JP2004040369A - 歪み補償装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】信号を増幅する増幅器10で発生する歪みを補償する歪み補償装置で、上側周波数帯と下側周波数帯とでアンバランスな3次歪みを効果的に補償する。
【解決手段】信号レベル検出手段3が増幅対象となる信号のレベルを検出し、信号レベル変化方向検出手段7が当該信号のレベルの変化方向を検出する。信号レベル変化制御手段4〜8が信号レベルの変化方向が正である場合と負である場合について信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶し、検出される信号レベルの変化方向及び検出される信号レベルに対応した信号変化態様で信号変化手段9により信号の振幅や位相を変化させるように制御する。信号変化制御内容更新手段11〜13が増幅後の信号に含まれる歪みが低減されるように前記対応付けの内容を更新する。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する歪み補償装置に関し、特に、上側周波数帯と下側周波数帯とでアンバランスな3次歪みを効果的に補償する歪み補償装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、CDMA(Code Division Multiple Access)方式の信号やマルチキャリアの信号を増幅するために共通増幅器が用いられており、また、共通増幅器で発生する歪みを補償して、低消費電力化が図られている。
歪み補償を行う技術としては、例えばフィードフォワード形の歪み補償やプリディストーション形の歪み補償などがあるが、近年では、プリディストーション形において更なる低消費電力化を図ることが一つの目標となっている。
【0003】
図10には、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の構成例を示してある。
同図に示した増幅装置では、主増幅器32の前段にプリディストーション回路31が備えられており、当該プリディストーション回路31が、主増幅器32で発生する歪みと位相が180度異なり(つまり、逆位相であり)且つ振幅が同一である歪みを主信号に対して予め発生させて、当該歪みを発生させた主信号を主増幅器32へ出力する。そして、プリディストーション回路31で発生させた歪みと主増幅器32で発生する歪みとが打ち消されることにより、当該歪みが補償される。
【0004】
このような増幅装置では、例えば主増幅器32の後段に回路が付加されないため、損失がなく、高効率を実現することが可能である。しかしながら、このような増幅装置では、プリディストーション回路31で発生させる歪みと主増幅器32で発生する歪みとが、信号の入力変動や歪みの周波数特性に関して全体にわたって互いに一致することが必要となる。
【0005】
ここで、増幅器で増幅される信号が歪むことは、AM(Amplitude Modulation)−AM(Amplitude Modulation)変換やAM(Amplitude Modulation)−PM(Phase Modulation)変換が生じるためであると解されている。
図11(a)には、一般的な増幅器のAM−AM変換の一例を示してあり、横軸は増幅器の入力レベルを示しており、縦軸は増幅器のゲインを示している。同図(a)では、理想的なゲイン特性G1と、増幅器のゲイン特性G2と、プリディストーション回路のゲイン特性G3を示してあり、プリディストーション回路のゲイン特性G3と増幅器のゲイン特性G2とを総和した結果が理想的なゲイン特性G1となるように設定されることが必要となる。
【0006】
また、同図(b)には、一般的な増幅器のAM−PM変換の一例を示してあり、横軸は増幅器の入力レベルを示しており、縦軸は増幅器の出力位相を示している。同図(b)では、理想的な位相特性P1と、増幅器の位相特性P2と、プリディストーション回路の位相特性P3を示してあり、プリディストーション回路の位相特性P3と増幅器の位相特性P2とを総和した結果が理想的な位相特性P1となるように設定されることが必要となる。
【0007】
しかしながら、同図(a)、(b)に示されるようにAM−AM変換やAM−PM変換の特性は非常に複雑なものであるため、上記した理想的な特性を実現して歪みの無い増幅装置を実現するためには、プリディストーション回路の特性が複雑な関数型となってしまい、アナログ方式或いは計算により特性曲線の係数を求めることは現実的には非常に困難なことになってしまう。
【0008】
そこで、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置の他の構成例として、図12に示すような構成のものが検討等されている。
同図に示した増幅装置では、入力信号である例えば無線周波数(RF:Radio Frequency)帯の信号が分岐部41により分岐され、一方の分岐信号が遅延回路42を介して振幅/位相回路47へ出力され、他方の分岐信号が振幅検波器(包絡線検波器)43へ出力される。
【0009】
振幅検波器43では入力される他方の分岐信号の振幅レベル(包絡線レベル)が検出され、当該検出結果がA/D(Analog to Digital)変換器44によりアナログ信号からデジタル信号へ変換されてテーブル部45へ出力される。
テーブル部45では、振幅を補正するための振幅補正データ及び位相を補正するための位相補正データを振幅レベルと対応付けてメモリにテーブルとして記憶しており、当該テーブルが参照されて、A/D変換器44から入力される振幅レベルの検出結果に対応した振幅補正データ及び位相補正データが読み出されてD/A(Digital to Analog)変換部46へ出力される。D/A変換部46では、テーブル部45から入力される振幅補正データ及び位相補正データがデジタル信号からアナログ信号へ変換されて振幅/位相回路47へ出力される。
【0010】
分岐部41から遅延回路42へ出力される一方の分岐信号は、上記した振幅検波器43とA/D変換器44とテーブル部45とD/A変換部46から成る処理系により他方の分岐信号(当該一方の分岐信号に対応したもの)の振幅レベルに対応した振幅補正データの信号及び位相補正データの信号が振幅/位相回路47に入力されるタイミングと同期するように、遅延回路42により遅延させられる。
【0011】
このような遅延により、振幅/位相回路47に入力される一方の分岐信号は、当該振幅/位相回路47において、当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した振幅補正データに基づく振幅歪みを与えられるとともに、当該一方の分岐信号の振幅レベルに対応した位相補正データに基づく位相歪みを与えられる。ここで、一方の分岐信号に与えられる振幅歪みや位相歪みとしては、増幅器48で発生する振幅歪みや位相歪みを打ち消すことができるような歪みが発生させられる。つまり、上記図11(a)、(b)に示したように、主増幅器48の特性が入力レベルに応じてAM−AM変換やAM−PM変換を生じることに対応して、これらの逆特性を与えることができるような振幅補正データ及び位相補正データがテーブル部45に設定され、これにより、増幅装置の全体として理想的な無歪みとなることが実現される。
【0012】
すなわち、振幅/位相回路47から出力される信号は主増幅器48により増幅され、この際に、主増幅器48で発生する振幅歪み及び位相歪みが振幅/位相回路47で与えられた振幅歪み及び位相歪みにより打ち消され、主増幅器48からは歪みの無い増幅信号が分岐部49を介して出力される。
【0013】
また、分岐部49では、主増幅器48から入力される増幅信号の一部が分岐され、当該分岐信号が歪み検知部50へ出力される。
歪み検知部50では、分岐部49から入力される分岐信号に含まれる歪み補償後に残っている歪み成分が検出され、当該検出結果がテーブル更新回路51へ出力される。
【0014】
テーブル更新回路51では、歪み検知部50から入力される検出結果に基づいて、分岐部49により取得される分岐信号に含まれる歪み成分が例えば最小となるような振幅補正データ及び位相補正データを計算して当該計算結果をテーブル部45へ出力することにより、当該テーブル部45に記憶される振幅補正データ及び位相補正データを最良の値とするように書き換えることが行われる。このようなフィードバック系を用いて振幅補正データ及び位相補性データの更新処理を行うことにより、例えば温度変化や経年変化の影響にかかわらず有効に動作することが可能な増幅装置が実現される。
【0015】
図13には、例えば上記したテーブル部45に記憶される振幅補正データや位相補正データが最適な値となったときにおいて、当該テーブル部45から出力される振幅補正データや位相補正データの値(テーブル値)の一例を示してあり、横軸は入力信号であるRF信号の包絡線レベル(=遅延回路42からの出力レベル)を示しており、図中で上向きの縦軸はテーブル値を示しており、図中で下向きの縦軸は時刻を示している。
【0016】
つまり、同図において、横軸と下向きの縦軸とから成るグラフでは時刻とRF信号の包絡線レベルとの関係が示されており、横軸と上向きの縦軸とから成るグラフではRF信号の包絡線レベルとテーブル値との関係が示されている。そして、時刻に対するRF信号の包絡線レベルが同図に示されるように変化する場合に、各時刻において当該包絡線レベルに対応した同図に示されるようなテーブル値が読み出されてテーブル部45から出力される。
【0017】
しかしながら、増幅器の一般的な特徴として、発生する歪みが周波数依存性を有してしまうという問題がある。
図14には、説明しやすい様、周波数f1の主信号と周波数f2の主信号との2波を増幅器に入力した場合に、当該増幅器から出力される当該2波の主信号及び歪みの一例を示してあり、横軸は周波数を示しており、縦軸は信号の振幅レベルを示している。ここで、歪みとしては、相互変調(IM:Intermodulation)歪み等による成分を示してあり、周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みと周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みとを示してある。なお、本明細書では、f2>f1とする。
【0018】
同図に示されるように、2波の主信号の振幅レベルが同一である場合には、周波数(2・f1−f2)の下側3次歪みの振幅レベルAと周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みの振幅レベルBとの間にはΔIM(=B−A)の差が生じる。このようなΔIMの差が生じる場合には、例えば上記図10や上記図12に示したような増幅装置のプリディストーション回路が理想的に動作するとしても、全周波数に対して同じ歪み補償処理が行われることから、当該差の成分については補償することができずに歪み補償後の信号中に残ってしまうといった問題がある。
【0019】
なお、このようなΔIMの差は、増幅器で通常発生する歪みの要因以外の要因により生じるものであり、例えば増幅器で発生する通常の3次歪みの成分については下側の周波数(2・f1−f2)と上側の周波数(2・f2−f1)とで歪みの振幅レベルは同一となる。
【0020】
通常の歪み成分である3次歪み成分の特性とプリディストーション回路の特性とが逆特性であって、完全に補償できたとしても図14に示したようにΔIM分は補償できない。一例として、A=1.0であり、B=0.8であり、ΔIM=2dB=0.2である場合には、通常の歪み成分以外の歪み成分は0.1となり、通常の歪み成分は{B+(A−B)/2}=0.9となる。そして、通常の歪み成分以外の歪み成分が歪み補償後に残ることになるため、歪み補償量は|20Log(0.1/0.9)|=19dBにしかならない。また、ΔIMの大きさが大きい場合には、更に歪み補償量は悪くなる。
【0021】
なお、上記したΔIMの差が生じる要因としては、種々考えられ、例えば主増幅器を構成するトランジスタで発生する偶数次の歪みにより差周波数(f2−f1)の歪みが発生し、再びトランジスタの歪みにより周波数f1及び周波数f2の入力信号が変調されるといった要因が考えられ、これは、ABクラスの増幅器のようにドレイン電流の変動が大きい場合には顕著である。また、他の要因として、例えば周波数(2・f1)や周波数(2・f2)のように2倍波の出力成分の周波数と(f2)分や(f1)分とが混合された場合などについても同様である。
【0022】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例で示したように、例えば従来のプリディストーション形歪み補償機能付き増幅装置では、増幅器で発生する上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランス差があるために、上側3次歪み及び下側3次歪みを精度よく補償することができないといった不具合があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたもので、例えば2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に発生する上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスを改善することを可能とする歪み補償装置を提供することを目的とする。
【0023】
なお、このような不具合に対して、本出願人は、特願2001−133496号の「歪み改善回路」を提案しており、これについて簡単に説明する。
この提案では、例えば、2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に発生する上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスを改善するために、当該信号に対して差周波数(ビート周波数)で位相変調(PM:Phase Modulation)を施すことが行われる。また、位相変調の代わりに、振幅変調(AM:Amplitude Modulation)を施すことも可能であり、また、位相変調と振幅変調との両方を施すことも可能である。
【0024】
参考として、図15には、上記図12に示したような歪み補償回路に位相変調器又は振幅変調器又はこれら両方を追加した増幅装置の構成例を示してあり、この増幅装置には、分岐部61と、遅延回路62と、包絡線検波器(振幅検波器)63と、A/D変換器64と、テーブル部65と、D/A変換部66と、振幅/位相回路67と、2乗検波器68と、レベル調整器69と、変調部70と、主増幅器71と、分岐部72と、歪み検知部73と、テーブル更新回路74とが備えられている。ここで、変調部70は、位相変調器又は振幅変調器又はこれら両方から構成される。また、本例では、周波数f1の信号と周波数f2の信号が入力されるとする。
【0025】
分岐部61と遅延回路62と包絡線検波器63とA/D変換器64とテーブル部65とD/A変換部66と振幅/位相回路67と主増幅器71と分岐部72と歪み検知部73とテーブル更新回路74は、上記図12に示したものと同様な構成により同様な動作を行う。ここで、本例では、分岐部61により分岐した信号を包絡線検波器63と共に2乗検波器68へ出力し、振幅/位相回路67により歪みを発生させた信号を変調部70へ出力し、変調部70により変調した信号を主増幅器71へ出力する。
【0026】
2乗検波器68は、分岐部61から入力される信号を2乗検波し、これにより得られる周波数Δf=(f2−f1)の信号成分(Δf成分)をレベル調整器69へ出力する。
レベル調整器69は、例えば増幅器から構成されており、2乗検波器68から入力されるΔf成分を増幅して変調部70へ変調信号として出力する。なお、レベル変調器69は、例えば減衰器から構成されてもよく、この場合には、2乗検波器68から入力されるΔf成分を減衰させて変調部70へ変調信号として出力する。
【0027】
変調部70は、レベル調整器69から入力されるΔf成分を変調信号(制御信号)として、振幅/位相回路67から入力される信号に対して当該Δf成分に基づく位相変調又は振幅変調又はこれら両方を施し、当該変調後の信号を主増幅器71へ出力する。
【0028】
この構成では、振幅/位相回路67により信号に発生させる周波数(2・f1−f2)の下側3次歪み及び周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みと、変調部70により信号に発生させる周波数(2・f1−f2)の下側側帯波及び周波数(2・f2−f1)の上側側帯波とを総和したものが、主増幅器71で発生する周波数(2・f1−f2)の下側3次歪み及び周波数(2・f2−f1)の上側3次歪みに対して位相が180度異なり且つ振幅が同一となるようにすることで、主増幅器71で発生する歪みを補償する。
【0029】
ここで、現状では、上記図15に示したような増幅装置において、位相変調器又は振幅変調器又はこれら両方の変調レベル及び位相を決めるレベル調整器69の変調レベル及び位相を各入力状況に応じて決定することは容易ではなく、このため、例えば入力が増加した場合に出力も増加させるような1次傾斜を用いた程度の簡易な方法でレベル調整を行っており、このような現状では、IMのアンバランスを完全に解消することは困難である。また、同図に示したような増幅装置では、同様な機能を有する振幅/位相回路67と変調部70が縦列方向に連続して備えられており、これら2つの同様な機能をまとめると更に好ましいと考えられる。
後述する本発明では、このような点についても、改善することが図られる。
【0030】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る歪み補償装置では、次のようにして、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、信号変化制御手段が、信号レベルの変化方向が正方向である場合における信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶するとともに、信号レベルの変化方向が負方向である場合における信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶する。
【0031】
そして、信号レベル検出手段が増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出し、信号レベル変化方向検出手段が増幅器による増幅対象となる信号のレベルの変化方向が正方向であること或いは負方向であることを検出し、信号変化制御手段が、上記した2つの対応付けの記憶内容に基づいて、信号レベル変化方向検出手段により検出される信号レベルの変化方向及び信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した信号変化態様で増幅器による増幅対象となる信号を変化させるように信号変化手段を制御し、信号変化手段が増幅器による増幅対象となる信号の振幅と位相との一方又は両方を変化させる。
【0032】
なお、増幅器による増幅対象となる信号としては例えばマルチキャリア信号のように複数の周波数成分から構成される信号が用いられ、増幅器では増幅対象となる信号に対して上側周波数帯と下側周波数帯とで非対称な歪みが発生する。
【0033】
従って、例えば従来のように信号レベルの変化方向が正方向であるか或いは負方向であるかにかかわらずに同一な信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けに基づいて歪み補償が行われるような場合と比べて、信号レベルの変化方向が正方向である場合と負方向である場合とで信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を異ならせることが可能であるため、例えば2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスが発生するようなときに、歪み補償の精度をよくすることができる。
【0034】
また、信号変化手段により処理する信号のタイミングと信号変化制御手段により当該信号のレベルに基づいて信号変化手段を制御するタイミングとの同期を厳密にとらなくても、歪み補償の精度をよくすることができる。
【0035】
ここで、増幅器による増幅対象となる信号としては、種々な信号が用いられてもよい。
また、増幅器による増幅対象となる信号の周波数としては種々な周波数が用いられてもよく、当該信号を構成する周波数成分の数としては種々な数が用いられてもよい。
【0036】
また、増幅器としては、種々な増幅器が用いられてもよく、例えば1つの増幅素子から構成されてもよく、或いは、複数の増幅素子を組み合わせて構成されてもよい。一例として、増幅器として、複数の周波数の信号をまとめて増幅することが可能な共通増幅器が用いられる。
また、増幅器で発生する歪みを補償する精度としては、例えば実用上で有効であれば、種々な精度が用いられてもよい。
【0037】
また、信号変化手段では、信号の振幅のみを変化させてもよく、信号の位相のみを変化させてもよく、或いは、信号の振幅と位相との両方を変化させてもよい。例えば、信号の振幅を変化させる手段としては信号を減衰させる可変減衰器や信号を増幅する可変増幅器を用いることができ、信号の位相を変化させる手段としては信号の位相を変化させる可変位相器を用いることができる。
【0038】
また、信号変化手段により信号の振幅と位相を変化させるようにすると、信号の振幅や位相を変化させるベクトル調整の処理が実現される。
また、信号レベル検出手段により検出するレベルとしては、種々なレベルが用いられてもよく、例えば振幅のレベルや電力のレベルなどを用いることができる。
【0039】
また、増幅器による増幅対象となる信号のレベルの変化方向が正方向であるとは、当該信号のレベルが例えば時間の経過に従って増加することに相当し、一方、増幅器による増幅対象となる信号のレベルの変化方向が負方向であるとは、当該信号のレベルが例えば時間の経過に従って減少することに相当する。
【0040】
また、信号変化制御手段は、信号レベルの変化方向が正方向である場合と負方向である場合とのそれぞれについて、信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶する。
また、これら2つの対応付けを記憶する手段としては、例えばメモリを用いて構成することができる。この場合、これら2つの対応付けは、例えば同一のメモリの異なる記憶領域に記憶されてもよく、或いは、異なるメモリに記憶されてもよい。
【0041】
また、これらの対応付けの内容としては、種々な内容が用いられてもよい。例えば、信号レベルとしては種々な信号レベルが用いられてもよく、また、歪み補償のための信号変化態様としては種々な態様が用いられてもよい。
また、信号変化態様としては、例えば、信号の減衰量や信号の増幅量のように信号の振幅を変化させる量や、信号の位相を変化させる量や、これら両方を用いることができる。
【0042】
また、本発明に係る歪み補償装置では、好ましい構成例として、次のようにして、信号レベル変化制御手段により記憶される対応付けの内容をフィードバック制御する。
すなわち、信号変化制御内容更新手段が、増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みが低減されるように、信号レベル変化制御手段により記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新する。
【0043】
従って、信号レベル変化制御手段により記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新することにより、増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みを低減することができ、歪み補償の精度を高く保持することができる。
【0044】
ここで、増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みを低減する程度としては、例えば実用上で有効であれば、種々な程度が用いられてもよい。
また、信号レベル変化制御手段により記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新する態様としては、信号レベルの変化方向が正方向である場合における対応付けの内容が更新されてもよく、信号レベルの変化方向が負方向である場合における対応付けの内容が更新されてもよく、これら両方の対応付けの内容が更新されてもよい。
【0045】
また、本発明に係る歪み補償装置では、次のようにして、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する。
すなわち、信号レベル変化制御手段が信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶する。
そして、信号レベル検出手段が増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出し、信号レベル変化制御手段が、上記した対応付けの記憶内容に基づいて、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した信号変化態様で増幅器による増幅対象となる信号を変化させるように信号変化手段を制御し、信号変化手段が増幅器による増幅対象となる信号の振幅と位相との一方又は両方を変化させる。
【0046】
また、信号変化制御内容更新手段が、増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みが低減されるように、信号レベル変化制御手段により記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新する。
また、このような構成において、信号変化手段により処理される信号のタイミングと信号変化制御手段により当該信号のレベルに基づいて信号変化手段を制御するタイミングとを同一時間にしない非同期とした。
【0047】
なお、例えば、増幅器による増幅対象となる信号は複数の周波数成分から構成される信号であり、増幅器では増幅対象となる信号に対して上側周波数帯と下側周波数帯とで非対称な歪みが発生する。
【0048】
従って、例えば従来のように厳密に同期をとると上側周波数帯と下側周波数帯とでアンバランスな歪みに起因して信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容が精度の悪いものへずれてしまうのに対して、厳密な同期を外すことにより、精度の良い方向、すなわち歪み補償が良くなる方向とすることが可能である。このため、例えば2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスが発生するようなときに、上記した対応付けの内容を当該アンバランスに対応したものとすることができ、歪み補償の精度をよくすることができる。
【0049】
ここで、信号変化手段により処理する信号のタイミングと信号変化制御手段により当該信号のレベルに基づいて信号変化手段を制御するタイミングとを非同期とすることは、例えば、或る信号成分を信号変化手段により処理する場合には当該或る信号成分のレベルに対応した信号変化態様で信号変化手段を制御するといった時間をずらすことに相当する。
また、非同期とする態様としては、種々な態様が用いられてもよく、例えば、特に同期をとらないような態様が用いられ、同期からのずれの大きさとしては種々な大きさが用いられてもよい。
【0050】
また、以上に示したような本発明に係る歪み補償装置は、例えば移動通信システムの基地局装置や中継増幅局装置などに適用することができる。
一例として、本発明に係る基地局装置などでは、以上に示したような歪み補償装置を備え、送信対象となる信号を増幅する増幅器で発生する歪みを当該歪み補償装置により補償する。
【0051】
ここで、送信対象となる信号としては、種々な信号が用いられてもよく、例えば基地局装置の通信相手となる移動局装置などに対する信号が用いられる。
また、移動通信システムとしては、例えば携帯電話システムや簡易型携帯電話システム(PHS:Personal Handy phone System)などの種々なシステムが用いられてもよい。
また、通信方式としては、例えばCDMA方式やTDMA(Time Division Multiple Access)方式やFDMA(Frequency Division Multiple Access)方式などの種々な方式が用いられてもよい。
【0052】
【発明の実施の形態】
本発明に係る実施例を図面を参照して説明する。
まず、第1実施例を説明する。
図1には、本発明に係る歪み補償装置を備えた増幅装置の一例として、プリディストーション方式を採用した歪み補償回路を備えた増幅装置(プリディストーション方式歪み補償増幅装置)の構成例を示してある。本例の増幅装置は、移動通信システムの基地局装置に設けられており、移動局装置に対して送信する対象となるマルチキャリアの信号を増幅し、これに際して、増幅器で発生するIMアンバランス成分を含む歪みを補償する。
【0053】
本例の増幅装置には、分岐部1と、遅延回路2と、振幅検波器3と、A/D変換器4と、正傾斜用テーブル部5と、負傾斜用テーブル部6と、2つのスイッチSW1、SW2と、テーブル切替回路7と、D/A変換器8と、振幅/位相回路9と、主増幅器10と、分岐部11と、歪み検知部12と、テーブル更新回路13とが備えられている。
【0054】
ここで、分岐部1と、遅延回路2と、A/D変換器4と、D/A変換部8と、振幅/位相回路9と、主増幅器10と、分岐部11と、歪み検知部12の構成や動作については、例えば上記図12に示した増幅装置に備えられたものと同様であり、詳しい説明は省略する。
【0055】
振幅検波器3は、分岐部1から入力される分岐信号の振幅レベル(包絡線レベル)を検出し、当該検出結果をA/D変換器4及びテーブル切替回路7へ出力する。
正傾斜用テーブル部5は、振幅検波器3からの出力が正の傾きである場合に対応して、振幅を補正するための振幅補正データ及び位相を補正するための位相補正データを振幅レベルと対応付けてメモリにテーブル(正傾斜用テーブル)として記憶している。また、正傾斜用テーブル部5では、当該テーブルが参照されて、A/D変換器4から入力される振幅レベルの検出結果に対応した振幅補正データ及び位相補正データが読み出されてD/A変換部8へ出力される。
【0056】
負傾斜用テーブル部6は、振幅検波器3からの出力が負の傾きである場合に対応して、振幅を補正するための振幅補正データ及び位相を補正するための位相補正データを振幅レベルと対応付けてメモリにテーブル(負傾斜用テーブル)として記憶している。また、負傾斜用テーブル部6では、当該テーブルが参照されて、A/D変換器4から入力される振幅レベルの検出結果に対応した振幅補正データ及び位相補正データが読み出されてD/A変換部8へ出力される。
【0057】
なお、振幅検波器3からの出力が正の傾きである場合は、当該出力レベルの変化方向が正方向である場合に相当し、一方、振幅検波器3からの出力が負の傾きである場合は、当該出力レベルの変化方向が負方向である場合に相当する。
【0058】
スイッチSW1は、A/D変換器4と2つのテーブル部5、6との間に備えられており、A/D変換器4からの出力の入力先を正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6とで切り替える機能を有している。
スイッチSW2は、2つのテーブル部5、6とD/A変換部8との間に備えられており、D/A変換部8に対して出力を行うテーブル部を正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6とで切り替える機能を有している。
【0059】
テーブル切替回路7は、振幅検波器3から入力される振幅レベルの傾きの方向を検出する機能を有しており、当該傾きが正方向であることを検出した場合には2つのスイッチSW1を正傾斜用テーブル部5の方へ切り替えて当該正傾斜用テーブル部5をA/D変換器4とD/A変換部8に接続する一方、当該傾きが負方向であることを検出した場合には2つのスイッチSW1を負傾斜用テーブル部6の方へ切り替えて当該負傾斜用テーブル部6をA/D変換器4とD/A変換部8に接続する。
【0060】
テーブル更新回路13は、歪み検知部12から入力される検出結果に基づいて、分岐部11により取得される分岐信号に含まれる歪み成分が例えば最小となるような振幅補正データ及び位相補正データを正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6との両方について計算して、当該計算結果をそれぞれのテーブル部5、6へ出力することにより、これら2つのテーブル部5、6に記憶される振幅補正データ及び位相補正データを最良の値とするように書き換えることが行われる。
【0061】
このように、本例の増幅装置では、振幅検波器3からの出力が正の傾きである場合と負の傾きである場合とでテーブル部を異ならせることとして、2つのテーブル部5、6を備えている。また、これら2つのテーブル部5、6を切り替えるために2つのスイッチSW1、SW2とテーブル切替回路7を備えている。そして、振幅検波器3からの出力が正の傾きである場合にはテーブル切替回路7により正傾斜用テーブル部5を使用するようにスイッチSW1、SW2を切り替える一方、振幅検波器3からの出力が負の傾きである場合にはテーブル切替回路7により負傾斜用テーブル部6を使用するようにスイッチSW1、SW2を切り替える。また、テーブル更新回路13は、2つのテーブル部5、6に対してテーブル更新処理を行う。
【0062】
ここで、テーブル切替回路7の構成例を示す。
図2には、テーブル切替回路7の構成例を示してある。なお、同図には、スイッチSW1、SW2を用いない場合の構成例を示してある。
同図に示したテーブル切替回路7には、遅延回路21と、比較器(コンパレータ)22と、否定回路23とが備えられている。
同図に示したテーブル切替回路7では、振幅検波器3から入力される振幅情報の信号が2つに分けられ、一方の信号はそのまま比較器22へ入力され、他方の信号は遅延回路21を経由して遅延させられて比較器22へ入力される。
【0063】
また、比較器22では、遅延回路21を経由した入力信号に基づく振幅値と遅延回路21を経由していない入力信号に基づく振幅値との大小が比較され、つまり、過去の振幅値と現在の振幅値との大小が比較され、当該比較結果を表す信号が正傾斜用テーブル部5及び否定回路23へ出力される。ここで、当該比較結果を表す信号としては例えば振幅値の時間的な変化方向が正方向であるか或いは負方向であるかを“1”値及び“0”値により表すような信号が用いられ、否定回路23では入力される“1”値と“0”値とを反転して負傾斜用テーブル部6へ出力する。
【0064】
また、同図の例では、正傾斜用テーブル部5及び負傾斜用テーブル部6は共にA/D変換器4の出力端とD/A変換部8の入力端に接続されている。そして、正傾斜用テーブル部5及び負傾斜用テーブル部6では、予め設定された“1”値或いは“0”値のいずれか一方の値が入力された場合にはA/D変換器4からの入力に基づく補正データ値をD/A変換部8へ出力する一方、他方の値が入力された場合には補正データ値の出力を行わない。具体的には、例えば、“1”値により正方向を示し、“0”値により負方向を示し、正傾斜用テーブル部5及び負傾斜用テーブル部6では“1”値が入力された場合に補正データ値を出力するような構成とすることができる。
【0065】
このような構成では、テーブル切替回路7の比較器22からの出力を“1”値と“0”値とで切り替えることにより、正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6とのいずれかを選択して補正データ値を出力させることができる。
なお、上記図1に示した構成に適用する場合には、例えば比較器22からの出力を用いて2つのスイッチSW1、SW2を切替制御することにより、正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6とを切り替えることができる。
【0066】
次に、本例の増幅装置により行われる歪み補償を具体的に説明する。
図3(a)には、2波の単一正弦波から構成される信号が本例のような増幅装置に入力された場合における、入力信号の振幅値(包絡線振幅値)Q1の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸は入力信号の振幅値を示している。
【0067】
また、図3(b)には、図3(a)に対応して、例えば上記図12に示される従来の増幅装置のように1つのテーブル部45のみを備えた場合における、テーブル部45に記憶されるテーブル値P1の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸はテーブル値を示している。このテーブル値は、図3(a)に示した入力信号の振幅値が振幅検波器43により検出された場合に当該振幅値がA/D変換器44を介してテーブル部45に入力されて当該テーブル部45において読み出される補正データ値である。
【0068】
図3(b)に示されるように、従来のテーブル部45では、入力信号の振幅値が同一である時刻t1、t2、t3、t4におけるテーブル値は“・”印で示されるように同一の一定値となる。このようなテーブル値では、例えば上側周波数帯と下側周波数帯とでIMのアンバランスが生じなければ完璧な歪み補償を実現し得るが、増幅器でこのようなIMのアンバランスが生じるような場合には当該テーブル値だけでは完璧な歪み補償を行うことができない。
【0069】
図4(a)には、2波の単一正弦波から構成される信号が本例の増幅装置に入力された場合におけるテーブル値の時間的な変化の一例として、上記図3(b)に示したのと同様なテーブル値である正傾斜用テーブル部5のテーブル値P1を示してあるとともに、そのテーブル値からずれた負傾斜用テーブル部6のテーブル値の2つの例P2、P3を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸はテーブル値を示している。
【0070】
図4(a)の例において、振幅検波器3からの出力が負の傾きであるときに“×”印で示されるようなテーブル値(補正データ値)P2や或いは“△”印で示されるようなテーブル値(補正データ値)P3が負傾斜用テーブル部6のテーブル値として書き込まれるということは、IMのアンバランスが無い場合に完全な歪み補償が実現され得る“・”印で示されるようなテーブル値(補正データ値)P1を基準とすると、図4(b)に示されるような変動値が負傾斜用テーブル部6のテーブル値として書き込まれていることに相当する。
【0071】
図4(b)には、図4(a)に示した負傾斜用テーブル部6のテーブル値P2、P3と基準となるテーブル値P1との差(変動値)R1、R2の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸は変動値を示している。
このような変動分については、例えば位相変調又は振幅変調又はこれら両方を行うことによりIMのアンバランスを解消することができる可能性がある。ここで、可能性があるという意味は、IMのアンバランスを生じる歪みの位相状態が図4(b)に示される変動値の位相状態と一致していることが条件となるという意味である。
【0072】
図5(a)には、2波の単一正弦波から構成される信号が本例の増幅装置に入力された場合におけるテーブル値の時間的な変化の一例として、上記図3(b)に示したのと同様なテーブル値である負傾斜用テーブル部6のテーブル値P1を示してあるとともに、そのテーブル値からずれた正傾斜用テーブル部5のテーブル値の2つの例P4、P5を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸はテーブル値を示している。
【0073】
図5(a)の例において、振幅検波器3からの出力が正の傾きであるときに“×”印で示されるようなテーブル値(補正データ値)P4や或いは“△”印で示されるようなテーブル値(補正データ値)P5が正負斜用テーブル部5のテーブル値として書き込まれるということは、IMのアンバランスが無い場合に完全な歪み補償が実現され得る“・”印で示されるようなテーブル値(補正データ値)P1を基準とすると、図5(b)に示されるような変動値が正傾斜用テーブル部5のテーブル値として書き込まれていることに相当する。
【0074】
図5(b)には、図5(a)に示した正傾斜用テーブル部5のテーブル値P4、P5と基準となるテーブル値P1との差(変動値)R3、R4の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸は変動値を示している。
このような変動分については、例えば位相変調又は振幅変調又はこれら両方を行うことによりIMのアンバランスを解消することができる可能性がある。ここで、可能性があるという意味は、IMのアンバランスを生じる歪みの位相状態が図5(b)に示される変動値の位相状態と一致していることが条件となるという意味である。
【0075】
図6(a)には、上記図4(a)に示したのと同様な負傾斜用テーブル部6のテーブル値P2、P3(それぞれ、“×”印、“○”印で示してある)を書き込むとともに上記図5(a)に示したような正傾斜用テーブル部5のテーブル値P4、P5(それぞれ、“×”印、“○”印で示してある)を書き込んだ場合におけるテーブル値の一例、及び基準となるテーブル値P1を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸はテーブル値を示している。
【0076】
また、図6(b)には、図6(a)に示した負傾斜用テーブル部6のテーブル値の一方P3と正傾斜用テーブル部5のテーブル値の一方P4を用いた場合におけるテーブル値と基準となるテーブル値P1との差(変動値)R5の時間的な変化の一例を示してあるとともに、負傾斜用テーブル部6のテーブル値の他方P2と正傾斜用テーブル部5のテーブル値の他方P5を用いた場合におけるテーブル値と基準となるテーブル値P1との差(変動値)R6の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸は変動値を示している。
【0077】
このように入力信号の振幅値の正/負の傾きに対応して正傾斜用/負傾斜用のテーブル部5、6にテーブル値を書き込んで、例えば一方の変動分R5を使用することにより、入力信号に対して振幅/位相回路9によりビート成分(ビート周波数)で変調を行うことができる。また、変調を行うために使用する変動分の位相を反転することが必要な場合には、他方の変動分R6を使用することにより、入力信号に対して振幅/位相回路9によりビート成分(ビート周波数)で変調を行うことができる。
【0078】
更に、図7(a)、(b)に示されるように、負傾斜用テーブル部6のテーブル値や正傾斜用テーブル部5のテーブル値として種々な関数に対応したテーブル値を書き込むこともでき、これにより、任意の位相のビート成分で入力信号の変調を行うことが可能となる。
【0079】
ここで、図7(a)には、負傾斜用テーブル部6のテーブル値及び正傾斜用テーブル部5のテーブル値を構成するテーブル値の2つの例P11、P12をそれぞれ“×”印、“○”印で示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸はテーブル値を示している。
【0080】
また、図7(b)には、図7(a)に示した一方のテーブル値P11を用いた場合における当該テーブル値P11と基準となるテーブル値P1との差(変動値)R11の時間的な変化の一例を示してあるとともに、他方のテーブル値P12を用いた場合における当該テーブル値P12と基準となるテーブル値P1との差(変動値)R12の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸は変動値を示している。
【0081】
ここで、上記図3(a)に示した振幅値Q1は増幅対象として入力される無線周波数(RF)帯の信号の包絡線の振幅値であり、この包絡線の周波数成分がIM成分の周波数成分に相当する。また、ビート成分とはこのような包絡線の周波数成分と同じ周波数成分であり、ビート成分による変調としてはこのような包絡線の周波数成分と同じ周波数成分により位相変調又は振幅変調又はこれら両方が行われる。本例では、このような位相変調又は振幅変調又はこれら両方に相当する処理が振幅/位相回路9による振幅変化処理や位相変化処理により実現される。
【0082】
また、増幅器でIMのアンバランスが生じる原因の一つとして2倍波の反射があり、2倍波の反射状態により当該2倍波の影響によるIMの位相が変わることがある。なお、この詳細については説明を省略するが、例えば本出願人による特願2001−175647号の「歪み改善回路」に記載してある。このような2倍波の反射があることから、ビート成分による位相変調又は振幅変調又はこれら両方を行う場合に、例えば変調波(ビート成分)の位相を容易に変えることができることが必要となる。
【0083】
この点に関して、例えば上記図7(a)に示したようなテーブル値P11、P12を用いた方法では、歪み補償を行っていくことでフィードバック制御により、IMのアンバランス分を補償するために適したテーブル値が自動的に正傾斜用テーブル部5や負傾斜用テーブル部6に書き込まれていく。このため、このような方法は、自動的に変調波(ビート成分)の位相を任意に変えていくことができて、非常に優れた方法である。上記図7(a)に示したようなテーブル値P11、P12を用いると、上記図4(a)や上記図5(a)や上記図6(a)に示したようなテーブル値を全て実現することができ、これらと比べて更に細かいテーブル値を実現することができる。
【0084】
本例の増幅装置では、分岐部11や歪み検知部12やテーブル更新回路13から構成されるフィードバック系により、例えば主増幅器10で発生する歪み(すなわち、主増幅器10自身の理想歪みとIMアンバランス歪みとの合計分)が最小となるように制御して正傾斜用テーブル部5のテーブル値及び負傾斜用テーブル部6のテーブル値を書き込む。主増幅器10で発生する歪みは例えば主増幅器10の種類などにより異なるが、本例のようなフィードバック制御を行うことにより、主増幅器10における歪み発生の状態に応じて最適なテーブル値を書き込むことができる。
【0085】
このように、本例の増幅装置では、主増幅器10におけるIMアンバランス歪みの発生状態がどのような状態においても、当該状態に対応して、正傾斜用テーブル部5のテーブル値と負傾斜用テーブル部6のテーブル値を細かく設定することができ、振幅/位相回路9により入力信号の振幅や位相を変化させる態様を適切な態様とすることができる。
【0086】
具体的には、本例の増幅装置では、主増幅器10から出力される信号に含まれる歪みが最小となるようにテーブル更新回路13により正傾斜用テーブル部5のテーブル値や負傾斜用テーブル部6のテーブル値を更新していく。これにより、例えば、上記図6(a)に示した2つのテーブル値P4、P5のいずれかや或いは上記図7(a)に示した2つのテーブル値P11、P12のいずれかや或いはこれらに類似するようなテーブル値が自動的に設定される。
【0087】
なお、例えば位相変調及び振幅変調を位相変調用のテーブル値と振幅変調用のテーブル値により制御する構成では、これらそれぞれのテーブル値がそれぞれ最適なテーブル値となる。このため、例えば位相変調用のテーブル値は変動分の多い値となる一方で振幅変調用のデーブル値は殆ど変動分の無い値となることや、或いは、この逆となることも生じ得る。
【0088】
次に、本例の増幅装置における同期について説明する。
図8(a)には、2波の単一正弦波から構成される信号が本例の増幅装置に入力された場合における、正傾斜用テーブル部5や負傾斜用テーブル部6でテーブル値が読み出される番地(例えば、アドレス値)T1の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸はテーブル部5、6の番地を示している。図8(a)の例では、正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6とのそれぞれにおいて、4つの時刻t1、t2、t3、t4で同一の番地Aに記憶されているテーブル値が読み出される。
【0089】
また、図8(b)には、図8(a)に対応して、振幅/位相回路9に入力される信号の包絡線の時間的な変化の一例として、基準となる包絡線W1の時間的な変化の一例を示してあるとともに、当該包絡線W1と比べて時間的に前後にずれた2つの包絡線W2、W3の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸は包絡線のレベルを示している。
【0090】
また、図8(c)には、図8(b)に対応して、例えば上記図12に示したような従来の増幅装置において用いられるテーブル部45のテーブル値V1の時間的な変化の一例を示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸はテーブル値を示している。
【0091】
本例の増幅装置や上記図12に示した増幅装置では、分岐部1、41から遅延回路2、42を経由して振幅/位相回路9、47に入力される信号(経路1の信号)と、分岐部1、41から振幅検波器3、43やA/D変換器4、44やテーブル部5、6、45やD/A変換部8、46を経由して振幅/位相回路9、47に入力される振幅/位相補正用の信号(経路2の信号)とは、本来の理想的には、時間が同一であることが必要である。このことを同期という。
【0092】
そして、経路1の信号と経路2の信号との同期がとれているときには、上記図12に示した増幅装置では、振幅/位相回路47に入力される信号の包絡線は図8(b)中の包絡線W1のようになり、テーブル部45から出力されるテーブル値(補正データ値)は図8(c)中のテーブル値V1のようになる。具体的には、テーブル値V1としては、例えば時刻がt1、t2、t3、t4であるときには“・”印で示されるデータ値が出力される。
【0093】
しかしながら、上記図12に示した増幅装置の歪み補償方式では、例えば経路1の信号と経路2の信号との処理時間の同期がとれていなくて、振幅/位相回路47への入力信号が図8(b)中に示したような時間的にずれた包絡線W2、W3であるような場合であっても、時刻t1、t2、t3、t4で同一のテーブル値(補正データ値)を記憶することしかできない。このため、上記図12に示した増幅装置の歪み補償方式では、図8(c)に示されるように、“×”印や“○”印で示されるような正規な補正データ値(正常な補正データ値)V2、V3を記憶することができずに、その代わりに、このような正規な補正データ値V2、V3が平均化されて“・”印で示されるような補正データ値V1がテーブル部45のテーブル値として記憶される。
【0094】
これに対して、本例の増幅装置では、正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6とが分けて備えられているため、図8(d)に示されるように、例えば“×”印や“○”印で示されるような正規な補正データ値V2、V3をテーブル部5、6のテーブル値として格納することができる。このことは、例えば従来では経路1の信号と経路2の信号との同期化を厳密に行わなければなかったが、本例の増幅装置では正傾斜用テーブル部5と負傾斜用テーブル部6を設けることにより厳密な同期管理を行わなくても実用上で有効な程度で精度のよい歪み補償が実現されることを示す。
【0095】
以上のように、本例の増幅装置では、入力信号の包絡線に対して振幅補正や位相補正を行って増幅器の歪み補償を行う方式において、入力信号の振幅値(包絡線の振幅値)の傾きが正であるか或いは負であるかを識別し、当該識別結果に基づいて正の傾き用に設けられたテーブル部5と負の傾き用に設けられたテーブル部6に記憶された振幅補正値や位相補正値を用いて歪み補償することが行われる。なお、振幅補正や位相補正としては、いずれか一方のみが行われてもよく、両方が行われてもよい。
【0096】
従って、本例の増幅装置では、例えば入力信号の変動範囲にわたって、IMアンバランスが生じる主増幅器10の歪み補償を効果的に行うことができ、主増幅器10で発生する3次歪みの上側周波数帯と下側周波数帯とのアンバランスを改善することができる。また、本例の増幅装置では、振幅/位相回路9により補正する対象となる入力信号と当該補正を制御するためのD/A変換部8からの補正値との同期化が厳密になされなくとも、実用上で有効な程度で精度のよい歪み補償を実現することができる。
【0097】
このように、本例の増幅装置では、入力信号の包絡線の振幅値が正の傾斜である場合と負の傾斜である場合とに対して別々の補正用テーブルを用意することにより、主増幅器10にIMアンバランスがあるような場合においても、このようなIMアンバランスによる影響を効果的に解消することができる。また、本例の増幅装置では、例えばテーブルは容易に集積化することが可能であることから、低コスト化が可能である。
【0098】
なお、本例では、振幅検波器3や遅延回路2や振幅/位相回路9が無線周波数(RF)帯の信号を入力して当該入力信号を無線周波数(RF)帯の領域で処理する構成としたが、入力信号の周波数帯や信号処理に用いられる周波数帯としては種々な周波数帯が用いられてもよい。具体的には、例えばベースバンド帯の信号を入力してベースバンド帯の領域において入力信号の振幅(包絡線)を推定するような構成とすることもでき、また、例えばデジタル処理で遅延を行うような構成とすることもできる。また、振幅/位相回路9は、例えば中間周波数(IF:Intermediate Frequency)領域においても動作可能であり、また、デジタル信号領域においても動作可能である。
【0099】
ここで、本例の増幅装置では、主増幅器10で発生する歪みを補償する歪み補償装置の機能が備えられている。
具体的には、振幅/位相回路9の機能により信号変化手段が構成されており、振幅検波器3の機能により信号レベル検出手段が構成されており、振幅検波器3の機能やテーブル切替回路7が信号の振幅の傾きが正であるか或いは負であるかを検出する機能により信号レベル変化方向検出手段が構成されている。また、A/D変換器4の機能や、正傾斜用テーブル部5が正傾斜用のテーブル値を記憶する機能や、負傾斜用テーブル部6が負傾斜用のテーブル値を記憶する機能や、テーブル切替回路7及び2つのスイッチSW1、SW2がこれら2つのテーブル部5、6を切り替える機能や、D/A変換部8の機能により、信号変化制御手段が構成されている。また、分岐部11の機能や、歪み検知部12の機能や、テーブル更新回路13の機能により、信号変化制御内容更新手段が構成されている。
【0100】
次に、第2実施例を説明する。
本例の増幅装置は、例えば上記図12に示した増幅装置とほぼ同様な構成を有しており、本発明に係る歪み補償装置の一例を備えている。なお、本例では、説明の便宜上から、上記図12に示したのと同じ符号41〜51を用いて本例の増幅装置を説明する。
【0101】
本例の歪み補償装置は、次のようにして、信号を増幅する主増幅器48で発生する歪みを補償する。
すなわち、テーブル部45が信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶し、振幅検波器43が主増幅器48による増幅対象となる信号のレベルを検出する。そして、A/D変換器44やテーブル部45やD/A変換部46から構成される歪み補償態様制御系が、テーブル部45の記憶内容に基づいて、振幅検波器43により検出される信号レベルに対応した信号変化態様で主増幅器48による増幅対象となる信号を変化させるように振幅/位相回路47を制御し、振幅/位相回路47が主増幅器48による増幅対象となる信号の振幅と位相との一方又は両方を変化させる。
【0102】
また、本例の増幅装置では、分岐部49や歪み検知部50やテーブル更新回路51から構成されるフィードバック制御系が、主増幅器48により増幅された後の信号に含まれる歪みが低減されるように、テーブル部45により記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新する。
また、本例の増幅装置では、振幅/位相回路47により処理される入力信号のタイミングと歪み補償態様制御系44、45、46により当該入力信号のレベルに基づいて振幅/位相回路47を制御するタイミングとの同期をとっておらず、当該同期が非同期の状態となっている。
【0103】
次に、本例の増幅装置における同期について詳しく説明する。
本例では、分岐部41から遅延回路42を経由して振幅/位相回路47に入力される信号(経路1の信号)と、分岐部41から振幅検波器43やA/D変換器44やテーブル部45やD/A変換部46を経由して振幅/位相回路47に入力される振幅/位相補正用の信号(経路2の信号)とでは、時間の同期がとれていない。
【0104】
そして、経路1の信号と経路2の信号との同期が取れていないとき、例えば振幅/位相回路47に入力される信号の包絡線が上記図8(b)に示したような時間的にずれた包絡線W2、W3となる場合には、テーブル部45に記憶されるテーブル値は上記図8(c)に示されるように“×”印や“○”印で示されるような正規の補正データ値V2、V3が平均化されたものとなり、“・”印で示されるような補正データ値V1となる。
【0105】
ここで、本来の正規な補正データ値(正常な補正データ値)V2、V3に対して本例のテーブル部45に記憶される補正データ値V1の差を検討する。
図9には、テーブル部45に記憶される補正データ値V1について、正規な補正データ値V2、V3に対する変動分のデータ値(変動値)Z2、Z3の一例をそれぞれ“×”印と“△”印で示してある。なお、横軸は時刻tを示しており、縦軸は変動値を示している。
同図に示される変動値Z2、Z3は、例えばビート成分の周期を有しており、主増幅器48でIMアンバランスが生じる場合には、当該IMアンバランスによる影響を解消することができる。
【0106】
なお、上記図9に示したような変動分のデータ値Z2、Z3による位相変調又は振幅変調又はこれら両方は、当該変動分のデータ値Z2、Z3が実際のIMアンバランスを補正するためのデータ値とは異なり得ることから、歪みの改善効果が限られる場合もあるが、例えば従来と比べて、IMアンバランスに関して高精度な歪み補償を実現することが可能である。
【0107】
以上のように、本例の増幅装置では、入力信号の包絡線に対して振幅補正や位相補正を行って増幅器の歪み補償を行う方式において、振幅/位相回路47により補正する対象となる入力信号と当該補正を制御するためのD/A変換部46からの補正値との同期化を外した。また、全体のIM歪みが低減するように、遅延回路42の時間を変えるあるいは、振幅検波器43からD/A変換部46までの経路の処理時間を変化させた。なお、振幅補正や位相補正としては、いずれか一方のみが行われてもよく、両方が行われてもよい。
【0108】
従って、本例の増幅装置では、例えば入力信号の変動範囲にわたって、IMアンバランスが生じる主増幅器48の歪み補償を効果的に行うことができ、主増幅器48で発生する3次歪みの上側周波数帯と下側周波数帯とのアンバランスを改善することができる。
【0109】
ここで、本発明に係る歪み補償装置などの構成としては、必ずしも以上に示したものに限られず、種々な構成が用いられてもよい。なお、本発明は、例えば本発明に係る処理を実行する方法や、このような方法を実現するためのプログラムなどとして提供することも可能である。
また、本発明の適用分野としては、必ずしも以上に示したものに限られず、本発明は、種々な分野に適用することが可能なものである。例えば、本発明は、移動通信システムばかりでなく、他の通信システムに適用することも可能であり、また、通信システム以外のシステムに適用することも可能である。
【0110】
また、本発明に係る歪み補償装置などにおいて行われる各種の処理としては、例えばプロセッサやメモリ等を備えたハードウエア資源においてプロセッサがROM(Read Only Memory)に格納された制御プログラムを実行することにより制御される構成が用いられてもよく、また、例えば当該処理を実行するための各機能手段が独立したハードウエア回路として構成されてもよい。
また、本発明は上記の制御プログラムを格納したフロッピー(登録商標)ディスクやCD(Compact Disc)−ROM等のコンピュータにより読み取り可能な記録媒体や当該プログラム(自体)として把握することもでき、当該制御プログラムを記録媒体からコンピュータに入力してプロセッサに実行させることにより、本発明に係る処理を遂行させることができる。
【0111】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る歪み補償装置によると、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償するに際して、信号レベルの変化方向が正方向である場合における信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶するとともに、信号レベルの変化方向が負方向である場合における信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶し、増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出し、増幅器による増幅対象となる信号のレベルの変化方向が正方向であること或いは負方向であることを検出し、前記2つの対応付けの記憶内容に基づいて、検出される信号レベルの変化方向及び検出される信号レベルに対応した信号変化態様で増幅器による増幅対象となる信号の振幅と位相との一方又は両方を変化させるようにしたため、例えば2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスが発生するようなときに、増幅器による増幅対象となる信号を変化させるタイミングと当該信号のレベルに基づいて当該変化処理を制御するタイミングとの同期が厳密に確保されなくとも、歪み補償の精度をよくすることができる。
【0112】
また、本発明に係る歪み補償装置では、上記のような構成において、増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みが低減されるように、信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの記憶内容を更新するようにしたため、歪み補償の精度を高く保持することができる。
【0113】
また、本発明に係る歪み補償装置では、信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償するに際して、信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶し、増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出し、前記対応付けの記憶内容に基づいて、検出される信号レベルに対応した信号変化態様で増幅器による増幅対象となる信号の振幅と位相との一方又は両方を変化させ、また、増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みが低減されるように、記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新し、この場合に、前記変化処理される信号のタイミングと当該信号のレベルに基づいて前記変化処理を制御するタイミングとを非同期としたため、例えば2波以上の周波数の信号を増幅器で増幅する場合に上側3次歪み及び下側3次歪みのアンバランスが発生するようなときに、歪み補償の精度をよくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るプリディストーション方式歪み補償増幅装置の構成例を示す図である。
【図2】テーブル切替回路の構成例を示す図である。
【図3】入力信号の包絡線の振幅値の時間的な変化の一例とテーブル値の時間的な変化の一例を示す図である。
【図4】負傾斜用テーブル部のテーブル値の一例を示す図である。
【図5】正傾斜用テーブル部のテーブル値の一例を示す図である。
【図6】正傾斜用テーブル部や負傾斜用テーブル部のテーブル値の一例を示す図である。
【図7】正傾斜用テーブル部や負傾斜用テーブル部のテーブル値の一例を示す図である。
【図8】正傾斜用テーブル部や負傾斜用テーブル部のテーブル値を用いた歪み補償を説明するための図である。
【図9】入力信号とテーブル値とが非同期である歪み補償を説明するための図である。
【図10】従来例に係るプリディストーション方式歪み補償増幅装置の一例を示す図である。
【図11】増幅器のAM−AM変換とAM−PM変換の一例を示す図である。
【図12】従来例に係るプリディストーション方式歪み補償増幅装置の一例を示す図である。
【図13】テーブル部から出力される振幅補正データと位相補正データの値の一例を示す図である。
【図14】2波の主信号を入力した場合に増幅器から出力される信号の一例を示す図である。
【図15】従来例に係るプリディストーション方式歪み補償増幅装置の一例を示す図である。
【符号の説明】
1、11・・分岐部、 2、21・・遅延回路、 3・・振幅検波器、
4・・A/D変換器、 5・・正傾斜用テーブル部、
6・・負傾斜用テーブル部、 7・・テーブル切替回路、
8・・D/A変換部、 9・・振幅/位相回路、 10・・主増幅器、
12・・歪み検知部、 13・・テーブル更新回路、
SW1、SW2・・スイッチ、 22・・コンパレータ、
23・・否定回路、

Claims (3)

  1. 信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する歪み補償装置において、
    増幅器による増幅対象となる信号の振幅と位相との一方又は両方を変化させる信号変化手段と、
    増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出する信号レベル検出手段と、
    増幅器による増幅対象となる信号のレベルの変化方向が正方向であること或いは負方向であることを検出する信号レベル変化方向検出手段と、
    信号レベルの変化方向が正方向である場合における信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶するとともに、信号レベルの変化方向が負方向である場合における信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶し、これらの記憶内容に基づいて、信号レベル変化方向検出手段により検出される信号レベルの変化方向及び信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した信号変化態様で増幅器による増幅対象となる信号を変化させるように信号変化手段を制御する信号変化制御手段と、
    を備えたことを特徴とする歪み補償装置。
  2. 請求項1に記載の歪み補償装置において、
    増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みが低減されるように信号レベル変化制御手段により記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新する信号変化制御内容更新手段を備えたことを特徴とする歪み補償装置。
  3. 信号を増幅する増幅器で発生する歪みを補償する歪み補償装置において、
    増幅器による増幅対象となる信号の振幅と位相との一方又は両方を変化させる信号変化手段と、
    増幅器による増幅対象となる信号のレベルを検出する信号レベル検出手段と、
    信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けを記憶し、当該記憶内容に基づいて、信号レベル検出手段により検出される信号レベルに対応した信号変化態様で増幅器による増幅対象となる信号を変化させるように信号変化手段を制御する信号変化制御手段と、
    増幅器により増幅された後の信号に含まれる歪みが低減されるように信号レベル変化制御手段により記憶される信号レベルと歪み補償のための信号変化態様との対応付けの内容を更新する信号変化制御内容更新手段と、を備え、
    信号変化手段により処理される信号のタイミングと信号変化制御手段により当該信号のレベルに基づいて信号変化手段を制御するタイミングとを非同期とした、
    ことを特徴とする歪み補償装置。
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