JP2004050225A - 金属製造形物の作成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】積層造形法を用いた金属製の造形物の作製に関して、造形物の強度を向上させる。
【解決手段】金属製造形物の作製は、金属粉末を造形材料2とした積層造形処理により積層造形体20を形成し、それからその積層造形体、またはそれに焼結処理を施して得られる焼結体22に溶浸材23を溶浸させる溶浸処理を施すことでなされ、そして溶浸材には、造形材料の金属と同系の合金であり且つ、少なくともその一つの成分金属の当該合金に対する化学ポテンシャルが造形材料金属に対する化学ポテンシャルよりも大きくなるようにされた合金が用いられる。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属製の造形物の作成に監視、より具体的には積層造形法を用いて金属材料で造形物を作製する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
積層造形法は、薄い単位造形層を多数積層して造形を行なう。このため、複雑な形状を容易に造形することができるという特徴を持っている。このような積層造形法は、複雑な形状を有する機械部品の作製、あるいは意匠性の高い工業製品について設計形状の適否を検討するためのプロトタイプの作製などにおいて従来では広く活用されていた。
【0003】
積層造形法では様々な材料が用いられるが金属もその主要な一つである。金属を造形用の粉末材料とする積層造形法の代表的な手法として、例えば特表平11−508322号公報にその例が開示される、選択的レーザ焼結法(Selective Laser Sintering:SLS法)と呼ばれる手法がある。SLS法で金属粉末材料による積層造形を行なう場合には、造形物の最終的な完成までに3段階の工程を経るかまたは2段階の工程を経るのが通常である。3段階の工程を経る場合には、金属粒子の表面に合成樹脂バインダをコーティングした粉末材料が用いられる。この粉末材料を用いてSLS法により積層造形を行なう工程(レーザ焼結工程)では、レーザ光の照射により粉末材料の表面の合成樹脂バインダが溶融して溶着することで仮に固められた状態のグリーンパーツとも呼ばれる積層造形体が得られる。それから、この積層造形体に熱焼結処理を施す(熱焼結工程)。その処理は一般的な熱焼結処理におけるのと基本的には同様である。この熱焼結処理で得られる燒結体(ブラウンパーツとも呼ばれる)は、積層造形における粉末材料の粒子が例えば150μm程度と比較的大きな粒径であるために、かなり隙間の多い多孔質体であり、強度的に不十分な場合が多い。そこで最後に、熱燒結された金属粒子の隙間を溶浸材の浸透で埋める溶浸処理を施す(溶浸工程)。
【0004】
一方、2段階の工程で済ます場合には、金属面が露出した金属粒子による粉末材料を用いる。そしてSLS法におけるレーザ光の照射により、金属粒子に上記の熱焼結処理におけるのと同程度の結合を積層造形工程で生じさせる。このため、上記の熱焼結工程を省略することができる。つまり、レーザ焼結工程で得られる積層造形体に対し、直接に溶浸処理を施すことになる。
【0005】
このような積層造形法をベースとした金属製造形物の作成方法における溶浸処理について、従来では、金属粒子の隙間を溶浸材で埋めることを主眼としており、そのために毛細管現象などによる溶浸材の浸透を効率的に生じさせるという観点から溶浸材の選択がなされていた。例えば造形材料の金属がステンレス鋼であれば、溶浸材として青銅を用いるのがその例であるが、この例からわかるように、従来では溶浸材として造形材料の金属とは異系の金属が用いられていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
積層造形には、上記のように複雑な形状を容易に造形することができるという特徴があるが、この他にも次のような特徴をみることができる。すなわち、展延性に乏しいために鍛造による加工が困難で、また融点が高いために鋳造による加工も困難である。さらには材質が硬いために機械加工を行なうには特殊な切削工具や加工方法が必要になるような金属材料でも容易に加工することができるという特徴である。このような積層造形法の特徴を有効に活かせる金属の代表的な例としてはチタン(Ti)がある。チタンは、鍛造や鋳造、機械加工が困難であるが、軽量で強度が高くしかも生体親和性がよいなどの優れた性質を有している。そしてこのような性質は例えばロボットの骨格部材や身体障害者用の義装具などの材料として適しており、積層造形法を用いてチタンのような金属を造形することで、より付加価値の高い物品を作製することが可能となる。しかしここで一つの問題がある。それは、従来の積層造形法による作製方法であると、たとえチタンのような金属を用いても、ロボットの骨格部材や義装具などで求められるところの高レベルな軽量性と強度要求に対して必ずしも十分に応えることができないという問題がある。
【0007】
上記したように、従来では強度向上のための溶浸処理において、造形材料の金属とは異系の金属を用いた溶浸材により粒子間の隙間を埋めるだけである。このため、溶浸材と造形材金属との間に結合が生じても、それは両者の界面におけるわずかな結合にとどまっており、それほど高い強度向上効果を得られず、より高レベルの軽量性と強度要求を満足させることができ難いのが実情であった。ここで、軽量化と強度の関係であるが、これには積層造形法が複雑な形状の造形を容易にすることが係わっている。例えばロボットの骨格部材や義装具などのようにその外面形状のみが機能に与る造形物の場合には内部に空隙を設けることが許され、その空隙を適切な造形パターンによりできるだけ多くすることで軽量化を図ることが可能である。そしてこのような内部空隙の形成による軽量化に関しては、単位断面積あたりの強度が高まれば高まるほど、内部空隙の比率を増やすことができ、したがって軽量化をより一層高めることが可能となる。つまり、積層造形法による造形物においては、単位断面積あたりの強度を高めることが軽量化にもつながるということである。
【0008】
単位断面積あたりの強度をより高めるには、溶浸材を造形材金属粒子中に拡散させて結合を生じさせることが最も有効であると考えられる。すなわち溶浸処理においては、溶浸材で造形材金属粒子間の隙間を単に埋めるだけでなく、溶浸材側からその成分金属が造形材金属粒子の内部に拡散して結合することで造形材金属と溶浸材金属との間に金属化合物(合金)が形成される状態にまでするのが、単位断面積あたりの強度向上に最も有効であるといえる。
【0009】
本発明は、このような知見に基づいてなされたものであり、溶浸材に拡散結合を生じさせることにより、軽量・高強度な造形物を作製することを可能とする金属製造形物の作製方法の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的のために本発明では、金属粉末を造形材料とした積層造形処理により積層造形体を形成し、それから前記積層造形体、または前記積層造形体に焼結処理を施して得られる焼結体に溶浸材を溶浸させる溶浸処理を施して金属製の造形物を得るようになっている金属製造形物の作製方法において、前記溶浸材は、前記造形材料の金属と同系の合金であり且つ、少なくともその一つの成分金属の当該合金に対する化学ポテンシャルが前記造形材料に用いられる金属に対する化学ポテンシャルよりも大きくなるようにされているものであることを特徴としている。
【0011】
また本発明では、上記金属製造形物の作製方法について、造形材料の金属の融点よりも200℃以上融点の低い合金を溶浸材に用いることを好ましいものとしている。
【0012】
また本発明では、上記金属製造形物の作製方法について、造形材料の金属としてチタンを用い、溶浸材としてチタン合金を用いることを好ましいものとし、またチタン合金としてチタン?ニッケル合金を用いることを好ましいものとしている。
【0013】
また本発明では、上記金属製造形物の作製方法について、造形材料の金属としてチタン合金を用い、溶浸材として、造形材料のチタン合金とは異なる組成のチタン合金を用いることを好ましいものとしている。
【0014】
【発明実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。図1に、本発明を実施するための好ましい工程の一例を模式化して示す。本発明による方法で金属製造形物を作製するには、まず積層造形装置1で積層造形を行なう。図の例は積層造形の後に焼結を行なう3段階工程方式であるので、積層造形における造形材料としては、金属粒子に合成樹脂バインダがコーティングされたタイプの金属粉末材料2を用いる。造形材料用の金属については特に限定されることはない。ただ、上述のように積層造形の特徴をより有効に活かせるということから、チタン(Ti)または純チタンに近い性質を有するチタン合金、あるいはこれらチタンやチタン合金に類する金属を選択することは特に好ましいことである。
【0015】
図2に積層造形装置1の一構成例を模式化して示す。この積層造形装置は、造形パターンに応じてレーザ光を選択的に照射するタイプの装置、つまり選択的レーザ焼結装置であり、焼結台ピストン11、粉末材料供給ピストン12、展延ローラ13、レーザ14、レーザ14からのレーザ光15の照射制御を行なうミラー16、およびレーザ光15のビームを収束させるレンズ系17を備えている。そしてその焼結台ピストン11と粉末材料供給ピストン12は温度制御を可能とされたチャンバー18の内部に設けられている。このような選択的レーザ焼結装置による積層造形作業は以下のようになされる。
【0016】
まず粉末材料供給ピストン12を所定高さだけ上昇させることで焼結台ピストン11上に供給すべき金属粉末材料2の計量がなされ、展延ローラ13がその計量分の金属粉末材料2を焼結台ピストン11の上に所定の厚みで展延させる。その展延厚は、作製しようとする造形物を多数の薄い層に仮想的にスライスしてスライスデータを得た際のスライス厚に基づいて制御され、スライス厚が100μであれば、展延厚も100μとなる。それからこの粉末材料の薄層にレーザ光15を照射する。レーザ光15の照射は、上記のスライスデータに基づいて図外の制御系でミラー16を制御することによりなされる。つまりレーザ光の照射は、目的造形物の仮想的なスライスにおける各スライス面の形状に対応するパターンでなされる。
【0017】
粉末材料の薄層にレーザ光15が照射されると、その照射部位において粉末材料2にコーティングされたバインダー樹脂が熱融合して溶着し、これによりレーザ光15の照射パターンに対応する形状パターンを有した一つの単位造形層19が形成される。一つの単位造形層19の形成を終えたら、その厚み分だけ焼結台ピストン11を降下させ、それに続いて以上と同じ作業をくり返す。これら一連の作業を数繰り返すことで単位造形層19、19、……が順次積層され、その積層数が所定数に達すれば目的の造形物の元となる積層造形体20が得られる。
【0018】
次に、この積層造形体20に焼結加熱炉21で熱焼結処理を施す。焼結温度は、造形材料金属が例えばチタン(融点1700℃)の場合であれば、1000?1300℃程度とする。また焼結加熱炉21内を100Pa以下の減圧状態に保つようにしてアルゴンガスなどの不活性ガスを流しながら焼結を進める。熱焼結処理の時間、つまり積層造形体20を焼結加熱炉21内で保持する時間は、積層造形体20の体積に依存するが、一般的には数時間程度である。所定の保持時間が過ぎたら焼結体22を焼結炉21から取り出して自然冷却させる。
【0019】
それから最後に溶浸処理を行なう。溶浸処理は、造形材料金属と溶浸材の間に拡散結合を生じさせる条件で行なう。そのために溶浸処理における溶浸材23には、造形材料に用いた金属と同系の合金を用いる。つまり造形材料に用いた金属が純金属である場合であれば、その金属を主成分とする合金を用い、造形材料に用いた金属が合金である場合であれば、その合金と主成分が同じであるが組成の異なる合金を用いる。またこのことを基本前提にして、溶浸材の合金組成と配合比率は以下の条件を満足させるように選択する。▲1▼少なくても一つの成分金属の溶浸材合金に対する化学ポテンシャルが造形材料金属に対する化学ポテンシャルよりも大きくなるようにする。より具体的には溶浸材合金の主成分以外の成分金属の少なくとも一つについて、その化学ポテンシャルが造形材料金属に対してより溶浸材合金に対して大きくなるようにする。▲2▼造形材料金属の融点よりも低い融点を持つこと。具体的には、溶浸温度は溶浸材合金の融点より50?150℃程度高めに設定するのが通常であるので、造形材料金属の融点より200℃程度以上融点が低いことが望ましい。▲3▼合金にはその融点を最も低くする共晶点があり、この共晶点を与える配合比率があるが、この共晶点配合から若干外れた配合比率とする。具体的には、溶浸材合金の主成分以外の成分を共晶点配合よりも若干多めにする。これは溶浸材の浸透性に影響し、このような配合とすることで溶浸材の浸透性をより高めることができる。
【0020】
ここで、▲1▼の条件における化学ポテンシャルの大小は、溶浸材合金の成分金属が造形材料金属の粒子の内部に拡散して結合することで溶浸材合金と造形材料金属の間で新たな合金を形成し、これにより大幅な強度向上をもたらすという現象に大きく影響する要件である。この化学ポテンシャルの大小は、合金の組成と各成分金属の配合比率から定まるものであり、各金属について得られている活動度などのデータを用いて理論的に判定することは可能である。しかし実際的には、データなどから概略の見当をつけた上で実験的に判定するのが適切である場合が多い。実験的に判定するには、加熱炉を所定の温度に加熱し、その内部にセラミックなどでできた容器に溶浸材を溶融させておく。それに試作した造形材料金属で作製した造形体(焼結体)のブロックを所定時間浸漬して拡散が生じるか否かを調べる。拡散の有無を確認するには、浸漬した造形材料金属で作製した造形体(熱焼結体)のブロックを切断してその切断面を、例えばオージェ分光法などで調べる。
【0021】
造形材料金属にチタンを用いた場合の溶浸材として上記の条件を満足させる合金の好ましい例は、例えばニッケル(Ni)の含量が33%であるTi?33Ni合金である。なおチタン?ニッケル合金の共晶点配合は、ニッケルの含量が30%である。
【0022】
本発明では上記のように溶浸材に拡散結合を効率的に生じさせることを主眼としている。そのためには溶浸材合金に上記のような条件を満足させることが要求されるが、この他にも加熱プロセスが重要な比重を占める。具体的には、焼結体22を溶浸材23とともに溶浸加熱炉24に入れたら、できるだけ迅速に焼結体22と溶浸材23が溶浸のための温度になるようにすることである。つまり、焼結体(熱焼結処理を省略して積層造形体に直接溶浸をなす場合にはレーザ焼結造形体)と溶浸材を予め予熱状態にしておき、溶浸のための加熱に入った際には数分ないし数十分といった短時間で溶浸材が溶融して溶浸が開始されるような条件を整えるということである。そのために本実施形態では溶浸加熱炉24を予熱炉25と本加熱炉26で形成し、本加熱炉26での溶浸処理に先立って焼結体22と溶浸材23を予備加熱するようにしている。このようにするのは、焼結処理の後で焼結体22を十分に冷却する必要がある場合である。一方、焼結処理後に焼結体22をそれほど冷却させなくて済む工程設計も可能であるが、そのような場合には本実施形態におけるような予熱加熱は不要となる。また溶浸材を予め溶融させておき、これに焼結体なり積層造形体を接触させるようにする工程設計も可能であり、この場合には焼結体なり積層造形体を溶浸に先立って適切な温度にしておくだけで足りる。
【0023】
溶浸処理における温度条件は、造形材料金属がチタンで溶浸材がTi?33Ni合金の場合であれば、1000?1150℃程度とする。また溶浸処理においても焼結の場合と同様に、本加熱炉26内を100Pa以下の減圧状態に保つようにしてアルゴンガスなどの不活性ガスを流しながら溶浸を進める。予熱炉25による予備加熱は焼結体22と溶浸材23が例えば200?300℃程度の温度になるように行なう。このように予備加熱された焼結体22と溶浸材23を予め溶浸温度に上昇させてある本加熱炉26に入れると、溶浸材23が直ちに溶融して焼結体22の内部に浸透し、これにより溶浸材が造影材料金属の粒子中に効率よく拡散して結合を生じる。焼結体22を本加熱炉26内で保持する時間は、焼結の場合と同様である。所定の保持時間が過ぎたら溶浸により完成した金属製造形物27を本加熱炉26から取り出して自然冷却させる。金属製造形物27の体積によっては自然冷却させると冷却速度が早すぎって金属製造形物27の内部に残留応力が発生する場合があり、その場合には加熱炉26の温度制御を行なうコントローラによってプログラム的に冷却させて残留応力が発生しないようにすることもできる。
【0024】
以上の実施形態では積層造形法としてSLS法を用いていたが、本発明においてはこれに限られるものでなく、金属を造形材料とする積層造形法であれば、何れの方式でも採用することができる。またレーザ焼結工程で焼結レベルまで金属粉末を固めることができる場合であれば、熱焼結処理を省略して積層造形体に直接に溶浸処理を施す形態とすることも可能である。
【0025】
【実験例】
以下、造形材料としてチタンを用い、溶浸材にTi?33Ni合金を用いて造形物を作製した実験例について説明する。実験は上で述べた実施形態の場合と同様の条件で行なっている。焼結条件は、1200℃で3時間保持であり、溶浸条件は予備加熱が200℃で本加熱が1030℃、そして保持時間は1時間である。作製した造形物は実効体積が300cm3程度の大きさのものである。その試作造形物の断面の顕微鏡写真を図3?図5に示す。図3は、未溶浸部分を100倍に拡大した顕微鏡写真であろ。この顕微鏡写真から、平均粒径150μmのチタン粉末粒子が液相焼結している状態がわかる。図4と図5は、それぞれ同一の溶浸部分を100倍と400倍に拡大した顕微鏡写真である。これらの顕微鏡写真から、チタン粉末粒子(造形材料金属)とTi?33Ni合金(溶浸材)の境界が判別できない状態になっていることを見て取ることができ、このことから造形材料金属と溶浸材との間において金属間の拡散結合が深く進展していることを確認できる。なお図4と図5には細長い粒子様のパターンが見られるが、これは拡散結合により新たに形成された合金の結晶によるパターンと考えられる。このように溶浸材に拡散結合を生じさせた造形物は、単に溶浸材が造形材料金属粒子の隙間を埋めるだけの従来の溶浸方式による造形物に較べて、単位断面積あたりの強度が数十倍ないしそれ以上に向上している。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、積層造形法をベースにして作製される造形物の強度を大幅に向上させることができ、例えばチタンのような優れた性質を有する金属を造形材料とすることで、軽量で高強度なロボットの骨格部材や義装具などのような、より付加価値の高い物品を作製することが可能となり、積層造形の有用性をさらに高めるのに寄与できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施するための工程例を模式化して示す図である。
【図2】積層造形装置の一構成例を模式化して示す図である。
【図3】試作造形物の未溶浸部分の100倍に拡大した顕微鏡写真である。
【図4】試作造形物の溶浸部分の100倍に拡大した顕微鏡写真である。
【図5】試作造形物の溶浸部分の400倍に拡大した顕微鏡写真である。
【符号の説明】
1 積層造形装置
2 金属粉末材料
20 積層造形体
21 焼結加熱炉
22 焼結体
23 溶浸材
24 溶浸加熱炉
27 金属製造形物

Claims (5)

  1. 金属粉末を造形材料とした積層造形処理により積層造形体を形成し、それから前記積層造形体、または前記積層造形体に焼結処理を施して得られる焼結体に溶浸材を溶浸させる溶浸処理を施して金属製の造形物を得るようになっている金属製造形物の作製方法において、
    前記溶浸材は、前記造形材料の金属と同系の合金であり且つ、少なくてもその一つの成分金属の当該合金に対する化学ポテンシャルが前記造形材料に用いられる金属に対する化学ポテンシャルよりも大きくなるようにされているものであることを特徴とする金属製造形物の作製方法。
  2. 造形材料の金属の融点よりも200℃以上融点の低い合金を溶浸材に用いるようにした請求項1に記載の金属製造形物の作成方法。
  3. 造形材料の金属としてチタンを用い、溶浸材としてチタン合金を用いるようにした請求項1または請求項2に記載の金属製造形物の作成方法。
  4. チタン合金がチタン−ニッケル合金である請求項3に記載の金属製造形物の作成方法。
  5. 造形材料の金属としてチタン合金を用い、溶浸材として、造形材料のチタン合金とは異なる組成のチタン合金を用いるようにした請求項1または請求項2に記載の金属製造形物の作成方法。
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