JP2004030959A - ガス拡散部材、ガス拡散電極および燃料電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】一方側が燃料電池セルの触媒層に隣接し、他方側がガス流路を有する導電性部材に隣接し、ガス流路より触媒層に反応ガスを供給するガス透過性と導電性を有するガス拡散部材において、ガス拡散部材の基材より大きなガス透過性を有する穴部が導電性部材側から触媒層側に向かって設けられていることを特徴とするガス拡散部材およびこのガス拡散部材の導電性部材に隣接する側の反対側に触媒層が設けられていることを特徴とするガス拡散電極およびそのガス拡散部材を用いた燃料電池。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はガス拡散部材、ガス拡散電極および燃料電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
大気の汚染をできる限り減らすために自動車の排ガス対策が重要になっており、その対策の一つとして電気自動車が使用されているが、充電設備や走行距離などの問題で普及に至っていない。燃料電池を使用した自動車が最も将来性のあるクリーンな自動車であると見られている。燃料電池の中でも固体高分子電解質型燃料電池が低温で作動するため自動車用として最も有望である。
【0003】
燃料電池は一般的に多数の単セルが積層されており、この単セルは二つの電極(燃料極と酸化剤極)で電解質を挟んだ接合体をセパレータ(ガス流路を有する導電性部材)で挟持した構造をしている。燃料ガス、酸化剤ガスが、それぞれのセパレータに設けられたガス流路を介して、それぞれ燃料極、酸化剤極に供給され、電気化学反応により発電し、水以外の排出物がなくクリーンな発電装置として注目されている。一般的に電極はガス拡散層上に触媒層が設けられた構成である。しかし、電解質上に触媒層を設けて、ガス拡散層を別部材のガス拡散部材で構成し、ガス拡散部材を触媒層に隣接させて単セルを組み立てる場合もある。
【0004】
固体高分子電解質型燃料電池は電解質に固体高分子電解質膜を用いられている。図11は、一般的な固体高分子電解質型燃料電池の単セル構造を説明する部分断面図である。固体高分子電解質膜1を燃料極2と酸化剤極3で挟持し、接合して膜・電極接合体10が作製されている。燃料極2は触媒層2aとガス拡散層2bで構成され、酸化剤極3は触媒層3aとガス拡散層3bで構成されている。膜・電極接合体10をセパレータ4と5で挟持し、燃料電池の単セルが構成されている。セパレータ4、5はそれぞれ燃料ガス流路4a、酸化剤ガス流路5aを有する導電性部材である。
【0005】
加湿された水素あるいは水素を含む燃料ガスが集電体でもあるガス拡散層2bを通って、触媒層2aに到達し、下記の電極反応が起こる。
【0006】
【化1】
燃料極2で生成されたプロトンH+は水分子に伴って、固体高分子電解質膜1中を通って酸化剤極3に向かって移動する。それと同時に、燃料極2で生成された電子e−は触媒層2a、ガス拡散層2bを通して、外部回路を介して燃料極2と酸化剤極3との間に接続された負荷を通って、酸化剤極3に移動する。
【0007】
一方、酸化剤極3では、加湿された酸素を含む酸化剤ガスが集電体でもあるガス拡散層3bを通って、触媒層3aに到達し、外部回路からガス拡散層3bおよび触媒層3aを通して流れてきた電子を貰って、下記の反応で還元され、燃料極2から固体高分子電解質膜1中を通して移動してきたプロトンH+と結合して水となる。
【0008】
【化2】
生成された水の一部は、濃度勾配によって固体高分子電解質膜1中に入り、燃料極2に向かって拡散して移動し、一部は蒸発して、触媒層3aおよびガス拡散層3bを通して酸化剤ガス流路5aまで拡散して、未反応の酸化剤ガスと一緒に排出される。
【0009】
セパレータ4とガス拡散層2bとの電気的接続のために燃料ガス流路4aは溝構造をしている。酸化剤ガス流路5aも同様に溝構造をしている。ガス拡散層2b、3bにセパレータ4、5が接触している部分ではガス拡散層2b、3bは直接反応ガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)に接触せず、燃料ガス流路4a、酸化剤ガス流路5aの部分からガス拡散層2b、3bに入った反応ガスが拡散によって運ばれるしかない。ガス拡散層2b、3bは、もともとガス拡散部材と導電性部材が接触している部分に対向する触媒層にも反応ガスを供給する機能を有するものであるが、そのガス透過抵抗のためにガス拡散層2b、3bとセパレータ4、5が接触している部分に対向する触媒層2a、3aの部分には、反応ガスが十分に供給されず式(1)、(2)の電極反応が不十分となり発電性能が低くなる問題点があった。また、ガス拡散機能のゆえに逆にガス拡散層2b、3bが固体高分子電解質膜1への水蒸気の供給、または酸化剤極3で生成された水の除去の妨げになる問題点があった。
【0010】
一方、反応ガス中の燃料ガス中の反応活性物質の水素濃度及び酸化剤ガス中の反応活性物質の酸素濃度はそれぞれのガス流路の入口側ほど高く、ガス流路を通過する過程で消費され出口に近いほど低下する。この傾向はガスの利用率が高いほど大きくなる。この反応ガスの濃度分布に従って電極面内の電流密度分布が生じ、発電性能が低くなる問題点があった。
【0011】
また、反応により水が生成されるので、ガス流路の出口に近いほどガス拡散層内の相対湿度が上昇し、水蒸気の凝縮が発生し反応ガスの拡散阻害が発生しやすい問題点がある。特に酸化剤極3側ではこの現象が顕著に表れる。
【0012】
従来技術1として、特開平8−264192号公報には、ガス拡散層を複数に区分し、ガス流路中の反応ガス濃度の高い領域ほどガス透過性を低くしたガス拡散層(電極基材)が開示されている。ガス透過性を低くしたい区画ほど、カーボン繊維からなるピッチの充填率を低くするか、撥水処理剤の付着量を少なくしている。
【0013】
従来技術2として、特開平11−154523号公報には、ガス入口に近い部分がガス出口に近い部分より小さいガス透過度を有する燃料電池単セルが開示されている。ガス透過度を小さくするために、ガス拡散層の気孔率を小さくするか、厚さを大きくしている。
【0014】
従来技術3として、特開2001−135326号公報には、触媒層とガス拡散層の間に、ガス入口側部分の厚さが出口側の厚さより大きくなるようにフッ素樹脂とカーボンブラックからなる混合層を設けた燃料電池が開示されている。
【0015】
従来技術4として、特開2001−236976号公報には、カソード側のガス拡散層の酸化剤ガス導入口付近に対向するアノード側のガス拡散層の領域の水分透過性を、カソード側のガス拡散層の酸化剤ガス排出口付近に対向するアノード側のガス拡散層の領域の水分透過性よりも高くした燃料電池が開示されている。水分透過性を高くするためにガス拡散層中の撥水剤含有量を少なくしている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来技術1〜4のいずれも、それぞれの区分に応じて異なるガス拡散層を用いたり、区分に応じて量の異なる撥水剤で処理しなければならないため、工程が複雑で、量産性に欠ける問題点がある。またガス拡散層とセパレータが接触している部分に対向する触媒層の部分には、反応ガスが供給されにくいという問題は解決できないため、十分な効果が得られない問題点がある。
【0017】
本発明は上記課題を解決したもので、ガス拡散層とセパレータが接触している部分に対向する触媒層の部分に反応ガスを十分供給でき、かつ電解質への水蒸気の供給と生成水の排出が十分できるガス拡散部材、ガス拡散電極および燃料電池を提供する。また本発明はガス流路の流れに沿う反応ガスの反応活性物質濃度分布や相対湿度分布を平均化し、発電性能を高くできるガス拡散部材、ガス拡散電極および燃料電池を提供する。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項1において講じた技術的手段(以下、第1の技術的手段と称する。)は、一方側が燃料電池セルの触媒層に隣接し、他方側がガス流路を有する導電性部材に隣接し、前記ガス流路より前記触媒層に反応ガスを供給するガス透過性と導電性を有するガス拡散部材において、該ガス拡散部材の基材より大きなガス透過性を有する穴部が前記導電性部材側から前記触媒層側に向かって設けられていることを特徴とするガス拡散部材である。
【0019】
上記第1の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0020】
すなわち、ガス拡散部材の基材より大きなガス透過性を有する穴部がガス拡散部材に設けられているので、ガス流路から供給された反応ガスは穴部を通りガス拡散部材と導電性部材が接触している部分に対向する触媒層に十分供給できる。また、穴部を通って水蒸気が電解質に供給され、逆に生成水が穴部を通って排出されるので、電解質への水蒸気の供給と生成水の排出が十分できる。これらにより、このガス拡散部材を使用した燃料電池の発電性能を向上できる。
【0021】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項2において講じた技術的手段(以下、第2の技術的手段と称する。)は、前記穴部は、前記導電性部材側から前記触媒層側に貫通する貫通穴であることを特徴とする請求項1記載のガス拡散部材である。
【0022】
上記第2の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0023】
すなわち、穴部が貫通穴であるので、より多くの反応ガスをガス拡散部材と導電性部材が接触している部分に対向する触媒層に供給できるとともに水蒸気の供給・排出がしやすい効果を奏する。
【0024】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項3において講じた技術的手段(以下、第3の技術的手段と称する。)は、前記穴部は、該穴部の前記導電性部材側からの深さが前記ガス拡散部材の前記導電性部材側から前記触媒層側に向かう厚さより小さいことを特徴とする請求項1記載のガス拡散部材である。
【0025】
上記第3の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0026】
すなわち、穴部の深さがガス拡散部材の厚さより小さいので、穴部の位置に置いてもガス拡散部材と触媒層の接触部が形成され、触媒層で発生した電気をガス拡散部材を介して出力できるため、このガス拡散部材を使用した燃料電池の発電性能を向上できる。
【0027】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項4において講じた技術的手段(以下、第4の技術的手段と称する。)は、前記穴部の断面の径または幅が、互いに隣接する前記ガス流路の間隔より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス拡散部材である。
【0028】
上記第4の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0029】
すなわち、穴部の断面の径または幅が、互いに隣接するガス流路の間隔より大きいので、ガス拡散部材が導電性部材に当接されたとき穴部が必ずガス流路に開口部を有するようにできる。これにより、燃料電池の組立時のコストを低減できる。
【0030】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項5において講じた技術的手段(以下、第5の技術的手段と称する。)は、多数の前記穴部が設けられ、前記ガス流路の上流側から下流側に向かって前記穴部の数が増加していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス拡散部材である。
【0031】
上記第5の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0032】
すなわち、ガス流路の上流側から下流側に向かって穴部の数が増加しているので、ガス流路の下流側の方が上流側より、反応ガスが触媒層に供給されやすく、燃料ガス側では触媒層に水蒸気が供給されやすく、酸化剤ガス側では水蒸気が排出されやすいため、ガス流路の流れに沿う反応ガスの反応活性物質濃度分布や相対湿度分布を平均化できる。ガス拡散部材として同質の基材を用いることができるので、量産性に適している。これにより、このガス拡散部材を使用した燃料電池の発電性能を向上でき、低コスト化できる。
【0033】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項6において講じた技術的手段(以下、第6の技術的手段と称する。)は、請求項1〜5のいずれかのガス拡散部材の前記導電性部材に隣接する側の反対側に触媒層が設けられていることを特徴とするガス拡散電極である。
【0034】
上記第6の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0035】
すなわち、ガス拡散部材と導電性部材が接触している部分に対向する触媒層の部分に反応ガスを十分供給できるガス拡散部材を用いているので、供給された反応ガスを触媒層に十分供給できる。ガス流路の流れに沿う反応ガスの反応活性物質濃度分布や相対湿度分布を平均化できるガス拡散部材を用いているので、触媒層に到達する反応活性物質濃度分布を平均化でき、かつ触媒層のフラディング現象を防止できる。
【0036】
上記技術的課題を解決するために、本発明の請求項7において講じた技術的手段(以下、第7の技術的手段と称する。)は、電解質からなる電解質部材と、該電解質部材の一方面に隣接する酸化剤極触媒層と、前記電解質部材の他方面に隣接する燃料極触媒層と、前記酸化剤極触媒層の前記電解質部材に隣接する側の反対側に隣接する酸化剤極用ガス拡散部材と、該酸化剤極用ガス拡散部材の前記酸化剤極触媒層に隣接する側の反対側に隣接し酸化剤ガス流路を有する導電性部材と、前記燃料極触媒層の前記電解質部材に隣接する側の反対側に隣接する燃料極用ガス拡散部材と、該燃料極用ガス拡散部材の前記燃料極触媒層に隣接する側の反対側に隣接し燃料ガス流路を有する導電性部材とを備え、前記酸化剤極用ガス拡散部材、前記燃料極用ガス拡散部材の少なくとも一方が請求項1〜5のいずれかに記載のガス拡散部材であることを特徴とする燃料電池である。
【0037】
上記第7の技術的手段による効果は、以下のようである。
【0038】
すなわち、ガス拡散部材と導電性部材が接触している部分に対向する触媒層の部分に反応ガスを十分供給できるガス拡散部材を用いているので、供給された反応ガスを触媒層に十分供給でき、発電性能に優れた燃料電池ができる。ガス流路の流れに沿う反応ガスの反応活性物質濃度分布や相対湿度分布を平均化できるガス拡散部材を用いているので、触媒層に到達する反応活性物質濃度分布を平均化でき、かつ触媒層のフラディング現象を防止できるため、発電性能に優れた燃料電池ができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
本発明者は鋭意研究し、ガス拡散部材を複雑な構成にすることなく、上記技術的課題を解決した。
【0040】
以下、本発明の実施形態について、図面に基づいて説明する。図1は本発明の第1実施形態のガス拡散部材の説明図であり、図1(a)は平面図、図1(b)はAA断面図である。ガス拡散部材11の基材は、撥水処理されたカーボンペーパーである。基材は多孔質で所定のガス透過性を有している。ガス拡散部材11には一方面11aから他方面11bに貫通する多数の貫通穴12が設けられている。
【0041】
図2は第1実施形態の燃料電池単セルの構造を説明する部分断面図である。図11と同じ部材は同じ符号を使用し説明は省略する。固体高分子電解質膜(電解質部材)1の一方面に燃料極触媒層13が設けられ、他方面に酸化剤極14が設けられている。燃料極触媒層13、酸化剤極触媒層14は、カーボン粒子にそれぞれの触媒を担持しペースト化してスクリーン印刷することにより形成されている。
【0042】
ガス拡散部材11は、一方面11aがセパレータ(導電性部材)4または5に隣接し、他方面11bが燃料極触媒層13または酸化剤極触媒層14に隣接している。貫通穴12は、燃料ガス流路4aまたは酸化剤ガス流路5aに連通した状態にある。燃料ガス流路4aに供給された燃料ガスは紙面垂直方向に流れている。その燃料ガスは燃料ガス流路4aから貫通穴12に拡散する。貫通穴12に拡散した燃料ガスの一部が燃料極触媒層13に到達し、燃料ガス中の反応活性物質である水素が燃料極触媒層13の電極反応に消費される。貫通穴12に拡散した燃料ガスの他の部分は貫通穴12の側面から拡散し、ガス拡散部材11とセパレータ4が接触している部分4bに対向する燃料極触媒層13の部分15に到達する。この部分15でも、燃料ガス中の水素が燃料極触媒層13の電極反応に消費される。水素が消費されると貫通穴12中の水素濃度が低くなるが、燃料ガス流路4aから水素が拡散し供給される。
【0043】
ガス拡散部材11の基材は多孔質でありガス透過性を有するが、貫通穴12はガス透過を妨げる部材がなく、基材よりガス透過性が大きい。このため、燃料極触媒層13で水素が消費されても、燃料ガス流路4aから水素が早く拡散され、貫通穴12中の水素濃度は燃料ガス流路4a中の水素濃度に近いものになっている。燃料極触媒層13の部分15にはガス拡散部材11の基材中を通って供給されるが、部分15は貫通穴12から近い位置にあるので、早く水素が拡散でき、部分15にも十分水素を供給できる。
【0044】
燃料ガス中には固体高分子電解質膜1を加湿状態にするために水蒸気が含まれているが、水蒸気も貫通穴12を通って早く拡散するので、固体高分子電解質膜1へ水蒸気を十分供給できる。
【0045】
一方、酸化剤極触媒層14側においても、燃料極触媒層13側と同様に、ガス拡散部材11とセパレータ5が接触している部分5bに対向する酸化剤極触媒層14の部分16に酸化剤ガス中の反応活性物質である酸素を十分供給できる。また、酸化剤極触媒層14で電極反応で生成された生成水は貫通穴12を通って早く拡散するので、生成水の十分な排出が可能となる。
【0046】
この結果、燃料極触媒層13、酸化剤極触媒層14に反応活性物質を十分供給できるので、燃料電池の発電特性が向上する。また生成水を十分排出できるため、酸化剤極触媒層14が水浸しになるいわゆるフラッディング現象の発生が抑制されるので、燃料電池の発電特性が向上するとともに信頼性も向上する。
【0047】
図3は本発明の第2実施形態のガス拡散部材の説明断面図である。平面図は図1(a)と同様である。ガス拡散部材21の基材は、ガス拡散部材11と同じ撥水処理されたカーボンペーパーである。ガス拡散部材21には一方面21aから他方面21bに向かって穴部22が設けられている。穴部22の深さは、ガス拡散部材21の一方面21aから他方面21bに向かう厚さ(ガス拡散部材21の厚さ)より小さい。すなわち、穴部22は他方面21b側には開口していない。
【0048】
図4は第2実施形態の燃料電池単セルの構造を説明する部分断面図である。図2と同じ部材は同じ符号を使用し説明は省略する。ガス拡散部材21は、一方面21aがセパレータ4または5に隣接し、他方面21bが燃料極触媒層13または酸化剤極触媒層14に隣接している。穴部22は、燃料ガス流路4aまたは酸化剤ガス流路5aに連通した状態にある。燃料ガス流路4aに供給された燃料ガスは紙面垂直方向に流れている。その燃料ガスは燃料ガス流路4aから穴部22に拡散する。穴部22に拡散した燃料ガスの一部は穴部22の底部に到達し、そこから燃料極触媒層13側にガス拡散部材21の基材中を拡散し、燃料極触媒層13に到達し、燃料ガス中の反応活性物質である水素が燃料極触媒層13の電極反応に消費される。穴部22に拡散した燃料ガスの他の部分は穴部22の側面から拡散し、ガス拡散部材21とセパレータ4が接触している部分4bに対向する燃料極触媒層13の部分15に到達する。この部分15でも、燃料ガス中の水素が燃料極触媒層13の電極反応に消費される。水素が消費されると穴部22中の水素濃度が低くなるが、燃料ガス流路4aから水素が拡散し供給される。
【0049】
ガス拡散部材21の基材は多孔質でありガス透過性を有するが、穴部22はガス透過を妨げる部材がなく、基材よりガス透過性が大きい。このため、燃料極触媒層13で水素が消費されても、燃料ガス流路4aから水素が早く拡散され、穴部22中の水素濃度は燃料ガス流路4a中の水素濃度に近いものになっている。燃料極触媒層13の部分15にはガス拡散部材21の基材中を通って供給されるが、部分15は穴部22から近い位置にあるので、早く水素が拡散でき、部分15にも十分水素を供給できる。
【0050】
第2実施形態では、穴部22は燃料極触媒層13に連通されていないが、穴部22の底部と燃料極触媒層13の距離はガス拡散部材21の厚さより小さいので、水素を早く供給できる。第1実施形態では、貫通穴11に対向する燃料極触媒層13部分で生成された電子は燃料極触媒層13中を移動した後、燃料極触媒層13とガス拡散部材11とが当接した部分からガス拡散部材11側に流れるしかない。これに対して、第2実施形態では、穴部22に対向する燃料極触媒層13部分もガス拡散部材21に当接しているので、この部分で生成された電子は直接ガス拡散部材21に流れることができるため、セル抵抗を小さくし、発電特性を向上できる。
【0051】
燃料ガス中には固体高分子電解質膜1を加湿状態にするために水蒸気が含まれているが、水蒸気も穴部22を通って早く拡散するので、固体高分子電解質膜1へ水蒸気を十分供給できる。
【0052】
一方、酸化剤極触媒層14側においても、燃料極触媒層13側と同様に、ガス拡散部材21とセパレータ5が接触している部分5bに対向する酸化剤極触媒層14の部分16に酸化剤ガス中の反応活性物質である酸素を十分供給できる。また、燃料極触媒層13側と同様に、穴部22に対向する部分でも酸化剤極触媒層14とガス拡散部材21が当接しているので、酸化剤極触媒層14のその部分にもガス拡散部材21から直接電子が流れ込みことができ、セル抵抗を小さくし、発電特性を向上できる。さらに、穴部22の底部と酸化剤極触媒層14の距離はガス拡散部材21の厚さより小さいため、酸化剤極触媒層14で電極反応で生成された生成水は早く穴部22に拡散し、穴部22を通って早く拡散するので、生成水の十分な排出が可能となる。
【0053】
この結果、燃料極触媒層13、酸化剤極触媒層14に反応活性物質を十分供給できるので、燃料電池の発電特性が向上する。また生成水を十分排出できるため、酸化剤極触媒層14が水浸しになる、いわゆるフラッディング現象の発生が抑制されるので、燃料電池の発電特性が向上するとともに信頼性も向上する。さらにセル抵抗を小さくでき、発電特性が向上できる。
【0054】
図5は本発明の第3実施形態のガス拡散電極の説明断面図である。平面図は図1(a)と同様である。ガス拡散部材21は図3に示す第2実施形態と同じものを用いた。ガス拡散部材21には一方面21aから他方面21bに向かって穴部22が設けられている。他方面21bに触媒層33が形成されている。燃料極と酸化剤極では触媒層の成分が異なるが、同じ構成をしている。このガス拡散電極を用いた燃料電池単セルは図4で説明した第2実施形態と同様の構造となる。その作用効果も第2実施形態と同様である。
【0055】
第1実施形態から第3実施形態では貫通穴12または穴部22の断面は円であるが、四角形でも、その他の形状でもかまわない。
【0056】
第1実施形態から第3実施形態では貫通穴12または穴部22の径は、ガス流路の幅と一致する形で説明したが、特に限定されない。しかし、穴部の径または幅が、互いに隣接するガス流路の間隔(W1)より大きくすることによって、ガス拡散部材がセパレータ(導電性部材)当接されたとき、穴部が必ずガス流路に開口部を有するようにできる。すなわち、穴部が必ずガス流路と連通した状態にできる。これにより、ガス拡散部材とセパレータの位置ずれを気にすることなく組み立てても、穴部をガス流路と連通させることができるので、燃料電池の組立時のコストを低減できる。
【0057】
望ましくは、穴部の径または幅が、互いに隣接するガス流路の間隔(W1)とガス流路の幅(W2)の合計より小さい方がよい。穴部の径または幅が、互いに隣接するガス流路の間隔(W1)とガス流路の幅(W2)の合計より大きい場合、隣接するガス流路間にショートパスが形成され、発電性能に悪影響を与える恐れがある。なお、互いに隣接するガス流路の間隔(W1)はガス拡散部材11とセパレータ5が接触している部分5bの幅のことである。
【0058】
図6は本発明の第4実施形態のガス拡散部材の平面図である。ガス拡散部材31の基材は、第1実施形態のガス拡散部材11と同様の撥水処理されたカーボンペーパーである。ガス拡散部材31には一方面から他方面に貫通する多数の貫通穴32が設けられている。貫通穴12がガス拡散部材11の平面上にほぼ均一に分布している第1実施形態と異なり、第4実施形態では貫通穴32はガス流路の上流側から下流側に向かって貫通穴32の数が増加するように分布している。図6において、白抜き矢印はガス流路のガス通流方向を表している。ガス拡散部材31の中央付近に1つの貫通穴32が設けられ、これを頂点として図6のように三角形状に貫通穴32の数がガス流路の下流側に向かって増加している。
【0059】
第1実施形態で説明したように、貫通穴が存在すると、触媒層に反応ガスが供給されやすく、水蒸気が供給、排出されやすい。供給された原料ガス(燃料ガスまたは酸化剤ガス)はガス流路の上流側から下流側に流れるにつれて原料ガス中の反応活性物質(水素または酸素)が消費され、反応活性物質の濃度が薄くなる。また燃料ガス側ではガス流路の上流側から下流側に流れるにつれて燃料ガス中の水蒸気が少なくなってくる。一方、酸化剤ガス側では酸化剤極で電極反応(2)により水が生成するので、ガス流路の上流側から下流側に流れるにつれて酸化剤ガス中の水蒸気が増加する。
【0060】
第4実施形態ではガス流路の上流側から下流側に向かって穴部の数が増加しているので、下流側になるにつれて触媒層に反応活性物質が供給されやすく、かつ燃料極側では電解質に水蒸気が供給されやすく、酸化剤極側では生成水が排出されやすい。このため、触媒層の反応活性物質濃度分布や電解質の相対湿度分布を平均化できる。これらの平均化をガス拡散部材の局部的性質の変化によらず、同質のガス拡散部材基材を用いて実現できるので、量産性に適している。これにより、燃料電池の発電性能を向上でき、低コスト化できる。
【0061】
以下、実施例を用いて説明する。
【0062】
(実施例1)
1000gの水に、300gのカーボンブラック(平均粒径:40nm)を混入し、撹拌機を用いて十分間撹拌してから、ダイキン工業株式会社製のテトラフルオロエチレン(以下、PTFEと称する。)の含有濃度が60%のディスパージョン原液(商品名:POLYFLON、D1グレード)を250g添加して更に十分間撹拌して、カーボンインクを作製した。このカーボンインクにカーボンペーパー(東レ株式会社製、トレカTGP−060、137mm×169mm、厚さ180μm)を投入して、十分にカーボンインクを含浸させた。次に80℃の温度に保った乾燥炉で余分な水分を蒸発させた後、焼結温度390℃で60分保持して、PTFEを焼結し撥水カーボンペーパーを作製した。
【0063】
この撥水カーボンペーパーに図6のように貫通穴32をあけた。貫通穴32の径は3.8mmである。ガス通流方向に平行方向の貫通穴32の並びを列、列と直交する方向の貫通穴32の並びを行と称する。貫通穴32は9行、17列に並んでおり、一番ガス上流側の行には1つの貫通穴32が設けられ、そこから1行ごとに貫通穴32が2個増加している。貫通穴32の列ピッチは8mm、行ピッチは10mmである。このようにして酸化剤極用ガス拡散部材を作製した。
【0064】
一方、燃料極用ガス拡散部材は、酸化剤極用ガス拡散部材と同様に作製した撥水カーボンペーパーを使用した。燃料極用ガス拡散部材には穴部が設けられていない。
【0065】
次に、白金担持濃度が46wt%の白金担持カーボン触媒(田中貴金属工業株式会社製:TEC10E50E、以下Pt/Cと称する。)12gと5wt%濃度のイオン交換樹脂溶液(旭化成工業株式会社製:SS−1080)180gと水23g、成形助剤としてのイソプロピルアルコール23gと十分に混合し触媒ペーストを製作した。この触媒ペーストをドクターブレード法により白金担持量が0.6mg/cm2になるようにテトラフロロエチレンシートに触媒層を形成後、乾燥させて、酸化剤極シートとする。酸化剤極シートの大きさは、137mm×169mm、厚さ 0.10mm(触媒層厚さは約10μm)である。
【0066】
同様な方法によってPtCの代わりに白金(担持濃度30wt%)−ルテニウム(担持濃度23wt%)合金担持カーボン触媒(田中貴金属工業株式会社製:TEC61E54、以下Pt−Ru/Cと称する。)で形成されたものを燃料極シートとする。燃料極シートの大きさは、137mm×169mm、厚さ 0.10mm(触媒層厚さは約10μm)である。
【0067】
厚みが25μのイオン交換膜(デュポン社製:Nafion111)を固体高分子電解質膜として使用した。イオン交換膜の一方面に酸化剤極シートを、他方面に燃料極シートをそれぞれの触媒層がイオン交換膜に隣接するように当接される。すなわち、それぞれの触媒層がイオン交換膜に隣接するように、イオン交換膜を酸化剤極シートと燃料極シートで挟持した。この状態で、130℃、8Mpaの条件で1分間ホットプレスして電解質膜に触媒層を転写し、それぞれのテトラフロロエチレンシートを剥がした。
【0068】
この酸化剤極触媒層、燃料極触媒層を転写されたものの両側にそれぞれ酸化剤極用ガス拡散部材、燃料極用ガス拡散部材で挟持して、120℃、2Mpaの条件で3分間ホットプレスして、MEA接合体(膜・電極接合体)を作製した。
【0069】
図7は、本実施例で使用したセパレータの構造を説明する説明図で、図7(a)は平面図、図7(b)は断面図である。セパレータ41はカーボン製で、その外形寸法は、198mm×229mm、厚さ2mmである。セパレータ41の一方面には、多数の直線溝形状のガス流路42が設けられている。ガス流路42の溝幅は2mm、深さは0.6mmである。隣接するガス流路42の間隔は2mmである。白抜き矢印はガス流路42のガス通流方向を表している。
【0070】
このセパレータ41を2つ用いて、上記で作製したMEA接合体の酸化剤極用ガス拡散部材、燃料極用ガス拡散部材にそれぞれガス流路42側が隣接するようにMEA接合体を挟持し燃料電池単セルを作製した。
【0071】
単セル温度75℃とし、酸化剤ガスとして空気、燃料ガスとして10ppmの一酸化炭素を含む天然ガス改質摸擬ガス(水素:76%、窒素:4%、二酸化炭素:19%、メタン:1%)をそれぞれ常圧で供給して水素利用率85%、電流密度0.17A/cm2に固定し空気利用率を変えてセル電圧を測定して評価した。
【0072】
(実施例2)
図8は、実施例2で使用した燃料極用ガス拡散部材の平面図である。白抜き矢印はガス流路42のガス通流方向を表している。実施例1と同様に作製した撥水カーボンペーパーに図8のように貫通穴52をあけて燃料極用ガス拡散部材51を作製した。貫通穴52の断面形状は一辺が3.8mmの正方形である。ガス通流方向に平行方向の貫通穴52の並びを列、列と直交する方向の貫通穴52の並びを行と称する。貫通穴52は15行、7列に並んでいる。一番ガス上流側の行は燃料極用ガス拡散部材51のガス上流側端付近の図8左右中央に設けられた1つの貫通穴52である。一番ガス上流側の行から順に図8に示すように貫通穴52が増加している。貫通穴52の列ピッチは12mm、行ピッチは10mmである。
【0073】
一方、酸化剤極用ガス拡散部材は、実施例1と同様に作製した撥水カーボンペーパーを使用した。酸化剤極用ガス拡散部材には穴部が設けられていない。
【0074】
この酸化剤極用ガス拡散部材および燃料極用ガス拡散部材51を用いた以外は、実施例1と同様の部材を使用し、同様にして燃料電池単セルを作製した。
【0075】
単セル温度75℃とし、酸化剤ガスとして空気、燃料ガスとして10ppmの一酸化炭素を含む天然ガス改質摸擬ガス(水素:76%、窒素:4%、二酸化炭素:19%、メタン:1%)をそれぞれ常圧で供給して空気利用率40%、電流密度0.17A/cm2に固定し水素利用率を変えてセル電圧を測定して評価した。
【0076】
(比較例)
燃料極用ガス拡散部材、酸化剤極用ガス拡散部材とも実施例1で作製した撥水カーボンペーパーをそのまま使用した。すなわち、ここで使用する燃料極用ガス拡散部材、酸化剤極用ガス拡散部材とも穴部は設けられていない。この燃料極用ガス拡散部材、酸化剤極用ガス拡散部材を用いた以外は、実施例1と同様の部材を使用し、同様にして燃料電池単セルを作製した。
【0077】
評価は実施例1と比較するために実施例1と同じ方法で、また実施例2と比較するために実施例2と同じ方法で行った。
【0078】
(評価結果)
図9、10に評価結果を示す。図9は実施例1と比較例の評価結果を比較したグラフ図、図10は実施例2と比較例の評価結果を比較したグラフ図である。実施例1、2は比較例に比べてセル出力特性に優れていることが分かった。特に酸化剤極用ガス拡散部材に本発明を使用した実施例1には顕著な効果が現れている。
【0079】
以上のように、ガス拡散部材に、ガス拡散部材の基材より大きなガス透過性を有する穴部が導電性部材側から触媒層側に向かって設けられていることにより、発電性能が向上できた。また、穴部の配置として、ガス流路の上流側から下流側に向かって穴部の数が増加しているするように設けられていることにより、発電性能が向上できた。その作用効果は上述した通りである。
【0080】
(付記)
以上説明した内容には以下の技術的思想も含まれる。
【0081】
・ガス透過性と導電性を有する基材を製造する基材作製工程と、前記基材に、その一方面から他方面に向かう穴部を作製する穴部作製工程が設けられていることを特徴とするガス拡散部材の製造方法。
【0082】
・ガス透過性と導電性を有する基材を製造する基材作製工程と、前記基材を撥水処理する撥水処理工程と、前記基材に、その一方面から他方面に向かう穴部を作製する穴部作製工程が設けられていることを特徴とするガス拡散部材の製造方法。
【0083】
・ガス透過性と導電性を有する基材を製造する基材作製工程と、前記基材に、その一方面から他方面に向かう穴部を作製する穴部作製工程と、前記基材の他方面に触媒層を設ける触媒層作製工程が設けられていることを特徴とするガス拡散電極の製造方法。
【0084】
【発明の効果】
以上のように、本発明は、一方側が燃料電池セルの触媒層に隣接し、他方側がガス流路を有する導電性部材に隣接し、前記ガス流路より前記触媒層に反応ガスを供給するガス透過性と導電性を有するガス拡散部材において、該ガス拡散部材の基材より大きなガス透過性を有する穴部が前記導電性部材側から前記触媒層側に向かって設けられていることを特徴とするガス拡散部材およびこのガス拡散部材の前記導電性部材に隣接する側の反対側に触媒層が設けられていることを特徴とするガス拡散電極およびそのガス拡散部材を用いた燃料電池であるので、ガス拡散層とセパレータが接触している部分に対向する触媒層の部分に反応ガスを十分供給でき、かつ電解質への水蒸気の供給と生成水の排出が十分できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態のガス拡散部材の説明図で、図1(a)は平面図、図1(b)はAA断面図である。
【図2】第1実施形態の燃料電池単セルの構造を説明する部分断面図
【図3】本発明の第2実施形態のガス拡散部材の説明断面図
【図4】第2実施形態の燃料電池単セルの構造を説明する部分断面図
【図5】本発明の第3実施形態のガス拡散電極の説明断面図
【図6】本発明の第4実施形態のガス拡散部材の平面図
【図7】本実施例で使用したセパレータの構造を説明する説明図で、図7(a)は平面図、図7(b)は断面図である。
【図8】実施例2で使用した酸化剤極用ガス拡散部材の平面図
【図9】実施例1と比較例の評価結果を比較したグラフ図
【図10】実施例2と比較例の評価結果を比較したグラフ図
【図11】一般的な固体高分子電解質型燃料電池の単セル構造を説明する部分断面図
【符号の説明】
1…固体高分子電解質膜(電解質部材)
4、5…セパレータ(導電性部材)
4a…燃料ガス流路(ガス流路)
5a…酸化剤ガス流路(ガス流路)
11、21、31…ガス拡散部材
12、32、52…貫通穴(穴部)
13…燃料極触媒層(触媒層)
14…酸化剤極触媒層(触媒層)
22…穴部
51…燃料極用ガス拡散部材(ガス拡散部材)
Claims (7)
- 一方側が燃料電池セルの触媒層に隣接し、他方側がガス流路を有する導電性部材に隣接し、前記ガス流路より前記触媒層に反応ガスを供給するガス透過性と導電性を有するガス拡散部材において、該ガス拡散部材の基材より大きなガス透過性を有する穴部が前記導電性部材側から前記触媒層側に向かって設けられていることを特徴とするガス拡散部材。
- 前記穴部は、前記導電性部材側から前記触媒層側に貫通する貫通穴であることを特徴とする請求項1記載のガス拡散部材。
- 前記穴部は、該穴部の前記導電性部材側からの深さが前記ガス拡散部材の前記導電性部材側から前記触媒層側に向かう厚さより小さいことを特徴とする請求項1記載のガス拡散部材。
- 前記穴部の断面の径または幅が、互いに隣接する前記ガス流路の間隔より大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のガス拡散部材。
- 多数の前記穴部が設けられ、前記ガス流路の上流側から下流側に向かって前記穴部の数が増加していることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のガス拡散部材。
- 請求項1〜5のいずれかのガス拡散部材の前記導電性部材に隣接する側の反対側に触媒層が設けられていることを特徴とするガス拡散電極。
- 電解質からなる電解質部材と、該電解質部材の一方面に隣接する酸化剤極触媒層と、前記電解質部材の他方面に隣接する燃料極触媒層と、前記酸化剤極触媒層の前記電解質部材に隣接する側の反対側に隣接する酸化剤極用ガス拡散部材と、該酸化剤極用ガス拡散部材の前記酸化剤極触媒層に隣接する側の反対側に隣接し酸化剤ガス流路を有する導電性部材と、前記燃料極触媒層の前記電解質部材に隣接する側の反対側に隣接する燃料極用ガス拡散部材と、該燃料極用ガス拡散部材の前記燃料極触媒層に隣接する側の反対側に隣接し燃料ガス流路を有する導電性部材とを備え、前記酸化剤極用ガス拡散部材、前記燃料極用ガス拡散部材の少なくとも一方が請求項1〜5のいずれかに記載のガス拡散部材であることを特徴とする燃料電池。
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