JP2004043354A - ヒアルロニダーゼ阻害剤 - Google Patents
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Abstract
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品、飲食品に使用することができる特定のジヒドロカルコン化合物を有効成分として含有してなるヒアルロニダーゼ阻害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒアルロニダーゼは皮膚、血管、関節など生体中に広く分布する高分子多糖であるヒアルロン酸を分解する酵素である。皮膚のヒアルロン酸は細胞間隙に水を保持し、弾力性、柔軟性、保湿性を保つ役割をしているが、年齢をかさねるにつれて減少し、その結果、シワの形成やかさつきなどの皮膚の老化をもたらす。従って、ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼの活性を阻害することは、生体内のヒアルロン酸を補うために、化粧品に配合、使用されたヒアルロン酸及び飲食品に配合、摂取されたヒアルロン酸の安定性を増大させるのはもちろんのこと、元々皮膚に存在しているヒアルロン酸の安定化にも寄与すると考えられる。また、じんましん、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー反応の原因であるヒスタミンの遊離抑制活性とヒアルロニダーゼ阻害活性には相関があると言われており(Immunopharmacology, 2, p139−146, 1980)、ヒアルロニダーゼは生体内での炎症反応の引き金になる酵素と考えられている。このため、ヒアルロニダーゼ阻害剤を化粧品として皮膚に塗布したり、飲食品として摂取することにより、炎症反応、アレルギー反応を抑制する試みがなされている。
【0003】
これまでに、シャクヤク、オオレン、オオバク、ボタンピ、ゲンノショウコ、茶、クジン、シボタンツル、オドリコソウ、サルビア、西洋ネズ、ハマメリスおよびバーチ(特開平1−128933号公報)、香辛料またはハーブ、コーヒー豆、カカオ豆、クロレラ、きのこ類、バラ科の果実およびプロポリス(特開平3−209330号公報)、茶ポリフェノール類(特開平6−9391号公報)、チンピ、キジツおよび羅漢果(特開平6−80576号公報)、ブドウ種子およびブドウ搾汁粕(特開2000−26306号公報)など天然物に由来する様々なヒアルロニダーゼ阻害剤が見出されている。しかしながら、これらの多くは独特な臭いや色、苦味、渋味があり、さらには溶解性、安定性の問題もあるため、化粧品、飲食品に使用する場合に添加量が制限され、結果的に期待する効果が十分に発揮できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、現在までに多くのヒアルロニダーゼ阻害剤が開発されてきた。しかし、実際に化粧品、飲食品に添加する場合に重要となる臭い、色、味質さらには溶解性、安定性の面で満足できるものは未だ開発されていない。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、安全性が高く、化粧品、飲食品に添加する場合に重要な諸物性(臭い、色、味質、安定性、溶解性)に優れた天然物由来のヒアルロニダーゼ阻害剤を提供すること、並びに化粧品、飲食品として使用した際、皮膚の老化、炎症反応、アレルギー反応を抑制することができる物質を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決して目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、天然物に由来する特定のジヒドロカルコン化合物にヒアルロニダーゼ阻害作用があることを見出し、係る知見に基づいて本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、一般式(1)
【化2】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、水酸基またはアルコキシ基を示す。)で表されるジヒドロカルコン化合物を有効成分として含有するヒアルロニダーゼ阻害剤に関する。
【0008】
更に本発明は、上記のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する化粧品に関する。
【0009】
更に本発明は、上記のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する飲食品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
一般式(1)におけるR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、水酸基又はアルコキシ基を示し、アルコキシ基のアルキル部分は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐の低級アルキルであり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、2−メチルブチル、sec−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、neo−ペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、へキシル等が挙げられる。
R1およびR2として好ましくは、それぞれ独立に水素原子、水酸基又はメトキシ基或いはエトキシ基が挙げられ、更に好ましくはそれぞれ独立に水素原子、水酸基又はメトキシ基が挙げられる。
【0011】
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤の有効成分として用いる一般式(1)で表されるジヒドロカルコン化合物の具体例としては、ヘスペレチンジヒドロカルコン(式中のR1が水酸基、R2がメトキシ基である。)、ナリンゲニンジヒドロカルコン(式中のR1が水素原子、R2が水酸基である。)、エリオジクチオールジヒドロカルコン(式中のR1が水酸基、R2が水酸基である。)、イソサクラネチンジヒドロカルコン(式中のR1が水素原子、R2がメトキシ基である。)等が挙げられる。
【0012】
本発明に係るジヒドロカルコン化合物は主に柑橘類に含まれるフラバノン配糖体を還元し、糖鎖を加水分解することにより製造することができる。
【0013】
フラバノン配糖体を含有する柑橘類としては、ウンシュウミカン、ダイダイ、ハッサク、ナツミカン、イヨカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ユズ、ライム等があり、抽出の際はこれらを単独で用いる他、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0014】
フラバノン配糖体を柑橘類から抽出する場合、柑橘類の形態としては、例えば果汁、果肉、じょうのう、果皮、搾り粕等を挙げることができ、これらを単独で、もしくは適宜組み合わせて用いることができる。
【0015】
柑橘類からの抽出に際しては、水、加熱水、アルカリ水、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン等)またはそれらの混合物を使用できる。抽出温度は、0〜100℃、好ましくは40〜80℃である。抽出物はそのまま粗フラバノン配糖体として用いることができるが、必要に応じて精製して用いる。例えば、(減圧)濃縮した後、イオン交換樹脂による処理、膜処理、クロマトグラフィー等の精製処理を行って活性画分を集め、さらに結晶化や凍結乾燥処理を行い、フラバノン配糖体の精製粉末を得る。
【0016】
得られた粗フラバノン配糖体またはフラバノン配糖体の精製物にアルカリ溶液を添加して、触媒存在下、水素雰囲気中で混合すると、フラバノン配糖体は還元されてジヒドロカルコン配糖体に変換される。得られた粗ジヒドロカルコン配糖体は、フラバノン配糖体と同様の精製処理にてジヒドロカルコン配糖体の精製物を得ることができる。
【0017】
ここで得られた粗ジヒドロカルコン配糖体またはジヒドロカルコン配糖体の精製物に結合している糖鎖を塩酸、硫酸等の鉱酸またはβ−グルコシダーゼ等の酵素により加水分解することにより、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物に変換される。得られたヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物はフラバノン配糖体と同様の精製処理にてヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物の精製物を得ることができる。
【0018】
また、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物を得る方法として、得られた粗フラバノン配糖体またはフラバノン配糖体の精製物を塩酸、硫酸等の鉱酸またはβ−グルコシダーゼ等の酵素により加水分解した後、アルカリ溶液を添加して、触媒存在下、水素雰囲気中で混合して、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物に変換する方法も利用できる。得られたヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物はフラバノン配糖体と同様の精製処理にてヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物の精製物を得ることができる。
【0019】
さらに、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物は前記した柑橘類からフラバノン配糖体を抽出し、還元反応と加水分解反応を組み合わせる方法だけでなく、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物を含有する植物から抽出することも可能である。例えば、ナリンゲニンジヒドロカルコン及びエリオジクチオールジヒドロカルコンはツツジ科に属するKalmia latifolia、イソサクラネチンジヒドロカルコンはニクズク科に属するIryantherasagotianaに含有される。これらの植物から水、加熱水、アルカリ水、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン等)またはそれらを適当に組み合わせてヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物を抽出し、必要に応じてイオン交換樹脂による処理、膜処理、クロマトグラフィー等の精製処理をし、結晶化や凍結乾燥処理を行い、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物の精製物を得ることができる。
【0020】
本発明に用いるジヒドロカルコン化合物は、天然物に由来する安全性が高いヒアルロニダーゼ阻害剤であり、溶解性、安定性に優れ、無色、無臭で苦味、渋味もないため、化粧品、飲食品に悪影響を与えることなく添加することができ、所望のヒアルロニダーゼ阻害作用を発揮することができる。
【0021】
このため、当該化合物を日常的に、化粧品として皮膚に塗布、飲食品として摂取することにより、皮膚の老化、生体内での炎症反応、アレルギー反応を抑制することができると期待される。
【0022】
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、例えば、保湿化粧品、肌荒れ防止化粧品、メークアップ化粧品、フケ防止化粧品、育毛用化粧品、かゆみ防止化粧品、洗浄用化粧品、日焼け防止化粧品、体臭防止化粧品、フレグランス化粧品、オーラルケア製品等の化粧品に添加することができる。このときの添加量については、当該化合物によって期待される効果が有効に発揮される量であれば良く、特に制限はないが、例えば、全体量の0.0001〜5%、好ましくは0.001〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%程度が適当である。なお、化粧品に本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を添加する場合、他の有効成分や薬学的に許容される賦形剤、色素や香料等を適宜組み合わせて用いることもできる。また、製品の形態についても任意であり、例えば液状、粉末状、クリーム状等のいずれも可能である。
【0023】
また、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、例えば、コーヒー、ココア、清涼飲料水、炭酸飲料水、乳酸菌飲料、緑茶、烏龍茶、紅茶、フレーバーティー、栄養ドリンク、ジャム、ヨーグルト、ゼリー、アイスクリーム、キャンディー、タブレット、錠菓、チョコレート、まんじゅう、ケーキ、卓上甘味料、調味料、健康食品、加工食品等の様々な飲食品に添加することができる。また、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を錠剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤等の形態にし、摂取することもできる。このときの添加量については、当該化合物によって期待される効果が有効に発揮される量であれば良く、特に制限はないが、全体量の0.01〜50%、好ましくは0.1〜10%程度が適当である。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
製造例1:ナリンゲニンジヒドロカルコンの調製
グレープフルーツの果皮10kgをホモジナイザーで粉砕し、100Lの温水を加え、70℃で1時間抽出処理を行った。次に抽出液をエバポレーターで濃縮し、該濃縮液を4℃に冷蔵保存し、結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥してフラバノン配糖体の1つであるナリンジンの粗結晶約50gを得た。
次いで、ナリンジンの粗結晶50gに10%水酸化ナトリウム溶液1Lと5%パラジウムカーボン触媒5gを添加して、室温、水素加圧下1MPaで1時間還元反応を行った。還元反応後、反応液から触媒を除去し、反応液に塩酸を添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、ナリンジンジヒドロカルコンの粗結晶約45gを得た。
次いで、ナリンジンジヒドロカルコンの粗結晶45gに2M塩酸溶液1Lを添加して、80℃で2時間加水分解反応を行った。加水分解反応後、反応液に水酸化ナトリウムを添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、ナリンゲニンジヒドロカルコンの結晶約20gを得た。
【0026】
製造例2:エリオジクチオールジヒドロカルコンの調製
レモンの果皮10kgをホモジナイザーで粉砕し、50Lの温水を加え、70℃で1時間抽出処理を行った。次に抽出液をエバポレーターで濃縮し、該濃縮液を4℃に冷蔵保存し、ヘスペリジン結晶を析出させた。この結晶をろ別し、残った母液を吸着樹脂カラム(1LのダイヤイオンHP20;三菱化学(株)製を詰めたもの)に流した。3Lの水を流してカラム内を洗浄後、15%エタノール5Lで溶出した。この溶出液をエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥して粗エリオシトリン約30gを得た。
次いで、粗エリオシトリン30gに2M塩酸溶液1Lを添加して、80℃で2時間加水分解反応を行った。加水分解反応後、反応液に水酸化ナトリウムを添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、エリオジクチオールの結晶約10gを得た。
次いで、エリオジクチオールの粗結晶10gに10%水酸化ナトリウム溶液200mLと5%パラジウムカーボン触媒1gを添加して、室温、水素加圧下1MPaで1時間還元反応を行った。還元反応後、反応液から触媒を除去し、反応液に塩酸を添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、エリオジクチオールジヒドロカルコンの粗結晶約8gを得た。
【0027】
実施例1:ヒアルロニダーゼ阻害活性の測定
調製した化合物について、ヒアルロニダーゼ阻害活性を下記の方法で測定した。
【0028】
(ヒアルロニダーゼ阻害活性の測定方法)
ヒアルロニダーゼ(牛睾丸由来、2000units/ml)0.1mlにジメチルスルホキシドに溶解した試料0.05mlを加え、37℃で20分間インキュベートした後、コンパウンド48/80(0.1mg/ml)0.1mlを加え、37℃で20分間インキュベートする。その後、ヒアルロン酸ナトリウム(0.8g/ml)0.25mlを加え、37℃で40分間インキュベートする。0.4N水酸化ナトリウム0.1mlと0.8Mホウ酸緩衝液(pH9.1)0.1mlを加え、沸騰湯浴中で3分間加熱して、酵素を失活した。水冷後、エールリッヒ試薬3mlを加えて、37℃で20分間インキュベートすることにより発色させ、585nmの吸光度を測定した。対照には試料溶液の代わりにジメチルスルホキシド、ブランクには酵素液の代わりに、上記ホウ酸緩衝液を使用した。
阻害率(%)={(A−B)−(C−B)}/(A−B)×100
但し、A:対照溶液の吸光度、B:ブランクの吸光度、C:試料溶液の吸光度
【0029】
各試料を終濃度0.05%になるように添加したときの結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表から明らかなように、本発明に係るジヒドロカルコン化合物は、ヒアルロニダーゼ阻害が報告されているケルセチンやルテオリン(九州東海大農紀要、14、p43−48、1995)と同等かそれ以上の優れたヒアルロニダーゼ阻害活性を有していることがわかる。さらに、本発明に係るジヒドロカルコン化合物は無色、無臭で苦味、渋味もなく、ケルセチンやルテオリンよりも溶解性が優れている。
【0032】
処方例1:化粧水の製造
水82g、エタノール10g、グリセリン4g、ソルビトール3.5g、BG0.2g、アラニン0.1g、クエン酸Na0.1g、サリチル酸グリコール0.05g、クエン酸0.02g、アラントイン0.01g、ヒアルロン酸Na0.01g、ナリンゲニンジヒドロカルコン0.01gをよく混合し、化粧水を製造した。
【0033】
処方例2:乳液の製造
水76g、スクワラン9g、エタノール6.5g、BG4g、ソルビトール2g、ステアリン酸グリセリル1g、カルボマー0.4g、ジメチルPABAオクチル0.3g、メチルパラベン0.15g、水酸化K0.1g、トコフェロール0.1g、アラントイン0.1g、アラニン0.1g、ビタミンA油0.1g、ダイズ油0.05g、プロピルパラベン0.05g、加水分解コラーゲン0.03g、エリオジクチオールジヒドロカルコン0.02gをよく混合し、乳液を製造した。
【0034】
処方例3:スキンクリームの製造
水61g、スクワラン10g、オリーブ油10g、パラフィン5g、グリセリン5g、エタノール4g、ステアリン酸ソルビタン2g、ポリソルベート602g、ヘスペレチンジヒドロカルコン0.9g、メチルパラベン0.1gをよく混合し、スキンクリームを製造した。
【0035】
処方例4:コーヒー飲料の製造
市販のコーヒー豆30gを熱水500gで抽出し、コーヒー抽出液を作成した。得られたコーヒー抽出液に砂糖70g、牛乳250g、シュガーエステル1g、コーヒーフレーバー1g、エリオジクチオールジヒドロカルコン1gを加えて溶解し、水にて全量を1kgとした。
このコーヒー飲料のpHを重曹を用いて6.6に調整した後、飲料用の缶に100gずつ充填、密封した。次いで、120℃で20分間加熱殺菌してコーヒー飲料を製造した。
【0036】
処方例5:ジャムの製造
イチゴ100gに砂糖80gを加えて、イチゴの形がなくなるまで加熱して煮詰めた。これにイソサクラネチンジヒドロカルコン1g、水飴20gを加え、糖濃度68度になるまで煮詰めてイチゴジャムを製造した。
【0037】
処方例6:タブレットの製造
ナリンゲニンジヒドロカルコン10g、乳糖68g、結晶セルロース14g、カルボキシメチルセルロース4g、ステアリン酸マグネシウム4gを均一に混合し、水を加えて混練りした後、乾燥させて単発式打錠機にてタブレットを製造した。
【0038】
【発明の効果】
本発明においてヒアルロニダーゼ阻害剤の有効成分として用いる特定のジヒドロカルコン化合物は、天然物に由来するものであるため、人体に対する安全性が高く、化粧品、飲食品に添加する場合に重要な諸物性(臭い、色、味質、安定性、溶解性)に優れているため、日常的に化粧品として皮膚に塗布、飲食品として摂取することにより、ヒアルロニダーゼが関与する皮膚の老化、炎症反応、アレルギー反応を抑制することができると期待される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、化粧品、飲食品に使用することができる特定のジヒドロカルコン化合物を有効成分として含有してなるヒアルロニダーゼ阻害剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ヒアルロニダーゼは皮膚、血管、関節など生体中に広く分布する高分子多糖であるヒアルロン酸を分解する酵素である。皮膚のヒアルロン酸は細胞間隙に水を保持し、弾力性、柔軟性、保湿性を保つ役割をしているが、年齢をかさねるにつれて減少し、その結果、シワの形成やかさつきなどの皮膚の老化をもたらす。従って、ヒアルロン酸を分解するヒアルロニダーゼの活性を阻害することは、生体内のヒアルロン酸を補うために、化粧品に配合、使用されたヒアルロン酸及び飲食品に配合、摂取されたヒアルロン酸の安定性を増大させるのはもちろんのこと、元々皮膚に存在しているヒアルロン酸の安定化にも寄与すると考えられる。また、じんましん、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎などのアレルギー反応の原因であるヒスタミンの遊離抑制活性とヒアルロニダーゼ阻害活性には相関があると言われており(Immunopharmacology, 2, p139−146, 1980)、ヒアルロニダーゼは生体内での炎症反応の引き金になる酵素と考えられている。このため、ヒアルロニダーゼ阻害剤を化粧品として皮膚に塗布したり、飲食品として摂取することにより、炎症反応、アレルギー反応を抑制する試みがなされている。
【0003】
これまでに、シャクヤク、オオレン、オオバク、ボタンピ、ゲンノショウコ、茶、クジン、シボタンツル、オドリコソウ、サルビア、西洋ネズ、ハマメリスおよびバーチ(特開平1−128933号公報)、香辛料またはハーブ、コーヒー豆、カカオ豆、クロレラ、きのこ類、バラ科の果実およびプロポリス(特開平3−209330号公報)、茶ポリフェノール類(特開平6−9391号公報)、チンピ、キジツおよび羅漢果(特開平6−80576号公報)、ブドウ種子およびブドウ搾汁粕(特開2000−26306号公報)など天然物に由来する様々なヒアルロニダーゼ阻害剤が見出されている。しかしながら、これらの多くは独特な臭いや色、苦味、渋味があり、さらには溶解性、安定性の問題もあるため、化粧品、飲食品に使用する場合に添加量が制限され、結果的に期待する効果が十分に発揮できない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、現在までに多くのヒアルロニダーゼ阻害剤が開発されてきた。しかし、実際に化粧品、飲食品に添加する場合に重要となる臭い、色、味質さらには溶解性、安定性の面で満足できるものは未だ開発されていない。
【0005】
本発明の目的は、上記の課題を解決し、安全性が高く、化粧品、飲食品に添加する場合に重要な諸物性(臭い、色、味質、安定性、溶解性)に優れた天然物由来のヒアルロニダーゼ阻害剤を提供すること、並びに化粧品、飲食品として使用した際、皮膚の老化、炎症反応、アレルギー反応を抑制することができる物質を開発することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決して目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、天然物に由来する特定のジヒドロカルコン化合物にヒアルロニダーゼ阻害作用があることを見出し、係る知見に基づいて本発明に到達した。
【0007】
即ち本発明は、一般式(1)
【化2】
(式中、R1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、水酸基またはアルコキシ基を示す。)で表されるジヒドロカルコン化合物を有効成分として含有するヒアルロニダーゼ阻害剤に関する。
【0008】
更に本発明は、上記のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する化粧品に関する。
【0009】
更に本発明は、上記のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する飲食品に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】
一般式(1)におけるR1およびR2は、それぞれ独立に水素原子、水酸基又はアルコキシ基を示し、アルコキシ基のアルキル部分は、炭素数1〜6の直鎖若しくは分岐の低級アルキルであり、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、i−ペンチル、2−メチルブチル、sec−ペンチル、1,2−ジメチルプロピル、neo−ペンチル、1−エチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、へキシル等が挙げられる。
R1およびR2として好ましくは、それぞれ独立に水素原子、水酸基又はメトキシ基或いはエトキシ基が挙げられ、更に好ましくはそれぞれ独立に水素原子、水酸基又はメトキシ基が挙げられる。
【0011】
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤の有効成分として用いる一般式(1)で表されるジヒドロカルコン化合物の具体例としては、ヘスペレチンジヒドロカルコン(式中のR1が水酸基、R2がメトキシ基である。)、ナリンゲニンジヒドロカルコン(式中のR1が水素原子、R2が水酸基である。)、エリオジクチオールジヒドロカルコン(式中のR1が水酸基、R2が水酸基である。)、イソサクラネチンジヒドロカルコン(式中のR1が水素原子、R2がメトキシ基である。)等が挙げられる。
【0012】
本発明に係るジヒドロカルコン化合物は主に柑橘類に含まれるフラバノン配糖体を還元し、糖鎖を加水分解することにより製造することができる。
【0013】
フラバノン配糖体を含有する柑橘類としては、ウンシュウミカン、ダイダイ、ハッサク、ナツミカン、イヨカン、オレンジ、レモン、グレープフルーツ、ユズ、ライム等があり、抽出の際はこれらを単独で用いる他、2種類以上を混合して用いることもできる。
【0014】
フラバノン配糖体を柑橘類から抽出する場合、柑橘類の形態としては、例えば果汁、果肉、じょうのう、果皮、搾り粕等を挙げることができ、これらを単独で、もしくは適宜組み合わせて用いることができる。
【0015】
柑橘類からの抽出に際しては、水、加熱水、アルカリ水、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン等)またはそれらの混合物を使用できる。抽出温度は、0〜100℃、好ましくは40〜80℃である。抽出物はそのまま粗フラバノン配糖体として用いることができるが、必要に応じて精製して用いる。例えば、(減圧)濃縮した後、イオン交換樹脂による処理、膜処理、クロマトグラフィー等の精製処理を行って活性画分を集め、さらに結晶化や凍結乾燥処理を行い、フラバノン配糖体の精製粉末を得る。
【0016】
得られた粗フラバノン配糖体またはフラバノン配糖体の精製物にアルカリ溶液を添加して、触媒存在下、水素雰囲気中で混合すると、フラバノン配糖体は還元されてジヒドロカルコン配糖体に変換される。得られた粗ジヒドロカルコン配糖体は、フラバノン配糖体と同様の精製処理にてジヒドロカルコン配糖体の精製物を得ることができる。
【0017】
ここで得られた粗ジヒドロカルコン配糖体またはジヒドロカルコン配糖体の精製物に結合している糖鎖を塩酸、硫酸等の鉱酸またはβ−グルコシダーゼ等の酵素により加水分解することにより、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物に変換される。得られたヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物はフラバノン配糖体と同様の精製処理にてヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物の精製物を得ることができる。
【0018】
また、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物を得る方法として、得られた粗フラバノン配糖体またはフラバノン配糖体の精製物を塩酸、硫酸等の鉱酸またはβ−グルコシダーゼ等の酵素により加水分解した後、アルカリ溶液を添加して、触媒存在下、水素雰囲気中で混合して、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物に変換する方法も利用できる。得られたヒアルロニダーゼ阻害作用を有する粗ジヒドロカルコン化合物はフラバノン配糖体と同様の精製処理にてヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物の精製物を得ることができる。
【0019】
さらに、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物は前記した柑橘類からフラバノン配糖体を抽出し、還元反応と加水分解反応を組み合わせる方法だけでなく、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物を含有する植物から抽出することも可能である。例えば、ナリンゲニンジヒドロカルコン及びエリオジクチオールジヒドロカルコンはツツジ科に属するKalmia latifolia、イソサクラネチンジヒドロカルコンはニクズク科に属するIryantherasagotianaに含有される。これらの植物から水、加熱水、アルカリ水、有機溶媒(例えば、メタノール、エタノール、アセトン等)またはそれらを適当に組み合わせてヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物を抽出し、必要に応じてイオン交換樹脂による処理、膜処理、クロマトグラフィー等の精製処理をし、結晶化や凍結乾燥処理を行い、ヒアルロニダーゼ阻害作用を有するジヒドロカルコン化合物の精製物を得ることができる。
【0020】
本発明に用いるジヒドロカルコン化合物は、天然物に由来する安全性が高いヒアルロニダーゼ阻害剤であり、溶解性、安定性に優れ、無色、無臭で苦味、渋味もないため、化粧品、飲食品に悪影響を与えることなく添加することができ、所望のヒアルロニダーゼ阻害作用を発揮することができる。
【0021】
このため、当該化合物を日常的に、化粧品として皮膚に塗布、飲食品として摂取することにより、皮膚の老化、生体内での炎症反応、アレルギー反応を抑制することができると期待される。
【0022】
本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、例えば、保湿化粧品、肌荒れ防止化粧品、メークアップ化粧品、フケ防止化粧品、育毛用化粧品、かゆみ防止化粧品、洗浄用化粧品、日焼け防止化粧品、体臭防止化粧品、フレグランス化粧品、オーラルケア製品等の化粧品に添加することができる。このときの添加量については、当該化合物によって期待される効果が有効に発揮される量であれば良く、特に制限はないが、例えば、全体量の0.0001〜5%、好ましくは0.001〜2%、さらに好ましくは0.01〜1%程度が適当である。なお、化粧品に本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を添加する場合、他の有効成分や薬学的に許容される賦形剤、色素や香料等を適宜組み合わせて用いることもできる。また、製品の形態についても任意であり、例えば液状、粉末状、クリーム状等のいずれも可能である。
【0023】
また、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤は、例えば、コーヒー、ココア、清涼飲料水、炭酸飲料水、乳酸菌飲料、緑茶、烏龍茶、紅茶、フレーバーティー、栄養ドリンク、ジャム、ヨーグルト、ゼリー、アイスクリーム、キャンディー、タブレット、錠菓、チョコレート、まんじゅう、ケーキ、卓上甘味料、調味料、健康食品、加工食品等の様々な飲食品に添加することができる。また、本発明のヒアルロニダーゼ阻害剤を錠剤、カプセル剤、顆粒剤、液剤等の形態にし、摂取することもできる。このときの添加量については、当該化合物によって期待される効果が有効に発揮される量であれば良く、特に制限はないが、全体量の0.01〜50%、好ましくは0.1〜10%程度が適当である。
【0024】
【実施例】
以下に、実施例等により本発明を詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
製造例1:ナリンゲニンジヒドロカルコンの調製
グレープフルーツの果皮10kgをホモジナイザーで粉砕し、100Lの温水を加え、70℃で1時間抽出処理を行った。次に抽出液をエバポレーターで濃縮し、該濃縮液を4℃に冷蔵保存し、結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥してフラバノン配糖体の1つであるナリンジンの粗結晶約50gを得た。
次いで、ナリンジンの粗結晶50gに10%水酸化ナトリウム溶液1Lと5%パラジウムカーボン触媒5gを添加して、室温、水素加圧下1MPaで1時間還元反応を行った。還元反応後、反応液から触媒を除去し、反応液に塩酸を添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、ナリンジンジヒドロカルコンの粗結晶約45gを得た。
次いで、ナリンジンジヒドロカルコンの粗結晶45gに2M塩酸溶液1Lを添加して、80℃で2時間加水分解反応を行った。加水分解反応後、反応液に水酸化ナトリウムを添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、ナリンゲニンジヒドロカルコンの結晶約20gを得た。
【0026】
製造例2:エリオジクチオールジヒドロカルコンの調製
レモンの果皮10kgをホモジナイザーで粉砕し、50Lの温水を加え、70℃で1時間抽出処理を行った。次に抽出液をエバポレーターで濃縮し、該濃縮液を4℃に冷蔵保存し、ヘスペリジン結晶を析出させた。この結晶をろ別し、残った母液を吸着樹脂カラム(1LのダイヤイオンHP20;三菱化学(株)製を詰めたもの)に流した。3Lの水を流してカラム内を洗浄後、15%エタノール5Lで溶出した。この溶出液をエバポレーターで濃縮し、凍結乾燥して粗エリオシトリン約30gを得た。
次いで、粗エリオシトリン30gに2M塩酸溶液1Lを添加して、80℃で2時間加水分解反応を行った。加水分解反応後、反応液に水酸化ナトリウムを添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、エリオジクチオールの結晶約10gを得た。
次いで、エリオジクチオールの粗結晶10gに10%水酸化ナトリウム溶液200mLと5%パラジウムカーボン触媒1gを添加して、室温、水素加圧下1MPaで1時間還元反応を行った。還元反応後、反応液から触媒を除去し、反応液に塩酸を添加して中和し、中和した液を4℃で冷蔵して結晶を析出させた。この結晶をろ別、減圧乾燥し、エリオジクチオールジヒドロカルコンの粗結晶約8gを得た。
【0027】
実施例1:ヒアルロニダーゼ阻害活性の測定
調製した化合物について、ヒアルロニダーゼ阻害活性を下記の方法で測定した。
【0028】
(ヒアルロニダーゼ阻害活性の測定方法)
ヒアルロニダーゼ(牛睾丸由来、2000units/ml)0.1mlにジメチルスルホキシドに溶解した試料0.05mlを加え、37℃で20分間インキュベートした後、コンパウンド48/80(0.1mg/ml)0.1mlを加え、37℃で20分間インキュベートする。その後、ヒアルロン酸ナトリウム(0.8g/ml)0.25mlを加え、37℃で40分間インキュベートする。0.4N水酸化ナトリウム0.1mlと0.8Mホウ酸緩衝液(pH9.1)0.1mlを加え、沸騰湯浴中で3分間加熱して、酵素を失活した。水冷後、エールリッヒ試薬3mlを加えて、37℃で20分間インキュベートすることにより発色させ、585nmの吸光度を測定した。対照には試料溶液の代わりにジメチルスルホキシド、ブランクには酵素液の代わりに、上記ホウ酸緩衝液を使用した。
阻害率(%)={(A−B)−(C−B)}/(A−B)×100
但し、A:対照溶液の吸光度、B:ブランクの吸光度、C:試料溶液の吸光度
【0029】
各試料を終濃度0.05%になるように添加したときの結果を表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】
表から明らかなように、本発明に係るジヒドロカルコン化合物は、ヒアルロニダーゼ阻害が報告されているケルセチンやルテオリン(九州東海大農紀要、14、p43−48、1995)と同等かそれ以上の優れたヒアルロニダーゼ阻害活性を有していることがわかる。さらに、本発明に係るジヒドロカルコン化合物は無色、無臭で苦味、渋味もなく、ケルセチンやルテオリンよりも溶解性が優れている。
【0032】
処方例1:化粧水の製造
水82g、エタノール10g、グリセリン4g、ソルビトール3.5g、BG0.2g、アラニン0.1g、クエン酸Na0.1g、サリチル酸グリコール0.05g、クエン酸0.02g、アラントイン0.01g、ヒアルロン酸Na0.01g、ナリンゲニンジヒドロカルコン0.01gをよく混合し、化粧水を製造した。
【0033】
処方例2:乳液の製造
水76g、スクワラン9g、エタノール6.5g、BG4g、ソルビトール2g、ステアリン酸グリセリル1g、カルボマー0.4g、ジメチルPABAオクチル0.3g、メチルパラベン0.15g、水酸化K0.1g、トコフェロール0.1g、アラントイン0.1g、アラニン0.1g、ビタミンA油0.1g、ダイズ油0.05g、プロピルパラベン0.05g、加水分解コラーゲン0.03g、エリオジクチオールジヒドロカルコン0.02gをよく混合し、乳液を製造した。
【0034】
処方例3:スキンクリームの製造
水61g、スクワラン10g、オリーブ油10g、パラフィン5g、グリセリン5g、エタノール4g、ステアリン酸ソルビタン2g、ポリソルベート602g、ヘスペレチンジヒドロカルコン0.9g、メチルパラベン0.1gをよく混合し、スキンクリームを製造した。
【0035】
処方例4:コーヒー飲料の製造
市販のコーヒー豆30gを熱水500gで抽出し、コーヒー抽出液を作成した。得られたコーヒー抽出液に砂糖70g、牛乳250g、シュガーエステル1g、コーヒーフレーバー1g、エリオジクチオールジヒドロカルコン1gを加えて溶解し、水にて全量を1kgとした。
このコーヒー飲料のpHを重曹を用いて6.6に調整した後、飲料用の缶に100gずつ充填、密封した。次いで、120℃で20分間加熱殺菌してコーヒー飲料を製造した。
【0036】
処方例5:ジャムの製造
イチゴ100gに砂糖80gを加えて、イチゴの形がなくなるまで加熱して煮詰めた。これにイソサクラネチンジヒドロカルコン1g、水飴20gを加え、糖濃度68度になるまで煮詰めてイチゴジャムを製造した。
【0037】
処方例6:タブレットの製造
ナリンゲニンジヒドロカルコン10g、乳糖68g、結晶セルロース14g、カルボキシメチルセルロース4g、ステアリン酸マグネシウム4gを均一に混合し、水を加えて混練りした後、乾燥させて単発式打錠機にてタブレットを製造した。
【0038】
【発明の効果】
本発明においてヒアルロニダーゼ阻害剤の有効成分として用いる特定のジヒドロカルコン化合物は、天然物に由来するものであるため、人体に対する安全性が高く、化粧品、飲食品に添加する場合に重要な諸物性(臭い、色、味質、安定性、溶解性)に優れているため、日常的に化粧品として皮膚に塗布、飲食品として摂取することにより、ヒアルロニダーゼが関与する皮膚の老化、炎症反応、アレルギー反応を抑制することができると期待される。
Claims (5)
- 一般式(1)で表されるジヒドロカルコン化合物がナリンゲニンジヒドロカルコンである請求項1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
- 一般式(1)で表されるジヒドロカルコン化合物がヘスペレチンジヒドロカルコン、エリオジクチオールジヒドロカルコン又はイソサクラネチンジヒドロカルコンである請求項1記載のヒアルロニダーゼ阻害剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する化粧品。
- 請求項1〜3のいずれかに記載のヒアルロニダーゼ阻害剤を含有する飲食品。
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