JP2004065889A - 多機能消臭剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】消臭材において、強い消臭性を有し、抗菌性を持ち、吸放湿性を有し、シックハウス症候群を引き起こす化学物質の悪影響を低減し、防虫効果を有し、消臭性能の持続性を有し、結合材の結合力の低下を防ぎ、消臭材の微粉化を防ぎ、帆立貝等の貝殻の再資源活用に貢献し、安価に製造できる多機能消臭材が、望まれていた。
【解決手段】貝殻粒と、炭素粒と結合材を混練することにより、抗菌性により結合材の結合力を低下させないとともに、微粉化を防ぎ、手、衣服等の汚染を防止する多機能消臭剤、および吸収持続性担体の外周に貝殻粒と炭素粒と結合材を混練したコーティング材が配置され、消臭力等が持続され、抗菌性により結合材の結合力を低下させないとともに、微粉化を防ぎ、手、衣服等の汚染を防止する多機能消臭剤、及びそれらの製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】貝殻粒と、炭素粒と結合材を混練することにより、抗菌性により結合材の結合力を低下させないとともに、微粉化を防ぎ、手、衣服等の汚染を防止する多機能消臭剤、および吸収持続性担体の外周に貝殻粒と炭素粒と結合材を混練したコーティング材が配置され、消臭力等が持続され、抗菌性により結合材の結合力を低下させないとともに、微粉化を防ぎ、手、衣服等の汚染を防止する多機能消臭剤、及びそれらの製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭、病院、オフイス、ホテル、レストラン、老人ホーム等の居室、トイレ、厨房等の入の生活空間における悪臭、または獣舎、鶏舎、工場等の各種の環境から発生する悪臭を低減し、かつ、抗菌性、吸放湿性、化学物質低減作用、防虫効果を有する多機能消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より家庭の居室や病院、オフイス、ホテル、レストラン、老人ホーム等の人の生活空間における悪臭、または獣舎、鶏舎、工場等の各種の環境から発生する悪臭を低減する消臭剤として種々のものが、夫々、単独に用いられて来た。
【0003】
しかるに、現実の居住空間に求められる強い消臭性を持ち、カビ等を防ぎ雑菌を殺す抗菌性を持ち、また、室内の結露を防ぐ吸放湿性を有していたり、最近問題視されている建材の含有するホルムアルデヒド、揮発性有害物質(VOC)等のシックハウス症候群を引き起こす化学物質の悪影響を低減し、かつ、防虫効果を有する複合機能を有する消臭剤が求められていた。
【0004】
加えて、上記の機能に加え、消臭性能の強い持続性を有する複合機能を有する消臭剤が求められていた。
【0005】
しかし、従来の消臭剤では、それらの複合機能を有しておらず、人にやさしい快適空間を確保できる複合機能を有する多機能消臭剤が強く求められてきたが、いまだ得られていない現状であった。
【0006】
また、消臭剤は、室内や、居住空間等に配置して用いるのであるが、その場合、空気との接触をよくするため、通気性の良い開孔を持った籠や目の粗いネット、布袋等に入れ、用いられる。
【0007】
この場合に、従来の炭消臭剤、及び貝殻消臭剤単独では、どちらも、粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、それだけでは、実用的でない欠点を有していた。
【0008】
一方、従来の帆立貝を主成分とする消臭剤は、産業廃棄物としては、安価であるが、消臭剤とするには、大量に要するため単独使用では、高価となり、実用的でない、難点を有していた。
【0009】
そのため、これらの欠点を無くした多機能消臭剤が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の欠点をかいけつするために、前述したそれらの複合機能を有する画期的な多機能消臭剤、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
人の生活空間、または生活環境の各種の悪臭を低減する消臭剤において、方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒と、焼成して得た炭を粉砕した炭素粒と結合材を混練し、貝殻粒の抗菌力により、結合材に発生するカビおよび雑菌の繁殖を抑えることにより結合力を低下させないとともに、結合材が、貝殻粒、および炭素粒の微粉化を防ぎ、また、手、衣服等の汚染を防止することを特徴とする多機能消臭剤を提供する。
【0012】
また、請求項1記載の多機能消臭剤において、一つの粒の中心コア部に吸収持続性担体が配置され、その外周には方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒と、焼成して得た炭を粉砕した炭素粒と結合材を混練したコーティング材が配置され、結合材を介して吸収持続性担体の外周にコーティング材が、結合固化しており、吸収持続性担体が、コア部に配置されることにより、消臭力等が、持続されるとともに、貝殻粒の抗菌力により、結合材に発生するカビおよび雑菌の繁殖を抑えることにより結合力を低下させないとともに、結合材が前記吸収持続性担体、貝殻粒、および炭素粒の微粉化を防ぎ、また、手、衣服等の汚染を防止することを特徴とする多機能消臭剤を提供する。
【0013】
また、貝殻粒は、帆立貝等の炭酸カルシウムの方解石型結晶構造を持つ貝殻を相当直径100〜1000ミクロン以下に粉砕したものであり、炭素粒は木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭を、相当直径100〜1000ミクロン位以下に粉砕したもので、結合材は、例えば、天然素材であって結合性を有する水溶性の高分子化合物としてのカゼイン、植物性蛋白、膠、ゼラチン、トラカントゴム、アラビヤゴム、澱粉、デキストリン、酢酸セルロース、または、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)や、または結合性を有する水溶性の合成高分子化合物である酢酸ビニール樹脂、ポリビニールアルコールの成分を一部、または主成分として含有し、乾燥時、溶剤が蒸発、揮発し多孔質となり通気性を保有する結合材を用い、吸収持続性担体は、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂の消臭性とともに吸収性を有する材料を2〜50ミリの粒度に粉砕したものであることを特徴とする請求項1および2に記載の多機能消臭剤を提供する。
【0014】
また、請求項1、請求項2、および請求項3に記載の多機能消臭剤において、炭酸カルシウムの方解石型結晶構造をもつ貝殻を採集する第1の工程と、該貝殻をいずれかの粉砕機により粉砕し、貝殻粒を製造する第3の工程と、炭を、いずれかの粉砕機により粉砕し、炭素粒の粉末を製造する第4の工程と、予め調製された結合材を製造する第5の工程と、ミキサーの中で貝殻粒と炭素粒と結合材を混練する第6の工程と、または、更に加えて、炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂の消臭性とともに吸収性を有する材料をいずれかの粉砕機で粉砕した吸収持続性担体を製造する第7の工程と、ミキサーの中で貝殻粒と炭素粒と、結合材を混練したコーティング材を、吸収持続性担体の外面にコーティングする第9の工程により多機能消臭剤を製造する方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は本発明の多機能消臭剤1の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【0017】
本実施例の多機能消臭剤1の一つの粒は、方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒2と、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭を粉砕した炭素粒3と結合材4が、ミキサーにより混練され、乾燥後結合、固化している。
【0018】
貝殻粒2の特性に付いて述べると、帆立貝等の炭酸カルシウムの方解石型結晶構造を持つ貝殻を相当直径100〜1000ミクロン以下(望ましくは300ミクロン以下)に粉砕したもので、その貝殻粒2は、図1の模式図に示すごとく、針状結晶が剣山状に密に詰まって敷き並べている結晶構造、若しくは板状の多重層結晶構造による多孔質構造となっている。
【0019】
前記貝殻粒2の代表的主原料である帆立貝の貝殻は、産業廃棄物として、年間15万トン廃棄処分されており、沿岸漁業での廃棄物削減と未利用資源の有効活用が強く望まれている材料であるため、産業上、安価に大量入手することが可能であり、かつ前述の日本の産業廃棄物問題、地球温暖化防止、環境対策となる、極めて有効な資源活用の方法を提供するものである。
【0020】
該貝殻粒2の性質は、その多孔質構造により、優れた消臭性を有しており、加えて、帆立貝の貝殻の粒子はアルカリ性のため、大腸菌等に対し殺菌力が実証されており、カビ等を防ぎ、雑菌を殺す抗菌性を持つため、このことが、結合材4の表面や内部に発生するカビや雑菌を殺す効果を発揮する。
【0021】
結合材4は、その表面や内部にカビや雑菌の発生すると、その結合力が著しく低下するという欠点を有しているが、該貝殻粒2のカビ等を防ぎ雑菌を殺す抗菌性により、結合材4の持つ欠点を補う効果を発揮することが分かった。
【0022】
特に帆立貝の粉砕した粒子をセラミック製の壷に入れて、1000℃の温度で10分から3時間位、焼成すると、酸化カルシウム粉末となり、この性質は大腸菌の滅菌に更なる効果を有することが分かった。
【0023】
この場合は貝殻粒2は、粉砕しただけの貝殻粒の粒子と焼成した酸化カルシウムの粒子の混合物を使用することとなる。
【0024】
また、前記貝殻粒2は、室内の結露を防ぐ吸放湿性を有している。
【0025】
さらに、最近問題視されている建材の含有するホルムアルデヒド、揮発性有害物質(VOC)等のシックハウス症候群を引き起こす化学物質の悪影響を低減する性質も有している。
【0026】
次に、前記炭素粒3は木炭、竹炭、椰子ガラ活性炭等の炭を、相当直径100〜1000ミクロン以下(望ましくは300ミクロン以下)に粉砕したもので、それ本来が臭いの粒子を吸収する強い消臭能力や吸放湿性を備える。
【0027】
加えて、炭素粒3は、貝殻粒2には無い防虫効果があり、昔から農業での防虫用に使われている。
【0028】
また、炭素粒3は自らが発生する遠赤外線により、空気中の水分に作用してマイナスイオンを発生する。
【0029】
このマイナスイオンは抗酸化物質で、人間の体内に吸収されると活性酸素を中和する働きが有り、また臭いの物質が存在していても人間が感知しにくくなる消臭効果も有することが、知られている。
【0030】
これらの前記貝殻粒2と前記炭素粒3の粒子を混合結合すると、上述した多くの複合性能を有する消臭剤を構成することが出来るが、そのためにはそれらを結合する結合材4が必要である。
【0031】
この結合材は通気性があり、前記貝殻粒2と炭素粒3の結合に適したものが必要で、例えば、天然素材であって結合性を有する水溶性の高分子化合物としてのカゼイン、植物性蛋白、膠、ゼラチン、トラカントゴム、アラビヤゴム、澱粉、デキストリン、酢酸セルロースまたは、ヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)等や、または結合性を有する水溶性の合成高分子化合物である酢酸ビニール樹脂、ポリビニールアルコール等を一部、若しくは、主成分として、含有する結合材が用いられ、乾燥時、溶剤が蒸発揮発し多孔質となり通気性を保有する結合材を選定する。
【0032】
しかるに、該結合材4は、カビや雑菌の繁殖に弱く、もしガビや雑菌が繁殖すると、その結合力は大幅に落ちてしまうという欠点を有している。
【0033】
前述した如く、前記貝殻粒2の抗菌性により、カビおよび雑菌の繁殖を大幅に抑え、結合力が低下しないということが分かったのである。
【0034】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4はミキサー等により混練されることにより図1に示す粒子を構成し、複合機能を有するものとなる。
【0035】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4の混合比率は、重量比で、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.2〜1.5、結合材4は、0.01〜0.04とする。
【0036】
特に望ましくは、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.7〜1.3、結合材5は、0.02〜0.03とする。
【0037】
それに、混練し易いように適量の水等の溶剤を加え、ミキサー等により混練し、多機能消臭剤1を構成する。
【0038】
また、本発明の多機能消臭剤は、室内や、居住空間に配置して用いるのであるが、その場合、空気との接触をよくするため、通気性の良い開孔を持った籠や目の粗いネット、布袋等に入れ用いられる。
【0039】
この場合に、炭、貝殻等は、粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、それだけでは、実用的でない欠点を有していたが、本発明の貝殻粒2と炭素粒3と結合材4を混練した多機能消臭剤1では、貝殻粒2および炭素粒3の微粉化を防ぎ、手、衣服等に全く汚れが着かない極めて実用的な効果を発揮する結果が得られた。
【0040】
このことにより、本発明の多機能消臭剤1は、人が触れたり、衣服が触れたりする通常の生活空間に使用できるようになり、実際の使用をきわめて容易にする、優れた使用性を有することとなったのである。
【0041】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の多機能消臭剤5の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【0042】
この実施例においては、一つの粒の多機能消臭剤5は、その中心のコア部分に吸収持続性担体6を配置し、該吸収持続性担体6は、木材、竹等、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂、等の消臭性とともに吸収性を有する材料を2〜50ミリの粒度に粉砕したものである。
【0043】
前記吸収持続性担体6の外周には、実施例1と同一の方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒2と、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭を粉砕した炭素粒3とが配置され、前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4は、予めミキサーにより混練されたコーティング剤7を構成し、該コーティング剤7は、該結合材4が結合力を有する状態で、前記吸収持続性担体6の外周にコーティングされ、乾燥後、結合、固化している。
【0044】
もちろん、工程省略のため、貝殻粒2と、炭素粒3と結合材4と吸収持続性担体6とを同一のミキサー内で混練し、コーティングし、乾燥後、結合、固化することも出来る。
【0045】
貝殻粒2と、炭素粒3と、結合材4の特性、機能、効果等は実施例1の多機能消臭剤1と、同様であり、重複を避けるため、その説明は省略する。
【0046】
しかるに、本実施例2においては、更に、機能は向上し、相乗効果を発揮することが分かったのである。
【0047】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4は、予め混練され、コーティング剤7を構成し、該コーティング剤7は、該結合材4が結合力を有する状態で、前記吸収持続性担体6の外周に図2に示すように通気性を保って、外周にコーティングされている。
【0048】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4の混合比率は、重量比で、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.2〜1.5、結合材4は、0.01〜0.04とする。
【0049】
特に望ましくは、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.7〜1.3、結合材4は、0.02〜0.03とする。
【0050】
それに、混練し易いように適量の水等の溶剤を加え、ミキサー等により混練し、コーティング剤7を構成する。
【0051】
吸収持続性担体6は、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂等の材料を2〜50ミリの粒度に粉砕したものであるが、本来、吸収持続性担体6それ自体が消臭力と吸収性を有する材料であり、特に炭の吸収持続性担体6の場合は、前述した炭素粒3の性質をそのまま具備していることは、明白であり、改めて、詳説する必要は無いので省略するが、該吸収持続性担体6が中心のコア部分にあることより、外側の貝殻粒2と炭素粒3の効果を表面だけに終わらせること無く、内部に、引き込む作用があることが分かった。
【0052】
すなわち、貝殻粒2と炭素粒3の外部表面が、消臭等の効果を発揮し、吸収能力が低下してきても、該吸収持続性担体6が吸収力を有しているため、内部に引き込み、貝殻粒2と炭素粒3と吸収持続性担体6とで構成される内側空間部分の面に、臭気等の成分が引き込まれ、更に該吸収持続性担体6の吸収力が、相乗効果的に働いて、消臭能力を始めとする効果を、長期間持続させる効果が、発揮されることが分かったのである。
【0053】
また、本発明の多機能消臭剤は、室内や、居住空間に配置して用いるのであるが、その場合、空気との接触をよくするため、通気性の良い開孔を持った籠や目の粗いネット、布袋等に入れ、用いられる。
【0054】
この場合に、炭、貝殻等は、粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、それだけでは、実用的でない欠点を有していたが、吸収持続性担体6は、木材、竹、揶子ガラ等を焼成して得た炭等で構成することが多用されているが、同様に粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、同様の実用的でない欠点を有していたが、本発明の貝殻粒2と炭素粒3と結合材4を混練したコーティング材7をコーティングすると、吸収持続性担体6と、貝殻粒2および炭素粒3の微粉化を防ぎ、手、衣服等に、全く汚れが着かない、極めて実用的な効果を発揮する結果が、得られた。
【0055】
このことにより、実施例2の多機能消臭剤も、人が触れたり、衣服が触れたりする、通常の生活空間に使用できるようになり、実際の使用をきわめて容易にする、優れた使用性を有することとなったのである。
【0056】
以下、本発明の多機能消臭剤の実験データを示す。
【0057】
これらの図3から図9の実験データは、実施例1について測定したものであるが、実施例2もコーティング材7として同一の構成であるため同一の効果を有し、更に多機能消臭剤の効果の持続性を高めたものであるため測定データについては実施例2もその効果は、同等である。
【0058】
図3,4は、本発明の実施例1の消臭効果を実験した官能テスト結果を示すもので、沖縄県内のレストランと工場で夫々6人のパネラーにより、図3,4に示す、6段階評価で官能テストを実行し、その統計データを取ったものである。
【0059】
6段階評価は、5:強く匂う、4:酷く匂う、3:かなり匂う、2:匂う、1:わずか匂う、0:匂わないの6段階で評価を行った。
【0060】
消臭剤の使用前を0時間、3時間後、5時間後の3回官能テストしてもらいその平均値をもって使用前の臭いの強度を集計平均し使用前の状況とした。
【0061】
次に本発明の多機能消臭剤を設置後、夫々、0〜6時間後まで1時間ごとに官能テストを同一の基準で実行してもらい、その統計データを集計平均した。
【0062】
その結果によると、図3に示す、沖縄県内のレストランの厨房での測定結果では、本発明の多機能消臭剤を使用しない場合は、6人の平均値は3.61であったのに対し、使用した場合では、設置後の1時間後では2.67、2時間後では1.33、3時間後では0.50、4時間後では0.17、5時間以降は0という結果が得られたのである。
【0063】
図4に示す、沖縄県内の工場のトイレでの測定結果では、本発明の多機能消臭剤1を使用しない場合は、6人の平均値は4.39であったのに対し、使用した場合では、設置後の1時間後では3.33、2時間後では2.17、3時間後では1.67、4時間後では0.33、5時間以降は0という結果が得られたのである。
【0064】
上記の図3,4に示すごとく官能テストにより明確な効果を、確認することができた。
【0065】
図5は、悪臭の中でも特に代表的なアンモニアに関してその効果を測定したもので、フラスコに、200ミリリットルの水と1ミリリットルのアンモニアを混合したものを30リットルの容器に充填しアンモニア水溶液を気化させた後、従来の貝殻消臭剤をその中に配置し30分ごとに濃度を測定し、次に従来の炭消臭剤をその中に配置し30分ごとに濃度を測定し、更に本発明の多機能消臭剤をその中に配置し30分ごとに濃度を測定したものである。
【0066】
その結果、スタート時には、アンモニアの濃度は150ppmであったが、60分後では従来の貝殻消臭剤の場合は140ppm、従来の炭消臭剤では、70ppm、本発明の多機能消臭剤では、50ppmであった。
【0067】
120分後では、夫々、135ppm、40ppm、20ppmとなり、180分後では、135ppm、40ppm、20ppmとなり、本発明の多機能消臭剤の強い消臭効果を示した。
【0068】
更に5時間後では従来の貝殻消臭剤の場合は135ppm、従来の炭消臭剤では、11ppm、本発明の多機能消臭剤では、3.5ppmと極めて大きな消臭効果を示している。
【0069】
図6は本発明の多機能消臭剤1の吸放湿性を示すもので、建材の吸放湿性を有する吸放湿ボードそれ自体と、その上に通常の塩化ビニール製の壁紙を張った場合と本発明の多機能消臭剤1で、吸放湿ボードの表面を、コーテーィング塗装した場合の効果を示している。
【0070】
C、C’のカーブは吸放湿ボードの上に通常の塩化ビニール製の壁紙を張った場合の時間経過による吸放湿量(g/m2)が、100時間経過後に、Cの吸湿量が約60(g/m2)であり、C’の放湿量が約−100(g/m2)であるのに対し、B,B’のカーブである本発明の多機能消臭剤1を吸放湿ボードの表面に、コーティング材として塗装した場合の時間経過による吸放湿量(g/m2)が、100時間経過後に、Bの吸湿量が約190(g/m2)であり、B’の放湿量が約−220(g/m2)の吸放湿性を有する結果が示されている。
【0071】
図7は、本発明の多機能消臭剤1のカビ抵抗性試験の結果を示すもので、それによると、本発明の多機能消臭剤1を使用した場合と使用しない場合では、28日経過後の試料表面のカビ発育状態は、本発明の多機能消臭剤1を使用した場合はかび抵抗性の表示IIIである「試料の接種した部分に菌糸の発育が認められない」のに対し、本発明の多機能消臭剤を使用しない場合は、7日経過後に、かび抵抗性の表示IIである「菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超えない発生」となり、21日経過後には、かび抵抗性の表示Iである「菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超える」結果となっている。
【0072】
図8は、焼成した帆立貝殻の酸化カルシウム粒を混入させた貝殻粒2の粉末の大腸菌に対する殺菌効果を示すものである。
【0073】
図8に示されるごとく、大腸菌培養液のみの場合は、5時間後に94%の大腸菌が生存しているのに対し、焼成した帆立貝殻の粒を混入させた貝殻粒2の粉末を添加した場合は、10のマイナス4乗%の発生しかなく、1万分の1以下の生存率となっている。
【0074】
図9は、本発明の多機能消臭剤1の化学物質低減性を示すもので、本発明の多機能消臭剤1をコーティング材として建築壁の表面を、塗装した場合のホルムアルデヒドの濃度を測定したもので、スタート時、ホルムアルデヒドの濃度1.2ppmであったのに対し、7時間後に、0.01ppmに低減された効果を示している。
【0075】
図10は、本発明の実施例4の多機能消臭剤1の製造方法を示すものであり、図10に示す如く産業廃棄物である帆立貝等の炭酸カルシウムの方解石型結晶構造をもつ貝殻を採集する第1の工程。
【0076】
該貝殻を、天火乾燥することにより硬化させる第2の工程。
【0077】
この第2の工程は、貝殻の状態により、省略することが出来る。
【0078】
次に、該貝殻を相当直径100〜500ミクロン(望ましくは200ミクロン以下)に、いずれかの粉砕機により粉砕し、本発明の多機能消臭剤1に用いられた貝殻粒2を製造する第3の工程。
【0079】
本発明の多機能消臭剤に用いられた炭素粒3の粉末を製造する第4の工程。
これも前述の木炭、竹炭、椰子ガラ活性炭等の炭を、相当直径100〜1000ミクロン以下(望ましくは300ミクロン以下)に、いずれかの粉砕機により粉砕し、本発明の多機能消臭剤に用いられた炭素粒3を製造する工程である。
【0080】
次に、結合材4は、通気性を有し、前記貝殻粒2と炭素粒3の結合に適したものを用い、例えば、天然素材であって結合性を有する水溶性の高分子化合物としてのカゼイン、植物性蛋白、膠、ゼラチン、トラカントゴム、アラビヤゴム、澱粉、デキストリン、酢酸セルロースまたは、ヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)等や、または結合性を有する水溶性の合成高分子化合物である酢酸ビニール樹脂、ポリビニールアルコール等を一部、若しくは、主成分として、含有する結合材が用いられ、乾燥時、溶剤が蒸発、揮発し多孔質となり通気性を保有するように、予め調製された結合材4を製造する第5の工程。
【0081】
次に、ミキサーの中で貝殻粒2と炭素粒3と、結合材4を混練する第6の工程。
【0082】
これら1〜6の工程を経て、本発明の実施例1の多機能消臭剤が製造される。
【0083】
さらに、図11は、本発明の実施例2の多機能消臭剤5の製造方法を示すものである。
【0084】
その製造工程は、上記の実施例1の製造工程に、以下の工程を加えることで行われる。
【0085】
木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂、等の消臭性とともに吸収性を有する材料を2〜50ミリの粒度に粉砕し、吸収持続性担体6を製造する第7の工程。
【0086】
ミキサーの中で貝殻粒2と炭素粒3と、結合材4を混練し、コーティング材7を製造する第8の工程。
【0087】
吸収持続性担体6の外面に、第8の工程で得られたコーティング剤7をミキサーの中でコーティングする第9の工程。
【0088】
これら1〜9の工程を経て、本発明の実施例2の多機能消臭剤が製造される。
もちろん、第8の工程と第9の工程は、同一のミキサー内で、同時に処理することにより、第8の工程を省略し、製造の工程削減を図ることも出来る。
【0089】
【発明の効果】
前述したとおり、家庭の居室や病院、オフイス、ホテル、レストラン、老人ホーム等の人の生活空間における悪臭、または獣舎、鶏舎、工場等の各種の環境から発生する悪臭を低減する消臭剤において、強い消臭性を有し、現実の居住空間に求められる消臭性能の持続性を有し、カビ等を防ぎ雑菌を殺す抗菌性を持ち、また、室内の結露を防ぐ吸放湿性を有していたり、最近問題視されている建材の含有するホルムアルデヒド、揮発性有害物質(VOC)等のシックハウス症候群を引き起こす化学物質の悪影響を低減し、かつ、防虫効果を有している。
また、本発明の多機能消臭剤を構成する、貝殻粒と炭素粒を、結合する結合材の結合力の低下、及び実施例2の吸収持続性担体との結合力の低下を防ぐことにより、それらの複合効果を発揮する機能を有している。
また、本発明の多機能消臭剤を、室内や、居住空間に配置して用いる場合に、炭等の微粉化を防ぎ、また手や衣服を汚さずに使用できる実用性に優れている。
さらには、産業廃棄物である帆立貝等の貝殻の再資源活用技術として地球環境対策に貢献し、加えて、安価に製造できるという、画期的な多機能消臭材、および、その製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の多機能消臭剤1の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【図2】本発明の実施例2の多機能消臭剤5の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【図3】
【図4】本発明の多機能消臭剤の消臭性の官能試験例を示す。
【図5】本発明の多機能消臭剤のアンモニアの濃度変化による消臭性を示す試験例を示す。
【図6】本発明の多機能消臭剤の吸放湿性の試験例を示す。
【図7】本発明の多機能消臭剤のカビ抵抗性の試験例を示す。
【図8】焼成した帆立貝殻の粒を混入させた貝殻粒2の粉末の大腸菌に対する殺菌効果の1例を示す。
【図9】本発明の多機能消臭剤の化学物質低減性の1例を示す。
【図10】本発明の多機能消臭剤1の製造方法を示すブロック図。
【図11】本発明の多機能消臭剤5の製造方法を示すブロック図。
【符号の説明】
1、5……多機能消臭剤
2……貝殻粒
3……炭素粒
4……結合材
6……吸収持続性担体
7……コーティング材
【発明の属する技術分野】
本発明は、家庭、病院、オフイス、ホテル、レストラン、老人ホーム等の居室、トイレ、厨房等の入の生活空間における悪臭、または獣舎、鶏舎、工場等の各種の環境から発生する悪臭を低減し、かつ、抗菌性、吸放湿性、化学物質低減作用、防虫効果を有する多機能消臭剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より家庭の居室や病院、オフイス、ホテル、レストラン、老人ホーム等の人の生活空間における悪臭、または獣舎、鶏舎、工場等の各種の環境から発生する悪臭を低減する消臭剤として種々のものが、夫々、単独に用いられて来た。
【0003】
しかるに、現実の居住空間に求められる強い消臭性を持ち、カビ等を防ぎ雑菌を殺す抗菌性を持ち、また、室内の結露を防ぐ吸放湿性を有していたり、最近問題視されている建材の含有するホルムアルデヒド、揮発性有害物質(VOC)等のシックハウス症候群を引き起こす化学物質の悪影響を低減し、かつ、防虫効果を有する複合機能を有する消臭剤が求められていた。
【0004】
加えて、上記の機能に加え、消臭性能の強い持続性を有する複合機能を有する消臭剤が求められていた。
【0005】
しかし、従来の消臭剤では、それらの複合機能を有しておらず、人にやさしい快適空間を確保できる複合機能を有する多機能消臭剤が強く求められてきたが、いまだ得られていない現状であった。
【0006】
また、消臭剤は、室内や、居住空間等に配置して用いるのであるが、その場合、空気との接触をよくするため、通気性の良い開孔を持った籠や目の粗いネット、布袋等に入れ、用いられる。
【0007】
この場合に、従来の炭消臭剤、及び貝殻消臭剤単独では、どちらも、粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、それだけでは、実用的でない欠点を有していた。
【0008】
一方、従来の帆立貝を主成分とする消臭剤は、産業廃棄物としては、安価であるが、消臭剤とするには、大量に要するため単独使用では、高価となり、実用的でない、難点を有していた。
【0009】
そのため、これらの欠点を無くした多機能消臭剤が望まれていた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の欠点をかいけつするために、前述したそれらの複合機能を有する画期的な多機能消臭剤、及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
人の生活空間、または生活環境の各種の悪臭を低減する消臭剤において、方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒と、焼成して得た炭を粉砕した炭素粒と結合材を混練し、貝殻粒の抗菌力により、結合材に発生するカビおよび雑菌の繁殖を抑えることにより結合力を低下させないとともに、結合材が、貝殻粒、および炭素粒の微粉化を防ぎ、また、手、衣服等の汚染を防止することを特徴とする多機能消臭剤を提供する。
【0012】
また、請求項1記載の多機能消臭剤において、一つの粒の中心コア部に吸収持続性担体が配置され、その外周には方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒と、焼成して得た炭を粉砕した炭素粒と結合材を混練したコーティング材が配置され、結合材を介して吸収持続性担体の外周にコーティング材が、結合固化しており、吸収持続性担体が、コア部に配置されることにより、消臭力等が、持続されるとともに、貝殻粒の抗菌力により、結合材に発生するカビおよび雑菌の繁殖を抑えることにより結合力を低下させないとともに、結合材が前記吸収持続性担体、貝殻粒、および炭素粒の微粉化を防ぎ、また、手、衣服等の汚染を防止することを特徴とする多機能消臭剤を提供する。
【0013】
また、貝殻粒は、帆立貝等の炭酸カルシウムの方解石型結晶構造を持つ貝殻を相当直径100〜1000ミクロン以下に粉砕したものであり、炭素粒は木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭を、相当直径100〜1000ミクロン位以下に粉砕したもので、結合材は、例えば、天然素材であって結合性を有する水溶性の高分子化合物としてのカゼイン、植物性蛋白、膠、ゼラチン、トラカントゴム、アラビヤゴム、澱粉、デキストリン、酢酸セルロース、または、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)や、または結合性を有する水溶性の合成高分子化合物である酢酸ビニール樹脂、ポリビニールアルコールの成分を一部、または主成分として含有し、乾燥時、溶剤が蒸発、揮発し多孔質となり通気性を保有する結合材を用い、吸収持続性担体は、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂の消臭性とともに吸収性を有する材料を2〜50ミリの粒度に粉砕したものであることを特徴とする請求項1および2に記載の多機能消臭剤を提供する。
【0014】
また、請求項1、請求項2、および請求項3に記載の多機能消臭剤において、炭酸カルシウムの方解石型結晶構造をもつ貝殻を採集する第1の工程と、該貝殻をいずれかの粉砕機により粉砕し、貝殻粒を製造する第3の工程と、炭を、いずれかの粉砕機により粉砕し、炭素粒の粉末を製造する第4の工程と、予め調製された結合材を製造する第5の工程と、ミキサーの中で貝殻粒と炭素粒と結合材を混練する第6の工程と、または、更に加えて、炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂の消臭性とともに吸収性を有する材料をいずれかの粉砕機で粉砕した吸収持続性担体を製造する第7の工程と、ミキサーの中で貝殻粒と炭素粒と、結合材を混練したコーティング材を、吸収持続性担体の外面にコーティングする第9の工程により多機能消臭剤を製造する方法を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例について、説明する。
【0016】
(実施例1)
図1は本発明の多機能消臭剤1の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【0017】
本実施例の多機能消臭剤1の一つの粒は、方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒2と、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭を粉砕した炭素粒3と結合材4が、ミキサーにより混練され、乾燥後結合、固化している。
【0018】
貝殻粒2の特性に付いて述べると、帆立貝等の炭酸カルシウムの方解石型結晶構造を持つ貝殻を相当直径100〜1000ミクロン以下(望ましくは300ミクロン以下)に粉砕したもので、その貝殻粒2は、図1の模式図に示すごとく、針状結晶が剣山状に密に詰まって敷き並べている結晶構造、若しくは板状の多重層結晶構造による多孔質構造となっている。
【0019】
前記貝殻粒2の代表的主原料である帆立貝の貝殻は、産業廃棄物として、年間15万トン廃棄処分されており、沿岸漁業での廃棄物削減と未利用資源の有効活用が強く望まれている材料であるため、産業上、安価に大量入手することが可能であり、かつ前述の日本の産業廃棄物問題、地球温暖化防止、環境対策となる、極めて有効な資源活用の方法を提供するものである。
【0020】
該貝殻粒2の性質は、その多孔質構造により、優れた消臭性を有しており、加えて、帆立貝の貝殻の粒子はアルカリ性のため、大腸菌等に対し殺菌力が実証されており、カビ等を防ぎ、雑菌を殺す抗菌性を持つため、このことが、結合材4の表面や内部に発生するカビや雑菌を殺す効果を発揮する。
【0021】
結合材4は、その表面や内部にカビや雑菌の発生すると、その結合力が著しく低下するという欠点を有しているが、該貝殻粒2のカビ等を防ぎ雑菌を殺す抗菌性により、結合材4の持つ欠点を補う効果を発揮することが分かった。
【0022】
特に帆立貝の粉砕した粒子をセラミック製の壷に入れて、1000℃の温度で10分から3時間位、焼成すると、酸化カルシウム粉末となり、この性質は大腸菌の滅菌に更なる効果を有することが分かった。
【0023】
この場合は貝殻粒2は、粉砕しただけの貝殻粒の粒子と焼成した酸化カルシウムの粒子の混合物を使用することとなる。
【0024】
また、前記貝殻粒2は、室内の結露を防ぐ吸放湿性を有している。
【0025】
さらに、最近問題視されている建材の含有するホルムアルデヒド、揮発性有害物質(VOC)等のシックハウス症候群を引き起こす化学物質の悪影響を低減する性質も有している。
【0026】
次に、前記炭素粒3は木炭、竹炭、椰子ガラ活性炭等の炭を、相当直径100〜1000ミクロン以下(望ましくは300ミクロン以下)に粉砕したもので、それ本来が臭いの粒子を吸収する強い消臭能力や吸放湿性を備える。
【0027】
加えて、炭素粒3は、貝殻粒2には無い防虫効果があり、昔から農業での防虫用に使われている。
【0028】
また、炭素粒3は自らが発生する遠赤外線により、空気中の水分に作用してマイナスイオンを発生する。
【0029】
このマイナスイオンは抗酸化物質で、人間の体内に吸収されると活性酸素を中和する働きが有り、また臭いの物質が存在していても人間が感知しにくくなる消臭効果も有することが、知られている。
【0030】
これらの前記貝殻粒2と前記炭素粒3の粒子を混合結合すると、上述した多くの複合性能を有する消臭剤を構成することが出来るが、そのためにはそれらを結合する結合材4が必要である。
【0031】
この結合材は通気性があり、前記貝殻粒2と炭素粒3の結合に適したものが必要で、例えば、天然素材であって結合性を有する水溶性の高分子化合物としてのカゼイン、植物性蛋白、膠、ゼラチン、トラカントゴム、アラビヤゴム、澱粉、デキストリン、酢酸セルロースまたは、ヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)等や、または結合性を有する水溶性の合成高分子化合物である酢酸ビニール樹脂、ポリビニールアルコール等を一部、若しくは、主成分として、含有する結合材が用いられ、乾燥時、溶剤が蒸発揮発し多孔質となり通気性を保有する結合材を選定する。
【0032】
しかるに、該結合材4は、カビや雑菌の繁殖に弱く、もしガビや雑菌が繁殖すると、その結合力は大幅に落ちてしまうという欠点を有している。
【0033】
前述した如く、前記貝殻粒2の抗菌性により、カビおよび雑菌の繁殖を大幅に抑え、結合力が低下しないということが分かったのである。
【0034】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4はミキサー等により混練されることにより図1に示す粒子を構成し、複合機能を有するものとなる。
【0035】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4の混合比率は、重量比で、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.2〜1.5、結合材4は、0.01〜0.04とする。
【0036】
特に望ましくは、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.7〜1.3、結合材5は、0.02〜0.03とする。
【0037】
それに、混練し易いように適量の水等の溶剤を加え、ミキサー等により混練し、多機能消臭剤1を構成する。
【0038】
また、本発明の多機能消臭剤は、室内や、居住空間に配置して用いるのであるが、その場合、空気との接触をよくするため、通気性の良い開孔を持った籠や目の粗いネット、布袋等に入れ用いられる。
【0039】
この場合に、炭、貝殻等は、粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、それだけでは、実用的でない欠点を有していたが、本発明の貝殻粒2と炭素粒3と結合材4を混練した多機能消臭剤1では、貝殻粒2および炭素粒3の微粉化を防ぎ、手、衣服等に全く汚れが着かない極めて実用的な効果を発揮する結果が得られた。
【0040】
このことにより、本発明の多機能消臭剤1は、人が触れたり、衣服が触れたりする通常の生活空間に使用できるようになり、実際の使用をきわめて容易にする、優れた使用性を有することとなったのである。
【0041】
(実施例2)
図2は本発明の実施例2の多機能消臭剤5の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【0042】
この実施例においては、一つの粒の多機能消臭剤5は、その中心のコア部分に吸収持続性担体6を配置し、該吸収持続性担体6は、木材、竹等、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂、等の消臭性とともに吸収性を有する材料を2〜50ミリの粒度に粉砕したものである。
【0043】
前記吸収持続性担体6の外周には、実施例1と同一の方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒2と、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭を粉砕した炭素粒3とが配置され、前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4は、予めミキサーにより混練されたコーティング剤7を構成し、該コーティング剤7は、該結合材4が結合力を有する状態で、前記吸収持続性担体6の外周にコーティングされ、乾燥後、結合、固化している。
【0044】
もちろん、工程省略のため、貝殻粒2と、炭素粒3と結合材4と吸収持続性担体6とを同一のミキサー内で混練し、コーティングし、乾燥後、結合、固化することも出来る。
【0045】
貝殻粒2と、炭素粒3と、結合材4の特性、機能、効果等は実施例1の多機能消臭剤1と、同様であり、重複を避けるため、その説明は省略する。
【0046】
しかるに、本実施例2においては、更に、機能は向上し、相乗効果を発揮することが分かったのである。
【0047】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4は、予め混練され、コーティング剤7を構成し、該コーティング剤7は、該結合材4が結合力を有する状態で、前記吸収持続性担体6の外周に図2に示すように通気性を保って、外周にコーティングされている。
【0048】
前記貝殻粒2と炭素粒3と結合材4の混合比率は、重量比で、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.2〜1.5、結合材4は、0.01〜0.04とする。
【0049】
特に望ましくは、炭素粒3を1.0とすると、貝殻粒2は、0.7〜1.3、結合材4は、0.02〜0.03とする。
【0050】
それに、混練し易いように適量の水等の溶剤を加え、ミキサー等により混練し、コーティング剤7を構成する。
【0051】
吸収持続性担体6は、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂等の材料を2〜50ミリの粒度に粉砕したものであるが、本来、吸収持続性担体6それ自体が消臭力と吸収性を有する材料であり、特に炭の吸収持続性担体6の場合は、前述した炭素粒3の性質をそのまま具備していることは、明白であり、改めて、詳説する必要は無いので省略するが、該吸収持続性担体6が中心のコア部分にあることより、外側の貝殻粒2と炭素粒3の効果を表面だけに終わらせること無く、内部に、引き込む作用があることが分かった。
【0052】
すなわち、貝殻粒2と炭素粒3の外部表面が、消臭等の効果を発揮し、吸収能力が低下してきても、該吸収持続性担体6が吸収力を有しているため、内部に引き込み、貝殻粒2と炭素粒3と吸収持続性担体6とで構成される内側空間部分の面に、臭気等の成分が引き込まれ、更に該吸収持続性担体6の吸収力が、相乗効果的に働いて、消臭能力を始めとする効果を、長期間持続させる効果が、発揮されることが分かったのである。
【0053】
また、本発明の多機能消臭剤は、室内や、居住空間に配置して用いるのであるが、その場合、空気との接触をよくするため、通気性の良い開孔を持った籠や目の粗いネット、布袋等に入れ、用いられる。
【0054】
この場合に、炭、貝殻等は、粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、それだけでは、実用的でない欠点を有していたが、吸収持続性担体6は、木材、竹、揶子ガラ等を焼成して得た炭等で構成することが多用されているが、同様に粉末が出易く、手で触ると、手が汚れたり、衣服を汚したりするため、同様の実用的でない欠点を有していたが、本発明の貝殻粒2と炭素粒3と結合材4を混練したコーティング材7をコーティングすると、吸収持続性担体6と、貝殻粒2および炭素粒3の微粉化を防ぎ、手、衣服等に、全く汚れが着かない、極めて実用的な効果を発揮する結果が、得られた。
【0055】
このことにより、実施例2の多機能消臭剤も、人が触れたり、衣服が触れたりする、通常の生活空間に使用できるようになり、実際の使用をきわめて容易にする、優れた使用性を有することとなったのである。
【0056】
以下、本発明の多機能消臭剤の実験データを示す。
【0057】
これらの図3から図9の実験データは、実施例1について測定したものであるが、実施例2もコーティング材7として同一の構成であるため同一の効果を有し、更に多機能消臭剤の効果の持続性を高めたものであるため測定データについては実施例2もその効果は、同等である。
【0058】
図3,4は、本発明の実施例1の消臭効果を実験した官能テスト結果を示すもので、沖縄県内のレストランと工場で夫々6人のパネラーにより、図3,4に示す、6段階評価で官能テストを実行し、その統計データを取ったものである。
【0059】
6段階評価は、5:強く匂う、4:酷く匂う、3:かなり匂う、2:匂う、1:わずか匂う、0:匂わないの6段階で評価を行った。
【0060】
消臭剤の使用前を0時間、3時間後、5時間後の3回官能テストしてもらいその平均値をもって使用前の臭いの強度を集計平均し使用前の状況とした。
【0061】
次に本発明の多機能消臭剤を設置後、夫々、0〜6時間後まで1時間ごとに官能テストを同一の基準で実行してもらい、その統計データを集計平均した。
【0062】
その結果によると、図3に示す、沖縄県内のレストランの厨房での測定結果では、本発明の多機能消臭剤を使用しない場合は、6人の平均値は3.61であったのに対し、使用した場合では、設置後の1時間後では2.67、2時間後では1.33、3時間後では0.50、4時間後では0.17、5時間以降は0という結果が得られたのである。
【0063】
図4に示す、沖縄県内の工場のトイレでの測定結果では、本発明の多機能消臭剤1を使用しない場合は、6人の平均値は4.39であったのに対し、使用した場合では、設置後の1時間後では3.33、2時間後では2.17、3時間後では1.67、4時間後では0.33、5時間以降は0という結果が得られたのである。
【0064】
上記の図3,4に示すごとく官能テストにより明確な効果を、確認することができた。
【0065】
図5は、悪臭の中でも特に代表的なアンモニアに関してその効果を測定したもので、フラスコに、200ミリリットルの水と1ミリリットルのアンモニアを混合したものを30リットルの容器に充填しアンモニア水溶液を気化させた後、従来の貝殻消臭剤をその中に配置し30分ごとに濃度を測定し、次に従来の炭消臭剤をその中に配置し30分ごとに濃度を測定し、更に本発明の多機能消臭剤をその中に配置し30分ごとに濃度を測定したものである。
【0066】
その結果、スタート時には、アンモニアの濃度は150ppmであったが、60分後では従来の貝殻消臭剤の場合は140ppm、従来の炭消臭剤では、70ppm、本発明の多機能消臭剤では、50ppmであった。
【0067】
120分後では、夫々、135ppm、40ppm、20ppmとなり、180分後では、135ppm、40ppm、20ppmとなり、本発明の多機能消臭剤の強い消臭効果を示した。
【0068】
更に5時間後では従来の貝殻消臭剤の場合は135ppm、従来の炭消臭剤では、11ppm、本発明の多機能消臭剤では、3.5ppmと極めて大きな消臭効果を示している。
【0069】
図6は本発明の多機能消臭剤1の吸放湿性を示すもので、建材の吸放湿性を有する吸放湿ボードそれ自体と、その上に通常の塩化ビニール製の壁紙を張った場合と本発明の多機能消臭剤1で、吸放湿ボードの表面を、コーテーィング塗装した場合の効果を示している。
【0070】
C、C’のカーブは吸放湿ボードの上に通常の塩化ビニール製の壁紙を張った場合の時間経過による吸放湿量(g/m2)が、100時間経過後に、Cの吸湿量が約60(g/m2)であり、C’の放湿量が約−100(g/m2)であるのに対し、B,B’のカーブである本発明の多機能消臭剤1を吸放湿ボードの表面に、コーティング材として塗装した場合の時間経過による吸放湿量(g/m2)が、100時間経過後に、Bの吸湿量が約190(g/m2)であり、B’の放湿量が約−220(g/m2)の吸放湿性を有する結果が示されている。
【0071】
図7は、本発明の多機能消臭剤1のカビ抵抗性試験の結果を示すもので、それによると、本発明の多機能消臭剤1を使用した場合と使用しない場合では、28日経過後の試料表面のカビ発育状態は、本発明の多機能消臭剤1を使用した場合はかび抵抗性の表示IIIである「試料の接種した部分に菌糸の発育が認められない」のに対し、本発明の多機能消臭剤を使用しない場合は、7日経過後に、かび抵抗性の表示IIである「菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超えない発生」となり、21日経過後には、かび抵抗性の表示Iである「菌糸の発育部分の面積は、全面積の1/3を超える」結果となっている。
【0072】
図8は、焼成した帆立貝殻の酸化カルシウム粒を混入させた貝殻粒2の粉末の大腸菌に対する殺菌効果を示すものである。
【0073】
図8に示されるごとく、大腸菌培養液のみの場合は、5時間後に94%の大腸菌が生存しているのに対し、焼成した帆立貝殻の粒を混入させた貝殻粒2の粉末を添加した場合は、10のマイナス4乗%の発生しかなく、1万分の1以下の生存率となっている。
【0074】
図9は、本発明の多機能消臭剤1の化学物質低減性を示すもので、本発明の多機能消臭剤1をコーティング材として建築壁の表面を、塗装した場合のホルムアルデヒドの濃度を測定したもので、スタート時、ホルムアルデヒドの濃度1.2ppmであったのに対し、7時間後に、0.01ppmに低減された効果を示している。
【0075】
図10は、本発明の実施例4の多機能消臭剤1の製造方法を示すものであり、図10に示す如く産業廃棄物である帆立貝等の炭酸カルシウムの方解石型結晶構造をもつ貝殻を採集する第1の工程。
【0076】
該貝殻を、天火乾燥することにより硬化させる第2の工程。
【0077】
この第2の工程は、貝殻の状態により、省略することが出来る。
【0078】
次に、該貝殻を相当直径100〜500ミクロン(望ましくは200ミクロン以下)に、いずれかの粉砕機により粉砕し、本発明の多機能消臭剤1に用いられた貝殻粒2を製造する第3の工程。
【0079】
本発明の多機能消臭剤に用いられた炭素粒3の粉末を製造する第4の工程。
これも前述の木炭、竹炭、椰子ガラ活性炭等の炭を、相当直径100〜1000ミクロン以下(望ましくは300ミクロン以下)に、いずれかの粉砕機により粉砕し、本発明の多機能消臭剤に用いられた炭素粒3を製造する工程である。
【0080】
次に、結合材4は、通気性を有し、前記貝殻粒2と炭素粒3の結合に適したものを用い、例えば、天然素材であって結合性を有する水溶性の高分子化合物としてのカゼイン、植物性蛋白、膠、ゼラチン、トラカントゴム、アラビヤゴム、澱粉、デキストリン、酢酸セルロースまたは、ヒドロキシプロピルセルロース(HPMC)等や、または結合性を有する水溶性の合成高分子化合物である酢酸ビニール樹脂、ポリビニールアルコール等を一部、若しくは、主成分として、含有する結合材が用いられ、乾燥時、溶剤が蒸発、揮発し多孔質となり通気性を保有するように、予め調製された結合材4を製造する第5の工程。
【0081】
次に、ミキサーの中で貝殻粒2と炭素粒3と、結合材4を混練する第6の工程。
【0082】
これら1〜6の工程を経て、本発明の実施例1の多機能消臭剤が製造される。
【0083】
さらに、図11は、本発明の実施例2の多機能消臭剤5の製造方法を示すものである。
【0084】
その製造工程は、上記の実施例1の製造工程に、以下の工程を加えることで行われる。
【0085】
木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂、等の消臭性とともに吸収性を有する材料を2〜50ミリの粒度に粉砕し、吸収持続性担体6を製造する第7の工程。
【0086】
ミキサーの中で貝殻粒2と炭素粒3と、結合材4を混練し、コーティング材7を製造する第8の工程。
【0087】
吸収持続性担体6の外面に、第8の工程で得られたコーティング剤7をミキサーの中でコーティングする第9の工程。
【0088】
これら1〜9の工程を経て、本発明の実施例2の多機能消臭剤が製造される。
もちろん、第8の工程と第9の工程は、同一のミキサー内で、同時に処理することにより、第8の工程を省略し、製造の工程削減を図ることも出来る。
【0089】
【発明の効果】
前述したとおり、家庭の居室や病院、オフイス、ホテル、レストラン、老人ホーム等の人の生活空間における悪臭、または獣舎、鶏舎、工場等の各種の環境から発生する悪臭を低減する消臭剤において、強い消臭性を有し、現実の居住空間に求められる消臭性能の持続性を有し、カビ等を防ぎ雑菌を殺す抗菌性を持ち、また、室内の結露を防ぐ吸放湿性を有していたり、最近問題視されている建材の含有するホルムアルデヒド、揮発性有害物質(VOC)等のシックハウス症候群を引き起こす化学物質の悪影響を低減し、かつ、防虫効果を有している。
また、本発明の多機能消臭剤を構成する、貝殻粒と炭素粒を、結合する結合材の結合力の低下、及び実施例2の吸収持続性担体との結合力の低下を防ぐことにより、それらの複合効果を発揮する機能を有している。
また、本発明の多機能消臭剤を、室内や、居住空間に配置して用いる場合に、炭等の微粉化を防ぎ、また手や衣服を汚さずに使用できる実用性に優れている。
さらには、産業廃棄物である帆立貝等の貝殻の再資源活用技術として地球環境対策に貢献し、加えて、安価に製造できるという、画期的な多機能消臭材、および、その製造方法を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1の多機能消臭剤1の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【図2】本発明の実施例2の多機能消臭剤5の一つの粒の拡大断面模式図を示す。
【図3】
【図4】本発明の多機能消臭剤の消臭性の官能試験例を示す。
【図5】本発明の多機能消臭剤のアンモニアの濃度変化による消臭性を示す試験例を示す。
【図6】本発明の多機能消臭剤の吸放湿性の試験例を示す。
【図7】本発明の多機能消臭剤のカビ抵抗性の試験例を示す。
【図8】焼成した帆立貝殻の粒を混入させた貝殻粒2の粉末の大腸菌に対する殺菌効果の1例を示す。
【図9】本発明の多機能消臭剤の化学物質低減性の1例を示す。
【図10】本発明の多機能消臭剤1の製造方法を示すブロック図。
【図11】本発明の多機能消臭剤5の製造方法を示すブロック図。
【符号の説明】
1、5……多機能消臭剤
2……貝殻粒
3……炭素粒
4……結合材
6……吸収持続性担体
7……コーティング材
Claims (4)
- 人の生活空間、または生活環境の各種の悪臭を低減する消臭剤において、方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒と、焼成して得た炭を粉砕した炭素粒と結合材を混練し、貝殻粒の抗菌力により結合材に発生するカビおよび雑菌の繁殖を抑えることにより結合力を低下させないとともに、結合材が、貝殻粒、および炭素粒の微粉化を防ぎ、また、手、衣服等の汚染を防止することを特徴とする多機能消臭剤。
- 請求項1記載の多機能消臭剤において、一つの粒の中心コア部に吸収持続性担体が配置され、その外周には方解石結晶構造を有する貝殻を粉砕した貝殻粒と、焼成して得た炭を粉砕した炭素粒と結合材を混練したコーティング材が配置され、結合材を介して吸収持続性担体の外周にコーティング材が、結合固化しており、吸収持続性担体がコア部に配置されることにより消臭力等が、持続されるとともに、貝殻粒の抗菌力により結合材に発生するカビおよび雑菌の繁殖を抑えることにより結合力を低下させないとともに、結合材が前記吸収持続性担体、貝殻粒、および炭素粒の微粉化を防ぎ、また、手、衣服等の汚染を防止することを特徴とする多機能消臭剤。
- 貝殻粒は、帆立貝等の炭酸カルシウムの方解石型結晶構造を持つ貝殻を相当直径100〜1000ミクロン以下に粉砕したものであり、炭素粒は本材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭を、相当直径100〜1000ミクロン以下に粉砕したもので、結合材は、例えば天然素材であって結合性を有する水溶性の高分子化合物としてのカゼイン、植物性蛋白、膠、ゼラチン、トラカントゴム、アラビヤゴム、澱粉、デキストリン、酢酸セルロース、または、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)や、または結合性を有する水溶性の合成高分子化合物である酢酸ビニール樹脂、ポリビニールアルコールの成分を一部、または主成分として含有し、乾燥時、溶剤が蒸発揮発し多孔質となり通気性を保有する結合材を用い、吸収持続性担体は、木材、竹、椰子ガラ等を焼成して得た炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂の消臭性とともに吸収性を有する材料を2〜50ミリの粒度に粉砕したものであることを特徴とする請求項1および2に記載の多機能消臭剤。
- 請求項1、2、および3に記載の多機能消臭剤において、炭酸カルシウムの方解石型結晶構造をもつ貝殻を採集する第1の工程と、該貝殻をいずれかの粉砕機により粉砕し、貝殻粒を製造する第3の工程と、炭をいずれかの粉砕機により粉砕し炭素粒の粉末を製造する第4の工程と、予め調製された結合材を製造する第5の工程と、ミキサーの中で貝殻粒と炭素粒と結合材を混練する第6の工程と、または更に加えて、炭、若しくはウッドチップ、若しくは多孔質合成樹脂の消臭性とともに吸収性を有する材料をいずれかの粉砕機で粉砕した吸収持続性担体を製造する第7の工程と、ミキサーの中で貝殻粒と炭素粒と、結合材を混練したコーティング材を、吸収持続性担体の外面にコーティングする第9の工程により多機能消臭剤を製造する方法。
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