【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粘着性シーリング組成物からなるジョイントシーリング材に関し、特に、サッシ枠のジョイント部やビス締めの穴等のジョイント部に用いられ、建築物が使用される環境条件下での水密性の確保と補修時や解体時の作業向上性を備え、界面破壊状態で剥離可能な粘着性シーリング組成物からなるジョイントシーリング材に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来より、建築物のジョイント部等の間隙には、水密性を目的として各種シール材が用いられており、通常、ゴムの独立発泡体シートを打ち抜いた成形ガスケットや、１００℃以上で加熱塗布されるブチルゴム系粘着材が使用されることが多い。
【０００３】
成形ガスケットは、サッシ枠のジョイント部の形状に合わせてあらかじめ打ち抜いたものをサッシ枠のジョイント部に設けるようにして用いている。このような成形ガスケットはサッシ枠の部材間の圧縮により発生する反発弾性力を利用して水密性を確保するものである。
【０００４】
かかる従来の成形ガスケットは、通常はゴム（ＥＰＤＭ：エチレン、プロピレン及びジエンの共重合体）、ウレタン樹脂、シリコン樹脂等を用いて容積比で３倍〜５倍にした独立発泡体シートを、予め金属型、トムソン刃等で所望形状に打ち抜いて用いられることが多い。この場合、水密性確保のために必要な反発弾性力を得るために、建付け時に、その成型品の厚み方向に対して２５〜５０％圧縮されて用いられている。
【０００５】
しかしながら、建築物が使用される環境条件下においては、経時的に熱や湿度による劣化によって圧縮状態で用いられている成型品が永久圧縮され、従って相対的に反発弾性力が低下し、水密性が不良となり、例えば、建築物に水が入ってしまう現象が生じることがある。また、粘着層を別途設けなければ取り付けることができず、しかも、線膨張や地震等の物理的挙動の変化に追従することができず、時間の経過とともに反発弾性力が低下して隙間が生じ漏水につながる。
【０００６】
また、ブチルゴム系粘着材は、所望の水密部位形状に合わせて１００℃以上で加熱塗布することにより用いられる。かかるブチルゴム系粘着材は、成型ガスケットのような圧縮時に発生する厚み方向への反発弾性力ではなく、強固な粘接着力を利用して水密性を確保している。
【０００７】
上記従来のブチルゴム系粘着材は、通常、１００℃以上の温度で断面径が８〜１２ｍｍのビード状に加熱塗布され、強固な粘接着力によって、界面領域における水密性を得ている。
【０００８】
一般にブチルゴム系粘着材は圧縮直後に応力緩和の性質を有するため、反発弾性力は作用しない。従って、ブチルゴム系粘着材は、成型ガスケットとは異なり、サッシ枠間の間隙で、経時的に熱や湿度による劣化によって分解が起きたりして、その厚み方向に永久圧縮されることはない。また、前記したように圧縮直後に速やかに応力緩和することから、水密シール部における追従性も十分であり、経時的な水密信頼性において特に問題は生じない。
【０００９】
しかしながら、ブチルゴム系粘着材は、粘弾性を有するためにサッシ枠のジョイント部への貼着時又は枠部材同士を当接する際に粘着材が変形しやすいために所望の部位をシールすることが困難であった。また、建築物の解体、改築、改修のために、サッシ枠等を取り外す際、その強固な粘接着力のために、主にアルミ等からなるサッシ枠の両端面側からサッシ枠の溝へと奥深くにブチルゴム系粘着材が付着しており、この付着したブチルゴム系粘着材を除去することは極めて困難であることから、サッシ枠の回収リサイクルが事実上困難であった。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、優れた水密性が得られ、しかも、剥離性にも極めて優れたジョイントシーリング材を提供することを目的とする。
【００１１】
【課題を解決するための手段】
本発明のジョイントシーリング材は、前記目的を達成するために、請求項１記載の通り、熱可塑性エラストマーをベースとした再剥離可能な粘着性シーリング組成物からなるジョイントシーリング材であって、前記粘着性シーリング組成物をシート状の芯材層を介して一体物に形成してなることを特徴とする。
また、請求項２記載のジョイントシーリング材は、請求項１記載のジョイントシーリングにおいて、前記芯材層は織布或いは不織布であることを特徴とする。また、請求項３記載のジョイントシーリング材は、請求項１又は２記載のジョイントシーリング材において、前記芯材層を複数層設けたことを特徴とする。
また、請求項４記載のジョイントシーリング材は、請求項１乃至３の何れかに記載のジョイントシーリング材において、前記エラストマーは、ポリスチレンブロックをベースとした共重合体であることを特徴とする。
また、請求項５記載のジョイントシーリング材は、請求項１乃至４の何れかに記載のジョイントシーリング材において、前記エラストマーは、（Ａ）ポリスチレンとポリオレフィンからなるブロック共重合体１００重量部、（Ｂ）粘着付与剤５０〜３００重量部、（Ｃ）無機充填材５０〜４００重量部、（Ｄ）軟化剤１００〜７００重量部を含有することを特徴とする。
請求項６記載のジョイントシーリング材は、請求項５に記載のジョイントシーリング材において、前記エラストマーは、（Ａ）ポリスチレンとポリオレフィンからなるブロック共重合体は、分子量が５万〜３０万で、スチレン含有量が１０〜５０重量％の、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー（ＳＩＳ）、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー（ＳＢＳ）、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロックコポリマー（ＳＥＰＳ）及びスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー（ＳＥＢＳ）からなる群より選ばれる少なくとも１種であり、（Ｂ）粘着付着剤は、脂肪族飽和炭化水素樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル、芳香族系樹脂及びスチレン系樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも１種であり、（Ｃ）無機充填材は、炭酸カルシウム、けい酸アルミニウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム及びカーボンブラックからなる群より選ばれる少なくとも１種であり、更に、（Ｄ）軟化剤は、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、オレフィン系プロセスオイル及びポリブテンからなる群より選ばれる少なくとも１種であることを特徴とする。
【００１２】
【発明の実施の形態】
本発明のジョイントシーリング材は、熱可塑性エラストマーをベースとした再剥離可能な粘着性シーリング組成物からなるものである。この粘着性シーリング組成物は、シート状の芯材層を介して一体物に形成される。
前記シート状の芯材層は、織布又は不織布であることが好ましく、引張強度等を増加させるために複数層設けることが好ましい。
【００１３】
前記熱可塑性エラストマーは、ポリスチレンブロックをベースとした共重合体であることが好ましい。
また、前記エラストマーは、（Ａ）ポリスチレンとポリオレフィンからなるブロック共重合体１００重量部、（Ｂ）粘着付与剤５０〜３００重量部、（Ｃ）無機充填材５０〜４００重量部、（Ｄ）軟化剤１００〜７００重量部を含有することが好ましい。
また、前記エラストマーは、（Ａ）ポリスチレンとポリオレフィンからなるブロック共重合体は、分子量が５万〜３０万で、スチレン含有量が１０〜５０重量％の、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー（ＳＩＳ）、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー（ＳＢＳ）、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロックコポリマー（ＳＥＰＳ）及びスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー（ＳＥＢＳ）からなる群より選ばれる少なくとも１種であり、（Ｂ）粘着付着剤は、脂肪族飽和炭化水素樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル、芳香族系樹脂及びスチレン系樹脂等からなる群より選ばれる少なくとも１種であり、（Ｃ）無機充填材は、炭酸カルシウム、けい酸アルミニウム、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム及びカーボンブラックからなる群より選ばれる少なくとも１種であり、更に、（Ｄ）軟化剤は、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、オレフィン系プロセスオイル及びポリブテンからなる群より選ばれる少なくとも１種であることが好ましい。
【００１４】
上記（Ａ）成分としては、スチレン・イソプレン・スチレンブロックコポリマー（ＳＩＳ）、スチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー（ＳＢＳ）、スチレン・エチレン・プロピレン・スチレンブロックコポリマー（ＳＥＰＳ）及びスチレン・エチレン・ブタジエン・スチレンブロックコポリマー（ＳＥＢＳ）からなる群より選択される少なくとも１種のブロック共重合体を用いることができる。
【００１５】
その分子量は５万〜３０万であることが好ましい。かかる範囲であると、芯材への加熱塗布作業が容易となる。５万未満の場合その凝集力が低下し、サッシ枠等からの脱着が困難となり、又３０万を超えると芯材への加熱塗布作業が困難となる。
【００１６】
更に、該ブロック共重合体中のスチレン含有量は１０〜５０重量％が好ましい。かかる範囲であると、適度な凝集力と伸度が得られる。１０重量％未満の場合、凝集力が低下し、サッシ枠等からの脱着が困難となり、５０重量％を超えるとその伸度が低下し圧縮時の応力が大きくなり、サッシ枠等への取付作業が困難となる。
【００１７】
特に好適には、組成物の耐熱性および耐候性の点からＳＥＰＳ、ＳＥＢＳが用いられる。
【００１８】
上記（Ｂ）成分としては、脂肪族飽和炭化水素樹脂、水添テルペン樹脂、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、脂肪族系石油樹脂、水添ロジンエステル、芳香族系樹脂及びスチレン系樹脂等からなる群より選択される少なくとも１種の粘着付与剤を用いることができる。特に好適には、（Ａ）成分との相溶性および粘着付与効果の点から、脂肪族飽和炭化水素系樹脂が用いられる。また、かかる粘着付与剤の融点は、組成物の反発弾性の確保の点から８０〜１５０℃が好ましい。
【００１９】
かかる（Ｂ）成分は、上記（Ａ）成分１００重量部に対して５０〜３００重量部の量で含有される。この範囲であると、充分な粘着性と形状保持が容易となる。５０重量部未満では粘着性の確保が困難となり、３００重量部を超えると形状保持が困難となる。
【００２０】
上記（Ｃ）成分としては、炭酸カルシウム、ケイ酸アルミニウム（クレー）、タルク、シリカ、珪藻土、硫酸アルミニウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム及びカーボンブラックからなる群より選ばれる少なくとも１種の無機充填剤を用いることができる。更に、比重を下げ軽量化を図ることを目的として、ガラスバルーンやシラスバルーン等の軽量中空充填剤を組み合わせて用いることもできる。
【００２１】
かかる（Ｃ）成分は、上記（Ａ）成分１００重量部に対して５０〜４００重量部の量で含有される。この範囲であると、加熱吐出時の形状保持および粘着力、凝集力の確保が可能である。５０重量部未満では、形状保持が困難であり、４００重量部を超えると粘着力、凝集力の確保が困難となる。
【００２２】
また（Ｄ）成分としては、パラフィン系プロセスオイル、ナフテン系プロセスオイル、オレフィンプロセスオイル及びポリブテンからなる群より選ばれる少なくとも１種の軟化剤を用いることができる。特に好適には、（Ａ）成分との相溶性および耐熱性の点から、パラフィン系プロセスオイルが用いられる。その含有量は、かかる（Ｄ）成分は、上記（Ａ）成分１００重量部に対して１００〜７００重量部の量で含有される。この範囲であると、充分な加熱吐出作業性および脱着性が得られる。１００重量部未満では吐出作業が困難となり、７００重量部を超えると凝集力が弱まり脱着が困難となる。
【００２３】
また、本発明のジョイントシーリング材において、粘着性シーリング組成物には、上記（Ａ），（Ｂ），（Ｃ）及び（Ｄ）成分の他に、必要に応じてｐ−フェニレンジアミン系、キノリン系、フェノール系等の老化防止剤、リン系、アンチモン系、黒鉛系等の難燃剤等の添加剤を加えることもできる。その量は粘着性シーリング組成物中、５重量％以下であることが、組成物のコストおよび性能の点から好ましい。
【００２４】
また、本発明のジョイントシーリング材は、シールされる部材に対し、２３℃における１８０°剥離強さが１０〜５０Ｎ／２５ｍｍであることが好ましい。この範囲であると、水密性の確保と脱着性が確保できる。この剥離強さは、塗装した鋼板に組成物を貼付け、さらに上からＰＥＴフィルム等の延伸性のない材料を貼付けた後、ＰＥＲフィルムを掴み、１８０℃剥離で、オートグラフ等の引張試験で引張強度２００ｍｍ／分で測定した値である。
【００２５】
本発明のジョイントシーリング材は、上記（Ａ）成分、（Ｂ）成分、（Ｃ）成分及び（Ｄ）成分、更には、必要に応じて、老化防止剤や難燃剤等の添加剤を、これらが溶融する温度の近くに設定したニーダーに投入し、十分に溶融混合することにより、調製することができる。
【００２６】
ニーダーとしては、例えば加熱装置と脱泡装置を備えたバンバリーミキサー、加圧ニーダー、ヘンシェルミキサー、ブラベンダー型ニーダーやディスパー等を用いることができ、必要に応じてニーダー内部を減圧として、配合物質が溶融混合して均一になるまで攪拌する。このようにして得られた粘着性シーリング組成物は芯材層を介して一体物に形成するまでは、ペール缶またはドラム缶に充填されて保存される。
【００２７】
本発明のジョイントシーリング材を得るには、前記粘着性シーリング組成物を芯材層の片面、或いは、両面に塗布し、必要に応じてこれを積層させて一体物に形成すればよい。
【００２８】
本発明のジョイントシーリング材は、サッシ枠が建付けられた後、直ちにサッシ枠端面に対して粘接着することから、該ジョイントシーリング材の水密性を発現させるための硬化養生やオーブン等の設備等は必要無く、サッシ枠建付け直後に、降雨や降雪後の融雪によって該シーリング部位に大量の水が接触することによってサッシの水密性に影響を与えることは無い。
【００２９】
また、ジョイントシーリング材を粘接着させて取り付けた状態のサッシ枠を取り外す工程は、以下の如くである。上記のようにして建付けられたサッシ枠を取り外す場合、本発明のジョイントシーリング材は、従来のようにシーリング材を加熱し低粘度化するための工業用ドライヤーやプラスチックバール等の取り外し用工具を一切必要とせず、当接部分の拘束のみを解除すれば、熟練度を必要としない通常の手作業にてサッシ枠を容易に取り外すことができる。
【００３０】
この場合、サッシ枠の間隙に用いられていた本発明のジョイントシーリング材は、それぞれの接触面に粘接着しているが、該粘着性シーリング組成物の凝集力はその粘接着力よりも大きいため、従来のようなブチルゴム系粘着材を用いた場合のような完全な凝集破壊にはならず、接触面に本発明のジョイントシーリング材の残塊が付着残存することなく、かつ該ジョイントシーリング材の破断伸びの応力の範囲内において粘接着部が剥離し、界面破壊となり、残存することなく容易に剥すことができる。
【００３１】
このように本発明のジョイントシーリング材を用いた場合、成型ガスケットを用いた場合と同様に特殊な解体用工具等を必要とせず、作業者の熟練度に関わり無く一定時間内に容易にサッシ枠から取り外すことが可能となる。
【００３２】
【実施例】
本発明のジョイントシーリング材の一実施例について、図面に基づいて説明する。
本実施例のジョイントシーリング材は、図中１で示され、シート状の芯材層２として、ポリエステル製織布（東工コーセン製織布、３０番３５本／インチ）を用意して、その両面に粘着性シーリング組成物３を１３０〜１５０℃で溶融塗布することにより全体で２ｍｍの厚さに形成されたものである。
前記粘着性シーリング組成物３は、本実施例では、ポリスチレンブロックを硬質とする軟質ポリオレフィンブロックの共重合体をベースポリマーとする軟質エラストマー（セプトン２０４３ セプトン４０３３ （株）クラレ社製）１００重量部に、Ｃ５系水添ロジン（アルコンＰ−９０ 荒川化学（株）製）６０重量部、無機充填材（重炭酸カルシウム 三協製粉社製）２００重量部、軟化剤（ポリビス３０ＳＨ 日本油脂社製）３００重量部、老化防止剤（サントフレックス６ＰＰＤ フレキシス社製）１部を配合した材料を、２００℃に設定したニーダに投入し１２０分間加熱溶融して混合して調製したものを用いた。
本発明のジョイントシーリング材１は、図２に示すように、サッシ枠４のジョイント部を構成する一方の枠部材５の端面５ａの形状に合せて型抜きし、他方の枠部材６の前記端面が当接する部分に貼着する。そして、一方の枠部材５の端面５ａと他方の枠部材６とをジョイントシーリング材１を介して固定することにより、ジョイント部において、ジョイントシーリング材１は芯材層２の厚みを残して、ジョイント部の周囲を粘着性シーリング組成物３によって封止することができるというものである。
このようにジョイントシーリング材１は、シート状の芯材層２により長さ方向と幅方向の変形が制限されているので、一定形状に打ち抜いても変形が少なく、また、ジョイントシーリング材１を所望の部位に貼着し、他の部材をジョイントシーリング材を介して固定するまでの間にも変形することがない。また、ジョイントシーリング材の粘着層は、架橋類似構造を有しているためジョイントされる面に密着して水密性がより確実なものとすることができ、また、ジョイント部のズレに対しても、復元性又は追従性を発揮し、長期に亘りシーリングの性能を維持することができる。更に、ジョイントシーリング材は、軽粘着力を有しているので、粘着材を設ける必要がない。また、更に、ジョイント部を解体する際に、分子構造が架橋状態と同一であるため形状記憶された元のシール形状に戻りきれいに界面剥離させることができ、サッシ枠の再利用に対する材料分別に有効である。
尚、上記実施例では、芯材層２を一層のみとしたが、この芯材層は、図３に示すように２層の芯材層とする等複数層としてもよい。
また、上記実施例では、ジョイントシーリング材は、厚さ２ｍｍに形成したが、この厚さは、ジョイント部に加わる圧力やジョイント部形成後に想定されるジョイント部の変動を考慮して決定されるもので特に限定されるものではない。
また、更に、上記実施例では、芯材層として織布を使用し、その繊維方向は平行となるようにしてジョイントシーリング材を作製したが、この繊維方向については特に制限はない。また、織布である必要はなく不織布であってもよい。
【００３３】
【発明の効果】
本発明のジョイントシーリング材は、例えばサッシ枠の間隙に用いることにより、ジョイントシーリング材の反発弾性力と粘接着力によって優れた水密性能が発現される。また更に、本発明のジョイントシーリング材を用いることにより、サッシ枠交換時または建築物の解体時にジョイントシーリング材が被着体界面に残存することなく容易に除去することが可能となり、改修時あるいは解体時の作業性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明のジョイントシーリング材の一実施例の断面図
【図２】本発明のジョイントシーリング材の使用方法を説明するための説明図
【図３】本発明のジョイントシーリング材の他の実施例の断面図
【符号の説明】
１ ジョイントシーリング材
２ 芯材層
３ 粘着性シーリング材
５ サッシ枠を構成する部材
５ａ サッシ枠の端面
６ サッシ枠を構成する部材[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a joint sealing material made of an adhesive sealing composition, particularly used for a joint portion such as a joint portion of a sash frame or a screw-fastened hole, and has a watertight property under environmental conditions in which a building is used. The present invention relates to a joint sealing material comprising an adhesive sealing composition capable of securing and improving workability at the time of repair and dismantling, and which can be peeled off in an interfacial fracture state.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various sealing materials have been used for watertightness in gaps such as joints of buildings, and are usually formed by molding a gasket obtained by punching a rubber independent foam sheet or by heating and applying at 100 ° C or more. Butyl rubber-based adhesives are often used.
[0003]
The molded gasket is used in such a manner that it is punched in advance in accordance with the shape of the joint portion of the sash frame, and is provided at the joint portion of the sash frame. Such a molded gasket uses a repulsive elastic force generated by compression between members of the sash frame to ensure watertightness.
[0004]
Such a conventional molded gasket is usually prepared by previously forming an independent foam sheet having a volume ratio of 3 to 5 times using rubber (EPDM: copolymer of ethylene, propylene and diene), urethane resin, silicone resin, or the like. It is often used by punching it into a desired shape using a metal mold, a Thomson blade or the like. In this case, in order to obtain a repulsive elastic force necessary for ensuring watertightness, the molded product is used after being compressed by 25 to 50% in the thickness direction of the molded product at the time of construction.
[0005]
However, under the environmental conditions in which buildings are used, the molded product used in a compressed state is permanently compressed due to deterioration due to heat and humidity over time, so that the rebound resilience is relatively reduced and watertightness is reduced. May be defective, and for example, a phenomenon that water enters a building may occur. In addition, it cannot be installed unless a separate adhesive layer is provided, and it cannot follow changes in physical behavior such as linear expansion or earthquake, and the rebound resilience decreases with time to create a gap. Leads to water leakage.
[0006]
The butyl rubber-based pressure-sensitive adhesive is used by being heated and applied at 100 ° C. or higher in accordance with a desired watertight portion shape. Such a butyl rubber-based pressure-sensitive adhesive material secures watertightness by using a strong adhesive force instead of a repulsive elastic force in a thickness direction generated at the time of compression as in a molded gasket.
[0007]
The above-mentioned conventional butyl rubber-based pressure-sensitive adhesive material is usually heated and applied in a bead shape having a cross-sectional diameter of 8 to 12 mm at a temperature of 100 ° C. or higher, and obtains water tightness in an interface region by strong viscous adhesive force.
[0008]
In general, a butyl rubber-based adhesive has a property of stress relaxation immediately after compression, so that no repulsive elastic force acts thereon. Therefore, unlike a molded gasket, the butyl rubber-based adhesive is not permanently compressed in its thickness direction due to degradation due to heat or humidity over time in the gap between the sash frames. Further, as described above, since the stress is immediately relaxed immediately after the compression, the followability of the watertight seal portion is sufficient, and there is no particular problem in the watertight reliability over time.
[0009]
However, since the butyl rubber-based adhesive has viscoelasticity, it is difficult to seal a desired portion because the adhesive is easily deformed at the time of sticking to the joint portion of the sash frame or when abutting the frame members. Met. In addition, when removing a sash frame, etc. for dismantling, remodeling, or renovating a building, due to its strong adhesive force, the sash frame mainly made of aluminum, etc. must be moved from both end faces to the groove of the sash frame. Since the butyl rubber-based adhesive material adheres deeply and it is extremely difficult to remove the attached butyl rubber-based adhesive material, it is practically difficult to collect and recycle the sash frame.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
An object of the present invention is to provide a joint sealing material that can obtain excellent watertightness and that is extremely excellent in releasability.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
The joint sealing material of the present invention is a joint sealing material made of a removable adhesive sealing composition based on a thermoplastic elastomer as set forth in claim 1 in order to achieve the above object. Characterized by being formed integrally with the conductive sealing composition via a sheet-shaped core layer.
A joint sealing material according to a second aspect is the joint sealing according to the first aspect, wherein the core material layer is a woven fabric or a nonwoven fabric. Further, a joint sealing material according to a third aspect is characterized in that, in the joint sealing material according to the first or second aspect, a plurality of the core material layers are provided.
The joint sealing material according to claim 4 is the joint sealing material according to any one of claims 1 to 3, wherein the elastomer is a copolymer based on a polystyrene block.
The joint sealing material according to claim 5 is the joint sealing material according to any one of claims 1 to 4, wherein the elastomer is (A) 100 parts by weight of a block copolymer composed of polystyrene and polyolefin, and (B) ) 50 to 300 parts by weight of a tackifier, (C) 50 to 400 parts by weight of an inorganic filler, and (D) 100 to 700 parts by weight of a softener.
The joint sealing material according to claim 6 is the joint sealing material according to claim 5, wherein the elastomer is (A) a block copolymer composed of polystyrene and polyolefin having a molecular weight of 50,000 to 300,000 and containing styrene. Styrene-isoprene-styrene block copolymer (SIS), styrene-butadiene-styrene block copolymer (SBS), styrene-ethylene-propylene-styrene block copolymer (SEPS), and styrene-ethylene-butadiene. At least one selected from the group consisting of styrene block copolymers (SEBS); and (B) the adhesive agent is an aliphatic saturated hydrocarbon resin, a hydrogenated terpene resin, a terpene resin, an aromatic modified terpene resin, an aliphatic system Petroleum resin, hydrogenated rosin At least one selected from the group consisting of stell, aromatic resin and styrene resin, and (C) the inorganic filler is calcium carbonate, aluminum silicate, talc, silica, diatomaceous earth, aluminum sulfate, barium sulfate, At least one member selected from the group consisting of calcium sulfate and carbon black; and (D) the softener is at least one member selected from the group consisting of paraffin-based process oil, naphthene-based process oil, olefin-based process oil and polybutene. It is a seed.
[0012]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The joint sealing material of the present invention comprises a removable adhesive sealing composition based on a thermoplastic elastomer. This adhesive sealing composition is integrally formed through a sheet-like core material layer.
The sheet-like core layer is preferably a woven or non-woven fabric, and is preferably provided in a plurality of layers in order to increase tensile strength and the like.
[0013]
The thermoplastic elastomer is preferably a copolymer based on polystyrene blocks.
The elastomer is (A) 100 parts by weight of a block copolymer composed of polystyrene and polyolefin, (B) 50 to 300 parts by weight of a tackifier, (C) 50 to 400 parts by weight of an inorganic filler, and (D) softening. It is preferable to contain 100 to 700 parts by weight of the agent.
Further, the elastomer is (A) a styrene-isoprene-styrene block copolymer (SIS), wherein the block copolymer comprising polystyrene and polyolefin has a molecular weight of 50,000 to 300,000 and a styrene content of 10 to 50% by weight. Styrene-butadiene-styrene block copolymer (SBS), styrene-ethylene-propylene-styrene block copolymer (SEPS), and styrene-ethylene-butadiene-styrene block copolymer (SEBS); B) The adhesive agent comprises an aliphatic saturated hydrocarbon resin, a hydrogenated terpene resin, a terpene resin, an aromatic modified terpene resin, an aliphatic petroleum resin, a hydrogenated rosin ester, an aromatic resin, a styrene resin, and the like. At least one selected from the group , (C) the inorganic filler is at least one selected from the group consisting of calcium carbonate, aluminum silicate, talc, silica, diatomaceous earth, aluminum sulfate, barium sulfate, calcium sulfate and carbon black, and (D) The softener is preferably at least one selected from the group consisting of paraffinic process oil, naphthenic process oil, olefinic process oil and polybutene.
[0014]
The component (A) includes styrene-isoprene-styrene block copolymer (SIS), styrene-butadiene-styrene block copolymer (SBS), styrene-ethylene-propylene-styrene block copolymer (SEPS), and styrene-ethylene-butadiene-styrene. At least one block copolymer selected from the group consisting of block copolymers (SEBS) can be used.
[0015]
The molecular weight is preferably 50,000 to 300,000. Within such a range, the heat application operation to the core material becomes easy. If it is less than 50,000, its cohesive strength is reduced, and it is difficult to detach from a sash frame or the like.
[0016]
Further, the styrene content in the block copolymer is preferably from 10 to 50% by weight. Within such a range, appropriate cohesive strength and elongation can be obtained. If the amount is less than 10% by weight, the cohesive force is reduced, and it is difficult to detach from a sash frame or the like. If the amount is more than 50% by weight, the elongation is reduced and the stress at the time of compression is increased. Becomes difficult.
[0017]
Particularly preferably, SEPS and SEBS are used from the viewpoint of heat resistance and weather resistance of the composition.
[0018]
The component (B) includes aliphatic saturated hydrocarbon resins, hydrogenated terpene resins, terpene resins, aromatic modified terpene resins, aliphatic petroleum resins, hydrogenated rosin esters, aromatic resins and styrene resins. At least one type of tackifier selected from the group consisting of: Particularly preferably, an aliphatic saturated hydrocarbon resin is used from the viewpoint of compatibility with the component (A) and the effect of imparting tackiness. Further, the melting point of the tackifier is preferably from 80 to 150 ° C. from the viewpoint of ensuring the rebound resilience of the composition.
[0019]
The component (B) is contained in an amount of 50 to 300 parts by weight based on 100 parts by weight of the component (A). Within this range, sufficient tackiness and shape retention are facilitated. If the amount is less than 50 parts by weight, it is difficult to secure the adhesiveness, and if it exceeds 300 parts by weight, it is difficult to maintain the shape.
[0020]
As the component (C), at least one inorganic filler selected from the group consisting of calcium carbonate, aluminum silicate (clay), talc, silica, diatomaceous earth, aluminum sulfate, barium sulfate, calcium sulfate and carbon black is used. be able to. Further, for the purpose of reducing the specific gravity and reducing the weight, a lightweight hollow filler such as a glass balloon or a shirasu balloon can be used in combination.
[0021]
The component (C) is contained in an amount of 50 to 400 parts by weight based on 100 parts by weight of the component (A). Within this range, it is possible to maintain the shape at the time of heating and discharging, and secure the adhesive strength and cohesive strength. If the amount is less than 50 parts by weight, it is difficult to maintain the shape, and if it exceeds 400 parts by weight, it is difficult to secure the adhesive force and cohesive force.
[0022]
As the component (D), at least one softener selected from the group consisting of paraffin-based process oil, naphthene-based process oil, olefin-process oil, and polybutene can be used. Particularly preferably, a paraffin-based process oil is used in view of compatibility with the component (A) and heat resistance. The content of the component (D) is 100 to 700 parts by weight based on 100 parts by weight of the component (A). Within this range, sufficient heating / discharging workability and desorption properties can be obtained. If the amount is less than 100 parts by weight, the discharging operation becomes difficult. If the amount exceeds 700 parts by weight, the cohesive force is weakened and the desorption becomes difficult.
[0023]
In the joint sealing material of the present invention, in addition to the above components (A), (B), (C) and (D), p-phenylenediamine, quinoline And phenol-based anti-aging agents, phosphorus-based, antimony-based, graphite-based flame retardants and other additives. The amount is preferably 5% by weight or less in the adhesive sealing composition, from the viewpoint of the cost and performance of the composition.
[0024]
Further, the joint sealing material of the present invention preferably has a 180 ° peel strength at 23 ° C. of 10 to 50 N / 25 mm with respect to the member to be sealed. Within this range, the watertightness and the detachability can be ensured. The peel strength is determined by applying the composition to a coated steel plate, and then attaching a non-stretchable material such as a PET film from above, then grasping the PER film, peeling at 180 ° C, and pulling it in a tensile test such as an autograph. This is a value measured at an intensity of 200 mm / min.
[0025]
The joint sealing material of the present invention contains the above components (A), (B), (C) and (D), and, if necessary, additives such as an antioxidant and a flame retardant. Can be prepared by putting the mixture in a kneader set near the temperature at which is melted, and sufficiently melting and mixing.
[0026]
As the kneader, for example, a Banbury mixer equipped with a heating device and a defoaming device, a pressurized kneader, a Henschel mixer, a Brabender type kneader or a disper can be used. Melt and stir until uniform. The thus obtained adhesive sealing composition is filled and stored in a pail or a drum until it is formed as a single body via a core material layer.
[0027]
In order to obtain the joint sealing material of the present invention, the adhesive sealing composition may be applied to one or both surfaces of a core material layer, and if necessary, laminated to form an integral body.
[0028]
Since the joint sealing material of the present invention immediately adheres to the end surface of the sash frame after the sash frame is built, it is necessary to provide equipment such as hardening curing and oven for developing the water tightness of the joint sealing material. Neither is necessary, and immediately after the sash frame is built, a large amount of water comes into contact with the sealing portion due to rainfall or snow melting after snowfall, so that the watertightness of the sash is not affected.
[0029]
Further, the step of removing the sash frame in a state where the joint sealing material is adhered and adhered is as follows. When removing the sash frame constructed as described above, the joint sealing material of the present invention uses a conventional removal tool such as an industrial dryer or plastic bar for heating the sealing material to lower the viscosity as in the related art. By releasing only the restraint of the contact portion without any need, the sash frame can be easily removed by ordinary manual work that does not require skill.
[0030]
In this case, the joint sealing material of the present invention used in the gap of the sash frame is adhesively adhered to each contact surface, but the cohesive force of the adhesive sealing composition is larger than the adhesive force. Therefore, complete cohesive failure does not occur as in the case of using a conventional butyl rubber-based pressure-sensitive adhesive material, and the residual mass of the joint sealing material of the present invention does not adhere to the contact surface and remains. Within the range of the stress of the elongation at break, the adhesive portion peels off, causing interface destruction, and can be easily peeled off without remaining.
[0031]
As described above, when the joint sealing material of the present invention is used, a special dismantling tool or the like is not required as in the case of using the molded gasket, and the sash frame can be easily formed within a certain time regardless of the skill of the operator. It is possible to remove from.
[0032]
【Example】
An embodiment of the joint sealing material of the present invention will be described with reference to the drawings.
The joint sealing material of the present embodiment is indicated by reference numeral 1 in the figure. As the sheet-like core material layer 2, a polyester woven fabric (woven fabric made by Toko Kosen, No. 30, 35 / inch) is prepared, and both surfaces thereof are provided. The adhesive sealing composition 3 was melt-coated at 130 to 150 ° C. to a thickness of 2 mm in total.
In the present example, the adhesive sealing composition 3 was used in an amount of 100 parts by weight of a soft elastomer (Septon 2043, Septon 4033, manufactured by Kuraray Co., Ltd.) having a base polymer of a copolymer of a soft polyolefin block having a hard polystyrene block. , C5 type hydrogenated rosin (Alcon P-90, manufactured by Arakawa Chemical Co., Ltd.), 60 parts by weight, inorganic filler (calcium bicarbonate, manufactured by Sankyo Mills) 200 parts by weight, softener (Polybis 30SH, manufactured by NOF Corporation) 300 A material prepared by charging a material prepared by mixing 1 part by weight of an anti-aging agent (manufactured by Santoflex 6PPD Flexis) into a kneader set at 200 ° C., and heating and melting for 120 minutes to mix was used.
As shown in FIG. 2, the joint sealing material 1 of the present invention is die-cut according to the shape of the end face 5 a of one frame member 5 constituting the joint portion of the sash frame 4, and the end face of the other frame member 6 is cut out. Affix to the area where it abuts. Then, by fixing the end face 5a of one frame member 5 and the other frame member 6 via the joint sealing material 1, the joint sealing material 1 in the joint portion is formed with the thickness of the core material layer 2 remaining. The periphery of the part can be sealed with the adhesive sealing composition 3.
As described above, since the joint sealing material 1 is restricted from being deformed in the length direction and the width direction by the sheet-shaped core material layer 2, the deformation is small even when punched into a predetermined shape. And is not deformed before the other members are fixed via the joint sealing material. In addition, since the adhesive layer of the joint sealing material has a cross-linking-like structure, it can be in close contact with the surface to be jointed, so that the watertightness can be made more reliable. It exhibits restorability or followability, and can maintain the sealing performance for a long period of time. Further, since the joint sealing material has a light adhesive strength, there is no need to provide an adhesive material. Furthermore, when the joint is dismantled, the molecular structure is the same as the cross-linked state, so that the original seal shape stored in the shape memory can be returned and the interface can be peeled cleanly, which is effective for material separation for reuse of the sash frame. It is.
In the above embodiment, only one core layer 2 is provided. However, this core layer may be a plurality of layers such as two core layers as shown in FIG.
Further, in the above embodiment, the joint sealing material is formed to have a thickness of 2 mm, but this thickness is determined in consideration of the pressure applied to the joint and the fluctuation of the joint expected after the formation of the joint. Is not particularly limited.
Further, in the above embodiment, a woven fabric is used as the core material layer, and the joint sealing material is manufactured so that the fiber directions thereof are parallel. However, the fiber direction is not particularly limited. Further, it does not need to be a woven fabric, and may be a nonwoven fabric.
[0033]
【The invention's effect】
When the joint sealing material of the present invention is used, for example, in the gap of a sash frame, excellent watertightness is exhibited by the rebound resilience and the adhesive force of the joint sealing material. Furthermore, by using the joint sealing material of the present invention, the joint sealing material can be easily removed without remaining at the interface of the adherend when replacing the sash frame or dismantling the building. Workability at the time can be improved.
[Brief description of the drawings]
1 is a cross-sectional view of one embodiment of the joint sealing material of the present invention. FIG. 2 is an explanatory view for explaining a method of using the joint sealing material of the present invention. FIG. 3 is another joint sealing material of the present invention. Sectional view of the embodiment [Description of reference numerals]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Joint sealing material 2 Core material layer 3 Adhesive sealing material 5 Member constituting sash frame 5a End face 6 of sash frame Member constituting sash frame
