JP2004077615A - プリズム、光ヘッドおよび記録再生装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】互いに異なる2波長の光源を用いる場合に各光源や光量検出器の配置の自由度を高めることができ、光路の角度ずれの発生を抑制する上で有利なプリズム、光ヘッドおよび記録再生装置を提供する。
【解決手段】プリズム5は、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路と、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】プリズム5は、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路と、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に対して各種情報の記録再生を行なう記録再生装置、この記録再生装置等の各種光学機器に設けられる光ヘッド、光ヘッドに用いられるプリズムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、波長780nmで規格化された光ディスク(CD、CD−R、CD−RW)、波長650nmで規格化された光ディスク(DVD、DVD−R、DVD−RW)が実用化されている。
これら記録・再生に用いる光ビームの波長が異なる複数種類の光ディスクを1つの光ヘッドで記録・再生するためには、それぞれの光ディスクに対応した波長の光ビームを出射する複数の半導体レーザから構成されるレーザ光源を設けるとともに、アナモフィックプリズムによって前記レーザ光源から出射される光ビームの強度分布の形状を楕円形から円形となるように補正を行なうことが必要となる。
また、このような光ヘッドにおいては、前記複数の光源から出射される光ビームを1つの対物レンズで光ディスクに集光するために、各光源から出射される光ビームを前記対物レンズに導く光路を合成する機能を前記アナモフィックプリズムに持たせることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなアナモフィックプリズムは、色消し条件を満足させるために異なる屈折率を有する2種類の硝材からなる2つのプリズムを所定の角度で接合して構成されている。このため、各光源の配置の自由度が少なく光ヘッドを設計する上で不利であった。
また、同様の原因により前記各光源の光量を制御するために各光ビームの光量を検出する光量検出器の配置についても自由度が少なかった。
また、このようなアナモフィックプリズムを用いた構成の場合、アナモフィックプリズムが温度環境の変化などにより位置ずれを生じると光路の角度ずれが発生しやすい。このため、光路の角度ずれの発生を抑制できる構成が望まれている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は互いに異なる2波長の光源を用いる場合に各光源や光量検出器の配置の自由度を高めることができ、光路の角度ずれの発生を抑制する上で有利なプリズム、光ヘッドおよび記録再生装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリズムは上記目的を達成するため、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、前記第3のプリズムには光ビームが入射される第5の面と、前記第4の面に接合される第6の面と、光ビームが出射される第7の面とが形成され、前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順に通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されていることを特徴とする。
【0005】
また、本発明の光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備えた光ヘッドであって、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには第1の光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第1のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、前記第3のプリズムには第2の光ビームが入射される第5の面と、前記第2のプリズムの第4の面に接合される第6の面と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面とが形成され、前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順で通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の記録再生装置は、光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、光を照射し、前記光記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドと、前記光ヘッドからの検出信号に基づいて再生信号を生成する再生信号処理回路とを有し、前記光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備え、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには第1の光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第1のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、前記第3のプリズムには第2の光ビームが入射される第5の面と、前記第2のプリズムの第4の面に接合される第6の面と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面とが形成され、前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順で通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
そのため、本発明によれば、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順に通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成されるとともに、前記第2の光ビームが前記第5の面から入射してビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射するように導く第2の光路が形成される。
【0008】
また、本発明のプリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射される第1の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とで境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射し偶数回反射された後、第5の面から出射する第2の光路が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備えた光ヘッドであって、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、第2の屈折率を有する第2のプリズムとを接合し、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには第2のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と、第2の面および第3の面で構成される境界面とで屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、前記第2の光路は前記第2の光ビームを偶数回反射するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の記録再生装置は、光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、光を照射し、前記光記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドと、前記光ヘッドからの検出信号に基づいて再生信号を生成する再生信号処理回路とを有し、前記光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備え、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、第2の屈折率を有する第2のプリズムとを接合し、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには第2のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と、第2の面および第3の面で構成される境界面とで屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、前記第2の光路は前記第2の光ビームを偶数回反射するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
そのため、本発明によれば、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が構成されるとともに、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して偶数回反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路とが構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるプリズム、光ヘッド及び記録再生装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態における光ヘッドを組み込んだ光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。なお、図2に示す光ディスク記録再生装置は、以下に説明する光ヘッドを搭載することが可能な記録再生装置の一例である。本例において、前記光ヘッドは、DVD、DVD−R、CD、CD−Rの記録および/または再生を行なうように構成されているものとする。
【0013】
図2において、この記録再生装置101は、光記録媒体としての光ディスク102を回転駆動する駆動手段としてのスピンドルモータ103と、光ヘッド104と、その駆動手段としての送りモータ105とを備えている。ここで、スピンドルモータ103は、システムコントローラ107及びサーボ制御回路109により駆動制御され、所定の回転数で回転される。
【0014】
信号変復調部及びECCブロック108は、信号の変調、復調及びECC(エラー訂正符号)の付加を行う。光ヘッド104は、信号変調およびECCブロック108の指令に従って、回転する光ディスク102の信号記録面に対して、それぞれ光照射を行う。このような光照射により光ディスク102に対する記録、再生が行われる。
この光ヘッド104は、後述するように、光ディスクの種別(DVD、CD、CD−R)と、光ディスクの記録面に対して情報信号を記録する記録モードおよび光ディスクの記録面から情報信号を再生する再生モードのいずれかとに応じて必要な波長と強度の光ビームを照射するように構成されている。
また、光ヘッド104は、光ディスク102の信号記録面からの反射光ビームに基づいて、後述するような各種の光ビームを検出し、各光ビームに対応する信号をプリアンプ部120に供給する。
【0015】
プリアンプ部120は、各光ビームに対応する信号に基づいてフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号等を生成できるように構成されている。再生対象とされる記録媒体の種類に応じて、サーボ制御回路109、信号変調及びECCブロック108等により、これらの信号に基づく復調及び誤り訂正処理等の所定の処理が行われる。
これにより、復調された記録信号は、例えばコンピュータのデータストレージ用であれば、インタフェース111を介して外部コンピュータ130等に送出される。これにより、外部コンピュータ130等は光ディスク102に記録された信号を再生信号として受け取ることができるようになっている。
【0016】
また、オーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器112のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル処理部113に供給される。そして、このオーディオ・ビジュアル処理部113でオーディオ・ビデオ信号処理が行われ、オーディオ・ビジュアル信号入出力部114を介して外部の撮像・映写機器に伝送される。
上記光ヘッド104には、例えば光ディスク102上の所定の記録トラックまで、移動させるための送りモータ105が接続されている。スピンドルモータ103の制御と、送りモータ105の制御と、光ヘッド104の対物レンズを保持する二軸アクチュエータのフォーカシング方向及びトラッキング方向の制御は、それぞれサーボ制御回路109により行われる。
【0017】
また、レーザ制御部121は、光ヘッド104におけるレーザ光源を制御するものであり、光ディスクの種別に応じてレーザ光源を切り替えるとともに、レーザ光源の出力パワーを記録モード時と再生モード時とで制御する動作を行なう。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図である。
図1において、光ヘッド104は、第1のレーザ光源1(第1の光源)、半波長板を含むグレーティング素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム5、立ち上げミラー6、対物レンズ7、マルチレンズ9、光検出手段10、コリメータレンズ11、反射プリズム12、フォトディテクタを備える第2のレーザ光源13(第2の光源)、2波長対応の1/4波長板26、第1の光量検出器27、第2の光量検出器28などを備えており、これらの各光学部品が不図示のホルダにマウントされて構成されている。
なお、トラッキングエラー信号の生成やフォーカスエラー信号の生成については従来公知の様々な方法を用いることができるが、本例においては、トラッキングエラー信号は3ビーム法によって生成され、フォーカスエラー信号はディファレンシャルプッシュプル法によって生成されるものとして説明する。
【0019】
光ヘッド104において、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームはグレーティング素子2、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム5、1/4波長板26、立ち上げミラー6によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26、プリズム5、コリメータレンズ4、ビームスプリッタ3、マルチレンズ9を介して前記光検出手段10に導かれる。また、コリメータレンズ4からプリズム5に入射された光ビームの一部はプリズム5で反射されて前記第1の光量検出器27に導かれる。
また、光ヘッド104において、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは反射プリズム12、コリメータレンズ11、プリズム5、1/4波長板26、立ち上げミラー6によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26、プリズム5、コリメータレンズ11、反射プリズム12を介して前記第2のレーザ光源13のフォトディテクタに導かれる。また、コリメータレンズ11からプリズム5に入射された光の一部はプリズム5を透過して前記第2の光量検出器28に導かれる。
【0020】
前記第1のレーザ光源1は、DVDに対応する波長(例えば660nm)の光ビーム(第1の光ビーム)を前記グレーティング素子2に向けて出射するように構成されている。
前記グレーティング素子2は、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームを回折させることにより、3つの光ビームを生成して出射するとともに、これら光ビームの偏光面を90度回転させることによりこれら光ビームをP偏光からS偏光に変換する。
前記ビームスプリッタ3は、前記グレーティング素子2から導かれたS偏光の光ビームを反射してコリメータレンズ4に導くとともに、前記コリメータレンズ4から導かれたP偏光の反射光ビームを透過してマルチレンズ9に導くように構成されている。
前記コリメータレンズ4は、ビームスプリッタ3から導かれる光ビームを平行光として出射するように構成されている。
前記プリズム5の構成については後述する。
前記第2のレーザ光源13は、CDに対応する波長(例えば785nm)の光ビーム(第2の光ビーム)を反射プリズム12に向けて出射するように構成され、かつ、前記反射プリズム12から導かれた反射光ビームを前記フォトディテクタに導くフォログラム13Aが設けられている。
前記フォトディテクタは、前記フォログラム13Aを介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0021】
前記コリメータレンズ11は、前記反射プリズム12によって導かれたレーザ光を平行光として出射するように構成されている。
前記1/4波長板26は、光ビームが該1/4波長板26を往復で通過することにより、P偏光からS偏光に変換されるように構成されている。すなわち、前記プリズム5から往路で入射される光ビームの偏光面に対して光ディスク102で反射され対物レンズ7、立ち上げミラー6を介して復路で通過した反射光ビームの偏光面が90度回転するように構成されている。
【0022】
図3に示すように、前記立ち上げミラー6は、1/4波長板26から導かれた光ビームを対物レンズ7に反射して導くと共に、対物レンズ7から導かれた反射光ビームを1/4波長板26に反射して導くように構成されている。
前記対物レンズ7は、前記立ち上げミラー6から出射された光ビームを集光して前記光ディスク102の記録面に照射するとともに、光ディスク102から反射された反射光ビームを立ち上げミラー6に向けて出射するように構成されている。
【0023】
前記マルチレンズ9は、前記ビームスプリッタ3を透過した反射光ビームに非点収差を与えて光検出手段10に導くように構成されている。
前記光検出手段10は、前記マルチレンズ9を介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0024】
前記第1の光量検出器27は、前記プリズム5で反射された光ビームを受光して得た検出信号を前記レーザ制御部121に出力する。前記レーザ制御部121は、前記検出信号に基づいて前記第1のレーザ光源1の出力パワーを制御する。
前記第2の光量検出器28は、前記プリズム5を透過した光ビームを受光して得た検出信号を前記レーザ制御部121に出力する。前記レーザ制御部121は、前記検出信号に基づいて前記第2のレーザ光源13の出力パワーを制御する。
【0025】
次に、プリズム5の構成について図1、図4を参照して詳細に説明する。
プリズム5は、第1のプリズム5aと、第2のプリズム5bと、第3のプリズム5cとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5aは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5b、5cは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムを通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されている。
【0026】
前記第1のプリズム5aは、前記コリメータレンズ4から第1の光ビームが入射される第1の面51と、前記第2のプリズム5bに接合される第2の面52とを含んで形成されている。
前記第2のプリズム5bは、前記第1のプリズム5aの第2の面52に接合される第3の面53と、第3のプリズム5cに接合される第4の面54と、反射面58とを含んで形成されている。前記第2の面52と第3の面53によって第1、第2のプリズム52、53の境界面が構成されている。
前記第3のプリズム5cは、前記第2の光ビームが入射される第5の面55と、前記第2のプリズム5bの第4の面54に接合される第6の面56と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面57とを含んで形成されている。
【0027】
前記第4の面54と第6の面56の間にはビームスプリッタ膜23が形成されている。前記ビームスプリッタ膜23は、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光の一部を反射し、P偏光はほぼ透過するように構成され、第2の光ビーム24については、ほぼ透過するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0028】
以上のように構成された光ヘッド104の作用について図1、図2、図4を参照して説明する。
まず、光ディスク102がDVD、DVD−Rであって、再生を行なう際の動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオン、第2のレーザ光源13をオフとする。
これにより、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記グレーティング素子2によって回折されることにより3つの光ビームに分離され、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4を介してプリズム5の第1の面51に入射される。
ここで、S偏光である前記第1の光ビームの一部が前記第1の面51で反射されて第1の光量検出器27に導かれる。第1の光ビームの大部分は、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、反射面58で反射され前記ビームスプリッタ膜23を通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5によって、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路が形成されている。
【0029】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26を介してプリズム5の第7の面57に入射され、上記と逆の経路をたどって第1の面51からコリメータレンズ4に向けて出射される。コリメータレンズ4を通過した反射光ビームは、前記1/4波長板26を往復することでP偏光になっているためビームスプリッタ8を通過し収束レンズ9を介して光検出手段10に導かれる。
これにより、反射光ビームは、光検出手段10によって検出されることにより検出信号が生成され、該検出信号は、前記プリアンプ120、信号変復調部及びECCブロック108によって再生され、インターフェース111を介して外部に出力される。
また、フォーカスエラー信号は光検出手段11によって非点収差法により検出され、トラッキングエラー信号は光検出手段11によってDPP法によって検出される。前記サーボ制御部109は、プリアンプ120によって増幅されたこれらエラー信号に基づいて前記光ヘッド104のフォーカスおよびトラッキングのサーボ制御を行なう。
【0030】
次に光ヘッドの動作について説明するが、光ヘッドの再生動作と記録動作とでは第1、第2の光源から出射される光ビームと、光ディスクからの反射光ビームの光路についての相違はないため、以下に示す第1乃至第5の実施の形態では再生動作についてのみ説明することにする。
まず、CDまたはCD−Rの再生動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオフ、第2のレーザ光源13をオンとする。
これにより、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、前記フォログラム13A、反射プリズム12、コリメータレンズ11、を介してプリズム5の第5の面55に入射される。
前記第2の光ビーム20は、P偏光であるため、その一部(光ビーム25)がビームスプリッタ膜23、前記境界面を通過して第1の面51から出射され第2の光量検出器28に導かれる。第2の光ビームの大部分は、前記ビームスプリッタ膜23で反射されることにより第2の光ビーム21として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5によって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されている。
第2の光ビームについてはビーム形状の補正はなされないが、これはCDの記録密度が低く、ビーム形状の補正を行なう必要がないためである。
【0031】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26を介してプリズム5の第7の面57に入射され、上記と逆の経路をたどって第5の面55からコリメータレンズ11に向けて出射される。コリメータレンズ11を通過した反射光ビームは、反射プリズム12によってフォログラム13Aを介して前記光検出手段に導かれる。
これ以降の動作はDVD、DVD−Rの再生時と同様であるため説明を割愛する。
【0032】
上述した第1の実施の形態によれば、前記第1の光ビームのビーム形状の補正を前記第1、第2のプリズム5a、5bで行ない、前記第1、第2の光ビームの光路の合成を第2、第3のプリズム5b、5cの境界に設けたビームスプリッタ膜で行なう構成とした。このため、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5に対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、第1、第2のレーザ光源から出射された第1、第2の光ビームをプリズム5によって反射または透過させて第1、第2の光量検出器に導く構成としたため、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5に対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
【0033】
次に第2の実施の形態について説明する。
図5は第2の実施の形態におけるプリズムの構成を示す説明図である。
第2の実施の形態のプリズム5Aは、第1の実施の形態の構成の一部を変更したものであり、第1の実施の形態のプリズム5と異なるのは、ビームスプリッタ膜の構成と、光量検出器が第1、第2の光ビームに対して共通に設けられている点である。
以下では、図5において図4と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について重点的に説明する。
図5に示すように、プリズム5Aは、第1のプリズム5dと、第2のプリズム5eと、第3のプリズム5fとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5dは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5e、5fは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることは第1の実施の形態と同様である。
第2のプリズム5eの第4面54と第3のプリズム5fの第6面56との間にはビームスプリッタ膜23Aが設けられている。前記ビームスプリッタ膜23Aは、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光を透過するとともに、S偏光はほぼ透過しかつ一部を反射するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
【0034】
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光およびP偏光を透過するように構成され、第2の光ビーム24については、ほぼ透過するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0035】
上記構成によれば、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記プリズム5Aの第1の面51に入射され、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、反射面58で反射され前記ビームスプリッタ膜23Aに入射される。前記第1の光ビームは、S偏光であるため第1の光ビームの一部は、ビームスプリッタ膜23で反射されて、前記第3、第2、第1の面53、52、51の順で通過して光量検出器28Aに導かれる。第1の光ビームの大部分はこのビームスプリッタ膜23Aを通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5Aによって、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路が形成されている。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0036】
また、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、プリズム5Aの第5の面55に入射される。
前記第2の光ビーム20は、P偏光であるため、その一部(光ビーム25)がビームスプリッタ膜23A、前記境界面を通過して第1の面51から出射され第2の光量検出器28に導かれる。第2の光ビームの大部分は、前記ビームスプリッタ膜23Aで反射されることにより第2の光ビーム21として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5Aによって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されている。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0037】
上述した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5Aに対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度や、前記プリズム5Aに対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
さらに、第2の実施の形態によれば、第1、第2の光ビームの光量を検出する光量検出手段を第1、第2の光ビームで共用としたため、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に部品点数を減らすことができ部品コストを削減する上で有利である。
【0038】
次に第3の実施の形態について説明する。
図6は第3の実施の形態におけるプリズムの構成を示す説明図である。
第3の実施の形態のプリズム5Bは、第1の実施の形態の構成の一部を変更したものであり、第1の実施の形態のプリズム5と異なるのは、プリズム5B内における第1の光ビームの光路である。
以下では、図6において図4と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について重点的に説明する。
図6に示すように、プリズム5Bは、第1のプリズム5gと、第2のプリズム5hと、第3のプリズム5iとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5gは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5h、5iは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることは第1の実施の形態と同様である。
第2のプリズム5hの第4面54と第3のプリズム5iの第6面56との間にはビームスプリッタ膜23Bが設けられている。前記ビームスプリッタ膜23Bは、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
【0039】
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光は一部を反射し、P偏光はほぼ透過するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0040】
上記構成によれば、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記プリズム5Bの第1の面51に入射される。
ここで、前記第1の光ビームはS偏光であるため、その一部が前記第1の面51で反射されて第1の光量検出器27に導かれる。第1の光ビームの大部分は、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、前記ビームスプリッタ膜23を通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。すなわち、第1の実施の形態と異なり第1の光ビームはプリズム5B内で反射されることなく光ディスクへ出射される。
また、プリズム5Bによって、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路が形成されていることは第1の実施の形態と同様である。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0041】
また、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、プリズム5Bの第5の面55に入射される。
前記第2の光ビーム20は、P偏光であるため、その一部(光ビーム25)がビームスプリッタ膜23A、前記境界面を通過して第2の光量検出器28に導かれる。第2の光ビームの大部分は、前記ビームスプリッタ膜23Bで反射されることにより第2の光ビーム21として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
また、プリズム5Bによって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されていることは第1の実施の形態と同様である。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0042】
上述した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5Bに対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度や、前記プリズム5Bに対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
【0043】
次に第4の実施の形態について説明する。
図7は第4の実施の形態におけるプリズムの構成を示す説明図である。
第4の実施の形態のプリズム5Cは、第1の実施の形態の構成の一部を変更したものであり、第1の実施の形態のプリズム5と異なるのは、プリズム5C内における第1の光ビームの光路である。
以下では、図7において図4と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について重点的に説明する。
図7に示すように、プリズム5Cは、第1のプリズム5jと、第2のプリズム5kと、第3のプリズム5lとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5jは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5k、5lは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることは第1の実施の形態と同様である。
【0044】
前記第1のプリズム5jには、前記コリメータレンズ4から第1の光ビームが入射される第1の面51と、前記第2のプリズム5kに接合される第2の面52と、前記第1の面51に対向して前記第1の面51に入射された第1の光ビームを前記第2の面52に向けて反射する反射面59が形成されている。
前記第2のプリズム5kには、前記第1のプリズム5jの第2の面52に接合される第3の面53と、第3のプリズム5lに接合される第4の面54と、前記第3の面53から入射された第1の光ビームを前記第4の面54に向けて反射する反射面58とが形成されている。前記第2の面52と第3の面53によって第1、第2のプリズム52、53の境界面が構成されている。
前記第3のプリズム5lには、前記第2の光ビームが入射される第5の面55と、前記第2のプリズム5kの第4の面54に接合される第6の面56と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面57とが形成されている。
【0045】
前記第4の面54と第6の面56の間にはビームスプリッタ膜23が形成されている。前記ビームスプリッタ膜23は、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光はほぼ透過し且つ一部を反射するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0046】
上記構成によれば、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記プリズム5Cの第1の面51に入射される。
ここで、前記第1の光ビームはS偏光であるため、その一部が前記第1の面51で反射されて第1の光量検出器27に導かれる。第1の光ビームの大部分は、第1の面51を通過し前記反射面59で反射され前記境界面へ導かれる。これにより、前記第1の光ビームは、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、前記反射面58で反射され、ビームスプリッタ膜23を通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。すなわち、第1の実施の形態と異なり第1の光ビームはプリズム5C内で2回反射されてから光ディスクへ出射される。
また、プリズム5Cによって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されていることは第1の実施の形態と同様である。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0047】
上述した第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5Cに対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度や、前記プリズム5Cに対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
さらに、第4の実施の形態では、第1の光ビームがプリズム5C内で2回反射されているため、いわゆる合わせ鏡の原理によって、第1の光ビームに対するプリズム5Cの角度がずれたときに第1の面に対する第1の光ビームの入射方向に対する第7の面から出射される第1の光ビームの出射方向のずれ量を抑制することができる利点がある。
【0048】
以下これについて説明する。
図8は合わせ鏡構造の原理を示す説明図である。
図8に示すように、第1の反射面1000と第2の反射面1002が角度θをなして交叉した合わせ鏡構造が構成されているものとする。
この場合、入射光L1が前記第1の反射面1000に反射され、次いで第2の反射面1002に反射され出射光L2として出射される場合、入射光L1と出射光L2がなす角度をδとすると、式(1)が成立する。
δ=180°−2θ (1)
ここで、第1、第2の反射面1000、1002の境界線を軸線Xとしたとき、第1、第2の反射面1000、1002が該軸線X回りに回転しても前記角度δは一定のまま変らない。
【0049】
一方、図9に示すように単一の反射面1004に入射光L1が入射することにより反射面1004から反射光L2が反射される場合、前記反射面1004が角度γ傾斜すると、入射光L1と出射光L2がなす角度は2γ変化することになる。
すなわち、前記合わせ鏡のように2回反射される構成の場合には、反射面が回転しても入射光に対する出射光の角度が変化しないのに対して、前記単一の反射面で1回反射される構成の場合には、反射面が回転することにより入射光に対する出射光の角度が大きく変化することが分かる。
なお、このような合わせ鏡の原理は、光が偶数回反射される構成の場合にも同様に当てはまることが知られている。
したがって、前記プリズム内を通過する光ビームが偶数回反射するように光路を設定すれば、プリズムの位置ずれに対する光ビームの角度ずれを抑制する上で有利となる。
【0050】
次に第5の実施の形態について説明する。
図10は第5の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図、図11は第5の実施の形態おけるプリズムの構成を示す説明図である。
第5の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、プリズムが2つのプリズムを接合することによって構成され、第2の光ビームが前記プリズム内で2回反射されている点である。
以下では、図10において図1と同様の部分には同一の符号を付して説明する。
図10において、光ヘッド104Aは、第1のレーザ光源1、グレーティング素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム50、立ち上げミラー6、対物レンズ7、マルチレンズ9、光検出手段10、コリメータレンズ11、フォトディテクタを備える第2のレーザ光源13、2波長対応の1/4波長板26などを備えており、これらの各光学部品が不図示のホルダにマウントされて構成されている。
【0051】
光ヘッド104において、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームはグレーティング素子2、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム50、立ち上げミラー6、1/4波長板26によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6、プリズム50、コリメータレンズ4、ビームスプリッタ3、マルチレンズ9を介して前記光検出手段10に導かれる。
【0052】
また、光ヘッド104Aにおいて、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームはコリメータレンズ11、プリズム50、立ち上げミラー6、1/4波長板26によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6、プリズム50、コリメータレンズ11を介して前記第2のレーザ光源13のフォトディテクタに導かれる。
【0053】
前記第1のレーザ光源1は、DVDに対応する波長の光ビーム(第1の光ビーム)を前記グレーティング素子2に向けて出射するように構成されている。
前記グレーティング素子2は、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームを回折させることにより、3つの光ビームを生成して出射する。
前記ビームスプリッタ3は、前記グレーティング素子2から導かれたP偏光の光ビームを透過してコリメータレンズ4に導くとともに、前記コリメータレンズ4から導かれたS偏光の反射光ビームを反射してマルチレンズ9に導くように構成されている。
前記コリメータレンズ4は、ビームスプリッタ3から導かれる光ビームを平行光として出射するように構成されている。
前記プリズム50の構成については後述する。
前記第2のレーザ光源13は、CDに対応する波長(785nm)の光ビーム(第2の光ビーム)をコリメータレンズ11に向けて出射するように構成され、かつ、前記コリメータレンズ11から導かれた反射光ビームを前記フォトディテクタに導くフォログラム13Aが設けられている。
前記フォトディテクタは、前記フォログラム13Aを介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0054】
前記コリメータレンズ11は、第2のレーザ光源13から入射されたレーザ光を平行光として出射するように構成されている。
前記1/4波長板26は、光ビームが該1/4波長板26を往復で通過することにより、偏光方向を変換するように構成されている。すなわち、前記プリズム50から往路で入射される光ビームの偏光面に対して光ディスク102で反射され対物レンズ7、立ち上げミラー6を介して復路で通過した反射光ビームの偏光面が90度回転するように構成されている。
【0055】
図10に示すように、前記立ち上げミラー6は、プリズム50から出射された光ビームを反射して1/4波長板26を介して対物レンズ7に導くと共に、対物レンズ7から1/4波長板26を介して導かれた反射光ビームを反射してプリズム50に導くように構成されている。
前記対物レンズ7は、前記1/4波長板26から出射された光ビームを集光して前記光ディスク102の記録面に照射するとともに、光ディスク102から反射された反射光ビームを1/4波長板26に向けて出射するように構成されている。
【0056】
前記マルチレンズ9は、前記ビームスプリッタ3を透過した反射光ビームに非点収差を与えて光検出手段10に導くように構成されている。
前記光検出手段10は、前記マルチレンズ9を介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0057】
次に、プリズム50の構成について図10、図11を参照して詳細に説明する。
プリズム50は、第1のプリズム50aと、第2のプリズム50bとを接合して構成されており、前記第1のプリズム50aは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2のプリズム50bは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されている。
【0058】
前記第1のプリズム50aには、前記コリメータレンズ4から第1の光ビームが入射される第1の面5002と、前記第2のプリズム50bに接合される第2の面5004とを含んで形成されている。
前記第2のプリズム50bには第1のプリズム50aの第2の面5004に接合される第3の面5006と、光ビームが入射される第4の面5008と、第4の面5008に入射された光ビームを反射する反射面5012と、光ビームが出射される第5の面5010とを含んで形成されている。
前記第2の面5004と第3の面5006によって第1、第2のプリズム50a、50bの境界面が構成されている。
前記第2の面5004と第3の面5006の間には、ビームスプリッタ膜5014が形成されている。前記ビームスプリッタ膜5014は、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光およびS偏光の双方を反射するように構成されている。
【0059】
前記プリズム50は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面5002と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0060】
以上のように構成された光ヘッド104Aの作用について図2、図10、図11を参照して説明する。
まず、光ディスク102がDVD、DVD−Rであって、再生を行なう際の動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオン、第2のレーザ光源13をオフとする。
これにより、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記グレーティング素子2によって回折されることにより3つの光ビームに分離され、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4を介してプリズム50の第1の面5002に入射される。
ここで、前記第1の光ビームは、第1の面5002と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、前記ビームスプリッタ膜5014を通過して第1の光ビーム19として第5の面5010から立ち上げミラー6に向けて出射される。立ち上げミラー6で反射された第1の光ビームは、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
したがって、プリズム50によって、前記第1の光ビーム15が前記第1の面5002から入射して前記ビームスプリッタ膜5014を通過して第5の面5010から出射されるように導く第1の光路が構成されている。
【0061】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6、を介してプリズム50の第5の面5010に入射され、上記と逆の経路をたどって第1の面5002からコリメータレンズ4に向けて出射される。コリメータレンズ4を通過した反射光ビームは、前記1/4波長板26を往復することで偏光方向が変換されているためビームスプリッタ3で反射され収束レンズ9を介して光検出手段10に導かれる。
これにより、反射光ビームは、光検出手段10によって検出されることにより検出信号が生成され、該検出信号は、前記プリアンプ120、信号変復調部及びECCブロック108によって再生され、インターフェース111を介して外部に出力される。
また、フォーカスエラー信号は光検出手段10によって非点収差法により検出され、トラッキングエラー信号は光検出手段10によってDPP法によって検出される。前記サーボ制御部109は、プリアンプ120によって増幅されたこれらエラー信号に基づいて前記光ヘッド104のフォーカスおよびトラッキングのサーボ制御を行なう。
【0062】
次に、CDまたはCD−Rの再生動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオフ、第2のレーザ光源13をオンとする。
これにより、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、前記フォログラム13Aによって回折されることにより3つの光ビームに分離され、コリメータレンズ11、プリズム50の第4の面5008に入射される。
前記第2の光ビーム20は、第4の面5008を通過し反射面5012およびビームスプリッタ膜5014でこの順に2回反射され第2の光ビーム21として第5の面5010から立ち上げミラー6に向けて出射される。立ち上げミラー6で反射された第2の光ビームは、1/4波長板26、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
したがって、プリズム50によって、前記第2の光ビーム20が前記第4の面5008から入射して前記反射面5012と前記ビームスプリッタ膜5014でこの順に2回反射され第5の面5010から出射されるように導く第2の光路とが構成されている。
【0063】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6を介してプリズム50の第5の面5010に入射される。この反射光ビームは、前記1/4波長板26を往復することで偏光方向が変換されているため、前記ビームスプリッタ5014で反射され第5の面5010からコリメータレンズ11に向けて出射される。コリメータレンズ11を通過した反射光ビームは、フォログラム13Aを介して前記光検出手段に導かれる。
これ以降の動作はDVD、DVD−Rの再生時と同様であるため説明を割愛する。
第2の光ビームについてはビーム形状の補正はなされないが、これはCDの記録密度が低く、ビーム形状の補正を行なう必要がないためである。
【0064】
上述した第5の実施の形態によれば、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に、第2の光ビームがプリズム50内で2回反射されているため、前述した合わせ鏡の原理によって、第2の光ビームに対するプリズム50の角度がずれたときに第4の面に対する第2の光ビームの入射方向に対する第5の面から出射される第2の光ビームの出射方向のずれ量を抑制することができる。
これにより、光ディスク上に結像されるビームスポットの品質向上、デフォーカスの発生抑制、信号読み取り性能の向上を図ることができ、量産性を向上させる上で有利である。
また、前記第2の光ビームをプリズム内の光路で2回反射する構成とした。このため、前記プリズムによって構成される第1、第2の光ビームの光路を構成する際の自由度を増すことができ、これにより前記プリズムに対する第1、第2のレーザ光源の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
【0065】
上述した第5の実施の形態では、前記プリズムにおいて、第2の光ビームが前記第4の面から入射し2回反射された後、第5の面から出射する第2の光路を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の光ビームの反射は偶数回であればよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプリズム、光ヘッドおよび記録再生装置によれば、波長の異なる2つの光ビームを用いた信号の記録および/または再生を行なうにあたって、光源や光量検出器の配置の自由度を高めることができ、光路の角度ずれの発生を抑制する上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における光ヘッドを組み込んだ光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系の対物レンズ近傍の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図8】合わせ鏡構造の原理を示す説明図である。
【図9】単一反射面における入射光と反射光の関係を示す説明図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【符号の説明】
1……第1のレーザ光源、5、5A、5B、5C、50……プリズム、7……対物レンズ、13……第2のレーザ光源、23……ビームスプリッタ膜、51……第1の面、52……第2の面、53……第3の面、54……第4の面、55……第5の面、56……第6の面、57……第7の面。
【発明の属する技術分野】
本発明は、光記録媒体に対して各種情報の記録再生を行なう記録再生装置、この記録再生装置等の各種光学機器に設けられる光ヘッド、光ヘッドに用いられるプリズムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、波長780nmで規格化された光ディスク(CD、CD−R、CD−RW)、波長650nmで規格化された光ディスク(DVD、DVD−R、DVD−RW)が実用化されている。
これら記録・再生に用いる光ビームの波長が異なる複数種類の光ディスクを1つの光ヘッドで記録・再生するためには、それぞれの光ディスクに対応した波長の光ビームを出射する複数の半導体レーザから構成されるレーザ光源を設けるとともに、アナモフィックプリズムによって前記レーザ光源から出射される光ビームの強度分布の形状を楕円形から円形となるように補正を行なうことが必要となる。
また、このような光ヘッドにおいては、前記複数の光源から出射される光ビームを1つの対物レンズで光ディスクに集光するために、各光源から出射される光ビームを前記対物レンズに導く光路を合成する機能を前記アナモフィックプリズムに持たせることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このようなアナモフィックプリズムは、色消し条件を満足させるために異なる屈折率を有する2種類の硝材からなる2つのプリズムを所定の角度で接合して構成されている。このため、各光源の配置の自由度が少なく光ヘッドを設計する上で不利であった。
また、同様の原因により前記各光源の光量を制御するために各光ビームの光量を検出する光量検出器の配置についても自由度が少なかった。
また、このようなアナモフィックプリズムを用いた構成の場合、アナモフィックプリズムが温度環境の変化などにより位置ずれを生じると光路の角度ずれが発生しやすい。このため、光路の角度ずれの発生を抑制できる構成が望まれている。
本発明は、このような実状に鑑みてなされたものであり、その目的は互いに異なる2波長の光源を用いる場合に各光源や光量検出器の配置の自由度を高めることができ、光路の角度ずれの発生を抑制する上で有利なプリズム、光ヘッドおよび記録再生装置を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明のプリズムは上記目的を達成するため、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、前記第3のプリズムには光ビームが入射される第5の面と、前記第4の面に接合される第6の面と、光ビームが出射される第7の面とが形成され、前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順に通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されていることを特徴とする。
【0005】
また、本発明の光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備えた光ヘッドであって、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには第1の光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第1のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、前記第3のプリズムには第2の光ビームが入射される第5の面と、前記第2のプリズムの第4の面に接合される第6の面と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面とが形成され、前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順で通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されていることを特徴とする。
【0006】
また、本発明の記録再生装置は、光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、光を照射し、前記光記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドと、前記光ヘッドからの検出信号に基づいて再生信号を生成する再生信号処理回路とを有し、前記光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備え、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには第1の光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第1のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、前記第3のプリズムには第2の光ビームが入射される第5の面と、前記第2のプリズムの第4の面に接合される第6の面と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面とが形成され、前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順で通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されていることを特徴とする。
【0007】
そのため、本発明によれば、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順に通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成されるとともに、前記第2の光ビームが前記第5の面から入射してビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射するように導く第2の光路が形成される。
【0008】
また、本発明のプリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2のプリズムとを備え、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには前記第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射される第1の光路が形成され、前記第2の面と第3の面とで境界面が構成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射し偶数回反射された後、第5の面から出射する第2の光路が設けられていることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備えた光ヘッドであって、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、第2の屈折率を有する第2のプリズムとを接合し、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには第2のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と、第2の面および第3の面で構成される境界面とで屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、前記第2の光路は前記第2の光ビームを偶数回反射するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の記録再生装置は、光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、光を照射し、前記光記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドと、前記光ヘッドからの検出信号に基づいて再生信号を生成する再生信号処理回路とを有し、前記光ヘッドは、互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備え、前記プリズムは、第1の屈折率を有する第1のプリズムと、第2の屈折率を有する第2のプリズムとを接合し、前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、前記第2のプリズムには第2のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が形成され、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、前記第1の光ビームが前記第1の面と、第2の面および第3の面で構成される境界面とで屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、前記第2の光路は前記第2の光ビームを偶数回反射するように構成されていることを特徴とする。
【0011】
そのため、本発明によれば、前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が構成されるとともに、前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して偶数回反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路とが構成される。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるプリズム、光ヘッド及び記録再生装置の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図2は、本発明の第1の実施の形態における光ヘッドを組み込んだ光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。なお、図2に示す光ディスク記録再生装置は、以下に説明する光ヘッドを搭載することが可能な記録再生装置の一例である。本例において、前記光ヘッドは、DVD、DVD−R、CD、CD−Rの記録および/または再生を行なうように構成されているものとする。
【0013】
図2において、この記録再生装置101は、光記録媒体としての光ディスク102を回転駆動する駆動手段としてのスピンドルモータ103と、光ヘッド104と、その駆動手段としての送りモータ105とを備えている。ここで、スピンドルモータ103は、システムコントローラ107及びサーボ制御回路109により駆動制御され、所定の回転数で回転される。
【0014】
信号変復調部及びECCブロック108は、信号の変調、復調及びECC(エラー訂正符号)の付加を行う。光ヘッド104は、信号変調およびECCブロック108の指令に従って、回転する光ディスク102の信号記録面に対して、それぞれ光照射を行う。このような光照射により光ディスク102に対する記録、再生が行われる。
この光ヘッド104は、後述するように、光ディスクの種別(DVD、CD、CD−R)と、光ディスクの記録面に対して情報信号を記録する記録モードおよび光ディスクの記録面から情報信号を再生する再生モードのいずれかとに応じて必要な波長と強度の光ビームを照射するように構成されている。
また、光ヘッド104は、光ディスク102の信号記録面からの反射光ビームに基づいて、後述するような各種の光ビームを検出し、各光ビームに対応する信号をプリアンプ部120に供給する。
【0015】
プリアンプ部120は、各光ビームに対応する信号に基づいてフォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号、RF信号等を生成できるように構成されている。再生対象とされる記録媒体の種類に応じて、サーボ制御回路109、信号変調及びECCブロック108等により、これらの信号に基づく復調及び誤り訂正処理等の所定の処理が行われる。
これにより、復調された記録信号は、例えばコンピュータのデータストレージ用であれば、インタフェース111を介して外部コンピュータ130等に送出される。これにより、外部コンピュータ130等は光ディスク102に記録された信号を再生信号として受け取ることができるようになっている。
【0016】
また、オーディオ・ビジュアル用であれば、D/A,A/D変換器112のD/A変換部でデジタル/アナログ変換され、オーディオ・ビジュアル処理部113に供給される。そして、このオーディオ・ビジュアル処理部113でオーディオ・ビデオ信号処理が行われ、オーディオ・ビジュアル信号入出力部114を介して外部の撮像・映写機器に伝送される。
上記光ヘッド104には、例えば光ディスク102上の所定の記録トラックまで、移動させるための送りモータ105が接続されている。スピンドルモータ103の制御と、送りモータ105の制御と、光ヘッド104の対物レンズを保持する二軸アクチュエータのフォーカシング方向及びトラッキング方向の制御は、それぞれサーボ制御回路109により行われる。
【0017】
また、レーザ制御部121は、光ヘッド104におけるレーザ光源を制御するものであり、光ディスクの種別に応じてレーザ光源を切り替えるとともに、レーザ光源の出力パワーを記録モード時と再生モード時とで制御する動作を行なう。
【0018】
図1は、本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図である。
図1において、光ヘッド104は、第1のレーザ光源1(第1の光源)、半波長板を含むグレーティング素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム5、立ち上げミラー6、対物レンズ7、マルチレンズ9、光検出手段10、コリメータレンズ11、反射プリズム12、フォトディテクタを備える第2のレーザ光源13(第2の光源)、2波長対応の1/4波長板26、第1の光量検出器27、第2の光量検出器28などを備えており、これらの各光学部品が不図示のホルダにマウントされて構成されている。
なお、トラッキングエラー信号の生成やフォーカスエラー信号の生成については従来公知の様々な方法を用いることができるが、本例においては、トラッキングエラー信号は3ビーム法によって生成され、フォーカスエラー信号はディファレンシャルプッシュプル法によって生成されるものとして説明する。
【0019】
光ヘッド104において、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームはグレーティング素子2、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム5、1/4波長板26、立ち上げミラー6によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26、プリズム5、コリメータレンズ4、ビームスプリッタ3、マルチレンズ9を介して前記光検出手段10に導かれる。また、コリメータレンズ4からプリズム5に入射された光ビームの一部はプリズム5で反射されて前記第1の光量検出器27に導かれる。
また、光ヘッド104において、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは反射プリズム12、コリメータレンズ11、プリズム5、1/4波長板26、立ち上げミラー6によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26、プリズム5、コリメータレンズ11、反射プリズム12を介して前記第2のレーザ光源13のフォトディテクタに導かれる。また、コリメータレンズ11からプリズム5に入射された光の一部はプリズム5を透過して前記第2の光量検出器28に導かれる。
【0020】
前記第1のレーザ光源1は、DVDに対応する波長(例えば660nm)の光ビーム(第1の光ビーム)を前記グレーティング素子2に向けて出射するように構成されている。
前記グレーティング素子2は、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームを回折させることにより、3つの光ビームを生成して出射するとともに、これら光ビームの偏光面を90度回転させることによりこれら光ビームをP偏光からS偏光に変換する。
前記ビームスプリッタ3は、前記グレーティング素子2から導かれたS偏光の光ビームを反射してコリメータレンズ4に導くとともに、前記コリメータレンズ4から導かれたP偏光の反射光ビームを透過してマルチレンズ9に導くように構成されている。
前記コリメータレンズ4は、ビームスプリッタ3から導かれる光ビームを平行光として出射するように構成されている。
前記プリズム5の構成については後述する。
前記第2のレーザ光源13は、CDに対応する波長(例えば785nm)の光ビーム(第2の光ビーム)を反射プリズム12に向けて出射するように構成され、かつ、前記反射プリズム12から導かれた反射光ビームを前記フォトディテクタに導くフォログラム13Aが設けられている。
前記フォトディテクタは、前記フォログラム13Aを介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0021】
前記コリメータレンズ11は、前記反射プリズム12によって導かれたレーザ光を平行光として出射するように構成されている。
前記1/4波長板26は、光ビームが該1/4波長板26を往復で通過することにより、P偏光からS偏光に変換されるように構成されている。すなわち、前記プリズム5から往路で入射される光ビームの偏光面に対して光ディスク102で反射され対物レンズ7、立ち上げミラー6を介して復路で通過した反射光ビームの偏光面が90度回転するように構成されている。
【0022】
図3に示すように、前記立ち上げミラー6は、1/4波長板26から導かれた光ビームを対物レンズ7に反射して導くと共に、対物レンズ7から導かれた反射光ビームを1/4波長板26に反射して導くように構成されている。
前記対物レンズ7は、前記立ち上げミラー6から出射された光ビームを集光して前記光ディスク102の記録面に照射するとともに、光ディスク102から反射された反射光ビームを立ち上げミラー6に向けて出射するように構成されている。
【0023】
前記マルチレンズ9は、前記ビームスプリッタ3を透過した反射光ビームに非点収差を与えて光検出手段10に導くように構成されている。
前記光検出手段10は、前記マルチレンズ9を介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0024】
前記第1の光量検出器27は、前記プリズム5で反射された光ビームを受光して得た検出信号を前記レーザ制御部121に出力する。前記レーザ制御部121は、前記検出信号に基づいて前記第1のレーザ光源1の出力パワーを制御する。
前記第2の光量検出器28は、前記プリズム5を透過した光ビームを受光して得た検出信号を前記レーザ制御部121に出力する。前記レーザ制御部121は、前記検出信号に基づいて前記第2のレーザ光源13の出力パワーを制御する。
【0025】
次に、プリズム5の構成について図1、図4を参照して詳細に説明する。
プリズム5は、第1のプリズム5aと、第2のプリズム5bと、第3のプリズム5cとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5aは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5b、5cは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムを通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されている。
【0026】
前記第1のプリズム5aは、前記コリメータレンズ4から第1の光ビームが入射される第1の面51と、前記第2のプリズム5bに接合される第2の面52とを含んで形成されている。
前記第2のプリズム5bは、前記第1のプリズム5aの第2の面52に接合される第3の面53と、第3のプリズム5cに接合される第4の面54と、反射面58とを含んで形成されている。前記第2の面52と第3の面53によって第1、第2のプリズム52、53の境界面が構成されている。
前記第3のプリズム5cは、前記第2の光ビームが入射される第5の面55と、前記第2のプリズム5bの第4の面54に接合される第6の面56と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面57とを含んで形成されている。
【0027】
前記第4の面54と第6の面56の間にはビームスプリッタ膜23が形成されている。前記ビームスプリッタ膜23は、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光の一部を反射し、P偏光はほぼ透過するように構成され、第2の光ビーム24については、ほぼ透過するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0028】
以上のように構成された光ヘッド104の作用について図1、図2、図4を参照して説明する。
まず、光ディスク102がDVD、DVD−Rであって、再生を行なう際の動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオン、第2のレーザ光源13をオフとする。
これにより、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記グレーティング素子2によって回折されることにより3つの光ビームに分離され、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4を介してプリズム5の第1の面51に入射される。
ここで、S偏光である前記第1の光ビームの一部が前記第1の面51で反射されて第1の光量検出器27に導かれる。第1の光ビームの大部分は、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、反射面58で反射され前記ビームスプリッタ膜23を通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5によって、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路が形成されている。
【0029】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26を介してプリズム5の第7の面57に入射され、上記と逆の経路をたどって第1の面51からコリメータレンズ4に向けて出射される。コリメータレンズ4を通過した反射光ビームは、前記1/4波長板26を往復することでP偏光になっているためビームスプリッタ8を通過し収束レンズ9を介して光検出手段10に導かれる。
これにより、反射光ビームは、光検出手段10によって検出されることにより検出信号が生成され、該検出信号は、前記プリアンプ120、信号変復調部及びECCブロック108によって再生され、インターフェース111を介して外部に出力される。
また、フォーカスエラー信号は光検出手段11によって非点収差法により検出され、トラッキングエラー信号は光検出手段11によってDPP法によって検出される。前記サーボ制御部109は、プリアンプ120によって増幅されたこれらエラー信号に基づいて前記光ヘッド104のフォーカスおよびトラッキングのサーボ制御を行なう。
【0030】
次に光ヘッドの動作について説明するが、光ヘッドの再生動作と記録動作とでは第1、第2の光源から出射される光ビームと、光ディスクからの反射光ビームの光路についての相違はないため、以下に示す第1乃至第5の実施の形態では再生動作についてのみ説明することにする。
まず、CDまたはCD−Rの再生動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオフ、第2のレーザ光源13をオンとする。
これにより、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、前記フォログラム13A、反射プリズム12、コリメータレンズ11、を介してプリズム5の第5の面55に入射される。
前記第2の光ビーム20は、P偏光であるため、その一部(光ビーム25)がビームスプリッタ膜23、前記境界面を通過して第1の面51から出射され第2の光量検出器28に導かれる。第2の光ビームの大部分は、前記ビームスプリッタ膜23で反射されることにより第2の光ビーム21として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5によって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されている。
第2の光ビームについてはビーム形状の補正はなされないが、これはCDの記録密度が低く、ビーム形状の補正を行なう必要がないためである。
【0031】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、立ち上げミラー6、1/4波長板26を介してプリズム5の第7の面57に入射され、上記と逆の経路をたどって第5の面55からコリメータレンズ11に向けて出射される。コリメータレンズ11を通過した反射光ビームは、反射プリズム12によってフォログラム13Aを介して前記光検出手段に導かれる。
これ以降の動作はDVD、DVD−Rの再生時と同様であるため説明を割愛する。
【0032】
上述した第1の実施の形態によれば、前記第1の光ビームのビーム形状の補正を前記第1、第2のプリズム5a、5bで行ない、前記第1、第2の光ビームの光路の合成を第2、第3のプリズム5b、5cの境界に設けたビームスプリッタ膜で行なう構成とした。このため、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5に対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、第1、第2のレーザ光源から出射された第1、第2の光ビームをプリズム5によって反射または透過させて第1、第2の光量検出器に導く構成としたため、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5に対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
【0033】
次に第2の実施の形態について説明する。
図5は第2の実施の形態におけるプリズムの構成を示す説明図である。
第2の実施の形態のプリズム5Aは、第1の実施の形態の構成の一部を変更したものであり、第1の実施の形態のプリズム5と異なるのは、ビームスプリッタ膜の構成と、光量検出器が第1、第2の光ビームに対して共通に設けられている点である。
以下では、図5において図4と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について重点的に説明する。
図5に示すように、プリズム5Aは、第1のプリズム5dと、第2のプリズム5eと、第3のプリズム5fとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5dは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5e、5fは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることは第1の実施の形態と同様である。
第2のプリズム5eの第4面54と第3のプリズム5fの第6面56との間にはビームスプリッタ膜23Aが設けられている。前記ビームスプリッタ膜23Aは、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光を透過するとともに、S偏光はほぼ透過しかつ一部を反射するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
【0034】
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光およびP偏光を透過するように構成され、第2の光ビーム24については、ほぼ透過するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0035】
上記構成によれば、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記プリズム5Aの第1の面51に入射され、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、反射面58で反射され前記ビームスプリッタ膜23Aに入射される。前記第1の光ビームは、S偏光であるため第1の光ビームの一部は、ビームスプリッタ膜23で反射されて、前記第3、第2、第1の面53、52、51の順で通過して光量検出器28Aに導かれる。第1の光ビームの大部分はこのビームスプリッタ膜23Aを通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5Aによって、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路が形成されている。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0036】
また、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、プリズム5Aの第5の面55に入射される。
前記第2の光ビーム20は、P偏光であるため、その一部(光ビーム25)がビームスプリッタ膜23A、前記境界面を通過して第1の面51から出射され第2の光量検出器28に導かれる。第2の光ビームの大部分は、前記ビームスプリッタ膜23Aで反射されることにより第2の光ビーム21として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
すなわち、プリズム5Aによって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されている。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0037】
上述した第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5Aに対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度や、前記プリズム5Aに対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
さらに、第2の実施の形態によれば、第1、第2の光ビームの光量を検出する光量検出手段を第1、第2の光ビームで共用としたため、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に部品点数を減らすことができ部品コストを削減する上で有利である。
【0038】
次に第3の実施の形態について説明する。
図6は第3の実施の形態におけるプリズムの構成を示す説明図である。
第3の実施の形態のプリズム5Bは、第1の実施の形態の構成の一部を変更したものであり、第1の実施の形態のプリズム5と異なるのは、プリズム5B内における第1の光ビームの光路である。
以下では、図6において図4と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について重点的に説明する。
図6に示すように、プリズム5Bは、第1のプリズム5gと、第2のプリズム5hと、第3のプリズム5iとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5gは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5h、5iは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることは第1の実施の形態と同様である。
第2のプリズム5hの第4面54と第3のプリズム5iの第6面56との間にはビームスプリッタ膜23Bが設けられている。前記ビームスプリッタ膜23Bは、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
【0039】
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光は一部を反射し、P偏光はほぼ透過するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0040】
上記構成によれば、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記プリズム5Bの第1の面51に入射される。
ここで、前記第1の光ビームはS偏光であるため、その一部が前記第1の面51で反射されて第1の光量検出器27に導かれる。第1の光ビームの大部分は、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、前記ビームスプリッタ膜23を通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。すなわち、第1の実施の形態と異なり第1の光ビームはプリズム5B内で反射されることなく光ディスクへ出射される。
また、プリズム5Bによって、前記第1の光ビームが前記第1の面51から入射して第2の面52、第3の面53、ビームスプリッタ膜23をこれらの順に通過して第7の面57から出射するように導く第1の光路が形成されていることは第1の実施の形態と同様である。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0041】
また、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、プリズム5Bの第5の面55に入射される。
前記第2の光ビーム20は、P偏光であるため、その一部(光ビーム25)がビームスプリッタ膜23A、前記境界面を通過して第2の光量検出器28に導かれる。第2の光ビームの大部分は、前記ビームスプリッタ膜23Bで反射されることにより第2の光ビーム21として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
また、プリズム5Bによって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されていることは第1の実施の形態と同様である。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0042】
上述した第3の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5Bに対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度や、前記プリズム5Bに対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
【0043】
次に第4の実施の形態について説明する。
図7は第4の実施の形態におけるプリズムの構成を示す説明図である。
第4の実施の形態のプリズム5Cは、第1の実施の形態の構成の一部を変更したものであり、第1の実施の形態のプリズム5と異なるのは、プリズム5C内における第1の光ビームの光路である。
以下では、図7において図4と同様の部分には同一の符号を付して説明を省略し、第1の実施の形態と異なる点について重点的に説明する。
図7に示すように、プリズム5Cは、第1のプリズム5jと、第2のプリズム5kと、第3のプリズム5lとをこれらの順に接合して構成されており、前記第1のプリズム5jは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2、第3のプリズム5k、5lは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることは第1の実施の形態と同様である。
【0044】
前記第1のプリズム5jには、前記コリメータレンズ4から第1の光ビームが入射される第1の面51と、前記第2のプリズム5kに接合される第2の面52と、前記第1の面51に対向して前記第1の面51に入射された第1の光ビームを前記第2の面52に向けて反射する反射面59が形成されている。
前記第2のプリズム5kには、前記第1のプリズム5jの第2の面52に接合される第3の面53と、第3のプリズム5lに接合される第4の面54と、前記第3の面53から入射された第1の光ビームを前記第4の面54に向けて反射する反射面58とが形成されている。前記第2の面52と第3の面53によって第1、第2のプリズム52、53の境界面が構成されている。
前記第3のプリズム5lには、前記第2の光ビームが入射される第5の面55と、前記第2のプリズム5kの第4の面54に接合される第6の面56と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面57とが形成されている。
【0045】
前記第4の面54と第6の面56の間にはビームスプリッタ膜23が形成されている。前記ビームスプリッタ膜23は、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光はほぼ反射しかつ一部を透過し、S偏光は反射するように構成されている。
また、前記第1の面51は、第1の光ビーム15については、S偏光はほぼ透過し且つ一部を反射するように構成されている。
前記プリズム5は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面51と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0046】
上記構成によれば、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記プリズム5Cの第1の面51に入射される。
ここで、前記第1の光ビームはS偏光であるため、その一部が前記第1の面51で反射されて第1の光量検出器27に導かれる。第1の光ビームの大部分は、第1の面51を通過し前記反射面59で反射され前記境界面へ導かれる。これにより、前記第1の光ビームは、第1の面51と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、前記反射面58で反射され、ビームスプリッタ膜23を通過して第1の光ビーム19として第7の面57から1/4波長板26に向けて出射される。1/4波長板26を通過した第1の光ビームは、立ち上げミラー6、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。すなわち、第1の実施の形態と異なり第1の光ビームはプリズム5C内で2回反射されてから光ディスクへ出射される。
また、プリズム5Cによって、前記第2の光ビームが前記第5の面55から入射してビームスプリッタ膜23で反射され第7の面57から出射するように導く第2の光路が形成されていることは第1の実施の形態と同様である。
光ディスク102で反射された反射光ビームは上記と逆の光路をたどって前記光検出手段10に導かれる。
【0047】
上述した第4の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、前記ビーム形状の補正および光路の合成が可能な範囲内で前記第1乃至第3のプリズムの形状をそれぞれ変更することにより、前記プリズム5Cに対する第1、第2の光源1、13の配置の自由度や、前記プリズム5Cに対する第1、第2の光量検出器の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
また、前記プリズムを構成する硝材の屈折率は前記第1、第2の屈折率の2種類で済むため部品コストを削減する上で有利である。
さらに、第4の実施の形態では、第1の光ビームがプリズム5C内で2回反射されているため、いわゆる合わせ鏡の原理によって、第1の光ビームに対するプリズム5Cの角度がずれたときに第1の面に対する第1の光ビームの入射方向に対する第7の面から出射される第1の光ビームの出射方向のずれ量を抑制することができる利点がある。
【0048】
以下これについて説明する。
図8は合わせ鏡構造の原理を示す説明図である。
図8に示すように、第1の反射面1000と第2の反射面1002が角度θをなして交叉した合わせ鏡構造が構成されているものとする。
この場合、入射光L1が前記第1の反射面1000に反射され、次いで第2の反射面1002に反射され出射光L2として出射される場合、入射光L1と出射光L2がなす角度をδとすると、式(1)が成立する。
δ=180°−2θ (1)
ここで、第1、第2の反射面1000、1002の境界線を軸線Xとしたとき、第1、第2の反射面1000、1002が該軸線X回りに回転しても前記角度δは一定のまま変らない。
【0049】
一方、図9に示すように単一の反射面1004に入射光L1が入射することにより反射面1004から反射光L2が反射される場合、前記反射面1004が角度γ傾斜すると、入射光L1と出射光L2がなす角度は2γ変化することになる。
すなわち、前記合わせ鏡のように2回反射される構成の場合には、反射面が回転しても入射光に対する出射光の角度が変化しないのに対して、前記単一の反射面で1回反射される構成の場合には、反射面が回転することにより入射光に対する出射光の角度が大きく変化することが分かる。
なお、このような合わせ鏡の原理は、光が偶数回反射される構成の場合にも同様に当てはまることが知られている。
したがって、前記プリズム内を通過する光ビームが偶数回反射するように光路を設定すれば、プリズムの位置ずれに対する光ビームの角度ずれを抑制する上で有利となる。
【0050】
次に第5の実施の形態について説明する。
図10は第5の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図、図11は第5の実施の形態おけるプリズムの構成を示す説明図である。
第5の実施の形態が第1の実施の形態と異なるのは、プリズムが2つのプリズムを接合することによって構成され、第2の光ビームが前記プリズム内で2回反射されている点である。
以下では、図10において図1と同様の部分には同一の符号を付して説明する。
図10において、光ヘッド104Aは、第1のレーザ光源1、グレーティング素子2、偏光ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム50、立ち上げミラー6、対物レンズ7、マルチレンズ9、光検出手段10、コリメータレンズ11、フォトディテクタを備える第2のレーザ光源13、2波長対応の1/4波長板26などを備えており、これらの各光学部品が不図示のホルダにマウントされて構成されている。
【0051】
光ヘッド104において、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームはグレーティング素子2、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4、プリズム50、立ち上げミラー6、1/4波長板26によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6、プリズム50、コリメータレンズ4、ビームスプリッタ3、マルチレンズ9を介して前記光検出手段10に導かれる。
【0052】
また、光ヘッド104Aにおいて、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームはコリメータレンズ11、プリズム50、立ち上げミラー6、1/4波長板26によって構成される光路により対物レンズ7に導かれ、該対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。光ディスク102に照射された光ビームは光ディスク102で反射され、反射光ビームとなって対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6、プリズム50、コリメータレンズ11を介して前記第2のレーザ光源13のフォトディテクタに導かれる。
【0053】
前記第1のレーザ光源1は、DVDに対応する波長の光ビーム(第1の光ビーム)を前記グレーティング素子2に向けて出射するように構成されている。
前記グレーティング素子2は、前記第1のレーザ光源1から出射された光ビームを回折させることにより、3つの光ビームを生成して出射する。
前記ビームスプリッタ3は、前記グレーティング素子2から導かれたP偏光の光ビームを透過してコリメータレンズ4に導くとともに、前記コリメータレンズ4から導かれたS偏光の反射光ビームを反射してマルチレンズ9に導くように構成されている。
前記コリメータレンズ4は、ビームスプリッタ3から導かれる光ビームを平行光として出射するように構成されている。
前記プリズム50の構成については後述する。
前記第2のレーザ光源13は、CDに対応する波長(785nm)の光ビーム(第2の光ビーム)をコリメータレンズ11に向けて出射するように構成され、かつ、前記コリメータレンズ11から導かれた反射光ビームを前記フォトディテクタに導くフォログラム13Aが設けられている。
前記フォトディテクタは、前記フォログラム13Aを介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0054】
前記コリメータレンズ11は、第2のレーザ光源13から入射されたレーザ光を平行光として出射するように構成されている。
前記1/4波長板26は、光ビームが該1/4波長板26を往復で通過することにより、偏光方向を変換するように構成されている。すなわち、前記プリズム50から往路で入射される光ビームの偏光面に対して光ディスク102で反射され対物レンズ7、立ち上げミラー6を介して復路で通過した反射光ビームの偏光面が90度回転するように構成されている。
【0055】
図10に示すように、前記立ち上げミラー6は、プリズム50から出射された光ビームを反射して1/4波長板26を介して対物レンズ7に導くと共に、対物レンズ7から1/4波長板26を介して導かれた反射光ビームを反射してプリズム50に導くように構成されている。
前記対物レンズ7は、前記1/4波長板26から出射された光ビームを集光して前記光ディスク102の記録面に照射するとともに、光ディスク102から反射された反射光ビームを1/4波長板26に向けて出射するように構成されている。
【0056】
前記マルチレンズ9は、前記ビームスプリッタ3を透過した反射光ビームに非点収差を与えて光検出手段10に導くように構成されている。
前記光検出手段10は、前記マルチレンズ9を介して導かれた前記反射光ビームを受光して検出信号を出力するように構成されている。前記検出信号に基づいて、RF信号、フォーカスエラー信号、トラッキングエラー信号等が取り出される。
【0057】
次に、プリズム50の構成について図10、図11を参照して詳細に説明する。
プリズム50は、第1のプリズム50aと、第2のプリズム50bとを接合して構成されており、前記第1のプリズム50aは第1の屈折率n1を有する硝材で形成され、前記第2のプリズム50bは前記第1の屈折率n1と異なる値の第2の屈折率n2を有する硝材で形成されている。
前記第1の屈折率n1、第2の屈折率n2は、前記第1の光ビームが第1、第2のプリズムの境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されている。
【0058】
前記第1のプリズム50aには、前記コリメータレンズ4から第1の光ビームが入射される第1の面5002と、前記第2のプリズム50bに接合される第2の面5004とを含んで形成されている。
前記第2のプリズム50bには第1のプリズム50aの第2の面5004に接合される第3の面5006と、光ビームが入射される第4の面5008と、第4の面5008に入射された光ビームを反射する反射面5012と、光ビームが出射される第5の面5010とを含んで形成されている。
前記第2の面5004と第3の面5006によって第1、第2のプリズム50a、50bの境界面が構成されている。
前記第2の面5004と第3の面5006の間には、ビームスプリッタ膜5014が形成されている。前記ビームスプリッタ膜5014は、無偏光膜で形成され、前記第1の光ビーム15(波長660nm)については、P偏光およびS偏光の双方を透過するように構成され、前記第2の光ビーム20(波長785nm)については、P偏光およびS偏光の双方を反射するように構成されている。
【0059】
前記プリズム50は、前記第1の光ビーム15を前記第1の面5002と、前記境界面とで屈折することにより、前記第1の光ビーム15の強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるアナモフィックプリズムを構成するようにその形状(角度)が設定されている。
【0060】
以上のように構成された光ヘッド104Aの作用について図2、図10、図11を参照して説明する。
まず、光ディスク102がDVD、DVD−Rであって、再生を行なう際の動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオン、第2のレーザ光源13をオフとする。
これにより、前記第1のレーザ光源1から出射された第1の光ビームは、前記グレーティング素子2によって回折されることにより3つの光ビームに分離され、ビームスプリッタ3、コリメータレンズ4を介してプリズム50の第1の面5002に入射される。
ここで、前記第1の光ビームは、第1の面5002と前記境界面とで屈折されてビーム形状が補正され、前記ビームスプリッタ膜5014を通過して第1の光ビーム19として第5の面5010から立ち上げミラー6に向けて出射される。立ち上げミラー6で反射された第1の光ビームは、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
したがって、プリズム50によって、前記第1の光ビーム15が前記第1の面5002から入射して前記ビームスプリッタ膜5014を通過して第5の面5010から出射されるように導く第1の光路が構成されている。
【0061】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6、を介してプリズム50の第5の面5010に入射され、上記と逆の経路をたどって第1の面5002からコリメータレンズ4に向けて出射される。コリメータレンズ4を通過した反射光ビームは、前記1/4波長板26を往復することで偏光方向が変換されているためビームスプリッタ3で反射され収束レンズ9を介して光検出手段10に導かれる。
これにより、反射光ビームは、光検出手段10によって検出されることにより検出信号が生成され、該検出信号は、前記プリアンプ120、信号変復調部及びECCブロック108によって再生され、インターフェース111を介して外部に出力される。
また、フォーカスエラー信号は光検出手段10によって非点収差法により検出され、トラッキングエラー信号は光検出手段10によってDPP法によって検出される。前記サーボ制御部109は、プリアンプ120によって増幅されたこれらエラー信号に基づいて前記光ヘッド104のフォーカスおよびトラッキングのサーボ制御を行なう。
【0062】
次に、CDまたはCD−Rの再生動作について説明する。
この場合、レーザ制御部121は、第1のレーザ光源1をオフ、第2のレーザ光源13をオンとする。
これにより、前記第2のレーザ光源13から出射された光ビームは、前記フォログラム13Aによって回折されることにより3つの光ビームに分離され、コリメータレンズ11、プリズム50の第4の面5008に入射される。
前記第2の光ビーム20は、第4の面5008を通過し反射面5012およびビームスプリッタ膜5014でこの順に2回反射され第2の光ビーム21として第5の面5010から立ち上げミラー6に向けて出射される。立ち上げミラー6で反射された第2の光ビームは、1/4波長板26、対物レンズ7を介して光ディスク102に照射される。
したがって、プリズム50によって、前記第2の光ビーム20が前記第4の面5008から入射して前記反射面5012と前記ビームスプリッタ膜5014でこの順に2回反射され第5の面5010から出射されるように導く第2の光路とが構成されている。
【0063】
光ディスク102に照射される光ビームは、記録面上に照射される。これにより反射光ビームは、前記対物レンズ7、1/4波長板26、立ち上げミラー6を介してプリズム50の第5の面5010に入射される。この反射光ビームは、前記1/4波長板26を往復することで偏光方向が変換されているため、前記ビームスプリッタ5014で反射され第5の面5010からコリメータレンズ11に向けて出射される。コリメータレンズ11を通過した反射光ビームは、フォログラム13Aを介して前記光検出手段に導かれる。
これ以降の動作はDVD、DVD−Rの再生時と同様であるため説明を割愛する。
第2の光ビームについてはビーム形状の補正はなされないが、これはCDの記録密度が低く、ビーム形状の補正を行なう必要がないためである。
【0064】
上述した第5の実施の形態によれば、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に、第2の光ビームがプリズム50内で2回反射されているため、前述した合わせ鏡の原理によって、第2の光ビームに対するプリズム50の角度がずれたときに第4の面に対する第2の光ビームの入射方向に対する第5の面から出射される第2の光ビームの出射方向のずれ量を抑制することができる。
これにより、光ディスク上に結像されるビームスポットの品質向上、デフォーカスの発生抑制、信号読み取り性能の向上を図ることができ、量産性を向上させる上で有利である。
また、前記第2の光ビームをプリズム内の光路で2回反射する構成とした。このため、前記プリズムによって構成される第1、第2の光ビームの光路を構成する際の自由度を増すことができ、これにより前記プリズムに対する第1、第2のレーザ光源の配置の自由度を高めることが可能となり、互いに異なる2波長のレーザ光源を用いる場合に光ヘッドの小型化を図る上で有利である。
【0065】
上述した第5の実施の形態では、前記プリズムにおいて、第2の光ビームが前記第4の面から入射し2回反射された後、第5の面から出射する第2の光路を設けたが、本発明はこれに限定されるものではなく、第2の光ビームの反射は偶数回であればよい。
【0066】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のプリズム、光ヘッドおよび記録再生装置によれば、波長の異なる2つの光ビームを用いた信号の記録および/または再生を行なうにあたって、光源や光量検出器の配置の自由度を高めることができ、光路の角度ずれの発生を抑制する上で有利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における光ヘッドを組み込んだ光ディスク記録再生装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系の対物レンズ近傍の構成を示す構成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【図8】合わせ鏡構造の原理を示す説明図である。
【図9】単一反射面における入射光と反射光の関係を示す説明図である。
【図10】本発明の第5の実施の形態による光ヘッドの光学系を示す構成図である。
【図11】本発明の第5の実施の形態による光ヘッドの光学系を構成するプリズムの構成図である。
【符号の説明】
1……第1のレーザ光源、5、5A、5B、5C、50……プリズム、7……対物レンズ、13……第2のレーザ光源、23……ビームスプリッタ膜、51……第1の面、52……第2の面、53……第3の面、54……第4の面、55……第5の面、56……第6の面、57……第7の面。
Claims (24)
- 第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、
前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、
前記第2のプリズムには前記第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、
前記第3のプリズムには光ビームが入射される第5の面と、前記第4の面に接合される第6の面と、光ビームが出射される第7の面とが形成され、
前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、
第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順に通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、
第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、
前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されている、
ことを特徴とするプリズム。 - 前記第1、第2の屈折率は前記第1の光ビームが前記境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることを特徴とする請求項1記載のプリズム。
- 互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、
前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、
前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、
前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備えた光ヘッドであって、
前記プリズムは、
第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、
前記第1のプリズムには第1の光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、
前記第2のプリズムには前記第1のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、
前記第3のプリズムには第2の光ビームが入射される第5の面と、前記第2のプリズムの第4の面に接合される第6の面と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面とが形成され、
前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順で通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、
前記第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、
前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されている、
ことを特徴とする光ヘッド。 - 前記第1の光ビームの一部が前記第1の面で反射されることによって導かれる反射光の光量を検出する第1の光量検出手段を設け、該第1の光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第1の光源の光ビームの出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。
- 前記第1の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜で反射されることによって導かれる反射光の光量を検出する第1の光量検出手段を設け、該第1の光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第1の光源の光ビームの出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。
- 前記第2の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜を透過することによって導かれる透過光の光量を検出する第2の光量検出手段を設け、該第2の光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第2の光源の光ビームの出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。
- 前記第1の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜で反射されることによって導かれる反射光と、前記第2の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜を透過することによって導かれる透過光との双方が通過する箇所に単一の光量検出手段を設け、該光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第1、第2の光源の光ビームの双方の出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項3記載の光ヘッド。
- 光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、
前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、光を照射し、前記光記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドと、
前記光ヘッドからの検出信号に基づいて再生信号を生成する再生信号処理回路とを有し、
前記光ヘッドは、
互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、
前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、
前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、
前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備え、
前記プリズムは、
第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2、第3のプリズムとを備え、
前記第1のプリズムには第1の光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、
前記第2のプリズムには前記第1のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、第3のプリズムに接合される第4の面とが形成され、
前記第3のプリズムには第2の光ビームが入射される第5の面と、前記第2のプリズムの第4の面に接合される第6の面と、第1、第2の光ビームが出射される第7の面とが形成され、
前記第4の面と第6の面の間にはビームスプリッタ膜が形成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して第2の面、第3の面、ビームスプリッタ膜をこれらの順で通過して第7の面から出射するように導く第1の光路が形成され、
前記第2の光ビームが前記第5の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第7の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、
前記第2の面と第3の面とにより境界面が構成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成されている、
ことを特徴とする記録再生装置。 - 前記第1の光ビームの一部が前記第1の面で反射されることによって導かれる反射光の光量を検出する第1の光量検出手段を設け、該第1の光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第1の光源の光ビームの出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項8記載の記録再生装置。
- 前記第1の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜で反射されることによって導かれる反射光の光量を検出する第1の光量検出手段を設け、該第1の光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第1の光源の光ビームの出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項8記載の記録再生装置。
- 前記第2の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜を透過することによって導かれる透過光の光量を検出する第2の光量検出手段を設け、該第2の光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第2の光源の光ビームの出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項8記載の記録再生装置。
- 前記第1の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜で反射されることによって導かれる反射光と、前記第2の光ビームの一部が前記ビームスプリッタ膜を透過することによって導かれる透過光との双方が通過する箇所に単一の光量検出手段を設け、該光量検出手段で検出された光量に基づいて前記第1、第2の光源の光ビームの双方の出力を制御するようにしたことを特徴とする請求項8記載の記録再生装置。
- 第1の屈折率を有する第1のプリズムと、前記第1の屈折率とは異なった値の第2の屈折率を有する第2のプリズムとを備え、
前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、
前記第2のプリズムには前記第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、
前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射される第1の光路が形成され、
前記第2の面と第3の面とで境界面が構成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面と前記境界面との双方で屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、
前記第2の光ビームが前記第4の面から入射し偶数回反射された後、第5の面から出射する第2の光路が設けられている、
ことを特徴とするプリズム。 - 前記偶数回反射のうちの1回の反射は前記ビームスプリッタ膜で行なわれることを特徴とする請求項13記載のプリズム。
- 前記第1、第2の屈折率は前記第1の光ビームが前記境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることを特徴とする請求項13記載のプリズム。
- 前記第2のプリズムには前記第4の面と第3の面とを接続する第6の面が形成されており、前記第6の面は前記第4の面から入射された第2の光ビームを反射して第3の面に導くように構成され、前記第2の光路における前記第2の光ビームの反射は前記第6の面および第3の面によって2回行なわれることを特徴とする請求項13記載のプリズム。
- 互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、
前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、
前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、
前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備えた光ヘッドであって、
前記プリズムは、
第1の屈折率を有する第1のプリズムと、第2の屈折率を有する第2のプリズムとを接合し、
前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、
前記第2のプリズムには第2のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、
前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が形成され、
前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面と、第2の面および第3の面で構成される境界面とで屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、
前記第2の光路は前記第2の光ビームを偶数回反射するように構成されている、
ことを特徴とする光ヘッド。 - 前記偶数回反射のうちの1回の反射は前記ビームスプリッタ膜で行なわれることを特徴とする請求項17記載の光ヘッド。
- 前記第1、第2の屈折率は前記第1の光ビームが前記境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることを特徴とする請求項17記載の光ヘッド。
- 前記第2のプリズムには前記第4の面と第3の面とを接続する第6の面が形成されており、前記第6の面は前記第4の面から入射された第2の光ビームを反射して第3の面に導くように構成され、前記第2の光路における前記第2の光ビームの反射は前記第6の面および第3の面によって2回行なわれることを特徴とする請求項17記載の光ヘッド。
- 光記録媒体を保持して回転駆動する駆動手段と、
前記駆動手段によって回転駆動する光記録媒体に対し、光を照射し、前記光記録媒体からの反射光を検出する光ヘッドと、
前記光ヘッドからの検出信号に基づいて再生信号を生成する再生信号処理回路とを有し、
前記光ヘッドは、
互いに異なる波長の第1、第2の光ビームをそれぞれ出射する第1、第2の光源と、
前記第1、第2の光ビームを集光して光記録媒体に照射する対物レンズと、
前記照射された第1、第2の光ビームの前記光記録媒体での反射光ビームを前記対物レンズを介して受光する光検出手段と、
前記第1、第2の光源と対物レンズの間に配設され前記第1、第2の光ビームを前記対物レンズに導く光路を形成するとともに、前記対物レンズからの反射光ビームを前記光検出手段に導く光路を形成するプリズムとを備え、
前記プリズムは、
第1の屈折率を有する第1のプリズムと、第2の屈折率を有する第2のプリズムとを接合し、
前記第1のプリズムには光ビームが入射される第1の面と、前記第2のプリズムに接合される第2の面とが形成され、
前記第2のプリズムには第2のプリズムの第2の面に接合される第3の面と、光ビームが入射される第4の面と、光ビームが出射される第5の面とが形成され、
前記第2の面と第3の面の間にビームスプリッタ膜が形成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面から入射して前記ビームスプリッタ膜を通過して第5の面から出射されるように導く第1の光路が形成され、
前記第2の光ビームが前記第4の面から入射して前記ビームスプリッタ膜で反射され第5の面から出射されるように導く第2の光路が形成され、
前記第1の光ビームが前記第1の面と、第2の面および第3の面で構成される境界面とで屈折されることにより前記第1の光ビームの強度分布の形状がほぼ円形となるようなビーム形状補正が行なわれるように構成され、
前記第2の光路は前記第2の光ビームを偶数回反射するように構成されている、
ことを特徴とする記録再生装置。 - 前記偶数回反射のうちの1回の反射は前記ビームスプリッタ膜で行なわれることを特徴とする請求項21記載の記録再生装置。
- 前記第1、第2の屈折率は前記第1の光ビームが前記境界面を通過する際に生じる色分散を抑制する値に設定されていることを特徴とする請求項21記載の記録再生装置。
- 前記第2のプリズムには前記第4の面と第3の面とを接続する第6の面が形成されており、前記第6の面は前記第4の面から入射された第2の光ビームを反射して第3の面に導くように構成され、前記第2の光路における前記第2の光ビームの反射は前記第6の面および第3の面によって2回行なわれることを特徴とする請求項21記載の記録再生装置。
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JP2002235105A JP2004077615A (ja) | 2002-08-12 | 2002-08-12 | プリズム、光ヘッドおよび記録再生装置 |
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Cited By (1)
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CN114077143A (zh) * | 2021-10-29 | 2022-02-22 | 歌尔光学科技有限公司 | 投影装置、投影装置的控制方法及投影*** |
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2002
- 2002-08-12 JP JP2002235105A patent/JP2004077615A/ja active Pending
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