JP2004066195A - 汚染土壌の浄化方法 - Google Patents

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三木 理
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加藤 敏朗
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Abstract

【課題】汚染土壌から油分,芳香族炭化水素,ハロゲン系溶剤、シアンを効率的に安定して除去する。
【解決手段】汚染土壌を土壌スラリーにして土壌中の汚染物質を除去する方法であって、好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽またはラグーンで、汚染土壌に対して、海水及びコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水から選ばれる1種以上の溶液、または該溶液に淡水を混合した溶液を添加して土壌スラリーとし、該土壌スラリーのpHを6.0以上9.0未満に制御し、さらに、土壌スラリーに酸素供給と攪拌を与えることにより、該土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が+100mV以上+200mV未満の範囲で、かつ前記pH制御値に応じた最適酸化還元電位に維持されるように制御を行い、該土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に該汚染物質を微生物分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法である。
【選択図】   図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油分や油分に含まれるナフタレンなどの芳香族炭化水素、有機ハロゲン化合物、およびシアンに汚染された土壌の浄化方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの単環芳香族炭化水素(Mono aromatic Hydrocarbons)やコールタールの主成分であるナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族炭化水素(Polycyclicaromatic Hydrocarbons、以降PAHsと記す)で汚染された土壌に関して、米国を中心に数多く報告されている。これらの土壌汚染は、土壌がガソリンなどの石油製品やコールタールなどの石炭製品で汚染されることによって発生し、主として工場跡地などでみられる。これらの物質は環境上好ましくないため、土壌や地下水が汚染された場合、除去が必要である。
【0003】
このような油分や油分の主成分である芳香族炭化水素によって汚染された土壌の浄化方法は、大別すると以下のような方法がある。
【0004】
(1) 洗浄法
(2) 加熱(揮発・脱離)処理法、熱分解法、溶融法
(3) 吸着法
(4) 化学分解法
(5) 生物分解法
洗浄法は、土壌に含有・吸着している油分や芳香族炭化水素を水中に分散または溶解させる方法であり、芳香族炭化水素を分解するものではない。処理というよりも、前処理操作に位置づけられる。
【0005】
加熱処理法は、土壌中の芳香族炭化水素を揮発化する効果は高いが、加熱により土壌から揮発させた芳香族炭化水素は、そのまま大気に放出できず、最終的にはトラップして分解し、無害化する必要がある。さらに、処理コストが高いこと、装置コストが大きくなること、土壌性状が加熱により大幅に変化すること、臭気の発生などの理由から、ほとんど採用されていない。
【0006】
活性炭などによる芳香族有機物の吸着法は、洗浄法との併用になる。活性炭は芳香族炭化水素に対しては吸着効果があるものの、再生に膨大な費用がかかる欠点がある。
【0007】
また、過マンガン酸カリウムなどの薬剤を用いる芳香族炭化水素の化学分解法は、通常、過剰の薬品添加量を必要とするため、処理コストが大きくなることに加え、残留薬品による2次汚染の可能性がある。
【0008】
生物分解法は、2次汚染の可能性が小さいこと、省エネルギーであること、低コストであること、広範囲の土壌に適用でき土壌そのものの性質を変えないなどの利点がある。微生物を用いた生物分解法は、バイオレメディエーションと通称されている。
【0009】
上記の主な方法の中で、欧米を中心にバイオレメディエーションが一般的となってきている。
【0010】
バイオレメディエーションは、微生物による有機物分解の原理を有害化学物質で汚染された土壌や地下水の処理に適用するものであり、本質的には、生物化学的廃水処理プロセスと土壌中の有害化学物質のバイオレメディエーションプロセスに大きな差は無い。対象とする有害化学物質は、石油等の油分もしくは単環芳香族炭化水素(ベンゼン等)、多環芳香族系化合物(ナフタレン等)であり、有害化学物質は、最終的には炭酸ガスまで分解され、土壌及び水中から除去される。
【0011】
バイオレメディエーションプロセスには、主として、ランドファーミング法、スラリー法、バイオレメディエーションプロセスと洗浄法の併用法の3法がある。
【0012】
ランドファーミング法(ランドパイル法などを含む)は、土壌表面近くの汚染物質対策として、米国等で広く用いられている。油性汚泥や石油精製廃棄物の管理処分、炭化水素や農薬で汚染された表面土壌処理などが処理対象である。浄化に時間を要するが、処理費用が安価、土壌の再利用が容易などの利点がある。この方法は、処理対象の土壌自体を微生物の種として用い、好気性の微生物を利用して、汚染物の分解を最適化するように設計される。好気性の微生物分解を促進させるために、以下の対策が必要である。
【0013】
1)空気の供給(耕作機械による通気、バルキング剤添加による土壌空隙率確保)
2)栄養塩添加(肥料等)
3)乾燥防止(定期的な水分の添加)
4)土壌のpH調整(石灰等の添加により中性に維持)
さらに、特定の物質の分解速度を向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合があり、下水汚泥、牛糞、コンポストなどの使用報告例もある。
【0014】
処理設備としては、掘り返した汚染土壌を処分するベッド、ベッドからの浸出水処理設備、再利用設備のほか、場合によっては、覆蓋施設などが必要となる。
【0015】
スラリー法は、土壌に水を添加しスラリー状(スラリーリアクターまたはスラリーラグーン)として、汚染物の微生物分解を図る方法であり、米国等で適用事例がある。処理コストはランドファーミング法よりも高いが、処理速度や汚染物除去性能が優れている。スラリー法の微生物反応槽は、開放式タンクあるいは密閉式タンク、あるいはラグーンとなり、以下の設備が必要となる。
【0016】
1)スラリー調整槽
2)微生物反応槽(リアクターまたはラグーン)
3)濃縮槽(沈澱池)
4)脱水機
5)脱水機等から発生する廃水の処理設備
また、反応槽等においては、空気供給(ブロアーによる空気供給)、スラリーの沈殿防止(攪拌機による攪拌)、pH調整(中性に維持)、栄養塩添加、固液分離促進、等の操作が必要である。さらに、特定の物質の分解速度を向上させるために、外部から特定の微生物の植種を行う場合がある。また、濃縮槽や脱水機から発生する廃水については、廃水基準を遵守できるまで処理する必要がある。
【0017】
バイオレメディエーションプロセスと洗浄法の併用法は、土壌を洗浄し、洗浄水中に大半の汚染物を溶解させた後、洗浄水中の汚染物を微生物で処理するものであり、土壌洗浄設備と廃水処理設備が必要となる。洗浄水中に、汚染物の大半をいかに効率良く溶解させるかが課題となる。
【0018】
例えば、オランダで土壌洗浄と洗浄水を浄化した報告がある。これは、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの単環芳香族炭化水素やナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族炭化水素(PAHs)で汚染されているアスファルト製造工場跡地の土壌と地下水から、前記汚染物質を除去するために微生物分解を検討したものである(Environ Technology, Vol.10, No.2, 185−189, 1989)。ここでは、土壌を洗浄し、洗浄水中に汚染物質を溶解させた後、前記土壌を洗浄した水を生物反応槽で循環し処理を行っている。この結果、洗浄水中のベンゼン濃度は当初2.5mg/Lであったが、37日後には94質量%、92日後には100質量%除去できた。また、洗浄水中のPAHs濃度は当初4.4mg/Lであったが、37日後には99質量%、92日後には100質量%除去できた。しかし、土壌からの除去率でみると、140日後で土壌中のベンゼンは95質量%以上減少したが、PAHsは土壌に強く吸着されていて除去率は40質量%程度であり、土壌洗浄法ではPAHsの除去がかなり難しい。
【0019】
このように、油分やベンゼンなどの単環芳香族炭化水素及びナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族炭化水素(PAHs)に関しては、生物分解法(バイオレメディエーション)を用いて処理する方法が広く開発されつつある。
【0020】
また、油分の溶剤として広く用いられてきたトリクロロエチレン、テトラクロロエチレン等の有機塩素系化合物に代表される有機ハロゲン化合物による土壌・地下水汚染は、相当数にのぼると考えられており、その対策が急務となっている。これまで、有機塩素系化合物であるトリクロロエチレンは、微生物分解されにくいと考えられてきたが、メタン資化細菌のメタンモノオキシゲナーゼという酵素が、メタンをメタノールに酸化する以外に、種々の有機化合物を酸化できることが発見されてから、この見方は変わってきた。
【0021】
メタン資化細菌によるトリクロロエチレン分解については、ベンチ実験、パイロット実験、現場での適用実験等、非常に多くの研究が行われているが、実際には、反応の制御の難しさがあり、必ずしもうまくいっていない。例えば、1993年に行われたアメリカ南カロライナ州での現場実験では、井戸を数本設置し、メタンを注入したが、メタンは検出されたもののトリクロロエチレンの減少は認められなかったと報告されている(廃棄物のバイオコンバージョン、地人書館、p187)。
【0022】
さらに、シアンによる土壌汚染例も数多く報告されている。シアンは、メッキ工業、金属精錬工業、石油工業(アクリルニトリル製造)、コークスガス工業などの廃水中に含まれる。シアンは毒性が強く、掘削除去や封じ込め対策が主であり、化学あるいは生物分解法による処理事例としては、熱分解や過酸化水素などの化学薬品による酸化事例が見られる程度であり、バイオレメディエーションプロセスは、適用が困難とされている。
【0023】
このように、生物学的な方法は、いまだ完成された技術とはいいがたい。しかし、一方で生物分解法は、2次汚染の可能性が小さいこと、省エネルギーであること、低コストであること、広範囲の土壌に適用でき土壌そのものの性質を変えないこと、などの利点があるため、今後の技術の発展が最も期待される方法でもある。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
従来のバイオレメディエーションプロセスには、以下の課題が残されている。
【0025】
1)浄化期間が長い。
【0026】
2)PAHsの除去率が悪い。
【0027】
3)微生物に阻害がある物質(特にシアン)が含まれる場合、適用が困難である。
【0028】
まず、汚染土壌浄化に長期間を要する理由としては、特定の汚染物質に対して分解機能を有する微生物の育成が進んでおらず、該微生物濃度が極めて低いことが第一に挙げられる。例えば、芳香族炭化水素の分解において、都市下水処理場や食品工業廃水処理場の活性汚泥では、分解機能を有する微生物の濃度が低いため、芳香族炭化水素の分解はほとんど進まないが、芳香族炭化水素の分解機能を有する微生物の濃度が高い活性汚泥、例えば化学工場廃水やコークス工場廃水(安水)の活性汚泥を高濃度に維持できれば、処理期間の短縮の可能性が高くなる。
【0029】
また、微生物の濃度ばかりでなく、これらの微生物が十分に機能を発揮できる環境条件が整っていなければならない。例えば、環境条件としては、汚染物質負荷、pH、DO(溶存酸素)、温度、水分、微量栄養源、毒性物質の有無、微生物と空気と汚染物質の接触効率などが挙げられ、これらの環境条件が整ってから、微生物の高濃度の維持や、分解に要する期間の短縮が初めて可能となるのである。例えば、汚染物質が適当な負荷であれば、汚染物質除去は微生物分解が主となるが、汚染物質の負荷が高すぎると、微生物分解よりも汚染物質が空気中に気散しやすくなる、または、水中に残留する傾向がより強くなる。
【0030】
更に、汚染物の中でも、PAHsは、ベンゼンなどの単環芳香族炭化水素と比較すると、除去率が一般的に低い。これは、微生物によるPAHsの分解性が低いというよりも、PAHsの土壌への吸着性がベンゼンなどより高く、土壌から分離ができない影響が大きいためである。したがって、PAHsについては、まず、土壌から汚染物質を効率的に分離することが必要であり、その上で、PAHsを分解する細菌の適用を進める必要がある。
【0031】
また、有機ハロゲン化合物の好気性分解についても、各種の好気性細菌による実験室レべルでの報告事例は数多く見られるが、実際のオンサイトでは必ずしも浄化が進まないのは、環境条件制御の不安定さによる反応速度の低下に起因していると推定される。
【0032】
特に、汚染土壌中に微生物に阻害があるシアンなどの物質が含まれる場合、シアンイオンの微生物阻害は公知であり、バイオレメディエーションプロセスをそのまま適用できず、事前にシアンを無害化する処理を行う必要がある。
【0033】
そこで、本発明は、上記の問題を解決して、油分やPAHsやハロゲン系溶剤を高濃度に含有する土壌が、特にシアンを含む場合であっても、該土壌から油分やPAHsやハロゲン系溶剤を効率的に、高い除去率で除去し得る汚染土壌の浄化方法を提供することを目的とする。
【0034】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、特願2002−130548号において、汚染土壌の浄化方法を提案した。該浄化方法は、コールタール、ガソリン、重油などの石油製品に起因する油分、特にベンゼンなどのPAHs、及びシアンで高濃度に汚染された土壌を生物化学的に浄化する方法であり、具体的には、土壌スラリー調整槽、土壌スラリー反応槽またはラグーン、固液分離槽、活性汚泥処理槽等による工程を経て浄化を行う方法である。図1に、本発明者らが特願2002−130548号において提案したスラリー法による浄化方法のプロセスフローを示す。
【0035】
しかし、この方法は、コールタール、ガソリン、重油などの石油製品に起因する油分、特にベンゼンなどのPAHs、及びシアンで高濃度に汚染された土壌を生物化学的に浄化する方法としては適しているものの、98%の除去率を得るためには40日以上の期間が必要であった。また、前記汚染物質に加えてさらに、油分の溶剤として広く用いられてきた有機塩素系化合物に代表される有機ハロゲン化合物を含有する汚染土壌への適用は未知数であった。さらに、土壌スラリー反応槽で処理した土壌を固液分離槽で処理した際に生成する上澄液、および、後段の脱水処理で生成した脱離液に対して、活性汚泥処理槽における微生物処理が必要であるため、操作が複雑であった。
【0036】
そこで、本発明者らは、上記の問題を解決して、油分、PAHs、シアン化合物、さらに有機ハロゲン化合物で高濃度に汚染された汚染土壌に対して、高効率および高除去率で除去可能な汚染土壌の浄化方法について更に検討を行った。
【0037】
その結果、酸素供給と攪拌を与えることにより、土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に、前記汚染物質を微生物分解する反応槽のpHを6.0以上9.0未満に制御したもとで、ORP(銀/塩化銀複合電極基準、以下同じ)が+100mV以上+200mV未満に維持されるようにブロアーの空気量および/または攪拌機の回転数を制御することにより、油分、PAHs、有機ハロゲン化合物、シアン化合物で高濃度に汚染された汚染土壌に対して、より高効率および高除去率で汚染物質を除去し得ることを見出した。また、前記反応槽の後段に、汚染物質に対して化学酸化反応する化学酸化剤を添加する反応槽を設け、該反応槽のORPを+200mV以上+400mV未満に制御することにより、汚染物質の除去率をさらに向上できることを見出した。
【0038】
特願2002−130548号においては、微生物分解を行う土壌スラリー中のORPを0mV以上と低く制御しており、さらに、土壌スラリーのpH制御値に応じた最適ORPに制御することは行われていなかったため、汚染物質の酸化反応の進行があまり速くなく、また、汚染物質の除去程度もあまり高くはなく、後段に活性汚泥処理槽による廃水処理等の工程が必要であった。
【0039】
これに対し、本発明では、微生物分解を行う土壌スラリー反応槽のpHを6.0以上9.0未満に制御した下で、ORPを+100mV以上+200mV未満の範囲で前記pH制御値に応じた最適値に制御することで、格段に除去性能が向上し、有機ハロゲン化合物の効率的除去も可能である。また、必要に応じて、土壌スラリー反応槽の後段に化学酸化反応槽を設け、該化学酸化反応槽のORPを+200mV以上に制御することで、さらに除去性能が向上する。
【0040】
本発明は、上記知見に基づいてなされたものであり、その要旨は、以下のとおりである。
【0041】
(1)汚染土壌を土壌スラリーにして土壌中の汚染物質を除去する方法であって、好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽またはラグーンで、汚染土壌に対して、海水及びコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水から選ばれる1種以上の溶液、または該溶液に淡水を混合した溶液を添加して土壌スラリーとし、該土壌スラリーのpHを6.0以上9.0未満に制御し、さらに、土壌スラリーに酸素供給と攪拌を与えることにより、該土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が+100mV以上+200mV未満の範囲で、かつ前記pH制御値に応じた最適酸化還元電位に維持されるように制御を行い、該土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に該汚染物質を微生物分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
【0042】
(2) 汚染土壌を土壌スラリーにして土壌中の汚染物質を除去する方法であって、土壌スラリー調整槽またはラグーンで、汚染土壌に対して、海水及びコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水から選ばれる1種以上の溶液、または該溶液に淡水を混合した溶液を添加して土壌スラリーとした後、好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーのpHを6.0以上9.0未満に制御し、さらに、土壌スラリーに酸素供給と攪拌を与えることにより、該土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が+100mV以上+200mV未満の範囲で、かつ前記pH制御値に応じた最適酸化還元電位に維持されるように制御を行い、該土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に該汚染物質を微生物分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
【0043】
(3) 前記土壌スラリーに、鉄系凝集剤を添加する前記(1)または(2)に記載の汚染土壌の浄化方法。
【0044】
(4) 前記好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽またはラグーンの後段に、化学酸化を行う土壌スラリー反応槽またはラグーンを設け、該土壌スラリー反応槽またはラグーンで、土壌スラリーに化学酸化剤を投入して、該土壌スラリー中の汚染物質を除去する処理を行うことを特徴とする前記(1)または(2)に記載の汚染土壌の浄化方法。
【0045】
(5) 前記化学酸化剤が、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、オゾンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする前記(4)に記載の汚染土壌の浄化方法。
【0046】
(6) 前記化学酸化剤を投入して土壌スラリー中の汚染物質を除去する処理を行う土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が+200mV以上+400mV未満に維持されるように、該土壌スラリーに酸素供給と攪拌を与えることを特徴とする前記(4)または(5)に記載の汚染土壌の浄化方法。
【0047】
(7) 前記攪拌を行う手段が、水中攪拌機および/または超音波攪拌機であることを特徴とする前記(1)〜(6)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
【0048】
(8) 前記汚染土壌中の汚染物質が、コールタール、ガソリン、および重油に起因する油分のいずれか1種以上を含有することを特徴とする前記(1)〜(7)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
【0049】
(9) 前記汚染土壌中の汚染物質が、有機ハロゲン化合物を含むことを特徴とする前記(8)に記載の汚染土壌の浄化方法。
【0050】
(10) 前記汚染土壌中の汚染物質が、シアンを含むことを特徴とする前記(8)または(9)に記載の汚染土壌の浄化方法。
【0051】
(11) 前記汚染土壌中の汚染物質が、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、ナフタレンを主体とする多環芳香族炭化水素の1種または2種以上を含むことを特徴とする前記(8)〜(10)のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
【0052】
【発明の実施の形態】
コールタール、ガソリン、重油などの石油製品に起因する油分、特にベンゼンなどの芳香族炭化水素やナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族炭化水素(PAHs)、シアン、およびトリクロロエチレン等の有機ハロゲン化合物で高濃度に汚染された土壌をより効率的に生物学的に浄化する本発明の浄化方法について、以下にその詳細を示す。なお、文中のORP(酸化還元電位)は、指示電極を金電極、参照電極を銀/塩化銀複合電極基準とした場合の値である。
【0053】
図2に、本発明のスラリー法による浄化方法の例を示すが、本プロセスは、基本的には、汚染土壌を土壌スラリーとして汚染物質を処理するプロセスであり、本発明はこれに限定されるものではない。
【0054】
本発明法が、従来から報告されている土壌スラリープロセスと大きく異なっている点は、酸素供給と攪拌を与えることにより、土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に、前記汚染物質を微生物分解する微生物利用土壌スラリー反応槽9のpHを6.0以上9.0未満に制御し、さらに、土壌スラリーのORP(銀/塩化銀複合電極基準、以下同じ)を+100mV以上+200mV未満の範囲で、かつ前記pH制御値に応じた最適値に維持されるように、ブロアー8の空気量および/または攪拌機の回転数を制御する点である。
【0055】
また、さらに、前記反応槽9の後段に、必要に応じて化学酸化反応槽20を設け、化学酸化反応槽20のORPが+200mV以上+400mV未満に維持されるように、酸化剤の添加量を制御する点である。
【0056】
本プロセスは、従来法と比較し、汚染土壌処理を容易かつ極めて迅速に、高度な処理ができる特長がある。
【0057】
表1に、本プロセスにおける各槽の機能を示す。
【0058】
【表1】
Figure 2004066195
【0059】
最初に、土壌スラリーを調整する方法について説明する。
【0060】
汚染土壌の粒度、性状がばらつき、しかも土壌を均一に処理する必要性が大きい場合は、微生物利用土壌スラリー反応槽9の前段にスラリー調整槽3を設け、該調整槽で汚染土壌1に、水2を添加して土壌をスラリー化する。なお、汚染土壌の粒度、性状が均一の場合には、スラリー調整槽3を設けず、土壌スラリー反応槽9でスラリー操作を行ってもかまわない。
【0061】
土壌と水との混合比は、土壌スラリー濃度が10質量%以上50質量%未満に入るように、土壌の含水率を測定後決定する。土壌スラリー濃度が50質量%以上の場合は、攪拌動力が過大となり攪拌を維持することが難しく、一方、10質量%未満では水使用量が増大してしまい経済的でない。
【0062】
汚染土壌に添加する水としては、海水が容易に得られる場合には、海水を用いることが望ましく、海水に淡水を混合して用いてもかまわない。また、海水が流入している汽水域の河川水を用いてもかまわない。淡水と海水をより厳密に混合する場合には、土壌間隙水の電気伝導度を測定し、電気伝導度が前記値とほぼ同様の値となるように、廃水と海水を混合する。例えば、汚染土壌が海域に近くなればなるほど土壌間隙水の電気伝導度は上昇し、海水の添加量を増大させることになる。
【0063】
海水の使用に対しては、微生物に対する浸透圧の影響から否定的な意見が多いが、あえて、本発明者が積極的に海水を用いるのは、以下の理由によるものである。
【0064】
1) 微生物処理に必要な微量栄養源を含有している。特に、沿岸域、汽水域であれば窒素、リンの濃度も高い場合がある。
【0065】
2) pH緩衝能がある。
【0066】
3) pHが8〜8.5と比較的高い。
【0067】
4) 安価で大量入手可能である。
【0068】
5) 水温がほぼ一定である。
【0069】
6) 汚染土壌中の間隙水は河川等の淡水に比べ、イオン濃度、言い換えれば電気伝導度が高い場合が多く、この状況に応じた微生物が生息している。海水混合によってこの状況を作り出せる。
【0070】
7) 海水中にPAHs分解細菌、シアン分解菌の存在の報告事例が多い。
【0071】
また、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水を汚染土壌に添加する水として用いてもかまわない。これは、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水は、廃水と海水を混合させて活性汚泥処理しており、海水を廃水に対して150〜300容積%添加しているためである。また、安水の活性汚泥処理水は、水温も約30〜38℃で一定しているため、冬場の微生物活性の低下する時期には最適である。さらに、微生物の栄養源である窒素、リンなども大量に含有しているため、汚染土壌をスラリー化して用いる水として望ましい。
【0072】
このほかに、固液分離槽11で発生する上澄液13の処理水及び/または脱水機12から発生する脱離液14の処理水を補給水として用いてもかまわない。海水が容易に得られなければ淡水を用いてもよいが、淡水単独の場合は、微生物処理に必要な微量栄養源が不足する場合があり、海水を添加することが望ましい。
【0073】
前記スラリー調整槽3における脱離操作により、土壌粒子から分離された汚染物質は、次に、微生物利用土壌スラリ−反応槽9の微生物および/または汚染物質で馴養した微生物を用いて分解処理される。このステップにおける処理を詳細に説明する。
【0074】
汚染土壌中の汚染物質は、好気性微生物を用いて分解するため、微生物利用土壌スラリー反応槽9は、ブロアー8によって連続的に空気で曝気される。水中攪拌機や超音波攪拌をブロアー8と併用しても良く、水中攪拌の強化によって、汚染物の土壌付着防止や気固液の接触頻度が増加し、汚染物の分解速度が向上する。超音波周波数は、汚濁物質の種類によって異なるが、20〜200kHzが望ましい。
【0075】
土壌粒子から分離された汚染物質は、汚染土壌中に生息していた微生物および/または汚染物質で馴養した好気性微生物を用いて分解処理される。通常、汚染土壌中に存在する微生物は、汚染物質、例えば芳香族炭化水素で既に馴養されていることが多く、これを微生物利用スラリー反応槽9で増殖させて用いればよい。
【0076】
微生物と汚染物質の反応速度をさらに上げる必要がある場合は、汚染物質である芳香族炭化水素で馴養された微生物を添加すればよい。この場合、芳香族炭化水素で馴養された微生物であれば特に種類は問わないが、製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥が望ましい。安水の活性汚泥は、安水に含まれる多種類の芳香族炭化水素で十分に馴養されており、また、海水にも馴養されているため、反応槽での芳香族炭化水素の分解を加速することができる。安水の活性汚泥の添加量は、土壌に対して1質量%以上添加すればよく、1質量%未満では添加効果は顕著に現れない。添加量の上限は特にはないが、経済性を考えると50質量%以下が望ましい。
【0077】
微生物利用スラリー反応槽9のpHは、微生物の生育に適した6.0以上9.0未満に維持されることが望ましい。油分の土壌粒子からの洗浄効果のみを考えると、pHは高い方が望ましいことは公知であるが、pHが9.0以上では油分の洗浄効果は増大しても、微生物の活性が急激に低下するので、pHは9.0未満であることが必要である。また、pHが6.0未満では洗浄効果が小さく、また微生物の活性も衰えるため、pHは6.0以上であることが望ましい。このように、スラリー反応槽9またはスラリーラグーンのpHは、洗浄促進効果と微生物による分解促進効果の両面から決定すべきである。また、汚濁物質の種類、微生物の種類により最適な制御値はやや変動するが、いずれにせよpHは6.0以上9.0未満であることが望ましい。pH調整剤としては、希硫酸や水酸化ナトリウムの水溶液を用いればよいが、海水を用いたスラリーであれば、pH緩衝作用があるため、薬品費も削減できる利点がある。
【0078】
さらに、微生物利用土壌スラリー反応層9における汚染物質の分解を促進するためには、スラリー反応槽9の酸化還元電位(ORP)が後述の範囲に維持されるように、ブロアーおよび/または攪拌機の回転数を制御し、空気を供給することが望ましい。
【0079】
汚染物質の分解反応は、好気的雰囲気で促進されるため、溶存酸素(DO)の維持は反応促進に絶対必要であるが、溶存酸素(DO)による管理は望ましくない。この理由としては、以下のことがあげられる。
【0080】
1) DOは、微生物反応の速度に関連した指標であるが、反応の進行度を示す指標ではない。例えば、微生物の活性度が小さい場合、酸素消費が進まず、溶存酸素は上昇する。冬場あるいは阻害物質が存在する場合、このような現象がしばしば見られる。溶存酸素が高い値にあるからといって、微生物分解反応が進行しているとは限らない。
【0081】
2) DO管理は、どうしても3〜5mg/L程度、酸素を残存させる管理方法であり、微生物による酸素消費量以上の酸素を供給することになり、不経済となる。
【0082】
そこで、本発明者らは、DOではなく、ORPを指標とする微生物利用土壌スラリー反応層9の管理により、処理の高効率化と安定化を達成したものである。ORPは反応速度ではなく、反応平衡の指標であり、汚染物の分解を間接的に推定することができる。分解反応が進まなければ、たとえ、DOが存在してもORPは上昇しない。逆に、DOがごくわずかしか残存していなくても分解反応が進行していればORPは上昇するのである。
【0083】
微生物利用土壌スラリー反応層9のORP値としては、0mV以上であれば微生物による分解反応は進行していることを示しているが、汚染物の分解程度を上昇させ、より高度な処理結果を得るためには、ORP値を+100mV以上+200mV未満とすることが好ましい。しかし、微生物反応の結果、すべての汚染物が炭酸ガスまで分解されるとは限らず、難分解の中間生成物が残留する場合がある。この場合、ORPを+200mV以上にすることが有効であると考えられるものの、ORP値を微生物処理の段階で+200mV以上に制御・維持することは困難であり、この段階で、いたずらにORP値をあげようとしても、ORPは上昇せず、ブロアーのランニングコストが上昇してしまう。
【0084】
また、ORP値はpHの影響を受けて変動するため、例えば、pH=6〜7(6.5目標)では+200mV管理、pH=7〜8(7.5目標)では+150mV管理、pH=8〜9(8.5目標)では+100mV管理と、より細かに制御することが望ましい。表2にpH制御値とORP制御値との関係を示す。
【0085】
【表2】
Figure 2004066195
【0086】
ただし、土壌スラリーが沈降するのを防止するため、最低限度の空気量の供給および/または攪拌は必要である。汚濁物の分解の進行とともにORP値は上昇し易くなり、最低限度の空気量の供給および/または攪拌によって、ORP値が+100mV以上+200mV未満の範囲を超える場合には、微生物による分解反応が終了したと判断し、微生物分解工程を終了させてもかまわない。
【0087】
このように、本発明では、ORPをより厳しく、綿密に管理することによって、微生物利用スラリー反応槽における汚染物の除去期間の短縮や分解性能を著しく向上させることが可能となった。
【0088】
さらに、汚染土壌中にシアンが存在する場合、鉄系凝集剤4をスラリー調整槽3および/または微生物利用スラリー反応槽9またはスラリーラグーンに添加し、鉄シアン錯塩(2価の鉄イオンの場合はフェロシアン([Fe(CN)4−)、3価の鉄イオンの場合はフェリシアン([Fe(CN)3−))を形成させることにより、微生物反応阻害物質であるシアンイオン(CN)を無害化することが極めて重要である。
【0089】
本発明に用いる鉄系凝集剤としては、塩化第一鉄、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、硫酸第二鉄、ポリ硫酸第二鉄などが好ましい。鉄系凝集剤の添加量は、シアンイオンの濃度にもよるが、通常、鉄とシアンの理論モル比の2倍以上3倍未満添加すればよい。シアンイオンの毒性は、シアンと鉄が安定なキレート結合をすることにより各段に弱くなる。汚染土壌に鉄分がかなり含まれる場合は、既に鉄シアン錯体を形成しているため、鉄系凝集剤の添加が不要の場合もある。汚染土壌中の微生物は、フェロシアンまたはフェリシアンであれば、分解することができるものもあり、分解過程で発生するNH−Nを窒素源、HCOOを有機炭素源として増殖できる。
【0090】
この場合もpHは6.0以上9.0未満であることが望ましく、特にpHが6.0未満の酸性域では、シアンガスが発生する可能性があるため極めて危険であり、一方、pHが9.0以上ではシアン分解細菌の活性が低下してしまう。製鉄所のコークス工場から発生する安水の活性汚泥は、シアン分解細菌を大量に含有しているため、これを添加してもかまわない。
【0091】
次に、化学酸化剤を用いた土壌スラリー反応槽20について説明する。
【0092】
好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽9またはスラリーラグーンで大部分の油分を除去した後、必要に応じて、後段に化学酸化剤を投入する土壌スラリー反応槽20またはスラリーラグーンを設け、ここで化学的酸化方法により土壌スラリーに残存する汚染物質、汚染物質の中間生成物、COD(化学的酸素要求量)成分を除去する。化学酸化剤としては、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、オゾンのいずれかを単独、もしくは複合して用いればよい。
【0093】
さらに、化学酸化剤を添加する化学酸化土壌スラリー反応槽20またはスラリーラグーンのORPを測定し、ORPが+200mV以上+400mV未満に維持されるように、酸化剤の添加量を制御すればよい。微生物反応で残留した生物学的に難分解な中間生成物質を炭酸ガスまで酸化するためには、ORP値が+200mV以上に維持されるように化学酸化剤を添加することが望ましい。一方、化学酸化剤が過剰に添加されると、ランニングコストが増大するとともに、過剰に添加された酸化剤の処理が新たに必要となるため、ORPが+400mV未満となるよう添加することが望ましい。
【0094】
また、ORP制御値はpH値によって変動するので、例えば、表3に示すようにORP値を制御すればよいが、化学酸化剤を添加する化学酸化土壌スラリー反応槽20またはスラリーラグーンのpHは、微生物反応とは異なるため、制御してもしなくても大きな影響はうけない。
【0095】
【表3】
Figure 2004066195
【0096】
次に、本発明の土壌スラリーにおける土壌と上澄み液の分離方法について説明する。
【0097】
固液分離槽11で土壌と上澄液に沈降分離し、沈降した土壌は再利用される。沈降した土壌の含水率が高い場合は、沈降した土壌をさらに脱水機12にかけて土壌の含水率を下げた後、土壌を再利用してもよい。または、固液分離槽11を無くして、土壌スラリーを直接脱水機12にかけてもかまわない。処理された土壌は、通常、元の位置に埋め戻される。
【0098】
最後に、スラリー反応槽9またはスラリーラグーンから発生した廃水の処理方法について説明する。
【0099】
微生物で処理された土壌スラリーは、前述したように、固液分離槽11にて沈降操作などによって土壌と廃水13に固液分離される。また、脱水機からも廃水14が発生する。廃水13および14には、未分解の油分や細かく砕かれた土壌粒子が含まれ、CODも高い場合には、水処理操作によって廃水基準を満たすまで処理する必要がある。ただし、CODや油分濃度が排水基準以下であれば、水処理操作は必要なく、本発明の化学酸化を併用する場合には、水中の汚濁物質も酸化されているため、排水処理を必要としない。
【0100】
一方、微生物スラリー反応槽9のみで化学酸化スラリー反応槽20を設けていない場合、廃水のCODや油分濃度が排水基準以上となることがある。このような場合、廃水13および廃水14をオゾン、過酸化水素、紫外線、光触媒の1種または2種以上を用いて酸化分解処理をすればよい。前記処理により、大量のOHラジカルが発生し、微生物で分解が困難なCOD成分の分解を促進できる。
【0101】
いずれにせよ、本発明法においては、従来法(図1)に示すような土壌スラリー反応槽で処理した土壌を固液分離槽で処理した際に生成する上澄液、および、後段の脱水処理で生成した脱離液に対して、活性汚泥処理槽における微生物処理が必要なく、操作が簡便となる。
【0102】
本発明の化学酸化を併用する場合には、水中の汚濁物質も酸化されているため、排水処理を必要としない。
【0103】
【実施例】
以下、本発明の実施例を説明する。なお、本発明は本実施例に限定されるものではない。文中のORP(酸化還元電位)は、銀/塩化銀複合電極基準の値である。
(実施例)
汚染土壌として、油分、ベンゼン、コールタールの主成分であるナフタレン、フェナンスレンなどの多環芳香族炭化水素(PAHs)、トリクロロエチレンおよびシアンで複合汚染された土壌を用いた。表4に実施例で用いた汚染土壌の汚染物濃度、表5に汚染物溶出濃度を示す。
【0104】
表4に示すように、汚染土壌は、油分を9500mg/kg−乾燥質量(ノルマルヘキサン〜ソックスレー抽出重量法で測定)、ナフタレン及びフェナンスレンなどの16種類のPAHsの和であるTotal−PAHsも200mg/kg−乾燥質量(溶媒抽出−GCMS(ガスクロマトグラフ質量分析計)法で測定)含んでいる。また、表5に示すように、ベンゼン、トリクロロエチレン、シアンも溶出試験で、それぞれ1〜2mg/L、1〜2mg/L、0.1〜0.2mg/L程度検出され、土壌環境基準をオーバーしていた。
【0105】
【表4】
Figure 2004066195
【0106】
【表5】
Figure 2004066195
【0107】
作業の手順を図2に従って説明する。
【0108】
まず、汚染土壌1に、土壌容量の1倍量の海水と淡水の混合水2(海水:淡水=0.2:1(容量比))を添加し、スラリー調整槽3において、攪拌機を用いて攪拌しスラリー化する。汚染土壌の含水率は、30質量%であるため、スラリー中の土壌乾燥質量の割合は、35質量%である。
【0109】
更に、土壌スラリーには、鉄系凝集剤4として硫酸第一鉄を鉄として0.05mM添加して、土壌中のシアンイオンをフェリシアンとし、シアンの微生物阻害性を除去した。
【0110】
続いて、土壌スラリーを、土壌スラリー反応槽9に通水した。土壌スラリー反応槽9においては、好気性細菌によって、土壌中の油分、PAHs、ベンゼン、トリクロロエチレン、シアンが酸化される。土壌スラリー反応槽9の水理学的滞留時間(HRT)は、30日の条件で通水し、汚染物質の除去率の評価を行った。反応槽9のpHは、水酸化ナトリウム溶液および稀硫酸を用いてpH=7.0〜8.0(目標値:7.5)に維持した。りん、窒素は特に添加しなかった。
【0111】
また、反応槽9には、ORPセンサー7とブロアー8を設置し、反応槽9の酸化還元電位(ORP)が+150mVに維持されるように、ブロアーの回転数を制御して、空気曝気量の制御を行った。表6に、土壌スラリーの滞留時間(HRT)が20日の場合における油分除去率を示す。
【0112】
表4に示すように、処理前の油分濃度は9500mg/kg−乾燥質量であったが、表6に示すように、滞留時間の増加につれて急速に減少し、20日後で除去率98%(油分濃度200mg/kg−乾燥質量)まで減少した。土壌から油分臭もほとんど消失した。処理時間は、従来法の1/2程度まで短縮できた。
【0113】
また、ここでは示していないが、土壌からのベンゼン溶出濃度およびトリクロロエチレン濃度は、それぞれ当初1〜2mg/L、であったが、1日後の測定で既に土壌環準の0.01mg/L、0.03mg/Lを下回っており、さらに、土壌からのシアン溶出濃度は、1日後の測定で既に検出限界以下であった。さらに、表6に示すように、多環芳香族炭化水素濃度も減少していることが確認された。
【0114】
【表6】
Figure 2004066195
【0115】
さらに、微生物スラリー反応槽の後段に、過酸化水素を酸化剤として添加するスラリー反応槽20を設置し、微生物では分解が困難な物質および水中のCOD成分の分解促進を図った。過酸化水素添加スラリー反応槽20の水理学的滞留時間(HRT)は、1日の条件で通水し、汚染物質の除去率の評価を行った。過酸化水素を添加する土壌スラリー反応槽20のpHは、pH測定のみを行い、制御は行わなかった。スラリ−反応槽20の初期pHは7〜8であったため、スラリー反応槽20のORPが+300mVに維持されるように、過酸化水素を添加した。この結果、スラリー反応槽20のHRTが1日の条件において、汚染物濃度が表7に示す濃度になるまで改善された。
【0116】
【表7】
Figure 2004066195
【0117】
固液分離槽11から発生する上澄液13、及び、脱水機12から発生する脱離液14は、COD(化学的酸素要求量)が20mg/Lと以下となっていたため、水処理操作によって廃水基準を満たすまで処理する必要は無かった。
【0118】
【発明の効果】
本発明により、油分、芳香族炭化水素、有機シアン、さらに有機ハロゲン化合物を含有する土壌でも、安価に簡便に安定して高速かつ高度に浄化処理することが可能となり、油分、芳香族炭化水素、シアン、および有機ハロゲン化合物の高い除去率を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来法の土壌浄化処理フローである。
【図2】本発明法の土壌浄化処理フローである。
【符号の説明】
1…汚染土壌
2…海水と淡水の混合水および/または最終処理水
3…スラリー調整槽
4…鉄系凝集剤
5…pHセンサー
6…酸および/またはアルカリ添加装置
7…ORPセンサー
8…ブロアー
9…微生物利用土壌スラリー反応槽
10…スラリー貯留槽
11…固液分離槽
12…脱水機
13…上澄液
14…脱離液
15…処理土壌
16…活性汚泥処理槽
17…ORPセンサー
18…ブロアー
19…H添加装置
20…化学酸化土壌スラリー反応槽
21…最終処理水
22…余剰汚泥

Claims (11)

  1. 汚染土壌を土壌スラリーにして土壌中の汚染物質を除去する方法であって:
    好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽またはラグーンで、汚染土壌に対して、海水及びコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水から選ばれる1種以上の溶液、または該溶液に淡水を混合した溶液を添加して土壌スラリーとし、該土壌スラリーのpHを6.0以上9.0未満に制御し、さらに、土壌スラリーに酸素供給と攪拌を与えることにより、該土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が+100mV以上+200mV未満の範囲で、かつ前記pH制御値に応じた最適酸化還元電位に維持されるように制御を行い、該土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に該汚染物質を微生物分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  2. 汚染土壌を土壌スラリーにして土壌中の汚染物質を除去する方法であって:
    土壌スラリー調整槽またはラグーンで、汚染土壌に対して、海水及びコークス工場から発生する安水の活性汚泥処理水から選ばれる1種以上の溶液、または該溶液に淡水を混合した溶液を添加して土壌スラリーとした後、好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーのpHを6.0以上9.0未満に制御し、さらに、土壌スラリーに酸素供給と攪拌を与えることにより、該土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が+100mV以上+200mV未満の範囲で、かつ前記pH制御値に応じた最適酸化還元電位に維持されるように制御を行い、該土壌スラリー中の汚染物質を水中に脱離すると共に該汚染物質を微生物分解することを特徴とする汚染土壌の浄化方法。
  3. 前記土壌スラリーに、鉄系凝集剤を添加する、請求項1または2に記載の汚染土壌の浄化方法。
  4. 前記好気性微生物を用いた土壌スラリー反応槽またはラグーンの後段に、化学酸化を行う土壌スラリー反応槽またはラグーンを設け、該土壌スラリー反応槽またはラグーンで、土壌スラリーに化学酸化剤を投入して、該土壌スラリー中の汚染物質を除去する処理を行うことを特徴とする、請求項1または2に記載の汚染土壌の浄化方法。
  5. 前記化学酸化剤が、過酸化水素、過マンガン酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム、及びオゾンから選ばれる1種または2種以上であることを特徴とする、請求項4に記載の汚染土壌の浄化方法。
  6. 前記化学酸化剤を投入して土壌スラリー中の汚染物質を除去する処理を行う土壌スラリー反応槽またはラグーンにおける土壌スラリーの酸化還元電位(銀/塩化銀複合電極基準)が+200mV以上+400mV未満に維持されるように、該土壌スラリーに酸素供給と攪拌を与えることを特徴とする、請求項4または5に記載の汚染土壌の浄化方法。
  7. 前記攪拌を行う手段が、水中攪拌機および/または超音波攪拌機であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  8. 前記汚染土壌中の汚染物質が、コールタール、ガソリン、および重油に起因する油分のいずれか1種以上を含有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
  9. 前記汚染土壌中の汚染物質が、有機ハロゲン化合物を含むことを特徴とする、請求項8に記載の汚染土壌の浄化方法。
  10. 前記汚染土壌中の汚染物質が、シアンを含むことを特徴とする、請求項8または9に記載の汚染土壌の浄化方法。
  11. 前記汚染土壌中の汚染物質が、ベンゼンを主体とする単環芳香族炭化水素、ナフタレンを主体とする多環芳香族炭化水素の1種または2種以上を含むことを特徴とする、請求項8〜10のいずれかに記載の汚染土壌の浄化方法。
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