JP2004066036A - 水性塗料用塗装システム - Google Patents

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Abstract

【課題】ウォータカーテンのカーテン液の使用量を低減することのできる水性塗料用塗装システムを提供することを目的とする。
【解決手段】塗装ブース12に内部で搬送されるワーク14を挟んで、ワークミスト状の塗料を噴射する噴射ノズル18の対向位置に配置されたカーテン形成壁20aに超親水性コーティングを施して少量のカーテン液の供給でもカーテン形成壁20aの一面に均一で途切れることのない液膜を形成して、ウォータカーテン20を形成する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水性塗料用塗装システム、特に水性塗料をミスト状にしてワークに噴射して塗装する際に発生する未塗着塗料の捕集を行うウォータカーテンのカーテン液の使用量を低減することのできる水性塗料用塗装システムの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来からオーバーヘッドコンベア等の搬送手段を用いてワーク(被塗装物)を連続的に塗装ブース内に搬送すると共に、搬送されて来たワークに対して塗料噴射装置(噴射ノズル)等を用いてミスト状の塗装を吹き付けて塗装を行う塗装システムが広く利用されている。このような噴射ノズルによる塗料噴射を行う場合、塗装ブース内では、ワークに塗着せず、前記塗装ブース内を浮遊する霧状の未塗着塗料が発生する。この未塗着塗料は、塗装ブース外に漏れたり、ワークに再付着することを防止する必要があり、確実に捕集することが要望されている。
【0003】
また、最近、未塗着塗料を回収し、必要に応じて濾過等の再生処理を行い、この再生した塗料を再度塗装に使用する塗料のリサイクル使用が提案されている。この場合、積極的な未塗着塗料の捕集が要求される。未塗着塗料を捕集する手段としては、エアフィルタやウォータシャワーによる方法が一般的である。また、実際に塗装を行っているワークの近傍でワーク等に影響を与えることなく効率よく未塗着塗料の回収を行う方法として、例えば、ウォータカーテン方式が有効である。このウォータカーテン方式は、塗装ブース内で搬送されるワークを挟んで、噴射ノズルと対向する側に設置されたカーテン形成壁(例えば金属板)の表面に水を主成分とする液体(カーテン液)を流して水幕を形成し、当該水幕により浮遊する未塗着塗料を巻き込み、塗装ブース下方または外部の水槽にカーテン液と共に塗料(未塗着塗料)を導いている。水槽のカーテン液は、再びウォータカーテン等に循環利用されるが、捕集した塗料(未塗着塗料)により、カーテン液が所定の濃度に達したら、UF濃縮装置(濾過装置)等により濃縮液(塗料)と濾液とに分離され、濃縮液は調色後、再生塗料として再び塗装に利用され、濾液は再度カーテン液や塗装ブースの洗浄用の液として再利用される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、塗装ブースの壁面に途切れることなく均一な水幕を形成しウォータカーテンを良好に機能させるためには、一般的には、幅1mあたり、毎分100リットル以上のカーテン液を供給する必要がある。塗装ブースの大きさ(長さ)はワークの大きさや塗装ブース内に滞留させるワークの数によって異なるが、一般的には、10〜13m程度の塗装ブースが必要になる。従って、良好なウォータカーテンを形成するためには、毎分1000〜1300リットル以上のカーテン液(水)が必要になる。つまり、毎分1300リットル以上のカーテン液を供給するための大容量ポンプが必要になる。また、このようなポンプに対して、使用するカーテン液の供給タンクは、供給配管系の滞留時間等を考慮すると、例えば、2.5〜3倍くらいの容量が必要になる。つまり、3000リットル以上の供給タンクが必要になり、設備規模が膨大になると共に設備コストが増加してしまうという問題がある。
【0005】
また、このような塗装ブースでワークに塗装を行う場合、塗料の色替えが必要になる場合がある。この場合、回収塗料の混色を防止するためにカーテン液は完全に入れ替えなければならない。例えば、2色間で色替えを行う場合、色替え用の予備タンクを2系統準備し、ウォータカーテンの循環系で今まで使用していたカーテン液を全て第1の予備タンクに移送し、続いて第2の予備タンクのカーテン液を循環タンクに移送し、ウォータカーテン用に循環させなければならなかった。この時、ウォータカーテンの循環系で今まで使用していた使用済みカーテン液は予備タンクが接続されたUF濃縮装置で完全濃縮され、再利用可能な濃度の塗料と濾液に分離される。
【0006】
しかし、この濃縮処理時間は移送されるカーテン液の量に応じて増加するため、前述したような莫大な量のカーテン液を利用している場合、濃縮処理に数時間かかり、濃縮処理が完了するまで、再度の色替えができないという問題があった。UF濃縮装置の処理能力を増加できればよいが、間欠的にしか使用しないUF濃縮装置の能力を増加することは、設備規模やコストの面で好ましくない。一般的に使用されるUF濃縮装置は、毎分10リットル程度なので、3000リットルの処理を行うには、5時間が必要になり、この間色替え作業ができないことになる。
【0007】
本発明は上記従来の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、水性塗料をミスト状にしてワークに噴射して塗装する際に発生する未塗着塗料の捕集をウォータカーテンを用いて行うシステムにおいて、ウォータカーテンのカーテン液の使用量を低減することのできる水性塗料用塗装システムを提供することを目的とする。また、色替え作業を短時間サイクルで行うことのできる水性塗料用塗装システムを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、塗装ブース内を搬送されるワークに対し、噴射ノズルから水性塗料を噴射して塗装を行う水性塗料用塗装システムであって、少なくとも搬送されるワークを挟んで前記噴射ノズルの対向側に配置され、前記ワークに塗着しなかった未塗着塗料を捕集するウォータカーテンを形成するカーテン形成壁と、前記カーテン形成壁にカーテン形成液を供給する液供給部と、を含み、前記カーテン形成壁の表面には、超親水性コーティングが施されていることを特徴とする。
【0009】
この構成によれば、ウォータカーテンのカーテン形成壁に超親水性コーティングを施すことにより、極僅かな量のカーテン液に供給でもカーテン形成壁に均一な水膜を形成することが可能となり、カーテン液の使用量を激減させることができると共に、従来と同様にウォータカーテンに衝突した未塗着塗料の捕集を行うことができる。
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記超親水性コーティングは、光触媒を用いて行うことを特徴とする。
【0011】
物質表面で水がどの程度弾かれるかは、水滴と物質表面の接触角によって決まることが知られている。物質表面に光触媒をコーティングした場合、この接触角を数十度にすることが可能であり、さらに光を照射することにより最終的には、ほぼ0°にすることが可能になる。つまり、全く水を弾かない状態にすることができる。その結果、極少量のカーテン液をカーテン形成壁に供給することで均一で途切れることのない薄い水膜を形成することができる。なお、光触媒としてはチタンの酸化物を用いることが可能で、一部組成を変更することにより、紫外線で励起させたり、可視光性で励起させたりすることができる。また、光の照度、照射量等を変えることにより、親水性の度合いを連続的に変化させることができる。
【0012】
この構成によれば、容易にカーテン形成壁に所望の超親水性を持たせることができる。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記液供給部は、ウォータカーテン形成後の所定濃度以下のカーテン形成液をカーテン形成壁に循環供給する液循環系を含むことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、少量のカーテン液で良好なウォータカーテンを形成することができる。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記液循環系は、ウォータカーテン形成後カーテン形成液を濾過して濾液を排出する濾過装置を含み、排出した濾液をカーテン形成壁に循環供給することを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、ウォータカーテンの形成に使用するカーテン液の濃度を常に一定に維持することが可能である。つまり、ウォータカーテンの濃度を及び液循環系を通過する液の濃度を低濃度で安定させることができるので、捕集効率の安定化の他、液循環系の塗料による汚れを防止することができる。
【0017】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記塗装ブースは、ブース底面に前記ウォータカーテン形成後のカーテン液を一時的に貯留する液貯め部と、前記カーテン形成壁の裏面側に形成され、塗装ブース内雰囲気を排気する排気ファンを有する排気路と、を含み、前記液貯め部に貯められたカーテン液の液面とカーテン形成壁の下端との間に微小間隙が形成され、当該微小間隙を通過する塗装ブース内雰囲気が巻き上げるカーテン液により塗装ブース内を浮遊する未塗着塗料の一部を捕集することを特徴とする。
【0018】
カーテン形成壁に超親水性コーティングを施すことによりウォータカーテンを少量のカーテン液で形成することにより、ウォータカーテン下端部においてカーテン液は単に滴下する程度になり、跳ね上げが無くなる。つまり、跳ね上げられたカーテン液による未塗着塗料の捕集を期待することができなくなる。そこで、液貯め部に貯められたカーテン液の液面とカーテン形成壁の下端との間に微小間隙を形成し、排気路側から排気ファンで塗装ブース内雰囲気を吸引する時に微小間隙で発生するいわゆるベンチェリー効果により液貯め部に貯められたカーテン液を跳ね上げる。このベンチェリー効果による液の跳ね上げにより未塗着塗料の捕集をすることができる。
【0019】
従って、ウォータカーテンの形成に使用するカーテン液の量を激減させつつ、大量のカーテン液を使用していた場合と同様な未塗着塗料の捕集を行うことができる。
【0020】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記排気路には、未捕集の未塗着塗料を捕集する捕集フィルタが配置されていることを特徴とする。
【0021】
この構成によれば、ウォータカーテン及びベンチェリー効果により跳ね上げられたカーテン液で捕集しきれなかった未塗着塗料を確実に捕集フィルタで捕集し、外部への流出を回避すると共に、塗料回収効率の増加に寄与することができる。
【0022】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記塗装ブースは、前記カーテン形成壁の裏面側に、塗装ブース内雰囲気を排気する排気路を有し、当該排気路は、経路中に未捕集の未塗着塗料を捕集する捕集フィルタと、前記捕集フィルタを介して塗装ブース内雰囲気を排気する排気ファンと、前記捕集フィルタで捕集した塗料の洗浄回収または前記捕集フィルタの周囲を浮遊する未塗着塗料の捕集を行う液を前記捕集フィルタの下面側から供給する液供給部と、を含むことを特徴とする。
【0023】
この構成によれば、塗装ブース側から直接塗装ブース内雰囲気を排気路側に吸引することができるので、小型の排気ファンでも効率的に排気を行い、捕集フィルタで効率的に未塗着塗料の捕集を行うことができる。また、捕集フィルタの下面側から液を例えば霧状にして供給して捕集フィルタの洗浄を行うことで、捕集した塗料(未塗着塗料)の液中への回収を効率的に行うことができる。また、洗浄により捕集フィルタの通気状態を一定に維持することができるので、安定した未塗着塗料の捕集及び排気ファンの負荷の安定化を行うことができる。また、捕集フィルタの下面から液を例えば霧状にして供給することにより、捕集フィルタの周囲で浮遊する未塗着塗料の捕集を行うことも可能となり、捕集効率の向上及び捕集フィルタや排気ファンの負荷軽減を行うことができる。
【0024】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記塗装ブースは、ブース底面に超親水性コーティングが施されていることを特徴とする。
【0025】
この構成によれば、ウォータカーテンを形成するカーテン液の量が少なくても未塗着塗料を捕集したカーテン液を容易に回収することができる。また、塗装ブース内の塗料による汚染を低減することが可能で、色替え持の洗浄等も容易である。
【0026】
上記目的を達成するために、本発明は、上記構成において、前記カーテン形成壁の上部に、液供給部から供給されたカーテン液をカーテン形成壁上に供給して、均一な液膜を形成する液膜形成部を有することを特徴とする。
【0027】
ここで、液膜形成部とは、例えばカーテン形成壁に対してカーテン液の一定の流路を形成できるものであればよく、例えば、多孔質の樹脂やスポンジ、繊維や不繊布、あるいは、一定の間隔を形成可能な金属板等である。
【0028】
この構成によれば、少量のカーテン液を安定的にカーテン形成壁に容易に供給可能で良好なウォータカーテンを形成することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施の形態(以下、実施形態という)を図面に基づき説明する。図1には本実施形態の水性塗料用塗装システム(以下、単に塗装システムという)10の全体構成を説明する概略図が示されている。塗装システム10を構成する塗装ブース12は、内部に被塗装物であるワーク14(例えば、電機製品部品、自動車部品、建設資材、その他の各種機械製品や日用品等)を吊下げ順次搬送するオーバヘッドコンベア(以下、単にコンベアという)16が配置されている。ワーク14は紙面裏面側から搬入され塗装処理が施された後、紙面表面側に搬出される。また、コンベア16によって搬送されるワーク14の側方には、ワーク14の表面に水性塗料を霧状にして吹き付ける塗料の噴射ノズル18が配置されている。この噴射ノズル18は上下左右の任意の方向に移動可能で、搬送中のワーク14の片側全面に塗料を吹き付ける。なお、ワーク14の搬送中にワーク14を回転させたり、噴射ノズル18を上向きや下向きにすることによってワーク14の周囲全体及び裏面や上面、底面等全面に塗料を吹き付けることができる。また、噴射ノズル18は複数配置してもよい。なお、前記水性塗料とは、乾燥させない限り(例えば、所定温度を付加しての乾燥や自然乾燥等)硬化しない水溶性、水分散性、またはエマルジョン塗料である。また、水性塗料によっては、噴射ノズル18から噴射された後、ワーク14に塗着しなかった未塗着塗料を回収してリサイクル使用が可能な水性リサイクル塗料がある。この水性リサイクル塗料は、塗装ブース12内でウォータカーテンやウォータシャワー等で使用される液体により捕集され回収した後、別途濃縮、調製して再利用することができる。以下、本実施形態では、水性塗料とは、水性リサイクル塗料を指すものとする。もちろん、リサイクルできない通常の水性塗料も以下に説明する実施形態の適用を受けることができる。
【0030】
前述したように、噴射ノズル18で塗装を行う場合、噴射ノズル18から噴射された後、ワーク14に付着することなく塗装ブース12内部を浮遊する霧状の塗料(未塗着塗料)がある。この未塗着塗料は、塗装完了後のワーク14に再付着して品質不良の原因になったり、塗装ブース12内部のコンベア16や噴射ノズル18に付着して、動作不良の原因になるので、可能な限り除去する必要がある。
【0031】
本実施形態の塗装システム10は、ワーク14を挟んで噴射ノズル18の対向位置に、未塗着塗料の回収を行うウォータカーテン20が形成されている。このウォータカーテン20は、塗装ブース12内にほぼ垂直に配置されたカーテン形成壁20aと、当該カーテン形成壁20aにカーテン液を供給する液供給ノズル20bで構成されている。カーテン形成壁20aは耐腐食性が優れた金属板(例えばステンレス)や樹脂等で構成され、その壁面にカーテン液を連続的に流し水膜を形成することにより、カーテン形成壁20a一面に広がるウォータカーテン20を形成している。また、カーテン液は、水を主成分とし、霧状の未塗着塗料を巻き込んでカーテン形成壁20aに沿って下方に落下する。本実施形態の場合、後述する排気ファンが発生する気流によって塗装ブース12の中に気流を形成し霧状の未塗着塗料を誘導しウォータカーテン20に効率的に衝突させている。
【0032】
塗装ブース12のウォータカーテン20の裏面側には、塗装ブース12の塗装エリアの雰囲気(空気)を排気するための排気路22が形成されている。この排気路22の出口近傍には、排気ファン24が設けられ、当該排気ファン24の上流側に捕集フィルタ26が配置されている。前記排気ファン24によって空気を強制排気することによって、塗装ブース12内に気流を発生させ、ウォータカーテン20に未塗着塗料を衝突させると共に、ウォータカーテン20で回収しきれなかった霧状の未塗着塗料を捕集フィルタ26に導き捕集する。なお、捕集フィルタ26のさらに上流側(排気路22の入口側)には、捕集フィルタ26の負荷を軽減するために邪魔板28を、例えば千鳥状に配置してもよい。この場合、邪魔板28でも未塗着塗料の一部が捕集され、後に洗浄用の液(例えば後述する濾液)等で洗浄するときに回収することができる。
【0033】
本実施形態の特徴的事項は、ウォータカーテン20を形成するカーテン形成壁20aの表面に超親水性コーティングを施すことにより、カーテン形成壁20aに極薄い均一の水膜を一面に形成しているところであり、その結果、ウォータカーテン20を少量のカーテン液で形成しているところである。
【0034】
超親水性コーティングは、例えば、光触媒を用いて行うことができる。物質表面で水がどの程度弾かれるかは、水滴と物質表面の接触角によって決まることが知られている。光触媒をコーティングした場合、この接触角を数十度にすることが可能であり、さらに光を照射して励起させることにより最終的には、ほぼ0°にすることができる。つまり、全く水を弾かない状態にすることができる。その結果、極少量のカーテン液をカーテン形成壁に供給することで均一で途切れることのない薄い水膜を形成することができる。なお、光触媒としてはチタンの酸化物を用いることが可能である。また、一部組成を変更することにより、紫外線で励起させたり、可視光性で励起させたりすることができる。また、光の照度、照射量等を変えることにより、親水性の度合いを連続的に変化させることが可能で、ウォータカーテン20のカーテン液の供給量と関係を任意に変更することができる。
【0035】
従来、塗装ブース12内で浮遊する未塗着塗料を捕集するために良好に機能するウォータカーテンを形成するには、幅1mあたり、毎分100リットル以上のカーテン液を供給する必要がある。これは、超親水性コーティングを施していないカーテン形成壁にカーテン液を流す場合、カーテン形成壁で水弾きが発生してウォータカーテンが一面に広がらなかったり、割れが生じたりするためであり、その影響を打ち消すために所定の流量を確保しなければならなかった。しかし、本実施形態のように、カーテン形成壁20aに超親水性コーティングを施すことにより、カーテン液の水弾きが防止され、幅1mあたり、毎分0.5〜1.0リットルのカーテン液の供給でもカーテン形成壁20aの一面に薄い安定した水膜を形成することができる。つまり、ウォータカーテン20を形成するために必要なカーテン液の量を激減させることができる。
【0036】
本実施形態においては、超親水性コーティングに光触媒を用いた場合、その光触媒を良好に機能させるために、カーテン形成壁20aの近傍に触媒励起用のランプ30を配置する。このランプ30は、カーテン形成壁20aの全面を照射範囲とするものが望ましい。もちろん、複数のランプ30で照射範囲を確保してもよい。光触媒が紫外線により励起する種類のものである場合、ランプ30は、例えば、水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、エキシマレーザー等が使用できる。また、可視光性により励起する種類のものである場合は、任意の可視光線ランプを使用することができる。
【0037】
上述のように、ウォータカーテン20を形成するために必要となるカーテン液を激減させることが可能になると、当該カーテン液をウォータカーテン20に供給するための供給タンクの容量を小さくすることが可能になると共に、カーテン液を送り出すポンプ能力も小さくすることができる。以下、図1に示す液循環系を含む全体構成の説明及び、捕集動作の説明を行う。なお、図1においては、ワーク14に応じて塗装色を2色間で変更することができるシステムを例にとり説明する。
【0038】
図1に示すように、塗装ブース12の底部には、ウォータカーテン20で使用したカーテン水が流れ込み一時的に貯留可能な液貯め部32が形成されている。この液貯め部32は、図1から明らかなように、ウォータカーテン20に向かって下り傾斜した塗装ブース12の底面に形成されている。この液貯め部32は、ウォータカーテン形成により増加する使用済みカーテン液の液面高さを常に一定に保つために、左端部にオーバーフロー用の排水部32aを有している。ここで、液貯め部32に貯留されるカーテン液の液面高さは、カーテン形成壁20aの下端との間に微小間隙(例えば30mm)33を形成するように、前記排水部32aの動作により調整されている。
【0039】
ところで、通常、大量のカーテン液を使用してウォータカーテンを形成する従来の方法の場合、カーテン液の落下途中や着水時に液の跳ね上げが生じる。この跳ね上げによっても塗装ブース12内の未塗着塗料の捕集を期待することができた。しかし、本実施形態においては、ウォータカーテン20を形成するカーテン液の量が激減しているため、落下途中や着水時に液の跳ね上げによる捕集を期待することができない。そこで、本実施形態では、上述のように、液貯め部32に貯留されるカーテン液の液面とカーテン形成壁20aの下端との間が微小間隙33になるようにして、排気路22側から排気ファン24で塗装ブース12内の雰囲気を吸引している。この微小間隙33を雰囲気が高速で通過することにより、いわゆるベンチェリー効果によりカーテン液の跳ね上げが排気路22側で発生する。微小間隙33を通過する雰囲気にはウォータカーテン20で捕集しきれなかった未塗着塗料が含まれているので、このベンチェリー効果によるカーテン液の跳ね上げによって微小隙間33を通過した未塗着塗料の捕集を行うことができる。つまり、大量のカーテン液を使用する場合と同様に、未塗着塗料を液貯め部32内に取り込むことが可能になる。もちろん、前述したように、捕集フィルタ26や邪魔板28による捕集も行っている。
【0040】
次に、ウォータカーテン20の使用に伴うカーテン液の循環について説明する。前述したように、ウォータカーテン20で使用されたカーテン液は順次液貯め部32に落下し貯留される。そして、液貯め部32をオーバーフローした分のカーテン液が排水部32aから常時、循環タンク34a(または34b)に流れ込む。前述したように、図1においては、2色間の色替えを可能にするために、液の循環系が2系統準備されている。本実施形態においては、同じ液循環系を2系統示し、添え字‘a’と‘b’で区別している。なお、各循環系の機能、動作は同じであるので、以下の説明では、添え字‘a’を付した一方の循環系を中心に説明を行う。
【0041】
液貯め部32をオーバーフローし排水部32aから排出されるカーテン液、及び色替え時に液貯め部32のコック36解放して排出されるカーテン液は、3方弁37の切り換えにより選択された循環タンク34a(または34b)に流れ込む。循環タンク34a(または34b)に流れ込むカーテン液は塗装ブース12内で未塗着塗料を捕集して濃度が僅かに上昇している。極端な濃度上昇を起こしていない限り、ウォータカーテン20の形成に循環利用してもよいが、本実施形態においては、カーテン液の濃度を常に一定に維持するように、UF濃縮装置(濾過装置)38aを備えている。循環タンク34aには、ポンプ40aが配置され、常時循環タンク34aとUF濃縮装置38aとの間をカーテン液が循環するようになっている。そして、この時発生する濾液が濾液貯槽42aに移送される。このように、UF濃縮装置38aを配置することにより、ウォータカーテン20の形成に使用するカーテン液の濃度を常に一定に維持することが可能になる。その結果、ウォータカーテンの濃度を及び液循環系を通過する液の濃度を低濃度で安定させることができるので、捕集効率の安定化を行うと共に、液循環系の塗料による汚れを防止することができる。
【0042】
なお、UF濃縮装置38aで行う濾過は、塗料の再生のための濾過ではなく、循環するカーテン液を一定濃度以下に保つためのものであるので、高濾過能力は必要としない。濾液貯槽42aに移送された一定濃度以下のカーテン液は、ポンプ44aにより、カーテン形成壁20aの上端部に配置された液供給ノズル20bに送られ、再度ウォータカーテン20の形成に利用される。なお、他色用の濾液貯槽42bから移送されるカーテン液は、3方弁46を切り換えることにより液供給ノズル20bに供給することができる。
【0043】
一方、塗料の色替えを行うとき、または循環タンク34a内のカーテン液が所定濃度を超えた場合、ポンプ48aが動作し、循環タンク34a内のカーテン液の全量を塗料回収系50aの液濃縮槽52aに移送する。液濃縮槽52aは、循環ポンプ54aを介してUF濃縮装置56aが接続され、カーテン液の濃縮が行われる。この時発生した濾液は濾液槽58aへ送られ、所定のタイミングでポンプ60aを介して塗装ブース12の排気路22に配置された捕集フィルタ26や邪魔板28を洗浄する洗浄用の液として使用して、捕集した塗料を液貯め部32へ移される(符号Cで示す)。また、濾液槽58aの濾液の一部は循環タンク34aに返却され、カーテン液として再利用される(符号Da,Dbで示す)。
【0044】
また、液濃縮槽52aで所定濃度まで濃縮された濃縮液は調色後、再生塗料としてポンプ62aで塗料タンク64aに移送され、再び塗装に利用される。塗料タンク64aの塗料、または塗料タンク64bの塗料は、3方弁66の切り換えにより、所定のタイミングで噴射ノズル18に供給され使用される(符号Ea,Ebで示す)。
【0045】
以上のように、ウォータカーテン20及び捕集フィルタ26,邪魔板28等で捕集された未塗着塗料は、塗料回収系50a,50bにより濃縮処理が行われ、使用可能状態となるが、前述したように、カーテン形成壁20aに超親水性コーティングを施すことによりウォータカーテン20を含む循環系を流れるカーテン液の総量を激減させることができる。その結果、塗料の色替え時に循環タンク34aまたは循環タンク34bから塗料回収系50a(または50b)に移送され、濃縮処理を行う必要のあるカーテン液の総量も激減する。例えば、処理対象のカーテン液の総量を超親水性コーティングを施していない従来の同等システムの1/100〜1/200にすることができるので、色替え時の処理時間を短縮することができる。すなわち、例えば第1色から第2色へ色替え後、再び第1色に色替えが必要になった場合でも、第1色目の濃縮処理は終了しているので、その濃縮処理が影響することなく迅速に色替え作業を行うことができる。
【0046】
図2には、カーテン形成壁20aに超親水性コーティングを施した塗装ブース12の他の形態が示されている。なお、図2の例では、説明の簡略化のため、塗装ブース12に接続されるカーテン液等の循環系は、1系統すなわち、色替えを考慮しないシステムを示しているが、図1と同様に色替えを考慮して複数系統設けるようにしてもよい。図2の循環系を構成する各構成部材は、図1における循環系の構成部材と同じ機能を有するものに関しては、その添え字(a,b等)を除いて同じ符号を付し説明を省略する。
【0047】
図2の塗装ブース12において特徴的事項は、塗装ブース12の底面の液貯め部32の液面と、カーテン形成壁20aの下端との隙間70を大きく確保しているところである。つまり、この隙間70の部分では、図1のようにベンチェリー効果によるカーテン液の跳ね上げを発生させず、ウォータカーテン20によって捕集しきれなかった未塗着塗料は排気路22の入口近傍に設けた捕集フィルタ26のみで行うようにしている。このような構成にすることにより、排気ファン24の能力を図1のようにベンチェリー効果を発生させるほど大きくする必要がなく、小型の排気ファン24で効率的な捕集を行うことができる。また、排気路22の入口近傍で未塗着塗料の捕集を完了させてしまうので、図1の構造のように、邪魔板28を設ける必要がなくなるので、塗装ブース12の全体構造を簡略化することができる。また、図1のようにベンチェリー効果を発生させる程度に強い排気を行う場合、未塗着塗料の一部が捕集フィルタ26を通過してしまうおそれもあるが、図2のように排気ファン24の必要能力を下げることができれば、上述のような懸念の必要も無く、未塗着塗料の捕集率を向上させることができる。
【0048】
なお、この場合、捕集フィルタ26の捕集負荷が増加するので、捕集フィルタ26の洗浄(捕集した未塗着塗料の液貯め部32への回収)を頻繁または常時行うことが望ましい。この時、捕集フィルタ26の洗浄は捕集フィルタ26の下面側から行うことにより、捕集した塗料(未塗着塗料)の液中への回収を効率的に行うことができる。捕集フィルタ26を下面から洗浄することにより、捕集フィルタ26の通気状態を一定に維持することができるので、安定した未塗着塗料の捕集及び排気ファンの負荷の安定化を行うことができる。この下面洗浄は、例えば、極少量の液(例えば濾液)を微小噴射ノズル72等を用いて行うことができる。この時、捕集フィルタ26の下面のほぼ全面に、均一にスプレーすることが望ましい。微小噴射ノズル72に供給する濾液は、切替弁74を介して濾液貯槽42から常時供給することが好ましいが、例えば、排気ファン24の負荷を検出し、負荷が所定値を越えたら、すなわち捕集フィルタ26の洗浄が必要になったことを検出した時、切替弁74を開き洗浄を行うようにしてもよい。もちろん管理者による手動切り換えでもよい。
【0049】
また、このように、捕集フィルタ26の下面から濾液を微小噴射ノズル72で霧状にして供給することにより、捕集フィルタ26の周囲を浮遊する未塗着塗料の捕集を行うことも可能になる。その結果、未塗着塗料の捕集効率の向上及び捕集フィルタ26及び排気ファン24の負荷軽減を行うことができる。なお、図2において、液貯め部32の傾斜が図1と逆になっているが、構造バリエーションを示したのみである。
【0050】
また、捕集フィルタ26のみならず、排気路22の捕集フィルタ26手前の壁面等に対しても微小噴射ノズルによる洗浄を施すようにしてもよい。
【0051】
図3には、塗装ブース12のさらに他の構造バリエーションが示されている。図3の例の基本構成は、図2に示すものと類似しており、同等の機能部分には同じ符号を付しその説明を省略する。図3の塗装ブース12の特徴的事項は、塗装ブース12の傾斜している底面12aの表面にも超親水性コーティングを施しているところである。この場合も光触媒等を用いることができる。この場合、ウォータカーテン20から排出されるカーテン液や捕集フィルタ26を洗浄した洗浄用の液(カーテン液と同等)は、捕集した未塗着塗料を含んだまま斜面に沿って流れるので、未塗着塗料の残留等の心配がなくなる。そのため液貯め部の形成が必要なくなる。つまり、使用済みのカーテン液等はそのまま、循環タンク34に投入することが可能になり、構造の簡略化が可能になると共に、循環系で停留する量が減るので(液貯め部の分)、全体的なカーテン液の必要量のさらなる低減を行うことができる。
【0052】
このように、底面12aの表面にも超親水性コーティングを施すことにより、ウォータカーテンを形成するカーテン液の量が少なくても未塗着塗料を捕集したカーテン液を容易に回収することができる。また、塗装ブース内の塗料による汚染を低減することが可能で、色替え持の洗浄等も容易に行うことができる。
【0053】
ところで、上述したように、超親水性コーティングを施したカーテン形成壁20aに供給するカーテン液は必要最小限の量をカーテン形成壁20aの全幅にわたって、均一に、絶え間なく供給し、薄い液膜を形成するようにする必要がある。
【0054】
そこで、本実施形態においては、図4(a),(b)に示すように、カーテン形成壁20aの上端部近傍には、カーテン液の供給管(液供給ノズル20b)76と当該供給管から供給されるカーテン液を均一な液膜としてカーテン形成壁20a上に供給する液膜形成部78a,78bが配置されてる。供給管76は、例えば、カーテン形成壁20aの幅方向に沿って配置されたパイプに所定間隔で孔76aを複数あけ、カーテン液が適量のカーテン液が滴下するようになっている。また、液膜形成部78aは、カーテン形成壁20aに対してカーテン液の一定の流路を形成できるものであればよく、例えば、多孔質の樹脂やスポンジ、繊維や不繊布、あるいは、一定の間隔を形成可能な金属板等が使用可能ある。多孔質の樹脂やスポンジ、繊維や不繊布の場合には、図4(a)、図4(b)に示すように、カーテン形成壁20aに押圧して配置することが好ましい。この場合、微調整を行うこと無く、安定したカーテン液の流出を行うことができる。また、金属板や樹脂板等では、僅かな間隔を有して、カーテン液がしみ出すように配置する。この場合、流量の微調整は必要となるが、構成をシンプルとすることが可能であり、コストダウン等に寄与することができる。これらの場合いずれも、供給管76から供給されるカーテン液は、一時液膜形成部78a,78bの手前で保持される形となり、途切れることのない、均一な量のカーテン液供給を行うことができる。
【0055】
なお、上述したように塗装ブース12内に配置されるウォータカーテン20は、塗装ブース12内を搬送されるワークの近傍に配置される。従来のようにウォータカーテンの幅1mあたり、毎分100リットル以上のカーテン液を供給してウォータカーテンを形成する場合、ワークに対する水はねを回避するために、ウォータカーテンとワークとの間隔は、例えば1000mm以上確保する必要があった。しかし、本実施形態で示したように、ウォータカーテン20のカーテン形成壁20aに超親水性コーティングを施すことにより、カーテン形成壁20aの表面に極薄い水膜が形成されるのみとなるので、上述のような水はねは発生しない。つまり、ワーク14とウォータカーテン20との間隔を縮小(例えば、300mm程度)することができる。その結果、塗装ブース12の小型化、つまり設備の小型化が可能となる。また、ワーク14とウォータカーテン20との距離が短いため、ワーク14に塗着しなかった未塗着塗料がワーク14の背後ですぐにウォータカーテン20に衝突しウォータカーテン20に捕集されるので、ウォータカーテン20による捕集効率を向上することができると共に、塗装ブース12内の未塗着塗料の浮遊率の低減を行うことができる。
【0056】
なお、本実施形態で未塗着塗料の捕集を主目的として、カーテン形成壁20a等に超親水性コーティングを施すことを説明したが、塗装ブース12内の未塗着塗料の付着防止等を目的としてもよい。この場合、間欠的にシャワー等により洗浄を行うことにより、容易に、塗装ブース12内の付着塗料による汚染を防止可能で、保守を容易に行うことができる。なお、ウォータカーテン20は塗装作業完了後、カーテン液の供給は停止するので、数%未塗着塗料を含むカーテン液がカーテン形成壁20aに残留することがあるが、光触媒等の超親水性コーティングが有する自己洗浄作用により、次回、カーテン液の供給を行うことによって、残留物の排除を行うことが可能であり、カーテン形成壁20aの保守も容易に行うことができる。特に、塗装作業の停止中(次の作業が数時間後、例えば翌日等の場合)に色替え等を行う場合でも、前色による残留物の排除を迅速に行い、次色による塗装作業を行うことができる。
【0057】
また、本実施形態で示した塗装ブース12の構成や液の循環系の構成は一例であり、ウォータカーテン20のカーテン形成壁20aに超親水性コーティングを施し、カーテン液の使用量を低減させる構成であれば、適宜変更可能であり、本実施形態と同様な効果をえることができる。例えば、カーテン液の循環利用を行わず、常時フレッシュなカーテン液の供給を行っても、その使用量の低減が可能であり、運転コストの低減を実現することができる。
【0058】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ウォータカーテンのカーテン形成壁に超親水性コーティングを施すことにより、極僅かな量のカーテン液に供給でもカーテン形成壁に均一な水膜を形成することが可能となり、カーテン液の使用量を激減させることができると共に、従来と同様にウォータカーテンに衝突した未塗着塗料の捕集を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る実施形態の水性塗料用塗装システムの構成を説明する説明図である。
【図2】本発明に係る実施形態の水性塗料用塗装システムの塗装ブースの他の構成を説明する説明図である。
【図3】本発明に係る実施形態の水性塗料用塗装システムの塗装ブースの他の構成を説明する説明図である。
【図4】本発明に係る実施形態の水性塗料用塗装システムのカーテン形成壁へのカーテン液供給形態を説明する説明図である。
【符号の説明】
10 塗装システム、12 塗装ブース、12a 底面、14 ワーク、16コンベア、18 噴射ノズル、20 ウォータカーテン、20a カーテン形成壁、20b 液供給ノズル、22 排気路、24 排気ファン、26 捕集フィルタ、28 邪魔板、30 ランプ、32 液貯め部、32a 排水部、33微小間隙、34,34a,34b 循環タンク、34a 濃縮装置、36 コック、37 3方弁、38a UF濃縮装置、40a ポンプ、42,42a,42b 濾液貯槽、44a,48a ポンプ、46,66 3方弁、50a 塗料回収系、52a 液濃縮槽、54a 循環ポンプ、56a UF濃縮装置、58a 濾液槽、60a ポンプ、62a ポンプ、64a 塗料タンク、64b
塗料タンク。

Claims (9)

  1. 塗装ブース内を搬送されるワークに対し、噴射ノズルから水性塗料を噴射して塗装を行う水性塗料用塗装システムであって、
    少なくとも搬送されるワークを挟んで前記噴射ノズルの対向側に配置され、前記ワークに塗着しなかった未塗着塗料を捕集するウォータカーテンを形成するカーテン形成壁と、
    前記カーテン形成壁にカーテン形成液を供給する液供給部と、
    を含み、
    前記カーテン形成壁の表面には、超親水性コーティングが施されていることを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記超親水性コーティングは、光触媒を用いて行うことを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  3. 請求項1または請求項2記載のシステムにおいて、
    前記液供給部は、ウォータカーテン形成後の所定濃度以下のカーテン形成液をカーテン形成壁に循環供給する液循環系を含むことを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1つに記載のシステムにおいて、
    前記液循環系は、ウォータカーテン形成後カーテン形成液を濾過して濾液を排出する濾過装置を含み、排出した濾液をカーテン形成壁に循環供給することを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のシステムにおいて、
    前記塗装ブースは、
    ブース底面に前記ウォータカーテン形成後のカーテン液を一時的に貯留する液貯め部と、
    前記カーテン形成壁の裏面側に形成され、塗装ブース内雰囲気を排気する排気ファンを有する排気路と、
    を含み、
    前記液貯め部に貯められたカーテン液の液面とカーテン形成壁の下端との間に微小間隙が形成され、当該微小間隙を通過する塗装ブース内雰囲気が巻き上げるカーテン液により塗装ブース内を浮遊する未塗着塗料の一部を捕集することを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  6. 請求項5記載のシステムにおいて、
    前記排気路には、未捕集の未塗着塗料を捕集する捕集フィルタが配置されていることを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1つに記載のシステムにおいて、
    前記塗装ブースは、
    前記カーテン形成壁の裏面側に、塗装ブース内雰囲気を排気する排気路を有し、
    当該排気路は、
    経路中に未捕集の未塗着塗料を捕集する捕集フィルタと、
    前記捕集フィルタを介して塗装ブース内雰囲気を排気する排気ファンと、
    前記捕集フィルタで捕集した塗料の洗浄回収または前記捕集フィルタの周囲を浮遊する未塗着塗料の捕集を行う液を前記捕集フィルタの下面側から供給する液供給部と、
    を含むことを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  8. 請求項7記載のシステムにおいて、
    前記塗装ブースは、
    ブース底面に超親水性コーティングが施されていることを特徴とする水性塗料用塗装システム。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1つに記載のシステムにおいて、
    前記カーテン形成壁の上部に、液供給部から供給されたカーテン液をカーテン形成壁上に供給して、均一な液膜を形成する液膜形成部を有することを特徴とする水性塗料用塗装システム。
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