JP2004060872A - 回転体のボスおよび回転体のボスに挿入されるシャフト - Google Patents

回転体のボスおよび回転体のボスに挿入されるシャフト Download PDF

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東田 匡史
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Abstract

【課題】断面が略D字形状でありシャフトの断面形状において頂部が存在する場合であっても、自己あるいは対向する部材が破損することが少ない回転体のボスおよび回転体のボスに挿入されるシャフトを提供する。
【解決手段】回り止めのために円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有しているシャフト8が挿入される回転体のボスは、シャフト8の微少相対回転を許容するものであり、その内面が、シャフトカット部82に対向するボスカット面162を含んでいる。そして、ボスの内面は、微少相対回転が生じたときにおいてシャフト頂部83だけがボスカット面162に当たるようなことがないように形成されている。
【選択図】    図5

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回転体のボスおよび回転体のボスに挿入されるシャフト、特に、回り止めのための断面形状に関する。
【0002】
【従来の技術】
送風機などの回転体を有する機器は、モータなどの駆動装置により回転するシャフトと、そのシャフトに回転不能に装着される回転体のボスとを有しているものが多い。送風機においては、ロータの中心部分にボスが形成されており、そのボスに対して、電動モータにより回転するシャフトが挿入される。ボスに形成されている開口およびシャフトの外形は、通常、D字断面となっている。そして、ボスの開口にシャフトが挿入されると、両者が回転不能となる。すなわち、図4(a)および図4(b)に示すように、ボス2のD字開口60を断面で見ると、その断面は湾曲面61と平面状のカット面62とから構成される。そして、シャフト8の湾曲部81がボス2の湾曲面61に対向し、シャフト8の平面カット部82がボス2の平面状のカット面62に対向する状態で、両者2,8の相対回転が抑制されることになる。
【0003】
このようなD字断面を持つシャフトおよびボスの開口によって回り止めが為される燃料ポンプが、特開平5−187381号公報に開示されている。ここでは、シャフトおよびボスの開口のうち、一方のD字断面の平面カット部を、所定の角度を持つ2つの平面から構成することで隙間を作り、その隙間によって異物が両者の間に溜まらないようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図4(a)および図4(b)に示す通常のD字形状の断面を有するシャフトとボスとの係合構造も、上記公報に示されているD字形状を少し変形した係合構造も、シャフトの円弧部と平面部との間に頂部が存在する(図4(b)の湾曲部81と平面カット部82との境界にある頂部83を参照)。
【0005】
本発明の課題は、断面が略D字形状でありシャフトの断面形状において頂部が存在する場合であっても、自己あるいは対向する部材が破損することが少ない回転体のボスおよび回転体のボスに挿入されるシャフトを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願の発明者は、送風機に関する研究を重ね、シャフトの頂部の存在が場合によってはシャフトやボスの寿命に悪影響を及ぼすことに気づいた。
まず、発明者は、送風機のボスとシャフトとの係合構造の損傷について調査している途中に、シャフトの頂部がボスの内面の一部分(平面部分)に繰り返し当たることに気がついた。これは、最終的にシャフトをボスの開口に挿入する必要があるため、通常はシャフトをボスの開口に挿入した後に両者の間に微少隙間が空くことになり、シャフトとボスとは各D字断面の平面部分同士が当たって回り止めしているというよりは、シャフトの頂部とボスの内面の平面部分とが当たることによって回り止めが為されているためである。このようなことを認識した上で、ボスやシャフトの損傷について考察した結果、発明者は、シャフトの頂部が当たるボスの平面部分やシャフトの頂部自身が損傷するケースが多く、シャフトとボスとの間に微少隙間が存在しシャフトとボスとが微少相対回転してシャフトの頂部がボスの平面部分に繰り返し当たることが損傷の原因になっていると考えた。
【0007】
このような考察に基づき、本願の発明者は、以下のような各請求項に係る発明に想到した。
請求項1に係る回転体のボスは、シャフトが挿入される回転体のボスである。シャフトは、回り止めのために円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有している。この回転体のボスは、挿入されるシャフトの微少相対回転を許容する。また、ボスの内面は、シャフトのカット部に対向する第1面を含んでいる。そして、ボスの内面は、微少相対回転が生じたときにおいてシャフトのD字状断面の頂部だけが第1面に当たるようなことがないように形成されている。すなわち、回転体のボスとシャフトとが微少相対回転したときにも、ボスの内面に対してシャフトのD字状断面の頂部だけが当たってしまうことはない。
【0008】
ここでは、カット部を有する略D字状断面のシャフトが挿入される回転体のボスについて、シャフトのカット部に対向する内面の第1面に対してシャフトの頂部だけが当たることのないように、その内面を形成している。したがって、ボスに挿入されたシャフトとボスとの間に微少隙間が存在し両者が繰り返し相対的に微少回転する場合でも、シャフトの頂部がボスの内面に当たってシャフトの頂部やボスの内面が損傷することが抑えられる。すなわち、ボスとシャフトとが微少相対回転したときにも、シャフトの頂部以外の部位あるいは頂部と他の部位とがボスの内面に当たるようになっているため、シャフトとボスの内面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0009】
請求項2に係る回転体のボスは、請求項1に記載の回転体のボスであって、ボスの第1面の端部とシャフトのカット部との隙間距離よりも、ボスの第1面の中央部とシャフトのカット部との隙間距離のほうが小さい。
請求項3に係る回転体のボスは、請求項1又は2に記載の回転体のボスであって、ボスの第1面が湾曲面から構成されている、あるいは、ボスの第1面が湾曲面と平面とから構成されている。
【0010】
ここでは、従来は平面となっているボスの第1面に湾曲面が含まれるように構成している。したがって、ボスとシャフトとの回り止めがボスの第1面の湾曲面とシャフトのカット部との当接によって行われるように設計することによって、シャフトとボスの内面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0011】
請求項4に係る回転体のボスは、請求項1から3のいずれかに記載の回転体のボスであって、ボスの第1面の端部とシャフトのカット部との角度は、許容される微少相対回転の回転角度よりも大きい。なお、ここでは、シャフトのカット部が平面である。
ここでは、ボスに対してシャフトが微少回転した後に両者が当接して回り止めが為されたときにも、その微少回転角よりボスの第1面の端部とシャフトのカット部との角度のほうが大きいため、シャフトのカット部の端部に位置する頂部がボスの第1面に当たらなくなる。すなわち、シャフトの頂部がボスの内面に当たらなくなるので、シャフトの頂部やボスの内面が損傷することが抑えられる。
【0012】
請求項5に係るシャフトは、回転体のボスに挿入されるシャフトである。回転体のボスは、その開口の内周断面が、円形の一部をカットした略D字状の形状である。このシャフトは、ボスに挿入された状態で、ボスに対して微少回転が可能である。また、シャフトの外面は、シャフト湾曲部と、シャフトカット部と、シャフト頂部とから構成されている。シャフト湾曲部は、ボスの開口のカット面以外の湾曲面に対向する。シャフトカット部は、ボスの開口のカット面に対向する。シャフト頂部は、シャフト湾曲部とシャフトカット部との境界部分である。そして、シャフトの外面は、ボスに対する微少回転が生じたときに、シャフト頂部だけがボスの開口のカット面に当たるようなことがないように形成されている。すなわち、シャフトと回転体のボスとが相対的に微少回転したときにも、ボスの開口のカット面に対してシャフト頂部だけが当たってしまうことはない。
【0013】
ここでは、カット面を有する略D字状断面の開口を持つ回転体のボスに挿入するシャフトについて、シャフトとボスとが微少相対回転したときにもシャフト頂部だけがボスの開口のカット面に当たるようなことがないように、その外面を形成している。したがって、ボスに挿入されたシャフトとボスとの間に微少隙間が存在し両者が繰り返し相対的に微少回転する場合でも、シャフト頂部がボスの開口のカット面に当たってシャフト頂部やボスのカット面が損傷することが抑えられる。すなわち、ボスとシャフトとが微少相対回転したときにも、シャフト頂部以外の部位あるいは頂部と他の部位とがボスのカット面に当たるようになっているため、シャフトとボスのカット面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0014】
請求項6に係るシャフトは、請求項5に記載のシャフトであって、シャフトカット部の端部とボスの開口のカット面との隙間距離よりも、シャフトカット部の中央部とボスの開口のカット面との隙間距離のほうが小さい。
請求項7に係るシャフトは、請求項5又は6に記載のシャフトであって、シャフトカット部が湾曲面から構成されている、あるいは、シャフトカット部が湾曲面と平面とから構成されている。
【0015】
ここでは、従来は平面となっているシャフトカット部に湾曲面が含まれるように構成している。したがって、ボスとシャフトとの回り止めがボスの開口のカット面とシャフトカット部の湾曲面との当接によって行われるように設計することによって、シャフトとボスのカット面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0016】
請求項8に係るシャフトは、請求項5から7のいずれかに記載のシャフトであって、シャフトカット部の端部とボスの開口のカット面との角度は、ボスに対して可能な微少回転の角度よりも大きい。なお、ここでは、ボスの開口のカット面が平面である。
ここでは、ボスに対してシャフトが微少回転した後に両者が当接して回り止めが為されたときにも、その微少回転角よりシャフトカット部の端部とボスの開口のカット面との角度のほうが大きいため、シャフトカット部の端部に位置するシャフト頂部がボスのカット面に当たらなくなる。すなわち、シャフト頂部がボスのカット面に当たらなくなるので、シャフト頂部やボスのカット面が損傷することが抑えられる。
【0017】
【発明の実施の形態】
[従来のボスおよびシャフトの構造を使う送風機]
まず、多翼送風機を例にとって、従来のボスおよびシャフトの構造について説明する。
図1に示す多翼送風機10は、ファンロータ13、ファンロータ13を覆うスクロールケーシング11、ファンロータ13を回すモータ14などから構成されている。ファンロータ13は、図2に示すように、円板状の主板31の外周部分に多数枚の翼33の一端が固定され、それらの翼33の他端がリング状の側板32で結ばれている。スクロールケーシング11には、空気の吹出口11aと、ベルマウス12により囲われる空気の吸込口11bとが形成されている。吸込口11bは、ファンロータ13の側板32に対向している。また、吹出口11aは、図1に示すようにファンロータ13の回転軸O−Oに対して略直交する向きに空気Wを吹き出すよう、吸込口11bに直交するように形成されている。
【0018】
ファンロータ13の主板31の中央部分には、図3に示すように、ボス2を収容・固定するための円孔31aが形成されている。この円孔31に固定されるボス2は、外周側のゴム部4と内周側の金属部6とから構成されている。そして、ボス2の金属部6には、円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有するD字開口60が形成されている。D字開口60の拡大図を、図4に示す。D字開口60は、その内面が、円弧状の湾曲面61と、平面であるカット面62とから構成されている。
【0019】
一方、このボス2のD字開口60に挿入されて回り止めされるモータ14のシャフト8は、図4に示すように、円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有している。すなわち、シャフト8の外面は、図4(b)に示すように、シャフト湾曲部81と、シャフトカット部82とから構成されている。そして、シャフト8のシャフト湾曲部81とシャフトカット部82との境界が、シャフト頂部83となっている。
【0020】
ボス2およびシャフト8は、図4に示すように、ボス2のD字開口60にシャフト8が挿入されると、ボス2の湾曲面61がシャフト湾曲部81と対向し、ボスのカット面62がシャフトカット部82と対向するようになる。このようにボス2のD字開口60にシャフト8が挿入された状態において、両者2,8の間には、微少隙間が存在する(図4(b)参照)。そして、両者2,8が相対回転すると、図4(c)に示すように、ボス2の湾曲面61とシャフト湾曲部81とが当接するとともに、ボス2のカット面62にシャフト頂部83が当たり、それ以上の両者2,8の相対回転が止まる。このようにして、ボス2とシャフト8とが回り止めされている。
【0021】
上記のボス2とシャフト8との連結部分を介してモータ14からファンロータ13にトルクが伝わると、ファンロータ13は、スクロールケーシング11に対して図3の回転方向Rの向きに回転する。これにより、ファンロータ13の各翼33が内周側の空間から外周側の空間へと空気を掻き出し、吸込口11bからファンロータ13の内周側の空間に空気が吸い込まれるとともに、ファンロータ13の外周側に押し出された空気が吹出口11aを通って吹き出される。すなわち、多翼送風機10は、吸込口11bから空気を吸い込み、吹出口11aから空気を送り出す。
【0022】
[第1実施形態に係るボスおよびシャフトの構造]
次に、本発明の第1実施形態に係るボスおよびシャフトの構造について、図5を参照して説明する。
<シャフトの構造>
第1実施形態に係るシャフトは、上記の従来のシャフト8の構造と同じである。すなわち、第1実施形態に係るシャフトは、円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有しており、シャフト湾曲部81と、平面であるシャフトカット部82とから構成されている。また、シャフト8のシャフト湾曲部81とシャフトカット部82との境界が、シャフト頂部83となっている。
【0023】
<ボスの構造>
第1実施形態では、従来のD字開口60を有するボス2の代わりに、図5に示すD字開口160を有するボスを採用している。このボスのD字開口160は、回り止めのために円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有しており、挿入されるシャフト8の微少相対回転を許容する。また、ボスのD字開口160の内面は、シャフト湾曲部81に対向するボス湾曲面161と、シャフトカット部82に対向するボスカット面162とから構成されている。ボスカット面162は、従来のボス2のカット面62とは違って、シャフト8に対して凸状に湾曲している。これにより、ボスカット面162の端部とシャフトカット部82との隙間距離よりも、ボスカット面162の中央部とシャフトカット部82との隙間距離のほうが小さくなっている。また、ボスカット面162の湾曲の度合いは、ボスとシャフト8との間で微少相対回転が生じたときにおいてシャフト頂部83がボスカット面162に当たるようなことがないように決められている。すなわち、図5(b)に示すように、ボスとシャフト8とが微少相対回転して回り止めが為された状態においても、ボスカット面162に対してシャフト頂部83だけが当たってしまうのではなく、ボスカット面162にシャフトカット部82が当たるようにD字開口160の設計が為されている。
【0024】
なお、ボスカット面162の端部とシャフトカット部82との角度θ2は、ボスとシャフト8との許容微少相対回転の回転角度よりも大きい。すなわち、ボスとシャフト8とが相対回転し、図5(a)に示す状態から図5(b)に示す状態へと移行して相対回転が止められたときに、その相対回転角度は図5(a)に示す角度θ2よりも小さい。
【0025】
<特徴>
図4(c)に示すように、従来のボス2およびシャフト8の構造では、シャフト頂部83がボス2のカット面62の一部分に繰り返し当たることになる。このため、シャフト頂部83が当たるボス2のカット面62の一部分やシャフト頂部83自身が損傷する恐れが高くなる。
【0026】
これに対し、第1実施形態に係るボスおよびシャフト8の構造では、図5(b)に示すように、ボスとシャフト8とが微少相対回転して回り止めが為された状態においても、ボスカット面162に対してシャフト頂部83だけが当たってしまうのではなく、湾曲しているボスカット面162にシャフトカット部82が当たる(図5(b)の白抜き矢印「接触部分」を参照)。したがって、ボスのD字開口160に挿入されたシャフト8とボスとが繰り返し相対的に微少回転する場合でも、シャフト頂部83がボスカット面162の一部分に繰り返し当たってシャフト頂部83やボスカット面162が損傷することが抑えられている。すなわち、ボスとシャフト8とが微少相対回転したときにも、シャフト頂部83以外の部位(シャフトカット部82)が湾曲しているボスカット面162に当たるようになっているため、シャフト8とボスカット面162との接触面積が大きく、応力が分散されて損傷が少なくなっている。
【0027】
また、ボスに対してシャフト8が微少回転した後に両者が当接して回り止めが為されたとき(図5(b)に示す状態のとき)にも、その微少回転角よりボスカット面162の端部とシャフトカット部82との角度θ2のほうが大きいため、シャフトカット部82の端部に位置するシャフト頂部83がボスカット面162に当たらなくなっている。すなわち、シャフト頂部83がボスのD字開口160の内面に当たらなくなっているので、シャフト頂部83やD字開口160の内面が損傷することが抑えられている。
【0028】
[第2実施形態に係るボスおよびシャフトの構造]
次に、本発明の第2実施形態に係るボスおよびシャフトの構造について、図6を参照して説明する。
<ボスの構造>
第2実施形態に係るボスは、上記の従来のボス2の構造と同じである。すなわち、第2実施形態に係るボスには、円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有するD字開口60が形成されている。D字開口60は、その内面が、円弧状の湾曲面61と、平面であるカット面62とから構成されている。
【0029】
<シャフトの構造>
第2実施形態では、従来のシャフト8の代わりに、図6に示すシャフト208を採用している。シャフト208は、ボスのD字開口60に挿入された状態で、ボスに対して微少回転が可能である。また、シャフト208の外面は、シャフト湾曲部281と、シャフトカット部282と、シャフト頂部283とから構成されている。シャフト湾曲部281は、ボスのD字開口60の湾曲面61に対向する。シャフトカット部282は、ボスのD字開口60のカット面62に対向する。シャフト頂部283は、シャフト湾曲部281とシャフトカット部282との境界部分である。そして、シャフト208の外面は、ボスに対する微少回転が生じたときに、シャフト頂部283だけがボスのカット面62に当たるようなことがないように形成されている。すなわち、シャフト208とボスとが相対的に微少回転したときにも、ボスのカット面62に対してシャフト頂部283だけが当たってしまうことがなくなっている。
【0030】
具体的には、シャフトカット部282が、ボスのカット面62に対して凸状に湾曲している。これにより、シャフトカット部282の端部とボスのカット面62との隙間距離よりも、シャフトカット部282の中央部とボスのカット面62との隙間距離のほうが小さくなっている。
また、シャフトカット部282の端部とボスのカット面62との角度θ3は、ボスに対して可能なシャフト208の微少回転の角度よりも大きい。すなわち、ボスとシャフト208とが相対回転し、図6(a)に示す状態から図6(b)に示す状態へと移行して相対回転が止められたときに、その相対回転角度は図6(a)に示す角度θ3よりも小さい。
【0031】
<特徴>
図4(c)に示すように、従来のボス2およびシャフト8の構造では、シャフト頂部83がボス2のカット面62の一部分に繰り返し当たることになる。このため、シャフト頂部83が当たるボス2のカット面62の一部分やシャフト頂部83自身が損傷する恐れが高くなる。
【0032】
これに対し、第2実施形態に係るボスおよびシャフト208の構造では、図6(b)に示すように、ボスとシャフト208とが微少相対回転して回り止めが為された状態においても、シャフト頂部283だけがボスのカット面62に当たるようなことがない。具体的には、ボスとシャフト208とが微少相対回転したときにも、シャフト頂部283ではなく、湾曲しているシャフトカット部282がボスのカット面62に当たるようになっている(図6(b)の白抜き矢印「接触部分」を参照)。このため、シャフト208とボスのカット面62との接触面積が大きく、応力が分散されて損傷が少なくなっている。
【0033】
また、ボスに対してシャフト208が微少回転した後に両者が当接して回り止めが為されたとき(図6(b)に示す状態のとき)にも、その微少回転角よりボスのカット面62とシャフトカット部282の端部との角度θ3のほうが大きいため、シャフトカット部282の端部に位置するシャフト頂部283がボスのカット面62に当たらなくなっている。すなわち、シャフト頂部283がボスのD字開口60の内面に当たらなくなっているので、シャフト頂部283やD字開口60の内面が損傷することが抑えられている。
【0034】
なお、上記の第1実施形態および第2実施形態で参照した図5および図6や、従来のボスおよびシャフトの構造の説明で参照した図4においては、ボスとシャフトとの微少隙間や角度θ2,θ3などを、実際よりもかなり誇張して示している。実際のボスとシャフトとの隙間や許容微少相対回転角度は、図示されている大きさよりもかなり小さいものである。
【0035】
[第1実施形態および第2実施形態の変形例]
(A)
上記の実施形態においては、ボスカット面162/シャフトカット部282の全体を湾曲させているが、これらに対向するシャフトカット部82/ボスのカット面62に対しシャフト頂部83/シャフト頂部283だけが当たることがないような構成であれば、ボスカット面162/シャフトカット部282を湾曲面と平面との組み合わせによって形成してもよい。また、シャフト頂部83/シャフト頂部283だけがシャフトカット部82/ボスのカット面62に当たらないように、ボスカット面162/シャフトカット部282を平面の組み合わせによって形成することも可能である。但し、このときには、回り止めの接触部分に該当する箇所を丸く面取りするような構造を採ることが望ましい。
【0036】
(B)
上記の実施形態においては、ボスカット面162/シャフトカット部282だけを湾曲させ、これらに対向するシャフトカット部82/ボスのカット面62を平面のままにしているが、第1実施形態のシャフトカット部82/第2実施形態のボスのカット面62についても湾曲させ、回り止め時に湾曲している部分同士が当接するように構成することも考えられる。
【0037】
(C)
上記の実施形態においては、ボスカット面162/シャフトカット部282を湾曲させて、これらに対向するシャフトカット部82/ボスのカット面62に対しシャフト頂部83/シャフト頂部283が当たらない構造を採っているが(図5(b),図6(b)参照)、ボスカット面162/シャフトカット部282とシャフトカット部82/ボスのカット面62とが接触すると同時にシャフト頂部83/シャフト頂部283とシャフトカット部82/ボスのカット面62とが接触する構造とすることも可能である。但し、このときには、製造誤差も考慮して、シャフトカット部82/ボスのカット面62に対してシャフト頂部83/シャフト頂部283だけが当たることのないように設計を行う必要がある。
【0038】
【発明の効果】
請求項1又は2に係る回転体のボスでは、カット部を有する略D字状断面のシャフトが挿入される回転体のボスについて、シャフトのカット部に対向する内面の第1面に対してシャフトの頂部だけが当たることのないように、その内面を形成している。したがって、ボスに挿入されたシャフトとボスとの間に微少隙間が存在し両者が繰り返し相対的に微少回転する場合でも、シャフトの頂部がボスの内面に当たってシャフトの頂部やボスの内面が損傷することが抑えられる。すなわち、ボスとシャフトとが微少相対回転したときにも、シャフトの頂部以外の部位あるいは頂部と他の部位とがボスの内面に当たるようになっているため、シャフトとボスの内面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0039】
請求項3に係る回転体のボスでは、従来は平面となっているボスの第1面に湾曲面が含まれるように構成している。したがって、ボスとシャフトとの回り止めがボスの第1面の湾曲面とシャフトのカット部との当接によって行われるように設計することによって、シャフトとボスの内面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0040】
請求項4に係る回転体のボスでは、ボスに対してシャフトが微少回転した後に両者が当接して回り止めが為されたときにも、その微少回転角よりボスの第1面の端部とシャフトのカット部との角度のほうが大きいため、シャフトのカット部の端部に位置する頂部がボスの第1面に当たらなくなる。すなわち、シャフトの頂部がボスの内面に当たらなくなるので、シャフトの頂部やボスの内面が損傷することが抑えられる。
【0041】
請求項5又は6に係るシャフトでは、カット面を有する略D字状断面の開口を持つ回転体のボスに挿入するシャフトについて、シャフトとボスとが微少相対回転したときにもシャフト頂部だけがボスの開口のカット面に当たるようなことがないように、その外面を形成している。したがって、ボスに挿入されたシャフトとボスとの間に微少隙間が存在し両者が繰り返し相対的に微少回転する場合でも、シャフト頂部がボスの開口のカット面に当たってシャフト頂部やボスのカット面が損傷することが抑えられる。すなわち、ボスとシャフトとが微少相対回転したときにも、シャフト頂部以外の部位あるいは頂部と他の部位とがボスのカット面に当たるようになっているため、シャフトとボスのカット面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0042】
請求項7に係るシャフトでは、従来は平面となっているシャフトカット部に湾曲面が含まれるように構成している。したがって、ボスとシャフトとの回り止めがボスの開口のカット面とシャフトカット部の湾曲面との当接によって行われるように設計することによって、シャフトとボスのカット面との接触面積が大きくなり、応力が分散されて損傷が少なくなる。
【0043】
請求項8に係るシャフトでは、ボスに対してシャフトが微少回転した後に両者が当接して回り止めが為されたときにも、その微少回転角よりシャフトカット部の端部とボスの開口のカット面との角度のほうが大きいため、シャフトカット部の端部に位置するシャフト頂部がボスのカット面に当たらなくなる。すなわち、シャフト頂部がボスのカット面に当たらなくなるので、シャフト頂部やボスのカット面が損傷することが抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】多翼送風機の概略図。
【図2】ファンロータの斜視図。
【図3】ファンロータの平面図。
【図4】従来のボスおよびシャフトの構造。
【図5】第1実施形態に係るボスおよびシャフトの構造。
【図6】第2実施形態に係るボスおよびシャフトの構造。
【符号の説明】
8  シャフト
13  ファンロータ(回転体)
60  D字開口(ボスの開口)
62  カット面(ボスのカット面)
82  シャフトカット部
83  シャフト頂部
160  D字開口
162  ボスカット面(第1面)
208  シャフト
281  シャフト湾曲部
282  シャフトカット部
283  シャフト頂部

Claims (8)

  1. 回り止めのために円形の一部がカットされた略D字状の断面形状を有するシャフト(8)が挿入される回転体のボスであって、
    挿入される前記シャフト(8)の微少相対回転を許容し、
    その内面が、前記シャフトのカット部(82)に対向する第1面(162)を含んでおり、且つ、前記微少相対回転が生じたときに、前記シャフトのD字状断面の頂部(83)だけが前記第1面(162)に当たるようなことがないように形成されている、
    回転体のボス。
  2. 前記第1面(162)は、その端部と前記シャフトのカット部(82)との隙間距離よりも、その中央部と前記シャフトのカット部(82)との隙間距離のほうが小さい、
    請求項1に記載の回転体のボス。
  3. 前記第1面(162)は、湾曲面から構成されている、あるいは、湾曲面と平面とから構成されている、
    請求項1又は2に記載の回転体のボス。
  4. 前記シャフトのカット部(82)が平面であり、
    前記第1面(162)の端部と前記シャフトのカット部(82)との角度(θ2)は、前記微少相対回転の回転角度よりも大きい、
    請求項1から3のいずれかに記載の回転体のボス。
  5. 開口(60)の内周断面が円形の一部をカットした略D字状の形状である回転体(13)のボス(2)に挿入されるシャフト(208)であって、
    前記ボスに挿入された状態で、前記ボスに対して微少回転が可能であり、
    その外面が、前記ボスの開口(60)のカット面(62)以外の湾曲面(61)に対向するシャフト湾曲部(281)と、前記ボスの開口(60)のカット面(62)に対向するシャフトカット部(282)と、前記シャフト湾曲部(281)と前記シャフトカット部(282)との境界であるシャフト頂部(283)とから構成されており、且つ、前記微少回転が生じたときに、前記シャフト頂部(283)だけが前記ボスの開口(60)のカット面(62)に当たるようなことがないように形成されている、
    シャフト。
  6. 前記シャフトカット部(282)は、その端部と前記ボスの開口(60)のカット面(62)との隙間距離よりも、その中央部と前記ボスの開口(60)のカット面(62)との隙間距離のほうが小さい、
    請求項5に記載のシャフト。
  7. 前記シャフトカット部(282)は、湾曲面から構成されている、あるいは、湾曲面と平面とから構成されている、
    請求項5又は6に記載のシャフト。
  8. 前記ボスの開口(60)のカット面(62)が平面であり、
    前記シャフトカット部(282)の端部と前記ボスの開口(60)のカット面(62)との角度(θ3)は、前記ボスに対して可能な微少回転の角度よりも大きい、
    請求項5から7のいずれかに記載のシャフト。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006029542A (ja) * 2004-07-21 2006-02-02 Saginomiya Seisakusho Inc 遊星歯車式減速装置および電動式コントロールバルブおよび冷凍サイクル装置
US7303480B2 (en) 2004-03-25 2007-12-04 Miki Pulley Co., Ltd. Flexible shaft coupling
KR102164515B1 (ko) * 2019-06-26 2020-10-12 뉴모텍(주) 건조기의 동력 전달용 풀리 조립체

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