JP2004045055A - マイクロピペット - Google Patents

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Yasushi Goto
後藤 裕史
Takayuki Hirano
平野 貴之
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Abstract

【課題】DNAチップの製造等、微小体積の液滴を高密度に整列固定するために使用されるマイクロピペットにおいて、高密度に多数の微小スポットを配列することができ、構造が簡素で製造が容易なマイクロピペットを提供する。
【解決手段】シリコン基体1には、フォトリソグラフィ及びエッチングにより、台形台状の複数個の微細なキャビティ2が行列状に配置されて形成されている。シリコン基体1の上面上には、筐体5がシリコン基体1の上面を閉塞するようにして配置され、シリコン基体1の上面と筐体5に囲まれた圧力室4が形成されている。マスフローコントローラ7により加圧室4の圧力を調整することにより、試料溶液をキャビティ2内に吸入し、又は吐出することができる。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体製造工程におけるシリコンの微細加工技術によって製造することができ、DNAチップの製造等、微小体積の液滴を高密度に整列固定するために使用されるマイクロピペットに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、顕微鏡スライドガラス上に、数千以上のDNA断片を微小スポットとして整列固定したDNAチップが登場し、遺伝子構造の解析に用いられている。このDNAチップの製造において、微小スポットを作製する方法としては、QUILL方式、ピン&リング方式、スプリング方式のものが広く用いられている。しかしながら、いずれの方式でも、機械加工によってピン先を形成する方法であり、ピン先を整列固定する取り付けでは、微小スポット間の間隔を一定に保つことが必要となる。更に、各微小スポットの容量のばらつき及び形状のばらつきを抑制することも必要である。
【0003】
また、DNAの解析速度を短縮するために、高密度に微小スポットを配列したいという要求が高まり、これに対応すると共に、生産性を高めたDNAチップの製造装置が求められている。
【0004】
QUILL方式は、ピン先に溝を刻み込み、基板とピン先を接触させて前記構内の試料を基板上に移して微小スポットを作製する方法であり、万年筆にみられる毛細管現象を利用している。しかし、基板との衝突の衝撃によるピン先の変形及び溝部の洗浄の不完全さから生じるクロスコンタミネーションが問題であった。
【0005】
また、ピン&リング方式は、試料溶液をリング状にリザーブし、このリング内を貫くピンでリング内の試料を捉え、ピンと基板との接触によって基板上に微小スポットを作製する方法である。しかしながら、このピン&リング方式は、構造が複雑で、数千から数万のスポットを作製するリングの洗浄・乾燥工程が数百から数千回必要となり、生産性が悪い。
【0006】
更に、スプリングピン方式は、ピン先に付着した試料を基板に押しつけて、基板上に微小スポットを作製する方法であり、スプリングを内蔵したピンにより基板への損傷を和らげる。しかしながら、1回のリザーブで1回のスポットしかできず、効率が劣る。また、大気中にさらすため、試料溶液が乾燥して、スポットができなくなるといった不具合も生じやすい。
【0007】
これらの機械加工で作製したスポッタは、微細化の問題がある。同時に多数個の微小スポットを形成するには、先端径を細く、またスポットのピッチを狭くして高密度に配列する必要があるが、このような加工が技術的に難しい。
【0008】
更にまた、プリンタで用いられるインクジェット方式も検討されているが、構造が複雑で、数千から数万の流路とアクチュエータを形成することは、装置が大型化すると共に、製造コストが高くなるという問題点がある。
【0009】
このような問題点を解消するものとして、特開2001−124789に開示されたマイクロピペットがある。この従来のマイクロピペットにおいては、セラミックスからなる基体に圧電/電歪素子を備え、注入口からキャビティに注入した試料溶液を、圧電/電歪素子の駆動によってキャビティの体積を変化させ、吐出口から一定量の試料溶液を吐出するものである。この従来技術においては、一度の試料液注入でも繰り返しスポットを行うことができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この公開公報に記載された従来技術では、圧電素子/電歪素子の極小化の限界から、高密度に多数の微小スポットを配列することが難しく、構造も複雑になるという問題点がある。
【0011】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、高密度に多数の微小スポットを配列することができ、構造が簡素で製造が容易なマイクロピペットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るマイクロピペットは、シリコン基体と、このシリコン基体のエッチングによってシリコン基体の一面側が大きく他面側が小さく開口するように形成された複数個のキャビティと、前記シリコン基体の前記一面上に設けられて気体を封入する圧力室を区画する筐体と、を有し、前記圧力室の圧力を調整することにより前記キャビティ内に液滴を吸引することを特徴とする。
【0013】
このマイクロピペットにおいて、前記シリコン基体の前記他面にて各前記キャビティに接続された複数個のノズルを設けることができる。
【0014】
また、前記キャビティと前記圧力室との間を仕切るダイヤフラム状シール材を設けることができる。
【0015】
更に、前記キャビティの内面に設けられた親水性被膜と、前記シリコン基体の前記他面に設けられた疎水性被膜とを設けるか、又は前記キャビティの内面に設けられた親水性被覆と、前記シリコン基体の前記一面及び前記他面に設けられた疎水性被覆とを設けることができる。
【0016】
本発明においては、シリコンの基体のエッチングによりキャビティを形成するから、半導体装置の製造工程で使用する微細加工技術を利用して、微細な形状のキャビティを高精度で形成することができる。また、数千から数万個のスポットを作製可能なキャビティを、一括して低コストで容易に製造することができる。
【0017】
また、本発明においては、液体の吐出量は圧力室内を加減圧することによって調整するので、微量調整することができる。更に、キャビティ内とアレイ面(シリコン基体面)の親水性及び疎水性を調節することによって、疎水性面で液滴が止まり、親水性表面では液滴が馴染みやすいために、液滴の保持及び吸い上げを自己制御することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について添付の図面を参照して具体的に説明する。図1は本発明の第1実施形態に係るマイクロピペットを示す斜視図、図2は図1のA−A線による断面図と制御装置を示す図である。シリコン基体1には、台形台状の複数個の微細なキャビティ2が行列状に配置されて設けられている。このキャビティ2は、シリコン基体1の上面(一面)側が大きく開口して開口部3bとなり、下面(他面)側が小さく開口して吐出部3aとなっている。また、キャビティ2の側面2aは平面であり、シリコン基体1の上面及び下面に対して傾斜している。そして、シリコン基体1の上面上には、4個の側壁5aと上壁5bとから構成される金属製筐体5がシリコン基体1の縁部上にシリコン基体1の上面を閉塞するようにして配置されている。これにより、シリコン基体1の上面上に筐体5に囲まれた圧力室4が形成される。なお、筐体5はシリコン基体1に接着剤により固定されている。但し、この筐体5とシリコン基体1とを固定する手段は接着剤に限らない。また、筐体5は金属製に限らず、例えば、樹脂又はセラミックスにより筐体を成形することも可能である。例えば、筐体をガラス製とした場合、この筐体とシリコン基体とを接合する手段として、陽極接合を使用できる。これにより、耐水性、耐薬品性及び耐熱性に若干問題がある接着剤を使用する必要がなくなる。なお、陽極接合とは、400℃程度の高温で、400V程度の電圧をガラス−シリコン基体間に印加し、ガラス中のNaイオンを引き寄せて空乏層を広げ、発生した強力な静電気力でガラスとシリコン基体とを密着させてSi−Oの共有結合をつくるものであり、シリコン基体と筐体(ガラス)とを接着剤以上に強固に固着することができる。
【0019】
筐体5の1個の側壁5aには、配管6が挿通しており、この配管6により、外部のマスフローコントローラ7と、圧力室4とが連通している。マスフローコントローラ7には、圧力モニタ調圧弁7a、7bが設けられており、配管6から分岐した配管6aが圧力モニタ調圧弁7aに接続され、同じく配管6から分岐した配管6bが圧力モニタ調圧弁7bに接続されている。そして、窒素ガスが圧力モニタ調圧弁7aを介して所定の圧力に制御されつつ、圧力室4内に供給される加圧工程と、圧力室4内のガスが圧力モニタ調圧弁7bにより圧力を制御しつつ排気される排気工程とが切り替わるようになっている。
【0020】
このマイクロピペットにおいては、シリコンからなる平板状の基体1に、エッチングによって行列状に配置されたキャビティを形成するので、微細なキャビティを高精度で且つ容易に形成することができる。例えば、面方位が(100)のシリコン基板上に、酸化膜を形成し、この酸化膜上にフォトレジストを形成し、フォトリソグラフィによりキャビティのパターンを前記レジストに形成する。その後、前記レジストのパターンをマスクとして前記酸化膜を緩衝フッ酸溶液でエッチングし、酸化膜のパターンを形成する。そして、この酸化膜をマスクとして、シリコン基体1を異方性エッチングすることにより、キャビティ2を形成する。シリコンの異方性エッチング液は、KOH又はTMAH(テトラメチルアンモニウムヒドロキシド溶液)等を使用することができる。このキャビティ2は、例えば、基体1の上面の開口部3bが1辺長300μmの正方形をなし、ピッチが500μmである。このようにして、シリコン基体1に、例えば、100×100個のキャビティ2のアレイを形成する。
【0021】
上述の如く構成された本実施形態のマイクロピペットにおいては、シリコン基体1の下面に形成した小孔の吐出部3aがノズルとして機能し、圧力室4に接続されたマスフローコントローラ7により、圧力室4内の圧力を減じることにより、吐出部3aから試料溶液がキャビティ2内に吸引され、圧力室4内の圧力を高くすることにより、キャビティ2内の試料溶液を吐出部3aから液滴状に吐出する。
【0022】
本実施形態においては、シリコン基体1のエッチング加工によって、キャビティ2を高精度で形成することができるので、容易に且つ高精度で微小キャビティを有するマイクロピペットを製造することができる。また、このキャビティ2に、圧力室4内の圧力を減圧して試料液体をリザーブし、キャビティ2内の加圧によって、試料液体をキャビティ下部の吐出部3aから微量吐出させ、液滴を形成する。このとき、隣接するノズルから吐出した液滴と混じり合わないように、ノズル面に疎水処理を施して、液滴とノズル面との接触角を上げると共に、吐出量が多くなりすぎないように制御する。この状態を保持したまま、ノズル面と基材上面とを接触させると、高密度に再現性よく、スポットを形成することができる。このようにして、高密度に多数の微小スポットを配列することができる。
【0023】
次に、図3は本発明の第2実施形態に係るマイクロピペットを示す断面図である。図3において、図1及び図2と同一構成物には、同一符号を付してその詳細な説明は省略する。シリコン基体1の下面に設けられた吐出部3aに、金属又はポリイミド等の樹脂からなるノズル10が設けられている。このノズル10は小径筒状をなし、吐出部3aと連通するようにして、例えば、接着等によりシリコン基体1の下面に固定されている。
【0024】
これによって、基材へ接触によるスポット時に、過度の衝撃によって液滴がつぶれるなどして試料液滴が隣接したスポットと混合してしまうことがなく、良好なスポット痕の形状を得ることができる。
【0025】
次に、本発明の第3実施形態について、図4(a)、(b)を参照して説明する。図4(a)、(b)において、図1、2と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。本実施形態においては、シリコン基体1の上面(圧力室4側の面)に、軟質の例えばシリコーンゴム膜又はポリウレタン膜からなるダイヤフラムシール11を圧力隔壁として設けたものである。このシリコーンゴムフィルム又はポリウレタン膜の厚さは、例えば、15μmであり、その表面に、ポリジメチルシロキサンをスピンコートして、表面を酸素プラズマによって表面処理し、密着性を高めた上で、シリコン基体1の上面(キャビティ2を区画するシリコン基体1のフレームの上面)に貼り付けて固定されている。
【0026】
このように構成されたマイクロピペットにおいては、ダイヤフラムシール11が、圧力室2とキャビティ2との間に介在し、圧力気体と、試料溶液との接触を防止する。このため、試料溶液をキャビティ2内に吸引した状態で保持しても、試料溶液は蒸発しない。また、ダイヤフラムシール11の伸縮しやすさはゴムのヤング率に応じて調整できるため、第1実施形態のように、直接気液が接触する場合のように、圧力室2の圧力変化に敏感になることはなく、より制御性が良くなる。
【0027】
次に、図5(a)乃至(c)を参照して本発明の第4実施形態について説明する。図5(a)乃至(c)において、図1及び図2と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。吐出部3aが設けられた面は、シリコン基体1の下面であり、シリコンはもともと疎水性である。しかし、本実施形態においては、このシリコン基体1の下面に、CVD(化学気相堆積法)によって疎水性のフルオロカーボン等を堆積することにより、疎水性膜12が形成されている。また、キャビティ内面となる、キャビティ2の側面2a及びシリコン基体1の上面(圧力室4側の面)には、同じくCVD(化学気相堆積法)によって、シリコン酸化膜のような親水性膜13が堆積されている。
【0028】
これにより、キャビティ内面に液滴はなじみ、吐出部3aが形成されたシリコン基体1の下面は液滴16を撥水するようになる。このため、キャビティ2内に注入した試料溶液は、圧力室4の圧力変動がない場合は、親水性膜13による試料溶液の表面張力によってキャビティ2内に漏れが発生することなく保持される。また、キャビティ2内への液の注入は、毛細管力によって駆動され、例えば、シリコン基体1の吐出面を、補充槽14内の試料溶液15内に浸漬すれば、マスフローコントローラ7による圧力調整をすることなく、キャビティ2内に試料溶液が自動的に補充される。
【0029】
即ち、リザーブタンクとなるキャビティ内部を親水性被覆することで、リザーブタンクへの試料溶液を溜め込む際に、毛細管力を利用して試料溶液を吸引することができるようになる。従って、圧力室を減圧して、差圧によって吸引する必要がなくなる。また、吐出口を疎水性被覆すると、キャビティから吐出面への液だれを防ぐ効果が得られるとともに、吐出した液滴16が撥水し、隣接する吐出口と接触・混合することを防止できる。この非可否的な試料溶液の流動性変化によって、マイクロピペットとしての制御性を高めることができる。
【0030】
次に、本発明の第5実施形態について説明する。図6(a)は本発明の第5実施形態のマイクロピペットを示す斜視図、図6(b)は同じくその断面図である。図6(a)及び(b)において、図1、図2及び図5と同一構成物には同一符号を付してその詳細な説明は省略する。本実施形態においては、シリコン基体1の下面(吐出面)及び上面(圧力室側の面)に疎水性膜12が形成され、キャビティ2の側面に親水性膜13が形成されている。つまり、シリコン基体1により構成されるフレームの上面1aにも、疎水性膜12が形成されている。
【0031】
本実施形態においては、シリコン基体1の上面の隣接するキャビティ2間を隔てるフレーム上面1aが疎水性膜12により撥水処理されているので、キャビティ2の容積以上に吸引された試料溶液は、図6(b)に示すように、キャビティ2の上方で表面張力により盛り上がり、それ以上試料溶液が吸引されることを防止することができる。このため、結果的に、キャビティ2の容積以上に試料溶液が吸引されることを防止できる。そして、吐出した液滴は表面張力によって形状を保ったままキャビティ下面に形成することができる。
【0032】
図7は図3に示す本発明の第2実施形態のマイクロピペットの応用例を示す図である。試料容器20に設ける試料溶液の供給アレイ21をノズル10の位置に対応するように配置し、各供給アレイ21に貯留する試料溶液を個別に異なるものとすれば、マイクロピペットの各キャビティ2に相互に異なる液体を所望の位置にアレイ状に配置することが可能である。
【0033】
また、図8に示すように、本実施形態のマイクロピペットとDNAチップ31との間にスペーサ30を設けることもできる。つまり、本実施形態のマイクロピペットによって、吐出面と相対するスライドガラスに試料液滴16を転写させる。これにより、液滴16は転写基板に接触するが、このとき、キャビティ下面と基板(DNAチップ31)が接触しないように注意する必要がある。接触すると、完全に液滴がつぶれ、隣の試料液滴と混合してしまう。そこで、位置を機械的に制御する方法として、キャビティ下面に弾力性のあるスペーサ30を挿入する。このスペーサ30の材質は、スライドガラスに接触しても、コンタミネーションがないもの、例えばシリコーンゴムが好適である。
【0034】
図8に示すように、スペーサ30の厚さは液滴16が完全につぶれないように例えば0.1mmとする。スペーサ30は基板とノズルが直接接触することを防止するため、ノズルの汚れを抑制することができる。また、スペーサ30として、弾性体を使用すれば、基板の検査エリアに衝撃によるダメージが入りにくい。
【0035】
図9は加圧室内の圧力調整方法の変形例を示す図である。筐体32として、上面に放熱用フィン32aを設けたものを使用する。この筐体32は、キャビティ2の上方の部分は薄い谷部32bである、この筐体はシリコン基板により形成することができる。谷部32bの下面、即ち、圧力室4側の面に、発熱体33が設けられている。なお、この場合のマイクロピペットは、ダイヤフラムシール11が設けられたものを使用する。
【0036】
このように、キャビティ2に整合する各位置に発熱体33が設けられ、筐体32とシリコン基体1との間に液状媒体34が封入されている。そして、発熱体33の発熱によって媒体34内に発生した気泡35により、圧力室34内の体積が変化し、これにより、ダイヤフラムシール11が変形し、キャビティ2内の試料溶液を押し出したり、キャビティ2内に試料溶液を吸引したりすることができる。
【0037】
また、図10は加圧室内の圧力調整方法の他の変形例を示す図である。筐体40として、シリコン基体1の若干上方の位置に、ダイヤフラムシール11と平行に他のダイヤフラムシール41を設けたものを使用する。そして、このダイヤフラムシール41の上面には、キャビティ2に整合する位置に黒体42を着色する。そして、光導波路43により、He−Neレーザ等のレーザ光を各黒体42に導き、レーザ光を黒体42に照射できるようにする。
【0038】
これにより、レーザ光の照射を受けた黒体42が短時間で、急速加熱され、気泡気泡44が発生する。このようにして、図9の場合と同様に、加圧室の圧力を調整することができる。なお、レーザ加熱の代わりに、ランプにより加熱することもできる。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係るマイクロピペットによれば、DNAチップの製造に使用される微小スポットを、半導体微細加工技術を応用して製造するので、微小スポットを高密度で形成することができ、各スポットの容量のばらつきを防止し、形状のばらつきを抑制することができる。これにより、マイクロピペットの生産性が向上し、低コスト化できるだけでなく、DNAチップの生産性も飛躍的に改善することができる。
【0040】
また、シリコン基体表面の疎水性及び親水性を制御することにより、液滴の制御性が向上し、圧力制御によるスポットにおいても微量制御が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のマイクロピペットを示す斜視図である。
【図2】同じく、第1実施形態のマイクロピペットの断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態のマイクロピペットを示す断面図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の第3実施形態のマイクロピペットを示す断面図である。
【図5】(a)乃至(c)は本発明の第4実施形態のマイクロピペットを示す断面図である。
【図6】(a)及び(b)は本発明の第5実施形態のマイクロピペットを示す夫々斜視図及び断面図である。
【図7】本発明のマイクロピペットの応用例を示す断面図である。
【図8】本発明のマイクロピペットの他の応用例を示す断面図である。
【図9】本発明のマイクロピペットの更に他の応用例を示す断面図である。
【図10】本発明のマイクロピペットの更に他の応用例を示す断面図である。
【符号の説明】
1:シリコン基体
2:キャビティ
3a:吐出部
3:開口部
4:加圧室
5、32,40:筐体
12:疎水性膜
13:親水性膜

Claims (5)

  1. シリコン基体と、このシリコン基体のエッチングによってシリコン基体の一面側が大きく他面側が小さく開口するように形成された複数個のキャビティと、前記シリコン基体の前記一面上に設けられて気体を封入する圧力室を区画する筐体と、を有し、前記圧力室の圧力を調整することにより前記キャビティ内に液滴を吸引することを特徴とするマイクロピペット。
  2. 前記シリコン基体の前記他面にて各前記キャビティに接続された複数個のノズルを有することを特徴とする請求項1に記載のマイクロピペット。
  3. 前記キャビティと前記圧力室との間を仕切るダイヤフラム状シール材を有することを特徴とする請求項1又は2に記載のマイクロピペット。
  4. 前記キャビティの内面に設けられた親水性被膜と、前記シリコン基体の前記他面に設けられた疎水性被膜とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマイクロピペット。
  5. 前記キャビティの内面に設けられた親水性被覆と、前記シリコン基体の前記一面及び前記他面に設けられた疎水性被覆とを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のマイクロピペット。
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