JP2004064353A - アンテナ用部品、アンテナ装置、および、通信機器 - Google Patents

アンテナ用部品、アンテナ装置、および、通信機器 Download PDF

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Abstract

【課題】2つのアンテナ用部品を必要とする場合でも、左右対称のアンテナ用部品を必要としないアンテナ用部品と、アンテナ装置自身の厚み抑えつつ、垂直偏波成分、電圧/定在波比の周波数帯域を十分得られるアンテナ装置を提供する。
【解決手段】誘電体からなる基体2の主面上に放射用導体3と、この放射用導体3に接続されて基体側面に形成された短絡用導体4と、前記放射用導体3と容量結合可能な給電用導体5を基体2の背面に形成する。また、このアンテナ用部品をアンテナ装置に用いる。
【選択図】  図4

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アンテナ用電子部品、アンテナ装置、および、通信機器関し、特に、移動体たる通信機器内の無線通信回路に付属し、他の移動体、又は固定された無線通信装置との間での電波伝播に用いられるアンテナ用電子部品、および通信機器等に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、パーソナル・コンピュータ(以下PC)やパーソナル・データ・アシスタント(以下PDA)により処理される情報は、ローカル・エリア・ネットワーク(以下LAN)に代表される通信ネットワークを介して共有されることが多い。また、その通信ネットワークには、有線による通信と、無線による通信の場合がある。
【0003】
無線通信を利用する場合、ノート型PCやPDAといったコンパクトな構成の端末に無線通信機能を付加するためには、製造当初より無線通信機能を内蔵させるか、或いは、PCカードスロット等の拡張スロットに無線通信のモジュール(例えば、無線LANカード)を挿入するかのいずれかの方法が採用されている。特に、既存のコンピュータに後から無線通信機能を追加するには、拡張スロットを使用する方法が採用されている。
【0004】
図1は、このような無線LANカード等に組み込まれるアンテナ装置として、知られているチップ型のアンテナ用部品を用いている逆Fアンテナを示したものである。
【0005】
このアンテナ装置である逆Fアンテナ100は、基板110とアンテナ用部品101を含む構成として成り立っている。基板110上には、広い面積を有している接地用導体114と、接地用導体114と一定の間隔をおいた給電用導体配線112が設けられている。また、アンテナ用部品101の部品基体102の主面上には放射用導体103が形成されている。そして、部品基体102の1側面には、短絡用導体104が形成されると共に放射用導体103と接続されている。他側面には、給電用導体105が形成されており、この給電用導体105は先程の短絡用導体104とは別に放射用導体103と接続されている。
【0006】
基板110上の接地用導体114上にアンテナ用部品101の放射用導体103が位置するように基板110上にアンテナ用部品101が実装される。この際、アンテナ用部品101の短絡用導体104と基板110の接地用導体114が接続され、アンテナ用部品101の給電用導体105が基板上の給電用導体配線112と接続される。
【0007】
図2は、このようなアンテナ用部品101が基板110に2つ実装されたアンテナ装置の例である。一般にこのようなアンテナ用部品101を使用して所定の特性を有したアンテナ装置を構成する場合には、図に示す様に基板110の一辺の両端部に2つのアンテナ用部品101が線対称をなして実装されている。アンテナ用部品101は、基板端部にそれぞれ実装されるため、アンテナ用部品101の給電用導体105は基板内側に向いている。したがって、基板の両端部に実装された2つのアンテナ用部品101は、それぞれのアンテナ用部品に対し給電用導体105が左右対称の構成となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の構成を採用したアンテナ用部品では、放射用導体103の形成される面に隣接した、異なる2側面にそれぞれ短絡用導体104、給電用導体105を形成しなければならず工程が多く複雑であった。
【0009】
また、従来の技術の場合で、基板に2つアンテナ用部品を実装する場合には、実装されたアンテナ装置基板の一方に実装されるアンテナ用部品と他方に実装されるアンテナ用部品は、それぞれのアンテナ用部品に対して左右対称の構成となる。このため、給電用導体105の位置が左右で異なる2種類のアンテナ用部品となり、左右のアンテナ用部品をそれぞれ別に製造する必要があった。
【0010】
また、給電用導体105を部品基体102の短絡用導体104と対向する面に形成することもありうるが、アンテナ用部品101を基板110の端部に実装する必要がある場合には、給電用導体配線112を引き回すだけの物理的余裕がない。
【0011】
そこで、本発明は、簡易な構成で従来品と同様の性能を有するアンテナ用部品とそれを用いたアンテナ装置、および、通信機器を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
これらの目的を達成すべく、本発明におけるアンテナ用部品は、誘電体からなる基体の主面上に形成された放射用導体と、この放射用導体に接続され前記基体の側面に形成された短絡用導体と、前記放射用導体と容量結合可能に形成された給電用導体とを有するアンテナ用部品であって、前記給電用導体は、前記基体の背面に形成されているものである。このような構成にすることで、アンテナ用部品の短絡用導体と隣り合う面に給電用導体を形成する必要が無い。
【0013】
さらに、前記給電用導体は、前記短絡用導体が形成された側面に対し垂直な方向に伸びている構成としても良い。この場合、アンテナ用部品が前記端絡用導体の形成された側面に対し垂直方向に長い構造であるとき、給電用導体を長く形成することが可能であり好適である。また、前記給電用導体は、前記短絡用導体が形成された側面に対し平行な方向に伸びている構成としても良い。この場合、基板上の給電用導体配線をアンテナ用部品の横からのみしか引き回せない場合に特に有効である。
【0014】
さらに、前記基体は孔を有し、この孔内に前記給電用導体と接続された導体が形成されている構成としても良い。このような構成により、放射用導体とより強い容量結合が得られる。また、前記孔は前記基体の主面と背面を貫通している構成としても良い。
【0015】
そして更に、前記基体の主面には、前記放射用導体と容量結合可能に形成された導体を更に有し、この導体は前記孔内の導体を介して前記給電用導体と接続されている構成としても良い。このような構成により、放射用導体と更に強い容量結合が得られる。
【0016】
なお、前記孔内の導体は、前記孔の壁面に形成されている構成でも良く、前記孔を埋めている構成でも良い。
【0017】
また、本発明にかかるアンテナ装置は、基板と、この基板の一方の面に実装された前記のいずれかのアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、前記基板は、前記基板の主面に形成された給電用導体配線、および、短絡用導体配線と、前記基板の背面あるいは内層に形成された接地用導体と、この接地用導体と前記短絡用導体配線とを接続する接続用配線とを有し、前記基板の短絡用導体配線と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の給電用導体が接続されているものである。
【0018】
また、本発明にかかるアンテナ装置は、基板と、この基板の一方の面に実装された前記のいずれかのアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、前記基板は、前記基板の主面に形成された接地用導体と、この接地用導体と物理的に離間した状態で、前記基板の主面に形成された給電用導体配線とを有し、前記基板の前記接地用導体と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の給電用導体が接続されているものである。
【0019】
これらの構成により、前述したアンテナ用部品の特徴を有したアンテナ装置を得ることができる。
【0020】
以上のアンテナ用部品とアンテナ装置に係る発明では、アンテナ用部品の放射用導体が形成されている面と反対側の面に給電用導体が形成されている点で共通している。
【0021】
次に、本発明にかかるアンテナ装置は、基板と、この基板の主面に実装されたアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、前記基板は、前記基板の主面に形成された短絡用導体配線と、前記基板の背面あるいは内層に形成された接地用導体と、この接地用導体と前記短絡用導体配線とを接続する接続用配線と、前記接地用導体と前記アンテナ用部品の間に形成された給電用導体配線とを有し、前記アンテナ用部品は、誘電体からなる基体の主面上に形成された放射用導体と、この放射用導体に接続され前記基体の側面に形成された短絡用導体とを有し、前記基板の短絡用導体配線と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の前記放射用導体とが容量結合した状態で、前記アンテナ用部品が実装されているものである。
【0022】
更に、前記給電用導体配線は、前記基板の主面に形成されていてもよい。
【0023】
また、本発明にかかるアンテナ装置は、基板と、この基板の主面に実装されたアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、前記基板は、前記基板の主面に形成された接地用導体と、この接地用導体と物理的に離間した状態で、前記基板の主面に形成された給電用導体配線とを有し、前記アンテナ用部品は、誘電体からなる基体の主面上に形成された放射用導体と、この放射用導体に接続され前記基体の側面に形成された短絡用導体とを有し、前記基板の前記接地用導体と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の前記放射用導体とが容量結合した状態で、前記アンテナ用部品が実装されているものである。
【0024】
これらのアンテナ装置の構成を採用することにより、アンテナ用部品に給電用導体を形成する必要が無くなる。
【0025】
さらに、前記給電用導体配線は、前記短絡用導体が形成された前記基体の側面に対し垂直な方向に伸びていても良い。この場合、アンテナ用部品が前記端絡用導体の形成された側面に対し垂直方向に長い構造であるとき、給電用導体配線を長く形成することが可能であり好適である。また、前記給電用導体配線は、前記短絡用導体が形成された前記基体の側面に対し平行な方向に伸びている構成としても良い。この場合、基板上の給電用導体配線をアンテナ用部品の横からのみしか引き回せない場合に特に有効である。
【0026】
さらに、前記アンテナ用部品は前記基体に孔を有し、この孔内に前記給電用導体配線と接続された導体が形成されている構成としても良い。このような構成により、放射用導体とより強い容量結合が得られ好適である。また、前記孔は前記基体の主面と背面を貫通している構成としても良い。
【0027】
さらに、前記アンテナ用部品は前記基体の主面に前記放射用導体と容量結合可能に形成された導体を更に有し、この導体は前記孔内の導体を介して前記給電用導体配線と接続されている構成としても良い。このような構成により、放射用導体と更に強い容量結合が得られ好適である。
【0028】
なお、前記孔内の導体は、前記孔の壁面に形成されている構成としても良く、また、前記孔を埋めている構成としても良い。
【0029】
ここで説明しているアンテナ装置に係る発明では、使用されるアンテナ用部品の放射用導体が形成されている主面と反対側の背面に給電用導体形成されていない点で共通している。
【0030】
また、本発明にかかる通信用機器は、前記したいずれかのアンテナ装置が用いられているものである。更に、前記通信用機器は、電子機器に挿入されこの電子機器に無線通信機能を付与するものであっても良い。そして、前記通信用機器は、前記電子機器からはみ出ている部分内に前記アンテナ用部品が設けられているものであっても良い。
【0031】
これら通信機器は、既述のアンテナ装置が用いられているものであり、それらの特徴を備えるものである。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を発明の実施の形態に即して詳細に説明する。また、説明のために使用する図においては簡単のため各部分のスケールに脚色を施している。特に斜視図においては、導体の厚みは省略して表現している。
【0033】
図3は、本発明にかかるアンテナ用部品を表した図であり、(A)はアンテナ用部品1Aの斜視図、(B)は、(A)に示したアンテナ用部品1Aの主面中心を通り主面に対して垂直方向に切ったp−p線での断面図である。
【0034】
アンテナ用部品1Aは、誘電体からなり、略直方体形状の基体2の主面上に放射用導体3が印刷技術等で形成されている。この放射用導体3は、基体2の主面における短辺から主面途中まで形成されている。本実施の形態における放射用導体3は、基体2の主面の約75%程度形成されているが、それは、本アンテナ用部品が実装されるアンテナ装置の仕様により変わるもので、場合によっては、主面全体に形成されている場合もある。
【0035】
この主面の長手方向における1側面には、短絡用導体4が放射用導体3と同様に印刷技術等で形成されている。短絡用導体4は、先程の放射用導体3と電気的に接続される必要があり、さらに、後述するように基板の接地用導体と直接あるいは間接的に接続される必要がある。このため、短絡用導体4は、この側面において主面側の端部から背面側の端部にまで形成されている。なお、背面とは、基体2において放射用導体3が形成されている主面の反対の面を指すものである。
【0036】
また、(A)において点線で示し、(B)からも明らかなように、基体2の背面には、放射用導体3と電気的に容量結合可能な給電用導体5が、例えば、印刷技術等により形成されている。本実施の形態では、給電用導体5は、短絡用導体4が形成された側面と略平行な方向で基体2の背面を横断するよう形成されている。なお、本実施の形態では、放射用導体3からの電磁波の放射に影響が少ないように、給電用導体5が、放射用導体3と基体2を挟んで重ならないように設けられている。
【0037】
図4は、図3に示したアンテナ用部品1Aを基板10aに実装し、アンテナ装置9aを構成する様子を示したものである。
【0038】
基板10aは、ガラスエポキシ等の絶縁体からなる基体11の主面上に給電用導体配線がメッキ等により設けられ、この給電用導体配線12のうち配線12aはアンテナ装置9aとつながる回路と接続されている。給電用導体配線12のうちランド部12b、12cは、アンテナ用部品1Aが基板10a上に実装されたときに給電用導体5とランド部12b、12cが適当に半田付け可能なようにアンテナ用部品1Aの給電用導体5にあわせて所定の間隔で実装されている。また、このような確実な半田付けの要請からランド部12b、12cは、給電用導体5の幅よりも若干幅広に構成されている。
【0039】
基板の基体11の給電用導体配線12が設けられた面と同一の面である主面には、短絡用導体配線13が先程の給電用導体配線12と同様にメッキ等により設けられている。この短絡用導体配線13は、アンテナ用部品1Aが実装された場合にアンテナ用部品1Aの短絡用導体4と十分に半田付け可能なように短絡用導体4の幅よりも幅広となっている。また、短絡用導体配線13には基板10aの基体11に設けられた孔15が現れている。
【0040】
なお、基板10aの給電用導体配線12のランド部12b、12cと短絡用導体配線13は、それぞれアンテナ用部品1Aの給電用導体5と短絡用導体4と接続可能なように、アンテナ用部品の構成に合わせ適当な位置に設けられている。
【0041】
基板10aの給電用導体配線12や短絡用導体配線13が設けられた主面と反対側の背面には、接地用導体14aが広範囲に渡りメッキ等により設けられている。
【0042】
図5は、アンテナ用部品1Aが基板10a上に実装されたアンテナ装置9aのアンテナ用部品1Aの中心を通る長手方向での断面を表したものである。基板10aの基体11に設けられた孔15には、短絡用導体配線13と接続され、かつ、反対の面に設けられた接地用導体14aとも接続された接続用導体配線15aが孔15の壁面に形成されている。これにより、短絡用導体配線13と接地用導体14aが接続される。
【0043】
図からも明らかなように基板10a上に実装されたアンテナ用部品1Aの短絡用導体4と基板10aの短絡用導体配線13が接続されている。なお、基板10aの給電用導体配線12のランド部12b、12cとアンテナ用部品1Aの給電用導体5も接続されているが本図には現れていない。
【0044】
また、アンテナ用部品1Aの放射用導体3に対して、基板10aの接地用導体14aは、十分に広範に設けられ鏡像電場が確実に得られる構成となっているので逆Fアンテナとして機能する。この場合、放射用導体3と接地用導体14aは、アンテナ用部品1Aの基体2と基板10aの基体11を介して対面しているので、放射用導体3と接地用導体14の距離が十分に確保される。よって、比較的周波数の低いスペックでも、アンテナ装置自身の厚み抑えつつ、垂直偏波成分が十分得られる。また、アンテナの放射抵抗が大きくできるので、電圧定在波比の周波数帯域を広くすることができる。これにより、アンテナとして十分な性能を発揮する。
【0045】
本実施の形態では、基板に設けられた孔15には、接続用導体配線15aが孔15の壁面に形成されている構成をとったが、結局、短絡用導体配線13と接地用導体14aの導通が取れればよいので、孔15が接続用導体配線15aにより埋められていても良い。
【0046】
図6は、本発明にかかるアンテナ用部品1Aを基板10bに実装し、アンテナ装置9bを構成する様子を示したものである。
【0047】
基板10bは、ガラスエポキシ等の絶縁体からなる基体11の主面上に給電用導体配線12が設けられている。この給電用導体配線12のうち配線12aはアンテナ装置9bとつながる回路と接続されている。そして、給電用導体配線12のうちランド部12b、12cは、アンテナ用部品1Aが基板10b上に実装されたときに給電用導体5と適当に半田付け可能なよう、アンテナ用部品1Aの給電用導体5にあわせて所定の間隔で実装されている。これら構成は、既述の基板10aと同様の構成である。
【0048】
基板の基体11の給電用導体配線12が設けられた面と同一面である主面には、接地用導体14bが広範囲に渡りメッキ等により設けられている。接地用導体14bは、先の給電用導体12とは、物理的に離間し、不要な短絡が起きないような構成となっている。
【0049】
アンテナ用部品1Aの短絡用導体4は、基板10b上の接地用導体14bと接続され、給電用導体5は、給電用導体配線12のランド部12b、12cと接続される。
【0050】
また、アンテナ用部品1Aが基板10b上に実装された状態で、アンテナ用部品1Aの放射用導体3に対して、基板10bの接地用導体14bは、基体2を挟み十分に広範に設けられているので、図4、図5に示した基板10aの場合と同様確実に逆Fアンテナとして機能する。この場合、放射用導体3と接地用導体14bの距離が近いため高い周波数帯で機能する。本実施の形態の場合には、アンテナ装置に使用する基板の主面上の導体を一面のみに形成すればよく、簡易な構成とすることができる。
【0051】
図7は、接地用導体が、基板11’の内層に設けられているアンテナ装置9cを示した実施の形態である。本実施の形態では、基板10cは多層基板であり、その基体11’は、ガラスエポキシ等の絶縁体からなり、基板10cのアンテナ用部品1Aが実装される主面の構成は、給電用導体配線、短絡用導体配線が設けられており、図4、5に示したアンテナ装置9aの構成と同様である。
【0052】
多層の基体11’の内層には、接地用導体14cが広範囲に渡り設けられている。この接地用導体14cと短絡用導体13が接続可能なように、基体11’には、孔15’が基体11’の途中まで設けられている。
【0053】
基体11’に設けられた孔15’には、短絡用導体配線13と接続され、かつ、基体11’の内層に設けられた接地用導体14cとも接続された接続用導体配線15a’が孔15’の壁面に形成されている。これにより、短絡用導体配線13と接地用導体14cが接続される。
【0054】
図からも明らかなように基板10c上に実装されたアンテナ用部品1Aの短絡用導体4と基板10cの短絡用導体配線13が接続されている。なお、アンテナ用部品1Aの給電用導体5は本図に表れているが、給電用導体配線は表れていない。
【0055】
本実施の形態においてもアンテナ装置9cは、逆Fアンテナとして十分に機能する。なお、孔15’が接続用導体配線15a’により埋められている構成としても良く、また、孔15’は期待11’に対し貫通している構成としても良い。
【0056】
図8は、本発明にかかるアンテナ用部品の他の実施の形態を表した図であり、(A)はアンテナ用部品1Bの斜視図、(B)は、(A)に示したアンテナ用部品1Bの主面中心を通り主面に対して垂直方向に切ったq−q線での断面図である。
【0057】
アンテナ用部品1Aは、誘電体からなり、略直方体形状の基体2の主面上に放射用導体3が基体2の基体主面の短辺から主面途中まで形成されている。また、この主面の長手方向における1側面に、短絡用導体4が、この側面における主面側の端部から背面側の端部にまで形成されている。これら放射用導体3と短絡用導体4は、既述の実施の形態と同様である。
【0058】
また、(A)において点線で示し、(B)からも明らかなように、基体2の背面には、給電用導体5が形成されている。本実施の形態では、給電用導体5は、短絡用導体4が形成された側面と略平行な方向で基体2の背面を横断するよう形成されている。この給電用導体5は、放射用導体3と基体2を挟んで重ならないように設けられている。アンテナ用部品2の給電用導体5の略中間点には孔6が設けられており、基体2の背面から主面にかけて貫通している。孔6の壁面は印刷技術等により設けられた導体6aが形成されており、給電用導体5と接続されている。本導体6aにより放射用導体3とより強い容量結合が得られる。
【0059】
なお、本実施の形態では、孔6が、基体2の背面から主面にかけて貫通している例を示したが、孔6は、貫通している構成に限らず、放射用導体3との必要とする容量結合の強度に応じ、背面から基体2の途中まであけられているものであっても良い。さらに、本実施の形態では、基体2に設けられた孔6には、導体6aが孔6の壁面に形成されている構成をとったが、給電用導体5の接続可能になされていれば良いため、孔6が導体6aにより埋められている構成としても良い。
【0060】
図9は、本発明にかかるアンテナ用部品の更に他の実施の形態を表した図であり、(A)はアンテナ用部品1Cの斜視図、(B)は、(A)に示したアンテナ用部品1Cの主面中心を通り主面に対して垂直方向に切ったr−r線での断面図である。
【0061】
アンテナ用部品1Aは、誘電体からなり、略直方体形状の基体2の主面上に放射用導体3が基体2の主面における短辺から主面途中まで形成されている。また、この主面の長手方向における1側面に、短絡用導体4が、この側面における主面側の端部から背面側の端部にまで形成されている。(A)において点線で示し、(B)からも明らかなように、基体2の背面には、給電用導体5が形成されている。給電用導体5は、短絡用導体4が形成された側面と略平行な方向で基体2の背面を横断し、放射用導体3と基体2を挟んで重ならないように設けられている。アンテナ用部品2には、給電用導体5の略中間点に孔6が設けられており、基体2の背面から主面にかけて貫通している。孔6の壁面は印刷技術等により設けられた導体6aが形成されており、給電用導体5と接続されている。これら放射用導体3と短絡用導体4は、既述の実施の形態におけるアンテナ用部品と同様である。
【0062】
基体2の主面上には、放射用導体3と一定の距離をおき導体7が形成されており導体7は、孔6内の導体6aと接続されている。この導体7は、放射用導体3の幅と同一で形成される必要は無いが、本実施の形態では、略同一の幅で形成されている。
【0063】
本導体7は、孔6内の導体6aを介して給電用導体5と接続されており、給電用導体5や孔6内の導体6aより放射用導体3に近い位置に形成されるので、放射用導体3と更に強い容量結合が得られる。また、導体7の幅が、放射用導体3の幅と同一に形成されているため、より効率の良い容量結合が得られる。
【0064】
さらに、本実施の形態では、基体2に設けられた孔6には、導体6aが孔6の壁面に形成されている構成をとったが、給電用導体5と導体7と接続可能であれば良いため、孔6が導体6aにより埋められている構成としても良い。
【0065】
以上、図8、図9を使い説明したアンテナ用部品1B,1Cは、図3に示したアンテナ用部品1Aが、図4および図5に示したアンテナ装置9aに適用されるのと同様にして、図4、図5に示した基板10aに実装されることにより、アンテナ装置として機能する。また、アンテナ用部品1Aが図6に示した基板10b、図7に示した基板10cに実装されアンテナ装置9b、9cとして機能したのと同様に、アンテナ用部品1B,1Cが、基板10bあるいは基板10cに実装されることにより、やはり、アンテナ装置として機能する。
【0066】
図10は、本発明にかかるアンテナ用部品の更なる他の実施の形態を表した図であり、(A)はアンテナ用部品1Dの斜視図、(B)は、(A)に示したアンテナ用部品1Dの主面中心を通り主面に対して垂直方向に切ったs−s線での断面図である。
【0067】
アンテナ用部品1Dは、誘電体からなり、略直方体形状の基体2の主面上に放射用導体3が基体2の長手方向における一辺から主面途中まで形成されている。また、この主面の長手方向における1側面に、短絡用導体4が、この側面における主面側の端部から背面側の端部にまで形成されている。これら放射用導体3と短絡用導体4は、既述の実施の形態と同様である。
【0068】
また、(A)において点線で示し、(B)からも明らかなように、基体2の背面の中心には、給電用導体5’が形成されている。本実施の形態では、給電用導体5’は、短絡用導体4が形成された側面と対面する側面の側からこれら側面に対し垂直な方向で短絡用導体4と離間して形成されている。このように基体2の長手方向に給電用導体が設けられることで、給電用導体5’を長い距離とることができ、放射用導体3とより強い容量結合を得ることが可能である。
【0069】
更に特に図示はしないが、図7、図8に示した実施の形態と同様にして、アンテナ用部品2に、孔を設け、孔の壁面に導体を形成し、給電用導体5’と接続するような構成としても良い。この場合、更に強い容量結合を得ることができる。この孔は、やはり基体2の背面から主面にかけて貫通していてもよく、背面から基体2の途中まであけられているものであっても良い。そして、この孔が導体により埋められている構成としても良い。この孔が貫通している場合には、更に、基体2の主面上に放射用導体3と一定の距離をおき導体を形成し、先の孔の導体と接続されている構成としても良い。これにより更に強い容量結合を得ることができる。
【0070】
以上、図10を使い説明したアンテナ用部品1Dは、図3に示したアンテナ用部品1Aが、図4および図5に示したアンテナ装置9に適用されるのと同様にして、図4、図5に示した基板10a、あるいは、図6、図7に示した基板10b、10cに実装されることにより、アンテナ装置として機能する。
【0071】
なお、アンテナ用部品1Aが配置される場合、図4〜図7において、基板10aの給電用導体配線12は、アンテナ用部品1Aの長手方向に対し略垂直、すなわち、短絡用導体4の形成されている面に対して平行に形成されていた。これに対し、本実施の形態におけるアンテナ用部品1Dが実装される場合には、基板上の給電用導体配線は、アンテナ用部品1Dの長手方向に対し略平行、すなわち短絡用導体4の形成されている面に対して略垂直に形成される。
【0072】
図11は、他のアンテナ装置9dの実施の形態を示したものである。本実施の形態においても、アンテナ装置9dは、基板10dとアンテナ用部品1Eを含んで成り立つ。アンテナ用部品1Eは、誘電体からなり、略直方体形状の基体2の主面上に放射用導体3が基体2の長手方向における一辺から主面途中まで形成されている。また、この主面の長手方向における1側面に、短絡用導体4が、この側面における主面側の端部から背面側の端部にまで形成されている。これら放射用導体3と短絡用導体4は、既述の実施の形態におけるアンテナ用部品と同様である。
【0073】
アンテナ用部品1Eの背面には、既述の実施の形態と異なり給電用導体が設けられていない。ただし、アンテナ用部品1Eを後述する基板10d上に実装する際、半田付けによる強度を得るため、半田付け用のメッキがわずかにされている構成としても良い。
【0074】
基板10dは、ガラスエポキシ等の絶縁体からなる基体11の主面上に給電用導体配線がメッキ等により設けられ、この給電用導体配線12’のうち配線12aはアンテナ装置9とつながる回路と接続されている。給電用導体配線12’の一部である容量結合部12dは、アンテナ用部品1Eが基板10d上に実装されたときに放射用導体3と容量結合可能な位置に形成され、アンテナ用部品1Eは所望の特性が得られる位置に実装される。
【0075】
基板の基体11の給電用導体配線12’が設けられた主面と同一の面には、短絡用導体配線13が先程の給電用導体配線12’と同様にメッキ等により設けられている。この短絡用導体配線13は、アンテナ用部品1Eが実装された場合にアンテナ用部品1Eの短絡用導体4と十分に半田付け可能なように短絡用導体4の幅よりも幅広となっている。
【0076】
基板10dのアンテナ用部品1Eが実装され、給電用導体配線12’や短絡用導体配線13が設けられた主面と反対の面である背面には、図4、図5に示した基板10aと同様に接地用導体14dが広範囲に渡りメッキ等により設けられている。
【0077】
短絡用導体配線13には基板10dの基体11に設けられた孔15が現れている。この孔15は、基板反対側である背面と貫通しており、さらに、孔15の壁面には、メッキ等により設けられた接続用導体配線が形成されている。この孔15中の接続用導体配線を介して、短絡用導体配線13と、接地用導体14dが接続されている。この短絡用導体配線13と孔15、接地用導体14d、および、孔15中の接続用導体配線の関係は、図4、図5に示したものと同様である。
【0078】
アンテナ用部品1Eが基板に実装されると、アンテナ用部品1Eの短絡用導体4と基板10dの短絡用導体配線13が接続される。さらに給電用導体配線12’に高周波が流れた場合に給電用導体配線12’の一部である容量結合部12dが、アンテナ用部品1Eの放射用導体3と容量結合可能となる。
【0079】
また、アンテナ用部品1Eの放射用導体3に対して、基板10cの接地用導体14は、十分に広範に設けられ逆Fアンテナとして機能する。この場合、放射用導体3と接地用導体14dは、アンテナ用部品1Eの基体2と基板10aの基体11を介して対面しているので、放射用導体3と接地用導体14の距離が十分に確保され比較的周波数の低いスペックでも、アンテナ装置自身の厚み抑えつつ、垂直偏波成分が十分得られ、また、アンテナの放射抵抗が大きくできるので、電圧定在波比の周波数帯域を広くすることができる。これにより、アンテナとして十分な性能を発揮する。
【0080】
本実施の形態においても、基板に設けられた孔15には、接続用導体配線が孔15の壁面に形成されている構成をとったが、結局、短絡用導体配線13と接地用導体14dの導通が取れればよいので、孔15が接続用導体配線により埋められていても良い。
【0081】
更に本例は、アンテナ装置9dのアンテナ用部品1Eは、給電用導体配線12’と接続される導体を有しておらず放射用導体3との容量結合は、基板10dの給電用導体配線12’の容量結合部12dとなる例を示した。この場合容量結合が足りない場合が考えられる。この場合、アンテナ用部品1Eの基体2に孔をあけ、孔の壁面にメッキ等による導体を形成しても良い。この場合には、かかる導体と給電用導体配線12’の容量結合部12dが半田付け等により接続されていれば良い。さらに、この孔は、条件に応じ基体2の背面から主面にかけて貫通していてもよく、背面から基体2の途中まであけられているものであっても良い。そして、この孔が導体により埋められている構成としても良い。この孔が貫通している場合には、更に、基体2の主面上に放射用導体3と一定の距離を置き導体を形成し、先の孔の導体と接続されている構成としても良い。これにより更に強い容量結合を得ることができる。
【0082】
また、本実施の形態に示した例を図6に示した基板10bと類似の構成として、接地用導体をアンテナ用部品1Eが実装される面と同一の面に形成しても良い。この場合には、不要な短絡等を防ぐべく、給電用導体配線12’と接地用導体は物理的に離れた構成となる。そして、短絡用導体配線13、孔15は必要なく、給電用導体配線12’は、アンテナ用部品1Eの放射用導体3と容量結合され、アンテナ用部品1Eの短絡用導体4は、接地用導体と接続される。こうして図6に示した場合と同様に確実に逆Fアンテナとして機能する。この場合、放射用導体3と接地用導体の距離が近いため高い周波数帯で機能する。本実施の形態の場合にも、アンテナ装置に使用する基板の主面上の導体を一面のみに形成すればよく、簡易な構成とすることができる。
【0083】
またさらに、本実施の形態に示した例を図7に示した基板10cと類似の構成として、接地用導体を基板の内層に設ける構成としても良い。この場合には、基板に設けられた孔15は設置用導体が設けられている層まであけられれば良い。その場合にも、孔15内には、基板内層に設けられた接地用導体と基板の主面に設けられた短絡用導体配線13が接続されるよう、導体が設けられる。この導体は、孔の壁面に設けられても良く、孔を埋める構成としても良い。
【0084】
そして更に、前述の本実施の形態では、給電用導体配線12’が、基板10dの主面上に設けられている構成としたが、給電用導体配線12’は、アンテナ用部品1Eの放射用導体3と容量結合すればよいため、必ずしも基板10dの主面上に設けられる必要は無い。この場合、基板10dの内層に設けられていても良いが、放射用導体3との容量結合を得るため接地用導体とアンテナ用部品の間に位置していなければならない。従って、この条件を満たす限り給電用導体配線12’と接地用導体14dが共に基板の内層に設けられていても良い。
【0085】
図12は、前述したアンテナ装置を通信機器に適用した例である。本例は、コンピュータのPCカードスロット等の拡張スロットに挿入されることにより、コンピュータに無線通信機能を付与する通信機器の一例であるPCカード20を示している。
【0086】
本PCカード20は、コンピュータ内に挿入される本体22と、コンピュータの外にはみ出る部分であるアンテナ部21を含む。本体22は、PCカード20の不要な輻射が、コンピュータに悪影響を与えないためにシールドをかねた金属製の外装からなる。
【0087】
アンテナ部21は、内部の基板10とアンテナ用部品1を含む構成としてなるアンテナ装置9が位置している。このアンテナ装置9には、アンテナ用部品1が、基板10の一辺の両端部に2つ位置している。そして、アンテナ装置9が機能すべくアンテナ部21の外装は、樹脂等の電磁波の通過が可能な樹脂等の材質からなっている。特に、図4,5,11に表した例、すなわち、接地用導体がアンテナ用部品が実装される面とは反対の面に形成されている例では、アンテナ自身が非常に薄い構成とすることができ、アンテナ部21を本体22と同一の厚さで構成することができる。
【0088】
図13は、図12に示した通信機器であるPCカード20を、コンピュータ30のPCカードスロットに挿入した例である。図では、コンピュータのキーボード等の一般的構成は、省略している。このように、前述したアンテナ装置を内蔵したPCカード20をコンピュータ30に挿入することによりコンピュータに無線通信機能を付与する。
【0089】
図には表れていないが、PCカード20のアンテナ部21が本体22と同一の厚みである場合、複数のPCカードスロットが間隔無く設けられているコンピュータであっても、複数のPCカードを同時に挿入することができる。
【0090】
本実施の形態では、PCカードを例にして通信機器の説明をしたが、PDA等の小型機器に通信機能を与える場合でも、内蔵されるアンテナ装置の薄型化により、PDA等を小型の通信機器として機能させることができる。
【0091】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。
本実施例において使用したアンテナ用部品、およびアンテナ装置は、図3〜図5の実施の形態に示したアンテナ用部品1Aおよびアンテナ装置9aと概念を同じにするものである。
【0092】
アンテナ用部品は、アンテナ用部品が搭載される基板面と垂直をなす高さ方向が2mm、長手方向が8mm、短手方向が6mmの直方体の基体を使用した。したがって、アンテナ用部品の基体主面と背面は8mm×6mmで、長手方向と垂直をなす側面は6mm×2mmであり、長手方向と平行な側面は8mm×2mmである。なお、基体は比誘電率が3.9の材質を使用した。
【0093】
放射導体は、この基体主面に長手方向と垂直をなす側面の側から6mm×6mm設けた。つまり、図3〜図5に示したアンテナ用部品1Aと同位置に放射用導体を設けている。ただし、図3〜図5に示したアンテナ用部品1Aでは、放射用導体3の幅が基体2の幅よりも僅かに狭いものとなり、放射用導体3の両脇に基体2が露出しているが、本実施例では、基体の幅と放射用導体の幅が同一となっている。
【0094】
更に長手方向と垂直をなす側面にこの放射用導体と接続させるようにして全面に短絡用導体を設けた。短絡用導体も、図3〜図5に示したアンテナ用部品1Aと同位置に設けられており、図3〜図5に示したアンテナ用部品1Aでは、短絡用導体4の幅が基体2の幅よりも僅かに狭いものとなり、短絡用導体4の両脇に基体2が露出しているが、本実施例では、基体の幅と短絡用導体の幅が同一となっている。
【0095】
図3〜図5に示したアンテナ用部品1Aと同様の位置となるよう、アンテナ用部品の背面には、主面に設けた放射用導体と重ならないようにして、給電用導体を設けた。具体的には、給電用導体を短絡用導体が設けられた側面の対面側から0.3mmの間隔をあけ幅1mmで設けた。
【0096】
アンテナ用部品が実装される基板は、厚さ0.8mmで比誘電率が4.4である一般的なものを用い、本基板のアンテナ用部品が実装される面とは反対の面には全面に接地用導体を設けた。
【0097】
アンテナ用部品が実装される面側には、給電用導体配線のランド部を4mmの間隔をあけ、それぞれ2mm×2mmで設けた。また、短絡用導体配線は、6×2mmとした。図4,5に現れている基板の孔は、当該実施の形態では、孔を複数設けた例を示したが、本実施例では6×0.6mmの楕円形の孔を1つ設けており、孔壁面に導体が形成され、短絡用導体配線と基板背面の接地用導体を接続している。
【0098】
図14は、上記の条件下でのアンテナ装置の水平面内放射パターンである。本水平面内放射パターンにおけるアンテナ装置の向きは、アンテナ用部品の短絡用導体が270°の方向で給電用導体配線が0°の方向から配線されているよう設定されている。
【0099】
本水平面内放射パターン結果からも明らかなように、90°〜120°、270°〜300°で強い放射を得られている。また、本水平面内放射パターンの面積から十分な垂直偏波放射成分を得られていることがわかる。
【0100】
図15は、上記の条件でアンテナ装置の反射特性である。本結果からも明らかなように、本アンテナ装置の反射減衰量が−10dB以下となる帯域幅が100MHz以上であることが分かる。
【0101】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本アンテナ用部品は、給電用導体を基体の放射用導体が形成された主面と隣り合い、短絡用導体が形成された側面とも隣り合う側面に形成する必要が無く、したがって、基板に例えば2つのアンテナ用部品を搭載する必要のあるアンテナ装置でも左右対称のアンテナ用部品を2つ用意する必要がない。
【0102】
また、このようなアンテナ用部品を用いて、更に、基板のアンテナ用部品が搭載される面と反対の面に接地用導体を設けている場合には、アンテナ装置全体の厚さを抑えることができる。そして、このようなアンテナ装置を用いた通信機器では、通信機器そのものの厚みを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来のアンテナ装置を表した斜視図である。
【図2】従来のアンテナ用部品が2つ用いられたアンテナ装置を表した平面図である。
【図3】本発明のアンテナ用部品の斜視図および断面図である。
【図4】本発明のアンテナ装置を表した分解斜視図である。
【図5】本発明のアンテナ装置を表した断面図である。
【図6】本発明のアンテナ装置を表した分解斜視図である。
【図7】本発明のアンテナ装置を表した断面図である。
【図8】本発明のアンテナ用部品の斜視図および断面図である。
【図9】本発明のアンテナ用部品の斜視図および断面図である。
【図10】本発明のアンテナ用部品の斜視図および断面図である。
【図11】本発明のアンテナ装置を表した分解斜視図である。
【図12】本発明のアンテナ装置が内蔵された通信機器を表した図である。
【図13】本発明のアンテナ装置が内蔵された通信機器であるPCカードがコンピュータに内蔵されている様子をあらわした図である。
【図14】本発明のアンテナ装置を用いてシミュレーションした水平面内放射パターンである。
【図15】本発明のアンテナ装置を用いてシミュレーションした反射特性である。
【符号の説明】
1A,1B,1C,1D,1E アンテナ用部品
2 部品基体
3 放射用導体
4 短絡用導体
5,5’ 給電用導体
9a,9b,9c,9d アンテナ装置
10a,10b,10c,10d 基板
11 基板基体
12 給電用導体配線
13 短絡用導体配線
14,14b,14c,14d 接地用導体
15,15’ 孔
20   通信機器の一例であるPCカード
21 アンテナ部
22 本体
30 コンピュータ
100 アンテナ装置
101 アンテナ用部品
102 部品基体
103 放射用導体
104 短絡用導体
105 給電用導体
110 基板
112 給電用導体配線

Claims (19)

  1. 誘電体からなる基体の主面上に形成された放射用導体と、
    この放射用導体に接続され前記基体の側面に形成された短絡用導体と、
    前記放射用導体と容量結合可能に形成された給電用導体とを有するアンテナ用部品であって、
    前記給電用導体は、前記基体の背面に形成されていることを特徴とするアンテナ用部品。
  2. 前記給電用導体は、前記短絡用導体が形成された側面に対し垂直な方向に伸びていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ用部品。
  3. 前記給電用導体は、前記短絡用導体が形成された側面に対し平行な方向に伸びていることを特徴とする請求項1記載のアンテナ用部品。
  4. 前記基体は孔を有し、この孔内に前記給電用導体と接続された導体が形成されていることを特徴とする請求項1から3いずれか記載のアンテナ用部品。
  5. 前記孔は前記基体の主面と背面とを貫通していることを特徴とする請求項4記載のアンテナ用部品。
  6. 前記基体の主面には、前記放射用導体と容量結合可能に形成された導体を更に有し、この導体は前記孔内の導体を介して前記給電用導体と接続されていることを特徴とする請求項5記載のアンテナ用部品。
  7. 基板と、この基板の主面に実装された請求項1から6のいずれかに記載のアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、
    前記基板は、前記基板の主面に形成された給電用導体配線、および、短絡用導体配線と、前記基板の背面あるいは内層に形成された接地用導体と、この接地用導体と前記短絡用導体配線とを接続する接続用配線とを有し、
    前記基板の短絡用導体配線と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、
    かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の給電用導体が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  8. 基板と、この基板の主面に実装された請求項1から6のいずれかに記載のアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、
    前記基板は、前記基板の主面に形成された接地用導体と、この接地用導体と物理的に離間した状態で、前記基板の主面に形成された給電用導体配線とを有し、
    前記基板の前記接地用導体と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の給電用導体が接続されていることを特徴とするアンテナ装置。
  9. 基板と、この基板の主面に実装されたアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、
    前記基板は、前記基板の主面に形成された短絡用導体配線と、前記基板の背面あるいは内層に形成された接地用導体と、この接地用導体と前記短絡用導体配線とを接続する接続用配線と、前記接地用導体と前記アンテナ用部品の間に形成された給電用導体配線とを有し、
    前記アンテナ用部品は、誘電体からなる基体の主面上に形成された放射用導体と、この放射用導体に接続され前記基体の側面に形成された短絡用導体とを有し、
    前記基板の短絡用導体配線と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の前記放射用導体とが容量結合した状態で、前記アンテナ用部品が実装されていることを特徴とするアンテナ装置。
  10. 前記給電用導体配線は、前記基板の主面に形成されていることを特徴とする請求項9記載のアンテナ装置。
  11. 基板と、この基板の主面に実装されたアンテナ用部品とを有するアンテナ装置であって、
    前記基板は、前記基板の主面に形成された接地用導体と、この接地用導体と物理的に離間した状態で、前記基板の主面に形成された給電用導体配線とを有し、
    前記アンテナ用部品は、誘電体からなる基体の主面上に形成された放射用導体と、この放射用導体に接続され前記基体の側面に形成された短絡用導体とを有し、
    前記基板の前記接地用導体と前記アンテナ用部品の短絡用導体とが接続され、かつ、前記基板の給電用導体配線と前記アンテナ用部品の前記放射用導体とが容量結合した状態で、前記アンテナ用部品が実装されていることを特徴とするアンテナ装置。
  12. 前記給電用導体配線は、前記短絡用導体が形成された前記基体の側面に対し垂直な方向に伸びていることを特徴とする請求項9または11に記載のアンテナ装置。
  13. 前記給電用導体配線は、前記短絡用導体が形成された前記基体の側面に対し平行な方向に伸びていることを特徴とする請求項9または11に記載のアンテナ装置。
  14. 前記アンテナ用部品は前記基体に孔を有し、この孔内に前記給電用導体配線と接続された導体が形成されていることを特徴とする請求項10から13いずれか記載のアンテナ装置。
  15. 前記孔は前記基体の主面と背面を貫通していることを特徴とする請求項14記載のアンテナ装置。
  16. 前記アンテナ用部品は前記基体の主面に前記放射用導体と容量結合可能に形成された導体を更に有し、この導体は前記孔内の導体を介して前記給電用導体配線と接続されていることを特徴とする請求項15記載のアンテナ装置。
  17. 請求項9から16いずれかに記載のアンテナ装置が用いられていることを特徴とする通信機器。
  18. 電子機器に挿入されこの電子機器に無線通信機能を付与することを特徴とする請求項17記載の通信機器。
  19. 前記アンテナ用部品が前記電子機器からはみ出ている部分内に設けられていることを特徴とする請求項18記載の通信機器。
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