JP2004064780A - アンテナ - Google Patents

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JP2004064780A
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Hiroji Kawakami
川上 寛児
Yoshiichi Wakao
若生 伊市
Nobuyuki Matsui
松井 信幸
Yoshiaki Fukuda
福田 佳昭
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Hitachi Kokusai Electric Inc
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Abstract

【課題】磁束を電圧に変換するコイルの巻き回数を共振周波数の低下をきたすことなく増加でき、電圧感度が高いアンテナを実現する。
【解決手段】アンテナを構成する磁束収束手段1は、導体板2のほぼ中央に対象とする電磁波の波長より十分小さい穴3を設けると共に、この穴3から周辺部に達する切欠き4を設ける。そして、導体板2に対し、外周辺、穴3及び切欠き4に沿って渦電流流路面積を拡大する帯状の立上り導体8を垂直に結合させる。また、コイル11を備えた増幅器チップ10は、コイル11が導体板2の穴3に一致するように配置し、絶縁層を介して導体板2の下側に密着して固定する。電磁界収束手段20は、導体板21のほぼ中央にスロット22を設けると共に、このスロット22の周辺に沿って渦電流流路面積を拡大する帯状の立上り導体23をほぼ垂直に結合させ、磁束収束手段1の上に積層する。
【選択図】  図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電磁波を送受するアンテナに係り、特に中波帯から超短波、極超短波に利用できるアンテナに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアンテナの動作原理は次の5種に大別できる。
第1は直線、あるいはその類似形状の導電体に電界の作用により電圧を生ぜしめるもの、第2は環状導体を貫通する電磁波により該導体の始端と終端の両端に電圧を生ぜしめるもの、第3は導電体の開口周囲に生ずる渦電流を利用して概開口部に電磁波を収束せしめるもの、第4は高周波磁性体により磁束を収束し、電気巻線(コイル)により磁束を電圧に変換するもの、第5は回転放物線面状の導電体表面における反射を利用して電磁波を収束するものである。
【0003】
上記アンテナの具体的な名称を示すと、第1は短波以下の周波数帯で利用される逆Lアンテナ、同じ周波数帯、あるいはそれ以上の周波数で用いられるダイポールアンテナ及びモノポールアンテナである。FM放送やTV信号の受信に利用される八木式アンテナはダイポールアンテナに導波器と反射器を設けたものである。
第2はループアンテナである。
第3はスロットアンテナと呼ばれるものであり、携帯電話の地上局、衛星放送受信用平面アンテナなどに応用されている。
第4はフェライトアンテナ、あるいはバーアンテナと称されるものであり、高周波磁性体としてフェライトコアが使用される。
第5はパラボラアンテナであり、超短波以上の電波の送受信、あるいはレーダーのアンテナとして用いられている。
【0004】
従来、導電体による磁界収束手段は、商用周波数(50Hzあるいは60Hz)近辺の低周波で利用され、主として電磁ポンプなどの電気機械に応用されている(例えば非特許文献1参照。)。
【0005】
【非特許文献1】
K. Bessho、et al.“A HIGH MAGNETIC FIELD GENERATOR BASED ON THE EDDY−CURRENT EFFECT”, IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, VOL.22, NO.5, pp. 970−pp. 972, JULY 1986 及び、K. Bessho、et al. “ANALYSIS OF A NOVEL LAMINATED COILUSING EDDY CURRENS FOR AC HIGH MAGNETIC FIELD”, IEEE TRANSACTIONS ON MAGNETICS, VOL.25, NO.4, pp. 2855−pp. 2857, JULY 1989
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記第1と第3のアンテナの出力電圧最大値は電界強度とアンテナ長の積であり、大きなアンテナ利得を期待できないという欠点を持っている。この欠点を補うため、第3のアンテナの場合、複数のアンテナを並列に接続することにより、低インピーダンスの負荷に対して大きな出力電力を得る使用方法が取られている。
【0007】
第2のループアンテナは、コイルが張る面を通過する磁束を検出するものであり、コイルの面積を大きくし、更にコイルの巻き回数を増すことにより出力電圧を高めることが可能である。しかし、面積の大きなコイルの巻き回数を増すとコイルのインダクタンスとコイル線間の浮遊キャパシタンスが増加し、コイルの共振周波数が低下する。該共振周波数は、送・受信を目的とする周波数より高く選ぶ必要があるため、コイルの面積及び巻き回数が制約されるという欠点を持っている。
【0008】
第4のフェライトアンテナは、フェライトコアで磁束を収束することによってコイル面積を縮小可能にしたものであり、コイル巻き回数を高めることが出来るので中波領域の高感度アンテナとして広く採用されている。しかし、1MHz以上の周波数ではフェライト磁性材料の透磁率が周波数にほぼ反比例して低下し、更に磁性材料の動作周波数上限が約10GHzであるため超短波領域以上の周波数に適用できない欠点を持っていた。
【0009】
第5のパラボラアンテナは、対象とする電磁波の波長より外形寸法が大きな回転放物線面の反射鏡を用いて電磁波を収束するため高いアンテナ利得を得られるが、指向性が強いため主として固定局に利用される。
【0010】
本発明は上記の課題を解決するためになされたもので、共振周波数の低下をきたすことなくコイルの巻き回数を増加でき、電圧感度が高く、かつ適用周波数範囲の広いアンテナを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアンテナは、導体板の中央に穴を設けると共に、この穴から外周縁辺に連結する切り欠きを設け、上記穴内に磁束を収束する磁束収束手段と、上記磁束収束手段により収束された磁束を電圧に変換する電圧変換手段とからなるアンテナ素子を複数配列したことを特徴とする。
【0012】
(作用)
本発明は、特定形状を持つ導体板の渦電流効果を利用して磁束を収束することにより高周波の磁束を微小な領域に収束する点が第1の特徴である。更に、収束された磁束を面積が小さく、共振周波数が高い多回巻き検出コイルで電圧に変換する点が第2の特徴である。本発明は上記の手段により高周波領域で高い受信感度のアンテナを実現するものである。
【0013】
従来、導電体による磁界収束手段は、上記非特許文献1に見られるように、商用周波数(50Hzあるいは60Hz)近辺の低周波で利用され、主として電磁ポンプなどの電気機械に応用されている。
【0014】
上記文献1に示された磁束収束手段は、中央に穴を持つ導電体円板の外周とこの穴にまたがる細い切り欠きを設け、渦電流の作用により円板面の垂直に与えられた交番磁束を上記穴に収束するものである。
【0015】
上記文献1は励磁コイルが発生する交番磁束を収束する応用について記述したものであり、電磁波中の磁束成分の収束に関する記述は見られない。
【0016】
本発明の磁界収束手段の作用は、基本的に上記文献1に示されている導体板(Conductive Plate)と同一であるが、本発明の磁界収束手段は数百kHzないし数GHzの極めて高い周波数範囲で使用する点も上記文献1と異なる。
【0017】
以下、上記導体板を用いた磁界収束手段の作用について、図1及び図2を参照して説明する。図1は磁界収束手段1の外観構成を示す斜視図、図2は同断面図で交番磁束の流れを示したものである。
上記磁束収束手段1は、正方形の導体板2の中央に穴3を設けると共に、この穴3から周辺部に達する切欠き4を設けたものである。
【0018】
高周波の電磁界中に該電磁界進行方向と垂直に導体板2を置くと、図1に示すように導体板2の周辺に渦電流5が生じる。この渦電流5は、電磁界が導体板2へ進入することを妨げるように作用する。この場合、上記したように導体板2に穴3及び切欠き4を設けることにより、穴3と切欠き4の周囲には周辺部と逆向きに渦電流5が流れるので、この部分の電流は磁束を収束する作用をなす。
【0019】
図2に示した交番磁束6の流れから、導体板2に設けた穴3の直径にほぼ等しい領域に磁束が収束されることが理解できる。
従って、穴3の中心と一致するように、該穴3の直径より僅かに小さな直径を持つコイルを設置すれば、収束された磁束を電圧に変換することができる。一般に、コイルのインダクタンスLは、コイル巻数の2乗とコイル面積に比例することは周知である。同時にコイルの線間寄生キャパシタンスは、コイルの電線長にほぼ比例するので、コイル直径の低減により該キャパシタンスを低減できる。
【0020】
上記磁界収束手段1を適用することによりコイルの面積を低減できる。このため上述の理由により同一巻き回数でもインダクタンスとキャパシタンスを低減でき、共振周波数を高めることが出来る。逆にコイル面積を縮小すれば、巻き回数を増しても同一の共振周波数にすることが出来る。従って、同一の電磁界強度に対して大きな受信電圧を得ることが出来る。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図3は本発明の第1実施形態に係るアンテナの分解斜視図、図4は同断面図で磁束の流れを示している。
【0022】
本発明に係るアンテナは、磁束収束手段1、増幅器チップ10及び電磁界収束手段20からなっている。上記磁束収束手段1は、正方形の導体板2の略中央に穴3を設けると共に、この穴3から周辺部に達する切欠き4を設けている。上記穴3の半径は、対象とする電磁波の波長より十分小さな値に設定される。そして、導体板2に対し、外周辺、穴3及び切欠き4に沿って帯状の立上り導体8を垂直に結合させる。この立上り導体8は、導体板2の渦電流が集中して流れる部分に、渦電流流路面積を拡大するために設けたものである。
【0023】
上記増幅器チップ10は、半導体集積回路により構成したもので、上面中央部にコイル11を形成している。上記増幅器チップ10は、コイル11が導体板2の穴3に一致するように配置され、例えば絶縁層を介して導体板2の下側に密着して固定される。
【0024】
また、電磁界収束手段20は、導体板2に比較して十分に大きい導体板21のほぼ中央にスロット22を設けている。更に、上記導体板21の上側には、渦電流が集中して流れるスロット22の周辺に沿って帯状の立上り導体23をほぼ垂直に結合させる。この立上り導体23は、渦電流流路面積を拡大するために設けたものである。
【0025】
上記磁束収束手段1の外側、つまり立上り導体8の外側と電磁界収束手段20のスロット22の内側の寸法は、対象とする電磁波の波長のほぼ2分の1に設定され、等しい正方形に形成される。上記電磁界収束手段20は、磁束収束手段1の上に絶縁した状態で積層して設けられる。なお、上記の例では、磁束収束手段1の導体板2及び電磁界収束手段20のスロット22を正方形に形成した場合について示したが、少なくとも一辺が対象とする電磁波の波長のほぼ2分の1に設定されていれば良く、正方形に限定されるものではない。すなわち、磁束収束手段1の導体板2及び電磁界収束手段20のスロット22の形状は、偏波の種類等に応じて任意に設定することが可能である。また、上記磁束収束手段1及び電磁界収束手段20における導体は、超伝導体を用いても通常の導体と同様の効果が得られるものである。
【0026】
次に上記実施形態の動作を説明する。
上記アンテナ全体の動作を図3の断面である図4で考える。但し,図4では外部交番磁束が与えられる方向を図1、図2と上下逆に示している。
【0027】
均一とみなせる電磁波がアンテナに到達すると、最初に電磁界収束手段20によって収束される。電磁界収束手段20は従来のスロットアンテナと同様の動作原理であり、寸法が電磁波波長の1/2であるスロット22の周囲を流れる渦電流により電磁界がスロット22内部に収束される。スロット22の周囲に設けた立上り導体23は渦電流に対する電気抵抗を低減する目的で設けたものであり、磁束収束手段1に設けた立上り導体8と同一の動作を行なう。
【0028】
更に、磁界収束手段1により受信する電磁波の波長と無関係にかつ波長より十分小さな半径を持つ穴3の領域内に磁束を収束する。この動作は上記図1及び図2において説明した通りである。
【0029】
本発明では、磁束収束手段1の渦電流を増すために導体板2に対して立上り導体8を設けているが、この動作を以下に説明する。
【0030】
渦電流は周波数が高くなるにつれ、表皮効果により導体板2の縁辺部に集中する。この集中幅は表皮浸透深さsと呼ばれ、次式(1)で与えられる。
【0031】
s=√(2ρ/ωμ)     ・・・(1)
但し、ρ:導体板の抵抗率、ω:角速度、μ:導体板の透磁率
非磁性導体の透磁率μは真空の透磁率とほぼ等しく、4π×10−7H/mであり、導電率ρは導体板材料が銅であるとき1.6×10−8Ω・mである。これらの値を適用すると100MHzにおける表皮浸透深さsの値は約6.4μmとなる。
【0032】
渦電流の流路全体の長さをLed、導体板2の厚みをTとするとき渦電流に対する該導体板2の電気抵抗Redは次式(2)で与えられる。
【0033】
Red =(ρ×Led/s×T)  ・・・(2)
但し、ρ:導体材料の抵抗率。銅を利用する場合、1.6×10−8Ω・mすなわち、導体板2の抵抗Redは、表皮浸透深さsと導体板厚みTに反比例する。これらの変数で、角速度(周波数)ωと導体板2の抵抗率ρが定められている場合を考慮すると、表皮浸透深さsは固定の値となる。渦電流路長さLedは、電磁波の波長(すなわち周波数の逆数)にほぼ比例して定まるので大きく縮小できないことは明らかである。これに対して導体板2の厚さTは大きな選択範囲を持つ。従って、導体板2の厚さTを大きくすることにより導体板2の抵抗Redを縮小できる。しかし、導体板2の厚さTは、渦電流が流れる部分だけ厚くすれば目的を達成できるので、図3に示した磁束収束手段1における導体板2の周囲のみ高く形成した立上り導体8、あるいは電磁界収束手段20のスロット22の周囲のみ高く形成した立上り導体23のような形状で良いことは明らかである。
【0034】
立上り導体8あるいは立上り導体23の厚みは表皮浸透深さsより厚ければ良く、その数値は先に述べたように数μmで良いため電気メッキ、あるいは無電解メッキなどの手法を用いて実現できる。例えば有機樹脂材料で作られた雌型の内面にメッキなどで銅などの導電性材料を堆積させることにより、図3に示したように複雑な形状を持つ磁束収束手段1及び電磁界収束手段20を大量にかつ安価に製造することが可能である。
【0035】
また、上記製造方法を応用すれば磁束収束手段1の穴3の直径を1mm以下にすることも容易である。更に、周波数が高い領域では磁束収束手段1及び電磁界収束手段20の寸法が小さくなり、より微細な雌型が必要になる。例えば30GHzの電磁波に適用する場合、磁束収束手段1の一辺は5mmとなり、穴3の直径は数十μmないし数百μmの寸法に仕上げなければならない。この場合、プリント配線板の製造に利用される感光性樹脂フィルムを利用して写真蝕刻法を適用すれば目的を満たすことが出来る。
【0036】
以上の説明から明らかなように磁界収束手段1の導体板2に立上り導体8を設け、同様に電磁界収束手段20の導体板21に立上り導体23を設けることにより、磁束収束手段1と電磁界収束手段20に流れる渦電流を増すことが出来、これらの効果を高めることが出来る。
【0037】
上記したように磁束収束手段1の穴3に磁束が収束される。この収束された磁束がコイル11を貫通し、該コイル11の両端子間に電圧を発生させる。コイル11を半導体集積回路上に形成することにより、次の2つの利点が得られることは明らかである。
【0038】
第1の利点はコイル11を小さく出来ることである。周知のように半導体集積回路上に幅1μm以下の配線を容易に形成できるためである。
第2の利点はコイル11の端子と増幅回路、あるいは整流回路などの電子回路との電気的接続を半導体集積回路の形成プロセス内で行えることである。コイル11と電子回路を別個に形成した場合、それらを電気的に接続するために一辺が少なくとも100μm以上の接続パッドが必要であり、該パッドの浮遊静電容量が発生し、コイル11の共振周波数を低下させる悪影響をもたらす。従って、コイル11を半導体集積回路上に形成することにより、電気接続にかかる作業を省略できるだけでなく、本発明のアンテナをより高周波まで適用可能にする効果が得られる。
【0039】
次に、電気的な動作について図5を参照して説明する。
図5は磁束収束手段1とコイル11の電気的等価回路である。ループA,ループBは、磁束収束手段1の渦電流の流路に相当するものである。すなわち、ループAは該磁束収束手段1における導体板2の外周、ループBは導体板2の穴3に対応するものとする。図4から理解できるようにループBとコイル11は磁気的に結合されているので、ループBとコイル11は変圧器と等価的な動作をすることは明らかである。このとき、1次巻線となるループBは巻き回数が1であり、コイル11の巻き回数をNとすればループBの電圧に対してコイル11の両端子間電圧はN倍になる。従って、コイル11の巻き回数Nを大きく選べばアンテナとしての感度を高めることが出来る。
【0040】
ところが巻き回数Nを無制限に増すことは出来ない。何故ならば、アンテナが受信すべき周波数frよりコイル11のインダクタンスLと該コイル11自身及び該コイル11を含む電気回路に寄生する浮遊静電容量31のキャパシタンスCによる共振周波数fcを高くしなければならないからである。コイル11のインダクタンスLはコイル巻き回数Nの2乗とコイル内部の面積の積に比例することは周知である。一方、浮遊静電容量31のキャパシタンスCのうちコイル11の線間容量はおよそ「(線の長さ)×{(N−1)/N}」に比例するので、巻き回数Nが1より十分大きい場合は線の長さにほぼ比例する。また、コイル11が図3及び図4に示すように導体板2の表面に近接して形成されている場合、該コイル11と導体板2の浮遊静電容量31は、コイル11の線の長さに比例する。従って、浮遊静電容量31の総キャパシタンスCの値は線の長さに比例するものと近似して考える。なお、図5において、32は負荷抵抗で、例えば増幅回路の入力インピーダンスである。
【0041】
コイル11が半径rの円形である場合、コイル面積は半径rの2乗に比例し、線の長さは「r×N」に比例する。すなわち、コイル11のインダクタンスLは「N×r」の2乗に比例し、浮遊静電容量31のキャパシタンスCは「N×r」に比例する。従って、共振周波数fcは次式(3)に示すようにコイル11の巻き回数Nと半径rの積の3/2乗に反比例する。この結果は巻き回数Nが大きなコイル11の共振周波数fcを高めるには該コイル11の半径rを小さくしなければならないことを示す。
【0042】
【数1】
Figure 2004064780
【0043】
上記の説明から明らかなように本発明のアンテナは、磁束収束手段1の穴3の径を受信する電磁波波長よりはるかに小さく選べるので、コイル11の共振周波数fcを低下させることなく該コイル11の巻き回数Nを増すことができる。
【0044】
(第2実施形態)
上記第1実施形態では電気的に連続した1個の導体板2からなる構造の磁束収束手段1を応用したアンテナについて説明したが、本発明の主旨はこれに限定されるものではなく、図6に示すように導体板2を電気的に分割したものを利用しても良いことは明らかである。
【0045】
図6(a)は1/2波長×1/4波長の導体板2’を2個対称的に配置した例を示す。この場合、2つの導体板2’の相互に近接する辺の中央部を内側に窪まして等価的な穴3’を形成する。
【0046】
図6(a)に示すように渦電流5は、2つの導体板2’に対して同一向きに流れるので、それぞれの窪みが対向した個所が等価的な穴3’として作用することは明らかである。
【0047】
また、図1と比較すれば明らかなように、図6(a)の実施形態では渦電流5の流路長が短縮されるため、渦電流5に対する抵抗Redを低減できる利点がある。更に、図6(b)に示すように一辺が1/4波長の導体板2”を4個配列することにより渦電流の流路が更に短縮され、抵抗Redを更に低減できる。この場合、4個の導体板2”の中心に位置する角部をそれぞれ内側に窪まして等価的な穴3”を形成する。
【0048】
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、上記本発明のアンテナを図7に示すように複数配列して利用するものである。上記図7は、複数のアンテナを接続した場合の電気的等価回路である。
【0049】
従来、図3に示した電磁界収束手段20のスロット22に対応した位置にパッチと呼ばれる平板電極を配置したアンテナを一組とし、複数組のアンテナを配列したものが例えば人工衛星放送受信用などに利用されることがある。この場合、各々のパッチ電圧を加算することが出来ないので、インピーダンスが低い負荷に大きな電力を供給する目的で並列接続していた。
【0050】
しかし、本発明のアンテナにおけるコイル11は、接地面電位に独立に動作するので、図7に示すように複数のアンテナのコイル11及び11’を直列接続することにより、それぞれが発生した電圧を加算できる。電圧を加算する場合、コイル11、11’から電圧を加算する点までの位相遅れを一致させる必要がある。一つの方法はコイル11、11’から電圧を加算する点までの配線長さを一致させることである。他の方法は図7に示すように遅延線33を介して接続し、遅れが無いコイル出力に対して遅延線33を利用して位相を360度ずらした後、加算するものである。
【0051】
通常、プリント配線板における配線中の信号伝播速度は、光速度の1/2よりやや大きい。一方、磁束収束手段1の大きさは1/2波長であるので、磁束収束手段1とコイル11を1/2波長より僅か大きな間隔で配列し、プリント配線板で電気的に接続すれば目的を満たすことが出来る。また、コイル11、11’の巻方向を逆にすれば位相が180度ずれるので、遅延線33は位相を180度だけずらせるものを利用すればよい。
【0052】
【実施例】
市販のUHF帯域用八木式アンテナの導波器を残し、ダイポールアンテナを本発明の磁束収束手段1と置き換え、2回巻のコイル11を用いて検出した結果、市販の八木式アンテナに対して5.7dB(すなわち1.8倍)の電圧感度を得た。標準の八木式アンテナのダイポールアンテナは1回巻コイルと見なすことが出来るので、コイル巻き回数の増加にほぼ比例した感度の増大が達成されていることが理解できる。
【0053】
上記実験結果例からも明らかなように電磁界収束手段20は図3に示した平面構造に限られることなく標準の八木式アンテナに利用されている導波器であっても良い。
【0054】
また、図3に示した増幅器チップ10は、増幅作用を持たない単なるコイル11の支持体であっても本発明の本質を変更しないことは明らかである。
また、近年、マイクロ波による電力伝送が試みられている。この目的の場合、増幅器チップ10を整流ダイオードあるいは整流ダイオードブリッジが形成された半導体チップに置き換えれば良いことは明らかである。
【0055】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、電磁波を導体板からなる磁束収束手段によって収束し、この収束した磁束をコイルによって電圧に変換して取り出すようにしたので、コイルの面積を縮小でき、このため共振周波数の低下をきたすことなくコイルの巻き回数を増加でき、電圧感度が高いアンテナを実現することができる。また、磁束収束手段に磁性材料を利用せず、広い周波数範囲で現われる導体の渦電流効果を利用しているので、数百kHzから数十GHzの周波数範囲まで適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における磁束収束原理を説明するための導体板の斜視図。
【図2】本発明における磁束収束原理を説明するための導体板の断面図。
【図3】本発明の第1実施形態に係るアンテナの分解斜視図。
【図4】同実施形態におけるアンテナの断面図。
【図5】同実施形態における磁束収束手段とコイルの電気的等価回路を示す図。
【図6】本発明の第2実施形態に係るアンテナの磁束収束手段を示す平面図。
【図7】本発明の第3実施形態に係る複数のアンテナを接続した場合の電気的等価回路を示す図。
【符号の説明】
1 磁束収束手段
2 導体板
3 穴
4 切欠き
5 渦電流
8 立上り導体
10 増幅器チップ
11、11’ コイル
20 電磁界収束手段
21 導体板
22 スロット
23 立上り導体
31、31’ 浮遊静電容量
32 負荷抵抗
33 遅延線

Claims (3)

  1. 導体板の中央に穴を設けると共に、この穴から外周縁辺に連結する切り欠きを設け、上記穴内に磁束を収束する磁束収束手段と、上記磁束収束手段により収束された磁束を電圧に変換する電圧変換手段とからなるアンテナ素子を複数配列したことを特徴とするアンテナ。
  2. 上記導体板の厚みは、少なくとも縁辺において収束電磁界の周波数の表皮浸透深さ以上とすることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
  3. 各アンテナ素子の電圧変換手段を出力電圧が加算されるように接続したことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ。
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