JP2004054051A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】用紙が搬送ベルト11から分離する個所Bでの搬送ベルト表面電位をVB、用紙先端部が定着ベルト21に最初に接する個所Aでの定着ベルト表面電位をVA、定着ローラ24の表面電位をVCとするとき、VB≧VA≧VCであるように構成する。これにより、用紙が搬送ベルト11から定着ニップ部まで搬送される際に、用紙の表面電位が段階的に減少するので、用紙上の表面電位が急激に変動することを防止できる。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真あるいは静電記録方式等により記録媒体上に形成した未定着トナー像を、熱定着装置により記録媒体上に定着して永久画像を得る、例えばプリンタ、ファクシミリ、複写機等の画像形成装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置において、記録媒体(以下、用紙という)の両面に画像を形成できるように構成されたものがある。従来の両面記録可能な画像形成装置では、像担持体上に形成した一方の面の画像(顕画像)を用紙に転写して定着し、その用紙を反転路等により反転させ、再度給送して用紙の裏面にもう一方の面の画像(顕画像)を転写して定着させる方式が一般に使用されている。
【0003】
この方式による両面記録の場合、用紙の搬送方向切り換えや、片面画像の定着による用紙カールなどにより、用紙搬送の信頼性確保に多くの課題を有している。
これに対し、用紙の両面に未定着のトナー像を転写した後、1回で(同時に)定着を行う方式のものが各種提案されている。両面同時定着の際に、未定着トナー像を担持する用紙先端部を直接定着ニップ部に突入させる方法があるが、転写部(例えば転写搬送ベルト)から分離した用紙先端部の姿勢は紙種や環境等により大きく左右されるため、その姿勢制御に関しては実質的に不可能ということができる。また、用紙搬送路が垂直方向となるように構成し、未定着画像を担持する用紙を垂直下方にニップ部へと突入させる方法も提案されている(特開平9−274356号公報)が、これは用紙の姿勢制御に関して重力の影響だけを緩和させたことのみにすぎない。そこで定着ベルト等を用いて、未定着画像がその表裏両面に転写された用紙を案内させてニップ部へと搬送する方法が考えられ、ここで定着ベルトを帯電させて用紙を静電的に吸着させて案内させる技術が提案されている(特開2000−194217号公報)。
【0004】
この方法で記録材を吸着させる目的で定着ベルトを帯電させるには高い電圧を印可させる必要性があり,転写部から定着ベルト上に搬送されてきた記録材上の帯電電位との電位差次第では,記録材上に転写された未定着トナーに対して静電的外力を与えてしまい,画像劣化するといえる.また,定着ニップ部において記録材上の表面電位が高電位である際には,トナーが静電的に定着ローラ表面に付着してしまい,静電オフセット現象が発生してしまう.
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特開2000−194217号公報に記載されたものでは、用紙を吸着させる目的で定着ベルトを帯電させるには高い電圧を印可させる必要性があり、転写部から定着ベルト上に搬送されてきた用紙上の帯電電位との電位差次第では、用紙上に転写された未定着トナーに対して静電的外力を与えてしまい、画像を劣化させるという問題がある。
【0006】
また、定着ニップ部において用紙上の表面電位が高電位である場合には、トナーが静電的に定着ローラ表面に付着してしまい、静電オフセット現象が発生してしまうという問題もある。
【0007】
本発明は、従来の画像形成装置における上述の問題を解決し、両面同時定着における画像劣化を防止することのできる画像形成装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題は、本発明により、記録媒体の両面に顕像を転写可能な画像形成装置であって、ベルト定着装置と、未定着画像が転写された記録媒体を転写領域から前記定着装置へと搬送する搬送ベルトとを有する画像形成装置において、記録媒体が前記搬送ベルトから前記定着装置の定着ニップ部まで搬送される際に、記録媒体の表面電位を同電位に保持するよう構成したことにより解決される。
【0009】
また、前記の課題は、本発明により、記録媒体の両面に顕像を転写可能な画像形成装置であって、ベルト定着装置と、未定着画像が転写された記録媒体を転写領域から前記定着装置へと搬送する搬送ベルトとを有する画像形成装置において、記録媒体が前記搬送ベルトから前記定着装置の定着ニップ部まで搬送される際に、記録媒体の表面電位が段階的に減少するよう構成したことにより解決される。
【0010】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記ベルト定着装置が、定着ベルトと、該定着ベルトに圧接される定着部材とを有し、記録媒体が前記搬送ベルトから分離する個所での搬送ベルト表面電位をVB、記録媒体先端部が前記搬送ベルトから分離した後に前記定着装置の定着ベルトに最初に接する個所での定着ベルト表面電位をVA、前記ベルト定着装置の定着部材の表面電位をVCとするとき、VB≧VA≧VCであることを提案する。
【0011】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記搬送ベルトが掛け渡されるローラのうち、搬送ベルトからの記録媒体分離部に位置するローラの表面抵抗値をR5、前記定着ベルトが掛け渡されるローラのうち、前記搬送ベルトからの用紙受渡し部に最も近い位置にあるローラの表面抵抗値をR6、前記ベルト定着装置の定着部材の表面抵抗値をR4とするとき、R5≧R6≧R4であることを提案する。
【0012】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記定着ベルト表面を帯電させる帯電手段を設け、前記定着ベルトに、記録媒体の前記搬送ベルト側の面に転写された未定着画像と同極性の電荷を付与することを提案する。
【0013】
また、前記の課題を解決するため、本発明は、前記搬送ベルトが掛け渡されるローラのうち、搬送ベルトからの記録媒体分離部に位置するローラを搬送ベルトの駆動ローラとし、前記定着ベルトが掛け渡されるローラのうち、前記搬送ベルトからの用紙受渡し部に最も近い位置にあるローラを定着ベルトの駆動ローラとすることを提案する。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明が適用される画像形成装置の一例であるプリンタの概略を示す断面構成図である。
【0015】
この図に示すプリンタは、装置内のほぼ中央に感光体ドラム1を配置している。感光体ドラム1の周囲には、帯電装置2,現像装置3,クリーニング装置4等が配設されている。そして、感光体ドラム1の上方には露光装置5が設けられ、露光装置5より発せられるレーザ光が、帯電装置2と現像装置3の間の書き込み位置にて感光体1に照射される。
【0016】
感光体ドラム1の下方には中間転写ユニット10が配設されている。その中間転写ユニット10に隣接して定着装置20が配置されている。これらの下方の装置低部位置には、給紙カセット40が配置されている。
【0017】
このように構成された本例のプリンタにおいて、両面プリント物を得る際には、先ず裏面画像を感光体ドラム1上に形成し、これを中間転写ユニットの転写ベルト11上に転写し、ベルト上に未定着トナー像を担持したまま、1周させる。このとき、感光体ドラム1上には表面画像の形成が開始される。そして、給紙カセット40から用紙を給送し、その用紙の下面に転写ベルト11から裏面画像を、用紙上面に感光体ドラム1から表面画像を、それぞれ不図示の転写手段により転写する。これにより、用紙両面に未定着トナー像が転写される。
【0018】
表裏両面に未定着トナー像を転写された用紙は、転写ベルト11により図中左方に搬送され、定着装置20へと送られる。その定着装置20により、用紙両面の未定着トナー像が定着され、装置上面の排紙トレイ41に排出される。
【0019】
図2は、中間転写ユニット10及び定着装置20を詳しく示す拡大図である。この図に示すように、中間転写ベルトユニット10の転写ベルト11は支持ローラ12,13に掛け渡され、図中反時計回りに回転する。
【0020】
定着装置20は、支持ローラ22,23に掛け渡された定着ベルト21に、定着ローラ24が圧接されて構成されている。定着ローラ24及びこれに対向する支持ローラ22には、それぞれハロゲンヒータ等の加熱手段25,26が内蔵されている。
【0021】
未定着トナー像を担持した用紙Pは、支持ローラ12部で転写ベルト11から分離され、定着ベルト21に向かって進行する。その際、用紙先端部と定着ベルト21とが初めて接する箇所は図3におけるA地点である。定着ローラ24は対向するローラ22を介して定着ベルト21との間にニップを形成しており、ここで用紙上の未定着トナーが熱及び圧力を受けて定着される。定着ローラ24の構成としては、例えば鉄,アルミニウム,ジュラルミン等の金属製の芯金表層に例えばPFA,PTFEといったフッ素樹脂層が重ねられることでトナーの離型性を高めたものや、例えばシリコンゴム等の弾性層を中間層として用いたものが挙げられ、複数層から構成されている。また、芯金の外層として用いられるこれらの層の形成方法としては、チューブ型のものを被せる方法や塗装による方法が挙げられる。定着ローラ24と対向してニップ部を形成するためのローラ22としては、定着ローラ24と同様に金属製の芯金の外側に弾性層などの複数の層を有する構成とすることができる。
【0022】
また、転写ベルト11を支持するローラ12及び定着ベルト21を支持するローラ23の芯金に用いられる材質としては、鉄,アルミニウム,ジュラルミン等の金属製のものが挙げられ、各ベルトとの間にスリップを生じないように摩擦係数を高める目的でその最外層にシリコンゴム等の弾性層を設けることもある。
【0023】
定着ベルト21の材質としては,PI(ポリイミド),PBI(ポリベンゾイミダゾール)等の基材に、トナーの離型性を高めるためにPFA,PTFE等のフッ素樹脂の離型層を重ねたものや、中間層としてシリコンゴム等の弾性層を設けたもの、あるいは、基材自身にフッ素樹脂を分散させて離型性を高めたものが挙げられる。
【0024】
さて、本実施形態においては、未定着トナー像を担持する用紙Pが転写ベルト11から定着ニップ部まで搬送される際に、用紙上の表面電位がほぼ同じ電位に維持されるか、または、段階的に用紙上の表面電位が減少するように構成している。そのためには、転写ベルト11,定着ベルト21及び定着ローラ24の表面抵抗値がほぼ同等となるような部材によって転写ベルト11,定着ベルト21及び定着ローラ24を形成する。あるいは、転写ベルト11,定着ベルト21,定着ローラ24の順で表面抵抗値が低くなっていくような部材によって、それらを形成する。また、図4に示すように、転写ベルト11及び定着ベルト21のそれぞれのベルト裏面にアルミニウム等の導電性物質の薄膜層11a,21aを形成し、それぞれの薄膜層11a,21aと定着ローラ24の芯金24aとを導通させるとともに、両ベルト及び定着ローラ24をその表面抵抗値がほぼ同等値となる部材から作成するか、定着ローラ24,定着ベルト21,転写ベルト11の順に表面抵抗値が大きくなるような部材から形成する方法もある。
【0025】
このように、記録材の表面電位が転写部から定着ニップ部にいたるまでに同電位に保持するかまたは段階的に減じていくようにすることで、記録材上の表面電位が急激に変動することを抑止することができ、未定着画像の画像劣化を防止することができる。
【0026】
なお、定着装置としては、図5〜7に示すような構成のものを使用することもできる。
図5に示す定着装置20Bは、定着ベルト21を支持ローラ23と支持部材27とで支持張設したものである。定着ローラ24と対向する位置には、ニップを形成させるための加圧パッド28が設けられている。この加圧パッド28は、例えばシリコンゴム等の弾性部材で形成され、定着ベルト21を介して定着ローラ24に押し当てることでニップ部を形成する。加圧パッド28と定着ベルト21との間には、例えばシリコンオイル等を含浸させた例えば発泡体やフェルトやウェブといった摺動部材29を介在させても良い。この摺動部材29を用いることで、加圧パッド28と定着ベルト21との間の摩擦係数を低減させることができ、パッド及び定着ベルト内面の摩耗を低減させることができる。なお本例では、この加圧パッド28は加熱体を有するものとする。
【0027】
図6に示す定着装置20Cは、定着ローラ24に代えて、第2の定着ベルト31を有するものである。この定着ベルト31は支持ローラ32,33に張設されており、一方の支持ローラ32にはヒータ34が内蔵されている。定着ニップは、支持ローラ33と支持ローラ22とが対向圧接する部分に形成される。
【0028】
図7に示す定着装置20Dは、図6に示す定着装置20Cと同様に第2の定着ベルト31を有するものであって、一方側を支持ローラではなく支持部材27によって定着ベルト31を支持するようにしたものである。定着ニップは、支持部材27と支持ローラ22とが対向圧接する部分に形成される。支持部材27は図5のものと同様であり、加圧パッド28も図5のものと同様である。この加圧パッド28も加熱体を有するものとする。
【0029】
なお、図示はしないが、図6及び図7において、下方の定着ベルト21を支持するローラ22を、図5に示すもののように、支持部材27に代えた構成とすることもできる。その場合にはもちろん、加圧パッド28が設けられる。
【0030】
また、図2及び図5〜7に示す各構造の定着装置において、加熱手段26あるいは加熱パッド28に搭載させる発熱体としては、ハロゲンヒータのほか、面状発熱体等任意の方式のものを用いることができる。また、その発熱体は、定着部における少なくとも1つ以上のローラ内部、ローラ内周面あるいは加圧パッド28等に設けられるものとする。
【0031】
ところで、転写部から定着部へ用紙Pが搬送される際に用紙上の表面電位が減ずるよう、用紙Pが転写ベルト11から分離する箇所B(図3参照)と定着ベルト21に接触する箇所Aとの表面電位の関係を規定し、また、定着ニップ部に侵入する寸前での定着ローラ24(図6,7の構成では定着ベルト31)の表面電位の関係をも規定することにより,用紙または用紙上の未定着トナーに対して過大な静電的外力を与えることを低減させて画像劣化を防止することができる。
【0032】
すなわち、用紙Pが転写ベルト11から分離する箇所Bでの転写ベルト11の表面電位をVB,用紙先端部が転写ベルト11から分離した後に定着ベルト21に初めて接する箇所Aでの定着ベルト21の表面電位をVA,定着ベルト21とニップを形成する定着ローラ24(図6,7の構成では定着ベルト31)上の表面電位VCとした時に,
VB≧VA≧VC
となるように構成する。
【0033】
そのためには、転写ベルト11,定着ベルト21,定着ローラ24(図6,7の構成では定着ベルト31)それぞれの表面抵抗値がその順番に段階的に小さくなっていくように構成する方法が考えられる。また、それに、図4に示すような転写ベルト11及び定着ベルト21の裏面にアルミニウム等の導電性物質の薄膜層11a,21aを形成させてそれぞれの薄膜層と定着ローラ24の芯金24aとを導通させる方法を併用するようにしても良い。
【0034】
転写ベルト11,定着ベルト21,定着ローラ24の表面電位の関係を上記のようにVB≧VA≧VCとするためには、ベルトを支持するローラの表面抵抗値を規定することが考えられる。それは、ローラ表面電位がベルト表面電位に対して影響を及ぼす一因となり得るからである。
【0035】
すなわち、転写ベルト11を支持するローラのうち用紙分離箇所Bにあるローラ12の表面抵抗値をR5,定着ベルト21を支持するローラのうち用紙先端部が初めて定着ベルト21に接する箇所Aよりも定着ベルト回転方向の上流側にある支持ローラ23の表面抵抗値をR6,定着ベルト21とニップを形成する定着ローラ24(図6,7の構成では定着ベルト31)の表面抵抗値をR4とするとき、
R5≧R6≧R4
となるように、各部材の表面抵抗値を規定する。
【0036】
具体的には、ローラ芯金の外層に設けるシリコン等の弾性層や、PFA,PTFE等のフッ素樹脂離型層などにカーボン等の導電性の材料を分散・含有させて表面抵抗値を制御する方法などがある。
【0037】
また、図8に示すように、定着ベルト21を帯電させる帯電手段35を設ける方法もある。この帯電手段35は、定着ベルト21を支持する一方側の支持ローラ35に対向してベルト外周部に設けられている。定着ベルト21表面に電荷を付与するための手段としては、図示のようなベルト21に非接触な方式(チャージャタイプ)のほか、ベルト21に接触する方式(ブラシ、ローラ等)でも良い。そのような帯電手段により、定着ベルト21の外側から電荷を与える。その場合、対向電極としてローラ23の芯金23aが0V電位を保持するように接地(アース)する。定着ベルト21の帯電方法としては、例えば、定着ベルト21に接する面の用紙上に転写されたトナーと同じ帯電極性の電荷を与える方法が考えられる。帯電手段を設けて定着ベルト21を帯電させる構成は、図5〜7に示す各構造の定着装置にも適用可能である。
【0038】
ところで、転写ベルト11から定着ベルト21への用紙受渡し部は、図3におけるA部である。この用紙受渡し部において、転写ベルト11と定着ベルト21とに線速差がある場合には、受渡し時及び受渡し後定着ニップに進入するまでの間における各ベルトと用紙Pとのズレが発生し、用紙裏面に転写された未定着トナー像が乱れる場合がある。
【0039】
そこで、転写ベルト11及び定着ベルト21をそれぞれ駆動するローラは、用紙受渡し部に近い位置にあるローラ12とローラ23とした。図9に、ローラ12及びローラ23がそれぞれ駆動ローラであることを、ローラ内に二重丸印(駆動ギヤを示す)を付して示した。ローラ12及びローラ23を駆動ローラとすることにより、用紙受渡し部に近いローラにより転写ベルト11及び定着ベルト21が駆動されることになり、用紙受渡し部での線速差解消に有利である。
【0040】
ローラ12及びローラ23を共通の駆動源により駆動すると、転写ベルト11と定着ベルト21の線速差をほぼゼロにすることが容易である。また、別の駆動源により駆動する場合でも、ローラ12及びローラ23の回転各速度が等しくなるように各駆動源を制御することによっても、転写ベルト11と定着ベルト21の線速差をほぼゼロにすることができる。
【0041】
なお、ローラ12及びローラ23の外側にはそれぞれベルトがあるため、線速制御の際にはベルト厚さも考慮して、各ベルト表面上での線速が同じになるように制御する必要がある。
【0042】
また、ローラ12及びローラ23と各ベルトとの間にスリップが生じると各ベルト線速に誤差が生じるので、ローラとベルトのスリップが発生しないよう、ローラ12及びローラ23の表面と各ベルト裏面との間の摩擦係数を高めると好適である。例えば、各ローラの最外層にシリコーンゴム等の弾性層を用いる構成、各ローラの最外層にサンドブラスト等の表面処理を施した構成、それらと同時に、各ベルト裏面にも同様の処理を施す構成などが考えられる。
【0043】
以上、本発明を図示例により説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、種々の変形が可能である。
例えば、用紙両面に画像を形成する方式としては、複数の担持体からそれぞれ用紙の各面にトナー像を転写する方式とすることも可能である。また、中間転写体を複数備え、2つの中間転写体から用紙両面にそれぞれトナー像を転写する方式とすることも可能である。
【0044】
また、定着手段の加熱方式としては、抵抗発熱体等による表面発熱方式、あるいは誘導加熱方式等を採用することも可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の画像形成装置によれば、記録媒体が前記搬送ベルトから前記定着装置の定着ニップ部まで搬送される際に、記録媒体の表面電位を同電位に保持するよう構成したので、記録媒体上の表面電位が急激に変動することを防止でき、未定着画像の乱れによる画像劣化を防ぐことができる。
【0046】
請求項2の構成により、記録媒体が前記搬送ベルトから前記定着装置の定着ニップ部まで搬送される際に、記録媒体の表面電位が段階的に減少するよう構成したので、記録媒体上の表面電位が急激に変動することを防止でき、未定着画像の乱れによる画像劣化を防ぐことができる。
【0047】
請求項3の構成により、記録媒体が前記搬送ベルトから分離する個所での搬送ベルト表面電位をVB、記録媒体先端部が前記搬送ベルトから分離した後に前記定着装置の定着ベルトに最初に接する個所での定着ベルト表面電位をVA、前記ベルト定着装置の定着部材の表面電位をVCとするとき、VB≧VA≧VCであるので、記録媒体または記録媒体上の未定着画像に対して過大な静電的外力を与えることがなく、画像劣化を防止することができる。
【0048】
請求項4の構成により、前記搬送ベルトが掛け渡されるローラのうち、搬送ベルトからの記録媒体分離部に位置するローラの表面抵抗値をR5、前記定着ベルトが掛け渡されるローラのうち、前記搬送ベルトからの用紙受渡し部に最も近い位置にあるローラの表面抵抗値をR6、前記ベルト定着装置の定着部材の表面抵抗値をR4とするとき、R5≧R6≧R4であるので、搬送ベルト,定着ベルト,定着部材の表面電位を簡単な構成で規定することができ、過大な静電的外力による画像劣化を防止することができる。
【0049】
請求項5の構成により、定着ベルト表面を帯電させる帯電手段を設け、前記定着ベルトに、記録媒体の前記搬送ベルト側の面に転写された未定着画像と同極性の電荷を付与するので、定着ベルト上に記録媒体が移った際に記録媒体裏面と定着ベルトとが静電的に吸着するため、両者間でのズレが抑制され、記録媒体裏面の画像劣化を防止することができる。また、記録媒体の搬送性を向上させる。
【0050】
請求項6の構成により、搬送ベルトからの記録媒体分離部に位置するローラを搬送ベルトの駆動ローラとし、搬送ベルトからの用紙受渡し部に最も近い位置にあるローラを定着ベルトの駆動ローラとするので、用紙受渡し部での線速差解消を図ることができ、記録媒体裏面の画像劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される画像形成装置の一例であるプリンタの概略を示す断面構成図である。
【図2】そのプリンタにおける、中間転写ユニット及び定着装置を詳しく示す拡大図である。
【図3】搬送ベルトから定着ベルトへの用紙受渡し部を説明するための模式図である。
【図4】転写ベルト及び定着ベルトの裏面に導電性物質を設けた構成を説明するための模式図である。
【図5】構成の異なる定着装置例を示す断面図である。
【図6】さらに構成の異なる定着装置例を示す断面図である。
【図7】さらに構成の異なる定着装置例を示す断面図である。
【図8】定着ベルトを帯電させる帯電手段を設けた例を示す断面図である。
【図9】転写ベルト及び定着ベルトの駆動ローラを例示するための断面図である。
【符号の説明】
1 感光体ドラム
10 中間転写ユニット
11 転写ベルト
12,13 支持ローラ
20 定着装置
21 定着ベルト
22,23 支持ローラ
24 定着ローラ(定着部材)
25,26 加熱手段
28 加圧パッド
31 第2の定着ベルト(定着部材)
40 給紙カセット
41 排紙スタック部
Claims (6)
- 記録媒体の両面に顕像を転写可能な画像形成装置であって、ベルト定着装置と、未定着画像が転写された記録媒体を転写領域から前記定着装置へと搬送する搬送ベルトとを有する画像形成装置において、
記録媒体が前記搬送ベルトから前記定着装置の定着ニップ部まで搬送される際に、記録媒体の表面電位を同電位に保持するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 記録媒体の両面に顕像を転写可能な画像形成装置であって、ベルト定着装置と、未定着画像が転写された記録媒体を転写領域から前記定着装置へと搬送する搬送ベルトとを有する画像形成装置において、
記録媒体が前記搬送ベルトから前記定着装置の定着ニップ部まで搬送される際に、記録媒体の表面電位が段階的に減少するよう構成したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記ベルト定着装置が、定着ベルトと、該定着ベルトに圧接される定着部材とを有し、
記録媒体が前記搬送ベルトから分離する個所での搬送ベルト表面電位をVB、記録媒体先端部が前記搬送ベルトから分離した後に前記定着装置の定着ベルトに最初に接する個所での定着ベルト表面電位をVA、前記ベルト定着装置の定着部材の表面電位をVCとするとき、
VB≧VA≧VC
であることを特徴とする、請求項1または2に記載の画像形成装置。 - 前記搬送ベルトが掛け渡されるローラのうち、搬送ベルトからの記録媒体分離部に位置するローラの表面抵抗値をR5、前記定着ベルトが掛け渡されるローラのうち、前記搬送ベルトからの用紙受渡し部に最も近い位置にあるローラの表面抵抗値をR6、前記ベルト定着装置の定着部材の表面抵抗値をR4とするとき、
R5≧R6≧R4
であることを特徴とする、請求項3に記載の画像形成装置。 - 前記定着ベルト表面を帯電させる帯電手段を設け、前記定着ベルトに、記録媒体の前記搬送ベルト側の面に転写された未定着画像と同極性の電荷を付与することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
- 前記搬送ベルトが掛け渡されるローラのうち、搬送ベルトからの記録媒体分離部に位置するローラを搬送ベルトの駆動ローラとし、
前記定着ベルトが掛け渡されるローラのうち、前記搬送ベルトからの用紙受渡し部に最も近い位置にあるローラを定着ベルトの駆動ローラとすることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成装置。
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008299289A (ja) * | 2007-06-04 | 2008-12-11 | Ricoh Co Ltd | 定着装置、画像形成装置、及び画像形成システム |
JP2009169029A (ja) * | 2008-01-15 | 2009-07-30 | Sharp Corp | 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置 |
-
2002
- 2002-07-22 JP JP2002212922A patent/JP2004054051A/ja active Pending
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