JP2004060773A - 高負荷伝動ベルト - Google Patents
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Abstract
【課題】ブロックの耐摩耗性を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができると共にベルト走行時のピッチノイズを小さく抑えた高負荷伝動ベルトを提供する。
【解決手段】張力帯3a、3bの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロック2とからなる高負荷伝動ベルト1であり、そのブロック2を形成する合成樹脂には硬質多孔性炭素材料が配合されている。また、合成樹脂材料はナイロン46であり、硬質多孔性炭素材料の配合量は5〜35質量%とする。
【選択図】 図1
【解決手段】張力帯3a、3bの長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロック2とからなる高負荷伝動ベルト1であり、そのブロック2を形成する合成樹脂には硬質多孔性炭素材料が配合されている。また、合成樹脂材料はナイロン46であり、硬質多孔性炭素材料の配合量は5〜35質量%とする。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで合成樹脂製のブロックを固定した高負荷伝動ベルトに係り、ブロックの耐摩耗性が高く長寿命であるとともに走行時の騒音を低減した高負荷伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
【0003】
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
【0004】
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトのブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性等の性質をバランス良く保有する必要がある。さらにプーリを摩耗させないようにすることも大切な要素である。
【0005】
これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトとして、例えば、特開昭63−34342号公報に開示されているようなものがある。このベルトは、ブロックとプーリの接触する部分が、フェノール系樹脂成分にゴム成分が添加された樹脂成形材料によって、金属等によって形成されているインサート材を被覆した2重構造のブロックを用いたものである。
【0006】
また、特公平7−110900号公報には、フェノール系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン系ゴムをマトリックスとして炭素繊維及びアラミド繊維の2繊維を含む繊維質充填率25〜60重量部を配合させて、炭素繊維はオニオン構造を有し、結晶層厚が25〜200μmであるフェノール系樹脂を用いたブロックが用いられた高負荷伝動ベルトが開示されている。
【0007】
また、最近はニーズの多様化により、高負荷ではあるが、従来のものより負荷が少し低く、高速で回転させることができる高負荷伝動ベルトが要求されるようになってきている。
【0008】
このため、例えば特開昭63−34342号公報に開示されているベルトは、アルミニウム合金等をインサート材として使用しているため、高速で回転すると、その重量のため、大きな遠心力がかかり、ベルトに大きな張力が作用して、ベルトが早期破損するという問題が生じるようになった。
【0009】
また、高速回転により、プーリとブロック間で発生する熱量も多くなり、そのため、特公平7−110900号公報で開示されているようなフェノール系樹脂を主成分とするブロックでは、フェノール系樹脂が耐衝撃性に劣るところがあり、ベルトの破損が発生することがある。これを改善しなくては、前述の高負荷伝動ベルトとしての要求を高いレベルで満足することができないものであった。また、フェノール樹脂は熱硬化性樹脂であるために成形サイクルが長くなってしまうことやリサイクル性に劣るといった問題もある。
【0010】
そこでアルミニウム合金などの金属からなるインサート材を埋設していない合成樹脂とそれに繊維やウィスカーなどの補強材を配合したのみのブロックを用い、ベルトを軽量化するといったものも提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ベルトは常にプーリとの間で摩擦が発生する状態で用いられる。特にプーリの幅が拡縮することで有効径が可変な無段変速で用いられるベルトの場合、プーリとベルトとの間で摺動しながら走行しており、金属製のプーリに接するブロックの摩耗はベルトの寿命を短くすることにも関わってくるので大きな問題となる。
【0012】
また、このようなブロックを所定ピッチで装着したベルトの場合、ベルトが走行中に発生するブロックとプーリとの間で発生するピッチノイズも問題のひとつとなっており、できるだけ騒音の少ないベルトが求められている。
【0013】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、ブロックがプーリ、しかも有効径が可変の無段変速プーリとの間で摩擦しても、摩耗量を少なく抑えることができるとともに、ブロックとプーリとの間のピッチノイズを低減することができる引張伝動式の高負荷伝動ベルトを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の高負荷伝動ベルトは、張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には硬質多孔性炭素材料が配合されていることを特徴とする。
【0015】
ブロックを形成する合成樹脂に硬質多孔性炭素材料を配合することによって、耐摩耗性を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができる高負荷伝動ベルトを提供することができ、またベルト走行時におけるブロックとプーリとの間で発生するピッチノイズも低く抑えることができるものである。
【0016】
請求項2では、合成樹脂材料が46ナイロン樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
【0017】
合成樹脂材料として46ナイロンを用いることによって、他のポリアミドに比べて靭性が高く、樹脂の破損や割れが発生しにくいことからより高負荷伝動ベルトの寿命の改善につながる。
【0018】
請求項3では硬質多孔性炭素材料の配合量が5〜35質量%である高負荷伝動ベルトとしており、十分に耐摩耗性を向上させることができるとともに、ブロックを成形する際にも成形性を阻害することがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本の張力帯3a、3bと、この張力帯3a、3bに係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面2a、2bは、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されている張力帯3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
【0021】
ブロック2は、図1に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、上下ビーム部11、12の中央部同士を連結したセンターピラー13からなっており、ブロック2の両側面2a、2bには張力帯3a、3bを嵌めこむ溝14、15が形成されている。また、溝15内の溝上面16および溝下面17には張力帯3の上面に設けた凹条部18と下面に設けた凹条部19に係合する凸条部20、21に係合するようになっている。
【0022】
図2は、別のベルトの例であり、ビーム部31の両端から上方に向かって一対のサイドピラー32、33が延びており、このサイドピラー32、33の上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロック部34、35が対向するように設けられている。そして、これらビーム部31、サイドピラー32、33及びロック部34、35によって張力帯3a、3bが嵌合する嵌合溝30が形成されている。この嵌合溝30に、張力帯3a、3bが、ロック部34、35間の開口部より挿入され装着される。また、ロック部34、35の嵌合溝30側には、凸部37がそれぞれ設けられており、この凸部37が、張力帯3a、3bに所定ピッチで設けられている凹部36に嵌合する。これによって、張力帯3a、3bは、装着後はブロック2から抜けにくい状態となる。
【0023】
このブロック2は合成樹脂素材からなっているものであるが、例えばアルミニウム合金などの金属などからなる略ブロックの形状を呈したインサート材を内部に埋設したものでもよいし、インサート材を埋設していないものでも構わない。インサート材以外に例えば合成樹脂素材中に配合する形で加える短繊維やウィスカなどの補強材を添加したものであってもよい。
【0024】
ブロックの樹脂として用いることができるのは、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂が用いられる。
【0025】
これらの材料からなるブロックはベルトの走行時にプーリとの間で常に摩擦力を発生しており、特にプーリの幅が拡縮して有効径が可変の無段変速システムに用いられる場合は常に摺動している状態で用いられ、摩耗の問題が考えられる。ブロックが摩耗してしまうと、変速比が変わってしまうといった問題や摩耗量が大きくなるとそれでベルトが寿命を迎えてしまうということになるので、摩耗を減らすことによってベルトの寿命を延ばすことにもなる。また、ベルトの走行中に張力帯に所定ピッチで取り付けられたブロックとプーリとの間でピッチノイズが発生するといった問題もある。
【0026】
そこで、本発明ではブロック2を構成する合成樹脂に、硬質多孔性炭素材料を配合している。硬質多孔性炭素材料とは、米ぬかから油を抜いた脱脂ぬかにフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂および水などを加えて焼成した材料であり、RBセラミックス(Rice Bran Ceramics)とも呼ばれているものである。そしてその特徴としてはビッカース硬さが平均で4〜6GPa、圧縮強度が70〜80MPa程度の多孔質構造であり、合成樹脂素材に配合することによって耐摩耗性にも優れるとともに摩擦音の発生を抑制することができる。
【0027】
また、硬質多孔性炭素材料の配合量としては5〜35質量%の範囲とすることが好ましく、5質量%未満であると補強効果が少なくブロックの耐摩耗性が十分に得られないなどの問題があり、35質量%を超えると樹脂への配合が困難になったり射出成形などの成形工程が困難になったりするなどの問題があるので好ましくない。
【0028】
本発明では前述のようにブロックを形成する合成樹脂中に硬質多孔性炭素材料を配合しているが、その他にもウィスカ状の補強材を配合することは可能であり、具体的には酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。これらの中では、酸化亜鉛ウィスカを用いることが好ましい。酸化亜鉛ウィスカは、テトラポット状に四方に手が延びた立体的形状をしている。この酸化亜鉛ウィスカは、これ単独でも耐熱性、耐摩耗性に優れたものであるが、前述のようにテトラポット状の立体的形状をしているため、炭素繊維とともに配合すると、炭素繊維の配向が抑制され、成形時のそりや成形収縮の異方性が改良される。さらに、このように炭素繊維の配向を低減できるため、ブロック2の靭性、曲げ剛性等の強度についての異方性も低減することができ、かつ、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が向上する。
【0029】
また、酸化亜鉛ウィスカは、高比重、高剛性であるため、プーリとの接触時の振動を低減でき、ノイズの発生を小さくすることができる。なお、この酸化亜鉛ウィスカの配合量が少ない場合は、添加した効果が発現せず、多すぎると、混練できず、成形することが困難となる。
【0030】
このような材料構成とすることによって、プーリと接する際に受ける側圧にも十分に耐えうる剛性、靭性等の強度を有するとともに、耐摩耗性に優れ、更には、摩擦時に発生する熱に対しても強いブロックとすることが可能となり、プーリから受ける動力を効率よく張力帯3a、3bに引張力として伝えることができ、引張伝動式の高負荷伝動ベルトを構成することができる。
【0031】
なお、これらの他に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
【0032】
張力帯3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編み布や金属薄板等を使用することもできる。
【0033】
【実施例】
次に硬質多孔性炭素材料の所定の配合量を混入して作成したブロックを用いたベルトと、通常の炭素繊維を配合して作成したブロックを用いたベルトとを走行させて、耐久時間と騒音、ブロックの摩耗量を比較してみた。
【0034】
(実施例1)
ブロックを構成する樹脂としてナイロン46を用い、硬質多孔性炭素材料を3質量%配合して射出成形にてブロックを成形し張力帯に嵌め込んで図1に示すような高負荷伝動ベルトを作製した。ベルトピッチ幅は22mm、ピッチ周長は831mm、ブロックのピッチは3mmである。
【0035】
このベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。なお、走行条件は表1に示すような高トルクの条件で行っている。走行試験の結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
(実施例2)
硬質多孔性炭素材料の配合量を10質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0038】
(実施例3)
硬質多孔性炭素材料の配合量を20質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0039】
(実施例4)
硬質多孔性炭素材料の配合量を35質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0040】
(実施例5)
硬質多孔性炭素材料の配合量を40質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0041】
(比較例)
カーボン繊維をナイロン46に20質量%配合した以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果からわかるように、本発明の実施例1〜5は高トルクの条件においても長寿命で且つ騒音も低くブロックの摩耗量も小さい結果となっている。中でも実施例2〜5は300時間を過ぎても異常なく走行を続けており、更にその中でも実施例2〜4は成形性も良好であることから特に好ましい実施例であるといえる。
【0044】
それに対して、通常のカーボン短繊維を配合した比較例ではスリップが大きく短時間でブロックが溶けて寿命になりベルトが切断している。この比較で通常のカーボン短繊維よりも硬質多孔性炭素材料を用いることによる効果が確認できる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には硬質多孔性炭素材料が配合されていることを特徴とする。
【0046】
ブロックを形成する合成樹脂に硬質多孔性炭素材料を配合することによって、耐摩耗性を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができる高負荷伝動ベルトを提供することができ、またベルト走行時におけるブロックとプーリとの間で発生するピッチノイズも低く抑えることができるものである。
【0047】
請求項2では、合成樹脂材料が46ナイロン樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
【0048】
合成樹脂材料として46ナイロンを用いることによって、他のポリアミドに比べて靭性が高く、樹脂の破損や割れが発生しにくいことからより高負荷伝動ベルトの寿命の改善につながる。
【0049】
請求項3では硬質多孔性炭素材料の配合量が5〜35質量%である高負荷伝動ベルトとしており、十分に耐摩耗性を向上させることができるとともに、ブロックを成形する際にも成形性を阻害することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜視概略図である。
【図2】本発明に係る高負荷伝動ベルトの他の例を示す斜視概略図である。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3a 張力帯
3b 張力帯
4 エラストマー
5 心線
11 上ビーム部
12 下ビーム部ー
13 センターピラー
14 嵌合溝
15 嵌合溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで合成樹脂製のブロックを固定した高負荷伝動ベルトに係り、ブロックの耐摩耗性が高く長寿命であるとともに走行時の騒音を低減した高負荷伝動ベルトに関する。
【0002】
【従来の技術】
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
【0003】
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
【0004】
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトのブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性等の性質をバランス良く保有する必要がある。さらにプーリを摩耗させないようにすることも大切な要素である。
【0005】
これらの要求を満たす高負荷伝動ベルトとして、例えば、特開昭63−34342号公報に開示されているようなものがある。このベルトは、ブロックとプーリの接触する部分が、フェノール系樹脂成分にゴム成分が添加された樹脂成形材料によって、金属等によって形成されているインサート材を被覆した2重構造のブロックを用いたものである。
【0006】
また、特公平7−110900号公報には、フェノール系樹脂にアクリロニトリル−ブタジエン系ゴムをマトリックスとして炭素繊維及びアラミド繊維の2繊維を含む繊維質充填率25〜60重量部を配合させて、炭素繊維はオニオン構造を有し、結晶層厚が25〜200μmであるフェノール系樹脂を用いたブロックが用いられた高負荷伝動ベルトが開示されている。
【0007】
また、最近はニーズの多様化により、高負荷ではあるが、従来のものより負荷が少し低く、高速で回転させることができる高負荷伝動ベルトが要求されるようになってきている。
【0008】
このため、例えば特開昭63−34342号公報に開示されているベルトは、アルミニウム合金等をインサート材として使用しているため、高速で回転すると、その重量のため、大きな遠心力がかかり、ベルトに大きな張力が作用して、ベルトが早期破損するという問題が生じるようになった。
【0009】
また、高速回転により、プーリとブロック間で発生する熱量も多くなり、そのため、特公平7−110900号公報で開示されているようなフェノール系樹脂を主成分とするブロックでは、フェノール系樹脂が耐衝撃性に劣るところがあり、ベルトの破損が発生することがある。これを改善しなくては、前述の高負荷伝動ベルトとしての要求を高いレベルで満足することができないものであった。また、フェノール樹脂は熱硬化性樹脂であるために成形サイクルが長くなってしまうことやリサイクル性に劣るといった問題もある。
【0010】
そこでアルミニウム合金などの金属からなるインサート材を埋設していない合成樹脂とそれに繊維やウィスカーなどの補強材を配合したのみのブロックを用い、ベルトを軽量化するといったものも提案されている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ベルトは常にプーリとの間で摩擦が発生する状態で用いられる。特にプーリの幅が拡縮することで有効径が可変な無段変速で用いられるベルトの場合、プーリとベルトとの間で摺動しながら走行しており、金属製のプーリに接するブロックの摩耗はベルトの寿命を短くすることにも関わってくるので大きな問題となる。
【0012】
また、このようなブロックを所定ピッチで装着したベルトの場合、ベルトが走行中に発生するブロックとプーリとの間で発生するピッチノイズも問題のひとつとなっており、できるだけ騒音の少ないベルトが求められている。
【0013】
そこで、本発明は、前記問題点に鑑みなされたものであり、ブロックがプーリ、しかも有効径が可変の無段変速プーリとの間で摩擦しても、摩耗量を少なく抑えることができるとともに、ブロックとプーリとの間のピッチノイズを低減することができる引張伝動式の高負荷伝動ベルトを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために本発明の請求項1の高負荷伝動ベルトは、張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には硬質多孔性炭素材料が配合されていることを特徴とする。
【0015】
ブロックを形成する合成樹脂に硬質多孔性炭素材料を配合することによって、耐摩耗性を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができる高負荷伝動ベルトを提供することができ、またベルト走行時におけるブロックとプーリとの間で発生するピッチノイズも低く抑えることができるものである。
【0016】
請求項2では、合成樹脂材料が46ナイロン樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
【0017】
合成樹脂材料として46ナイロンを用いることによって、他のポリアミドに比べて靭性が高く、樹脂の破損や割れが発生しにくいことからより高負荷伝動ベルトの寿命の改善につながる。
【0018】
請求項3では硬質多孔性炭素材料の配合量が5〜35質量%である高負荷伝動ベルトとしており、十分に耐摩耗性を向上させることができるとともに、ブロックを成形する際にも成形性を阻害することがない。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明を具体的に説明する。
【0020】
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図である。本発明の高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本の張力帯3a、3bと、この張力帯3a、3bに係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面2a、2bは、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されている張力帯3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
【0021】
ブロック2は、図1に示すように、上ビーム部11および下ビーム部12と、上下ビーム部11、12の中央部同士を連結したセンターピラー13からなっており、ブロック2の両側面2a、2bには張力帯3a、3bを嵌めこむ溝14、15が形成されている。また、溝15内の溝上面16および溝下面17には張力帯3の上面に設けた凹条部18と下面に設けた凹条部19に係合する凸条部20、21に係合するようになっている。
【0022】
図2は、別のベルトの例であり、ビーム部31の両端から上方に向かって一対のサイドピラー32、33が延びており、このサイドピラー32、33の上端からそれぞれブロック2の中心に向かって延びるロック部34、35が対向するように設けられている。そして、これらビーム部31、サイドピラー32、33及びロック部34、35によって張力帯3a、3bが嵌合する嵌合溝30が形成されている。この嵌合溝30に、張力帯3a、3bが、ロック部34、35間の開口部より挿入され装着される。また、ロック部34、35の嵌合溝30側には、凸部37がそれぞれ設けられており、この凸部37が、張力帯3a、3bに所定ピッチで設けられている凹部36に嵌合する。これによって、張力帯3a、3bは、装着後はブロック2から抜けにくい状態となる。
【0023】
このブロック2は合成樹脂素材からなっているものであるが、例えばアルミニウム合金などの金属などからなる略ブロックの形状を呈したインサート材を内部に埋設したものでもよいし、インサート材を埋設していないものでも構わない。インサート材以外に例えば合成樹脂素材中に配合する形で加える短繊維やウィスカなどの補強材を添加したものであってもよい。
【0024】
ブロックの樹脂として用いることができるのは、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド(PAI)樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリイミド(PI)樹脂、ポリエーテルスルフォン(PES)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等の合成樹脂が用いられる。
【0025】
これらの材料からなるブロックはベルトの走行時にプーリとの間で常に摩擦力を発生しており、特にプーリの幅が拡縮して有効径が可変の無段変速システムに用いられる場合は常に摺動している状態で用いられ、摩耗の問題が考えられる。ブロックが摩耗してしまうと、変速比が変わってしまうといった問題や摩耗量が大きくなるとそれでベルトが寿命を迎えてしまうということになるので、摩耗を減らすことによってベルトの寿命を延ばすことにもなる。また、ベルトの走行中に張力帯に所定ピッチで取り付けられたブロックとプーリとの間でピッチノイズが発生するといった問題もある。
【0026】
そこで、本発明ではブロック2を構成する合成樹脂に、硬質多孔性炭素材料を配合している。硬質多孔性炭素材料とは、米ぬかから油を抜いた脱脂ぬかにフェノール樹脂などの熱硬化性樹脂および水などを加えて焼成した材料であり、RBセラミックス(Rice Bran Ceramics)とも呼ばれているものである。そしてその特徴としてはビッカース硬さが平均で4〜6GPa、圧縮強度が70〜80MPa程度の多孔質構造であり、合成樹脂素材に配合することによって耐摩耗性にも優れるとともに摩擦音の発生を抑制することができる。
【0027】
また、硬質多孔性炭素材料の配合量としては5〜35質量%の範囲とすることが好ましく、5質量%未満であると補強効果が少なくブロックの耐摩耗性が十分に得られないなどの問題があり、35質量%を超えると樹脂への配合が困難になったり射出成形などの成形工程が困難になったりするなどの問題があるので好ましくない。
【0028】
本発明では前述のようにブロックを形成する合成樹脂中に硬質多孔性炭素材料を配合しているが、その他にもウィスカ状の補強材を配合することは可能であり、具体的には酸化亜鉛ウィスカ、チタン酸カリウムウィスカ、ホウ酸アルミニウムウィスカなどの無機繊維を配合してもよい。これらの中では、酸化亜鉛ウィスカを用いることが好ましい。酸化亜鉛ウィスカは、テトラポット状に四方に手が延びた立体的形状をしている。この酸化亜鉛ウィスカは、これ単独でも耐熱性、耐摩耗性に優れたものであるが、前述のようにテトラポット状の立体的形状をしているため、炭素繊維とともに配合すると、炭素繊維の配向が抑制され、成形時のそりや成形収縮の異方性が改良される。さらに、このように炭素繊維の配向を低減できるため、ブロック2の靭性、曲げ剛性等の強度についての異方性も低減することができ、かつ、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が向上する。
【0029】
また、酸化亜鉛ウィスカは、高比重、高剛性であるため、プーリとの接触時の振動を低減でき、ノイズの発生を小さくすることができる。なお、この酸化亜鉛ウィスカの配合量が少ない場合は、添加した効果が発現せず、多すぎると、混練できず、成形することが困難となる。
【0030】
このような材料構成とすることによって、プーリと接する際に受ける側圧にも十分に耐えうる剛性、靭性等の強度を有するとともに、耐摩耗性に優れ、更には、摩擦時に発生する熱に対しても強いブロックとすることが可能となり、プーリから受ける動力を効率よく張力帯3a、3bに引張力として伝えることができ、引張伝動式の高負荷伝動ベルトを構成することができる。
【0031】
なお、これらの他に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
【0032】
張力帯3a、3bのエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴムなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心線5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心線5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編み布や金属薄板等を使用することもできる。
【0033】
【実施例】
次に硬質多孔性炭素材料の所定の配合量を混入して作成したブロックを用いたベルトと、通常の炭素繊維を配合して作成したブロックを用いたベルトとを走行させて、耐久時間と騒音、ブロックの摩耗量を比較してみた。
【0034】
(実施例1)
ブロックを構成する樹脂としてナイロン46を用い、硬質多孔性炭素材料を3質量%配合して射出成形にてブロックを成形し張力帯に嵌め込んで図1に示すような高負荷伝動ベルトを作製した。ベルトピッチ幅は22mm、ピッチ周長は831mm、ブロックのピッチは3mmである。
【0035】
このベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。なお、走行条件は表1に示すような高トルクの条件で行っている。走行試験の結果を表2に示す。
【0036】
【表1】
【0037】
(実施例2)
硬質多孔性炭素材料の配合量を10質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0038】
(実施例3)
硬質多孔性炭素材料の配合量を20質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0039】
(実施例4)
硬質多孔性炭素材料の配合量を35質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0040】
(実施例5)
硬質多孔性炭素材料の配合量を40質量%とした以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0041】
(比較例)
カーボン繊維をナイロン46に20質量%配合した以外は実施例1と同じ条件で高負荷伝動ベルトを作成した。表1に示す走行条件にてベルトを走行させ、耐久時間と走行中の騒音、走行開始100時間後のブロック側面の摩耗量を測定した。走行試験の結果を表2に示す。
【0042】
【表2】
【0043】
表2の結果からわかるように、本発明の実施例1〜5は高トルクの条件においても長寿命で且つ騒音も低くブロックの摩耗量も小さい結果となっている。中でも実施例2〜5は300時間を過ぎても異常なく走行を続けており、更にその中でも実施例2〜4は成形性も良好であることから特に好ましい実施例であるといえる。
【0044】
それに対して、通常のカーボン短繊維を配合した比較例ではスリップが大きく短時間でブロックが溶けて寿命になりベルトが切断している。この比較で通常のカーボン短繊維よりも硬質多孔性炭素材料を用いることによる効果が確認できる。
【0045】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成されており、張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には硬質多孔性炭素材料が配合されていることを特徴とする。
【0046】
ブロックを形成する合成樹脂に硬質多孔性炭素材料を配合することによって、耐摩耗性を大幅に向上させることができ高負荷の用途に用いても十分に耐えうることができる高負荷伝動ベルトを提供することができ、またベルト走行時におけるブロックとプーリとの間で発生するピッチノイズも低く抑えることができるものである。
【0047】
請求項2では、合成樹脂材料が46ナイロン樹脂である高負荷伝動ベルトとしている。
【0048】
合成樹脂材料として46ナイロンを用いることによって、他のポリアミドに比べて靭性が高く、樹脂の破損や割れが発生しにくいことからより高負荷伝動ベルトの寿命の改善につながる。
【0049】
請求項3では硬質多孔性炭素材料の配合量が5〜35質量%である高負荷伝動ベルトとしており、十分に耐摩耗性を向上させることができるとともに、ブロックを成形する際にも成形性を阻害することがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る高負荷伝動ベルトの一例を示す斜視概略図である。
【図2】本発明に係る高負荷伝動ベルトの他の例を示す斜視概略図である。
【符号の説明】
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3a 張力帯
3b 張力帯
4 エラストマー
5 心線
11 上ビーム部
12 下ビーム部ー
13 センターピラー
14 嵌合溝
15 嵌合溝
Claims (3)
- 張力帯と、該張力帯の長手方向に沿って所定ピッチで設けた複数のブロックとからなる高負荷伝動ベルトにおいて、前記ブロックは合成樹脂材料からなっており、そのブロックを形成する合成樹脂には硬質多孔性炭素材料が配合されていることを特徴とする高負荷伝動ベルト。
- 合成樹脂材料が46ナイロン樹脂である請求項1記載の高負荷伝動ベルト。
- 硬質多孔性炭素材料の配合量が5〜35質量%である請求項1〜2記載の高負荷伝動ベルト。
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