JP2004068965A - 接触型シール装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】ブラシの磨耗が進行した場合でも、ブラシの回転軸への押付力を確保してシール性能を維持することができ、ブラシシールを新品に交換することなく長期間使用することができる接触型シール装置を提供することを目的とする。
【解決手段】作動流体61が充填されたケーシング5中に回転軸1を配し、この回転軸の周面にブラシシールを配して前記作動流体の封止を行う接触型シール装置において、前記ブラシシールa,b,cは、前記回転軸周りに分割されて配されるように構成され、前記ケーシングは、前記ブラシシール相互間に配されるように前記回転軸の軸心に向って突出し、前記ブラシシールとの当接面がテーパー状に形成された凸状案内部6を有するとともに、前記ブラシシールを前記回転軸の周面に向けて押付力を与える押圧手段8,11,24を有することを特徴とする接触型シール装置。
【選択図】 図1
【解決手段】作動流体61が充填されたケーシング5中に回転軸1を配し、この回転軸の周面にブラシシールを配して前記作動流体の封止を行う接触型シール装置において、前記ブラシシールa,b,cは、前記回転軸周りに分割されて配されるように構成され、前記ケーシングは、前記ブラシシール相互間に配されるように前記回転軸の軸心に向って突出し、前記ブラシシールとの当接面がテーパー状に形成された凸状案内部6を有するとともに、前記ブラシシールを前記回転軸の周面に向けて押付力を与える押圧手段8,11,24を有することを特徴とする接触型シール装置。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転機械に用いられて回転軸周りにおける作動流体の漏れを低減しつつシール作用を行う接触型シール装置に係り、とくにその磨耗対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービン・ガスタービン等の高温高圧の作動流体を扱うターボ機械では、シール性能を向上させて全体効率を上げるために、近年では接触タイプのブラシシールが使用されるようになってきている。使用されているブラシシールは、図10に示すように比較的細いワイヤあるいは樹脂系等の素線を束ねてなるブラシを形成し、回転軸1のシール部に素線が環状になるように配置している。
【0003】
そして、回転軸1とブラシ2の先端とは、接触させるかあるいは相互間に極めて狭い隙間を持たせて配置している。また、ブラシ2は、ブラシホルダー3によりブラシの素線を挟み込むようにしてブラシ固定部4で溶接し、ブラシホルダー3をケーシング5により支持している。
【0004】
一般に、シールは、機械の高圧部から流れてくる作動流体を封止するために用いられることから、その前後で圧力差が生じる。そこで、ブラシ2は、作動流体の圧力差により低圧側に傾かないように、ある程度剛性を持たせている。また、ブラシ2の素線は回転軸1と接触しているため、回転軸1が磨耗しないように、回転軸1のブラシ2との接触面には非常に硬い材料でコーティングを施している。
【0005】
ブラシシールのシール作用は、次の通りである。図9に示すように、ブラシシールの上流側(高圧側)から到来する流体61は、そのブラシ2の素線に当る。素線は非常に密に植え込まれているため、素線と流体61との間には流体摩擦が発生して流体に対し強力な吹き抜け抵抗として作用し、効率の良いシールを提供する。
【0006】
ここで、ブラシシールは、回転軸1と接触しているので、素線の磨耗は避けられず経年的なシール性能の劣化が起こり、定期検査の都度、ブラシシールの交換が実施されている。そして、磨耗が進行してシール性能が劣化した場合には、ブラシシール全体、つまりブラシ2およびこのブラシ2と連結されたブラシホルダー3を新品と交換している。
【0007】
図11および図12は、従来の接触型シール装置の正断面図である。大型回転機に、この種のシール装置を装着する場合、機器の組立作業性の点から周方向に分割した構造とするのが通例であり、ここでは3分割の例で示す。図11の構成は、ケーシング5に固定された板ばね51の復元力により、ブラシ2の中央部が回転軸1に押し付けられている例である。また図12の構成は、初期状態で圧縮されている円環状に屈曲された弾性体53が、ケーシング5内周側に固定されており、この弾性体53の復元力によりブラシ2が、回転軸1に押し付けられている例である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの例においては、板ばね51または弾性体53は、初期設定でブラシ2を回転軸1に押し付けているが、ブラシホルダー3相互の接触面54が接触して円管形状を形成しているため、初期の設定でブラシの径方向内側への押付力とブラシ内径は、幾何学的に決定されてしまう。
【0009】
したがって、ブラシと回転軸の摩擦によりブラシの磨耗が進行すると、所定のブラシの押付力が得られなくなってしまうとともに、それが進行するとブラシと回転軸との間に隙間ができて、この隙間から作動流体が漏れてしまい、シール性能が損なわれてしまう。
【0010】
また、予め接触面に隙間を設けるように設定しても、この隙間から作動流体が漏れない範囲での設定量は極めて小さなものとなり、板ばね51または弾性体53の調整できる位置範囲が狭い。このため、磨耗が進行してブラシシールが板ばね51または弾性体53の復元力によって径方向内側に移動した際に、ブラシホルダー3と板ばね51または弾性体53とが離れてしまい、その後さらに磨耗が進行した場合には復元力が得られず、終にはブラシ2と回転軸1との間に隙間が生じてしまい、シール性能が得られない事態に陥り易い。
【0011】
また図10の例では、ブラシホルダー3と板ばね51との接触面積が小さいために、板ばね51の復元力が、回転軸1の周上に分布しているブラシ2全体から回転軸1に対する押付力として伝達され難い、という問題がある。
【0012】
本発明は、上述の点を考慮してなされたもので、ブラシの磨耗が進行した場合でも、ブラシの回転軸への押付力を確保してシール性能を維持することができ、ブラシシールを新品に交換することなく長期間使用することができる接触型シール装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の、作動流体が充填されたケーシング中に回転軸を配し、この回転軸の周面にブラシシールを配して前記作動流体の封止を行う接触型シール装置において、前記ブラシシールは、前記回転軸周りに分割されて配されるように構成され、前記ケーシングは、前記ブラシシール相互間に配されるように前記回転軸の軸心に向って突出し、前記ブラシシールとの当接面がテーパー状に形成された凸状案内部を有するとともに、前記ブラシシールを前記回転軸の周面に向けて押付力を与える押圧手段を有することを特徴とする接触型シール装置、
請求項2記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記凸状案内部は、前記当接面の延長線の交点が前記回転軸の軸心まで到達しない位置になるように形成された接触型シール装置、
請求項3記載の、請求項1記載の接触型シール装置における押圧手段は、前記ケーシングに設けられた支持装置によって支持されたコイルばねにより、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置、
請求項4記載の、請求項3記載の接触型シール装置における前記支持装置に位置調整用スライド機構を具備したことを特徴とする接触型シール装置、
請求項5記載の、請求項1記載の接触型シール装置における押圧手段は、前記ケーシングに取り付けられたナットおよび締付ボルトに連結した前記押圧手段により、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置、
請求項6記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記押圧手段に力検出素子を設置し、前記ブラシシールの前記回転軸への押付力を検出するようにしたことを特徴とする接触型シール装置、
請求項7記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記ブラシシールの下流側圧力を検知し、前記ケーシングに取り付けられたベローに作動流体を導入し、該ベローが前記押圧手段を動作させることを特徴とする接触型シール装置、
請求項8記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記ブラシシールの周方向分割数を偶数とし、180°の対向位置関係にある各ブラシと回転軸との接触周長を等しくし、分割された前記各ブラシシールの各々における下流側圧力の差をベローに導入することを特徴とする接触型シール装置、
請求項9記載の、請求項7または8記載の接触型シール装置における前記ブラシシールの上流側圧力と前記ブラシシールの下流側圧力との差を前記ベローに導入することを特徴とする接触型シール装置、および
請求項10記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記押圧手段は、前記ケーシングと前記ブラシシールとの間にフォイル機構を有し、該フォイル機構により、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置、
を提供するものである。
【0014】
【発明の実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施例を示す正断面図である。ブラシシールの周方向分割数(この場合、3)に応じた数の凸状案内部6をケーシング5の内周側に設け、凸状案内部6に設置したばね支持部9にて支持されているコイルばね8によりブラシホルダー3に対して径方向内向きの復元力が働く。
【0016】
この実施例の特徴は、凸状案内部6が所定角のテーパー面を有する点にある。すなわち、凸状案内部6のテーパー角は、両テーパー面の延長線の交点が回転軸1の軸線位置に達しない位置としている。これにより、ブラシの磨耗が生じたとき、コイルばね8によりブラシホルダー3全体が径方向内側に押し付けられ易くなる結果、凸状案内部6のテーパー面に沿って移動し所定の押付力を保つことができる。
【0017】
コイルばね8に接触しているブラシホルダー3は、コイルばね8の復元力により径方向中心向きに力を受ける。凸状案内部6のブラシホルダー3との接触面には、ブラシホルダー3が滑らかに動作するように、摺動面10(例えばテフロン(登録商標)等の低摩擦特性を持つ物質のコーティング処理実施された面)が形成されている。コイルばね8の復元力はブラシ固定部4にて固定されているブラシ2に伝達し、ブラシ2が回転軸1に対して押し付けられる。
【0018】
また、凸状案内部6の先端7にもブラシ2を固定させて、回転軸1との僅かな隙間もシールするようにしている。これには、ブラシ2、ブラシホルダー3およびブラシ固定部4を有する構造でありながら、各要素の寸法を縮小することにより小型に構成され、凸状案内部6の先端部空間に対し、回転軸の軸方向と平行な方向から差し込むように形成されたものを用いる。
【0019】
ここで、凸状案内部6によりブラシホルダー3が周方向に拘束されることから、回転軸1の回転により励起されるブラシシールの周方向の運動は抑制される。
【0020】
この実施例では、図11に示した従来例における板ばね51、および図12に示した従来例における弾性体53と比較して、コイルばね8の設定できる位置範囲が広いため、ブラシ2の磨耗が進行しても、コイルばね8とブラシホルダー3とを接触させることができ、ブラシ2の回転軸1の周面に対する押付力を確保できる。
【0021】
さらにこの実施例では、図11に示した従来例における板ばね51と比較して、コイルばね8とブラシホルダー3との接触面積が大きいことから、回転軸1の周上に分布しているブラシ2全体から回転軸1の周面に対して押付力を与えるようになり、力の伝達が良好に行われる。
【0022】
図2は、本発明の第2の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図1に示した第1の実施例に対して、ケーシング5における内周側の凸状案内部6に設けたばね支持部9に、径方向スライド機構を具備させ、かつケーシング5における凸状案内部6の外周側に空隙部21を設けて、スライド機構付きばね支持部20へ外部からアクセスできるようにした。
【0023】
図3は、図2におけるスライド機構付きばね支持部20の構造をより詳細に示したものである。すなわち、スライド機構付きばね支持部20は、径方向の長穴を持った固定部材9aをブラシホルダー3に固定する一方、コイルばね8を掛けるフック9bを一端に有し、他端にナット9cを有し長穴内を移動する移動部材9dを設けてなるものである。これにより、移動部材9dの径方向に関する位置調整が可能になり、この位置調整を行えば、ブラシ2の磨耗が進行してもブラシ2の回転軸1への押付力を微調整することが可能になる。
【0024】
図4は、本発明の第3の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図1に示した第1の実施例に対して、コイルばね8ではなく押付板11によりブラシホルダー3を押し付け、それにより回転軸1が、ブラシホルダー3にブラシ固定部4にて固定されたブラシ2により、押し付けられる。
【0025】
押付板11は、締付ボルト13に連結されていて、この締付ボルト13はナット14によりケーシング5に対して固定される。締付ボルト13およびナット14は、ケーシング5の外周側からアクセス可能であることから、押付板11のブラシホルダー3への押付力を調整することができる。ブラシ2の回転軸1への押付力の微調整は、本発明の第2の実施例と同様、ブラシ2の磨耗が進行した後でも可能である。
【0026】
図5は、本発明の第4の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図4に示した第3の実施例に対して、押付板11に力検出素子15を設置する。力検出素子15からは信号16が出力され、力検出装置17により読み取られる。力検出装置17から表示器19に対し押付板11によるブラシホルダー3への押付力が与えられ、その数値が表示される。これにより、ブラシ2から回転軸1への押付力を定量的に表示して管理することが可能となり、押付力の微調整を高精度に実施できる。
【0027】
図6は、本発明の第5の実施例を示す正断面図である。この実施例では、押付板11の位置調整を行う手段が、ケーシング5に取り付けられたベロー22である。そして、この実施例では、ブラシシールの回転軸に対する押付力を下流側圧力の大小に応じて加減するようにしている。
【0028】
この実施例では、分割ブラシシールa,b,cの各下流側圧力23a,23b,23cが、対応する位置の各ベロー22に加減圧バルブ29を通して導入され、ベロー22により、連結されている押付板11が動作する。下流側圧力が上昇すると、押付板11が回転軸1を押し付けるように径方向内側に移動し、下流側圧力が低下すると押付板11が回転軸1から離れるように外径側に移動するように設定しておく。
【0029】
これは、下流側圧力が高いときはシール性能が劣化していて、下流側圧力が低いときはシール性能が良いことに基づく。分割したブラシシールの各下流側圧力を、対応する位置の各ベロー22に導入することにより、ブラシ2の磨耗が進行してシール性能が劣化しても、分割した各々の部分においてシール性能の確保が別々に行える。
【0030】
この実施例では、下流側圧力を検知し、ブラシシールの作動状態を診断し異常の場合はそれを補償するように作動流体を導いて圧力をブラシホルダーにかけ、所定の押付力を確保するものであり、検知する圧力は下流側のものであるが、ブラシホルダーに導く作動流体は下流側・上流側どちらから取り入れてもよい。
【0031】
図7は、本発明の第6の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図6に示した第5の実施例と異なり、ブラシシールは周方向に4分割されていて、ブラシシールaとc、またブラシシールbとdがそれぞれ180°の対向位置関係にある。これにより、各ブラシ2と回転軸1との接触周長を等しくし、各ブラシ下流側圧力の差をベローに導入する。
【0032】
そして、ブラシ下流側断面における180°の対向位置の圧力差をベローに導入すると、これに応じて押付板11が動作することから、図示断面内でシール性能に差が生じた場合でも、これに対応してシール性能を均等化することができる。
【0033】
図8は、本発明の第7の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図6に示した第5の実施例および図7に示した第6の実施例に対して、ブラシ2の上流側圧力30とブラシ2の下流側圧力23との差をベロー22に導入する。ここではブラシシールを周方向に3分割した例を示す。分割ブラシシールa,b,cの各上流側と下流側との圧力差30a−23a、30b−23b、30c−23cが、対応する位置の各ベロー22に加減圧バルブ29を通して導入され、ベロー22により、連結されている押付板11が動作する。
【0034】
各分割ブラシシールa,b,cの上流側と下流側との圧力差を検知することにより、各分割ブラシシールa,b,cでの漏れ量を評価・把握することになる。よって、漏れ量を基に各押付板が動作するようになり、高い精度で各ブラシシールa,b,cのシール性能を確保することができる。
【0035】
図9は、本発明の第8の実施例を示す正断面図である。この実施例は、第5、第6および第7の各実施例(図6、図7および図8)の接触型シール装置に関して、フォイル機構により、ブラシ2を回転軸1に押し付けている。ケーシング5の内周面にバックフォイル28が接触していて、押付力を均一化できるような機能を有したバンプフォイル27は、バックフォイル28により支持されている。フォイル固定端25で固定され、フォイル自由端26を有するトップフォイル24は、外周側でバンプフォイル27に接触している。トップフォイル24内周面にはブラシホルダー3が連結されていて、ブラシ2がブラシ固定部4によってブラシホルダー3に固定されている。
【0036】
ケーシング5にはベロー22が設けられており、加減圧バルブ29を通したブラシ下流側圧力23が導入される。下流側圧力23が上昇するとトップフォイル24が径方向内側に移動し、下流側圧力23が低下するとトップフォイル24が外径側に移動するように設定しておく。下流側圧力23が高いときはシール性能が劣化していて、下流側圧力23が低いときはシール性能が良いからである。以上のように設定しておけば、ブラシ2のシール性能とフォイル機構の調芯機能とを連動させることができ、ブラシ2の磨耗が進行した場合でもシール性能が確保できる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述のように、回転機械に用いられ作動流体を封止する接触型シール装置において、ブラシの磨耗が進行した場合でも、ブラシの回転軸への押付力を確保してシール性能を維持することができる。したがって、ブラシシールを頻繁に交換することなく、長期間使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の正断面図。
【図2】本発明の第2実施例の正断面図。
【図3】図2に示した実施例におけるスライド機構付きばね支持部の一例を示す図。
【図4】本発明の第3実施例の正断面図。
【図5】本発明の第4実施例の正断面図。
【図6】本発明の第5実施例の正断面図。
【図7】本発明の第6実施例の正断面図。
【図8】本発明の第7実施例の正断面図。
【図9】本発明の第8実施例の正断面図。
【図10】接触型シール装置の基本構造を示す側断面図。
【図11】従来技術に係る第1実施例の正断面図。
【図12】従来技術に係る第2実施例の正断面図。
【符号の説明】
1 回転軸、2 ブラシ、3 ブラシホルダー、4 ブラシ固定部、5 ケーシング、6 凸状案内部、7 凸状案内部先端、8 コイルばね、9 ばね支持部、10 摺動面、11 押付板、12 ねじ部、13 締付ボルト、14 ナット、15 力検出素子、16 出力信号、17 力検出装置、18 力信号、19 表示器、20 スライド機構付きばね支持部、21 ケーシング空隙部、22 ベロー、23 ブラシ下流側圧力、23a ブラシa下流側圧力、23b ブラシbの下流側圧力、23c ブラシcの下流側圧力、23d ブラシdの下流側圧力、24 トップフォイル、25 フォイル固定端、26 フォイル自由端、27 バンプフォイル、28 バックフォイル、29 加減圧バルブ、30ブラシの上流側圧力、30a ブラシaの上流側圧力、30b ブラシbの上流側圧力、30c ブラシcの上流側圧力、51 板ばね、52 ばね支持部
53 弾性体、61 作動流体、a,b,c 分割ブラシシール。
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転機械に用いられて回転軸周りにおける作動流体の漏れを低減しつつシール作用を行う接触型シール装置に係り、とくにその磨耗対策に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸気タービン・ガスタービン等の高温高圧の作動流体を扱うターボ機械では、シール性能を向上させて全体効率を上げるために、近年では接触タイプのブラシシールが使用されるようになってきている。使用されているブラシシールは、図10に示すように比較的細いワイヤあるいは樹脂系等の素線を束ねてなるブラシを形成し、回転軸1のシール部に素線が環状になるように配置している。
【0003】
そして、回転軸1とブラシ2の先端とは、接触させるかあるいは相互間に極めて狭い隙間を持たせて配置している。また、ブラシ2は、ブラシホルダー3によりブラシの素線を挟み込むようにしてブラシ固定部4で溶接し、ブラシホルダー3をケーシング5により支持している。
【0004】
一般に、シールは、機械の高圧部から流れてくる作動流体を封止するために用いられることから、その前後で圧力差が生じる。そこで、ブラシ2は、作動流体の圧力差により低圧側に傾かないように、ある程度剛性を持たせている。また、ブラシ2の素線は回転軸1と接触しているため、回転軸1が磨耗しないように、回転軸1のブラシ2との接触面には非常に硬い材料でコーティングを施している。
【0005】
ブラシシールのシール作用は、次の通りである。図9に示すように、ブラシシールの上流側(高圧側)から到来する流体61は、そのブラシ2の素線に当る。素線は非常に密に植え込まれているため、素線と流体61との間には流体摩擦が発生して流体に対し強力な吹き抜け抵抗として作用し、効率の良いシールを提供する。
【0006】
ここで、ブラシシールは、回転軸1と接触しているので、素線の磨耗は避けられず経年的なシール性能の劣化が起こり、定期検査の都度、ブラシシールの交換が実施されている。そして、磨耗が進行してシール性能が劣化した場合には、ブラシシール全体、つまりブラシ2およびこのブラシ2と連結されたブラシホルダー3を新品と交換している。
【0007】
図11および図12は、従来の接触型シール装置の正断面図である。大型回転機に、この種のシール装置を装着する場合、機器の組立作業性の点から周方向に分割した構造とするのが通例であり、ここでは3分割の例で示す。図11の構成は、ケーシング5に固定された板ばね51の復元力により、ブラシ2の中央部が回転軸1に押し付けられている例である。また図12の構成は、初期状態で圧縮されている円環状に屈曲された弾性体53が、ケーシング5内周側に固定されており、この弾性体53の復元力によりブラシ2が、回転軸1に押し付けられている例である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
これらの例においては、板ばね51または弾性体53は、初期設定でブラシ2を回転軸1に押し付けているが、ブラシホルダー3相互の接触面54が接触して円管形状を形成しているため、初期の設定でブラシの径方向内側への押付力とブラシ内径は、幾何学的に決定されてしまう。
【0009】
したがって、ブラシと回転軸の摩擦によりブラシの磨耗が進行すると、所定のブラシの押付力が得られなくなってしまうとともに、それが進行するとブラシと回転軸との間に隙間ができて、この隙間から作動流体が漏れてしまい、シール性能が損なわれてしまう。
【0010】
また、予め接触面に隙間を設けるように設定しても、この隙間から作動流体が漏れない範囲での設定量は極めて小さなものとなり、板ばね51または弾性体53の調整できる位置範囲が狭い。このため、磨耗が進行してブラシシールが板ばね51または弾性体53の復元力によって径方向内側に移動した際に、ブラシホルダー3と板ばね51または弾性体53とが離れてしまい、その後さらに磨耗が進行した場合には復元力が得られず、終にはブラシ2と回転軸1との間に隙間が生じてしまい、シール性能が得られない事態に陥り易い。
【0011】
また図10の例では、ブラシホルダー3と板ばね51との接触面積が小さいために、板ばね51の復元力が、回転軸1の周上に分布しているブラシ2全体から回転軸1に対する押付力として伝達され難い、という問題がある。
【0012】
本発明は、上述の点を考慮してなされたもので、ブラシの磨耗が進行した場合でも、ブラシの回転軸への押付力を確保してシール性能を維持することができ、ブラシシールを新品に交換することなく長期間使用することができる接触型シール装置を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の、作動流体が充填されたケーシング中に回転軸を配し、この回転軸の周面にブラシシールを配して前記作動流体の封止を行う接触型シール装置において、前記ブラシシールは、前記回転軸周りに分割されて配されるように構成され、前記ケーシングは、前記ブラシシール相互間に配されるように前記回転軸の軸心に向って突出し、前記ブラシシールとの当接面がテーパー状に形成された凸状案内部を有するとともに、前記ブラシシールを前記回転軸の周面に向けて押付力を与える押圧手段を有することを特徴とする接触型シール装置、
請求項2記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記凸状案内部は、前記当接面の延長線の交点が前記回転軸の軸心まで到達しない位置になるように形成された接触型シール装置、
請求項3記載の、請求項1記載の接触型シール装置における押圧手段は、前記ケーシングに設けられた支持装置によって支持されたコイルばねにより、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置、
請求項4記載の、請求項3記載の接触型シール装置における前記支持装置に位置調整用スライド機構を具備したことを特徴とする接触型シール装置、
請求項5記載の、請求項1記載の接触型シール装置における押圧手段は、前記ケーシングに取り付けられたナットおよび締付ボルトに連結した前記押圧手段により、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置、
請求項6記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記押圧手段に力検出素子を設置し、前記ブラシシールの前記回転軸への押付力を検出するようにしたことを特徴とする接触型シール装置、
請求項7記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記ブラシシールの下流側圧力を検知し、前記ケーシングに取り付けられたベローに作動流体を導入し、該ベローが前記押圧手段を動作させることを特徴とする接触型シール装置、
請求項8記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記ブラシシールの周方向分割数を偶数とし、180°の対向位置関係にある各ブラシと回転軸との接触周長を等しくし、分割された前記各ブラシシールの各々における下流側圧力の差をベローに導入することを特徴とする接触型シール装置、
請求項9記載の、請求項7または8記載の接触型シール装置における前記ブラシシールの上流側圧力と前記ブラシシールの下流側圧力との差を前記ベローに導入することを特徴とする接触型シール装置、および
請求項10記載の、請求項1記載の接触型シール装置における前記押圧手段は、前記ケーシングと前記ブラシシールとの間にフォイル機構を有し、該フォイル機構により、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置、
を提供するものである。
【0014】
【発明の実施例】
以下、添付図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【0015】
図1は、本発明の第1の実施例を示す正断面図である。ブラシシールの周方向分割数(この場合、3)に応じた数の凸状案内部6をケーシング5の内周側に設け、凸状案内部6に設置したばね支持部9にて支持されているコイルばね8によりブラシホルダー3に対して径方向内向きの復元力が働く。
【0016】
この実施例の特徴は、凸状案内部6が所定角のテーパー面を有する点にある。すなわち、凸状案内部6のテーパー角は、両テーパー面の延長線の交点が回転軸1の軸線位置に達しない位置としている。これにより、ブラシの磨耗が生じたとき、コイルばね8によりブラシホルダー3全体が径方向内側に押し付けられ易くなる結果、凸状案内部6のテーパー面に沿って移動し所定の押付力を保つことができる。
【0017】
コイルばね8に接触しているブラシホルダー3は、コイルばね8の復元力により径方向中心向きに力を受ける。凸状案内部6のブラシホルダー3との接触面には、ブラシホルダー3が滑らかに動作するように、摺動面10(例えばテフロン(登録商標)等の低摩擦特性を持つ物質のコーティング処理実施された面)が形成されている。コイルばね8の復元力はブラシ固定部4にて固定されているブラシ2に伝達し、ブラシ2が回転軸1に対して押し付けられる。
【0018】
また、凸状案内部6の先端7にもブラシ2を固定させて、回転軸1との僅かな隙間もシールするようにしている。これには、ブラシ2、ブラシホルダー3およびブラシ固定部4を有する構造でありながら、各要素の寸法を縮小することにより小型に構成され、凸状案内部6の先端部空間に対し、回転軸の軸方向と平行な方向から差し込むように形成されたものを用いる。
【0019】
ここで、凸状案内部6によりブラシホルダー3が周方向に拘束されることから、回転軸1の回転により励起されるブラシシールの周方向の運動は抑制される。
【0020】
この実施例では、図11に示した従来例における板ばね51、および図12に示した従来例における弾性体53と比較して、コイルばね8の設定できる位置範囲が広いため、ブラシ2の磨耗が進行しても、コイルばね8とブラシホルダー3とを接触させることができ、ブラシ2の回転軸1の周面に対する押付力を確保できる。
【0021】
さらにこの実施例では、図11に示した従来例における板ばね51と比較して、コイルばね8とブラシホルダー3との接触面積が大きいことから、回転軸1の周上に分布しているブラシ2全体から回転軸1の周面に対して押付力を与えるようになり、力の伝達が良好に行われる。
【0022】
図2は、本発明の第2の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図1に示した第1の実施例に対して、ケーシング5における内周側の凸状案内部6に設けたばね支持部9に、径方向スライド機構を具備させ、かつケーシング5における凸状案内部6の外周側に空隙部21を設けて、スライド機構付きばね支持部20へ外部からアクセスできるようにした。
【0023】
図3は、図2におけるスライド機構付きばね支持部20の構造をより詳細に示したものである。すなわち、スライド機構付きばね支持部20は、径方向の長穴を持った固定部材9aをブラシホルダー3に固定する一方、コイルばね8を掛けるフック9bを一端に有し、他端にナット9cを有し長穴内を移動する移動部材9dを設けてなるものである。これにより、移動部材9dの径方向に関する位置調整が可能になり、この位置調整を行えば、ブラシ2の磨耗が進行してもブラシ2の回転軸1への押付力を微調整することが可能になる。
【0024】
図4は、本発明の第3の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図1に示した第1の実施例に対して、コイルばね8ではなく押付板11によりブラシホルダー3を押し付け、それにより回転軸1が、ブラシホルダー3にブラシ固定部4にて固定されたブラシ2により、押し付けられる。
【0025】
押付板11は、締付ボルト13に連結されていて、この締付ボルト13はナット14によりケーシング5に対して固定される。締付ボルト13およびナット14は、ケーシング5の外周側からアクセス可能であることから、押付板11のブラシホルダー3への押付力を調整することができる。ブラシ2の回転軸1への押付力の微調整は、本発明の第2の実施例と同様、ブラシ2の磨耗が進行した後でも可能である。
【0026】
図5は、本発明の第4の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図4に示した第3の実施例に対して、押付板11に力検出素子15を設置する。力検出素子15からは信号16が出力され、力検出装置17により読み取られる。力検出装置17から表示器19に対し押付板11によるブラシホルダー3への押付力が与えられ、その数値が表示される。これにより、ブラシ2から回転軸1への押付力を定量的に表示して管理することが可能となり、押付力の微調整を高精度に実施できる。
【0027】
図6は、本発明の第5の実施例を示す正断面図である。この実施例では、押付板11の位置調整を行う手段が、ケーシング5に取り付けられたベロー22である。そして、この実施例では、ブラシシールの回転軸に対する押付力を下流側圧力の大小に応じて加減するようにしている。
【0028】
この実施例では、分割ブラシシールa,b,cの各下流側圧力23a,23b,23cが、対応する位置の各ベロー22に加減圧バルブ29を通して導入され、ベロー22により、連結されている押付板11が動作する。下流側圧力が上昇すると、押付板11が回転軸1を押し付けるように径方向内側に移動し、下流側圧力が低下すると押付板11が回転軸1から離れるように外径側に移動するように設定しておく。
【0029】
これは、下流側圧力が高いときはシール性能が劣化していて、下流側圧力が低いときはシール性能が良いことに基づく。分割したブラシシールの各下流側圧力を、対応する位置の各ベロー22に導入することにより、ブラシ2の磨耗が進行してシール性能が劣化しても、分割した各々の部分においてシール性能の確保が別々に行える。
【0030】
この実施例では、下流側圧力を検知し、ブラシシールの作動状態を診断し異常の場合はそれを補償するように作動流体を導いて圧力をブラシホルダーにかけ、所定の押付力を確保するものであり、検知する圧力は下流側のものであるが、ブラシホルダーに導く作動流体は下流側・上流側どちらから取り入れてもよい。
【0031】
図7は、本発明の第6の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図6に示した第5の実施例と異なり、ブラシシールは周方向に4分割されていて、ブラシシールaとc、またブラシシールbとdがそれぞれ180°の対向位置関係にある。これにより、各ブラシ2と回転軸1との接触周長を等しくし、各ブラシ下流側圧力の差をベローに導入する。
【0032】
そして、ブラシ下流側断面における180°の対向位置の圧力差をベローに導入すると、これに応じて押付板11が動作することから、図示断面内でシール性能に差が生じた場合でも、これに対応してシール性能を均等化することができる。
【0033】
図8は、本発明の第7の実施例を示す正断面図である。この実施例では、図6に示した第5の実施例および図7に示した第6の実施例に対して、ブラシ2の上流側圧力30とブラシ2の下流側圧力23との差をベロー22に導入する。ここではブラシシールを周方向に3分割した例を示す。分割ブラシシールa,b,cの各上流側と下流側との圧力差30a−23a、30b−23b、30c−23cが、対応する位置の各ベロー22に加減圧バルブ29を通して導入され、ベロー22により、連結されている押付板11が動作する。
【0034】
各分割ブラシシールa,b,cの上流側と下流側との圧力差を検知することにより、各分割ブラシシールa,b,cでの漏れ量を評価・把握することになる。よって、漏れ量を基に各押付板が動作するようになり、高い精度で各ブラシシールa,b,cのシール性能を確保することができる。
【0035】
図9は、本発明の第8の実施例を示す正断面図である。この実施例は、第5、第6および第7の各実施例(図6、図7および図8)の接触型シール装置に関して、フォイル機構により、ブラシ2を回転軸1に押し付けている。ケーシング5の内周面にバックフォイル28が接触していて、押付力を均一化できるような機能を有したバンプフォイル27は、バックフォイル28により支持されている。フォイル固定端25で固定され、フォイル自由端26を有するトップフォイル24は、外周側でバンプフォイル27に接触している。トップフォイル24内周面にはブラシホルダー3が連結されていて、ブラシ2がブラシ固定部4によってブラシホルダー3に固定されている。
【0036】
ケーシング5にはベロー22が設けられており、加減圧バルブ29を通したブラシ下流側圧力23が導入される。下流側圧力23が上昇するとトップフォイル24が径方向内側に移動し、下流側圧力23が低下するとトップフォイル24が外径側に移動するように設定しておく。下流側圧力23が高いときはシール性能が劣化していて、下流側圧力23が低いときはシール性能が良いからである。以上のように設定しておけば、ブラシ2のシール性能とフォイル機構の調芯機能とを連動させることができ、ブラシ2の磨耗が進行した場合でもシール性能が確保できる。
【0037】
【発明の効果】
本発明は上述のように、回転機械に用いられ作動流体を封止する接触型シール装置において、ブラシの磨耗が進行した場合でも、ブラシの回転軸への押付力を確保してシール性能を維持することができる。したがって、ブラシシールを頻繁に交換することなく、長期間使用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の正断面図。
【図2】本発明の第2実施例の正断面図。
【図3】図2に示した実施例におけるスライド機構付きばね支持部の一例を示す図。
【図4】本発明の第3実施例の正断面図。
【図5】本発明の第4実施例の正断面図。
【図6】本発明の第5実施例の正断面図。
【図7】本発明の第6実施例の正断面図。
【図8】本発明の第7実施例の正断面図。
【図9】本発明の第8実施例の正断面図。
【図10】接触型シール装置の基本構造を示す側断面図。
【図11】従来技術に係る第1実施例の正断面図。
【図12】従来技術に係る第2実施例の正断面図。
【符号の説明】
1 回転軸、2 ブラシ、3 ブラシホルダー、4 ブラシ固定部、5 ケーシング、6 凸状案内部、7 凸状案内部先端、8 コイルばね、9 ばね支持部、10 摺動面、11 押付板、12 ねじ部、13 締付ボルト、14 ナット、15 力検出素子、16 出力信号、17 力検出装置、18 力信号、19 表示器、20 スライド機構付きばね支持部、21 ケーシング空隙部、22 ベロー、23 ブラシ下流側圧力、23a ブラシa下流側圧力、23b ブラシbの下流側圧力、23c ブラシcの下流側圧力、23d ブラシdの下流側圧力、24 トップフォイル、25 フォイル固定端、26 フォイル自由端、27 バンプフォイル、28 バックフォイル、29 加減圧バルブ、30ブラシの上流側圧力、30a ブラシaの上流側圧力、30b ブラシbの上流側圧力、30c ブラシcの上流側圧力、51 板ばね、52 ばね支持部
53 弾性体、61 作動流体、a,b,c 分割ブラシシール。
Claims (10)
- 作動流体が充填されたケーシング中に回転軸を配し、この回転軸の周面にブラシシールを配して前記作動流体の封止を行う接触型シール装置において、
前記ブラシシールは、前記回転軸周りに分割されて配されるように構成され、前記ケーシングは、前記ブラシシール相互間に配されるように前記回転軸の軸心に向って突出し、前記ブラシシールとの当接面がテーパー状に形成された凸状案内部を有するとともに、前記ブラシシールを前記回転軸の周面に向けて押付力を与える押圧手段を有する
ことを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項1記載の接触型シール装置において、
前記凸状案内部は、前記当接面の延長線の交点が前記回転軸の軸心まで到達しない位置になるように形成された接触型シール装置。 - 請求項1記載の接触型シール装置において、
前記押圧手段は、前記ケーシングに設けられた支持装置によって支持されたコイルばねにより、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項3記載の接触型シール装置において、
前記支持装置に位置調整用スライド機構を具備したことを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項1記載の接触型シール装置において、
前記押圧手段は、前記ケーシングに取り付けられたナットおよび締付ボルトに連結され、前記ブラシシールを前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項1記載の接触型シール装置において、
前記押圧手段に力検出素子を設置し、前記ブラシシールの前記回転軸への押付力を検出するようにしたことを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項1記載の接触型シール装置において、
前記ブラシシールの下流側圧力を検知し、前記ケーシングに取り付けられたベローに作動流体を導入し、該ベローが前記押圧手段を動作させることを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項1記載の接触型シール装置において、
前記ブラシシールの周方向分割数を偶数とし、180°の対向位置関係にある各ブラシと回転軸との接触周長を実質的に等しくし、分割された前記各ブラシシールの各々における下流側圧力の差をベローに導入することを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項7または8記載の接触型シール装置において、
前記ブラシシールの上流側圧力と前記ブラシシールの下流側圧力との差を前記ベローに導入することを特徴とする接触型シール装置。 - 請求項1記載の接触型シール装置において、
前記押圧手段は、前記ケーシングと前記ブラシシールとの間にフォイル機構を有し、
該フォイル機構により、前記ブラシシールが前記回転軸に押し付けることを特徴とする接触型シール装置。
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2002
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