JP2004030449A - 不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】稲の不耕起直播栽培において農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる不耕起直播栽培管理システム等を提供する。
【解決手段】地域・品種プロファイル表11(X市―稲品種A)には、X市の平年日平均気温(毎正時24回の平均)、有効温度(日平均気温―10℃)及びDVR値(Development Rate;日平均気温に対する稲(稲品種A)の発育速度)が記述されている。不耕起直播栽培管理システム1に入水予定日が入力されると、発育速度積算部104が、仮定播種日を設定し、仮定播種日に播種される稲のDVR値を積算する。葉齢算出部106は、仮定発芽予定日(DVR積算値が1になる日)に発芽する稲の葉齢(有効温度の積算値を変数として算出される。)を算出し、葉齢が3.5葉になる日を仮定入水適期とする。以上の処理が繰り返され、仮定入水適期が入水予定日に最も近くなる仮定播種日が播種日と決定される。
【選択図】 図1
【解決手段】地域・品種プロファイル表11(X市―稲品種A)には、X市の平年日平均気温(毎正時24回の平均)、有効温度(日平均気温―10℃)及びDVR値(Development Rate;日平均気温に対する稲(稲品種A)の発育速度)が記述されている。不耕起直播栽培管理システム1に入水予定日が入力されると、発育速度積算部104が、仮定播種日を設定し、仮定播種日に播種される稲のDVR値を積算する。葉齢算出部106は、仮定発芽予定日(DVR積算値が1になる日)に発芽する稲の葉齢(有効温度の積算値を変数として算出される。)を算出し、葉齢が3.5葉になる日を仮定入水適期とする。以上の処理が繰り返され、仮定入水適期が入水予定日に最も近くなる仮定播種日が播種日と決定される。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、稲作の国際競争力を高めるために稲作農業の合理化・大規模化が要請されている。稲作農業を合理化する手段として、不耕起直播栽培(Conservation Tillage)技術が注目を集めている。すなわち、不耕起直播栽培によれば田圃の耕起作業及び苗の移植作業が不要になる上、農作業全体を大型機械化することができるので、不耕起直播栽培は稲作農業の合理化に適している。不耕起直播栽培では従来の移植栽培による稲作とは異なるきめ細かな栽培管理が必要になるが、不耕起直播栽培の大規模化を実現するためには、特定の地域の田圃における不耕起直播栽培の勘と経験を有さない者でも栽培管理ができるようにする農作業支援システムが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの稲の不耕起栽培においては経験則により農作業日程を決定している。すなわち、稲の不耕起栽培においては、未だ農業従事者の勘と経験を適用する必要があるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、稲の不耕起直播栽培において農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の不耕起直播栽培管理システムは、稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理システムであって、過去の気象情報を格納する格納手段と、前記過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算手段と、前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出手段と、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
発育速度積算手段及び葉齢算出手段が、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段が、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【0007】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定手段を備えたことが好適である。
【0008】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度を利用することにより、播種後除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0009】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正手段を備えたことが好適である。
【0010】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。特に、播種後除草剤処理は、使用する除草剤の特性の点から、実際に稲が発芽する前の一定期間に行う必要がある。播種後除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて播種後除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて播種後除草剤処理の時期を調整することができる。
【0011】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定手段を備えたこと好適である。
【0012】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度と葉齢算出手段により算出された予測成長度とを利用することにより、入水前除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0013】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正手段を備えたことが好適である。
【0014】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。入水前除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて入水前除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて入水前除草剤処理の時期を調整することができる。
【0015】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記格納手段が前記稲を栽培する田圃に関する情報を格納し、前記田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出手段と、前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定手段と、を備えたことが好適である。
【0016】
播種後除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出し、播種後除草剤処理作業計画決定手段が、播種後除草剤処理適期に加えて、播種後除草剤処理作業時間算出手段により算出された播種後の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じて効率的な播種後の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0017】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記格納手段が前記稲を栽培する田圃に関する情報を格納し、前記田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出手段と、前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定手段と、を備えたことが好適である。
【0018】
入水前除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出し、入水前除草剤処理作業計画決定手段が、入水前除草剤処理適期に加えて、入水前除草剤処理作業時間算出手段により算出された入水前の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じて効率的な入水前の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0019】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理方法であって、発育速度積算手段が、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算ステップと、葉齢算出手段が、前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出ステップと、播種日決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0020】
発育速度積算手段及び葉齢算出手段が、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段が、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【0021】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、播種後除草剤処理適期決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定ステップを備えたことが好適である。
【0022】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度を利用することにより、播種後除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0023】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、播種後除草剤処理適期修正手段が、当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正ステップを備えたことが好適である。
【0024】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。特に、播種後除草剤処理は、実際に稲が発芽する前に行う必要がある。播種後除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて播種後除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて播種後除草剤処理の時期を調整することができる。
【0025】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、入水前除草剤処理適期決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定ステップを備えたことが好適である。
【0026】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度と葉齢算出手段により算出された予測成長度とを利用することにより、入水前除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0027】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、入水前除草剤処理適期修正手段が、当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正ステップを備えたことが好適である。
【0028】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。入水前除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて入水前除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて入水前除草剤処理の時期を調整することができる。
【0029】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、播種後除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出ステップと、播種後除草剤処理作業計画決定手段が、前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定ステップと、を備えたことが好適である。
【0030】
播種後除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出し、播種後除草剤処理作業計画決定手段が、播種後除草剤処理適期に加えて、播種後除草剤処理作業時間算出手段により算出された播種後の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた播種後の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0031】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、入水前除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出ステップと、入水前除草剤処理作業計画決定手段が、前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定ステップと、を備えたことが好適である。
【0032】
入水前除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出し、入水前除草剤処理作業計画決定手段が、入水前除草剤処理適期に加えて、入水前除草剤処理作業時間算出手段により算出された入水前の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた入水前の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0033】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算手段と、前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出手段と、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定手段として機能させることを特徴とする。
【0034】
発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュール及び葉齢算出手段として機能する葉齢算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールが、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【0035】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定手段として機能させることが好適である。
【0036】
播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールにより決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュールにより算出された予測成長度を利用することにより、播種後除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0037】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正手段として機能させることが好適である。
【0038】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。特に、播種後除草剤処理は、実際に稲が発芽する前に行う必要がある。播種後除草剤処理適期修正手段として機能する播種後除草剤処理適期修正モジュールが当年の気象情報に基づいて播種後除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて播種後除草剤処理の時期を調整することができる。
【0039】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定手段として機能させることが好適である。
【0040】
播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールにより決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュールにより算出された予測成長度と葉齢算出手段として機能する葉齢算出モジュールにより算出された予測成長度とを利用することにより、入水前除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0041】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正手段として機能させることが好適である。
【0042】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。入水前除草剤処理適期修正手段として機能する入水前除草剤処理適期修正モジュールが当年の気象情報に基づいて入水前除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて入水前除草剤処理の時期を調整することができる。
【0043】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出手段と、前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定手段として機能させることが好適である。
【0044】
播種後除草剤処理作業時間算出手段として機能する播種後除草剤処理作業時間算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出し、播種後除草剤処理作業計画決定手段として機能する播種後除草剤処理作業計画決定モジュールが、播種後除草剤処理適期に加えて、播種後除草剤処理作業時間算出手段として機能する播種後除草剤処理作業時間算出モジュールにより算出された播種後の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた播種後の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0045】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出手段と、前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定手段として機能させることが好適である。
【0046】
入水前除草剤処理作業時間算出手段として機能する入水前除草剤処理作業時間算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出し、入水前除草剤処理作業計画決定手段として機能する入水前除草剤処理作業計画決定モジュールが、入水前除草剤処理適期に加えて、入水前除草剤処理作業時間算出手段として機能する入水前除草剤処理作業時間算出モジュールにより算出された入水前の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた入水前の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0047】
本発明の記録媒体は、上記いずれかに記載の不耕起直播栽培管理プログラムを記録したことを特徴する。
【0048】
発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュール及び葉齢算出手段として機能する葉齢算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールが、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用することもなく適切な農作業日程を決定できる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録した記録媒体の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0050】
まず、本実施形態の不耕起直播栽培管理システム1の機能的構成を説明する。図1は、不耕起直播栽培管理システム1の機能的構成を示す図である。図1に示すとおり、不耕起直播栽培管理システム1は、格納部102、発育速度積算部104、葉齢算出部106、播種日決定部108、播種後除草剤処理適期決定部120、播種後除草剤処理適期修正部122、播種後除草剤処理作業時間算出部124、播種後除草剤処理作業計画決定部126、入水前除草剤処理適期決定部140、入水前除草剤処理適期修正部142、入水前除草剤処理作業時間算出部144及び入水前除草剤処理作業計画決定部146を備える。
【0051】
以下、各機能的構成要素を説明する(ただし、各機能的構成要素の具体的動作は後述する。)。格納部102は、地域・品種プロファイル表11及び12、DVR値データベース11a及び12aを格納する。図2は、地域・品種プロファイル表11の内容を示し、図3は、DVR値データベース11aの内容を示す。同様に、図4は、地域・品種プロファイル表12の内容を示し、図5は、DVR値データベース12aの内容を示す。
【0052】
地域・品種プロファイル表は、特定の地域における過去の気象情報と当該過去の気象情報に基づく特定の品種の稲の生育予測に関するデータが記述されたものである。本実施形態で説明する地域・品種プロファイル表11は、X市における過去の気象情報と当該過去の気象情報に基づく稲品種A(稲の早生品種)の生育予測に関するデータが記述されたものであり、地域・品種プロファイル表12は、X市における過去の気象情報と当該過去の気象情報に基づく稲品種B(稲の中生品種)の生育予測に関するデータが記述されたものである。
【0053】
地域・品種プロファイル表11は、日平均気温フィールド、有効温度フィールド、DVR値フィールド及び生育予測・作業日程フィールドを備え、3月25日から5月31日までの各日のレコードに各フィールドの該当するデータが記述される(該当するデータがない部分は空欄)。
【0054】
日平均気温フィールドは、当年サブフィールドと平年サブフィールドとにより構成されている。平年サブフィールドには、予め、平年の日平均気温(毎正時24回の平均)が各レコードに記述されている。また、当年サブフィールドには、当年の日平均気温が各レコードに記述されていく。
【0055】
有効温度フィールドは、当年サブフィールドと平年サブフィールドとにより構成されている。平年サブフィールドには、予め、平年の有効温度が各レコードに記述されている。また、当年サブフィールドには、当年の有効温度が各レコードに記述されていく。ここで、有効温度は、(日平均気温−10℃)により定義される。
【0056】
DVR値フィールドは、当年サブフィールドと平年サブフィールドとにより構成されている。平年サブフィールドには、予め、平年のDVR値が各レコードに記述されている。また、当年サブフィールドには、当年のDVR値が各レコードに記述されていく。ここで、DVR値(Development Rate)は、日平均気温に対する特定の品種の稲の一日当たりの成長量を示す尺度(以下、「発育速度」という。)であり、稲が発芽するときの積算値を1とする。
【0057】
生育予測・作業日程フィールドは、当年サブフィールド、平年サブフィールド及び作業日程サブフィールドにより構成されている。平年サブフィールドには、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、DVR値フィールド−平年サブフィ−ルドに記述されたDVR値の積算が各レコードに記述され、また発芽予定日(DVR値(平年)の積算が1になる日)の翌日以降のレコードには葉齢(有効温度から算出される発芽後の稲の成長度を示す尺度)が記述されている。当年サブフィールドには、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、DVR値フィールド−当年サブフィールドに記述されるDVR値の積算が各レコードに記述されていき、また発芽日(DVR値(当年)の積算が1になる日)の翌日以降のレコードには葉齢が記述されていく。作業日程サブフィールドには、不耕起直播栽培管理システム1で決定される作業日程(播種日、播種後除草剤処理適期及び入水前除草剤処理適期)並びに発芽日予定日、発芽日及び入水予定日が記述される。
【0058】
地域・品種プロファイル表12は、地域・品種プロファイル表11と構成を同じくし、DVR値フィールド及び生育予測・作業日程フィールドにおけるデータが稲品種BのDVR値に基づくものになる。
【0059】
DVR値データベース11aは、日平均気温0℃ないし28℃に対する稲品種AのDVR値が記述されたものである。同様に、DVR値データベース12aは、日平均気温1℃ないし28℃に対する稲品種BのDVR値が記述されたものである。
【0060】
また、格納部102は、田圃情報データベース13を格納する。田圃情報データベース13には、対象となる田圃(不耕起直播栽培管理システム1の管理する稲が栽培される田圃)について広さ、形、周辺の農道の状況などの情報が記述されている。
【0061】
発育速度積算部104は、仮定された播種日に播種される稲について、地域・品種プロファイル表11又は12のDVR値フィールドに記述されるDVR値を積算し、当該稲の発芽予定日を決定する機能を有する。
【0062】
葉齢算出部106は、仮定された播種日に播種される稲について、発芽予定日からの有効温度の積算に基づいて葉齢を算出し、入水適期(葉齢(平年)が3.5葉になる時期)を決定する機能を有する。
【0063】
播種日決定部108は、発育速度積算部104により算出されるDVR積算値及び葉齢算出部106により算出される葉齢を用いて、稲が入水適期が入水日予定日に最も近くなるように播種日を決定する機能を有する。具体的には、発育速度積算部104及び葉齢算出部106により、仮定された播種日(仮定播種日)に播種される稲が3.5葉になる日(仮定入水適期)が算出され、播種日決定部108が入水予定日と仮定入水適期とが最も近くなるときに、当該仮定播種日を播種日と決定する。
【0064】
播種後除草剤処理適期決定部120は、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算部104により決定された発芽予定日(積算DVR値(平年)が1になる日)から所定の日数を減ずることによって播種後除草剤処理適期の始期を決定する。また、播種後除草剤処理適期決定部120は、同様の減算処理を行うことによって播種後除草剤処理適期の終期を決定する。
【0065】
播種後除草剤処理適期修正部122は、DVR積算値(当年)に基づいて、播種後除草剤処理適期を修正する機能を有する。具体的には、DVR積算値(当年)が所定の値になる日が播種後除草剤処理適期決定部120により決定された播種後除草剤処理適期の始期よりも早かった場合に、当該日が播種後除草剤処理適期の始期になるように、播種後除草剤処理適期を修正する。播種後除草剤処理適期の終期についても同様に修正される。
【0066】
播種後除草剤処理作業時間算出部124は、田圃情報データベース13の情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する機能を有する。
【0067】
播種後除草剤処理作業計画決定部126は、播種後除草剤処理適期修正部122によって修正された播種後除草剤処理適期と播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後除草剤処理作業計画(最適化された田圃毎の除草剤処理作業の計画)を決定する機能を有する。
【0068】
入水前除草剤処理適期決定部140は、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、葉齢算出部106により決定された入水適期(葉齢(平年)が3.5葉になる時期)から所定の日数を減ずることによって入水前除草剤処理適期の始期を決定する。また、入水前除草剤処理適期決定部120は、同様の減算処理を行うことによって入水前除草剤処理適期の終期を決定する。
【0069】
入水前除草剤処理適期修正部142は、葉齢(当年)に基づいて、入水前除草剤処理適期を修正する機能を有する。具体的には、葉齢(当年)が所定の値になる日が入水前除草剤処理適期決定部140により決定された入水前除草剤処理適期の始期よりも早かった場合に、当該日が入水前除草剤処理適期の始期になるように、入水前除草剤処理適期を修正する。入水前除草剤処理適期の終期についても同様に修正される。
【0070】
入水前除草剤処理作業時間算出部144は、田圃情報データベース13の情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する機能を有する。
【0071】
入水前除草剤処理作業計画決定部146は、入水前除草剤処理適期修正部142によって修正された入水前除草剤処理適期と入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前除草剤処理作業計画(最適化された田圃毎の除草剤処理作業の計画)を決定する機能を有する。
【0072】
次に、不耕起直播栽培管理システム1の動作を説明する。図6ないし図10は、不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示すフローチャートである。まず、図6を参照して、播種日決定部108が播種日を決定する動作を説明する。最初に、不耕起直播栽培管理システム1に入水予定日が入力される(S611)。入水予定日は、対象となる田圃周辺において一斉に入水が行われる日に設定される。一般に、入水は、周辺の田圃における入水と併せて行われる必要がある。そのため、入水予定日は、播種日決定部108が播種日を決定する上で所与の値とされる。
【0073】
発育速度積算部104は、入水予定日から通常播種から発芽までに要する日数と発芽から葉齢(平年)が3.5葉になるまでに要する日数との合計を減じた日を仮定播種日とする(S612)。
【0074】
発育速度積算部104は、仮定播種日に播種される稲のDVR値(平年)を積算し(S613)、積算DVR値(平年)が1になる日を仮定発芽予定日と決定する(S614)。具体的には、地域・品種プロファイル表の日平均気温フィールド−平年サブフィールド及びDVR値データベースを参照して、3月25日から5月31日までの各日のDVR値を算出して、地域・品種プロファイル表のDVR値フィールド−平年サブフィールドに記述する。ただし、DVR値は、DVR値データベースに基づき式▲1▼に表す補間式から算出される。
DVR(T)=DVR(Ti)+Td(DVR(T(i+1))−DVR(Ti))…▲1▼
Ti:日平均気温Tの整数部分
Td:日平均気温Tの少数部分
【0075】
発育速度積算部104は、仮定播種日の翌日から算出対象日(DVR値算出の対象となる日)までの地域・品種プロファイル表のDVR値フィールド−平年サブフィールドに記述されたDVR値を合計し、地域・品種プロファイル表の生育予測・作業日程フィールド−平年サブフィールドの該当するレコードに記述する。
【0076】
葉齢算出部106は、仮定発芽予定日に発芽する稲の葉齢(平年)を算出し(S615)、葉齢(平年)が3.5葉になる日を仮定入水適期と決定する(S616)。具体的には、地域・品種プロファイル表の有効温度フィールド−平年サブフィールドを参照して、式▲2▼に表す算出式から算出対象日(葉齢算出の対象となる日)の葉齢Aを算出して、地域・品種プロファイル表の生育予測・作業日程フィールド−平年サブフィールドの該当するレコードに記述する。
A=C1・SUM−C2・SUM2−C3…▲2▼
A:葉齢
SUM: 仮定発芽予定日の翌日から算出対象日までの各日の有効温度の合 計
C1=0.0295(定数)
C2=0.0000294(定数)
C3=1.81(定数)
【0077】
播種日決定部108は、入水予定日と上記により得られた仮定入水適期とを比較し(S617)、比較の結果、両者が一致する場合には、当該仮定播種日を播種日と決定する(S618)。比較の結果、両者が一致しない場合には、発育速度積算部104により別の仮定播種日(仮定入水適期が入水予定日よりも遅かった場合には仮定播種日の前日を別の仮定播種日とし、仮定入水適期が入水予定日よりも早かった場合には仮定播種日の翌日を別の仮定播種日とする。)が設定され(S612)、上記の処理(S613ないしS617)が繰り返される。仮定入水適期と入水予定日とが一致する仮定播種日がない場合には、仮定入水適期が入水予定日に最も近くなる仮定播種日が播種日とされる。
【0078】
播種後除草剤処理適期決定部120は、次のように播種後除草剤処理適期を決定する(S619)。播種後除草剤処理適期決定部120は、発芽予定日(播種日決定部108によって播種日と決定された仮定播種日から算出された仮定発芽予定日)の例えば12日前の日(平年のDVR値に基づいてDVR積算値がほぼ0.4になる日)を播種後除草剤処理適期の始期とする。また、播種後除草剤処理適期決定部120は、発芽予定日の例えば7日前の日(平年のDVR値に基づいてDVR積算値がほぼ0.7になる日)を播種後除草剤処理適期の終期とする。
【0079】
入水前除草剤処理適期決定部140は、次のように入水前除草剤処理適期を決定する(S620)。入水前除草剤処理適期決定部140は、入水適期(播種日決定部108によって播種日と決定された仮定播種日から算出された仮定入水適期)の12日前の日(平年の有効温度に基づいて葉齢がほぼ1.5葉になる日)を入水前除草剤処理適期の始期とする。また、入水前除草剤処理適期決定部140は、入水適期の7日前の日(平年の有効温度に基づいて葉齢がほぼ2.5葉になる日)を入水前除草剤処理適期の終期とする。
【0080】
次に、図7を参照して、播種後除草剤処理適期修正部122が播種後除草剤処理適期を修正する動作を説明する。発育速度積算部104は、地域・品種プロファイル表の日平均気温フィールド−当年サブフィールドを参照して、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲のDVR値(当年)を積算する(S711)。
【0081】
播種後除草剤処理適期修正部122は、当年のDVR積算値が0.4になる日と播種後除草剤処理適期の始期とを比較し(S712)、当年のDVR積算値が0.4になる日の方が早い場合に、当年のDVR積算値が0.4になる日が播種後除草剤処理適期の始期となるように播種後除草剤処理適期を修正する(S713)。
【0082】
播種後除草剤処理適期修正部122は、当年のDVR積算値が0.7になる日と播種後除草剤処理適期の終期とを比較し(S714)、当年のDVR積算値が0.7になる日の方が早い場合に、当年のDVR積算値が0.7になる日が播種後除草剤処理適期の終期となるように播種後除草剤処理適期を修正する(S715)。
【0083】
次に、図8を参照して、播種後除草剤処理作業計画決定部126が、播種後除草剤処理作業計画を決定する動作を説明する。播種後除草剤処理作業時間算出部124が、田圃情報データベース13の情報(田圃の広さ、形、周辺の農道の状況等)を用いて、播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する(S811)。例えば、田圃の広さ及び形から除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間及び移動回数並びに除草剤処理作業機のターン回数を算出し、除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間と移動回数との積と、除草剤処理作業機がターンに要する時間とターン回数との積とを合計することにより除草剤処理作業時間を算出する。また、除草剤処理作業機が農道を移動する必要がある場合には、周辺の農道の状況から移動時間を算出して除草剤処理作業時間に加算する。播種後除草剤処理作業計画決定部126が、播種後の除草剤処理作業に要する時間を播種後除草剤処理適期(修正後)の日数で除することにより一日当たりの除草剤処理作業時間を決定する(S812)。
【0084】
次に、図9を参照して、入水前除草剤処理適期修正部142が入水前除草剤処理適期を修正する動作を説明する。葉齢算出部106は、地域・品種プロファイル表の有効温度フィールド−当年サブフィールドを参照して、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲の葉齢(当年)を算出する(S911)。
【0085】
入水前除草剤処理適期修正部142は、当年の葉齢が1.5葉になる日と入水前除草剤処理適期の始期とを比較し(S912)、当年の葉齢が1.5葉になる日の方が早い場合に、当年の葉齢が1.5葉になる日が入水前除草剤処理適期の始期となるように入水前除草剤処理適期を修正する(S913)。
【0086】
入水前除草剤処理適期修正部142は、当年の葉齢が2.5葉になる日と入水前除草剤処理適期の終期とを比較し(S914)、当年の葉齢が2.5葉になる日の方が早い場合に、当年の葉齢が2.5葉になる日が入水前除草剤処理適期の終期となるように入水前除草剤処理適期を修正する(S915)。
【0087】
入水前除草剤処理適期修正部142は、S914及びS915おいて上記の動作に代えて次の動作により入水前除草剤処理適期の終期を修正することもできる。すなわち、播種後除草剤処理日に基づいて、ヒエの葉齢が5.5葉になる日を算出する。入水前除草剤処理適期修正部142はヒエの葉齢が5.5葉になる日と、入水前除草剤処理適期の終期とを比較し、ヒエの葉齢が5.5葉になる日の方が早い場合に、ヒエの葉齢が5.5葉になる日が入水前除草剤処理適期の終期となるように入水前除草剤処理適期を修正する。
【0088】
次に、図10を参照して、入水前除草剤処理作業計画決定部146が、入水前除草剤処理作業計画を決定する動作を説明する。入水前除草剤処理作業時間算出部144が、田圃情報データベース13の情報(田圃の広さ、形、周辺の農道の状況等)を用いて、入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する(S1011)。例えば、田圃の広さ及び形から除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間及び移動回数並びに除草剤処理作業機のターン回数を算出し、除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間と移動回数との積と、除草剤処理作業機がターンに要する時間とターン回数との積とを合計することにより除草剤処理作業時間を算出する。また、除草剤処理作業機が農道を移動する必要がある場合には、周辺の農道の状況から移動時間を算出して除草剤処理作業時間に加算する。入水前除草剤処理作業計画決定部146が、入水前の除草剤処理作業に要する時間を入水前除草剤処理適期(修正後)の日数で除することにより一日当たりの除草剤処理作業時間を決定する(S1012)。次に、不耕起直播栽培管理システム1の効果を説明する。
【0089】
不耕起直播栽培管理システム1により、気象情報に基づいて、播種から入水までの農作業日程(播種日、播種後除草剤処理適期及び入水前除草剤処理適期)が決定される。稲の不耕起直播栽培においては、播種から入水までの栽培管理が良好であれば、高い確率で、予定された収穫を達成することができる。そのため、不耕起直播栽培管理システム1を適用することにより、農業従事者の勘と経験を要せずに稲の不耕起直播栽培を成功させることができる。
【0090】
播種後除草剤処理適期決定部120及び入水前除草剤処理適期決定部140が、それぞれ、DVR積算値(平年)及び葉齢(平年)に基づいて除草剤処理適期を決定することにより、好適な除草剤処理の時期を得ることができる。
【0091】
播種後除草剤処理適期修正部122及び入水前除草剤処理適期修正部142が、それぞれ、DVR積算値(当年)及び葉齢(当年)に基づいて除草剤処理適期を修正することにより、実際の稲の成長度に応じた好適な除草剤処理の時期を得ることができる。特に、実際に稲が発芽した後に播種後除草剤処理が行われると、稲に対して除草剤による薬害を生じさせる場合があるが、播種後除草剤処理適期修正部122が当年のDVR積算値に基づいて播種後除草剤処理適期の終期を調整することによりかかる事態を回避することができる。
【0092】
播種後除草剤処理作業計画決定部126及び入水前除草剤処理作業計画決定部146が、田圃情報データベース13の情報(田圃の広さ、形、周辺の農道の状況等)から算出された除草剤処理作業に要する時間を利用することにより、適切な除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0093】
不耕起直播栽培管理システム1を用いた上記の手順による栽培管理は、本発明の不耕起直播栽培管理方法の実施形態でもある。当該実施形態に係る不耕起直播栽培管理方法によれば、上記の不耕起直播栽培管理システム1における栽培管理と同一の作用及び効果を得られる。
【0094】
次に、本発明の実施形態に係る不耕起直播栽培管理プログラム2及び不耕起直播栽培管理プログラム2を記録した記録媒体3について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る不耕起直播栽培管理プログラム2を記録した記録媒体3の構成図である。
【0095】
記録媒体3のプログラム領域は、不耕起直播栽培管理プログラム2が記録されており、その構成要素として、発育速度積算モジュール204、葉齢算出モジュール206、播種日決定モジュール208、播種後除草剤処理適期決定モジュール220、播種後除草剤処理適期修正モジュール222、播種後除草剤処理作業時間算出モジュール224、播種後除草剤処理作業計画決定モジュール226、入水前除草剤処理適期決定モジュール240、入水前除草剤処理適期修正モジュール242、入水前除草剤処理作業時間算出モジュール244及び入水前除草剤処理作業計画決定モジュール246を備える。発育速度積算モジュール204、葉齢算出モジュール206、播種日決定モジュール208、播種後除草剤処理適期決定モジュール220、播種後除草剤処理適期修正モジュール222、播種後除草剤処理作業時間算出モジュール224、播種後除草剤処理作業計画決定モジュール226、入水前除草剤処理適期決定モジュール240、入水前除草剤処理適期修正モジュール242、入水前除草剤処理作業時間算出モジュール244及び入水前除草剤処理作業計画決定モジュール246は、それぞれ、後述のコンピュータを用いて実行することにより、上述の不耕起直播栽培管理システム1の発育速度積算部104、葉齢算出部106、播種日決定部108、播種後除草剤処理適期決定部120、播種後除草剤処理適期修正部122、播種後除草剤処理作業時間算出部124、播種後除草剤処理作業計画決定部126、入水前除草剤処理適期決定部140、入水前除草剤処理適期修正部142、入水前除草剤処理作業時間算出部144及び入水前除草剤処理作業計画決定部146と同一の機能を有する。また、記録媒体3のデータ領域には、地域・品種プロファイル表11、DVR値データベース11a、地域・品種プロファイル表12、DVR値データベース12a及び田圃データベース13が記録されている。なお、データ領域の情報は別の記録媒体に記録されていてもよい。
【0096】
図12は、不耕起直播栽培管理プログラム2が実行されるコンピュータ4の物理的構成を示す図である。コンピュータ4は、物理的構成要素として、中央処理装置(CPU)42、オペレーティングシステムを常駐させた作業用メモリ44、読み取り装置46、ディスプレイ47及び入力装置48を備える。
【0097】
記録媒体3が読み取り装置46に挿入されると、記録媒体3に記録された情報が読み取り装置46からアクセス可能となり、記録媒体3のプログラム領域に記録された不耕起直播栽培管理プログラム2が、コンピュータ4によって実行可能となり、コンピュータ4は、不耕起直播栽培管理システム1と同一の動作をし、同一の作用及び効果を有する。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録した記録媒体によれば、稲の不耕起直播栽培において農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不耕起直播栽培管理システム1の機能的構成を示す図である。
【図2】地域・品種プロファイル表11の内容を示す図である。
【図3】DVR値データベース11aの内容を示す図である。
【図4】地域・品種プロファイル表12の内容を示す図である。
【図5】DVR値データベース12aの内容を示す図である。
【図6】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第1のフローチャートである。
【図7】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第2のフローチャートである。
【図8】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第3のフローチャートである。
【図9】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第4のフローチャートである。
【図10】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第5のフローチャートである。
【図11】不耕起直播栽培管理プログラム2を記録した記録媒体3の構成図である。
【図12】不耕起直播栽培管理プログラム2が実行されるコンピュータ4の物理的構成を示す図である。
【符号の説明】
1…不耕起直播栽培管理システム、102…格納部、104…発育速度積算部、106…葉齢算出部、108…播種日決定部、120…播種後除草剤処理適期決定部、122…播種後除草剤処理適期修正部、124…播種後除草剤処理作業時間算出部、126…播種後除草剤処理作業計画決定部、140…入水前除草剤処理適期決定部、142…入水前除草剤処理適期修正部、144…入水前除草剤処理作業時間算出部、146…入水前除草剤処理作業計画決定部、11、12…地域・品種プロファイル表、13…田圃データベース、2…不耕起直播栽培管理プログラム、204…発育速度積算モジュール、206…葉齢算出モジュール、208…播種日決定モジュール、220…播種後除草剤処理適期決定モジュール、222…播種後除草剤処理適期修正モジュール、224…播種後除草剤処理作業時間算出モジュール、226…播種後除草剤処理作業計画決定モジュール、240…入水前除草剤処理適期決定モジュール、242…入水前除草剤処理適期修正モジュール、244…入水前除草剤処理作業時間算出モジュール、246…入水前除草剤処理作業計画決定モジュール、3…記録媒体、4…コンピュータ、42…CPU、44…作業用メモリ、46…読み取り装置、47…ディスプレイ、48…入力装置。
【発明の属する技術分野】
本発明は、不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体(以下、単に「記録媒体」という。)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、稲作の国際競争力を高めるために稲作農業の合理化・大規模化が要請されている。稲作農業を合理化する手段として、不耕起直播栽培(Conservation Tillage)技術が注目を集めている。すなわち、不耕起直播栽培によれば田圃の耕起作業及び苗の移植作業が不要になる上、農作業全体を大型機械化することができるので、不耕起直播栽培は稲作農業の合理化に適している。不耕起直播栽培では従来の移植栽培による稲作とは異なるきめ細かな栽培管理が必要になるが、不耕起直播栽培の大規模化を実現するためには、特定の地域の田圃における不耕起直播栽培の勘と経験を有さない者でも栽培管理ができるようにする農作業支援システムが要求される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、これまでの稲の不耕起栽培においては経験則により農作業日程を決定している。すなわち、稲の不耕起栽培においては、未だ農業従事者の勘と経験を適用する必要があるという問題点があった。
【0004】
本発明は、上記問題を解決するためになされたものであり、稲の不耕起直播栽培において農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録した記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の不耕起直播栽培管理システムは、稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理システムであって、過去の気象情報を格納する格納手段と、前記過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算手段と、前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出手段と、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
発育速度積算手段及び葉齢算出手段が、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段が、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【0007】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定手段を備えたことが好適である。
【0008】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度を利用することにより、播種後除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0009】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正手段を備えたことが好適である。
【0010】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。特に、播種後除草剤処理は、使用する除草剤の特性の点から、実際に稲が発芽する前の一定期間に行う必要がある。播種後除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて播種後除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて播種後除草剤処理の時期を調整することができる。
【0011】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定手段を備えたこと好適である。
【0012】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度と葉齢算出手段により算出された予測成長度とを利用することにより、入水前除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0013】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正手段を備えたことが好適である。
【0014】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。入水前除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて入水前除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて入水前除草剤処理の時期を調整することができる。
【0015】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記格納手段が前記稲を栽培する田圃に関する情報を格納し、前記田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出手段と、前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定手段と、を備えたことが好適である。
【0016】
播種後除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出し、播種後除草剤処理作業計画決定手段が、播種後除草剤処理適期に加えて、播種後除草剤処理作業時間算出手段により算出された播種後の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じて効率的な播種後の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0017】
本発明の不耕起直播栽培管理システムは、前記格納手段が前記稲を栽培する田圃に関する情報を格納し、前記田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出手段と、前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定手段と、を備えたことが好適である。
【0018】
入水前除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出し、入水前除草剤処理作業計画決定手段が、入水前除草剤処理適期に加えて、入水前除草剤処理作業時間算出手段により算出された入水前の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じて効率的な入水前の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0019】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理方法であって、発育速度積算手段が、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算ステップと、葉齢算出手段が、前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出ステップと、播種日決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0020】
発育速度積算手段及び葉齢算出手段が、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段が、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【0021】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、播種後除草剤処理適期決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定ステップを備えたことが好適である。
【0022】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度を利用することにより、播種後除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0023】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、播種後除草剤処理適期修正手段が、当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正ステップを備えたことが好適である。
【0024】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。特に、播種後除草剤処理は、実際に稲が発芽する前に行う必要がある。播種後除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて播種後除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて播種後除草剤処理の時期を調整することができる。
【0025】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、入水前除草剤処理適期決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定ステップを備えたことが好適である。
【0026】
播種日決定手段により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段により算出された予測成長度と葉齢算出手段により算出された予測成長度とを利用することにより、入水前除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0027】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、入水前除草剤処理適期修正手段が、当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正ステップを備えたことが好適である。
【0028】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。入水前除草剤処理適期修正手段が当年の気象情報に基づいて入水前除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて入水前除草剤処理の時期を調整することができる。
【0029】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、播種後除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出ステップと、播種後除草剤処理作業計画決定手段が、前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定ステップと、を備えたことが好適である。
【0030】
播種後除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出し、播種後除草剤処理作業計画決定手段が、播種後除草剤処理適期に加えて、播種後除草剤処理作業時間算出手段により算出された播種後の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた播種後の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0031】
本発明の不耕起直播栽培管理方法は、入水前除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出ステップと、入水前除草剤処理作業計画決定手段が、前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定ステップと、を備えたことが好適である。
【0032】
入水前除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出し、入水前除草剤処理作業計画決定手段が、入水前除草剤処理適期に加えて、入水前除草剤処理作業時間算出手段により算出された入水前の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた入水前の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0033】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理プログラムであって、コンピュータを、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算手段と、前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出手段と、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定手段として機能させることを特徴とする。
【0034】
発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュール及び葉齢算出手段として機能する葉齢算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールが、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【0035】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定手段として機能させることが好適である。
【0036】
播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールにより決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュールにより算出された予測成長度を利用することにより、播種後除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0037】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正手段として機能させることが好適である。
【0038】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。特に、播種後除草剤処理は、実際に稲が発芽する前に行う必要がある。播種後除草剤処理適期修正手段として機能する播種後除草剤処理適期修正モジュールが当年の気象情報に基づいて播種後除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて播種後除草剤処理の時期を調整することができる。
【0039】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定手段として機能させることが好適である。
【0040】
播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールにより決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュールにより算出された予測成長度と葉齢算出手段として機能する葉齢算出モジュールにより算出された予測成長度とを利用することにより、入水前除草剤処理適期を容易に決定することができる。
【0041】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正手段として機能させることが好適である。
【0042】
除草剤処理は、稲の実際の成長度に応じてこれを行う時期を調整する必要がある。入水前除草剤処理適期修正手段として機能する入水前除草剤処理適期修正モジュールが当年の気象情報に基づいて入水前除草剤処理適期を修正するので、稲の実際の成長度に応じて入水前除草剤処理の時期を調整することができる。
【0043】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出手段と、前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定手段として機能させることが好適である。
【0044】
播種後除草剤処理作業時間算出手段として機能する播種後除草剤処理作業時間算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出し、播種後除草剤処理作業計画決定手段として機能する播種後除草剤処理作業計画決定モジュールが、播種後除草剤処理適期に加えて、播種後除草剤処理作業時間算出手段として機能する播種後除草剤処理作業時間算出モジュールにより算出された播種後の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた播種後の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0045】
本発明の不耕起直播栽培管理プログラムは、コンピュータを、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出手段と、前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定手段として機能させることが好適である。
【0046】
入水前除草剤処理作業時間算出手段として機能する入水前除草剤処理作業時間算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された稲を栽培する田圃に関する情報(例えば、田圃の大きさや形)に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出し、入水前除草剤処理作業計画決定手段として機能する入水前除草剤処理作業計画決定モジュールが、入水前除草剤処理適期に加えて、入水前除草剤処理作業時間算出手段として機能する入水前除草剤処理作業時間算出モジュールにより算出された入水前の除草剤処理作業に要する時間を利用するので、田圃の特性に応じた入水前の除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0047】
本発明の記録媒体は、上記いずれかに記載の不耕起直播栽培管理プログラムを記録したことを特徴する。
【0048】
発育速度積算手段として機能する発育速度積算モジュール及び葉齢算出手段として機能する葉齢算出モジュールが、格納手段(格納領域)に格納された過去の気象情報に基づいて稲の予測成長度を算出するので、播種日決定手段として機能する播種日決定モジュールが、稲が特定の時期(入水日)に特定の成長度に達するための稲の播種日を決定することができる。そのため、農業従事者の勘と経験を適用することもなく適切な農作業日程を決定できる。
【0049】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して、本発明の不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録した記録媒体の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0050】
まず、本実施形態の不耕起直播栽培管理システム1の機能的構成を説明する。図1は、不耕起直播栽培管理システム1の機能的構成を示す図である。図1に示すとおり、不耕起直播栽培管理システム1は、格納部102、発育速度積算部104、葉齢算出部106、播種日決定部108、播種後除草剤処理適期決定部120、播種後除草剤処理適期修正部122、播種後除草剤処理作業時間算出部124、播種後除草剤処理作業計画決定部126、入水前除草剤処理適期決定部140、入水前除草剤処理適期修正部142、入水前除草剤処理作業時間算出部144及び入水前除草剤処理作業計画決定部146を備える。
【0051】
以下、各機能的構成要素を説明する(ただし、各機能的構成要素の具体的動作は後述する。)。格納部102は、地域・品種プロファイル表11及び12、DVR値データベース11a及び12aを格納する。図2は、地域・品種プロファイル表11の内容を示し、図3は、DVR値データベース11aの内容を示す。同様に、図4は、地域・品種プロファイル表12の内容を示し、図5は、DVR値データベース12aの内容を示す。
【0052】
地域・品種プロファイル表は、特定の地域における過去の気象情報と当該過去の気象情報に基づく特定の品種の稲の生育予測に関するデータが記述されたものである。本実施形態で説明する地域・品種プロファイル表11は、X市における過去の気象情報と当該過去の気象情報に基づく稲品種A(稲の早生品種)の生育予測に関するデータが記述されたものであり、地域・品種プロファイル表12は、X市における過去の気象情報と当該過去の気象情報に基づく稲品種B(稲の中生品種)の生育予測に関するデータが記述されたものである。
【0053】
地域・品種プロファイル表11は、日平均気温フィールド、有効温度フィールド、DVR値フィールド及び生育予測・作業日程フィールドを備え、3月25日から5月31日までの各日のレコードに各フィールドの該当するデータが記述される(該当するデータがない部分は空欄)。
【0054】
日平均気温フィールドは、当年サブフィールドと平年サブフィールドとにより構成されている。平年サブフィールドには、予め、平年の日平均気温(毎正時24回の平均)が各レコードに記述されている。また、当年サブフィールドには、当年の日平均気温が各レコードに記述されていく。
【0055】
有効温度フィールドは、当年サブフィールドと平年サブフィールドとにより構成されている。平年サブフィールドには、予め、平年の有効温度が各レコードに記述されている。また、当年サブフィールドには、当年の有効温度が各レコードに記述されていく。ここで、有効温度は、(日平均気温−10℃)により定義される。
【0056】
DVR値フィールドは、当年サブフィールドと平年サブフィールドとにより構成されている。平年サブフィールドには、予め、平年のDVR値が各レコードに記述されている。また、当年サブフィールドには、当年のDVR値が各レコードに記述されていく。ここで、DVR値(Development Rate)は、日平均気温に対する特定の品種の稲の一日当たりの成長量を示す尺度(以下、「発育速度」という。)であり、稲が発芽するときの積算値を1とする。
【0057】
生育予測・作業日程フィールドは、当年サブフィールド、平年サブフィールド及び作業日程サブフィールドにより構成されている。平年サブフィールドには、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、DVR値フィールド−平年サブフィ−ルドに記述されたDVR値の積算が各レコードに記述され、また発芽予定日(DVR値(平年)の積算が1になる日)の翌日以降のレコードには葉齢(有効温度から算出される発芽後の稲の成長度を示す尺度)が記述されている。当年サブフィールドには、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、DVR値フィールド−当年サブフィールドに記述されるDVR値の積算が各レコードに記述されていき、また発芽日(DVR値(当年)の積算が1になる日)の翌日以降のレコードには葉齢が記述されていく。作業日程サブフィールドには、不耕起直播栽培管理システム1で決定される作業日程(播種日、播種後除草剤処理適期及び入水前除草剤処理適期)並びに発芽日予定日、発芽日及び入水予定日が記述される。
【0058】
地域・品種プロファイル表12は、地域・品種プロファイル表11と構成を同じくし、DVR値フィールド及び生育予測・作業日程フィールドにおけるデータが稲品種BのDVR値に基づくものになる。
【0059】
DVR値データベース11aは、日平均気温0℃ないし28℃に対する稲品種AのDVR値が記述されたものである。同様に、DVR値データベース12aは、日平均気温1℃ないし28℃に対する稲品種BのDVR値が記述されたものである。
【0060】
また、格納部102は、田圃情報データベース13を格納する。田圃情報データベース13には、対象となる田圃(不耕起直播栽培管理システム1の管理する稲が栽培される田圃)について広さ、形、周辺の農道の状況などの情報が記述されている。
【0061】
発育速度積算部104は、仮定された播種日に播種される稲について、地域・品種プロファイル表11又は12のDVR値フィールドに記述されるDVR値を積算し、当該稲の発芽予定日を決定する機能を有する。
【0062】
葉齢算出部106は、仮定された播種日に播種される稲について、発芽予定日からの有効温度の積算に基づいて葉齢を算出し、入水適期(葉齢(平年)が3.5葉になる時期)を決定する機能を有する。
【0063】
播種日決定部108は、発育速度積算部104により算出されるDVR積算値及び葉齢算出部106により算出される葉齢を用いて、稲が入水適期が入水日予定日に最も近くなるように播種日を決定する機能を有する。具体的には、発育速度積算部104及び葉齢算出部106により、仮定された播種日(仮定播種日)に播種される稲が3.5葉になる日(仮定入水適期)が算出され、播種日決定部108が入水予定日と仮定入水適期とが最も近くなるときに、当該仮定播種日を播種日と決定する。
【0064】
播種後除草剤処理適期決定部120は、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、発育速度積算部104により決定された発芽予定日(積算DVR値(平年)が1になる日)から所定の日数を減ずることによって播種後除草剤処理適期の始期を決定する。また、播種後除草剤処理適期決定部120は、同様の減算処理を行うことによって播種後除草剤処理適期の終期を決定する。
【0065】
播種後除草剤処理適期修正部122は、DVR積算値(当年)に基づいて、播種後除草剤処理適期を修正する機能を有する。具体的には、DVR積算値(当年)が所定の値になる日が播種後除草剤処理適期決定部120により決定された播種後除草剤処理適期の始期よりも早かった場合に、当該日が播種後除草剤処理適期の始期になるように、播種後除草剤処理適期を修正する。播種後除草剤処理適期の終期についても同様に修正される。
【0066】
播種後除草剤処理作業時間算出部124は、田圃情報データベース13の情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する機能を有する。
【0067】
播種後除草剤処理作業計画決定部126は、播種後除草剤処理適期修正部122によって修正された播種後除草剤処理適期と播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後除草剤処理作業計画(最適化された田圃毎の除草剤処理作業の計画)を決定する機能を有する。
【0068】
入水前除草剤処理適期決定部140は、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲について、葉齢算出部106により決定された入水適期(葉齢(平年)が3.5葉になる時期)から所定の日数を減ずることによって入水前除草剤処理適期の始期を決定する。また、入水前除草剤処理適期決定部120は、同様の減算処理を行うことによって入水前除草剤処理適期の終期を決定する。
【0069】
入水前除草剤処理適期修正部142は、葉齢(当年)に基づいて、入水前除草剤処理適期を修正する機能を有する。具体的には、葉齢(当年)が所定の値になる日が入水前除草剤処理適期決定部140により決定された入水前除草剤処理適期の始期よりも早かった場合に、当該日が入水前除草剤処理適期の始期になるように、入水前除草剤処理適期を修正する。入水前除草剤処理適期の終期についても同様に修正される。
【0070】
入水前除草剤処理作業時間算出部144は、田圃情報データベース13の情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する機能を有する。
【0071】
入水前除草剤処理作業計画決定部146は、入水前除草剤処理適期修正部142によって修正された入水前除草剤処理適期と入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前除草剤処理作業計画(最適化された田圃毎の除草剤処理作業の計画)を決定する機能を有する。
【0072】
次に、不耕起直播栽培管理システム1の動作を説明する。図6ないし図10は、不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示すフローチャートである。まず、図6を参照して、播種日決定部108が播種日を決定する動作を説明する。最初に、不耕起直播栽培管理システム1に入水予定日が入力される(S611)。入水予定日は、対象となる田圃周辺において一斉に入水が行われる日に設定される。一般に、入水は、周辺の田圃における入水と併せて行われる必要がある。そのため、入水予定日は、播種日決定部108が播種日を決定する上で所与の値とされる。
【0073】
発育速度積算部104は、入水予定日から通常播種から発芽までに要する日数と発芽から葉齢(平年)が3.5葉になるまでに要する日数との合計を減じた日を仮定播種日とする(S612)。
【0074】
発育速度積算部104は、仮定播種日に播種される稲のDVR値(平年)を積算し(S613)、積算DVR値(平年)が1になる日を仮定発芽予定日と決定する(S614)。具体的には、地域・品種プロファイル表の日平均気温フィールド−平年サブフィールド及びDVR値データベースを参照して、3月25日から5月31日までの各日のDVR値を算出して、地域・品種プロファイル表のDVR値フィールド−平年サブフィールドに記述する。ただし、DVR値は、DVR値データベースに基づき式▲1▼に表す補間式から算出される。
DVR(T)=DVR(Ti)+Td(DVR(T(i+1))−DVR(Ti))…▲1▼
Ti:日平均気温Tの整数部分
Td:日平均気温Tの少数部分
【0075】
発育速度積算部104は、仮定播種日の翌日から算出対象日(DVR値算出の対象となる日)までの地域・品種プロファイル表のDVR値フィールド−平年サブフィールドに記述されたDVR値を合計し、地域・品種プロファイル表の生育予測・作業日程フィールド−平年サブフィールドの該当するレコードに記述する。
【0076】
葉齢算出部106は、仮定発芽予定日に発芽する稲の葉齢(平年)を算出し(S615)、葉齢(平年)が3.5葉になる日を仮定入水適期と決定する(S616)。具体的には、地域・品種プロファイル表の有効温度フィールド−平年サブフィールドを参照して、式▲2▼に表す算出式から算出対象日(葉齢算出の対象となる日)の葉齢Aを算出して、地域・品種プロファイル表の生育予測・作業日程フィールド−平年サブフィールドの該当するレコードに記述する。
A=C1・SUM−C2・SUM2−C3…▲2▼
A:葉齢
SUM: 仮定発芽予定日の翌日から算出対象日までの各日の有効温度の合 計
C1=0.0295(定数)
C2=0.0000294(定数)
C3=1.81(定数)
【0077】
播種日決定部108は、入水予定日と上記により得られた仮定入水適期とを比較し(S617)、比較の結果、両者が一致する場合には、当該仮定播種日を播種日と決定する(S618)。比較の結果、両者が一致しない場合には、発育速度積算部104により別の仮定播種日(仮定入水適期が入水予定日よりも遅かった場合には仮定播種日の前日を別の仮定播種日とし、仮定入水適期が入水予定日よりも早かった場合には仮定播種日の翌日を別の仮定播種日とする。)が設定され(S612)、上記の処理(S613ないしS617)が繰り返される。仮定入水適期と入水予定日とが一致する仮定播種日がない場合には、仮定入水適期が入水予定日に最も近くなる仮定播種日が播種日とされる。
【0078】
播種後除草剤処理適期決定部120は、次のように播種後除草剤処理適期を決定する(S619)。播種後除草剤処理適期決定部120は、発芽予定日(播種日決定部108によって播種日と決定された仮定播種日から算出された仮定発芽予定日)の例えば12日前の日(平年のDVR値に基づいてDVR積算値がほぼ0.4になる日)を播種後除草剤処理適期の始期とする。また、播種後除草剤処理適期決定部120は、発芽予定日の例えば7日前の日(平年のDVR値に基づいてDVR積算値がほぼ0.7になる日)を播種後除草剤処理適期の終期とする。
【0079】
入水前除草剤処理適期決定部140は、次のように入水前除草剤処理適期を決定する(S620)。入水前除草剤処理適期決定部140は、入水適期(播種日決定部108によって播種日と決定された仮定播種日から算出された仮定入水適期)の12日前の日(平年の有効温度に基づいて葉齢がほぼ1.5葉になる日)を入水前除草剤処理適期の始期とする。また、入水前除草剤処理適期決定部140は、入水適期の7日前の日(平年の有効温度に基づいて葉齢がほぼ2.5葉になる日)を入水前除草剤処理適期の終期とする。
【0080】
次に、図7を参照して、播種後除草剤処理適期修正部122が播種後除草剤処理適期を修正する動作を説明する。発育速度積算部104は、地域・品種プロファイル表の日平均気温フィールド−当年サブフィールドを参照して、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲のDVR値(当年)を積算する(S711)。
【0081】
播種後除草剤処理適期修正部122は、当年のDVR積算値が0.4になる日と播種後除草剤処理適期の始期とを比較し(S712)、当年のDVR積算値が0.4になる日の方が早い場合に、当年のDVR積算値が0.4になる日が播種後除草剤処理適期の始期となるように播種後除草剤処理適期を修正する(S713)。
【0082】
播種後除草剤処理適期修正部122は、当年のDVR積算値が0.7になる日と播種後除草剤処理適期の終期とを比較し(S714)、当年のDVR積算値が0.7になる日の方が早い場合に、当年のDVR積算値が0.7になる日が播種後除草剤処理適期の終期となるように播種後除草剤処理適期を修正する(S715)。
【0083】
次に、図8を参照して、播種後除草剤処理作業計画決定部126が、播種後除草剤処理作業計画を決定する動作を説明する。播種後除草剤処理作業時間算出部124が、田圃情報データベース13の情報(田圃の広さ、形、周辺の農道の状況等)を用いて、播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する(S811)。例えば、田圃の広さ及び形から除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間及び移動回数並びに除草剤処理作業機のターン回数を算出し、除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間と移動回数との積と、除草剤処理作業機がターンに要する時間とターン回数との積とを合計することにより除草剤処理作業時間を算出する。また、除草剤処理作業機が農道を移動する必要がある場合には、周辺の農道の状況から移動時間を算出して除草剤処理作業時間に加算する。播種後除草剤処理作業計画決定部126が、播種後の除草剤処理作業に要する時間を播種後除草剤処理適期(修正後)の日数で除することにより一日当たりの除草剤処理作業時間を決定する(S812)。
【0084】
次に、図9を参照して、入水前除草剤処理適期修正部142が入水前除草剤処理適期を修正する動作を説明する。葉齢算出部106は、地域・品種プロファイル表の有効温度フィールド−当年サブフィールドを参照して、播種日決定部108により決定された播種日に播種される稲の葉齢(当年)を算出する(S911)。
【0085】
入水前除草剤処理適期修正部142は、当年の葉齢が1.5葉になる日と入水前除草剤処理適期の始期とを比較し(S912)、当年の葉齢が1.5葉になる日の方が早い場合に、当年の葉齢が1.5葉になる日が入水前除草剤処理適期の始期となるように入水前除草剤処理適期を修正する(S913)。
【0086】
入水前除草剤処理適期修正部142は、当年の葉齢が2.5葉になる日と入水前除草剤処理適期の終期とを比較し(S914)、当年の葉齢が2.5葉になる日の方が早い場合に、当年の葉齢が2.5葉になる日が入水前除草剤処理適期の終期となるように入水前除草剤処理適期を修正する(S915)。
【0087】
入水前除草剤処理適期修正部142は、S914及びS915おいて上記の動作に代えて次の動作により入水前除草剤処理適期の終期を修正することもできる。すなわち、播種後除草剤処理日に基づいて、ヒエの葉齢が5.5葉になる日を算出する。入水前除草剤処理適期修正部142はヒエの葉齢が5.5葉になる日と、入水前除草剤処理適期の終期とを比較し、ヒエの葉齢が5.5葉になる日の方が早い場合に、ヒエの葉齢が5.5葉になる日が入水前除草剤処理適期の終期となるように入水前除草剤処理適期を修正する。
【0088】
次に、図10を参照して、入水前除草剤処理作業計画決定部146が、入水前除草剤処理作業計画を決定する動作を説明する。入水前除草剤処理作業時間算出部144が、田圃情報データベース13の情報(田圃の広さ、形、周辺の農道の状況等)を用いて、入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する(S1011)。例えば、田圃の広さ及び形から除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間及び移動回数並びに除草剤処理作業機のターン回数を算出し、除草剤処理作業機が田圃の端から端まで移動するのに要する時間と移動回数との積と、除草剤処理作業機がターンに要する時間とターン回数との積とを合計することにより除草剤処理作業時間を算出する。また、除草剤処理作業機が農道を移動する必要がある場合には、周辺の農道の状況から移動時間を算出して除草剤処理作業時間に加算する。入水前除草剤処理作業計画決定部146が、入水前の除草剤処理作業に要する時間を入水前除草剤処理適期(修正後)の日数で除することにより一日当たりの除草剤処理作業時間を決定する(S1012)。次に、不耕起直播栽培管理システム1の効果を説明する。
【0089】
不耕起直播栽培管理システム1により、気象情報に基づいて、播種から入水までの農作業日程(播種日、播種後除草剤処理適期及び入水前除草剤処理適期)が決定される。稲の不耕起直播栽培においては、播種から入水までの栽培管理が良好であれば、高い確率で、予定された収穫を達成することができる。そのため、不耕起直播栽培管理システム1を適用することにより、農業従事者の勘と経験を要せずに稲の不耕起直播栽培を成功させることができる。
【0090】
播種後除草剤処理適期決定部120及び入水前除草剤処理適期決定部140が、それぞれ、DVR積算値(平年)及び葉齢(平年)に基づいて除草剤処理適期を決定することにより、好適な除草剤処理の時期を得ることができる。
【0091】
播種後除草剤処理適期修正部122及び入水前除草剤処理適期修正部142が、それぞれ、DVR積算値(当年)及び葉齢(当年)に基づいて除草剤処理適期を修正することにより、実際の稲の成長度に応じた好適な除草剤処理の時期を得ることができる。特に、実際に稲が発芽した後に播種後除草剤処理が行われると、稲に対して除草剤による薬害を生じさせる場合があるが、播種後除草剤処理適期修正部122が当年のDVR積算値に基づいて播種後除草剤処理適期の終期を調整することによりかかる事態を回避することができる。
【0092】
播種後除草剤処理作業計画決定部126及び入水前除草剤処理作業計画決定部146が、田圃情報データベース13の情報(田圃の広さ、形、周辺の農道の状況等)から算出された除草剤処理作業に要する時間を利用することにより、適切な除草剤処理作業計画を決定することができる。
【0093】
不耕起直播栽培管理システム1を用いた上記の手順による栽培管理は、本発明の不耕起直播栽培管理方法の実施形態でもある。当該実施形態に係る不耕起直播栽培管理方法によれば、上記の不耕起直播栽培管理システム1における栽培管理と同一の作用及び効果を得られる。
【0094】
次に、本発明の実施形態に係る不耕起直播栽培管理プログラム2及び不耕起直播栽培管理プログラム2を記録した記録媒体3について説明する。図11は、本発明の実施形態に係る不耕起直播栽培管理プログラム2を記録した記録媒体3の構成図である。
【0095】
記録媒体3のプログラム領域は、不耕起直播栽培管理プログラム2が記録されており、その構成要素として、発育速度積算モジュール204、葉齢算出モジュール206、播種日決定モジュール208、播種後除草剤処理適期決定モジュール220、播種後除草剤処理適期修正モジュール222、播種後除草剤処理作業時間算出モジュール224、播種後除草剤処理作業計画決定モジュール226、入水前除草剤処理適期決定モジュール240、入水前除草剤処理適期修正モジュール242、入水前除草剤処理作業時間算出モジュール244及び入水前除草剤処理作業計画決定モジュール246を備える。発育速度積算モジュール204、葉齢算出モジュール206、播種日決定モジュール208、播種後除草剤処理適期決定モジュール220、播種後除草剤処理適期修正モジュール222、播種後除草剤処理作業時間算出モジュール224、播種後除草剤処理作業計画決定モジュール226、入水前除草剤処理適期決定モジュール240、入水前除草剤処理適期修正モジュール242、入水前除草剤処理作業時間算出モジュール244及び入水前除草剤処理作業計画決定モジュール246は、それぞれ、後述のコンピュータを用いて実行することにより、上述の不耕起直播栽培管理システム1の発育速度積算部104、葉齢算出部106、播種日決定部108、播種後除草剤処理適期決定部120、播種後除草剤処理適期修正部122、播種後除草剤処理作業時間算出部124、播種後除草剤処理作業計画決定部126、入水前除草剤処理適期決定部140、入水前除草剤処理適期修正部142、入水前除草剤処理作業時間算出部144及び入水前除草剤処理作業計画決定部146と同一の機能を有する。また、記録媒体3のデータ領域には、地域・品種プロファイル表11、DVR値データベース11a、地域・品種プロファイル表12、DVR値データベース12a及び田圃データベース13が記録されている。なお、データ領域の情報は別の記録媒体に記録されていてもよい。
【0096】
図12は、不耕起直播栽培管理プログラム2が実行されるコンピュータ4の物理的構成を示す図である。コンピュータ4は、物理的構成要素として、中央処理装置(CPU)42、オペレーティングシステムを常駐させた作業用メモリ44、読み取り装置46、ディスプレイ47及び入力装置48を備える。
【0097】
記録媒体3が読み取り装置46に挿入されると、記録媒体3に記録された情報が読み取り装置46からアクセス可能となり、記録媒体3のプログラム領域に記録された不耕起直播栽培管理プログラム2が、コンピュータ4によって実行可能となり、コンピュータ4は、不耕起直播栽培管理システム1と同一の動作をし、同一の作用及び効果を有する。
【0098】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の不耕起直播栽培管理システム、不耕起直播栽培管理方法、不耕起直播栽培管理プログラム及び不耕起直播栽培管理プログラムを記録した記録媒体によれば、稲の不耕起直播栽培において農業従事者の勘と経験を適用しなくても農作業日程を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】不耕起直播栽培管理システム1の機能的構成を示す図である。
【図2】地域・品種プロファイル表11の内容を示す図である。
【図3】DVR値データベース11aの内容を示す図である。
【図4】地域・品種プロファイル表12の内容を示す図である。
【図5】DVR値データベース12aの内容を示す図である。
【図6】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第1のフローチャートである。
【図7】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第2のフローチャートである。
【図8】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第3のフローチャートである。
【図9】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第4のフローチャートである。
【図10】不耕起直播栽培管理システム1の動作の手順を示す第5のフローチャートである。
【図11】不耕起直播栽培管理プログラム2を記録した記録媒体3の構成図である。
【図12】不耕起直播栽培管理プログラム2が実行されるコンピュータ4の物理的構成を示す図である。
【符号の説明】
1…不耕起直播栽培管理システム、102…格納部、104…発育速度積算部、106…葉齢算出部、108…播種日決定部、120…播種後除草剤処理適期決定部、122…播種後除草剤処理適期修正部、124…播種後除草剤処理作業時間算出部、126…播種後除草剤処理作業計画決定部、140…入水前除草剤処理適期決定部、142…入水前除草剤処理適期修正部、144…入水前除草剤処理作業時間算出部、146…入水前除草剤処理作業計画決定部、11、12…地域・品種プロファイル表、13…田圃データベース、2…不耕起直播栽培管理プログラム、204…発育速度積算モジュール、206…葉齢算出モジュール、208…播種日決定モジュール、220…播種後除草剤処理適期決定モジュール、222…播種後除草剤処理適期修正モジュール、224…播種後除草剤処理作業時間算出モジュール、226…播種後除草剤処理作業計画決定モジュール、240…入水前除草剤処理適期決定モジュール、242…入水前除草剤処理適期修正モジュール、244…入水前除草剤処理作業時間算出モジュール、246…入水前除草剤処理作業計画決定モジュール、3…記録媒体、4…コンピュータ、42…CPU、44…作業用メモリ、46…読み取り装置、47…ディスプレイ、48…入力装置。
Claims (22)
- 稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理システムであって、
過去の気象情報を格納する格納手段と、
前記過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算手段と、
前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出手段と、
前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定手段と、
を備えた、
ことを特徴とする不耕起直播栽培管理システム。 - 前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の不耕起直播栽培管理システム。
- 当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の不耕起直播栽培管理システム。
- 前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の不耕起直播栽培管理システム。
- 当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正手段を備えたことを特徴とする請求項4記載の不耕起直播栽培管理システム。
- 前記格納手段が前記稲を栽培する田圃に関する情報を格納し、
前記田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出手段と、
前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定手段と、
を備えた、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載の不耕起直播栽培管理システム。 - 前記格納手段が前記稲を栽培する田圃に関する情報を格納し、
前記田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出手段と、
前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定手段と、
を備えた、
ことを特徴とする請求項4又は5に記載の不耕起直播栽培管理システム。 - 稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理方法であって、
発育速度積算手段が、格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算ステップと、
葉齢算出手段が、前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出ステップと、
播種日決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定ステップと、
を備えた、
ことを特徴とする不耕起直播栽培管理方法。 - 播種後除草剤処理適期決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定ステップを備えたことを特徴とする請求項8記載の不耕起直播栽培管理方法。
- 播種後除草剤処理適期修正手段が、当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正ステップを備えたことを特徴とする請求項9記載の不耕起直播栽培管理方法。
- 入水前除草剤処理適期決定手段が、前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定ステップを備えたことを特徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載の不耕起直播栽培管理方法。
- 入水前除草剤処理適期修正手段が、当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正ステップを備えたことを特徴とする請求項11記載の不耕起直播栽培管理方法。
- 播種後除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出ステップと、
播種後除草剤処理作業計画決定手段が、前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定ステップと、
を備えた、
ことを特徴とする請求項9又は10に記載の不耕起直播栽培管理方法。 - 入水前除草剤処理作業時間算出手段が、格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出ステップと、
入水前除草剤処理作業計画決定手段が、前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定ステップと、
を備えた、
ことを特徴とする請求項11又は12に記載の不耕起直播栽培管理方法。 - 稲の不耕起直播栽培を管理するための不耕起直播栽培管理プログラムであって、
コンピュータを、
格納手段に格納された過去の気象情報に基づいて、播種後の前記稲の予測成長度を算出する発育速度積算手段と、
前記過去の気象情報に基づいて、発芽後の前記稲の予測成長度を算出する葉齢算出手段と、
前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記稲が特定の時期に特定の成長度に達するための前記稲の播種日を決定する播種日決定手段と
して機能させる、
ことを特徴とする不耕起直播栽培管理プログラム。 - コンピュータを、
前記発育速度積算手段により算出された予測成長度に基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の播種後除草剤処理適期を決定する播種後除草剤処理適期決定手段として機能させることを特徴とする請求項15記載の不耕起直播栽培管理プログラム。 - コンピュータを、
当年の気象情報に基づいて、前記播種後除草剤処理適期決定手段により決定された播種後除草剤処理適期を修正する播種後除草剤処理適期修正手段として機能させることを特徴とする請求項16記載の不耕起直播栽培管理プログラム。 - コンピュータを、
前記発育速度積算手段により算出された予測成長度と前記葉齢算出手段により算出された予測成長度とに基づいて、前記播種日決定手段により決定された播種日に播種される前記稲の入水前除草剤処理適期を決定する入水前除草剤処理適期決定手段として機能させることを特徴とする請求項15ないし17のいずれか1項に記載の不耕起直播栽培管理プログラム。 - コンピュータを、
当年の気象情報に基づいて、前記入水前除草剤処理適期決定手段により決定された入水前除草剤処理適期を修正する入水前除草剤処理適期修正手段として機能させることを特徴とする請求項18記載の不耕起直播栽培管理プログラム。 - コンピュータを、
格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき播種後の除草剤処理作業に要する時間を算出する播種後除草剤処理作業時間算出手段と、
前記播種後除草剤処理適期と、前記の播種後の除草剤処理作業に要する時間とに基づき播種後の除草剤処理作業計画を決定する播種後除草剤処理作業計画決定手段と
して機能させる、
ことを特徴とする請求項16又は17に記載の不耕起直播栽培管理プログラム。 - コンピュータを、
格納手段に格納された田圃に関する情報に基づき入水前の除草剤処理作業に要する時間を算出する入水前除草剤処理作業時間算出手段と、
前記入水前除草剤処理適期と、前記の入水前の除草剤処理作業に要する時間とに基づき入水前の除草剤処理作業計画を決定する入水前除草剤処理作業計画決定手段と
して機能させる、
ことを特徴とする請求項18又は19に記載の不耕起直播栽培管理プログラム。 - 請求項15ないし21のいずれか1項に記載の不耕起直播栽培管理プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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- 2002-06-27 JP JP2002188507A patent/JP2004030449A/ja active Pending
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