JP2004045288A - レンズ測定装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価を行なうことのできるレンズ測定装置を提供すること。
【解決手段】平板状マイクロレンズを被検レンズ12とし、該被検レンズの波面収差などを測定するレンズ測定装置であって、光源13からのレーザ光を2つの光路に分割し、分割された一方のレーザ光をX,Yステージ24上に載置した被検レンズ12に参照レンズ25により下方から入射させ、被検レンズ12を透過したレーザ光と分割されたもう一方のレーザ光とをビームスプリッタ26で合成して干渉縞を発生させるマッハツェンダー干渉計14と、この干渉計で発生する干渉縞を撮像し画像情報を出力する撮像素子16と、画像情報に基づき波面収差などを計算する制御部と、参照レンズ25と同軸に配置され、干渉光を撮像素子16に結像させる顕微鏡15の対物レンズ30とを備える。
【選択図】 図1
【解決手段】平板状マイクロレンズを被検レンズ12とし、該被検レンズの波面収差などを測定するレンズ測定装置であって、光源13からのレーザ光を2つの光路に分割し、分割された一方のレーザ光をX,Yステージ24上に載置した被検レンズ12に参照レンズ25により下方から入射させ、被検レンズ12を透過したレーザ光と分割されたもう一方のレーザ光とをビームスプリッタ26で合成して干渉縞を発生させるマッハツェンダー干渉計14と、この干渉計で発生する干渉縞を撮像し画像情報を出力する撮像素子16と、画像情報に基づき波面収差などを計算する制御部と、参照レンズ25と同軸に配置され、干渉光を撮像素子16に結像させる顕微鏡15の対物レンズ30とを備える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロレンズ或いはマイクロレンズアレイを被検レンズとし、被検レンズの波面収差などを測定するレンズ測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のレンズ測定装置として、例えばH.Sickinger, J.Schwider, B.Manzke,”Fiber based Mach−Zehnder interferometer for measuring wave aberrations of microlenses”,Optik,Vol.110,No.5(1999)pp.239−243に記載されたマッハツェンダー干渉計を用いたものが知られている。
【0003】
このレンズ測定装置では、図10に示すように、He−Neレーザ光源100からのレーザ光が、偏光ビームスプリッタ101と1/2波長板102とからなる偏光分割手段により分割される。分割された一方のレーザ光は偏波保持光ファイバ103によりビームエキスパンダ104に送られ、光束幅を拡大されて反射ミラー105に入射する。分割されたもう一方のレーザ光は偏波保持光ファイバ106によりビームエキスパンダ107に送られ、光束幅を拡大されてビームスプリッタ108に鉛直下方より入射する。反射ミラー105に入射したレーザ光は、同ミラーで鉛直上方へ反射され、被検レンズであるマイクロレンズ109の直下にある照明用の対物レンズ110によりマイクロレンズ109に入射する。マイクロレンズ109を透過したレーザ光は、その直上にある結像用の対物レンズ111によりミラー112,コリメータレンズ113およびビームスプリッタ108を介してCCD114の受光面に結像される。対物レンズ111から出射されるレーザ光はミラー112で反射され、コリメータレンズ113により平行光にされてビームスプリッタ108に入射し、このビームスプリッタ108でビームエキスパンダ107から出射される平行光と合成されて干渉縞を発生させる。この干渉光は、ビームスプリッタ108から水平方向へ出射されてその直後に設けたCCD114の受光面に入射する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような一例で示される従来技術では、被検レンズと撮像面の焦点合わせの調整が必ずしも適格に行えなかったり、参照レンズ、被検レンズ、結像レンズの各X,Y,Z調整やミラー等のあおり調整の操作が煩雑で、作業能率が悪かった。
【0005】
また、マイクロレンズはレンズ径や開口数が品種によって大きく変わるため、参照光や物体光の利用率が被検レンズの種類によって大きく変動する。このため、干渉縞の明るさが被検レンズによって変動してしまうという問題点がある。この明るさをほぼ一定にして干渉縞を観察するには、参照光、物体光の光量を調整する必要があり、従来技術ではこの調整も操作が煩雑で、作業能率が悪かった。
【0006】
また、マイクロレンズはレンズ径が品種によって大きく変わるが、従来技術では、ディスプレイ上で観察される干渉縞がレンズの実際の寸法とどのような対応関係にあるのかが定量的に明確でなかった。このため、レンズを使用する際、レンズに実際に光束が入射する領域と、指定したレンズの解析領域が一致せず、得られた波面収差等の評価値が実際上妥当でない場合があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価を行なうことのできるレンズ測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、マイクロレンズ或いはマイクロレンズアレイを被検レンズとし、該被検レンズの波面収差などを測定するレンズ測定装置であって、光源と、該光源からの光束を2つの光路に分割し、分割された一方の光束である物体光をX,Yステージ上に載置した前記被検レンズに鉛直方向の光軸をもつ参照レンズにより下方から入射させ、前記被検レンズを透過した物体光と分割されたもう一方の光束である参照光とを光合成器により合成して干渉縞を発生させ、その干渉光を前記光合成器から上方へ出射する干渉光学系と、前記干渉縞を微小変化させる干渉縞走査手段と、前記干渉光学系により発生する干渉縞を撮像しその画像情報を出力する撮像手段と、前記画像情報に基づき前記波面収差などを計算する処理手段と、前記参照レンズと同軸に配置され、前記光合成器から上方へ出射される前記干渉光を前記撮像手段の受光面に結像させる結像レンズとを備え、前記参照レンズと結像レンズをそれぞれ鉛直方向に位置調整可能に構成したことを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、X,Yステージを動かして被検レンズのX,Y方向の位置調整をするとともに、結像レンズの鉛直方向(Z方向)の位置調整をすることで、結像レンズの焦点位置を被検レンズ表面に合わせる。また、参照レンズの鉛直方向位置を調整して同レンズの焦点位置と被検レンズの焦点位置を一致させる。これにより、参照レンズに入射する光束が平面波の場合、被検レンズを透過した光束も平面波になる。さらに、X,Yステージを動かして被検レンズのX,Y方向位置を微調整し、被検レンズの光軸を参照レンズの光軸に正確に一致させる。このように、ユーザが調整する個所は、結像レンズのZ方向位置、参照レンズのZ方向位置、および被検レンズのX,Y方向位置の3点だけであり、簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価が可能になる。
【0010】
このような3点の調整を行うだけで、被検レンズの像が撮像手段の受光面に正確に結像されるので、良好な干渉縞が撮像手段の受光面に結像される。その干渉縞を干渉縞走査手段により微小変化させながら、撮像手段から出力される画像情報に基づき、処理手段により被検レンズの波面収差などが計算されて求まる。こうして求めた波面収差などを定量評価し、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のレンズ測定装置において、前記光源からの光束を2つの光路に分割する光分割器と、前記光合成器と、該光合成器と前記光分割器との間の前記2つの光路中に配置される反射部材とは、1つの支持部材の垂直面上に固定されていることを要旨とする。
【0012】
この構成によれば、干渉光学系を構成する光分割器、光合成器、および反射部材が1つの支持部材の垂直面上に固定されるので、これらの部材の位置調整や取付けが容易になる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のレンズ測定装置において、前記光分割器、光合成器、および反射部材は前記支持部材の垂直面の周縁に沿って配置されており、該支持部材には前記垂直面の中央部を貫通する開口部が設けられており、該開口部内に前記X,Yステージおよび前記被検レンズが挿通し、該X,Yステージが前記開口部内でX,Y方向に変位可能になっていることを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、X,Yステージが支持部材の中央部に設けた開口部内でX,Y方向に変位可能であるので、X,Yステージを、狭いスペース内で支持部材と干渉しないように構成できる。これにより、装置全体の小型化を図れる。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ測定装置において、前記結像レンズは顕微鏡の対物レンズであり、前記顕微鏡は、落射照明装置と、倍率の異なる複数の対物レンズと、これらの対物レンズを切り換えるレボルバ装置とを備えていることを要旨とする。
【0016】
この構成によれば、レボルバ装置により倍率の異なる複数の対物レンズを切り換えることで、被検レンズのレンズ径に応じた最適な顕微鏡の倍率(撮像系の倍率)を設定できる。また、落射照明装置により被検レンズ表面を照明した状態で、被検レンズのX,Y方向位置の調整と、顕微鏡の鏡筒を上記Z方向に動かすことによる対物レンズのZ方向位置の調整とを行えるので、対物レンズの焦点位置を被検レンズ表面に合わせ易くなる。これにより、被検レンズの像が撮像手段の受光面により正確に結像されるようになり、より良好な干渉縞が撮像手段の受光面に結像される。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のレンズ測定装置において、前記複数の対物レンズを前記レボルバ装置により切り換えて前記顕微鏡の倍率を変える際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、前記顕微鏡の倍率に応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段を備えることを要旨とする。
【0018】
撮像手段の受光面上での物体光の照度(単位面積あたりの強度)は、その受光面に結像される被検レンズの像の大きさを同じにする場合、被検レンズのレンズ径いかんによらず、即ち対物レンズを切り換えて顕微鏡の倍率が変わっても等しい。これに対し、参照光の光束の大きさは顕微鏡の倍率を変えても常に同じであるので、前記受光面上での参照光の照度は、被検レンズのレンズ径が小さくなるほど、即ち顕微鏡の倍率が大きくなるほど低下し、これにより物体光と参照光の光量バランスがくずれ、干渉縞が暗くなってしまう。そこで、この構成によれば、複数の対物レンズをレボルバ装置により切り換えて顕微鏡の倍率を変える際に、光量調整手段が、光合成器で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、その倍率に応じて物体光と参照光との相対光量を調整する。このため、被検レンズのレンズ径によらず、即ち顕微鏡の倍率によらず物体光と参照光の光量バランスが保たれ、ほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。なお、ここにいう「合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなる」とは、被検レンズの有効領域内の物体光量(単位面積当たりの光量)と、これと同じ領域に相当する参照光量とが等しくなる、という意味で用いており、以下の説明でも同様である。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載のレンズ測定装置において、前記被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、その開口数に応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段をさらに備えていることを要旨とする。
【0020】
被検レンズの開口数が小さい場合には、参照レンズに入射した物体光の利用できる部分が小さいので、被検レンズを透過する物体光の光量が開口数の大きい被検レンズより少なくなる。つまり、被検レンズを透過する物体光の光量は被検レンズの開口数に比例する。そこで、この構成によれば、被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、光合成器で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、光量調整手段によりその開口数に応じて物体光と参照光との相対光量を調整する。これにより、被検レンズを開口数の異なるものに変更しても、物体光と参照光の光量バランスが保たれ、ほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項4に記載のレンズ測定装置において、前記複数の対物レンズを前記レボルバ装置により切り換えて前記顕微鏡の倍率を変えるとともに前記被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、前記対物レンズの倍率と前記被検レンズの開口数とに応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段を備えることを要旨とする。
【0022】
この構成によれば、顕微鏡の倍率を変えるとともに被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、物体光と参照光の光量バランスが保たれ、ほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項4〜7のいずれか一項に記載のレンズ測定装置において、前記撮像手段から出力される前記干渉縞の画像情報に基づき、前記干渉縞を画面上に表示する表示手段を備え、前記処理手段は、前記波面収差などを計算するほかに、前記レボルバ装置により選択される前記顕微鏡の倍率と、前記撮像手段の受光面の1画素に対応する実寸法と、入力により指定される評価領域の寸法の絶対値とから、前記受光面での画素領域を決め、この画素領域を前記画面での画素領域に変換して、前記波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面上に表示させるように構成したことを要旨とする。
【0024】
この構成によれば、波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面41a上に表示させるので、ユーザはその解析領域に干渉縞が重なるように上記3つの調整を行えばよい。こうして解析領域とその実寸法とが画面に表示されるので、所定の収差以下の有効領域がどの程度の大きさであるかを、解析領域と干渉縞を比較しながら把握することができる。これにより、基板に微小レンズが形成されるマイクロレンズ或いはマイクロレンズアレイの性能評価が容易になる。
【0025】
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ測定装置において、前記被検レンズとして、レンズが形成されているレンズ側表面とは反対側の表面が傾斜面に形成されている平板状マイクロレンズ或いは平板状マイクロレンズアレイを使用する場合、前記X,Yステージ上に前記傾斜面と同じ角度傾斜した傾斜面を有するくさび型治具を載置し、該治具の傾斜面に前記被検レンズの傾斜面を載置して固定することを要旨とする。
【0026】
この構成によれば、レンズ側表面とは反対側の表面が反射戻り光防止などのために傾斜面に研磨されている平板状マイクロレンズ或いは平板状マイクロレンズアレイを被検レンズとして用いる場合でも、測定すべき被検レンズをX,Yステージ上に水平に載置(平置き)することができる。これにより、両側表面が平行な平板状マイクロレンズの場合と同様に良好な干渉縞が得られ、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態に係るレンズ測定装置を図面に基づいて説明する。図1〜図3は一実施形態に係るレンズ測定装置を示している。
【0028】
レンズ測定装置11は、平板状マイクロレンズ12(マイクロレンズアレイ)を被検レンズとし、干渉を利用し、干渉縞からレンズ透過波面の位相分布を解析し、そこから、波面収差のRMS値などの評価項目を定量評価し、平板状マイクロレンズ12の良否を数値で評価するための装置である。図1に示す平板状マイクロレンズ(以下、「被検レンズ」という。)12は、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方に、複数の微小レンズ12aを形成したもので、これらの微小レンズ12aが形成されているレンズ側表面は平坦面になっている。また、被検レンズ12の評価項目としては、波面収差のRMS値以外に、波面収差のP−V値,ストレール強度,非点収差(X),非点収差(Y),コマ収差(X),コマ収差(Y),球面収差などがある。
【0029】
まず、レンズ測定装置の光学系を図1に基づいて説明する。
レンズ測定装置11は、レーザ光を出射する光源(He−Neレーザ,波長:633nm)13と、干渉光学系としてのマッハツェンダー干渉計14と、顕微鏡15と、マッハツェンダー干渉計14により発生する干渉縞を撮像しその画像情報を出力する撮像手段としての撮像素子16と、基台17とを備えている。
【0030】
マッハツェンダー干渉計14は、光源13から出射されるレーザ光(光束)を2つの光路に分割する光分割器としてのビームスプリッタ18を備えている。このビームスプリッタ18には、光源13から出射されるレーザ光がビームエキスパンダ19により光束幅を拡大されて、水平方向から入射するようになっている。ビームエキスパンダ19は、2つの凸レンズ20,21と該凸両レンズ間に配置された空間フィルタ(アパーチャ)22とからなり、光源13からのレーザ光を光強度分布が均一で所定幅のレーザ光にしてビームスプリッタ18へ出射するようになっている。
【0031】
また、マッハツェンダー干渉計14は、ビームスプリッタ18により分割された一方のレーザ光である物体光を全反射ミラー(反射部材)23により鉛直上方へ反射させ、その反射光をX,Yステージ24上に載置した被検レンズ12に鉛直方向の光軸をもつ参照レンズ25により下方から入射させるようになっている。その入射光は、被検レンズ12を透過して鉛直上方へ出射され、光合成器としてのビームスプリッタ26に鉛直下方から入射する。一方、ビームスプリッタ18により分割されたもう一方のレーザ光である参照光は、ビームスプリッタ18で反射されて鉛直上方へ進み、全反射ミラー(反射部材)27で反射されて水平方向へ進み、ビームスプリッタ26に水平方向に入射するようになっている。そして、マッハツェンダー干渉計14は、被検レンズ12を透過した物体光と全反射ミラー27で反射された参照光とをビームスプリッタ26により合成して干渉縞を発生させ、その干渉光をビームスプリッタ26から上方へ出射するように構成されている。
【0032】
ビームスプリッタ26から上方へ出射される干渉光は、結像レンズとしての顕微鏡15の対物レンズにより撮像素子16の受光面上に結像されるようになっている。この顕微鏡15は、倍率の異なる複数の対物レンズ、例えば4つの対物レンズ30が装着されたレボルバ装置31と、落射照明装置32とを備えている。レボルバ装置31は顕微鏡15の鏡筒33に回転可能に支持されている。レボルバ装置31を回転させていずれか一つの対物レンズ30を使用位置に切り換えることで、顕微鏡15の倍率(撮像系の倍率)を4段階に例えば5倍、10倍、20倍、40倍に切り換えることができるようになっている。各対物レンズ30は、使用位置に切り換えられると、その光軸が参照レンズ25の光軸と一致するように予め調整されている。すなわち、顕微鏡15の光軸と参照レンズ25の光軸は、予め一致するように調整してある。倍率の異なる4つの対物レンズ30をレボルバ装置31により切り換えて顕微鏡15の倍率を適宜選択することで、被検レンズ12のレンズ径が異なる場合でも、撮像素子16の受光面上に結像される干渉縞の大きさを常にほぼ同じにすることが可能になる。なお、ここにいう「被検レンズ12のレンズ径」とは、同レンズに形成された複数の微小レンズ12aのレンズ径をいう。
【0033】
落射照明装置32は、落射照明用光源34と、この光源からの照明光を顕微鏡15へ送る光ファイバ35と、この光ファイバにより送られる照明光を対物レンズ30に向けるハーフミラー(図示省略)などを含む落射照明用光学ユニット36とを備える。落射照明用光源34がオンにされると、この光源から出射される照明光が光ファイバ35を介して落射照明用光学ユニット36に送られ、さらに、上記ハーフミラーで下方に反射されて被検レンズ12の表面を照明するようになっている。また、顕微鏡15の鏡筒33は、不図示の操作つまみを操作することで鉛直方向(Z方向)に移動し、対物レンズ30が鉛直方向に位置調整されるようになっている。
【0034】
さらに、レンズ測定装置11は、撮像素子16から出力される干渉縞の画像情報に基づき上記波面収差などを計算する処理手段としての制御部40と、その画像情報などを表示する表示手段としてのモニタ41とを備えている(図2参照)。制御部40は、パーソナルコンピュータ(PC)で構成されており、そのメモリには上記波面収差などを計算するための計算ソフトが格納されている。
【0035】
次に、上述したレンズ測定装置11の光学系の配置などの構成について図2および図3に基づいてさらに詳しく説明する。
図2に示すように、上記光源13は基台17上に配置されており、光源13から出射されるレーザ光は、全反射ミラー37で反射されて上記ビームエキスパンダ19に入射し、さらに全反射ミラー38で反射されて上記ビームスプリッタ18に入射し、2つの光路に分割される。こうした構成により、レンズ測定装置11の光学系全体を基台17上にコンパクトに配置できる。
【0036】
また、全反射ミラー27には、マッハツェンダー干渉計14により形成される干渉縞を微小変化させるピエゾ素子39が設けられている。このピエゾ素子39には、制御部40からの制御信号に基づき周期的に変化する電圧信号がピエゾコントローラ42から出力され、この電圧信号によりピエゾ素子39が微小変化して全反射ミラー27を微小角度で振動させるように構成されている。ピエゾ素子39とピエゾコントローラ42とにより、上記干渉縞を微小変化させる干渉縞走査手段が構成される。
【0037】
また、マッハツェンダー干渉計14のビームスプリッタ18,26および全反射ミラー23,27の4つの部材は、図1,図3および図4に示すように、1つの板状の支持部材43の垂直面43a上に固定されている。それら4つの部材は、支持部材43の垂直面43aの周縁に沿って配置されており、該支持部材43には垂直面43aの中央部を貫通する開口部43bが設けられている。この開口部43b内には、図3および図4に示すように、X,Yステージ24および被検レンズ12が挿通し、該X,Yステージ24が開口部43b内でX,Y方向に変位可能になっている。このX,Yステージ24は、X方向調整つまみ44とY方向調整つまみ45を操作することで、X,Y方向に移動するようになっている。X,Yステージ24は、図4に示す複数の支柱45で基台17上に支持されている。なお、図4では、支持部材43とX,Yステージ24の関係を分かり易くするために図3よりも簡略化して示してある。
【0038】
また、上記参照レンズ25は、図3に示すように、微動ステージ48にビスで固定された支持治具46の端部に固定されており、微動ステージ48側に取り付けた調整つまみ47を操作することで、参照レンズ25を鉛直方向に微調整できるようになっている。
【0039】
また、図1および図6に示すように、マッハツェンダー干渉計14の物体光路におけるビームスプリッタ18と全反射ミラー23との間には、顕微鏡15の倍率と被検レンズ12の開口数(NA)とに応じて物体光と参照光の相対的な光量を調整する光量調整器50が配置されている。この光量調整器50は、回転式の偏光板で、制御部40からの制御信号によりコントローラ51で駆動制御されて回転し、その向きが変化して入射偏光のうちの偏光板透過光量(物体光量)を可変調整するようになっている。光量調整器50と同様の光量調整器50´がマッハツェンダー干渉計14の参照光路におけるビームスプリッタ18と全反射ミラー27との間にも配置されている。この光量調整器50´もコントローラ51で駆動制御される。なお、説明および図示は省略したが、光源(He−Neレーザ)13から出射したレーザ光は、ある1方向の直線偏光になるように、設置されていたり、補助的な波長板、偏光板を用いて調整されていたりする場合もある。
【0040】
そして、制御部40は、上記波面収差などの計算処理や、ピエゾ素子39および光量調整器50,50´の制御のほかに、撮像素子16からの画像情報に基づき図8(a)に示すモニタ41の画面41a上に干渉縞を表示させるようになっている。また、制御部40は、後述する解析領域表示処理を行うことで、モニタ41の画面41a上に波面収差などの解析領域60を示す図形(円形)と同領域の実寸法とを表示させるように構成されている。
【0041】
次に、上記構成のレンズ測定装置11を使って、マッハツェンダー干渉計14により形成される干渉縞から、被検レンズ12の波面収差などを定量評価し、同レンズの良否を数値で評価する際の操作手順について説明する。
【0042】
(1)被検レンズ12をX,Yステージ24上に載置する(水平に置く)。
(2)顕微鏡15のレボルバ装置31を回転させ、被検レンズ12のレンズ径に応じた倍率の対物レンズ30を使用位置に切り換えて顕微鏡15の倍率を選ぶ。
【0043】
(3)落射照明用光源34をオンにして、被検レンズ12の表面を上方から照明する。この状態で、X,Yステージ24をX,Y方向に動かして被検レンズのX,Y方向位置を調整するとともに、顕微鏡15の鏡筒33を鉛直方向(Z方向)に動かして対物レンズ30のZ方向位置を調整する。これらの調整により、対物レンズ30の焦点位置(顕微鏡15の焦点位置)を被検レンズ12の表面に合わせる。
【0044】
(4)落射照明用光源34をオフにし、光源13からレーザ光を発振させる。なお、光源13をはじめから動作させておいてもよい。
(5)参照レンズ25の鉛直方向(Z方向)位置を調整して参照レンズ25の焦点位置と被検レンズ12の焦点位置を一致させる。これにより、参照レンズ25に入射する物体光が平面波の場合、被検レンズ12を透過した物体光も平面波になる。
【0045】
(6)X,Yステージ24をX,Y方向に動かして被検レンズ12のX,Y方向位置を微調整し、被検レンズ12の光軸を参照レンズ25の光軸に正確に一致させる。
【0046】
なお、参照レンズ25の光軸は、顕微鏡15の光軸(対物レンズ30の光軸)と同軸になるように予め調整しておき、参照レンズ25はZ方向にのみ位置調整が可能である。
【0047】
以上の操作手順のうちの3つの調整(3),(5)および(6)を適切に行うことで、良好な干渉縞をモニタ41の画面41a上で観測することができる。被検レンズ12が無収差のときにはモニタ41の画面41aには、干渉縞は表示されなくなる。実際には被検レンズ12が無収差ということはないので、同軸に配置した参照レンズ25と対物レンズ30の各光軸に対する被検レンズ12のX,Y方向の位置がずれていると、画面41aには図8(a)のように平行な細かい干渉縞が表示される。また、参照レンズ25のZ方向の位置がずれていると、図8(b)のように同心円状の干渉縞が画面41aに表示される。また、被検レンズ12のX,Y方向の位置と参照レンズ25のZ方向の位置とがずれていると、図8(c)のようにゆがんだ干渉縞が画面41aに表示される。したがって、上述した操作手順のうち、(3),(5)および(6)の3つの調整を画面41aに表示される干渉縞を見ながら行う。
【0048】
このような上記の調整(3),(5)および(6)を行うだけで、被検レンズ12が撮像素子16の受光面に正確に結像されるので、良好な干渉縞がその受光面に結像され、画面41aに表示される。また、マッハツェンダー干渉計14により形成される干渉縞を、制御部40でピエゾ素子39を駆動制御して微小変化させながら、撮像素子16から出力される画像情報に基づき、制御部40により被検レンズ12の波面収差などの評価項目が計算されて求まる。こうして求めた波面収差などを定量評価し、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0049】
下記の表1に、実際に求めた計算例を示してある。
【0050】
【表1】
この表1では、3種類の被検レンズについて計算結果を示してある。この表1におけるレンズ2〜4は、上記被検レンズ12と同じタイプの平板状マイクロレンズである。また、レンズ1は、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方に、複数の微小レンズを形成し、これらの微小レンズが形成されているレンズ側表面は球面状表面になっているタイプの平板状マイクロレンズである。また、レンズ5〜7は、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方に、樹脂製の微小レンズを形成したタイプの平板状マイクロレンズである。
【0051】
次に、干渉縞の明るさ調整について説明する。
まず、対物レンズ30の倍率(顕微鏡15の倍率)を変更する際に行う光量調整について説明する。
【0052】
図6に示すように、撮像素子16の受光面16a上での物体光の照度(単位面積あたりの強度)は、その受光面16aに結像される被検レンズ12の像(微小レンズ12aの像)12bの大きさを同じにする場合、被検レンズ12のレンズ径いかんによらず、即ち対物レンズ30の倍率が変わっても等しい。これに対し、参照光の光束の大きさは対物レンズ30の倍率を変えても常に同じであるので、参照光の受光面16a上での照度は、被検レンズ12のレンズ径が小さくなるほど、即ち対物レンズ30の倍率が大きくなるほど低下し、干渉縞が暗くなってしまう。
【0053】
つまり、図6の右側に示すように被検レンズ12のレンズ径が大きく、ビームスプリッタ26で合成される参照光と物体光の光束径が一致している場合には、両光の光量は等しいので、明るい干渉縞が観測される。この状態で、図6の左側に示すように、レンズ径の小さい被検レンズ12を使用し、同じ大きさのレンズ像が得られるように対物レンズ30の倍率を大きくすると、参照光の一部のみが物体光と合成されて干渉縞を形成するので、物体光と参照光との光量バランスがくずれて干渉縞が暗くなってしまう。そこで、制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、顕微鏡15の倍率に応じて光量調整器50或いは50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整するようになっている。
【0054】
このような自動調整を可能にするために、制御部40にはレボルバ装置31の回転位置に応じた倍率信号が入力され、この信号に基づいて制御部40はコントローラ51に制御信号を出力して光量調整器50或いは50´を制御する。ビームスプリッタ18により2つの分割された物体光と参照光の光量比を1:1とすると、倍率がn倍になると、参照光の相対光量をn2にする必要がある。例えば、レンズ径がφ1mmの被検レンズを5倍の倍率で測定する場合、同じ大きさの像でレンズ径がφ50μmの被検レンズを観察するためには、100倍の倍率が必要になる。このとき、参照光の光量を202=400倍にすれば、ほぼ同様な明るさでの干渉縞観察ができる。しかし、参照光の光量を増やすことはできないので、合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように物体光の光量を減らす方向に調整する。
【0055】
また、制御部40は、そのような倍率に応じた光量調整に加えて参照レンズ25の開口数(NA)に応じた光量調整を行う。
図7(a)に示すように被検レンズ12の開口数が小さい場合には、参照レンズ25に入射した物体光の利用できる部分が小さいので、同レンズを透過する物体光の光量が、図7(b)に示すようにNAが大きい場合よりもより少なくなる。このため、参照レンズ25を交換してNAを調整することも可能であるが、NAが大きめの参照レンズ25を使ってできるだけ広い範囲の被検レンズに対応できるようにする方が望ましい。被検レンズ12を透過する物体光の光量は、被検レンズ12のNA2に比例する。すなわち、
被検レンズ12の透過光量∝(NATEST/NASTD)2
である。例えば、被検レンズ12の開口数をNASTD=0.5とすると、NATESTが0.2或いは0.4のいずれの被検レンズ12についても測定可能である。しかし、NATESTが0.2から0.4の被検レンズ12に変更する場合には、物体光の光量が4倍になるので、参照光との光量バランスがくずれて干渉縞が暗くなってしまう。そこで、制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、対物レンズ30の倍率と被検レンズ12の開口数の両方に応じて光量調整器50或いは50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整するようになっている。
【0056】
その調整を具体的に数値例を挙げて説明する。例えば、対物レンズ30を切り換えることにより顕微鏡15の倍率を5,10,20,40倍の4段階に切り換え可能であるとする。この場合、各倍率での参照光の光量比は64,16,4,1になる。また、被検レンズ12のNAが、NA=0.1〜0.4の範囲で調整可能であるとする。この場合、各NAでの物体光の光量比は1〜16の範囲で変化する。いま仮に倍率が10倍で、NA=0.2で物体光と参照光の光量がバランスしているとする。この場合に、倍率を40倍に、NA=0.4にそれぞれ変更すると、参照光の光量は1/16倍になり、物体光の光量は4倍になるので、物体光の光量を1/64倍にするような制御信号を制御部40からコントローラ51に出力して光量調整器50を制御する。なお、この例では、倍率が40倍で、NA=0.1の最も光量を必要とする組み合わせにおいて十分な光量が得られるようにする必要がある。また、参照光の光量を減らす場合には、制御部40はコントローラ51に制御信号を出力して光量調整器50´を制御する。
【0057】
次に、波面収差などについて解析する被検レンズ12の解析領域の定量的設定をする解析領域表示処理について説明する。
従来の干渉計測によるレンズ測定装置では、干渉縞を表示装置の画面に表示したのち、収差などの解析に使用する被検レンズの領域をマウスによるドラッグなどで指定するようになっている場合が多い。ただし、指定した解析領域の実寸は分からない。
【0058】
そこで、本実施形態に係るレンズ測定装置11では、制御部40は、撮像素子16から出力される干渉縞の画像情報に基づき、以下のような処理手順で波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面41a上に表示させるようになっている。
【0059】
(1)制御部40は、設定された顕微鏡15の倍率(撮像系の倍率)、すなわちレボルバ装置31により切り換えられた対物レンズ30の倍率を読み込む。
(2)次に、撮像素子(CCDカメラ)16の受光面16aの1画素に対応する実寸法を算出する。
【0060】
(3)次に、波面収差などを評価したい解析領域の寸法の絶対値をユーザが入力指定する。
(4)ユーザにより指定される評価領域の寸法の絶対値から、対応する撮像素子16の画素領域を決定する。
【0061】
(5)決定した撮像素子16の画素領域をモニタ41の画面41aでの画素領域に変換する。
(6)その変換された画面41aでの画素領域を図8(a)で示すように画面41a上に解析領域60として表示するとともに、その解析領域60の実寸法を例えば同図に示す0.8mmのように表示する。
【0062】
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
・調整する個所は、顕微鏡15のZ方向の位置(対物レンズ30のZ方向の位置)、参照レンズ25のZ方向の位置、および被検レンズ12のX,Y方向の位置の3点だけであり、簡単な調整で平板状マイクロレンズである被検レンズ12の測定が可能になる。このような3点の調整を行うだけで、被検レンズ12の像が撮像素子16の受光面に正確に結像されるので、図9(a),(b)に示すように良好な干渉縞がその受光面に結像される。図9(a)は上記表1に示すレンズ2〜4を測定した場合の干渉縞を示し、また図9(b)は上記表1に示すレンズ1を測定した場合の干渉縞を示している。その干渉縞をピエゾ素子39により微小変化させながら、撮像素子16から出力される画像情報に基づき、制御部40により被検レンズ12の波面収差などを定量評価し、被検レンズ12の良否を明確に評価できる。したがって、簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価を行なうことができる。
【0063】
・マッハツェンダー干渉計14を構成するビームスプリッタ18(光分割器)、ビームスプリッタ26(光合成器)、全反射ミラー23,27(反射部材)が1つの支持部材43の垂直面43a上に固定されるので、これらの部材の位置調整や取付けが容易になる。
【0064】
・X,Yステージ24が支持部材43の中央部に設けた開口部43b内でX,Y方向に変位可能にしたので、X,Yステージ24を、狭いスペース内で支持部材43と干渉しないように構成できる。これにより、装置全体の小型化を図ることができる。
【0065】
・顕微鏡15は、落射照明装置32と、倍率の異なる4つの対物レンズ30と、これらの対物レンズ30を切り換えるレボルバ装置31とを備えているので、レボルバ装置31により被検レンズ12のレンズ径に応じた最適な顕微鏡の倍率を選ぶことができる。
【0066】
・落射照明装置32により被検レンズ12の表面を照明した状態で、被検レンズ12のX,Y方向位置の調整と、顕微鏡15の鏡筒33をZ方向に動かすことによる対物レンズ30のZ方向位置の調整とを行えるので、対物レンズ30の焦点位置を被検レンズ12表面に合わせ易くなる。これにより、被検レンズ12の像が撮像素子16の受光面により正確に結像されるので、より良好な干渉縞がその受光面に結像されるようになる。
【0067】
・制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、対物レンズ30の倍率と被検レンズ12の開口数の両方に応じて光量調整器50或いは50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整する。このため、対物レンズ30の倍率(顕微鏡の倍率)と被検レンズ12の開口数によらず常にほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。
【0068】
・制御部40は前記倍率と開口数に応じた光量調整を光量調整器50或いは50´を制御することで行うので、倍率と開口数に応じた光量調整を個別に行なう場合よりも、光量調整器を少なくすることができ、製造コストを低減できる。
【0069】
・波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面41a上に表示させるので、ユーザはその解析領域に干渉縞が重なるように上記3つの調整を行えばよい。こうして解析領域とその実寸法とが画面41aに表示されるので、所定の収差以下の有効領域がどの程度の大きさであるかを、解析領域と干渉縞を比較しながら把握することができる。これにより、基板に微小レンズが形成される平板マイクロレンズの性能評価が容易になる。
【0070】
[ 変形例]
・ 上記一実施形態では、結像レンズとして倍率の異なる複数の対物レンズ30のみを示してある。しかし、本発明で用いる結像レンズには、複数の対物レンズ30と鏡筒33内に設けた図示しない他のレンズ或いはレンズ群とで構成され、被検レンズ12の微小レンズ12aを撮像素子16の受光面に結像する結像レンズ系も含まれる。
【0071】
・上記一実施形態では、光量調整器50,50´を回転式の偏光板で構成したが、その偏光板に代えて可変NDフィルタを用いてもよい。
・また、光量調整器50,50´を、開口部の大きさを可変調整可能な機械式の絞りや、磁気光学型の光アッテネータで構成してもよい。この光アッテネータは、複屈折くさび板などの偏光子によって分岐した光信号を磁気光学結晶に通し、再び偏光子に通して合波させるもので、光信号の合波する量は磁気光学結晶に印加される磁界の強さを変えることにより調整できる。
【0072】
・上記一実施形態では、物体光路に光量調整器50を、参照光路に光量調整器50´をそれぞれ設けてあるが、これらの光量調整器に代えて、光源13からのレーザ光を2つの光路に分割する際に、各光路での光量の配分割合を変えるようにした構成にも本発明は適用される。例えば、ビームスプリッタ18に代えて偏光ビームスプリッタを設け、該偏光ビームスプリッタに入射するレーザ光を1/2波長板を回転させてその光量の配分割合を変更するように構成してもよい。この場合、偏光ビームスプリッタと1/2波長板とで光量調整手段が構成される。
【0073】
・上記一実施形態では、制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、対物レンズ30の倍率と被検レンズ12の開口数NAの両方に応じて光量調整器50,50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整するようになっている。本発明はこうした構成に限定されない。例えば、制御部40が対物レンズ30の倍率のみに応じて光量調整器50を制御する構成にも本発明は適用可能である。
【0074】
・制御部40が被検レンズ12の開口数NAのみに応じて光量調整器50,50´を制御する構成にも本発明は適用可能である。
・上記一実施形態では、被検レンズ12として、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方(レンズ側表面)に複数の微小レンズを形成した平板状マイクロレンズを使用しているが、レンズ側表面とは反対側の表面が傾斜面に形成されている平板状マイクロレンズを使用する場合にも本発明は適用される。図5には、微小レンズ70aが形成されているレンズ側表面70bとは反対側の表面が傾斜面70cに形成された平板状マイクロレンズ70を示している。このようなレンズを使用する場合には、X,Yステージ24上に平板状マイクロレンズ70の傾斜面70cと同じ角度傾斜した傾斜面72aを有する補正くさび板(くさび型治具)72を載置する。そして、補正くさび板72の傾斜面72aに平板状マイクロレンズ70の傾斜面70cを載置して同レンズを固定する。この構成により、レンズ側表面とは反対側の表面が反射戻り光防止などのために傾斜面に研磨されている平板状マイクロレンズを被検レンズ12として用いる場合でも、被検レンズ12をX、Yステージ24上に水平に載置することができる。これにより、両側表面が平行な平板状マイクロレンズの場合と同様に良好な干渉縞が得られ、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0075】
・上記一実施形態では、光源13としてHe−Neレーザ(波長:633nm)を用いているが、このレーザに代えて波長1550nmや1300nmの半導体レーザ等を使用してもよい。
【0076】
・上記一実施形態のように空間ビームを光分割器で2つの光路に分割する場合には、光分割器としては、ビームスプリッタ18のほかに、偏光ビームスプリッタ、ハーフミラー、ハーフプリズム等を使用してもよい。また、光ファイバを使用するタイプでは、光分割器として、1×2光ファイバカプラ、1×2光導波路カプラ等を用いることもできる。
【0077】
・上記一実施形態では、光合成器としてビームスプリッタを用いているが、これに代えてハーフミラー、ハーフプリズム等を用いることもできる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、ユーザが調整する個所は、結像レンズのZ方向位置、参照レンズのZ方向位置、および被検レンズのX,Y方向位置の3点だけであり、簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係るレンズ測定装置の光学系を示す概略構成図。
【図2】同レンズ測定装置の平面図。
【図3】同レンズ測定装置の側面図。
【図4】複数の光学部材を支持する支持部材とX,Yステージの組付関係を示す斜視図。
【図5】傾斜面のある被検レンズの水平支持方法を示す説明図。
【図6】被検レンズのレンズ径に応じて選択した顕微鏡の倍率の違いによる干渉縞の明るさの変動を説明するための説明図。
【図7】(a),(b)は被検レンズの開口数の違いによる干渉縞の明るさの変動を説明するための説明図。
【図8】(a)は干渉縞などが表示される画面を示す説明図、(b),(c)は観測される干渉縞を示す説明図。
【図9】(a)はレンズ表面が平坦面の平板状マイクロレンズの場合に得られる干渉縞像を示す説明図、(b)はレンズ表面が球面状表面の平板状マイクロレンズの場合に得られる干渉縞像を示す説明図。
【図10】従来例を示す側面図。
【符号の説明】
11…レンズ測定装置、12,70…被検レンズとしての平板状マイクロレンズ、12a,70a…微小レンズ、13…光源、14…干渉光学系としてのマッハツェンダー干渉計、15…顕微鏡、16…撮像手段としての撮像素子、18…光分割器としてのビームスプリッタ、23、27…反射部材としての全反射ミラー、24…X,Yステージ、25…参照レンズ、26…光合成器としてのビームスプリッタ、30…結像レンズとしての対物レンズ、31…レボルバ装置、39…干渉縞走査手段としてのピエゾ素子、40…処理手段としての制御部、41…表示手段としてのモニタ、41a…画面、42…干渉縞走査手段としてのピエゾコントローラ、43…支持部材、43a…垂直面、43b…開口部、50,50´…光量調整手段としての光量調整器、60…解析領域、70b…レンズ側表面、70c…傾斜面、72…くさび型治具としての補正くさび板。
【発明の属する技術分野】
本発明は、マイクロレンズ或いはマイクロレンズアレイを被検レンズとし、被検レンズの波面収差などを測定するレンズ測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種のレンズ測定装置として、例えばH.Sickinger, J.Schwider, B.Manzke,”Fiber based Mach−Zehnder interferometer for measuring wave aberrations of microlenses”,Optik,Vol.110,No.5(1999)pp.239−243に記載されたマッハツェンダー干渉計を用いたものが知られている。
【0003】
このレンズ測定装置では、図10に示すように、He−Neレーザ光源100からのレーザ光が、偏光ビームスプリッタ101と1/2波長板102とからなる偏光分割手段により分割される。分割された一方のレーザ光は偏波保持光ファイバ103によりビームエキスパンダ104に送られ、光束幅を拡大されて反射ミラー105に入射する。分割されたもう一方のレーザ光は偏波保持光ファイバ106によりビームエキスパンダ107に送られ、光束幅を拡大されてビームスプリッタ108に鉛直下方より入射する。反射ミラー105に入射したレーザ光は、同ミラーで鉛直上方へ反射され、被検レンズであるマイクロレンズ109の直下にある照明用の対物レンズ110によりマイクロレンズ109に入射する。マイクロレンズ109を透過したレーザ光は、その直上にある結像用の対物レンズ111によりミラー112,コリメータレンズ113およびビームスプリッタ108を介してCCD114の受光面に結像される。対物レンズ111から出射されるレーザ光はミラー112で反射され、コリメータレンズ113により平行光にされてビームスプリッタ108に入射し、このビームスプリッタ108でビームエキスパンダ107から出射される平行光と合成されて干渉縞を発生させる。この干渉光は、ビームスプリッタ108から水平方向へ出射されてその直後に設けたCCD114の受光面に入射する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、このような一例で示される従来技術では、被検レンズと撮像面の焦点合わせの調整が必ずしも適格に行えなかったり、参照レンズ、被検レンズ、結像レンズの各X,Y,Z調整やミラー等のあおり調整の操作が煩雑で、作業能率が悪かった。
【0005】
また、マイクロレンズはレンズ径や開口数が品種によって大きく変わるため、参照光や物体光の利用率が被検レンズの種類によって大きく変動する。このため、干渉縞の明るさが被検レンズによって変動してしまうという問題点がある。この明るさをほぼ一定にして干渉縞を観察するには、参照光、物体光の光量を調整する必要があり、従来技術ではこの調整も操作が煩雑で、作業能率が悪かった。
【0006】
また、マイクロレンズはレンズ径が品種によって大きく変わるが、従来技術では、ディスプレイ上で観察される干渉縞がレンズの実際の寸法とどのような対応関係にあるのかが定量的に明確でなかった。このため、レンズを使用する際、レンズに実際に光束が入射する領域と、指定したレンズの解析領域が一致せず、得られた波面収差等の評価値が実際上妥当でない場合があった。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、その目的は簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価を行なうことのできるレンズ測定装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に係る発明は、マイクロレンズ或いはマイクロレンズアレイを被検レンズとし、該被検レンズの波面収差などを測定するレンズ測定装置であって、光源と、該光源からの光束を2つの光路に分割し、分割された一方の光束である物体光をX,Yステージ上に載置した前記被検レンズに鉛直方向の光軸をもつ参照レンズにより下方から入射させ、前記被検レンズを透過した物体光と分割されたもう一方の光束である参照光とを光合成器により合成して干渉縞を発生させ、その干渉光を前記光合成器から上方へ出射する干渉光学系と、前記干渉縞を微小変化させる干渉縞走査手段と、前記干渉光学系により発生する干渉縞を撮像しその画像情報を出力する撮像手段と、前記画像情報に基づき前記波面収差などを計算する処理手段と、前記参照レンズと同軸に配置され、前記光合成器から上方へ出射される前記干渉光を前記撮像手段の受光面に結像させる結像レンズとを備え、前記参照レンズと結像レンズをそれぞれ鉛直方向に位置調整可能に構成したことを要旨とする。
【0009】
この構成によれば、X,Yステージを動かして被検レンズのX,Y方向の位置調整をするとともに、結像レンズの鉛直方向(Z方向)の位置調整をすることで、結像レンズの焦点位置を被検レンズ表面に合わせる。また、参照レンズの鉛直方向位置を調整して同レンズの焦点位置と被検レンズの焦点位置を一致させる。これにより、参照レンズに入射する光束が平面波の場合、被検レンズを透過した光束も平面波になる。さらに、X,Yステージを動かして被検レンズのX,Y方向位置を微調整し、被検レンズの光軸を参照レンズの光軸に正確に一致させる。このように、ユーザが調整する個所は、結像レンズのZ方向位置、参照レンズのZ方向位置、および被検レンズのX,Y方向位置の3点だけであり、簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価が可能になる。
【0010】
このような3点の調整を行うだけで、被検レンズの像が撮像手段の受光面に正確に結像されるので、良好な干渉縞が撮像手段の受光面に結像される。その干渉縞を干渉縞走査手段により微小変化させながら、撮像手段から出力される画像情報に基づき、処理手段により被検レンズの波面収差などが計算されて求まる。こうして求めた波面収差などを定量評価し、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0011】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載のレンズ測定装置において、前記光源からの光束を2つの光路に分割する光分割器と、前記光合成器と、該光合成器と前記光分割器との間の前記2つの光路中に配置される反射部材とは、1つの支持部材の垂直面上に固定されていることを要旨とする。
【0012】
この構成によれば、干渉光学系を構成する光分割器、光合成器、および反射部材が1つの支持部材の垂直面上に固定されるので、これらの部材の位置調整や取付けが容易になる。
【0013】
請求項3に係る発明は、請求項2に記載のレンズ測定装置において、前記光分割器、光合成器、および反射部材は前記支持部材の垂直面の周縁に沿って配置されており、該支持部材には前記垂直面の中央部を貫通する開口部が設けられており、該開口部内に前記X,Yステージおよび前記被検レンズが挿通し、該X,Yステージが前記開口部内でX,Y方向に変位可能になっていることを要旨とする。
【0014】
この構成によれば、X,Yステージが支持部材の中央部に設けた開口部内でX,Y方向に変位可能であるので、X,Yステージを、狭いスペース内で支持部材と干渉しないように構成できる。これにより、装置全体の小型化を図れる。
【0015】
請求項4に係る発明は、請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ測定装置において、前記結像レンズは顕微鏡の対物レンズであり、前記顕微鏡は、落射照明装置と、倍率の異なる複数の対物レンズと、これらの対物レンズを切り換えるレボルバ装置とを備えていることを要旨とする。
【0016】
この構成によれば、レボルバ装置により倍率の異なる複数の対物レンズを切り換えることで、被検レンズのレンズ径に応じた最適な顕微鏡の倍率(撮像系の倍率)を設定できる。また、落射照明装置により被検レンズ表面を照明した状態で、被検レンズのX,Y方向位置の調整と、顕微鏡の鏡筒を上記Z方向に動かすことによる対物レンズのZ方向位置の調整とを行えるので、対物レンズの焦点位置を被検レンズ表面に合わせ易くなる。これにより、被検レンズの像が撮像手段の受光面により正確に結像されるようになり、より良好な干渉縞が撮像手段の受光面に結像される。
【0017】
請求項5に係る発明は、請求項4に記載のレンズ測定装置において、前記複数の対物レンズを前記レボルバ装置により切り換えて前記顕微鏡の倍率を変える際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、前記顕微鏡の倍率に応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段を備えることを要旨とする。
【0018】
撮像手段の受光面上での物体光の照度(単位面積あたりの強度)は、その受光面に結像される被検レンズの像の大きさを同じにする場合、被検レンズのレンズ径いかんによらず、即ち対物レンズを切り換えて顕微鏡の倍率が変わっても等しい。これに対し、参照光の光束の大きさは顕微鏡の倍率を変えても常に同じであるので、前記受光面上での参照光の照度は、被検レンズのレンズ径が小さくなるほど、即ち顕微鏡の倍率が大きくなるほど低下し、これにより物体光と参照光の光量バランスがくずれ、干渉縞が暗くなってしまう。そこで、この構成によれば、複数の対物レンズをレボルバ装置により切り換えて顕微鏡の倍率を変える際に、光量調整手段が、光合成器で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、その倍率に応じて物体光と参照光との相対光量を調整する。このため、被検レンズのレンズ径によらず、即ち顕微鏡の倍率によらず物体光と参照光の光量バランスが保たれ、ほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。なお、ここにいう「合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなる」とは、被検レンズの有効領域内の物体光量(単位面積当たりの光量)と、これと同じ領域に相当する参照光量とが等しくなる、という意味で用いており、以下の説明でも同様である。
【0019】
請求項6に係る発明は、請求項4又は5に記載のレンズ測定装置において、前記被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、その開口数に応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段をさらに備えていることを要旨とする。
【0020】
被検レンズの開口数が小さい場合には、参照レンズに入射した物体光の利用できる部分が小さいので、被検レンズを透過する物体光の光量が開口数の大きい被検レンズより少なくなる。つまり、被検レンズを透過する物体光の光量は被検レンズの開口数に比例する。そこで、この構成によれば、被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、光合成器で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、光量調整手段によりその開口数に応じて物体光と参照光との相対光量を調整する。これにより、被検レンズを開口数の異なるものに変更しても、物体光と参照光の光量バランスが保たれ、ほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。
【0021】
請求項7に係る発明は、請求項4に記載のレンズ測定装置において、前記複数の対物レンズを前記レボルバ装置により切り換えて前記顕微鏡の倍率を変えるとともに前記被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、前記対物レンズの倍率と前記被検レンズの開口数とに応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段を備えることを要旨とする。
【0022】
この構成によれば、顕微鏡の倍率を変えるとともに被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、物体光と参照光の光量バランスが保たれ、ほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。
【0023】
請求項8に係る発明は、請求項4〜7のいずれか一項に記載のレンズ測定装置において、前記撮像手段から出力される前記干渉縞の画像情報に基づき、前記干渉縞を画面上に表示する表示手段を備え、前記処理手段は、前記波面収差などを計算するほかに、前記レボルバ装置により選択される前記顕微鏡の倍率と、前記撮像手段の受光面の1画素に対応する実寸法と、入力により指定される評価領域の寸法の絶対値とから、前記受光面での画素領域を決め、この画素領域を前記画面での画素領域に変換して、前記波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面上に表示させるように構成したことを要旨とする。
【0024】
この構成によれば、波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面41a上に表示させるので、ユーザはその解析領域に干渉縞が重なるように上記3つの調整を行えばよい。こうして解析領域とその実寸法とが画面に表示されるので、所定の収差以下の有効領域がどの程度の大きさであるかを、解析領域と干渉縞を比較しながら把握することができる。これにより、基板に微小レンズが形成されるマイクロレンズ或いはマイクロレンズアレイの性能評価が容易になる。
【0025】
請求項9に係る発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ測定装置において、前記被検レンズとして、レンズが形成されているレンズ側表面とは反対側の表面が傾斜面に形成されている平板状マイクロレンズ或いは平板状マイクロレンズアレイを使用する場合、前記X,Yステージ上に前記傾斜面と同じ角度傾斜した傾斜面を有するくさび型治具を載置し、該治具の傾斜面に前記被検レンズの傾斜面を載置して固定することを要旨とする。
【0026】
この構成によれば、レンズ側表面とは反対側の表面が反射戻り光防止などのために傾斜面に研磨されている平板状マイクロレンズ或いは平板状マイクロレンズアレイを被検レンズとして用いる場合でも、測定すべき被検レンズをX,Yステージ上に水平に載置(平置き)することができる。これにより、両側表面が平行な平板状マイクロレンズの場合と同様に良好な干渉縞が得られ、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を具体化した一実施形態に係るレンズ測定装置を図面に基づいて説明する。図1〜図3は一実施形態に係るレンズ測定装置を示している。
【0028】
レンズ測定装置11は、平板状マイクロレンズ12(マイクロレンズアレイ)を被検レンズとし、干渉を利用し、干渉縞からレンズ透過波面の位相分布を解析し、そこから、波面収差のRMS値などの評価項目を定量評価し、平板状マイクロレンズ12の良否を数値で評価するための装置である。図1に示す平板状マイクロレンズ(以下、「被検レンズ」という。)12は、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方に、複数の微小レンズ12aを形成したもので、これらの微小レンズ12aが形成されているレンズ側表面は平坦面になっている。また、被検レンズ12の評価項目としては、波面収差のRMS値以外に、波面収差のP−V値,ストレール強度,非点収差(X),非点収差(Y),コマ収差(X),コマ収差(Y),球面収差などがある。
【0029】
まず、レンズ測定装置の光学系を図1に基づいて説明する。
レンズ測定装置11は、レーザ光を出射する光源(He−Neレーザ,波長:633nm)13と、干渉光学系としてのマッハツェンダー干渉計14と、顕微鏡15と、マッハツェンダー干渉計14により発生する干渉縞を撮像しその画像情報を出力する撮像手段としての撮像素子16と、基台17とを備えている。
【0030】
マッハツェンダー干渉計14は、光源13から出射されるレーザ光(光束)を2つの光路に分割する光分割器としてのビームスプリッタ18を備えている。このビームスプリッタ18には、光源13から出射されるレーザ光がビームエキスパンダ19により光束幅を拡大されて、水平方向から入射するようになっている。ビームエキスパンダ19は、2つの凸レンズ20,21と該凸両レンズ間に配置された空間フィルタ(アパーチャ)22とからなり、光源13からのレーザ光を光強度分布が均一で所定幅のレーザ光にしてビームスプリッタ18へ出射するようになっている。
【0031】
また、マッハツェンダー干渉計14は、ビームスプリッタ18により分割された一方のレーザ光である物体光を全反射ミラー(反射部材)23により鉛直上方へ反射させ、その反射光をX,Yステージ24上に載置した被検レンズ12に鉛直方向の光軸をもつ参照レンズ25により下方から入射させるようになっている。その入射光は、被検レンズ12を透過して鉛直上方へ出射され、光合成器としてのビームスプリッタ26に鉛直下方から入射する。一方、ビームスプリッタ18により分割されたもう一方のレーザ光である参照光は、ビームスプリッタ18で反射されて鉛直上方へ進み、全反射ミラー(反射部材)27で反射されて水平方向へ進み、ビームスプリッタ26に水平方向に入射するようになっている。そして、マッハツェンダー干渉計14は、被検レンズ12を透過した物体光と全反射ミラー27で反射された参照光とをビームスプリッタ26により合成して干渉縞を発生させ、その干渉光をビームスプリッタ26から上方へ出射するように構成されている。
【0032】
ビームスプリッタ26から上方へ出射される干渉光は、結像レンズとしての顕微鏡15の対物レンズにより撮像素子16の受光面上に結像されるようになっている。この顕微鏡15は、倍率の異なる複数の対物レンズ、例えば4つの対物レンズ30が装着されたレボルバ装置31と、落射照明装置32とを備えている。レボルバ装置31は顕微鏡15の鏡筒33に回転可能に支持されている。レボルバ装置31を回転させていずれか一つの対物レンズ30を使用位置に切り換えることで、顕微鏡15の倍率(撮像系の倍率)を4段階に例えば5倍、10倍、20倍、40倍に切り換えることができるようになっている。各対物レンズ30は、使用位置に切り換えられると、その光軸が参照レンズ25の光軸と一致するように予め調整されている。すなわち、顕微鏡15の光軸と参照レンズ25の光軸は、予め一致するように調整してある。倍率の異なる4つの対物レンズ30をレボルバ装置31により切り換えて顕微鏡15の倍率を適宜選択することで、被検レンズ12のレンズ径が異なる場合でも、撮像素子16の受光面上に結像される干渉縞の大きさを常にほぼ同じにすることが可能になる。なお、ここにいう「被検レンズ12のレンズ径」とは、同レンズに形成された複数の微小レンズ12aのレンズ径をいう。
【0033】
落射照明装置32は、落射照明用光源34と、この光源からの照明光を顕微鏡15へ送る光ファイバ35と、この光ファイバにより送られる照明光を対物レンズ30に向けるハーフミラー(図示省略)などを含む落射照明用光学ユニット36とを備える。落射照明用光源34がオンにされると、この光源から出射される照明光が光ファイバ35を介して落射照明用光学ユニット36に送られ、さらに、上記ハーフミラーで下方に反射されて被検レンズ12の表面を照明するようになっている。また、顕微鏡15の鏡筒33は、不図示の操作つまみを操作することで鉛直方向(Z方向)に移動し、対物レンズ30が鉛直方向に位置調整されるようになっている。
【0034】
さらに、レンズ測定装置11は、撮像素子16から出力される干渉縞の画像情報に基づき上記波面収差などを計算する処理手段としての制御部40と、その画像情報などを表示する表示手段としてのモニタ41とを備えている(図2参照)。制御部40は、パーソナルコンピュータ(PC)で構成されており、そのメモリには上記波面収差などを計算するための計算ソフトが格納されている。
【0035】
次に、上述したレンズ測定装置11の光学系の配置などの構成について図2および図3に基づいてさらに詳しく説明する。
図2に示すように、上記光源13は基台17上に配置されており、光源13から出射されるレーザ光は、全反射ミラー37で反射されて上記ビームエキスパンダ19に入射し、さらに全反射ミラー38で反射されて上記ビームスプリッタ18に入射し、2つの光路に分割される。こうした構成により、レンズ測定装置11の光学系全体を基台17上にコンパクトに配置できる。
【0036】
また、全反射ミラー27には、マッハツェンダー干渉計14により形成される干渉縞を微小変化させるピエゾ素子39が設けられている。このピエゾ素子39には、制御部40からの制御信号に基づき周期的に変化する電圧信号がピエゾコントローラ42から出力され、この電圧信号によりピエゾ素子39が微小変化して全反射ミラー27を微小角度で振動させるように構成されている。ピエゾ素子39とピエゾコントローラ42とにより、上記干渉縞を微小変化させる干渉縞走査手段が構成される。
【0037】
また、マッハツェンダー干渉計14のビームスプリッタ18,26および全反射ミラー23,27の4つの部材は、図1,図3および図4に示すように、1つの板状の支持部材43の垂直面43a上に固定されている。それら4つの部材は、支持部材43の垂直面43aの周縁に沿って配置されており、該支持部材43には垂直面43aの中央部を貫通する開口部43bが設けられている。この開口部43b内には、図3および図4に示すように、X,Yステージ24および被検レンズ12が挿通し、該X,Yステージ24が開口部43b内でX,Y方向に変位可能になっている。このX,Yステージ24は、X方向調整つまみ44とY方向調整つまみ45を操作することで、X,Y方向に移動するようになっている。X,Yステージ24は、図4に示す複数の支柱45で基台17上に支持されている。なお、図4では、支持部材43とX,Yステージ24の関係を分かり易くするために図3よりも簡略化して示してある。
【0038】
また、上記参照レンズ25は、図3に示すように、微動ステージ48にビスで固定された支持治具46の端部に固定されており、微動ステージ48側に取り付けた調整つまみ47を操作することで、参照レンズ25を鉛直方向に微調整できるようになっている。
【0039】
また、図1および図6に示すように、マッハツェンダー干渉計14の物体光路におけるビームスプリッタ18と全反射ミラー23との間には、顕微鏡15の倍率と被検レンズ12の開口数(NA)とに応じて物体光と参照光の相対的な光量を調整する光量調整器50が配置されている。この光量調整器50は、回転式の偏光板で、制御部40からの制御信号によりコントローラ51で駆動制御されて回転し、その向きが変化して入射偏光のうちの偏光板透過光量(物体光量)を可変調整するようになっている。光量調整器50と同様の光量調整器50´がマッハツェンダー干渉計14の参照光路におけるビームスプリッタ18と全反射ミラー27との間にも配置されている。この光量調整器50´もコントローラ51で駆動制御される。なお、説明および図示は省略したが、光源(He−Neレーザ)13から出射したレーザ光は、ある1方向の直線偏光になるように、設置されていたり、補助的な波長板、偏光板を用いて調整されていたりする場合もある。
【0040】
そして、制御部40は、上記波面収差などの計算処理や、ピエゾ素子39および光量調整器50,50´の制御のほかに、撮像素子16からの画像情報に基づき図8(a)に示すモニタ41の画面41a上に干渉縞を表示させるようになっている。また、制御部40は、後述する解析領域表示処理を行うことで、モニタ41の画面41a上に波面収差などの解析領域60を示す図形(円形)と同領域の実寸法とを表示させるように構成されている。
【0041】
次に、上記構成のレンズ測定装置11を使って、マッハツェンダー干渉計14により形成される干渉縞から、被検レンズ12の波面収差などを定量評価し、同レンズの良否を数値で評価する際の操作手順について説明する。
【0042】
(1)被検レンズ12をX,Yステージ24上に載置する(水平に置く)。
(2)顕微鏡15のレボルバ装置31を回転させ、被検レンズ12のレンズ径に応じた倍率の対物レンズ30を使用位置に切り換えて顕微鏡15の倍率を選ぶ。
【0043】
(3)落射照明用光源34をオンにして、被検レンズ12の表面を上方から照明する。この状態で、X,Yステージ24をX,Y方向に動かして被検レンズのX,Y方向位置を調整するとともに、顕微鏡15の鏡筒33を鉛直方向(Z方向)に動かして対物レンズ30のZ方向位置を調整する。これらの調整により、対物レンズ30の焦点位置(顕微鏡15の焦点位置)を被検レンズ12の表面に合わせる。
【0044】
(4)落射照明用光源34をオフにし、光源13からレーザ光を発振させる。なお、光源13をはじめから動作させておいてもよい。
(5)参照レンズ25の鉛直方向(Z方向)位置を調整して参照レンズ25の焦点位置と被検レンズ12の焦点位置を一致させる。これにより、参照レンズ25に入射する物体光が平面波の場合、被検レンズ12を透過した物体光も平面波になる。
【0045】
(6)X,Yステージ24をX,Y方向に動かして被検レンズ12のX,Y方向位置を微調整し、被検レンズ12の光軸を参照レンズ25の光軸に正確に一致させる。
【0046】
なお、参照レンズ25の光軸は、顕微鏡15の光軸(対物レンズ30の光軸)と同軸になるように予め調整しておき、参照レンズ25はZ方向にのみ位置調整が可能である。
【0047】
以上の操作手順のうちの3つの調整(3),(5)および(6)を適切に行うことで、良好な干渉縞をモニタ41の画面41a上で観測することができる。被検レンズ12が無収差のときにはモニタ41の画面41aには、干渉縞は表示されなくなる。実際には被検レンズ12が無収差ということはないので、同軸に配置した参照レンズ25と対物レンズ30の各光軸に対する被検レンズ12のX,Y方向の位置がずれていると、画面41aには図8(a)のように平行な細かい干渉縞が表示される。また、参照レンズ25のZ方向の位置がずれていると、図8(b)のように同心円状の干渉縞が画面41aに表示される。また、被検レンズ12のX,Y方向の位置と参照レンズ25のZ方向の位置とがずれていると、図8(c)のようにゆがんだ干渉縞が画面41aに表示される。したがって、上述した操作手順のうち、(3),(5)および(6)の3つの調整を画面41aに表示される干渉縞を見ながら行う。
【0048】
このような上記の調整(3),(5)および(6)を行うだけで、被検レンズ12が撮像素子16の受光面に正確に結像されるので、良好な干渉縞がその受光面に結像され、画面41aに表示される。また、マッハツェンダー干渉計14により形成される干渉縞を、制御部40でピエゾ素子39を駆動制御して微小変化させながら、撮像素子16から出力される画像情報に基づき、制御部40により被検レンズ12の波面収差などの評価項目が計算されて求まる。こうして求めた波面収差などを定量評価し、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0049】
下記の表1に、実際に求めた計算例を示してある。
【0050】
【表1】
この表1では、3種類の被検レンズについて計算結果を示してある。この表1におけるレンズ2〜4は、上記被検レンズ12と同じタイプの平板状マイクロレンズである。また、レンズ1は、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方に、複数の微小レンズを形成し、これらの微小レンズが形成されているレンズ側表面は球面状表面になっているタイプの平板状マイクロレンズである。また、レンズ5〜7は、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方に、樹脂製の微小レンズを形成したタイプの平板状マイクロレンズである。
【0051】
次に、干渉縞の明るさ調整について説明する。
まず、対物レンズ30の倍率(顕微鏡15の倍率)を変更する際に行う光量調整について説明する。
【0052】
図6に示すように、撮像素子16の受光面16a上での物体光の照度(単位面積あたりの強度)は、その受光面16aに結像される被検レンズ12の像(微小レンズ12aの像)12bの大きさを同じにする場合、被検レンズ12のレンズ径いかんによらず、即ち対物レンズ30の倍率が変わっても等しい。これに対し、参照光の光束の大きさは対物レンズ30の倍率を変えても常に同じであるので、参照光の受光面16a上での照度は、被検レンズ12のレンズ径が小さくなるほど、即ち対物レンズ30の倍率が大きくなるほど低下し、干渉縞が暗くなってしまう。
【0053】
つまり、図6の右側に示すように被検レンズ12のレンズ径が大きく、ビームスプリッタ26で合成される参照光と物体光の光束径が一致している場合には、両光の光量は等しいので、明るい干渉縞が観測される。この状態で、図6の左側に示すように、レンズ径の小さい被検レンズ12を使用し、同じ大きさのレンズ像が得られるように対物レンズ30の倍率を大きくすると、参照光の一部のみが物体光と合成されて干渉縞を形成するので、物体光と参照光との光量バランスがくずれて干渉縞が暗くなってしまう。そこで、制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、顕微鏡15の倍率に応じて光量調整器50或いは50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整するようになっている。
【0054】
このような自動調整を可能にするために、制御部40にはレボルバ装置31の回転位置に応じた倍率信号が入力され、この信号に基づいて制御部40はコントローラ51に制御信号を出力して光量調整器50或いは50´を制御する。ビームスプリッタ18により2つの分割された物体光と参照光の光量比を1:1とすると、倍率がn倍になると、参照光の相対光量をn2にする必要がある。例えば、レンズ径がφ1mmの被検レンズを5倍の倍率で測定する場合、同じ大きさの像でレンズ径がφ50μmの被検レンズを観察するためには、100倍の倍率が必要になる。このとき、参照光の光量を202=400倍にすれば、ほぼ同様な明るさでの干渉縞観察ができる。しかし、参照光の光量を増やすことはできないので、合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように物体光の光量を減らす方向に調整する。
【0055】
また、制御部40は、そのような倍率に応じた光量調整に加えて参照レンズ25の開口数(NA)に応じた光量調整を行う。
図7(a)に示すように被検レンズ12の開口数が小さい場合には、参照レンズ25に入射した物体光の利用できる部分が小さいので、同レンズを透過する物体光の光量が、図7(b)に示すようにNAが大きい場合よりもより少なくなる。このため、参照レンズ25を交換してNAを調整することも可能であるが、NAが大きめの参照レンズ25を使ってできるだけ広い範囲の被検レンズに対応できるようにする方が望ましい。被検レンズ12を透過する物体光の光量は、被検レンズ12のNA2に比例する。すなわち、
被検レンズ12の透過光量∝(NATEST/NASTD)2
である。例えば、被検レンズ12の開口数をNASTD=0.5とすると、NATESTが0.2或いは0.4のいずれの被検レンズ12についても測定可能である。しかし、NATESTが0.2から0.4の被検レンズ12に変更する場合には、物体光の光量が4倍になるので、参照光との光量バランスがくずれて干渉縞が暗くなってしまう。そこで、制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、対物レンズ30の倍率と被検レンズ12の開口数の両方に応じて光量調整器50或いは50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整するようになっている。
【0056】
その調整を具体的に数値例を挙げて説明する。例えば、対物レンズ30を切り換えることにより顕微鏡15の倍率を5,10,20,40倍の4段階に切り換え可能であるとする。この場合、各倍率での参照光の光量比は64,16,4,1になる。また、被検レンズ12のNAが、NA=0.1〜0.4の範囲で調整可能であるとする。この場合、各NAでの物体光の光量比は1〜16の範囲で変化する。いま仮に倍率が10倍で、NA=0.2で物体光と参照光の光量がバランスしているとする。この場合に、倍率を40倍に、NA=0.4にそれぞれ変更すると、参照光の光量は1/16倍になり、物体光の光量は4倍になるので、物体光の光量を1/64倍にするような制御信号を制御部40からコントローラ51に出力して光量調整器50を制御する。なお、この例では、倍率が40倍で、NA=0.1の最も光量を必要とする組み合わせにおいて十分な光量が得られるようにする必要がある。また、参照光の光量を減らす場合には、制御部40はコントローラ51に制御信号を出力して光量調整器50´を制御する。
【0057】
次に、波面収差などについて解析する被検レンズ12の解析領域の定量的設定をする解析領域表示処理について説明する。
従来の干渉計測によるレンズ測定装置では、干渉縞を表示装置の画面に表示したのち、収差などの解析に使用する被検レンズの領域をマウスによるドラッグなどで指定するようになっている場合が多い。ただし、指定した解析領域の実寸は分からない。
【0058】
そこで、本実施形態に係るレンズ測定装置11では、制御部40は、撮像素子16から出力される干渉縞の画像情報に基づき、以下のような処理手順で波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面41a上に表示させるようになっている。
【0059】
(1)制御部40は、設定された顕微鏡15の倍率(撮像系の倍率)、すなわちレボルバ装置31により切り換えられた対物レンズ30の倍率を読み込む。
(2)次に、撮像素子(CCDカメラ)16の受光面16aの1画素に対応する実寸法を算出する。
【0060】
(3)次に、波面収差などを評価したい解析領域の寸法の絶対値をユーザが入力指定する。
(4)ユーザにより指定される評価領域の寸法の絶対値から、対応する撮像素子16の画素領域を決定する。
【0061】
(5)決定した撮像素子16の画素領域をモニタ41の画面41aでの画素領域に変換する。
(6)その変換された画面41aでの画素領域を図8(a)で示すように画面41a上に解析領域60として表示するとともに、その解析領域60の実寸法を例えば同図に示す0.8mmのように表示する。
【0062】
以上のように構成された一実施形態によれば、以下の作用効果を奏する。
・調整する個所は、顕微鏡15のZ方向の位置(対物レンズ30のZ方向の位置)、参照レンズ25のZ方向の位置、および被検レンズ12のX,Y方向の位置の3点だけであり、簡単な調整で平板状マイクロレンズである被検レンズ12の測定が可能になる。このような3点の調整を行うだけで、被検レンズ12の像が撮像素子16の受光面に正確に結像されるので、図9(a),(b)に示すように良好な干渉縞がその受光面に結像される。図9(a)は上記表1に示すレンズ2〜4を測定した場合の干渉縞を示し、また図9(b)は上記表1に示すレンズ1を測定した場合の干渉縞を示している。その干渉縞をピエゾ素子39により微小変化させながら、撮像素子16から出力される画像情報に基づき、制御部40により被検レンズ12の波面収差などを定量評価し、被検レンズ12の良否を明確に評価できる。したがって、簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価を行なうことができる。
【0063】
・マッハツェンダー干渉計14を構成するビームスプリッタ18(光分割器)、ビームスプリッタ26(光合成器)、全反射ミラー23,27(反射部材)が1つの支持部材43の垂直面43a上に固定されるので、これらの部材の位置調整や取付けが容易になる。
【0064】
・X,Yステージ24が支持部材43の中央部に設けた開口部43b内でX,Y方向に変位可能にしたので、X,Yステージ24を、狭いスペース内で支持部材43と干渉しないように構成できる。これにより、装置全体の小型化を図ることができる。
【0065】
・顕微鏡15は、落射照明装置32と、倍率の異なる4つの対物レンズ30と、これらの対物レンズ30を切り換えるレボルバ装置31とを備えているので、レボルバ装置31により被検レンズ12のレンズ径に応じた最適な顕微鏡の倍率を選ぶことができる。
【0066】
・落射照明装置32により被検レンズ12の表面を照明した状態で、被検レンズ12のX,Y方向位置の調整と、顕微鏡15の鏡筒33をZ方向に動かすことによる対物レンズ30のZ方向位置の調整とを行えるので、対物レンズ30の焦点位置を被検レンズ12表面に合わせ易くなる。これにより、被検レンズ12の像が撮像素子16の受光面により正確に結像されるので、より良好な干渉縞がその受光面に結像されるようになる。
【0067】
・制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、対物レンズ30の倍率と被検レンズ12の開口数の両方に応じて光量調整器50或いは50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整する。このため、対物レンズ30の倍率(顕微鏡の倍率)と被検レンズ12の開口数によらず常にほぼ一定の明るさの干渉縞が得られる。
【0068】
・制御部40は前記倍率と開口数に応じた光量調整を光量調整器50或いは50´を制御することで行うので、倍率と開口数に応じた光量調整を個別に行なう場合よりも、光量調整器を少なくすることができ、製造コストを低減できる。
【0069】
・波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面41a上に表示させるので、ユーザはその解析領域に干渉縞が重なるように上記3つの調整を行えばよい。こうして解析領域とその実寸法とが画面41aに表示されるので、所定の収差以下の有効領域がどの程度の大きさであるかを、解析領域と干渉縞を比較しながら把握することができる。これにより、基板に微小レンズが形成される平板マイクロレンズの性能評価が容易になる。
【0070】
[ 変形例]
・ 上記一実施形態では、結像レンズとして倍率の異なる複数の対物レンズ30のみを示してある。しかし、本発明で用いる結像レンズには、複数の対物レンズ30と鏡筒33内に設けた図示しない他のレンズ或いはレンズ群とで構成され、被検レンズ12の微小レンズ12aを撮像素子16の受光面に結像する結像レンズ系も含まれる。
【0071】
・上記一実施形態では、光量調整器50,50´を回転式の偏光板で構成したが、その偏光板に代えて可変NDフィルタを用いてもよい。
・また、光量調整器50,50´を、開口部の大きさを可変調整可能な機械式の絞りや、磁気光学型の光アッテネータで構成してもよい。この光アッテネータは、複屈折くさび板などの偏光子によって分岐した光信号を磁気光学結晶に通し、再び偏光子に通して合波させるもので、光信号の合波する量は磁気光学結晶に印加される磁界の強さを変えることにより調整できる。
【0072】
・上記一実施形態では、物体光路に光量調整器50を、参照光路に光量調整器50´をそれぞれ設けてあるが、これらの光量調整器に代えて、光源13からのレーザ光を2つの光路に分割する際に、各光路での光量の配分割合を変えるようにした構成にも本発明は適用される。例えば、ビームスプリッタ18に代えて偏光ビームスプリッタを設け、該偏光ビームスプリッタに入射するレーザ光を1/2波長板を回転させてその光量の配分割合を変更するように構成してもよい。この場合、偏光ビームスプリッタと1/2波長板とで光量調整手段が構成される。
【0073】
・上記一実施形態では、制御部40は、ビームスプリッタ26で合成される物体光と参照光との光量が等しくなるように、対物レンズ30の倍率と被検レンズ12の開口数NAの両方に応じて光量調整器50,50´を制御することで、物体光と参照光との相対光量を自動的に調整するようになっている。本発明はこうした構成に限定されない。例えば、制御部40が対物レンズ30の倍率のみに応じて光量調整器50を制御する構成にも本発明は適用可能である。
【0074】
・制御部40が被検レンズ12の開口数NAのみに応じて光量調整器50,50´を制御する構成にも本発明は適用可能である。
・上記一実施形態では、被検レンズ12として、平板状のガラス基板の平行な両側表面の一方(レンズ側表面)に複数の微小レンズを形成した平板状マイクロレンズを使用しているが、レンズ側表面とは反対側の表面が傾斜面に形成されている平板状マイクロレンズを使用する場合にも本発明は適用される。図5には、微小レンズ70aが形成されているレンズ側表面70bとは反対側の表面が傾斜面70cに形成された平板状マイクロレンズ70を示している。このようなレンズを使用する場合には、X,Yステージ24上に平板状マイクロレンズ70の傾斜面70cと同じ角度傾斜した傾斜面72aを有する補正くさび板(くさび型治具)72を載置する。そして、補正くさび板72の傾斜面72aに平板状マイクロレンズ70の傾斜面70cを載置して同レンズを固定する。この構成により、レンズ側表面とは反対側の表面が反射戻り光防止などのために傾斜面に研磨されている平板状マイクロレンズを被検レンズ12として用いる場合でも、被検レンズ12をX、Yステージ24上に水平に載置することができる。これにより、両側表面が平行な平板状マイクロレンズの場合と同様に良好な干渉縞が得られ、被検レンズの良否を明確に評価できる。
【0075】
・上記一実施形態では、光源13としてHe−Neレーザ(波長:633nm)を用いているが、このレーザに代えて波長1550nmや1300nmの半導体レーザ等を使用してもよい。
【0076】
・上記一実施形態のように空間ビームを光分割器で2つの光路に分割する場合には、光分割器としては、ビームスプリッタ18のほかに、偏光ビームスプリッタ、ハーフミラー、ハーフプリズム等を使用してもよい。また、光ファイバを使用するタイプでは、光分割器として、1×2光ファイバカプラ、1×2光導波路カプラ等を用いることもできる。
【0077】
・上記一実施形態では、光合成器としてビームスプリッタを用いているが、これに代えてハーフミラー、ハーフプリズム等を用いることもできる。
【0078】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1に係る発明によれば、ユーザが調整する個所は、結像レンズのZ方向位置、参照レンズのZ方向位置、および被検レンズのX,Y方向位置の3点だけであり、簡単な操作で実際の使用に即したマイクロレンズの評価を行なうことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態に係るレンズ測定装置の光学系を示す概略構成図。
【図2】同レンズ測定装置の平面図。
【図3】同レンズ測定装置の側面図。
【図4】複数の光学部材を支持する支持部材とX,Yステージの組付関係を示す斜視図。
【図5】傾斜面のある被検レンズの水平支持方法を示す説明図。
【図6】被検レンズのレンズ径に応じて選択した顕微鏡の倍率の違いによる干渉縞の明るさの変動を説明するための説明図。
【図7】(a),(b)は被検レンズの開口数の違いによる干渉縞の明るさの変動を説明するための説明図。
【図8】(a)は干渉縞などが表示される画面を示す説明図、(b),(c)は観測される干渉縞を示す説明図。
【図9】(a)はレンズ表面が平坦面の平板状マイクロレンズの場合に得られる干渉縞像を示す説明図、(b)はレンズ表面が球面状表面の平板状マイクロレンズの場合に得られる干渉縞像を示す説明図。
【図10】従来例を示す側面図。
【符号の説明】
11…レンズ測定装置、12,70…被検レンズとしての平板状マイクロレンズ、12a,70a…微小レンズ、13…光源、14…干渉光学系としてのマッハツェンダー干渉計、15…顕微鏡、16…撮像手段としての撮像素子、18…光分割器としてのビームスプリッタ、23、27…反射部材としての全反射ミラー、24…X,Yステージ、25…参照レンズ、26…光合成器としてのビームスプリッタ、30…結像レンズとしての対物レンズ、31…レボルバ装置、39…干渉縞走査手段としてのピエゾ素子、40…処理手段としての制御部、41…表示手段としてのモニタ、41a…画面、42…干渉縞走査手段としてのピエゾコントローラ、43…支持部材、43a…垂直面、43b…開口部、50,50´…光量調整手段としての光量調整器、60…解析領域、70b…レンズ側表面、70c…傾斜面、72…くさび型治具としての補正くさび板。
Claims (9)
- マイクロレンズ或いはマイクロレンズアレイを被検レンズとし、該被検レンズの波面収差などを測定するレンズ測定装置であって、
光源と、該光源からの光束を2つの光路に分割し、分割された一方の光束である物体光をX,Yステージ上に載置した前記被検レンズに鉛直方向の光軸をもつ参照レンズにより下方から入射させ、前記被検レンズを透過した物体光と分割されたもう一方の光束である参照光とを光合成器により合成して干渉縞を発生させ、その干渉光を前記光合成器から上方へ出射する干渉光学系と、前記干渉縞を微小変化させる干渉縞走査手段と、前記干渉光学系により発生する干渉縞を撮像しその画像情報を出力する撮像手段と、前記画像情報に基づき前記波面収差などを計算する処理手段と、前記参照レンズと同軸に配置され、前記光合成器から上方へ出射される前記干渉光を前記撮像手段の受光面に結像させる結像レンズとを備え、前記参照レンズと結像レンズをそれぞれ鉛直方向に位置調整可能に構成したことを特徴とするレンズ測定装置。 - 前記光源からの光束を2つの光路に分割する光分割器と、前記光合成器と、該光合成器と前記光分割器との間の前記2つの光路中に配置される反射部材とは、1つの支持部材の垂直面上に固定されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ測定装置。
- 前記光分割器、光合成器、および反射部材は前記支持部材の垂直面の周縁に沿って配置されており、該支持部材には前記垂直面の中央部を貫通する開口部が設けられており、該開口部内に前記X,Yステージおよび前記被検レンズが挿通し、該X,Yステージが前記開口部内でX,Y方向に変位可能になっていることを特徴とする請求項2に記載のレンズ測定装置。
- 前記結像レンズは顕微鏡の対物レンズであり、前記顕微鏡は、落射照明装置と、倍率の異なる複数の対物レンズと、これらの対物レンズを切り換えるレボルバ装置とを備えていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のレンズ測定装置。
- 前記複数の対物レンズを前記レボルバ装置により切り換えて前記顕微鏡の倍率を変える際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、前記顕微鏡の倍率に応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のレンズ測定装置。
- 前記被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、その開口数に応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段をさらに備えていることを特徴とする請求項4又は5に記載のレンズ測定装置。
- 前記複数の対物レンズを前記レボルバ装置により切り換えて前記顕微鏡の倍率を変えるとともに前記被検レンズを開口数の異なるものに変更する際に、前記光合成器で合成される前記物体光と参照光との光量が等しくなるように、前記対物レンズの倍率と前記被検レンズの開口数とに応じて前記物体光と参照光との相対光量を調整する光量調整手段を備えることを特徴とする請求項4に記載のレンズ測定装置。
- 前記撮像手段から出力される前記干渉縞の画像情報に基づき、前記干渉縞を画面上に表示する表示手段を備え、前記処理手段は、前記波面収差などを計算するほかに、前記レボルバ装置により選択される前記顕微鏡の倍率と、前記撮像手段の受光面の1画素に対応する実寸法と、入力により指定される評価領域の寸法の絶対値とから、前記受光面での画素領域を決め、この画素領域を前記画面での画素領域に変換して、前記波面収差などの解析に使用する解析領域とその解析領域の実寸法とを画面上に表示させるように構成したことを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載のレンズ測定装置。
- 前記被検レンズとして、レンズが形成されているレンズ側表面とは反対側の表面が傾斜面に形成されている平板状マイクロレンズ或いは平板状マイクロレンズアレイを使用する場合、前記X,Yステージ上に前記傾斜面と同じ角度傾斜した傾斜面を有するくさび型治具を載置し、該治具の傾斜面に前記被検レンズの傾斜面を載置して固定することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のレンズ測定装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002204719A JP2004045288A (ja) | 2002-07-12 | 2002-07-12 | レンズ測定装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2002
- 2002-07-12 JP JP2002204719A patent/JP2004045288A/ja active Pending
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