JP2004043684A - ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法 - Google Patents

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松村 邦彦
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【課題】ポリエーテルポリオール類の水酸基をメタルオキシ化する場合において、反応の進行をモニタリングする手法を提供すること。
【解決手段】真空排気装置と撹拌装置を有する反応装置を用いてポリエーテルポリオール類とアルカリ金属アルコキシドを反応させ、前記ポリエーテルポリオール類の水酸基をメタルオキシ化する工程において、前記反応装置内の反応液粘度を直接測定することにより目標反応率への到達を判別し、前記工程を終了することを特徴とする、ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はポリエーテルポリオールの末端水酸基をメタルオキシ化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来よりポリエーテルポリオールをメタルオキシ化する方法としてポリエーテルポリオールとアルカリ金属アルコキシドとの脱アルコール反応によりポリエーテルポリオールの水酸基をメタルオキシ化する方法が行われていた。その際、脱アルコール反応を促進させるために、高温で撹拌・真空排気することにより、反応を促進する。また特開平7−97440号公報に記載のように、反応系内に不活性ガスを通じることにより反応促進する方法なども発明されている。
【0003】
この反応の特徴として、末端水酸基のメタルオキシ化率が上昇するにつれ分子相互間力の増加のため高粘度化することが知られている。ポリエーテルポリオールは末端に水酸基を有するために分子相互間に水素結合が働くものと考えられているが、顕著な粘度上昇はほとんどない。一方、末端水酸基がメタルオキシ化される、すなわち−OHが−O(MはNaまたはK)となることにより、分子相互間力が、水素結合的なものからイオン結合的なものに移行すると考えられるため、ポリエーテルポリオール類は末端水酸基のメタルオキシ化により粘度が上昇すると考えられている。
【0004】
重合反応の場合は反応液の粘度上昇を目安に重合反応の終点を求める方法がしばしば採用されるが、そのような重合反応時の粘度上昇に比べると、上記ポリエーテルポリオールのメタルオキシ化反応における粘度上昇は極めて小さく、この粘度上昇挙動を用いてメタルオキシ化反応の終点を求める試みは従来なされていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ポリエーテルポリオールとアルカリ金属アルコキシドとの脱アルコール反応では、高温・真空排気下で反応させることにより脱アルコールを促進し、反応を促進させている。さらに、反応中のポリマーは高温・アルカリ性であり、空気や水分に触れることによりポリマー主鎖の分解や−O(MはNaまたはK) から−OHへ反応が戻るという現象が起こる。上記理由のため、反応途中でサンプリングを行うことが困難であり、容易に反応率をモニタリングすることができない。従って、生産する場合には、反応が未達の事態を避けるために過剰な時間を反応時間として設定せざるを得ず、生産性向上の障害となっていた。
【0006】
また、上記の反応が進むことにより、粘度が上昇することは知られており、粘度をモニタリングすれば反応率をモニタリングできると理論上は考えられるが、ポリエーテルポリオールのメタルオキシ化反応においては、▲1▼反応槽の寸法が大きくなると(撹拌Re数(数1)がある程度以上に大きくなると)槽内の流れが乱流領域となり、撹拌軸にかかるトルクや撹拌動力から粘度を推定することができない、▲2▼粘度と反応率の関係が不明である、という2点の理由から反応槽が大きくなると上記反応のモニタリングは困難であった。
【0007】
【数1】
Figure 2004043684
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記のような現状に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、ポリエーテルポリオール類とアルカリ金属アルコキシドを反応させることにより、ポリエーテルポリオール類の末端をメタルオキシ化する方法において、粘度を直接又はオンラインで測定することにより目標反応率の到達を判別する方法を見出した。
【0009】
すなわち、本発明は、真空排気装置と撹拌装置を有する反応装置を用いてポリエーテルポリオール類とアルカリ金属アルコキシドを反応させ前記ポリエーテルポリオール類の水酸基をメタルオキシ化する工程において、前記反応装置内の反応液粘度を直接測定することにより目標反応率への到達を判別し、前記工程を終了することを特徴とする、ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法を提供するものであり、好ましくは、前記反応液粘度の測定には、プローブ型の粘度計が用いられる。
【0010】
ここで、目標反応率への到達は、反応液の粘度と反応率の関係を利用したり、時間に対する反応液の粘度の変化率と反応率の関係を利用して、判別することができる。
【0011】
また、前記工程における、撹拌Re数が遷移領域から乱流領域である場合に、本発明は特に好ましい方法となり得る。
【0012】
なお、「反応液粘度を直接測定」とは、反応装置内から反応液のサンプリングを行なって粘度測定するのではなく、反応装置内の反応液そのものの粘度を測定することを表す。
【0013】
【発明の実施の形態】
[ポリエーテルポリオール類]
本発明に用いるポリエーテルポリオール類の主鎖構造としては、−R−O−で示される構造を繰り返し単位とする重合体であればよく、このとき、Rは水素、酸素、及び窒素からなる群より選択される1種以上を構成原子として含有する炭素数1から20の2価の有機基であればよい。また 繰り返し単位の全てが同一である単独重合体であっても良く、2つ以上の種類の繰り返し単位を含む共重合体であっても良い。さらに主鎖中に分岐構造を有していても良い。
【0014】
ポリエーテルポリオール類の主鎖構造は、例えば開始剤と触媒の存在下、モノエポキシドを開環重合することによって得られる。
【0015】
開始剤の具体例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ヘキサメチレングリコール、メタリルアルコール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールA、ネオペンチルグリコール、ポリブタジエンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコール等の2価のアルコールや、ポリプロピレントリオール、ポリプロピレンテトラオール、ジプロピレングリコール、グリセリン、トリメチロールメタン、トリメチロールプロパンおよびペンタエリスリトール等の多価アルコールや複数の水酸基を有する各種のオリゴマー等が挙げられる。
【0016】
モノエポキシドの具体例としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、α−ブチレンオキサイド、β−ブチレンオキサイド、ヘキセンオキサイド、シクロヘキセンオキサイド、スチレンオキサイドおよびα−メチルスチレンオキシド等のアルキレンオキサイド類や、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテルおよびブチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、アリルグリシジルエーテル類、アリールグリシジルエーテル類等が挙げられる。
【0017】
触媒としてはKOH、NaOH等のアルカリ触媒、トリフルオロボラン−エーテラート等の酸性触媒、アルミノポルフィリン金属錯体やシアン化コバルト亜鉛−グライム錯体触媒等の複合金属シアン化物錯体触媒等の既に公知のものが用いられる。特に副反応が少ない複合金属シアン化物錯体触媒の使用が好ましいがそれ以外のものであってもよい。
【0018】
ポリエーテルポリオール類の分子量には特に制限はないが、ゲル・パーミエイション・クロマトグラフィー(GPC)におけるポリスチレン換算での数平均分子量が1,000から100,000であることが好ましい。
【0019】
[ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化]
ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化のために、本発明ではアルカリ金属アルコキシドを用いる。ここで、アルカリ金属としてはナトリウムまたはカリウムが特に好ましい。アルカリ金属アルコキシドを構成するアルコール成分は蒸発しやすさから炭素数6以下のアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノールが特に好ましく、メタノール、エタノールが最も好ましい。アルカリ金属アルコキシドは粉末単体、もしくは、アルコール溶液として希釈したものを用いる。アルコール溶液で希釈したものは、ポリマー中で分散させやすく好ましい。
【0020】
アルカリ金属アルコキシドの添加量は、目標とするポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化率やポリエーテルポリオール類の粘度によるが、例えばポリエーテルポリオール類(初期粘度130℃で0.3Pa・s)の水酸基の90モル%以上に不飽和基を導入する場合は、ポリエーテルポリオール類の水酸基に対してアルカリ金属アルコキシドは1.0〜1.8倍当量であることが好ましい。アルカリ金属アルコキシドの量が少なすぎるとメタルオキシ化率が目的まで達するのに多くの時間がかかってしまい、多すぎると経済的に好ましくない。また、ポリエーテルポリオール類は、この反応を行う前に脱水しておくが、水分を含んでいる場合は、その水分の量だけ余分にアルカリ金属アルコキシドを添加する必要がある。
【0021】
ポリエーテルポリオール類の末端メタルオキシ化反応は、下記式
―OH + R―OM ←→ R―OM + R―OH
に示すような平衡反応である。ここで、R―OHはポリエーテルポリオール類の水酸基を示し、R―OMはアルカリ金属M(MはNaまたはK)の金属アルコキシドを示している。
【0022】
この反応はR―OHで示されるアルコールを反応系外に排出することにより、ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化が進行する。実際の操作では真空排気装置で排気し、アルコールを留去しながら、ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化反応を進行させる。メタルオキシ化反応の温度は、25〜150℃が適当である。温度が低すぎる場合には、反応の進行が遅いことや副生するアルコールの留去に対して十分な熱量を供給出来ない等の反応操作が非効率となり、温度が高すぎる場合には、ポリマーやアルカリ金属アルコキシドが分解する恐れがあり好ましくない。
【0023】
[メタルオキシ化に用いる反応装置]
メタルオキシ化に用いる反応装置の反応槽形状としては、円筒形、円錐形、楕円形等が挙げられるが、良好な混合、流動を得る理由から円筒形が好ましい。また反応槽の底部は液循環と流動から半楕円体形鏡板が好ましい。
【0024】
回転撹拌軸は、反応槽内のいずれの位置に設置しても良いが、良好な混合、流動を得る理由から反応槽内中心部に設置するのが好ましい。
【0025】
撹拌翼は槽内の反応液が十分に撹拌され、槽内において液の循環が良く、且つ、停滞部が発生しないことものであれば、どのような形状であってもよい。例えば、図1,2で示した撹拌翼4、撹拌翼5、特開平10−24230号公報記載の撹拌翼、神鋼パンテック(株)フルゾーン(商品名)、三菱重工業(株)サンメラー(商品名)、佐竹化学機械工業(株)スーパーミックス(商品名)、綜研化学(株)Hi−Fミキサー(商品名)、住友重機械工業(株)マックスブレンド(商品名)等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、バッフルを適宜設置してもよい。
【0026】
メタルオキシ化に用いる反応装置が有する真空排気装置として、往復式真空ポンプ・油回転式真空ポンプ・メカニカルブースター・拡散ポンプ・各種エジェクターを用いてもよく、これらに限定されるものではない。また、真空配管中に適宜コンデンサー・ミストトラップ・フィルターを設置してもよい。
【0027】
[粘度計]
本発明に用いる粘度計は、粘度の絶対値が測定できなくとも、相対的な粘度測定が可能なものであれば、いずれであってもよい。反応槽への設置は、反応槽内の反応液の代表的な粘度値が測定できる場所であればいずれの場所であっても問題ない。反応槽からポンプを利用して外部循環しそのラインに粘度測定部を設置したり、反応槽内で流動状態の良好な部分に粘度測定部を設置することが好ましいが、上記以外の方法を用いてもよい。粘度を測定するにあたり粘度測定部がプローブ型になっている方が、外部循環ライン中や反応槽に導入しやすく好ましい。プローブ型の粘度計のなかでも、特開平1―209338号公報、特開平7―35672号公報、特開平9―32511号公報、特表2002―503819号公報などに示されるような振動運動を利用して、粘度を測定するものがメンテナンスをする必要が少なく、特に好ましい。
【0028】
また、本発明で用いるアルカリ金属アルコキシドは強アルカリであり、且つ、ポリエーテルポリオールとアルカリ金属アルコキシドの反応は高温下で実施するためプローブ型粘度計において接液部の材質はSUS316L以上の耐食性を有するものが好ましい。
【0029】
また、小スケール又は高粘度領域であれば、層流領域のために撹拌Re数と動力の無次元数Np(数2)はNp=A/Re(A=定数)となり、撹拌時の消費動力から反応槽内のポリマー粘度を求めることが可能である。しかし、装置寸法が大きい場合や流体が低粘度である場合には撹拌Re数と動力の無次元数Npの関係は前記の関係が成立せず(遷移領域)、最終的にはNp=一定となる(乱流領域)。この遷移領域から乱流領域である場合には、撹拌時の消費電力から反応槽内のポリマー粘度の変化を正確に把握できない。このような場合本発明の方法にプローブ型粘度計を用いることが特に好ましい。ここで述べている層流領域と遷移領域・乱流領域の区分は、撹拌翼の形状や液深・バッフルの有無により異なり、一般的な遷移領域は撹拌Re数が20〜100の範囲である。実際は、一概には言えず個別に実測し、前記遷移領域を求めている。
【0030】
【数2】
Figure 2004043684
[目標反応率への到達の判別]
上記反応中に粘度を測定する場合、粘度は温度により非常に大きな影響を受けやすいので、粘度測定と同時に温度も測定し、アンドレード式(化学工学協会編、化学工学便覧改訂5版、P91参照)を利用して粘度の温度補正を行い、一定温度での粘度として比較・モニタリングすることが好ましい。粘度の温度補正には下記に示す式(数3)(アンドレード式から誘導した式)を用いて相関式を利用するのが好ましいが、温度差が非常に小さい場合には、下記に示す式(数4)(直線近似した式)を利用してもよく、これら以外の粘度の温度補正式を用いても問題ない。
【0031】
【数3】
Figure 2004043684
【0032】
【数4】
Figure 2004043684
また、希釈溶剤及び副生成物であるアルコール類の濃度が高い場合には、その希釈溶剤やアルコール類とポリエーテルポリオール類が混合しているときの溶剤とポリマーの混合比に対する粘度相関を事前に求めておくこと又は各種物性定数推算法を用いて、補正してもよい。
【0033】
上記反応と温度補正後の粘度の上昇には相関があり、粘度の相対的な値、上昇率から反応の終点を判別する。粘度と反応率の関係は、ポリエーテルポリオール類の分子量・分岐の数、末端水酸基の量・末端水酸基に対するアルカリ金属アルコキシドの量により変化する。従って、反応終点を判別する方法としては、あらかじめ粘度と反応率の関係を求めておき、目標とする反応率に相当する粘度で反応を終了する方法が好ましい。また、反応終盤はアルカリ金属アルコキシド及びポリエーテルポリオール類の水酸基の数が少なくなり、反応速度も低下するため、それを時間に対する粘度の変化率として捕らえ、あらかじめ反応率と粘度の変化率の相関を求め、粘度の変化率から目標反応率の到達を判別してもよい。
【0034】
このようにして得られる末端メタルオキシ化ポリエーテル類は、各種求電子剤、ハロゲン化合物と反応させて、末端基を修飾させる事に利用することが可能となる。また、多価ハロゲン化合物と反応させて、ポリエーテルポリオール類を高分子量化することに利用することが可能となる。
【0035】
【実施例】
以下の実験は、実施例、比較例ともに動力は初期動力で3kW/mで実施した。メタノールを留去するための真空排気速度は2.0L/min・t−polymerで実験した。反応の進行は、反応率(ONa基率)を測定した。
【0036】
[反応率(ONa基率)の測定]
まず、サンプリング時には真空排気を停止し、全く空気に触れないようにポリマーを採取する。そのポリマーに加えたナトリウムメトキシドの2倍当量に相当する塩化アリルを仕込み、よく撹拌させながら130℃で2時間反応させる。この反応により、ONa基のナトリウムはアリル基に置換される。その後、過剰分の塩化アリルとその他揮発成分を減圧除去し、副生した塩化ナトリウムを除去した後に、JISK1557の水酸基価の測定方法と、JISK0070のよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定した。水酸基価により求めた水酸基量とよう素価より求めたアリル基の量から、アリル化率を求め、それを反応率(ONa基率)とした。
【0037】
実施例1
図1、図2に示すようなh=0.1Hで翼径が槽径に対して0.95の撹拌翼(5)が3段あり、表層撹拌翼として翼径0.5の傾斜パドル翼(4)を有し、かつ撹拌翼の翼高さが合計で液面(2)に対して0.4の撹拌翼、撹拌翼のない部分に槽径Dに対して0.1Dのバッフル(3)を4枚設置した反応槽を用いた。粘度計はHydramotion Ltd.製のプロセス粘度計を図1、図2に示す位置(図中の符号6)に設置して粘度を測定した。水分を充分に除去したポリプロピレングリコール(130℃で0.015Pa・s)を仕込み、ポリプロピレングリコールの全水酸基量に対し0.8倍当量のナトリウムメトキシドを添加し、120〜140℃において反応させた。130℃を基準とした粘度と反応率(ONa基率)の関係は表1のようになった。表1に示す相関関係より、反応中の反応率を精度良く推定できた。
【0038】
【表1】
Figure 2004043684
実施例2
図1、図2に示すようなh=0.1Hで翼径が槽径に対して0.95の撹拌翼(5)が3段あり、表層撹拌翼として翼径0.5の傾斜パドル翼(4)を有し、かつ撹拌翼の翼高さが合計で液面(2)に対して0.4の撹拌翼、撹拌翼のない部分に槽径Dに対して0.1Dのバッフル(3)を4枚を設置した反応槽を用いた。粘度計はHydramotion Ltd.製のプロセス粘度計を図1、図2に示す位置(図中の符号6)に設置して粘度を測定した。水分を充分に除去したポリオキシプロピレンポリオール(130℃で粘度が0.35Pa・s)を仕込み、ポリオールの全水酸基量に対し1.2倍当量のナトリウムメトキシドを添加し、120〜140℃において反応させた。130℃を基準とした粘度と反応率(ONa基率)の関係は表2のようになった。表2に示す相関関係より、反応中の反応率を精度良く推定できた。
【0039】
【表2】
Figure 2004043684
実施例3
図1、図2に示すようなh=0.1Hで翼径が槽径に対して0.95の撹拌翼(5)が3段あり、表層撹拌翼として翼径0.5の傾斜パドル翼(4)を有し、かつ撹拌翼の翼高さが合計で液面(2)に対して0.4の撹拌翼、撹拌翼のない部分に槽径Dに対して0.1Dのバッフル(3)を4枚を設置した反応槽を用いた。粘度計はHydramotion Ltd.製のプロセス粘度計を図1、図2に示す位置(図中の符号6)に設置して粘度を測定した。水分を充分に除去したポリプロピレングリコール(130℃で0.015Pa・s )を仕込み、ポリオールの全水酸基量に対し0.8倍当量のナトリウムメトキシドを添加し、120〜140℃において反応させた。130℃を基準とした粘度の時間に対する変化率と実測反応率は図3のようになった。なお、粘度の時間に対する変化率は、その時間の前10分間のデータの傾きを最小2乗法を用いて計算した結果である。図3に示す相関関係より、反応率の到達度を精度良く判定出来た。
比較例1
図4、図5に示すようなh=0.1Hで翼径が槽径に対して0.95の撹拌翼(5)が3段あり、表層撹拌翼として翼径0.5の傾斜パドル翼(4)を有し、かつ撹拌翼の翼高さが合計で液面(2)に対して0.4の撹拌翼、撹拌翼のない部分に槽径Dに対して0.1Dのバッフル(3)を4枚設置した反応槽を用いた。撹拌Re数(数1)は1000以上で乱流領域であった。水分を充分に除去したポリプロピレングリコール(130℃で0.015Pa・s )を仕込み、ポリオールの全水酸基量に対し0.8倍当量のナトリウムメトキシドを添加し、120〜140℃において反応させた。動力は一定であり、動力値からポリマー粘度の変化を見出すことができず、反応が進行していることが外からの観察では判らなかった。
【0040】
【発明の効果】
本発明により、ポリエーテルポリオール類をメタルオキシ化する方法において、粘度を経時的に測定することにより、反応率をモニタリングし、目的とする反応終点を明確にできるため、反応が未達の事態を避けるために過剰な時間を反応時間として設定する必要がなく、生産性向上が可能となる。。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1、2、3の略示縦断側面図。
【図2】実施例1、2、3の略示横断平面図。
【図3】実施例3の結果(横軸:反応時間、左縦軸:粘度の変化率、右縦軸、ONa反応率)。
【図4】比較例1の略示縦断側面図。
【図5】比較例1の略示横断平面図。
【符号の説明】
1 撹拌軸
2 液面
3 バッフル
4 表層撹拌翼
5 複合撹拌翼
6 プロセス粘度計プローブ
H 液深
h 下部翼の高さ
D 槽径

Claims (5)

  1. 真空排気装置と撹拌装置を有する反応装置を用いてポリエーテルポリオール類とアルカリ金属アルコキシドを反応させ、前記ポリエーテルポリオール類の水酸基をメタルオキシ化する工程において、前記反応装置内の反応液粘度を直接測定することにより目標反応率への到達を判別し、前記工程を終了することを特徴とする、ポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法。
  2. 前記反応液粘度の測定に、プローブ型の粘度計を用いる、請求項1に記載のポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法。
  3. 真空排気装置と撹拌装置を有する反応装置を用いてポリエーテルポリオール類とアルカリ金属アルコキシドを反応させ、前記ポリエーテルポリオール類の水酸基をメタルオキシ化する工程における、撹拌Re数が遷移領域から乱流領域である、請求項1または2に記載のポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法。
  4. 反応液の粘度と反応率の関係を利用して目標反応率への到達を判別する、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法。
  5. 時間に対する反応液の粘度の変化率と反応率の関係を利用して目標反応率への到達を判別する、請求項1〜3のいずれかに記載のポリエーテルポリオール類のメタルオキシ化方法。
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