JP2004053372A - 表面プラズモン共鳴装置及びその検査用カセット - Google Patents

表面プラズモン共鳴装置及びその検査用カセット Download PDF

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三浦 則雄
Yukihiro Masayama
正山 征洋
Hirobumi Kasai
河済 博文
Hiroyuki Iwasaka
岩坂 博之
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Abstract

【課題】表面プラズモン共鳴を利用して検体を効率よく検査することができる表面プラズモン共鳴装置を提供する。
【解決手段】測定検体と抗体試料を試料カセット30に注入し、表面プラズモン共鳴分析装置21内のカセット載置台31に載置し、カセット載置台31のガイドピン32を試料カセット30の下面のガイド孔33に嵌めて試料カセット30を位置決めする。ついで、吸引ノズル77により試料カセット内を吸引し、表面プラズモン共鳴を用いた間接競合法により抗原の量を計測する。
【選択図】   図10

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、エバネッセント波の共鳴現象を利用して薬物や細胞、ウィルス等を検出するための表面波プラズモン共鳴装置に関する。
【0002】
【背景技術】
尿や血液等の体液中の低分子量の薬物、例えばメタンフェタミンやアンフェタミン等の覚醒剤、モルヒネ、ヘロイン、コカイン、LSD等の麻薬、フェノバルビタール等の向精神剤などを高感度に検出したり、細胞、ウイルス、バクテリア等のタンパク質、糖、酵素やDNA等の特性を検出したりするための分析方法として、表面プラズモン共鳴を利用した方法が注目されている。
【0003】
一般に、光は電子波(プラズモン)とはカップリングしないが、金属表面上ではエバネッセント波と表面プラズモンとがカップリングし、エバネッセント波と表面プラズモンの波数が一致すると共鳴が生じる。この現象を表面波プラズモン共鳴という。また、このエバネッセント波とは、光が全反射したときの光波のように、境界面(全反射表面)からの距離に対して指数関数的に減衰しエネルギーを持たなくなる光波である。表面プラズモン共鳴現象の発生は、光エネルギーの一部が表面プラズモンを励起するために使われるので、光エネルギーの減少として観察される。この現象が発生する条件(入射光の入射角又は波数)は接している物質の状態により変化するので、共鳴現象が発生する条件を調べることにより接している物質の状態に関する知見を得ることができる。
【0004】
図1に示すものは、表面プラズモン共鳴を利用した免疫センサの原理を示す図であって、クレッチマン(Kretwschmann)配置といわれるものである。プリズム1の底面にはAu薄膜2が形成されており、Au薄膜2の底面には抗体3が固定されている。さらに、プリズム1の底面には、抗体3に接触させるための試料溶液4を保持したキュウベット5が装着される。プリズム1には光6が照射され、プリズム1に照射された光6はプリズム1の底面とAu薄膜2との界面で反射された後、検出器7によって受光される。試料溶液4が導入されていないときには、図2で実線により示したような入射角θ−反射率Rの依存曲線(ATR曲線)が観察される。ATR曲線において、反射率が急激に低下している入射角で表面プラズモン共鳴が起きている。
【0005】
このような免疫センサにおいて、抗原を含んだ試料溶液4をAu薄膜2の底面へ導入すると、導入された抗原がAu薄膜2底面の抗体3と反応してAu薄膜2の底面に吸着される。抗原を吸着するとAu薄膜2の表面状態が変化するので、図2で破線により示すように、表面プラズモン共鳴の共鳴角度が変化する。従って、光の入射角を例えばθoに固定したままで、検出器7により反射光を検知すると、その反射率は図2で矢印で示した量だけ変化する。よって、このときの反射率の変化量から、微量の吸着物(抗原)を高感度に計測することができる。
【0006】
図3は表面プラズモン共鳴を用いた検出装置のより具体的な構造(特開2000−242071号)を示す概略図である。この検出装置にあっては、ガラス基板11の上面に金属薄膜12が形成され、ガラス基板11の下面にマッチングオイル等を挟んで半円柱プリズム13の平坦面が接合されている。金属薄膜12上には、細胞やバクテリア、ウィルス等の試料に応じた反応物質が予め吸着されている。金属薄膜12が形成されているガラス基板11の上には、セルブロック14がマッチングオイル等を介して密着させられており、セルブロック14の下面にはフローセル15が凹設されている。さらに、セルブロック14には、フローセル15と連通するようにして第1供給流路16、第2供給流路17及び排出流路18が設けられている。
【0007】
しかして、第1供給流路16からは、フローセル15内に細胞やバクテリア、ウィルス等の試料を含んだ試料溶液を送り込んで細胞やバクテリア、ウィルス等の試料を金属薄膜12の上に固定させ、第2供給流路17からは、金属薄膜12に固定された試料に結合されるタンパク質、糖、酵素、DNA等の反応物質を含有した反応物質溶液をフローセル15内に供給する。さらに、排出流路18からは、フローセル15内の余剰の試料溶液や反応物質溶液を回収する。ついで、半円柱プリズム13及びガラス基板11を通して金属薄膜12に光を照射し、反射光を受光器で受光すると共に光の照射角を変化させることにより共鳴角度を検出する。
【0008】
しかしながら、このような表面プラズモン共鳴を利用した検出装置にあっては、いずれも実験室レベルで用いられている場合が大半であり、自動又は半自動で、効率よく検査を実行することは困難であった。特に、試料溶液(検体)を交換して順次検査を行う場合には、装置の主要部を分解してプリズムやセルブロック等をその都度洗浄しなければならず、効率が悪かった。また、試料溶液をセットした後も、光学系の調整などの作業が必要であった。さらには、装置全体の寸法も非常に大きく、表面プラズモン共鳴装置の普及を妨げていた。
【0009】
【発明の開示】
本発明は上記のような技術的背景に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表面プラズモン共鳴を利用して検体を効率よく検査することができる表面プラズモン共鳴装置を提供することにある。また、当該表面プラズモン共鳴装置に用いる検査用カセットを提供することにある。
【0010】
請求項1に記載の表面プラズモン共鳴装置は、検体溶液を保持した検査用カセットをセットするためのカセット載置部と、前記カセット載置部にセットされた検査用カセットに向けて光を照射して表面プラズモン共鳴現象を発生させる共鳴現象発生部と、前記カセット載置部で反射された光を受光する受光部とを備えたことを特徴としている。ここで、検体とは検査の対象となる物質であって、例えば抗原や細胞、ウイルス、バクテリア等のタンパク質、糖、酵素、DNAなどである。また、反応物質とは、検体と特異的に結合する物質であって、抗体などである。共鳴現象発生部は、一般に、LEDやLD等の投光素子と、プリズムとによって構成される。受光部は、フォトトランジスタ、フォトダイオード、PDS、CCDなどによって構成される。なお、検体溶液は、検体の有無を検査する場合のように、場合によっては検体を含まない場合もある。また、検体溶液には、複数の検体が含まれている場合もある。
【0011】
請求項1の表面プラズモン共鳴装置にあっては、検査用カセット内に検体溶液を注入して保持させた後、この検査用カセットをカセット載置部にセットすると、共鳴現象発生部により光が照射されて表面プラズモン共鳴現象が発生する。検査用カセットで表面プラズモン共鳴を起こした反射光は受光部により受光され、検体が検査される。なお、ここでいう検査とは、具体的な濃度や検体量を求めるものの他、検体がある濃度を濃度を超えているか否か、あるいは、特定の検体を含むか否かのように二者択一的な判断も含む。
【0012】
しかして、このような表面プラズモン共鳴装置によれば、複数の検体をそれぞれ異なる検査用カセットに保持させておけば、順次検査用カセットを取り替えながら連続して検体の検査を行うことができ、検体の表面プラズモン共鳴検査を効率よく行うことができる。なお、検査用カセットは洗浄して繰り返し再利用してもよく、使い捨てにしても良い。
【0013】
また、請求項2に記載の表面プラズモン共鳴装置は、請求項1において前記検査用カセット内に保持された検体溶液を吸引して前記検査用カセット内の流路に沿って検体溶液を移動させるための吸引手段を備えている。
【0014】
請求項2の表面プラズモン共鳴装置は、例えば吸引ノズルや吸引ポンプからなる吸引手段を備えているので、検査用カセットを吸引することによって検査用カセット内で容易に検体溶液を流動させることができる。こうして吸引手段で検体溶液を吸引することで、共鳴材の箇所を通過させることができる。また、請求項6のように反応物質溶液と検体溶液を検査用カセットの中に保持させている場合には、吸引手段でこれらを吸引することで、両溶液を混合させることができる。
【0015】
請求項3に記載の表面プラズモン共鳴装置は、請求項1において前記受光部の受光信号に基づいて検体を検査する手段と、前記検査手段により検査された結果を表示する表示部とを備えたことを特徴としている。
【0016】
請求項3に記載の表面プラズモン共鳴装置にあっては、検体の検査結果を表示部に表示させることができるので、一目で検査結果を知ることができ、簡単に使用することができる。
【0017】
請求項4に記載の検査用カセットは、表面プラズモン共鳴を利用して検査を行う検体溶液を保持させるための検査用カセットであって、表面プラズモン共鳴装置内で位置決めするための位置決め手段を備えたものである。
【0018】
請求項4に記載の検査用カセットは、表面プラズモン共鳴装置内で位置決めするための位置決め手段を備えているので、検査用カセットを表面プラズモン鏡面装置内に正確にセットすることができ、検査用の光の照射位置や吸引手段の接続位置などがずれることがない。
【0019】
請求項5に記載の検査用カセットは、表面プラズモン共鳴を利用して検査を行う検体溶液を保持させるための検査用カセットであって、検体溶液を注入するための検体注入口と、注入された検体を吸着させるための共鳴材とを有している。この検査用カセットによれば、Au等の金属薄膜等からなる共鳴材に吸着された検体の量から直接検体を検査することができる。
【0020】
請求項6に記載の検査用カセットは、表面プラズモン共鳴を利用して検査を行う検体溶液を保持させるための検査用カセットであって、検体溶液を注入するための検体注入口と、検体と反応する反応物質溶液を注入するための反応物質注入口と、検体と反応した後の反応物質を吸着させるための共鳴材とを有している。この検査用カセットによれば、共鳴材に吸着された反応物質の量から間接的に検体の検査をすることができ、いわゆる間接競合法により高い精度で検査を行うことができる。
【0021】
請求項7に記載の検査用カセットは、請求項6において、検体注入口から注入された検体溶液と反応物質注入口から注入された反応物質溶液とを混合させるための液溜め部を有するものである。この検査用カセットによれば、間接競合法により抗体の検査をする際、液溜め部で抗体と反応物質とを充分に反応させておくことが可能になる。
【0022】
請求項8に記載の検査用カセットは、請求項6において、互いに分離した複数の共鳴材を備え、一部の共鳴材には検体注入口から注入された検体溶液と反応物質注入口から注入された反応物質溶液とを混合させたものを接触させ、別な一部の共鳴材には反応物質注入口から注入された反応物質溶液のみを接触させる構造となっている。この検査用カセットを用いれば、検体溶液と反応物質溶液を混合させたものを共鳴材に接触させて検体の検査を行うと同時に、反応物質溶液のみを共鳴材に接触させて検体を含まない状態での比較データ(検量線データ)を採取することができる。よって、この検査用カセットを用いれば、検査時間を短縮することができる。
【0023】
請求項9に記載の検査用カセットは、請求項6において、互いに分離した複数の共鳴材と、複数の反応物質注入口とを備え、検体注入口から注入された検体溶液と各反応物質注入口から注入された反応物質溶液とを混合させたものをそれぞれ異なる共鳴材に接触させる構造となっている。この検査用カセットを用いれば、複数種類の抗体に対する抗原試料の検査を一度に行うことができる。
【0024】
なお、この発明の以上説明した構成要素は、可能な限り任意に組み合わせることができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
図4及び図5は本発明にかかる表面プラズモン共鳴分析装置21の一実施形態を示す図であって、図4は上面側から見た外観斜視図、図5は下面側から見た外観斜視図である。この分析装置21の主要部は、ハウジング下部22bとハウジング上部22aからなるハウジング22内に納められている。ハウジング上部22a上面の左半部には、液晶表示パネル等からなる表示部23が設けられ、その前方にはスタートボタン24、切替スイッチ25、決定ボタン26が並んでいる。また、ハウジング上部22aの右半部には、試料検査室27が設けられ、試料検査室27はカバー扉28を閉じて塞ぐことができるようになっている。カバー扉28は、ハウジング22の前面の開ボタン29を押して開くことができる。試料検査室27内には、試料カセット(カセット式マイクロフローセル)30を載置するためのカセット載置台31が設けられている。カセット載置台31の上面には複数のガイドピン32が突出しており、試料カセット30をカセット載置台31の上に載置して試料カセット30の下面に形成されたガイド孔33をガイドピン32に嵌め合わせれば、試料カセット30はカセット載置台31の上で所定位置に位置決めされる。
【0026】
図6は試料カセット30の斜視図である。試料カセット30の上面では、一方に試料溶液を注入するための測定検体注入口34と、抗体試料を含んだ溶液を注入するための複数個の抗体試料注入口35とが設けられ、他方には吸引口36が設けられており、測定検体注入口34から注入された試料溶液と、抗体試料注入口35から注入された抗体を含んだ溶液とは、試料カセット30内に保持される。
【0027】
図7は試料カセット30の分解斜視図である。最下層に位置する板状のホルダー37の上面には凹部38が形成され、凹部38の中央部には開口39があいている。また、ホルダー37の下面には、前記ガイド孔33が凹設されている。ホルダー37の凹部38内には、分析用基板40が嵌め込まれて位置決めされている。分析用基板40は、BK7(屈折率nd=1.5163)、SFL6(屈折率nd=1.80518)のような高屈折率の光学ガラス(後述のプリズムと同じ屈折率のものが望ましい。)からなるガラス板41の上面全体に金属薄膜42を厚さ50nmとなるように蒸着した後、金属薄膜42の上に厚みが100μmとなるようにシリコンゴム43を印刷し、シリコンゴム43から金属薄膜42をスリット状に一部露出させたものである。金属薄膜22としては、Au、Ag、Pt、Cu、Ni、Fe、Al、ステンレスなどを用いることができるが、特にAuが望ましい。したがって、分析用基板40の上面のほぼ全体はシリコンゴム43によって覆われており、シリコンゴム43のスリット状開口によって形成された幅500μm以上の流路44が互いに分離されて複数本平行に設けられ、各流路44内には金属薄膜42が露出している。この分析用基板40の各流路44には、抗原複合体が塗布される。抗原複合体の塗布は、BSAの物理吸着で行われ、その後スキムミルクでブロッキングされる。ただし、Au薄膜のように金属薄膜42が耐溶剤性を有していれば、PS、PMMAなどの材料に変更してもよい。この分析用基板40は、全体にAu薄膜等の金属薄膜42を形成されるので、ホルダー37に設けた凹部38に嵌め込むようにしてできるだけ面積を小さくしており、それによってコストを低減している。
【0028】
ホルダー37及び分析用基板40の上には、厚さ100〜300μm程度の軟質のフッ素系樹脂シート45a、45b、45c、45d(例えば、ポリテトラフルオロエチレンのシート)が4枚積層されている。積層されたフッ素系樹脂シート45a〜45dの上には、平面度の高い硬質のカバー板46が重ねられており、フッ素系樹脂シート45a〜45dはカバー板46によって均等に押圧されている。カバー板46は、耐食性の点からはポリテトラフルオロエチレン等のフッ素系樹脂が望ましいが、場合によってはBK7のようなガラス板、セラミック板、金属板などを使用してもよい。
【0029】
ホルダー37の上面には位置決めボス47が突設されており、この位置決めボス47をフッ素系樹脂シート45a〜45d及びカバー板46の縁に設けられた位置決め孔48に挿通させることにより、分析用基板40、フッ素系樹脂シート45a〜45d及びカバー板46を互いに位置決めしている。さらに、カバー板46の両側部に硬質樹脂製又は金属製のクランプ部49を重ね合わせ、ホルダー37、フッ素系樹脂シート45a〜45d及びカバー板46の両側部に開けられた通孔50に通したネジ51をクランプ部49の下面に螺合させ、試料カセット30を一体に組み立てている。これによってカバー板46及びフッ素系樹脂シート45a〜45dはクランプ部49とホルダー37との間に均等に締め付けられる。ここでネジ51としては、各フッ素系樹脂シート45a〜45dを均等に締め付けられるようにするためには、段付きネジを用いるのが望ましい。この試料カセット30は、ネジ51で組み立てられているので、分解して分析用基板40、フッ素系樹脂シート45a〜45d、カバー板46等を洗浄した後、再び組み立てれば再利用することができる。また、組み立て方法としては、例えばクランプ部49の下部に設けた爪をホルダー37に係止させるなどして簡単に組立と分解を行えるようにしてもよい。あるいは、ホルダー37とフッ素系樹脂シート45aとカバー板46の周囲を接着剤で接着して使い捨てタイプとしても差し支えない。
【0030】
この試料カセット30は、一度に複数の抗体に対する試料溶液(抗原)の検査を行えるようにしたものであって、以下のような内部構造を有している。カバー板46の一方(以下、試料供給側という。)には、1つの測定検体注入口34と複数の抗体試料注入口35が開口されており、他方(以下、試料吸引側という。)には1つの吸引口36が開口されている。1番上のフッ素系樹脂シート45aの試料供給側には、抗体試料注入口35と対向する位置に複数の連通孔52が開口され、各連通孔52から試料吸引側へ向けて抗体試料供給孔53(流路幅500μm以上)が長孔状に延びている。さらに、フッ素系樹脂シート45aの試料供給側には、測定検体注入口34と対向する位置に連通孔54が開口され、該連通孔54からは櫛歯状に分岐して測定検体供給孔55(流路幅500μm以上)が延びており、各測定検体供給孔55の先端部は抗体試料供給孔53と交互に並んでいる。フッ素系樹脂シート45aの試料吸引側には、吸引口36と対向する位置に比較的大きな第2回収部56が開口されている。
【0031】
上から2番目のフッ素系樹脂シート45bの試料供給側には、フッ素系樹脂シート45aの測定検体供給孔55の先端及び抗体試料供給孔53の先端と対応する位置を始端として合流したY字状の混合液供給孔57(流路幅500μm以上)が形成され、混合液供給孔57の合流側端部に比較的大きな円形の液溜め部58が設けられている。また、フッ素系樹脂シート45bの試料吸引側には、フッ素系樹脂シート45aの第2回収部56と対向する位置で1点に集まり、他端が複数に分岐した櫛歯状の混合液回収孔59(流路幅500μm以上)が開口されている。
【0032】
上から3番目のフッ素系樹脂シート45cの試料供給側には、フッ素系樹脂シート45bの液溜め部58と対応する位置にそれぞれ連通孔60が開口されており、フッ素系樹脂シート45cの試料吸引側には、混合液回収孔59の分岐側先端部に対応する位置にそれぞれ第1回収部61が開口されている。
【0033】
最も下のフッ素系樹脂シート45dの試料供給側には、フッ素系樹脂シート45cの連通孔60と分析用基板40に設けられた流路44の一端とを結ぶようにして複数本の混合液供給孔62(流路幅500μm以上)が放射状に開口されており、フッ素系樹脂シート45dの試料吸引側には、フッ素系樹脂シート45cの第1回収部61と分析用基板40の流路44の他端とを結ぶようにして複数本の混合液回収孔63(流路幅500μm以上)が放射状に開口されている。なお、上記のようなフッ素系樹脂シート45a〜45d及びカバー板46の各種の孔は、パンチングによって打ち抜いて形成される。
【0034】
図8は試料カセット30の内部の通路を表わした概略斜視図、図9は試料カセット30の模式的な断面図である。この試料カセット30にあっては、測定検体注入口34、連通孔54、測定検体供給孔55、混合液供給孔57によって抗原試料を含んだ試料溶液の供給通路が構成され、抗体試料注入口35、連通孔52、抗体試料供給孔53、混合液供給孔57によって抗体試料を含んだ溶液の供給通路が構成され、両通路を通じて供給された抗原試料と抗体試料とは液溜め部58で混合されて保持される。さらに、連通孔60及び混合液供給孔62で混合溶液を金属薄膜42の設けられている流路44へ供給するための通路が形成される。また、吸引口36から試料カセット30の内部の空気を引き抜くと、連通孔60、混合液供給孔62、流路44、混合液回収孔63、第1回収部61、混合液回収孔59及び第2回収部56という経路を通じて、各液溜め部58内に溜まっている混合溶液が空気と共に一度に引き抜かれる。このとき、金属薄膜42の形成されている流路44を通過した混合溶液は、混合液回収孔63を通って第1回収部61に溜められる。混合溶液の量が多くて混合溶液の一部が第1回収部61を通過した場合にも、その混合溶液は第2回収部56で回収される。よって、吸引口36から吸引しても混合溶液は吸引口36から溢れ出ることはなく、試料カセット30内に保持される。
【0035】
図10は試料検査室27内の内部の構造を示す断面図である。ハウジング下部22bの底面に設けられた回路基板64の上面には、信号処理回路等を構成するための電子回路と共に発光ダイオード(LED)や半導体レーザー素子(LD)のような1個又は複数個の発光素子65(例えば、アレイ状のLED)と、複数個のフォトトランジスタや複数個のフォトダイオード(PD)、CCD、PSD等の受光素子66が2次元データを取得できるように実装されている。発光素子65は、波長が200〜1,300nm、好ましくは400〜800nm、より好ましくは650〜800nmの光を発光するものが望ましい。発光素子65及び受光素子66の上方には、プリズム67が固定されている。プリズム67はほぼ台形状をしており、台形状部分67aの上面には矩形状部分67bが突出している。プリズム用材料としては、BK7(屈折率1.5163)、SFL6(屈折率1.80518)などの高屈折率ガラス材料が望ましいが、プラスチック等であってもよい。発光素子65から出射された光は、プリズム67上に線状の検出エリアを有するように設定され、試料カセット30の複数の流路44を同時に検出できるように配置される。
【0036】
試料検査室27内に設けられている前記カセット載置台31は中央部に開口31aを有している。プリズム67は、カセット載置台31の下に配置されており、矩形状部分67bがカセット載置台31の開口31aから突出している。プリズム67のカセット載置台31上面からの突出長は、試料カセット30において分析用基板40の下面がホルダー37の下面から引っ込んでいる距離と等しくなっており、試料カセット30をカセット載置台31の上にセットすると、矩形状部分67bが試料カセット30の開口39内にはまり込んでプリズム67の上面(平坦面)が分析用基板40の下面に密着する。また、前記のように、カセット載置台31の上面にはガイドピン32が突出している。
【0037】
発光素子65は、シリンドリカルレンズ68を介してプリズム67下面の一方端部に対向し、受光素子66は、プリズム67下面の他方端部に対向しており、発光素子65は光出射方向を真上に向けて固定され、受光素子66は受光面を真上に向けて固定されている。しかして、発光素子65から上方に向けて光線を出射させると、発光素子65から出射された光は、図10に矢印で示すように、レンズ68でコリメート化された後、プリズム67の下面からプリズム67内に入り、台形状部分67aの斜面69で全反射されることによって矩形状部分67bの上面(全反射面70)に達する。この全反射面70で全反射された光は、台形状部分67aの他方の斜面69でさらに全反射されてプリズム67の下面から出射され、受光素子66により受光される。
【0038】
カバー扉28の前端部には係止部71が設けられており、カバー扉28を閉じると、ハウジング下部22bの前面に設けられた係止爪72が係止部71に引っ掛かることによってカバー扉28が閉成状態に保持される。係止爪72は弾性片73の上端部に設けられており、弾性片73の下部に設けられた開ボタン29を押すと、閉じられたカバー扉28を開くことができる。カバー扉28の内面には下面が平面状をしたプレート74が取り付けられており、プレート74の下面には、複数個の突起状をしたカセット押え75と、試料カセット30の測定検体注入口34及び抗体試料注入口35の周囲を押えて塞ぐための注入口押え76と、試料カセット30からエアを引き抜くための針状をした吸引ノズル77とが突出している。カセット押え75は、ゴム又は軟質樹脂によって形成されていて弾性を有しており、カセット載置台31の上に試料カセット30を置いた後、カバー扉28を閉じると、試料カセット30がカセット押え75で動かないように押えられる。注入口押え76は、測定検体注入口34及び抗体試料注入口35よりも大きな外径を有しており、その中心には、図11に示すように、吸引されたときにエアを通すことができる程度の細い貫通孔78が設けられている。吸引ノズル77は先端が吸引口36に入る太さとなっており、図12に示すように、吸引ノズル77の周囲には吸引口36の周囲を押えて塞ぐための弾性パッキン(ブッシュ)79が設けられている。さらに、吸引ノズル77は、吸引チューブ80を介して吸引ポンプ(後述する。)に接続されている。
【0039】
次に、上記のような構造の試料カセット30と表面プラズモン共鳴分析装置21を用いて、いわゆる間接競合法(特開平10−221249号)により抗原の検査を行う方法を説明する。この間接競合法とは、既知量の抗体に試料溶液(検体溶液)を予め混合反応させておき、しかる後、この混合溶液を金属薄膜等の共鳴材に接触させ、試料溶液中の抗原と反応した残りの抗体を共鳴材に固定化されている抗原と結合させる方法であって、表面プラズモン共鳴分析によって共鳴材に固定化されていた抗原と結合した抗体の量を計測し、計測した抗体量ともとの抗体量(既知量)との差から試料溶液中の抗原と結合した抗体量を知り、それによって試料溶液中の抗原の量を求めるというものである。
【0040】
具体的に説明すると、まず、図13(a)に示すように抗原複合体81を固定されただけの金属薄膜42(共鳴材)に対して反射率R0を求めておく。ついで、図13(b)に示すように金属薄膜42に固定された抗原複合体81に対して既知量の抗体82を接触させ、この抗体82を抗原複合体81に吸着させた状態で反射率R1を測定し、反射率の変化ΔR1=R1−R0を求める。これを検量線データという。また一方で、図13(c)に示すように、既知量の抗体82を未知量の抗原83に接触させて全ての抗原83を抗体82と結合させ(抗体82の量は抗原83の量よりも充分に多くなっている。)、抗原83と結合せずに余った抗体82を金属薄膜42の抗原複合体81に吸着させた状態で反射率R2を測定し、反射率の変化ΔR2=R2−R0を求める。こうして得られた反射率の変化ΔR1、ΔR2と抗体82の既知量とからは、抗原複合体81に吸着された抗体82の量を知ることができ、ひいては検査対象となる抗原83の量を知ることができる。
【0041】
金属薄膜等の共鳴材に固定化された抗体に抗原を結合させて直接抗原の量を計測する方法では、抗原の分子量が小さいために高い計測精度を得ることが困難であるが、間接競合法によれば共鳴材に複数の低分子量の抗原を固定化した複合体を固定した複合体抗原に分子量の大きな抗体を結合させて抗体の量を計測するので、高い感度を得ることができる長所がある。
【0042】
次に、上記表面プラズモン共鳴分析装置21を用いて検査する具体的手順を説明する。まず、抗原試料(測定検体)を含んだ試料溶液と、既知量の抗体試料を含んだ溶液とを用意する。測定の対象としての抗原である薬物に限定はないが、この検査方法は、特に低分子量の薬物に適している。例えば、メタンフェタミンやアンフェタミン等の覚醒剤、モルヒネやジアセチルモルヒネ(ヘロイン)、コデイン、カコイン等の麻薬、フェノバルビタールやニトラゼパム等の向精神剤、***としてのテトラヒドロカンナビノールなどの検査に適している。
【0043】
一方、薬物(又は、薬物のエピトープ)を認識して特異的に結合する抗体としては、モノクロナール抗体でもポリクロナール抗体でも、特に制限無く使用することができる。モノクロナール抗体は、例えばケーラー・ミルシュタインの方法に従って、容易に製造することができる。一般に、抗原で免役したマウス等のほ乳類の脾臓細胞等に由来する抗体産生細胞と、マウス等のほ乳類のミエローマ細胞とを融合し、選択培地によって、抗体を産生するハイブリドーマをスクリーニングすることによって、所望のハイブリドーマを入手し、これを培養してモノクロナール抗体を産生させるか、又はハイブリドーマをマウス等のほ乳類の腹腔内に投与し、腹水からモノクロナール抗体を生成することによってもモノクロナール抗体を入手することができる。
【0044】
また、この検査方法は、抗原と抗体に代え、細胞やバクテリア、ウィルス等の試料と、その反応物質を用いることにより、細胞やバクテリア、ウィルス等の検査を行うこともできる。さらに、試料(測定検体)に特定の抗原が含まれているか否かを検査する場合には、試料には必ずしも抗原が含まれているとは限らない。
【0045】
ついで、同一の試料カセット30を2枚用意する。これらの試料カセット30内の各金属薄膜42には、前記のように所定の抗原複合体が塗布されている。シリンジ等を用いて、一方の試料カセット30の各抗体試料注入口35に互いに種類の異なる既知量の抗体を含んだ抗体試料を注入する。抗体試料注入口35から注入された抗体試料は、連通孔52から抗体試料供給孔53に入り、混合液供給孔57を通って液溜め部58に達し(あるいは、液溜め部58に達する前の通路で止まるかも知れない。)、そこで止められる。
【0046】
こうして、各抗体試料を注入された試料カセット30を表面プラズモン共鳴分析装置21の試料検査室27内に納める。試料カセット30をカセット載置台31の上に載置すると、ガイドピン32が試料カセット30のガイド孔33内に嵌って試料カセット30が位置決めされる。また、プリズム67の上面と試料カセット30の分析用基板40下面との間には、マッチングオイルを塗布し充填させることにより、互いに光学的に一体化させる。ついで、試料検査室27のカバー扉28を閉じると、カバー扉28は係止爪72によって閉成状態に保持され、内部の試料カセット30はカセット押え75によって押さえ付けられる。また、カバー扉28を閉じると、図11に示したように測定検体注入口34及び抗体試料注入口35が注入口押え76によって塞がれると共に、図12に示すように吸引口36に吸引ノズル77が差し込まれる。
【0047】
こうして準備が完了した後、切替スイッチ25を検量側に切り替えて、スタートボタン24を押すと、吸引ポンプが作動して吸引ノズル77から試料カセット30内の空気が引き抜かれ、試料カセット30内の流路が減圧される。この結果、試料カセット30の液溜め部58内に保持されていた抗体試料が連通孔60及び混合液供給孔62を通って各流路44へ導かれ、それぞれの抗体試料が各流路44を通過する際に金属薄膜42に接触する。このとき、抗体試料中に含まれている抗体は、全て金属薄膜42に固定されている抗原複合体に吸着される。
【0048】
流路44を通過した抗体試料は、さらに吸引されて混合液回収孔63を通って第1回収部61に達し、ここに溜められる。更に、第1回収部61を通過した抗体試料は、混合液回収孔59で1箇所に集められて第2回収部56に溜められる。よって、抗体試料は、第1回収部61及び第2回収部56に溜められるので、抗体試料は吸引ノズル77や吸引ポンプ内に流れ込むことはない。
【0049】
スタートボタン24を押すと同時に、発光素子65から光が出射される。この光はレンズ68でコリメート化された後にプリズム67内に入り、斜面69で反射し、さらにプリズム67の上面に接している分析用基板40の金属薄膜42で反射する。金属薄膜42で反射した光は、再び斜面69で反射した後、受光素子66で受光される。
【0050】
スタートボタン24を押した直後の受光量I0は、抗体試料がまだ金属薄膜42に達していないので、金属薄膜42の抗原複合体に抗体が吸着されていない状態における反射率R0に対応する受光量である。抗体が金属薄膜42の抗原複合体に吸着されるに従って受光素子66の受光量は変化するが、やがて受光量が安定する。この安定した状態における受光量I1は、既知量の抗体が金属薄膜42に吸着された状態における反射率R1に対応する受光量である。表面プラズモン共鳴分析装置21の演算処理部は、これらの受光量I0、I1に基づいて反射率の差ΔR1=R1−R0に相当するデータを求め、抗体の既知量などのデータと一緒にメモリに記憶する。
【0051】
次に、シリンジ等を用いて、もう一方の試料カセット30の測定検体注入口34に抗原試料を注入し、また、各抗体試料注入口35に互いに種類の異なる前記抗体試料を注入する。測定検体注入口34から注入された抗原試料は、連通孔54から測定検体供給孔55に入って測定検体供給孔55の各枝に分岐し、混合液供給孔57を通って複数の液溜め部58に達する(あるいは、液溜め部58に達する前の通路で止まっているかも知れない。)。また、抗体試料注入口35から注入された抗体試料は、連通孔52から抗体試料供給孔53に入り、混合液供給孔57を通って液溜め部58に達する。従って、若干広い空間となっている各液溜め部58には、抗原試料と各抗体試料とが止まり、そこで混合される(あるいは、抗体試料と抗原試料が液溜め部58に達する前で止まっている場合には、吸引により混合を開始する。)。即ち、1番目の液溜め部58では、測定検体注入口34から注入された抗原試料と1番目の抗体試料注入口35から注入された抗体試料とが混合され、2番目の液溜め部58では、測定検体注入口34から注入された抗原試料と2番目の抗体試料注入口35から注入された抗体試料とが混合され、3番目の液溜め部58では、測定検体注入口34から注入された抗原試料と3番目の抗体試料注入口35から注入された抗体試料とが混合されるといった具合になる。このとき、抗原試料に含まれている抗原と各々の抗体試料に含まれている所定量の抗体とが反応する。
【0052】
こうして、抗原試料と各抗体試料を注入された試料カセット30を試料検査室27のカセット載置台31の上に載置して位置決めする。このときも、プリズム67の上面と試料カセット30の分析用基板40下面との間には、マッチングオイルを塗布し充填させることにより、互いに光学的に一体化させる。ついで、試料検査室27のカバー扉28を閉じて、測定検体注入口34及び抗体試料注入口35を注入口押え76で塞ぐと共に、吸引口36に吸引ノズル77を差し込む。
【0053】
こうして準備が完了した後、切替スイッチ25を検査側に切り替えておき、スタートボタン24を押すと、吸引ポンプが作動して吸引ノズル77から試料カセット30内の空気が引き抜かれ、試料カセット30内の流路が減圧される。この結果、図8に示すように、試料カセット30の液溜め部58内に保持されていた抗原試料と抗体試料との混合溶液が連通孔60及び混合液供給孔62を通って各流路44へ導かれ、それぞれの混合液が各流路44を通過する際に金属薄膜42に接触する。このとき、混合液中に含まれている抗原と結合していない抗体は、金属薄膜42に固定されている抗原複合体に吸着される。
【0054】
流路44を通過した混合液は、さらに吸引されて混合液回収孔63を通って第1回収部61に達し、ここに溜められる。更に、第1回収部61を通過した混合液は、混合液回収孔59で1箇所に集められて第2回収部56に溜められる。よって、混合液は、第1回収部61及び第2回収部56に溜められるので、混合液は吸引ノズル77や吸引ポンプ内に流れ込むことはない。
【0055】
スタートボタン24を押すと同時に、発光素子65から光が出射される。この光はレンズ68でコリメート化された後にプリズム67内に入り、斜面69で反射し、さらにプリズム67の上面に接している分析用基板40の金属薄膜42で反射する。金属薄膜42で反射した光は、再び斜面69で反射した後、受光素子66で受光される。
【0056】
スタートボタン24を押した直後の受光量I0は、抗体試料と抗原試料の混合液がまだ金属薄膜42に達していないので、金属薄膜42の抗原複合体に抗体が吸着されていない状態における反射率R0に対応する受光量である。余剰の抗体が金属薄膜42の抗原複合体に吸着されるに従って受光素子66の受光量は変化するが、やがて受光量が安定する。この安定した状態における受光量I2は、既知量の抗体と結合することなく残った余剰の抗体が金属薄膜42に吸着された状態における反射率R2に対応する受光量である。表面プラズモン共鳴分析装置21の演算処理部は、これらの受光量I0、I2に基づいて反射率の差ΔR2=R2−R0に相当するデータを求め、メモリに記憶する。
【0057】
上記のような工程が完了すると、表面プラズモン共鳴分析装置21の演算処理装置はメモリからデータを読み出し、間接競合法の原理に基づいて抗原試料に含まれている各抗原の種類や量を求め、その結果をメモリに記憶させると共に表示部23に表示させる。また、必要に応じてプリンタなどに出力する。
【0058】
ここでは、図6〜図9に示したような構造の試料カセット30を使用し、複数種類の抗体試料を用いたので、検査対象となる抗原試料に含まれている抗原の種類を特定することができ、また、複数種類の抗体に対する反応を一度に検査することができ、各抗原の量を一度に検出することができる。
【0059】
次に、別な構造の試料カセット84を図14〜図16により説明する。これは複数本の流路44内の金属薄膜42において、同一の抗体試料と抗原試料の組み合わせで複数回の検査を一度に行えるようにしたものである。図14はこの試料カセット84の斜視図、図15はその分解斜視図である。この試料カセット84にあっては、カバー板46には、測定検体注入口34と抗体試料注入口35と吸引口36がそれぞれ1個ずつ開口されている。また、図7に示した試料カセット30の構造と比較すると、この試料カセット84では、フッ素系樹脂シート45aに代えて2枚のフッ素系樹脂シート45e、45fが挟み込まれている。最上層のフッ素系樹脂シート45eの試料供給側には、測定検体注入口34と対向する位置に連通孔54が開口され、該連通孔54からは櫛歯状に分岐して測定検体供給孔55(流路幅500μm以上)が延びており、また抗体試料注入口35と対向する位置に1つの連通孔85が開口されている。フッ素系樹脂シート45aの試料吸引側には、吸引口36と対向する位置に連通孔86が開口されている。
【0060】
上から2番目の上層の45fの試料供給側には、連通孔85と対向する位置に連通孔87が開口され、該連通孔87からは櫛歯状に分岐して抗体試料供給孔88(流路幅500μm以上)が延びており、また測定検体供給孔55の先端と対向する位置にはそれぞれ連通孔89が開口されている。フッ素系樹脂シート45aの試料吸引側には、連通孔86と対向する位置に回収孔90が開口されている。
【0061】
上から3番目以降のフッ素系樹脂シート45b〜45dは、図7に示されているものと同じものである。この3枚目のフッ素系樹脂シート45bの混合液供給孔57の分岐した端部はそれぞれ抗体供給孔88の先端と連通孔89に対向しており、フッ素系樹脂シート45bの混合液回収孔59の先端は回収孔90に対向している。
【0062】
図16は試料カセット84の内部の通路を表わした概略斜視図である。この試料カセット84にあっては、測定検体注入口34、連通孔54、測定検体供給孔55、連通孔89、混合液供給孔57によって抗原試料を含んだ試料溶液の供給通路が構成され、抗体試料注入口35、連通孔85、連通孔87、抗体供給孔88、混合液供給孔57によって抗体試料を含んだ溶液の供給通路が構成されており、測定検体注入口34から注入された抗原試料は測定検体供給孔55で複数に分岐して各液溜め部58へ流れ込み、抗体試料注入口35から注入された抗体試料は、抗体供給孔88で分岐して液溜め部58へ流れ込み、抗原試料と抗体試料とは液溜め部58で混合されて保持される。従って、複数の液溜め部58では、いずれも同一の抗体試料と抗原試料が混合される。よって、この試料カセット84を用いれば、1つの抗原に対する検査を複数の金属薄膜42を用いて同時に実施することができる。
【0063】
この試料カセット84を用いた間接競合法による検査方法は、抗体が1種類である点を除けば、試料カセット30を用いた場合と同じであるので、詳細は省略する。
【0064】
次に、さらに別な構造の試料カセット91を図17〜図19により説明する。これは抗原試料の検査と検量線データの取得とを同時に行えるようにしたものである。図17はこの試料カセット91の斜視図、図18はその分解斜視図である。最下層に位置する板状のホルダー37の上面には凹部38が形成され、凹部38の中央部には開口39があいている。ホルダー37の凹部38内には、分析用基板40が嵌め込まれて位置決めされている。分析用基板40は、ガラス板41の上面全体に金属薄膜42を蒸着した後、金属薄膜42の上にシリコンゴム43を印刷し、シリコンゴム43から金属薄膜42をスリット状に一部露出させたものである。したがって、分析用基板40の上面のほぼ全体はシリコンゴム43によって覆われており、シリコンゴム43のスリット状開口によって形成された流路44が複数本平行に設けられ、各流路44内には金属薄膜42が露出している。この分析用基板40の各流路44には、いずれも抗原複合体が塗布されており、交互に検査用と検量線データ取得用が並んでいる。
【0065】
ホルダー37及び分析用基板40の上には、厚さ100〜300μm程度の軟質のフッ素系樹脂シート45g、45h、45i、45hj(例えば、ポリテトラフルオロエチレンのシート)が4枚積層されている。積層されたフッ素系樹脂シート45g〜45jの上には、平面度の高い硬質のカバー板46が重ねられており、フッ素系樹脂シート45g〜45jはカバー板46によって均等に押圧されている。
【0066】
これらのホルダー37、分析用基板40、フッ素系樹脂シート45g〜45j、カバー板46を積層して組み立てるための構造は、図7に示した試料カセット30の場合と同様であるので、その説明は省略する。
【0067】
この試料カセット91は、一度に複数の抗体に対する試料溶液(抗原)の検査を行えると共に検量線データも取得できるようにしたものであって、以下のような内部構造を有している。カバー板46の試料供給側には、1つの測定検体注入口34と複数の抗体試料注入口35が開口されており、試料吸引側には1つの吸引口36が開口されている。1番上のフッ素系樹脂シート45gの試料供給側には、抗体試料注入口35と対向する位置に複数の連通孔92が開口されている。さらに、フッ素系樹脂シート45gの試料供給側には、測定検体注入口34と対向する位置に連通孔93が開口され、該連通孔93からは櫛歯状に分岐して測定検体供給孔94が延びており、各測定検体供給孔94の先端部は連通孔92と交互に並んでいる。フッ素系樹脂シート45gの試料吸引側には、吸引口36と対向する位置には吸引口36と対向する位置で1点に集まり、他端が複数に分岐した櫛歯状の混合液回収孔95が開口されている。
【0068】
上から2番目のフッ素系樹脂シート45hの試料供給側には、フッ素系樹脂シート45gの連通孔92と対応する位置に同様な連通孔96が開口され、フッ素系樹脂シート45gの測定検体供給孔94の先端に対応する位置に比較的小さな連通孔97が開口され、両連通孔96、97が交互に配列している。また、フッ素系樹脂シート45hの試料吸引側には、混合液回収孔95の分岐側先端に対向する位置に比較的容積の大きな回収部98が開口されている。
【0069】
上から3番目のフッ素系樹脂シート45iの試料供給側には、連通孔96に対応する位置に端部を有する長孔状の検量用流路99が開口され、連通孔97に対応する位置に端部を有する長孔状の検査用流路100が開口されており、検量用流路99の端と検査用流路100の中央部とは合流用流路101で結ばれている。また、フッ素系樹脂シート45iの試料吸引側には、隣接する検量用流路99及び検査用流路100と対向する分岐側端部を有し、フッ素系樹脂シート45hの回収部98と対応する位置で他端が1本にまとまった略Y字状の回収流路102が開口されている。
【0070】
最も下のフッ素系樹脂シート45jの試料供給側には、フッ素系樹脂シート45iの検量用流路99と分析用基板40に設けられた検量用の流路44の一端とを結ぶようにして複数本の検量用液供給孔103と、検査用流路100と検査用の流路44の一端とを結ぶようにして複数本の混合液供給孔104とが放射状に開口されており、フッ素系樹脂シート45jの試料吸引側には、フッ素系樹脂シート45iの回収流路102と分析用基板40の流路44の他端とを結ぶようにして複数本の回収流路105が放射状に開口されている。なお、上記のようなフッ素系樹脂シート45g〜45j及びカバー板46の各種の孔は、パンチングによって打ち抜いて形成される。
【0071】
図19は試料カセット91の内部の通路を表わした概略斜視図である。この試料カセット91にあっては、抗体試料注入口35、連通孔92、連通孔96、検量用流路99、検量用液供給孔103によって検量用の流路44に抗体試料を供給するための通路が構成される。また、測定検体注入口34、連通孔93、測定検体供給孔94、連通孔97、検査用流路100、混合液供給孔104によって検査用の流路44に抗原試料を供給するための通路が構成され、抗体試料注入口35、連通孔92、連通孔96、合流用流路101、検査用流路100、混合液供給孔104によって検査用の流路44に抗体試料を供給するための通路が構成され、両通路を通じて供給された抗原試料と抗体試料とは、検査用流路100及び混合液供給孔104を流れるうちに混合される。また、吸引口36から試料カセット91の内部の空気を引き抜くと、混合液回収孔95、回収部98、回収流路102、回収流路105という経路を通じて、試料カセット91内の混合溶液及び検量用の抗体試料が空気と共に引き抜かれる。このとき、金属薄膜42の形成されている流路44を通過した溶液は、回収流路105及び回収流路102を通って回収部98に溜められる。
【0072】
よって、このような試料カセット91を前記のような表面プラズモン共鳴分析装置21にセットして検査を行うと、抗体試料注入口35から注入された抗体試料の一部は、検量線データを取得するための流路44に単独で流れて検量線データを取得される。また、抗体試料注入口35から注入された抗体試料の残りの一部は、測定検体注入口34から注入された抗原試料と混合されて検査用の流路44に流れ、検査用のデータを取得される。従って、このような試料カセット91を用いれば、検量線データの取得と検査とを同時に行うことができ、検査完了までの所要時間を半減させることができる。また、検量線データの取得と検査とを同時に行うことができるので、検量線データと検査データとのバラツキが小さく、検査精度も向上する。
【0073】
次に、さらに別な構造の試料カセット106を図20及び図21により説明する。これは複数本の流路44内の金属薄膜42において、同一の抗体試料と抗原試料の組み合わせで複数回の検査を一度に行えるようにすると共に、さらに検量線データの取得も同時に行えるようにしたものである。図20はこの試料カセット106の斜視図、図21はその内部に形成されている通路を示す斜視図である。この試料カセット106の分解斜視図は示さないが、図18のような構造において、カバー板46及びフッ素系樹脂シート45gを図14のカバー板46及びフッ素系樹脂シート45e及び45fに置き換えたものとなっている。
【0074】
この試料カセット106にあっては、抗体試料注入口35、連通孔85、連通孔87、抗体供給孔88、検量用流路99、検量用液供給孔103によって検量用の流路44に抗体試料を供給するための通路が構成される。また、測定検体注入口34、連通孔54、測定検体供給孔55、連通孔89、検査用流路100、混合液供給孔104によって検査用の流路44に抗原試料を供給するための通路が構成され、抗体試料注入口35、連通孔85、連通孔87、抗体供給孔88、合流用流路101、検査用流路100、混合液供給孔104によって検査用の流路44に抗体試料を供給するための通路が構成され、両通路を通じて供給された抗原試料と抗体試料とは、検査用流路100及び混合液供給孔104を流れるうちに混合される。また、吸引口36から試料カセット106の内部の空気を引き抜くと、混合液回収孔95、回収部98、回収流路102、回収流路105という経路を通じて、試料カセット106内の混合溶液及び検量用の抗体試料が空気と共に引き抜かれる。このとき、金属薄膜42の形成されている流路44を通過した溶液は、回収流路105及び回収流路102を通って回収部98に溜められる。
【0075】
従って、この試料カセット106では、1つの抗原に対する検査を複数の金属薄膜42を用いて複数回同時に実施することができ、さらに、検量線データを取得するための検査も同時に行うことができる。
【0076】
つぎに、上記表面プラズモン共鳴分析装置21により自動的に検査を行うための具体的な手順を説明する。図22は表面プラズモン共鳴分析装置21のシステムを表した概略図である。表面プラズモン共鳴分析装置21は、カセット載置台31の下にプリズム67、発光素子65、受光素子66が配置されている。吸引ノズル77には吸引チューブ80を介して吸引ポンプ107が接続されている。信号処理部108は、受光素子66の出力に基づいて抗原の種類や抗原の計測量などを判定したり、演算したりするものである。検出スイッチ109は、カセット載置台31に試料カセットが装着されている否かを判定するものである。制御部110は、検出スイッチ109からの検知信号を受け取り、発光素子65や吸引ポンプ107を駆動し、信号処理部108で求められた判定結果を受信する。表示部23は表面プラズモン共鳴分析装置21に設けられているが、別途外部のディスプレイ装置をつなぐようにしていてもよい。マイクロプロセッサ111は、メモリ112や外部インターフェイス113、電源114、制御部110、表示部23、スタートボタン24、切替スイッチ25、決定ボタン26とつながっており、表面プラズモン共鳴分析装置21全体をコントロールしている。信号処理部108や制御部110、マイクロプロセッサ111、メモリ112などは、表面プラズモン共鳴分析装置21内の回路基板に実装されている。また、表面プラズモン共鳴分析装置21には、外部インターフェイス113を通じてパーソナルコンピュータを接続することもできる。なお、115はシリンジである。
【0077】
図23は試料カセット30や試料カセット84を用いて、検査と検量線データ取得とを別個に行う場合の測定動作手順を示すフロー図である。これらの動作は、制御部110やマイクロプロセッサ111によって実行される。測定を開始するには、まず検出キットを選定する(ステップS1)。検出キットとは、ある抗原に特異的に反応する抗体と、その抗原複合体を固定された試料カセットとの組み合わせをいう。検出キットが選定されると、その試料カセット30(ここでは、試料カセット30を用いるものとする。)をカセット載置台31の上に装着し(ステップS2)、シリンジ等を用いて試料カセット30に抗体試料を注入する(ステップS3)。ついで、切替スイッチ25を検量側か、検査側に切替える(ステップS4)。ステップS5において、切替スイッチ25が検量側になっている場合には、スタートボタン24を押すと(ステップS7)、検出スイッチ109によって試料カセット30がカセット載置台31に装着されているか判定される(ステップS8)。試料カセット30が装着されていないと判断されると、表示部23に試料カセット30の装着を促すエラーメッセージが表示され(ステップS9)、その場合には、ステップS2以降を繰り返す。ステップS8において、試料カセット30がカセット載置台31に装着されていることが確認されると、吸引ポンプ107が動作を開始し(ステップS10)、試料カセット30内の測定検体を吸引口36側へ引き抜き、表面プラズモン共鳴(SPR)による検査を行う(ステップS11)。
【0078】
表面プラズモン共鳴による検査は、図24のフロー図に示すように、発光素子65を発光させてその反射光を受光素子66で受光することによってデータを取得し(ステップS21)、このデータを表示部23にダイヤグラム表示する(ステップS22)と共にメモリ112にデータを保存する(ステップS23)。ついで、検量中であれば(ステップS24)、検量を終了してメインのフローへ戻る。
【0079】
検量が終了すると、吸引ポンプ107を停止する(ステップS12)。吸引ポンプ107を停止すると、カバー扉28を開けて試料カセット30を取り出す(ステップS13)。検出スイッチ109は、試料カセット30が装着されているか検知しており(ステップS15)、吸引ポンプ107が停止して所定時間経過しても試料カセット30が装着されている場合には、表示部23に試料カセット30を取り外すように表示する(ステップS14)。試料カセット30が取り外されていると、吸引ポンプ107を最初の状態に復帰させる(ステップS16)。
【0080】
測定が終了していない場合(ステップS17でNOの場合)には、ステップS2へ戻る。即ち、新しい試料カセット30をカセット載置台31の上に装着し(ステップS2)、シリンジ等を用いて試料カセット30に抗体試料を注入する(ステップS3)。ついで、切替スイッチ25を検量側か、検査側に切替える(ステップS4)。切替スイッチ25が検査側になっている場合(ステップS5)には、試料カセット30内に測定検体を注入する(ステップS6)。ついで、スタートボタン24を押すと(ステップS7)、検出スイッチ109によって試料カセット30がカセット載置台31に装着されているか判定される(ステップS8)。試料カセット30が装着されていないと判断されると、表示部23に試料カセット30の装着を促すエラーメッセージが表示され(ステップS9)、その場合には、ステップS2以降を繰り返す。試料カセット30がカセット載置台31に装着されていることが確認されると、吸引ポンプ107が動作を開始し(ステップS10)、試料カセット30内の測定検体を吸引口36側へ引き抜き、表面プラズモン共鳴(SPR)による検査を行う(ステップS11)。
【0081】
表面プラズモン共鳴による検査は、図24のフロー図に示すように、発光素子65を発光させてその反射光を受光素子66で受光することによってデータを取得し(ステップS21)、このデータを表示部23にダイヤグラム表示する(ステップS22)と共にメモリ112にデータを保存する(ステップS23)。ついで、検査中であれば(ステップS24)、抗体試料と測定検体の混合溶液における抗体の濃度を計算し(ステップS25)、これを表示部23にダイアグラム表示する(ステップS26)と共にメモリ112に記憶させ(ステップS27)、メインのフローへ戻る。
【0082】
検査が終了すると、吸引ポンプ107を停止する(ステップS12)。吸引ポンプ107を停止すると、カバー扉28を開けて試料カセット30を取り出す(ステップS13)。検出スイッチ109は、試料カセット30が装着されているか検知しており(ステップS15)、吸引ポンプ107が停止して所定時間経過しても試料カセット30が装着されている場合には、表示部23に試料カセット30を取り外すように表示する(ステップS14)。試料カセット30が取り外されていると、吸引ポンプ107を最初の状態に復帰させる(ステップS16)。これで測定が終了する(ステップS17)。
【0083】
図25は試料カセット91や試料カセット106を用いて、検査と検量線データ取得とを同時に行う場合の測定動作手順を示すフロー図である。測定を開始するには、まず検出キットを選定する(ステップS31)。検出キットが選定されると、その試料カセット91(ここでは、試料カセット91を用いるものとする。)をカセット載置台31の上に装着し(ステップS32)、シリンジ等を用いて試料カセット91の抗体試料注入口35から抗体試料を注入する(ステップS33)。ついで、測定検体注入口34から試料カセット91内に測定検体を注入する(ステップS34)。
【0084】
この後、スタートボタン24を押すと(ステップS35)、検出スイッチ109によって試料カセット91がカセット載置台31に装着されているか判定される(ステップS36)。試料カセット91が装着されていないと判断されると、表示部23に試料カセット91の装着を促すエラーメッセージが表示され(ステップS37)、その場合には、ステップS32以降を繰り返す。試料カセット91がカセット載置台31に装着されていることが確認されると、吸引ポンプ107が動作を開始し(ステップS38)、試料カセット91内の測定検体と抗体試料を吸引口36側へ引き抜き、表面プラズモン共鳴(SPR)による検査を行う(ステップS39)。
【0085】
この場合の表面プラズモン共鳴による検査は、図26のフロー図に示すように、発光素子65を発光させてその反射光を受光素子66で受光することによって計量線データと検査データを取得し(ステップS51)、このデータを表示部23にダイヤグラム表示する(ステップS52)。次に、計量線データと検査データを比較することによって測定検体の濃度を計算し(ステップS53)、計算結果を表示部23に表示させる(ステップS54)と共にメモリ112に記憶させ(ステップS55)、メインのフローへ戻る。
【0086】
検査が終了すると、吸引ポンプ107を停止する(ステップS40)。吸引ポンプ107を停止すると、カバー扉28を開けて試料カセット91を取り出す(ステップS41)。検出スイッチ109は、試料カセット91が装着されているか検知しており(ステップS43)、吸引ポンプ107が停止して所定時間経過しても試料カセット91が装着されている場合には、表示部23に試料カセット91を取り外すように表示する(ステップS42)。試料カセット91が取り外されていると、吸引ポンプ107を最初の状態に復帰させる(ステップS44)。この後、ステップS32からの動作を繰り返すか、測定を終了する(ステップS45)。
【0087】
なお、上記実施形態では、いずれも間接競合法を用いて検査する場合について説明したが、従来例で説明したように、共鳴材に抗体を固定しておき、ここに吸着される抗原の量を表面プラズモン共鳴法により直接的に計測する方法にも用いることができることはもちろんである。
【0088】
【発明の効果】
本発明の表面プラズモン共鳴分析装置によれば、検査用カセット内に検体溶液を注入して保持させた後、この検査用カセットをカセット載置部にセットすると、共鳴現象発生部により光が照射されて表面プラズモン共鳴現象が発生する。検査用カセットで表面プラズモン共鳴を起こした反射光は受光部により受光され、検体が検査される。しかして、このような表面プラズモン共鳴装置によれば、複数の検体をそれぞれ異なる検査用カセットに保持させておけば、順次検査用カセットを取り替えながら連続して検体の検査を行うことができ、検体の表面プラズモン共鳴検査を効率よく行うことができる。
【0089】
本発明の検査用カセットは、表面プラズモン共鳴装置内で位置決めするための位置決め手段を備えているので、検査用カセットを表面プラズモン鏡面装置内に正確にセットすることができ、検査用の光の照射位置や吸引手段の接続位置などがずれることがなく、容易に取り扱うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面プラズモン共鳴を利用した免疫センサの原理を示す図である。
【図2】表面プラズモン共鳴における入射角θと反射率Rとの関係を示す曲線である。
【図3】表面プラズモン共鳴を用いた検出装置の具体的構造を示す概略図である。
【図4】本発明にかかる表面プラズモン共鳴分析装置の一実施形態を示す、上面側から見た外観斜視図である。
【図5】同上の表面プラズモン共鳴分析装置の下面側から見た外観斜視図である。
【図6】本発明にかかる試料カセットの斜視図である。
【図7】同上の試料カセットの分解斜視図である。
【図8】同上の試料カセットの内部の通路を表わした概略斜視図である。
【図9】同上の試料カセットの模式的な断面図である。
【図10】試料検査室内部の構造を示す断面図である。
【図11】注入口押えの構造を示す断面図である。
【図12】吸引ノズルの構造を示す断面図である。
【図13】(a)(b)(c)は間接競合法の説明図である。
【図14】別な構造の試料カセットの外観斜視図である。
【図15】同上の試料カセットの分解斜視図である。
【図16】同上の試料カセット内部の通路の構造を示す概略斜視図である。
【図17】さらに別な構造の試料カセットを示す外観斜視図である。
【図18】同上の試料カセットの分解斜視図である。
【図19】同上の試料カセット内部の通路の構造を示す概略斜視図である。
【図20】さらに別な構造の試料カセットを示す外観斜視図である。
【図21】同上の試料カセット内部の通路の構造を示す概略斜視図である。
【図22】表面プラズモン共鳴分析装置のシステム構成を表した概略図である。
【図23】検査と検量線データ取得とを別個に行う場合の測定動作手順を示すフロー図である。
【図24】同上のフロー中の表面プラズモン共鳴検査の手順を表したフロー図である。
【図25】検査と検量線データ取得とを同時に行う場合の測定動作手順を示すフロー図である。
【図26】同上のフロー中の表面プラズモン共鳴検査の手順を表したフロー図である。
【符号の説明】
21 表面プラズモン共鳴分析装置
23 表示部
27 試料検査室
28 カバー扉
30 試料カセット
31 カセット載置台
32 ガイドピン
33 ガイド孔
34 測定検体注入口
35 抗体試料注入口
36 吸引口
65 発光素子
66 受光素子
67 プリズム
77 吸引ノズル
81 抗原複合体
82 抗体
83 抗原
84 試料カセット
106 試料カセット
107 吸引ポンプ

Claims (9)

  1. 検体溶液を保持した検査用カセットをセットするためのカセット載置部と、
    前記カセット載置部にセットされた検査用カセットに向けて光を照射して表面プラズモン共鳴現象を発生させる共鳴現象発生部と、
    前記カセット載置部で反射された光を受光する受光部とを備えた表面プラズモン共鳴装置。
  2. 前記検査用カセット内に保持された検体溶液を吸引して前記検査用カセット内の流路に沿って検体溶液を移動させるための吸引手段を備えた、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴装置。
  3. 前記受光部の受光信号に基づいて検体を検査する手段と、
    前記検査手段により検査された結果を表示する表示部とを備えた、請求項1に記載の表面プラズモン共鳴装置。
  4. 表面プラズモン共鳴を利用して検査を行う検体溶液を保持させるための検査用カセットであって、
    表面プラズモン共鳴装置内で位置決めするための位置決め手段を備えた検査用カセット。
  5. 表面プラズモン共鳴を利用して検査を行う検体溶液を保持させるための検査用カセットであって、
    検体溶液を注入するための検体注入口と、注入された検体を吸着させるための共鳴材とを有する検査用カセット。
  6. 表面プラズモン共鳴を利用して検査を行う検体溶液を保持させるための検査用カセットであって、
    検体溶液を注入するための検体注入口と、検体と反応する反応物質溶液を注入するための反応物質注入口と、検体と反応した後の反応物質を吸着させるための共鳴材とを有する検査用カセット。
  7. 検体注入口から注入された検体溶液と反応物質注入口から注入された反応物質溶液とを混合させるための液溜め部を有する、請求項6に記載の検査用カセット。
  8. 互いに分離した複数の共鳴材を備え、一部の共鳴材には検体注入口から注入された検体溶液と反応物質注入口から注入された反応物質溶液とを混合させたものを接触させ、別な一部の共鳴材には反応物質注入口から注入された反応物質溶液のみを接触させる構造となっている、請求項6に記載の検査用カセット。
  9. 互いに分離した複数の共鳴材と、複数の反応物質注入口とを備え、検体注入口から注入された検体溶液と各反応物質注入口から注入された反応物質溶液とを混合させたものをそれぞれ異なる共鳴材に接触させる構造となっている、請求項6に記載の検査用カセット。
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