JP2004054201A - 撮影装置の制御装置、撮影装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現する。
【解決手段】デジカメを用いて撮影された画像の写真プリント作成依頼をDPE受付店12を介して顧客から受け付けると、現像所14のコンピュータ26により、撮影画像に写し込まれているシーンに対する最適撮影モードやストロボの最適発光モード等が解析され、記憶装置38の写真関連情報DB38に撮影シーン情報(顧客により撮影されるシーンの傾向を表す情報)として記憶される。カメラメーカ18のコンピュータ42は撮影シーン情報に基づいて、顧客が撮影に用いたデジカメの設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する。この制御情報は顧客に提供され、顧客が所定の操作を行うことでデジカメの設定が自動的に変更される。
【選択図】 図1
【解決手段】デジカメを用いて撮影された画像の写真プリント作成依頼をDPE受付店12を介して顧客から受け付けると、現像所14のコンピュータ26により、撮影画像に写し込まれているシーンに対する最適撮影モードやストロボの最適発光モード等が解析され、記憶装置38の写真関連情報DB38に撮影シーン情報(顧客により撮影されるシーンの傾向を表す情報)として記憶される。カメラメーカ18のコンピュータ42は撮影シーン情報に基づいて、顧客が撮影に用いたデジカメの設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する。この制御情報は顧客に提供され、顧客が所定の操作を行うことでデジカメの設定が自動的に変更される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影装置の制御装置、撮影装置及びプログラムに係り、特に、被写体の撮影に用いられる撮影装置、該撮影装置の動作を制御するための撮影装置の制御装置、コンピュータを前記撮影装置の制御装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD等の撮像素子によって被写体を撮影し、該撮影によって得られたアナログの画像信号をデジタルの画像データに変換した後に、スマートメディア(R)等のメモリカードに記憶させる構成のデジタルスチルカメラ(以下、DSCと略す)は、撮影した画像をその場でLCDに再生表示させることで、撮影が成功したか失敗したかをその場で確認できるという特長があり、近年急速に普及してきている。DSCによって撮影された画像は、例えば顧客が画像データをDPE受付店に持込んで写真プリントの作成等の写真処理を依頼することにより、高品位の写真プリントとして保存したり、前記画像データが表す画像を顧客が所持しているプリンタにより紙等に簡易的に記録することも可能である。
【0003】
ところで、最近のDSCは様々なシーン(被写体)を高画質で撮影可能なように高機能化・多機能化が進み、例えば撮影モードについても、種々のシーン(被写体)に対応して多数の撮影モードが設けられるようになってきている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
富士写真フイルム(株)、”FinePix6700Z spec.”、[online]、[平
成14年9月20日検索]、インターネット<URL:http://www.fi
nepix.com/fx6900z/spec.html>
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のDSCは様々なシーン(被写体)を高画質で撮影可能なように高機能化・多機能化が進み、例えば撮影モードについても、種々のシーン(被写体)に対応して多数の撮影モードが設けられるようになってきている。これに伴い、例えば特定のシーンを撮影するにあたり、DSCが備えている機能を有効に利用するためにDSCの設定を撮影対象のシーンに適した設定に変更する操作も非常に煩雑になってきており、DSCの操作性の向上が求められている。
【0006】
また、上述したように、撮影装置の機能を有効に利用した撮影を行うための操作が煩雑である、という問題は、撮影装置がDSC(詳しくは撮影専用に設計されたDSC)である場合に限られるものではなく、例えば撮影装置が通常のカメラである場合や、デジタルビデオカメラである場合、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するDSCである場合にも共通する問題であった。
【0007】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現できる撮影装置の制御装置、撮影装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0008】
前述のように、撮影装置は様々なシーンを高画質で撮影可能とすることを目的として高機能化・多機能化が進んでいるが、撮影装置を所持している個々の顧客が、様々なシーンを万遍なく撮影することは極めて稀であり、顧客によって撮影されるシーンは、個々の顧客毎に特定種のシーン(被写体)に偏っていることが殆どである。本願発明者は上記事実に着目し、顧客によって撮影される頻度の高いシーンに合致するように撮影装置の設定を変更するようにすれば、撮影にあたって撮影装置の設定の変更が必要となる頻度が低下し、撮影装置の操作性を向上させることができることに想到して本発明を成すに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記に基づき請求項1記載の発明に係る撮影装置の制御装置は、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する解析手段と、前記解析手段によって解析された前記シーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する生成手段と、を含んで構成されている。
【0010】
請求項1記載の発明では、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、顧客により撮影されるシーンの傾向が解析手段によって解析される。なお、請求項1記載の発明において、顧客による撮影に用いられる撮影装置としては、例えば撮像素子によって被写体を撮影することで得られたアナログの画像信号をデジタルの画像データに変換し、メモリカードに記憶させる構成の撮影装置(撮影専用に設計されたDSC)が挙げられるが、被写体を銀塩写真フィルム等の記録材料に露光記録する通常のカメラや、デジタルビデオカメラ、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するDSCであってもよい。撮影装置が通常のカメラ以外の場合には、撮影画像は撮影と同時にデータ化されるが、撮影装置が通常のカメラである場合、撮影画像は、記録材料に露光記録された画像を可視化する処理が行われた後に、可視化された画像がスキャナ等の読取装置によって読み取られることでデータ化されることになる。
【0011】
また、解析手段が解析に用いる撮影画像のデータとしては、例えば請求項2に記載したように、撮影画像の画像データ及び撮影画像の撮影時の撮影条件を表すデータの少なくとも一方を適用することができる。例えば撮影装置がDSCであれば、撮影画像のデータはEXIF形式や他の形式の画像ファイルとして提供されることになるが、この種の画像ファイルには撮影時の撮影条件を表すデータ等が含まれており、銀塩写真フィルムの一種であるAPSフィルムにも撮影時の撮影条件を表すデータが撮影時に記録される。このため、撮影画像そのものを表す画像データのみを適用する以外に、上記のような撮影時の撮影条件を表すデータのみを適用したり、或いは撮影画像を表す画像データと撮影条件を表すデータを併用して解析手段による解析を行うようにしてもよい。
【0012】
また、解析手段による解析(顧客により撮影されるシーンの傾向の解析)は、具体的には、例えば顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づき、個々の撮影画像に写し込まれているシーンの特徴に応じて個々の撮影画像を複数のグループの何れかに各々分類し、各グループに属する撮影画像の数を求め、撮影画像の数が多いグループ(出現頻度が高いグループ)を判断することで行うことができる。グループ分けの基準(上述したシーンの特徴)としては、例えばシーンの種類やシーンの明るさ等を用いることができる。
【0013】
そして、請求項1記載の発明では、解析手段によって解析されたシーンの傾向に基づき、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報が生成手段によって生成される。これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置の設定(例えば撮影装置の電源投入時のデフォルトの設定等)を、顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更することができ、撮影にあたって撮影装置の設定の変更が必要となる頻度を低下させることができる。
【0014】
このように、請求項1記載の発明によれば、顧客により撮影されるシーンの傾向に応じて撮影装置の設定を変更(カスタマイズ)することができるので、撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0015】
なお、請求項1記載の発明において、制御情報による変更対象の撮影装置の設定としては、例えば撮影装置の撮影モードの設定が挙げられる。この場合、例えば請求項3に記載したように、解析手段は、撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に適した撮影モードを判断することを同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードを解析し、生成手段は、撮影装置に設けられている複数種の撮影モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するように構成することができる。
【0016】
これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置に設けられている複数種の撮影モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードの優先順位を高くすることができるので、撮影モードの設定を変更する必要が生ずる頻度が低下することで、撮影モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0017】
また、請求項1記載の発明において、制御情報による変更対象の撮影装置の設定はストロボの発光モードの設定であってもよい。この場合、例えば請求項4に記載したように、解析手段は、撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に適したストロボの発光モードを判断することを同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードを解析し、生成手段は、撮影装置に設けられているストロボの複数種の発光モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するように構成することができる。
【0018】
これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置に設けられているストロボの複数種の発光モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードの優先順位を高くすることができるので、ストロボの発光モードの設定を変更する必要が生ずる頻度が低下することで、ストロボの発光モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0019】
また、請求項1記載の発明において、制御情報による変更対象の撮影装置の設定は、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値であってもよい。この場合、例えば請求項5に記載したように、解析手段は、撮影画像に写し込まれているシーンの明暗を判断することを、同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさを解析し、生成手段は、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値が、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさに応じた値となるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成することを特徴としている。
【0020】
これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値を、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさに応じた値に変更することができるので、露出レベルの目標値又は補正値の設定を変更する必要が生ずる頻度が低下することで、露出レベルの目標値又は補正値の設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0021】
また、請求項1記載の発明において、例えば請求項6に記載したように、生成手段によって生成された制御情報を、撮影装置に挿入可能で、撮影装置を用いて撮影された画像の画像データを記録するための記録媒体に書き込む書込制御手段を設けることが好ましい。これにより、書込制御手段によって制御情報が書き込まれた記録媒体を撮影装置に挿入することで、撮影装置が制御情報を記録媒体から読み出し可能となり、撮影装置の設定を制御情報によって変更することを容易に実現することができる。
【0022】
また、制御情報による撮影装置の設定変更は、上記のように記録媒体を用いることに限られるものではなく、例えば撮影装置が通信線を介して他の機器(例えば本発明に係る撮影装置の制御装置)と通信可能であれば、通信線を介して撮影装置に制御情報を送信することで、撮影装置の設定を制御情報によって変更することも可能である。
【0023】
また、請求項1記載の発明において、撮影画像がDPE受付店を介して顧客から写真プリントの作成が依頼された画像である場合、生成手段によって生成された制御情報は、例えば請求項7に記載したように、作成された写真プリントがDPE受付店で顧客へ引き渡される際に、同時に顧客へ渡されるようにすることができる。請求項7記載の発明に係る制御情報は、詳しくは、例えば前述のように記録媒体に書き込まれた状態で顧客へ渡すことができる。
【0024】
請求項8記載の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影して画像データへ変換する撮影手段と、設定情報を記憶するための記憶手段を備え、記憶手段に記憶されている設定情報に従って動作する撮影装置であって、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成された制御情報が入力された場合に、記憶手段に記憶されている設定情報を前記入力された制御情報に応じて変更する情報変更手段を更に備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項8記載の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影して画像データへ変換する撮影手段を備えると共に、記憶手段に記憶されている設定情報に従って動作する。ここで、請求項8記載の発明では、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成された制御情報が入力された場合に、記憶手段に記憶されている設定情報を入力された制御情報に応じて変更する情報変更手段が設けられており、この情報変更手段によって設定情報が変更されることで、撮影装置は変更後の設定情報に従って動作することになる。
【0026】
先にも述べたように、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成される制御情報は、顧客により撮影されるシーンの傾向に基づき、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報であるので、請求項8記載の発明に係る撮影装置に制御情報を入力することで、撮影装置の設定が顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように、情報変更手段により自動的に変更されることになる。従って、請求項8記載の発明によれば、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現することができる。
【0027】
請求項9記載の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影する機能を備えた撮影装置であって、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて、解析装置が前記撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を前記解析装置より取得し、記憶手段に記憶させる取得手段と、前記記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、解析したシーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0028】
先に説明した請求項8記載の発明では、顧客により撮影されるシーンの傾向の解析及び撮影装置の設定を変更するための制御情報の生成が撮影装置の制御装置によって行われるが、請求項9記載の発明では、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて撮影画像に写し込まれているシーンを解析することは解析装置によって行われるものの、請求項9記載の発明に係る撮影装置の取得手段によってシーン解析結果が取得され、本発明に係る撮影装置の制御装置と同様にして、顧客により撮影されるシーンの傾向が解析され、撮影装置の設定が、顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更される。これにより、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現することができる。
【0029】
なお、請求項9記載の発明において、取得手段による解析結果の取得は、例えば解析手段によるシーン解析の結果が記録された記録媒体が撮影装置にセットされた際に、セットされた記録媒体からシーン解析の結果を読み出すことで取得するようにしてもよいし、解析装置との無線通信によって解析装置からシーン解析の結果を受信することで取得するようにしてもよい。
【0030】
請求項10記載の発明に係るプログラムは、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する第1のステップ、前記第1のステップで解析した前記シーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する第2のステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0031】
請求項10記載の発明に係るプログラムは、上記第1及び第2のステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、すなわちコンピュータを、請求項1記載に記載の撮影装置の制御装置として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが前記プログラムを読み出して実行することにより、請求項1記載の発明と同様に、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる。
【0032】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、被写体を撮影する機能を備えた撮影装置に内蔵されたコンピュータを、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて、解析装置が前記撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を前記解析装置より取得し、記憶手段に記憶させる取得手段、前記記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、解析したシーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段として機能させる。
【0033】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、撮影装置に内蔵されたコンピュータを、上記の取得手段及び制御手段として機能させるためのプログラムであるので、撮影装置に内蔵されたコンピュータが請求項11記載の発明に係るプログラムを実行することで、前記撮影装置が請求項9記載の発明に係る撮影装置として機能することになり、請求項9記載の発明と同様に、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0035】
〔第1実施形態〕
図1には本第1実施形態に係る写真処理システム10が示されている。本第1実施形態に係る写真処理システム10には、写真プリント作成等の顧客からの写真処理依頼を受け付けるDPE受付店12と、DPE受付店12を介して顧客から依頼された写真処理を行う現像所14、写真処理に関連する各種の情報を集中的に管理するデータセンタ16、及び顧客が撮影に使用するカメラを製造する複数のカメラメーカ18が関わっている。
【0036】
DPE受付店12にはコンピュータ20、メディアドライブ22及びハイパーターミナル24が各々設置されている。図示は省略するが、コンピュータ20はCPU,ROM,RAM,入出力ポートがバスを介して互いに接続され、HDD(ハードディスクドライブ)を含む各種の周辺機器が入出力ポートに接続されて構成されている。コンピュータ20のHDDには、後述する制御情報書込処理を実行するための制御情報書込プログラムがインストール(HDDに記憶)されている。このプログラムは必要に応じてHDDから読み出されてCPUにより実行される。
【0037】
ところで、顧客からの写真処理依頼には3種類の依頼形態がある。第1の依頼形態は、顧客が撮影専用に設計されたデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するデジタルスチルカメラ(以下これらをDSCと総称する:DSCの一例を図1に符号「50」を付して示す)を用いて被写体を撮影することで、メモリカード52(例えばスマートメディア(R)やコンパクトフラッシュ(R)、メモリスティック(R)等)に画像データが記録され(通常、EXIF形式や他の形式の画像ファイルとして記録される)、このメモリカード52が持込まれることで写真処理が依頼される形態である。
【0038】
メディアドライブ22は各種のメモリカード52に対して情報の読み出し及び書込みを行う機能を有している。また、メディアドライブ22はコンピュータ20に接続され、コンピュータ20は図示しない通信回線を介して現像所14(のコンピュータ26:後述)と接続されている。第1の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店12では、顧客によって持込まれたメモリカード52を受け取ることで写真処理依頼を受け付け、受け取ったメモリカード52からメディアドライブ22によって撮影画像の画像データ(画像ファイル)を読み出し、読み出した画像データをコンピュータ20によって現像所14へ送信することで、顧客からの依頼を受け付けた写真処理の実施を現像所14に依頼する。
【0039】
また、第2の依頼形態では、顧客がDSC50を用いて被写体を撮影することで得られた画像データ(EXIF形式や他の形式の画像ファイル)が、インターネット等のコンピュータ・ネットワークを介してDPE受付店12へ送信されることで写真処理が依頼される。コンピュータ20はインターネット等を介して情報を送受する機能を有しており、第2の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店12では、インターネット等を介して顧客から送信された撮影画像の画像データをコンピュータ20によって受信することで写真処理依頼を受け付け、受信した画像データをコンピュータ20によって現像所14へ送信することで、顧客から依頼された写真処理の実施を現像所14に依頼する。
【0040】
更に、第3の依頼形態では、顧客がカメラを用いて被写体を撮影することで画像が露光記録された写真フィルムがDPE受付店12に持込まれることで写真処理が依頼される。第3の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店12では、顧客によって持込まれた写真フィルムを受け取ることで写真処理依頼を受け付け、受け取った写真フィルムを現像所14へ送付することで、顧客から依頼された写真処理の実施を現像所14に依頼する。
【0041】
なお、コンピュータ20には紙等の記録媒体に文字等を記録するためのプリンタ34が接続されている。また、DPE受付店12に設置されたハイパーターミナル24はパーソナルコンピュータ(PC)等から成り、画像等を表示するためのディスプレイ、キーボード及びマウスが接続されている(何れも図示省略)。ハイパーターミナル24は顧客が自由に操作可能とされている。
【0042】
現像所14には、コンピュータ26、スキャナ28、画像処理装置30及び写真プリンタ/プロセッサ32が設置されている。図示は省略するが、コンピュータ26はCPU,ROM,RAM,入出力ポートがバスを介して互いに接続され、各種の周辺機器が入出力ポートに接続されて構成されている。なお、入出力ポートに接続されている周辺機器としては、キーボード、ディスプレイ、マウス、HDDが挙げられる。コンピュータ26は、第1の依頼形態又は第2の依頼形態で写真処理が依頼された場合にDPE受付店12から送信された撮影画像の画像データを受信し、画像処理装置30へ出力する。
【0043】
また、スキャナ28には、第3の依頼形態で写真処理が依頼された場合にDPE受付店12から送付され、現像等の処理を経て露光記録された画像が可視化された写真フィルムがセットされる。スキャナ28はセットされた写真フィルムに記録されている画像(現像等の処理を経て可視化された画像)を読み取り、この読み取りによって得られた画像データを画像処理装置30へ出力する。
【0044】
画像処理装置30はスキャナ28又はコンピュータ26から入力された画像データに対して所定の画像処理を行い、写真プリンタ/プロセッサ32は、画像処理装置30による画像処理を経た画像データを用いて写真プリントの作成(記録すべき画像に応じて変調したレーザ光を印画紙上で走査させることによる印画紙への画像の露光記録や、画像を露光記録した印画紙の現像等)を行う。なお、画像処理装置30で行われる画像処理の種類及び処理条件は、後述するようにコンピュータ26によって決定される。
【0045】
また、現像所14に設置されたコンピュータ26は、DPE受付店12のハイパーターミナル24及びデータセンタ16のコンピュータ36(後述)と通信回線を介して各々接続されている。コンピュータ26には、後述するセットアップ/撮影シーン解析処理を実行するためのセットアップ/撮影シーン解析プログラムがインストール(HDDに記憶)されている。このプログラムは必要に応じてHDDから読み出されてCPUにより実行される。
【0046】
一方、データセンタ16には、コンピュータ36と、HDD等から成る大容量の記憶装置38が設置されている。コンピュータ36は、前述のように、通信回線を介して現像所14のコンピュータ26と接続されており、また、DPE受付店12に設置されたコンピュータ20、複数のカメラメーカ18が各々所持しているコンピュータ42と通信回線を介して各々接続されている。また、記憶装置38には写真処理に関連する各種の情報を記憶するための写真関連情報DB(データベース)40が設けられている。記憶装置38はコンピュータ36に接続されており、写真関連情報DB40に対する情報の書き込み及び読み出しはコンピュータ36によって行われる。
【0047】
図示は省略するが、各カメラメーカ18のコンピュータ42も、CPU,ROM,RAM,入出力ポートがバスを介して互いに接続され、HDDを含む各種の周辺機器が入出力ポートに接続されて構成されている。コンピュータ42には、後述する制御情報生成処理を実行するための制御情報生成プログラムがインストール(HDDに記憶)されている。このプログラムは必要に応じてHDDから読み出されてCPUにより実行される。
【0048】
なお、制御情報生成プログラムは、先に説明したセットアップ/撮影シーン解析プログラムと共に請求項10記載の発明に係るプログラムに対応しており、コンピュータ26のCPUがセットアップ/撮影シーン解析処理を実行し、コンピュータ42のCPUが制御情報生成プログラムを実行することにより、コンピュータ26及びコンピュータ42は本発明に係る撮影装置の制御装置として機能する。
【0049】
次に本第1実施形態の作用を説明する。写真処理システム10では個々の顧客を顧客番号によって識別・管理しており、DPE受付店12では、顧客から写真処理が依頼される毎に、依頼日、依頼された写真処理の内容及び数量等の情報をコンピュータ20に入力することで、上記の情報を顧客番号と対応付けてコンピュータ20のHDDに顧客情報として蓄積記憶させる。なお顧客番号は、例えば顧客が所持しており写真処理依頼時に提示されるカード状の記録媒体(例えば磁気カードやICカード等)に記録しておき、この記録媒体から読み出すことで取得することが望ましい。
【0050】
また、顧客から第1の依頼形態又は第2の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、撮影画像はEXIF形式や他の形式の画像ファイルとして顧客から引き渡されることになるが、この画像ファイルには、個々の撮影画像毎に、画像データ以外に、ファイル名、撮影に使用したDSC50の機種、撮影日時、撮影時の撮影条件(DSC50の設定)を表す各種情報(例えばシャッタースピード、絞り値、画質モード(画像データの圧縮率)、感度、露出プログラムのモード、測光方式、ホワイトバランスのモード、フォーカスのモード、シャープネスのモード、焦点距離、露出補正値、ストロボのオンオフ、ストロボ補正値、マクロモードのオンオフ等)等の情報が含まれている。
【0051】
このため、顧客から第1の依頼形態又は第2の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、DPE受付店12では、顧客からの依頼を受け付けた写真処理の実施を現像所14に依頼するに際し、顧客から引き渡された画像ファイル自体をコンピュータ20によって現像所14のコンピュータ26へ送信すると共に、該EXIF形式の画像ファイルから、撮影に使用したDSC50の機種等の情報を読み出し、コンピュータ20のHDDに顧客情報として蓄積記憶させる。この顧客情報はDPE受付店12における顧客管理に利用される。
【0052】
次に、第1の依頼形態又は第2の依頼形態での顧客からの依頼に従って現像所14で写真プリントの作成を行う場合に、現像所14のコンピュータ26で実行されるセットアップ/撮影シーン解析処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。なお、このセットアップ/撮影シーン解析処理は、コンピュータ26のCPUがセットアップ/撮影シーン解析プログラムを実行することによって実現される処理であり、単一の顧客から写真プリントの作成が同時に依頼された一連の撮影画像を単位として実行される。
【0053】
ステップ100では、一連の撮影画像のうちの任意の撮影画像に対応する画像ファイル(EXIF形式)のデータを参照することで、顧客が撮影に用いたカメラ(DSC50)の機種を認識する。
【0054】
ところで、記憶装置38の写真関連情報DB40には、現在市場に出回っている(顧客が使用している可能性のある)各種DSCの仕様を表す仕様情報(この仕様情報にはDSCが備えている撮影モードの種類(例えばAUTO、ポートレート、スポーツ、風景、マクロ、夜景、マニュアル、連写、ムービー等)やストロボの発光モードの種類等を表す情報が含まれている)が機種毎に各々登録されている。この仕様情報は、カメラメーカ18がDSCの新機種を発売する毎に、該DSCの仕様を表す仕様情報をコンピュータ42を介してデータセンタ16へ送信し、コンピュータ36が受信した仕様情報を記憶装置38の写真関連情報DB40に記憶させることによって登録されたものである。
【0055】
次のステップ102では、ステップ100で認識したDSC50の機種を表す情報をデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、DSC50の仕様情報を送信するよう要請し、記憶装置38の写真関連情報DB40からコンピュータ36によって読み出されて送信されたDSC50の仕様情報を受信することで、DSC50の仕様情報をデータセンタ16から取得する。また、ステップ104ではデータセンタ16から取得した仕様情報を参照することで、顧客が撮影に用いたDSC50に設けられている全ての撮影モードを認識し、撮影モードの認識結果に基づいて、撮影画像として写し込まれる可能性のある代表的なシーン種別(被写体種)毎の最適な撮影モードを判断する。
【0056】
ステップ106では一連の撮影画像のうち未処理の撮影画像を処理対象とし、処理対象の撮影画像の画像データをRAMのワークエリア等に読み込む。次のステップ108〜ステップ114では、処理対象の撮影画像に対して画像処理装置30で実行すべき画像処理の種類及び処理条件を決定する。すなわち、まずステップ108では、ステップ106で読み込んだ処理対象の撮影画像の画像データに基づいて、撮影画像として写し込まれているシーン(被写体)を解析する。
【0057】
シーン解析では撮影画像の濃度範囲や色バランスの検知、鮮鋭度や彩度の評価等、種々の処理が行われるが、この種々の処理の中には、撮影画像の画像データに基づき、撮影画像中に人物の顔に相当する顔画像領域が存在しているか否かを検索する顔領域検索処理が含まれる。この顔領域検索処理の結果(顔画像領域が存在しているか否か)により、撮影画像として写し込まれているシーンの種別(被写体種)を大まかに判断することができる。また、顔領域検索処理によって撮影画像中に顔画像領域が存在していることが検知された場合には、検知された顔画像領域に対して濃度範囲や色バランスの検知等が行われると共に、検知された顔画像領域中に存在する人物の眼部に相当する眼部領域を抽出し、抽出した眼部領域に赤目や金目等の色調不良が生じているか否かを検出する赤目検出処理も行われる。なお、ステップ108は本発明に係る解析手段の一部を構成している。
【0058】
ステップ110では、ステップ108におけるシーン解析の結果に基づき、処理対象の撮影画像に対し、全ての画像に対して実行する画像処理(以下、標準画像処理という)の処理条件を決定する。標準画像処理としては、例えば印画紙上で画像が適正な濃度で再現させるための濃度変換処理や、印画紙上で画像が適正な色バランスで再現させるための色変換処理、画像データの画素数(画素密度)を変換する画素密度変換処理等が挙げられる。
【0059】
例えばシーン解析の結果、処理対象の撮影画像が露出アンダ又は露出オーバで撮影されていると判断された場合には、露出アンダ又は露出オーバが補正されるように濃度変換処理の処理条件が決定され、処理対象の撮影画像が異種光源によって撮影されていると判断された場合には、異種光源に起因する色バランスの偏倚が補正されるように色変換処理の処理条件が決定される。また、画素密度変換処理の処理条件は、処理対象の画像データの画素数及び作成する写真プリントのサイズに基づいて決定される。上記のようにして決定された標準画像処理の処理条件はセットアップ情報としてHDDに書き込まれる。
【0060】
また、ステップ112では、ステップ108におけるシーン解析の結果に基づいて、標準画像処理を行ったのみでは適正な画質の写真プリントが得られないことが予想される画像に対してのみ実行する画像処理(以下、非標準画像処理という)を実行すべきか否か判定する。非標準画像処理としては、例えば画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮することで覆い焼きに相当する効果を得るハイパートーン処理(逆光シーンの補正/ハイコントラストシーンの補正ともいう)、粒状を抑制しながら画像のシャープネス(鮮鋭度)を強調するハイパーシャープネス処理(シャープネス補正ともいう)、画像中に存在する眼部領域の色調不良を補正する赤目補正処理、画像の鮮鋭度を低下させてポートレート調の仕上がりを得るためのソフトフォーカス処理、クロスフィルタを使用して撮影することで意図的に画調を変えた画像と同等の画像を得るためのクロスフィルタ処理、画像の彩度を高くすることでリバーサルプリントのような仕上がりを得るためのRP調仕上げ補正処理等が挙げられる。
【0061】
例えばシーン解析の結果、顔領域検索処理によって撮影画像中に顔画像領域が存在していることが検知され、該顔画像領域の露出が背景領域に比してアンダ気味であることが検知された等の場合には、非標準画像処理としてハイパートーン処理を実行すべきであると判断する。また、シーン解析の結果、撮影画像の鮮鋭度が不足していると判断された等の場合には、非標準画像処理としてハイパーシャープネス処理を実行すべきであると判断する。また、シーン解析のうちの赤目検出処理によって眼部領域の色調不良が検出された場合には、非標準画像処理として赤目補正処理を実行すべきであると判断し、シーン解析の結果、撮影画像の彩度が不足していると判断された等の場合には、非標準画像処理としてRP調仕上げ補正処理を実行すべきであると判断する。
【0062】
処理対象の撮影画像に対して非標準画像処理の実行は不要と判断された場合には、ステップ112の判定が否定されることで、何ら処理を行うことなくステップ116へ移行する。一方、処理対象の撮影画像に対し特定の非標準画像処理を実行すべきであると判断した場合には、ステップ112の判定が肯定されてステップ114へ移行し、実行すべきであると判断した非標準画像処理の処理条件を、シーン解析の結果に基づいて決定する。
【0063】
上記のステップ108〜ステップ114は、写真プリントを作成する全ての撮影画像に対して各々実行されるので、写真プリントを作成する全ての撮影画像に対し、HDDにセットアップ情報が各々記憶されることになる。
【0064】
現像所14の画像処理装置30は、個々の撮影画像の画像データに対して画像処理を実行するにあたり、個々の撮影画像に対応するセットアップ情報を参照し、該セットアップ情報に設定されている標準画像処理の処理条件に従って標準画像処理を行うと共に、セットアップ情報により特定の非標準画像処理の実行が指定されている場合には、セットアップ情報に設定されている特定の非標準画像処理の処理条件に従って、前記特定の非標準画像処理を行う。画像処理装置30によって画像処理が行われた画像データは写真プリンタ/プロセッサ32へ出力され、写真プリンタ/プロセッサ32における写真プリントの作成に用いられることになる。
【0065】
一方、次のステップ116では、前述のステップ108におけるシーン解析の結果に基づいて、処理対象の撮影画像に写し込まれているシーンの種別(被写体種)を認識し、顧客が撮影に用いたDSC50に設けられている全撮影モードのうち、認識したシーン種別に対応する最適撮影モード(撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に最適な撮影モード)を判定する。
【0066】
例えば、撮影画像の略中央部に所定値以上の面積比の顔画像領域が存在していることがシーン解析によって検知された場合、撮影画像に写し込まれているシーンの種別は「ポートレート」である(主要被写体の被写体種が人物の顔である)と判断できる。一般的なDSCには、上記のシーンを適切に撮影するための撮影モードとして「ポートレートモード」が設けられており、シーン種別が「ポートレート」であると判断された場合、ステップ116では最適撮影モードが「ポートレートモード」であると判定される。
【0067】
ところで、データセンタ16の写真関連情報DB40には、個々の顧客及び顧客が撮影に使用している個々のDSCを単位として、例として次の表1に示すような撮影シーン情報が各々記憶されている。この撮影シーン情報は、特定の顧客が特定のDSCを用いて撮影するシーンの傾向を解析するための各種情報が、特定の顧客の顧客番号及び特定のDSCの機種を表す情報と対応付けられて構成されている。
【0068】
本実施形態に係る撮影シーン情報では、撮影するシーンの傾向を解析するための各種情報の一例として、撮影画像数累計、特定のDSCに設けられている各撮影モード毎のシーン数、特定のDSCに設けられているストロボの各発光モード毎のシーン数、撮影画像の明るさを複数の露出レベル範囲(表1の例ではD1〜D2,D2〜D3,…)に分けたときの各露出レベル範囲毎のシーン数を用いており、更に、現在のDSCの設定を表す情報(現在の最優先撮影モード、現在の最優先発光モード及び現在の露出レベル目標値)も登録されている。
【0069】
【表1】
【0070】
ステップ116で最適撮影モードを判定すると、次のステップ118では、最適撮影モードの判定結果を表す情報を顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、写真関連情報DB40に記憶されている、対応する撮影シーン情報のうち判定した最適撮影モードのカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40に記憶されている多数の撮影シーン情報の中から、対応する撮影シーン情報を検索する。そして、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、受信した情報が表す最適撮影モードのカウント値を1だけインクリメントする。
【0071】
なお、検索によって対応する撮影シーン情報が抽出されなかった場合、コンピュータ36は、DSC50の機種を表す情報に基づき当該DSC50の仕様情報を参照することで、DSC50が備えている撮影モードの種類やストロボの発光モードの種類、デフォルトで設定されている最優先撮影モード、最優先発光モード、露出レベル目標値等を認識し、認識結果に基づいて対応する撮影シーン情報を新規に生成し、顧客番号及びDSC50の機種を設定すると共に各種情報の初期設定を行った後に、前述のように最適撮影モードのカウント値のインクリメントを行う。
【0072】
次のステップ120では、ステップ108におけるシーン解析の結果と、処理対象の撮影画像の画像ファイルのデータ(撮影条件を表すデータ)に基づいて、処理対象の撮影画像に写し込まれているシーンが、ストロボを用いて撮影すべきシーンであるか否か判定する。例えば、撮影条件を表すデータに基づき、処理対象の撮影画像の撮影時にストロボが使用されていないことが認識され、処理対象の撮影画像の撮影時の露出が適切であることがシーン解析によって検知された場合には、ステップ120の判定が否定されることでステップ126へ移行する。また、例えばシーン解析の結果に基づき先のステップ116で遠方に存在する被写体を撮影するための撮影モード(例えば「風景モード」等)が最適撮影モードであると判定された場合には、ストロボ光の届かない遠方に主要被写体が存在していると判断できるので、このような場合にも、ステップ120の判定が否定されてステップ126へ移行する。
【0073】
一方、例えば、撮影条件を表すデータに基づき、処理対象の撮影画像の撮影時にストロボが使用されていると認識され、処理対象の撮影画像の撮影時の露出が適切であることがシーン解析によって検知された場合には、ステップ120の判定が肯定されてステップ122へ移行する。また、例えば撮影条件を表すデータに基づき、処理対象の撮影画像の撮影時にストロボが使用されていないことが認識され、シーン解析の結果、撮影画像に写し込まれているシーンが逆光シーンであると判定された場合には、ステップ120の判定が肯定されてステップ122へ移行する。
【0074】
ステップ122では、ステップ108におけるシーン解析の結果等に基づいて、顧客が撮影に用いたDSC50に設けられているストロボの全ての発光モードのうち、処理対象の撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に最適な発光モードを判定する。例えば処理対象の撮影画像がストロボを使用して撮影された画像であり、撮影画像に特段の画質不良が生じていない場合には、ステップ122において、撮影時に使用されたストロボ発光モードを最適発光モードと判定する。
【0075】
また、例として赤目や金目等の色調不良が生じている眼部領域が撮影画像中に存在していることがシーン解析によって検知され、顧客が撮影に用いたDSC50に赤目等の発生を軽減するためのストロボ発光モード(赤目軽減モード)が設けられており、かつ処理対象の撮影画像の画像ファイルのデータを参照することで認識された撮影時のストロボ発光モードが赤目軽減モード以外であった場合、眼部領域の色調不良は撮影時のストロボ発光モードの誤選択に起因していると判断できる。このため、ステップ122では上記のような場合に赤目軽減モードを最適発光モードと判定する。
【0076】
そして、次のステップ124では、最適発光モードの判定結果を表す情報を顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報のうち、判定した最適発光モードのカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、受信した情報が表す最適発光モードのカウント値を1だけインクリメントする。
【0077】
また、ステップ126では、ステップ108におけるシーン解析結果等に基づいて撮影画像の露出レベルを認識し、次のステップ128では、撮影画像の露出レベルの認識結果を表す情報を、顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報のうち、認識した露出レベルが属する露出レベル範囲のカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、受信した情報が表す撮影画像の露出レベルが属する露出レベル範囲のカウント値を1だけインクリメントする。
【0078】
更に、ステップ130では、撮影シーン情報のうち撮影画像数累計の更新を依頼する情報を、顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報のうち撮影画像数累計のカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、撮影画像数累計のカウント値を1だけインクリメントする。なお、上述したステップ116〜ステップ130は本発明に係る解析手段に対応している。
【0079】
次のステップ132では、単一の顧客から写真プリントの作成が同時に依頼された一連の撮影画像の全てに対して上記処理(ステップ106〜ステップ132の処理)を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ106に戻る。これにより、前記一連の撮影画像の全てに対してステップ106以降の処理が各々行われ、顧客から写真プリントの作成等の写真処理が依頼される毎に、対応する撮影シーン情報が、個々の処理対象の撮影画像(写真処理が依頼された個々の撮影画像)に写し込まれているシーン(顧客により撮影されるシーンの傾向)に応じて適宜更新されることで、撮影シーン情報が顧客により撮影されるシーンの傾向が反映された情報となる。
【0080】
一連の撮影画像の全てに対してステップ106〜ステップ132の処理が行われると、ステップ132の判定が肯定されてステップ134へ移行し、DSC50の機種に基づいて当該DSC50を製造したカメラメーカ18を判断し、判断したカメラメーカ18のコンピュータ42に対して顧客番号及びDSC50の機種を表す情報を送信することで、対応する撮影シーン情報を更新したことを通知し、セットアップ/撮影シーン解析処理を終了する。
【0081】
カメラメーカ18のコンピュータ42では、上記の顧客番号及びDSC50の機種を表す情報を現像所14のコンピュータ26から受信すると、制御情報生成処理が実行される。この制御情報生成処理は、コンピュータ42のCPUが制御情報生成プログラムを実行することで実現される処理であり、以下、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、制御情報生成処理は本発明に係る生成手段に対応している。
【0082】
ステップ140では、現像所14のコンピュータ26から受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報の読み出し及び転送をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報を、依頼元のカメラメーカ18のコンピュータ42へ転送する。
【0083】
次のステップ142では、転送された撮影シーン情報のうちの「撮影画像数累計」から「設定更新時撮影画像数」を減算した値が所定値以上か否か判定する。「設定更新時撮影画像数」は制御情報生成処理によって更新される情報であり、初期値は0とされているので、当初は「撮影画像数累計」が所定値以上になった場合にステップ142の判定が肯定される。
【0084】
ステップ142の判定が否定された場合には何ら処理を行うことなく制御情報生成処理を終了するが、ステップ142の判定が肯定された場合にはステップ144へ移行し、撮影シーン情報の「設定更新時画像数」に「撮影画像数累計」と同一の値を設定することで「設定更新時画像数」を更新する。従って、「撮影画像数累計」が所定値の整数倍に相当する数値になる毎にステップ142の判定が肯定され、次のステップ146以降の処理が行われることになる。
【0085】
次のステップ146では、転送された撮影シーン情報を参照し、度数(シーン数)が最大の撮影モードを判定する。次のステップ148では、ステップ146で判定した度数が最大の撮影モードが、「現在の最優先撮影モード」(顧客が撮影に使用したDSC50に現在設定されている最優先の撮影モード:例えばDSC50の電源が投入された際にデフォルトとして設定される撮影モード)に一致しているか否か判定する。判定が肯定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ154へ移行するが、判定が否定された場合にはステップ150へ移行する。
【0086】
ステップ150では転送された撮影シーン情報を参照することで、顧客が撮影に使用したDSC50の機種を認識し、顧客が撮影に使用したDSC50における最優先の撮影モードを、ステップ146で判定した度数最大の撮影モードに変更設定するための制御情報を生成する。なお、この制御情報は、DSC50に内蔵されているCPUが実行するためのプログラム(内蔵CPUによって該プログラムが実行されることで最優先の撮影モードが自動的に変更設定される)であってもよいし、最優先の撮影モードを変更設定するプログラムがDSC50に内蔵されている場合には、該プログラムの実行及び変更設定する撮影モードを内蔵CPUに指示するデータ(或いはコマンド)であってもよい。
【0087】
また、ステップ152では、度数最大の撮影モードをデータセンタ16のコンピュータ36へ最優先撮影モードとして送信することで、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先撮影モード」を更新するよう依頼する。これにより、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先撮影モード」の更新がコンピュータ36によって行われることになる。
【0088】
ステップ154では、転送された撮影シーン情報を参照し、度数(シーン数)が最大の発光モードを判定する。次のステップ156では、ステップ154で判定した度数が最大の発光モードが、「現在の最優先発光モード」(顧客が撮影に使用したDSC50に現在設定されている最優先の発光モード:例えばDSC50の電源が投入された際にデフォルトとして設定される発光モード)に一致しているか否か判定する。判定が肯定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ162へ移行するが、判定が否定された場合にはステップ158へ移行する。
【0089】
ステップ158では顧客が撮影に使用したDSC50の機種を認識し、顧客が撮影に使用したDSC50における最優先の発光モードを、ステップ154で判定した度数最大の発光モードに変更設定するための制御情報を生成する。なお、前述のように、この制御情報もプログラムであってもデータ(或いはコマンド)であってもよい。また、ステップ160では、度数最大の発光モードをデータセンタ16のコンピュータ36へ最優先発光モードとして送信し、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先発光モード」を更新するよう依頼することで、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先撮影モード」をコンピュータ36によって更新させる。
【0090】
ステップ162では、転送された撮影シーン情報を参照し、度数(シーン数)が最大の露出レベル範囲を判定する。次のステップ164では、「現在の露出レベル目標値」(顧客が撮影に使用したDSC50に現在設定されている露出レベル目標値:例えばDSC50の電源が投入された際にデフォルトとして設定される露出レベル目標値)が、ステップ154で判定した度数が最大の露出レベル範囲に対応しているか否か判定する。判定が肯定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ170へ移行するが、判定が否定された場合にはステップ166へ移行する。
【0091】
ステップ166では顧客が撮影に使用したDSC50の機種を認識し、顧客が撮影に使用したDSC50におけるデフォルトの露出レベル目標値を、ステップ162で判定した度数最大の露出レベル範囲に対応する目標値(例えば度数最大の露出レベル範囲の中央値:表1も参照)に変更設定するための制御情報を生成する。なお、前述のように、この制御情報もプログラムであってもデータ(或いはコマンド)であってもよい。また、ステップ160では、度数最大の露出レベル範囲に対応する目標値をデータセンタ16のコンピュータ36へ露出レベル目標値として送信し、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の露出レベル目標値」を更新するよう依頼することで、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の露出レベル目標値」をコンピュータ36によって更新させる。
【0092】
次のステップ170では、上述した処理で制御情報の生成を行ったか(ステップ150,158,166の少なくとも1つを実行したか)否か判定する。判定が否定された場合は何ら処理を行うことなく制御情報生成処理を終了するが、判定が肯定された場合はステップ172へ移行し、生成した制御情報を、先に顧客番号及びDSC50の機種を表す情報を送信した現像所14のコンピュータ26へ送信し、制御情報生成処理を終了する。
【0093】
なお、撮影シーン情報は上述した制御情報生成処理に利用されることに限られるものではなく、例えば個々のカメラメーカ18が撮影シーン情報のうちの「DSC機種」や「撮影画像数累計」等の情報を参照することで、自社が製造したDSCを使用している顧客の数や個々の顧客による撮影画像数(撮影回数)や撮影頻度等を、DSCの個々の機種毎に把握することも可能となり、今後のDSCの製品開発に役立てたり、DSCの定期交換部品の保管年月や定期交換部品の製造計画を策定することができる。また、撮影画像数の累計が設計値に達しているDSCを所持している顧客が存在していた場合には、例えばDPE受付店12を通じてDSCの部品交換や買い換えを勧めることも可能となる。
【0094】
第1の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、現像所14のコンピュータ26で生成された制御情報は、写真プリンタ/プロセッサ32によって作成された写真プリントが現像所14からDPE受付店12へ発送される際に、DPE受付店12のコンピュータ20へ送信される。そして、DPE受付店12では、第1の依頼形態での依頼に基づいて作成された写真プリント及び顧客から預かっていたメモリカード52を顧客に受け渡す際に、図4(A)に示す制御情報書込処理がコンピュータ20によって実行される。
【0095】
この制御情報書込処理では、ステップ180において、写真プリント及びメモリカード52を受け渡す顧客に対応する制御情報が有るか(現像所14から受信しているか)否か判定する。判定が否定された場合には、何ら処理を行うことなく制御情報書込処理を終了する。
【0096】
一方、ステップ180の判定が肯定された場合にはステップ182へ移行し、オペレータに対し、顧客から預かっているメモリカード52をメディアドライブ22に挿入するよう要請し、メモリカード52がメディアドライブ22に挿入されたことを検知すると、メディアドライブ22によりメモリカード52への制御情報の書き込みを行う。このように、ステップ182は、実際にメモリカード52への制御情報の書き込みを行うメディアドライブ22と共に、請求項6に記載の書込制御手段に対応している。
【0097】
また、次のステップ184では、メモリカード52に書き込んだ制御情報によってDSC50の設定を変更する手順を顧客に案内するための案内書(一例を図4(B)に示す)をプリンタ34によってプリントアウトし、制御情報書込処理を終了する。この制御情報書込処理によって制御情報が書き込まれたメモリカード52及びプリンタ34によりプリントアウトされた案内書は、DPE受付店12の店頭で写真プリントが顧客へ渡される際に、同時に顧客へ渡される。
【0098】
DPE受付店12の店頭で写真プリント、制御情報が書き込まれたメモリカード52及び案内書を渡された顧客は、渡された案内書を参照することで、メモリカード52に書き込まれた制御情報によってDSC50の設定を変更するための操作手順を認識し、認識した操作手順に従って操作を行う。
【0099】
DSCは通常、最優先撮影モード、最優先発光モード及び露出レベルの目標値等の設定情報を、内蔵している不揮発性のメモリ(例えばEEPROM等)に記憶しており、該設定情報に従って動作するが、顧客によって上記操作が行われると、DSC50は、メモリカード52に書き込まれている制御情報を読み出し、読み出した制御情報に基づいて不揮発性メモリに記憶されている設定情報を自動的に変更する。なお、上述した設定情報の変更は請求項8に記載の情報変更手段に対応しており、DSC50は請求項8に記載の撮影装置に対応している。
【0100】
これにより、DSC50の設定のうち、最優先撮影モード、最優先発光モード及び露出レベルの目標値の少なくとも1つが、顧客がDSC50を用いて撮影するシーンの傾向に応じて(顧客がDSC50を用いて撮影する頻度の高いシーンに合致するように)自動的に変更設定されることになり、例えばDSC50の電源投入時に設定されるデフォルトの撮影モードが、顧客がDSC50を用いて頻繁に撮影するシーンの撮影に適した撮影モードに変更設定される等により、顧客が撮影モード等の設定を手動で変更する頻度を減少させることができるので、顧客にとってのDSC50の操作性を向上させることができる。
【0101】
なお、第2の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、作成した写真プリントは、例えば顧客の自宅へ配送されたり、顧客の自宅の最寄りのコンビニエンス・ストア等で顧客に受け渡されることになるが、この態様においては、制御情報は、例えばフロッピー(R)ディスク等の記録媒体に書き込んでおいて写真プリントと共に顧客へ渡すか、或いは顧客が所持しているPCへ送信する電子メールに添付する等の形態で顧客へ渡すことができる(案内書は写真プリントと共に顧客に渡せばよい)。
【0102】
顧客がPCを所持している場合、制御情報はPCで実行可能なプログラムであることが好ましく、例えばPCがUSB等の通信ケーブルを介してDSC50と接続されている状態で、PCが制御情報(プログラム)を実行することで、DSC50の設定がPCによって自動的に変更されるように構成することができる。
【0103】
なお、上記では撮影モードやストロボの発光モードが撮影時に適切に選択されない可能性があることを考慮し、撮影時に選択された撮影モードやストロボの発光モードと無関係に、撮影画像に写し込まれているシーンに適した撮影モードや発光モードを判断して撮影シーン情報を更新する例を説明したが、これに限定されるものではなく、撮影時に選択された撮影モードや発光モードに応じて撮影シーン情報を更新するようにしてもよい。
【0104】
また、上記ではDSC50の設定変更の一例として、DSC50の最優先の撮影モードや発光モードを、撮影シーン情報上での度数(シーン数)が最大の撮影モードや発光モードに変更する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばDSC50が、撮影モードや発光モードを変更するためのボタン等が押される毎に、撮影モードや発光モードが順に切り替わる構成である場合には、前記ボタン等が押される毎に切り替わる撮影モードや発光モードを、撮影シーン情報上での度数(シーン数)順に並べ替えるようにしてもよい。
【0105】
また、上記では変更対象のDSC50の設定の一例として、撮影モード、ストロボの発光モード、露出レベルの目標値を例に説明したが、任意の他の項目を変更対象とすることも可能であることは言うまでもなく、例えば撮影時のEv値の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定される感度を設定したり、画像の自己相関や周波数特性を利用して撮影画像を解析することで検知した撮影時の手振れ発生の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるシャッター速度を設定したり、撮影時のズーム倍率の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるズーム倍率を設定したり、撮影時のオートホワイトバランス(AWB)の各モード(例えば光源種指定又は完全オート)の選択頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるAWBのモードを設定したり、撮影時のシャープネスの設定値の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるシャープネスの設定値を設定するようにしてもよい。
【0106】
更に、上記ではコンピュータ26、スキャナ28、画像処理装置30及び写真プリンタ/プロセッサ32が現像所14に設置されている態様を説明したが、これに限定されるものではなく、これらの機器がDPE受付店12に設置されていてもよい。また、上記では第2の依頼形態による写真処理依頼をDPE受付店12で受け付ける例を説明したが、これに限定されるものではなく、第2の依頼形態による写真処理依頼を現像所14で直接受け付けるようにしてもよい。
【0107】
また、上記では写真処理(写真プリントの作成)が依頼された撮影画像が、顧客がDSCを用いて撮影した画像(第1の又は第2の依頼形態によって写真処理が依頼された画像)であった場合にのみ制御情報を生成する態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えばカメラによって写真フィルムに露光記録された画像(第3の依頼形態によって写真処理が依頼される画像)であっても、例えば写真フィルムがAPSフィルムであれば、APSフィルムの磁気層にカメラの機種や撮影条件に相当する情報が記録され、高機能の一眼レフカメラの中には撮影条件等の情報を別の記録媒体に記録する機能を備えているものも存在している。このため、これらの情報を用いて撮影シーンの解析や制御情報の生成を行うことも可能である。
【0108】
また、銀塩フィルムカメラのうち、高機能の一眼レフタイプのカメラの中には、内蔵メモリに撮影情報を記録する機能を搭載しているものも存在している。この種のカメラは、写真フィルムの撮影画像領域外に光学的に書き込んだIDにより、内蔵メモリに記録した撮影情報と撮影画像(写真フィルム)とを対応付ける構成を採用しており、この種のカメラを用いて撮影された撮影画像については、内蔵メモリに記録された撮影情報を利用することで、撮影シーンの解析や制御情報の生成を行うことも可能である。
【0109】
更に、最近のデジタルビデオカメラの中には、動画像以外に静止画像の撮影も可能なものも存在しており、この種のデジタルビデオカメラは、静止画像をJPEGフォーマットで記録すると共に、EXIF形式の画像ファイルと同様の撮影情報も付加する構成であるので、この撮影情報を利用することで撮影シーンの解析や制御情報の生成を行うことも可能である。
【0110】
また、上記では写真プリントの作成が依頼された画像に対し、現像所14のコンピュータ26によって撮影シーンを解析し、カメラメーカ18のコンピュータ42によって制御情報の生成を行う態様を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば撮影シーンの解析及び制御情報の生成を、DPE受付店12のコンピュータ20、現像所14のコンピュータ26、カメラメーカ18のコンピュータ42のうちの単一のコンピュータで実行するようにしてもよいし、顧客が所持しているコンピュータ、或いは顧客が撮影に用いるDSC50において、請求項10記載の発明に係るプログラムを実行させることで、顧客が所持しているコンピュータ又はDSC50によって撮影シーンの解析及び制御情報の生成等を行わせることも可能である。
【0111】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。図5には本第2実施形態に係るDSC56の電気系の構成が示されている。DSC56には、オートフォーカス(AF)機構を備えたズームレンズ(焦点距離可変レンズ)から成るレンズ58が設けられており、レンズ58のAF機構及びズーム機構は駆動回路60によって駆動される。なおズームレンズに代えて、AF機構のみを備えた焦点距離固定レンズをレンズ58として用いてもよい。
【0112】
本体12内部のレンズ58の焦点位置に相当する位置には、エリアCCDセンサ等で構成される撮像デバイス62が配置されており、被写体を反射してレンズ58に入射された光は撮像デバイス62の受光面に結像される。撮像デバイス62は、駆動回路60が内蔵しているタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで駆動され、画像信号(受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表す信号)を出力する。
【0113】
レンズ58と撮像デバイス62との間にはシャッタ/絞り64が配置されている。シャッタ及び絞りは駆動回路60によって駆動される。シャッタは撮像デバイス62から画像信号が出力されるときに、撮像デバイス62の受光面に光が入射することでスミアが発生することを防止するためのものであり、撮像デバイス62の構成によっては省略可能である。また絞りは、絞り量を連続的に変更可能な単一の絞りで構成してもよいし、絞り量が異なる複数の絞りを切替える構成であってもよい。駆動回路60にはストロボ66も接続されている。ストロボ66は、低照度であることが検出された場合や、撮影者によって発光が指示された場合に、駆動回路60によって発光される。
【0114】
撮像デバイス62の信号出力端には、アナログ信号処理部68、A/D変換器70、デジタル信号処理部72、メモリ74が順に接続されている。アナログ信号処理部68は、撮像デバイス62から出力された画像信号を増幅すると共に、増幅した画像信号に対してホワイトバランス等の補正を行う。アナログ信号処理部68から出力された画像信号は、A/D変換器70によってデジタルの画像データに変換されてデジタル信号処理部72へ入力される。デジタル信号処理部72では、入力された画像データに対して色補正・γ補正・Y/C変換等の各種処理を行う。デジタル信号処理部72から出力された画像データは、RAM等で構成されたメモリ74に一時記憶される。
【0115】
駆動回路60、アナログ信号処理部68、A/D変換器70、デジタル信号処理部72、メモリ74及び圧縮/伸張部76(後述)はバス78に接続されており、このバス78には、CPU80が接続されていると共に、電源スイッチ・シャッタスイッチ、メニュースイッチ等のスイッチ類から成る操作スイッチ82が各々接続されている。なお、図示は省略するが、CPU80はROM、RAM、不揮発性メモリ(不揮発性で記憶内容を書替え可能なメモリ:例えばEEPROM等)、入出力ポート等の周辺回路を含んで構成されており、ROMには、後述する設定更新処理を行うための設定更新プログラムが予め書き込まれている。
【0116】
なお、この設定更新プログラムは請求項11に記載のプログラムに対応しており、CPU80が設定更新プログラムを実行することで、DSC56は請求項9に記載の撮影装置として機能する。
【0117】
またメモリ74には、LCD等から成るディスプレイ84及び圧縮/伸張部76が各々接続されている。ディスプレイ84に画像を表示する場合、CPU80は、メモリ74に一時記憶されている画像データに対し、ディスプレイ84への表示用の画像データへ変換する画像表示処理を行った後にディスプレイ84へ転送する。これにより、メモリ74に一時記憶されている画像データが表す画像がディスプレイ84に表示される。
【0118】
また、圧縮/伸張部76には、不揮発性の内蔵メモリ86が接続されていると共に、DSC56のスロットに装填されたメモリカード88も接続される。シャッタボタン22が操作されてシャッタスイッチ56がオンされた等により、内蔵メモリ86又はスロットに装填されたメモリカード88への画像データの書き込みが指示された場合、CPU80はメモリ74に一時記憶されている画像データを読み出して圧縮/伸張部76へ転送する。これにより、画像データは圧縮/伸張部76で圧縮された後に所定の情報が付加され、所定の形式(例えばEXIF形式)の画像ファイルとして内蔵メモリ86又はメモリカード88に書き込まれる。
【0119】
また、スロットに装填されたメモリカード88に格納されている画像データが表す画像の再生(表示)が指示された場合には、メモリカードから画像データが読み出され、読み出された画像データが圧縮されて格納されていた場合には、該被圧縮画像データが圧縮/伸張部76で伸張(解凍)された後にメモリ74に一時記憶される。そして、メモリ74に一時記憶された画像データを用いてディスプレイ84への画像の表示(再生)が行われる。
【0120】
次に本第2実施形態の作用について、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。先に説明した第1実施形態では、撮影シーン情報がデータセンタ16の写真関連情報DB40に記憶されている態様を説明したが、本第2実施形態では、個々のDSC56の不揮発性メモリに撮影シーン情報が記憶されている。また、第1実施形態では現像所14のコンピュータ26において、シーン解析・最適撮影モード等の判定、最優先撮影モード等を設定する制御情報の生成等の処理が行われる態様を説明したが、本第2実施形態に係るコンピュータ26では、上記で列挙した各処理のうちシーン解析のみが行われる。
【0121】
そして、シーン解析の結果は、現像所14のコンピュータ26からDPE受付店12のコンピュータ20へ送信され、顧客へ返却されるメモリカード52へコンピュータ20によって書き込まれる。このように、本第2実施形態において、現像所14のコンピュータ26は請求項9,11に記載の解析装置として機能する。
【0122】
続いて、シーン解析の結果が書き込まれたメモリカード52がDSC56のスロットに装填された等のタイミングで、DSC56のCPU80が設定更新プログラムを実行することで実現される設定更新処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0123】
ステップ200では、スロットに装填されたメモリカード52から、処理対象の画像についてのシーン解析結果を読み出す。次のステップ202〜ステップ216では、ステップ200で読み出したシーン解析結果に基づき、第1実施形態で説明したセットアップ/撮影シーン解析処理(図2)のステップ116〜130と同様の処理が行われる。すなわち、まずシーン解析結果に基づいて最適撮影モードを判定し(ステップ202)、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、判定した最適撮影モードのカウント値を更新する(ステップ204)。
【0124】
次に、セットアップ/撮影シーン解析処理(図2)のステップ120と同様にして、処理対象の画像に写し込まれているシーンが、ストロボを用いて撮影すべきシーンであるか否か判定し(ステップ206)、判定が肯定された場合は処理対象の画像に写し込まれているシーンの撮影に最適な発光モードを判定し(ステップ208)、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、判定した最適発光モードのカウント値を更新する(ステップ210)。
【0125】
続いて、処理対象の画像の露出レベルを認識し(ステップ212)、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、認識した露出レベルが属する露出レベル範囲のカウント値を更新し(ステップ214)、更に、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、撮影画像数累計のカウント値を更新する(ステップ216)。なお、上述したステップ200〜ステップ216は請求項9、11に記載の取得手段に対応している。
【0126】
次のステップ218では、第1実施形態で説明した制御情報生成処理(図3)のステップ142と同様に、撮影シーン情報のうちの「撮影画像数累計」から「設定更新時撮影画像数」を減算した値が所定値以上か否か判定する。「設定更新時撮影画像数」は設定更新処理によって更新される情報であり、初期値は0とされているので、当初は「撮影画像数累計」が所定値以上になる迄の間はステップ218の判定が否定され、ステップ220へ移行する。
【0127】
ステップ220では、メモリカード52にシーン解析結果が書き込まれている全ての画像について、上記の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ200に戻り、ステップ200以降の処理を繰り返す。これにより、メモリカード52にシーン解析結果が書き込まれている全ての画像を対象として、ステップ200〜220の処理が繰り返されることになる。
【0128】
また、ステップ200〜220の処理が繰り返されている間にステップ218の判定が肯定されるとステップ222へ移行し、撮影シーン情報の「設定更新時画像数」に「撮影画像数累計」と同一の値を設定することで「設定更新時画像数」を更新する。従って、「撮影画像数累計」が所定値の整数倍に相当する数値になる毎にステップ218の判定が肯定され、次のステップ224以降の処理が行われる。
【0129】
次のステップ224〜240では、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報に基づきDSC56の設定を更新する。すなわち、まずDSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報を参照することで、度数(シーン数)が最大の撮影モードを判定し(ステップ224)、度数が最大の撮影モードが、DSC56における現在の最優先撮影モードに一致しているか否かを判定する(ステップ226)。判定が肯定された場合は何ら処理を行うことなくステップ230へ移行するが、判定が否定された場合には、DSC56における最優先の撮影モードを度数最大の撮影モードに変更設定する(ステップ228)。
【0130】
次に、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報を参照することで、度数(シーン数)が最大の発光モードを判定し(ステップ230)、度数が最大の発光モードが、DSC56における現在の最優先発光モードに一致しているか否かを判定する(ステップ232)。判定が肯定された場合は何ら処理を行うことなくステップ236へ移行するが、判定が否定された場合には、DSC56における最優先の発光モードを度数最大の発光モードに変更設定する(ステップ234)。
【0131】
続いて、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報を参照することで、度数(シーン数)が最大の露出レベル範囲を判定し(ステップ236)、DSC56における現在の露出レベル目標値が、度数最大の露出レベル範囲に対応しているか否か判定する(ステップ238)。判定が肯定された場合は何ら処理を行うことなくステップ220へ移行するが、判定が否定された場合には、DSC56におけるデフォルトの露出レベル目標値を、度数最大の露出レベル範囲に対応する目標値に変更設定(ステップ240)した後に、ステップ220へ移行する。なお、上述したステップ222〜240は請求項9,11に記載の制御手段に対応している。
【0132】
上述したステップ222〜240の処理により、DSC56の設定のうち、最優先撮影モード、最優先発光モード及び露出レベルの目標値の少なくとも1つが、顧客がDSC56を用いて撮影するシーンの傾向に応じて(顧客がDSC56を用いて撮影する頻度の高いシーンに合致するように)自動的に変更設定されることになるので、第1実施形態と同様に、顧客にとってのDSC56の操作性を向上させることができる。
【0133】
なお、第2実施形態ではシーン解析の結果がメモリカード52に書き込まれ、当該メモリカード52がDSC56のスロットに装填されることで、DSC56によってシーン解析結果が取得される態様を例に説明したが、これに限定されるものではなく、DSC56に無線通信を行う機能を搭載し、例えば顧客の自宅に設置されると共に通信回線を介して現像所14のコンピュータ26と通信可能とされた無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を介し、DSC56が無線によりシーン解析結果を取得するように構成してもよい。
【0134】
また、第2実施形態では請求項9記載の発明に係る撮影装置としてDSC56を例に説明したが、これに限定されるものではなく、銀塩フィルムカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するDSCを請求項9記載の発明に係る撮影装置として機能させることも可能である。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明に係る撮影装置の制御装置は、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成するので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現できる、という優れた効果を有する。
【0136】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードを解析し、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するので、上記効果に加え、撮影モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる、という効果を有する。
【0137】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適したストロボの発光モードを解析し、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するので、上記効果に加え、ストロボの発光モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる、という効果を有する。
【0138】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさを解析し、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値が、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさに応じた値となるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するので、上記効果に加え、露出レベルの目標値又は補正値の設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる、という効果を有する。
【0139】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、生成された制御情報を、撮影装置に挿入可能で、撮影装置を用いて撮影された画像の画像データを記録するための記録媒体に書き込むので、上記効果に加え、撮影装置の設定を変更することを容易に実現できる、という効果を有する。
【0140】
請求項8記載の発明に係る撮影装置は、記憶手段に記憶されている設定情報に従って動作すると共に、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成された制御情報が入力された場合に、記憶手段に記憶されている設定情報を入力された制御情報に応じて変更するので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現できる、という優れた効果を有する。
【0141】
請求項9記載の発明に係る撮影装置は、解析装置が撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を取得して記憶手段に記憶させ、複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現できる、という優れた効果を有する。
【0142】
請求項10記載の発明に係るプログラムは、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する第1のステップ、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する第2のステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであるので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる、という優れた効果を有する。
【0143】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、撮影装置に内蔵されたコンピュータを、解析装置が撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を取得して記憶手段に記憶させる取得手段、記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段として機能させるためのプログラムであるので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る写真処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】セットアップ/撮影シーン解析処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】制御情報生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】(A)は制御情報書込処理の内容を示すフローチャート、(B)は案内書の一例を示すイメージ図である。
【図5】第2実施形態に係るDSCの電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態に係るDSCで実行される設定更新処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 写真処理システム
20 コンピュータ
22 メディアドライブ
26 コンピュータ
38 記憶装置
42 コンピュータ
50 DSC
52 メモリカード
【発明の属する技術分野】
本発明は撮影装置の制御装置、撮影装置及びプログラムに係り、特に、被写体の撮影に用いられる撮影装置、該撮影装置の動作を制御するための撮影装置の制御装置、コンピュータを前記撮影装置の制御装置として機能させるためのプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD等の撮像素子によって被写体を撮影し、該撮影によって得られたアナログの画像信号をデジタルの画像データに変換した後に、スマートメディア(R)等のメモリカードに記憶させる構成のデジタルスチルカメラ(以下、DSCと略す)は、撮影した画像をその場でLCDに再生表示させることで、撮影が成功したか失敗したかをその場で確認できるという特長があり、近年急速に普及してきている。DSCによって撮影された画像は、例えば顧客が画像データをDPE受付店に持込んで写真プリントの作成等の写真処理を依頼することにより、高品位の写真プリントとして保存したり、前記画像データが表す画像を顧客が所持しているプリンタにより紙等に簡易的に記録することも可能である。
【0003】
ところで、最近のDSCは様々なシーン(被写体)を高画質で撮影可能なように高機能化・多機能化が進み、例えば撮影モードについても、種々のシーン(被写体)に対応して多数の撮影モードが設けられるようになってきている(例えば非特許文献1参照)。
【0004】
【非特許文献1】
富士写真フイルム(株)、”FinePix6700Z spec.”、[online]、[平
成14年9月20日検索]、インターネット<URL:http://www.fi
nepix.com/fx6900z/spec.html>
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、最近のDSCは様々なシーン(被写体)を高画質で撮影可能なように高機能化・多機能化が進み、例えば撮影モードについても、種々のシーン(被写体)に対応して多数の撮影モードが設けられるようになってきている。これに伴い、例えば特定のシーンを撮影するにあたり、DSCが備えている機能を有効に利用するためにDSCの設定を撮影対象のシーンに適した設定に変更する操作も非常に煩雑になってきており、DSCの操作性の向上が求められている。
【0006】
また、上述したように、撮影装置の機能を有効に利用した撮影を行うための操作が煩雑である、という問題は、撮影装置がDSC(詳しくは撮影専用に設計されたDSC)である場合に限られるものではなく、例えば撮影装置が通常のカメラである場合や、デジタルビデオカメラである場合、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するDSCである場合にも共通する問題であった。
【0007】
本発明は上記事実を考慮して成されたもので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現できる撮影装置の制御装置、撮影装置及びプログラムを得ることが目的である。
【0008】
前述のように、撮影装置は様々なシーンを高画質で撮影可能とすることを目的として高機能化・多機能化が進んでいるが、撮影装置を所持している個々の顧客が、様々なシーンを万遍なく撮影することは極めて稀であり、顧客によって撮影されるシーンは、個々の顧客毎に特定種のシーン(被写体)に偏っていることが殆どである。本願発明者は上記事実に着目し、顧客によって撮影される頻度の高いシーンに合致するように撮影装置の設定を変更するようにすれば、撮影にあたって撮影装置の設定の変更が必要となる頻度が低下し、撮影装置の操作性を向上させることができることに想到して本発明を成すに至った。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記に基づき請求項1記載の発明に係る撮影装置の制御装置は、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する解析手段と、前記解析手段によって解析された前記シーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する生成手段と、を含んで構成されている。
【0010】
請求項1記載の発明では、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、顧客により撮影されるシーンの傾向が解析手段によって解析される。なお、請求項1記載の発明において、顧客による撮影に用いられる撮影装置としては、例えば撮像素子によって被写体を撮影することで得られたアナログの画像信号をデジタルの画像データに変換し、メモリカードに記憶させる構成の撮影装置(撮影専用に設計されたDSC)が挙げられるが、被写体を銀塩写真フィルム等の記録材料に露光記録する通常のカメラや、デジタルビデオカメラ、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するDSCであってもよい。撮影装置が通常のカメラ以外の場合には、撮影画像は撮影と同時にデータ化されるが、撮影装置が通常のカメラである場合、撮影画像は、記録材料に露光記録された画像を可視化する処理が行われた後に、可視化された画像がスキャナ等の読取装置によって読み取られることでデータ化されることになる。
【0011】
また、解析手段が解析に用いる撮影画像のデータとしては、例えば請求項2に記載したように、撮影画像の画像データ及び撮影画像の撮影時の撮影条件を表すデータの少なくとも一方を適用することができる。例えば撮影装置がDSCであれば、撮影画像のデータはEXIF形式や他の形式の画像ファイルとして提供されることになるが、この種の画像ファイルには撮影時の撮影条件を表すデータ等が含まれており、銀塩写真フィルムの一種であるAPSフィルムにも撮影時の撮影条件を表すデータが撮影時に記録される。このため、撮影画像そのものを表す画像データのみを適用する以外に、上記のような撮影時の撮影条件を表すデータのみを適用したり、或いは撮影画像を表す画像データと撮影条件を表すデータを併用して解析手段による解析を行うようにしてもよい。
【0012】
また、解析手段による解析(顧客により撮影されるシーンの傾向の解析)は、具体的には、例えば顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づき、個々の撮影画像に写し込まれているシーンの特徴に応じて個々の撮影画像を複数のグループの何れかに各々分類し、各グループに属する撮影画像の数を求め、撮影画像の数が多いグループ(出現頻度が高いグループ)を判断することで行うことができる。グループ分けの基準(上述したシーンの特徴)としては、例えばシーンの種類やシーンの明るさ等を用いることができる。
【0013】
そして、請求項1記載の発明では、解析手段によって解析されたシーンの傾向に基づき、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報が生成手段によって生成される。これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置の設定(例えば撮影装置の電源投入時のデフォルトの設定等)を、顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更することができ、撮影にあたって撮影装置の設定の変更が必要となる頻度を低下させることができる。
【0014】
このように、請求項1記載の発明によれば、顧客により撮影されるシーンの傾向に応じて撮影装置の設定を変更(カスタマイズ)することができるので、撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0015】
なお、請求項1記載の発明において、制御情報による変更対象の撮影装置の設定としては、例えば撮影装置の撮影モードの設定が挙げられる。この場合、例えば請求項3に記載したように、解析手段は、撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に適した撮影モードを判断することを同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードを解析し、生成手段は、撮影装置に設けられている複数種の撮影モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するように構成することができる。
【0016】
これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置に設けられている複数種の撮影モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードの優先順位を高くすることができるので、撮影モードの設定を変更する必要が生ずる頻度が低下することで、撮影モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0017】
また、請求項1記載の発明において、制御情報による変更対象の撮影装置の設定はストロボの発光モードの設定であってもよい。この場合、例えば請求項4に記載したように、解析手段は、撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に適したストロボの発光モードを判断することを同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードを解析し、生成手段は、撮影装置に設けられているストロボの複数種の発光モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するように構成することができる。
【0018】
これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置に設けられているストロボの複数種の発光モードのうち、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードの優先順位を高くすることができるので、ストロボの発光モードの設定を変更する必要が生ずる頻度が低下することで、ストロボの発光モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0019】
また、請求項1記載の発明において、制御情報による変更対象の撮影装置の設定は、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値であってもよい。この場合、例えば請求項5に記載したように、解析手段は、撮影画像に写し込まれているシーンの明暗を判断することを、同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさを解析し、生成手段は、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値が、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさに応じた値となるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成することを特徴としている。
【0020】
これにより、生成された制御情報を用いることで、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値を、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさに応じた値に変更することができるので、露出レベルの目標値又は補正値の設定を変更する必要が生ずる頻度が低下することで、露出レベルの目標値又は補正値の設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる。
【0021】
また、請求項1記載の発明において、例えば請求項6に記載したように、生成手段によって生成された制御情報を、撮影装置に挿入可能で、撮影装置を用いて撮影された画像の画像データを記録するための記録媒体に書き込む書込制御手段を設けることが好ましい。これにより、書込制御手段によって制御情報が書き込まれた記録媒体を撮影装置に挿入することで、撮影装置が制御情報を記録媒体から読み出し可能となり、撮影装置の設定を制御情報によって変更することを容易に実現することができる。
【0022】
また、制御情報による撮影装置の設定変更は、上記のように記録媒体を用いることに限られるものではなく、例えば撮影装置が通信線を介して他の機器(例えば本発明に係る撮影装置の制御装置)と通信可能であれば、通信線を介して撮影装置に制御情報を送信することで、撮影装置の設定を制御情報によって変更することも可能である。
【0023】
また、請求項1記載の発明において、撮影画像がDPE受付店を介して顧客から写真プリントの作成が依頼された画像である場合、生成手段によって生成された制御情報は、例えば請求項7に記載したように、作成された写真プリントがDPE受付店で顧客へ引き渡される際に、同時に顧客へ渡されるようにすることができる。請求項7記載の発明に係る制御情報は、詳しくは、例えば前述のように記録媒体に書き込まれた状態で顧客へ渡すことができる。
【0024】
請求項8記載の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影して画像データへ変換する撮影手段と、設定情報を記憶するための記憶手段を備え、記憶手段に記憶されている設定情報に従って動作する撮影装置であって、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成された制御情報が入力された場合に、記憶手段に記憶されている設定情報を前記入力された制御情報に応じて変更する情報変更手段を更に備えたことを特徴としている。
【0025】
請求項8記載の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影して画像データへ変換する撮影手段を備えると共に、記憶手段に記憶されている設定情報に従って動作する。ここで、請求項8記載の発明では、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成された制御情報が入力された場合に、記憶手段に記憶されている設定情報を入力された制御情報に応じて変更する情報変更手段が設けられており、この情報変更手段によって設定情報が変更されることで、撮影装置は変更後の設定情報に従って動作することになる。
【0026】
先にも述べたように、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成される制御情報は、顧客により撮影されるシーンの傾向に基づき、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報であるので、請求項8記載の発明に係る撮影装置に制御情報を入力することで、撮影装置の設定が顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように、情報変更手段により自動的に変更されることになる。従って、請求項8記載の発明によれば、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現することができる。
【0027】
請求項9記載の発明に係る撮影装置は、被写体を撮影する機能を備えた撮影装置であって、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて、解析装置が前記撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を前記解析装置より取得し、記憶手段に記憶させる取得手段と、前記記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、解析したシーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段と、を備えたことを特徴としている。
【0028】
先に説明した請求項8記載の発明では、顧客により撮影されるシーンの傾向の解析及び撮影装置の設定を変更するための制御情報の生成が撮影装置の制御装置によって行われるが、請求項9記載の発明では、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて撮影画像に写し込まれているシーンを解析することは解析装置によって行われるものの、請求項9記載の発明に係る撮影装置の取得手段によってシーン解析結果が取得され、本発明に係る撮影装置の制御装置と同様にして、顧客により撮影されるシーンの傾向が解析され、撮影装置の設定が、顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更される。これにより、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現することができる。
【0029】
なお、請求項9記載の発明において、取得手段による解析結果の取得は、例えば解析手段によるシーン解析の結果が記録された記録媒体が撮影装置にセットされた際に、セットされた記録媒体からシーン解析の結果を読み出すことで取得するようにしてもよいし、解析装置との無線通信によって解析装置からシーン解析の結果を受信することで取得するようにしてもよい。
【0030】
請求項10記載の発明に係るプログラムは、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する第1のステップ、前記第1のステップで解析した前記シーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する第2のステップを含む処理をコンピュータに実行させる。
【0031】
請求項10記載の発明に係るプログラムは、上記第1及び第2のステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム、すなわちコンピュータを、請求項1記載に記載の撮影装置の制御装置として機能させるためのプログラムであるので、コンピュータが前記プログラムを読み出して実行することにより、請求項1記載の発明と同様に、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる。
【0032】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、被写体を撮影する機能を備えた撮影装置に内蔵されたコンピュータを、顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて、解析装置が前記撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を前記解析装置より取得し、記憶手段に記憶させる取得手段、前記記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、解析したシーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段として機能させる。
【0033】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、撮影装置に内蔵されたコンピュータを、上記の取得手段及び制御手段として機能させるためのプログラムであるので、撮影装置に内蔵されたコンピュータが請求項11記載の発明に係るプログラムを実行することで、前記撮影装置が請求項9記載の発明に係る撮影装置として機能することになり、請求項9記載の発明と同様に、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
【0035】
〔第1実施形態〕
図1には本第1実施形態に係る写真処理システム10が示されている。本第1実施形態に係る写真処理システム10には、写真プリント作成等の顧客からの写真処理依頼を受け付けるDPE受付店12と、DPE受付店12を介して顧客から依頼された写真処理を行う現像所14、写真処理に関連する各種の情報を集中的に管理するデータセンタ16、及び顧客が撮影に使用するカメラを製造する複数のカメラメーカ18が関わっている。
【0036】
DPE受付店12にはコンピュータ20、メディアドライブ22及びハイパーターミナル24が各々設置されている。図示は省略するが、コンピュータ20はCPU,ROM,RAM,入出力ポートがバスを介して互いに接続され、HDD(ハードディスクドライブ)を含む各種の周辺機器が入出力ポートに接続されて構成されている。コンピュータ20のHDDには、後述する制御情報書込処理を実行するための制御情報書込プログラムがインストール(HDDに記憶)されている。このプログラムは必要に応じてHDDから読み出されてCPUにより実行される。
【0037】
ところで、顧客からの写真処理依頼には3種類の依頼形態がある。第1の依頼形態は、顧客が撮影専用に設計されたデジタルスチルカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するデジタルスチルカメラ(以下これらをDSCと総称する:DSCの一例を図1に符号「50」を付して示す)を用いて被写体を撮影することで、メモリカード52(例えばスマートメディア(R)やコンパクトフラッシュ(R)、メモリスティック(R)等)に画像データが記録され(通常、EXIF形式や他の形式の画像ファイルとして記録される)、このメモリカード52が持込まれることで写真処理が依頼される形態である。
【0038】
メディアドライブ22は各種のメモリカード52に対して情報の読み出し及び書込みを行う機能を有している。また、メディアドライブ22はコンピュータ20に接続され、コンピュータ20は図示しない通信回線を介して現像所14(のコンピュータ26:後述)と接続されている。第1の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店12では、顧客によって持込まれたメモリカード52を受け取ることで写真処理依頼を受け付け、受け取ったメモリカード52からメディアドライブ22によって撮影画像の画像データ(画像ファイル)を読み出し、読み出した画像データをコンピュータ20によって現像所14へ送信することで、顧客からの依頼を受け付けた写真処理の実施を現像所14に依頼する。
【0039】
また、第2の依頼形態では、顧客がDSC50を用いて被写体を撮影することで得られた画像データ(EXIF形式や他の形式の画像ファイル)が、インターネット等のコンピュータ・ネットワークを介してDPE受付店12へ送信されることで写真処理が依頼される。コンピュータ20はインターネット等を介して情報を送受する機能を有しており、第2の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店12では、インターネット等を介して顧客から送信された撮影画像の画像データをコンピュータ20によって受信することで写真処理依頼を受け付け、受信した画像データをコンピュータ20によって現像所14へ送信することで、顧客から依頼された写真処理の実施を現像所14に依頼する。
【0040】
更に、第3の依頼形態では、顧客がカメラを用いて被写体を撮影することで画像が露光記録された写真フィルムがDPE受付店12に持込まれることで写真処理が依頼される。第3の依頼形態で写真処理が依頼された場合、DPE受付店12では、顧客によって持込まれた写真フィルムを受け取ることで写真処理依頼を受け付け、受け取った写真フィルムを現像所14へ送付することで、顧客から依頼された写真処理の実施を現像所14に依頼する。
【0041】
なお、コンピュータ20には紙等の記録媒体に文字等を記録するためのプリンタ34が接続されている。また、DPE受付店12に設置されたハイパーターミナル24はパーソナルコンピュータ(PC)等から成り、画像等を表示するためのディスプレイ、キーボード及びマウスが接続されている(何れも図示省略)。ハイパーターミナル24は顧客が自由に操作可能とされている。
【0042】
現像所14には、コンピュータ26、スキャナ28、画像処理装置30及び写真プリンタ/プロセッサ32が設置されている。図示は省略するが、コンピュータ26はCPU,ROM,RAM,入出力ポートがバスを介して互いに接続され、各種の周辺機器が入出力ポートに接続されて構成されている。なお、入出力ポートに接続されている周辺機器としては、キーボード、ディスプレイ、マウス、HDDが挙げられる。コンピュータ26は、第1の依頼形態又は第2の依頼形態で写真処理が依頼された場合にDPE受付店12から送信された撮影画像の画像データを受信し、画像処理装置30へ出力する。
【0043】
また、スキャナ28には、第3の依頼形態で写真処理が依頼された場合にDPE受付店12から送付され、現像等の処理を経て露光記録された画像が可視化された写真フィルムがセットされる。スキャナ28はセットされた写真フィルムに記録されている画像(現像等の処理を経て可視化された画像)を読み取り、この読み取りによって得られた画像データを画像処理装置30へ出力する。
【0044】
画像処理装置30はスキャナ28又はコンピュータ26から入力された画像データに対して所定の画像処理を行い、写真プリンタ/プロセッサ32は、画像処理装置30による画像処理を経た画像データを用いて写真プリントの作成(記録すべき画像に応じて変調したレーザ光を印画紙上で走査させることによる印画紙への画像の露光記録や、画像を露光記録した印画紙の現像等)を行う。なお、画像処理装置30で行われる画像処理の種類及び処理条件は、後述するようにコンピュータ26によって決定される。
【0045】
また、現像所14に設置されたコンピュータ26は、DPE受付店12のハイパーターミナル24及びデータセンタ16のコンピュータ36(後述)と通信回線を介して各々接続されている。コンピュータ26には、後述するセットアップ/撮影シーン解析処理を実行するためのセットアップ/撮影シーン解析プログラムがインストール(HDDに記憶)されている。このプログラムは必要に応じてHDDから読み出されてCPUにより実行される。
【0046】
一方、データセンタ16には、コンピュータ36と、HDD等から成る大容量の記憶装置38が設置されている。コンピュータ36は、前述のように、通信回線を介して現像所14のコンピュータ26と接続されており、また、DPE受付店12に設置されたコンピュータ20、複数のカメラメーカ18が各々所持しているコンピュータ42と通信回線を介して各々接続されている。また、記憶装置38には写真処理に関連する各種の情報を記憶するための写真関連情報DB(データベース)40が設けられている。記憶装置38はコンピュータ36に接続されており、写真関連情報DB40に対する情報の書き込み及び読み出しはコンピュータ36によって行われる。
【0047】
図示は省略するが、各カメラメーカ18のコンピュータ42も、CPU,ROM,RAM,入出力ポートがバスを介して互いに接続され、HDDを含む各種の周辺機器が入出力ポートに接続されて構成されている。コンピュータ42には、後述する制御情報生成処理を実行するための制御情報生成プログラムがインストール(HDDに記憶)されている。このプログラムは必要に応じてHDDから読み出されてCPUにより実行される。
【0048】
なお、制御情報生成プログラムは、先に説明したセットアップ/撮影シーン解析プログラムと共に請求項10記載の発明に係るプログラムに対応しており、コンピュータ26のCPUがセットアップ/撮影シーン解析処理を実行し、コンピュータ42のCPUが制御情報生成プログラムを実行することにより、コンピュータ26及びコンピュータ42は本発明に係る撮影装置の制御装置として機能する。
【0049】
次に本第1実施形態の作用を説明する。写真処理システム10では個々の顧客を顧客番号によって識別・管理しており、DPE受付店12では、顧客から写真処理が依頼される毎に、依頼日、依頼された写真処理の内容及び数量等の情報をコンピュータ20に入力することで、上記の情報を顧客番号と対応付けてコンピュータ20のHDDに顧客情報として蓄積記憶させる。なお顧客番号は、例えば顧客が所持しており写真処理依頼時に提示されるカード状の記録媒体(例えば磁気カードやICカード等)に記録しておき、この記録媒体から読み出すことで取得することが望ましい。
【0050】
また、顧客から第1の依頼形態又は第2の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、撮影画像はEXIF形式や他の形式の画像ファイルとして顧客から引き渡されることになるが、この画像ファイルには、個々の撮影画像毎に、画像データ以外に、ファイル名、撮影に使用したDSC50の機種、撮影日時、撮影時の撮影条件(DSC50の設定)を表す各種情報(例えばシャッタースピード、絞り値、画質モード(画像データの圧縮率)、感度、露出プログラムのモード、測光方式、ホワイトバランスのモード、フォーカスのモード、シャープネスのモード、焦点距離、露出補正値、ストロボのオンオフ、ストロボ補正値、マクロモードのオンオフ等)等の情報が含まれている。
【0051】
このため、顧客から第1の依頼形態又は第2の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、DPE受付店12では、顧客からの依頼を受け付けた写真処理の実施を現像所14に依頼するに際し、顧客から引き渡された画像ファイル自体をコンピュータ20によって現像所14のコンピュータ26へ送信すると共に、該EXIF形式の画像ファイルから、撮影に使用したDSC50の機種等の情報を読み出し、コンピュータ20のHDDに顧客情報として蓄積記憶させる。この顧客情報はDPE受付店12における顧客管理に利用される。
【0052】
次に、第1の依頼形態又は第2の依頼形態での顧客からの依頼に従って現像所14で写真プリントの作成を行う場合に、現像所14のコンピュータ26で実行されるセットアップ/撮影シーン解析処理について、図2のフローチャートを参照して説明する。なお、このセットアップ/撮影シーン解析処理は、コンピュータ26のCPUがセットアップ/撮影シーン解析プログラムを実行することによって実現される処理であり、単一の顧客から写真プリントの作成が同時に依頼された一連の撮影画像を単位として実行される。
【0053】
ステップ100では、一連の撮影画像のうちの任意の撮影画像に対応する画像ファイル(EXIF形式)のデータを参照することで、顧客が撮影に用いたカメラ(DSC50)の機種を認識する。
【0054】
ところで、記憶装置38の写真関連情報DB40には、現在市場に出回っている(顧客が使用している可能性のある)各種DSCの仕様を表す仕様情報(この仕様情報にはDSCが備えている撮影モードの種類(例えばAUTO、ポートレート、スポーツ、風景、マクロ、夜景、マニュアル、連写、ムービー等)やストロボの発光モードの種類等を表す情報が含まれている)が機種毎に各々登録されている。この仕様情報は、カメラメーカ18がDSCの新機種を発売する毎に、該DSCの仕様を表す仕様情報をコンピュータ42を介してデータセンタ16へ送信し、コンピュータ36が受信した仕様情報を記憶装置38の写真関連情報DB40に記憶させることによって登録されたものである。
【0055】
次のステップ102では、ステップ100で認識したDSC50の機種を表す情報をデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、DSC50の仕様情報を送信するよう要請し、記憶装置38の写真関連情報DB40からコンピュータ36によって読み出されて送信されたDSC50の仕様情報を受信することで、DSC50の仕様情報をデータセンタ16から取得する。また、ステップ104ではデータセンタ16から取得した仕様情報を参照することで、顧客が撮影に用いたDSC50に設けられている全ての撮影モードを認識し、撮影モードの認識結果に基づいて、撮影画像として写し込まれる可能性のある代表的なシーン種別(被写体種)毎の最適な撮影モードを判断する。
【0056】
ステップ106では一連の撮影画像のうち未処理の撮影画像を処理対象とし、処理対象の撮影画像の画像データをRAMのワークエリア等に読み込む。次のステップ108〜ステップ114では、処理対象の撮影画像に対して画像処理装置30で実行すべき画像処理の種類及び処理条件を決定する。すなわち、まずステップ108では、ステップ106で読み込んだ処理対象の撮影画像の画像データに基づいて、撮影画像として写し込まれているシーン(被写体)を解析する。
【0057】
シーン解析では撮影画像の濃度範囲や色バランスの検知、鮮鋭度や彩度の評価等、種々の処理が行われるが、この種々の処理の中には、撮影画像の画像データに基づき、撮影画像中に人物の顔に相当する顔画像領域が存在しているか否かを検索する顔領域検索処理が含まれる。この顔領域検索処理の結果(顔画像領域が存在しているか否か)により、撮影画像として写し込まれているシーンの種別(被写体種)を大まかに判断することができる。また、顔領域検索処理によって撮影画像中に顔画像領域が存在していることが検知された場合には、検知された顔画像領域に対して濃度範囲や色バランスの検知等が行われると共に、検知された顔画像領域中に存在する人物の眼部に相当する眼部領域を抽出し、抽出した眼部領域に赤目や金目等の色調不良が生じているか否かを検出する赤目検出処理も行われる。なお、ステップ108は本発明に係る解析手段の一部を構成している。
【0058】
ステップ110では、ステップ108におけるシーン解析の結果に基づき、処理対象の撮影画像に対し、全ての画像に対して実行する画像処理(以下、標準画像処理という)の処理条件を決定する。標準画像処理としては、例えば印画紙上で画像が適正な濃度で再現させるための濃度変換処理や、印画紙上で画像が適正な色バランスで再現させるための色変換処理、画像データの画素数(画素密度)を変換する画素密度変換処理等が挙げられる。
【0059】
例えばシーン解析の結果、処理対象の撮影画像が露出アンダ又は露出オーバで撮影されていると判断された場合には、露出アンダ又は露出オーバが補正されるように濃度変換処理の処理条件が決定され、処理対象の撮影画像が異種光源によって撮影されていると判断された場合には、異種光源に起因する色バランスの偏倚が補正されるように色変換処理の処理条件が決定される。また、画素密度変換処理の処理条件は、処理対象の画像データの画素数及び作成する写真プリントのサイズに基づいて決定される。上記のようにして決定された標準画像処理の処理条件はセットアップ情報としてHDDに書き込まれる。
【0060】
また、ステップ112では、ステップ108におけるシーン解析の結果に基づいて、標準画像処理を行ったのみでは適正な画質の写真プリントが得られないことが予想される画像に対してのみ実行する画像処理(以下、非標準画像処理という)を実行すべきか否か判定する。非標準画像処理としては、例えば画像の超低周波輝度成分の階調を圧縮することで覆い焼きに相当する効果を得るハイパートーン処理(逆光シーンの補正/ハイコントラストシーンの補正ともいう)、粒状を抑制しながら画像のシャープネス(鮮鋭度)を強調するハイパーシャープネス処理(シャープネス補正ともいう)、画像中に存在する眼部領域の色調不良を補正する赤目補正処理、画像の鮮鋭度を低下させてポートレート調の仕上がりを得るためのソフトフォーカス処理、クロスフィルタを使用して撮影することで意図的に画調を変えた画像と同等の画像を得るためのクロスフィルタ処理、画像の彩度を高くすることでリバーサルプリントのような仕上がりを得るためのRP調仕上げ補正処理等が挙げられる。
【0061】
例えばシーン解析の結果、顔領域検索処理によって撮影画像中に顔画像領域が存在していることが検知され、該顔画像領域の露出が背景領域に比してアンダ気味であることが検知された等の場合には、非標準画像処理としてハイパートーン処理を実行すべきであると判断する。また、シーン解析の結果、撮影画像の鮮鋭度が不足していると判断された等の場合には、非標準画像処理としてハイパーシャープネス処理を実行すべきであると判断する。また、シーン解析のうちの赤目検出処理によって眼部領域の色調不良が検出された場合には、非標準画像処理として赤目補正処理を実行すべきであると判断し、シーン解析の結果、撮影画像の彩度が不足していると判断された等の場合には、非標準画像処理としてRP調仕上げ補正処理を実行すべきであると判断する。
【0062】
処理対象の撮影画像に対して非標準画像処理の実行は不要と判断された場合には、ステップ112の判定が否定されることで、何ら処理を行うことなくステップ116へ移行する。一方、処理対象の撮影画像に対し特定の非標準画像処理を実行すべきであると判断した場合には、ステップ112の判定が肯定されてステップ114へ移行し、実行すべきであると判断した非標準画像処理の処理条件を、シーン解析の結果に基づいて決定する。
【0063】
上記のステップ108〜ステップ114は、写真プリントを作成する全ての撮影画像に対して各々実行されるので、写真プリントを作成する全ての撮影画像に対し、HDDにセットアップ情報が各々記憶されることになる。
【0064】
現像所14の画像処理装置30は、個々の撮影画像の画像データに対して画像処理を実行するにあたり、個々の撮影画像に対応するセットアップ情報を参照し、該セットアップ情報に設定されている標準画像処理の処理条件に従って標準画像処理を行うと共に、セットアップ情報により特定の非標準画像処理の実行が指定されている場合には、セットアップ情報に設定されている特定の非標準画像処理の処理条件に従って、前記特定の非標準画像処理を行う。画像処理装置30によって画像処理が行われた画像データは写真プリンタ/プロセッサ32へ出力され、写真プリンタ/プロセッサ32における写真プリントの作成に用いられることになる。
【0065】
一方、次のステップ116では、前述のステップ108におけるシーン解析の結果に基づいて、処理対象の撮影画像に写し込まれているシーンの種別(被写体種)を認識し、顧客が撮影に用いたDSC50に設けられている全撮影モードのうち、認識したシーン種別に対応する最適撮影モード(撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に最適な撮影モード)を判定する。
【0066】
例えば、撮影画像の略中央部に所定値以上の面積比の顔画像領域が存在していることがシーン解析によって検知された場合、撮影画像に写し込まれているシーンの種別は「ポートレート」である(主要被写体の被写体種が人物の顔である)と判断できる。一般的なDSCには、上記のシーンを適切に撮影するための撮影モードとして「ポートレートモード」が設けられており、シーン種別が「ポートレート」であると判断された場合、ステップ116では最適撮影モードが「ポートレートモード」であると判定される。
【0067】
ところで、データセンタ16の写真関連情報DB40には、個々の顧客及び顧客が撮影に使用している個々のDSCを単位として、例として次の表1に示すような撮影シーン情報が各々記憶されている。この撮影シーン情報は、特定の顧客が特定のDSCを用いて撮影するシーンの傾向を解析するための各種情報が、特定の顧客の顧客番号及び特定のDSCの機種を表す情報と対応付けられて構成されている。
【0068】
本実施形態に係る撮影シーン情報では、撮影するシーンの傾向を解析するための各種情報の一例として、撮影画像数累計、特定のDSCに設けられている各撮影モード毎のシーン数、特定のDSCに設けられているストロボの各発光モード毎のシーン数、撮影画像の明るさを複数の露出レベル範囲(表1の例ではD1〜D2,D2〜D3,…)に分けたときの各露出レベル範囲毎のシーン数を用いており、更に、現在のDSCの設定を表す情報(現在の最優先撮影モード、現在の最優先発光モード及び現在の露出レベル目標値)も登録されている。
【0069】
【表1】
【0070】
ステップ116で最適撮影モードを判定すると、次のステップ118では、最適撮影モードの判定結果を表す情報を顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、写真関連情報DB40に記憶されている、対応する撮影シーン情報のうち判定した最適撮影モードのカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40に記憶されている多数の撮影シーン情報の中から、対応する撮影シーン情報を検索する。そして、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、受信した情報が表す最適撮影モードのカウント値を1だけインクリメントする。
【0071】
なお、検索によって対応する撮影シーン情報が抽出されなかった場合、コンピュータ36は、DSC50の機種を表す情報に基づき当該DSC50の仕様情報を参照することで、DSC50が備えている撮影モードの種類やストロボの発光モードの種類、デフォルトで設定されている最優先撮影モード、最優先発光モード、露出レベル目標値等を認識し、認識結果に基づいて対応する撮影シーン情報を新規に生成し、顧客番号及びDSC50の機種を設定すると共に各種情報の初期設定を行った後に、前述のように最適撮影モードのカウント値のインクリメントを行う。
【0072】
次のステップ120では、ステップ108におけるシーン解析の結果と、処理対象の撮影画像の画像ファイルのデータ(撮影条件を表すデータ)に基づいて、処理対象の撮影画像に写し込まれているシーンが、ストロボを用いて撮影すべきシーンであるか否か判定する。例えば、撮影条件を表すデータに基づき、処理対象の撮影画像の撮影時にストロボが使用されていないことが認識され、処理対象の撮影画像の撮影時の露出が適切であることがシーン解析によって検知された場合には、ステップ120の判定が否定されることでステップ126へ移行する。また、例えばシーン解析の結果に基づき先のステップ116で遠方に存在する被写体を撮影するための撮影モード(例えば「風景モード」等)が最適撮影モードであると判定された場合には、ストロボ光の届かない遠方に主要被写体が存在していると判断できるので、このような場合にも、ステップ120の判定が否定されてステップ126へ移行する。
【0073】
一方、例えば、撮影条件を表すデータに基づき、処理対象の撮影画像の撮影時にストロボが使用されていると認識され、処理対象の撮影画像の撮影時の露出が適切であることがシーン解析によって検知された場合には、ステップ120の判定が肯定されてステップ122へ移行する。また、例えば撮影条件を表すデータに基づき、処理対象の撮影画像の撮影時にストロボが使用されていないことが認識され、シーン解析の結果、撮影画像に写し込まれているシーンが逆光シーンであると判定された場合には、ステップ120の判定が肯定されてステップ122へ移行する。
【0074】
ステップ122では、ステップ108におけるシーン解析の結果等に基づいて、顧客が撮影に用いたDSC50に設けられているストロボの全ての発光モードのうち、処理対象の撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に最適な発光モードを判定する。例えば処理対象の撮影画像がストロボを使用して撮影された画像であり、撮影画像に特段の画質不良が生じていない場合には、ステップ122において、撮影時に使用されたストロボ発光モードを最適発光モードと判定する。
【0075】
また、例として赤目や金目等の色調不良が生じている眼部領域が撮影画像中に存在していることがシーン解析によって検知され、顧客が撮影に用いたDSC50に赤目等の発生を軽減するためのストロボ発光モード(赤目軽減モード)が設けられており、かつ処理対象の撮影画像の画像ファイルのデータを参照することで認識された撮影時のストロボ発光モードが赤目軽減モード以外であった場合、眼部領域の色調不良は撮影時のストロボ発光モードの誤選択に起因していると判断できる。このため、ステップ122では上記のような場合に赤目軽減モードを最適発光モードと判定する。
【0076】
そして、次のステップ124では、最適発光モードの判定結果を表す情報を顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報のうち、判定した最適発光モードのカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、受信した情報が表す最適発光モードのカウント値を1だけインクリメントする。
【0077】
また、ステップ126では、ステップ108におけるシーン解析結果等に基づいて撮影画像の露出レベルを認識し、次のステップ128では、撮影画像の露出レベルの認識結果を表す情報を、顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報のうち、認識した露出レベルが属する露出レベル範囲のカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、受信した情報が表す撮影画像の露出レベルが属する露出レベル範囲のカウント値を1だけインクリメントする。
【0078】
更に、ステップ130では、撮影シーン情報のうち撮影画像数累計の更新を依頼する情報を、顧客番号及びDSC50の機種を表す情報と共にデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報のうち撮影画像数累計のカウント値の更新をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では、受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報に対し、撮影画像数累計のカウント値を1だけインクリメントする。なお、上述したステップ116〜ステップ130は本発明に係る解析手段に対応している。
【0079】
次のステップ132では、単一の顧客から写真プリントの作成が同時に依頼された一連の撮影画像の全てに対して上記処理(ステップ106〜ステップ132の処理)を行ったか否か判定する。判定が否定された場合にはステップ106に戻る。これにより、前記一連の撮影画像の全てに対してステップ106以降の処理が各々行われ、顧客から写真プリントの作成等の写真処理が依頼される毎に、対応する撮影シーン情報が、個々の処理対象の撮影画像(写真処理が依頼された個々の撮影画像)に写し込まれているシーン(顧客により撮影されるシーンの傾向)に応じて適宜更新されることで、撮影シーン情報が顧客により撮影されるシーンの傾向が反映された情報となる。
【0080】
一連の撮影画像の全てに対してステップ106〜ステップ132の処理が行われると、ステップ132の判定が肯定されてステップ134へ移行し、DSC50の機種に基づいて当該DSC50を製造したカメラメーカ18を判断し、判断したカメラメーカ18のコンピュータ42に対して顧客番号及びDSC50の機種を表す情報を送信することで、対応する撮影シーン情報を更新したことを通知し、セットアップ/撮影シーン解析処理を終了する。
【0081】
カメラメーカ18のコンピュータ42では、上記の顧客番号及びDSC50の機種を表す情報を現像所14のコンピュータ26から受信すると、制御情報生成処理が実行される。この制御情報生成処理は、コンピュータ42のCPUが制御情報生成プログラムを実行することで実現される処理であり、以下、図3のフローチャートを参照して説明する。なお、制御情報生成処理は本発明に係る生成手段に対応している。
【0082】
ステップ140では、現像所14のコンピュータ26から受信した顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をデータセンタ16のコンピュータ36へ送信することで、対応する撮影シーン情報の読み出し及び転送をコンピュータ36へ依頼する。これにより、コンピュータ36では顧客番号及びDSC50の機種を表す情報をキーにして、写真関連情報DB40から対応する撮影シーン情報を検索し、検索によって抽出された撮影シーン情報を、依頼元のカメラメーカ18のコンピュータ42へ転送する。
【0083】
次のステップ142では、転送された撮影シーン情報のうちの「撮影画像数累計」から「設定更新時撮影画像数」を減算した値が所定値以上か否か判定する。「設定更新時撮影画像数」は制御情報生成処理によって更新される情報であり、初期値は0とされているので、当初は「撮影画像数累計」が所定値以上になった場合にステップ142の判定が肯定される。
【0084】
ステップ142の判定が否定された場合には何ら処理を行うことなく制御情報生成処理を終了するが、ステップ142の判定が肯定された場合にはステップ144へ移行し、撮影シーン情報の「設定更新時画像数」に「撮影画像数累計」と同一の値を設定することで「設定更新時画像数」を更新する。従って、「撮影画像数累計」が所定値の整数倍に相当する数値になる毎にステップ142の判定が肯定され、次のステップ146以降の処理が行われることになる。
【0085】
次のステップ146では、転送された撮影シーン情報を参照し、度数(シーン数)が最大の撮影モードを判定する。次のステップ148では、ステップ146で判定した度数が最大の撮影モードが、「現在の最優先撮影モード」(顧客が撮影に使用したDSC50に現在設定されている最優先の撮影モード:例えばDSC50の電源が投入された際にデフォルトとして設定される撮影モード)に一致しているか否か判定する。判定が肯定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ154へ移行するが、判定が否定された場合にはステップ150へ移行する。
【0086】
ステップ150では転送された撮影シーン情報を参照することで、顧客が撮影に使用したDSC50の機種を認識し、顧客が撮影に使用したDSC50における最優先の撮影モードを、ステップ146で判定した度数最大の撮影モードに変更設定するための制御情報を生成する。なお、この制御情報は、DSC50に内蔵されているCPUが実行するためのプログラム(内蔵CPUによって該プログラムが実行されることで最優先の撮影モードが自動的に変更設定される)であってもよいし、最優先の撮影モードを変更設定するプログラムがDSC50に内蔵されている場合には、該プログラムの実行及び変更設定する撮影モードを内蔵CPUに指示するデータ(或いはコマンド)であってもよい。
【0087】
また、ステップ152では、度数最大の撮影モードをデータセンタ16のコンピュータ36へ最優先撮影モードとして送信することで、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先撮影モード」を更新するよう依頼する。これにより、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先撮影モード」の更新がコンピュータ36によって行われることになる。
【0088】
ステップ154では、転送された撮影シーン情報を参照し、度数(シーン数)が最大の発光モードを判定する。次のステップ156では、ステップ154で判定した度数が最大の発光モードが、「現在の最優先発光モード」(顧客が撮影に使用したDSC50に現在設定されている最優先の発光モード:例えばDSC50の電源が投入された際にデフォルトとして設定される発光モード)に一致しているか否か判定する。判定が肯定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ162へ移行するが、判定が否定された場合にはステップ158へ移行する。
【0089】
ステップ158では顧客が撮影に使用したDSC50の機種を認識し、顧客が撮影に使用したDSC50における最優先の発光モードを、ステップ154で判定した度数最大の発光モードに変更設定するための制御情報を生成する。なお、前述のように、この制御情報もプログラムであってもデータ(或いはコマンド)であってもよい。また、ステップ160では、度数最大の発光モードをデータセンタ16のコンピュータ36へ最優先発光モードとして送信し、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先発光モード」を更新するよう依頼することで、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の最優先撮影モード」をコンピュータ36によって更新させる。
【0090】
ステップ162では、転送された撮影シーン情報を参照し、度数(シーン数)が最大の露出レベル範囲を判定する。次のステップ164では、「現在の露出レベル目標値」(顧客が撮影に使用したDSC50に現在設定されている露出レベル目標値:例えばDSC50の電源が投入された際にデフォルトとして設定される露出レベル目標値)が、ステップ154で判定した度数が最大の露出レベル範囲に対応しているか否か判定する。判定が肯定された場合には、何ら処理を行うことなくステップ170へ移行するが、判定が否定された場合にはステップ166へ移行する。
【0091】
ステップ166では顧客が撮影に使用したDSC50の機種を認識し、顧客が撮影に使用したDSC50におけるデフォルトの露出レベル目標値を、ステップ162で判定した度数最大の露出レベル範囲に対応する目標値(例えば度数最大の露出レベル範囲の中央値:表1も参照)に変更設定するための制御情報を生成する。なお、前述のように、この制御情報もプログラムであってもデータ(或いはコマンド)であってもよい。また、ステップ160では、度数最大の露出レベル範囲に対応する目標値をデータセンタ16のコンピュータ36へ露出レベル目標値として送信し、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の露出レベル目標値」を更新するよう依頼することで、対応する撮影シーン情報のうちの「現在の露出レベル目標値」をコンピュータ36によって更新させる。
【0092】
次のステップ170では、上述した処理で制御情報の生成を行ったか(ステップ150,158,166の少なくとも1つを実行したか)否か判定する。判定が否定された場合は何ら処理を行うことなく制御情報生成処理を終了するが、判定が肯定された場合はステップ172へ移行し、生成した制御情報を、先に顧客番号及びDSC50の機種を表す情報を送信した現像所14のコンピュータ26へ送信し、制御情報生成処理を終了する。
【0093】
なお、撮影シーン情報は上述した制御情報生成処理に利用されることに限られるものではなく、例えば個々のカメラメーカ18が撮影シーン情報のうちの「DSC機種」や「撮影画像数累計」等の情報を参照することで、自社が製造したDSCを使用している顧客の数や個々の顧客による撮影画像数(撮影回数)や撮影頻度等を、DSCの個々の機種毎に把握することも可能となり、今後のDSCの製品開発に役立てたり、DSCの定期交換部品の保管年月や定期交換部品の製造計画を策定することができる。また、撮影画像数の累計が設計値に達しているDSCを所持している顧客が存在していた場合には、例えばDPE受付店12を通じてDSCの部品交換や買い換えを勧めることも可能となる。
【0094】
第1の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、現像所14のコンピュータ26で生成された制御情報は、写真プリンタ/プロセッサ32によって作成された写真プリントが現像所14からDPE受付店12へ発送される際に、DPE受付店12のコンピュータ20へ送信される。そして、DPE受付店12では、第1の依頼形態での依頼に基づいて作成された写真プリント及び顧客から預かっていたメモリカード52を顧客に受け渡す際に、図4(A)に示す制御情報書込処理がコンピュータ20によって実行される。
【0095】
この制御情報書込処理では、ステップ180において、写真プリント及びメモリカード52を受け渡す顧客に対応する制御情報が有るか(現像所14から受信しているか)否か判定する。判定が否定された場合には、何ら処理を行うことなく制御情報書込処理を終了する。
【0096】
一方、ステップ180の判定が肯定された場合にはステップ182へ移行し、オペレータに対し、顧客から預かっているメモリカード52をメディアドライブ22に挿入するよう要請し、メモリカード52がメディアドライブ22に挿入されたことを検知すると、メディアドライブ22によりメモリカード52への制御情報の書き込みを行う。このように、ステップ182は、実際にメモリカード52への制御情報の書き込みを行うメディアドライブ22と共に、請求項6に記載の書込制御手段に対応している。
【0097】
また、次のステップ184では、メモリカード52に書き込んだ制御情報によってDSC50の設定を変更する手順を顧客に案内するための案内書(一例を図4(B)に示す)をプリンタ34によってプリントアウトし、制御情報書込処理を終了する。この制御情報書込処理によって制御情報が書き込まれたメモリカード52及びプリンタ34によりプリントアウトされた案内書は、DPE受付店12の店頭で写真プリントが顧客へ渡される際に、同時に顧客へ渡される。
【0098】
DPE受付店12の店頭で写真プリント、制御情報が書き込まれたメモリカード52及び案内書を渡された顧客は、渡された案内書を参照することで、メモリカード52に書き込まれた制御情報によってDSC50の設定を変更するための操作手順を認識し、認識した操作手順に従って操作を行う。
【0099】
DSCは通常、最優先撮影モード、最優先発光モード及び露出レベルの目標値等の設定情報を、内蔵している不揮発性のメモリ(例えばEEPROM等)に記憶しており、該設定情報に従って動作するが、顧客によって上記操作が行われると、DSC50は、メモリカード52に書き込まれている制御情報を読み出し、読み出した制御情報に基づいて不揮発性メモリに記憶されている設定情報を自動的に変更する。なお、上述した設定情報の変更は請求項8に記載の情報変更手段に対応しており、DSC50は請求項8に記載の撮影装置に対応している。
【0100】
これにより、DSC50の設定のうち、最優先撮影モード、最優先発光モード及び露出レベルの目標値の少なくとも1つが、顧客がDSC50を用いて撮影するシーンの傾向に応じて(顧客がDSC50を用いて撮影する頻度の高いシーンに合致するように)自動的に変更設定されることになり、例えばDSC50の電源投入時に設定されるデフォルトの撮影モードが、顧客がDSC50を用いて頻繁に撮影するシーンの撮影に適した撮影モードに変更設定される等により、顧客が撮影モード等の設定を手動で変更する頻度を減少させることができるので、顧客にとってのDSC50の操作性を向上させることができる。
【0101】
なお、第2の依頼形態で写真処理の依頼を受け付けた場合、作成した写真プリントは、例えば顧客の自宅へ配送されたり、顧客の自宅の最寄りのコンビニエンス・ストア等で顧客に受け渡されることになるが、この態様においては、制御情報は、例えばフロッピー(R)ディスク等の記録媒体に書き込んでおいて写真プリントと共に顧客へ渡すか、或いは顧客が所持しているPCへ送信する電子メールに添付する等の形態で顧客へ渡すことができる(案内書は写真プリントと共に顧客に渡せばよい)。
【0102】
顧客がPCを所持している場合、制御情報はPCで実行可能なプログラムであることが好ましく、例えばPCがUSB等の通信ケーブルを介してDSC50と接続されている状態で、PCが制御情報(プログラム)を実行することで、DSC50の設定がPCによって自動的に変更されるように構成することができる。
【0103】
なお、上記では撮影モードやストロボの発光モードが撮影時に適切に選択されない可能性があることを考慮し、撮影時に選択された撮影モードやストロボの発光モードと無関係に、撮影画像に写し込まれているシーンに適した撮影モードや発光モードを判断して撮影シーン情報を更新する例を説明したが、これに限定されるものではなく、撮影時に選択された撮影モードや発光モードに応じて撮影シーン情報を更新するようにしてもよい。
【0104】
また、上記ではDSC50の設定変更の一例として、DSC50の最優先の撮影モードや発光モードを、撮影シーン情報上での度数(シーン数)が最大の撮影モードや発光モードに変更する場合を説明したが、これに限定されるものではなく、例えばDSC50が、撮影モードや発光モードを変更するためのボタン等が押される毎に、撮影モードや発光モードが順に切り替わる構成である場合には、前記ボタン等が押される毎に切り替わる撮影モードや発光モードを、撮影シーン情報上での度数(シーン数)順に並べ替えるようにしてもよい。
【0105】
また、上記では変更対象のDSC50の設定の一例として、撮影モード、ストロボの発光モード、露出レベルの目標値を例に説明したが、任意の他の項目を変更対象とすることも可能であることは言うまでもなく、例えば撮影時のEv値の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定される感度を設定したり、画像の自己相関や周波数特性を利用して撮影画像を解析することで検知した撮影時の手振れ発生の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるシャッター速度を設定したり、撮影時のズーム倍率の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるズーム倍率を設定したり、撮影時のオートホワイトバランス(AWB)の各モード(例えば光源種指定又は完全オート)の選択頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるAWBのモードを設定したり、撮影時のシャープネスの設定値の頻度に応じてDSCの電源投入時にデフォルトとして設定されるシャープネスの設定値を設定するようにしてもよい。
【0106】
更に、上記ではコンピュータ26、スキャナ28、画像処理装置30及び写真プリンタ/プロセッサ32が現像所14に設置されている態様を説明したが、これに限定されるものではなく、これらの機器がDPE受付店12に設置されていてもよい。また、上記では第2の依頼形態による写真処理依頼をDPE受付店12で受け付ける例を説明したが、これに限定されるものではなく、第2の依頼形態による写真処理依頼を現像所14で直接受け付けるようにしてもよい。
【0107】
また、上記では写真処理(写真プリントの作成)が依頼された撮影画像が、顧客がDSCを用いて撮影した画像(第1の又は第2の依頼形態によって写真処理が依頼された画像)であった場合にのみ制御情報を生成する態様を説明したが、これに限定されるものではない。例えばカメラによって写真フィルムに露光記録された画像(第3の依頼形態によって写真処理が依頼される画像)であっても、例えば写真フィルムがAPSフィルムであれば、APSフィルムの磁気層にカメラの機種や撮影条件に相当する情報が記録され、高機能の一眼レフカメラの中には撮影条件等の情報を別の記録媒体に記録する機能を備えているものも存在している。このため、これらの情報を用いて撮影シーンの解析や制御情報の生成を行うことも可能である。
【0108】
また、銀塩フィルムカメラのうち、高機能の一眼レフタイプのカメラの中には、内蔵メモリに撮影情報を記録する機能を搭載しているものも存在している。この種のカメラは、写真フィルムの撮影画像領域外に光学的に書き込んだIDにより、内蔵メモリに記録した撮影情報と撮影画像(写真フィルム)とを対応付ける構成を採用しており、この種のカメラを用いて撮影された撮影画像については、内蔵メモリに記録された撮影情報を利用することで、撮影シーンの解析や制御情報の生成を行うことも可能である。
【0109】
更に、最近のデジタルビデオカメラの中には、動画像以外に静止画像の撮影も可能なものも存在しており、この種のデジタルビデオカメラは、静止画像をJPEGフォーマットで記録すると共に、EXIF形式の画像ファイルと同様の撮影情報も付加する構成であるので、この撮影情報を利用することで撮影シーンの解析や制御情報の生成を行うことも可能である。
【0110】
また、上記では写真プリントの作成が依頼された画像に対し、現像所14のコンピュータ26によって撮影シーンを解析し、カメラメーカ18のコンピュータ42によって制御情報の生成を行う態様を説明したが、これに限定されるものではなく、例えば撮影シーンの解析及び制御情報の生成を、DPE受付店12のコンピュータ20、現像所14のコンピュータ26、カメラメーカ18のコンピュータ42のうちの単一のコンピュータで実行するようにしてもよいし、顧客が所持しているコンピュータ、或いは顧客が撮影に用いるDSC50において、請求項10記載の発明に係るプログラムを実行させることで、顧客が所持しているコンピュータ又はDSC50によって撮影シーンの解析及び制御情報の生成等を行わせることも可能である。
【0111】
〔第2実施形態〕
次に本発明の第2実施形態について説明する。なお、第1実施形態と同一の部分には同一の符号を付し、説明を省略する。図5には本第2実施形態に係るDSC56の電気系の構成が示されている。DSC56には、オートフォーカス(AF)機構を備えたズームレンズ(焦点距離可変レンズ)から成るレンズ58が設けられており、レンズ58のAF機構及びズーム機構は駆動回路60によって駆動される。なおズームレンズに代えて、AF機構のみを備えた焦点距離固定レンズをレンズ58として用いてもよい。
【0112】
本体12内部のレンズ58の焦点位置に相当する位置には、エリアCCDセンサ等で構成される撮像デバイス62が配置されており、被写体を反射してレンズ58に入射された光は撮像デバイス62の受光面に結像される。撮像デバイス62は、駆動回路60が内蔵しているタイミング発生回路(図示省略)によって発生されたタイミング信号に同期したタイミングで駆動され、画像信号(受光面上にマトリクス状に配列された多数個の光電変換セルの各々における受光量を表す信号)を出力する。
【0113】
レンズ58と撮像デバイス62との間にはシャッタ/絞り64が配置されている。シャッタ及び絞りは駆動回路60によって駆動される。シャッタは撮像デバイス62から画像信号が出力されるときに、撮像デバイス62の受光面に光が入射することでスミアが発生することを防止するためのものであり、撮像デバイス62の構成によっては省略可能である。また絞りは、絞り量を連続的に変更可能な単一の絞りで構成してもよいし、絞り量が異なる複数の絞りを切替える構成であってもよい。駆動回路60にはストロボ66も接続されている。ストロボ66は、低照度であることが検出された場合や、撮影者によって発光が指示された場合に、駆動回路60によって発光される。
【0114】
撮像デバイス62の信号出力端には、アナログ信号処理部68、A/D変換器70、デジタル信号処理部72、メモリ74が順に接続されている。アナログ信号処理部68は、撮像デバイス62から出力された画像信号を増幅すると共に、増幅した画像信号に対してホワイトバランス等の補正を行う。アナログ信号処理部68から出力された画像信号は、A/D変換器70によってデジタルの画像データに変換されてデジタル信号処理部72へ入力される。デジタル信号処理部72では、入力された画像データに対して色補正・γ補正・Y/C変換等の各種処理を行う。デジタル信号処理部72から出力された画像データは、RAM等で構成されたメモリ74に一時記憶される。
【0115】
駆動回路60、アナログ信号処理部68、A/D変換器70、デジタル信号処理部72、メモリ74及び圧縮/伸張部76(後述)はバス78に接続されており、このバス78には、CPU80が接続されていると共に、電源スイッチ・シャッタスイッチ、メニュースイッチ等のスイッチ類から成る操作スイッチ82が各々接続されている。なお、図示は省略するが、CPU80はROM、RAM、不揮発性メモリ(不揮発性で記憶内容を書替え可能なメモリ:例えばEEPROM等)、入出力ポート等の周辺回路を含んで構成されており、ROMには、後述する設定更新処理を行うための設定更新プログラムが予め書き込まれている。
【0116】
なお、この設定更新プログラムは請求項11に記載のプログラムに対応しており、CPU80が設定更新プログラムを実行することで、DSC56は請求項9に記載の撮影装置として機能する。
【0117】
またメモリ74には、LCD等から成るディスプレイ84及び圧縮/伸張部76が各々接続されている。ディスプレイ84に画像を表示する場合、CPU80は、メモリ74に一時記憶されている画像データに対し、ディスプレイ84への表示用の画像データへ変換する画像表示処理を行った後にディスプレイ84へ転送する。これにより、メモリ74に一時記憶されている画像データが表す画像がディスプレイ84に表示される。
【0118】
また、圧縮/伸張部76には、不揮発性の内蔵メモリ86が接続されていると共に、DSC56のスロットに装填されたメモリカード88も接続される。シャッタボタン22が操作されてシャッタスイッチ56がオンされた等により、内蔵メモリ86又はスロットに装填されたメモリカード88への画像データの書き込みが指示された場合、CPU80はメモリ74に一時記憶されている画像データを読み出して圧縮/伸張部76へ転送する。これにより、画像データは圧縮/伸張部76で圧縮された後に所定の情報が付加され、所定の形式(例えばEXIF形式)の画像ファイルとして内蔵メモリ86又はメモリカード88に書き込まれる。
【0119】
また、スロットに装填されたメモリカード88に格納されている画像データが表す画像の再生(表示)が指示された場合には、メモリカードから画像データが読み出され、読み出された画像データが圧縮されて格納されていた場合には、該被圧縮画像データが圧縮/伸張部76で伸張(解凍)された後にメモリ74に一時記憶される。そして、メモリ74に一時記憶された画像データを用いてディスプレイ84への画像の表示(再生)が行われる。
【0120】
次に本第2実施形態の作用について、第1実施形態と異なる部分についてのみ説明する。先に説明した第1実施形態では、撮影シーン情報がデータセンタ16の写真関連情報DB40に記憶されている態様を説明したが、本第2実施形態では、個々のDSC56の不揮発性メモリに撮影シーン情報が記憶されている。また、第1実施形態では現像所14のコンピュータ26において、シーン解析・最適撮影モード等の判定、最優先撮影モード等を設定する制御情報の生成等の処理が行われる態様を説明したが、本第2実施形態に係るコンピュータ26では、上記で列挙した各処理のうちシーン解析のみが行われる。
【0121】
そして、シーン解析の結果は、現像所14のコンピュータ26からDPE受付店12のコンピュータ20へ送信され、顧客へ返却されるメモリカード52へコンピュータ20によって書き込まれる。このように、本第2実施形態において、現像所14のコンピュータ26は請求項9,11に記載の解析装置として機能する。
【0122】
続いて、シーン解析の結果が書き込まれたメモリカード52がDSC56のスロットに装填された等のタイミングで、DSC56のCPU80が設定更新プログラムを実行することで実現される設定更新処理について、図6のフローチャートを参照して説明する。
【0123】
ステップ200では、スロットに装填されたメモリカード52から、処理対象の画像についてのシーン解析結果を読み出す。次のステップ202〜ステップ216では、ステップ200で読み出したシーン解析結果に基づき、第1実施形態で説明したセットアップ/撮影シーン解析処理(図2)のステップ116〜130と同様の処理が行われる。すなわち、まずシーン解析結果に基づいて最適撮影モードを判定し(ステップ202)、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、判定した最適撮影モードのカウント値を更新する(ステップ204)。
【0124】
次に、セットアップ/撮影シーン解析処理(図2)のステップ120と同様にして、処理対象の画像に写し込まれているシーンが、ストロボを用いて撮影すべきシーンであるか否か判定し(ステップ206)、判定が肯定された場合は処理対象の画像に写し込まれているシーンの撮影に最適な発光モードを判定し(ステップ208)、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、判定した最適発光モードのカウント値を更新する(ステップ210)。
【0125】
続いて、処理対象の画像の露出レベルを認識し(ステップ212)、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、認識した露出レベルが属する露出レベル範囲のカウント値を更新し(ステップ214)、更に、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報のうち、撮影画像数累計のカウント値を更新する(ステップ216)。なお、上述したステップ200〜ステップ216は請求項9、11に記載の取得手段に対応している。
【0126】
次のステップ218では、第1実施形態で説明した制御情報生成処理(図3)のステップ142と同様に、撮影シーン情報のうちの「撮影画像数累計」から「設定更新時撮影画像数」を減算した値が所定値以上か否か判定する。「設定更新時撮影画像数」は設定更新処理によって更新される情報であり、初期値は0とされているので、当初は「撮影画像数累計」が所定値以上になる迄の間はステップ218の判定が否定され、ステップ220へ移行する。
【0127】
ステップ220では、メモリカード52にシーン解析結果が書き込まれている全ての画像について、上記の処理を行ったか否か判定する。判定が否定された場合はステップ200に戻り、ステップ200以降の処理を繰り返す。これにより、メモリカード52にシーン解析結果が書き込まれている全ての画像を対象として、ステップ200〜220の処理が繰り返されることになる。
【0128】
また、ステップ200〜220の処理が繰り返されている間にステップ218の判定が肯定されるとステップ222へ移行し、撮影シーン情報の「設定更新時画像数」に「撮影画像数累計」と同一の値を設定することで「設定更新時画像数」を更新する。従って、「撮影画像数累計」が所定値の整数倍に相当する数値になる毎にステップ218の判定が肯定され、次のステップ224以降の処理が行われる。
【0129】
次のステップ224〜240では、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報に基づきDSC56の設定を更新する。すなわち、まずDSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報を参照することで、度数(シーン数)が最大の撮影モードを判定し(ステップ224)、度数が最大の撮影モードが、DSC56における現在の最優先撮影モードに一致しているか否かを判定する(ステップ226)。判定が肯定された場合は何ら処理を行うことなくステップ230へ移行するが、判定が否定された場合には、DSC56における最優先の撮影モードを度数最大の撮影モードに変更設定する(ステップ228)。
【0130】
次に、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報を参照することで、度数(シーン数)が最大の発光モードを判定し(ステップ230)、度数が最大の発光モードが、DSC56における現在の最優先発光モードに一致しているか否かを判定する(ステップ232)。判定が肯定された場合は何ら処理を行うことなくステップ236へ移行するが、判定が否定された場合には、DSC56における最優先の発光モードを度数最大の発光モードに変更設定する(ステップ234)。
【0131】
続いて、DSC56の不揮発性メモリに記憶されている撮影シーン情報を参照することで、度数(シーン数)が最大の露出レベル範囲を判定し(ステップ236)、DSC56における現在の露出レベル目標値が、度数最大の露出レベル範囲に対応しているか否か判定する(ステップ238)。判定が肯定された場合は何ら処理を行うことなくステップ220へ移行するが、判定が否定された場合には、DSC56におけるデフォルトの露出レベル目標値を、度数最大の露出レベル範囲に対応する目標値に変更設定(ステップ240)した後に、ステップ220へ移行する。なお、上述したステップ222〜240は請求項9,11に記載の制御手段に対応している。
【0132】
上述したステップ222〜240の処理により、DSC56の設定のうち、最優先撮影モード、最優先発光モード及び露出レベルの目標値の少なくとも1つが、顧客がDSC56を用いて撮影するシーンの傾向に応じて(顧客がDSC56を用いて撮影する頻度の高いシーンに合致するように)自動的に変更設定されることになるので、第1実施形態と同様に、顧客にとってのDSC56の操作性を向上させることができる。
【0133】
なお、第2実施形態ではシーン解析の結果がメモリカード52に書き込まれ、当該メモリカード52がDSC56のスロットに装填されることで、DSC56によってシーン解析結果が取得される態様を例に説明したが、これに限定されるものではなく、DSC56に無線通信を行う機能を搭載し、例えば顧客の自宅に設置されると共に通信回線を介して現像所14のコンピュータ26と通信可能とされた無線LAN(ローカル・エリア・ネットワーク)を介し、DSC56が無線によりシーン解析結果を取得するように構成してもよい。
【0134】
また、第2実施形態では請求項9記載の発明に係る撮影装置としてDSC56を例に説明したが、これに限定されるものではなく、銀塩フィルムカメラ、デジタルビデオカメラ、携帯電話機やPDA等の携帯機器に付属するDSCを請求項9記載の発明に係る撮影装置として機能させることも可能である。
【0135】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の発明に係る撮影装置の制御装置は、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成するので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現できる、という優れた効果を有する。
【0136】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードを解析し、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するので、上記効果に加え、撮影モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる、という効果を有する。
【0137】
請求項4記載の発明は、請求項1記載の発明において、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適したストロボの発光モードを解析し、顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードの優先順位が高くなるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するので、上記効果に加え、ストロボの発光モードの設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる、という効果を有する。
【0138】
請求項5記載の発明は、請求項1記載の発明において、顧客により撮影されるシーンの傾向として、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさを解析し、撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値が、顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさに応じた値となるように撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成するので、上記効果に加え、露出レベルの目標値又は補正値の設定に関する撮影装置の操作性を向上させることができる、という効果を有する。
【0139】
請求項6記載の発明は、請求項1記載の発明において、生成された制御情報を、撮影装置に挿入可能で、撮影装置を用いて撮影された画像の画像データを記録するための記録媒体に書き込むので、上記効果に加え、撮影装置の設定を変更することを容易に実現できる、という効果を有する。
【0140】
請求項8記載の発明に係る撮影装置は、記憶手段に記憶されている設定情報に従って動作すると共に、請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の生成手段によって生成された制御情報が入力された場合に、記憶手段に記憶されている設定情報を入力された制御情報に応じて変更するので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現できる、という優れた効果を有する。
【0141】
請求項9記載の発明に係る撮影装置は、解析装置が撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を取得して記憶手段に記憶させ、複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を容易に実現できる、という優れた効果を有する。
【0142】
請求項10記載の発明に係るプログラムは、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する第1のステップ、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する第2のステップを含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラムであるので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる、という優れた効果を有する。
【0143】
請求項11記載の発明に係るプログラムは、撮影装置に内蔵されたコンピュータを、解析装置が撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を取得して記憶手段に記憶させる取得手段、記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、撮影装置の設定を顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段として機能させるためのプログラムであるので、撮影装置を用いた撮影における操作性の向上を実現することができる、という優れた効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る写真処理システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】セットアップ/撮影シーン解析処理の内容を示すフローチャートである。
【図3】制御情報生成処理の内容を示すフローチャートである。
【図4】(A)は制御情報書込処理の内容を示すフローチャート、(B)は案内書の一例を示すイメージ図である。
【図5】第2実施形態に係るDSCの電気系の概略構成を示すブロック図である。
【図6】第2実施形態に係るDSCで実行される設定更新処理の内容を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 写真処理システム
20 コンピュータ
22 メディアドライブ
26 コンピュータ
38 記憶装置
42 コンピュータ
50 DSC
52 メモリカード
Claims (11)
- 顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する解析手段と、
前記解析手段によって解析された前記シーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する生成手段と、
を含む撮影装置の制御装置。 - 前記解析手段は、前記撮影画像のデータとして、前記撮影画像の画像データ及び前記撮影画像の撮影時の撮影条件を表すデータの少なくとも一方に基づいて、前記シーンの傾向を解析することを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御装置。
- 前記解析手段は、前記撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に適した撮影モードを判断することを同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、前記顧客により撮影されるシーンの傾向として、前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードを解析し、
前記生成手段は、前記撮影装置に設けられている複数種の撮影モードのうち、前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した撮影モードの優先順位が高くなるように前記撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成することを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御装置。 - 前記解析手段は、前記撮影画像に写し込まれているシーンの撮影に適したストロボの発光モードを判断することを同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、前記顧客により撮影されるシーンの傾向として、前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードを解析し、
前記生成手段は、前記撮影装置に設けられているストロボの複数種の発光モードのうち、前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに適した発光モードの優先順位が高くなるように前記撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成することを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御装置。 - 前記解析手段は、前記撮影画像に写し込まれているシーンの明暗を判断することを、同一の顧客によって撮影された複数の撮影画像について各々行うことで、前記顧客により撮影されるシーンの傾向として、前記顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさを解析し、
前記生成手段は、前記撮影装置により撮影時に決定される露出レベルの目標値又は補正値が、前記顧客により撮影される頻度の高いシーンの明るさに応じた値となるように前記撮影装置の設定を変更するための制御情報を生成することを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御装置。 - 前記生成手段によって生成された制御情報を、前記撮影装置に挿入可能で、前記撮影装置を用いて撮影された画像の画像データを記録するための記録媒体に書き込む書込制御手段を更に備えたことを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御装置。
- 前記撮影画像は、DPE受付店を介して顧客から写真プリントの作成が依頼された画像であり、
前記生成手段によって生成された制御情報は、作成された写真プリントがDPE受付店で顧客へ引き渡される際に、同時に顧客へ渡されることを特徴とする請求項1記載の撮影装置の制御装置。 - 被写体を撮影して画像データへ変換する撮影手段と、設定情報を記憶するための記憶手段を備え、前記記憶手段に記憶されている設定情報に従って動作する撮影装置であって、
請求項1乃至請求項7の何れか1項記載の撮影装置の制御装置の前記生成手段によって生成された制御情報が入力された場合に、前記記憶手段に記憶されている設定情報を前記入力された制御情報に応じて変更する情報変更手段を更に備えたことを特徴とする撮影装置。 - 被写体を撮影する機能を備えた撮影装置であって、
顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて、解析装置が前記撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を前記解析装置より取得し、記憶手段に記憶させる取得手段と、
前記記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、解析したシーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段と、
を備えたことを特徴とする撮影装置。 - 顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた複数の撮影画像のデータに基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析する第1のステップ、
前記第1のステップで解析した前記シーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更するための制御情報を生成する第2のステップ
を含む処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。 - 被写体を撮影する機能を備えた撮影装置に内蔵されたコンピュータを、
顧客が撮影装置を用いて撮影することで得られた撮影画像のデータに基づいて、解析装置が前記撮影画像に写し込まれているシーンを解析した結果を前記解析装置より取得し、記憶手段に記憶させる取得手段、
前記記憶手段に記憶された複数の撮影画像のシーン解析結果に基づいて、前記顧客により撮影されるシーンの傾向を解析し、解析したシーンの傾向に基づき、前記撮影装置の設定を前記顧客により撮影される頻度の高いシーンに合致するように変更する制御手段
として機能させるためのプログラム。
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