JP2004030967A - 超電導転位セグメント導体およびその製造方法 - Google Patents

超電導転位セグメント導体およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】超電導ケーブル等に用いられる超電導転位セグメント導体が、前記ケーブルの製造時の曲げ加工等により転位撚りが解けないようにすること、さらに曲げ歪み等が施されても前記セグメント導体を構成する個々の導体が自由に動くことができるようにすること、さらにまた前記超電導転位セグメント導体に施すテープ状介在さらに非粘着性テープ並びに粘着性テープを、自動的に連続して施せるようにすること。
【解決手段】超電導材料からなる複数本の平角状導体が転位セグメント導体に構成され、かつその転位セグメント導体の転位部分を固定するための、非粘着性のテープ状介在が前記導体の転位部分に挿入配置され、かつ前記転位セグメント導体上には、非粘着性のテープからなる卷回層、粘着性のテープからなる卷回層が、順次施された超電導転位セグメント導体とすることによって、解決される。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は超電導転位セグメント導体並びにその製造方法に関し、前記転位セグメント導体の全体を二重テープ巻きすることによって、転位セグメント導体の安定性、機械的特性の向上並びにその製造を自動化して生産性の向上を図ったものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の超電導転位セグメントとしては、テープ状の超電導導体の複数本を転位撚り合わせ、すなわち前記各超電導導体を長手方向に順次その位置を変えて撚り合わせることによって、この転位セグメントを用いた超電導線のインピーダンスを均等になるようにしていた。高温酸化物超電導体を用いた転位セグメント導体の場合について説明すると、例えばビスマス系の高温超電導体(BiSrCaCu、BiSrCaCu等)を銀シース等に充填し、AB面を配向させるために縮径加工と熱処理を繰り返し行うことによって所望のテープ形状に成形した後、必要により熱処理を施してビスマス系の高温超電導導体とし、これに絶縁被覆等を設けて超電導導体としていた。またこのような導体を用いた超電導マグネットを強磁場中で使用する場合には、巨大な電磁力が超電導線に加わるので、銀シース材料の高強度化が必要となる。このため銅等を加えた銀合金シースが考えられているが、銅添加元素の影響が問題となる。そこで、この超電導導体の複数本を長手方向に積層する段階で転位撚り加工を行い、そしてこれらの転位セグメント導体が解けないようにするために、適当な間隔例えば10〜15mmで粘着テープ等を巻回して、ビスマス系高温酸化物超電導転位セグメント導体を製造していた。
【0003】
しかしながら、このような構造の転位セグメント導体においては、転位セグメント導体に曲げ歪みが加えられた場合、前記セグメント導体を構成する個々の導体が一体として振舞うために、特に外側の導体に大きな歪みが加わることになり、交流通電時における損失が大きなものとなる。また、個々の導体どうしの摩擦等によって曲げ半径が小さな場合、例えば曲率半径が50mm程度になると、内側の導体が膨らんでしまうようなことが生じる。さらに、この転位セグメント導体をフォーマー等にスパイラル状に巻き付けたりする時にピッチが小さい場合には、転位撚りが崩れたりすることが生じていた。また前記転位セグメント導体の製造は、前記粘着テープ等の巻回留めを手作業で行なっているので手間がかかり、生産性も悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
よって本発明が解決しようとする課題は、超電導ケーブル等に用いられる超電導転位セグメント導体が、前記ケーブルの製造時の曲げ加工等により転位撚りが解けないようにすること、さらに曲歪み等が施されても前記セグメント導体を構成する個々の導体が自由に動くことができるようにすること、さらにまた前記超電導転位セグメント導体に施す介在、さらに非粘着性テープ並びに粘着性テープを、自動的に連続して行えるようにすることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するためには請求項1に記載されるように、複数本の超電導材料からなる平角状導体が転位セグメントに構成され、かつその転位セグメントの転位部分を固定するために、非粘着性のテープ状介在が前記転位部分に挿入固定され、かつこの転位セグメントには順次、非粘着性テープからなる卷回層、粘着性テープからなる卷回層が施された超電導転位セグメント導体とすることによって、解決される。
【0006】
また請求項2に記載されるように、前記超電導材料の平角状導体が、高温酸化物超電導導体或いはA15型の金属間化合物からなる超電導導体である、超電導転位セグメント導体とすることによって、解決される。
【0007】
さらに請求項3に記載されるように、複数本の平角状超電導導体を、分線盤を通過させて集合しながら撚合せダイスに導入して、転位撚りを施して転位セグメント導体とし、ついで前記転位セグメント導体の転位部分に、非粘着性のテープ状介在を挿入固定した後、順次前記転位セグメント導体上に、非粘着性のテープを卷回し、ついで粘着性テープを卷回して一体化する、二重テープ巻きした超電導転位セグメント導体の製造方法とすることによって、解決される。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに本発明を詳細に説明する。請求項1に記載される発明は、複数本の超電導材料からなる平角状導体が転位セグメントに構成され、かつその転位セグメントの転位部分を固定するために、非粘着性のテープ状介在が前記転位部分に挿入固定され、かつこの転位セグメントには順次、非粘着性テープからなる卷回層、粘着性テープからなる卷回層が施された超電導転位セグメント導体としたので、前記超電導転位セグメント導体の転位撚りが解けないようになり、そしてまた曲歪み等が加わっても個々の超電導導体が自由に動くことができるようになる。このことは、前記超電導転位セグメント導体を構成する個々の超電導導体が一体として振舞うことがなくなるので、外側の導体に大きな歪みが加わることもなくなる。また、前記個々の導体どうしの摩擦等によって曲げ半径が小さな場合に、内側の導体が膨らんでしまうようなこともなくなる。さらに、この転位セグメント導体をフォーマー等にスパイラル状に巻回する場合も、ピッチが小さい場合に転位撚りが崩れたりすることが生じていた問題がなくなる。
【0009】
図1を用いて説明する。1は、超電導転位セグメント導体で、平角状の超電導導体2が転位撚り合わされて構成され、その上には非粘着性テープの卷回層3並びに粘着性テープの卷回層4が設けられて構成されるものである。図1では前記超電導導体2が6本の場合であるが、本数はその用途によって適宜選定される。すなわち、数本は奇数本或いは偶数本のどちらでも良いが、偶数本が好ましい。これは偶数本とすることにより、積層した場合に1本だけとなる層がないため、転位セグメントの転位撚りを維持しやすくかつ転位セグメントが一体的に挙動せず、各超電導体に係る歪みを小さくできるためである。また、前記非粘着性テープ3は、後述する転位セグメント導体1の転位を固定するために設けられるテープ状介在の押さえの役目をするものであるから、突合せ巻、ラップ巻等の巻付け方によって、前記転位セグメントの解けを確実になくし、その形状を一定に維持することが出来ることになる。このようなために用いる前記非粘着性のテープ3は、転位セグメント導体1が曲げ等によって個々に動いたときに、一緒に追随して動くことが可能な材料とすることが好ましく、テフロン(デュポン社の登録商標)等のフッ素系樹指テープが考えられる。そしてこのテープ厚さは、通常10μm以上であれば十分機能する。さらにまたその上に卷回される粘着性テープ4としては、前記転位セグメント導体1を確実に固定させるために設けられるもので、ポリアミド、ポリイミドやポリエチレン等のテープからなるもので、その片面に粘着剤層が設けられたものである。そしてこのテープは、その目的から耐低温性、耐破損強度等の特性を有し、その形成方法は通常ラッピング状に卷回されるものである。またこのテープは、強度等を考慮して、通常20μm以上の厚さのテープが用いられる。
【0010】
より詳細に説明すると、前記平角状の超電導導体2は、例えば6本を図1に示すように2列に積み上げられ、順次エッジ方向に転位させて超電導転位セグメント導体1としたものであるが、この超電導転位セグメント導体1は、図2に示されるように、前記転位部分が解けないようにするために、転位セグメント導体1の転位部分近傍に非粘着性のテープ状介在5が、挿入配置される。具体的には、転位セグメントの平行部の導体2間に、テープ状介在5を引込むことによって挿入配置される。このテープ状介在5は、その大きさが幅1cm程度で長さが3〜6cm程度のものであり、その両端が前記転位セグメント導体1から少しはみ出すように挿入配置される。そしてこのはみ出した部分は、その後に施す非粘着性のテープの卷回層3が形成されるときに、一緒に巻き込まれて卷回されることになる。このようなテープ状介在5としては、ポリアミドテープやポリエチレンテープ等が好ましく用いられる。またその厚さは、強度等を考慮して通常20μm以上のものが好ましい。このようにテープ状介在5を配置して前記転位セグメント導体を製造すると、その転位させた部分はその後の作業によっても転位撚りを十分維持し、従来のように粘着テープによりテープ止めしたものに比較して、曲げを加えるようなことがあっても、前記転位セグメントが一体化して挙動することがないので、前記超電導導体に係る歪みを小さなものすることができることになる。
【0011】
以上のように構成された超電導転位セグメント導体1は、非粘着性のテープの押さえ巻き層と粘着性テープからなる卷回層の二重のテープ巻層が施されているので、これに曲げ加工等を加えてもその形状を十分に保持することができる。さらに粘着性テープ卷回層によって、その下に設けた非粘着性テープの卷回層の破損を防ぐ効果もあり、また前記超電導転位セグメント導体の個々の超電導導体は、転位セグメント導体が一体的に挙動することがないので、自由に動くことができ、前記超電導導体の膨らみの問題や大きな圧縮力等の歪みがかかることもない。このような本発明の超電導転位セグメント導体は、可撓性に優れたものとなり、あたかも1本の導体と同様に扱うことが可能となるものである。なお、このような超電導転位セグメント導体は、その用途として超電導ケーブル、超電導変圧器、超電導マグネット、超電導限流器等に使用することができる。
【0012】
つぎに前記超電導導体2について説明すると、請求項2に記載するような高温酸化物超伝導体やA15型と称される金属間化合物超伝導体が好ましい。例えばビスマス系の高温酸化物超電導体として知られる、BiSrCaCu系やBiSrCaCu系のものが、イットリウム系高温超電導導体として知られる、YBaCu系等の高温酸化物超電導体或いはその原料粉末が銀シース中に充填され、これを平角状にダイス等により成形加工し、必要により焼成することによって製造される。通常この超電導導体は、さらに多数本を銀シース等に配置し、前述と同様に成形加工が繰り返されて、極細多芯の超電導線として使用されるものである。なお前記シース材料としては、銀(Ag)以外にも白金(Pt)、金(Au)等の貴金属の単体並びに合金や強化銀(Ag−0.2Wt%Mg−0.3Wt%Sb)も使用できる。また、金属間化合物系の超電導体として、A15型と称されるNbSn、NbAlやVGa等の超電導体を成形加工して、平角状の超電導導体とするものである。大きさは例えば、厚さ0.05〜2mm×幅1〜10mm程度のものである。このような高温酸化物系超電導導体やA15の金属間化合物からなる超電導導体を用いることによって、超電導転位セグメント導体は、線材の幾何的配置の差異により、偏流せず高電流を通電できることになる。
【0013】
また、請求項3に記載する製造方法について述べると、複数本の平角状超電導導体を順次分線盤を通過させて集合しながら撚合せダイスに導入して、転位撚りを施して転位セグメント導体とし、ついで前記転位セグメント導体の転位部分に非粘着性のテープ状介在を挿入配置した後、前記転位セグメント導体上に、まず非粘着性のテープを押さえとして卷回し、さらにその上に粘着性のテープを卷回する、二重テープ巻き型の超電導転位セグメント導体の製造方法に関するものである。このような製造方法とすることにより、超電導転位セグメント導体を自動化して効率よく製造することができるようになる。
【0014】
図3を用いて説明する。例えば、0.24mm×1.9mmの銀シース被覆ビスマス系酸化物超電導体からなる平角状の超電導導体2が、図3の左方から順次送出され、分線盤6を通過して集合され、転位を一次的に保つように設けられた転位撚合わせダイス7によって、図1に示されるような転位セグメントに成形される。ついで、テープ状介在を挿入配置する装置8によって、図2に示されるようにテープ状介在が配置された後、非粘着性テープの卷回装置9および粘着性テープの卷回装置10を順次通過して、テープ卷回層が形成されて、二重テープ巻き型の超電導転位セグメント導体1(0.8mm×3.9mm)として、巻き取られる。このような製造方法とすることによって、製造ラインを完全に自動化することが可能となり、従来のように前記転位セグメント導体に、解れ防止のための押さえ粘着テープを手作業で行う必要がなくなり、大幅に生産性が向上できる。さらに、機械で均一に巻くため、部分的に太くなるなどの不均一性が小さい。また、このようにして得られた超電導転位セグメント導体も、前述のように転位セグメント導体に曲げ加工等を加えてもその形状を十分に保持することができ、また前記転位セグメント導体の個々の導体は、それぞれが自由に動くことができるので、前記超電導導体の膨らみの問題や大きな圧縮力等の歪みがかかることもなくなる。このように本発明の超電導転位セグメント導体は、可撓性に優れたものとなり、あたかも1本の導体と同様に扱うことが可能となる。
【0015】
【実施例】
本発明の実施例を記載して、効果について述べる。
【0016】
実施例1:高温超電導材料であるビスマス系の酸化物超電導導体(BiSrCaCu)からなる厚さ0.24mm、幅が1.9mmの銀シース平角状超電導導体6本を用い、図1に示すような長さ10cmの超電導転位セグメント導体を作製して試料とした。具体的には、前記転位セグメント導体の転位部近傍2箇所には、幅1cm、長さ3cmのポリイミドテープ(デュポン社の「カプトンテープ」)からなるテープ状介在が挿入配置され、その上には厚さ10μmのニトフロン(日東電工社の商品名)からなる非粘着性のテープが、転位セグメントがばらけるのを防ぐように押さえ巻きされて卷回層を形成し、さらにその上には、厚さ20μmの粘着剤付カプトンテープが、前記非粘着性テープを保護するようにラッピング巻きされて卷回層を形成して、一体化されたものである。また比較例1として、前記テープ状介在が挿入配置されない以外は、実施例と同様の超電導転位セグメント導体を作製して試料とした。これらの試料について、ボビンへの巻返しのような繰返し曲げ加工を与えた後に、前記試料の状態を観察した。さらに前記のような曲げ加工を繰り返し受けた後の高温超電導導体の特性劣化(臨界電流値の変化)について測定した。結果は、実施例1については、超電導導体には何らの変形や破損等は生じていなかった。また臨界電流値は、初期値から低下していなかった。これに対して比較例1は、超電導導体に局所的な曲げが生じており、また臨界電流値も低下していた。この結果から明らかな如く、超電導転位セグメント導体の転位部分の固定に、非粘着性のテープ状介在を挿入配置した本発明の構造のものは、局所的な曲げ等が生じない優れたものであることがわかる。
【0017】
実施例2:前記実施例1と全く同様の超電導転位セグメント導体を作製して、試料とした。また比較例2として、前記非粘着性のテープであるニトフロンテープを用いない以外は、実施例2と同様の超電導転位セグメント導体を作製して、試料とした。これらの試料について、ボビンへの巻返しのような繰返し曲げ加工を与えた後に、前記試料の状態を観察した。さらに前記のような曲げ加工を繰返し受けた後の高温超電導導体の特性劣化(臨界電流値の変化)について測定した。結果は、実施例2については、超電導導体には何らの変形や破損等は生じていなかった。また臨界電流値は、初期値からの低下はなかった。これに対して比較例2は、超電導導体にフィラメントの破断が生じており、臨界電流値も低下していた。この結果から明らかな如く、超電導転位セグメント導体に押さえ巻きとしての非粘着性テープの卷回層を形成するものは、曲げ加工によっても劣化しにくいものであり、優れていることがわかる。
【0018】
実施例3:本発明の超電導転位セグメント導体を用いた、超電導ケーブルの例について述べる。図4に示すような直径20mmのステンレス製のフォーマー12に、実施例1に記載する超電導転位セグメント導体1を15本、スパイラル状にピッチ100mm〜1000mmの範囲で巻回配置し、その上に不織布を絶縁被覆13して、超電導ケーブル11とした。また比較例として、前記実施例1と同様の超電導導体を用いて転位セグメント導体を作製し、従来行われている粘着テープを解れ防止として卷回した、超電導転位セグメント導体を用いて超電導ケーブルを作製して比較例3とした。この転位セグメント導体の各導体(素線)に係る、スパイラルピッチに依存する歪み(%)を比較した。結果を、図5に示した。
【0019】
この図5から明らかな如く、本発明の実施例3の結果を示すAの曲線から、本発明のテープ状介在、非粘着性テープの卷回層および粘着性テープの卷回層を施した超電導転位セグメント導体は、粘着テープのみによって解れないようにした比較例3の超電導転位セグメント導体に関する曲線Bに比較して、スパイラルピッチに対する歪み(%)が、各スパイラルピッチ例えば100mm、200mm、400mm、600mmにおいて、60%以上小さくなっていることが判る。このことは、本発明の前記転位セグメント導体は、小さな曲げ半径で曲げられても特性劣化が少ないことを示している。よって、本発明の転位セグメント導体は、マグネット等のコイル等として十分使用可能なものであることが判る。
【0020】
実施例4:次に本発明の製造方法の実施例について述べる。厚さ0.24mmで幅が1.9mmの銀シースビスマス系超電導導体6本を、順次左方から2m/minの速度で送出し、分線盤6を通過させて集合した後、転位撚り合わせダイス7によって転位セグメントに成形し、ついでテープ状介在の挿入配置装置8で前記転位セグメント導体の転位近傍にテープ状介在を挿入配置した後、非粘着性テープ巻き装置9並びに粘着性テープ巻き装置10を順次通過させて、ニトフロンテープを突合せて卷回した卷回層を形成し、ついで粘着剤付カプトンテープをラッピング巻きした、二重テープ巻型の厚さ0.8mm、幅3.9mmの超電導転位セグメント導体1を製造した。そして、このようにして製造した超電導転位セグメント導体について、フラットワイズの曲げ加工を施し、超電導転位セグメント導体の臨界電流値を測定して、その性能を調べた。結果は、前記超電導転位セグメント導体は曲げ加工に対して転位セグメントが解れることはなかった。また、臨界電流値についても、全く問題のないものであった。そしてこのような製造方法とすることによって、製造ラインを自動化することができ、従来のように粘着テープを手作業で巻付ける製法と比較して、その製造速度は3倍以上であった。さらに、本発明の製造方法によれば超電導導体の種類に関係なく、また必要数使用して超電導転位セグメント導体を製造することができることになる。
【0021】
【発明の効果】
以上のように本発明は、超電導材料からなる複数本の平角状導体が転位セグメント導体に構成され、かつその転位セグメント導体の転位部分を固定するための非粘着性のテープ状の介在が、前記導体の転位部分に挿入配置され、かつ前記転位セグメント導体表面には、順次非粘着性テープからなる卷回層、粘着性テープからなる卷回層が施された超電導転位セグメント導体とすること、また前記超電導材料が、高温酸化物超電導導体或いはA15型の金属間化合物からなる超電導導体である超電導転位セグメント導体とすることによって、前記超電導転位セグメント導体の転位撚りが解けないように維持することができ、そしてこれに曲げ歪み等が加わっても個々の超電導導体が自由に動くことができるようになる。このことは、前記超電導転位セグメント導体を構成する個々の超電導導体が一体として振舞うことがなくなるので、外側の導体に大きな歪みが加わることもなくなることになる。また、前記個々の導体どうしの摩擦等によって、曲げ半径が小さな場合には内側の導体が膨らんでしまうようなこともなくなる。さらに、この転位セグメント導体をフォーマー等にスパイラル状に巻回する場合も、ピッチが小さい場合にも、転位撚りが崩れたりすることがなくなる。また、高温酸化物系超電導導体やA15の金属間化合物からなる超電導導体を用いることによって、超電導転位セグメント導体は、線材の幾何的配置の差異により、偏流せず高電流を通電できることになる。そしてこのような超電導転位セグメント導体は、その用途として超電導ケーブル、超電導変圧器、超電導マグネット、超電導限流器等に使用することができることになる。
【0022】
また本発明の製造方法によれば、複数本の平角状超電導導体を順次分線盤を通過させて集合しながら撚合せダイスに導入して、転位撚りを施して転位セグメント導体とし、ついで前記転位セグメント導体の転位部分に非粘着性のテープ状介在を挿入配置した後、前記転位部分近傍に非粘着性のテープ状介在が挿入配置された転位セグメント導体に、順次非粘着性のテープを卷回し、さらにその上に粘着性のテープを卷回した、二重テープ巻き型の超電導転位セグメント導体の製造方法とすることによって、前述の特性を有する超電導転位セグメント導体の製造ラインを、完全に自動化することが可能であり、従来のように前記転位セグメント導体に解れ防止のための粘着テープ等を、手作業で巻回する必要もなくなり、生産性が大幅に向上する効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超電導転位セグメント導体の一例を示す、概略断面図である。
【図2】本発明の超電導転位セグメント導体のテープ状介在を示す、概略断面図である。
【図3】本発明の超電導転位セグメント導体の製造方法の一例を示す、概略図である。
【図4】本発明の超電導転位セグメント導体を用いた、超電導ケーブルの概略を示す図面である。
【図5】図4に示した超電導ケーブルの各超電導導体に係る歪みを、スパイラルピッチごとに示すグラフである。
【符号の説明】
1  超電導転位セグメント導体
2  超電導導体
3  非粘着性テープの卷回層
4  粘着性テープの卷回層
5  テープ状介在
6  分線盤
7  転位撚り合わせダイス
8  介在の挿入配置装置
9   非粘着性テープの卷回装置
10  粘着性テープの卷回装置
11  超電導ケーブル
12  フォーマー
13  絶縁被覆

Claims (3)

  1. 複数本の超電導材料からなる平角状導体が転位セグメントに構成され、かつその転位セグメントの転位部分を固定するために、非粘着性のテープ状介在が前記転位部分に挿入固定され、かつこの転位セグメントには順次、非粘着性テープからなる卷回層、粘着性テープからなる卷回層が施されたことを特徴とする、超電導転位セグメント導体。
  2. 前記超電導材料の平角状導体が、高温酸化物超電導導体或いはA15型の金属間化合物からなる超電導導体であることを特徴とする、請求項1に記載の超電導転位セグメント導体。
  3. 複数本の平角状超電導導体を、分線盤を通過させて集合しながら撚合せダイスに導入して転位撚りを施して転位セグメント導体とし、ついで前記転位セグメント導体の転位部分に、非粘着性のテープ状介在を挿入固定した後、順次前記転位セグメント導体上に、非粘着性のテープを卷回し、ついで粘着性テープを卷回して一体化することを特徴とする、二重テープ巻きした超電導転位セグメント導体の製造方法。
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