JP2004063790A - 露光装置及びデバイス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】露光精度を低下させることなく、露光装置の小型、軽量化を図る。
【解決手段】マスクステージRSTは、定盤2、3それぞれのガイド面2a、3aにそれぞれ対向する第1、第2の対向面を有し、定盤2、3の光通過部に対応して開口部4a、4bがそれぞれ形成された粗動ステージ4と、レチクルRを保持する保持空間SSを形成する空間形成部材を有し、該空間形成部材の定盤3側端部が粗動ステージの開口部4b内に配置されるとともに、定盤3側の端面がガイド面3aに対向した状態で、粗動ステージに対して微動可能に保持された微動ステージ5とを有する。粗動ステージ4は、ガイド面2a、3aとの間に数μm程度のクリアランスをそれぞれ介して配置されている。このため、マスクステージ全体を隔壁で覆う場合と同等の効果が得られるとともに、露光装置全体の小型化、軽量化を図ることが可能となる。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は露光装置及びデバイス製造方法に係り、更に詳しくは、半導体集積回路、液晶ディスプレイ等の微細パターンの形成に用いて好適な露光装置、及び該露光装置を用いるデバイス製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体素子(集積回路)、液晶表示素子等の電子デバイスを製造するためのリソグラフィ工程では、電子デバイスの微細パターンを基板上に形成する種々の露光装置が用いられている。近年では、特に生産性の面から、形成すべきパターンを4〜5倍程度に比例拡大して形成したフォトマスク(マスク)又はレチクル(以下、「レチクル」と総称する)のパターンを、投影ユニットを介してウエハ等の被露光基板(以下、「ウエハ」と呼ぶ)上に縮小転写する縮小投影露光装置が、主として用いられている。
【0003】
この種の投影露光装置では、集積回路の微細化に対応して高解像度を実現するため、その露光波長をより短波長側にシフトしてきた。現在、その波長はKrFエキシマレーザの248nmが主流となっているが、より短波長のArFエキシマレーザの193nmも実用化段階に入りつつある。そして、最近では、更に短波長の波長157nmのFレーザや、波長126nmのArレーザ等の、いわゆる真空紫外域と呼ばれる波長帯の光源を使用する投影露光装置の提案も行なわれている。
【0004】
かかる波長190nm以下の真空紫外光は、大気中の酸素や水蒸気によって激しい吸収を受ける。このため、真空紫外光を露光光として使用する露光装置では、露光光の光路上の空間から酸素や水蒸気などの吸光物質を排除するため、その空間内の気体を、露光光を吸収しない、窒素やヘリウムなどの希ガスでガス置換(ガスパージ)する必要がある。例えば、波長157nmのFレーザを光源とする露光装置では、レーザからウエハに至るまでの光路の大部分で、残存酸素濃度を1ppm以下に押さえる必要があると言われている。
【0005】
また、高解像度化は、露光波長の短波長化のみならず、投影ユニットの鏡筒内部の光学系(投影光学系)の大開口数(N.A.)化によっても実現可能であることから、最近では投影光学系のより一層の大N.A.化の開発もなされている。しかるに、高解像度の実現のためには、投影光学系の大N.A.化に加えて投影光学系の収差の低減が必要である。このため、投影ユニットの製造工程では、光の干渉を利用した波面収差計測を行い、残存収差量を露光波長の1/1000程度の精度で計測し、その計測値に基づいて投影光学系の調整を行っている。
【0006】
このような投影光学系の大N.A.化や低収差化は、視野が小さい光学系ほど実現が容易である。但し、露光装置としては、視野(露光フィールド)が大きいほど、処理能力(スループット)が向上する。そこで、小視野ではあるが大N.A.の投影光学系を用いて、かつ実質的に大きな露光フィールドを得るために、露光中に、レチクルとウエハをその結像関係を維持したまま相対走査する走査型投影露光装置、例えばステップ・アンド・スキャン方式の走査型投影露光装置(すなわちいわゆるスキャニング・ステッパなど)が最近の主流となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上述の真空紫外光を光源とする露光装置においては、レチクル近傍の空間の残存酸素及び水蒸気濃度も、1ppm程度以下に抑える必要がある。これを実現する方法として、レチクルを保持するレチクルステージ全体を大きな気密型の遮蔽容器(レチクルステージチャンバ)で覆い、その内部(レチクルステージ,レチクルを含む)全体をガスパージする方法も考えられる。しかしながら、このような遮蔽容器を採用すると、露光装置が大型化及び重量化し、半導体工場のクリーンルーム内における、露光装置1台あたりの設置面積(フットプリント)がより大きくなり、設備コスト(あるいはランニング・コスト)の増大により結果的に半導体素子の生産性が低下してしまう。また、レチクル近傍のアクセスが困難となり、レチクルステージなどのメンテナンス時の作業性が低下してメンテナンスに要する時間が増大し、この点においても半導体素子の生産性が低下してしまう。
【0008】
特に走査型投影露光装置は、露光中にレチクルを高速に走査する必要から大型のレチクルステージを備えており、この大型のレチクルステージ全体を覆う遮蔽容器(レチクルステージチャンバ)は一層大型化してしまう。
【0009】
本発明は、かかる事情の下になされたものであり、その第1の目的は、露光精度を低下させることなく、装置の小型、軽量化を図ることが可能な露光装置を提供することにある。
【0010】
また、本発明の第2の目的は、高集積度のデバイスの生産性を向上することができるデバイス製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、照明光(EL)によりマスク(R)を照明する照明ユニット(ILU)と;前記マスクに形成されたパターンを物体(W)上に投影する投影ユニット(PU)と;前記マスクを保持する保持空間(SS)がその内部に形成され、前記照明光の光路にほぼ垂直な移動面内で少なくとも一軸方向に移動可能なマスクステージ(RST)と;前記マスクステージの前記照明ユニット側に所定の第1クリアランスを介して配置され、前記照明光が通過する第1の光通過部が一部に設けられた前記マスクステージの移動ガイド面を有する第1のマスク定盤(2)と;前記マスクステージの前記投影ユニット側に所定の第2クリアランスを介して配置され、前記照明光が通過する第2の光通過部が一部に設けられた前記マスクステージの移動ガイド面を有する第2のマスク定盤(3)と;を備え、前記マスクステージは、前記第1、第2のマスク定盤それぞれの前記移動ガイド面にそれぞれ対向する第1、第2の対向面が形成されるとともに、前記第1、第2のマスク定盤の前記第1、第2の光通過部に対応して開口部がそれぞれ形成された粗動ステージ(4)と;前記マスクを保持する前記保持空間を形成する空間形成部材(52、55、56)を有し、該空間形成部材の前記投影ユニット側端部が前記粗動ステージの前記第2のマスク定盤側の開口部内に配置されるとともに、前記空間形成部材の前記投影ユニット側の端面が前記第2のマスク定盤の移動ガイド面に対向した状態で、前記粗動ステージに対して微動可能に保持された微動ステージ(5)と;を有することを特徴とする露光装置である。
【0012】
これによれば、照明光の光路にほぼ垂直な移動面内で少なくとも一軸方向に移動可能なマスクステージの内部に保持空間が形成され、この保持空間内にてマスクが保持されている。そして、マスクステージの照明ユニット側(照明光の光路後方)に、マスクステージの移動ガイド面を有する第1のマスク定盤が、所定の第1クリアランスを介して配置されるとともに、マスクステージの投影ユニット側(照明光の光路前方)に、マスクステージの移動ガイド面を有する第2のマスク定盤が、所定の第2クリアランスを介して配置されている。これら第1、第2のマスク定盤の一部には、照明光が通過する第1、第2の光通過部がそれぞれ設けられている。すなわち、照明光が第1のマスク定盤の第1の光通過部を介してマスクステージの保持空間内に入射し、照明光によりマスクが照明されるとともに、マスクを透過した光が第2のマスク定盤の第2の光通過部から射出する。また、第1のマスク定盤と第2のマスク定盤との間に第1、第2クリアランスをそれぞれ介してマスクステージが配置されることにより、保持空間内への各定盤とマスクステージとの間隙を介した外気の浸入を極力抑制することができる。
【0013】
また、マスクステージは、第1、第2のマスク定盤それぞれの移動ガイド面にそれぞれ対向する第1、第2の対向面が形成されるとともに、前記第1、第2のマスク定盤の前記第1、第2の光通過部に対応して開口部がそれぞれ形成された粗動ステージと、マスクを保持する保持空間を形成する空間形成部材を有し、該空間形成部材の投影ユニット側端部が粗動ステージの第2のマスク定盤側の開口部内に配置されるとともに、空間形成部材の投影ユニット側の端面が第2のマスク定盤の移動ガイド面に対向した状態で、粗動ステージに対して微動可能に保持された微動ステージとを有している。すなわち、微動ステージの空間形成部材の投影ユニット側端部が粗動ステージの内部に挿入された状態となっているので、微動ステージと粗動ステージとを機械的に(あるいは機構的に)分離でき、微動ステージの軽量化を図りつつ、マスクを保持する保持空間の気密化、及び微動ステージと粗動ステージとの間の気密化を、効率よく実現することが可能となる。これにより微動ステージの高応答性と気密性を同時に実現することが可能となる。
【0014】
従って、上記構成を採用することにより、マスクステージ全体を隔壁で覆う場合と同等の効果を得ることができるとともに、マスクステージ自体の小型化、及び露光装置全体の小型化、軽量化を図ることが可能となる。また、例えば、保持空間内を照明光の吸収の小さいガスで置換する場合には、隔壁でマスクステージ全体を覆い、その内部を前記ガスで置換する場合と比べガスの使用量が低減されるので、コストダウンを図ることが可能となる。また、マスク周辺の空間内の吸光物質の濃度を低く抑えることもできるので、結果的に露光精度が低下することもない。
【0015】
この場合において、請求項2に記載の露光装置の如く、前記マスクステージは、前記粗動ステージと前記微動ステージとの互いの対向面の間のクリアランスを実質的に気密化する第1の気密化機構を更に有することとすることができる。
【0016】
この場合において、請求項3に記載の露光装置の如く、前記第1の気密化機構は、前記粗動ステージと前記微動ステージとの少なくとも一方に設けられた環状の凸部の前記移動面に平行な面とその対向面との間のクリアランスを実質的に気密化することとすることができる。
【0017】
本明細書において、「実質的に気密化する」とは、気密化対象の空間(クリアランスなどを含む)を外部に対して完全に気密化する場合のみならず、気密化対象の空間と外部との間には、わずかな気体の出入りはあるが、その気体の出入りは、その目的から見て無視できる程度である場合をも含む。
【0018】
この場合において、請求項4に記載の露光装置の如く、前記環状の凸部は、前記微動ステージに設けられたフランジ部であり、前記微動ステージは、前記フランジ部の変形を抑制する支持部材を更に有することとすることができる。
【0019】
上記請求項1〜4に記載の各露光装置において、請求項5に記載の発明の如く、前記粗動ステージの前記第2の対向面に設けられ、前記第2のマスク定盤の移動ガイド面に対して所定ガスを噴出するとともに、前記移動ガイド面近傍の空間内のガスを吸引して外部に排気することにより、前記第2のクリアランスを形成する差動排気型の第1の気体静圧軸受けを更に備えることとすることができる。
【0020】
上記請求項1〜5に記載の各露光装置において、請求項6に記載の露光装置の如く、前記第1クリアランスを実質的に気密化する第2の気密化機構を更に備えることとすることができる。
【0021】
上記請求項2、3、4、6に記載の各露光装置において、請求項7に記載の露光装置の如く、前記各気密化機構は、前記気密化対象のクリアランス内部に所定ガスを噴出するとともに、前記クリアランス内部の気体を吸引して外部に排気する差動排気型の気密化機構であることとすることができる。
【0022】
この場合において、請求項8に記載の露光装置の如く、前記差動排気型の気密化機構は、前記所定ガスの噴射口に連通する給気側環状凹溝と、該給気側環状凹溝の外周側に配置され前記所定ガスの排気口に連通する排気側環状凹溝とを有することとすることができる。
【0023】
上記請求項1〜8に記載の露光装置において、請求項9に記載の露光装置の如く、前記微動ステージに設けられ、前記第2のマスク定盤の移動ガイド面に対して所定ガスを噴出するとともに、前記移動ガイド面近傍の空間内のガスを吸引して外部に排気することにより、前記空間形成部材の前記投影ユニット側の端面と前記第2のマスク定盤の移動ガイド面との間に所定の第3クリアランスを形成する差動排気型の第2の気体静圧軸受けを更に備えることとすることができる。
【0024】
上記請求項5及び9に記載の各露光装置において、請求項10に記載の露光装置の如く、前記各気体静圧軸受けは、前記所定ガスの噴射口に連通する給気側環状凹溝と、該給気側環状凹溝の外周側に配置され前記所定ガスの排気口に連通する排気側環状凹溝とを有することとすることができる。
【0025】
上記請求項1〜10に記載の各露光装置において、請求項11に記載の露光装置の如く、前記照明光の光路と直交する方向の前記空間形成部材の側壁は薄板状部材から成り、該薄板状部材の少なくとも一部には補強部材が設けられていることとすることができる。
【0026】
上記請求項1〜11に記載の各露光装置において、請求項12に記載の露光装置の如く、前記照明光の光路と直交する前記空間形成部材の側壁の外側に反射部材が設けられ、前記反射部材にレーザ光を照射して、その反射光に基づいて前記微動ステージの位置を計測するレーザ干渉計を更に備えることとすることができる。
【0027】
上記請求項1〜12に記載の各露光装置において、請求項13に記載の露光装置の如く、前記保持空間に対して、特定ガスを供給するガス供給機構と、前記保持空間内のガスを排気するガス排気機構との少なくとも一方を更に備えることとすることができる。
【0028】
上記請求項1〜13に記載の各露光装置において、請求項14に記載の露光装置の如く、前記第1のマスク定盤と前記照明ユニットとの少なくとも一方に対して接することなく所定のクリアランスを介して配置され、前記第1のマスク定盤と前記照明ユニットとの間の空間をほぼ遮蔽する第1の遮蔽部材と;前記第1の遮蔽部材に設けられ、前記クリアランス内に所定のガスを噴射するとともに前記クリアランス内の気体を吸引して外部に排気する差動排気型の第1のシール機構と;を更に備えることとすることができる。
【0029】
この場合において、請求項15に記載の露光装置の如く、前記第1の遮蔽部材の内部の前記照明光の光路上の空間に特定ガスを供給するガス供給機構と、前記光路上の空間内のガスを排気する排気機構との少なくとも一方を更に備えることとすることができる。
【0030】
上記請求項14及び15に記載の各露光装置において、請求項16に記載の露光装置の如く、前記第2のマスク定盤と前記投影ユニットとの少なくとも一方に対して接することなく所定のクリアランスを介して配置され、前記第2のマスク定盤と前記投影ユニットとの間の空間をほぼ遮蔽する第2の遮蔽部材と;前記第2の遮蔽部材に設けられ、前記クリアランス内に所定のガスを噴射するとともに前記クリアランス内の気体を吸引して外部に排気する差動排気型の第2のシール機構と;を更に備えることとすることができる。
【0031】
この場合において、請求項17に記載の露光装置の如く、前記第2の遮蔽部材の内部の前記照明光の光路上の空間に特定ガスを供給するガス供給機構と、前記光路上の空間内のガスを排気する排気機構との少なくとも一方を更に備えることとすることができる。
【0032】
上記請求項13、15、17に記載の各露光装置において、請求項18に記載の露光装置の如く、前記照明光は、波長190nm以下の真空紫外光であり、前記特定ガスは、窒素及び希ガスのいずれかであることとすることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図1〜図6に基づいて説明する。
【0034】
図1には、一実施形態に係る露光装置100が概略的に示されている。この露光装置100は、照明光としての露光用照明光(以下、「露光光」と呼ぶ)ELをマスクとしてのレチクルRに照射して、該レチクルRと物体としてのウエハWとを所定の走査方向(ここでは、図1における紙面左右方向であるY軸方向とする)に同期移動してレチクルRのパターンを投影ユニットPUを介してウエハW上の複数のショット領域に転写するステップ・アンド・スキャン方式の投影露光装置、すなわちいわゆるスキャニング・ステッパである。
【0035】
この露光装置100は、不図示の光源、該光源に送光光学系を介して接続された照明ユニットILU、レチクルRを保持するマスクステージとしてのレチクルステージRST、レチクルRから射出される露光光ELをウエハW上に投射する投影ユニットPU、ウエハWを保持するウエハステージWST、及びこれらの制御系、並びに構成各部を支持する支持架台BD等を備えている。
【0036】
前記光源としては、ここでは、波長約120nm〜約190nmの真空紫外域に属する光を発する光源、例えば出力波長157nmのフッ素レーザ(Fレーザ)が用いられている。光源は、ビームマッチングユニットと呼ばれる光軸調整用の光学系を一部に含む不図示の送光光学系を介して照明ユニットILUを構成する照明系ハウジング102の一端に接続されている。
【0037】
前記光源は、実際には、照明ユニットILU及び投影ユニットPU等を含む露光装置本体が設置されるクリーンルームとは別のクリーン度の低いサービスルーム、あるいはクリーンルーム床下のユーティリティスペースなどに設置されている。なお、光源として、出力波長146nmのクリプトンダイマーレーザ(Krレーザ)、出力波長126nmのアルゴンダイマーレーザ(Arレーザ)などの他の真空紫外光源を用いても良く、あるいは、出力波長193nmのArFエキシマレーザ、出力波長248nmのKrFエキシマレーザ等を用いても良い。
【0038】
前記照明ユニットILUは、内部を外部から隔離する照明系ハウジング102と、その内部に所定の位置関係で配置されたオプティカルインテグレータを含む照度均一化光学系、リレーレンズ、可変NDフィルタ、レチクルブラインド、及び光路折り曲げ用のミラー等(いずれも不図示)から成る照明光学系とを含んで構成されている。なお、オプティカルインテグレータとしては、フライアイレンズ、ロッドインテグレータ(内面反射型インテグレータ)、あるいは回折光学素子などが用いられる。本実施形態の照明ユニットは、例えば特開平6−349701号公報号公報などに開示されるものと同様の構成となっている。照明ユニットILUでは、回路パターン等が形成されたレチクルR上のスリット状の照明領域(前記レチクルブラインドで規定されるX軸方向に細長く伸びるスリット状の領域)を露光光ELによりほぼ均一な照度で照明する。
【0039】
なお、照明系ハウジング102内のレチクルR側端部近傍には、不図示の平板状の光透過窓が配設されている。この光透過窓は、照明ユニットILUからの露光光ELを透過するとともに、照明系ハウジング102内を気密状態に維持する機能を有している。なお、光透過窓としては平板状のものに限らず、照明ユニットILUを構成するレンズを照明系ハウジング102に気密に固定することで、上記光透過窓の代わりとすることとしても良い。
【0040】
なお、上記照明ユニットILUを構成する光学部材のうち、レンズや照度均一化光学系、光透過窓といった露光光ELを透過する部材の材料としては、真空紫外光に対する透過率の高い例えばホタル石を使用することが望ましい。但し、部分的には、水酸基を10ppm以下程度に排除し、フッ素を1%程度含有させたフッ素ドープ石英(いわゆるモディファイド石英)を用いることもできる。また、フッ素ドープ石英に限られず、通常の石英や単に水酸基の少ない石英、さらに水素を添加した石英を使用することも可能である。また、フッ化マグネシウム、フッ化リチウムなどのフッ化物結晶を使用しても良い。
【0041】
なお、前記送光光学系や照明ユニットILU内のメンテナンス時に外部から侵入する大気が、メンテナンス対象の空間以外に広がらないようにするために、送光光学系と照明ユニットILUの境界部分に、仕切り窓を設けることとしても良い。また、このような仕切り窓を、送光光学系や照明ユニットILU内に設置される任意の光学部材で代用し、送光光学系と照明ユニットILU内を複数の気密空間に分離することとしても良い。
【0042】
前記支持架台BDは、クリーンルームの床面F上に設けられた第1架台111と、第1架台111にて支持された第2架台112とを備えている。
【0043】
前記第1架台111は、クリーンルームの床面F上に設けられた複数(ここでは4個)の防振ユニット13a〜13d(図1の紙面奥側の防振ユニット13c,13dは不図示)と、該防振ユニット13a〜13dを介して設けられた複数本(ここでは4本)の脚部12a〜12d(図1の紙面奥側の脚部12c,12dは不図示)と、これらのうち2本の脚部12a,12cによりほぼ水平に支持された板状の支持部材11aと、残りの2本の脚部12b,12dによりほぼ水平に支持された板状の支持部材11bとから構成されている。
【0044】
前記第2架台112は、支持部材11a,11bにより水平に支持された第2のマスク定盤としての投影系側定盤3と、該投影系側定盤3の上方に配置された第1のマスク定盤としての照明系側定盤2と、投影系側定盤3及び照明系側定盤2の間に設けられ、投影系側定盤3と照明系側定盤2との間に所定間隔を形成する、複数(ここでは4本)の支持柱(スペーサ)26a〜26d(図1では、支持柱26c,26dは不図示(図4(A)、図4(B)参照))とを備えている。
【0045】
ここで、照明系側定盤2及び投影系側定盤3について説明すると、照明系側定盤2及び投影系側定盤3は、それぞれ、天然石,セラミック,ステンレス鋼等の材質で形成され、それぞれ対向する側の面、すなわち、照明系側定盤2の下面2b及び投影系側定盤3の上面3bは、凹凸が数μm以下の平滑な平面となるように研磨されている。これらの面2b、3bはレチクルステージRSTの移動ガイド面となっている。従って、以下では、これらの面を移動ガイド面2b、移動ガイド面3bとも呼ぶ。
【0046】
なお、定盤2,3の材質が天然石や多孔質セラミックである場合には、その表面にフッ素樹脂等をコートし、表面への酸素や水蒸気の吸着とその脱離を防止することが望ましい。
【0047】
これら定盤2,3には、図1に示されるように露光光が通過する第1、第2の光通過部としての矩形の開口部2a,3aがそれぞれ形成されている。
【0048】
前記レチクルステージRSTは、上記第2架台112を構成する照明系側定盤2及び投影系側定盤3の間で、それぞれの定盤の移動ガイド面2b、3bに対し所定のクリアランスを隔てて配置され、レチクルRを保持して少なくともY軸方向に移動可能となっている。レチクルステージRSTの位置情報は、レチクルステージRSTに設けられた移動鏡を介して、図1に示されるレチクルレーザ干渉計9によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時計測されるようになっている。なお、レチクルステージRSTの構成、及びレチクルレーザ干渉計9等については、後に更に詳述する。
【0049】
前記投影ユニットPUは、ホタル石、フッ化リチウム等のフッ化物結晶から成るレンズや反射鏡からなる光学系(投影光学系)を、鏡筒で密閉したものである。投影光学系としては、ここでは、一例として両側テレセントリックで投影倍率βが例えば1/4あるいは1/5の屈折系が用いられているものとする。このため、前述の如く、照明ユニットILUからの露光光ELによりレチクルRが照明されると、その照明領域に対応する部分のレチクルR上のパターンが投影ユニットPU(投影光学系)によりウエハW上のショット領域の一部に縮小投影され、前記露光光ELで照明されたパターン部分の縮小像(部分像)が形成される。
【0050】
この投影ユニットPUは、その高さ方向の中央やや下側に設けられたフランジFLGを介して後述するウエハ側遮蔽機構22により非接触で支持されている。
【0051】
なお、投影光学系としては、屈折系に限らず、反射屈折系、反射系のいずれをも用いることができる。
【0052】
投影ユニットPUの下端部は、複数の防振ユニット25を介して床面F上に設けられたウエハ室40内に挿入された状態となっている。このウエハ室40内には、ウエハWを保持して二次元方向に移動するウエハステージWSTが設けられている。
【0053】
前記ウエハステージWSTは、例えば磁気浮上型や加圧気体の静圧により浮上する気体浮上型のリニアモータ等から成る駆動装置としての不図示のウエハ駆動系によって、ウエハ室40内に複数の防振ユニット19を介して設けられたウエハステージベースBSの上面に沿ってかつ非接触でXY面内で自在に駆動されるようになっている。
【0054】
ウエハステージWSTは、実際には、上記のXY面内で自在に駆動(θz回転を含む)されるXYステージ36、このXYステージ36上に搭載され、ウエハWを保持するウエハテーブル35等を備えている。ウエハテーブル35上に不図示のウエハホルダが設けられ、該ウエハホルダによってウエハWが例えば真空吸着により保持されている。ウエハテーブル35は、不図示の駆動系により、Z軸方向及びXY面に対する傾斜方向に微小駆動される。このように、ウエハステージWSTは、実際には、複数のステージ、テーブルを含んで構成されるが、以下では、ウエハステージWSTは、ウエハ駆動系によってX、Y、Z、X軸回りの回転であるθx、Y軸回りの回転であるθy、及びθz方向の6自由度方向に駆動可能な単一のステージであるものとして説明する。
【0055】
ウエハステージWSTの位置情報は、ウエハテーブル35上面に設けられた移動鏡17を介してウエハレーザ干渉計(以下、「ウエハ干渉計」という)18によって、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時計測されるようになっている。
【0056】
なお、実際には、移動鏡はX軸に直交する反射面を有するX移動鏡と、Y軸に直交する反射面を有するY移動鏡とが設けられ、これに対応してレーザ干渉計もX方向位置計測用のXレーザ干渉計とY方向位置計測用のYレーザ干渉計とが設けられているが、図1ではこれらが代表して移動鏡17、ウエハ干渉計18として図示されている。なお、例えば、ウエハステージの端面を鏡面加工して反射面(移動鏡17の反射面に相当)を形成しても良い。また、Xレーザ干渉計及びYレーザ干渉計は測長軸を複数有する多軸干渉計であり、ウエハテーブル35のX、Y位置の他、回転(ヨーイング(Z軸回りの回転であるθz回転)、ピッチング(X軸回りの回転であるθx回転)、ローリング(Y軸回りの回転であるθy回転))も計測可能となっている。従って、以下の説明ではレーザ干渉計18によって、ウエハテーブル35のX、Y、θz、θy、θxの5自由度方向の位置が計測されるものとする。
【0057】
上述したウエハ干渉計18からのウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)は不図示の制御装置に送られ、制御装置ではウエハステージWSTの位置情報(又は速度情報)に基づいてウエハ駆動系を介してウエハステージWSTを駆動する。
【0058】
なお、本実施形態のように、真空紫外域の波長の光を露光光とする場合には、照明系ハウジング102や投影ユニットPUの鏡筒及びウエハ室40内を気密構造とし、その内部を窒素や希ガス等の真空紫外光に対して高い透過率を有するガス(以下、適宜「低吸収性ガス」と呼ぶ)で置換することで、光路から酸素や水蒸気、炭化水素系のガス等の、かかる波長帯域の光に対し強い吸収特性を有するガス(以下、適宜「吸収性ガス」と呼ぶ)を排除する必要がある。このため、本実施形態では、照明系ハウジング102、投影ユニットPUの鏡筒及びウエハ室40の内部に、それぞれに接続された給気管107,30,24を介して、例えば22℃の所定温度に管理された窒素又は希ガスを送り、排気管108,31,23を介して内部のガスを排気することにより、それぞれの内部を低吸収性ガスにて置換することとしている。
【0059】
また、図1に示されるように、照明系ハウジング102と照明系側定盤2の間の間隙には、該間隙内ヘの外部からの気体の浸入を遮蔽する差動排気型の第1のシール機構としての照明系側遮蔽機構7が設けられ、投影系側定盤3と投影ユニットPUとの間の間隙には、該間隙内への外部からの気体の浸入を遮蔽する差動排気型の第2のシール機構としての投影系側遮蔽機構8が設けられ、投影ユニットPUのフランジFLGとウエハ室40の隔壁20との間の間隙には、該間隙への外部からの気体の浸入を遮蔽するウエハ側遮蔽機構22が設けられている。
【0060】
これら遮蔽機構7,8,22は、それぞれ不図示の保持機構により保持されており、上下に位置する部材との間に所定のクリアランスが形成されている。なお、これら遮蔽機構7,8,22については後に更に詳述する。
【0061】
制御系は、不図示の制御装置によって主に構成される。制御装置は、CPU(中央演算処理装置)、ROM(リード・オンリ・メモリ)、RAM(ランダム・アクセス・メモリ)等から成るいわゆるマイクロコンピュータ(又はワークステーション)を含んで構成され、上述した各種制御動作を行う他、露光動作が的確に行われるように、例えばレチクルRとウエハWの同期走査、ウエハWのステッピング等を制御する。
【0062】
具体的には、制御装置は、例えば走査露光時には、レチクルRがレチクルステージRSTを介して+Y方向(又は−Y方向)に速度V=Vで走査されるのに同期して、ウエハステージWSTを介してウエハWが露光領域に対して−Y方向(又は+Y方向)に速度V=β・V(βはレチクルRからウエハWに対する投影倍率)で走査されるように、レチクルレーザ干渉計9、ウエハ干渉計18の計測値に基づいてレチクルステージRSTをY軸方向に駆動する後述するリニアモータ、ウエハ駆動系を介してレチクルステージRST、ウエハステージWSTの位置及び速度をそれぞれ制御する。
【0063】
また、ステッピングの際には、制御装置では、レチクルレーザ干渉計及びウエハレーザ干渉計の計測値に基づいてウエハ駆動系を介してウエハステージWSTの位置を制御する。
【0064】
次に、図2(A)〜図4(B)に基づいて、レチクルステージRSTの構成等について詳細に説明する。図2(A)は、レチクルステージRSTを一部省略して示す斜視図であり、図2(B)は、レチクルステージRSTを構成するレチクル微動ステージを取り出して示す斜視図である。また、図3はレチクルステージRSTの縦断面図である。また、図4(A)は、図3のA−A線断面図であり、図4(B)は、図3のB−B線断面図である。
【0065】
レチクルステージRSTは、前述したように第2架台112を構成する照明系側定盤2と投影系側定盤3に挟まれた状態で第2架台112に非接触にて保持されている。このレチクルステージRSTは、図2(A)に示されるように、レチクル粗動ステージ(以下、単に「粗動ステージ」と呼ぶ)4と、レチクル微動ステージ(以下、単に「微動ステージ」と呼ぶ)5とを備えている。
【0066】
前記粗動ステージ4は、図3に示されるように、上板部46aと、下板部46cと、上板部46aと下板部46cとに挟まれ、これらを連結する中間部46bとの3部分から構成されている。この粗動ステージ4は、投影系側定盤3の移動ガイド面3bの上方に後述する第1の気体静圧軸受けによって浮上支持され、その結果照明系側定盤2の移動ガイド面2bと上板部46aとの間には、数μm程度の微小間隔(第1のクリアランス)が形成されている。この場合、下板部46cと移動ガイド面3bとの間には、数μm程度の微小間隔(第2のクリアランス)が形成されている。また、粗動ステージ4を構成する上板部46a及び下板部46cには、照明系側定盤2及び投影系側定盤3の開口部2a,3aに対応する開口部4a,4bが形成されている。
【0067】
前記下板部46cのX軸方向一側と他側の側面には、図4(A)及び図4(B)に示されるように、支持部材47a,47bをそれぞれ介してスライダ48a,48bが設けられている。これらのスライダ48a,48bは、リニアモータRM1,RM2の可動子をそれぞれ構成するものである。以下、スライダ48a,48bを可動子48a、48bとも呼ぶ。これらの可動子48a,48bはY軸方向に沿って延設されたリニアモータRM1,RM2の固定子49a,49bとの間の電磁相互作用によって発生するローレンツ力(電磁力)によりY軸方向に駆動され、これによりレチクルステージRSTの全体がY軸方向に駆動される。
【0068】
なお、上記固定子49a,49bは、第2架台112を支持する第1架台111にて支持することもできるが、これとは別に、クリーンルームの床面F上に防振機構を介して不図示の支持機構を設け、これにより支持することとしても良い。また、可動子48a,48bを取り付ける位置は、前記下板部46cに限らず、中間部46bであっても良い。なお、レチクルステージRSTをY軸方向に駆動するリニアモータRM1,RM2による推力の作用点の高さ方向の位置は可動子48a,48bの位置とほぼ一致するので、この取付位置(高さ方向の位置)は、レチクルステージRST全体の重心位置と一致させることが望ましい。
【0069】
レチクルステージRST(粗動ステージ4)は、上述したようにリニアモータRM1、RM2によりY軸方向に駆動されるが、照明系側定盤2と投影系側定盤3の移動ガイド面2b、3bが相互に平行になっているので、粗動ステージ4のY軸方向への駆動を行ったとしても、移動ガイド面2b、3bと粗動ステージ4との間の第1クリアランス、第2クリアランスはほぼ一定に保たれる。
【0070】
前記中間部46bには、図4(B)に示されるように、ボイスコイルモータ等から成るY軸微小アクチュエータAC1、AC2とX軸微小アクチュエータAC3とが埋め込まれた状態となっている。これら微小アクチュエータAC1〜AC3の可動子は、それぞれステージ保持部材42a,42b,42cを介して微動ステージ5に接続されている。従って、微小アクチュエータAC1〜AC3の駆動により、微動ステージ5がX軸方向,Y軸方向、及びθz方向(Z軸方向回りの回転方向)に微小駆動されるようになっている。なお、本実施形態では、微小アクチュエータAC1,AC2の温度上昇を抑制するため、その一部を中間部46bの外側に出し、放熱が行われやすいような構成を採用している。
【0071】
前記微動ステージ5は、図2(B)に示されるように、下から順に積み重ねられた底面部材56、フランジ部材55、及び隔壁52等を備えている。
【0072】
前記底面部材56は、板状の部材から成り、その中央部近傍に矩形の開口56aが形成されている(図3参照)。この開口56aは、露光光ELが透過するためのものである。
【0073】
前記フランジ部材55は、底面部材56よりも大きな板状の部材から成り、その中央部近傍には、図3に示されるように、前記開口56aとほぼ同一大きさの矩形の開口55aが形成されている。フランジ部材55の上面には、開口55aを取り囲む位置に、複数(ここでは4つ)のレチクル保持機構53が設けられている。
【0074】
レチクル保持機構53は、図4(B)に示されるように、フランジ部材55上に導入された真空配管54等を介して露光装置内に設置された不図示の真空ポンプに接続されており、レチクルRがレチクル保持機構53上に載置されると、真空ポンプの作動によって、レチクルRがレチクル保持機構53によって吸着保持される。なお、上記真空配管54は、粗動ステージ4を経由して、VCRガスコネクタ等のガス導入端子により、微動ステージ5内部に導入されている。粗動ステージ4内の真空配管44は、アクチュエータ等に接続する他の電気配線と共に配線束39にまとめられ、真空ポンプに接続されている。なお、上記真空ポンプは、露光装置内に備えていても良いが、真空源として半導体工場の真空用配管から供給される真空配管又は減圧空気の配管を使用しても良い。この点については、これ以降で説明する真空ポンプについても同様である。
【0075】
前記隔壁52は、フランジ部材55の上面に固定され、開口55a及びレチクル保持機構53の全体を取り囲む上方から見て開口55aよりも幾分大きな矩形形状を有する周壁52Aと、該周壁52Aの上端面に固定され、その中央部に、図2(A)に示されるように、露光光ELを通過させるための矩形開口52Baが形成された天井部52Bとから構成されている。図3に示されるように、この隔壁52と底面部材56とフランジ部材55とによって、レチクルRを保持する保持空間SSが区画されている。すなわち、隔壁52と底面部材56とフランジ部材55とによって保持空間SSを形成する空間形成部材が構成されている。
【0076】
この場合、隔壁52の周壁52Aとしては、図6に示されるように、薄い金属板から成る気密性隔壁152Aと、該気密性隔壁152Aの外面のほぼ全体に設けられた網目状の補強部材としての梁152Bとを有する構成を採用することができる。かかる構成の周壁52Aによると、微動ステージ5の軽量化と高い剛性の確保とを同時に実現することが可能となり、結果的に微動ステージ5の制御応答性を向上することが可能となる。
【0077】
また、フランジ部材55の上面には、図2(B)に示されるように、直角三角形の板状の支持部材105が周壁52Aの全周にわたって所定間隔で複数固定されている。各支持部材105の直角を挟む一端面(底面)は、フランジ部材55の上面に固定され、残りの端面(側面)は周壁52Aに固定されている。これら複数の支持部材105により、下方からの押圧力によりフランジ部材55に曲げモーメントが作用した場合にも、その変形を極力抑制することができる。
【0078】
また、フランジ部材55上面の周壁52Aの+X側の側壁の外側(保持空間SSの外側)には、図4(B)等に示されるように、平面ミラーから成る反射部材としてのX移動鏡91cが設けられている。このX移動鏡91cの反射面に対して、その+X側に設けられたレチクルレーザ干渉計9cからの光束が照射され、レチクルレーザ干渉計9cによって不図示の固定鏡(参照鏡)を基準としてX移動鏡91cのX軸方向の位置(X位置)、すなわち微動ステージ5(レチクルR)のX位置が、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出されるようになっている。
【0079】
更に、フランジ部材55上面の周壁52Aの−Y側の側壁の外側(保持空間SSの外側)には、図2(B)に示されるように、一対のプリズム型のコーナーキューブ(レトロリフレクタ)から成る反射部材としてのY移動鏡91a,91bが取付部材104a、104bを介して設けられている。この一対のY移動鏡91a,91bそれぞれに対して図4(B)に示されるレチクルレーザ干渉計9a,9bからレーザビームがそれぞれ照射され、レチクルレーザ干渉計9a,9bによって不図示の固定鏡(参照鏡)をそれぞれ基準としてY移動鏡91a,91bのY軸方向の位置(Y位置)、すなわち微動ステージ5(レチクルR)のY位置が、例えば0.5〜1nm程度の分解能で常時検出される。また、レチクルレーザ干渉計9a,9bの出力値に基づいて微動ステージ5のθz回転をも検出することができる。
【0080】
なお、例えばフランジ部材55の+X側端面及び−Y側端面を鏡面加工することにより反射面(前述の移動鏡91c、91a,91bの反射面に相当)を形成しても良い。また、移動鏡91a〜91cは、微動ステージ5の底面部材56に設けることとしても良い。この場合、移動鏡91a〜91cを底面部材56の上面からフランジ部材55上方に突出させるため、フランジ部材55の開口55aを底面部材56の開口56aよりも大きくとる必要がある。また、隔壁52は、底面部材56に直接設けられることになる。
【0081】
ここで、粗動ステージ4などに設けられた気体静圧軸受けについて図3に基づいて詳細に説明する。
【0082】
まず、粗動ステージ4を投影系側定盤3の移動ガイド面3bの上方に浮上支持する前述した差動排気型の第1の気体静圧軸受け(以下、「第1の軸受け」と呼ぶ)について説明する。
【0083】
粗動ステージ4の下板部46cの底面には、その外縁部のやや内側に給気側環状凹溝31が形成され、該給気側環状凹溝31の外側に排気側環状凹溝32が形成されている。給気側環状凹溝31には、粗動ステージ4内に形成された給気管路35を介して給気管37の一端が接続され、この給気管37の他端は不図示のガス供給装置に接続されている。また、排気側環状凹溝32には、粗動ステージ4内に形成された排気管路36を介して排気管38の一端が接続され、この排気管38の他端は不図示の真空ポンプに接続されている。
【0084】
このような構成とすることで、給気管37を介してガス供給装置から送られる窒素又は希ガスなどの低吸収性ガス(所定ガス)が、粗動ステージ4内に形成された給気管路35を介して給気側環状凹溝31から移動ガイド面3bに対して噴出されるとともに、排気側環状凹溝32の周辺のガスが、排気側環状凹溝32、排気管路36及び排気管38を介して不図示の真空ポンプにより吸引される。これにより、粗動ステージ4を、投影系側定盤3の移動ガイド面3bの上方に微小距離(数μm程度)浮上させることができ、これにより第1のクリアランスが形成される。また、内側の溝31から外側の溝32へ向けたガスの流れ(図3の点線矢印参照)が形成されるので、粗動ステージ4の外部から粗動ステージ4の内部側、すなわち開口4b側への外気(酸素,水蒸気)の浸入を阻止することが可能となっている。このように、第1の軸受けは実質的に、下板部46c全体によって構成されている。
【0085】
次に、微動ステージ5と投影系側定盤3との間に数μm程度の微小間隔(第3のクリアランス)を形成する差動排気型の第2の気体静圧軸受け(以下、「第2の軸受け」と呼ぶ)について説明する。
【0086】
微動ステージ5の底面部材56の底面には、図3に示されるように、その外縁部のやや内側に給気側環状凹溝131が形成され、該給気側環状凹溝131の外側に排気側環状凹溝132が形成されている。給気側環状凹溝131には、微動ステージ5内に形成された給気管路135、微動ステージ5のフランジ部材55上に設けられた給気ポート146a、該給気ポート146aにその一端が接続された給気配管147a、及び粗動ステージ4に設けられ、給気配管147aの他端が接続された給気ポート146bを介して前述の給気管路35に接続されている。また、排気側環状凹溝132は、微動ステージ5内に形成された排気管路136、微動ステージ5のフランジ部材55上に設けられた排気ポート146c、該排気ポート146cにその一端が接続された排気配管147b、及び粗動ステージ4に設けられ、排気配管147bの他端が接続された排気ポート146dを介して前述の排気管路36に接続されている。
【0087】
なお、上記の給気配管147a及び排気配管147bとしては、フッ素系樹脂やフレキシブルなステンレス配管等を用いることができる。
【0088】
このような構成とすることで、給気管37を介してガス供給装置から送られる低吸収性ガスが、給気管路35、給気ポート146b、給気配管147a、給気ポート146a及び給気管路135を介して給気側環状凹溝131から移動ガイド面3bに対して噴出されるとともに、排気側環状凹溝132の周辺のガスが、排気側環状凹溝132、排気管路136、排気ポート146c、排気配管147b、排気ポート146d、排気管路136及び排気管38を介して不図示の真空ポンプにより吸引される。これにより、微動ステージ4を、投影系側定盤3の移動ガイド面3bから微小距離浮上させることができ、これにより第3のクリアランスが形成される。また、内側の溝131から外側の溝132へ向けたガスの流れ(図3の点線矢印参照)が形成されるので、微動ステージ5の外部から微動ステージ5の内部側、すなわち底面部材56の開口56a側への外気(酸素,水蒸気)の浸入を阻止することが可能となっている。このように、第2の軸受けは実質的に、底面部材56全体によって構成されている。
【0089】
次に粗動ステージ4と照明系側定盤2の移動ガイド面2bとの間の微小隙間(第1のクリアランス)を実質的に気密化する第2の気密化機構としての差動排気型の気体静圧軸受け(以下、便宜上「第3の軸受け」と呼ぶ)について説明する。
【0090】
粗動ステージ4の上板部46aの上面には、その外縁部のやや内側に給気側環状凹溝27が形成され、該給気側環状凹溝27の外側に排気側環状凹溝28が形成されている。給気側環状凹溝27は、前述の給気管路35に接続されている。また、排気側環状凹溝28は、前述した排気管路36に接続されている。
【0091】
このような構成とすることで、給気管37を介してガス供給装置から送られる低吸収性ガスが、粗動ステージ4内に形成された給気管路35を介して給気側環状凹溝27から噴出されるとともに、排気側環状凹溝28の周辺のガスが、排気側環状凹溝28及び排気管路36、排気管38を介して不図示の真空ポンプにより吸引される。これにより、粗動ステージ4と照明系側定盤2の移動ガイド面2bとの間の所定の第1クリアランスを維持することができるとともに、その第1クリアランス内に内側から外側に向けたガスの流れ(図3の点線矢印参照)が形成されることで、粗動ステージ4の外部から粗動ステージ4の内部側、すなわち開口4a側への外気(酸素,水蒸気)の浸入をほぼ阻止することが可能となっている。すなわち、この第3の軸受けにより、第1クリアランスが実質的に気密化されている。これまでの説明から分かるように、第3の軸受けは、実質的に上板部46a全体により構成されている。
【0092】
次に、粗動ステージ4の上板部46aと微動ステージ5との間のクリアランスを実質的に気密化する差動排気型の気体静圧軸受け(以下、便宜上「第4の軸受け」と呼ぶ)について説明する。
【0093】
粗動ステージ4の上板部46aの下面には、図3に示されるように、開口4aの外側に給気側環状凹溝58が形成され、該給気側環状凹溝58の更に外側に排気側環状凹溝59が形成されている。給気側環状凹溝58は、粗動ステージ4内に形成された前述の給気管路35に接続されている。また、排気側環状凹溝59は、粗動ステージ4内に形成された前述の排気管路36に接続されている。
【0094】
このような構成とすることで、給気管37を介してガス供給装置から送られる低吸収性ガスが、粗動ステージ4内に形成された給気管路35を介して給気側環状凹溝58から噴出されるとともに、排気側環状凹溝59の周辺のガスが、排気側環状凹溝59及び排気管路36、排気管38を介して不図示の真空ポンプにより吸引される。
【0095】
ここで実際には、環状凹溝58,59の下方には、微動ステージ5の隔壁52の上端面が近接配置されるので、微動ステージ5と粗動ステージの上板部46aとの間の所定間隔を維持できるとともに、環状凹溝58と環状凹溝59の間に、溝58から溝59に向けてガスの流れ(図3の点線矢印参照)が形成される。従って、微動ステージ5の外部から微動ステージ5内部側、すなわちレチクルRが保持されている空間側への外気(酸素,水蒸気)の浸入を阻止することが可能となっている。このように、第4の軸受けは、実質的に上板部46aにより構成されている。
【0096】
次に、粗動ステージ4の下板部46cと微動ステージ5との間のクリアランスを実質的に気密化する第1の気密化機構としての差動排気型の気体静圧軸受け(以下、便宜上「第5の軸受け」と呼ぶ)について説明する。
【0097】
粗動ステージ4の下板部46cには、図3に示されるように、そのほぼ中央部に段付き開口4bが形成され、該段付き開口4bの段部に給気側環状凹溝33が形成され、該給気側環状凹溝33の更に外側に排気側環状凹溝34が形成されている。給気側環状凹溝33は、粗動ステージ4内に形成された前述の給気管路35に接続されている。また、排気側環状凹溝34は、粗動ステージ4内に形成された前述の排気管路36に接続されている。
【0098】
このような構成とすることで、給気管37を介してガス供給装置から送られる低吸収性ガスが、粗動ステージ4内に形成された給気管路35を介して給気側環状凹溝33から噴出されるとともに、排気側環状凹溝34の周辺のガスが、排気側環状凹溝34及び排気管路36、排気管38を介して不図示の真空ポンプにより吸引される。
【0099】
ここで、実際には、図3から分かるように環状凹溝33,34の上方には、微動ステージ5のフランジ部材55の下面が対向してかつ近接して配置されるので、環状凹溝33は対向するフランジ部材55の底面に対して低吸収ガスが噴出され、そのガスは微動ステージ5を押し上げつつその周囲を流れ、溝34にて吸引される。すなわち、上記溝33から噴射されたガスの静圧により微動ステージ5と粗動ステージ4との間のクリアランスが維持されるとともに、溝33と溝34の間には、溝33から溝34に向けてガスの流れ(図3の点線矢印参照)が形成されることにより、微動ステージ5の外部から微動ステージ5の底面部材56に形成された開口56aへの外気(酸素,水蒸気)の浸入を阻止することが可能となっている。すなわち、この第5の軸受けにより、微動ステージ5と粗動ステージ4との間のクリアランスが実質的に気密化されている。これまでの説明から分かるように、第5の軸受けは、実質的に下板部46cにより構成されている。なお、微動ステージ5は、主に、前述の第2の軸受けによって浮上させることができるので、上記第5の軸受けには、積極的な浮上機構(浮力)を持たせなくても良い。この場合には、第5の軸受けによって、微動ステージ5のフランジ部材55の下面と粗動ステージ4の段付き開口4bの段部上面との間隔の気密性を十分に達成することができる。
【0100】
ここで、第5の軸受けを、段付き開口4bに設けることとしたのは、段付き開口4b及びこれに対向するフランジ部材55の下面が、微動ステージ5の粗動ステージ4に対する相対移動方向に平行な面とされ、微動ステージ5が移動しても、フランジ部材55の下面と段付き開口4bの段部との間隔が変動しないからである。このようにすることで、第5の軸受けが微動ステージ5の制御性に与える影響や、微動ステージ5の移動に伴う気密性の低下を極力抑えることが可能となっている。
【0101】
なお、粗動ステージ4と微動ステージ5との相対移動量は、リニアモータRM1,RM2による粗動ステージ4の位置制御を補正する程度の微少量であり、具体的には数μm程度の幅である。このため、上述した微動ステージ5の隔壁52の上端面及びフランジ部材55の下面に対して、粗動ステージ4に設けられた第4、第5の軸受けによる差動排気は、そのガス噴射量及び吸引量がわずかであっても問題とならない場合がある。また、近接配置される両者の端面が、十分なすべり性を有し、かつ気密性を有する場合には、粗動ステージ4と微動ステージ5との間の軸受け(すなわち、第4、第5の軸受け)を設けなくても良い場合もある。すなわち、上記の部分において、粗動ステージ4と微動ステージ5との間に、フレキシブルなフィルム状のシール部材を設けることにより上記の気密性かつ十分なすべり性を達成できるのであれば、第4、第5の軸受けを設けなくても良い。
【0102】
以上説明した第1〜第5の軸受けにより、各ステージが非接触支持されるとともに、レチクルRが保持された空間内への、粗動ステージ4と照明系側定盤2、投影系側定盤3との間の間隙、及び粗動ステージ4と微動ステージ5との間の間隙を介した外部からのガスの流入がほぼ完全に阻止されることになる。
【0103】
ここで、図3に示されるように、粗動ステージ4に接続された給気管37内を流れる窒素又は希ガスなどの低吸収性ガスの一部を、粗動ステージ4内で給気管路35から分岐された給気枝管221a、221bを介して粗動ステージ4に形成された開口4a及び開口4bの側壁から該開口内に流入させることによって、保持空間SS内に窒素又は希ガスなどの低吸収性ガスを供給するガス供給機構を実現することができる。その一方で、排気管路36から分岐された排気枝管222a,222bを介して、開口4a,4bの側壁から保持空間SS内のガスを排気する構成とすることによりガス排気機構を実現することができる。これらガス供給機構及びガス排気機構、並びに上記気密化により、レチクルRが保持された空間内を露光光の吸収の少ない窒素又は希ガス等の低吸収性ガスにより置換することが可能となる。給気枝管221a、221bを吸気側環状凹溝58と開口4a、4bとの間に設けても良い。
【0104】
図1に戻り、前記照明系側遮蔽機構7は、照明系ハウジング102と照明系側定盤2に対して所定のクリアランスを介して、不図示の保持機構により保持されており、図5(A)に示されるように内部空間ISを有する円筒状の形状をした第1の遮蔽部材としての遮蔽部材7a等を含んで構成されている。
【0105】
前記遮蔽部材7aの上端面には、円環状の形状を有する第1給気溝89と該第1給気溝89よりも径の大きい第1排気溝87とが形成されている。また、遮蔽部材7aの下端面には、円環状の形状を有する第2給気溝88と該第2給気溝88よりも径の大きい第2排気溝86とが形成されている。これら第1給気溝89と第2給気溝88は、遮蔽部材7a内に形成された複数(例えば3つ)の給気管路85がそれぞれ接続されており、第1排気溝87と第2排気溝86は、遮蔽部材7a内に形成された複数(例えば3つ)の排気管路84がそれぞれ接続されている。給気管路85のそれぞれには、遮蔽部材7aの外部からその一端部が不図示のガス供給装置に接続された給気管81の他端部が接続されている。また、排気管路84には、遮蔽部材7aの外部から、その一端部が不図示の真空ポンプに接続された排気管82の他端部が接続されている。
【0106】
また、これらとは別に、遮蔽部材7aには、その外部から内部空間ISに連通するように、ガス供給管路118とガス排気管路117とが形成されており、ガス供給管路118の一端には、その一端が不図示のガス供給装置に接続されたガス供給管83の他端が接続され、他端には、ノズル119が接続されている。また、ガス排気管路117の外側の一端には、その一端が不図示の真空ポンプに接続されたガス排気管90の他端が接続されている。
【0107】
以上のように構成される照明系側遮蔽機構7によると、ガス供給管83、ガス供給管路118、ノズル119を介してガス供給機構から内部空間ISに対して窒素や希ガスが供給されるとともに、ガス排気管路117、ガス排気管90を介して真空吸引機構により内部空間IS内のガスが排気される。このようにして、内部空間IS内のガスが窒素や希ガスに置換されることになる。
【0108】
また、給気管81、給気管路85を介してガス供給機構から窒素や希ガスなどのガスが供給されることにより、給気溝89から照明系ハウジング102の下端部と、遮蔽部材7aの上端部との間の間隙に上記ガスが供給されるとともに、排気管路84、排気管82を介して真空ポンプにより間隙内のガスが真空吸引されることで、上記間隙内に内側から外側に向けたガスの流れが形成される。
【0109】
同様に、遮蔽部材7bの下面側においても、給気溝88から遮蔽部材7bの下端面と照明系側定盤2の上端面との間の間隙に対して上記ガスが供給されるとともに、間隙内のガスが排気溝86から排気されることで、間隙内に内側から外側に向けたガスの流れが形成される。
【0110】
すなわち、前述したレチクルステージRSTの場合と同様に、照明系側遮蔽機構7の上側及び下側の間隙を介した、外部から内部空間ISへのガスの浸入を阻止することが可能となる。すなわち、このような構成により、遮蔽部材7aの上下端面における第1のシール機構が実現されている。
【0111】
ここで、照明系側遮蔽機構7は、照明系ハウジング102とも照明系側定盤2とも非接触とされているので、照明系側定盤2の振動が照明系ハウジング102に伝達し、照明ユニットILUの性能が劣化することがない。ただし、実際には、照明系側遮蔽機構7は、照明系ハウジング102又は照明系側定盤2のいずれか一方と接触していても他方に振動が伝達することはないので、いずれか一方の端面を接触させ、固定することとしても良い。この場合、その接触面にはOリング等を設けて気密性を向上することが望ましい。
【0112】
なお、両端面に軸受けを採用する場合には、照明系側遮蔽機構7を保持する保持機構は、支持架台BDとは別に設けることが望ましい。
【0113】
また、照明系側遮蔽機構7とそれに近接して配置される物体(照明系ハウジング102または照明系側定盤3)の間隔を最適に調整可能なように、伸縮及びチルト調整可能なベローズ及び駆動機構を設けることとしても良い。
【0114】
図1に戻り、前記投影系側遮蔽機構8についても、上記照明系側遮蔽機構7と同様に構成されている。
【0115】
すなわち、投影系側遮蔽機構8は、図5(B)に示されるように、投影系側定盤3と投影ユニットPUの間に配置され、それぞれに対して所定のクリアランスを介して不図示の保持機構により保持された、内部空間SPを有する円筒形状をした第2の遮蔽部材としての遮蔽部材8a等を備えている。
【0116】
遮蔽部材8aの内部空間SPに対しては、不図示のガス供給装置からガス供給管183、ガス供給管路218、ノズル219を介して窒素又は希ガスが供給され、ガス排気管路217、ガス排気管190を介して不図示の真空吸引機構により内部空間SP内のガスが排気されることにより、内部空間SP内のガス置換が行われる。
【0117】
また、給気溝188,189から、遮蔽部材8aの上側及び下側の間隙に対して、窒素又は希ガスが供給されるとともに、排気溝186,187から間隙内のガスが吸引されることにより、いずれの間隙にも遮蔽部材8aの内側から外側に向けたガスの流れが形成されるので、遮蔽部材8aの外部から空間SPへのガスの浸入を阻止することが可能となっている。すなわち、このような構成とすることにより遮蔽部材8aの上下端面における第2のシール機構が実現されている。
【0118】
また、投影系側遮蔽機構8は、投影系側定盤3とも投影ユニットPUとも非接触であるので、投影系側定盤3の振動が投影ユニットPUに伝達し、その結像性能が劣化することがない。ただし、実際には、投影系側遮蔽機構8は、投影系側定盤3又は投影ユニットPUのいずれか一方と接触していても他方へ振動が伝達することはないので、いずれか一方の端面を接触させ、固定することとしても良い。この場合、その接触面にはOリング等を設けて気密性を向上することが望ましい。
【0119】
以上のような構成とすることにより、照明系ハウジング102から投影ユニットPUに至るまでの露光光の光路を外気から遮蔽することが可能となっている。
【0120】
図1に戻り、投影ユニットPUのフランジFLGの下面とウエハ室40の隔壁20の上面との間には、不図示の保持機構により保持された状態で、ウエハ側遮蔽機構22が配置され、この第3遮蔽機構22の上面とフランジFLGの下面との間、及び第3遮蔽機構22の下面とウエハ室40の隔壁20の上面との間には所定のクリアランスが形成されている。
【0121】
このウエハ側遮蔽機構22も、上述した第1、第2遮蔽機構7,8と同様に構成されており、ウエハ側遮蔽機構22の上端面及び下端面にはその内部から外部へ向けたガスの流れが形成されている。これにより、ウエハ側遮蔽機構22の外部のガスが第3遮蔽機構22の内部空間に向けて浸入するのを阻止することが可能となっている。
【0122】
このようにウエハ側遮蔽機構22を設けることにより、ウエハ室40内への外気の浸入を極力抑制することができる。
【0123】
これまでの説明から明らかなように、不図示のガス供給機構、ガス供給管83、ガス供給管路118、ノズル119により照明系側遮蔽機構7のガス供給機構が構成され、不図示の真空ポンプ、ガス排気管90、ガス排気管路117により照明系側遮蔽機構7の排気機構が構成されている。また、不図示のガス供給機構、ガス供給管183、ガス供給管路218、ノズル219により投影系側遮蔽機構8のガス供給機構が構成され、不図示の真空ポンプ、ガス排気管190、ガス排気管路217により投影系側遮蔽機構8の排気機構が構成されている。
【0124】
以上詳細に説明したように、本実施形態の露光装置100によると、露光光ELの光路にほぼ垂直な移動面内で少なくともY軸方向に移動可能なマスクステージRSTの内部に保持空間SSが形成され、この保持空間SS内にてレチクルRが保持されている。そして、レチクルステージRSTの照明ユニットILU側に、レチクルステージRSTの移動ガイド面2bを有する照明系側定盤2が、所定の第1クリアランスを介して配置されるとともに、レチクルステージRSTの投影ユニットPU側に、レチクルステージRSTの移動ガイド面3bを有する投影系側定盤3が、所定の第2クリアランスを介して配置されている。これら照明系側定盤2、投影系側定盤3の一部には、露光光ELが通過する開口2a、3aがそれぞれ設けられている。すなわち、露光光ELが照明系側定盤2の開口2aを介してレチクルステージRSTの保持空間SS内に入射し、露光光ELによりレチクルRが照明されるとともに、レチクルRを透過した露光光ELが投影系側定盤3の開口3aから射出する。また、照明系側定盤2と投影系側定盤3との間に第1、第2クリアランス(数μm程度)をそれぞれ介してレチクルステージRSTが配置されることにより、保持空間SS内への各定盤とレチクルステージRSTとの間隙を介した外気の浸入が極力抑制される。
【0125】
また、レチクルステージRSTは、照明系側定盤2、投影系側定盤3それぞれの移動ガイド面2b、3bにそれぞれ対向する第1、第2の対向面が形成されるとともに、照明系側定盤2、投影系側定盤3の開口2a、3aに対応して開口部が4a、4bそれぞれ形成された粗動ステージ4と、レチクルRを保持する保持空間SSを形成する空間形成部材(52、55、56)を有し、該空間形成部材の投影ユニットPU側端部が粗動ステージ4の投影系側定盤3の開口部4b内に配置されるとともに、空間形成部材の投影ユニットPU側の端面(底板部56の下端面)が投影系側定盤3の移動ガイド面3bに対向した状態で、粗動ステージ4に対して微動可能に保持された微動ステージ4とを有している。すなわち、微動ステージ4の空間形成部材の投影ユニットPU側端部が粗動ステージ5の内部に挿入された状態となっている(図3参照)ので、微動ステージ4と粗動ステージ5とを機械的に(あるいは機構的に)分離でき、微動ステージ4の軽量化を図りつつ、レチクルRを保持する保持空間の気密化、及び微動ステージ4と粗動ステージ5との間の気密化を、効率よく実現することが可能となる。これにより微動ステージ4の高応答性と気密性を同時に実現することが可能となる。
【0126】
従って、上記構成を採用することにより、レチクルステージRST全体を大型の隔壁で覆う場合と同等の効果を得ることができるとともに、露光装置全体の小型化、軽量化を図ることができる。
【0127】
また、例えば前述したように給気枝管221a、221bを介して保持空間SS内に窒素又は希ガスなどの低吸収性ガスを供給するガス供給機構を実現し、前述した排気枝管222a,222bを介して保持空間SS内のガスを排気するガス排気機構を実現し、これらにより保持空間SS内を露光光ELの吸収の小さいガスで置換する場合には、隔壁でレチクルステージ全体を覆い、その内部を前記ガスで置換する場合と比べてガスの使用量が低減され、コストダウンを図ることが可能である。また、レチクル周辺の空間内の吸光物質の濃度を低く抑えることもできるので、結果的に露光精度が低下することもない。
【0128】
また、レチクルステージRSTは、粗動ステージ4と微動ステージ5との互いの対向面の間のクリアランスを実質的に気密化する前述の第1の気密化機構(第5の軸受け)を備えているので、少なくとも上記のクリアランスを介して保持空間SS内に外気などが侵入するのを防止することができ、この点において、保持空間SSの気密性を更に向上することが可能である。
【0129】
すなわち、粗動ステージ5と移動ガイド面3bとの間の第2クリアランス内からの外気の浸入を考えてみると、この外気は、前述の第1の気体静圧軸受けによってその浸入が阻害され、さらに第1の気密化機構によってその浸入が阻止されるので、第2クリアランスを介したルートで外気が保持空間SS内に浸入するのはほぼ確実に阻止される。また、粗動ステージ4と微動ステージ5との間のクリアランスからの外気の侵入を考えてみると、この外気は、第1の気密化機構によってその浸入がまず阻害され、さらに微動ステージ5の底面に設けられた前述の第2の軸受けによってその浸入が阻止されるので、粗動ステージ4と微動ステージ5との間のクリアランスを介したルートで外気が保持空間SS内に浸入するのはほぼ確実に阻止される。
【0130】
また、前述の第1〜第5の軸受けのうち、第2の軸受け以外は、粗動ステージ4に設けられているので、微動ステージ5の軽量化を図ることができ、微動ステージ5の位置制御性を向上、ひいては露光精度の向上が可能となる。
【0131】
また、微動ステージ5におけるレチクルRの吸着を、粗動ステージ4側から導入された真空配管54によって実現するので、微動ステージ5内へ真空配管54を直接導入する場合と比べて、微動ステージ54の移動が配管によって制限されるのが極力抑制される。
【0132】
更に、照明系側遮蔽機構7、投影系側遮蔽機構8を設けることにより、照明系ハウジング102から投影ユニットPUまでの露光光の光路を外気から遮蔽することが可能となっている。そして、露光光の光路が配置される空間を窒素や希ガス等の低吸収性ガスで置換することにより、露光光の吸収が抑制され、高精度な露光を実現することができる。
【0133】
また、本実施形態では、微動ステージ5の保持空間SSの外側に、微動ステージ5の位置計測に用いられる移動鏡(反射ミラー)91a〜91cが設けられ、該移動鏡91a〜91cに対してレーザ干渉計からのレーザ光を照射することにより、微動ステージ5の位置を計測することとしているので、パージ空間に干渉計光路が配置されないことから、ガスパージ精度の変動による計測誤差の影響を受けない。従って、微動ステージ5の位置制御性能が向上し、ひいては露光精度の向上を図ることが可能となる。
【0134】
また、本実施形態では、振動源となるレチクルステージRST及びウエハステージWSTと、その他の部分とがそれぞれ別々に支持され、光学系等に振動が殆ど伝達しない構成となっていることから、露光精度への振動による影響が極力低減されている。
【0135】
さらに、本実施形態では波長157nmのFレーザ光を露光光ELとして用い、しかもその露光光ELの光路上の空間を窒素又は希ガスなどの低吸収性ガスで置換しているので、露光光ELの透過率を良好に維持し、かつ投影ユニットPUを構成する投影光学系の解像力を向上させることができ、例えば線幅100nm以下の微細なパターンをウエハW上の複数のショット領域に精度良く転写することが可能となる。
【0136】
なお、上記実施形態では、照明系側定盤2及び投影系側定盤3の光通過部として開口を形成することとしたが、これに限らず、定盤全体を透明部材により構成しても良いし、露光光の透過する部分を透明部材により構成することとしても良い。この場合の透明部材としても、前述の照明光学系や投影光学系と同様に、蛍石やモディファイド石英の使用が可能である。
【0137】
なお、遮蔽機構7,8,22及びレチクルステージRST内の保持空間SSのいずれにおいても、ガス供給機構、ガス排気機構の両方を必ずしも設ける必要はなく、いずれか一方が設けられていれば良い。
【0138】
なお、上記実施形態では、差動排気型の気体静圧軸受け及びシール機構に使用するガスとして、窒素や希ガスなどの低吸収性ガスを採用することとしたが、これに限らず、真空ポンプによる排気量の方がガス供給装置による給気量よりも多い場合には、空気等を採用することとしても良い。
【0139】
なお、上記実施形態においては、投影ユニットPUとして、直筒型の鏡筒を想定しているが、投影光学系が反射屈折型の場合には、投影ユニットPUは、途中で折れ曲がったり突起が生じたりすることがあることは言うまでもない。その場合にも、投影ユニットPUのレチクル側端面あるいはウエハ側端面に、差動排気型のエアシール機構を配置することにより、本発明が適用できることに何ら変わりはない。
【0140】
なお、上記実施形態においては粗動ステージ4を構成する上板部46aと下板部46cとの間を中間部46bのみで連結するものとしたが、これに限らず、粗動ステージ4のY側前方部(−Y側)に、上板部46aと46bとを繋ぐ支持柱を更に設け、その剛性をより一層向上することも可能である。
【0141】
なお、上記実施形態において、各軸受けに供給するガス及びレチクルが保持される保持空間SS内等に供給されるガスは、所定の温度(例えば22℃)に温度制御され、かつパーティクルや有機物、水蒸気等の異物が十分に取り除かれたものを使用することが望ましい。
【0142】
また、上記実施形態では各軸受けが、給気用の環状溝と排気用の環状溝を有する二重構造である場合について説明したが、これに限られるものではなく、溝を三重構造とし、それらのうちの中間に位置する溝からガスを供給し、該中間の溝を挟む2つの溝からガスを吸引することとしても、同様の気密化効果を得ることができる。更には、上記二重構造を二重に形成した四重構造の軸受けを採用することができるのは言うまでもない。すなわち、溝の数については各軸受けごとに任意に選択することが可能である。
【0143】
なお、上記実施形態ではステップ・アンド・スキャン方式の露光装置に本発明のガスパージ方法を採用した場合について説明したが、本発明がこれに限られるものではなく、ステップ・アンド・リピート方式の露光装置(いわゆるステッパ)についても、好適に適用することができる。
【0144】
なお、上記実施形態の露光装置の光源は、Fレーザ光源、ArFエキシマレーザ光源、KrFエキシマレーザ光源などに限らず、例えば、DFB半導体レーザ又はファイバーレーザから発振される赤外域、又は可視域の単一波長レーザ光を、例えばエルビウム(又はエルビウムとイッテルビウムの両方)がドープされたファイバーアンプで増幅し、非線形光学結晶を用いて紫外光に波長変換した高調波を用いても良い。また、投影光学系の倍率は縮小系のみならず等倍および拡大系のいずれでも良い。
【0145】
なお、複数のレンズから構成される照明ユニット、投影光学系を露光装置本体に組み込み、光学調整をするとともに、多数の機械部品からなるウエハステージ(スキャン型の場合はレチクルステージも)を露光装置本体に取り付けて配線や配管を接続し、レチクル室、ウエハ室を構成する各隔壁を組み付け、ガスの配管系を接続し、の制御系に対する各部の接続を行い、更に総合調整(電気調整、動作確認等)をすることにより、上記実施形態の露光装置100等の本発明に係る露光装置を製造することができる。なお、露光装置の製造は温度およびクリーン度等が管理されたクリーンルームで行うことが望ましい。
【0146】
また、本発明は、半導体素子の製造に用いられる露光装置だけでなく、液晶表示素子、プラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられる、デバイスパターンをセラミックウエハ上に転写する露光装置、撮像素子(CCDなど)、マイクロマシン、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。
【0147】
《デバイス製造方法》
次に上述した露光装置をリソグラフィ工程で使用するデバイスの製造方法の実施形態について説明する。
【0148】
図7には、デバイス(ICやLSI等の半導体チップ、液晶パネル、CCD、薄膜磁気ヘッド、マイクロマシン等)の製造例のフローチャートが示されている。図7に示されるように、まず、ステップ301(設計ステップ)において、デバイスの機能・性能設計(例えば、半導体デバイスの回路設計等)を行い、その機能を実現するためのパターン設計を行う。引き続き、ステップ302(マスク製作ステップ)において、設計した回路パターンを形成したマスクを製作する。一方、ステップ303(ウエハ製造ステップ)において、シリコン等の材料を用いてウエハを製造する。
【0149】
次に、ステップ304(ウエハ処理ステップ)において、ステップ301〜ステップ303で用意したマスクとウエハを使用して、後述するように、リソグラフィ技術等によってウエハ上に実際の回路等を形成する。次いで、ステップ305(デバイス組立てステップ)において、ステップ304で処理されたウエハを用いてデバイス組立てを行う。このステップ305には、ダイシング工程、ボンディング工程、及びパッケージング工程(チップ封入)等の工程が必要に応じて含まれる。
【0150】
最後に、ステップ306(検査ステップ)において、ステップ305で作成されたデバイスの動作確認テスト、耐久テスト等の検査を行う。こうした工程を経た後にデバイスが完成し、これが出荷される。
【0151】
図8には、半導体デバイスにおける、上記ステップ304の詳細なフロー例が示されている。図8において、ステップ311(酸化ステップ)においてはウエハの表面を酸化させる。ステップ312(CVDステップ)においてはウエハ表面に絶縁膜を形成する。ステップ313(電極形成ステップ)においてはウエハ上に電極を蒸着によって形成する。ステップ314(イオン打ち込みステップ)においてはウエハにイオンを打ち込む。以上のステップ311〜ステップ314それぞれは、ウエハ処理の各段階の前処理工程を構成しており、各段階において必要な処理に応じて選択されて実行される。
【0152】
ウエハプロセスの各段階において、上述の前処理工程が終了すると、以下のようにして後処理工程が実行される。この後処理工程では、まず、ステップ315(レジスト形成ステップ)において、ウエハに感光剤を塗布する。引き続き、ステップ316(露光ステップ)において、上で説明した露光装置によってマスクの回路パターンをウエハに転写する。次に、ステップ317(現像ステップ)においては露光されたウエハを現像し、ステップ318(エッチングステップ)において、レジストが残存している部分以外の部分の露出部材をエッチングにより取り去る。そして、ステップ319(レジスト除去ステップ)において、エッチングが済んで不要となったレジストを取り除く。
【0153】
これらの前処理工程と後処理工程とを繰り返し行うことによって、ウエハ上に多重に回路パターンが形成される。
【0154】
以上説明した本実施形態のデバイス製造方法を用いれば、露光工程(ステップ316)において上記実施形態の露光装置が用いられるので、高集積度のマイクロデバイスを生産性良く製造することが可能になる。
【0155】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の露光装置によれば、露光精度を低下させることなく、装置の小型、軽量化を図ることができるという効果がある。
【0156】
また、本発明のデバイス製造方法によれば、高集積度のデバイスの生産性を向上させることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る露光装置を概略的に示す図である。
【図2】レチクルステージ及びその近傍を一部省略して示す斜視図である。
【図3】レチクルステージの縦断面図である。
【図4】図4(A)は、図3のA−A線断面図であり、図4(B)は、図3のB−B線断面図である。
【図5】図5(A)は、第1の遮蔽機構の構成を示す縦断面図であり、図5(B)は、第2の遮蔽機構の構成を示す縦断面図である。
【図6】レチクル微動ステージの隔壁の一例を示す斜視図である。
【図7】本発明に係るデバイス製造方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】図7のステップ304の具体例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
2…照明系側定盤(第1のマスク定盤)、3…投影系側定盤(第2のマスク定盤)、2a,3a…開口(光透過部)、4…レチクル粗動ステージ(粗動ステージ)、5…レチクル微動ステージ(微動ステージ)、7a…遮蔽部材(第1の遮蔽部材)、8a…遮蔽部材(第2の遮蔽部材)、9a〜9c…レチクルレーザ干渉計(レーザ干渉計)、27,31…給気側環状凹溝、28,32…排気側環状凹溝、33,58…給気側環状凹溝、34,59…排気用凹溝、52…隔壁(空間形成部材の一部)、55…フランジ部材(空間形成部材の一部)、56…下板部材(空間形成部材の一部)、91a,91b…移動鏡(反射部材)、91c…移動鏡(反射部材)、100…露光装置、EL…露光光(照明光)、ILU…照明ユニット、PU…投影ユニット、R…レチクル(マスク)、RST…レチクルステージ(マスクステージ)、SS…保持空間、W…ウエハ(物体)。

Claims (19)

  1. 照明光によりマスクを照明する照明ユニットと;
    前記マスクに形成されたパターンを物体上に投影する投影ユニットと;
    前記マスクを保持する保持空間がその内部に形成され、前記照明光の光路にほぼ垂直な移動面内で少なくとも一軸方向に移動可能なマスクステージと;
    前記マスクステージの前記照明ユニット側に所定の第1クリアランスを介して配置され、前記照明光が通過する第1の光通過部が一部に設けられた前記マスクステージの移動ガイド面を有する第1のマスク定盤と;
    前記マスクステージの前記投影ユニット側に所定の第2クリアランスを介して配置され、前記照明光が通過する第2の光通過部が一部に設けられた前記マスクステージの移動ガイド面を有する第2のマスク定盤と;を備え、
    前記マスクステージは、
    前記第1、第2のマスク定盤それぞれの前記移動ガイド面にそれぞれ対向する第1、第2の対向面が形成されるとともに、前記第1、第2のマスク定盤の前記第1、第2の光通過部に対応して開口部がそれぞれ形成された粗動ステージと;
    前記マスクを保持する前記保持空間を形成する空間形成部材を有し、該空間形成部材の前記投影ユニット側端部近傍部分が前記粗動ステージの前記第2のマスク定盤側の開口部内に配置されるとともに、前記空間形成部材の前記投影ユニット側の端面が前記第2のマスク定盤の移動ガイド面に対向した状態で、前記粗動ステージに対して微動可能に保持された微動ステージと;を有することを特徴とする露光装置。
  2. 前記マスクステージは、前記粗動ステージと前記微動ステージとの互いの対向面の間のクリアランスを実質的に気密化する第1の気密化機構を更に有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 前記第1の気密化機構は、前記粗動ステージと前記微動ステージとの少なくとも一方に設けられた環状の凸部の前記移動面に平行な面とその対向面との間のクリアランスを実質的に気密化することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記環状の凸部は、前記微動ステージに設けられたフランジ部であり、前記微動ステージは、前記フランジ部の変形を抑制する支持部材を更に有することを特徴とする請求項3に記載の露光装置。
  5. 前記粗動ステージの前記第2の対向面に設けられ、前記第2のマスク定盤の移動ガイド面に対して所定ガスを噴出するとともに、前記移動ガイド面近傍の空間内のガスを吸引して外部に排気することにより、前記第2のクリアランスを形成する差動排気型の第1の気体静圧軸受けを更に備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の露光装置。
  6. 前記第1クリアランスを実質的に気密化する第2の気密化機構を更に備えることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の露光装置。
  7. 前記各気密化機構は、前記気密対象のクリアランス内部に所定ガスを噴出するとともに、前記クリアランス内部の気体を吸引して外部に排気する差動排気型の気密化機構であることを特徴とする請求項2、3、4、6のいずれか一項に記載の露光装置。
  8. 前記差動排気型の気密化機構は、前記所定ガスの噴射口に連通する給気側環状凹溝と、該給気側環状凹溝の外周側に配置され前記所定ガスの排気口に連通する排気側環状凹溝とを有することを特徴とする請求項7に記載の露光装置。
  9. 前記微動ステージに設けられ、前記第2のマスク定盤の移動ガイド面に対して所定ガスを噴出するとともに、前記移動ガイド面近傍の空間内のガスを吸引して外部に排気することにより、前記空間形成部材の前記投影ユニット側の端面と前記第2のマスク定盤の移動ガイド面との間に所定の第3クリアランスを形成する差動排気型の第2の気体静圧軸受けを更に備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の露光装置。
  10. 前記各気体静圧軸受けは、前記所定ガスの噴射口に連通する給気側環状凹溝と、該給気側環状凹溝の外周側に配置され前記所定ガスの排気口に連通する排気側環状凹溝とを有することを特徴とする請求項5又は9に記載の露光装置。
  11. 前記照明光の光路と直交する方向の前記空間形成部材の側壁は薄板状部材から成り、該薄板状部材の少なくとも一部には補強部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の露光装置。
  12. 前記照明光の光路と直交する前記空間形成部材の側壁の外側に反射部材が設けられ、
    前記反射部材にレーザ光を照射して、その反射光に基づいて前記微動ステージの位置を計測するレーザ干渉計を更に備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の露光装置。
  13. 前記保持空間に対して、特定ガスを供給するガス供給機構と、前記保持空間内のガスを排気するガス排気機構との少なくとも一方を更に備えることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の露光装置。
  14. 前記第1のマスク定盤と前記照明ユニットとの少なくとも一方に対して接することなく所定のクリアランスを介して配置され、前記第1のマスク定盤と前記照明ユニットとの間の空間をほぼ遮蔽する第1の遮蔽部材と;前記第1の遮蔽部材に設けられ、前記クリアランス内に所定のガスを噴射するとともに前記クリアランス内の気体を吸引して外部に排気する差動排気型の第1のシール機構と;を更に備えることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の露光装置。
  15. 前記第1の遮蔽部材の内部の前記照明光の光路上の空間に特定ガスを供給するガス供給機構と、前記光路上の空間内のガスを排気する排気機構との少なくとも一方を更に備えることを特徴とする請求項14に記載の露光装置。
  16. 前記第2のマスク定盤と前記投影ユニットとの少なくとも一方に対して接することなく所定のクリアランスを介して配置され、前記第2のマスク定盤と前記投影ユニットとの間の空間をほぼ遮蔽する第2の遮蔽部材と;前記第2の遮蔽部材に設けられ、前記クリアランス内に所定のガスを噴射するとともに前記クリアランス内の気体を吸引して外部に排気する差動排気型の第2のシール機構と;を更に備えることを特徴とする請求項14又は15に記載の露光装置。
  17. 前記第2の遮蔽部材の内部の前記照明光の光路上の空間に特定ガスを供給するガス供給機構と、前記光路上の空間内のガスを排気する排気機構との少なくとも一方を更に備えることを特徴とする請求項16に記載の露光装置。
  18. 前記照明光は、波長190nm以下の真空紫外光であり、
    前記特定ガスは、窒素及び希ガスのいずれかであることを特徴とする請求項13、15、17のいずれか一項に記載の露光装置。
  19. リソグラフィ工程を含むデバイス製造方法であって、
    前記リソグラフィ工程では、請求項1〜18のいずれか一項に記載の露光装置を用いて露光を行うことを特徴とするデバイス製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2012033212A1 (en) * 2010-09-07 2012-03-15 Nikon Corporation Movable body apparatus, object processing device, exposure apparatus, flat-panel display manufacturing method, and device manufacturing method

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