JP2004053589A - 回転状態検出装置および転動装置 - Google Patents

回転状態検出装置および転動装置 Download PDF

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Hiroo Ishikawa
石川 寛朗
Mamoru Aoki
青木 護
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Abstract

【課題】単一のセンサを用いて回転部材の回転速度、回転方向および絶対角度を同時に検出可能な簡易な構造を有する回転状態検出装置およびこの回転検出装置を備えた転動装置を提供する。
【解決手段】静止部材1に取り付けられたセンサ20と、静止部材1に対して回転する回転部材2に取り付けられ、センサ20と対向するセンサ対向面10aを備えたエンコーダ10とを有する回転状態検出装置において、エンコーダ10のセンサ対向面10aとセンサ20間の距離は、位置により変化しており、センサ20は、前記距離の変化を測定することにより回転部材2の回転状態を測定することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、軸受等の転動装置の回転速度、回転方向および回転角度を同時に検出する回転状態検出装置、およびこの回転状態検出装置を備えた軸受および直動装置等の転動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、回転状態検出装置は、軸受等の回転体の回転速度、回転方向、または回転角度を検出するために用いられている。回転状態検出装置は、回転体外に設けられた回転センサと、回転体表面に周期的に配置された被検出物とからなる。回転センサは、被検出物の検出周期と既知の被検出物の配置周期に基づき回転体の回転速度、回転方向または回転角度を算出する。
【0003】
この種の軸受としては、旋回角度検出器を備えた旋回軸受が考案されている。この旋回角度検出器は、軌道輪である内輪および外輪にそれぞれ取り付けられたスケールとセンサからなる。スケールは、軸の周方向に沿って交互に配列されたN極およびS極を有する。センサは、N極およびS極の磁力を検知してパルス信号を検出し、パルス信号の数をカウントする。信号変換手段は、パルス信号数に応じてパルス信号を角度データに変換し、角度データを表示する(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
また、軸受の回転輪に設けられた格子パターンと、格子パターンに対向して設けられた複数のLEDと、光源から出射され前記パターンによって変化した光を検出するための複数のPDと、からなる回転角度検出器付軸受が開示されている。複数のLEDからの出射光は、それぞれ格子パターン上に光スポットを形成する。光スポットは、格子パターンの暗部と明部により反射光強度が周期的に変化する。複数のPDは、これら反射光強度の変化をそれぞれ観測し、観測結果に応じて軸の回転角度を算出する(例えば、特許文献2参照。)。
【0005】
さらに、回転状態検出装置として、接触型の回転角度検出装置が開示されている。この回転角度検出装置は、外輪の端面に設けられた絶縁体層と、絶縁体層上に設けられた導体パターンと、内輪上に設けられ、導体パターンと対向する接触子と、からなる。接触子は、回転体の回転に伴い、導体パターンと絶縁体に交互に接触する。導体パターンは、接触子との接触により短絡し導通する。回転角度検出装置は、導体パターンと接触子との導通の有無を用いて、回転体の絶対角度を検出する(例えば、特許文献3参照。)。
【0006】
また、回転体の円周上に配置された磁石と、回転体近傍に配置され磁石が形成する磁束を検出する単一の磁気センサとからなる回転検出装置が開示されている。回転体にはN極、S極および極無しの組が複数個順に設けられ、磁気センサはN極、S極、極無しの磁力を検出することにより回転体の回転速度を検出する。あわせて磁気センサは、磁極の検出順序(「N極−S極−極無し」または「極無し−S極−N極」)に基づき回転体の回転方向を測定する(例えば、特許文献4参照。)。
【0007】
【特許文献1】
特開平9―42994号公報
【特許文献2】
特開平7―218239号公報
【特許文献3】
特開平7−218248号公報
【特許文献4】
特開2000−346673号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、特許文献1に開示の旋回角度検出器付旋回軸受は、単一のセンサを用いた場合、回転速度と回転角度を検出可能であるが、同時に回転方向を検出することは不可能である。従って、回転速度、回転角度および回転方向を同時に検出するためには、別途センサを設けなければならない。センサの増設は、軸受にセンサの取付スペースを要求し、軸受のコンパクト化が困難になる。さらに、2つのセンサを設けるため、軸受の組み付け性が悪化し、コストアップにもつながる。
【0009】
また、特許文献2に開示の軸受は、複数のセンサを用いることを前提としているものである。従って、軸受に複数のセンサの取付スペースを設けなければならず、軸受のコンパクト化が困難になる。さらに、複数のセンサの設置は、軸受の組み付け性を悪化させるため、製造コストの上昇にもつながる。
また、特許文献3に開示の回転体は、特殊な導電パターン絶縁層上に形成しなければならないため、製造コストが高くなることが予想される。
【0010】
一方、特許文献4に開示の回転検出装置は、単一の磁気センサを用いて回転体の回転速度とともに回転方向を同時に測定可能であるため、別センサを設ける必要が無く、軸受の小型化に有利である。
【0011】
しかしながら、従来の回転状態検出装置がパルスから得る回転角度の情報は、回転開始前の角度を基準とした相対回転角度である。よって、絶対角度は、得られた相対回転角度から基準となる角度を考慮して計算される。
このため、回転開始前の角度を保存しているメモリの故障または交換等の理由により、回転開始時の角度情報が失われた場合には、基準となる角度を再設定しない限り、上述の装置は絶対角度を算出することができないという問題点があった。
【0012】
本発明は、上記課題を鑑みて為されたものであり、単一のセンサを用いて回転体の回転速度、回転方向および絶対角度を同時に検出可能な簡易な構造を有する回転状態検出装置およびこの回転状態検出装置を備えた転動装置を提供することをその目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載の回転状態検出装置は、静止部材に取り付けられたセンサと、静止部材に対して回転する回転部材に取り付けられ、センサと対向するセンサ対向面を備えたエンコーダとを有し、前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の距離は、位置により変化しており、前記センサは、前記距離の変化を測定することにより回転部材の回転状態を測定することを特徴とする。
【0014】
請求項1記載の回転状態検出装置によれば、エンコーダとセンサ対向面間の距離が位置により異なっている。従って、センサはエンコーダとの距離の変化を測定することにより、簡易な構成で回転速度、回転方向、絶対角度を判断することが可能となる。また、本構成の場合、必要とされるセンサは、一つで良いため、構成を簡易なものとし、装置の低コスト化を図ることが可能となる。
【0015】
エンコーダには、複数のセンサ対向面を形成し、センサとの距離は、センサ対向面毎に異なるようにしてもよい。この場合、センサは、センサ対向面毎の距離の違いを測定することにより、簡易な構成で回転速度、回転方向、絶対角度を判断することが可能となる。
【0016】
また、前記エンコーダは、前記センサ対向面のそれぞれに一列に設けられた複数の着磁領域を有するようにしてもよい。この場合は、センサとして磁気センサを用いることにより、表面形状を容易に識別することが可能となる。
【0017】
前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の前記距離は、漸増もしくは漸減するように構成しても良い。この場合は、距離と角度の関係が容易に理解されるため、絶対角度の識別のための構成が簡素化できる。
【0018】
また、前記複数の着磁領域は、交互に配置された複数のN極およびS極から構成されるようにしても良い。これにより、センサ対向面間の区別をさらに容易にすることが可能となる。
【0019】
前記エンコーダは、回転部材の軸方向または径方向に前記センサと対向させることが可能である。これらは、回転部材、固定部財投の形状に応じて選択すればよく、設計の幅を拡げることが可能となる。
【0020】
前記センサもしくはエンコーダ、またはそれらの周辺部材の温度を測定する温度測定部をさらに設けても良い。温度測定部を設けることにより、温度に依存した検出値の変化を知ることが可能となり、適切な補正を加えながら測定を行うことが可能となる。
【0021】
前記エンコーダと前記センサを封止するシール部材をさらに設けても良い。エンコーダとセンサを封止することにより、外界の影響をあまり意識することなく、正確な測定を行うことが可能となる。
【0022】
本発明の請求項11〜20記載の転動装置は、静止部材と、静止部材に対して回転する回転部材と、静止部材に取り付けられたセンサと、回転部材に取り付けられ、センサと対向するセンサ対向面を備えたエンコーダとを有し、前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の距離は、位置により変化しており、前記センサは、距離の変化を測定することにより回転部材の回転状態を測定することを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項11〜20記載の転動装置は、請求項1〜9記載の回転状態検出装置を一般的な転動装置に組み込んだものである。請求項1〜9記載の回転状態検出装置が組み込まれた転動装置は、エンコーダとセンサ対向面間の距離が位置により異なっている。従って、センサはエンコーダとの距離の変化を測定することにより、簡易な構成で回転速度、回転方向、絶対角度を判断することが可能となる。また、本構成の場合、必要とされるセンサは、一つで良いため、構成を簡易なものとし、装置の低コスト化を図ることが可能となる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明の第1〜11実施形態を詳細に説明する。
【0025】
(第1実施形態)
以下、図1〜5を参照しながら、本発明の第1実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係る回転検出装置が組み込まれた転動装置としての深溝玉軸受を示す。深溝玉軸受は、外輪3、内輪4、転動体である複数のボール7、シールリング8および保持器9を有する。
【0026】
外輪3は、静止部材であるハウジング1の内周面1aに固定されている。外輪3は、炭素鋼等の金属材に鍛造加工等を施し製造されている。外輪3は、ボール7をガイドする外輪軌道5を内周面に有する。
【0027】
内輪4は、外輪3と同様に、炭素鋼等の金属材に鍛造加工等を施し製造されている。内輪4は、回転部材である軸2の外周面2aに外嵌している。内輪4は、外輪3の外輪軌道5に対応して、ボール7をガイドする外輪軌道6を外周面に有する。内輪4は、軸2の回転に伴い、軸2と一体に回転する。
【0028】
ボール7は、外輪3の外輪軌道5と内輪4の内輪軌道6との間に一列に配列されている。ボール7は、軸2の回転に伴う内輪4の回転に従い、外輪軌道5および内輪軌道6に沿って転動する。
【0029】
シールリング8は、外輪3と内輪4の間のボール7を収納する空間の両端開口部を塞いで封止している。シールリング8は、外部からボール収容空間へのごみ、水分、異物等の侵入、およびボール収容空間から潤滑剤の流出を防止している。シールリング8は、それぞれ外輪3の内周面に形成された固定部3bで固定されている。
【0030】
保持器9は、ボール7を転動自在に外輪軌道5と内輪軌道6との間に保持している。保持器9としては、鋼板の打ち抜き保持器、もみ抜き保持器等を使用することができる。
【0031】
軸2の外周面2a上には、円環形状のエンコーダ保持部材11が立設されている。エンコーダ保持部材11は、軸2の外周面2aからハウジング1の方向、即ち軸2の外径方向に延出している。エンコーダ保持部材11の軸方向側面上には、軸方向にエンコーダ10が配置されている。
【0032】
一方、ハウジング1の内周面1a上には、センサ保持部材21が立設されている。センサ保持部材21は、ハウジング1の内周面1aから軸2の方向、即ちハウジング1の内径方向に延出している。センサ保持部材21の軸方向側面上には、単一のセンサ20が配置されている。センサ20は、軸方向にエンコーダ10と対向している。
【0033】
図2は、エンコーダ10を示す平面図であり、図3は、その部分拡大斜視図である。エンコーダ10は、径方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ10は、階段形状を為す複数のセンサ対向面10aと、フラット形状を為すエンコーダ取付部材接地面10bを有する。エンコーダ10は、エンコーダ取付部材接地面10bでエンコーダ取付部材11に取り付けられている。エンコーダ取付部材接地面10bの法線方向は、軸方向と同一である。
【0034】
図3に示すように、複数のセンサ対向面10aは、軸方向高さh1を有する段差によって周方向に仕切られて形成されている。段差は、中心Oから角度θ0毎に形成され、エンコーダのセンサ対向面を角度θ0毎に周方向に分割している。したがって、エンコーダ取付部材接地面10bからセンサ対向面10aまでの高さHは、角度θ0毎にh1増加している。
【0035】
従って、エンコーダ10の軸方向高さHは、もっともエンコーダ取付部材接地面10bから近いセンサ対向面10aを基準として、もっとも遠いセンサ対向面10aまで角度θ0毎に、h1ずつ単調増加する。なお、本実施形態においては、エンコーダ取付部材接地面10bにもっとも近いセンサ対向面10aの隣には、エンコーダ取付部材接地面10bからもっとも遠いセンサ対向面10aが配置されている。また、本実施形態では、高さHがセンサ側から見て反時計回りにh1ずつ増加するようにエンコーダ10を配置している。従って、エンコーダ10とセンサ20との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面10aの形状に従って変化する。エンコーダ10とセンサ20との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、各センサ対向面10aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0036】
センサ20は、エンコーダ10のセンサ対向面10aと軸方向に対向している。センサ20は、エンコーダ10のセンサ対向面10aとセンサ20間の距離の変位を測定する光または超音波を利用した変位センサである。センサ20は、光または超音波をエンコーダ10のセンサ対向面10aに向けて出力する。出力された光または超音波は、センサ対向面10aにて反射される。センサ20は、この反射された光または超音波を受信し、センサ対向面の形状の変位を測定する。センサ20は、検出した距離データを、ケーブル22を介して、図示せぬ制御回路に出力する。
【0037】
図4は、センサ20によって検出された出力信号を示すグラフである。図4において、縦軸は出力信号の強度、横軸は時間である。図4では、波線が出力信号を示している。出力信号の大きさは、センサからの距離に対応し、近いほど強度が大きい。ここで、図4中最左端にあるパルスは、もっともエンコーダ取付部材接地面10bに近いセンサ対向面10aとセンサ20とが対向している場合の検出値のパルスを示す。図4によれば時間の経過と共に、パルスピークの強度が階段状に単調増加していることが分かる。
【0038】
先述の通り、本実施形態では、エンコーダ10は、センサ20から見て反時計回りに高さ寸法Hが漸増するように設けられている。従って、図4の場合、制御回路は、エンコーダ10、即ち軸2がセンサから見て時計回りに回転していると判断する。
【0039】
図4に示されるように、センサ20の出力は、センサ20にもっとも近接したセンサ対向面10aにより反射された信号を最大ピークとしてもつ。制御回路は、この最大ピークをカウントし、単位時間当たりに得られる最大ピークの数を基に軸2の回転速度を算出する。
【0040】
さらに、制御回路は、パルスの強度を基に、軸の絶対角度を決定する。本実施形態の場合、センサ20の出力は、エンコーダ10の形状に従って階段形状となる。制御回路は、各形状の絶対角度と検出値を関連づけて記憶している。そして、制御回路は、検出値に応じて軸がどの角度に向けられているかを判断する。これにより、角度分解能θ0の範囲で軸2の絶対角度の検出を行うことが可能である。
【0041】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ10とセンサ20が軸方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ10は、センサ20との距離が単調増加または単調減少するように形成されたセンサ対向面10aを有する。センサ20は、光または超音波を利用した変位センサからなる。センサ20は、センサ対向面10aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ20を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0042】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0043】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0044】
なお、本実施形態においては、センサ20は、光または超音波を利用した変位センサからなるとした。しかし、センサ対向面10aとセンサ20との間の距離の変位を測定可能なセンサであれば良く、これに特に限定されない。センサ20としては、例として、磁気センサ、磁場と渦電流の相互作用を利用したセンサなどが考えられる。磁気センサを用いる場合には、エンコーダを磁性体とする。渦電流を利用したセンサの場合には、エンコーダを金属材料等の強磁性体とする必要がある。
【0045】
(第2実施形態)
以下に、図5を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。ここでは、第1実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0046】
本実施形態では、図1において、エンコーダ保持部材11の軸方向側面上には、エンコーダ15が配置されている。一方、センサ保持部材21の軸方向側面上には、単一のセンサ25が配置されている。センサ25は、軸方向にエンコーダ15と対向している。
【0047】
図5は、本発明の第2実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ15の部分拡大斜視図である。本実施形態において、エンコーダ15は、エンコーダ10同様に、センサ25に対向して配置されている。
【0048】
エンコーダ15は、径方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ15は、階段形状を為す複数のセンサ対向面15aと、フラット形状を為すエンコーダ取付部材接地面15bを有する。エンコーダ15は、エンコーダ取付部材接地面15bでエンコーダ取付部材11に取り付けられている。エンコーダ取付部材接地面15bの法線方向は、軸方向と同一である。
【0049】
図5に示すように、複数のセンサ対向面15aは、軸方向高さh1を有する段差によって周方向に仕切られて形成されている。段差は、中心Oから角度θ0毎に形成され、エンコーダのセンサ対向面を角度θ0毎に周方向に分割している。したがって、エンコーダ取付部材接地面15bからセンサ対向面15aまでの高さHは、角度θ0毎にh1増加している。
【0050】
従って、エンコーダ15の軸方向高さHは、もっともエンコーダ取付部材接地面15bから近いセンサ対向面15aを基準として、もっとも遠いセンサ対向面15aまで角度θ0毎に、h1ずつ単調増加する。なお、本実施形態においては、エンコーダ取付部材接地面15bにもっとも近いセンサ対向面15aの隣には、エンコーダ取付部材接地面15bからもっとも遠いセンサ対向面15aが配置されている。また、本実施形態では、高さHがセンサ側から見て反時計回りにh1ずつ増加するようにエンコーダ15を配置している。従って、エンコーダ15とセンサ25との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面15aの形状に従って変化する。エンコーダ15とセンサ25との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、各センサ対向面15aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0051】
エンコーダ15のセンサ対向面15aには、それぞれN極37が配置されている。N極37を構成する着磁領域は、それぞれ一定の磁束密度を有する。N極37は、その周囲に各々が持つ極性と磁束密度に応じた強度の磁場を形成する。従って、エンコーダ15の周囲には、N極37の磁束密度に応じた磁場が形成されている。
【0052】
エンコーダ15の材料としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウム・コバルト磁石、ネオジウム・鉄・ボロン磁石、または各種磁石粉末を用いてプラスチックなどを混合して成形して固めたボンド磁石等を用いることができる。各着磁領域の磁束密度は均一でなければならないため、磁束密度の調整が容易なボンド磁石の使用が好ましい。ここでは、フェライト粉入りのプラスチックまたは希土類材料からなるボンド磁石を使用する。なお、磁石の磁力は、温度に依存して変化する。
【0053】
センサ25は、エンコーダ15のセンサ対向面15aに軸方向に対向している。センサ25は、エンコーダ15のセンサ対向面15aとセンサ25間の距離の変位を測定する磁気センサである。本実施形態では、ホール素子またはコイル等の磁場を検出することが可能な磁気センサ、特に、ホール素子を用いた場合を例に説明する。ホール素子とは、ホール素子を横切る磁束の強度と方向に応じて出力信号としての電流を発生する素子である。
【0054】
センサ25は、エンコーダ15の各N極37が形成した磁場を感知する。N極37が形成する磁場の強度は、N極37とエンコーダ15のセンサ対向面15aの距離が近くなるにつれ大きくなり、一方、その距離が遠くなるにつれ小さくなる。センサ25は、この磁場の強度の変化を感知し、ケーブル22を介して、図示せぬ制御回路に検出値を出力する。
【0055】
センサ25によって検出された出力信号は、図4に示される。図4では、実線が出力信号を示している。出力信号の大きさは、検出する磁束の強度に比例し、出力信号の正負は、磁束の方向によって決定される。ここで、図4中最左端にあるパルスは、もっともエンコーダ取付部材接地面15bに近いセンサ対向面15aとセンサ25とが対向している場合の検出値のパルスを示す。図4によれば時間の経過と共に、パルスピークの強度が略階段状に単調増加していることが分かる。
【0056】
先述の通り、本実施形態では、エンコーダ15は、センサ25から見て反時計回りに高さ寸法Hが増加するように設けられている。従って、図4の場合、制御回路は、エンコーダ15、即ち軸2がセンサから見て時計回りに回転していると判断する。
【0057】
図4に示されるように、センサ25の出力は、センサ25にもっとも近接したセンサ対向面15aにより反射された信号を最大ピークとしてもつ。制御回路は、この最大ピークをカウントし、単位時間当たりに得られる最大ピークの数を基に軸2の回転速度を算出する。
【0058】
さらに、制御回路は、パルスの強度を基に、軸の絶対角度を決定する。本実施形態の場合、センサ25の出力は、エンコーダ15の形状に従ってほぼ階段形状となる。制御回路は、各形状の絶対角度と検出値を関連づけて記憶している。そして、制御回路は、検出値に応じて軸がどの角度に向けられているかを判断する。これにより、角度分解能θ0の範囲で軸2の絶対角度の検出を行うことが可能である。
【0059】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ15とセンサ25が軸方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ15は、センサ25との距離が単調増加または単調減少するように形成されたセンサ対向面15aを有する。センサ25は、磁気センサから構成され、そしてセンサ対向面15aにはN極37が配置されている。センサ25は、センサ対向面15aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ25を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0060】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0061】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0062】
本実施形態では、センサ対向面15aには、N極のみが配置されているため、検出されるピークの値がフラット形状となる。従って、ピーク値が一点のみである場合と比べ、ピーク検出エラー発生率が小さくなり、より信頼性の高い検出を行うことが可能となる。
【0063】
また本実施形態では、エンコーダ15のセンサ対向面をN極から構成するようにしたが、エンコーダ15のセンサ対向面をS極から構成しても良い。この場合、出力信号の正負が逆になるだけで、回転速度、回転方向および絶対角度の検出方法は、本実施形態の方法と同一である。
【0064】
(第3実施形態)
以下に、図6及び7を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。ここでは、第1および2実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0065】
本実施形態では、図1において、エンコーダ保持部材11の軸方向側面上には、エンコーダ16が配置されている。一方、センサ保持部材21の軸方向側面上には、単一のセンサ25が配置されている。センサ25は、軸方向にエンコーダ16と対向している。
【0066】
図6は、本発明の第3実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ16の部分拡大斜視図である。本実施形態において、エンコーダ16は、エンコーダ10および15と同様に、センサ25に対向して配置されている。
【0067】
エンコーダ16は、径方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ16は、階段形状を為す複数のセンサ対向面16aと、フラット形状を為すエンコーダ取付部材接地面16bを有する。エンコーダ16は、エンコーダ取付部材接地面16bでエンコーダ取付部材11に取り付けられている。エンコーダ取付部材接地面16bの法線方向は、軸方向と同一である。
【0068】
図6に示すように、複数のセンサ対向面16aは、軸方向高さl1を有する段差によって周方向に仕切られて形成されている。段差は、中心Oから角度θ0毎に形成され、エンコーダのセンサ対向面を角度θ0毎に周方向に分割している。したがって、エンコーダ取付部材接地面16bからセンサ対向面16aまでの高さHは、角度θ0毎にl1増加している。
【0069】
従って、エンコーダ16の軸方向高さLは、もっともエンコーダ取付部材接地面16bから近いセンサ対向面16aを基準として、もっとも遠いセンサ対向面16aまで角度θ0毎に、l1ずつ単調増加する。なお、本実施形態においては、エンコーダ取付部材接地面16bにもっとも近いセンサ対向面16aの隣には、エンコーダ取付部材接地面16bからもっとも遠いセンサ対向面16aが配置されている。また、本実施形態では、高さLがセンサ側から見て反時計回りにl1ずつ増加するようにエンコーダ16を配置している。従って、エンコーダ16とセンサ25との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面16aの形状に従って変化する。エンコーダ16とセンサ25との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、各センサ対向面16aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0070】
エンコーダ16のセンサ対向面16aには、複数のN極37およびS極38が交互に配置されている。N極37およびS極38を構成する着磁領域は、それぞれ一定の磁束密度を有する。N極37およびS極38は、その周囲に各々が持つ極性と磁束密度に応じた強度の磁場を形成する。従って、エンコーダ16の周囲には、N極37およびS極38の磁束密度に応じた磁場が形成されている。
【0071】
エンコーダ16の材料としては、例えば、アルニコ磁石、フェライト磁石、サマリウム・コバルト磁石、ネオジウム・鉄・ボロン磁石、または各種磁石粉末を用いてプラスチックなどを混合して成形して固めたボンド磁石等を用いることができる。各着磁領域の磁束密度は均一でなければならないため、磁束密度の調整が容易なボンド磁石の使用が好ましい。ここでは、フェライト粉入りのプラスチックまたは希土類材料からなるボンド磁石を使用する。なお、磁石の磁力は、温度に依存して変化する。
【0072】
センサ25は、第2実施形態で説明したものと同様に、ホール素子またはコイル等の磁場を検出することが可能な磁気センサである。
【0073】
センサ25は、エンコーダ15の各N極37およびS極38が形成した磁場を感知する。N極37およびS極38が形成する磁場の強度の絶対値は、N極37またはS極38とエンコーダ16のセンサ対向面16aの距離が近くなるにつれ大きくなり、一方、その距離が遠くなるにつれ小さくなる。センサ25は、この磁場の強度の変化を感知し、ケーブル22を介して、図示せぬ制御回路に検出値を出力する。
【0074】
図7は、センサ25によって検出された出力信号を示す。出力信号の大きさは、検出する磁束の強度に比例し、出力信号の正負は、磁束の方向によって決定される。ここで、図7中最左端にあるパルスは、もっともエンコーダ取付部材接地面16bに近いセンサ対向面16aとセンサ25とが対向している場合の検出値のパルスを示す。図7によれば時間の経過と共に、パルスピークの強度の絶対値が略階段状に単調増加していることが分かる。
【0075】
先述の通り、本実施形態では、エンコーダ16は、センサ25から見て反時計回りに高さ寸法Lが増加するように設けられている。従って、図7の場合、制御回路は、エンコーダ16、即ち軸2がセンサから見て時計回りに回転していると判断する。
【0076】
図7に示されるように、センサ25の出力は、センサ25にもっとも近接したセンサ対向面16aにより反射された信号を最大ピークとしてもつ。制御回路は、この最大ピークをカウントし、単位時間当たりに得られる最大ピークの数を基に軸2の回転速度を算出する。
【0077】
さらに、制御回路は、ピークの強度を基に、軸2の絶対角度を決定する。センサ25の出力がピーク(図7のA点)を検出した場合、制御回路は、その検出した出力に対応する着磁領域がセンサ25と対向していると判断する。そして、制御回路は、検出された着磁領域に対応する絶対角度に軸2があると判断する。
また、センサ25の出力がピーク間にあるB点の値をとっている場合には、直前のピークであるA点での強度とA点とB点の強度の差分の比からB点の絶対角度を算出する。詳細には、B点の角度は、以下の式により算出される。
【0078】
【式1】
θ(B)=θ(A)+180b/a・n
θ(A):A点の絶対角度
θ(B):B点の絶対角度
a:A点の出力強度
b:A点の出力強度とB点の出力強度の差
n:エンコーダに配置された着磁領域の総数
制御回路は、各センサ対向面16aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。従って、制御回路は、上記式1の計算結果を参照してエンコーダの絶対角度を算出する。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ16とセンサ25が軸方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ16は、センサ25との距離が単調増加または単調減少するように形成されたセンサ対向面16aを有する。センサ25は、磁気センサから構成され、そしてセンサ対向面16aにはN極37およびS極38が交互に配置されている。センサ25は、センサ対向面16aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ25を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0080】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0081】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0082】
本実施形態では、センサ対向面がN極およびS極から構成されたエンコーダを用いた。従って、検出されるピークがシャープになり、第1および2実施形態の測定よりも、角度分解能が高い絶対角度検出を行うことが可能となる。
【0083】
(第4実施形態)
以下、図8〜10を参照しながら、本発明の第4実施形態を詳細に説明する。ここでは、第1〜3実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0084】
図8は、本発明の第4実施形態に係る回転検出装置が組み込まれた転動装置としての深溝玉軸受を示す。深溝玉軸受は、外輪3、内輪4、転動体である複数のボール7、シールリング8および保持器9を有する。
【0085】
本実施形態において、シールリング8は、外輪3と内輪4の間のボール7を収納する空間の両端開口部の一方を塞いで封止している。ボール7を収納する空間の両端開口部の他端は、エンコーダ保持部材31およびセンサ保持部材41によって塞がれて封止されている。
【0086】
センサ保持部材41は、二つの並行した端部を有する断面視C形状の円環部材である。センサ保持部材41は、外輪3の軸方向端3cに固定されており、外輪3から軸方向に突出している。センサ保持部材41の径方向上部内側面上には、径方向に向けてセンサ40が配置されている。
【0087】
エンコーダ保持部材31は、断面視L形状を有する円環部材である。エンコーダ保持部材31は、内輪4の軸方向端4bに固定されており、内輪2から軸方向に突出している。センサ保持部材41の先端は、センサ保持部材41の両端間に配置されている。エンコーダ保持部材31とセンサ保持部材41は、協働してシールリング8と同等の役割を担っている。エンコーダ保持部材31の径方向側面上には、エンコーダ30が配置されている。エンコーダ30は、径方向にセンサ40と対向している。
【0088】
図9は、エンコーダ30を示す平面図であり、図10は、その部分拡大斜視図である。エンコーダ30は、強磁性体等の磁化しやすい物質を素材としている。エンコーダ30は、軸方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ30は、円環の中心Oから内径寸法R2離れたエンコーダ取付部材接地面30bと、円環の中心Oから所定角度θ0毎に異なる外径寸法R1離れた位置に設けられた複数のセンサ対向面30aとを有する。エンコーダ30は、エンコーダ取付部材接地面30bでエンコーダ取付部材31に固定されている。エンコーダ取付部材接地面30bの法線方向は、軸方向と直行している。
【0089】
図10に示すように、複数のセンサ対向面30aは、径方向高さr1を有する段差によって周方向に仕切られて形成されている。段差は、中心Oから角度θ0毎に形成され、エンコーダ30のセンサ対向面を角度θ0毎に周方向に分割している。したがって、エンコーダ30の中心Oからセンサ対向面30aまでの外径寸法R1は、角度θ0毎にr1増加している。
【0090】
従って、エンコーダ30の外径寸法R1は、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面30aを基準として、もっとも外径寸法R1が大きいセンサ対向面30aまで角度θ0毎に、r1ずつ漸増する。なお、本実施形態においては、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面30aの隣には、もっとも外径寸応R1が大きいセンサ対向面30aが配置されている。また、本実施形態では、外径寸法R1が軸方向(図8矢視A)から見て時計回りに漸増するようにエンコーダ30を配置している。従って、エンコーダ30とセンサ40との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面30aの形状に従って変化する。エンコーダ30とセンサ40との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、各センサ対向面30aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
なお、外径寸法R1は軸方向(図8矢視A)からみて反時計回りに漸増するようにエンコーダ30を配置しても良い。
【0091】
センサ40は、エンコーダ30のセンサ対向面30aと径方向に対向している。センサ40は、エンコーダ30のセンサ対向面30aとセンサ40間の距離の変位を測定する変位センサである。センサ40は、第1実施形態のセンサ20と同様に、光または超音波をエンコーダ30のセンサ対向面30aに向けて出力する。出力された光または超音波は、センサ対向面30aにて反射される。センサ40は、この反射された光または超音波を受信し、センサ対向面の形状の変位を測定する。センサ40は、検出した距離データを、ケーブル22を介して、図示せぬ制御回路に出力する。
【0092】
センサ40によって検出された出力信号は、図4の波線に示すものと同等である。ここで、図4中最左端にあるパルスは、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面30aとセンサ40とが対向している場合の検出値のパルスを示す。図4によれば時間の経過と共に、パルスピークの強度の絶対値が階段状に単調増加していることが分かる。
【0093】
先述の通り、本実施形態では、エンコーダ30は、軸方向(図8矢視A)から見て時計回りに外径寸法R1が漸増するように設けられている。従って、図4の場合、制御回路は、エンコーダ30、即ち軸2が軸方向(図8矢視A)から見て反時計回りに回転していると判断する。
【0094】
さらに、制御回路は、第1実施形態同様に、検出信号の最大ピークの数をカウントし、単位時間当たりに得られる最大ピークの数を基に軸2の回転速度を算出する。
【0095】
さらに、制御回路は、パルスの強度を基に、軸の絶対角度を決定する。本実施形態の場合、センサ40の出力は、エンコーダ30の形状に従って階段形状となる。制御回路は、各形状の絶対角度と検出値を関連づけて記憶している。そして、制御回路は、検出値に応じて軸がどの角度に向けられているか判断する。これにより、角度分解能θ0の範囲で軸2の絶対角度の検出を行うことが可能である。
【0096】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ30とセンサ40が径方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ30は、センサ40との距離が単調増加または単調減少するように形成されたセンサ対向面30aを有する。センサ40は、光または超音波を利用した変位センサからなる。センサ40は、センサ対向面30aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ40を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0097】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0098】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0099】
なお、本実施形態においては、センサ40は、光または超音波を利用した変位センサからなるとした。しかし、センサ対向面30aとセンサ40との間の距離の変位を測定可能なセンサであれば、これに限定されない。センサ40としては、例として、磁気センサ、磁場と渦電流の相互作用を利用したセンサなどが考えられる。磁気センサを用いる場合には、エンコーダを磁性体とする。渦電流を利用したセンサの場合には、エンコーダを金属材料等の強磁性体とする必要がある。
【0100】
(第5実施形態)
以下に、図11を参照して、本発明の第5実施形態を説明する。ここでは、第1〜4実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0101】
本実施形態では、図8において、エンコーダ保持部材11の径方向側面上には、径方向にエンコーダ35が配置されている。一方、センサ保持部材41の径方向側面上には、単一のセンサ45が配置されている。センサ45は、径方向にエンコーダ35と対向している。
【0102】
図11は、本発明の第5実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ35の部分拡大斜視図である。本実施形態において、エンコーダ35は、エンコーダ30同様に、センサ45に対向して配置されている。
【0103】
エンコーダ35は、軸方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ35は、円環の中心Oから内径寸法R2離れたエンコーダ取付部材接地面35bと、円環の中心Oから所定角度θ0毎に異なる外径寸法R1離れた複数のセンサ対向面35aとを有する。エンコーダ35は、エンコーダ取付部材接地面35bでエンコーダ取付部材31に固定されている。エンコーダ取付部材接地面35bの法線方向は、軸方向と直行している。
【0104】
図11に示すように、複数のセンサ対向面35aは、エンコーダ35の径方向高さr1を有する段差によって周方向に仕切られて形成されている。段差は、中心Oから角度θ0毎に形成され、エンコーダ35のセンサ対向面を角度θ0毎に周方向に分割している。したがって、エンコーダ35の中心Oからセンサ対向面35aまでの外径寸法R1は、角度θ0毎にr1増加している。
【0105】
従って、エンコーダ35の外径寸法R1は、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面35aを基準として、もっとも外径寸法R1が大きいセンサ対向面35aまで角度θ0毎に、r1ずつ単調増加する。なお、本実施形態においては、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面35aの隣には、もっとも外径寸応R1が大きいセンサ対向面35aが配置されている。また、本実施形態では、外径寸法R1が軸方向(図8矢視A)から見て時計回りにr1ずつ増加するようにエンコーダ35を配置している。従って、エンコーダ35とセンサ45との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面35aの形状に従って変化する。エンコーダ35とセンサ45との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、各センサ対向面35aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0106】
エンコーダ35のセンサ対向面35aには、それぞれN極37が配置されている。N極37を構成する着磁領域は、それぞれ一定の磁束密度を有する。N極37は、その周囲に各々が持つ極性と磁束密度に応じた強度の磁場を形成する。従って、エンコーダ35の周囲には、N極37の磁束密度に応じた磁場が形成されている。
【0107】
センサ45は、エンコーダ35のセンサ対向面35aに径方向に対向している。センサ35は、エンコーダ35のセンサ対向面35aとセンサ45間の距離の変位を測定する変位センサである。本実施形態では、ホール素子またはコイル等の磁場を検出することが可能な磁気センサ、特に、ホール素子を用いた場合を例に説明する。ホール素子とは、ホール素子を横切る磁束の強度と方向に応じて出力信号としての電流を発生する素子である。
【0108】
センサ45は、エンコーダ35の各N極37が形成した磁場を感知する。N極37が形成する磁場の強度は、N極37とエンコーダ35のセンサ対向面35aの距離が近くなるにつれ大きくなり、一方、その距離が遠くなるにつれ小さくなる。センサ45は、この磁場の強度の変化を感知し、ケーブル22を介して、図示せぬ制御回路に検出値を出力する。
【0109】
検出される検出値のパターンは、第2実施形態と同様に、図4の実線に示すとおりである。出力信号の大きさは、磁束の強度に比例し、出力信号の正負は、磁束の方向によって決定される。ここで、図4中最左端にあるパルスは、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面35aとセンサ45とが対向している場合の検出値のパルスを示す。図4によれば時間の経過と共に、パルスピークの強度の絶対値が階段状に漸増していることが分かる。
【0110】
先述の通り、本実施形態では、エンコーダ35は、軸方向(図8矢視A)から見て時計回りに外径寸法R1が漸増するように設けられている。従って、図4の場合、制御回路は、エンコーダ35、即ち軸2が軸方向(図8矢視A)から見て反時計回りに回転していると判断する。
【0111】
図4に示されるように、センサ45の出力は、センサ45にもっとも近接したセンサ対向面35aにより反射された信号を最大ピークとしてもつ。制御回路は、このピークをカウントし、単位時間当たりに得られる最大ピークの数を基に軸2の回転速度を算出する。
【0112】
さらに、制御回路は、パルスの強度を基に、軸2の絶対角度を決定する。本実施形態の場合、センサ45の出力のパルスは、エンコーダ35の形状に従ってほぼ階段形状となる。制御回路は、各形状の絶対角度と検出値を関連づけて記憶している。そして、制御回路は、検出値に応じて軸がどの角度に向けられているかを判断する。これにより、角度分解能θ0の範囲で軸2の絶対角度の検出を行うことが可能である。
【0113】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ35とセンサ45が径方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ35は、センサ45との距離が単調増加または単調減少するように形成されたセンサ対向面35aを有する。センサ45は、センサ対向面35aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ45を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0114】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0115】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0116】
本実施形態では、センサ対向面35aには、N極のみが配置されているため、検出されるピークの値がフラット形状となる。
【0117】
本実施形態では、センサ対向面はN極のみから構成されているため、検出されるピークの値がフラット形状となる。従って、ピーク値が一点のみである場合と比べ、ピーク検出エラー発生率が小さくなり、より信頼性の高い検出を行うことが可能となる。
【0118】
また本実施形態では、エンコーダ35のセンサ対向面をN極から構成するようにしたが、エンコーダ35のセンサ対向面をS極から構成しても良い。この場合、出力信号の正負が逆になるだけで、回転速度、回転方向および絶対角度の検出方法は、本実施形態の方法と同一である。
【0119】
(第6実施形態)
以下に、図12を参照して、本発明の第6実施形態を説明する。ここでは、第1〜5実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0120】
本実施形態では、図8において、エンコーダ保持部材31の径方向側面上には、エンコーダ36が配置されている。一方、センサ保持部材41の軸方向側面上には、単一のセンサ45が配置されている。センサ45は、径方向にエンコーダ36と対向している。
【0121】
図12は、本発明の第6実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ36の部分拡大斜視図である。本実施形態において、エンコーダ36は、エンコーダ30または35同様に、センサ45に対向して配置されている。
【0122】
エンコーダ36は、軸方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ36は、円環の中心Oから内径寸法R2離れたエンコーダ取付部材接地面36bと、円環の中心Oから所定角度θ0毎に異なる外径寸法R1離れた位置に設けられた複数のセンサ対向面36aとを有する。エンコーダ36は、エンコーダ取付部材接地面36bでエンコーダ取付部材31に固定されている。エンコーダ取付部材接地面36bの法線方向は、軸方向と直行している。
【0123】
図12に示すように、複数のセンサ対向面36aは、軸方向高さr1を有する段差によって周方向に仕切られて形成されている。段差は、中心Oから角度θ毎に形成され、エンコーダ36のセンサ対向面を角度θ0毎に周方向に分割している。したがって、エンコーダ36の中心Oからセンサ対向面36aまでの外径寸法R1は、角度θ0毎にr1増加している。
【0124】
従って、エンコーダ36の外径寸法R1は、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面36aを基準として、もっとも外径寸法R1が大きいセンサ対向面36aまで角度θ0毎に、r1ずつ単調増加する。なお、本実施形態においては、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面36aの隣には、もっとも外径寸応R1が大きいセンサ対向面36aが配置されている。また、本実施形態では、外径寸法R1が軸方向(図8矢視A)から見て時計回りにr1ずつ増加するようにエンコーダ36を配置している。従って、エンコーダ36とセンサ45との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面36aの形状に従って変化する。エンコーダ36とセンサ45との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、各センサ対向面36aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0125】
エンコーダ36のセンサ対向面36aには、複数のN極37とS極38が交互に配置されている。N極37およびS極38を構成する着磁領域は、それぞれ一定の磁束密度を有する。N極37およびS極38は、その周囲に各々が持つ極性と磁束密度に応じた強度の磁場を形成する。従って、エンコーダ36の周囲には、N極37およびS極38の磁束密度に応じた磁場が形成されている。
【0126】
センサ45は、第5実施形態で説明したものと同様に、ホール素子またはコイル等の磁場を検出することが可能な磁気センサである。
【0127】
センサ45は、エンコーダ36の各N極37およびS極38が形成した磁場を感知する。N極37およびS極38が形成する磁場の強度の絶対値は、N極37またはS極38とエンコーダ36のセンサ対向面36aの距離が近くなるにつれ大きくなり、一方、その距離が遠くなるにつれ小さくなる。センサ45は、この磁場の強度の変化を感知し、ケーブル22を介して、図示せぬ制御回路に検出値を出力する。
【0128】
センサ45によって検出された出力信号は、図7に示すものと同等である。ここで、図7中最左端にあるパルスは、もっとも外径寸法R1が小さいセンサ対向面36aとセンサ45とが対向している場合の検出値のパルスである。図7によれば時間の経過と共に、極性の違いによりパルスピークの正負が逆転し、そしてパルスピークの強度の絶対値が増大していることが分かる。従って、図7の場合、制御回路は、軸2がN極37またはS極38の強度が増大している方向、すなわち、軸方向(図8矢視A)からみて反時計回りに回転していると判断する。そして、制御回路は、単位時間当たりに検出されるピーク数をカウントし軸2の回転速度を算出する。
【0129】
さらに、制御回路は、ピークの強度を基に、軸2の絶対角度を決定する。制御回路は、第3実施形態と同様に、前述の式1に基づいて絶対角度の算出を行う。制御回路は、各センサ対向面46aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。従って、制御回路は、上記式1の計算結果を参照してエンコーダ36の絶対角度を算出する。
【0130】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ36とセンサ45が径方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ36は、センサ45との距離が単調増加または単調減少するように形成されたセンサ対向面36aを有する。センサ45は、センサ対向面36aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ45を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0131】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0132】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0133】
本実施形態では、センサ対向面がN極およびS極から構成されたエンコーダ36を用いた。従って、検出されるピークがシャープになり、第3実施形態と同様に、角度分解能が高い絶対角度検出を行うことが可能となる。
【0134】
(第7実施形態)
以下に、図13〜15を参照して、本発明の第7実施形態を説明する。ここでは、第1〜6実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0135】
図13は、本発明の第7実施形態におけるエンコーダ50を示す平面図である。エンコーダ50は、図8のエンコーダ30の代わりに用いられる。エンコーダ50以外のその他の構成は、図8に示すとおりである。
【0136】
図14は、エンコーダ50の部分拡大斜視図である。エンコーダ50は、軸方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ50は、円環の中心Oから内径寸法R2離れたエンコーダ取付部材接地面50bと、円環の中心Oから外径寸法R1が漸次増加もしくは漸次減少するセンサ対向面50aとを有する。エンコーダ50は、エンコーダ取付部材接地面50bでエンコーダ取付部材31に固定されている。エンコーダ取付部材接地面50bの法線方向は、軸方向と直行している。エンコーダ50のセンサ対向面50aは、径方向に変位センサであるセンサ40と対向している。
【0137】
エンコーダ50は、基準位置から周方向に沿って角度が増すに従い、所定の割合で外径寸法R1が増加している。外径寸法R1が最大となる位置と外径寸法R1が最小となる位置は、段差によって区切られている。本実施形態では、外径寸法R1が、軸方向(図8矢視A)から見て時計回りに漸増するようにエンコーダを配置している。従って、エンコーダ50とセンサ40との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面50aの形状に従って変化する。エンコーダ50とセンサ40との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、センサ対向面50aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0138】
図15は、センサ40によって検出された出力信号を示す図である。ここで、図15によれば時間の経過と共に、検出信号が一次関数的に漸増していることが分かる。
【0139】
先述の通り、本実施形態では、エンコーダ50は、軸方向(図8矢視A)から見て時計回りに外径寸法R1が漸増するように設けられている。従って、図15の場合、制御回路は、エンコーダ50、即ち軸2が軸方向(図8矢視A)から見て反時計回りに回転していると判断する。
また、制御回路は、ピークが最大となる時点をサンプルし、ピークから次のピークまでに要する時間から回転速度を算出する。
【0140】
さらに、制御回路は、検出信号の強度を基に、軸の絶対角度を決定する。本実施形態の場合、さらに、制御回路は、所定の角度とその角度に対応する検出値のテーブルを有している。制御回路は、このテーブルと検出された出力値の強度を比較することにより、軸2の回転速度を算出する。
【0141】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ50とセンサ40が径方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ50は、センサ40との距離が漸次増加または減少するように形成されたセンサ対向面50aを有する。センサ40は、センサ対向面50aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ40を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0142】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0143】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0144】
(第8実施形態)
以下に、図16および図17を参照して、本発明の第8実施形態を説明する。ここでは、第1〜7実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0145】
図16は、本発明の第8実施形態におけるエンコーダ55を示す部分拡大斜視図である。エンコーダ55は、図8のエンコーダ30の代わりに用いられる。エンコーダ55以外のその他の構成は、図8に示すとおりである。
【0146】
エンコーダ55は、軸方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ55は、円環の中心Oから内径寸法R2離れたエンコーダ取付部材接地面55bと、円環の中心Oから外径寸法R1が漸次増加するセンサ対向面55aとを有する。エンコーダ55は、エンコーダ取付部材接地面55bでエンコーダ取付部材31に固定されている。エンコーダ取付部材接地面55bの法線方向は、軸方向と直行している。エンコーダ55のセンサ対向面55aは、径方向に磁気センサであるセンサ45と対向している。
【0147】
エンコーダ55は、基準位置から周方向に沿って角度が増すに従い、所定の割合で外径寸法R1が増加している。外径寸法R1が最大となる位置と外径寸法R1が最小となる位置は、段差によって区切られている。本実施形態では、外径寸法R1が、軸方向(図8矢視A)から見て時計回りに漸増するようにエンコーダを配置している。従って、エンコーダ55とセンサ45との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面55aの形状に従って変化する。エンコーダ55とセンサ45との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、センサ対向面55aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0148】
エンコーダ55のセンサ対向面55aには、複数のN極37とS極38が所定間隔で交互に配置されている。N極37およびS極38を構成する着磁領域は、それぞれ一定の磁束密度を有する。N極37およびS極38は、その周囲に各々が持つ極性と磁束密度に応じた強度の磁場を形成する。従って、エンコーダ55の周囲には、N極37およびS極38の磁束密度に応じた磁場が形成されている。
【0149】
図17は、センサ45によって検出された出力信号を示す図である。ここで、図17によれば時間の経過と共に、パルスピークの強度の絶対値が漸増していることが分かる。
【0150】
先述の通り、本実施形態では、エンコーダ55は、軸方向(図8矢視A)から見て時計回りに外径寸法R1が漸増するように設けられている。従って、図17の場合、制御回路は、エンコーダ55、即ち軸2が軸方向(図8矢視A)から見て反時計回りに回転していると判断する。
また、制御回路は、ピークが最大となる時点をサンプルし、ピークから次のピークまでに要する時間から回転速度を算出する。
【0151】
さらに、制御回路は、検出信号の強度を基に、軸の絶対角度を決定する。本実施形態の場合、さらに、制御回路は、所定の角度とその角度に対応する検出値のテーブルを有している。制御回路は、このテーブルと検出された出力値の強度を比較することにより、軸2の回転速度を算出する。
【0152】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ55とセンサ45が径方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ55は、センサ45との距離が漸次増加または減少するように形成されたセンサ対向面55aを有する。センサ45は、センサ対向面55aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ45を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0153】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0154】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0155】
(第9実施形態)
以下に、図18〜19を参照して、本発明の第9実施形態を説明する。ここでは、第1〜8実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0156】
図18は、本発明の第9実施形態におけるエンコーダ60を示す平面図である。エンコーダ60は、図1のエンコーダ10の代わりに用いられる。エンコーダ60以外のその他の構成は、図1に示すとおりである。
【0157】
図19は、エンコーダ60の部分拡大斜視図である。エンコーダ60は、径方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ60は、フラット形状を為すエンコーダ取付部材接地面60bと、エンコーダ取付部材からの厚みLが所定の割合で増加しているセンサ対向面60aとを有する。エンコーダ60は、エンコーダ取付部材接地面60bでエンコーダ取付部材11に固定されている。エンコーダ取付部材接地面60bの法線方向は、軸方向と平行である。エンコーダ60のセンサ対向面60aは、軸方向に変位センサであるセンサ20と対向している。
【0158】
エンコーダ60は、基準位置から周方向に沿って角度が増すに従い、所定の割合で外径寸法Lが増加している。厚みLが最大となる位置と厚みLが最小となる位置は、段差によって区切られている。本実施形態では、厚みLが、センサ側から見て反時計回りに漸増するようにエンコーダを配置している。従って、エンコーダ60とセンサ20との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面60aの形状に従って変化する。エンコーダ60とセンサ20との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、センサ対向面60aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0159】
センサ20によって検出された出力信号は、図15に示されるとおりである。回転速度、回転方向、絶対角度の算出方法は、第7実施形態に示した通りである。
【0160】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ60とセンサ20が軸方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ60は、センサ20との距離が漸次増加または減少するように形成されたセンサ対向面60aを有する。センサ20は、センサ対向面60aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ20を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0161】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0162】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0163】
(第10実施形態)
以下に、図20を参照して、本発明の第10実施形態を説明する。ここでは、第1〜9実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0164】
図20は、本発明の第10実施形態におけるエンコーダ65を示す部分拡大斜視図である。エンコーダ65は、図1のエンコーダ10の代わりに用いられる。エンコーダ65以外のその他の構成は、図1に示すとおりである。
【0165】
エンコーダ65は、径方向幅一定の円環形状を有している。エンコーダ65は、フラット形状を為すエンコーダ取付部材接地面65bと、エンコーダ取付部材からの厚みLが所定の割合で増加しているセンサ対向面65aとを有する。エンコーダ65は、エンコーダ取付部材接地面65bでエンコーダ取付部材11に固定されている。エンコーダ取付部材接地面65bの法線方向は、軸方向と平行である。エンコーダ65のセンサ対向面65aは、軸方向に磁気センサであるセンサ25と対向している。
【0166】
エンコーダ65は、基準位置から周方向に沿って角度が増すに従い、所定の割合で外径寸法Lが増加している。厚みLが最大となる位置と厚みLが最小となる位置は、段差によって区切られている。本実施形態では、厚みLが、センサ側から見て反時計回りに漸増するようにエンコーダを配置している。従って、エンコーダ65とセンサ25との間の距離は、軸2の回転にともない、センサ対向面65aの形状に従って変化する。エンコーダ65とセンサ25との距離は、角度に応じて、図示せぬ制御回路に保存されている。また、制御回路は、センサ対向面65aの位置と軸2の絶対角度を関連づけて記憶している。
【0167】
エンコーダ65のセンサ対向面65aには、複数のN極37とS極38が所定間隔で交互に配置されている。N極37およびS極38を構成する着磁領域は、それぞれ一定の磁束密度を有する。N極37およびS極38は、その周囲に各々が持つ極性と磁束密度に応じた強度の磁場を形成する。従って、エンコーダ65の周囲には、N極37およびS極38の磁束密度に応じた磁場が形成されている。
【0168】
センサ25によって検出された出力信号は、図17に示されるとおりである。回転速度、回転方向、絶対角度の算出方法は、第8実施形態に示した通りである。
【0169】
以上説明したように、本実施形態によれば、エンコーダ65とセンサ25が軸方向に対向して配置されている。そして、エンコーダ65は、センサ25との距離が漸次増加または減少するように形成されたセンサ対向面65aを有する。センサ45は、センサ対向面65aからの距離に応じた出力信号を制御回路に出力する。制御回路は、この出力信号を解析することによって、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を検出する。従って、単一のセンサ25を用いて、軸2の回転速度、回転方向、および回転角度を同時に検出することが可能である。
【0170】
本実施形態によれば、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することが可能となる。さらに、部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0171】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0172】
(第11実施形態)
以下に、図21を参照して、本発明の第11実施形態を説明する。ここでは、第1〜10実施形態に記載した部材と同一の部材については、同一の符号を付しその説明を省略する。
【0173】
図21は、本発明の第11実施形態に係る回転検出装置が組み込まれた転動装置としての深溝玉軸受を示す。本実施形態において、深溝玉軸受の外輪3および内輪4は、それぞれ軸方向に延出したセンサ取付部3dおよびエンコーダ取付部4cを有する。
【0174】
エンコーダ取付部4cの軸方向外側面4d上には、エンコーダ70が配置されている。エンコーダ70は、第5,6,8実施形態に記載のエンコーダ35,36,55等の磁石が配置されたエンコーダである。エンコーダ70の軸方向側面は、センサ取付部3dと対向している。
【0175】
一方、センサ取付部3dの軸方向内側面3e端部には、環状の鋼板95が立設している。そして、環状のシール90が鋼板95に支持されてセンサ取付部3dおよびエンコーダ取付部4c間を封止している。
【0176】
さらに、センサ取付部3dの軸方向内側面3e上には、センサ取付部材86が配置されている。センサ取付部材86は、シールリング8とシール90間に位置決めされている。
【0177】
センサ取付部材86上には、温度測定器85およびセンサ80が配置されている。センサ80は、エンコーダ70の形成する磁場の変化を測定する磁気センサあるいは距離の変化を測定する変位センサである。センサ80は、エンコーダ70と対向し、エンコーダ70の形状を測定する。センサ80は、第5,6,8実施形態と同様に、回転体の回転速度、回転方向および絶対角度を検出する。
【0178】
温度測定器85は、センサおよびエンコーダおよびそれらの周辺部材の温度を測定し、測定された温度データを図示せぬ制御回路に出力する。エンコーダ70にN極またはS極が着磁されている場合、N極およびS極を構成する着磁領域は、温度の変化により磁束密度が変化する。制御回路は、この温度の変化による磁束密度の変化を補正するテーブルを有している。そして、制御回路は、このテーブルを用いて検出された出力値を補正した上で軸の回転速度、回転方向、絶対角度の検出を行う。熱電対等の接触式温度計を用いた場合、センサ等の非回転部材の温度を検出するが、赤外放射温度計等の非接触式温度計を用いた場合、エンコーダ等の回転部材の温度検出が可能となる。
【0179】
以上説明したように、本実施形態によれば、温度の変化を鑑み補正した出力値を用いて軸の回転速度、回転方向、絶対角度の検出を行うことが可能である。従って、エンコーダ70の使用温度条件を意識することなく、エンコーダ70を使用可能となり、より幅広く本回転状態検出装置を軸受および転動装置に適用可能となる。
なお、熱による膨張あるいは収縮によりエンコーダとセンサのコアギャップは、変化する。温度測定器からの信号を元にこのコアギャップの変化を補正するようにしても良い。
【0180】
さらに、本実施形態では、エンコーダ70およびセンサ80がシールリング8およびシール90によって封止されている。そのため、外界からの影響を最小限にとどめることができ、さらに精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0181】
従って、簡易な構造で軸の回転速度、回転方向、および回転角度を検出することが可能であるため、部品数の減少を図ることができ、部品コストを低下することができる。さらに部品数の減少は、組み付け性を向上させるため、組み付けコストもあわせて低下させることが可能となる。
【0182】
さらに、センサ数が一つでよいため、軸受部の省スペース化につながり、ひいては全体としてよりコンパクトな設計が可能となる。またセンサ数の減少は、軸受の重量の低減にもつながり、自動車等に用いた場合、燃費の向上にも寄与する。
【0183】
【発明の効果】
請求項1記載の回転状態検出装置によれば、エンコーダとセンサ対向面間の距離が位置により異なっている。従って、センサはエンコーダとの距離の変化を測定することにより、簡易な構成で回転速度、回転方向、絶対角度を判断することが可能となる。また、本構成の場合、必要とされるセンサは、一つで良いため、構成を簡易なものとし、装置の低コスト化を図ることが可能となる。
【0184】
エンコーダには、複数のセンサ対向面が形成されており、センサとの距離は、センサ対向面毎に異なるようにしてもよい。この場合、センサは、センサ対向面毎の距離の違いを測定することにより、簡易な構成で回転速度、回転方向、絶対角度を判断することが可能となる。
【0185】
また、前記エンコーダは、前記センサ対向面のそれぞれに一列に設けられた複数の着磁領域を有するようにしてもよい。この場合は、センサとして磁気センサを用いることにより、表面形状を容易に識別することが可能となる。
【0186】
前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の前記距離は、漸増もしくは漸減しているように構成しても良い。この場合は、距離と角度の関係が容易に理解されるため、絶対角度の識別のための構成が簡素化できる。
【0187】
また、前記複数の着磁領域は、交互に配置された複数のN極およびS極から構成されるようにしても良い。これにより、センサ対向面間の区別をさらに容易にすることが可能となる。
【0188】
前記エンコーダは、回転部材の軸方向または径方向に前記センサと対向させることが可能である。これらは、回転部材、固定部財投の形状に応じて選択すればよく、設計の幅を拡げることが可能となる。
【0189】
前記センサもしくはエンコーダ、またはそれらの周辺部材の温度を測定する温度測定部をさらに設けても良い。温度測定部を設けることにより、温度に依存した検出値の変化を知ることが可能となり、適切な補正を加えながら測定を行うことが可能となる。
【0190】
前記エンコーダと前記センサを封止するシール部材をさらに設けても良い。エンコーダとセンサを封止することにより、外界の影響をあまり意識することなく、正確な測定を行うことが可能となる。
【0191】
また、本発明の請求項11〜20記載の転動装置は、請求項1〜9記載の回転状態検出装置を一般的な転動装置に組み込んだものである。請求項1〜9記載の回転状態検出装置が組み込まれた転動装置は、エンコーダとセンサ対向面間の距離が位置により異なっている。従って、センサはエンコーダとの距離の変化を測定することにより、簡易な構成で回転速度、回転方向、絶対角度を判断することが可能となる。また、本構成の場合、必要とされるセンサは、一つで良いため、構成を簡易なものとし、装置の低コスト化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る回転検出装置が組み込まれた転動装置としての深溝玉軸受を示す。
【図2】エンコーダ10を示す平面図である。
【図3】エンコーダ10の部分拡大斜視図である
【図4】センサ20によって検出された出力信号を示すグラフである。
【図5】本発明の第2実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ15の部分拡大斜視図である。
【図6】本発明の第3実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ16の部分拡大斜視図である。
【図7】センサ25によって検出された出力信号を示す。
【図8】図8は、本発明の第4実施形態に係る回転検出装置が組み込まれた転動装置としての深溝玉軸受を示す。
【図9】エンコーダ30を示す平面図である。
【図10】エンコーダ30をの部分拡大斜視図である。
【図11】本発明の第5実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ35の部分拡大斜視図である。
【図12】本発明の第6実施形態に係る回転検出装置に用いられるエンコーダ36の部分拡大斜視図である。
【図13】本発明の第7実施形態におけるエンコーダ50を示す平面図である
【図14】エンコーダ50の部分拡大斜視図である。
【図15】センサ40によって検出された出力信号を示す図である。
【図16】本発明の第8実施形態におけるエンコーダ55を示す部分拡大斜視図である。
【図17】センサ45によって検出された出力信号を示す図である。
【図18】本発明の第9実施形態におけるエンコーダ60を示す平面図である。
【図19】エンコーダ60の部分拡大斜視図である。
【図20】本発明の第10実施形態におけるエンコーダ65を示す部分拡大斜視図である。
【図21】本発明の第11実施形態に係る回転検出装置が組み込まれた転動装置としての深溝玉軸受を示す。
【符号の説明】
1    ハウジング
2    軸
3    外輪
4    内輪
5    外輪軌道
6    内輪軌道
7    ボール
8    シールリング
9    保持器
10,15,16,30,35,36,50,55,60,65,70 エンコーダ
20,25,40,45,80 センサ

Claims (20)

  1. 静止部材に取り付けられたセンサと、静止部材に対して回転する回転部材に取り付けられ、センサと対向するセンサ対向面を備えたエンコーダと、を有する回転状態検出装置において、
    前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の距離は、位置により変化しており、
    前記センサは、前記距離の変化を測定することにより回転部材の回転状態を測定することを特徴とする回転状態検出装置。
  2. 前記センサ対向面は、複数のセンサ対向面から構成され、前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の前記距離は、前記センサ対向面毎に異なることを特徴とする請求項1記載の回転状態検出装置。
  3. 前記エンコーダは、前記センサ対向面のそれぞれに一列に設けられた複数の着磁領域を有することを特徴とする請求項2記載の回転状態検出装置。
  4. 前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の前記距離は、漸増もしくは漸減していることを特徴とする請求項1記載の回転状態検出装置。
  5. 前記エンコーダは、前記センサ対向面に一列に設けられた複数の着磁領域を有することを特徴とする請求項4記載の回転状態検出装置。
  6. 前記複数の着磁領域は、交互に配置された複数のN極およびS極から構成されていることを特徴とする請求項3または5記載の回転状態検出装置。
  7. 前記エンコーダは、回転部材の軸方向に前記センサと対向していることを特徴とする請求項1〜6記載の回転状態検出装置。
  8. 前記エンコーダは、回転部材の径方向に前記センサと対向していることを特徴とする請求項1〜6記載の回転状態検出装置。
  9. 前記センサもしくはエンコーダ、またはそれらの周辺部材の温度を測定する温度測定部を有することを特徴とする請求項1〜8記載の回転状態検出装置。
  10. 前記エンコーダと前記センサを封止するシール部材を有することを特徴とする請求項1〜9記載の回転状態検出装置。
  11. 静止部材と、静止部材に対して回転する回転部材と、静止部材に取り付けられたセンサと、回転部材に取り付けられ、センサと対向するセンサ対向面を備えたエンコーダと、を有する転動装置において、
    前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の距離は、位置により変化しており、
    前記センサは、距離の変化を測定することにより回転部材の回転状態を測定することを特徴とする転動装置。
  12. 前記センサ対向面は、複数のセンサ対向面から構成され、前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の距離は、前記センサ対向面毎に異なることを特徴とする請求項11記載の転動装置。
  13. 前記エンコーダは、前記センサ対向面のそれぞれに一列に設けられた複数の着磁領域を有することを特徴とする請求項12記載の転動装置。
  14. 前記エンコーダの前記センサ対向面と前記センサ間の距離は、漸増もしくは漸減していることを特徴とする請求項11記載の転動装置。
  15. 前記エンコーダは、前記センサ対向面に一列に設けられた複数の着磁領域を有することを特徴とする請求項14記載の転動装置。
  16. 前記複数の着磁領域は、交互に配置された複数のN極およびS極から構成されていることを特徴とする請求項13または15記載の転動装置。
  17. 前記エンコーダは、回転部材の軸方向に前記センサと対向していることを特徴とする請求項11〜16記載の転動装置。
  18. 前記エンコーダは、回転部材の径方向に前記センサと対向していることを特徴とする請求項11〜16記載の転動装置。
  19. 前記センサもしくはエンコーダ、またはそれらの周辺部材の温度を測定する温度測定部を有することを特徴とする請求項11〜18記載の転動装置。
  20. 前記エンコーダと前記センサを封止するシール部材を有することを特徴とする請求項11〜19記載の転動装置。
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