JP2004042686A - 車両用空調装置のデフロスタダクト - Google Patents
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Abstract
【課題】車両用空調装置のデフロスタダクトに関し、中央部、左右両側の空調風吹出温度の差を小さくする。
【解決手段】車両用空調装置のデフロスタ用空気出口8に接続されるダクトで、エアミックス領域7に接続するダクト側エアミックス領域23が形成され、中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bの4本のダクトに空調風が供給される。エアミックス領域7は中央部に温度が低い空調風14aC、両側に温度の高い空調風14aHが形成される傾向にあり、従来は中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bで吹出温度差が大きかったが、仕切壁30a,30bを取除き、共通の空間となるドア側エアミックス領域23を形成したので、混合が良好となり中央部、左右の温度差を小さくする。
【選択図】 図2
【解決手段】車両用空調装置のデフロスタ用空気出口8に接続されるダクトで、エアミックス領域7に接続するダクト側エアミックス領域23が形成され、中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bの4本のダクトに空調風が供給される。エアミックス領域7は中央部に温度が低い空調風14aC、両側に温度の高い空調風14aHが形成される傾向にあり、従来は中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bで吹出温度差が大きかったが、仕切壁30a,30bを取除き、共通の空間となるドア側エアミックス領域23を形成したので、混合が良好となり中央部、左右の温度差を小さくする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置のデフロスタダクトに関し、デフロスタダクト内で冷風と温風との混合を良好に行うようにして車両の左右のデフロスタ吹出温度と前面の吹出温度との差を小さくするようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置としては、例えば、特開平10−236134号公報に示されるような構造のものがあるが、次にその概要を説明する。図3は車両用空調装置を側面から見た全体構成図である。図において、車両用空調装置は、図示してない内外気送風ユニットとエアコンユニット52から構成されている。エアコンユニット52は、車両幅方向の中央部に配置されており、上記内外気送風ユニットと車両幅方向に並ぶように配置されている。
【0003】
空調ケースには、内外気送風ユニットからの送風空気を取り入れるための空気取入口55が形成され、空気取入口55から取り入れられた空気を冷却するエバポレータ53(冷却用熱交換器)と、通過する空気を加熱するヒータコア54(加熱用熱交換器)とが車両前後方向に並ぶように配置されている。空調ケース内には、エバポレータ53にて冷却された冷風がヒータコア54をバイパスする冷風通路56が形成されると共に、ヒータコア54の下流側には温風通路57が形成されている。これら冷風通路56および温風通路57との下流側には、冷風と温風とを混合する混合空間であるエアミックスチャンバ部100が設けられている。
【0004】
温風通路57は、図に示すように上方に向かって延び、湾曲して形成されている。これにより、冷風通路56を流れる冷風と、温風通路57を流れる温風とが直交するようにぶつかって混合する。エバポレータ53の下流側で、ヒータコア54の上流側に配置され、温風調整用ドアであるエアミックスドア58が配置されている。そして、このエアミックスドア58は、上記エアミックスチャンバ部100にて混合される温風と冷風との割合を調整し、空調風の温度を所望の温度に調節する。エアミックスドア58は、板状に形成されており、一端部に回転軸58aが設けられている。この回転軸58aは空調ケースに回転自在に支持されている。これによりエアミックスドア58は、図中Bで示す範囲を回動可能となっている。また、回転軸58aに連結された駆動手段としてサーボモータ(図示しない)にて駆動されるようになっている。
【0005】
冷風通路56およびエアミックスドア58の下流側には、エアミックスドア58の一端面と当接するシール面59aを有するシール壁59が形成されている。
このシール壁59は、空調ケースの内面から突出するように一体形成されている。また、このシール壁59は組付けられた状態では、四角形の額縁状に形成されている。これにより、シール壁59に囲まれるようにして冷風通路56の出口部をなす吹出開口部70が形成される。また、シール壁59は、エアミックスドア58が図中Bで示す回動範囲のうち一端側に位置する図中aで示す回動位置に形成され、エバポレータ53を通過した空気が全てヒータコア54を通過する最大暖房状態において、冷風通路56から冷風が漏れださないようにするためのものである。
【0006】
エアミックスドア58が、図中Bで示す回動範囲のうち一端側に位置する図中bで示す回動位置には、シール壁60が空調ケースに一体形成されている。シール壁60は、エバポレータ53を通過した空気が全てヒータコア54をバイパスする最大冷房状態時において、冷風通路56の冷風がヒータコア54へ漏れださないようにエアミックスドア58の一端面と当接して温風通路57の入口部を確実に遮断するためのものである。また、シール壁60もシール壁59と同様な形状をしている。
【0007】
シール面59aの反対側の位置には、温風通路57からの温風を後述のデフロスタ用空気通路63に送風するデフロスタ用温風案内通路61が形成され、シール壁59に沿って、車両後方から車両前方に延びるような流路で、冷風通路57を流れた冷風の流れ方向と直交する方向に延びるように流路が形成されている。デフロスタ用案内通路61は、2つ設けられており、エアミックスドア58の回転軸58aの軸心方向(車両幅方向)の両端部に、それぞれ設けられている。又、シール壁59と平行でデフロスタ用空気通路63に向かって延びるように温風ガイド部62が設けられている。
【0008】
冷風通路56および温風通路57の下流側には、車室内に設置された各吹出口に対応して連通する空気通路63〜65が形成されている。具体的には、図示しない車両のフロントガラスの内面に向かって空調風を送風するためのデフロスタ用空気通路63と、前席乗員の上半身に向かって空調風を送風するためのフェイス用空気通路64と、前席および後席の乗員の足元に向かって空調風を送風するためのフット用空気通路65とが形成されている。又、前席乗員の足元に空調風を送風するための前席用フット吹出部66が形成されており、フット用空気通路65には、前席用フット吹出部66の下流側に、後席乗員の足元に空調風を送風するための後席用フット吹出部67が形成されている。
【0009】
これら空気通路63〜65の開閉は、吹出切換ドア68,69にて切り換えられる。また、これら吹出切換ドア68,69によって以下の5つの吹出モードが切換可能となっている。即ち、(1)エアミックスドア58にて温調された空調風は、フェイス用空気通路64のみを流れるようになるフェイスモード、(2)フェイス用空気通路64には冷風を、フット用空気通路65には温風を送風する吹出モードであるバイレベルモード、(3)エアミックスドア58にて温調された空調風のうち、大部分(約9割)がフット用空気通路65に送風され、残りの空調風がデフロスタ用空気通路63に送風されるフットモード、(4)エアミックスドア58にて温調された空調風は、デフロスタ用空気通路63とフット用空気通路65との双方に送風されるフットデフモード、及び(5)エアミックスドア58にて温調された空調風は、デフロスタ用空気通路63だけに送風されるデフロスタモードがある。
【0010】
上記の車両用空調装置の他に、エアミックスドアに調整ドアと補助ドアとを一体的に回転させるバタフライ形のドアとする構成のものが、例えば特開平10−29418号に開示されている。次に、図4によりその概要を説明する。図において、空気開口84から空気がケース2内の空調ユニット81内に取込まれ、エバポレータ83により冷却される。86は冷風通路であり、エバポレータ83で冷却された冷風が流れる通路である。85はヒータコアであり空気を加熱し、温風通路87に流す。温風通路87は上方に延びヒータコア85上部の通路87aを通り車両前方側へ向き、冷風通路86と合流している。
【0011】
89はエアミックスドアであり、冷風通路86と温風通路87との分岐部でヒータコア85上端部の回転軸89aを中心として回動可能であり、くの字状で屈曲した形状となっている。このエアミックスドア89は冷風と温風との風量割合を調整する調整用ドア89cと補助ドア89dとから構成されるバタフライ形のドアとなっている。
【0012】
空気の吹出しは、フット吹出空気通路90、フェイス吹出空気通路92、デフロスタ吹出空気通路93が開口し、フットドア91、フェイス・デフロスタドア94が切替開閉可能に設けられている。このような構成の車両用空調装置のフット吹出空気通路90、フェイス吹出空気通路92、デフロスタ吹出空気通路93での、それぞれの空気吹出しによる空調の作用については、先の図3で詳しく説明したものと同様であるので詳しい説明は省略する。
【0013】
上記構成の車両用空調装置においては、エアミックスドア89は回転軸89aを中心として回動するバタフライ形であり、図3で示した片持ち形のエアミックスドア58と異なり、最大冷房時において温風通路87aを補助ドア89dにて2/3以上を塞ぐようにして空調風の温度上昇を防ぐと共に、補助ドア87が冷風通路87を流れる冷風の流れ方向と同一方向へ延びるように構成し、冷風が温風通路へ逆流するのを防止している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述の車両用空調装置においては、デフロスタ用空気通路のみに空調風を送るデフロスタモード、あるいはデフロスタ用とフット用の両方の空気通路に空調風を送るデフロスタ/フットモードを選択した場合には、エアミックス領域で調整された空調風はデフロスタダクトを通り車両運転席中央部と左右両側に分かれて空調風を吹き出す。この場合には図3の従来例で示すデフロスタ用案内通路61が左右両側に設けられているように、左右両側にデフロスタ用空気通路に温風を冷風と直交するように送る流路が形成されている。従って冷風と温風とを混合するエアミックス領域においては、中央部に温度の低い空気が、両側に温度が比較的高い空気が、それぞれ形成され、これによりデフロスタダクトの中央吹出のダクトと左右両側のダクトの吹出温度とに差が生じ、温度差が大きくなる傾向にある。
【0015】
そこで本発明はデフロスタ用空気通路からの空調風をデフロスタ中央部と左右両側に分岐させるデフロスタダクトにおいて、ダクト内で低温の空気と高温の空気とが分岐する前部で低温と高温の空調風とを効果的に混合し、中央部と左右両側の吹出温度差を小さくするようにすることを課題としてなされたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために、次の手段を提供する。
【0017】
(1)冷風と同冷風の一部を加熱した温風とをエアミックス領域で所望の割合で混合した空調風をデフロスタ用、フェイス用、フット用空気出口にそれぞれ導く構成であり、前記デフロスタ用空気出口から車両のフロントガラスの中央部及び左右両側に前記空調風を吹出す車両用空調装置のデフロスタダクトにおいて、前記デフロスタ用空気出口に接続する入口部に前記中央部及び左右両側に空調風を導く各ダクトが共通に連通するダクト側エアミックス領域を設けたことを特徴とする車両用空調装置のデフロスタダクト。
【0018】
(2)前記エアミックス領域での冷風と温風との混合はバタフライ形のドアでなされることを特徴とする(1)記載の車両用空調装置のデフロスタダクト。
【0019】
本発明の(1)においては、デフロスタダクトと車両用空調装置との接続部において、デフロスタ中央部へ向うダクトと左右両側に向うダクトは従来はそれぞれ独立したダクトであったが、本発明では入口部において、それぞれのダクトの接続部における仕切壁を取除き、各ダクトが共通に連通するダクト側エアミックス領域を設けたので、エアミックス領域で混合が不均一であった空調風がこのダクト側エアミックス領域で混合され中央部と左右両側へ流れる空調風の温度を均一として温度差を小さくすることができる。従来のエアミックス領域での空調風は、中央部が温度が低く、両側が比較的高い温度分布となっており、中央部と左右両側の吹出温度差が生ずる傾向にあったが、本発明では、ダクト側エアミックス領域が形成されているので、ここで低温と高温の空調風が混合してからそれぞれ中央部と左右両側の吹出ダクトに供給され、中央部と左右両側吹出の温度差を小さくすることができる。
【0020】
本発明の(2)では、エアミックス領域へ冷風と温風との割合を調整するエアミックスドアがバタフライ形のドアであり、片持ち形のドアと同様にエアミックス領域へ冷風と温風との所望の割合で空気を供給することができる。
【0021】
本発明の(3)によれば、車両の左右のデフロスタ吹出温度と前面の吹出温度の差が小さい車両用空調装置が提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基いて具体的に説明する。図1は本発明の実施の一形態に係るデフロスタダクトが適用される車両用空調装置の構成図である。本発明のデフロスタダクトが適用される車両用空調装置1は、図3,図4で説明した車両用空調装置を含み、その他のあらゆる形式の車両用空調装置に適用されるもので、まず、車両用空調装置について図1の構成図で説明する。
【0023】
図1において、車両用空調装置1はケース17に各機器を収納して構成されている。2は冷却用熱交換器であり、図示していない内外気送風ユニットから送られる空気18を通して冷却するものである。3は冷風通路であり、冷却用熱交換器2で冷却された冷風の通路である。4は加熱用熱交換器であり、冷風通路3からの冷風12の一部を導いて加熱するものである。5は温風通路であり、加熱用熱交換器4で加熱された温風13の通路である。
【0024】
6はエアミックスドアであり、冷風12と温風13とを導き、冷風12と温風13との混合割合を調整し、所望の空調風14を作るドアであり、図3の従来例で説明した片持ち形のエアミックスドア58や、又は図4の従来例で説明したバタフライ形のような回転形のドアにより冷風12と温風13の流入の割合を所望の割合に調整するものである。7はエアミックス領域であり、エアミックスドア6から流入する冷風12と温風13とを混合し、所望の空調風14を形成する領域である。8はデフロスタ用空気出口であり、エアミックス領域7からの空調風をデフロスタ用吹出切換ドア15を介して吹出し、後述するデフロスタダクト20を通して車両の前面、左右の窓の面に空調風を吹出し、窓の曇りを除去するものである。
【0025】
9はフェイス用空気吹出口であり、エアミックス領域7からの空調風をフェイス用吹出切換ドア16を介して車両の運転席の前面に吹出すものである。10はフット用空気通路であり、エアミックス領域7からの空調風をデフロスタ用、フェイス用吹出切換ドア15、16を介して導く通路である。11はフット用空気出口であり、車両の運転席の足元へ向って空調風を吹出す通路へ送るための出口である。
【0026】
上記の構成の車両用空調装置においては、空調風の温度はエアミックスドア6を回転させて所望の温度の空調風が設定され、デフロスタ用吹出切換ドア15、フェイス用吹出切換ドア16、フット用吹出切換ドアが個別にある場合には、これをそれぞれ切換え、又は所定の開度として、従来例で説明したように、(1)空調風がフェイス用空気吹出口9のみに流れるフェイスモード、(2)フェイス用空気吹出口9には冷風を、フット用空気出口11には温風を、それぞれ送るバイレベルモード、(3)フット用空気出口11へ大部分の空調風を送り、残りをデフロスタ用空気出口8に送るフットモード、(4)空調風をデフロスタ用空気出口8とフット用空気出口11の双方に送るデフロスタ/フットモード、(5)デフロスタ用空気出口8のみ空調風を送るデフロスタモード、の各モードで空調がなされる。
【0027】
本発明のデフロスタダクトは、図3,図4に示す従来のものも含み、上記の構成の機能を有する車両用空調装置のデフロスタ用空気出口8に接続されるデフロスタダクト20であり、デフロスタ用空気出口8からのデフロスタ用空調風を車両の窓に導き吹き出すダクトであり、以下に詳しく説明する。
【0028】
図2は本発明の実施の一形態に係るデフロスタダクトを示し、(a)は本発明、(b)は従来の構成図で、これら両図は図1におけるA−A矢視図に相当する図である。(b)において、従来の車両用空調装置1のエアミックス領域7におけるデフロスタ用空気出口8には、デフロスタダクト20’が接続されており、デフロスタダクト20’は中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bから構成されている。中央部の吹出口21a,21bと左右の吹出口22a,22bとのデフロスタ用空気出口8への接続部には、中央部の吹出口と左右の吹出口側とをそれぞれ仕切る仕切壁30a,30bとがあり、それぞれ4個の通路21a,21b,22a,22bが独立してデフロスタ用空気出口8に接続する構成である。
【0029】
一方、エアミックス領域7においては、図3の従来例でも説明したように、温風通路にはデフロスタ用空気通路に向かって左右両側に温風のバイパス通路を設け、温風が吹き出すようにしてデフロスタ用空気出口8が低温になりすぎないような構造となっており、このような構造では(b)に示すようにエアミックス領域の中央部が比較的低温領域の空調風14aCとなり、両側が高温領域の空調風14aHのような分布の傾向となる。従って中央部の吹出口21a,21bの空調風14a−1,14a−2の吹出温度は比較的低く、左右の吹出口22a,22bの空調風14a−3,14a−4の吹出温度は中央部に比べて比較的高温となり、両者の間に温度差が生じてしまう。
【0030】
(a)は本発明のデフロスタダクトであり、(b)と異なる部分は、仕切壁30a,30bを取り除いたものであり、その他の構成は(b)の従来例と同じである。本発明においては、仕切壁30a,30bがないので、ダクト入口部には中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bのそれぞれのダクト入口部がそれぞれ連通する共通の空間、即ち、ダクト側エアミックス領域23が形成されている。
【0031】
本発明のデフロスタダクト20においては、車両用空調装置1側のエアミックス領域7に接続して、ダクト側エアミックス領域23が形成されているので、エアミックス領域7での中央部の低温の空調風14aCと、両側の温度の高い空調風14aHとがダクト側エアミックス領域23に流入し、ここで再び空調風が混合し、温度を均一な空調風として、それぞれ中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bに送られ吹出すので、デフロスタ吹出の中央部、左右での吹出温度差を小さくすることができ、窓の曇りを効果的に取除くことができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の車両用空調装置のデフロスタダクトは、(1)冷風と同冷風の一部を加熱した温風とをエアミックス領域で所望の割合で混合した空調風をデフロスタ用、フェイス用、フット用空気出口にそれぞれ導く構成であり、前記デフロスタ用空気出口から車両のフロントガラスの中央部及び左右両側に前記空調風を吹出す車両用空調装置のデフロスタダクトにおいて、前記デフロスタ用空気出口に接続する入口部に前記中央部及び左右両側に空調風を導く各ダクトが共通に連通するダクト側エアミックス領域を設けたことを特徴とする車両用空調装置のデフロスタダクト。
【0033】
上記構成により、エアミックス領域で混合が不均一であった空調風がこのダクト側エアミックス領域で混合され中央部と左右両側へ流れる空調風の温度を均一として温度差を小さくすることができる。従来のエアミックス領域での空調風は、中央部が温度が低く、両側が比較的高い温度分布となっており、中央部と左右両側の吹出温度差が生ずる傾向にあったが、本発明では、ダクト側エアミックス領域が形成されているので、ここで低温と高温の空調風が混合してからそれぞれ中央部と左右両側の吹出ダクトに供給され、中央部と左右両側吹出の温度差を小さくすることができる。
【0034】
本発明の(2)では、エアミックス領域へ冷風と温風との割合を調整するエアミックスドアがバタフライ形のドアであり、片持ち形のドアと同様にエアミックス領域へ冷風と温風との所望の割合で空気を供給することができる。
【0035】
本発明の(3)によれば、車両の左右のデフロスタ吹出温度と前面の吹出温度の差が小さい車両用空調装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るデフロスタダクトが適用される車両用空調装置の構成図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図に相当するデフロスタダクトの構成図で、(a)は本発明、(b)は従来例である。
【図3】従来の車両用空調装置の一例を示す構成図である。
【図4】従来の車両用空調装置の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置
7 エアミックス領域
8 デフロスタ用空気出口
14a 空調風
20 デフロスタダクト
21a,21b 中央部の吹出口
22a,22b 左右の吹出口
23 ダクト側エアミックス領域
【発明の属する技術分野】
本発明は車両用空調装置のデフロスタダクトに関し、デフロスタダクト内で冷風と温風との混合を良好に行うようにして車両の左右のデフロスタ吹出温度と前面の吹出温度との差を小さくするようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の車両用空調装置としては、例えば、特開平10−236134号公報に示されるような構造のものがあるが、次にその概要を説明する。図3は車両用空調装置を側面から見た全体構成図である。図において、車両用空調装置は、図示してない内外気送風ユニットとエアコンユニット52から構成されている。エアコンユニット52は、車両幅方向の中央部に配置されており、上記内外気送風ユニットと車両幅方向に並ぶように配置されている。
【0003】
空調ケースには、内外気送風ユニットからの送風空気を取り入れるための空気取入口55が形成され、空気取入口55から取り入れられた空気を冷却するエバポレータ53(冷却用熱交換器)と、通過する空気を加熱するヒータコア54(加熱用熱交換器)とが車両前後方向に並ぶように配置されている。空調ケース内には、エバポレータ53にて冷却された冷風がヒータコア54をバイパスする冷風通路56が形成されると共に、ヒータコア54の下流側には温風通路57が形成されている。これら冷風通路56および温風通路57との下流側には、冷風と温風とを混合する混合空間であるエアミックスチャンバ部100が設けられている。
【0004】
温風通路57は、図に示すように上方に向かって延び、湾曲して形成されている。これにより、冷風通路56を流れる冷風と、温風通路57を流れる温風とが直交するようにぶつかって混合する。エバポレータ53の下流側で、ヒータコア54の上流側に配置され、温風調整用ドアであるエアミックスドア58が配置されている。そして、このエアミックスドア58は、上記エアミックスチャンバ部100にて混合される温風と冷風との割合を調整し、空調風の温度を所望の温度に調節する。エアミックスドア58は、板状に形成されており、一端部に回転軸58aが設けられている。この回転軸58aは空調ケースに回転自在に支持されている。これによりエアミックスドア58は、図中Bで示す範囲を回動可能となっている。また、回転軸58aに連結された駆動手段としてサーボモータ(図示しない)にて駆動されるようになっている。
【0005】
冷風通路56およびエアミックスドア58の下流側には、エアミックスドア58の一端面と当接するシール面59aを有するシール壁59が形成されている。
このシール壁59は、空調ケースの内面から突出するように一体形成されている。また、このシール壁59は組付けられた状態では、四角形の額縁状に形成されている。これにより、シール壁59に囲まれるようにして冷風通路56の出口部をなす吹出開口部70が形成される。また、シール壁59は、エアミックスドア58が図中Bで示す回動範囲のうち一端側に位置する図中aで示す回動位置に形成され、エバポレータ53を通過した空気が全てヒータコア54を通過する最大暖房状態において、冷風通路56から冷風が漏れださないようにするためのものである。
【0006】
エアミックスドア58が、図中Bで示す回動範囲のうち一端側に位置する図中bで示す回動位置には、シール壁60が空調ケースに一体形成されている。シール壁60は、エバポレータ53を通過した空気が全てヒータコア54をバイパスする最大冷房状態時において、冷風通路56の冷風がヒータコア54へ漏れださないようにエアミックスドア58の一端面と当接して温風通路57の入口部を確実に遮断するためのものである。また、シール壁60もシール壁59と同様な形状をしている。
【0007】
シール面59aの反対側の位置には、温風通路57からの温風を後述のデフロスタ用空気通路63に送風するデフロスタ用温風案内通路61が形成され、シール壁59に沿って、車両後方から車両前方に延びるような流路で、冷風通路57を流れた冷風の流れ方向と直交する方向に延びるように流路が形成されている。デフロスタ用案内通路61は、2つ設けられており、エアミックスドア58の回転軸58aの軸心方向(車両幅方向)の両端部に、それぞれ設けられている。又、シール壁59と平行でデフロスタ用空気通路63に向かって延びるように温風ガイド部62が設けられている。
【0008】
冷風通路56および温風通路57の下流側には、車室内に設置された各吹出口に対応して連通する空気通路63〜65が形成されている。具体的には、図示しない車両のフロントガラスの内面に向かって空調風を送風するためのデフロスタ用空気通路63と、前席乗員の上半身に向かって空調風を送風するためのフェイス用空気通路64と、前席および後席の乗員の足元に向かって空調風を送風するためのフット用空気通路65とが形成されている。又、前席乗員の足元に空調風を送風するための前席用フット吹出部66が形成されており、フット用空気通路65には、前席用フット吹出部66の下流側に、後席乗員の足元に空調風を送風するための後席用フット吹出部67が形成されている。
【0009】
これら空気通路63〜65の開閉は、吹出切換ドア68,69にて切り換えられる。また、これら吹出切換ドア68,69によって以下の5つの吹出モードが切換可能となっている。即ち、(1)エアミックスドア58にて温調された空調風は、フェイス用空気通路64のみを流れるようになるフェイスモード、(2)フェイス用空気通路64には冷風を、フット用空気通路65には温風を送風する吹出モードであるバイレベルモード、(3)エアミックスドア58にて温調された空調風のうち、大部分(約9割)がフット用空気通路65に送風され、残りの空調風がデフロスタ用空気通路63に送風されるフットモード、(4)エアミックスドア58にて温調された空調風は、デフロスタ用空気通路63とフット用空気通路65との双方に送風されるフットデフモード、及び(5)エアミックスドア58にて温調された空調風は、デフロスタ用空気通路63だけに送風されるデフロスタモードがある。
【0010】
上記の車両用空調装置の他に、エアミックスドアに調整ドアと補助ドアとを一体的に回転させるバタフライ形のドアとする構成のものが、例えば特開平10−29418号に開示されている。次に、図4によりその概要を説明する。図において、空気開口84から空気がケース2内の空調ユニット81内に取込まれ、エバポレータ83により冷却される。86は冷風通路であり、エバポレータ83で冷却された冷風が流れる通路である。85はヒータコアであり空気を加熱し、温風通路87に流す。温風通路87は上方に延びヒータコア85上部の通路87aを通り車両前方側へ向き、冷風通路86と合流している。
【0011】
89はエアミックスドアであり、冷風通路86と温風通路87との分岐部でヒータコア85上端部の回転軸89aを中心として回動可能であり、くの字状で屈曲した形状となっている。このエアミックスドア89は冷風と温風との風量割合を調整する調整用ドア89cと補助ドア89dとから構成されるバタフライ形のドアとなっている。
【0012】
空気の吹出しは、フット吹出空気通路90、フェイス吹出空気通路92、デフロスタ吹出空気通路93が開口し、フットドア91、フェイス・デフロスタドア94が切替開閉可能に設けられている。このような構成の車両用空調装置のフット吹出空気通路90、フェイス吹出空気通路92、デフロスタ吹出空気通路93での、それぞれの空気吹出しによる空調の作用については、先の図3で詳しく説明したものと同様であるので詳しい説明は省略する。
【0013】
上記構成の車両用空調装置においては、エアミックスドア89は回転軸89aを中心として回動するバタフライ形であり、図3で示した片持ち形のエアミックスドア58と異なり、最大冷房時において温風通路87aを補助ドア89dにて2/3以上を塞ぐようにして空調風の温度上昇を防ぐと共に、補助ドア87が冷風通路87を流れる冷風の流れ方向と同一方向へ延びるように構成し、冷風が温風通路へ逆流するのを防止している。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
前述の車両用空調装置においては、デフロスタ用空気通路のみに空調風を送るデフロスタモード、あるいはデフロスタ用とフット用の両方の空気通路に空調風を送るデフロスタ/フットモードを選択した場合には、エアミックス領域で調整された空調風はデフロスタダクトを通り車両運転席中央部と左右両側に分かれて空調風を吹き出す。この場合には図3の従来例で示すデフロスタ用案内通路61が左右両側に設けられているように、左右両側にデフロスタ用空気通路に温風を冷風と直交するように送る流路が形成されている。従って冷風と温風とを混合するエアミックス領域においては、中央部に温度の低い空気が、両側に温度が比較的高い空気が、それぞれ形成され、これによりデフロスタダクトの中央吹出のダクトと左右両側のダクトの吹出温度とに差が生じ、温度差が大きくなる傾向にある。
【0015】
そこで本発明はデフロスタ用空気通路からの空調風をデフロスタ中央部と左右両側に分岐させるデフロスタダクトにおいて、ダクト内で低温の空気と高温の空気とが分岐する前部で低温と高温の空調風とを効果的に混合し、中央部と左右両側の吹出温度差を小さくするようにすることを課題としてなされたものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は前述の課題を解決するために、次の手段を提供する。
【0017】
(1)冷風と同冷風の一部を加熱した温風とをエアミックス領域で所望の割合で混合した空調風をデフロスタ用、フェイス用、フット用空気出口にそれぞれ導く構成であり、前記デフロスタ用空気出口から車両のフロントガラスの中央部及び左右両側に前記空調風を吹出す車両用空調装置のデフロスタダクトにおいて、前記デフロスタ用空気出口に接続する入口部に前記中央部及び左右両側に空調風を導く各ダクトが共通に連通するダクト側エアミックス領域を設けたことを特徴とする車両用空調装置のデフロスタダクト。
【0018】
(2)前記エアミックス領域での冷風と温風との混合はバタフライ形のドアでなされることを特徴とする(1)記載の車両用空調装置のデフロスタダクト。
【0019】
本発明の(1)においては、デフロスタダクトと車両用空調装置との接続部において、デフロスタ中央部へ向うダクトと左右両側に向うダクトは従来はそれぞれ独立したダクトであったが、本発明では入口部において、それぞれのダクトの接続部における仕切壁を取除き、各ダクトが共通に連通するダクト側エアミックス領域を設けたので、エアミックス領域で混合が不均一であった空調風がこのダクト側エアミックス領域で混合され中央部と左右両側へ流れる空調風の温度を均一として温度差を小さくすることができる。従来のエアミックス領域での空調風は、中央部が温度が低く、両側が比較的高い温度分布となっており、中央部と左右両側の吹出温度差が生ずる傾向にあったが、本発明では、ダクト側エアミックス領域が形成されているので、ここで低温と高温の空調風が混合してからそれぞれ中央部と左右両側の吹出ダクトに供給され、中央部と左右両側吹出の温度差を小さくすることができる。
【0020】
本発明の(2)では、エアミックス領域へ冷風と温風との割合を調整するエアミックスドアがバタフライ形のドアであり、片持ち形のドアと同様にエアミックス領域へ冷風と温風との所望の割合で空気を供給することができる。
【0021】
本発明の(3)によれば、車両の左右のデフロスタ吹出温度と前面の吹出温度の差が小さい車両用空調装置が提供できる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面に基いて具体的に説明する。図1は本発明の実施の一形態に係るデフロスタダクトが適用される車両用空調装置の構成図である。本発明のデフロスタダクトが適用される車両用空調装置1は、図3,図4で説明した車両用空調装置を含み、その他のあらゆる形式の車両用空調装置に適用されるもので、まず、車両用空調装置について図1の構成図で説明する。
【0023】
図1において、車両用空調装置1はケース17に各機器を収納して構成されている。2は冷却用熱交換器であり、図示していない内外気送風ユニットから送られる空気18を通して冷却するものである。3は冷風通路であり、冷却用熱交換器2で冷却された冷風の通路である。4は加熱用熱交換器であり、冷風通路3からの冷風12の一部を導いて加熱するものである。5は温風通路であり、加熱用熱交換器4で加熱された温風13の通路である。
【0024】
6はエアミックスドアであり、冷風12と温風13とを導き、冷風12と温風13との混合割合を調整し、所望の空調風14を作るドアであり、図3の従来例で説明した片持ち形のエアミックスドア58や、又は図4の従来例で説明したバタフライ形のような回転形のドアにより冷風12と温風13の流入の割合を所望の割合に調整するものである。7はエアミックス領域であり、エアミックスドア6から流入する冷風12と温風13とを混合し、所望の空調風14を形成する領域である。8はデフロスタ用空気出口であり、エアミックス領域7からの空調風をデフロスタ用吹出切換ドア15を介して吹出し、後述するデフロスタダクト20を通して車両の前面、左右の窓の面に空調風を吹出し、窓の曇りを除去するものである。
【0025】
9はフェイス用空気吹出口であり、エアミックス領域7からの空調風をフェイス用吹出切換ドア16を介して車両の運転席の前面に吹出すものである。10はフット用空気通路であり、エアミックス領域7からの空調風をデフロスタ用、フェイス用吹出切換ドア15、16を介して導く通路である。11はフット用空気出口であり、車両の運転席の足元へ向って空調風を吹出す通路へ送るための出口である。
【0026】
上記の構成の車両用空調装置においては、空調風の温度はエアミックスドア6を回転させて所望の温度の空調風が設定され、デフロスタ用吹出切換ドア15、フェイス用吹出切換ドア16、フット用吹出切換ドアが個別にある場合には、これをそれぞれ切換え、又は所定の開度として、従来例で説明したように、(1)空調風がフェイス用空気吹出口9のみに流れるフェイスモード、(2)フェイス用空気吹出口9には冷風を、フット用空気出口11には温風を、それぞれ送るバイレベルモード、(3)フット用空気出口11へ大部分の空調風を送り、残りをデフロスタ用空気出口8に送るフットモード、(4)空調風をデフロスタ用空気出口8とフット用空気出口11の双方に送るデフロスタ/フットモード、(5)デフロスタ用空気出口8のみ空調風を送るデフロスタモード、の各モードで空調がなされる。
【0027】
本発明のデフロスタダクトは、図3,図4に示す従来のものも含み、上記の構成の機能を有する車両用空調装置のデフロスタ用空気出口8に接続されるデフロスタダクト20であり、デフロスタ用空気出口8からのデフロスタ用空調風を車両の窓に導き吹き出すダクトであり、以下に詳しく説明する。
【0028】
図2は本発明の実施の一形態に係るデフロスタダクトを示し、(a)は本発明、(b)は従来の構成図で、これら両図は図1におけるA−A矢視図に相当する図である。(b)において、従来の車両用空調装置1のエアミックス領域7におけるデフロスタ用空気出口8には、デフロスタダクト20’が接続されており、デフロスタダクト20’は中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bから構成されている。中央部の吹出口21a,21bと左右の吹出口22a,22bとのデフロスタ用空気出口8への接続部には、中央部の吹出口と左右の吹出口側とをそれぞれ仕切る仕切壁30a,30bとがあり、それぞれ4個の通路21a,21b,22a,22bが独立してデフロスタ用空気出口8に接続する構成である。
【0029】
一方、エアミックス領域7においては、図3の従来例でも説明したように、温風通路にはデフロスタ用空気通路に向かって左右両側に温風のバイパス通路を設け、温風が吹き出すようにしてデフロスタ用空気出口8が低温になりすぎないような構造となっており、このような構造では(b)に示すようにエアミックス領域の中央部が比較的低温領域の空調風14aCとなり、両側が高温領域の空調風14aHのような分布の傾向となる。従って中央部の吹出口21a,21bの空調風14a−1,14a−2の吹出温度は比較的低く、左右の吹出口22a,22bの空調風14a−3,14a−4の吹出温度は中央部に比べて比較的高温となり、両者の間に温度差が生じてしまう。
【0030】
(a)は本発明のデフロスタダクトであり、(b)と異なる部分は、仕切壁30a,30bを取り除いたものであり、その他の構成は(b)の従来例と同じである。本発明においては、仕切壁30a,30bがないので、ダクト入口部には中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bのそれぞれのダクト入口部がそれぞれ連通する共通の空間、即ち、ダクト側エアミックス領域23が形成されている。
【0031】
本発明のデフロスタダクト20においては、車両用空調装置1側のエアミックス領域7に接続して、ダクト側エアミックス領域23が形成されているので、エアミックス領域7での中央部の低温の空調風14aCと、両側の温度の高い空調風14aHとがダクト側エアミックス領域23に流入し、ここで再び空調風が混合し、温度を均一な空調風として、それぞれ中央部の吹出口21a,21b、左右の吹出口22a,22bに送られ吹出すので、デフロスタ吹出の中央部、左右での吹出温度差を小さくすることができ、窓の曇りを効果的に取除くことができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明の車両用空調装置のデフロスタダクトは、(1)冷風と同冷風の一部を加熱した温風とをエアミックス領域で所望の割合で混合した空調風をデフロスタ用、フェイス用、フット用空気出口にそれぞれ導く構成であり、前記デフロスタ用空気出口から車両のフロントガラスの中央部及び左右両側に前記空調風を吹出す車両用空調装置のデフロスタダクトにおいて、前記デフロスタ用空気出口に接続する入口部に前記中央部及び左右両側に空調風を導く各ダクトが共通に連通するダクト側エアミックス領域を設けたことを特徴とする車両用空調装置のデフロスタダクト。
【0033】
上記構成により、エアミックス領域で混合が不均一であった空調風がこのダクト側エアミックス領域で混合され中央部と左右両側へ流れる空調風の温度を均一として温度差を小さくすることができる。従来のエアミックス領域での空調風は、中央部が温度が低く、両側が比較的高い温度分布となっており、中央部と左右両側の吹出温度差が生ずる傾向にあったが、本発明では、ダクト側エアミックス領域が形成されているので、ここで低温と高温の空調風が混合してからそれぞれ中央部と左右両側の吹出ダクトに供給され、中央部と左右両側吹出の温度差を小さくすることができる。
【0034】
本発明の(2)では、エアミックス領域へ冷風と温風との割合を調整するエアミックスドアがバタフライ形のドアであり、片持ち形のドアと同様にエアミックス領域へ冷風と温風との所望の割合で空気を供給することができる。
【0035】
本発明の(3)によれば、車両の左右のデフロスタ吹出温度と前面の吹出温度の差が小さい車両用空調装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るデフロスタダクトが適用される車両用空調装置の構成図である。
【図2】図1におけるA−A矢視図に相当するデフロスタダクトの構成図で、(a)は本発明、(b)は従来例である。
【図3】従来の車両用空調装置の一例を示す構成図である。
【図4】従来の車両用空調装置の他の例を示す構成図である。
【符号の説明】
1 車両用空調装置
7 エアミックス領域
8 デフロスタ用空気出口
14a 空調風
20 デフロスタダクト
21a,21b 中央部の吹出口
22a,22b 左右の吹出口
23 ダクト側エアミックス領域
Claims (3)
- 冷風と同冷風の一部を加熱した温風とをエアミックス領域で所望の割合で混合した空調風をデフロスタ用、フェイス用、フット用空気出口にそれぞれ導く構成であり、前記デフロスタ用空気出口から車両のフロントガラスの中央部及び左右両側に前記空調風を吹出す車両用空調装置のデフロスタダクトにおいて、前記デフロスタ用空気出口に接続する入口部に前記中央部及び左右両側に空調風を導く各ダクトが共通に連通するダクト側エアミックス領域を設けたことを特徴とする車両用空調装置のデフロスタダクト。
- 前記エアミックス領域での冷風と温風との混合はバタフライ形のドアでなされることを特徴とする請求項1記載の車両用空調装置のデフロスタダクト。
- 請求項1または2のいずれかに記載のデフロスタダクトを含んでなる車両用空調装置。
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