JP2004038503A - 情報処理装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】実際のマウス操作と同じような操作方法を用い、初心者等、ユーザを選ぶことなく、確実に操作することができる情報処理装置を提供する。
【解決手段】情報処理装置10は、本体装置20と表示装置30とで構成されており、この表示装置30には、タッチセンサ36が施されている。この情報処理装置10は、表示画面32において、ポインタ46cを含み、そのポインタ46cを移動させるための広範囲カーソル46を備えたものであり、この広範囲カーソル46は、表示画面32において、ポインタ46cを移動させるための領域の全域を画定する。タッチセンサ36により触接の検知が行われた場合には、この検知が行われた位置にポインタ46c及び広範囲カーソル46を移動させる。また、この広範囲カーソル46には、左クリック領域46dと右クリック領域46eとを含んでいる。
【選択図】 図4
【解決手段】情報処理装置10は、本体装置20と表示装置30とで構成されており、この表示装置30には、タッチセンサ36が施されている。この情報処理装置10は、表示画面32において、ポインタ46cを含み、そのポインタ46cを移動させるための広範囲カーソル46を備えたものであり、この広範囲カーソル46は、表示画面32において、ポインタ46cを移動させるための領域の全域を画定する。タッチセンサ36により触接の検知が行われた場合には、この検知が行われた位置にポインタ46c及び広範囲カーソル46を移動させる。また、この広範囲カーソル46には、左クリック領域46dと右クリック領域46eとを含んでいる。
【選択図】 図4
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として幼稚園児等の若年齢者、高年齢者、身体障害者、病院患者等の情報処理装置の使用に関して比較的初心者が使用するための情報処理装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、情報処理装置は、演算装置、記憶装置、マウス等の入力装置、表示装置等の出力装置から構成されており、各種データの演算、記憶を行うものである。近年の著しいIT(Information Technology)化に伴い、情報処理装置を使用するユーザが飛躍的に増大しており、社会には欠かすことのできないものとされている。
【0003】
このような著しいIT化には、情報処理装置にインストールされているOS(Operating System)ソフトの存在なくしては語ることができない。このようなOSソフトには、GUI(Graphical User Interface)が用いられており、操作しやすいようにウィンドウやアイコンなどを使い、コンピュータをわかりやすく使用できるようになっている。つまり、ユーザがデスクトップのアイコンをマウスでクリックするだけで、簡単にファイルの操作やアプリケーションソフトの起動などを実行できるようになっており、誰にでも容易に使用することのできる情報処理装置を実現しているのである。
【0004】
しかし、初めて情報処理装置を使用するような初心者には、マウス、キーボード等の入力装置を取り扱うことは容易なことではない。更には、上述した初心者だけでなく、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとってはマウス、キーボードを操作することが容易ではない人も多くいるのが現状である。
【0005】
そこで、特開2000−99269号公報では、タッチパネルを用い、そのタッチパネルに触接した位置、タイミングで操作の識別を行う情報処理装置が提供されており、簡便である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような情報処理装置であっても、容易に操作することができず、更には、誤操作を行うこともある。特に、上述した如く、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとってはマウス、キーボードを操作することが容易ではない。
【0007】
これには、様々な原因が考えられる。
【0008】
まず、このようなカーソル等には、他の画像と干渉しないようなサイズに設定されており、人間の指と比較すると、極めて小さいサイズとなっていることが挙げられる。これにより、通常の操作を行う場合であってもカーソル等を移動させることは容易でなく、細かい操作を要する場合には、困難な作業を強いられてしまい、チャタリングを起こす可能性も生じ、操作者の意図と異なり、誤操作を行うこととなるのである。
【0009】
次いで、カーソル等を移動させるための移動領域が視覚的に明確でないことが挙げられる。カーソル等は、単にフォルダ、ウィンドウを指定するためのポインタを示すものであり、このポインタを移動させるための移動領域を示すものではない。勘のいい操作者は、このカーソル等が指し示すポインタから移動領域を目測し、移動領域であるか否かを判断することとなるが、その他の者は、移動領域であるか否かの目測を誤り得、操作したつもりが操作されていない、更には、操作しないつもりが操作されているケースもある。これにより、操作者の意図と異なり、誤操作を行うこととなるのである。
【0010】
更には、今日の技術革新により、デスクトップに表示される画像の解像度が日進月歩増大しているため、カーソル等を操作することを、より一層、容易でないものとしているのも上述した一因となっていることは事実である。また、情報処理装置の小型化を妨げる一因ともなっている。
【0011】
そこで、特開平7−72976号公報では、画面縁端に設けられた画像を操作することにより、カーソル移動、右ボタン、左ボタン、クリック、ダブルクリック等を判断する情報処理装置が提供されている。
【0012】
また、情報処理装置には、パーソナルコンピュータ等非携帯型の情報処理装置の他にも、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等をはじめとする携帯型の情報処理端末も含まれており、PDA等には、ペン型のポインティングデバイスを用いて操作することができるようにもなってきている。
【0013】
しかし、このような情報処理装置においては、上述した如く、単に初心者等が使用することのみが考慮されているため、実際のマウス等のポインティングデバイスとは操作方法の観点において大きく異なる。
【0014】
つまり、マウス等のポインティングデバイスを用いる場合には、手でマウス等のポインティングデバイスを押さえるとともに、腕を移動させることによってポインタを移動させ、更には、指を動かすことにより、各種操作を実現させる。しかし、初心者等が熟練した場合には、通常の操作者と同じようにマウス等のポインティングデバイスによりポインタ等を操作することが望まれるため、再度、マウス等のポインティングデバイスの操作方法を覚え、慣れる必要があり、煩雑である。
【0015】
これに加えて、上述した特開平7−72976号公報記載の情報処理装置においては、実際にカーソル等が指し示すポインタ近傍を操作することがないため、初心者等がこの操作に慣れた場合には、この観点においても、再度、操作方法を覚え、慣れる必要があり、煩雑である。
【0016】
本発明は、上述した如き課題に鑑みてなされたものであり、実際のマウス操作と同じような操作方法を用い、初心者等、ユーザを選ぶことなく、確実に操作することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示されることを特徴とする。
【0018】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0019】
(1) 画像が表示される表示部と、前記表示部に、当該表示部内の位置を指定するための指定点を示す指定点画像を表示させる表示制御手段と、前記表示部において、当該表示部における触接の検知を行う触接検知手段と、を備え、当該触接検知手段による検知の結果に応じて情報処理が行われ得る情報処理装置であって、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示されることを特徴とする情報処理装置。
【0020】
(1)の発明によれば、「前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示される」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止する情報処理装置を提供することができる。
【0021】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。特に、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【0022】
(2) 前記表示制御手段は、前記移動領域画像を、半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさで表示されることを特徴とする(1)記載の情報処理装置。
【0023】
(2)の発明によれば、「前記表示制御手段は、前記移動領域画像を、半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさで表示される」ので、操作者の指よりも面積の狭い従来のカーソルよりも大きな移動領域を備えることとなり、移動領域に対して操作者の指であっても充分触接することができる面積があるため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとっては操作が容易ではないマウス、キーボード等の入力装置を用いることなく、更には、ペン型のポインティングデバイスを用いることなく、操作者の指自体で操作可能となり、更には、誤操作防止にもなる。これにより、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。また、「半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさ」で移動領域画像を表示させることが好ましく、「半径5mmの円を含み、かつ、半径25mmの円を含まないような大きさ」が最適である。
【0024】
本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができるが、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることがより一層適している。
【0025】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0026】
(3) 前記移動領域は、左クリック領域及び右クリック領域を含んでいるものであり、前記表示制御手段は、前記表示部において、前記左クリック領域の全域を画定する左クリック領域画像と、右クリック領域の全域を画定する右クリック領域画像を表示させるものであることを特徴とする(1)又は(2)記載の情報処理装置。
【0027】
(3)の発明によれば、「前記移動領域は、左クリック領域及び右クリック領域を含んでいるものであり、前記表示制御手段は、前記表示部において、前記左クリック領域の全域を画定する左クリック領域画像と、右クリック領域の全域を画定する右クリック領域画像を表示させるものである」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0028】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0029】
(4) 前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一は、前記指定点を含むものであり、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他は、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一の外周に接し、かつ、前記指定点を含まないものであることを特徴とする(3)記載の情報処理装置。
【0030】
(4)の発明によれば、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一は、前記指定点を含むものであり、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他は、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一の外周に接し、かつ、前記指定点を含まないものである」ので、表示部のどの位置に指定点を移動させた場合であっても、必ず左クリック領域及び右クリック領域を操作することが可能である。
【0031】
例えば、表示部の角部に指定点を移動させた場合には、指定点を中心として、その移動領域の4分の3の角度は表示されないこととなるが、残りの4分の1の角度は必ず表示させることとなり、その範囲には、少なくとも左クリック領域の一部、及び、右クリック領域の一部が表示されることとなる。これにより、どの位置に指定点を移動させても両クリック領域は必ず表示されることとなる。
【0032】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0033】
(5) 前記移動領域は、円形状であり、かつ、前記左クリック領域と前記右クリック領域とから構成されたものであり、前記左クリック領域若しくは前記右クリック領域は、前記移動領域よりも小さい円形状であり、前記移動領域の中心と同じ位置に中心を備えたものであることを特徴とする(3)又は(4)記載の情報処理装置。
【0034】
(5)の発明によれば、「前記移動領域は、円形状であり、かつ、前記左クリック領域と前記右クリック領域とから構成されたものであり、前記左クリック領域若しくは前記右クリック領域は、前記移動領域よりも小さい円形状であり、前記移動領域の中心と同じ位置に中心を備えたものである」ので、指定点が縁端近傍に位置した場合でも、略同じ面積で表示されることとなるため、指定点がどの位置に移動しても操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0035】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0036】
(6) 前記左クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より左側に位置するものであり、前記右クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より右側に位置するものであることを特徴とする(3)記載の情報処理装置。
【0037】
(6)の発明によれば、「前記左クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より左側に位置するものであり、前記右クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より右側に位置するものである」ので、実際のマウス操作と同じように操作することができるため、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0038】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0039】
(7) (6)記載の情報処理装置において、前記左クリック領域及び前記右クリック領域は、前記移動領域を前記垂線で二分するように位置するものであり、かつ、前記情報処理装置は、前記移動領域の外周が前記表示部における側縁に接した場合には、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して回転させることを特徴とする情報処理装置。
【0040】
(7)の発明によれば、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域は、前記移動領域を前記垂線で二分するように位置するものであり、かつ、前記情報処理装置は、前記移動領域の外周が前記表示部における側縁に接した場合には、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0041】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0042】
(8) 前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁に接し、前記表示部における上下縁に接しない場合には、前記移動領域を90度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して90度回転させることを特徴とする(7)記載の情報処理装置。
【0043】
(8)の発明によれば、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁に接し、前記表示部における上下縁に接しない場合には、前記移動領域を90度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して90度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に右クリック領域または左クリック領域が表示されずクリックできない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても右クリックまたは左クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【0044】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0045】
(9) 前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁と、前記表示部における上下縁と、に接した場合には、前記移動領域を45度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して45度回転させることを特徴とする(7)記載の情報処理装置。
【0046】
(9)の発明によれば、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁と、前記表示部における上下縁と、に接した場合には、前記移動領域を45度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して45度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁近傍に位置させ、更には、指定点を表示部の上下方向縁端近傍に移動させた場合であっても、45度回転させることにより、左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0047】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0048】
(10) 前記触接検知手段により触接していると検知された点を中心として、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を回転させることを特徴とする(8)又は(9)記載の情報処理装置。
【0049】
(10)の発明によれば、「前記触接検知手段により触接していると検知された点を中心として、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を回転させる」ので、操作者が触接している操作点を変化させることがないため、スムーズに操作することができるだけでなく、誤操作を防止することができる。
【0050】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0051】
(11) (1)又は(2)記載の情報処理装置は、左クリック領域及び右クリック領域を備え、前記移動領域は、前記表示部において、左クリック領域及び右クリック領域の一を含み、かつ、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他を含まないものであることを特徴とする情報処理装置。
【0052】
(11)の発明によれば、「左クリック領域及び右クリック領域を備え、前記移動領域は、前記表示部において、左クリック領域及び右クリック領域の一を含み、かつ、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他を含まない」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンのいずれかを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0053】
また、最低限左クリック領域及び右クリック領域の一を容易に操作することができ、更には、左クリック領域及び右クリック領域の他を別に備えたため、移動領域を小型化でき、小さい画面であっても容易に操作することができる。
【0054】
本発明は、上述した如く、PDA、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができ、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることが好ましいが、PDA、携帯電話等画面が小さい装置に用いる際には、検知エリアを広く設ける必要が無いため、(11)に記載した発明が最適である。
【0055】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0056】
(12) 前記左クリック領域又は前記右クリック領域の操作に基づいて、ファイル又はフォルダ等の被指定画像の選択又は移動の少なくともいずれかを行わせるドラッグ操作を実行することを特徴とする(3)から(11)のいずれか記載の情報処理装置。
【0057】
(12)の発明によれば、「前記左クリック領域又は前記右クリック領域の操作に基づいて、ファイル又はフォルダ等の被指定画像の選択又は移動の少なくともいずれかを行わせるドラッグ操作を実行する」ので、左右のクリック、ダブルクリックの他にも、各種の操作が可能となり、簡便である。
【0058】
(13) (12)記載の情報処理装置において、前記表示制御装置は、前記被指定画像が指定された後に、当該被指定画像を前記ドラッグ操作が実行されている場合には、前記被指定画像を、前記被指定画像が指定される前とは異なる色で表示させるものであることを特徴とする情報処理装置。
【0059】
(13)の発明によれば、「(12)記載の情報処理装置において、前記表示制御装置は、前記被指定画像が指定された後に、当該被指定画像を前記ドラッグ操作が実行されている場合には、前記被指定画像を、前記被指定画像が指定される前とは異なる色で表示させるものである」ので、ドラッグ操作を実行したことが明確となり、誤操作を防止することができる。更には、移動領域画像の色を変化させても同様の効果が得られる。
【0060】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0061】
(14) 前記移動領域の設定を行うための移動領域設定手段と、当該移動領域設定手段により行われた前記移動領域の設定に基づいて移動領域を変化させる移動領域変更手段と、を備えたことを特徴とする(1)から(13)のいずれか記載の情報処理装置。
【0062】
(14)の発明によれば、「前記移動領域の設定を行うための移動領域設定手段と、当該移動領域設定手段により行われた前記移動領域の設定に基づいて移動領域を変化させる移動領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0063】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0064】
(15) 前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定を行うためのクリック領域設定手段と、当該クリック領域設定手段により行われた前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定に基づいて、左クリック領域及び/又は右クリック領域を変化させるクリック領域変更手段と、を備えたことを特徴とする(1)から(14)のいずれか記載の情報処理装置。
【0065】
(15)の発明によれば、「前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定を行うためのクリック領域設定手段と、当該クリック領域設定手段により行われた前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定に基づいて、左クリック領域及び/又は右クリック領域を変化させるクリック領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0066】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0067】
(16) マウス、若しくは、キーボードを含む入力手段と、前記指定点を移動させるための設定を行う入力設定手段と、当該入力設定手段による指定点を移動させるための設定に基づいて、前記触接検知手段により指定点を移動させることと、前記入力手段により指定点を移動させることと、を切り替える入力切替手段と、を備えたことを特徴とする(1)から(15)のいずれか記載の情報処理装置。
【0068】
(16)の発明によれば、「マウス、若しくは、キーボードを含む入力手段と、前記指定点を移動させるための設定を行う入力設定手段と、当該入力設定手段による指定点を移動させるための設定に基づいて、前記触接検知手段により指定点を移動させることと、前記入力手段により指定点を移動させることと、を切り替える入力切替手段と、を備えた」ので、使用方法が異なる複数の操作者が同じ情報処理装置を使用する場合であっても、設定の切り替えを行うことにより、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。更には、ある操作者が情報処理装置を使用する場合であっても、その情報処理装置で使用するツールが異なる場合には、そのツールに応じて設定の切り替えを行うことができ、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。
【0069】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0070】
(17) 画像が表示される表示部を備えた情報処理装置に対して、当該表示部に、所望の画像を指定するための指定点を示す指定点画像の表示を行わしめるステップと、前記表示部において、当該表示部における触接の検知を行わしめるステップと、当該ステップによる検知の結果に応じて情報処理が行わしめ得るステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記情報処理装置に対して、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域の決定を行わしめるステップと、前記表示部において、移動領域の全域が画定される移動領域画像を表示せしめ、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知が行われた触接位置に前記指定点画像及び前記移動領域画像を表示せしめるステップと、当該移動領域画像の表示位置に連動して前記指定点及び前記移動領域を移動せしめるステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0071】
(17)の発明によれば、「前記情報処理装置に対して、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域の決定を行わしめるステップと、前記表示部において、移動領域の全域が画定される移動領域画像を表示せしめ、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知が行われた触接位置に前記指定点画像及び前記移動領域画像を表示せしめるステップと、当該移動領域画像の表示位置に連動して前記指定点及び前記移動領域を移動せしめるステップと、を実行させる」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止するプログラムを提供することができる。
【0072】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0074】
[情報処理装置の構成]
情報処理装置10の概略図を図1に示す。
【0075】
情報処理装置10は、後述する主制御回路60(図2参照)等を含む本体装置20と、その本体装置20から各種の信号を送受信する表示装置30と、から構成されている。
【0076】
この本体装置20は、その前面に、各種のドライブにアクセス可能にするためのドライブ装置22、電源投入時に操作される電源スイッチ24等、各種の装置が設けられている。また、本体装置20は、その背面から、表示装置30と各種の信号を送受信するための接続ケーブル(図示せず)が接続されている。
【0077】
一方、表示装置30は、その前面に、画像を表示させるための表示画面32と、表示装置30に表示される画像を調節するための調節スイッチ、表示装置30の表示画面32に画像を表示させるか否かを操作するための表示スイッチを含むスイッチ群34が備えられている。また、この表示画面32には、タッチセンサ36(図2参照)を有するタッチパネル35が備えられており、ペン型ポインティングデバイス、操作者の指等が、表示画面32に触接されたことを検出することとなる。更には、表示装置30は、その背面に、上述した本体装置20と各種の信号を送受信するための接続ケーブル(図示せず)が接続されている。
【0078】
尚、ここでいう表示装置30は、請求項中に記載された、「表示制御手段」の一部を構成するものに相当するものであり、かつ、ここでいう表示画面32は、請求項中に記載された、「表示部」の一部を構成するものに相当するものである。また、ここでいうタッチセンサ36を有するタッチパネル35は、請求項中に記載された、「触接検知手段」の一部を構成するものに相当するものである。
【0079】
[情報処理装置の制御部の構成]
本発明の実施形態である情報処理装置10の制御回路を示すブロック図を図2に示す。尚、図2は、本発明に必要な装置等を示すものであり、スイッチ等の各種の装置は省略する。
【0080】
主制御回路60は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU66と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、そのドライブ等で構成された記憶部68、画像を表示させるためのビデオRAM76(以降VRAMと称する)と、更には、タッチセンサ36との信号の送受信を実行するためのインターフェイス回路72(以降I/F回路と称する)と、ビデオCPU74と、を含んでいる。
【0081】
また、これらの主制御回路60に備えられたCPU66をはじめとする各種の装置は、BUSに接続されている。CPU66は、BUSを介して各種の装置に命令を示す信号を供給し、更には、CPU66に供給される信号を、BUSを介して受け取ることとなる。また、CPU66は、記憶部68に記録されたプログラムに基づいて情報処理装置10の制御を実行するものである。
【0082】
尚、ここでいうCPU66は、請求項中に記載された、「表示制御手段」、「触接検知手段」、「移動領域設定手段」、「移動領域変更手段」、「クリック領域設定手段」、「クリック領域変更手段」、「入力手段」、「入力設定手段」、「入力切替手段」の一部を構成するものに相当する。
【0083】
更にまた、記憶部68は、OSソフト、アプリケーションソフト等、各種のファイルを記憶するものである。このファイルには、後述する如く、領域データが含まれており、その領域データに応じて広範囲カーソル46(図3参照)の形状を決定することとなる。
【0084】
記憶部68は、BUSに接続されており、情報処理装置10の制御全体の流れを制御する制御プログラムを記録する。また、記憶部68は、制御プログラムを実行するための初期データや、表示装置30における表示制御をするプログラム、表示装置30におけるタッチセンサ36からの信号を受信するプログラム等を記憶する。
【0085】
また、本実施形態におけるプログラムは、具体的には、下記のようなものを含む。
【0086】
(A) 「表示部に、所望の画像を指定するための指定点を示す指定点画像の表示を行わしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0087】
(B) 「表示部において、当該表示部における触接の検知を行わしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0088】
(C) 「ステップ(B)による検知の結果に応じて情報処理が行わしめ得るステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0089】
(D) 「表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域の決定を行わしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0090】
(E) 「表示部において、移動領域の全域が画定される移動領域画像を表示せしめ、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知が行われた触接位置に前記指定点画像及び前記移動領域画像を表示せしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0091】
(F) 「当該移動領域画像の表示位置に連動して前記指定点及び前記移動領域を移動せしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0092】
このようなプログラムを実行させることによって、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止するプログラムを提供することができる。
【0093】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。
【0094】
尚、ここでいう記憶部68は、請求項中に記載された、「表示制御手段」、「触接検知手段」、「移動領域設定手段」、「移動領域変更手段」、「クリック領域設定手段」、「クリック領域変更手段」、「入力手段」、「入力設定手段」、「入力切替手段」の一部を構成するものに相当する。
【0095】
また、本実施形態でのプログラムは、記憶部68に予め記録されているものであるが、本発明はこれに限らず、予め記憶部68に記録されていなくとも、電源投入直後にメモリ等に記録されるものであってもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0096】
特にプログラムが電源投入直後にメモリ等に記録される場合には、OSソフトとアプリケーションソフトとの間に位置するミドルウェアとして取り扱うことができ、そのプログラムのダウンロードを実行することができ、使用方法が異なる複数の操作者が同じ情報処理装置を使用する場合であっても、設定の切り替えを行うことにより、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。更には、ある操作者が情報処理装置を使用する場合であっても、その情報処理装置で使用するツールが異なる場合には、そのツールに応じて設定の切り替えを行うことができ、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。
【0097】
更にまた、記憶部68は、CPU66が情報処理を実行上で使用するフラグや変数の値をも記憶する。
【0098】
更にまた、I/F回路72は、BUSに接続されており、CPU66から供給される有効信号をタッチセンサ36に供給するとともに、タッチセンサ36から供給される触接信号を所定の信号に変換し、CPU66に供給することとなる。
【0099】
更にまた、ビデオ用CPU74は、BUSに接続されており、CPU66から供給された画像表示命令に基づいて、後述するVRAM76に画像データを記録し、所定のタイミングでその画像データを読み出し、所定の信号に変換し、その信号を表示装置30における表示画面32に供給する。これにより、表示装置30における表示画面32に画像が表示されるのである。
【0100】
また、このビデオ用CPU74には、VRAM76が接続されている。このVRAM74は、ビデオ用CPU74から供給される画像データを順次記録するものであり、所定のタイミングでビデオ用CPU74から読み出される。
【0101】
[表示装置の制御部の構成]
表示装置30においては、表示画面32、タッチセンサ36が、上述した主制御回路60に接続ケーブルを介して接続されている。
【0102】
表示画面32は、ビデオ用CPU74に接続ケーブルを介して接続されており、ビデオ用CPU74から供給された信号に基づいて画像を表示させる。尚、表示される画像の詳細については後述する。
【0103】
タッチセンサ36は、I/F回路72に接続ケーブルを介して接続されており、I/F回路72から供給される有効信号を受け取り、表示画面32に触接されたことを検出する。また、タッチセンサ36は、この検出の結果に基づいて、検出位置を示す位置データを含む触接検出信号をI/F回路72を供給する。尚、検出位置の詳細については後述する。
【0104】
[表示画像の説明]
図3は、上述した如く、情報処理装置10における表示画面32に表示される画像を示す図である。また、図4及び図5は、その表示画面32に表示される画像を示す拡大図である。
【0105】
図3に示す如く、表示画面32の左縁端には、複数個のフォルダ42が表示されている。また、表示画面32の下縁端には、タスクバー44が表示されている。更には、表示画面32の中央には、円形状の広範囲カーソル46が表示されている。
【0106】
この広範囲カーソル46は、図4に示す如く、縦軸46a及び横軸46bの交差したポインタ46cと、そのポインタ46cを含む右クリック領域46dと、その右クリック領域46dの外周に位置する左クリック領域46eと、から構成されている。また、この左右クリック領域46d及び46eを含める領域を、ポインタ46cを移動させるための移動領域としている。
【0107】
広範囲カーソル46のポインタ46cは、画面上の位置を示すためのものである。また、右クリック領域46d及び左クリック領域46eは、それぞれ、マウスの右クリック、左クリックに相当するものであり、操作者がクリック、ドラッグする場合に、操作者がクリック、ドラッグする領域である。
【0108】
この右クリック領域46d及び左クリック領域46eは、図5(A)に示す如く、その各々を、親指と人差し指とで操作することもできれば、図5(B)に示す如く、人差し指と中指で使用することもできる。更には、図5(A)及び図5(B)に示す如く、右利きの操作者だけではなく、図5(C)に示す如く、左利きの操作者によっても設定を変更することなく操作することができる。このように、操作者は、広範囲カーソル46を用いて情報処理装置10を操作することとなる。尚、本実施形態においては、指により操作可能な広範囲カーソル46として記載されているが、本発明はこれに限らず、指以外でも操作可能なものであってもよく、例えば、身障者、病気患者等に含まれる指が自由でない者により、手の甲、肘、鼻等、身体の一部を触接させることにより操作可能なものであってもよい。
【0109】
尚、ここでいうポインタ46cは、請求項中に記載された「指定点」に相当するものであり、ポインタ46cの位置を示す縦軸46a及び横軸46bは、請求項中に記載された、「指定点画像」に相当する。また、ここでいう広範囲カーソル46の左右クリック領域46d及び46eを合わせた領域は、請求項中に記載された「移動領域」に相当し、その移動領域を画定する最外郭の円形状の画像は、請求項中に記載された「移動領域画像」に相当する。更には、ここでいう左クリック領域46eは、請求項中に記載された「左クリック領域」に相当するものであり、ここでいう右クリック領域46dは、請求項中に記載された「右クリック領域」に相当するものである。
【0110】
また、この広範囲カーソル46は、その左右クリック領域46d及び46e、即ち、移動領域を、ポインタ46cを中心として半径10mmとしており、更には、右クリック領域46dを、ポインタ46cを中心として、半径5mmとしている。
【0111】
本実施形態においては、移動領域を、ポインタ46cを中心として半径10mmの円形状としたが、本発明はこれに限らず、操作者の指がはみ出ない程度の大きさであればよく、例えば、半径5mmより広く、かつ、半径30mmより狭いものであれば好ましく、半径5mmより広く、かつ、半径25mmより狭いものであれば最適である。
【0112】
このように、「前記表示制御手段は、前記移動領域画像を、半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさで表示される」ので、操作者の指よりも面積の狭い従来のカーソルよりも大きな移動領域を備えることとなり、移動領域に対して操作者の指であっても充分触接することができる面積があるため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとっては操作が容易ではないマウス、キーボード等の入力装置を用いることなく、更には、ペン型のポインティングデバイスを用いることなく、操作者の指自体で操作可能となり、更には、誤操作防止にもなる。これにより、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。また、「半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさ」で移動領域画像を表示させることが好ましく、「半径5mmの円を含み、かつ、半径25mmの円を含まないような大きさ」が最適である。
【0113】
本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができるが、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることがより一層適している。
【0114】
[タッチセンサ制御]
図6及び図7は、タッチセンサ36における広範囲カーソル46を操作する方法を示す説明図である。
【0115】
表示画面32には、図6に示す如く、広範囲カーソル46が表示されている。この広範囲カーソル46は、そのポインタ46cが(X1,Y1)座標に位置付けられている。
【0116】
操作者が、左右クリック領域46d及び46e、即ち、移動領域に人差し指を触接させた場合には、タッチセンサ36は、その触接された全ての位置を示す触接信号を、接続ケーブル、I/F回路72、BUSを介して、CPU66に供給する。そして、CPU66は、その触接信号を受け取り、その触接信号と、触接信号を受け取った時間を示す時間データと、を記憶部68に記録する。
【0117】
CPU66は、受け取った触接データに基づいてポインタ46cの位置を決定する。
【0118】
例えば、図6に示す如く、タッチセンサ36が触接した位置を、(X1,Y1)座標として検知した場合には、CPU66は、ポインタ46cの位置を(X1,Y1)として決定する。
【0119】
また、CPU66は、記憶部68に記録された領域データを読み出し、広範囲カーソル46の画像を生成する。尚、この領域データとは、左右クリック領域46d及び46eの半径を示すものである。本実施形態においては、円形状の広範囲カーソル46であったが、本発明はこれに限らず、他の形状でもよく、この場合には、領域データを広範囲カーソルの形状を示すデータを含むものとして記録してもよい。
【0120】
このように、CPU66は、広範囲カーソル46を表示させる位置を決定し、更には、その広範囲カーソル46の画像を生成することが完了した場合には、その画像データと、表示位置を示すデータと、を含む画像表示命令を、BUSを介して、ビデオ用CPU74に供給する。
【0121】
このビデオ用CPU74は、画像表示命令を受け取り、その画像表示命令に含まれる画像データを、VRAM76における画像表示位置に相当する位置に、重畳的に記録する。そして、ビデオ用CPU74は、所定のタイミングでVRAM76から画像データを読み出し、接続ケーブルを介して、その画像データを表示装置30の表示画面32に供給する。
【0122】
更には、操作者の指を移動させ、触接する位置が図6に示す如く、(X2,Y2)座標に変位した場合には、タッチセンサ36は、触接位置を検出し、その触接位置、(X2,Y2)座標を示す触接信号を、上述した如くCPU66に供給する。この信号を受け取ったCPU66は、上述した如く、その触接信号に基づいて、広範囲カーソル46の位置を(X2,Y2)座標を示す位置に変位させるように、表示画面32に表示させるのである。
【0123】
これにより、図6に示す如く、その(X1,Y1)座標を中心として、広範囲カーソル46を重畳的に表示させることができ、広範囲カーソル46の位置を(X1,Y1)座標に変位させた場合には、(X1,Y1)座標を中心として広範囲カーソル46を重畳的に表示させるのである。
【0124】
このように、「前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示される」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止する情報処理装置を提供することができる。
【0125】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。
【0126】
更には、「前記移動領域は、左クリック領域及び右クリック領域を含んでいるものであり、前記表示制御手段は、前記表示部において、前記左クリック領域の全域を画定する左クリック領域画像と、右クリック領域の全域を画定する右クリック領域画像を表示させるものである」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0127】
尚、本実施形態においては、左右クリック領域46d及び46eの半径を固定値としてもよいが、本発明はこれに限らず、その領域データを設定できるようにしてもよい。
【0128】
これにより、「前記移動領域の設定を行うための移動領域設定手段と、当該移動領域設定手段により行われた前記移動領域の設定に基づいて移動領域を変化させる移動領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0129】
また、同じように、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域の少なくともいずれかの設定を行うためのクリック領域設定手段と、当該クリック領域設定手段により行われた前記左クリック領域及び前記右クリック領域の少なくともいずれかの設定に基づいて、左クリック領域及び右クリック領域の少なくともいずれかを変化させるクリック領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0130】
[クリック制御]
次に、図7を参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。また、図7(A)は、シングルクリックを示すタイミングチャートであり、図7(B)は、ダブルクリックを示すタイミングチャートであり、図7(C)は、ドラッグを示すタイミングチャートである。
【0131】
第1タッチポイントの検出が時刻T1とすると、この検出された時刻T1を基準にして所定の時間(T1−T2)内に検出されるタッチ数で各種の操作を決定する。
【0132】
例えば、図7(A)に示す如く、時刻T1から時刻T2の間に1回のタッチが行われた場合には、シングルクリック、図7(B)に示す如く、時刻T1から時刻T2の間に1回のタッチが行われた場合には、ダブルクリック、として判断される。更には、図7(C)に示す如く、時刻T2において、タッチされ続けている場合には、ドラッグとして判別されることとなる。
【0133】
また、上述した如く、ドラッグされた場合には、上述した広範囲カーソル46は、その色が変化するように表示される。例えば、広範囲カーソル46の領域境界線、縦軸、横軸のみ黒色で表示されていたが、上述した図7(C)の如く、ドラッグ操作であると判別した場合には、図8に示すごとく、その指定されたフォルダを青色に変化させるように表示させる。そして、操作者により広範囲カーソルを移動させることにより、図9に示す如く、ドラッグ操作が可能となるのである。
【0134】
尚、本実施形態では、ドラッグの際には指定されたフォルダ、ファイルのみを変色させるように表示したが、本発明はこれに限らず、指定されたフォルダ、ファイルだけでなく、ドラッグ中は、右クリック領域46dまたは左クリック領域46eの色を変化させる処理を行ってもよい。これにより、使用者は、本発明の広範囲カーソル操作中の状況をリアルタイムに、且つ、視覚的に認識することが可能となる。
【0135】
このように、「前記左クリック領域及び右クリック領域の操作に基づいて、ファイル、フォルダ等の被指定画像の選択又は移動の少なくともいずれかを行わせるドラッグ操作を実行する」ので、左右のクリック、ダブルクリックの他にも、各種の操作が可能となり、簡便である。
【0136】
更には、「前記表示制御装置は、前記被指定画像が指定された後に、当該被指定画像を前記ドラッグ操作が実行されている場合には、前記被指定画像を、前記被指定画像が指定される前とは異なる色で表示させるものである」ので、ドラッグ操作を実行したことが明確となり、誤操作を防止することができる。更には、移動領域画像の色を変化させても同様の効果が得られる。
【0137】
更には、この広範囲カーソル46は、図10に示す如く、ポインタ46cを、表示画面32の角32aに移動させた場合にも、広範囲カーソル46の左右クリック領域46d及び46eが表示されているため、表示画面全領域において、広範囲カーソル46を用いることができる。
【0138】
このように、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一は、前記指定点を含むものであり、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他は、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一の外周に接し、かつ、前記指定点を含まないものである」ので、表示部のどの位置に指定点を移動させた場合であっても、必ず左クリック領域及び右クリック領域を操作することが可能である。
【0139】
例えば、表示部の角部に指定点を移動させた場合には、指定点を中心として、その移動領域の4分の3の角度は表示されないこととなるが、残りの4分の1の角度は必ず表示させることとなり、その範囲には、少なくとも左クリック領域の一部、及び、右クリック領域の一部が表示されることとなる。これにより、どの位置に指定点を移動させても両クリック領域は必ず表示されることとなる。
【0140】
また、「前記移動領域は、円形状であり、かつ、前記左クリック領域と前記右クリック領域とから構成されたものであり、前記左クリック領域若しくは前記右クリック領域は、前記移動領域よりも小さい円形状であり、前記移動領域の中心と同じ位置に中心を備えたものである」ので、指定点が縁端近傍に位置した場合でも、略同じ面積で表示されることとなるため、指定点がどの位置に移動しても操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0141】
[実施形態2]
また、後述する如き広範囲カーソルであってもよい。
【0142】
図11、図14、図15は、上述した如く、情報処理装置10における表示画面32に表示される画像を示す図である。また、図12及び図13は、その表示画面32に表示される画像を示す拡大図である。
【0143】
図13に示す如く、表示画面32の中央には、円形状の広範囲カーソル47が表示されている。
【0144】
この広範囲カーソル47は、図12に示す如く、縦軸47a及び横軸47bの交差したポインタ47cと、縦軸47aよりも右側に位置する右クリック領域47dと、縦軸47aよりも左側に位置する左クリック領域47eと、から構成されている。また、この左右クリック領域47d及び47eを含める領域を、ポインタ47cを移動させるための移動領域としている。尚、ここでいう縦軸47aは、請求項中に記載された「指定点を含む垂線」に相当するものである。
【0145】
また、この左右のクリック領域47d及び47eは、図13(A)に示す如く、その各々を、親指と人差し指とで操作することもできれば、図13(B)に示す如く、人差し指と中指で使用することもできる。もちろん、右利きの操作者だけではなく、左利きの操作者によっても設定を変更することなく操作することができる。
【0146】
この広範囲カーソル47は、上述した広範囲カーソル46とほぼ同じように動作する。
【0147】
このため、ドラッグ装置を行った場合には、上述した広範囲カーソル47も、図14に示す如く、指定されたフォルダの色が変化するように表示される。例えば、広範囲カーソル46の領域境界線、縦軸、横軸のみ黒色で表示されていたが、上述した図7(C)の如く、ドラッグ操作であると判別した場合には、図14に示すごとく、その指定されたフォルダを青色に変化させるように表示させる。そして、操作者により広範囲カーソルを移動させることにより、図15に示す如く、ドラッグ操作が可能となるのである。
【0148】
このように、「前記左クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より左側に位置するものであり、前記右クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より右側に位置するものである」ので、実際のマウス操作と同じように操作することができるため、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0149】
また、この広範囲カーソル47は、左右の両縁端近傍に位置する場合には、所定の角度だけ回転するように表示される。尚、広範囲カーソル47は、左右の両縁端近傍に位置した後に、左右の両縁端近傍でない位置に変位した場合には、上述した通常の形状で表示される。
【0150】
図11乃至図19に記載の広範囲カーソル47において、移動領域(右クリック領域47dと左クリック領域47e)の外周が表示画面32の側縁端もしくは角にいっぱいまで移動した場合、右クリック領域47dもしくは左クリック領域47eのいずれかが完全に表示画面32から外れてしまう問題がある。例えば、左の側縁端に移動領域を移動した場合は、左クリック領域47dが完全に表示画面32から外れてしまうため、左クリックの操作を行うことができない。
【0151】
そこで、上記問題を解決するために、広範囲カーソル47は、その移動領域に相当する右クリック領域47d又は左クリック領域47eのいずれかの外周が、表示画面32の側縁端に接した場合には、図16に示す如く、90度回転する。
【0152】
広範囲カーソル47は、通常では、図16(A)に示す如く、縦軸47aが縦方向に向いているが、その移動領域の外周が表示画面32の側縁端に接した場合には、図16(B)に示す如く、触接している触接位置を中心として回転を開始し、図16(C)に示す如く、90度回転する。実際には、図17に示す如く、右クリック領域47d及び左クリック領域47eともに左右クリック領域47d及び47eを使用できる状態で、ポインタ47cを表示画面側縁端まで移動させることができる。
【0153】
触接している触接位置を中心として回転をする理由は、広範囲カーソル47の回転処理後、どちらが右クリック領域47dで、どちらが左クリック領域47eであるかを視覚的のみで判断が不可能だからである。また、広範囲カーソル47の回転処理後に、例えば、左クリック領域47eに触接した状態において、広範囲カーソル47を表示画面32の側縁端に接し、広範囲カーソル47の回転処理を行ったとき、広範囲カーソル47の回転処理後の触接位置を回転処理前から回転処理後の間で変えていないにも関わらず、偶然にも左クリック領域47eから右クリック領域47dに変わってしまっているという不都合が生じる。上記回転処理は、この問題を回避するためになされるものである。
【0154】
尚、本実施形態においては、広範囲カーソル47が表示画面32の側縁端に接した場合には、広範囲カーソル47を90度回転させたが、本発明はこれに限らず、右クリック領域及び左クリック領域が操作可能な角度であればよく、45度から135度の範囲で回転することが好ましい。
【0155】
このように、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域は、前記移動領域を前記垂線で二分するように位置するものであり、かつ、前記情報処理装置は、前記移動領域の外周が前記表示部における側縁に接した場合には、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0156】
また、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁に接し、前記表示部における上下縁に接しない場合には、前記移動領域を90度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して90度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に右クリック領域または左クリック領域が表示されずクリックできない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても右クリックまたは左クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【0157】
更には、「前記触接検知手段により触接していると検知された点を中心として、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を回転させる」ので、操作者が触接している操作点を変化させることがないため、スムーズに操作することができるだけでなく、誤操作を防止することができる。
【0158】
また、広範囲カーソル47は、その移動領域に相当する左右クリック領域の外周が、表示画面32の側縁端、及び、上下縁端に接した場合には、図18に示す如く、45度回転する。
【0159】
広範囲カーソル47は、通常では、図18(A)に示す如く、縦軸47aが縦方向に向いているが、その移動領域の外周が表示画面32の側縁端、及び、上下縁端に接した場合には、図18(B)に示す如く、触接している触接位置を中心として回転を開始し、図18(C)に示す如く、45度回転する。実際には、図19に示す如く、左右クリック領域47d及び47eを使用できる状態で、ポインタ46cを表示画面側縁端まで移動させることができる。
【0160】
尚、本実施形態においては、広範囲カーソル47が表示画面32の側縁端、及び、上下縁端に接した場合には、広範囲カーソル47を90度回転させたが、本発明はこれに限らず、右クリック領域及び左クリック領域が操作可能な角度であればよく、30度から60度の範囲で回転することが好ましい。
【0161】
このように、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁と、前記表示部における上下縁と、に接した場合には、前記移動領域を45度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して45度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁近傍に位置させ、更には、指定点を表示部の上下方向縁端近傍に移動させた場合であっても、45度回転させることにより、左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0162】
[実施形態3]
上述した本実施形態においては、情報処理装置10を、本体装置20と表示装置30との別々に構成したが、本発明はこれに限らず、本体装置と表示装置とを一体に構成した情報処理装置としてもよい。
【0163】
また、上述した実施形態における情報処理装置10は、パーソナルコンピュータを用いたが、ほかの情報処理装置であってもよく、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話等に用いてもよい。
【0164】
このように、表示画面が面積の小さいものである場合には、後述する如き形態とすることが好まれる。
【0165】
図20、図23、図24は、上述した如く、情報処理装置10における表示画面32に表示される画像を示す図である。また、図21及び図22は、その表示画面32に表示される画像を示す拡大図である。
【0166】
図20に示す如く、表示画面32の中央には、円形状の広範囲カーソル48が表示されている。また、表示画面32の右側下方には、右クリックボタン49が表示されている。この右クリックボタン49を操作することにより、右クリック操作ができる。
【0167】
この広範囲カーソル48は、図21に示す如く、縦軸48a及び横軸48bの交差したポインタ48cと、円形状の左クリック領域48eと、から構成されている。また、この左クリック領域48eを含める領域を、ポインタ48cを移動させるための移動領域としている。
【0168】
また、この左のクリック領域48eは、図22(A)に示す如く、その各々を、親指で操作することもできれば、図22(B)に示す如く、人差し指で使用することもできる。もちろん、右利きの操作者だけではなく、左利きの操作者によっても設定を変更することなく操作することができる。
【0169】
この広範囲カーソル48は、上述した広範囲カーソル46とほぼ同じように動作する。
【0170】
このため、ドラッグ装置を行った場合には、上述した広範囲カーソル48も、図23に示す如く、指定されたフォルダの色が変化するように表示される。例えば、広範囲カーソル46の領域境界線、縦軸、横軸のみ黒色で表示されていたが、上述した図7(C)の如く、ドラッグ操作であると判別した場合には、図23に示すごとく、その指定されたフォルダを青色に変化させるように表示させる。そして、操作者により広範囲カーソルを移動させることにより、図24に示す如く、ドラッグ操作が可能となるのである。
【0171】
このように、上述した情報処理装置10では、「左クリック領域及び右クリック領域を備え、前記移動領域は、前記表示部において、左クリック領域及び右クリック領域の一を含み、かつ、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他を含まない」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンのいずれかを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0172】
また、最低限左クリック領域及び右クリック領域の一を容易に操作することができ、更には、左クリック領域及び右クリック領域の他を別に備えたため、移動領域を小型化でき、小さい画面であっても容易に操作することができる。
【0173】
本発明は、上述した如く、PDA、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができ、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることが好ましいが、PDA、携帯電話等画面が小さい装置に用いる際には、検知エリアを広く設ける必要が無いため最適である。
【0174】
尚、本実施形態における情報処理装置10では、マウス、キーボード等の装置を用いることなく、タッチセンサ36を用いることのみで操作を行ったが、本発明はこれに限らず、タッチセンサ36を用いることのみならず、マウス、キーボード等の入力装置を用いることにより操作を行う情報処理装置10であってもよい。尚、ここでいう入力装置は、請求項中に記載された、「入力手段」の一部を構成するものに相当するものである。
【0175】
この場合には、「マウス、若しくは、キーボードを含む入力手段と、前記指定点を移動させるための設定を行う入力設定手段と、当該入力設定手段による指定点を移動させるための設定に基づいて、前記触接検知手段により指定点を移動させることと、前記入力手段により指定点を移動させることと、を切り替える入力切替手段と、を備えた」構成としてもよく、使用方法が異なる複数の操作者が同じ情報処理装置を使用する場合であっても、設定の切り替えを行うことにより、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。更には、ある操作者が情報処理装置を使用する場合であっても、その情報処理装置で使用するツールが異なる場合には、そのツールに応じて設定の切り替えを行うことができ、操作者に適した情報処理装置を提供することができるのである。
【0176】
また、上述した実施形態においては、広範囲カーソルの移動領域の形状は、円形状であったが、本発明はこれに限らず、その移動範囲にポインタを含む広範囲カーソルであればよく、例えば、楕円形状、矩形状であってもよく、更には、対象図形でなくともよい。
【0177】
また、上述した実施形態においては、広範囲カーソルの移動領域が、右クリック領域及び左クリック領域の少なくとも一つと等しいものであったが、本発明はこれに限らず、移動領域内に、右クリック領域及び左クリック領域の少なくとも一つが含まれていればよい。
【0178】
更にまた、上述した実施形態においては、移動領域を左クリック領域及び/又は右クリック領域から構成したが、本発明はこれにかぎらず、移動領域が左クリック領域及び/又は右クリック領域を含むものであればよい、即ち、移動領域を、左クリック領域及び/又は右クリック領域と、左クリック領域及び右クリック領域に属さない単なる移動領域と、から構成してもよい。
【0179】
更に詳しくは、移動領域であり、かつ、右クリック領域又は左クリック領域のいずれにも属さない領域(以後、無属性領域)を使用者がタッチセンサを有するタッチパネルを指などで触接した場合において、広範囲カーソルは、右クリック状態又は左クリック状態のいずれにも該当しない処理を行う。使用する場面としては、単に広範囲カーソルの位置を変えるために動かすだけの目的の場合において、使用者は、前記無属性領域を指などでタッチセンサを有するタッチパネルを触接し、触接している使用者の指などを、タッチセンサを有するタッチパネルから触接を解除せず動かすことにより、使用者の指などの動きに連動して広範囲カーソル(指定点及び移動領域)の座標位置を変位させるための処理を経時的に逐次行い、これに併せて表示画面に広範囲カーソルが動く過程を表示することが、これに該当する。
【0180】
これにより、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等に、直感的にカーソルを触接させ、この際には、左クリック領域及び右クリック領域を除く単なる移動領域を触接することにより、広範囲カーソルを誤動作なく操作することができ、より一層好適である。
【0181】
【発明の効果】
本発明によれば、「前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示される」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止する情報処理装置を提供することができる。
【0182】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。特に、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報処理装置の概観図である。
【図2】本発明による情報処理装置の主制御回路のブロック図である。
【図3】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図4】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図5】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図6】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図7】本発明による情報処理装置のタイミングチャートを示す説明図である。
【図8】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図9】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図10】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図11】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図12】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図13】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図14】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図15】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図16】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図17】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図18】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図19】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図20】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図21】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図22】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図23】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図24】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【符号の説明】
10 情報処理装置
20 本体装置
30 表示装置
32 表示画面
36 タッチセンサ
46、47、48 広範囲カーソル
60 主制御回路
66 CPU
68 記憶部
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として幼稚園児等の若年齢者、高年齢者、身体障害者、病院患者等の情報処理装置の使用に関して比較的初心者が使用するための情報処理装置及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、情報処理装置は、演算装置、記憶装置、マウス等の入力装置、表示装置等の出力装置から構成されており、各種データの演算、記憶を行うものである。近年の著しいIT(Information Technology)化に伴い、情報処理装置を使用するユーザが飛躍的に増大しており、社会には欠かすことのできないものとされている。
【0003】
このような著しいIT化には、情報処理装置にインストールされているOS(Operating System)ソフトの存在なくしては語ることができない。このようなOSソフトには、GUI(Graphical User Interface)が用いられており、操作しやすいようにウィンドウやアイコンなどを使い、コンピュータをわかりやすく使用できるようになっている。つまり、ユーザがデスクトップのアイコンをマウスでクリックするだけで、簡単にファイルの操作やアプリケーションソフトの起動などを実行できるようになっており、誰にでも容易に使用することのできる情報処理装置を実現しているのである。
【0004】
しかし、初めて情報処理装置を使用するような初心者には、マウス、キーボード等の入力装置を取り扱うことは容易なことではない。更には、上述した初心者だけでなく、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとってはマウス、キーボードを操作することが容易ではない人も多くいるのが現状である。
【0005】
そこで、特開2000−99269号公報では、タッチパネルを用い、そのタッチパネルに触接した位置、タイミングで操作の識別を行う情報処理装置が提供されており、簡便である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような情報処理装置であっても、容易に操作することができず、更には、誤操作を行うこともある。特に、上述した如く、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとってはマウス、キーボードを操作することが容易ではない。
【0007】
これには、様々な原因が考えられる。
【0008】
まず、このようなカーソル等には、他の画像と干渉しないようなサイズに設定されており、人間の指と比較すると、極めて小さいサイズとなっていることが挙げられる。これにより、通常の操作を行う場合であってもカーソル等を移動させることは容易でなく、細かい操作を要する場合には、困難な作業を強いられてしまい、チャタリングを起こす可能性も生じ、操作者の意図と異なり、誤操作を行うこととなるのである。
【0009】
次いで、カーソル等を移動させるための移動領域が視覚的に明確でないことが挙げられる。カーソル等は、単にフォルダ、ウィンドウを指定するためのポインタを示すものであり、このポインタを移動させるための移動領域を示すものではない。勘のいい操作者は、このカーソル等が指し示すポインタから移動領域を目測し、移動領域であるか否かを判断することとなるが、その他の者は、移動領域であるか否かの目測を誤り得、操作したつもりが操作されていない、更には、操作しないつもりが操作されているケースもある。これにより、操作者の意図と異なり、誤操作を行うこととなるのである。
【0010】
更には、今日の技術革新により、デスクトップに表示される画像の解像度が日進月歩増大しているため、カーソル等を操作することを、より一層、容易でないものとしているのも上述した一因となっていることは事実である。また、情報処理装置の小型化を妨げる一因ともなっている。
【0011】
そこで、特開平7−72976号公報では、画面縁端に設けられた画像を操作することにより、カーソル移動、右ボタン、左ボタン、クリック、ダブルクリック等を判断する情報処理装置が提供されている。
【0012】
また、情報処理装置には、パーソナルコンピュータ等非携帯型の情報処理装置の他にも、ノート型パーソナルコンピュータ、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話等をはじめとする携帯型の情報処理端末も含まれており、PDA等には、ペン型のポインティングデバイスを用いて操作することができるようにもなってきている。
【0013】
しかし、このような情報処理装置においては、上述した如く、単に初心者等が使用することのみが考慮されているため、実際のマウス等のポインティングデバイスとは操作方法の観点において大きく異なる。
【0014】
つまり、マウス等のポインティングデバイスを用いる場合には、手でマウス等のポインティングデバイスを押さえるとともに、腕を移動させることによってポインタを移動させ、更には、指を動かすことにより、各種操作を実現させる。しかし、初心者等が熟練した場合には、通常の操作者と同じようにマウス等のポインティングデバイスによりポインタ等を操作することが望まれるため、再度、マウス等のポインティングデバイスの操作方法を覚え、慣れる必要があり、煩雑である。
【0015】
これに加えて、上述した特開平7−72976号公報記載の情報処理装置においては、実際にカーソル等が指し示すポインタ近傍を操作することがないため、初心者等がこの操作に慣れた場合には、この観点においても、再度、操作方法を覚え、慣れる必要があり、煩雑である。
【0016】
本発明は、上述した如き課題に鑑みてなされたものであり、実際のマウス操作と同じような操作方法を用い、初心者等、ユーザを選ぶことなく、確実に操作することができる情報処理装置を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示されることを特徴とする。
【0018】
より具体的には、本発明は、以下のようなものを提供する。
【0019】
(1) 画像が表示される表示部と、前記表示部に、当該表示部内の位置を指定するための指定点を示す指定点画像を表示させる表示制御手段と、前記表示部において、当該表示部における触接の検知を行う触接検知手段と、を備え、当該触接検知手段による検知の結果に応じて情報処理が行われ得る情報処理装置であって、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示されることを特徴とする情報処理装置。
【0020】
(1)の発明によれば、「前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示される」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止する情報処理装置を提供することができる。
【0021】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。特に、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【0022】
(2) 前記表示制御手段は、前記移動領域画像を、半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさで表示されることを特徴とする(1)記載の情報処理装置。
【0023】
(2)の発明によれば、「前記表示制御手段は、前記移動領域画像を、半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさで表示される」ので、操作者の指よりも面積の狭い従来のカーソルよりも大きな移動領域を備えることとなり、移動領域に対して操作者の指であっても充分触接することができる面積があるため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとっては操作が容易ではないマウス、キーボード等の入力装置を用いることなく、更には、ペン型のポインティングデバイスを用いることなく、操作者の指自体で操作可能となり、更には、誤操作防止にもなる。これにより、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。また、「半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさ」で移動領域画像を表示させることが好ましく、「半径5mmの円を含み、かつ、半径25mmの円を含まないような大きさ」が最適である。
【0024】
本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができるが、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることがより一層適している。
【0025】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0026】
(3) 前記移動領域は、左クリック領域及び右クリック領域を含んでいるものであり、前記表示制御手段は、前記表示部において、前記左クリック領域の全域を画定する左クリック領域画像と、右クリック領域の全域を画定する右クリック領域画像を表示させるものであることを特徴とする(1)又は(2)記載の情報処理装置。
【0027】
(3)の発明によれば、「前記移動領域は、左クリック領域及び右クリック領域を含んでいるものであり、前記表示制御手段は、前記表示部において、前記左クリック領域の全域を画定する左クリック領域画像と、右クリック領域の全域を画定する右クリック領域画像を表示させるものである」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0028】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0029】
(4) 前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一は、前記指定点を含むものであり、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他は、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一の外周に接し、かつ、前記指定点を含まないものであることを特徴とする(3)記載の情報処理装置。
【0030】
(4)の発明によれば、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一は、前記指定点を含むものであり、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他は、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一の外周に接し、かつ、前記指定点を含まないものである」ので、表示部のどの位置に指定点を移動させた場合であっても、必ず左クリック領域及び右クリック領域を操作することが可能である。
【0031】
例えば、表示部の角部に指定点を移動させた場合には、指定点を中心として、その移動領域の4分の3の角度は表示されないこととなるが、残りの4分の1の角度は必ず表示させることとなり、その範囲には、少なくとも左クリック領域の一部、及び、右クリック領域の一部が表示されることとなる。これにより、どの位置に指定点を移動させても両クリック領域は必ず表示されることとなる。
【0032】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0033】
(5) 前記移動領域は、円形状であり、かつ、前記左クリック領域と前記右クリック領域とから構成されたものであり、前記左クリック領域若しくは前記右クリック領域は、前記移動領域よりも小さい円形状であり、前記移動領域の中心と同じ位置に中心を備えたものであることを特徴とする(3)又は(4)記載の情報処理装置。
【0034】
(5)の発明によれば、「前記移動領域は、円形状であり、かつ、前記左クリック領域と前記右クリック領域とから構成されたものであり、前記左クリック領域若しくは前記右クリック領域は、前記移動領域よりも小さい円形状であり、前記移動領域の中心と同じ位置に中心を備えたものである」ので、指定点が縁端近傍に位置した場合でも、略同じ面積で表示されることとなるため、指定点がどの位置に移動しても操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0035】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0036】
(6) 前記左クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より左側に位置するものであり、前記右クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より右側に位置するものであることを特徴とする(3)記載の情報処理装置。
【0037】
(6)の発明によれば、「前記左クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より左側に位置するものであり、前記右クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より右側に位置するものである」ので、実際のマウス操作と同じように操作することができるため、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0038】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0039】
(7) (6)記載の情報処理装置において、前記左クリック領域及び前記右クリック領域は、前記移動領域を前記垂線で二分するように位置するものであり、かつ、前記情報処理装置は、前記移動領域の外周が前記表示部における側縁に接した場合には、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して回転させることを特徴とする情報処理装置。
【0040】
(7)の発明によれば、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域は、前記移動領域を前記垂線で二分するように位置するものであり、かつ、前記情報処理装置は、前記移動領域の外周が前記表示部における側縁に接した場合には、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0041】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0042】
(8) 前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁に接し、前記表示部における上下縁に接しない場合には、前記移動領域を90度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して90度回転させることを特徴とする(7)記載の情報処理装置。
【0043】
(8)の発明によれば、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁に接し、前記表示部における上下縁に接しない場合には、前記移動領域を90度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して90度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に右クリック領域または左クリック領域が表示されずクリックできない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても右クリックまたは左クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【0044】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0045】
(9) 前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁と、前記表示部における上下縁と、に接した場合には、前記移動領域を45度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して45度回転させることを特徴とする(7)記載の情報処理装置。
【0046】
(9)の発明によれば、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁と、前記表示部における上下縁と、に接した場合には、前記移動領域を45度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して45度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁近傍に位置させ、更には、指定点を表示部の上下方向縁端近傍に移動させた場合であっても、45度回転させることにより、左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0047】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0048】
(10) 前記触接検知手段により触接していると検知された点を中心として、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を回転させることを特徴とする(8)又は(9)記載の情報処理装置。
【0049】
(10)の発明によれば、「前記触接検知手段により触接していると検知された点を中心として、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を回転させる」ので、操作者が触接している操作点を変化させることがないため、スムーズに操作することができるだけでなく、誤操作を防止することができる。
【0050】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0051】
(11) (1)又は(2)記載の情報処理装置は、左クリック領域及び右クリック領域を備え、前記移動領域は、前記表示部において、左クリック領域及び右クリック領域の一を含み、かつ、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他を含まないものであることを特徴とする情報処理装置。
【0052】
(11)の発明によれば、「左クリック領域及び右クリック領域を備え、前記移動領域は、前記表示部において、左クリック領域及び右クリック領域の一を含み、かつ、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他を含まない」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンのいずれかを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0053】
また、最低限左クリック領域及び右クリック領域の一を容易に操作することができ、更には、左クリック領域及び右クリック領域の他を別に備えたため、移動領域を小型化でき、小さい画面であっても容易に操作することができる。
【0054】
本発明は、上述した如く、PDA、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができ、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることが好ましいが、PDA、携帯電話等画面が小さい装置に用いる際には、検知エリアを広く設ける必要が無いため、(11)に記載した発明が最適である。
【0055】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0056】
(12) 前記左クリック領域又は前記右クリック領域の操作に基づいて、ファイル又はフォルダ等の被指定画像の選択又は移動の少なくともいずれかを行わせるドラッグ操作を実行することを特徴とする(3)から(11)のいずれか記載の情報処理装置。
【0057】
(12)の発明によれば、「前記左クリック領域又は前記右クリック領域の操作に基づいて、ファイル又はフォルダ等の被指定画像の選択又は移動の少なくともいずれかを行わせるドラッグ操作を実行する」ので、左右のクリック、ダブルクリックの他にも、各種の操作が可能となり、簡便である。
【0058】
(13) (12)記載の情報処理装置において、前記表示制御装置は、前記被指定画像が指定された後に、当該被指定画像を前記ドラッグ操作が実行されている場合には、前記被指定画像を、前記被指定画像が指定される前とは異なる色で表示させるものであることを特徴とする情報処理装置。
【0059】
(13)の発明によれば、「(12)記載の情報処理装置において、前記表示制御装置は、前記被指定画像が指定された後に、当該被指定画像を前記ドラッグ操作が実行されている場合には、前記被指定画像を、前記被指定画像が指定される前とは異なる色で表示させるものである」ので、ドラッグ操作を実行したことが明確となり、誤操作を防止することができる。更には、移動領域画像の色を変化させても同様の効果が得られる。
【0060】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0061】
(14) 前記移動領域の設定を行うための移動領域設定手段と、当該移動領域設定手段により行われた前記移動領域の設定に基づいて移動領域を変化させる移動領域変更手段と、を備えたことを特徴とする(1)から(13)のいずれか記載の情報処理装置。
【0062】
(14)の発明によれば、「前記移動領域の設定を行うための移動領域設定手段と、当該移動領域設定手段により行われた前記移動領域の設定に基づいて移動領域を変化させる移動領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0063】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0064】
(15) 前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定を行うためのクリック領域設定手段と、当該クリック領域設定手段により行われた前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定に基づいて、左クリック領域及び/又は右クリック領域を変化させるクリック領域変更手段と、を備えたことを特徴とする(1)から(14)のいずれか記載の情報処理装置。
【0065】
(15)の発明によれば、「前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定を行うためのクリック領域設定手段と、当該クリック領域設定手段により行われた前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定に基づいて、左クリック領域及び/又は右クリック領域を変化させるクリック領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0066】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0067】
(16) マウス、若しくは、キーボードを含む入力手段と、前記指定点を移動させるための設定を行う入力設定手段と、当該入力設定手段による指定点を移動させるための設定に基づいて、前記触接検知手段により指定点を移動させることと、前記入力手段により指定点を移動させることと、を切り替える入力切替手段と、を備えたことを特徴とする(1)から(15)のいずれか記載の情報処理装置。
【0068】
(16)の発明によれば、「マウス、若しくは、キーボードを含む入力手段と、前記指定点を移動させるための設定を行う入力設定手段と、当該入力設定手段による指定点を移動させるための設定に基づいて、前記触接検知手段により指定点を移動させることと、前記入力手段により指定点を移動させることと、を切り替える入力切替手段と、を備えた」ので、使用方法が異なる複数の操作者が同じ情報処理装置を使用する場合であっても、設定の切り替えを行うことにより、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。更には、ある操作者が情報処理装置を使用する場合であっても、その情報処理装置で使用するツールが異なる場合には、そのツールに応じて設定の切り替えを行うことができ、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。
【0069】
また、このような情報処理装置を提供するほかにも、同じように、プログラム又はコンピュータ読み取り可能な記憶媒体としても提供することができる。
【0070】
(17) 画像が表示される表示部を備えた情報処理装置に対して、当該表示部に、所望の画像を指定するための指定点を示す指定点画像の表示を行わしめるステップと、前記表示部において、当該表示部における触接の検知を行わしめるステップと、当該ステップによる検知の結果に応じて情報処理が行わしめ得るステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記情報処理装置に対して、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域の決定を行わしめるステップと、前記表示部において、移動領域の全域が画定される移動領域画像を表示せしめ、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知が行われた触接位置に前記指定点画像及び前記移動領域画像を表示せしめるステップと、当該移動領域画像の表示位置に連動して前記指定点及び前記移動領域を移動せしめるステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【0071】
(17)の発明によれば、「前記情報処理装置に対して、前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域の決定を行わしめるステップと、前記表示部において、移動領域の全域が画定される移動領域画像を表示せしめ、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知が行われた触接位置に前記指定点画像及び前記移動領域画像を表示せしめるステップと、当該移動領域画像の表示位置に連動して前記指定点及び前記移動領域を移動せしめるステップと、を実行させる」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止するプログラムを提供することができる。
【0072】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。
【0073】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の好適な実施形態について図面に基づいて説明する。
【0074】
[情報処理装置の構成]
情報処理装置10の概略図を図1に示す。
【0075】
情報処理装置10は、後述する主制御回路60(図2参照)等を含む本体装置20と、その本体装置20から各種の信号を送受信する表示装置30と、から構成されている。
【0076】
この本体装置20は、その前面に、各種のドライブにアクセス可能にするためのドライブ装置22、電源投入時に操作される電源スイッチ24等、各種の装置が設けられている。また、本体装置20は、その背面から、表示装置30と各種の信号を送受信するための接続ケーブル(図示せず)が接続されている。
【0077】
一方、表示装置30は、その前面に、画像を表示させるための表示画面32と、表示装置30に表示される画像を調節するための調節スイッチ、表示装置30の表示画面32に画像を表示させるか否かを操作するための表示スイッチを含むスイッチ群34が備えられている。また、この表示画面32には、タッチセンサ36(図2参照)を有するタッチパネル35が備えられており、ペン型ポインティングデバイス、操作者の指等が、表示画面32に触接されたことを検出することとなる。更には、表示装置30は、その背面に、上述した本体装置20と各種の信号を送受信するための接続ケーブル(図示せず)が接続されている。
【0078】
尚、ここでいう表示装置30は、請求項中に記載された、「表示制御手段」の一部を構成するものに相当するものであり、かつ、ここでいう表示画面32は、請求項中に記載された、「表示部」の一部を構成するものに相当するものである。また、ここでいうタッチセンサ36を有するタッチパネル35は、請求項中に記載された、「触接検知手段」の一部を構成するものに相当するものである。
【0079】
[情報処理装置の制御部の構成]
本発明の実施形態である情報処理装置10の制御回路を示すブロック図を図2に示す。尚、図2は、本発明に必要な装置等を示すものであり、スイッチ等の各種の装置は省略する。
【0080】
主制御回路60は、予め設定されたプログラムに従って制御動作を行うCPU66と、ROM、RAM、ハードディスクドライブ、そのドライブ等で構成された記憶部68、画像を表示させるためのビデオRAM76(以降VRAMと称する)と、更には、タッチセンサ36との信号の送受信を実行するためのインターフェイス回路72(以降I/F回路と称する)と、ビデオCPU74と、を含んでいる。
【0081】
また、これらの主制御回路60に備えられたCPU66をはじめとする各種の装置は、BUSに接続されている。CPU66は、BUSを介して各種の装置に命令を示す信号を供給し、更には、CPU66に供給される信号を、BUSを介して受け取ることとなる。また、CPU66は、記憶部68に記録されたプログラムに基づいて情報処理装置10の制御を実行するものである。
【0082】
尚、ここでいうCPU66は、請求項中に記載された、「表示制御手段」、「触接検知手段」、「移動領域設定手段」、「移動領域変更手段」、「クリック領域設定手段」、「クリック領域変更手段」、「入力手段」、「入力設定手段」、「入力切替手段」の一部を構成するものに相当する。
【0083】
更にまた、記憶部68は、OSソフト、アプリケーションソフト等、各種のファイルを記憶するものである。このファイルには、後述する如く、領域データが含まれており、その領域データに応じて広範囲カーソル46(図3参照)の形状を決定することとなる。
【0084】
記憶部68は、BUSに接続されており、情報処理装置10の制御全体の流れを制御する制御プログラムを記録する。また、記憶部68は、制御プログラムを実行するための初期データや、表示装置30における表示制御をするプログラム、表示装置30におけるタッチセンサ36からの信号を受信するプログラム等を記憶する。
【0085】
また、本実施形態におけるプログラムは、具体的には、下記のようなものを含む。
【0086】
(A) 「表示部に、所望の画像を指定するための指定点を示す指定点画像の表示を行わしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0087】
(B) 「表示部において、当該表示部における触接の検知を行わしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0088】
(C) 「ステップ(B)による検知の結果に応じて情報処理が行わしめ得るステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0089】
(D) 「表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域の決定を行わしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0090】
(E) 「表示部において、移動領域の全域が画定される移動領域画像を表示せしめ、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知が行われた触接位置に前記指定点画像及び前記移動領域画像を表示せしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0091】
(F) 「当該移動領域画像の表示位置に連動して前記指定点及び前記移動領域を移動せしめるステップ」を情報処理装置10に実行させるプログラム。
【0092】
このようなプログラムを実行させることによって、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止するプログラムを提供することができる。
【0093】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。
【0094】
尚、ここでいう記憶部68は、請求項中に記載された、「表示制御手段」、「触接検知手段」、「移動領域設定手段」、「移動領域変更手段」、「クリック領域設定手段」、「クリック領域変更手段」、「入力手段」、「入力設定手段」、「入力切替手段」の一部を構成するものに相当する。
【0095】
また、本実施形態でのプログラムは、記憶部68に予め記録されているものであるが、本発明はこれに限らず、予め記憶部68に記録されていなくとも、電源投入直後にメモリ等に記録されるものであってもよい。更にまた、プログラムの各々が別々の記憶媒体に記録されていてもよい。
【0096】
特にプログラムが電源投入直後にメモリ等に記録される場合には、OSソフトとアプリケーションソフトとの間に位置するミドルウェアとして取り扱うことができ、そのプログラムのダウンロードを実行することができ、使用方法が異なる複数の操作者が同じ情報処理装置を使用する場合であっても、設定の切り替えを行うことにより、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。更には、ある操作者が情報処理装置を使用する場合であっても、その情報処理装置で使用するツールが異なる場合には、そのツールに応じて設定の切り替えを行うことができ、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。
【0097】
更にまた、記憶部68は、CPU66が情報処理を実行上で使用するフラグや変数の値をも記憶する。
【0098】
更にまた、I/F回路72は、BUSに接続されており、CPU66から供給される有効信号をタッチセンサ36に供給するとともに、タッチセンサ36から供給される触接信号を所定の信号に変換し、CPU66に供給することとなる。
【0099】
更にまた、ビデオ用CPU74は、BUSに接続されており、CPU66から供給された画像表示命令に基づいて、後述するVRAM76に画像データを記録し、所定のタイミングでその画像データを読み出し、所定の信号に変換し、その信号を表示装置30における表示画面32に供給する。これにより、表示装置30における表示画面32に画像が表示されるのである。
【0100】
また、このビデオ用CPU74には、VRAM76が接続されている。このVRAM74は、ビデオ用CPU74から供給される画像データを順次記録するものであり、所定のタイミングでビデオ用CPU74から読み出される。
【0101】
[表示装置の制御部の構成]
表示装置30においては、表示画面32、タッチセンサ36が、上述した主制御回路60に接続ケーブルを介して接続されている。
【0102】
表示画面32は、ビデオ用CPU74に接続ケーブルを介して接続されており、ビデオ用CPU74から供給された信号に基づいて画像を表示させる。尚、表示される画像の詳細については後述する。
【0103】
タッチセンサ36は、I/F回路72に接続ケーブルを介して接続されており、I/F回路72から供給される有効信号を受け取り、表示画面32に触接されたことを検出する。また、タッチセンサ36は、この検出の結果に基づいて、検出位置を示す位置データを含む触接検出信号をI/F回路72を供給する。尚、検出位置の詳細については後述する。
【0104】
[表示画像の説明]
図3は、上述した如く、情報処理装置10における表示画面32に表示される画像を示す図である。また、図4及び図5は、その表示画面32に表示される画像を示す拡大図である。
【0105】
図3に示す如く、表示画面32の左縁端には、複数個のフォルダ42が表示されている。また、表示画面32の下縁端には、タスクバー44が表示されている。更には、表示画面32の中央には、円形状の広範囲カーソル46が表示されている。
【0106】
この広範囲カーソル46は、図4に示す如く、縦軸46a及び横軸46bの交差したポインタ46cと、そのポインタ46cを含む右クリック領域46dと、その右クリック領域46dの外周に位置する左クリック領域46eと、から構成されている。また、この左右クリック領域46d及び46eを含める領域を、ポインタ46cを移動させるための移動領域としている。
【0107】
広範囲カーソル46のポインタ46cは、画面上の位置を示すためのものである。また、右クリック領域46d及び左クリック領域46eは、それぞれ、マウスの右クリック、左クリックに相当するものであり、操作者がクリック、ドラッグする場合に、操作者がクリック、ドラッグする領域である。
【0108】
この右クリック領域46d及び左クリック領域46eは、図5(A)に示す如く、その各々を、親指と人差し指とで操作することもできれば、図5(B)に示す如く、人差し指と中指で使用することもできる。更には、図5(A)及び図5(B)に示す如く、右利きの操作者だけではなく、図5(C)に示す如く、左利きの操作者によっても設定を変更することなく操作することができる。このように、操作者は、広範囲カーソル46を用いて情報処理装置10を操作することとなる。尚、本実施形態においては、指により操作可能な広範囲カーソル46として記載されているが、本発明はこれに限らず、指以外でも操作可能なものであってもよく、例えば、身障者、病気患者等に含まれる指が自由でない者により、手の甲、肘、鼻等、身体の一部を触接させることにより操作可能なものであってもよい。
【0109】
尚、ここでいうポインタ46cは、請求項中に記載された「指定点」に相当するものであり、ポインタ46cの位置を示す縦軸46a及び横軸46bは、請求項中に記載された、「指定点画像」に相当する。また、ここでいう広範囲カーソル46の左右クリック領域46d及び46eを合わせた領域は、請求項中に記載された「移動領域」に相当し、その移動領域を画定する最外郭の円形状の画像は、請求項中に記載された「移動領域画像」に相当する。更には、ここでいう左クリック領域46eは、請求項中に記載された「左クリック領域」に相当するものであり、ここでいう右クリック領域46dは、請求項中に記載された「右クリック領域」に相当するものである。
【0110】
また、この広範囲カーソル46は、その左右クリック領域46d及び46e、即ち、移動領域を、ポインタ46cを中心として半径10mmとしており、更には、右クリック領域46dを、ポインタ46cを中心として、半径5mmとしている。
【0111】
本実施形態においては、移動領域を、ポインタ46cを中心として半径10mmの円形状としたが、本発明はこれに限らず、操作者の指がはみ出ない程度の大きさであればよく、例えば、半径5mmより広く、かつ、半径30mmより狭いものであれば好ましく、半径5mmより広く、かつ、半径25mmより狭いものであれば最適である。
【0112】
このように、「前記表示制御手段は、前記移動領域画像を、半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさで表示される」ので、操作者の指よりも面積の狭い従来のカーソルよりも大きな移動領域を備えることとなり、移動領域に対して操作者の指であっても充分触接することができる面積があるため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等にとっては操作が容易ではないマウス、キーボード等の入力装置を用いることなく、更には、ペン型のポインティングデバイスを用いることなく、操作者の指自体で操作可能となり、更には、誤操作防止にもなる。これにより、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。また、「半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさ」で移動領域画像を表示させることが好ましく、「半径5mmの円を含み、かつ、半径25mmの円を含まないような大きさ」が最適である。
【0113】
本発明は、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができるが、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることがより一層適している。
【0114】
[タッチセンサ制御]
図6及び図7は、タッチセンサ36における広範囲カーソル46を操作する方法を示す説明図である。
【0115】
表示画面32には、図6に示す如く、広範囲カーソル46が表示されている。この広範囲カーソル46は、そのポインタ46cが(X1,Y1)座標に位置付けられている。
【0116】
操作者が、左右クリック領域46d及び46e、即ち、移動領域に人差し指を触接させた場合には、タッチセンサ36は、その触接された全ての位置を示す触接信号を、接続ケーブル、I/F回路72、BUSを介して、CPU66に供給する。そして、CPU66は、その触接信号を受け取り、その触接信号と、触接信号を受け取った時間を示す時間データと、を記憶部68に記録する。
【0117】
CPU66は、受け取った触接データに基づいてポインタ46cの位置を決定する。
【0118】
例えば、図6に示す如く、タッチセンサ36が触接した位置を、(X1,Y1)座標として検知した場合には、CPU66は、ポインタ46cの位置を(X1,Y1)として決定する。
【0119】
また、CPU66は、記憶部68に記録された領域データを読み出し、広範囲カーソル46の画像を生成する。尚、この領域データとは、左右クリック領域46d及び46eの半径を示すものである。本実施形態においては、円形状の広範囲カーソル46であったが、本発明はこれに限らず、他の形状でもよく、この場合には、領域データを広範囲カーソルの形状を示すデータを含むものとして記録してもよい。
【0120】
このように、CPU66は、広範囲カーソル46を表示させる位置を決定し、更には、その広範囲カーソル46の画像を生成することが完了した場合には、その画像データと、表示位置を示すデータと、を含む画像表示命令を、BUSを介して、ビデオ用CPU74に供給する。
【0121】
このビデオ用CPU74は、画像表示命令を受け取り、その画像表示命令に含まれる画像データを、VRAM76における画像表示位置に相当する位置に、重畳的に記録する。そして、ビデオ用CPU74は、所定のタイミングでVRAM76から画像データを読み出し、接続ケーブルを介して、その画像データを表示装置30の表示画面32に供給する。
【0122】
更には、操作者の指を移動させ、触接する位置が図6に示す如く、(X2,Y2)座標に変位した場合には、タッチセンサ36は、触接位置を検出し、その触接位置、(X2,Y2)座標を示す触接信号を、上述した如くCPU66に供給する。この信号を受け取ったCPU66は、上述した如く、その触接信号に基づいて、広範囲カーソル46の位置を(X2,Y2)座標を示す位置に変位させるように、表示画面32に表示させるのである。
【0123】
これにより、図6に示す如く、その(X1,Y1)座標を中心として、広範囲カーソル46を重畳的に表示させることができ、広範囲カーソル46の位置を(X1,Y1)座標に変位させた場合には、(X1,Y1)座標を中心として広範囲カーソル46を重畳的に表示させるのである。
【0124】
このように、「前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示される」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止する情報処理装置を提供することができる。
【0125】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。
【0126】
更には、「前記移動領域は、左クリック領域及び右クリック領域を含んでいるものであり、前記表示制御手段は、前記表示部において、前記左クリック領域の全域を画定する左クリック領域画像と、右クリック領域の全域を画定する右クリック領域画像を表示させるものである」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0127】
尚、本実施形態においては、左右クリック領域46d及び46eの半径を固定値としてもよいが、本発明はこれに限らず、その領域データを設定できるようにしてもよい。
【0128】
これにより、「前記移動領域の設定を行うための移動領域設定手段と、当該移動領域設定手段により行われた前記移動領域の設定に基づいて移動領域を変化させる移動領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0129】
また、同じように、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域の少なくともいずれかの設定を行うためのクリック領域設定手段と、当該クリック領域設定手段により行われた前記左クリック領域及び前記右クリック領域の少なくともいずれかの設定に基づいて、左クリック領域及び右クリック領域の少なくともいずれかを変化させるクリック領域変更手段と、を備えた」ので、操作者に適した設定を行うことができるため、より一層、操作性を向上させ、誤操作を防止することができる。更には、操作者に適した最小面積を設定することにより、移動領域画像を最小限に表示させることができる。
【0130】
[クリック制御]
次に、図7を参照して本実施の形態の動作について詳細に説明する。また、図7(A)は、シングルクリックを示すタイミングチャートであり、図7(B)は、ダブルクリックを示すタイミングチャートであり、図7(C)は、ドラッグを示すタイミングチャートである。
【0131】
第1タッチポイントの検出が時刻T1とすると、この検出された時刻T1を基準にして所定の時間(T1−T2)内に検出されるタッチ数で各種の操作を決定する。
【0132】
例えば、図7(A)に示す如く、時刻T1から時刻T2の間に1回のタッチが行われた場合には、シングルクリック、図7(B)に示す如く、時刻T1から時刻T2の間に1回のタッチが行われた場合には、ダブルクリック、として判断される。更には、図7(C)に示す如く、時刻T2において、タッチされ続けている場合には、ドラッグとして判別されることとなる。
【0133】
また、上述した如く、ドラッグされた場合には、上述した広範囲カーソル46は、その色が変化するように表示される。例えば、広範囲カーソル46の領域境界線、縦軸、横軸のみ黒色で表示されていたが、上述した図7(C)の如く、ドラッグ操作であると判別した場合には、図8に示すごとく、その指定されたフォルダを青色に変化させるように表示させる。そして、操作者により広範囲カーソルを移動させることにより、図9に示す如く、ドラッグ操作が可能となるのである。
【0134】
尚、本実施形態では、ドラッグの際には指定されたフォルダ、ファイルのみを変色させるように表示したが、本発明はこれに限らず、指定されたフォルダ、ファイルだけでなく、ドラッグ中は、右クリック領域46dまたは左クリック領域46eの色を変化させる処理を行ってもよい。これにより、使用者は、本発明の広範囲カーソル操作中の状況をリアルタイムに、且つ、視覚的に認識することが可能となる。
【0135】
このように、「前記左クリック領域及び右クリック領域の操作に基づいて、ファイル、フォルダ等の被指定画像の選択又は移動の少なくともいずれかを行わせるドラッグ操作を実行する」ので、左右のクリック、ダブルクリックの他にも、各種の操作が可能となり、簡便である。
【0136】
更には、「前記表示制御装置は、前記被指定画像が指定された後に、当該被指定画像を前記ドラッグ操作が実行されている場合には、前記被指定画像を、前記被指定画像が指定される前とは異なる色で表示させるものである」ので、ドラッグ操作を実行したことが明確となり、誤操作を防止することができる。更には、移動領域画像の色を変化させても同様の効果が得られる。
【0137】
更には、この広範囲カーソル46は、図10に示す如く、ポインタ46cを、表示画面32の角32aに移動させた場合にも、広範囲カーソル46の左右クリック領域46d及び46eが表示されているため、表示画面全領域において、広範囲カーソル46を用いることができる。
【0138】
このように、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一は、前記指定点を含むものであり、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他は、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一の外周に接し、かつ、前記指定点を含まないものである」ので、表示部のどの位置に指定点を移動させた場合であっても、必ず左クリック領域及び右クリック領域を操作することが可能である。
【0139】
例えば、表示部の角部に指定点を移動させた場合には、指定点を中心として、その移動領域の4分の3の角度は表示されないこととなるが、残りの4分の1の角度は必ず表示させることとなり、その範囲には、少なくとも左クリック領域の一部、及び、右クリック領域の一部が表示されることとなる。これにより、どの位置に指定点を移動させても両クリック領域は必ず表示されることとなる。
【0140】
また、「前記移動領域は、円形状であり、かつ、前記左クリック領域と前記右クリック領域とから構成されたものであり、前記左クリック領域若しくは前記右クリック領域は、前記移動領域よりも小さい円形状であり、前記移動領域の中心と同じ位置に中心を備えたものである」ので、指定点が縁端近傍に位置した場合でも、略同じ面積で表示されることとなるため、指定点がどの位置に移動しても操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0141】
[実施形態2]
また、後述する如き広範囲カーソルであってもよい。
【0142】
図11、図14、図15は、上述した如く、情報処理装置10における表示画面32に表示される画像を示す図である。また、図12及び図13は、その表示画面32に表示される画像を示す拡大図である。
【0143】
図13に示す如く、表示画面32の中央には、円形状の広範囲カーソル47が表示されている。
【0144】
この広範囲カーソル47は、図12に示す如く、縦軸47a及び横軸47bの交差したポインタ47cと、縦軸47aよりも右側に位置する右クリック領域47dと、縦軸47aよりも左側に位置する左クリック領域47eと、から構成されている。また、この左右クリック領域47d及び47eを含める領域を、ポインタ47cを移動させるための移動領域としている。尚、ここでいう縦軸47aは、請求項中に記載された「指定点を含む垂線」に相当するものである。
【0145】
また、この左右のクリック領域47d及び47eは、図13(A)に示す如く、その各々を、親指と人差し指とで操作することもできれば、図13(B)に示す如く、人差し指と中指で使用することもできる。もちろん、右利きの操作者だけではなく、左利きの操作者によっても設定を変更することなく操作することができる。
【0146】
この広範囲カーソル47は、上述した広範囲カーソル46とほぼ同じように動作する。
【0147】
このため、ドラッグ装置を行った場合には、上述した広範囲カーソル47も、図14に示す如く、指定されたフォルダの色が変化するように表示される。例えば、広範囲カーソル46の領域境界線、縦軸、横軸のみ黒色で表示されていたが、上述した図7(C)の如く、ドラッグ操作であると判別した場合には、図14に示すごとく、その指定されたフォルダを青色に変化させるように表示させる。そして、操作者により広範囲カーソルを移動させることにより、図15に示す如く、ドラッグ操作が可能となるのである。
【0148】
このように、「前記左クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より左側に位置するものであり、前記右クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より右側に位置するものである」ので、実際のマウス操作と同じように操作することができるため、マウスの右左ボタンを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0149】
また、この広範囲カーソル47は、左右の両縁端近傍に位置する場合には、所定の角度だけ回転するように表示される。尚、広範囲カーソル47は、左右の両縁端近傍に位置した後に、左右の両縁端近傍でない位置に変位した場合には、上述した通常の形状で表示される。
【0150】
図11乃至図19に記載の広範囲カーソル47において、移動領域(右クリック領域47dと左クリック領域47e)の外周が表示画面32の側縁端もしくは角にいっぱいまで移動した場合、右クリック領域47dもしくは左クリック領域47eのいずれかが完全に表示画面32から外れてしまう問題がある。例えば、左の側縁端に移動領域を移動した場合は、左クリック領域47dが完全に表示画面32から外れてしまうため、左クリックの操作を行うことができない。
【0151】
そこで、上記問題を解決するために、広範囲カーソル47は、その移動領域に相当する右クリック領域47d又は左クリック領域47eのいずれかの外周が、表示画面32の側縁端に接した場合には、図16に示す如く、90度回転する。
【0152】
広範囲カーソル47は、通常では、図16(A)に示す如く、縦軸47aが縦方向に向いているが、その移動領域の外周が表示画面32の側縁端に接した場合には、図16(B)に示す如く、触接している触接位置を中心として回転を開始し、図16(C)に示す如く、90度回転する。実際には、図17に示す如く、右クリック領域47d及び左クリック領域47eともに左右クリック領域47d及び47eを使用できる状態で、ポインタ47cを表示画面側縁端まで移動させることができる。
【0153】
触接している触接位置を中心として回転をする理由は、広範囲カーソル47の回転処理後、どちらが右クリック領域47dで、どちらが左クリック領域47eであるかを視覚的のみで判断が不可能だからである。また、広範囲カーソル47の回転処理後に、例えば、左クリック領域47eに触接した状態において、広範囲カーソル47を表示画面32の側縁端に接し、広範囲カーソル47の回転処理を行ったとき、広範囲カーソル47の回転処理後の触接位置を回転処理前から回転処理後の間で変えていないにも関わらず、偶然にも左クリック領域47eから右クリック領域47dに変わってしまっているという不都合が生じる。上記回転処理は、この問題を回避するためになされるものである。
【0154】
尚、本実施形態においては、広範囲カーソル47が表示画面32の側縁端に接した場合には、広範囲カーソル47を90度回転させたが、本発明はこれに限らず、右クリック領域及び左クリック領域が操作可能な角度であればよく、45度から135度の範囲で回転することが好ましい。
【0155】
このように、「前記左クリック領域及び前記右クリック領域は、前記移動領域を前記垂線で二分するように位置するものであり、かつ、前記情報処理装置は、前記移動領域の外周が前記表示部における側縁に接した場合には、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0156】
また、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁に接し、前記表示部における上下縁に接しない場合には、前記移動領域を90度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して90度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁部に位置させた場合であっても、左右方向に右クリック領域または左クリック領域が表示されずクリックできない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても右クリックまたは左クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【0157】
更には、「前記触接検知手段により触接していると検知された点を中心として、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を回転させる」ので、操作者が触接している操作点を変化させることがないため、スムーズに操作することができるだけでなく、誤操作を防止することができる。
【0158】
また、広範囲カーソル47は、その移動領域に相当する左右クリック領域の外周が、表示画面32の側縁端、及び、上下縁端に接した場合には、図18に示す如く、45度回転する。
【0159】
広範囲カーソル47は、通常では、図18(A)に示す如く、縦軸47aが縦方向に向いているが、その移動領域の外周が表示画面32の側縁端、及び、上下縁端に接した場合には、図18(B)に示す如く、触接している触接位置を中心として回転を開始し、図18(C)に示す如く、45度回転する。実際には、図19に示す如く、左右クリック領域47d及び47eを使用できる状態で、ポインタ46cを表示画面側縁端まで移動させることができる。
【0160】
尚、本実施形態においては、広範囲カーソル47が表示画面32の側縁端、及び、上下縁端に接した場合には、広範囲カーソル47を90度回転させたが、本発明はこれに限らず、右クリック領域及び左クリック領域が操作可能な角度であればよく、30度から60度の範囲で回転することが好ましい。
【0161】
このように、「前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁と、前記表示部における上下縁と、に接した場合には、前記移動領域を45度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して45度回転させる」ので、指定点を表示部の側縁近傍に位置させ、更には、指定点を表示部の上下方向縁端近傍に移動させた場合であっても、45度回転させることにより、左右クリック領域が表示されない状態を防止することができる。これにより、指定点がどの位置にあっても左右クリックの操作を実行することができるため、操作機能を低下させることなく、操作性に優れた情報提供装置を提供することができる。
【0162】
[実施形態3]
上述した本実施形態においては、情報処理装置10を、本体装置20と表示装置30との別々に構成したが、本発明はこれに限らず、本体装置と表示装置とを一体に構成した情報処理装置としてもよい。
【0163】
また、上述した実施形態における情報処理装置10は、パーソナルコンピュータを用いたが、ほかの情報処理装置であってもよく、例えば、ノート型のパーソナルコンピュータ、PDA、携帯電話等に用いてもよい。
【0164】
このように、表示画面が面積の小さいものである場合には、後述する如き形態とすることが好まれる。
【0165】
図20、図23、図24は、上述した如く、情報処理装置10における表示画面32に表示される画像を示す図である。また、図21及び図22は、その表示画面32に表示される画像を示す拡大図である。
【0166】
図20に示す如く、表示画面32の中央には、円形状の広範囲カーソル48が表示されている。また、表示画面32の右側下方には、右クリックボタン49が表示されている。この右クリックボタン49を操作することにより、右クリック操作ができる。
【0167】
この広範囲カーソル48は、図21に示す如く、縦軸48a及び横軸48bの交差したポインタ48cと、円形状の左クリック領域48eと、から構成されている。また、この左クリック領域48eを含める領域を、ポインタ48cを移動させるための移動領域としている。
【0168】
また、この左のクリック領域48eは、図22(A)に示す如く、その各々を、親指で操作することもできれば、図22(B)に示す如く、人差し指で使用することもできる。もちろん、右利きの操作者だけではなく、左利きの操作者によっても設定を変更することなく操作することができる。
【0169】
この広範囲カーソル48は、上述した広範囲カーソル46とほぼ同じように動作する。
【0170】
このため、ドラッグ装置を行った場合には、上述した広範囲カーソル48も、図23に示す如く、指定されたフォルダの色が変化するように表示される。例えば、広範囲カーソル46の領域境界線、縦軸、横軸のみ黒色で表示されていたが、上述した図7(C)の如く、ドラッグ操作であると判別した場合には、図23に示すごとく、その指定されたフォルダを青色に変化させるように表示させる。そして、操作者により広範囲カーソルを移動させることにより、図24に示す如く、ドラッグ操作が可能となるのである。
【0171】
このように、上述した情報処理装置10では、「左クリック領域及び右クリック領域を備え、前記移動領域は、前記表示部において、左クリック領域及び右クリック領域の一を含み、かつ、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他を含まない」ので、指示点を移動させるだけでなく、マウスの右左ボタンのいずれかを操作するような操作性が再現できる。このため、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等がこの操作に慣れた場合には、実際のマウス等を用いることに抵抗なく操作することができ得る情報処理装置を提供することができる。
【0172】
また、最低限左クリック領域及び右クリック領域の一を容易に操作することができ、更には、左クリック領域及び右クリック領域の他を別に備えたため、移動領域を小型化でき、小さい画面であっても容易に操作することができる。
【0173】
本発明は、上述した如く、PDA、携帯電話、ノート型コンピュータ等、様々な情報処理装置に用いることができ、デスクトップパソコン等に接続される大型の表示装置に対して用いることが好ましいが、PDA、携帯電話等画面が小さい装置に用いる際には、検知エリアを広く設ける必要が無いため最適である。
【0174】
尚、本実施形態における情報処理装置10では、マウス、キーボード等の装置を用いることなく、タッチセンサ36を用いることのみで操作を行ったが、本発明はこれに限らず、タッチセンサ36を用いることのみならず、マウス、キーボード等の入力装置を用いることにより操作を行う情報処理装置10であってもよい。尚、ここでいう入力装置は、請求項中に記載された、「入力手段」の一部を構成するものに相当するものである。
【0175】
この場合には、「マウス、若しくは、キーボードを含む入力手段と、前記指定点を移動させるための設定を行う入力設定手段と、当該入力設定手段による指定点を移動させるための設定に基づいて、前記触接検知手段により指定点を移動させることと、前記入力手段により指定点を移動させることと、を切り替える入力切替手段と、を備えた」構成としてもよく、使用方法が異なる複数の操作者が同じ情報処理装置を使用する場合であっても、設定の切り替えを行うことにより、操作者に適した情報処理装置を提供することができる。更には、ある操作者が情報処理装置を使用する場合であっても、その情報処理装置で使用するツールが異なる場合には、そのツールに応じて設定の切り替えを行うことができ、操作者に適した情報処理装置を提供することができるのである。
【0176】
また、上述した実施形態においては、広範囲カーソルの移動領域の形状は、円形状であったが、本発明はこれに限らず、その移動範囲にポインタを含む広範囲カーソルであればよく、例えば、楕円形状、矩形状であってもよく、更には、対象図形でなくともよい。
【0177】
また、上述した実施形態においては、広範囲カーソルの移動領域が、右クリック領域及び左クリック領域の少なくとも一つと等しいものであったが、本発明はこれに限らず、移動領域内に、右クリック領域及び左クリック領域の少なくとも一つが含まれていればよい。
【0178】
更にまた、上述した実施形態においては、移動領域を左クリック領域及び/又は右クリック領域から構成したが、本発明はこれにかぎらず、移動領域が左クリック領域及び/又は右クリック領域を含むものであればよい、即ち、移動領域を、左クリック領域及び/又は右クリック領域と、左クリック領域及び右クリック領域に属さない単なる移動領域と、から構成してもよい。
【0179】
更に詳しくは、移動領域であり、かつ、右クリック領域又は左クリック領域のいずれにも属さない領域(以後、無属性領域)を使用者がタッチセンサを有するタッチパネルを指などで触接した場合において、広範囲カーソルは、右クリック状態又は左クリック状態のいずれにも該当しない処理を行う。使用する場面としては、単に広範囲カーソルの位置を変えるために動かすだけの目的の場合において、使用者は、前記無属性領域を指などでタッチセンサを有するタッチパネルを触接し、触接している使用者の指などを、タッチセンサを有するタッチパネルから触接を解除せず動かすことにより、使用者の指などの動きに連動して広範囲カーソル(指定点及び移動領域)の座標位置を変位させるための処理を経時的に逐次行い、これに併せて表示画面に広範囲カーソルが動く過程を表示することが、これに該当する。
【0180】
これにより、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等に、直感的にカーソルを触接させ、この際には、左クリック領域及び右クリック領域を除く単なる移動領域を触接することにより、広範囲カーソルを誤動作なく操作することができ、より一層好適である。
【0181】
【発明の効果】
本発明によれば、「前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示される」ので、指定点を示すための指定画像を表示させるだけの従来技術とは異なり、指定点を移動させるための移動領域の全域を移動領域画像として表示することにより、その移動領域の全域が明確になり、視覚的に操作性を向上させ、誤操作をも防止する情報処理装置を提供することができる。
【0182】
また、指定点と異なる位置に移動領域を備えた情報処理装置とは異なり、マウス、若しくは、キーボード等を含む入力手段を用いた場合とほぼ同じような操作方法であるため、操作者の操作技術が向上した場合であっても、容易に入力手段を用いることができる。特に、初心者、若年齢者、高年齢者、身障者、病院患者等、操作者を選ぶことなく、操作性に優れた情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による情報処理装置の概観図である。
【図2】本発明による情報処理装置の主制御回路のブロック図である。
【図3】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図4】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図5】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図6】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図7】本発明による情報処理装置のタイミングチャートを示す説明図である。
【図8】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図9】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図10】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図11】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図12】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図13】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図14】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図15】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図16】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図17】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図18】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図19】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図20】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図21】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図22】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図23】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【図24】本発明による情報処理装置の表示装置において表示される画像を示す概略図である。
【符号の説明】
10 情報処理装置
20 本体装置
30 表示装置
32 表示画面
36 タッチセンサ
46、47、48 広範囲カーソル
60 主制御回路
66 CPU
68 記憶部
Claims (17)
- 画像が表示される表示部と、
前記表示部に、当該表示部内の位置を指定するための指定点を示す指定点画像を表示させる表示制御手段と、
前記表示部において、当該表示部における触接の検知を行う触接検知手段と、を備え、
当該触接検知手段による検知の結果に応じて情報処理が行われ得る情報処理装置であって、
前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域を備え、
前記表示制御手段により、前記表示部において、前記移動領域の全域が画定される移動領域画像が表示され、かつ、
前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知の結果に応じて前記指定点の移動が行われるとともに、当該指定点の移動に連動して前記移動領域の移動が行われ、かつ、
前記表示制御手段により、前記指定点及び前記移動領域の移動に連動して、前記指定点画像及び前記移動領域画像が移動してくるように前記指定点画像及び前記移動領域画像が表示されることを特徴とする情報処理装置。 - 前記表示制御手段は、前記移動領域画像を、半径5mmの円を含み、かつ、半径30mmの円を含まないような大きさで表示されることを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
- 前記移動領域は、左クリック領域及び右クリック領域を含んでいるものであり、
前記表示制御手段は、前記表示部において、前記左クリック領域の全域を画定する左クリック領域画像と、右クリック領域の全域を画定する右クリック領域画像を表示させるものであることを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。 - 前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一は、前記指定点を含むものであり、
前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他は、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の一の外周に接し、かつ、前記指定点を含まないものであることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。 - 前記移動領域は、円形状であり、かつ、前記左クリック領域と前記右クリック領域とから構成されたものであり、
前記左クリック領域若しくは前記右クリック領域は、前記移動領域よりも小さい円形状であり、前記移動領域の中心と同じ位置に中心を備えたものであることを特徴とする請求項3又は4記載の情報処理装置。 - 前記左クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より左側に位置するものであり、
前記右クリック領域は、前記表示部において、前記指定点を含む垂線より右側に位置するものであることを特徴とする請求項3記載の情報処理装置。 - 請求項6記載の情報処理装置において、
前記左クリック領域及び前記右クリック領域は、前記移動領域を前記垂線で二分するように位置するものであり、かつ、
前記情報処理装置は、前記移動領域の外周が前記表示部における側縁に接した場合には、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して回転させることを特徴とする情報処理装置。 - 前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁に接し、前記表示部における上下縁に接しない場合には、前記移動領域を90度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して90度回転させることを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
- 前記移動領域の外周が、前記表示部における側縁と、前記表示部における上下縁と、に接した場合には、前記移動領域を45度回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を連動して45度回転させることを特徴とする請求項7記載の情報処理装置。
- 前記触接検知手段により触接していると検知された点を中心として、前記移動領域を回転させるとともに、前記左クリック領域及び前記右クリック領域を回転させることを特徴とする請求項8又は9記載の情報処理装置。
- 請求項1又は2記載の情報処理装置は、左クリック領域及び右クリック領域を備え、
前記移動領域は、前記表示部において、左クリック領域及び右クリック領域の一を含み、かつ、前記左クリック領域及び前記右クリック領域の他を含まないものであることを特徴とする情報処理装置。 - 前記左クリック領域又は前記右クリック領域の操作に基づいて、ファイル又はフォルダ等の被指定画像の選択又は移動の少なくともいずれかを行わせるドラッグ操作を実行することを特徴とする請求項3から11のいずれか記載の情報処理装置。
- 請求項12記載の情報処理装置において、前記表示制御装置は、前記被指定画像が指定された後に、当該被指定画像を前記ドラッグ操作が実行されている場合には、前記被指定画像を、前記被指定画像が指定される前とは異なる色で表示させるものであることを特徴とする情報処理装置。
- 前記移動領域の設定を行うための移動領域設定手段と、
当該移動領域設定手段により行われた前記移動領域の設定に基づいて移動領域を変化させる移動領域変更手段と、を備えたことを特徴とする請求項1から13のいずれか記載の情報処理装置。 - 前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定を行うためのクリック領域設定手段と、
当該クリック領域設定手段により行われた前記左クリック領域及び/又は前記右クリック領域の設定に基づいて、左クリック領域及び/又は右クリック領域を変化させるクリック領域変更手段と、を備えたことを特徴とする請求項1から14のいずれか記載の情報処理装置。 - マウス、若しくは、キーボードを含む入力手段と、
前記指定点を移動させるための設定を行う入力設定手段と、
当該入力設定手段による指定点を移動させるための設定に基づいて、前記触接検知手段により指定点を移動させることと、前記入力手段により指定点を移動させることと、を切り替える入力切替手段と、を備えたことを特徴とする請求項1から15のいずれか記載の情報処理装置。 - 画像が表示される表示部を備えた情報処理装置に対して、
当該表示部に、所望の画像を指定するための指定点を示す指定点画像の表示を行わしめるステップと、
前記表示部において、当該表示部における触接の検知を行わしめるステップと、
当該ステップによる検知の結果に応じて情報処理が行わしめ得るステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記情報処理装置に対して、
前記表示部において、前記指定点を含み、当該指定点を移動させるための移動領域の決定を行わしめるステップと、
前記表示部において、移動領域の全域が画定される移動領域画像を表示せしめ、かつ、前記触接検知手段により触接の検知が行われた場合には、当該検知が行われた触接位置に前記指定点画像及び前記移動領域画像を表示せしめるステップと、
当該移動領域画像の表示位置に連動して前記指定点及び前記移動領域を移動せしめるステップと、を実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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