JP2004035025A - 断熱ラベル付き缶 - Google Patents

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Abstract

【課題】缶詰が加温または冷蔵された場合でも、中味の温度にかかわらず手に持ちやすく断熱性に優れた缶体を提供する。
【解決手段】金属製缶体の缶胴側面にエンボス加工やビード加工による凹部を設け、さらにその凹部を形成した缶胴外周を比較的厚さの薄い40〜150μmの合成樹脂製の断熱ラベルで覆った缶であって、断熱ラベルと前記凹部の底との間に空隙を有するようにした。凹部は缶胴側面に周状に設けられ、且つ前記空隙の部分が缶胴側面に占める面積の割合が、20〜85%の範囲とした。
【選択図】   図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は缶容器に関するもので、より詳細には断熱性に優れ、加温または加冷されて販売された場合にも手で持ちやすい断熱被覆を施した缶に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、缶入りのコーヒー飲料やお茶、ウーロン茶などが、自動販売機やコンビニエンスストアのホットウォーマーなどで加温販売されている。加温販売の場合、加熱温度は通常50〜60℃である。この温度は、中味の飲料を口に含む温度としては適切なものの、手で直接缶体を掴み保持するには熱過ぎる場合があり、ハンカチなどを巻いたり、別途保持具を用意する必要があり不便であった。また、缶入り飲料は従来から自動販売機などで冷却されて販売されることが多かったが、この場合も、金属製の缶体が冷たくて持ちにくかったり、缶胴表面に水滴がついて滑りやすく持ちにくい場合もあった。特に口部をネジ式のキャップで密封した缶の場合には、開栓時に缶体をしっかりと把持せねばならず、缶体が熱っかたり冷たかったりすると開封操作が困難となる場合があった。このため特開昭52−112485、特開平3−240677、特開平11−255244などには缶胴表面に断熱性フィルムを巻き付け貼着した缶体が記載されているが、充分な断熱効果を得るには、フィルム厚さを厚くしたり特殊な発泡性フィルムを使用しなければならないといった問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は前記の問題に着目してなされたもので、その目的は加温または冷蔵された飲料缶詰や食品缶詰が、中味の温度にかかわらず手に持ちやすく断熱性に優れ、また中味の保温性も良く、しかも特殊なフィルムを使用することなく比較的厚さの薄い簡単なフィルム構成の断熱性に優れたラベル付き缶体を提供することにある。さらに、缶体がネジ式のキャップで密封されている缶体であって缶詰が加温または冷蔵された場合でも、手で掴みやすく開けやすい缶を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1記載の発明は、缶胴側面に凹部を設け、その缶胴外周を断熱フィルムで覆った缶であって、断熱ラベルと前記凹部の底との間に空隙を有することを特徴とする缶としたものである。断熱ラベルと凹部の金属製缶胴表面との間に空隙があることによって、ラベルが缶胴表面に直接接触しない部分があるので、缶内部に収容された内容物の熱が伝わりにくく、手で掴んでも熱さや冷たさを感じ難く、持ちやすい。また、缶胴表面に凹凸があり断熱ラベルを介しても幾分かその凹凸がラベル外面に形成されるので、缶胴が滑りにくく掴みやすい。缶胴側面の凹部は、缶胴の金属板にエンボス加工、ビード加工、折り曲げ加工などを施すことによって形成することができる。
また本発明の請求項2に記載の発明は、請求項1記載の缶において、前記凹部が缶胴側面に周状に設けられ、且つ前記空隙の部分が缶胴側面に占める面積の割合が、20〜85%であることを特徴とする。これによれば、凹部したがって断熱ラベルと缶胴金属が直接接触しない場所が、缶胴の全周にわたっており、手指で充分に掴める範囲で存在するので、缶が保持し易いという利点がある。なお、ここでの缶胴側面とは、缶体の底部とネックイン部との間の円筒状部(凹部も含む)の側面のことである。
さらに本発明の請求項3に記載の発明は、請求項1または2記載の缶において、前記缶は、断熱ラベルが、厚さ40〜150μmの合成樹脂製フィルムからなることを特徴とする。これによれば、比較的厚さの薄いラベルを使用するのでコスト的に比較的安価であるという利点がある。
また本発明の請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の発明において、前記缶は、開口部をネジ式キャップで密封したことを特徴とする。ネジ式キャップは開栓時に比較的大きな力が必要であるが、本発明のよれば、中味が加温または加冷されている場合でも、缶胴が掴みやすく開けやすい缶が提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の実施の形態を説明する。図1、2、3はそれぞれ、本発明の断熱ラベル付き缶1の正面図、そのA−A′断面図、及びB−B′断面図である。断熱ラベル付き缶は大別して金属製の缶胴1と、ネジ式のキャップ2、缶胴側面を被覆する断熱ラベル3からなる。缶胴1は、ぶりき,TFSなどのスチール板またはアルミニウム合金板等の金属板を、有底筒状にプレス成形したのち、開口端部を口絞り加工し、さらに口部にキャップと螺合する螺条を形成してある。なお口部は、有底筒状のカップをプレス成形した後、底部を加工して成形してもよい。その場合、カップの開口端側には、別体の缶底蓋が二重巻締めされる。また、口部は缶胴と一体成形のものに限らず、口部を有する別体の目金蓋を缶胴に巻締めた構成とすることも出来る。この場合には缶胴成形はプレス成形に限らず、矩形状の金属板を溶接、接着等して筒状に形成したものでもよい。さらに、蓋体として従来のタブを引き上げ開口するイージーオープン蓋を巻締める場合には、缶胴は通常の略円筒状の缶体とすることも出来る。
なお、開口部をネジ式キャップで密封した缶体においては、従来のタブ引き上げ式のイージーオープン蓋に比べ開栓時に缶胴をしっかりと保持する必要があり、本発明の効果が発揮されやすい。
【0006】
本発明の缶おいては、缶胴側面には凹部4が設けられている。缶胴側面の凹部は、金属製缶胴にエンボス加工、ビード加工、折り曲げ加工などを施すことによって形成することができる。また缶胴側面に部分的な張り出し加工を施すことにより、残りの部分を相対的に凹部とするようにしても構わない。この凹部4によって缶胴1とラベル3との間に空隙5が形成される。この空隙5の空気層の断熱効果によって、金属製缶胴あるいは缶胴と密着したラベルを把持する場合に比べ、加温または冷却された内容物の熱が手指に伝わりにくく缶体を保持しやすい。
【0007】
缶胴側面の凹部は缶胴側面に周状に設けられ、且つ前記空隙の部分が缶胴側面に占める面積の割合が、20〜85%であることが好ましい。この場合、断熱ラベルと缶胴金属が直接接触しない場所が、手指で充分に掴める広さで缶胴の全周にわたり存在するので、缶をどの方向から掴んでもラベル下の空隙からなる断熱部分が存在し、缶が保持し易いという利点がある。
【0008】
また凹部は、多数の小さな凹部が缶胴全周にわたって上記割合で分布させるのが、ラベルと間に空隙が出来やすく好ましい。例えば、図1の缶体では、図4、5に示すような一つの構成単位が菱形の窪みからなる多面体壁を缶胴側壁部に連続して全周に周状に設けてある。缶胴径約53〜66mmの200〜350ml入り缶の場合、菱形の窪み(凹部)の大きさは、缶体軸方向最大長さL及び缶周方向最大長さwが、それぞれ1〜3cm、特に1.5〜2.5cmの範囲にあり、また凹部の最大深さdは0.5〜5mmの範囲、特に0.8〜2mmの範囲にあることが好適である。これらの寸法L、w、dが、上記範囲よりも小さい場合には、ラベルと缶胴表面との間に空隙が形成し難く持ちにくくなり、また上記範囲よりも小さい場合には、凹部の加工が難しくなる。
なお本発明においては、凹部は菱形の構成単位面から成る多面体壁に限定されず、他の多角形や円形、あるいは周状や缶軸方向のビードとすることももちろん可能である。
【0009】
缶胴側面への凹部の形成は従来公知の方法が適用でき、例えば、図6のように缶体胴部10を内型11と外型12で挟んで型押して凹部を形成する。形成する凹部に対応して、使用する内型、外型にはそれぞれ凹み、突起を表面に有しているものであり、これらの内型及び外型を容器胴部を介して噛み合わせ、且つこれらを同期した速度で回転させるることにより、缶胴側壁表面への凹部の形成が行われる。
【0010】
本発明では、缶胴を構成する金属板の容器内外表面は、通常、塗料や熱可塑性樹脂フィルムなどの耐食性有機皮膜で被覆されている。この有機被覆は、金属素材、缶胴形成前あるいは成形ののち、あるいは凹部形成後に施こすことができる。保護被覆の形成は、保護塗料を設けることにより、或いは熱可塑性樹脂フィルムをラミネートすることにより行われる。
【0011】
保護塗料としては、熱硬化性及び熱可塑性樹脂からなる任意の保護塗料:例えばフェノール−エポキシ塗料、アミノ−エポキシ塗料等の変性エポキシ塗料:塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体部分ケン化物、塩化ビニル−酢酸ビニル−無水マレイン酸共重合体、エポキシ変性−、エポキシアミノ変性−或いはエポキシフェノール変性−ビニル塗料等のビニルまたは変性ビニル塗料:アクリル樹脂系塗料:スチレン−ブタジエン系共重合体等の合成ゴム系塗料等の単独または2種以上の組合せが使用される。
これらの塗料は、エナメル或いはラッカー等の有機溶剤溶液の形で、或いは水性分散液または水溶液の形で、ローラー塗装、スプレー塗装、浸漬塗装、静電塗装、電気泳動塗装等の形で金属素材に施す。勿論、前記樹脂塗料が熱硬化性の場合には、必要により塗料を焼付ける。保護塗膜は、耐食性と加工性との見地から、一般に乾燥状態で2乃至30μm、特に3乃至20μmの厚みを有することが望ましい。また、加工性を向上させるためには、塗膜中に、各種滑剤を含有させておくことができる。
【0012】
ラミネートに用いる熱可塑性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリルエステル共重合体、アイオノマー等のオレフィン系樹脂フィルム、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、エチレンテレフタレート/イソフタレート共重合体等のポリエステルフィルム:ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン11、ナイロン12等のポリアミドフィルム:ポリ塩化ビニルフィルム:ポリ塩化ビニリデンフィルム等を挙げることができる。これらのフィルムは未延伸のものでも、二軸延伸のものでもよい。その厚みは、一般に3乃至50μm、特に5乃至40μmの範囲にあることが望ましい。フィルムの金属素材への積層は、熱融着法、ドライラミネーション、押出コート法等により行われ、フィルムと金属板との間に接着性(熱融着性)が乏しい場合には、例えばウレタン系接着剤、エポキシ系接着剤、酸変性オレフィン系接着剤、コポリアミド系接着剤、コポリエステル系接着剤を介在させることができる。
【0013】
つぎに、本発明の凹部を有する缶胴外周に巻かれる断熱ラベルについて説明する。使用するラベルの材料としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂やポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリエチレンテレフタレートとイソフタール酸との共重合体等よりなる共重合ポリエステル系樹脂、ポリエチレンあるいはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、あるいは以上の樹脂の混合体、積層体からなる合成樹脂製フィルムを例示でき、特にポリエチレンテレフタレート樹脂のようなポリエステル系樹脂からなる2軸延伸フィルムを使用するのが、耐熱性、透明性、加工性、強靱性、光沢性、コストの点で好ましい。また、合成樹脂製フィルムの肉厚寸法は、40乃至150μm、特に50乃至100μmとするのが断熱性、耐傷付き性、作業性、コストの点で好ましい。
なおラベルの材料としては上記のものが好ましいが、そのほかにも断熱効果に優れたものであれば、その材料組成・層構成等は上記のものに特に限定されず使用することができる。このような断熱ラベルとして、発泡プラスチックフィルム製ラベル、不織布製ラベル、紙ラベル、箔製ラベル等を例示することができる。これらのラベルは、単独で用いても、あるいは二種以上を材料を積層してラベルとして用いてもよい。
【0014】
本発明において、断熱ラベルは接着剤を介して缶胴表面に接着することが好ましい。接着剤で接着することにより缶体に熱がかかっても断熱ラベルが収縮せず、シュリンクラベルによる被覆と異なり耐熱性がよく、レトルト殺菌用途にも適用可能となる。接着剤としては、熱可塑性樹脂または熱硬化性樹脂を例示でき、特に、熱硬化性樹脂を使用するのが、加工性、耐熱性の点で好ましい。熱硬化樹脂は、ポリエステル系、ウレタン系、エポキシ系、アクリル系、アミノ系等のうち、単独またはこれらに硬化剤を添加した組成物および2種以上の樹脂を混合した組成物を、缶胴材料との接着性を考慮して適用する。また缶胴外観の改良等から種々の顔料を添加した接着剤を適用してもよい。
なお接着剤の塗布は、ラベルの全面に行ってもよいし、部分的に行ってもよい。部分的塗布によれば、例え、ばレトルト殺菌時に凹部の空隙部に残る空気をラベル端部から逃がす通り道を設けるようにすることも可能である。この他、空隙部に残る空気を逃がすことに関しては、ラベルに細かい穴を開けることなどによっても可能である。
【0015】
また断熱ラベルには、缶内面側あるいは外面側表面に印刷層を設けることが好ましい。印刷層の形成方法としては、グラビア印刷、フレキソ印刷等を例示でき、特に、グラビア印刷によって印刷層を形成する方法が、画質が鮮明で高級感のある印刷層が得られる点で好ましい。
さらに断熱ラベルの最外表面には、缶体の滑り性向上、傷付き防止のために保護皮膜を設けることが好ましい。保護皮膜の材料としては、金属缶に通常使用されているアクリル系、ポリエステル系、エポキシ系、アルキッド系樹脂塗料の公知の仕上げワニスを例示できる。
【0016】
断熱ラベルとして、接着剤を介して缶胴側面に接着するタイプのラベルを使用する場合には、ラベルの缶胴への装着は、缶胴に凹部が加工された後の製缶工程で行われる。接着方法は従来公知の方法が適用でき、例えば特開平3−230940号公報、特開2001−179830号公報に記載されている。
【0017】
本発明において、断熱ラベルは、前記のような接着剤を介して缶胴に接着するタイプの他、シュリンクラベルやストレッチラベルのような缶胴に接着しないタイプのラベルを使用することも可能である。このようなラベルには、例えば厚さ40〜150μm、好ましくは50〜100μmのポリ塩化ビニル、ポリエステル、ポリスチレン、ポリプロピレン等の収縮性フィルムをチューブ状に形成したものが使用できる。
【0018】
シュリンクラベルやストレッチラベルからなる断熱ラベルの場合、ラベルの缶胴への装着は、缶体に内容物を充填し缶蓋またはキャップを巻き締め密封し殺菌工程を経た後に行われる。このようにすると断熱ラベルが、殺菌工程の熱によって収縮してしまうのを防ぐことができる。
【0019】
【実施例】
次に実施例をあげて本発明を具体的に説明する。
実施例1. 素板厚0.24mm、調質度T−2.5のティンフリースチール板の缶内面となる側に厚さ20μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合フィルムを、一方、缶外面となる側に酸化チタンを20重量%含有する厚さ15μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート共重合フィルムをフィルムの融点で両面同時に熱接着、直ちに水冷することにより熱可塑性樹脂被覆金属板を得た。この両面熱可塑性樹脂被覆金属板にグラマーワックスを均一に塗布した後、絞り−薄肉化再絞り−しごき加工(薄肉化30%)により深絞りカップを成形した。この後、常法にしたがってドーミング成形を行った後、前記深絞りカップを215℃で1分間熱処理し、フィルムの加工歪みをとるとともに、潤滑剤を揮発させた。ついで開口部端の縁切りを行って、直径約53mm高さ約135mmの金属缶体を得た。この有底缶体の缶胴に、図6に示す方法で周状多面体パターンを周状に刻設し凹部を形成した。このパターンにおける構成単位面は四辺形であり、w=18.78mm、L=18.78mm、R=0.2mm及びh0=1.23mmとした。
一方、厚さ60μmのポリエチレンテレフタレート2軸延伸フィルムからなるラベル基材の片面に、ウレタン系樹脂からなるインキでグラビア印刷(厚さ約1μm)を施し印刷層を形成するとともに、その上に厚さ約5μmのポリエステル系熱硬化樹脂接着剤層を形成し、その接着剤層は乾燥状態とした。この印刷フィルムをその幅寸法を約90mm、長さ約170mmにスリットして、缶体に巻き付ける1缶分の断熱ラベル4とした。
ついで、凹部を形成した金属缶の缶胴を高周波誘導加熱によって加熱するとともに、底から高さ約10〜100mmの範囲までの缶胴の外周面に印刷済みの断熱ラベルを接着剤層側から当接させ、加圧ローラによって、缶胴の周方向全体に沿って接着させた。ついで、開口部を多段口絞り加工して口径42mmφの口部とし、この側壁に転造加工によりキャップと螺合する螺条を設け図1に示す断熱ラベル付き缶を得た。尚、缶胴の凹部の形成範囲は、底部上から肩部下までの缶胴部の約50%であった。
比較例1. 缶胴部に凹部を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして断熱ラベル付き缶を得た。
【0020】
実施例2. 断熱ラベルとして、幅90mm,長さ170mm,厚さ60μmのポリプロピレン製シュリンクラベルをチューブ状に形成したものを用い、凹部を成形した缶体に装着して加熱収縮させる以外は、実施例1と同様にして断熱ラベル付き缶を得た。
比較例2. 缶胴部に凹部を形成しないこと以外は、実施例1と同様にして断熱ラベル付き缶を得た。
【0021】
これらの缶に、コーヒー飲料を充填しアルミ製キャップをキャッパーで巻き締め密封したのち、60℃の恒温器で1日保管した。その後、加温された缶を恒温器から素手で掴んで取り出し、体感する缶体の熱さを、東洋製罐株式会社所属の20人で構成するパネラーによって、官能検査で比較評価したところ、20人中15人が、実施例の缶の方が、熱さを感じず、掴みやすく開栓し易いとの結果であった。尚、残りの5人のパネラーは両者の缶とも同等という結果であった。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、缶胴に巻き付けられた断熱ラベル下の缶胴凹部とラベルとの間に空隙の空気層の断熱効果によって、比較的簡単な厚さの薄い構成のフィルムで缶胴を覆うにもかかわらず、加温または冷蔵された缶詰が、中味の温度にかかわらず手に持ちやすく断熱性に優れた断熱ラベル付き缶が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の断熱ラベル付き缶の一実施例を示す正面図である。
【図2】図1に示した缶のA−A′断面図である。
【図3】図1に示した缶のB−B′における断面図である。
【図4】図1に示した缶の缶胴側面に形成された凹部(多面体壁)の構成単位面の平面図である。
【図5】図1に示した構成単位面の垂直断面図である。
【図6】缶胴部への凹部の形成方法を説明する斜視図である。
【符号の説明】
1 缶胴
2 キャップ
3 断熱ラベル
4 凹部
5 空隙

Claims (4)

  1. 缶胴側面に凹部を設け、その缶胴外周を断熱ラベルで覆った缶であって、断熱ラベルと前記凹部の底との間に空隙を有することを特徴とする缶。
  2. 前記凹部は缶胴側面に周状に設けられ、且つ前記空隙の部分が缶胴側面に占める面積の割合が、20〜85%であることを特徴とする請求項1記載の缶。
  3. 前記断熱ラベルが、厚さ40〜150μmの合成樹脂製フィルムからなることを特徴とする請求項1または2に記載の缶。
  4. 前記缶は、開口部をネジ式キャップで密封したことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の缶。
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