JP2004048632A - 動画像符号化方法および動画像復号化方法 - Google Patents

動画像符号化方法および動画像復号化方法 Download PDF

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Shinya Sumino
角野 眞也
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Seishi Abe
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Abstract

【目的】インタレース映像に対するダイレクトモードにおいて、非常に小さなオーバーヘッドで従来方法と比較して符号化効率を大きく改善する。
【解決手段】フィールドB31のブロックaをダイレクトモードで処理する場合に、後方参照フィールドであるP41のブロックbを処理する際に用いた動きベクトルAを参照動きベクトルとする。この参照動きベクトルAがフィールドP11とP12のいずれを参照するかにより、スケーリング時の係数を切り替える。また、スケーリング時の複数の係数間に所定の関係がある場合には、一部の係数のみを関連情報として記述する。
【選択図】 図7

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレーム間予測符号化を用いて符号化および復号化を行う動画像符号化方法および動画像復号化方法、動画像符号化装置、動画像復号化装置、並びにそれをソフトウェアで実施するためのプログラム、およびプログラムを格納した記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
動画像符号化においては、一般に動画像が有する空間方向および時間方向の冗長性を利用して情報量の圧縮を行う。ここで、時間方向の冗長性を利用する方法として、フレーム間予測符号化が用いられる。フレーム間予測符号化では、あるフレームを符号化する際に、表示時間順で前方または後方にあるフレームを参照フレームとする。そして、その参照フレームからの動き量を検出し、動き補償を行ったフレームと符号化対象のフレームとの差分値に対して空間方向の冗長度を取り除くことにより情報量の圧縮を行う。
【0003】
MPEG−1、MPEG−2、MPEG−4、H.263等の動画像符号化方式では、ピクチャ間予測符号化を行わない、すなわちピクチャ内符号化を行うフレームをIピクチャと呼ぶ。ここでピクチャとは、フレームおよびフィールドの両者を包含する1つの符号化の単位を意味する。また、表示時間順で前方にあるピクチャを参照してピクチャ間予測符号化するピクチャをPピクチャと呼び、表示時間順で前方および後方にある既に処理済みのピクチャを参照してピクチャ間予測符号化するピクチャをBピクチャと呼ぶ。図19に上記の動画像符号化方式における、各フレームの予測関係を示す。図19において、縦線は1枚のフレームを示しており、各フレームの右下にフレームタイプ(I、P、B)を示している。また図19中の矢印は、矢印の終端にあるフレームが、矢印の始端にあるフレームを参照フレームとして用いてフレーム間予測符号化することを示している。例えば、先頭から2枚目のBフレームは、先頭のIフレームと先頭から4枚目のPフレームを参照画像として用いることにより符号化する。
【0004】
MPEG−4方式では、Bピクチャの符号化において、ダイレクトモードという符号化モードを選択することができる(例えば、非特許文献1参照)。ダイレクトモードにおける従来のフレーム間予測方法を図20を用いて説明する(例えば、特許文献1参照)。今、フレームB3のブロックaをダイレクトモードで符号化するとする。この場合、フレームB3の後方参照フレームであるフレームP4中の、ブロックaと同じ位置にあるブロックbの動きベクトルAを利用する。
動きベクトルAは、ブロックbが符号化または復号化された際に用いられた動きベクトルであり、フレームP1を参照している。ブロックaは、動きベクトルAから所定の方法により計算して得られる動きベクトルを用いて、参照フレームであるフレームP1とフレームP4から動き補償を行う。この場合のブロックaを符号化する際に用いる動きベクトルは、フレームP1に対しては動きベクトルB、フレームP4に対しては動きベクトルCとなる。この際、動きベクトルAの大きさをMV、動きベクトルBの大きさをMVf、動きベクトルCの大きさをMVbとすると、MVf、MVbはそれぞれ式1、式2によって得られる。
(式1) MVf=N×MV/D
(式2) MVb=−M×MV/D
【0005】
ここで、N、M、Dはフレーム単位で定められた1組の値であり、以下ではこれらの値をスケーリング係数と呼ぶことにする。スケーリング係数の値は、符号化時に決定すれば良い。一例としては、各フレーム間の時間的距離を用いて設定することができる。今、フレームP1からP4の時間的距離をD、フレームP1からB3の時間的距離をN、フレームB3からP4の時間的距離をMと設定すれば、MVfとMVbはMVに平行な動きベクトルとなる。
【0006】
【非特許文献1】
INTERNATIONAL STANDARD ISO/IEC14496−2:1999/amd.1:2000(E)
【0007】
【特許文献1】
特開平11−75191号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の方法をインタレース画像に適用する場合を考える。ここで、インタレース画像とは、1つのフレームが2つのフィールドから構成される画像である。インタレース画像の符号化や復号化処理においては、1つのフレームをフレームのまま処理したり、2つのフィールドとして処理したり、フレーム内のブロック毎にフレーム構造またはフィールド構造として処理したりすることができる。
インタレース映像をフィールド単位で処理する場合、同一フィールド内のブロックを処理する場合であっても、ブロックによって、ダイレクトモードにおける参照ピクチャとして第1フィールドと第2フィールドのいずれを用いるかが異なる。これは、例えばダイレクトモードにおける前方参照フィールドが、後方参照フィールドが参照するフィールドとなるためである。このように、ブロックによってダイレクトモードにおける前方参照フィールドが異なるため、動きベクトルに対するスケーリング係数の最適な値も異なる。したがって、符号化や復号化対象のフレームやフィールド単位でスケーリング係数を1組だけ定めると符号化効率が低下するという問題が生じる。
【0009】
本発明は上記問題点を鑑みてなされたものであり、インタレース映像に対するダイレクトモードにおいて、非常に小さなオーバーヘッドで従来方法と比較して符号化効率を大きく改善することができる、動きベクトル計算方法および動画像符号化方法および動画像復号化方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る動画像符号化方法は、ピクチャ列からなる動画像を符号化し、得られた符号列を出力する方法であって、ピクチャを構成するブロックごとに動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、算出された動きベクトルを参照動きベクトルとして、係数を用いたスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを予測して生成する動きベクトル予測ステップと、前記係数を前記符号列とともに出力する係数出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0011】
また、本発明に係る動画像復号化方法は、請求項1記載の動画像符号化方法によって出力された符号列を復号化する方法であって、前記符号列から前記係数を取り出し、取り出した係数を用いてスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、算出された動きベクトルを用いて前記処理対象ブロックの復号化を行う復号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明に係る動画像符号化装置は、ピクチャ列からなる動画像を符号化し、得られた符号列を出力する装置であって、ピクチャを構成するブロックごとに動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、算出された動きベクトルを参照動きベクトルとして、係数を用いたスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを予測して生成する動きベクトル予測手段と、前記係数を前記符号列とともに出力する係数出力手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る動画像復号化装置は、請求項9記載の動画像符号化装置によって出力された符号列を復号化する装置であって、前記符号列から前記係数を取り出し、取り出した係数を用いてスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、算出された動きベクトルを用いて前記処理対象ブロックの復号化を行う復号化手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、前記動画像符号化方法および動画像復号化方法におけるステップをコンピュータに実行させるプログラムとして実現し、CD−ROMや通信ネットワーク等の記録媒体や伝送媒体を介して流通させたりすることもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
(実施の形態1)
図1は、本発明に係る動画像符号化方法を用いた動画像符号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0017】
動画像符号化装置は、フレームメモリ101、差分演算部102、予測誤差符号化部103、符号列生成部104、予測誤差復号化部105、加算演算部106、フレームメモリ107、動きベクトル検出部108、モード選択部109、符号化制御部110、スイッチ111〜115、および動きベクトル記憶部116を備えている。
【0018】
フレームメモリ101は、表示時間順にピクチャ単位で入力された動画像を格納する。符号化制御部110は、フレームメモリ101に格納された各ピクチャを符号化が行われる順に並び替えを行う。また、符号化制御部110は、動きベクトル記憶部116への動きベクトルの記憶動作を制御する。さらに、符号化制御部110は、後で詳細に説明するスケーリング係数を決定し、符号列生成部104およびモード選択部109へ出力する。
【0019】
動きベクトル検出部108は、符号化済みの復号化画像データを参照ピクチャとして用いて、そのピクチャ内の探索領域において最適と予測される位置を示す動きベクトルの検出を行う。モード選択部109は、動きベクトル検出部108で検出された動きベクトルを用いて、マクロブロックの符号化モードを決定する。差分演算部102は、フレームメモリ101より読み出された画像データと、モード選択部109より入力された参照画像データとの差分を演算し、予測誤差画像データを生成する。
【0020】
予測誤差符号化部103は、入力された予測誤差画像データに対して周波数変換や量子化等の符号化処理を行い、符号化データを生成する。符号列生成部104は、入力された符号化データに対して可変長符号化等を行い、さらにモード選択部109から入力された動きベクトルの情報、符号化モードの情報、およびその他の関連情報等を付加することにより符号列を生成する。
【0021】
予測誤差復号化部105は、入力された符号化データに対して逆量子化や逆周波数変換等の復号化処理を行い、復号化差分画像データを生成する。加算演算部106は、予測誤差復号化部105より入力された復号化差分画像データと、モード選択部109より入力された参照画像データとを加算し、復号化画像データを生成する。フレームメモリ107は、生成された復号化画像データを格納する。
【0022】
次に、上記のように構成された動画像符号化装置の動作について説明する。
図2は、フレームメモリ101におけるピクチャの順序を示す説明図であり、(a) 入力された順序、(b) 並び替えられた順序を示す説明図である。ここで、縦線はピクチャを示し、各ピクチャの右下に示す記号は1文字目のアルファベットがピクチャタイプ(I、P、またはB)を、2文字目以降の数字が表示時間順のピクチャ番号を示している。また、Pピクチャは、表示時間順で前方にある近傍3枚のIピクチャまたはPピクチャを参照ピクチャとし、Bピクチャは、表示時間順で前方にある近傍3枚のIピクチャまたはPピクチャと、表示時間順で後方にある近傍1枚のIピクチャまたはPピクチャとを参照ピクチャとして用いるものとしている。
【0023】
入力画像は、例えば図2(a) に示すように表示時間順にピクチャ単位でフレームメモリ101に入力される。フレームメモリ101にピクチャが入力されると、符号化制御部110は、入力されたピクチャをどのタイプのピクチャ(I、P、またはBピクチャ)で符号化するかを決定し、決定したピクチャタイプによりスイッチ113〜115を制御する。なお、ピクチャタイプの決定は、例えば周期的にピクチャタイプを割り当てる方法が一般的に用いられている。
【0024】
符号化制御部110は、ピクチャタイプを決定すると、フレームメモリ101内で入力された各ピクチャを、例えば図2(b) に示すように符号化が行われる順に並び替える。この符号化順への並び替えは、ピクチャ間予測符号化における参照関係に基づいて行われ、参照ピクチャとして用いられるピクチャが、参照ピクチャとして用いるピクチャよりも先に符号化されるように並び替えられる。
【0025】
フレームメモリ101で並び替えが行われた各ピクチャは、例えば水平16×垂直16画素のグループに分割されたマクロブロック単位で読み出される。また、動き補償は、例えば水平8×垂直8画素のグループに分割されたブロック単位で行っている。
【0026】
以降の動作については、符号化対象のピクチャがPピクチャの場合とBピクチャの場合に分けてそれぞれ説明する。
【0027】
<Pピクチャの場合>
Pピクチャでは、前方参照を用いたピクチャ間予測符号化を行っている。例えば、図2(a) に示す例でピクチャP13の符号化処理を行う場合、参照ピクチャはピクチャP10、P7、P4となる。これら参照ピクチャは、既に符号化が終了しており、復号化画像データがフレームメモリ107に格納されている。
【0028】
Pピクチャの符号化時には、符号化制御部110は、スイッチ113〜115がオンになるように各スイッチを制御する。これにより、フレームメモリ101より読み出されたピクチャP13のマクロブロックは、動きベクトル検出部108、モード選択部109、および差分演算部102に入力される。
【0029】
動きベクトル検出部108は、マクロブロック内の各ブロックに対して、フレームメモリ107に格納された復号化画像データを参照ピクチャとして用いて、動きベクトルの検出を行う。動きベクトル検出部108は、検出した動きベクトルをモード選択部109に対して出力する。
【0030】
モード選択部109は、動きベクトル検出部108で検出された動きベクトルを用いて、マクロブロックの符号化モードを決定する。ここで、符号化モードとはマクロブロックをどのような方法で符号化するかを示すものである。例えば、Pピクチャの場合には、ピクチャ内符号化、動きベクトルを用いたピクチャ間予測符号化、動きベクトルを用いない(動きを0として扱う、または周囲ブロックの動きベクトルから選択する)ピクチャ間予測符号化の中から、いずれの方法で符号化するかを選択することができるものとする。符号化モードの決定においては、一般的には少ないビット量でより符号化誤差が小さくなる方法を選択する。
【0031】
モード選択部109は、決定した符号化モードを符号列生成部104に対して出力する。このとき、符号化対象のピクチャが、他のピクチャの符号化時に参照ピクチャとして用いられるピクチャであり、モード選択部109で決定した符号化モードがピクチャ間予測符号化である場合には、そのピクチャ間予測符号化で用いられる動きベクトルおよび参照ピクチャ番号を示す情報を動きベクトル記憶部116に記憶する。また、この場合にはモード選択部109は、動きベクトルおよび参照ピクチャ番号を示す情報を符号列生成部104に対して出力する。
【0032】
モード選択部109は、決定した符号化モードに基づいた参照画像データを、差分演算部102と加算演算部106とに出力する。なお、モード選択部109がピクチャ内符号化を選択した場合には、参照画像データは出力しない。また、モード選択部109は、ピクチャ内符号化を選択した場合には、スイッチ111をa側に、スイッチ112をc側に接続し、ピクチャ間予測符号化を選択した場合には、スイッチ111をb側に、スイッチ112をd側に接続するように制御する。
【0033】
以下では、モード選択部109でピクチャ間予測符号化が選択された場合について説明する。
差分演算部102は、フレームメモリ101より読み出されたピクチャP13のマクロブロックの画像データと、モード選択部109より入力された参照画像データとの差分を演算し、予測誤差画像データを生成して予測誤差符号化部103へ出力する。予測誤差画像データが入力された予測誤差符号化部103は、この予測誤差画像データに対して周波数変換や量子化等の符号化処理を行い、符号化データを生成して符号列生成部104および予測誤差復号化部105へ出力する。ここで、周波数変換や量子化の処理は、例えば水平8×垂直8画素の単位で行うことができる。
【0034】
符号化データが入力された符号列生成部104は、この符号化データに対して可変長符号化等を行い、さらにモード選択部109から入力された動きベクトルの情報、参照ピクチャの情報を示す情報、符号化モードの情報、およびその他の関連情報等を付加することにより符号列を生成し、出力する。参照ピクチャ番号についての詳細は後述する。
【0035】
一方、符号化データが入力された予測誤差復号化部105は、この符号化データに対して逆量子化や逆周波数変換等の復号化処理を行い、復号化差分画像データを生成して加算演算部106へ出力する。復号化差分画像データが入力された加算演算部106は、この復号化差分画像データと、モード選択部109より入力された参照画像データとを加算し、復号化画像データを生成してフレームメモリ107に格納する。
【0036】
以降同様の処理により、ピクチャP13の残りのマクロブロックについても符号化処理を行う。そして、図2(a) に示す例では、ピクチャP13のすべてのマクロブロックについて処理が終了すると、次にピクチャB11の符号化処理を行う。
【0037】
<Bピクチャの場合>
Bピクチャでは、2方向参照を用いたピクチャ間予測符号化を行っている。例えば、図2(a) に示す例でピクチャB11の符号化処理を行う場合、表示時間順で前方にある参照ピクチャはピクチャP10、P7、P4、表示時間順で後方にある参照ピクチャはピクチャP13となる。
【0038】
ここではBピクチャが他のピクチャの符号化時に、参照ピクチャとして用いられない場合を考える。よって、Bピクチャの符号化時には、符号化制御部110は、スイッチ113がオンに、スイッチ114〜115がオフになるように各スイッチを制御する。これにより、フレームメモリ101より読み出されたピクチャB11のマクロブロックは、動きベクトル検出部108、モード選択部109、および差分演算部102に入力される。
【0039】
動きベクトル検出部108は、フレームメモリ107に格納されたピクチャP10、P7、P4の復号化画像データを前方参照ピクチャとして、ピクチャP13の復号化画像データを後方参照ピクチャとして用いて、マクロブロック内の各ブロックに対して、前方動きベクトルと後方動きベクトルとの検出を行う。動きベクトル検出部108は、検出した動きベクトルをモード選択部109に対して出力する。
【0040】
モード選択部109は、動きベクトル検出部108で検出された動きベクトルを用いて、マクロブロックの符号化モードを決定する。ここで、Bピクチャの符号化モードは、例えばピクチャ内符号化、前方動きベクトルを用いたピクチャ間予測符号化、後方動きベクトルを用いたピクチャ間予測符号化、双方向動きベクトルを用いたピクチャ間予測符号化、ダイレクトモードの中から、いずれの方法で符号化するかを選択することができるものとする。
【0041】
ここでは、ダイレクトモードで符号化を行う場合について説明する。
図3は、ダイレクトモードにおける動きベクトルを示す説明図である。ここで、符号化対象のブロックがピクチャB11のブロックaであるとする。
【0042】
ブロックaをダイレクトモードで符号化を行う場合には、後方参照ピクチャの中のブロックaと同じ位置にあるブロックの動きベクトルを利用する。すなわち、図3に示すようにピクチャP13のブロックbの動きベクトルcを利用することになる。動きベクトルcは、ブロックbが符号化された際に用いられた動きベクトルであり、ピクチャP10を参照している。なお、動きベクトルcは、動きベクトル記憶部116に記憶されている。
【0043】
モード選択部109は、符号化制御部110で決定されたスケーリング係数を用いて、動きベクトルcからピクチャP10に基づく動きベクトルd、およびピクチャP13に基づく動きベクトルeを生成する。ブロックaは、動きベクトルcから生成された2つの動きベクトルd、eを用いて、参照ピクチャであるピクチャP10およびピクチャP13から2方向予測が行われる。なお、参照ピクチャとして第1フィールドと第2フィールドのいずれを用いるかに応じたスケーリング係数の選択については、後で詳細に説明する。
【0044】
さて、モード選択部109は、決定した符号化モードを符号列生成部104に対して出力する。また、モード選択部109は、決定した符号化モードに基づいた参照画像データを、差分演算部102と加算演算部106とに出力する。なお、モード選択部109がピクチャ内符号化を選択した場合には、参照画像データは出力しない。また、モード選択部109は、ピクチャ内符号化を選択した場合には、スイッチ111をa側に、スイッチ112をc側に接続し、ピクチャ間予測符号化を選択した場合には、スイッチ111をb側に、スイッチ112をd側に接続するように制御する。
【0045】
以下では、モード選択部109でピクチャ間予測符号化が選択された場合について説明する。
差分演算部102は、フレームメモリ101より読み出されたピクチャP13のマクロブロックの画像データと、モード選択部109より入力された参照画像データとの差分を演算し、予測誤差画像データを生成して予測誤差符号化部103へ出力する。
【0046】
予測誤差画像データが入力されたデータ予測誤差符号化部103は、この予測誤差画像データに対して周波数変換や量子化等の符号化処理を行い、符号化データを生成して符号列生成部104へ出力する。符号化データが入力された符号列生成部104は、この符号化データに対して可変長符号化等を行い、さらにモード選択部109から入力された動きベクトルの情報、符号化モードの情報、およびその他の関連情報等を付加することにより符号列を生成し、出力する。なお、ピクチャの関連情報には、ダイレクトモードで用いるために符号化制御部110で決定されたスケーリング係数が含まれる。また、ダイレクトモードで符号化されたマクロブロックについては、動きベクトルの情報は符号化列には付加しない。
【0047】
以降同様の処理により、ピクチャB11の残りのマクロブロックについても符号化処理を行う。そして、図2(a) に示す例では、ピクチャB11のすべてのマクロブロックについて処理が終了すると、次にピクチャB12の符号化処理を行う。
【0048】
図6は、前記動画像符号化装置による画像符号化信号フォーマットの概念図である。Pictureは1フレーム分の符号化信号、Headerはフレーム先頭に含まれる関連符号化信号、Block1はダイレクトモードによるブロックの符号化信号、Block2はダイレクトモード以外の補間予測によるブロックの符号化信号、RIdx1 、RIdx2 は相対インデックス、MV1 、MV2 は動きベクトルを示す。ここでは、関連情報であるHeader部は、同一の符号列中に含まれる場合について示しているが、関連情報が他の符号列に含まれていても構わない。Headerには、ダイレクトモードで用いるために符号化制御部110で決定されたスケーリング係数が含まれる。補間予測ブロックBlock2では、補間に使用する2つの参照フレームを示すため2つの相対インデックスRIdx1 、RIdx2 を符号化信号中にこの順で有する。相対インデックスは上記で説明した参照ピクチャ番号と同じである。相対インデックスRIdx1 、RIdx2 のいずれを使用するかはPredTypeにより判断することができる。例えば、2方向でピクチャを参照することが示される場合はRIdx1 とRIdx2 が用いられ、1方向でピクチャを参照することが示される場合はRIdx1 またはRIdx2 が用いられ、ダイレクトモードが示されている場合はRIdx1 、RIdx2 ともに用いられない。第1参照フレームを示す相対インデックスRIdx1 を第1相対インデックス、第2参照フレームを示す相対インデックスRIdx2 を第2相対インデックスと呼ぶ。第1参照フレームか第2参照フレームかは符号化ストリーム中のデータ位置で決まる。
【0049】
図4は、本発明に係る動画像復号化方法を用いた動画像復号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【0050】
動画像復号化装置は、符号列解析部701、予測誤差復号化部702、モード復号部703、動き補償復号部705、動きベクトル記憶部706、フレームメモリ707、加算演算部708、およびスイッチ709、710を備えている。
【0051】
符号列解析部701は、入力された符号列より符号化モードの情報、動きベクトルの情報、およびスケーリング係数等の各種データの抽出を行う。予測誤差復号化部702は、入力された予測誤差符号化データの復号化を行い、予測誤差画像データを生成する。モード復号部703は、符号列より抽出された符号化モードの情報を参照し、スイッチ709、710の制御を行う。
【0052】
動き補償復号部705は、参照ピクチャ番号と動きベクトルの情報の復号化処理を行い、復号化した参照ピクチャ番号と動きベクトルとに基づいて、フレームメモリ707より動き補償画像データを取得する。動きベクトル記憶部706は、動きベクトルを記憶する。
【0053】
加算演算部708は、予測誤差復号化部702より入力された予測誤差符号化データと、動き補償復号部705より入力された動き補償画像データとを加算し、復号化画像データを生成する。フレームメモリ707は、生成された復号化画像データを格納する。
【0054】
次に、上記のように構成された動画像復号化装置の動作について説明する。
図5は、ピクチャの順序を示す説明図であり、(a) 入力される符号列中のピクチャの順序、(b) 出力画像として出力されるピクチャの順序を示す説明図である。ここで、Pピクチャは、表示時間順で前方にある近傍3枚のIピクチャまたはPピクチャを参照ピクチャとし、Bピクチャは、表示時間順で前方にある近傍3枚のIピクチャまたはPピクチャと、表示時間順で後方にある近傍1枚のIピクチャまたはPピクチャとを参照ピクチャとして用いて符号化されているものとする。
【0055】
符号列は、図6(a) に示すようなピクチャ順で符号列解析部701に入力される。符号列解析部701は、入力された符号列より符号化モードの情報、動きベクトルの情報、およびスケーリング係数等の各種データの抽出を行う。符号列解析部701は、抽出した符号化モードの情報をモード復号部703へ、動きベクトルの情報およびスケーリング係数を動き補償復号部705へそれぞれ出力する。また、符号列解析部701は、抽出した予測誤差符号化データを予測誤差復号化部702へ出力する。
【0056】
モード復号部703は、符号列より抽出された符号化モードの情報を参照し、スイッチ709、710の制御を行う。このとき、符号化モードがピクチャ内符号化である場合には、スイッチ709をa側に、スイッチ710をc側に接続し、符号化モードがピクチャ間予測符号化である場合には、スイッチ709をb側に、スイッチ710をd側に接続するように制御する。また、モード復号部703は、符号化モードの情報を動き補償復号部705に対しても出力する。
【0057】
以下では、符号化モードがピクチャ間予測符号化である場合について説明する。
予測誤差復号化部702は、入力された予測誤差符号化データの復号化を行い、予測誤差画像データを生成し、加算演算部708へ出力する。
【0058】
以降の動作については、符号化対象のピクチャがPピクチャの場合とBピクチャの場合に分けてそれぞれ説明する。
【0059】
<Pピクチャの場合>
動きベクトルの情報が入力された動き補償復号部705は、この動きベクトルの情報の復号化処理を行う。そして、動き補償復号部705は、復号化した参照ピクチャ番号と動きベクトルとに基づいて、フレームメモリ707より動き補償画像データ(ブロック)を取得し、この動き補償画像データを加算演算部708へ出力する。
【0060】
また、動き補償復号部705は、復号化対象のピクチャが、他のピクチャの復号化時に参照ピクチャとして用いられるピクチャである場合には、動きベクトルと参照ピクチャ番号とを動きベクトル記憶部706に記憶する。ここでは、Pピクチャが参照ピクチャとして用いられるので、ピクチャP13を復号化する際に得られた動きベクトルと参照ピクチャ番号とは動きベクトル記憶部706に記憶される。なお、動きベクトル記憶部706への動きベクトルの記憶は、符号列の関連情報により制御される。
【0061】
加算演算部708は、予測誤差復号化部702より入力された予測誤差符号化データと、動き補償復号部705より入力された動き補償画像データとを加算し、復号化画像データを生成してフレームメモリ707に格納する。
【0062】
以降同様の処理により、ピクチャP13の残りのマクロブロックについても復号化処理を行う。そして、図6(a) に示す例では、ピクチャP13のすべてのマクロブロックについて処理が終了すると、次にピクチャB11の復号化処理を行う。
【0063】
<Bピクチャの場合>
ここでは、モード復号部703で抽出された符号化モードがダイレクトモードである場合について説明する。図3に示すピクチャB11のブロックaが復号化対象のブロックであるとする。
【0064】
ブロックaをダイレクトモードで復号化を行う場合には、後方参照ピクチャの中のブロックaと同じ位置にあるブロックの動きベクトルを利用する。すなわち、図3に示すようにピクチャP13のブロックbの動きベクトルcを利用することになる。動きベクトルcは、ブロックbが符号化された際に用いられた動きベクトルであり、ピクチャP10を参照している。
【0065】
動き補償復号部705は、符号列解析部701より入力されたスケーリング係数を用いて、動きベクトルcからピクチャP10に基づく動きベクトルd、およびピクチャP13に基づく動きベクトルeを生成する。ブロックaは、動きベクトルcから生成された2つの動きベクトルd、eを用いて、参照ピクチャであるピクチャP10およびピクチャP13から2方向予測が行われる。なお、参照ピクチャとして第1フィールドと第2フィールドのいずれを用いるかに応じたスケーリング係数の選択については、後で詳細に説明する。
【0066】
動き補償復号部705は、生成した動きベクトルに基づいて、フレームメモリ707より動き補償画像データ(ブロック)を取得し、加算演算部708へ出力する。加算演算部708は、動き補償画像データと、予測誤差復号化部702より入力された予測誤差符号化データとを加算し、復号化画像データを生成してフレームメモリ707に格納する。
【0067】
以降同様の処理により、ピクチャB11の残りのマクロブロックについても復号化処理を行う。そして、図6(a) に示す例では、ピクチャB11のすべてのマクロブロックについて処理が終了すると、次にピクチャB12の復号化処理を行う。以上のように復号化処理されたピクチャは、図6(b) に示すように順次出力画像としてフレームメモリ707から出力される。
【0068】
以上のように、ピクチャの関連情報に、ダイレクトモードで用いるために符号化制御部110で決定されたスケーリング係数を含め、符号列を生成して出力し、復号化時に関連情報よりスケーリング係数を取り出し、このスケーリング係数を用いて、参照動きベクトルから処理対象ブロックの2つの動きベクトルの生成している。これによって、復号化時にスケーリング係数を、例えば各フィールド間の時間的距離等から求める必要がなく、処理付加が軽減でき、効率のよい処理を行うことが可能である。
【0069】
次に、符号化制御部110で決定されたスケーリング係数を用いた、参照動きベクトルから処理対象ブロックの2つの動きベクトルの生成、および参照ピクチャとして第1フィールドと第2フィールドのいずれを用いるかに応じたスケーリング係数の選択について、詳細に説明する。
【0070】
各ピクチャをフレーム構造で符号化するか、またはフィールド構造で符号化するかは、符号化制御部110により適応的に決定されるものとする。フレーム構造とフィールド構造のいずれで符号化するかは、例えば、ピクチャ内の画素値の分散をフレーム構造とフィールド構造とで求め、分散の小さい方を選択する方法がある。また、各ピクチャをブロック単位でフレーム構造またはフィールド構造のいずれかで符号化する方法も考えられるが、ここではピクチャ単位でフレーム構造またはフィールド構造を切り替える場合について説明する。
【0071】
図7は、動画像を符号化または復号化する際の、各フレームの時間的並びを示している。図7において、フレームP1、P4はPピクチャとして処理され、フレームB2、B3はBピクチャとして処理される。また、1つのフレームは2つのフィールドとして扱うことができる。例えば、フレームP1はフィールドP11、P12として、フレームB2はフィールドB21、B22として、フレームB3はフィールドB31、B32として、フレームP4はフィールドP41、P42として扱うことができる。さらに、各フレームは、フレーム構造またはフィールド構造のいずれかの形式で適応的に符号化、復号化処理がなされるものとする。
図7〜図11において、ピクチャを示す記号のうち、上段の記号が振られている単位で符号化と復号化の処理が行われる。例えば、図7においては、すべてのピクチャがフィールド単位で処理される。
【0072】
現在の処理対象ピクチャが、フィールドB31であるとする。すなわち、フレームB3はフィールド構造で処理される。またフィールドB31は前方参照ピクチャとしてフィールドP11またはP12を、後方参照ピクチャとしてフィールドP41またはP42を用いるとする。これらの参照ピクチャは、すでに符号化または復号化処理が完了している。また、フレームP1、P4はフィールド単位で処理がなされているものとする。
【0073】
今、フィールドB31のブロックaをダイレクトモードで処理する場合を考える。この場合、後方参照ピクチャであり、ブロックaが属するフィールドと同一パリティ(第1フィールド、第2フィールドのいずれであるかを示す値)を有するフィールド(すなわち第1フィールド)であるフィールドP41中の、ブロックaと同一位置にあるブロックbの動きベクトルを利用する。以下では、この動きベクトルを参照動きベクトルと呼ぶ。
【0074】
ここではまず、図7(a)のように、ブロックbが、動きベクトルAを用いて処理されており、この動きベクトルAは、フィールドP11を参照している場合について説明する。この場合、ブロックaは、参照動きベクトルAから所定の方法により計算して得られる動きベクトルを用いて、前方参照フィールドであるフィールドP11(参照動きベクトルAが指しているフィールド)と後方参照フィールドであるフィールドP41(ブロックbが属するフィールド)とから動き補償を行う。この場合にブロックaを処理する際に用いる動きベクトルは、フィールドP11に対しては動きベクトルB、フィールドP41に対しては動きベクトルCとなるとする。この際、動きベクトルAの大きさをMV1、動きベクトルBの大きさをMVf1、動きベクトルCの大きさをMVb1とすると、MVf1、MVb1はそれぞれ式3、式4によって得られる。
(式3) MVf1=N1×MV1/D1
(式4) MVb1=―M1×MV1/D1
【0075】
以下ではこれらN1、M1、D1の値をスケーリング係数と呼ぶとする。スケーリング係数は、フィールド単位で設定された値であるとする。例えばこの場合、スケーリング係数は、各フィールド間の時間的距離から設定することができる。例えばフィールドP11からP41の時間的距離をD1、フィールドP11からB31の時間的距離をN1、フィールドB31からP41の時間的距離をM1と設定すれば、MVf1とMVb1はMVに平行な動きベクトルとなる。ここで、スケーリング係数の値は、符号化時に設定されるものとし、関連情報等として符号列中または符号列の付属情報として記述されるものとする。復号化時には、スケーリング係数を符号列中または符号列の付属情報から取得する。そしてダイレクトモードにより符号化されているブロックを復号化する際には、式3、式4を用いてMVf1、MVb1を計算すれば良い。
【0076】
次に、図7(b)のように、ブロックbが、動きベクトルDを用いて処理されており、この動きベクトルDがフィールドP12を参照している場合について説明する。この場合、ブロックaは、参照動きベクトルDから所定の方法により計算して得られる動きベクトルを用いて、前方参照フィールドであるフィールドP12(動きベクトルDが指しているフィールド)と後方参照フィールドであるフィールドP41(ブロックbが属するフィールド)から動き補償を行う。この場合にブロックaを処理する際に用いる動きベクトルは、フィールドP12に対しては動きベクトルE、フィールドP41に対しては動きベクトルFとなるとする。この際、動きベクトルDの大きさをMV2、動きベクトルEの大きさをMVf2、動きベクトルFの大きさをMVb2とすると、MVf2、MVb2はそれぞれ式5、式6によって得られる。
(式5) MVf2=N2×MV2/D2
(式6) MVb2=M2×MV2/D2
【0077】
ここでスケーリング係数(N2、M2、D2)は、ピクチャ単位で設定された値であるとする。例えばスケーリング係数(N2、M2、D2)の値は、各フィールド間の時間的距離から設定することができる。例えばフィールドP12からP41の時間的距離をD2、フィールドP12からB31の時間的距離をN2、フィールドB31からP41の時間的距離をM2と設定すれば、MVf2とMVb2はMV2に平行な動きベクトルとなる。ここで、スケーリング係数の値は、符号化時に設定されるとし、関連情報等として符号列中または符号列の付属情報として記述されるものとする。復号化時には、これらの値を符号列中または符号列の付属情報から取得し、それにより式5、式6を用いてMVf2、MVb2を計算すれば良い。
【0078】
ここで、スケーリング係数(N1、M1、D1)および(N2、M2、D2)を符号列中または符号列の付属情報として記述する方法としては、上記のように2組とも記述する方法以外に、例えばスケーリング係数を1組だけ記述し、その記述する(された)スケーリング係数を用いて、もう一方の組のスケーリング係数を求めるようにしても良い。例えば、スケーリング係数を上述のようにフィールド間の時間的距離から決定する場合、スケーリング係数(N1、M1、D1)と(N2、M2、D2)との間には、
(式7) N2=N1−1
(式8) M2=M1
(式9) D2=D1−1
の関係が成立する。したがって、スケーリング係数(N2、M2、D2)は、スケーリング係数(N1、M1、D1)から求めることができる。
【0079】
以上の説明では、前方参照ピクチャとして図7におけるフィールドP11、P12を用い、後方参照ピクチャとして図7におけるフィールドP41、P42を用いる場合について説明したが、これらの参照ピクチャの数はさらに多くても良い。例えば、図11に示すように、フィールドB61のブロックaを処理する場合に、前方参照ピクチャとしてフィールドP11、P12、P41、P42、後方参照ピクチャとしてP71、P72を用いるような場合がある。図11(a)はブロックaをダイレクトモードで処理する場合の参照動きベクトルAが、フレームP1の第1フィールドを参照している場合を示し、図11(b)はブロックaをダイレクトモードで処理する場合の参照動きベクトルAが、フレームP1の第2フィールドを参照している場合を示している。このような場合、図7で示した場合と合わせると、参照動きベクトルが参照するフィールドは4通りあることになる。したがって、スケーリング係数も4通りあることなる。ただし、同一フレームに属するフィールドのスケーリング係数は、一方から他方を容易に求めることが出来るため、すべてのスケーリング係数を関連情報として記述する必要はない。また、参照ピクチャ(ここではPピクチャ)の間隔が一定であったり、他の方法により検出できる場合には、1組だけのスケーリング係数を記述し、他のスケーリング係数はこの記述されたスケーリング係数から求めることができる。
【0080】
さて、以上の説明においては、図7におけるフィールドB31に属するブロックをダイレクトモードで処理する場合について説明したが、フレームB3の第2フィールドである、フィールドB32に属するブロックを処理する場合についても、同様に処理することができる。以下ではこの場合について説明する。
【0081】
処理の様子を図8を用いて説明する。フィールドB32に属するブロックaをダイレクトモードで処理する場合に、ピクチャP42に属しかつブロックaと同一位置にあるブロックbの動きベクトルが参照動きベクトルとなる。図8(a)は、参照動きベクトルがフィールドP11を参照する場合を示し、図8(b)は、参照動きベクトルがフィールドP12を参照する場合を示す。これらの場合における処理の概要は、上述の場合とほぼ同様であるので、ここでは説明は割愛する。ただし、この場合のスケーリング係数の値は、図7におけるフィールドB31を処理する場合に用いたスケーリング係数とは一般に異なる。
【0082】
ここで第2フィールドを処理する場合には、その参照ピクチャとして同一フレーム内の第1フィールドを参照することが可能となる。したがって、ブロックbがフィールドP41を参照して処理されている場合には、上記の処理とは異なる処理となる。その様子を図9を用いて説明する。
【0083】
図9では、ブロックbが、動きベクトルGを用いて処理されており、この動きベクトルGは、フィールドP41を参照している場合について示している。この場合、ブロックaは、参照動きベクトルGから所定の方法により計算して得られる動きベクトルを用いて、後方参照フィールドであるフィールドP41(動きベクトルGが指しているフィールド)と後方参照フィールドであるフィールドP42(ブロックbが属するフィールド)から動き補償を行う。この場合にブロックaを符号化する際に用いる動きベクトルは、フィールドP41に対しては動きベクトルH、フィールドP42に対しては動きベクトルIとなるとする。この際、動きベクトルGの大きさをMV3、動きベクトルHの大きさをMVf3、動きベクトルIの大きさをMVb3とすると、MVf3、MVb3はそれぞれ式10、式11によって得られる。
(式10) MVf3=―N3×MV3/D3
(式11) MVb3=―M3×MV3/D3
【0084】
ここで例えば、これらN3、M3、D3の値は、各フィールド間の時間的距離から設定することができる。例えばフィールドP41からP42の時間的距離をD3、フィールドB32からP41の時間的距離をN3、フィールドB31からP42の時間的距離をM3と設定すれば、MVf3とMVb3はMV3に平行な動きベクトルとなる。ここで、これらN3、M3、D3の値は、符号化時にフィールド単位で設定されるとし、これらの値は関連情報等として符号列中または符号列の付属情報として記述される。復号化時には、これらの値を符号列中または符号列の付属情報から取得し、それにより式10、式11を用いてMVf3、MVb3を計算すれば良い。
【0085】
次に、以上の動きベクトル計算方法を用いた動画像符号化方法における処理方法のフローチャートを図12に示す。ここでは、図7を用いて説明した動きベクトル計算方法に対応する動画像符号化方法について説明する。まず、S601において、ピクチャ(フレームまたはフィールド)単位でスケーリング係数を決定し、それを関連情報として記述する。ここでスケーリング係数の決定方法としては、上記のように参照フィールド間の時間間隔等によって決めても良いし、他の方法によって決めても良い。また、スケーリング係数の記述方法は、すべてのスケーリング係数を記述しても良いし、一部のスケーリング係数を記述し、残りのスケーリング係数は記述されたスケーリング係数から求めても良い。そして、S602において、処理対象ブロックをダイレクトモードで処理するか否かを決定する。ダイレクトモードで処理しない場合には、S606において、他のモードに応じた処理で処理対象ブロックを処理する。ダイレクトモードで処理する場合には、S603で参照動きベクトルが、第1フィールドに対する動きベクトルであるか、第2フィールドに対する動きベクトルであるかを判定する。この判定は、参照ピクチャ番号の値を用いて決定することができる。参照動きベクトルが第1フィールドを参照する動きベクトルである場合には、S604において、第1フィールド用のスケーリング係数(N1、M1、D1)を用いて参照動きベクトルのスケーリングを行う。また、参照動きベクトルが第2フィールドを参照する動きベクトルである場合には、S605において、第2フィールド用のスケーリング係数(N2、M2、D2)を用いて参照動きベクトルのスケーリングを行う。そして、S607において、S604またはS605において得られた動きベクトルを用いて動き補償を行う。
【0086】
次に、以上の動きベクトル計算方法を用いた動画像復号化方法における処理方法のフローチャートを図13に示す。ここでは、図13を用いて説明した動きベクトル計算方法に対応する動画像復号化方法について説明する。まず、S701において、スケーリング係数を関連情報から取得する。そして例えば、一部のスケーリング係数のみが関連情報として記述されている場合には、他のスケーリング係数を記述されているスケーリング係数から所定の方法により計算する。そして、S702において、処理対象ブロックをダイレクトモードで処理するか否かを決定する。ダイレクトモードで処理しない場合には、S706において、他のモードに応じた処理で処理対象ブロックを処理する。ダイレクトモードで処理する場合には、S703で参照動きベクトルが、第1フィールドに対する動きベクトルであるか、第2フィールドに対する動きベクトルであるかを判定する。この判定は、参照ピクチャ番号の値を用いて決定することができる。参照動きベクトルが第1フィールドを参照する動きベクトルである場合には、S704において、第1フィールド用のスケーリング係数(N1、M1、D1)を用いて参照動きベクトルのスケーリングを行う。また、参照動きベクトルが第2フィールドを参照する動きベクトルである場合には、S705において、第2フィールド用のスケーリング係数(N2、M2、D2)を用いて参照動きベクトルのスケーリングを行う。そして、S707において、S704またはS705において得られた動きベクトルを用いて動き補償を行う。
【0087】
以上のように、本発明の動きベクトル計算方法および動画像符号化方法および動画像復号化方法は、ダイレクトモードにおいて用いる参照動きベクトルがフィールド構造に対応した動きベクトルである場合、参照動きベクトルが指し示すフィールドにより、ダイレクトモードの際に用いるスケーリング係数を切り替える。このスケーリング係数は、処理フィールド単位で設定し、符号化時には関連情報として記述し、復号化時には関連情報から取得する。また、スケーリング係数の記述方法としては、すべてのスケーリング係数を記述しても良いし、一部のスケーリング係数のみを記述し、残りのスケーリング係数は記述されたスケーリング係数から所定の方法により求めても良い。
【0088】
このように本発明の動きベクトル計算方法および動画像符号化方法および動画像復号化方法を用いることにより、ダイレクトモードにおいて参照するフィールドに応じて最適なスケーリング係数を用いることができ、符号化効率の向上を図ることができる。またこの際にスケーリング係数を記述するオーバーヘッドはほとんど無視できる。さらに一部のスケーリング係数のみを関連情報として記述し、他のスケーリング係数は記述されたスケーリング係数から計算する方法を用いると、スケーリング係数を記述するための関連情報の符号量は、従来例と全く同じとなる。
【0089】
なお、本実施の形態においては、スケーリング係数を時間的距離から設定する場合について説明したが、これは他の方法で決定しても良い。
【0090】
また、本実施の形態においては、各フレームは、フレーム構造またはフィールド構造のいずれかを用いて適応的に符号化、復号化処理されるとして説明したが、これは例えばブロック単位でフレーム構造またはフィールド構造のいずれかを用いて適応的に符号化、復号化処理されるとしても、本発明と同様の処理により実施することが可能であり、同様の効果が得られる。
【0091】
図10は、動画像を符号化または復号化する際の、各フレームの表示時間順の並びを示している。図10においては、実線はフレーム構造のピクチャを示し、破線はフィールド構造のピクチャを示す。例えば、実線で示すフレームP1は、破線で示すフィールドP11とP12を合成したものとなる。また、フレームP1、P4はPピクチャとして処理され、フレームB2、B3はBピクチャとして処理される。また、1つのフレームは2つのフィールドとして扱うことができる。例えば、フレームP1はフィールドP11とP12として、フレームB2はフィールドB21とB22として、フレームB3はフィールドB31とB32として、フレームP4はフィールドP41とP42として扱うことができる。ここでは、各フレームは、フレーム構造またはフィールド構造のいずれかの形式で適応的に符号化、復号化処理されるものとする。
【0092】
現在の処理対象はフレームB3であるとする。すなわち、フレームB3はフレーム構造で処理されるものとする。またフレームB3は、前方参照ピクチャとしてフレームP1を、後方参照ピクチャとしてフレームP4を用いるとする。これらの参照ピクチャは、すでに符号化または復号化処理が完了している。ここで、フレームP4はフィールド単位で処理されているものとする。すなわち、フレームP4を参照する場合には、フィールド構造として処理されたP41、P42を合成してフレーム構造として参照することになる。
【0093】
今、フレームB3のブロックaをダイレクトモードで処理する場合を考える。この場合、後方参照ピクチャであるフレームP4中の、ブロックaと同一位置にあるブロックを処理する際に用いた動きベクトルを利用する。ただしここでは、フレームP4はフィールド構造として、フィールドP41、P42として扱われている。そこでここでは、フレームP4の第1フィールドである、フィールドP41中に属するブロックbの動きベクトルを参照動きベクトルとする。
【0094】
ここではまず、図10(a)のように、ブロックbが、動きベクトルAを用いて処理されており、この動きベクトルAは、フィールドP11を参照している場合について説明する。この場合、ブロックaは、参照動きベクトルAから所定の方法により計算して得られる動きベクトルを用いて、前方参照フレームであるフレームP1(動きベクトルAが指しているフィールドを含むフレーム)と後方参照フレームであるフレームP4(ブロックbが属するフィールドを含むフレーム)から動き補償を行う。この場合にブロックaを符号化する際に用いる動きベクトルは、フレームP1に対しては動きベクトルB、フレームP4に対しては動きベクトルCとなるとする。この際、動きベクトルAの大きさをMV4、動きベクトルBの大きさをMVf4、動きベクトルCの大きさをMVb4とすると、MVf4、MVb4はそれぞれ式12、式13によって得られる。
(式12) MVf4=N4×MV4/D4
(式13) MVb4=―M4×MV4/D4
【0095】
ここで、スケーリング係数(N4、M4、D4)の値は、一例として、各ピクチャ間の時間的距離から設定することができる。例えばフィールドP11からP41の時間的距離をD4、フレームP1からフレームB3の時間的距離をN4、フレームB3からフレームP4の時間的距離をM4と設定すれば、MVf4とMVb4はMV4に平行な動きベクトルとなる。ここで、スケーリング係数(N4、M4、D4)の値は、符号化時にフレーム単位で設定されるとし、これらの値はフレームB3の関連情報として符号列中または符号列の付属情報として記述される。復号化時には、これらの値を符号列中または符号列の付属情報から取得し、それにより式12、式13を用いてMVf4、MVb4を計算すれば良い。
【0096】
次に、図10(b)のように、ブロックbが、動きベクトルDを用いて処理されており、この動きベクトルDは、フィールドP12を参照している場合について説明する。この場合、ブロックaは、参照動きベクトルDから所定の方法により計算して得られる動きベクトルを用いて、前方参照フレームであるフレームP1(動きベクトルDが指しているフィールドを含むフレーム)と後方参照フレームであるフレームP4(ブロックbが属するフィールドを含むフレーム)から動き補償を行う。この場合にブロックaを符号化する際に用いる動きベクトルは、フレームP1に対しては動きベクトルE、フレームP4に対しては動きベクトルFとなるとする。この際、動きベクトルDの大きさをMV5、動きベクトルEの大きさをMVf5、動きベクトルFの大きさをMVb5とすると、MVf5、MVb5はそれぞれ式14、式15によって得られる。
(式14) MVf5=N5×MV5/D5
(式15) MVb5=―M5×MV5/D5
【0097】
ここで例えば、スケーリング係数(N5、M5、D5)の値は、一例として各ピクチャ間の時間的距離から設定することができる。例えばフィールドP12からフィールドP41の時間的距離をD5、フレームP1からフレームB3の時間的距離をN5、フレームB3からフレームP4の時間的距離をM5と設定すれば、MVf5とMVb5はMV5に平行な動きベクトルとなる。ここで、スケーリング係数(N5、M5、D5)の値は、符号化時にピクチャ単位で設定されるとし、これらの値は関連情報等として符号列中または符号列の付属情報として記述される。復号化時には、これらの値を符号列中または符号列の付属情報から取得し、それにより式14、式15を用いてMVf5、MVb5を計算すれば良い。
【0098】
ここで、スケーリング係数(N4、M4、D4)および(N5、M5、D5)を符号列中または符号列の付属情報として記述する方法としては、上記のように2組とも記述する方法以外に、例えばスケーリング係数を1組だけ記述し、もう一方の組のスケーリング係数は記述されたスケーリング係数から求めるようにしても良い。例えば、スケーリング係数を上述のようにフィールド間の時間的距離から決定する場合、
(式16) N5=N4
(式17) M5=M4
(式18) D5=D4−1
の関係が成立する。したがって、スケーリング係数(N5、M5、D5)は、スケーリング係数(N4、M4、D4)から求めることができる。
【0099】
また、第1の実施の形態においては、図7の参照関係に加えて、図11に示すように、複数の参照フレームを用いる場合について説明した。これは第2の実施の形態においても同様のことが可能となる。
【0100】
また、第1の実施の形態においては、図7を用いて説明した動きベクトル計算方法を用いた場合の、動画像符号化方法および動画像復号化方法について説明した。ここで、図10を用いて説明した動きベクトル計算方法を用いた場合の、動画像符号化方法および動画像復号化方法は、第1の実施の形態において説明した動画像符号化方法および動画像復号化方法と同様であるので、説明は割愛する。
【0101】
このように本発明の動きベクトル計算方法および動画像符号化方法および動画像復号化方法を用いることにより、ダイレクトモードにおいて参照するフィールドに応じて最適なスケーリング係数を用いることができ、符号化効率の向上を図ることができる。またこの際にスケーリング係数を記述するオーバーヘッドはほとんど無視できる。さらに一部のスケーリング係数のみを関連情報として記述し、他のスケーリング係数は記述されたスケーリング係数から計算する方法を用いると、スケーリング係数を記述するための関連情報の符号量は、従来例と全く同じとなる。
【0102】
なお、本実施の形態においては、スケーリング係数を時間的距離から設定する場合について説明したが、これは他の方法で決定しても良い。
【0103】
また、本実施の形態においては、各フレームは、フレーム構造またはフィールド構造のいずれかを用いて適応的に符号化、復号化処理されるとして説明したが、これは例えばブロック単位でフレーム構造またはフィールド構造のいずれかを用いて適応的に符号化、復号化処理されるとしても、本発明と同様の処理により実施することが可能であり、同様の効果が得られる。
【0104】
なお、本実施の形態においては、Pピクチャは前方1方向のピクチャを参照して処理され、Bピクチャは前方および後方の2方向のピクチャを参照して処理されるピクチャとして説明したが、これらはPピクチャは後方1方向のピクチャを参照して処理され、Bピクチャは前方2方向または後方2方向のピクチャを参照して処理されるとしても、同様の効果が得られる。
【0105】
次に、符号化制御部110でのスケーリング係数を決定について説明する。
上記のようにスケーリング係数を用いて、参照動きベクトルから処理対象ブロックの2つの動きベクトルを生成する際には、スケーリング係数の除算演算処理が発生する。このため、スケーリング係数の決定について、以下のような方法で行うこともできる。
【0106】
(方法1)
上記式3、式4、式5、式6に示すスケーリング係数N1、M1、D1、N2、M2、D2では、参照動きベクトルから処理対象ブロックの2つの動きベクトルを生成する際に、N1/D1、M1/D1、N2/D2、M2/D2という除算演算処理が必要である。このとき、分母が2のべき乗となるようにそれぞれ近似を行う。図7(a) に示すようにN1/D1が4/6である場合、例えば、分母を16と固定して通分すると、分子は10.66…となる。次に、分子10.66…の少数点以下を切り捨て10/16、すなわち10/2^4(ここで^はべき乗を示す)を得る。このように分母を2のべき乗とすれば、シフト演算によって演算処理することができる。例えば10を2進数で表示すれば、「1010」であり、4桁シフトすると「.1010」となる。このようにして、10/16の演算処理することができる。
【0107】
一方、分母の異なるN2/D2についても、N1/D1と同じ2のべき乗の分母に共通化する。図7(b) に示すようにN2/D2が3/5である場合、例えば、分母を16と固定して通分すると、分子は9.6となる。次に、分子9.6の少数点以下を切り捨て9/16、すなわち9/2^4を得る。
【0108】
(方法2)
N1/D1については上記同様に求めて10/2^4を得た上で、N2/D2については、分母はN1/D1と同じ2のべき乗に共通化する。そして、N2は10より所定の値(ここでは1)を減算し、9/2^4を得る。
【0109】
(方法3)
N1/D1については上記同様に求める。一方、N2/D2についてN1/D1と分母が同じ2のべき乗に共通化せずに、できるだけ元のN2/D2に近似できるような2のべき乗の分母に変更する。
【0110】
以上のように、スケーリング係数について分母が2のべき乗となるようにそれぞれ近似を行っているので、例えば除算演算処理を行う機能がない画像処理用のDSP(信号処理用LSI)であっても、スケーリング係数の除算演算処理をシフト演算によって演算処理することができる。
【0111】
(実施の形態2)
さらに、上記各実施の形態で示した画像符号化方法または画像復号化方法の構成を実現するためのプログラムを、フレキシブルディスク等の記憶媒体に記録するようにすることにより、上記各実施の形態で示した処理を、独立したコンピュータシステムにおいて簡単に実施することが可能となる。
【0112】
図14は、上記実施の形態1の画像符号化方法または画像復号化方法を格納したフレキシブルディスクを用いて、コンピュータシステムにより実施する場合の説明図である。
【0113】
図14(b)は、フレキシブルディスクの正面からみた外観、断面構造、及びフレキシブルディスクを示し、図14(a)は、記録媒体本体であるフレキシブルディスクの物理フォーマットの例を示している。フレキシブルディスクFDはケースF内に内蔵され、該ディスクの表面には、同心円状に外周からは内周に向かって複数のトラックTrが形成され、各トラックは角度方向に16のセクタSeに分割されている。従って、上記プログラムを格納したフレキシブルディスクでは、上記フレキシブルディスクFD上に割り当てられた領域に、上記プログラムとしての画像符号化方法が記録されている。
【0114】
また、図14(c)は、フレキシブルディスクFDに上記プログラムの記録再生を行うための構成を示す。上記プログラムをフレキシブルディスクFDに記録する場合は、コンピュータシステムCsから上記プログラムとしての画像符号化方法または画像復号化方法をフレキシブルディスクドライブを介して書き込む。また、フレキシブルディスク内のプログラムにより上記画像符号化方法をコンピュータシステム中に構築する場合は、フレキシブルディスクドライブによりプログラムをフレキシブルディスクから読み出し、コンピュータシステムに転送する。
【0115】
なお、上記説明では、記録媒体としてフレキシブルディスクを用いて説明を行ったが、光ディスクを用いても同様に行うことができる。また、記録媒体はこれに限らず、ICカード、ROMカセット等、プログラムを記録できるものであれば同様に実施することができる。
【0116】
図15から図18は、上記実施の形態で示した符号化処理または復号化処理を行う機器、およびこの機器を用いたシステムを説明する図である。
【0117】
図15は、コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムex100の全体構成を示すブロック図である。通信サービスの提供エリアを所望の大きさに分割し、各セル内にそれぞれ固定無線局である基地局ex107〜ex110が設置されている。このコンテンツ供給システムex100は、例えば、インターネットex101にインターネットサービスプロバイダex102および電話網ex104を介して、コンピュータex111、PDA(personal digital assistant)ex112、カメラex113、携帯電話ex114が接続される。しかし、コンテンツ供給システムex100は図15のような組み合わせに限定されず、いずれかを組み合わせて接続するようにしてもよい。また、固定無線局である基地局ex107〜ex110を介さずに、電話網ex104に直接接続されてもよい。
【0118】
カメラex113はデジタルビデオカメラ等の動画撮影が可能な機器である。また、携帯電話は、PDC(Personal Digital Communications)方式、CDMA(Code Division Multiple Access)方式、W−CDMA(Wideband−Code Division Multiple Access)方式、若しくはGSM(Global System for Mobile Communications)方式の携帯電話機、またはPHS(Personal Handyphone System)等であり、いずれでも構わない。
【0119】
また、ストリーミングサーバex103は、カメラex113から基地局ex109、電話網ex104を通じて接続されており、カメラex113を用いてユーザが送信する符号化処理されたデータに基づいたライブ配信等が可能になる。撮影したデータの符号化処理はカメラex113で行っても、データの送信処理をするサーバ等で行ってもよい。また、カメラ116で撮影した動画データはコンピュータex111を介してストリーミングサーバex103に送信されてもよい。カメラex116はデジタルカメラ等の静止画、動画が撮影可能な機器である。この場合、動画データの符号化はカメラex116で行ってもコンピュータex111で行ってもどちらでもよい。また、符号化処理はコンピュータex111やカメラex116が有するLSIex117において処理することになる。なお、画像符号化・復号化用のソフトウェアをコンピュータex111等で読み取り可能な記録媒体である何らかの蓄積メディア(CD−ROM、フレキシブルディスク、ハードディスクなど)に組み込んでもよい。さらに、カメラ付きの携帯電話ex115で動画データを送信してもよい。このときの動画データは携帯電話ex115が有するLSIで符号化処理されたデータである。
【0120】
図16は、携帯電話ex115の一例を示す図である。携帯電話ex115は、基地局ex110との間で電波を送受信するためのアンテナex201、CCDカメラ等の映像、静止画を撮ることが可能なカメラ部ex203、カメラ部ex203で撮影した映像、アンテナex201で受信した映像等が復号化されたデータを表示する液晶ディスプレイ等の表示部ex202、操作キー群から構成される本体部ex204、音声出力をするためのスピーカ等の音声出力部ex208、音声入力をするためのマイク等の音声入力部ex205、撮影した動画もしくは静止画のデータ、受信したメールのデータ、動画のデータもしくは静止画のデータ等、符号化されたデータまたは復号化されたデータを保存するための記憶メディアex207、携帯電話ex115に記憶メディアex207を装着可能とするためのスロット部ex206を有している。記憶メディアex207はSDカード等のプラスチックケース内に電気的に書換えや消去が可能な不揮発性メモリであるEEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)の一種であるフラッシュメモリ素子を格納したものである。
【0121】
このコンテンツ供給システムex100では、ユーザがカメラex113、カメラex116等で撮影しているコンテンツ(例えば、音楽ライブを撮影した映像等)を上記実施の形態同様に符号化処理してストリーミングサーバex103に送信する一方で、ストリーミングサーバex103は要求のあったクライアントに対して上記コンテンツデータをストリーム配信する。クライアントとしては、上記符号化処理されたデータを復号化することが可能な、コンピュータex111、PDAex112、カメラex113、携帯電話ex114等がある。このようにすることでコンテンツ供給システムex100は、符号化されたデータをクライアントにおいて受信して再生することができ、さらにクライアントにおいてリアルタイムで受信して復号化し、再生することにより、個人放送をも実現可能になるシステムである。
【0122】
さらに、携帯電話ex115について図17を用いて説明する。携帯電話ex115は表示部ex202及び本体部ex204の各部を統括的に制御するようになされた主制御部ex311に対して、電源回路部ex310、操作入力制御部ex304、画像符号化部ex312、カメラインターフェース部ex303、LCD(Liquid Crystal Display)制御部ex302、画像復号化部ex309、多重分離部ex308、記録再生部ex307、変復調回路部ex306及び音声処理部ex305が同期バスex313を介して互いに接続されている。電源回路部ex310は、ユーザの操作により終話及び電源キーがオン状態にされると、バッテリパックから各部に対して電力を供給することによりカメラ付ディジタル携帯電話ex115を動作可能な状態に起動する。携帯電話ex115は、CPU、ROM及びRAM等でなる主制御部ex311の制御に基づいて、音声通話モード時に音声入力部ex205で集音した音声データを音声処理部ex305によってディジタル音声データに変換し、これを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。また携帯電話機ex115は、音声通話モード時にアンテナex201で受信した受信データを増幅して周波数変換処理及びアナログディジタル変換処理を施し、変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、音声処理部ex305によってアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部208を介して出力する。さらに、データ通信モード時に電子メールを送信する場合、本体部ex204の操作キーの操作によって入力された電子メールのテキストデータは操作入力制御部ex304を介して主制御部ex311に送出される。主制御部ex311は、テキストデータを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して基地局ex110へ送信する。
【0123】
データ通信モード時に画像データを送信する場合、カメラ部ex203で撮像された画像データをカメラインターフェース部ex303を介して画像符号化部ex312に供給する。また、画像データを送信しない場合には、カメラ部ex203で撮像した画像データをカメラインターフェース部ex303及びLCD制御部ex302を介して表示部ex202に直接表示することも可能である。
【0124】
画像符号化部ex312は、カメラ部ex203から供給された画像データを上記実施の形態で示した符号化方法によって圧縮符号化することにより符号化画像データに変換し、これを多重分離部ex308に送出する。また、このとき同時に携帯電話機ex115は、カメラ部ex203で撮像中に音声入力部ex205で集音した音声を音声処理部ex305を介してディジタルの音声データとして多重分離部ex308に送出する。
【0125】
多重分離部ex308は、画像符号化部ex312から供給された符号化画像データと音声処理部ex305から供給された音声データとを所定の方式で多重化し、その結果得られる多重化データを変復調回路部ex306でスペクトラム拡散処理し、送受信回路部ex301でディジタルアナログ変換処理及び周波数変換処理を施した後にアンテナex201を介して送信する。
【0126】
データ通信モード時にホームページ等にリンクされた動画像ファイルのデータを受信する場合、アンテナex201を介して基地局ex110から受信した受信データを変復調回路部ex306でスペクトラム逆拡散処理し、その結果得られる多重化データを多重分離部ex308に送出する。
【0127】
また、アンテナex201を介して受信された多重化データを復号化するには、多重分離部ex308は、多重化データを分離することにより符号化画像データと音声データとに分け、同期バスex313を介して当該符号化画像データを画像復号化部ex309に供給すると共に当該音声データを音声処理部ex305に供給する。
【0128】
次に、画像復号化部ex309は、符号化画像データを上記実施の形態で示した符号化方法に対応した復号化方法で復号することにより再生動画像データを生成し、これをLCD制御部ex302を介して表示部ex202に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まれる動画データが表示される。このとき同時に音声処理部ex305は、音声データをアナログ音声データに変換した後、これを音声出力部ex208に供給し、これにより、例えばホームページにリンクされた動画像ファイルに含まる音声データが再生される。
なお、上記システムの例に限られず、最近は衛星、地上波によるディジタル放送が話題となっており、図18に示すようにディジタル放送用システムにも上記実施の形態の少なくとも符号化方法または復号化方法いずれかを組み込むことができる。具体的には、放送局ex409では映像情報の符号化ビットストリームが電波を介して通信または放送衛星ex410に伝送される。これを受けた放送衛星ex410は、放送用の電波を発信し、この電波を衛星放送受信設備をもつ家庭のアンテナex406で受信し、テレビ(受信機)ex401またはセットトップボックス(STB)ex407などの装置により符号化ビットストリームを復号化してこれを再生する。また、記録媒体であるCDやDVD等の蓄積メディアex402に記録した符号化ビットストリームを読み取り、復号化する再生装置ex403にも上記実施の形態で示した画像復号化装置を実装することが可能である。この場合、再生された映像信号はモニタex404に表示される。また、ケーブルテレビ用のケーブルex405または衛星/地上波放送のアンテナex406に接続されたセットトップボックスex407内に画像復号化装置を実装し、これをテレビのモニタex408で再生する構成も考えられる。このときセットトップボックスではなく、テレビ内に画像復号化装置を組み込んでも良い。また、アンテナex411を有する車ex412で衛星ex410からまたは基地局ex107等から信号を受信し、車ex412が有するカーナビゲーションex413等の表示装置に動画を再生することも可能である。
更に、画像信号を上記実施の形態で示した画像符号化装置で符号化し、記録媒体に記録することもできる。具体例としては、DVDディスクex421に画像信号を記録するDVDレコーダや、ハードディスクに記録するディスクレコーダなどのレコーダex420がある。更にSDカードex422に記録することもできる。
レコーダex420が上記実施の形態で示した画像復号化装置を備えていれば、DVDディスクex421やSDカードex422に記録した画像信号を再生し、モニタex408で表示することができる。
なお、カーナビゲーションex413の構成は例えば図17に示す携帯電話機ex115と同様であるが、図17に示した構成のうち、カメラ部ex203とカメラインターフェース部ex303、画像符号化部ex312を除いた構成が考えられる。同様なことがコンピュータex111やテレビ(受信機)ex401等でも考えられる。
また、上記携帯電話ex114等の端末は、符号化器・復号化器を両方持つ送受信型の端末の他に、符号化器のみの送信端末、復号化器のみの受信端末の3通りの実装形式が考えられる。
【0129】
このように、本明細書に示した符号化方法、復号化方法を実装することにより本実施の形態で示したいずれの装置・システムに関しても実現可能になる。
【0130】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る動画像符号化方法は、ピクチャ列からなる動画像を符号化し、得られた符号列を出力する方法であって、ピクチャを構成するブロックごとに動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、算出された動きベクトルを参照動きベクトルとして、係数を用いたスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを予測して生成する動きベクトル予測ステップと、前記係数を前記符号列とともに出力する係数出力ステップとを含むことを特徴とする。
【0131】
これによって、ピクチャの関連情報等にダイレクトモードで用いるためのスケーリング係数を含めて、符号列を生成して出力しているので、復号化時に関連情報よりスケーリング係数を取り出すことができる。
【0132】
また、本発明に係る動画像復号化方法は、請求項1記載の動画像符号化方法によって出力された符号列を復号化する方法であって、前記符号列から前記係数を取り出し、取り出した係数を用いてスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、算出された動きベクトルを用いて前記処理対象ブロックの復号化を行う復号化ステップとを含むことを特徴とする。
【0133】
これによって、符号列より取り出したスケーリング係数を用いて、参照動きベクトルから処理対象ブロックの2つの動きベクトルの生成することができるので、復号化時にスケーリング係数を、例えば各フィールド間の時間的距離等から求める必要がなく、処理付加が軽減でき、効率のよい処理を行うことが可能である。
【0134】
また、本発明の動画像符号化方法および動画像復号化方法を用いることにより、ダイレクトモードにおいて参照するフィールドに応じて最適なスケーリング係数を用いることができ、符号化効率の向上を図ることができる。またこの際にスケーリング係数を記述するオーバーヘッドはほとんど無視できる。さらに一部のスケーリング係数のみを関連情報として記述し、他のスケーリング係数は記述されたスケーリング係数から計算する方法を用いると、スケーリング係数を記述するための関連情報の符号量は、従来例と全く同じとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る動画像符号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図2】フレームメモリにおけるピクチャの順序を示す説明図であり、(a) 入力された順序、(b) 並び替えられた順序を示す説明図である。
【図3】ダイレクトモードにおける動きベクトルを示す説明図である。
【図4】動画像符号化装置による画像符号化信号フォーマットの概念図である。
【図5】本発明に係る動画像復号化装置の一実施の形態の構成を示すブロック図である。
【図6】ピクチャの順序を示す説明図であり、(a) 入力される符号列中のピクチャの順序、(b) 出力画像として出力されるピクチャの順序を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態を説明するための模式図である。
【図8】本発明の実施の形態を説明するための模式図である。
【図9】本発明の実施の形態を説明するための模式図である。
【図10】本発明の実施の形態を説明するための模式図である。
【図11】本発明の実施の形態を説明するための模式図である。
【図12】本発明の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の実施の形態を説明するためのフローチャートである。
【図14】実施の形態1の動画像符号化方法および動画像復号化方法をコンピュータシステムにより実現するためのプログラムを格納するための記録媒体についての説明図であり、(a) 記録媒体本体であるフレキシブルディスクの物理フォーマットの例を示した説明図、(b) フレキシブルディスクの正面からみた外観、断面構造、及びフレキシブルディスクを示した説明図、(c) フレキシブルディスクFDに上記プログラムの記録再生を行うための構成を示した説明図である。
【図15】コンテンツ配信サービスを実現するコンテンツ供給システムの全体構成を示すブロック図である。
【図16】携帯電話の一例を示す図である。
【図17】携帯電話の内部構成を示すブロック図である。
【図18】ディジタル放送用システムの全体構成を示すブロック図である。
【図19】従来例を説明するための模式図である。
【図20】従来例を説明するための模式図である。
【符号の説明】
101、107、707 フレームメモリ
102 差分演算部
103 予測誤差符号化部
104 符号列生成部
105 予測誤差復号化部
106 加算演算部
108 動きベクトル検出部
109 モード選択部
110 符号化制御部
111〜115、709、710 スイッチ
116 動きベクトル記憶部
701 符号列解析部
702 予測誤差復号化部
703 モード復号部
705 動き補償復号部
706 動きベクトル記憶部
708 加算演算部
P1、B2、B3、B4 フレーム
P11、P12、B21、B21、B31、B32、B41、B42 フィールド

Claims (16)

  1. 動画像をフレーム構造またはフィールド構造を有するピクチャの列として符号化し、得られた符号列を出力する方法であって、
    ピクチャを構成するブロックごとに動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、
    算出された動きベクトルを参照動きベクトルとして、係数を用いたスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを予測して生成する動きベクトル予測ステップと、
    前記係数を前記符号列とともに出力する係数出力ステップと
    を含むことを特徴とする動画像符号化方法。
  2. 前記係数出力ステップでは、前記係数を前記ピクチャの関連情報に含ませて出力する
    ことを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方法。
  3. 前記動きベクトル予測ステップでは、1つの符号化対象ピクチャについて複数の係数を生成し、
    前記係数出力ステップでは、生成された複数の係数のうち、一部の係数のみを前記関連情報に含ませて出力する
    ことを特徴とする請求項2記載の動画像符号化方法。
  4. 前記動きベクトル予測ステップでは、予め保持している複数の係数の中から、前記処理対象ブロックが参照しているピクチャに対応する1つの係数を選択し、選択した係数を用いて前記動きベクトルを生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方法。
  5. 前記動きベクトル予測ステップでは、前記処理対象ブロックが属するピクチャと参照先のピクチャとの時間的距離に基づいて前記係数を算出し、生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方法。
  6. 前記動きベクトル予測ステップでは、整数と2のべき乗との比を前記係数として生成する
    ことを特徴とする請求項1記載の動画像符号化方法。
  7. 請求項1記載の動画像符号化方法によって出力された符号列を復号化する方法であって、
    前記符号列から前記係数を取り出し、取り出した係数を用いてスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを算出する動きベクトル算出ステップと、
    算出された動きベクトルを用いて前記処理対象ブロックの復号化を行う復号化ステップと
    を含むことを特徴とする動画像復号化方法。
  8. 前記符号列には、1つのピクチャを構成するブロックについての複数の係数のうち、一部の係数のみが含まれ、
    前記動きベクトル算出ステップでは、前記符号列から前記一部の係数を取り出しとともに、複数の係数のうちの残る係数については、前記一部の係数から所定の方法によって求める
    を含むことを特徴とする請求項7記載の動画像復号化方法。
  9. ピクチャ列からなる動画像を符号化し、得られた符号列を出力する装置であって、
    ピクチャを構成するブロックごとに動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
    算出された動きベクトルを参照動きベクトルとして、係数を用いたスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを予測して生成する動きベクトル予測手段と、
    前記係数を前記符号列とともに出力する係数出力手段と
    を備えることを特徴とする動画像符号化装置。
  10. 請求項9記載の動画像符号化装置によって出力された符号列を復号化する装置であって、
    前記符号列から前記係数を取り出し、取り出した係数を用いてスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを算出する動きベクトル算出手段と、
    算出された動きベクトルを用いて前記処理対象ブロックの復号化を行う復号化手段と
    を備えることを特徴とする動画像復号化装置。
  11. ピクチャ列からなる動画像を符号化し、得られた符号列を出力するためのプログラムであって、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の動画像符号化方法に含まれるステップをコンピュータに実行させる
    ことを特徴とするプログラム。
  12. 請求項1記載の動画像符号化方法によって出力された符号列を復号化するためのプログラムであって、
    請求項7又は8記載の動画像復号化方法に含まれるステップをコンピュータに実行させる
    ことを特徴とするプログラム。
  13. ピクチャ列からなる動画像が符号化された符号列が記録されたコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
    ピクチャを構成するブロックについて既に算出された動きベクトルを参照動きベクトルとしてスケーリング処理を行うことによって処理対象ブロックの動きベクトルを予測して生成するのに用いられる係数が前記符号列に含まれている
    ことを特徴とする記録媒体。
  14. 前記係数は、当該係数に係るブロックが属するピクチャの関連情報に含まれている
    ことを特徴とする請求項13記載の記録媒体。
  15. 前記符号列には、1つのピクチャを構成するブロックについての複数の係数のうち、一部の係数のみが含まれている
    ことを特徴とする請求項13記載の記録媒体。
  16. 前記係数は、整数と2のべき乗との比である
    ことを特徴とする請求項13記載の記録媒体。
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