しているのに対して、加圧ローラ422は不図示のバネにより、その中心軸位置を定着ローラ421と加圧ローラ422の互いの中心を結ぶ線上に沿って押しつけるよう加圧されている。
【0067】
ここで、本実施の形態の特徴は、プレ加熱部分の構成にある。プレ加熱部分の部材を、薄いフィルム+平面上ヒータとすることで、転写材Pに対する加熱の応答性を上げ、転写材Pの厚さによって加熱をON−OFFすることで、安定した定着性や画像品質を得ることができる。
【0068】
従来は図5に示すような、厚いベルトとハロゲンヒータを内包した熱ローラの組み合わせでプレ加熱を行っていたので、転写材Pに対する加熱の応答性は悪く、転写材Pの種類によるプレ加熱の選択を行うのは困難であった。このため、定着性の悪い厚紙(転写材Pのうち厚いものを指す)に対して定着性を満足させると、薄紙(転写材Pのうち薄いものを指す)の時にはプレ加熱分の熱量が過剰に追加され、加熱過剰によるグロスのアップや、あるいはホットオフセットといった画像不良を引き起こす可能性があった。
【0069】
本実施の形態では、ベルトに80μmの低熱容量のフィルム413を用い、さらに低熱容量のベルトでも確実に転写材Pに熱を与えられるように、ベルト裏面の搬送路全面にわたって平面ヒータ414を配置している。また、この平面ヒータ414も出来るだけ薄い0.6mmのものを用いて低熱容量化し、電源のON−OFFに対する熱の応答性を上げている。
【0070】
平面ヒータ414のON−OFFは、転写材Pの厚さ等の種類を使用者が操作パネル上で指定し、指定された転写材Pの種類に応じて制御手段により制御させればよく、また、転写材Pの厚さ等の種類や特性を検出する検出手段を設け、検出手段の検出結果に応じて制御手段により制御させてもよい。
【0071】
また、平面ヒータ414の動作は、ON−OFFだけでなく、温度を段階的に制御してもよい。
【0072】
本実施の形態の構成で画像形成したところ、プレ加熱部の平面ヒータ414のON−OFFだけでプロセススピードを落とすことなく厚紙の定着性と薄紙の過剰過熱防止を両立することが出来た。さらに紙種による光沢の差も発生せず、良好な画像形成を行うことができた。
【0073】
すなわち、定着装置に異なった種類の記録媒体が突入しても適切な加熱量で加熱することが可能となり、記録媒体の種類によらぬ安定した定着性と画像品質を得ることができる。
【0074】
また、フィルム413を導電層と絶縁層との2層構造とし、記録媒体を静電搬送することで、フィルム413と記録媒体の密着性がよくなり、確実に記録媒体を加熱することができる。
【0075】
(第2の実施の形態)
図3には、第2の実施の形態が示されている。本実施の形態は、第1の実施の形態に対して他の実施形態を示すものであり、第1の実施の形態で示した定着装置4を改良したものである。
【0076】
図3は本実施の形態に係る定着装置の一例を示す概略断面図であり、図1と同じ構図で示している。なお、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0077】
本実施の形態では、プレ加熱の熱量をより細かく制御できるように改良されている。
【0078】
プレ加熱部分の熱量を、厚紙、薄紙だけではなく、その間の厚さの転写材Pに対しても適切な熱量を加えることが出来るように、第1の実施の形態の平面ヒータ414を紙搬送方向に対し複数に分割している。
【0079】
この複数本に分割された平面ヒータを、転写材Pの厚さ等の種類に応じてON−OFF制御することで、転写材Pの厚さに適した熱量を供給することが可能となる。なお、複数本に分割された平面ヒータをそれぞれ段階的に動作させてもよい。
【0080】
414a〜414eは第1の実施の形態の平面ヒータ414を搬送方向に5分割したヒータであり、それぞれに検温素子415a〜415eを配置して一定温度に制御されている。この5本の平面ヒータを、転写材Pの厚さ別に0〜5本点灯させ、プレ加熱の熱量を6段階に制御している。
【0081】
第1の実施の形態の平面ヒータ414を5段階の温度に制御しても同等の効果を得ることが出来るが、ヒータを分割して一定温度で温調をかけたことで各ヒータの温度が安定し、第1の実施の形態のヒータ全体を温度制御するよりも紙に対する加熱のばらつきを押さえることが出来る。
【0082】
また、プレ加熱の効果を有効に機能させるには、プレ加熱の熱源と後段(搬送方向下流側)の定着部42との間が短い程良いので、分割したヒータの点灯の順番は定着部42に近い方から順に、414a−414b−414c−414d−414eの順に増やしていくのが望ましい。
【0083】
本実施の形態の構成で画像形成したところ、厚紙、薄紙だけでなく、その間の厚さの転写材に対しても適切なプレ加熱を与えることができ、転写材の種類、特に厚さに対しより細かく対応できるようになった。
【0084】
このように、平面ヒータを複数個に分割し各々を個別に制御することで、記録媒体の種類に対してより細かな加熱制御ができ、さらに安定した定着性と画像品質を得ることができる。
【0085】
(第3の実施の形態)
図4には、第3の実施の形態が示されている。本実施の形態は、上述した実施の形態に対して他の実施形態を示すものであり、第1の実施の形態で示した定着装置4を改良したものである。
【0086】
図4は本実施の形態に係る定着装置の一例を示す概略断面図であり、図1と同じ構図で示している。なお、第1の実施の形態と同様の構成部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
【0087】
本実施の形態では、より高速のプロセススピードに対応するよう構成されている。
【0088】
第1の実施の形態のような構成でプロセススピードを上げていくと、プレ加熱が連続で使われた後にプレ加熱無しを行った場合に、若干プレ加熱の効果が残ってしまう可能性がある。
【0089】
これは、平面ヒータ414の熱容量が問題であって、厚紙連続時にプレ加熱連続ONの影響で熱せられた平面ヒータが、プロセススピードの速さのために冷める間が無く、薄紙が搬送されて来てしまう場合には、光沢の変化が生じてしまうこととなる。
【0090】
これは、ベルトに使われているフィルム413の厚さに比べて、発熱体である平面ヒータ414は5〜10倍厚くなってしまうためで、その熱容量が無視できなくなる。
【0091】
そこで、本実施の形態では、この様なプロセススピードが速い場合にも速やかにプレ加熱効果がOFFできるように、平面ヒータ414を機械的にフィルム413から離間できるよう構成した。
【0092】
プレ加熱ON時は、フィルム413に接している位置、すなわち図4において点線で示す位置Aで通電された平面ヒータ414が、プレ加熱OFFと同時にカム416が動くことでフィルム413から離間し、搬送中の転写材Pに影響のないところで冷却されるよう構成されている。
【0093】
このため、プレ加熱OFFで搬送されるべき薄紙等にはプロセススピードが高速になっても熱の影響が出ずに、所定の熱量で定着が可能になる。
【0094】
ここで、カム416は位置切替手段を構成している。そして、カム416の動作は、例えばプロセススピードが所定の速さ以上で、プレ加熱が連続で使われた後にプレ加熱無しが行われる場合に、制御手段により制御されればよい。
【0095】
本実施の形態の構成で画像形成したところ、厚紙連続後の薄紙通紙でも過剰に加熱されることなく、所定の光沢の安定した画像を得ることが出来た。
【0096】
このように、平面ヒータをフィルムと離間可能とすることで、プロセススピードの速い画像形成装置でも発熱体の熱容量を気にすることなく温度制御ができ、高速化に対応した安定した定着性と画像品質を得ることができる。
【0097】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、定着手段手前に設けられた、発熱体を有する搬送部による加熱効果を損なわず、安定した定着性や画像品質を実現できる定着装置及び画像形成装置を提供することにある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る画像形成装置を示す概略構成図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第3の実施の形態に係る定着装置の概略構成図である。
【図5】従来技術に係るプレ加熱搬送ベルトを用いた定着装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1(1Y,1M,1C,1B) プロセスユニット
11 感光体
12 一次帯電器
13 露光装置
14 現像装置
15 クリーニング装置
2 転写ベルト
21 転写ブレード
3 紙カセット
31 搬送ローラ
4 定着装置
41 プレ加熱搬送ベルト
411 駆動ローラ
412 テンションローラ
413 フィルム
414,414a〜414e 平面ヒータ
415,415a〜415e 検温素子
416 カム
42 定着部
421 定着ローラ
422 加圧ローラ
423 シリコーンゴム層
424 ハロゲンランプ
425 検温素子
5 原稿台
6 排紙トレイ
P 転写材
Claims (12)
- 記録媒体を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段により搬送された記録媒体上に転写された未定着のトナー像を、加熱及び加圧して該記録媒体上に定着せしめる定着手段と、
を備えた定着装置において、
前記搬送手段は、
記録媒体を搬送する無端状フィルムと、
前記無端状フィルムの記録媒体が搬送される側とは反対側に配置されて記録媒体を加熱する略平面状の発熱体と、
を備えることを特徴とする定着装置。 - 記録媒体の種類に応じて前記発熱体の発熱動作を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて前記発熱体の発熱動作のオン−オフを切り替えることを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
- 前記発熱体は搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われ、
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて、前記複数に分割された発熱体のうち発熱すべき発熱体を発熱させることを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。 - 前記発熱体は搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われ、
前記制御手段は、前記複数に分割された発熱体にそれぞれ設けられて、該複数の発熱体の発熱動作をそれぞれ独立して行うことを特徴とする請求項2または3に記載の定着装置。 - 前記発熱体を、前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させる位置切替手段を備え、
前記制御手段は、記録媒体の種類に応じて前記位置切替手段を動作させて、前記発熱体の位置を前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させることを特徴とする請求項2乃至5のいずれか1項に記載の定着装置。 - 前記発熱体は、搬送方向に対して複数に分割されており、該複数に分割された発熱体毎に発熱動作が行われることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記発熱体を、前記無端状フィルムに接している位置と、該無端状フィルムから離間している位置とのいずれかに位置させる位置切替手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
- 前記無端状フィルムの記録媒体が搬送される側とは反対側に配置されて、該無端状フィルムを駆動する少なくとも2本の回転体を備えることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記無端状フィルムは、導電層と抵抗層とを備えることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の定着装置。
- 前記導電層の基準電位に対して前記抵抗層表面あるいはその上に搬送される記録媒体表面に電荷を付与して、記録媒体を静電的に搬送することを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
- 記録材にトナー像を形成する画像形成手段と、該トナー像が形成された記録材を通過させる請求項1乃至11のいずれか1項に記載の定着装置とを備えることを特徴とする画像形成装置。
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