JP2004052839A - 可撓性樹脂管用継手 - Google Patents
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Abstract
【課題】結合信頼性が向上する可撓性樹脂管用継手を提供する。
【解決手段】可撓性樹脂管用継手21において、一端部に、内筒部37及び外筒部39を同軸上に形成した本体23と、可撓性樹脂管に外挿され両端部に先細のテーパ面63a,63bを有するC字状リング25と、C字状リング25を収容して外筒部39の外周に形成した雄螺子51に螺合しながら外筒部39の端部とでC字状リング25の両端部を挟持するナット27と、ばね性を有する線状体をC字状に形成した一端部に半径方向内側に折り曲げたピン部77を有してナット27の外周に嵌着しナット27に穿設したナット側透孔79及び外筒部39に形成した外筒部側係止孔53に亘ってピン部77を挿入することでナット27の回転を規制する回転規制リング29とを備えた。
【選択図】 図1
【解決手段】可撓性樹脂管用継手21において、一端部に、内筒部37及び外筒部39を同軸上に形成した本体23と、可撓性樹脂管に外挿され両端部に先細のテーパ面63a,63bを有するC字状リング25と、C字状リング25を収容して外筒部39の外周に形成した雄螺子51に螺合しながら外筒部39の端部とでC字状リング25の両端部を挟持するナット27と、ばね性を有する線状体をC字状に形成した一端部に半径方向内側に折り曲げたピン部77を有してナット27の外周に嵌着しナット27に穿設したナット側透孔79及び外筒部39に形成した外筒部側係止孔53に亘ってピン部77を挿入することでナット27の回転を規制する回転規制リング29とを備えた。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性樹脂管(樹脂製パイプ)を接続する可撓性樹脂管用継手に関し、さらに詳しくは、可撓性樹脂管との結合信頼性を向上させる改良技術に関し、例えば蓄熱装置等に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
可撓性樹脂管である樹脂製パイプを接続する継手の場合、変形等による樹脂製パイプの抜けを防止して、結合信頼性を高める工夫が必要となる。この種の継手として例えば樹脂製パイプを縮径させる締付管を備えた実公昭56−12464号公報記載の軟質管用管継手を説明する。
【0003】
この軟質管用管継手は、継手本体1と、この継手本体1の両端より挿入された合成樹脂製被接続管7と、夫々の被接続管7内の接続端部近くに嵌挿され端部を夫々被接続管7の内端開口縁に係合させた芯管6と、夫々の被接続管7の外周に嵌挿され一端係合部11を継手本体1の内周に挿入され、外周面に形成されたテーパー状の環状段部よりなる係止部12を介して肉薄に形成された他端被締付部13に係止部12より数条の軸方向の切溝13aを形成するとともに内周に被接続管7の外周面に喰い込むねじ部14を有する合成樹脂製締付管9と、夫々の締付管9の被締付部13の外周に嵌着され、継手本体1の外周に螺着された袋ナット16と、夫々の袋ナット16内の端面部17に接して嵌着され内周テーパー面21が締付管9の係止部12に当接された金属補強環19とより成る。
【0004】
この軟質管用管継手によれば、被接続管7に芯管6が内挿されているので、被接続管7が軟質合成樹脂製であっても外側から継手本体1を袋ナット16で強く締着した場合に潰れたりして変形することがなく継手本体1より抜け出すようなことがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の軟質管用管継手は、袋ナット16が緩めば、被接続管7が抜け易くなり、結合信頼性が容易に低下した。
また、締付管9の円周上に等間隔に数条の切溝13aを軸方向に形成し、締付部13を切溝13aによって縮径するようにしていたため、切溝13aの間隔は縮小されるが、各分割片となる締付部13の曲率半径は変化せず、各締付部13の内面の曲率半径が、被接続管7の外周面の曲率半径より大きい場合には、締付部13の内面と被接続管7の外周面との接触面積が小さくなり、被接続管7に対する締付管9の締着力が低下し、被接続管7との結合信頼性が低下した。
【0006】
さらに、被接続管7の端部は切断されることで形成されるが、現場施工が通常となるため、切断面が軸線直交方向でない場合もあり、このような場合には被接続管7と継手とが実質的に十分な挿着長で結合されず、施工後に被接続管7の抜けの生じる虞があった。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、結合信頼性が向上する可撓性樹脂管用継手を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の可撓性樹脂管用継手22は、軸線33を中心とした貫通穴35を有するとともに、少なくとも一端部に、内筒部37及び外筒部39を同軸上に形成した本体23と、
前記内筒部37の外周に挿着した可撓性樹脂管43に外挿され両端部外周面に先細のテーパー面63a,63bを有するC字状リング25と、
一端部27aに前記貫通穴35と同軸となる導出穴69を有するとともに、前記C字状リング25を収容する拡径した円筒状空間27bと、テーパー状の内部当接面71を有して前記外筒部39の外周に形成した雄螺子51に螺合しながら前記テーパー状の内部当接面71と前記外筒部39の端部テーパー面49とで前記C字状リング25の両端部を挟持し縮径させるナット27と、
ばね性を有する線状体75をC字状に形成した一端部に半径方向内側に折り曲げたピン部77を有して該ナット27の外周に嵌着し該ナット27に穿設したナット側透孔79及び前記外筒部39に形成した外筒部側係止孔53に亘って該ピン部77を挿入することで該ナット27の回転を規制する回転規制リング29と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
この可撓性樹脂管用継手22では、回転規制リング29のピン部77がナット側透孔79及び外筒部側係止孔53に亘って挿入され、圧縮したC字状リング25からの反力によって、緩み方向の回転モーメントが生じるナット27を、ピン部77を介して回転不能に外筒部39へ固定できる。これにより、ナット27の緩みが確実に防止される。
【0010】
請求項2記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項1記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記ピン部77が前記外筒部側係止孔53に挿入される前記ナット27の螺合位置より浅い螺合位置で、前記ピン部77が仮係止する窪み部81を、前記外筒部39の外周面に凹設したことを特徴とする。
【0011】
この可撓性樹脂管用継手22では、回転規制リング29のピン部77が窪み部81に仮係止することで、ナット27の回動が規制され、ナット27が本体23に一時的に仮固定される。これにより、本体23にナット27を仮組みして工場出荷を行っても、運搬中にナット27が緩むことがなく、ナット27の脱落が防止される。そして、仮固定から工具を用いてナット27を回転すればピン部77が窪み部81から脱して仮固定が容易に解除され、今度はピン部77が窪み部81より深い螺合位置の外筒部側係止孔53に嵌入して、ナット27が本体23に本固定される。
【0012】
請求項3記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項1又は2記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記C字状リング25の外周面に、軸線33に沿う方向の溝65を円周方向に複数条形成したことを特徴とする。
【0013】
この可撓性樹脂管用継手22では、ナット27を締めることによりC字状リング25を縮径させるに際し、C字状リング25が溝65で容易に縮径されて、かつ円周方向の任意の部位が小さい曲率半径の弧状に均等に変形する。これにより、可撓性樹脂管43の外周面に対するC字状リング内周面の接触面積が増大し、すなわち、C字状リング25の内周円が可撓性樹脂管43の外周円に一致し易くなり、可撓性樹脂管43と内筒部外周面37aとの水密性が向上する。
【0014】
請求項4記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項3記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記外筒部39の内側に収容され前記内筒部37に挿入される可撓性樹脂管43の挿入方向に傾斜した複数の喰込み片83を内周穴31aの円周方向に有し、該内周穴31aに挿入した可撓性樹脂管43の外周面に前記喰込み片83を喰い込ませて前記可撓性樹脂管43の前記内筒部37からの抜けを規制する抜け止めワッシャー31を備えたことを特徴とする。
【0015】
この可撓性樹脂管用継手22では、内周穴31aに挿入された可撓性樹脂管43の外周面に喰込み片83が喰い込み、可撓性樹脂管43の内筒部37からの抜けが規制される。これにより、可撓性樹脂管43の先端が軸線直交面で切断されていない場合であっても、確実に抜けが阻止され、可撓性樹脂管用継手22と可撓性樹脂管43との結合信頼性が向上する。
【0016】
請求項5記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項4記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記抜け止めワッシャー31に対向する前記C字状リング25の軸線方向他端部に、外径が該抜け止めワッシャー31の外径より小さくかつ前記内周穴31aの内径より大きい筒部37を軸線33に沿う方向に延設したことを特徴とする。
【0017】
この可撓性樹脂管用継手22では、内筒部37に外挿して外筒部39の内側に収容した抜け止めワッシャー31が、C字状リング25の筒部67に当接することで、抜け止めワッシャー31の脱落が確実に阻止される。つまり、抜け止めワッシャー31を介して可撓性樹脂管43の抜けが確実に阻止される。
【0018】
請求項6記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記本体23に、内筒部外周面37aの視認可能な覗き孔55を穿設したことを特徴とする。
【0019】
この可撓性樹脂管用継手22では、内筒部37に可撓性樹脂43管を挿入した際、覗き孔55を設けた位置まで、可撓性樹脂管43が挿入されているか否かが視認可能となる。これにより、可撓性樹脂管用継手22と可撓性樹脂管43との結合不良が容易に把握可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可撓性樹脂管用継手の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る可撓性樹脂管用継手の半断面図、図2は図1に示した可撓性樹脂管用継手の分解図、図3は図2に示した本体の正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図、図4は図2に示した抜け止めワッシャーの側面視を(a)、正面視を(b)に表した説明図、図5は図2に示したC字状リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図、図6は図2に示したナットの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図、図7は図2に示した回転規制リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【0021】
本実施の形態による可撓性樹脂管用継手22は、図1,図2に示すように、本体23と、C字状リング25と、ナット27と、回転規制リング29と、抜け止めワッシャー31とを主要な部材として構成されている。
【0022】
図3に示す本体23は、軸線33を中心とした貫通穴35を有するとともに、一端部に、内筒部37及び外筒部39を同軸上に形成している。内筒部37と外筒部39との間には円環状の空間41が形成され、空間41には可撓性樹脂管である樹脂製パイプ43(図8参照)と、C字状リング25とが挿入される。本体23は、中央部の外周が、六角部45となり、他端部がテーパー螺子部47となる。本体23は、このテーパー螺子部47を図示しない蓄熱槽等の壁部に形成された雌螺子に螺着する。
【0023】
外筒部39の先端内周面には先端に向かって拡径されるテーパー面49が形成され、このテーパー面49にはC字状リング25の他端部が当接する。外筒部39の外周には雄螺子51が形成されている。雄螺子51は、例えば多条螺子であることが好ましい。外筒部39の基端部には外筒部側係止孔53が穿設され、外筒部側係止孔53には回転規制リング29の後述するピン部が係止する。また、六角部45には覗き孔55が穿設され、覗き孔55は内筒部外周面37aを視認可能としている。内筒部37の先端側外周には鋸刃状の凹凸部57が形成され、凹凸部57は内筒部37に挿入された樹脂製パイプ43を抜け難くするよう働く。
【0024】
この凹凸部57の基端側には複数の周溝59が形成され、それぞれの周溝59には環状パッキン61、例えばOリング等が装着される。このパッキン61は、内筒部37に装着された樹脂製パイプ43の水密性を向上させる。なお、このパッキン61の断面形状については、その他の形状としてもよく、また、周溝59についても、単数としてもよく、この周溝59より容易に脱落することなく、かつ樹脂製パイプ43との水密性が確実なものとする。
【0025】
樹脂製パイプ43は、耐熱性を有する例えばポリオレフィン系樹脂管や架橋ポリエチレン管、ポリブデン管等からなる。架橋ポリエチレンとしては、水と接触させるだけで架橋が可能で、架橋により耐熱性、耐薬品性、耐クリープ性が大幅に向上するシラン架橋性樹脂を好適に用いることができる。
【0026】
図5に示すC字状リング25は、内筒部37の外周に挿着した樹脂製パイプ43に外挿され、両端部外周面に先細のテーパー面63a,63bを有する。他端側のテーパー面63aは、外筒部39のテーパー面49に当接する。一端側のテーパー面63bは、ナット27の後述するテーパー面71に当接する。つまり、C字状リング25は、ナット27が締められると、この外筒部39と後述するナット27とのハ字状となる2つのテーパー面49,71に挟持されて、縮径されるようになっている。
【0027】
C字状リング25の外周面には軸線33に沿う方向の溝65が円周方向に複数条形成される。C字状リング25は、この溝65が形成された部位が薄肉となり、縮径方向の変形が容易となっている。
【0028】
また、C字状リング25には、後述する抜け止めワッシャー31に対向する軸線方向他端部に、外径が抜け止めワッシャー31の外径より小さくかつ内周穴31a(図4参照)の内径より大きい筒部67を軸線33に沿う方向に延設している。つまり、外筒部39の内側に収容された抜け止めワッシャー31は、C字状リング25の筒部67に当接することで、脱落が確実に阻止される。つまり、抜け止めワッシャー31を介して樹脂製パイプ43の抜けが確実に阻止されるようになっている。
【0029】
図6に示すナット27は、一端部27aに貫通穴35と同軸となる導出穴69を有している。つまり、この導出穴69から樹脂製パイプ43が導出される。ナット27の内部には導出穴69の周縁にテーパー状の内部当接面としてのテーパー面71が形成される。ナット27は、内側にC字状リング25を収容する拡径した円筒状空間27bを有し、この円筒状空間27bに収容されたC字状リング25が、外筒部39の雄螺子51に螺合しながら、外筒部39のテーパー面49とテーパー面71とでC字状リング25の両端部を挟持する。
【0030】
ナット27の他端部側の外周には、周溝73が形成される。この周溝73には回転規制リング29が嵌着される。図7に示す回転規制リング29は、ばね性を有する線状体75をC字状に形成し、一端部に半径方向内側に折り曲げたピン部77を有している。周溝73にはナット側透孔79(図6参照)が穿設される。このナット側透孔79にはピン部77が挿入される。ナット側透孔79は、ナットの所定螺合位置で、図3に示した外筒部側係止孔53と一致する。従って、ピン部77は、図1に示すように、ナット側透孔79及び外筒部側係止孔53に亘って挿入され、ナット27の回転を規制できるようになっている。
【0031】
また、外筒部39には、ピン部77が外筒部側係止孔53に挿入される螺合位置より浅い螺合位置で、ピン部77が仮係止する図3に示す窪み部81を凹設している。この窪み部81に進入したピン部77は、ナット27が工具によって回転されることで、窪み部81から脱し得るようになっている。
【0032】
図4に示す抜け止めワッシャー31は、外筒部39の内側に収容される。そして、内筒部37に挿入される樹脂製パイプ43の挿入方向に傾斜した複数の喰込み片83を内円周方向に有している。抜け止めワッシャー31は、内周穴31aに挿入した樹脂製パイプ43の外周面に喰込み片83を喰い込ませて、樹脂製パイプ43の内筒部37からの抜けを規制するように働く。
【0033】
なお、図5に示すC字状リング25に形成されたテーパー面63a,63bは、ナット27のテーパー面71に当接するテーパー面63bの角度が、外筒部39のテーパー面49に当接するテーパー面63aの角度より1.5倍以上大きく形成されている。これにより、ナット27の締め付けによる押圧力がC字状リング25に確実に加わるようになっている。
【0034】
次に、上記のように構成された可撓性樹脂管用継手の作用を説明する。
図8は図1に示した可撓性樹脂管用継手に可撓性樹脂管を挿着した状況の半断面図、図9は可撓性樹脂管を挿着していない状態を(a)、挿着状態を(b)に表した内筒部の正面図、図10はピン部の仮係止状態を(a)、本係止状態を(b)に表した外筒部の正面図、図11は可撓性樹脂管に外挿したC字状リングの正面視を(a)、その要部拡大視を(b)に表した説明図である。
【0035】
可撓性樹脂管用継手22は、本体23に、抜け止めワッシャー31,パッキン61,C字状リング25,ナット27,回転規制リング29が仮組みされた状態で出荷される。すなわち、図10(a)に示すように、回転規制リング29のピン部77が窪み部81に仮係止することで、ナット27の回動が規制され、ナット27が本体23に一時的に仮固定される。これにより、本体23にナット27を仮組みして工場出荷を行っても、運搬中にナット27が緩むことがなく、ナット27の脱落が防止される。
【0036】
可撓性樹脂管用継手22は、図9に示すように、現場にて、仮組みの状態で樹脂製パイプ43が挿入される。この際、樹脂製パイプ43は、抜け止めワッシャー31の内周穴31aに挿通される。これにより、図8に示すように、樹脂製パイプ43の外周面に喰込み片83が喰い込み、樹脂製パイプ43の内筒部37からの抜けが規制される。従って、樹脂製パイプ43の先端が軸線直交面で切断されていない場合であっても、確実に抜けが阻止され、可撓性樹脂管用継手22と樹脂製パイプ43との結合信頼性が向上する。
【0037】
そして、仮固定から工具を用いてナット27を回転すれば、ピン部77が窪み部81から脱して仮固定が容易に解除される。この際、ナット27を締めることによりナット27のテーパー面71と外筒部39のテーパー面49とに当接している各テーパー面63a,63bによってC字状リング25は縮径となり、このC字状リング25を縮径させるに際し、図11に示すように、C字状リング25が溝65で容易に縮径されて、かつ円周方向の任意の部位が小さい曲率半径の弧状に均等に変形する。これにより、樹脂製パイプ43の外周面43aに対するC字状リング25の内周面25aの接触面積が増大し、すなわち、C字状リング25の内周円が可撓性樹脂管の外周円に一致し易くなり、樹脂製パイプ43と内筒部外周面との水密性が向上する。
【0038】
ナット27が所定位置まで締め込まれると、図10(b)に示すように、今度はピン部77が窪み部81より深い螺合位置の外筒部側係止孔53に嵌入して、図8に示すように、ナット27が本体23に本固定される。
【0039】
同時に、外筒部39の内側に収容された抜け止めワッシャー31が、C字状リング25の筒部67に対面することで、抜け止めワッシャー31の脱落が確実に阻止される。その結果、抜け止めワッシャー31を介して樹脂製パイプ43の抜けが確実に阻止されることになる。
【0040】
さらに、可撓性樹脂管用継手22と樹脂製パイプ43との結合が完了した後において、覗き孔55を設けた位置まで、樹脂製パイプ43が挿入されているか否かが視認可能となる。これにより、可撓性樹脂管用継手22と樹脂製パイプ43との結合不良が容易に把握可能となる。なお、この確認は、ナット27を本締めする前の、樹脂製パイプ43挿入直後に行うものであっても勿論よい。
【0041】
なお、上述した実施の形態では、本体23の内筒部37及び外筒部39を一端部に形成した例とし、他端部にテーパー螺子部47を形成した例について述べたが、本体23は、その両端部にそれぞれ内筒部37及び外筒部39を設ける構成として、例えば樹脂性パイプ同士の継手を構成するものとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載の可撓性樹脂管用継手によれば、ばね性を有する回転規制リングの一端部にピン部を設け、このピン部を、ナット側透孔及び外筒部側係止孔に亘って挿入するので、圧縮したC字状リングからの反力によって、緩み方向の回転モーメントが生じるナットを、ピン部を介して回転不能に外筒部へ固定でき、ナットの緩みを確実に防止することができる。この結果、可撓性樹脂管用継手と可撓性樹脂管との結合信頼性を向上させることができる。
【0043】
請求項2記載の可撓性樹脂管用継手によれば、外筒部側係止孔より浅い螺合位置で、ピン部が仮係止する窪み部を外筒部の外周面に凹設したので、ピン部を窪み部に仮係止することで、ナットの回動を規制して、ナットを本体に一時的に仮固定できる。これにより、本体にナットを仮組みして工場出荷を行っても、運搬中にナットが緩むことがなく、ナットの脱落を防止することができる。そして、仮固定から工具を用いてナットを回転すればピン部が窪み部から脱して仮固定が容易に解除され、今度はピン部が窪み部より深い螺合位置の外筒部側係止孔に嵌入して、ナットを本体に本固定することができる。
【0044】
請求項3記載の可撓性樹脂管用継手によれば、C字状リングの外周面に、軸線に沿う方向の溝を円周方向に複数条形成したので、ナットを締めることによりC字状リングを縮径させるに際し、C字状リングが溝で容易に縮径して、かつ円周方向の任意の部位が小さい曲率半径の弧状に均等に変形する。これにより、可撓性樹脂管の外周面に対するC字状リング内周面の接触面積を大きくでき、すなわち、C字状リングの内周円を、可撓性樹脂管の外周円に一致し易くでき、可撓性樹脂管と内筒部外周面との水密性を向上させることができる。
【0045】
請求項4記載の可撓性樹脂管用継手によれば、内周穴に複数の喰込み片を有した抜け止めワッシャーを、外筒部内側の奥側に配設したので、内周穴に挿入された可撓性樹脂管の外周面に喰込み片を喰い込ませて、可撓性樹脂管の内筒部からの抜けを規制することができる。この結果、可撓性樹脂管の先端が軸線直交面で切断されていない場合であっても、確実に抜けを阻止して、可撓性樹脂管用継手と可撓性樹脂管との結合信頼性を向上させることができる。
【0046】
請求項5記載の可撓性樹脂管用継手によれば、抜け止めワッシャーに対向するC字状リングの軸線方向他端部に、外径が抜け止めワッシャーの外径より小さくかつ内周穴の内径より大きい筒部を軸線に沿う方向に延設したので、内筒部に外挿して外筒部の内側に収容した抜け止めワッシャーを、C字状リングの筒部に当接させて、脱落を確実に阻止することができる。この結果、抜け止めワッシャーを介して可撓性樹脂管の抜けを確実に阻止できる。
【0047】
請求項6記載の可撓性樹脂管用継手によれば、本体に、内筒部外周面の視認可能な覗き孔を穿設したので、当該覗き孔を設けた位置まで、可撓性樹脂管が挿入されているか否かを確実に確認できる。この結果、可撓性樹脂管用継手と可撓性樹脂管との結合不良を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可撓性樹脂管用継手の半断面図である。
【図2】図1に示した可撓性樹脂管用継手の分解図である。
【図3】図2に示した本体の正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図4】図2に示した抜け止めワッシャーの側面視を(a)、正面視を(b)に表した説明図である。
【図5】図2に示したC字状リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図6】図2に示したナットの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図7】図2に示した回転規制リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図8】図1に示した可撓性樹脂管用継手に可撓性樹脂管を挿着した状況の半断面図である。
【図9】可撓性樹脂管を挿着していない状態を(a)、挿着状態を(b)に表した内筒部の正面図である。
【図10】ピン部の仮係止状態を(a)、本係止状態を(b)に表した外筒部の正面図である。
【図11】可撓性樹脂管に外挿したC字状リングの正面視を(a)、その要部拡大視を(b)に表した説明図である。
【図12】従来の軟質管用管継手の一部を切り欠いた側面図である。
【図13】図12に示した締付管の一部を切り欠いた側面図である。
【図14】図13に示した締付管の正面図である。
【符号の説明】
22…可撓性樹脂管用継手
23…本体
25…C字状リング
27…ナット
27a…一端部
27b…円筒状空間
29…回転規制リング
31…抜け止めワッシャー
33…軸線
35…貫通穴
37…内筒部
37a…内筒部外周面
39…外筒部
43…樹脂製パイプ(可撓性樹脂管)
49…テーパー面
51…雄螺子
53…外筒部側係止孔
55…覗き孔
63a,63b…先細のテーパー面
65…溝
67…筒部
69…導出穴
71…テーパー状の内部当接面(テーパー面)
75…線状体
77…ピン部
79…ナット側透孔
81…窪み部
83…喰込み片
【発明の属する技術分野】
本発明は、可撓性樹脂管(樹脂製パイプ)を接続する可撓性樹脂管用継手に関し、さらに詳しくは、可撓性樹脂管との結合信頼性を向上させる改良技術に関し、例えば蓄熱装置等に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
可撓性樹脂管である樹脂製パイプを接続する継手の場合、変形等による樹脂製パイプの抜けを防止して、結合信頼性を高める工夫が必要となる。この種の継手として例えば樹脂製パイプを縮径させる締付管を備えた実公昭56−12464号公報記載の軟質管用管継手を説明する。
【0003】
この軟質管用管継手は、継手本体1と、この継手本体1の両端より挿入された合成樹脂製被接続管7と、夫々の被接続管7内の接続端部近くに嵌挿され端部を夫々被接続管7の内端開口縁に係合させた芯管6と、夫々の被接続管7の外周に嵌挿され一端係合部11を継手本体1の内周に挿入され、外周面に形成されたテーパー状の環状段部よりなる係止部12を介して肉薄に形成された他端被締付部13に係止部12より数条の軸方向の切溝13aを形成するとともに内周に被接続管7の外周面に喰い込むねじ部14を有する合成樹脂製締付管9と、夫々の締付管9の被締付部13の外周に嵌着され、継手本体1の外周に螺着された袋ナット16と、夫々の袋ナット16内の端面部17に接して嵌着され内周テーパー面21が締付管9の係止部12に当接された金属補強環19とより成る。
【0004】
この軟質管用管継手によれば、被接続管7に芯管6が内挿されているので、被接続管7が軟質合成樹脂製であっても外側から継手本体1を袋ナット16で強く締着した場合に潰れたりして変形することがなく継手本体1より抜け出すようなことがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記した従来の軟質管用管継手は、袋ナット16が緩めば、被接続管7が抜け易くなり、結合信頼性が容易に低下した。
また、締付管9の円周上に等間隔に数条の切溝13aを軸方向に形成し、締付部13を切溝13aによって縮径するようにしていたため、切溝13aの間隔は縮小されるが、各分割片となる締付部13の曲率半径は変化せず、各締付部13の内面の曲率半径が、被接続管7の外周面の曲率半径より大きい場合には、締付部13の内面と被接続管7の外周面との接触面積が小さくなり、被接続管7に対する締付管9の締着力が低下し、被接続管7との結合信頼性が低下した。
【0006】
さらに、被接続管7の端部は切断されることで形成されるが、現場施工が通常となるため、切断面が軸線直交方向でない場合もあり、このような場合には被接続管7と継手とが実質的に十分な挿着長で結合されず、施工後に被接続管7の抜けの生じる虞があった。
【0007】
本発明は上記状況に鑑みてなされたもので、結合信頼性が向上する可撓性樹脂管用継手を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
次に、上記の課題を解決するための手段を、実施の形態に対応する図面を参照して説明する。
この発明の請求項1記載の可撓性樹脂管用継手22は、軸線33を中心とした貫通穴35を有するとともに、少なくとも一端部に、内筒部37及び外筒部39を同軸上に形成した本体23と、
前記内筒部37の外周に挿着した可撓性樹脂管43に外挿され両端部外周面に先細のテーパー面63a,63bを有するC字状リング25と、
一端部27aに前記貫通穴35と同軸となる導出穴69を有するとともに、前記C字状リング25を収容する拡径した円筒状空間27bと、テーパー状の内部当接面71を有して前記外筒部39の外周に形成した雄螺子51に螺合しながら前記テーパー状の内部当接面71と前記外筒部39の端部テーパー面49とで前記C字状リング25の両端部を挟持し縮径させるナット27と、
ばね性を有する線状体75をC字状に形成した一端部に半径方向内側に折り曲げたピン部77を有して該ナット27の外周に嵌着し該ナット27に穿設したナット側透孔79及び前記外筒部39に形成した外筒部側係止孔53に亘って該ピン部77を挿入することで該ナット27の回転を規制する回転規制リング29と、
を備えたことを特徴とする。
【0009】
この可撓性樹脂管用継手22では、回転規制リング29のピン部77がナット側透孔79及び外筒部側係止孔53に亘って挿入され、圧縮したC字状リング25からの反力によって、緩み方向の回転モーメントが生じるナット27を、ピン部77を介して回転不能に外筒部39へ固定できる。これにより、ナット27の緩みが確実に防止される。
【0010】
請求項2記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項1記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記ピン部77が前記外筒部側係止孔53に挿入される前記ナット27の螺合位置より浅い螺合位置で、前記ピン部77が仮係止する窪み部81を、前記外筒部39の外周面に凹設したことを特徴とする。
【0011】
この可撓性樹脂管用継手22では、回転規制リング29のピン部77が窪み部81に仮係止することで、ナット27の回動が規制され、ナット27が本体23に一時的に仮固定される。これにより、本体23にナット27を仮組みして工場出荷を行っても、運搬中にナット27が緩むことがなく、ナット27の脱落が防止される。そして、仮固定から工具を用いてナット27を回転すればピン部77が窪み部81から脱して仮固定が容易に解除され、今度はピン部77が窪み部81より深い螺合位置の外筒部側係止孔53に嵌入して、ナット27が本体23に本固定される。
【0012】
請求項3記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項1又は2記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記C字状リング25の外周面に、軸線33に沿う方向の溝65を円周方向に複数条形成したことを特徴とする。
【0013】
この可撓性樹脂管用継手22では、ナット27を締めることによりC字状リング25を縮径させるに際し、C字状リング25が溝65で容易に縮径されて、かつ円周方向の任意の部位が小さい曲率半径の弧状に均等に変形する。これにより、可撓性樹脂管43の外周面に対するC字状リング内周面の接触面積が増大し、すなわち、C字状リング25の内周円が可撓性樹脂管43の外周円に一致し易くなり、可撓性樹脂管43と内筒部外周面37aとの水密性が向上する。
【0014】
請求項4記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項3記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記外筒部39の内側に収容され前記内筒部37に挿入される可撓性樹脂管43の挿入方向に傾斜した複数の喰込み片83を内周穴31aの円周方向に有し、該内周穴31aに挿入した可撓性樹脂管43の外周面に前記喰込み片83を喰い込ませて前記可撓性樹脂管43の前記内筒部37からの抜けを規制する抜け止めワッシャー31を備えたことを特徴とする。
【0015】
この可撓性樹脂管用継手22では、内周穴31aに挿入された可撓性樹脂管43の外周面に喰込み片83が喰い込み、可撓性樹脂管43の内筒部37からの抜けが規制される。これにより、可撓性樹脂管43の先端が軸線直交面で切断されていない場合であっても、確実に抜けが阻止され、可撓性樹脂管用継手22と可撓性樹脂管43との結合信頼性が向上する。
【0016】
請求項5記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項4記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記抜け止めワッシャー31に対向する前記C字状リング25の軸線方向他端部に、外径が該抜け止めワッシャー31の外径より小さくかつ前記内周穴31aの内径より大きい筒部37を軸線33に沿う方向に延設したことを特徴とする。
【0017】
この可撓性樹脂管用継手22では、内筒部37に外挿して外筒部39の内側に収容した抜け止めワッシャー31が、C字状リング25の筒部67に当接することで、抜け止めワッシャー31の脱落が確実に阻止される。つまり、抜け止めワッシャー31を介して可撓性樹脂管43の抜けが確実に阻止される。
【0018】
請求項6記載の可撓性樹脂管用継手22は、請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の可撓性樹脂管用継手22において、
前記本体23に、内筒部外周面37aの視認可能な覗き孔55を穿設したことを特徴とする。
【0019】
この可撓性樹脂管用継手22では、内筒部37に可撓性樹脂43管を挿入した際、覗き孔55を設けた位置まで、可撓性樹脂管43が挿入されているか否かが視認可能となる。これにより、可撓性樹脂管用継手22と可撓性樹脂管43との結合不良が容易に把握可能となる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る可撓性樹脂管用継手の好適な実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る可撓性樹脂管用継手の半断面図、図2は図1に示した可撓性樹脂管用継手の分解図、図3は図2に示した本体の正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図、図4は図2に示した抜け止めワッシャーの側面視を(a)、正面視を(b)に表した説明図、図5は図2に示したC字状リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図、図6は図2に示したナットの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図、図7は図2に示した回転規制リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【0021】
本実施の形態による可撓性樹脂管用継手22は、図1,図2に示すように、本体23と、C字状リング25と、ナット27と、回転規制リング29と、抜け止めワッシャー31とを主要な部材として構成されている。
【0022】
図3に示す本体23は、軸線33を中心とした貫通穴35を有するとともに、一端部に、内筒部37及び外筒部39を同軸上に形成している。内筒部37と外筒部39との間には円環状の空間41が形成され、空間41には可撓性樹脂管である樹脂製パイプ43(図8参照)と、C字状リング25とが挿入される。本体23は、中央部の外周が、六角部45となり、他端部がテーパー螺子部47となる。本体23は、このテーパー螺子部47を図示しない蓄熱槽等の壁部に形成された雌螺子に螺着する。
【0023】
外筒部39の先端内周面には先端に向かって拡径されるテーパー面49が形成され、このテーパー面49にはC字状リング25の他端部が当接する。外筒部39の外周には雄螺子51が形成されている。雄螺子51は、例えば多条螺子であることが好ましい。外筒部39の基端部には外筒部側係止孔53が穿設され、外筒部側係止孔53には回転規制リング29の後述するピン部が係止する。また、六角部45には覗き孔55が穿設され、覗き孔55は内筒部外周面37aを視認可能としている。内筒部37の先端側外周には鋸刃状の凹凸部57が形成され、凹凸部57は内筒部37に挿入された樹脂製パイプ43を抜け難くするよう働く。
【0024】
この凹凸部57の基端側には複数の周溝59が形成され、それぞれの周溝59には環状パッキン61、例えばOリング等が装着される。このパッキン61は、内筒部37に装着された樹脂製パイプ43の水密性を向上させる。なお、このパッキン61の断面形状については、その他の形状としてもよく、また、周溝59についても、単数としてもよく、この周溝59より容易に脱落することなく、かつ樹脂製パイプ43との水密性が確実なものとする。
【0025】
樹脂製パイプ43は、耐熱性を有する例えばポリオレフィン系樹脂管や架橋ポリエチレン管、ポリブデン管等からなる。架橋ポリエチレンとしては、水と接触させるだけで架橋が可能で、架橋により耐熱性、耐薬品性、耐クリープ性が大幅に向上するシラン架橋性樹脂を好適に用いることができる。
【0026】
図5に示すC字状リング25は、内筒部37の外周に挿着した樹脂製パイプ43に外挿され、両端部外周面に先細のテーパー面63a,63bを有する。他端側のテーパー面63aは、外筒部39のテーパー面49に当接する。一端側のテーパー面63bは、ナット27の後述するテーパー面71に当接する。つまり、C字状リング25は、ナット27が締められると、この外筒部39と後述するナット27とのハ字状となる2つのテーパー面49,71に挟持されて、縮径されるようになっている。
【0027】
C字状リング25の外周面には軸線33に沿う方向の溝65が円周方向に複数条形成される。C字状リング25は、この溝65が形成された部位が薄肉となり、縮径方向の変形が容易となっている。
【0028】
また、C字状リング25には、後述する抜け止めワッシャー31に対向する軸線方向他端部に、外径が抜け止めワッシャー31の外径より小さくかつ内周穴31a(図4参照)の内径より大きい筒部67を軸線33に沿う方向に延設している。つまり、外筒部39の内側に収容された抜け止めワッシャー31は、C字状リング25の筒部67に当接することで、脱落が確実に阻止される。つまり、抜け止めワッシャー31を介して樹脂製パイプ43の抜けが確実に阻止されるようになっている。
【0029】
図6に示すナット27は、一端部27aに貫通穴35と同軸となる導出穴69を有している。つまり、この導出穴69から樹脂製パイプ43が導出される。ナット27の内部には導出穴69の周縁にテーパー状の内部当接面としてのテーパー面71が形成される。ナット27は、内側にC字状リング25を収容する拡径した円筒状空間27bを有し、この円筒状空間27bに収容されたC字状リング25が、外筒部39の雄螺子51に螺合しながら、外筒部39のテーパー面49とテーパー面71とでC字状リング25の両端部を挟持する。
【0030】
ナット27の他端部側の外周には、周溝73が形成される。この周溝73には回転規制リング29が嵌着される。図7に示す回転規制リング29は、ばね性を有する線状体75をC字状に形成し、一端部に半径方向内側に折り曲げたピン部77を有している。周溝73にはナット側透孔79(図6参照)が穿設される。このナット側透孔79にはピン部77が挿入される。ナット側透孔79は、ナットの所定螺合位置で、図3に示した外筒部側係止孔53と一致する。従って、ピン部77は、図1に示すように、ナット側透孔79及び外筒部側係止孔53に亘って挿入され、ナット27の回転を規制できるようになっている。
【0031】
また、外筒部39には、ピン部77が外筒部側係止孔53に挿入される螺合位置より浅い螺合位置で、ピン部77が仮係止する図3に示す窪み部81を凹設している。この窪み部81に進入したピン部77は、ナット27が工具によって回転されることで、窪み部81から脱し得るようになっている。
【0032】
図4に示す抜け止めワッシャー31は、外筒部39の内側に収容される。そして、内筒部37に挿入される樹脂製パイプ43の挿入方向に傾斜した複数の喰込み片83を内円周方向に有している。抜け止めワッシャー31は、内周穴31aに挿入した樹脂製パイプ43の外周面に喰込み片83を喰い込ませて、樹脂製パイプ43の内筒部37からの抜けを規制するように働く。
【0033】
なお、図5に示すC字状リング25に形成されたテーパー面63a,63bは、ナット27のテーパー面71に当接するテーパー面63bの角度が、外筒部39のテーパー面49に当接するテーパー面63aの角度より1.5倍以上大きく形成されている。これにより、ナット27の締め付けによる押圧力がC字状リング25に確実に加わるようになっている。
【0034】
次に、上記のように構成された可撓性樹脂管用継手の作用を説明する。
図8は図1に示した可撓性樹脂管用継手に可撓性樹脂管を挿着した状況の半断面図、図9は可撓性樹脂管を挿着していない状態を(a)、挿着状態を(b)に表した内筒部の正面図、図10はピン部の仮係止状態を(a)、本係止状態を(b)に表した外筒部の正面図、図11は可撓性樹脂管に外挿したC字状リングの正面視を(a)、その要部拡大視を(b)に表した説明図である。
【0035】
可撓性樹脂管用継手22は、本体23に、抜け止めワッシャー31,パッキン61,C字状リング25,ナット27,回転規制リング29が仮組みされた状態で出荷される。すなわち、図10(a)に示すように、回転規制リング29のピン部77が窪み部81に仮係止することで、ナット27の回動が規制され、ナット27が本体23に一時的に仮固定される。これにより、本体23にナット27を仮組みして工場出荷を行っても、運搬中にナット27が緩むことがなく、ナット27の脱落が防止される。
【0036】
可撓性樹脂管用継手22は、図9に示すように、現場にて、仮組みの状態で樹脂製パイプ43が挿入される。この際、樹脂製パイプ43は、抜け止めワッシャー31の内周穴31aに挿通される。これにより、図8に示すように、樹脂製パイプ43の外周面に喰込み片83が喰い込み、樹脂製パイプ43の内筒部37からの抜けが規制される。従って、樹脂製パイプ43の先端が軸線直交面で切断されていない場合であっても、確実に抜けが阻止され、可撓性樹脂管用継手22と樹脂製パイプ43との結合信頼性が向上する。
【0037】
そして、仮固定から工具を用いてナット27を回転すれば、ピン部77が窪み部81から脱して仮固定が容易に解除される。この際、ナット27を締めることによりナット27のテーパー面71と外筒部39のテーパー面49とに当接している各テーパー面63a,63bによってC字状リング25は縮径となり、このC字状リング25を縮径させるに際し、図11に示すように、C字状リング25が溝65で容易に縮径されて、かつ円周方向の任意の部位が小さい曲率半径の弧状に均等に変形する。これにより、樹脂製パイプ43の外周面43aに対するC字状リング25の内周面25aの接触面積が増大し、すなわち、C字状リング25の内周円が可撓性樹脂管の外周円に一致し易くなり、樹脂製パイプ43と内筒部外周面との水密性が向上する。
【0038】
ナット27が所定位置まで締め込まれると、図10(b)に示すように、今度はピン部77が窪み部81より深い螺合位置の外筒部側係止孔53に嵌入して、図8に示すように、ナット27が本体23に本固定される。
【0039】
同時に、外筒部39の内側に収容された抜け止めワッシャー31が、C字状リング25の筒部67に対面することで、抜け止めワッシャー31の脱落が確実に阻止される。その結果、抜け止めワッシャー31を介して樹脂製パイプ43の抜けが確実に阻止されることになる。
【0040】
さらに、可撓性樹脂管用継手22と樹脂製パイプ43との結合が完了した後において、覗き孔55を設けた位置まで、樹脂製パイプ43が挿入されているか否かが視認可能となる。これにより、可撓性樹脂管用継手22と樹脂製パイプ43との結合不良が容易に把握可能となる。なお、この確認は、ナット27を本締めする前の、樹脂製パイプ43挿入直後に行うものであっても勿論よい。
【0041】
なお、上述した実施の形態では、本体23の内筒部37及び外筒部39を一端部に形成した例とし、他端部にテーパー螺子部47を形成した例について述べたが、本体23は、その両端部にそれぞれ内筒部37及び外筒部39を設ける構成として、例えば樹脂性パイプ同士の継手を構成するものとしてもよい。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る請求項1記載の可撓性樹脂管用継手によれば、ばね性を有する回転規制リングの一端部にピン部を設け、このピン部を、ナット側透孔及び外筒部側係止孔に亘って挿入するので、圧縮したC字状リングからの反力によって、緩み方向の回転モーメントが生じるナットを、ピン部を介して回転不能に外筒部へ固定でき、ナットの緩みを確実に防止することができる。この結果、可撓性樹脂管用継手と可撓性樹脂管との結合信頼性を向上させることができる。
【0043】
請求項2記載の可撓性樹脂管用継手によれば、外筒部側係止孔より浅い螺合位置で、ピン部が仮係止する窪み部を外筒部の外周面に凹設したので、ピン部を窪み部に仮係止することで、ナットの回動を規制して、ナットを本体に一時的に仮固定できる。これにより、本体にナットを仮組みして工場出荷を行っても、運搬中にナットが緩むことがなく、ナットの脱落を防止することができる。そして、仮固定から工具を用いてナットを回転すればピン部が窪み部から脱して仮固定が容易に解除され、今度はピン部が窪み部より深い螺合位置の外筒部側係止孔に嵌入して、ナットを本体に本固定することができる。
【0044】
請求項3記載の可撓性樹脂管用継手によれば、C字状リングの外周面に、軸線に沿う方向の溝を円周方向に複数条形成したので、ナットを締めることによりC字状リングを縮径させるに際し、C字状リングが溝で容易に縮径して、かつ円周方向の任意の部位が小さい曲率半径の弧状に均等に変形する。これにより、可撓性樹脂管の外周面に対するC字状リング内周面の接触面積を大きくでき、すなわち、C字状リングの内周円を、可撓性樹脂管の外周円に一致し易くでき、可撓性樹脂管と内筒部外周面との水密性を向上させることができる。
【0045】
請求項4記載の可撓性樹脂管用継手によれば、内周穴に複数の喰込み片を有した抜け止めワッシャーを、外筒部内側の奥側に配設したので、内周穴に挿入された可撓性樹脂管の外周面に喰込み片を喰い込ませて、可撓性樹脂管の内筒部からの抜けを規制することができる。この結果、可撓性樹脂管の先端が軸線直交面で切断されていない場合であっても、確実に抜けを阻止して、可撓性樹脂管用継手と可撓性樹脂管との結合信頼性を向上させることができる。
【0046】
請求項5記載の可撓性樹脂管用継手によれば、抜け止めワッシャーに対向するC字状リングの軸線方向他端部に、外径が抜け止めワッシャーの外径より小さくかつ内周穴の内径より大きい筒部を軸線に沿う方向に延設したので、内筒部に外挿して外筒部の内側に収容した抜け止めワッシャーを、C字状リングの筒部に当接させて、脱落を確実に阻止することができる。この結果、抜け止めワッシャーを介して可撓性樹脂管の抜けを確実に阻止できる。
【0047】
請求項6記載の可撓性樹脂管用継手によれば、本体に、内筒部外周面の視認可能な覗き孔を穿設したので、当該覗き孔を設けた位置まで、可撓性樹脂管が挿入されているか否かを確実に確認できる。この結果、可撓性樹脂管用継手と可撓性樹脂管との結合不良を容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る可撓性樹脂管用継手の半断面図である。
【図2】図1に示した可撓性樹脂管用継手の分解図である。
【図3】図2に示した本体の正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図4】図2に示した抜け止めワッシャーの側面視を(a)、正面視を(b)に表した説明図である。
【図5】図2に示したC字状リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図6】図2に示したナットの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図7】図2に示した回転規制リングの正面視を(a)、側面視を(b)に表した説明図である。
【図8】図1に示した可撓性樹脂管用継手に可撓性樹脂管を挿着した状況の半断面図である。
【図9】可撓性樹脂管を挿着していない状態を(a)、挿着状態を(b)に表した内筒部の正面図である。
【図10】ピン部の仮係止状態を(a)、本係止状態を(b)に表した外筒部の正面図である。
【図11】可撓性樹脂管に外挿したC字状リングの正面視を(a)、その要部拡大視を(b)に表した説明図である。
【図12】従来の軟質管用管継手の一部を切り欠いた側面図である。
【図13】図12に示した締付管の一部を切り欠いた側面図である。
【図14】図13に示した締付管の正面図である。
【符号の説明】
22…可撓性樹脂管用継手
23…本体
25…C字状リング
27…ナット
27a…一端部
27b…円筒状空間
29…回転規制リング
31…抜け止めワッシャー
33…軸線
35…貫通穴
37…内筒部
37a…内筒部外周面
39…外筒部
43…樹脂製パイプ(可撓性樹脂管)
49…テーパー面
51…雄螺子
53…外筒部側係止孔
55…覗き孔
63a,63b…先細のテーパー面
65…溝
67…筒部
69…導出穴
71…テーパー状の内部当接面(テーパー面)
75…線状体
77…ピン部
79…ナット側透孔
81…窪み部
83…喰込み片
Claims (6)
- 軸線を中心とした貫通穴を有するとともに、少なくとも一端部に、内筒部及び外筒部を同軸上に形成した本体と、
前記内筒部の外周に挿着した可撓性樹脂管に外挿され両端部外周面に先細のテーパー面を有するC字状リングと、
一端部に前記貫通穴と同軸となる導出穴を有するとともに、前記C字状リングを収容する拡径した円筒状空間と、テーパー状の内部当接面を有して前記外筒部の外周に形成した雄螺子に螺合しながら前記テーパー状の内部当接面と前記外筒部の端部テーパー面とで前記C字状リングの両端部を挟持し縮径させるナットと、
ばね性を有する線状体をC字状に形成した一端部に半径方向に折り曲げたピン部を有して該ナットの外周に嵌着し該ナットに穿設したナット側透孔及び前記外筒部に形成した外筒部側係止孔に亘って該ピン部を挿入することで該ナットの回転を規制する回転規制リングと、
を備えたことを特徴とする可撓性樹脂管用継手。 - 請求項1記載の可撓性樹脂管用継手において、
前記ピン部が前記外筒部側係止孔に挿入される前記ナットの螺合位置より浅い螺合位置で、前記ピン部が仮係止する窪み部を、前記外筒部の外周面に凹設したことを特徴とする可撓性樹脂管用継手。 - 請求項1又は2記載の可撓性樹脂管用継手において、
前記C字状リングの外周面に、軸線に沿う方向の溝を円周方向に複数条形成したことを特徴とする可撓性樹脂管用継手。 - 請求項3記載の可撓性樹脂管用継手において、
前記外筒部の内側に収容され前記内筒部に挿入される可撓性樹脂管の挿入方向に傾斜した複数の喰込み片を内周穴の円周方向に有し、該内周穴に挿入した可撓性樹脂管の外周面に前記喰込み片を喰い込ませて前記可撓性樹脂管の前記内筒部からの抜けを規制する抜け止めワッシャーを備えたことを特徴とする可撓性樹脂管用継手。 - 請求項4記載の可撓性樹脂管用継手において、
前記抜け止めワッシャーに対向する前記C字状リングの軸線方向他端部に、外径が該抜け止めワッシャーの外径より小さくかつ前記内周穴の内径より大きい筒部を軸線に沿う方向に延設したことを特徴とする可撓性樹脂管用継手。 - 請求項1,2,3,4,5のいずれか1つに記載の可撓性樹脂管用継手において、
前記本体に、内筒部外周面の視認可能な覗き孔を穿設したことを特徴とする可撓性樹脂管用継手。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002208486A JP2004052839A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 可撓性樹脂管用継手 |
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JP2002208486A JP2004052839A (ja) | 2002-07-17 | 2002-07-17 | 可撓性樹脂管用継手 |
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Family
ID=31932624
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Country Status (1)
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JP (1) | JP2004052839A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008025615A (ja) * | 2006-07-18 | 2008-02-07 | Sekisui Chem Co Ltd | 管継手 |
KR100954270B1 (ko) * | 2008-02-04 | 2010-04-23 | 권혜숙 | 유연한 재질의 패킹을 갖는 배관용 이음관 |
JP2010139053A (ja) * | 2008-12-15 | 2010-06-24 | Piolax Inc | 管継手 |
-
2002
- 2002-07-17 JP JP2002208486A patent/JP2004052839A/ja active Pending
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