JP2004030111A - 情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及び記憶媒体 - Google Patents
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Abstract
【目的】容易に出力データを編集することができる情報処理装置の提供。
【構成】所定通信網を介して複数の出力装置及びデータ入力装置に接続された情報処理装置を、前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段とを備えて構成する。
【選択図】 図1
【構成】所定通信網を介して複数の出力装置及びデータ入力装置に接続された情報処理装置を、前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段とを備えて構成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置と情報処理方法及び情報処理システム並びに記憶媒体に関し、より詳しくは、制御コマンドと実際の出力データとを混在させて通信することのできるデータ通信バスを介して複数の電子機器に接続された情報処理装置とその情報処理方法及び前記情報処理装置を含む複数の電子機器が前記データ通信バスを介して接続され、これら電子機器間でデータ通信を行う情報処理システム並びに前記情報処理装置で実行する制御手順を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)に代表される小型汎用コンピュータとプリンタやスキャナ等の周辺装置とをデジタルインターフェース(以下、「デジタルI/F」という)であるSCSI(Small Computer Systems Interface )を介して接続し、データ通信を行う技術が知られている。
【0003】
また、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の記録再生装置を周辺装置とし、これらの記録再生装置を前記デジタルI/Fを介してパソコンに接続し、前記記録再生装置で撮影した映像データ(静止画や動画)をパソコンに取り込み、ハードディスクに記憶したり、或いはパソコンで編集した後、プリンタでカラー印刷する情報処理システムも知られている。
【0004】
また、複数のパソコンとデータベース等の情報資源と複数のプリンタとをLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続した情報処理システムも知られており、斯かる情報処理システムでは大概以下のような手順を経て印刷処理を行っている。
(1)LAN上で利用できるプリンタを一覧表示する
(2)一覧表示されたプリンタの中から所望のプリンタを選択する
(3)選択したプリンタに印刷ジョブを転送し印刷出力する
ところで、この種の情報処理システムでは、ネットワークに接続されている全てのプリンタが同一の機能を有するとは限らず、例えば解像度や階調、記述言語、使用可能な用紙サイズや文字フォント、カラー印刷の有無等の異なるプリンタがネットワーク上に接続されていることが多いため、従来より、予め各プリンタの機能を認識し、各々プリンタに対応した選択キーを指定し、クライアント側からのキー操作により所望のプリンタを選択している。
【0005】
また、アプリケーション・ソフト等を使用して作成された文書や画像等の印刷データの中には異なる複数種の用紙サイズや不定形の用紙サイズに適合した形で編集されたドキュメント(例えば、マルチフォーマットで作成されたテキストデータや表計算等に使用されるスプレットシート、ペイント等で作成された不定形な画像データ)が存在することがあり、またスキャナやデジタルカメラ等で取り込まれた(静止)画像データもあるが、これらの画像データ等を印刷する場合は、出力装置であるプリンタに対応した印刷制御処理部(以下、「プリンタドライバ」という)で印刷可能な用紙サイズを選択し、前記画像データ等の印刷情報に従ってパソコン側で対応する文字パターンやフォームパターンをプリンタドライバを介して生成している。
【0006】
さらに、近年では、デジタルカメラ等で取り込まれた画像データ等の出力サイズを印刷装置に装着されている用紙サイズに対応して予め自動的に設定し、これにより画像データを直接所望の用紙に印刷出力する場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記情報処理システムでは、多量の画像データをパソコンからプリンタやハードディスク等に転送しなければならないため、転送データレートが高く且つ汎用性のあるデジタルI/Fを介して接続することが望まれる。
【0008】
しかしながら、従来の情報処理システムでは、デジタルI/Fとして高速転送が可能とされるSCSIを使用しているものの、実際には転送レートの低いものや、パラレル通信のためケーブルが太いものがあり、また接続可能な周辺装置の種類や個数、接続方式などにも制限があるため、未だユーザの要求に十分に対応できるだけの利便性を備えていないという問題点があった。
【0009】
また、上記従来の情報処理システムでは、上述したようにネットワーク接続されたパソコン上で選択キーを操作し、これにより所望のプリンタを選択しているため、ユーザは、ネットワーク接続された各プリンタの諸機能を予め熟知しておかなければならず、ユーザにとって使い勝手が悪いという問題点があった。
【0010】
しかも、上述したプリンタ選択方式では、複数のプリンタが使用可能な場合であっても、選択キーのキー操作により1台のプリンタのみが選択されるに過ぎず、したがって融通性のない極めて効率の悪いプリンタの選択方式であるという問題点があった。
【0011】
また、複数の電子機器間をネットワーク接続してデータの送受信を行う場合、画像データの圧縮方式の違いから、伸張できない圧縮データを誤って転送したり、或いは転送先で伸張できるにも拘わらず非圧縮データで転送してしまうことがあり、このため、転送動作や転送効率の低下を招来する虞があるという問題点があった。
【0012】
また、印刷データの用紙サイズとプリンタにセットされている記録用紙の用紙サイズとが異なる場合にプリンタに収容されている記録用紙で強制的に印刷出力を行ったときは、記録用紙の用紙サイズが所望の記録用紙の用紙サイズより大きい場合は記録用紙の余白部分の領域が目立つため不恰好となり、逆に記録用紙の用紙サイズが所望の記録用紙の用紙サイズより小さい場合は印刷データが記録用紙からはみ出して印刷出力されてしまうという問題点があった。
【0013】
また、プリンタがパソコンの設置箇所近傍に配されていない場合は、プリンタにセットされている記録用紙の用紙サイズを印刷時に確認することができない。このため、印刷処理を実行し終わった後に、記録用紙の用紙サイズや印刷方向を変更し、その後再度印刷処理を行わなければならないことがあり、使い勝手が悪いという問題点があった。
【0014】
また、アプリケーションソフト等を使用して既に作成されたドキュメントをプリンタドライバ等を介して画像データを作成する場合、前記生成した画像データが前記選択した用紙サイズの印刷範囲からはみ出すときは、前記印刷範囲内となる印刷データのみがデータ変換されて1ページ分の印刷情報として1枚の記録用紙に印刷出力され、前記はみ出した部分については、別ページの印刷データとしてデータ変換され、再度別ページの印刷データとして他の記録用紙に印刷出力される。このため、1ページのドキュメントが複数の記録用紙にまたがって印刷出力されることとなり、その結果ユーザの意図しない印刷結果が得られるという問題点があった。
【0015】
一方、印刷前に前記印刷データが前記用紙サイズの印刷範囲に印刷することができるか否かを予め印刷プレビュー等で確認し、ユーザにより印刷範囲内に印刷するように設定変更することもできるが、この場合においても、ユーザは印刷範囲を越える印刷データにおいては、キーボードやマウス等を操作して前記選択した用紙サイズの印刷範囲指定領域に収まるようにペ−ジ毎に編集を行ったり、或いはページレイアウトの余白変更等を行って印刷範囲指定領域を変更した後、印刷処理を行わなければならず、操作が煩雑であるという問題点があった。
【0016】
さらに、同一メーカのプリンタにおいてもその構造上の相違から給紙方法が異なるため、記録用紙の給紙部へのセッティング、及びセッティング方向、印刷面等をプリンタの仕様に対応して行わなければならず、斯かるセッティング操作を間違った場合は意図した印刷結果を得ることができなくなるという問題点があった。
【0017】
しかも、複数の周辺機器をパソコンに接続した情報処理システムの場合、今後、周辺装置の種類も益々増加し、さらにはI/Fの改良等によって、パソコンの周辺装置に限らず、多くのデジタル機器間をネットワーク接続した通信が可能になることが予想される。
【0018】
そして、多くの電子機器間をネットワーク接続した通信が可能になると、極めて便利になる一方で、これら電子機器間ではデータ量の非常に多い通信も頻繁に行われるようになってネットワークが混雑し、このためネットワークに接続されている他の電子機器間での通信に悪影響を及ぼすという問題点が生じる虞がある。例えば、パソコンとプリンタとを接続してユーザが画像データの印刷処理を連続して又は迅速に行いたい場合、パソコンとプリンタとの間にユーザが関与していない電子機器間同士で通信が行われているとネットワーク全体、或いはホストコンピュータとしてのパソコンに悪影響を及ぼし、画像データの印刷出力が正常に実行されなかったり、或いは印刷出力が遅延する虞があり、また、パソコンのアプリケーションソフトで選択されているプリンタが非接続、非動作状態となって使用することができなくなるという問題点が生じる虞がある。すなわち、このようにネットワークの混雑によるパソコンに対しての負荷や、パソコンの動作状況によってデータ通信に不具合が生じ、ネットワークに接続されている他の電子機器間での通信に悪影響を及ぼすという問題点が生じる虞がある。
【0019】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、出力装置の機能を把握していない場合であっても、最適な出力装置を選択することができ、しかも選択された出力装置の機能情報に基づいて出力データを編集モードを選択して自動編集/手動編集ができ、手動編集モードにおいては、出力装置の機能情報と出力データの設定情報との機能不一致情報に基づいて設定情報画面の表示及び不一致項目の変更を促す音声ガイダンス及びヘルプ表示等を行うことにより出力装置の機能情報に合った変更を行うことにより容易に出力データを編集することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及び記憶媒体を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、所定通信網を介して複数の出力装置及びデータ入力装置に接続された情報処理装置であって、
前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、
該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係る情報処理方法は、データ入力装置に入力されたデータを編集し、所定通信網を介して出力装置に出力する情報処理方法であって、
前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶ステップと、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得ステップと、前記記憶ステップで記憶されたデータ及び前記機能情報取得ステップで取得した機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択ステップと、該選択ステップにより選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析ステップと、該解析ステップの解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断ステップとを含み、
さらに、該判断ステップでの判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択ステップで選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集ステップを含んでいることを特徴としている。
【0022】
さらに、本発明に係る情報処理システムは、複数の出力装置及びデータ入力装置が通信回線網を介して情報処理装置と接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置が、前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、
該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段を備えていることを特徴としている。
【0023】
また、本発明に係る記憶媒体は、外部から入力されたデータを編集し、複数の出力装置の中から選択された出力装置に前記データを転送するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記外部から転送されてきたデータを記憶する記憶手順と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手順と、前記記憶手順で記憶されたデータ及び前記機能情報取得手順で取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手順と、該選択手順により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手順と、該解析手順の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手順と、該判断手順の判断結果により所定の編集モードに応じて、前記選択手順により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手順とが記憶されていることを特徴としている。
【0024】
尚、本発明のその他の特徴は下記の発明の実施の形態の記載より明らかとなろう。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳説する。
【0026】
本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、IEEE(米国電気電子技術者協会)により規格化されているIEEE1394−1995(以下、「1394シリアルバス」という)をデジタルI/Fとして使用し、該1394シリアルバスを介して各デジタル機器間を接続している。
【0027】
そこで、まず、1394シリアルバスについて、その概要を説明する。
【0028】
近年における家庭用デジタルビデオテープレコーダ(デジタルVTR)やデジタルビデオディスク(DVD)の登場に伴ない、ビデオデータやオーディオデータをリアルタイムで転送し、パソコンに取り込んだり、その他のデジタル機器に転送することが要請されてきている。
【0029】
そして、そのためにはユーザに必要な各種の転送機能を備えた高速データ転送可能なインターフェースが必要となり、斯かる観点から開発され、IEEEで規格制定されたのがHigh Performance Serial Bus としての1394シリアルバスである。
【0030】
図1は1394シリアルバスにより複数のデジタル機器が互いに接続された情報処理システムの一例を示すシステム構成図であって、本例ではノードとしての第1〜第8のデジタル機器1a〜1hが、1394シリアルバスのツイスト・ペア・ケーブル(以下、「1394バスケーブル」)2を介して互いに接続されている。
【0031】
第1〜第8のデジタル機器1a〜1hとしては、パソコン、デジタルVTR、DVD、デジタルカメラ、ハードディスク、ディスプレイ装置等の各種機器を最大63台まで接続することができ、図1のシステム構成では、第1及び第2のデジタル機器1a、1b間、第1及び第3のデジタル機器1a、1c間、第2及び第4のデジタル機器1b、1d間、第4及び第5のデジタル機器1d、1e間は、デイジーチェーン方式により1394バスケーブル2を介して互いに接続され、第3のデジタル機器1cと第6〜第8のデジタル機器1f〜1hの間はノード分岐方式により1394バスケーブル2を介して互いに接続されている。
【0032】
このように1394シリアルバスでは、デイジーチェーン方式とノード分岐方式とが混在した状態での接続が可能であり、自由度の高い接続を行うことができる。
【0033】
また、各機器は固有の識別子(ID)を有し、これらIDを互いに認識し合うことによって1394バスケーブル2で接続された範囲内で1個のネットワークを構成している。すなわち、各デジタル機器1a〜1h間を夫々1本の1394バスケーブル2で順次接続するだけで、各デジタル機器が中継の役割を果たし、全体として1個の情報ネットワークを構成する。また、1394シリアルバスの特徴でもあるプラグ&プレイ機能により1394バスケーブル2を各デジタル機器1a〜1hに接続した時点で自動的に各デジタル機器1a〜1hや接続状況などを認識することができる。
【0034】
図2は高速I/Fとしての1394シリアルバスの概略を示すブロック構成図であって、1394シリアルバスは、ハードウエア部3を構成する物理レイヤ3a及びリンク・レイヤ3bと、ファームウエア部4を構成するトランザクションレイヤ4aと、ソフトウエア部5を構成するアプリケーションレイヤ5aとからなる階層構造とされ、さらに、ファームウエア部4はトランザクションレイヤ4aの他、シリアルバス管理部4bを有すると共に、物理レイヤ3aはコネクタポート6を介して1394バスケーブル2に接続されている。
【0035】
物理レイヤ3aは、リンクレイヤ3bの使用する論理的な記号の電気信号への変換等所定の信号処理を行ったり、コネクタポート6や1394バスケーブル2との間でインターフェース動作を司る。また、リンクレイヤ3bは、トランザクションレイヤ4aとの間でデータ転送の授受を行い、アドレスの割り当てやパケット転送、サイクルの制御等を行う。
【0036】
トランザクションレイヤ4aは、リンクレイヤ3bとの間でパケットの送受信を行って転送すべきデータを管理し、またアプリケーションレイヤ5aに対しデータの読み出しや書き込み等の命令を出力する。シリアルバス管理部4bは、各レイヤ(物理レイヤ3a、リンクレイヤ3b、トランザクションレイヤ4a、及びアプリケーションレイヤ5a)を制御して各種デジタル機器(ノード)の接続状況やこれらデジタル機器(ノード)のIDを管理し、また、ネットワーク構成を管理する。
【0037】
また、アプリケーションレイヤ5aは、使用するアプリケーションソフトに応じ、インターフェース上にどのようにデータを送出するかをAVプロトコル(後述するアイソクロノス(Isochronous :「同期」)通信により映像・音声信号等のリアルタイムデータを伝送するための伝送手順)等のプロトコルに基づいて規定されている。尚、アイソクロノス・データは、トランザクションレイヤ4aを経由することなくリンクレイヤ3bとの間で直接データ処理される。
【0038】
図3は1394バスケーブル2の断面図であって、該1394バスケーブル2は、シールド箔7a、7bで被覆された2組のツイストペア信号線8a、8bの他に、電圧が8V〜40V、最大電流がDC1.5Aの電源線9a、9bが設けられており、該電源線9a、9bにより、電源を有さないデジタル機器や、故障により電圧低下したデジタル機器への電力供給が可能となっている。
【0039】
また、1394シリアルバス2上でのデータ転送(パケット転送)は、半二重双方向通信モードで行われ、符号化方式として、図4に示すようなDS−Link(Data/Strobe Link )符号化方式が採用されている。
【0040】
該DS−Link符号化方式は、高速のシリアルデータ通信に適しており、2組のツイストペア信号線8a、8bのうち、一方のツイストペア信号線8aには、図4(a)に示すように、データ信号を送信し、他方のツイストペア信号線8bには、図4(b)に示すように、同一のデータ信号が連続した場合に反転するストローブ信号を送信し、受信側では、図4(c)に示すように、前記送信されてきたデータ信号とストローブ信号との排他的論理和演算を行うことによってクロック信号を生成し、生成したクロック信号の変化点でデータを読み取っている。
【0041】
このDS−Link符号化方式は、他のシリアルデータ転送方式に比べて転送効率が高いこと、PLL(Phase Locked Loop )回路が不要となるのでLSI等の電子部品のより一層の小形化が可能であること、更には、転送すべきデータがないときにアイドル状態であることを示す情報を送る必要がなく、したがって各デジタル機器のトランシーバ回路をスリープ状態にすることによって、消費電力の低減化を図ることができる等、種々の利点がある。
【0042】
また、1394シリアルバス2のアドレスは、図5に示すように、IEEE1212に準拠して64ビットで構成され、該64ビットのアドレスを記憶しておくことにより、1394シリアルバス2に接続されているデジタル機器(ノード)のアドレスを常時認識することができ、各デジタル機器へのデータの書き込みや読み出しを容易に行うことができる。
【0043】
具体的には、1394シリアルバス2は、64ビット中の上位10ビットがバス番号域10としてバス同士を識別するためのアドレスに割り当てられ、該バス番号域10では、ノードが直接接続されているローカル・バス(バス#1023)を除き、1023個のバスをアドレスすることができる。バス番号域10の後の6ビットはノードを識別するためのノード番号域11に割り当てられ、1394シリアルバス内の全てのノードに配信するブロードキャスト用のアドレス(ノード#63)を除き、63台のノードをアドレスすることができ、したがって1個の1394シリアルバスには最大63台のノードを接続することができる。
【0044】
ノード番号域11に続く48ビットはノード内のアドレス幅を構成し、48ビット中の上位20ビットはレジスタ空間12に割り当てられ、残りの28ビットはレジスタアドレス13に割り当てられる。そして、レジスタ空間12は、初期メモリ空間12a、プライベート空間12b及び初期レジスタ空間12cに分割され、さらに、初期レジスタ空間12cは、レジスタアドレス13によりCSR(Control And Status Register )アーキテクチャ13a、シリアルバス13b、コンフィギュレーションROM13c及び初期ユニット空間13dに分割される。すなわち、レジスタアドレス13は固有データ領域として各ノードの識別や使用条件の指定情報等を格納する。
【0045】
このようにして1394シリアルバス2では、バス上の各デジタル機器(ノード)にはノードIDが与えられ、ネットワーク上の構成機器として認識されることとなる。
【0046】
そして、特定のノードがネットワークから削除されたり、或いは新規に追加されたとき等、ネットワーク構成(トポロジ)に変化が生じると、バスリセット信号がバス上の全ノードに伝達されてトポロジ情報は全てクリアされ、新たなネットワークの再構築が行われ、これにより随時ネットワークの構成を設定、認識することが可能となる。
【0047】
具体的には、コネクタポート6で、二組のツイストペア信号線8a、8bの内、一方のツイストペア信号線8aにバイアスが負荷され、他方のツイストペア信号線8bでバイアスの有無が検知される。そして、例えばノードの挿抜や電源のオン・オフ等によるノード数の増減などによってネットワーク構成に変化が生じたときは、バイアスの有無を検知して接続状態の変化が検出される。そして、接続状態の変化を検知したノードは他の接続機器のコネクタポート6に対して一定時間バスリセット信号を送信し、これを受信したノードの物理レイヤ3aはバスリセット信号を受信する同時にリンクレイヤ3bにバスリセット信号の発生を伝達し、次いでネットワーク上の他のノードにバスリセット信号が伝達され、最終的にバスリセット信号が全てのノードに伝達されバスリセットが起動する。
【0048】
そして、このようにしてバスリセット信号が起動するとデータ転送は一時中断されて該データ転送は待機状態とされ、新たなノードIDが各ノードに付与され、ネットワーク構成が構築された後にデータ転送が再開される。
【0049】
図6はバスリセット信号を受信してからノードIDを決定するまでの一連の制御手順を示すノードID決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS1ではネットワーク内でバスリセット信号が発生したか否かを常時監視し、バスリセット信号が発生するとステップS2に進み、ツリー識別処理を実行する。すなわち、1394シリアルバスがリセットされると、各々ノードが2つ以上のノードに接続されているブランチノード、1つのノードのみに接続されているリーフノード及び全く接続されていない単体ノードの3つの状態に分けられ、前記ツリー識別処理では各ノードがツリー状に接続されたものとして扱えるように各ノード間で親子関係を確立させ、さらに複数のノードの中からルートノードを認識し、各々ノードのルートノードへの方向付けを決定する。
【0051】
図7はツリー識別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
バスリセットが発生した後、ステップS11では各デジタル機器にリーフノードであることを示すフラグをセットし、続くステップS12では自己のデジタル機器(ノード)のコネクタポート6が何台のノードと接続されているかを確認し、ステップS13で未定義ポート数は何個あるかをチェックする。バスリセット直後はコネクタポート6のポート数が未定義ポート数となり、該未定義ポート数が「1」、すなわち、自己のノードが1台のノードのみに接続されている場合はステップS14に進み、自己は「子」、接続先のノードは「親」と親子関係を宣言する。これにより、親子宣言をしたノードのコネクタポート6は「子ポート」となり、接続先のノードのコネクタポート6は「親ポート」となる。
【0053】
また、未定義ポート数が「2」以上の場合は、ステップS15で自己のノードがブランチノードであることを示すフラグをセットし、続くステップS16では当該ブランチノードは親子関係を宣言したノードから「親子宣言」を受け取って「親ポート」となり、互いに接続されている両ポート間に親子関係が確立する。
【0054】
そして、再びステップS13に戻り、当該ブランチノードについて上述の処理を繰り返すことにより、順次親子関係を成立させてゆき、未定義ポート数が「1」になるとステップS14で当該未定義のコネクタポート6は「子」、接続先ポートは「親」と宣言する。
【0055】
その後、ステップS13で未定義ポート数が「0」となってブランチノードの全てのコネクタポート6が「親ポート」に決定された場合はステップS17に進み、当該ブランチノードはルートノードであることを示すフラグをセットし、続くステップS18でルートノードであることを認識し、ツリー識別処理を終了する。
【0056】
このようにして通常は1つのコネクタポート6しか使用されていないノードがリーフノードになると共に、該リーフノードが最初に親子関係を宣言して自己のコネクタポート6を「子ポート」とし、2つ以上のコネクタポート6を使用しているノードはブランチノードとなる。そして、斯かるリーフノード−ブランチノード間、ブランチノード−ブランチノード間で順次親子関係を確立させてゆき、コネクタポートの全ポートが「親ポート」となったブランチノードをルートノードとし、各ノードのコネクタポートのルートノードへの方向付けを決定し、これにより、ネットワークはリセットされた状態から新たなネットワークの接続状況を認識する。
【0057】
図8はツリー識別が完了した状態を示すネットワーク構成図であって、8台のノード(第1〜第8のノード1a〜1h)から第7及び第8のノードが削除され、かつ第2のノード1bの下位には第1及び第3のノード1a、1cが直接接続されており、更に第3のノード1cの下位には第4のノード1dが直接接続されており、第4のノード1dの下位には第5及び第6のノード1e、1fが直接接続されている。
【0058】
このネットワーク構成では、バスリセット後、以下のようにして接続状況が認識される。
【0059】
まず、直接接続されている各ノードのポート間で親子関係の宣言がなされ、親側が階層構造で上位となり、子側が下位となる。
【0060】
具体的には、使用しているポート数が1個のみの第1のノード1aが親子関係の宣言を行う。これにより、第1のノード1aは1個のコネクタポート6のみを使用して他のノードと接続されていることが了知され、したがって該第1のノード1aはネットワークの端であることが認識され、ネットワーク上で早く動作を行ったノードから順次親子関係が決定されていく。こうして親子関係の宣言を行った側(第1及び第2のノード1a、1b間では第1のノード1a)のコネクタポート6が子ポートcに設定され、相手側(第1及び第2のノード1a、1b間では第2のノード1b)のコネクタポート6が親ポートpに設定される。
【0061】
このようにして、まず、ポート数が1個のみのリーフノード(第1、第5及び第6のノード1a、1e、1f)と、複数の接続ポートを有するブランチノード(第2〜第4のノード1b〜1d)との間で親子関係が決定されてゆく。本例の場合は、第1のノード1a−第2のノード1b間、第5のノード1e−第4のノード1d間、及び第6のノード1f−第4のノード1d間で、夫々子ポートc−親ポートp、第5のノード1e−第4のノード1d間において、夫々子ポートc−親ポートpを決定する。
【0062】
次いで、ブランチノードである第2〜第4のノード1b〜1eのうち、他のノードから親子関係の宣言を受けたノードから順次、更に上位ノードに対し親子関係の宣言を行っていく。
【0063】
本例では、第4のノード1dが第5及び第6のノード1e、1fから親子関係の宣言を受けており、第3のノード1cに対し自己が子ポートc、接続先である第3のノード1cが親ポートpである旨の親子関係の宣言を行い、その結果第4のノード1d−第3のノード1c間において、子ポートc−親ポートpが決定される。
【0064】
次いで、第4のノード1dから親子関係の宣言を受けた第3のノード1cは、他のコネクタポート6と接続されている第2のノード1bに対して親子関係の宣言を行い、これにより第3のノード1c−第2のノード1b間において、子ポートc−親ポートpを決定する。
【0065】
このようにして階層的に接続状況が認識され、全てのコネクタポート6が親ポートpとされた第2のノード1bがルートノードに決定される。
【0066】
尚、ルートノードは、1つのネットワーク構成中に1個しか存在しないが、他のノードに対する親子関係宣言のタイミング時期に応じ、他のノードがルートノードと認識されることもあり、また、同一のネットワーク構成であって常に同一のノードをルートノードと認識するとは限らない。
【0067】
このようにしてツリー識別処理が終了すると、図6のステップS3に戻ってノード設定処理を行い、所定のノード順序で各ノードにIDを付与する。
【0068】
図9はノードID設定処理の処理手順を示すフローチャートであり、該ノードID設定処理ではリーフノードに最初にIDを付与し、次いでブランチノード、ルートノードの順でIDを付与している。
【0069】
ステップS21ではネットワーク内に存在するリーフノードの個数N(Nは自然数;本例では「3」)を設定する。次いで、ステップS22では各リーフノード(第1のノード1a、第5のノード1e及び第6のノード1f)がルートノード(第2のノード1b)に対してIDを付与するように要求する。本例ではリーフノードは複数存在するので、ルートノードはステップS23でアービトレーション処理(調停処理)を実行し、IDを付与するリーフノード(例えば、第1のノード1a)を選定して該選定されたリーフノードにIDを付与する。次いで、ステップS24では選定されなかった他のリーフノードに対し、IDが付与されなかった旨の結果を通知する。そして、ステップS25ではリーフノードがIDを取得したか否かを判断し、ID取得に成功したリーフノードは、ステップS26に進んで該リーフノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送し、続くステップS27ではリーフノードの個数Nを「1」だけデクリメントし、ステップS28では個数Nが「0」か否かを判断する。そして、その答が否定(No)の場合はID取得していないリーフノードが未だ存在していると判断してステップS22に戻る。
【0070】
次いで、再びアービトレーションを実行し(ステップS23)、前回アービトレーションでID取得に失敗したリーフノードについて上述の処理を繰り返し(ステップS22〜ステップS28)、最終的に全てのリーフノードにIDが付与される。
【0071】
そして、個数Nが「0」になるとステップS28の答が肯定(Yes)となってステップS29に進み、ネットワーク内に存在するブランチノードの個数M(Mは自然数;本例では「2」)を設定する。次いで、ステップS30では各ブランチノード(第3のノード1c及び第4のノード1d)がルートノード(第2のノード1b)に対してIDを付与するように要求する。本例ではリーフノードは複数存在するので、ルートノードはステップS31でアービトレーション処理を実行し、IDを付与するブランチノード(例えば、第3のノード1c)を選定して該選定されたブランチノードにIDを付与し、ステップS32では選定されなかった他のブランチノードに対し、IDが付与されなかった旨の結果を通知する。そして、ステップS32ではブランチフノードがIDを取得したか否かを判断し、ID取得に成功したブランチノードは、ステップS34に進んで該ブランチノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送し、続くステップS35ではブランチノードの個数Mを「1」だけデクリメントし、ステップS36では個数Mが「0」か否かを判断する。そして、その答が否定(No)の場合はID取得していないブランチノードが未だ存在していると判断してステップS30に戻る。
【0072】
次いで、前回アービトレーションでID取得に失敗したブランチノードについて上述の処理を繰り返し、全てのブランチノードにIDが付与される。そして、個数Mが「0」になるとステップS36の答が肯定(Yes)となってステップS37に進む。
【0073】
そして、ステップS37では、ルートノード(第2のノード1b)のID番号を付与し、ステップS38では該ルートノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送し、各ノードのID番号を決定して処理を終了する。
【0074】
尚、ブロードキャストで全ノードに転送される各ノードのID情報としては、ID番号の他、接続されているノードの位置情報、コネクタポート6の個数、使用されているコネクタポート6の個数、各コネクタポート6の親子関係情報等が含まれている。また、各ノード(第1〜第6のノード1a〜1f)のID番号は、上述したように1つのコネクタポート6のみが他のノードと接続されているリーフノードから順次割り当てられる。すなわち、リーフノードから数値の小さい順に順次0、1、2、…と自然数が割り当てられ、ID番号を取得したノードは、ID番号を含むID情報をブロードキャストで各ノードに送信し、これにより当該ID番号は「割り当て済み」であることが認識される。
【0075】
そして、全てのリーフノードがID番号を取得すると、その後ブランチノードにID番号が割り当てられる。しかる後、ID番号が割り当てられたブランチノードから順次ID情報をブロードキャストで転送し、最後にルートノードが自己のID情報をブロードキャストで転送する。したがって、ルートノードはネットワーク上で常に最大のID番号が割り当てられることとなる。
【0076】
以上により、階層構造全体のID番号の割り当てが終了してネットワーク構成が再構築され、バスの初期化作業が完了する。
【0077】
次に、図6のステップS4に進み、バス使用権を取得するための通常アービトレーション処理を行う。
【0078】
すなわち、1394シリアルバスは、個別に接続された各ノードが、転送されてくる信号をそれぞれ中継することによって、ネットワーク内すべての機器に同一信号が伝達可能とされた論理的なバス型ネットワークであり、したがってパケット転送中における衝突を防ぐためにアービトレーション処理を行い、唯一のノードのみがデータ転送を行うことができるようにされている。
【0079】
図10は通常アービトレーション処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
ノードがデータ転送を開始できるためには、1394シリアルバスがアイドル状態であることが必要である。そして、アイドル状態が所定期間(以下、この所定期間を「ギャップ」という)経過することにより、先行しているデータ転送が終了して、バスが空き状態にあることを認識することができ、各ノードは自己のデータ転送を開始可能と判断することができる。したがって、ステップS41では転送モードにより予め定められている所定のギャップが得られたか否かを判断し、所定のギャップが得られない場合にはバスは空き状態にはないと判断し、所定のギャップが得られるのを待機する。そして、所定のギャップが得られた判断された場合はステップS42に進み、転送すべきデータが有るか否かを判断し、転送すべきデータが無い場合はメインルーチン(図6)に戻る一方、転送すべきデータがあると判断された場合はステップS43に進み、転送するためにバスを確保すべくバス使用権の要求をルートノードに発行する。
【0081】
図11は、第1のノード1a及び第4のノード1dがルートノードである第2のノード1bにバス使用権の要求を発行している様子を示している。
【0082】
すなわち、バス使用権の要求信号は、各ノードの子ポートcから親ポートpに向けて伝達され、ネットワーク内のノードを中継しながら、最終的にルートノードに伝達される。例えば、この図11に示すように、第4のノード1dがバス使用権の要求を発行した場合は、前記要求信号は第4のノード1dの子ポートcから第3のノード1cの親ポートpに伝達され、さらに該第3のノードの子ポートcから第2のノード1b(ルートノード)の親ポートpに伝達される。
【0083】
次いで、ステップS44でルートノードがバス使用権の要求信号を受信するとステップS45に進み、バス使用権の要求を発行したノード数が1個のみか否かを判断し、1個のみの場合はバス使用権が競合しないため調停の必要がなく、従って直ちにステップS48に進む。
【0084】
一方、バス使用権の要求を発行したノード数が、図11のように2個以上有る場合はステップS46に進み、ルートノードは使用許可を与えるノードを1つに決定すべく調停作業を行う。この調停作業は公平性を期すために同一ノードに毎回許可を付与するようなことはなく、平等に権利を与えていくような調停作業が行われるようになっている。
【0085】
次いで、ステップS47では使用権の要求を発したノードにバス使用権の許可が与えられたか否かを判断し、許可が与えられたノードに対しては転送許可信号(grant) が送信され(ステップS48)、許可されなかったノードに対しては転送待機信号(data prefix )が送信され(ステップS49)、メインルーチン(図6)に戻る。
【0086】
図12はバス使用権を要求したノードのうち、第1のノード1aに転送許可信号を送信し、第4のノード1dに転送待機信号を送信した場合を示している。
【0087】
そして、転送待機信号を受信した第4のノード1dは、ステップS41に戻り、ルートノードからの転送許可信号を受信するまで待機状態とされる。
【0088】
一方、転送許可信号を受信した第3のノード1cは、図6のステップS5でデータ(パケット)の転送を開始し、データ転送が終了すると、全体の処理を終了する。
【0089】
また、1394システムバスでは、データ転送速度として、100Mbps 、200Mbps 、及び400Mbps の3種類のデータ転送速度を有しており、上位の転送速度を有するデジタル機器(ノード)が下位の転送速度を有するデジタル機器をサポートし、互換可能な構成とされている。
【0090】
さらに、データ転送モードとしては、コントロール信号などの非同期データを転送するアシンクロナス転送モードとリアルタイムなビデオデータやオーディオデータ等の同期データを転送するアイソクロナス転送モードとを有している。
【0091】
アシンクロナス転送データ及びアイソクロナス転送データは、アイソクロナスサイクルTと呼称される一定時間(通常は125μsec )毎に、サブアクションと呼称される配信手続にしたがって各サイクルの開始を示すサイクル・スタート・パケット(CSP)を送信し、アイソクロナスデータの転送を優先しつつサイクル内を混在してパケット転送される。
【0092】
図13はアシンクロナス転送モードにおけるサブアクションの時間的な遷移状態を示している。
【0093】
サブアクション・ギャップ15は、バスのアイドル状態を示し、最初にバスを所定期間アイドル状態にする。このアイドル状態が所定期間になった時点で、転送を希望するノードはバスが使用できると判断し、アービトレーション16でバス獲得のためのアービトレーション処理を実行する。
【0094】
アービトレーション16でバスの使用許可を得ると、次にパケット17でパケット形式によるデータ転送が実行される。そして、データ転送後、承認ギャップ(ack gap )18と呼称される短いギャップが経過した後、承認パケット(ack )19で受信したノードは転送されたデータに対し受信確認用返送コードを返送して応答するか、又は応答パケットを返送して転送処理を完了する。尚、承認パケット(ack )19は、4ビットの情報と4ビットのチェックサムからなり、成功の可否情報、ビジー情報、ペンディング情報等を含み、データパケットを受信したノードは受信確認用返送コードを直ちに送信元ノードに返送する。
【0095】
図14はアシンクロナス転送モードにおけるパケット17の一例を示すフォーマットであって、該パケット17は、ヘッダ部20とデータ部21とを有し、ヘッダ部20は受信側ノードのIDが書き込まれている受信側ノードID部22及び送信側ノードのIDが書き込まれる送信側ノードID部23の他、トランザクションラベル部(tl)24、リトライコード部(rt)25、パケットの種別コード(read/write/lock )を示すトランザクションコード部(tコード)26、プライオリティ部27、パケットに特有の情報が書き込まれた特有情報格納部28、パケットデータの容量が書き込まれるデータ長部29、tコードの内、lockの種別コードを書き込むエクステンディッド・tコード部30、及びヘッダ情報の誤り訂正用データが格納されるヘッダCRC部31を有している。
【0096】
また、データ部21は、ユーザが実際に必要とする実データを格納したデータ情報部32とデータ情報の誤り訂正用データが格納されるデータCRC部33とを有している。
【0097】
そして、このアシンクロナス転送モードでは、送信側ノードから指定した受信側ノードにヘッダ情報及び実データを送信する。すなわち、送信側ノードからは、ネットワーク上をブロードキャストで各ノードにパケットが転送されるが、指定先の受信側ノード以外は無視され、これによりパケット17の受信側ノードID部22に書き込まれたIDに一致するノードのみがパケットデータを読み込むことになる。
【0098】
一方、アイソクロナス転送モードは、特にビデオデータや音声データ等のマルチメディアデータなど、リアルタイムな転送を必要とするデータ転送を行うときに好適した転送モードである。
【0099】
すなわち、上述したアシンクロナス転送モードが受信側ノードと送信側ノードとを1対1に対応させてデータ転送を行っているのに対し、このアイソクロナス転送モードはブロードキャスト機能により、1つの送信側ノードからネットワーク上の全てノードにデータ転送する。
【0100】
図15はアイソクロナス転送における時間的な遷移状態を示す図であって、該アイソクロナス転送では,1サイクル内において複数種のパケット(本例では第1〜第3のチャネル35〜37)に対して各々チャネルIDが付与され、チャネル同士が区別されて転送することが可能となり、これにより、同時に複数ノード間でのリアルタイムな転送を行うことができ、また受信ノードは自己が要求しているチャネルIDのデータのみを取り込むことができる。
【0101】
具体的には、アイソクロナス転送は、1394シリアルバス上に1台存在するサイクルマスタと呼称されるノードが、一定時間(通常は125μsec )毎にサイクル・スタート・パケット38を送信することによりデータ転送が開始する。
【0102】
すなわち、該アイソクロナス転送では、前回サイクルにおけるデータ転送処理が終了した後、所定のアイドル期間(サブアクションギャップ15)が経過すると今回のデータ転送開始を示すサイクル・スタート・パケット38を送信する。そして、アイソクロナスギャップ40(以下、「アイソギャップ」という)と呼称されるアイドル期間が経過した後、第1のチャネル35を転送し、次いでアイソギャップ40が経過した後、第2のチャネル36を転送し、さらにアイソギャップ40が経過した後、第3のチャネル36を転送し、サブアクションギャップ15が経過すると、再びサイクル・スタート・パケット38が転送されて次サイクルのデータ転送が開始する。
【0103】
すなわち、第1〜第3のチャネル35〜37は夫々アービトレーション部35a〜37aとデータパケット部35b〜37bとを有すると共に、アイソギャップ40(アイドル期間)を利用して転送前にバスが空き状態であることを認識する。そして、該アイドル期間が経過すると、アイソクロナス転送を行いたいノードはバスが空いていると判断し、転送前のアービトレーションを行う。
【0104】
また、第1〜第3のチャネル35〜37が有するチャネルIDは送信先アドレスを示すものではなく、データに対する論理的な番号を与えるものであり、したがって、例えば、第1のチャネル35のデータパケット35bは1つの送信元ノードからネットワーク上の他の全てのノードにブロードキャストで転送される。
【0105】
尚、アシンクロナス転送と同様、上述したようにアイソクロナス転送のパケット送信に先立って、アービトレーション部35a〜37aでアービトレーションが行われるが、アシンクロナス転送のように1対1の通信ではないので、アイソクロナス転送にはack (受信確認用返信コード)は存在しない。
【0106】
図16はアイソクロナス転送のパケット構造を示すフォーマットであって、パケットトヘッダ41とデータブロック42とからなる。
【0107】
パケットヘッダ41の内、データ長43にはデータ・フィールドのバイト長が書き込まれ、タグ44にはアイソクロナスパケットのフォーマットが書き込まれ、チャネル45にはパケットの識別に使うチャネル番号が書き込まれる。また、tコード46にはパケットの識別を示すコード情報が書き込まれ、sy(synchronization code)47には受信ノードと送信ノードとの間で映像情報や音声情報等の同期情報を授受するためのコード情報が書き込まれ、さらに、ヘッダCRC48にはヘッダの誤り訂正用のデータが書き込まれる。
【0108】
また、データブロック42の内、データ・フィールド49にはアイソクロナスデータが書き込まれ、データCRC50にはアイソクロナスデータの誤り訂正用のデータが書き込まれる。
【0109】
しかして、1394シリアルバス上では、上述したように、アイソクロナス転送とアシンクロナス転送とは両者が混在した状態で実行され、またアイソクロナス転送はアシンクロナス転送より優先して転送される。
【0110】
すなわち、図17に示すように、サイクル・スタート・パケット38の転送後、アイソクロナス転送を起動するために必要なアイドル期間のギャップ長、すなわちアイソギャップ40でアイソクロナス転送を起動し、これにより、アイソクロナス転送はアシンクロナス転送より優先して実行される。
【0111】
具体的には、アイソクロナスサイクルTの開始時にサイクル・スタート・パケット38がサイクル・マスタ・ノードから各ノードに転送される。これによって、各ノードで時刻調整を行い、所定のアイドル期間(アイソギャップ40)を待ってからアイソクロナス転送を行うべきノードはアービトレーションを行い、第1〜第3のチャネル35〜37のデータパケットが順次アイソクロナス転送される。
【0112】
このようにしてアイソクロナス転送が終了した後、アシンクロナス転送が行われる。すなわち、アイドル期間がアシンクロナス転送の可能なサブアクションギャップ15になると、アシンクロナス転送を行いたいノードはアービトレーションの実行に移れると判断する。ただし、アシンクロナス転送が行える期間は、アイソクロナス転送終了後から、次のサイクル・スタート・パケット38を転送すべき時間までの間にアシンクロナス転送を起動するためのサブアクションギャップ15が得られた場合に限っている。
【0113】
したがって、本例では3つのチャネル分(第1〜第3のチャネル35〜37)のアイソクロナス転送を行い、その後アシンクロナス転送(アービトレーションを含む)で第1及び第2のパケット51、52(各々承認パケットを含む)を転送し、第2のパケット52が転送された後は、アシンクロナス転送を起動するためのサブアクションギャップ15を得ることができないため、アイソクロナスサイクルTが終了し、これにより今回サイクルでのアシンクロナス転送は終了する。
【0114】
尚、非同期または同期転送動作中に次のサイクル・スタート・パケット38を送信すべき時間に至った場合は、無理に中断せず、その転送が終了した後のアイドル期間を待ってから次サイクルのサイクル・ スタート・ パケット38を送信する。すなわち、1サイクルが125μsec を超過して続いたときは、次サイクルは超過時間だけ125μsec から短縮され、したがってアイソクロナスサイクルTは125μsec を基準に可変させることができる。
【0115】
また、アイソクロナス転送はリアルタイム転送を維持するために毎サイクル必要であれば必ず実行され、これによりサイクル時間が短縮された場合は、アシンクロナス転送は次回以降のサイクルで実行される。
【0116】
以上、デジタルI/Fとしての1394シリアルバスの概要について説明した。
【0117】
しかして、本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、上記1394シリアルバスを使用してシステムの構築がなされており、以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0118】
図18は本発明に係る情報処理システムの一実施の形態を示すシステム構成図であって、該情報処理システムは、パソコン61、2台のプリンタ(第1及び第2のプリンタ62a、62b)、及び動画や静止画を記録再生するデジタルカメラやカメラ一体型デジタルVTR等の記録再生装置63が1394バスケーブル64を介して接続され、該記録再生装置63から出力される映像データは、第1のプリンタ62aに直接転送することにより、ダイレクトプリントが可能とされている。
【0119】
図19は上記情報処理システムの詳細を示すブロック構成図である。
【0120】
記録再生装置63は、外部からの映像データを入力する撮像系73と、入力された映像データをデジタル化するA/Dコンバータ74と、該デジタル化された映像データに所定の信号処理を施す映像信号処理回路75と、デジタル化された映像データをアナログ化するD/Aコンバータ76と、D/Aコンバータ76でアナログ化された映像データを表示する電子ビューファインダ(EVF)77と、所定のアルゴリズムで記録時にデータ圧縮処理を行い再生時にデータ伸張処理を行う圧縮/伸張回路78と、磁気テープや固体メモリ、記録再生ヘッド等を有する記録再生系79と、非圧縮で転送された映像データを記憶する第1のフレームメモリ80と、該第1のフレームメモリ80の読出処理等を制御する第1のメモリ制御部81、圧縮されて転送された映像データを記憶する第2のフレームメモリ82と、該第2のフレームメモリ82の読出処理等を制御する第2のメモリ制御部83と、第1のフレームメモリ80に記憶された非圧縮映像データと第2のフレームメモリ82に記憶された圧縮映像データとの出力切替を行うデータセレクタ84と、上述した1394シリアルバス85と、ユーザによる転送設定などの指示入力を行う操作部86と、上記各構成要素に接続されると共にCPUやROM、RAM等を内蔵して装置全体の制御を行うシステムコントローラ87とを備えている。
【0121】
このように構成された記録再生装置63は、以下のように動作する。
【0122】
すなわち、記録時においては、撮像系73で撮影された映像データは、A/Dコンバータ74でデジタル化された後、映像信号処理回路75で映像処理される。そして、映像信号処理回路75は、2つの出力ポートを有しており、一方の出力ポートからの出力信号は、D/Aコンバータ76でアナログ信号に変換され、撮影中の映像データがEVF77に表示される。また、他方の出力ポートからの出力信号は、圧縮/伸張回路78で所定のアルゴリズムで圧縮処理され、記録再生系79で記録媒体に記録される。
【0123】
尚、圧縮処理としては、デジタルカメラでは代表的なものとしてJPEG方式、家庭用デジタルVTRでは帯域圧縮方法としてのDCT(離散コサイン変換)及びVLC(可変長符号化)に基づいた圧縮方式があり、またその他の圧縮処理としてはMPEG方式等があり、用途に応じて所望の圧縮方式を使用することができる。
【0124】
一方、再生時においては、所望の映像選択が操作部86から入力された指示入力に基づいて選択され、システムコントローラ87の制御下、記録再生系79の記録媒体から所望の映像が再生される。そして、記録媒体から再生された映像データのうち、圧縮状態のまま転送される圧縮映像データは第2のフレームメモリ82に出力され、非圧縮で転送される非圧縮映像データは圧縮/伸張回路78で伸張処理が施された後、第1のフレームメモリ82に出力される。また、再生した映像データをEVF77で表示するときは、圧縮/伸張回路78で伸張処理を施し、D/Aコンバータ76でアナログ信号に変化した後、EVF77に出力して表示する。
【0125】
また、第1及び第2のフレームメモリ80、82は、システムコントローラ87の制御下、第1及び第2のメモリ制御部81、83により書込処理/読出処理が制御され、読み出された映像データはデータセレクタ84に供給される。尚、このとき、第1及び第2のフレームメモリ80、82の出力は、同時間ではいずれか一方の映像データがデータセレクタ84に出力されるように制御される。
【0126】
また、システムコントローラ87は、記録再生装置63内の各部の動作を制御すると共に、データセレクタ84から1394シリアルバス85を介して第1のプリンタ62aやパソコン61に対し、制御コマンドを出力することができる。また、第1のプリンタ62a又はパソコン61から転送されてきた各種コマンドデータは、データセレクタ84からシステムコントローラ87に入力され、記録再生装置63の各部が制御される。
【0127】
第1のプリンタ62a又はパソコン61から転送されてくる制御コマンドのうち、デコーダの有無やデコーダの種類を示す制御コマンドは、要求コマンドとしてシステムコントローラ87に入力された後、記録再生装置63から映像データを転送する際、圧縮映像データ又は非圧縮映像データのうちのいずれの映像データを転送するかを判断するときに使用される。そして、システムコントローラ87は、第1のプリンタ62a又はパソコン61のデコーダ情報に基づいていずれのデータ(圧縮映像データ又は非圧縮映像データ)を転送するかを判断し、その判断結果は第1及び第2のメモリ制御部81、83に伝達される。そして、これにより第1及び第2のフレームメモリ80、82から一方の映像データが読み出されて転送される。すなわち、記録再生装置63での映像データの圧縮方式がデコード可能であると判断されたときは第2のフレームメモリ80に記憶されている圧縮映像データが転送され、デコード不能と判断されたときは第1のフレームメモリ82に記憶されている非圧縮映像データが転送される。
【0128】
データセレクタ84に入力された映像データ及びコマンドデータは、1394バスケーブル64上をデータ転送され、印刷用の映像データは第1のプリンタ62aが受信し、パソコン61に取り込むべき映像データはパソコン61が受信する。コマンドデータも第1のプリンタ62a又はパソコン61に適宜受信される。各データの転送方式については、主に動画データ、静止画データ、音声データはアイソクロナスデータとしてアイソクロナス転送方式で転送され、コマンドデータはアシンクロナスデータとしてアシンクロナス転送方式で転送される。尚、通常は、アイソクロナス転送方式で転送されるデータであっても、転送状況等によりアシンクロナス転送方式でデータ転送した方が好ましいときはアシンクロナス転送でデータ転送することができる。
【0129】
また、第1及び第2のプリンタ62a、62bは共に同一の構成を有し、1394シリアルバス88a、88bと、データセレクタ89a、89bと、所定のアルゴリズムで圧縮された映像データを復号化する復号化回路90a、90bと、復号化された映像データに対し所定の画像処理を施す画像処理回路91a、91bと、該画像処理回路91a、91bで画像処理された画像データを記憶する画像メモリ92a、92bと、プリンタヘッド93a、93bと、該プリンタヘッド93a、93bへの記録用紙の給紙等を制御するプリンタドライバ94a、94bと、コピー枚数等印刷処理に必要なデータを入力するプリンタ操作部95a、95bと、上記各構成要素に接続されて装置全体を制御するプリンタコントローラ96a、96bとを備えている。
【0130】
このように構成されたプリンタ62(第1及び第2のプリンタ62a、62b)は以下のように動作する。
【0131】
すなわち、1394シリアルバス88に入力されたデータはデータセレクタ89で各データの種類毎に分類され、入力された映像データ等プリントすべきデータは、復号化回路90に転送される。コマンドデータの場合はプリンタコントローラ96に制御コマンドとして伝達され、プリンタコントローラ96により各部の制御がなされる。
【0132】
プリンタコントローラ96は、プリンタ62の有する印刷機能情報(印刷方式、記述言語、カラー印刷、用紙サイズ、解像度、印字スピード、両面印刷等)や復号化回路の具備するデコーダの種類、又は復号化回路の有無情報を出力し、パソコン61又は記録再生装置63にコマンドデータを転送することができる。
【0133】
尚、記録再生装置63から転送された映像データは予めプリンタ62で処理可能であることが確認済みとされている。つまり、プリンタ62からパソコン61及び記録再生装置63には上記印刷機能情報やデコーダの有無又は種類、圧縮/非圧縮等の情報が予め送られており、したがって、このような各種情報に応じて最適な印刷制御、転送が行えるという判断の下に映像データが転送されてくるので、プリンタ62の復号化回路90では圧縮データを所定の伸張方式でもって伸張することができる。すなわち、転送されてきた映像データが圧縮データの場合は、復号化回路90で伸張された後、画像処理回路91に入力される。転送されてきた映像データが非圧縮データの場合は、復号化回路90が設けられていないか、又は復号化回路90が記録再生装置63の圧縮方式に対応していないため、データセレクタ89からの出力信号は、直接画像処理回路91に入力される。また、映像データ以外の印刷用データが入力された場合であってデータの伸張を行う必要のないときも、データセレクタ89からの出力信号は、直接画像処理回路91に入力される。
【0134】
画像処理回路91に入力された印刷用データは、印刷に適した画像処理が施された後、プリンタコントローラ96の制御下、画像メモリ92に記憶され、該画像メモリ92から読み出された画像データはプリンタヘッド93に送られ印刷処理される。
【0135】
尚、プリンタヘッド93の駆動や給紙処理等はプリンタドライバ94が行い、またプリンタドライバ94やプリンタヘッド93の動作制御、及びその他各部の制御はプリンタコントローラ96によって行われる。プリンタ操作部95は給送、リセット、インクチェック、プリンタ動作のスタンバイ/開始/停止、用紙サイズの変更指示等の動作を指示入力するためのものであり、その指示入力に応じてプリンタコントローラ26によって各部の制御がされる。
【0136】
また、複数の用紙トレイをプリンタ62に設け、用紙サイズ異なる複数種の記録用紙が給紙可能とするようにしてもよい。
【0137】
尚、復号化回路90の復号化方式としてはJPEG方式が好ましい。すなわち、JPEG方式はソフトウェア的に可能であるので、復号化回路90では、該復号化回路90内のROMにJPEG復号化プログラムファイルを記憶させておいたり、或いは復号化プログラムを他のノードから転送させて使用することによりソフト的に処理することができる。
【0138】
このように記録再生装置63からJPEG方式で圧縮された画像データをプリンタに転送し、プリンタ内で復号化処理する場合は、非圧縮データに変換してから転送するより転送効率が良く、また、ソフトウェアでのデコード処理を用いることで、プリンタ自体にデコーダを設けることにもコスト的にも支障はなく都合が良い。また、復号化回路90ではハード的な復号化として、JPEGデコード回路(ボード)を設けることもできる。
【0139】
そして、映像データを記録再生装置63からパソコン61を介して第2のプリンタ62bに転送し、プリント処理を行うことができる一方で、映像データをパソコン61を経由しないで記録再生装置63から第1のプリンタ62aに転送し、プリント処理を行ったり、或いは映像データをカラー階調や解像度等のプリンタ情報に基づいてパソコン61で再編集した後、記録再生装置63から第1のプリンタ62aに転送し、プリント処理を行うことにより、所謂ダイレクトプリントを実行することができる。
【0140】
また、パソコン61内で予め第1のプリンタ62aの復号化回路90aが具備するデコーダ方式で圧縮し、該圧縮された画像データを記録再生装置63から第1のプリンタ62aに転送することにより、第1のプリンタ62a内では記述言語及び復号化プログラムに対応した特別な処理を要することなくダイレクトプリントを可能とすることもできる(以下、このようなプリンタを「ホストベースドプリンタ」という)。
【0141】
そして、パソコン61は、入力操作を行うキーボードやマウス等を備えた操作部65と、上述した1394シリアルバス66と、所定のアルゴリズムで圧縮された映像データを復号化する復号化回路67と、映像データ等を表示するD/Aコンバータを内蔵したディスプレイ68と、所定の演算プログラムや入力された各種メディア情報が格納されハードディスクドライブ(以下、「HDD」という)69と、所定の演算プログラム等が格納されたROMや演算結果を一時的に記憶したりワークエリアとして使用されるRAMを備えたメモリ部70と、PCI(Peripheral Component Interconnect )バス71を介して上記各構成要素と接続され装置全体を制御するMPU72とを備えている。
【0142】
そして、パソコン61の復号化回路67としては、MPEG方式等のデコーダをボードとしてスロットに差し込んだものや、ハード的に本体に組み込まれたもの、又はMPEG方式やJPEG方式、プリンタ62の復号化回路90におけるプリンタデコーダ方式、その他のソフトデコーダをROM等によって所有することができ、これらデコーダの種類や有無を情報としてコマンドを記録再生装置63に転送することができる。
【0143】
このように構成されたパソコン61においては、記録再生装置63から1394シリアルバス66に転送されてきた映像データ及び各種コマンドデータは、PCIバス71をデータ相互伝送のバスとして各部に転送される。
【0144】
そして、パソコン61では、操作部65からの指示入力と、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションに従い、メモリ部70をワークエリアとしてMPU72によって処理がなされ、また転送されてきた映像データはHDD69に格納される。
【0145】
尚、記録再生装置63から転送されてきた映像データは、予めパソコン61で処理可能であることは確認済みとされている。すなわち、記録再生装置63、第1のプリンタ62aには読込情報(モノクロ/カラー指定、解像度及び階調等)、デコーダの有無やデコーダの種類、圧縮/非圧縮等の情報が送られており、このような各種情報に応じて最適な印刷制御、転送が行えるという判断に基づき映像データが転送されてくるので、パソコン61の復号化回路67では圧縮データを所定の伸張方式でもってデータ伸張することができる。
【0146】
映像データをディスプレイ68で表示するときは、圧縮映像データの場合は復号化回路67で復号化された後に、ディスプレイ68に入力され、また非圧縮映像データの場合は直接ディスプレイ68に入力され、該ディスプレイ68内でD/A変換された後、可視表示される。
【0147】
このようにして転送されてきた映像データはパソコン61内に取り込まれ、記録・編集され、該パソコン61から第2のプリンタ62bに転送可能とされ、また転送先となる第1のプリンタ62aが上述したホストベースドプリンタの場合は、記録再生装置63のデコード方式でパソコン61が一旦映像データを取り込み、第1のプリンタ62aのデコード方式に編集し直してから記録再生装置62を介して第1のプリンタ62aに転送処理することもできる。
【0148】
次に、記録再生装置63から映像データを転送する場合の転送手順を具体的に説明する。
【0149】
図20は記録再生装置63から映像データを転送する場合の転送手順を示すフローチャートであって、本フローチャートでは、記録再生装置63から第1のプリンタ62aやパソコン61に映像データを転送する前に、転送先である第1のプリンタ62a又はパソコン61からデコーダ情報を記録再生装置63にコマンド転送し、記録再生装置63は転送先でデコードできるときは圧縮したままの映像データを転送し、デコードできないときは非圧縮データにした後の映像データを転送するように構成されている。尚、本プログラムは記録再生装置63のシステムコントローラ87で実行される。
【0150】
まず、ステップS51では転送先の機器(例えば、第1のプリンタ62a)を指定し、転送設定を行う。すなわち、ユーザが操作部86を操作して転送設定を行い、設定されたデータはシステムコントローラ87の内蔵RAMに記憶される。
【0151】
次に、ステップS52に進み、1394バスケーブル64を介して記録再生装置63から転送先機器に転送コマンドを送信する。
【0152】
次に、ステップS53に進み、デコーダ情報を受信したか否かを判断する。すなわち、転送先機器は記録再生装置63からの転送コマンドを受信すると該転送先機器からはコマンドデータが記録再生装置63に転送される。そして、ステップS53ではシステムコントローラ87が前記コマンドデータの中にデコーダ情報を含んでいるか否かを判断する。そして、デコーダ情報が含まれている場合は、ステップS54に進み、受信したデコーダ情報から判別されたデコーダの種類が、記録再生装置63の圧縮/伸張回路78で使用される映像データの圧縮方式に対応したデコーダであるか否かを判断する。
【0153】
そしてその答が肯定(Yes)の場合は転送先機器内でのデコードが可能であるため、ステップS55でデコーダ「有り」の設定を行った後、ステップS57に進む。すなわち、映像データの転送実行時に第2のフレームメモリ82からの出力転送が可能となるように制御し、これにより圧縮映像データの1394シリアルバス85からの送出を可能とする。
【0154】
一方、ステップS53又はステップS54の答が否定(No)のとき、すなわち、デコーダ情報を受信しなかったとき、又はデコーダ情報を受信したものの該デコーダ情報が転送先機器にはデコーダが存在しない旨の情報であるとき、或いは転送先機器にデコーダが存在するが当該デコーダの種類が本記録再生装置63の圧縮方式に対応できないときは、ステップS56でデコーダ「無し」の設定を行った後、ステップS57に進む。すなわち、映像データの転送実行時に第1のフレームメモリ80からの出力転送が可能となるように制御し、これにより圧縮映像データの1394シリアルバス85からの送出を可能とする。
【0155】
このようにして転送先機器に応じた映像データ転送時の出力形式の設定を行った後、ステップS57で、ユーザは転送先機器に転送したい映像データを記録再生系79の記録媒体に記録されている映像データから選択し、該映像データを読み出し、続くステップS58ではユーザは操作部86を操作して映像データの転送指令を行う。
【0156】
そして、続くステップS59ではデコーダ「有」に設定されているか否かを判断し、ステップS55でデコーダ「有」に設定されている場合は対応可能なデコーダがあると判断してステップS60に進み、記録媒体から再生した圧縮映像データを第2のフレームメモリ82を介して転送し、ステップS62に進む。
【0157】
一方、ステップS56でデコーダ「無」に設定されている場合はステップS61に進み、圧縮/伸張回路78で伸張された非圧縮データを第1のフレームメモリ80を介して転送し、ステップS62に進む。すなわち、映像データは1394シリアルバス85からアイソクロナス(又はアシンクロナス)転送方式でパケット転送される。
【0158】
そして、ステップS62で、映像データの転送終了を確認した後、続くステップS63では、他の映像データの転送を行うか否かを判断し、その答が肯定(Yes)のときはステップS57に戻って上述の処理を繰り返す一方、その答が否定(No)の場合はステップS64に進み、転送先機器を変更して映像データの転送を続行するか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合はステップS51に戻って上述の処理を繰り返す一方、その答が否定(No)の場合は転送処理を終了する。
【0159】
このようにデコーダ情報は、圧縮して記録した映像データの転送を行う際、圧縮データ転送を行うか、又は非圧縮データ転送を行うかの判断材料となるものであり、しかも転送先機器側からは圧縮データ転送を希望するか、又は非圧縮データ転送を希望するかの要求データとしての役割をも有するものであり、このようにしてデコーダ情報に基づいて記録再生装置63から転送先機器に所望形式で映像データが転送される。
【0160】
尚、予め転送元である記録再生装置63の使用している圧縮方式が転送先機器、例えばパソコン61に事前に通知されている場合、パソコン61側で記録再生装置63から送られる映像データの処理を可能とすることにより、ステップS52におけるパソコン61からのコマンドデータの返送時にパソコン61内のデコーダ情報でなく、映像データ転送に対する命令、すなわち圧縮データ又は非圧縮データの転送指令とする要求コマンドを記録再生装置63に返送するようにしてもよい。
【0161】
また、図20のフローチャートでは、記録媒体に記録されている映像データを使用しているが、記録した映像データに限らず、撮像系73に入力された映像データについても同様に適用することができる。
【0162】
図21及び図22は、本発明に係る情報処理方法としての映像データの処理手順の一実施の形態(第1の実施の形態)を示すフローチャートであって、本第1の実施の形態では映像データの画像情報及びプリンタの機能情報に基づいてプリンタを選択し、またパソコン61に画像データを取り込み、編集モードが設定されている場合はパソコン61で編集した後、転送先プリンタに転送している。
【0163】
ステップS81ではユーザは1394バスケーブル64に接続されているプリンタを指定し、続くステップS82では、前記指定されたプリンタに対し、当該プリンタの有する各種プリンタ情報(カラー印刷情報、記述言語、用紙サイズ、解像度、プリンタステータス情報、デコーダの有無および種類等)を転送するように転送要求コマンドを送信する。
【0164】
そして、ステップS83ではプリンタからのプリンタ情報がパソコン61に転送され、前記各種プリンタ情報がパソコン61のメモリ部70に格納される。次いで、ステップS84では1394バスケーブル64に接続されている他のプリンタがあるか否かを判断し、その答が肯定(Yes)の場合はステップS81に戻ってステップS82、ステップS83の処理を繰り返す。
【0165】
このようにして上記各種プリンタ情報は、各プリンタ毎に区分されてメモリ部70に格納される。
【0166】
次に、ステップS85では、ユーザはパソコン61のメモリ部70に記憶されている映像データの中から転送先プリンタに転送したい映像データを選択し、読み出す。次いで、ステップS86ではパソコン61で既に取り込んだ映像データの画像情報とメモリ部70に格納されているプリンタ情報とを比較し、出力先候補となる少なくとも1つ以上のプリンタを選択する。
【0167】
すなわち、映像データの画像情報(カラー情報、記述言語、データの大きさ、解像度、圧縮方法)とプリンタ情報(印刷可能なカラー情報、プリンタがサポートしている記述言語、用紙サイズ、プリンタがサポートしている解像度、プリンタがサポートしているデコーダ)とが各々一致しているか否かを判断し、一致していれば各要素に対して設定されている設定値を加算する。そして、これら各設定値の総計の数値が大きい順に少なくとも一つ以上のプリンタが転送先プリンタ(本実施の形態では第1のプリンタ62a)として選択される。尚、この場合、総計の数値が同一値の場合は予め設定されている優先順位にしたがって選択され、本実施の形態では優先順位は現在選択されているプリンタが最優先とされている。
【0168】
図23は映像データの画像情報とプリンタ情報との対比テーブルであって、メモリ70に格納されている。本実施の形態では、設定値が、カラー情報は「1」、記述言語は「3」、映像データの大きさ・用紙サイズは「5」、解像度は「2」、圧縮方法・デコーダが「2」に設定されている。
【0169】
尚、映像データの画像情報やプリンタ情報の項目、及び設定値は、図23に示した対比テーブルに限定されるものではなく、例えば印刷速度を優先させる場合は、画像情報とプリンタ情報とが一致しない場合に変換時間に関する項目の設定値を大きくしたり、或いは画質を優先させたい場合は、映像データとプリンタのサポートする解像度が一致するか、画質に最も影響を与える項目の設定値を大きくすることもできる。また、画像情報とプリンタ情報に共通した情報だけではなく、プリンタの印刷速度が速ければ設定値を大きくする等、プリンタのステータスを機能の高さに応じた設定値とし、斯かる機能に応じた設定値を加算していくことにより、最適な転送先プリンタを選択するようにしてもよい。
【0170】
また、ユーザの選択によって設定値の組み合わせを複数の中から選択できるようにすることもできる。例えば、「印刷速度優先」「画質優先」などの設定はパソコン61の設定画面からユーザが入力してその入力結果をメモリ部70に記憶するのも好ましく、これによりユーザが「印刷速度優先」に設定していた場合は印刷速度優先として設定された値の組み合わせを選択し、「画質優先」に設定していた場合は画質優先として設定された値の組み合わせを選択することができる。
【0171】
このように各プリンタの有する機能情報を記憶し、映像データの画像情報とプリンタのプリンタ情報とを比較し、一致した場合の設定値を加算することにより、出力先候補となる所望のプリンタを迅速に選択することができる。
【0172】
そして、ステップS87〜ステップS101では、所定の編集モードに応じた処理を行う。
【0173】
すなわち、本実施の形態では、編集の種類として、用紙サイズに基づく編集、カラー印刷情報に基づく編集、及び解像度情報に基づく編集の3種類が用意されており、これら用紙サイズ、カラー印刷情報、及び解像度情報について映像データの画像情報を適宜編集する。そして、編集モードとしては、図24に示すように、映像データを転送先である第1のプリンタ62aに直接転送する場合、すなわち映像データを編集しない場合は「0」に設定され、第1のプリンタ62aのプリンタ機能情報に基いて不一致項目を自動編集する場合(自動編集モード)は「1」に設定され、ユーザに夫々の不一致項目の変更ガイダンスを表示した後、表示した不一致項目の設定画面と変更ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示に基づいて編集を促して手動編集する場合(手動編集モード)は「2」に設定される。
【0174】
そして、ステップS87では編集モードが「0」か否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合は、映像データの編集を行うことなく第1のプリンタ62aに該映像データを送信する場合であり、図22のステップS103に進む。
【0175】
一方、ステップS87の答が否定(No)の場合はステップS88に進み、パソコン61で受信したプリンタ情報に含まれる用紙サイズ情報と映像データの印刷可能な用紙サイズとが一致し、しかも編集モードが「1」に設定されて自動編集モードとされているか否かを判断する。そしてその答が肯定(Yes)の場合には用紙サイズ編集は不要と判断してステップS95に進む。
【0176】
一方、受信したプリンタ情報に用紙サイズ情報が含まれていなかった場合や、用紙サイズ不一致の場合はステップS88の答は否定(No)となってステップS89に進む。
【0177】
ステップS89では第1のプリンタ62aに装着されている記録用紙の用紙サイズと映像データの用紙サイズとが不一致であって、しかも給紙要求がなされているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合、すなわち、用紙サイズが不一致でしかも所望の記録用紙が第1のプリンタ62aに装着されていない場合はステップS90に進み、第1のプリンタ62aに対して用紙サイズの変更又は記録用紙の給紙を促す要求コマンドを1394バス64を介して転送する。すなわち、第1のプリンタ62aの用紙カセットや用紙トレイに装着されている用紙サイズとは異なる記録用紙に映像データを印刷する場合であり、用紙サイズの変更を促すべく「用紙をA4に変更して下さい。」等メッセージ情報をパソコン61のディスプレイ65に表示する。
【0178】
そして、ステップS91では所望の用紙サイズの記録用紙が給紙されるまで待機し、その後記録用紙が給紙されるとステップS91の答が肯定(Yes)となり、ステップS94で用紙サイズ情報に基づく手動編集を行い、ステップS95に進む。すなわち、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データのファイル拡張子等により、関連するアプリケーションを起動し、パソコン61の内蔵スピーカ等を介して例えば給紙された用紙サイズの確認を促す音声ガイダンスを出力した後、ユーザに用紙サイズ選択リストを表示し、表示された用紙サイズ選択リストから最適な用紙サイズを選択させたりまたは、給紙された用紙サイズに収まるよう拡大または縮小及び回転処理等を指示する設定画面の表示、データサイズ変更ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことにより手動編集処理(拡大または縮小及び回転処理等)を行う。
【0179】
一方、ステップS89の答が否定(No)の場合は、ステップS92に進み、編集モードが「1」(自動編集モード)に設定されているか否かを判断する。すなわち、第1のプリンタ62aに記録用紙が装着されているため給紙要求はないが、用紙サイズが不一致と判断された場合は用紙サイズに基づく編集処理を行う必要があり、ステップS92では編集モードの判別を行う。
【0180】
そして、ステップS92の答が肯定(Yes)となって自動編集モードに設定されていると判断された場合は、ステップS93に進み、自動編集処理を行う。すなわち、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、転送先である第1のプリンタ62aの用紙サイズ情報に基いて映像データが所望の用紙サイズに収まるように自動編集処理(拡大または縮小及び回転処理等)を行う。
一方、ステップS92の答が否定(No)となって手動編集モードに設定されていると判断された場合は、ステップS94に進み、映像データの大きさの変更を促す音声ガイダンスを出力した後、ユーザに用紙サイズ選択リストから最適な用紙サイズを選択するか、また選択した用紙サイズに収まるよう拡大または縮小及び回転処理等を指示する設定画面、データサイズ変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことにより上述と同様、用紙サイズ情報に基づく手動編集処理を行い、ステップS95に進む。
【0181】
次に、ステップS95では、受信したプリンタ情報から第1のプリンタ62aのカラー印刷情報と映像データのカラー情報とが一致し、しかも編集モードが「1」か否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合にはカラー編集は不要と判断して図22のステップS99に進む。
【0182】
一方、ステップS95の答が否定(No)、すなわち受信したプリンタ情報にカラー情報が含まれていない場合や、映像データのカラー情報とプリンタのカラー印刷情報とが一致しない場合はステップS96に進み、編集モードが「1」(自動編集モード)に設定されているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合はステップS97に進み、パソコン61内で映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、転送先のプリンタのカラー情報に基づいた自動編集処理(階調によるグラフィックイメージ処理等)を行う。例えば、映像データの階調とプリンタの印刷可能な階調が異なる場合は、階調の変換を行い、また映像データがカラーデータであるが、プリンタがモノクロ印刷機能しかない場合はカラー画像データの白黒二値データに変換し、その後、図22のステップS99に進む。
【0183】
一方、ステップS96の答が否定(No)となって手動編集モードと判断された場合は、ステップS98に進み、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データのファイル拡張子等により、関連するアプリケーションソフト等を起動した後、パソコン61のディスプレイ65に例えばカラー諧調の変換を促すガイダンス表示した後、ユーザにカラー調整画面を表示し、表示されたカラー調整画面から最適なカラー特性を指示したりまたは、グラフィックス設定画面、グラフィックス変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことによりユーザに最適なカラー調整を要求する手動編集処理(階調によるグラフィックイメージ処理等)を行い、その後、図22のステップS99に進む。
【0184】
次に、ステップS99では、パソコン61で受信したプリンタ情報に含まれる解像度情報と映像データの解像度とが一致し、しかも編集モードが「1」に設定されているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合は解像度編集は不要と判断してステップS103に進む。
【0185】
一方、ステップS99の答が否定(No)の場合、すなわち受信したプリンタ情報に解像度情報が含まれていなかった場合やプリンタの解像度情報と映像データの解像度情報とが不一致の場合はステップS100に進み、編集モードが「1」に設定されているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合は自動編集モードに設定されていると判断され、ステップS101に進んで自動編集処理を行う。すなわち、パソコン62a内で映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データを転送先のプリンタの解像度情報に基いて自動編集処理を行う。
【0186】
一方、ステップS100の答が否定(No)となって手動編集モードに設定されていると判断された場合は、ステップS102に進み、解像度情報に基づく手動編集処理を行う。すなわち、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データのファイル拡張子等により、関連するアプリケーションソフト等を起動した後、、パソコン61の内蔵スピーカ等を介して例えば解像度の変更を促す音声ガイダンスを出力した後、ユーザに解像度の変更を指示する設定画面の表示、解像度変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことにより最適な解像度となるように要求する手動編集処理を行う。
【0187】
このようにして映像データの編集処理が終了すると、ステップS103に進む。ステップS103では、受信したプリンタ情報に含まれるデコーダの種類と映像データを圧縮しているデコーダの種類とが一致するか否かを判別する。デコーダの種類が一致し、デコーダの非圧縮での転送要求がないと判断された場合にはステップS104に進む。また受信したプリンタ情報にデコーダ情報が含まれていなかったとき、又は映像データを伸長するデコーダがプリンタに存在しないと判断されたとき、或いは一致している場合でも非圧縮の要求がある場合にはステップS105に進む。
【0188】
そして、ステップS104ではデコーダ「有」、すなわち圧縮したままの圧縮映像データをメモリ部70から1394バス上に転送するように設定し、ステップS106に進む。
【0189】
一方、ステップS105ではデコーダ「無」、すなわち圧縮映像データの場合は映像データを伸張し、非圧縮映像データの場合はそのままのデータ形式で非圧縮映像データをメモリ部70から1394バス上に転送するように設定し、ステップS106に進む。
【0190】
次に、ステップS106ではステップS86で選択した転送先を指定し、指示に基づいた転送設定を行う。そしてステップS106ではこれから映像データの転送を行うことを告げる所定の情報を含んだコマンドを1394シリアルバス66を用いて転送指令を行う。
【0191】
次にステップS108では、ステップS103でデコーダ「有」に設定されているか否かを判断し、その答が肯定(Yes)の場合はステップS109に進み、メモリ部70から圧縮映像データを転送するように制御し、ステップS111に進む。
【0192】
一方、ステップS108の答が否定(No)の場合はステップS110に進み、ステップS107の転送指令に応じてメモリ部70から読み出した非圧縮映像データを転送するように制御し、ステップS111に進む。尚、ここでの映像データの転送は1394シリアルバス85を介してアイソクロナス(又はアシンクロナス)転送方式でパケット転送される。
【0193】
ステップS111で映像データ転送処理を終了すると、続くステップS112では転送先を変更するか否かを判断する。ステップS86で転送先のプリンタを複数選択した場合には、ステップS112の答が肯定(Yes)となってステップS86に戻り上述の処理を繰り返す。これにより、リアルタイムで複数のプリンタからの同一ドキュメントの同時印刷が可能となる。
【0194】
一方ステップS112の答が否定(No)となって転送先を変更して印刷処理を続行する必要が無いときは、ステップS113に進み、他の映像データの転送を行うか否かを判断し、その答が否定(No)のときはそのまま処理を終了する一方、その答が肯定(Yes)のときはステップS85に戻り映像データの読み出した後、ステップS86以降の処理を繰り返す。
【0195】
このように選択したプリンタ等のプリンタ情報に基づいて最適な印刷形式に編集した後、転送先のプリンタ等がデコードできるときは転送先のデコード形式にデコードした圧縮データを転送することができ、デコードできない時は非圧縮のデータを転送することができ、転送効率の向上を図ることができる。
【0196】
また、転送先プリンタの具備するデコーダで伸張できないときは非圧縮映像データを転送しているので、転送元である記録再生装置63から誤った圧縮方式のデータが転送されることも無くなる。
【0197】
図25は、本発明に係る情報処理システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図であって、本第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様、1394シリアルバスにより、1394バスケーブル64を介して記録再生装置63の他、3台のプリンタ62a、62b、98及びスキャナ97がパソコン61に接続されている。
【0198】
本第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、パソコン61上に格納されているテキストデータや(静止)画像データをアプリケーションを介し1394バスケーブル64により相互に接続された複数のプリンタに転送することが可能である。
【0199】
すなわち、本第2の実施の形態においては、1394シリアルバスを用いて転送先のプリンタ等からプリンタ情報のコマンド受信することにより、パソコン61は映像データのみならず、テキストデータや画像データをプリンタの印刷形式に基づいた情報により編集し、最適な転送先プリンタを選択することが可能となる。
【0200】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、パソコン61内に取り込まれた圧縮映像データを使用して説明したが、外部入力した映像データであって記録処理が行われていない圧縮映像データ、或いはパソコン61内で作成された圧縮されていないテキストデータや画像データを使用したものであってもよい。
【0201】
また、接続される外部機器としては、ハードディスクなどの外部記憶装置や、CD−R、DVD等の1394シリアルバスでネットワーク構成できる機器であればよく、また、出力装置としても両面印刷機能や高速印刷が可能なレーザプリンタ等のデジタル機器を接続することができ、扱うデータも映像データ、テキストデータ或いは画像データに限らず、音声データや各種ファイルデータなどであっても構わない。
【0202】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ユーザが出力装置の機能を把握していない場合であっても少なくとも1台以上の出力先候補となる出力装置を選択することができ、該選択された出力装置の機能情報と編集モードに基づいて画像データとの不一致情報を音声ガイダンスで通知し、手動編集モードの場合には、不一致項目の設定画面、不一致項目の変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示に従って、画像データを効率良く再編集し、その後出力データを出力装置に転送することにより、転送効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1394シリアルバスを使用して複数のデジタル機器が互いに接続された情報処理システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】1394シリアルバスの概略を示すブロック構成図である。
【図3】1394バスケーブルの断面図である。
【図4】1394シリアルバスのデータ転送における符号化方式を示すタイムチャートである。
【図5】1394シリアルバスのアドレス空間を示すフォーマット図である。
【図6】ノードID決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】ツリー識別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】1394シリアルバスで各ノードのIDを決定するトポロジ設定を説明するための図である。
【図9】ノードID設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】通常アービトレーション処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】1394シリアルバスでのアービトレーションを説明するための図である。
【図12】1394シリアルバスでのアービトレーションを説明するための図である。
【図13】アシンクロナス転送の時間的な状態遷移を示す図である。
【図14】アシンクロナス転送のパケットのフォーマットの一例を示す図である。
【図15】アイソクロナス転送の時間的な状態遷移を示す図である。
【図16】アイソクロナス転送のパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図17】1394シリアルバスで実際のバス上を転送されるパケットの様子を示したバスサイクルの一例を示す図である。
【図18】本発明に係る情報処理システムの一実施の形態を示すシステム構成図である。
【図19】上記情報処理システムの詳細を示すブロック構成図である。
【図20】映像データ転送手順の一実施の形態を示すフローチャートである。
【図21】本発明に係る情報処理方法としての映像データの処理手順の一実施の形態を示すフローチャート(1/2)である。
【図22】本発明に係る情報処理方法としての映像データの処理手順の一実施の形態を示すフローチャート(2/2)である。
【図23】画像情報及びプリンタ情報と設定値との組み合わせの一例を示す図である。
【図24】編集モードの設定値を示すテーブル図である。
【図25】本発明の他の実施の形態を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
61 パソコン(情報処理装置)
62a プリンタ(出力装置)
62b プリンタ(出力装置)
63 記録再生装置(データ入力装置)
70 メモリ部(記憶手段)
72 MPU(機能情報取得手段、選択手段、判断手段、編集手段)
97 スキャナ(データ入力装置)
98 プリンタ(出力装置)
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報処理装置と情報処理方法及び情報処理システム並びに記憶媒体に関し、より詳しくは、制御コマンドと実際の出力データとを混在させて通信することのできるデータ通信バスを介して複数の電子機器に接続された情報処理装置とその情報処理方法及び前記情報処理装置を含む複数の電子機器が前記データ通信バスを介して接続され、これら電子機器間でデータ通信を行う情報処理システム並びに前記情報処理装置で実行する制御手順を記憶したコンピュータ読取可能な記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータ(以下、「パソコン」という)に代表される小型汎用コンピュータとプリンタやスキャナ等の周辺装置とをデジタルインターフェース(以下、「デジタルI/F」という)であるSCSI(Small Computer Systems Interface )を介して接続し、データ通信を行う技術が知られている。
【0003】
また、デジタルカメラやデジタルビデオカメラ等の記録再生装置を周辺装置とし、これらの記録再生装置を前記デジタルI/Fを介してパソコンに接続し、前記記録再生装置で撮影した映像データ(静止画や動画)をパソコンに取り込み、ハードディスクに記憶したり、或いはパソコンで編集した後、プリンタでカラー印刷する情報処理システムも知られている。
【0004】
また、複数のパソコンとデータベース等の情報資源と複数のプリンタとをLAN(Local Area Network)等のネットワークを介して接続した情報処理システムも知られており、斯かる情報処理システムでは大概以下のような手順を経て印刷処理を行っている。
(1)LAN上で利用できるプリンタを一覧表示する
(2)一覧表示されたプリンタの中から所望のプリンタを選択する
(3)選択したプリンタに印刷ジョブを転送し印刷出力する
ところで、この種の情報処理システムでは、ネットワークに接続されている全てのプリンタが同一の機能を有するとは限らず、例えば解像度や階調、記述言語、使用可能な用紙サイズや文字フォント、カラー印刷の有無等の異なるプリンタがネットワーク上に接続されていることが多いため、従来より、予め各プリンタの機能を認識し、各々プリンタに対応した選択キーを指定し、クライアント側からのキー操作により所望のプリンタを選択している。
【0005】
また、アプリケーション・ソフト等を使用して作成された文書や画像等の印刷データの中には異なる複数種の用紙サイズや不定形の用紙サイズに適合した形で編集されたドキュメント(例えば、マルチフォーマットで作成されたテキストデータや表計算等に使用されるスプレットシート、ペイント等で作成された不定形な画像データ)が存在することがあり、またスキャナやデジタルカメラ等で取り込まれた(静止)画像データもあるが、これらの画像データ等を印刷する場合は、出力装置であるプリンタに対応した印刷制御処理部(以下、「プリンタドライバ」という)で印刷可能な用紙サイズを選択し、前記画像データ等の印刷情報に従ってパソコン側で対応する文字パターンやフォームパターンをプリンタドライバを介して生成している。
【0006】
さらに、近年では、デジタルカメラ等で取り込まれた画像データ等の出力サイズを印刷装置に装着されている用紙サイズに対応して予め自動的に設定し、これにより画像データを直接所望の用紙に印刷出力する場合もある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記情報処理システムでは、多量の画像データをパソコンからプリンタやハードディスク等に転送しなければならないため、転送データレートが高く且つ汎用性のあるデジタルI/Fを介して接続することが望まれる。
【0008】
しかしながら、従来の情報処理システムでは、デジタルI/Fとして高速転送が可能とされるSCSIを使用しているものの、実際には転送レートの低いものや、パラレル通信のためケーブルが太いものがあり、また接続可能な周辺装置の種類や個数、接続方式などにも制限があるため、未だユーザの要求に十分に対応できるだけの利便性を備えていないという問題点があった。
【0009】
また、上記従来の情報処理システムでは、上述したようにネットワーク接続されたパソコン上で選択キーを操作し、これにより所望のプリンタを選択しているため、ユーザは、ネットワーク接続された各プリンタの諸機能を予め熟知しておかなければならず、ユーザにとって使い勝手が悪いという問題点があった。
【0010】
しかも、上述したプリンタ選択方式では、複数のプリンタが使用可能な場合であっても、選択キーのキー操作により1台のプリンタのみが選択されるに過ぎず、したがって融通性のない極めて効率の悪いプリンタの選択方式であるという問題点があった。
【0011】
また、複数の電子機器間をネットワーク接続してデータの送受信を行う場合、画像データの圧縮方式の違いから、伸張できない圧縮データを誤って転送したり、或いは転送先で伸張できるにも拘わらず非圧縮データで転送してしまうことがあり、このため、転送動作や転送効率の低下を招来する虞があるという問題点があった。
【0012】
また、印刷データの用紙サイズとプリンタにセットされている記録用紙の用紙サイズとが異なる場合にプリンタに収容されている記録用紙で強制的に印刷出力を行ったときは、記録用紙の用紙サイズが所望の記録用紙の用紙サイズより大きい場合は記録用紙の余白部分の領域が目立つため不恰好となり、逆に記録用紙の用紙サイズが所望の記録用紙の用紙サイズより小さい場合は印刷データが記録用紙からはみ出して印刷出力されてしまうという問題点があった。
【0013】
また、プリンタがパソコンの設置箇所近傍に配されていない場合は、プリンタにセットされている記録用紙の用紙サイズを印刷時に確認することができない。このため、印刷処理を実行し終わった後に、記録用紙の用紙サイズや印刷方向を変更し、その後再度印刷処理を行わなければならないことがあり、使い勝手が悪いという問題点があった。
【0014】
また、アプリケーションソフト等を使用して既に作成されたドキュメントをプリンタドライバ等を介して画像データを作成する場合、前記生成した画像データが前記選択した用紙サイズの印刷範囲からはみ出すときは、前記印刷範囲内となる印刷データのみがデータ変換されて1ページ分の印刷情報として1枚の記録用紙に印刷出力され、前記はみ出した部分については、別ページの印刷データとしてデータ変換され、再度別ページの印刷データとして他の記録用紙に印刷出力される。このため、1ページのドキュメントが複数の記録用紙にまたがって印刷出力されることとなり、その結果ユーザの意図しない印刷結果が得られるという問題点があった。
【0015】
一方、印刷前に前記印刷データが前記用紙サイズの印刷範囲に印刷することができるか否かを予め印刷プレビュー等で確認し、ユーザにより印刷範囲内に印刷するように設定変更することもできるが、この場合においても、ユーザは印刷範囲を越える印刷データにおいては、キーボードやマウス等を操作して前記選択した用紙サイズの印刷範囲指定領域に収まるようにペ−ジ毎に編集を行ったり、或いはページレイアウトの余白変更等を行って印刷範囲指定領域を変更した後、印刷処理を行わなければならず、操作が煩雑であるという問題点があった。
【0016】
さらに、同一メーカのプリンタにおいてもその構造上の相違から給紙方法が異なるため、記録用紙の給紙部へのセッティング、及びセッティング方向、印刷面等をプリンタの仕様に対応して行わなければならず、斯かるセッティング操作を間違った場合は意図した印刷結果を得ることができなくなるという問題点があった。
【0017】
しかも、複数の周辺機器をパソコンに接続した情報処理システムの場合、今後、周辺装置の種類も益々増加し、さらにはI/Fの改良等によって、パソコンの周辺装置に限らず、多くのデジタル機器間をネットワーク接続した通信が可能になることが予想される。
【0018】
そして、多くの電子機器間をネットワーク接続した通信が可能になると、極めて便利になる一方で、これら電子機器間ではデータ量の非常に多い通信も頻繁に行われるようになってネットワークが混雑し、このためネットワークに接続されている他の電子機器間での通信に悪影響を及ぼすという問題点が生じる虞がある。例えば、パソコンとプリンタとを接続してユーザが画像データの印刷処理を連続して又は迅速に行いたい場合、パソコンとプリンタとの間にユーザが関与していない電子機器間同士で通信が行われているとネットワーク全体、或いはホストコンピュータとしてのパソコンに悪影響を及ぼし、画像データの印刷出力が正常に実行されなかったり、或いは印刷出力が遅延する虞があり、また、パソコンのアプリケーションソフトで選択されているプリンタが非接続、非動作状態となって使用することができなくなるという問題点が生じる虞がある。すなわち、このようにネットワークの混雑によるパソコンに対しての負荷や、パソコンの動作状況によってデータ通信に不具合が生じ、ネットワークに接続されている他の電子機器間での通信に悪影響を及ぼすという問題点が生じる虞がある。
【0019】
本発明はこのような問題点に鑑みなされたものであって、出力装置の機能を把握していない場合であっても、最適な出力装置を選択することができ、しかも選択された出力装置の機能情報に基づいて出力データを編集モードを選択して自動編集/手動編集ができ、手動編集モードにおいては、出力装置の機能情報と出力データの設定情報との機能不一致情報に基づいて設定情報画面の表示及び不一致項目の変更を促す音声ガイダンス及びヘルプ表示等を行うことにより出力装置の機能情報に合った変更を行うことにより容易に出力データを編集することができる情報処理装置、情報処理方法、情報処理システム及び記憶媒体を提供することを目的としている。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る情報処理装置は、所定通信網を介して複数の出力装置及びデータ入力装置に接続された情報処理装置であって、
前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、
該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段とを備えていることを特徴としている。
【0021】
また、本発明に係る情報処理方法は、データ入力装置に入力されたデータを編集し、所定通信網を介して出力装置に出力する情報処理方法であって、
前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶ステップと、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得ステップと、前記記憶ステップで記憶されたデータ及び前記機能情報取得ステップで取得した機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択ステップと、該選択ステップにより選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析ステップと、該解析ステップの解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断ステップとを含み、
さらに、該判断ステップでの判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択ステップで選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集ステップを含んでいることを特徴としている。
【0022】
さらに、本発明に係る情報処理システムは、複数の出力装置及びデータ入力装置が通信回線網を介して情報処理装置と接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置が、前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、
該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段を備えていることを特徴としている。
【0023】
また、本発明に係る記憶媒体は、外部から入力されたデータを編集し、複数の出力装置の中から選択された出力装置に前記データを転送するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記外部から転送されてきたデータを記憶する記憶手順と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手順と、前記記憶手順で記憶されたデータ及び前記機能情報取得手順で取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手順と、該選択手順により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手順と、該解析手順の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手順と、該判断手順の判断結果により所定の編集モードに応じて、前記選択手順により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手順とが記憶されていることを特徴としている。
【0024】
尚、本発明のその他の特徴は下記の発明の実施の形態の記載より明らかとなろう。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳説する。
【0026】
本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、IEEE(米国電気電子技術者協会)により規格化されているIEEE1394−1995(以下、「1394シリアルバス」という)をデジタルI/Fとして使用し、該1394シリアルバスを介して各デジタル機器間を接続している。
【0027】
そこで、まず、1394シリアルバスについて、その概要を説明する。
【0028】
近年における家庭用デジタルビデオテープレコーダ(デジタルVTR)やデジタルビデオディスク(DVD)の登場に伴ない、ビデオデータやオーディオデータをリアルタイムで転送し、パソコンに取り込んだり、その他のデジタル機器に転送することが要請されてきている。
【0029】
そして、そのためにはユーザに必要な各種の転送機能を備えた高速データ転送可能なインターフェースが必要となり、斯かる観点から開発され、IEEEで規格制定されたのがHigh Performance Serial Bus としての1394シリアルバスである。
【0030】
図1は1394シリアルバスにより複数のデジタル機器が互いに接続された情報処理システムの一例を示すシステム構成図であって、本例ではノードとしての第1〜第8のデジタル機器1a〜1hが、1394シリアルバスのツイスト・ペア・ケーブル(以下、「1394バスケーブル」)2を介して互いに接続されている。
【0031】
第1〜第8のデジタル機器1a〜1hとしては、パソコン、デジタルVTR、DVD、デジタルカメラ、ハードディスク、ディスプレイ装置等の各種機器を最大63台まで接続することができ、図1のシステム構成では、第1及び第2のデジタル機器1a、1b間、第1及び第3のデジタル機器1a、1c間、第2及び第4のデジタル機器1b、1d間、第4及び第5のデジタル機器1d、1e間は、デイジーチェーン方式により1394バスケーブル2を介して互いに接続され、第3のデジタル機器1cと第6〜第8のデジタル機器1f〜1hの間はノード分岐方式により1394バスケーブル2を介して互いに接続されている。
【0032】
このように1394シリアルバスでは、デイジーチェーン方式とノード分岐方式とが混在した状態での接続が可能であり、自由度の高い接続を行うことができる。
【0033】
また、各機器は固有の識別子(ID)を有し、これらIDを互いに認識し合うことによって1394バスケーブル2で接続された範囲内で1個のネットワークを構成している。すなわち、各デジタル機器1a〜1h間を夫々1本の1394バスケーブル2で順次接続するだけで、各デジタル機器が中継の役割を果たし、全体として1個の情報ネットワークを構成する。また、1394シリアルバスの特徴でもあるプラグ&プレイ機能により1394バスケーブル2を各デジタル機器1a〜1hに接続した時点で自動的に各デジタル機器1a〜1hや接続状況などを認識することができる。
【0034】
図2は高速I/Fとしての1394シリアルバスの概略を示すブロック構成図であって、1394シリアルバスは、ハードウエア部3を構成する物理レイヤ3a及びリンク・レイヤ3bと、ファームウエア部4を構成するトランザクションレイヤ4aと、ソフトウエア部5を構成するアプリケーションレイヤ5aとからなる階層構造とされ、さらに、ファームウエア部4はトランザクションレイヤ4aの他、シリアルバス管理部4bを有すると共に、物理レイヤ3aはコネクタポート6を介して1394バスケーブル2に接続されている。
【0035】
物理レイヤ3aは、リンクレイヤ3bの使用する論理的な記号の電気信号への変換等所定の信号処理を行ったり、コネクタポート6や1394バスケーブル2との間でインターフェース動作を司る。また、リンクレイヤ3bは、トランザクションレイヤ4aとの間でデータ転送の授受を行い、アドレスの割り当てやパケット転送、サイクルの制御等を行う。
【0036】
トランザクションレイヤ4aは、リンクレイヤ3bとの間でパケットの送受信を行って転送すべきデータを管理し、またアプリケーションレイヤ5aに対しデータの読み出しや書き込み等の命令を出力する。シリアルバス管理部4bは、各レイヤ(物理レイヤ3a、リンクレイヤ3b、トランザクションレイヤ4a、及びアプリケーションレイヤ5a)を制御して各種デジタル機器(ノード)の接続状況やこれらデジタル機器(ノード)のIDを管理し、また、ネットワーク構成を管理する。
【0037】
また、アプリケーションレイヤ5aは、使用するアプリケーションソフトに応じ、インターフェース上にどのようにデータを送出するかをAVプロトコル(後述するアイソクロノス(Isochronous :「同期」)通信により映像・音声信号等のリアルタイムデータを伝送するための伝送手順)等のプロトコルに基づいて規定されている。尚、アイソクロノス・データは、トランザクションレイヤ4aを経由することなくリンクレイヤ3bとの間で直接データ処理される。
【0038】
図3は1394バスケーブル2の断面図であって、該1394バスケーブル2は、シールド箔7a、7bで被覆された2組のツイストペア信号線8a、8bの他に、電圧が8V〜40V、最大電流がDC1.5Aの電源線9a、9bが設けられており、該電源線9a、9bにより、電源を有さないデジタル機器や、故障により電圧低下したデジタル機器への電力供給が可能となっている。
【0039】
また、1394シリアルバス2上でのデータ転送(パケット転送)は、半二重双方向通信モードで行われ、符号化方式として、図4に示すようなDS−Link(Data/Strobe Link )符号化方式が採用されている。
【0040】
該DS−Link符号化方式は、高速のシリアルデータ通信に適しており、2組のツイストペア信号線8a、8bのうち、一方のツイストペア信号線8aには、図4(a)に示すように、データ信号を送信し、他方のツイストペア信号線8bには、図4(b)に示すように、同一のデータ信号が連続した場合に反転するストローブ信号を送信し、受信側では、図4(c)に示すように、前記送信されてきたデータ信号とストローブ信号との排他的論理和演算を行うことによってクロック信号を生成し、生成したクロック信号の変化点でデータを読み取っている。
【0041】
このDS−Link符号化方式は、他のシリアルデータ転送方式に比べて転送効率が高いこと、PLL(Phase Locked Loop )回路が不要となるのでLSI等の電子部品のより一層の小形化が可能であること、更には、転送すべきデータがないときにアイドル状態であることを示す情報を送る必要がなく、したがって各デジタル機器のトランシーバ回路をスリープ状態にすることによって、消費電力の低減化を図ることができる等、種々の利点がある。
【0042】
また、1394シリアルバス2のアドレスは、図5に示すように、IEEE1212に準拠して64ビットで構成され、該64ビットのアドレスを記憶しておくことにより、1394シリアルバス2に接続されているデジタル機器(ノード)のアドレスを常時認識することができ、各デジタル機器へのデータの書き込みや読み出しを容易に行うことができる。
【0043】
具体的には、1394シリアルバス2は、64ビット中の上位10ビットがバス番号域10としてバス同士を識別するためのアドレスに割り当てられ、該バス番号域10では、ノードが直接接続されているローカル・バス(バス#1023)を除き、1023個のバスをアドレスすることができる。バス番号域10の後の6ビットはノードを識別するためのノード番号域11に割り当てられ、1394シリアルバス内の全てのノードに配信するブロードキャスト用のアドレス(ノード#63)を除き、63台のノードをアドレスすることができ、したがって1個の1394シリアルバスには最大63台のノードを接続することができる。
【0044】
ノード番号域11に続く48ビットはノード内のアドレス幅を構成し、48ビット中の上位20ビットはレジスタ空間12に割り当てられ、残りの28ビットはレジスタアドレス13に割り当てられる。そして、レジスタ空間12は、初期メモリ空間12a、プライベート空間12b及び初期レジスタ空間12cに分割され、さらに、初期レジスタ空間12cは、レジスタアドレス13によりCSR(Control And Status Register )アーキテクチャ13a、シリアルバス13b、コンフィギュレーションROM13c及び初期ユニット空間13dに分割される。すなわち、レジスタアドレス13は固有データ領域として各ノードの識別や使用条件の指定情報等を格納する。
【0045】
このようにして1394シリアルバス2では、バス上の各デジタル機器(ノード)にはノードIDが与えられ、ネットワーク上の構成機器として認識されることとなる。
【0046】
そして、特定のノードがネットワークから削除されたり、或いは新規に追加されたとき等、ネットワーク構成(トポロジ)に変化が生じると、バスリセット信号がバス上の全ノードに伝達されてトポロジ情報は全てクリアされ、新たなネットワークの再構築が行われ、これにより随時ネットワークの構成を設定、認識することが可能となる。
【0047】
具体的には、コネクタポート6で、二組のツイストペア信号線8a、8bの内、一方のツイストペア信号線8aにバイアスが負荷され、他方のツイストペア信号線8bでバイアスの有無が検知される。そして、例えばノードの挿抜や電源のオン・オフ等によるノード数の増減などによってネットワーク構成に変化が生じたときは、バイアスの有無を検知して接続状態の変化が検出される。そして、接続状態の変化を検知したノードは他の接続機器のコネクタポート6に対して一定時間バスリセット信号を送信し、これを受信したノードの物理レイヤ3aはバスリセット信号を受信する同時にリンクレイヤ3bにバスリセット信号の発生を伝達し、次いでネットワーク上の他のノードにバスリセット信号が伝達され、最終的にバスリセット信号が全てのノードに伝達されバスリセットが起動する。
【0048】
そして、このようにしてバスリセット信号が起動するとデータ転送は一時中断されて該データ転送は待機状態とされ、新たなノードIDが各ノードに付与され、ネットワーク構成が構築された後にデータ転送が再開される。
【0049】
図6はバスリセット信号を受信してからノードIDを決定するまでの一連の制御手順を示すノードID決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0050】
まず、ステップS1ではネットワーク内でバスリセット信号が発生したか否かを常時監視し、バスリセット信号が発生するとステップS2に進み、ツリー識別処理を実行する。すなわち、1394シリアルバスがリセットされると、各々ノードが2つ以上のノードに接続されているブランチノード、1つのノードのみに接続されているリーフノード及び全く接続されていない単体ノードの3つの状態に分けられ、前記ツリー識別処理では各ノードがツリー状に接続されたものとして扱えるように各ノード間で親子関係を確立させ、さらに複数のノードの中からルートノードを認識し、各々ノードのルートノードへの方向付けを決定する。
【0051】
図7はツリー識別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0052】
バスリセットが発生した後、ステップS11では各デジタル機器にリーフノードであることを示すフラグをセットし、続くステップS12では自己のデジタル機器(ノード)のコネクタポート6が何台のノードと接続されているかを確認し、ステップS13で未定義ポート数は何個あるかをチェックする。バスリセット直後はコネクタポート6のポート数が未定義ポート数となり、該未定義ポート数が「1」、すなわち、自己のノードが1台のノードのみに接続されている場合はステップS14に進み、自己は「子」、接続先のノードは「親」と親子関係を宣言する。これにより、親子宣言をしたノードのコネクタポート6は「子ポート」となり、接続先のノードのコネクタポート6は「親ポート」となる。
【0053】
また、未定義ポート数が「2」以上の場合は、ステップS15で自己のノードがブランチノードであることを示すフラグをセットし、続くステップS16では当該ブランチノードは親子関係を宣言したノードから「親子宣言」を受け取って「親ポート」となり、互いに接続されている両ポート間に親子関係が確立する。
【0054】
そして、再びステップS13に戻り、当該ブランチノードについて上述の処理を繰り返すことにより、順次親子関係を成立させてゆき、未定義ポート数が「1」になるとステップS14で当該未定義のコネクタポート6は「子」、接続先ポートは「親」と宣言する。
【0055】
その後、ステップS13で未定義ポート数が「0」となってブランチノードの全てのコネクタポート6が「親ポート」に決定された場合はステップS17に進み、当該ブランチノードはルートノードであることを示すフラグをセットし、続くステップS18でルートノードであることを認識し、ツリー識別処理を終了する。
【0056】
このようにして通常は1つのコネクタポート6しか使用されていないノードがリーフノードになると共に、該リーフノードが最初に親子関係を宣言して自己のコネクタポート6を「子ポート」とし、2つ以上のコネクタポート6を使用しているノードはブランチノードとなる。そして、斯かるリーフノード−ブランチノード間、ブランチノード−ブランチノード間で順次親子関係を確立させてゆき、コネクタポートの全ポートが「親ポート」となったブランチノードをルートノードとし、各ノードのコネクタポートのルートノードへの方向付けを決定し、これにより、ネットワークはリセットされた状態から新たなネットワークの接続状況を認識する。
【0057】
図8はツリー識別が完了した状態を示すネットワーク構成図であって、8台のノード(第1〜第8のノード1a〜1h)から第7及び第8のノードが削除され、かつ第2のノード1bの下位には第1及び第3のノード1a、1cが直接接続されており、更に第3のノード1cの下位には第4のノード1dが直接接続されており、第4のノード1dの下位には第5及び第6のノード1e、1fが直接接続されている。
【0058】
このネットワーク構成では、バスリセット後、以下のようにして接続状況が認識される。
【0059】
まず、直接接続されている各ノードのポート間で親子関係の宣言がなされ、親側が階層構造で上位となり、子側が下位となる。
【0060】
具体的には、使用しているポート数が1個のみの第1のノード1aが親子関係の宣言を行う。これにより、第1のノード1aは1個のコネクタポート6のみを使用して他のノードと接続されていることが了知され、したがって該第1のノード1aはネットワークの端であることが認識され、ネットワーク上で早く動作を行ったノードから順次親子関係が決定されていく。こうして親子関係の宣言を行った側(第1及び第2のノード1a、1b間では第1のノード1a)のコネクタポート6が子ポートcに設定され、相手側(第1及び第2のノード1a、1b間では第2のノード1b)のコネクタポート6が親ポートpに設定される。
【0061】
このようにして、まず、ポート数が1個のみのリーフノード(第1、第5及び第6のノード1a、1e、1f)と、複数の接続ポートを有するブランチノード(第2〜第4のノード1b〜1d)との間で親子関係が決定されてゆく。本例の場合は、第1のノード1a−第2のノード1b間、第5のノード1e−第4のノード1d間、及び第6のノード1f−第4のノード1d間で、夫々子ポートc−親ポートp、第5のノード1e−第4のノード1d間において、夫々子ポートc−親ポートpを決定する。
【0062】
次いで、ブランチノードである第2〜第4のノード1b〜1eのうち、他のノードから親子関係の宣言を受けたノードから順次、更に上位ノードに対し親子関係の宣言を行っていく。
【0063】
本例では、第4のノード1dが第5及び第6のノード1e、1fから親子関係の宣言を受けており、第3のノード1cに対し自己が子ポートc、接続先である第3のノード1cが親ポートpである旨の親子関係の宣言を行い、その結果第4のノード1d−第3のノード1c間において、子ポートc−親ポートpが決定される。
【0064】
次いで、第4のノード1dから親子関係の宣言を受けた第3のノード1cは、他のコネクタポート6と接続されている第2のノード1bに対して親子関係の宣言を行い、これにより第3のノード1c−第2のノード1b間において、子ポートc−親ポートpを決定する。
【0065】
このようにして階層的に接続状況が認識され、全てのコネクタポート6が親ポートpとされた第2のノード1bがルートノードに決定される。
【0066】
尚、ルートノードは、1つのネットワーク構成中に1個しか存在しないが、他のノードに対する親子関係宣言のタイミング時期に応じ、他のノードがルートノードと認識されることもあり、また、同一のネットワーク構成であって常に同一のノードをルートノードと認識するとは限らない。
【0067】
このようにしてツリー識別処理が終了すると、図6のステップS3に戻ってノード設定処理を行い、所定のノード順序で各ノードにIDを付与する。
【0068】
図9はノードID設定処理の処理手順を示すフローチャートであり、該ノードID設定処理ではリーフノードに最初にIDを付与し、次いでブランチノード、ルートノードの順でIDを付与している。
【0069】
ステップS21ではネットワーク内に存在するリーフノードの個数N(Nは自然数;本例では「3」)を設定する。次いで、ステップS22では各リーフノード(第1のノード1a、第5のノード1e及び第6のノード1f)がルートノード(第2のノード1b)に対してIDを付与するように要求する。本例ではリーフノードは複数存在するので、ルートノードはステップS23でアービトレーション処理(調停処理)を実行し、IDを付与するリーフノード(例えば、第1のノード1a)を選定して該選定されたリーフノードにIDを付与する。次いで、ステップS24では選定されなかった他のリーフノードに対し、IDが付与されなかった旨の結果を通知する。そして、ステップS25ではリーフノードがIDを取得したか否かを判断し、ID取得に成功したリーフノードは、ステップS26に進んで該リーフノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送し、続くステップS27ではリーフノードの個数Nを「1」だけデクリメントし、ステップS28では個数Nが「0」か否かを判断する。そして、その答が否定(No)の場合はID取得していないリーフノードが未だ存在していると判断してステップS22に戻る。
【0070】
次いで、再びアービトレーションを実行し(ステップS23)、前回アービトレーションでID取得に失敗したリーフノードについて上述の処理を繰り返し(ステップS22〜ステップS28)、最終的に全てのリーフノードにIDが付与される。
【0071】
そして、個数Nが「0」になるとステップS28の答が肯定(Yes)となってステップS29に進み、ネットワーク内に存在するブランチノードの個数M(Mは自然数;本例では「2」)を設定する。次いで、ステップS30では各ブランチノード(第3のノード1c及び第4のノード1d)がルートノード(第2のノード1b)に対してIDを付与するように要求する。本例ではリーフノードは複数存在するので、ルートノードはステップS31でアービトレーション処理を実行し、IDを付与するブランチノード(例えば、第3のノード1c)を選定して該選定されたブランチノードにIDを付与し、ステップS32では選定されなかった他のブランチノードに対し、IDが付与されなかった旨の結果を通知する。そして、ステップS32ではブランチフノードがIDを取得したか否かを判断し、ID取得に成功したブランチノードは、ステップS34に進んで該ブランチノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送し、続くステップS35ではブランチノードの個数Mを「1」だけデクリメントし、ステップS36では個数Mが「0」か否かを判断する。そして、その答が否定(No)の場合はID取得していないブランチノードが未だ存在していると判断してステップS30に戻る。
【0072】
次いで、前回アービトレーションでID取得に失敗したブランチノードについて上述の処理を繰り返し、全てのブランチノードにIDが付与される。そして、個数Mが「0」になるとステップS36の答が肯定(Yes)となってステップS37に進む。
【0073】
そして、ステップS37では、ルートノード(第2のノード1b)のID番号を付与し、ステップS38では該ルートノードのID情報をブロードキャストで全ノードに転送し、各ノードのID番号を決定して処理を終了する。
【0074】
尚、ブロードキャストで全ノードに転送される各ノードのID情報としては、ID番号の他、接続されているノードの位置情報、コネクタポート6の個数、使用されているコネクタポート6の個数、各コネクタポート6の親子関係情報等が含まれている。また、各ノード(第1〜第6のノード1a〜1f)のID番号は、上述したように1つのコネクタポート6のみが他のノードと接続されているリーフノードから順次割り当てられる。すなわち、リーフノードから数値の小さい順に順次0、1、2、…と自然数が割り当てられ、ID番号を取得したノードは、ID番号を含むID情報をブロードキャストで各ノードに送信し、これにより当該ID番号は「割り当て済み」であることが認識される。
【0075】
そして、全てのリーフノードがID番号を取得すると、その後ブランチノードにID番号が割り当てられる。しかる後、ID番号が割り当てられたブランチノードから順次ID情報をブロードキャストで転送し、最後にルートノードが自己のID情報をブロードキャストで転送する。したがって、ルートノードはネットワーク上で常に最大のID番号が割り当てられることとなる。
【0076】
以上により、階層構造全体のID番号の割り当てが終了してネットワーク構成が再構築され、バスの初期化作業が完了する。
【0077】
次に、図6のステップS4に進み、バス使用権を取得するための通常アービトレーション処理を行う。
【0078】
すなわち、1394シリアルバスは、個別に接続された各ノードが、転送されてくる信号をそれぞれ中継することによって、ネットワーク内すべての機器に同一信号が伝達可能とされた論理的なバス型ネットワークであり、したがってパケット転送中における衝突を防ぐためにアービトレーション処理を行い、唯一のノードのみがデータ転送を行うことができるようにされている。
【0079】
図10は通常アービトレーション処理の処理手順を示すフローチャートである。
【0080】
ノードがデータ転送を開始できるためには、1394シリアルバスがアイドル状態であることが必要である。そして、アイドル状態が所定期間(以下、この所定期間を「ギャップ」という)経過することにより、先行しているデータ転送が終了して、バスが空き状態にあることを認識することができ、各ノードは自己のデータ転送を開始可能と判断することができる。したがって、ステップS41では転送モードにより予め定められている所定のギャップが得られたか否かを判断し、所定のギャップが得られない場合にはバスは空き状態にはないと判断し、所定のギャップが得られるのを待機する。そして、所定のギャップが得られた判断された場合はステップS42に進み、転送すべきデータが有るか否かを判断し、転送すべきデータが無い場合はメインルーチン(図6)に戻る一方、転送すべきデータがあると判断された場合はステップS43に進み、転送するためにバスを確保すべくバス使用権の要求をルートノードに発行する。
【0081】
図11は、第1のノード1a及び第4のノード1dがルートノードである第2のノード1bにバス使用権の要求を発行している様子を示している。
【0082】
すなわち、バス使用権の要求信号は、各ノードの子ポートcから親ポートpに向けて伝達され、ネットワーク内のノードを中継しながら、最終的にルートノードに伝達される。例えば、この図11に示すように、第4のノード1dがバス使用権の要求を発行した場合は、前記要求信号は第4のノード1dの子ポートcから第3のノード1cの親ポートpに伝達され、さらに該第3のノードの子ポートcから第2のノード1b(ルートノード)の親ポートpに伝達される。
【0083】
次いで、ステップS44でルートノードがバス使用権の要求信号を受信するとステップS45に進み、バス使用権の要求を発行したノード数が1個のみか否かを判断し、1個のみの場合はバス使用権が競合しないため調停の必要がなく、従って直ちにステップS48に進む。
【0084】
一方、バス使用権の要求を発行したノード数が、図11のように2個以上有る場合はステップS46に進み、ルートノードは使用許可を与えるノードを1つに決定すべく調停作業を行う。この調停作業は公平性を期すために同一ノードに毎回許可を付与するようなことはなく、平等に権利を与えていくような調停作業が行われるようになっている。
【0085】
次いで、ステップS47では使用権の要求を発したノードにバス使用権の許可が与えられたか否かを判断し、許可が与えられたノードに対しては転送許可信号(grant) が送信され(ステップS48)、許可されなかったノードに対しては転送待機信号(data prefix )が送信され(ステップS49)、メインルーチン(図6)に戻る。
【0086】
図12はバス使用権を要求したノードのうち、第1のノード1aに転送許可信号を送信し、第4のノード1dに転送待機信号を送信した場合を示している。
【0087】
そして、転送待機信号を受信した第4のノード1dは、ステップS41に戻り、ルートノードからの転送許可信号を受信するまで待機状態とされる。
【0088】
一方、転送許可信号を受信した第3のノード1cは、図6のステップS5でデータ(パケット)の転送を開始し、データ転送が終了すると、全体の処理を終了する。
【0089】
また、1394システムバスでは、データ転送速度として、100Mbps 、200Mbps 、及び400Mbps の3種類のデータ転送速度を有しており、上位の転送速度を有するデジタル機器(ノード)が下位の転送速度を有するデジタル機器をサポートし、互換可能な構成とされている。
【0090】
さらに、データ転送モードとしては、コントロール信号などの非同期データを転送するアシンクロナス転送モードとリアルタイムなビデオデータやオーディオデータ等の同期データを転送するアイソクロナス転送モードとを有している。
【0091】
アシンクロナス転送データ及びアイソクロナス転送データは、アイソクロナスサイクルTと呼称される一定時間(通常は125μsec )毎に、サブアクションと呼称される配信手続にしたがって各サイクルの開始を示すサイクル・スタート・パケット(CSP)を送信し、アイソクロナスデータの転送を優先しつつサイクル内を混在してパケット転送される。
【0092】
図13はアシンクロナス転送モードにおけるサブアクションの時間的な遷移状態を示している。
【0093】
サブアクション・ギャップ15は、バスのアイドル状態を示し、最初にバスを所定期間アイドル状態にする。このアイドル状態が所定期間になった時点で、転送を希望するノードはバスが使用できると判断し、アービトレーション16でバス獲得のためのアービトレーション処理を実行する。
【0094】
アービトレーション16でバスの使用許可を得ると、次にパケット17でパケット形式によるデータ転送が実行される。そして、データ転送後、承認ギャップ(ack gap )18と呼称される短いギャップが経過した後、承認パケット(ack )19で受信したノードは転送されたデータに対し受信確認用返送コードを返送して応答するか、又は応答パケットを返送して転送処理を完了する。尚、承認パケット(ack )19は、4ビットの情報と4ビットのチェックサムからなり、成功の可否情報、ビジー情報、ペンディング情報等を含み、データパケットを受信したノードは受信確認用返送コードを直ちに送信元ノードに返送する。
【0095】
図14はアシンクロナス転送モードにおけるパケット17の一例を示すフォーマットであって、該パケット17は、ヘッダ部20とデータ部21とを有し、ヘッダ部20は受信側ノードのIDが書き込まれている受信側ノードID部22及び送信側ノードのIDが書き込まれる送信側ノードID部23の他、トランザクションラベル部(tl)24、リトライコード部(rt)25、パケットの種別コード(read/write/lock )を示すトランザクションコード部(tコード)26、プライオリティ部27、パケットに特有の情報が書き込まれた特有情報格納部28、パケットデータの容量が書き込まれるデータ長部29、tコードの内、lockの種別コードを書き込むエクステンディッド・tコード部30、及びヘッダ情報の誤り訂正用データが格納されるヘッダCRC部31を有している。
【0096】
また、データ部21は、ユーザが実際に必要とする実データを格納したデータ情報部32とデータ情報の誤り訂正用データが格納されるデータCRC部33とを有している。
【0097】
そして、このアシンクロナス転送モードでは、送信側ノードから指定した受信側ノードにヘッダ情報及び実データを送信する。すなわち、送信側ノードからは、ネットワーク上をブロードキャストで各ノードにパケットが転送されるが、指定先の受信側ノード以外は無視され、これによりパケット17の受信側ノードID部22に書き込まれたIDに一致するノードのみがパケットデータを読み込むことになる。
【0098】
一方、アイソクロナス転送モードは、特にビデオデータや音声データ等のマルチメディアデータなど、リアルタイムな転送を必要とするデータ転送を行うときに好適した転送モードである。
【0099】
すなわち、上述したアシンクロナス転送モードが受信側ノードと送信側ノードとを1対1に対応させてデータ転送を行っているのに対し、このアイソクロナス転送モードはブロードキャスト機能により、1つの送信側ノードからネットワーク上の全てノードにデータ転送する。
【0100】
図15はアイソクロナス転送における時間的な遷移状態を示す図であって、該アイソクロナス転送では,1サイクル内において複数種のパケット(本例では第1〜第3のチャネル35〜37)に対して各々チャネルIDが付与され、チャネル同士が区別されて転送することが可能となり、これにより、同時に複数ノード間でのリアルタイムな転送を行うことができ、また受信ノードは自己が要求しているチャネルIDのデータのみを取り込むことができる。
【0101】
具体的には、アイソクロナス転送は、1394シリアルバス上に1台存在するサイクルマスタと呼称されるノードが、一定時間(通常は125μsec )毎にサイクル・スタート・パケット38を送信することによりデータ転送が開始する。
【0102】
すなわち、該アイソクロナス転送では、前回サイクルにおけるデータ転送処理が終了した後、所定のアイドル期間(サブアクションギャップ15)が経過すると今回のデータ転送開始を示すサイクル・スタート・パケット38を送信する。そして、アイソクロナスギャップ40(以下、「アイソギャップ」という)と呼称されるアイドル期間が経過した後、第1のチャネル35を転送し、次いでアイソギャップ40が経過した後、第2のチャネル36を転送し、さらにアイソギャップ40が経過した後、第3のチャネル36を転送し、サブアクションギャップ15が経過すると、再びサイクル・スタート・パケット38が転送されて次サイクルのデータ転送が開始する。
【0103】
すなわち、第1〜第3のチャネル35〜37は夫々アービトレーション部35a〜37aとデータパケット部35b〜37bとを有すると共に、アイソギャップ40(アイドル期間)を利用して転送前にバスが空き状態であることを認識する。そして、該アイドル期間が経過すると、アイソクロナス転送を行いたいノードはバスが空いていると判断し、転送前のアービトレーションを行う。
【0104】
また、第1〜第3のチャネル35〜37が有するチャネルIDは送信先アドレスを示すものではなく、データに対する論理的な番号を与えるものであり、したがって、例えば、第1のチャネル35のデータパケット35bは1つの送信元ノードからネットワーク上の他の全てのノードにブロードキャストで転送される。
【0105】
尚、アシンクロナス転送と同様、上述したようにアイソクロナス転送のパケット送信に先立って、アービトレーション部35a〜37aでアービトレーションが行われるが、アシンクロナス転送のように1対1の通信ではないので、アイソクロナス転送にはack (受信確認用返信コード)は存在しない。
【0106】
図16はアイソクロナス転送のパケット構造を示すフォーマットであって、パケットトヘッダ41とデータブロック42とからなる。
【0107】
パケットヘッダ41の内、データ長43にはデータ・フィールドのバイト長が書き込まれ、タグ44にはアイソクロナスパケットのフォーマットが書き込まれ、チャネル45にはパケットの識別に使うチャネル番号が書き込まれる。また、tコード46にはパケットの識別を示すコード情報が書き込まれ、sy(synchronization code)47には受信ノードと送信ノードとの間で映像情報や音声情報等の同期情報を授受するためのコード情報が書き込まれ、さらに、ヘッダCRC48にはヘッダの誤り訂正用のデータが書き込まれる。
【0108】
また、データブロック42の内、データ・フィールド49にはアイソクロナスデータが書き込まれ、データCRC50にはアイソクロナスデータの誤り訂正用のデータが書き込まれる。
【0109】
しかして、1394シリアルバス上では、上述したように、アイソクロナス転送とアシンクロナス転送とは両者が混在した状態で実行され、またアイソクロナス転送はアシンクロナス転送より優先して転送される。
【0110】
すなわち、図17に示すように、サイクル・スタート・パケット38の転送後、アイソクロナス転送を起動するために必要なアイドル期間のギャップ長、すなわちアイソギャップ40でアイソクロナス転送を起動し、これにより、アイソクロナス転送はアシンクロナス転送より優先して実行される。
【0111】
具体的には、アイソクロナスサイクルTの開始時にサイクル・スタート・パケット38がサイクル・マスタ・ノードから各ノードに転送される。これによって、各ノードで時刻調整を行い、所定のアイドル期間(アイソギャップ40)を待ってからアイソクロナス転送を行うべきノードはアービトレーションを行い、第1〜第3のチャネル35〜37のデータパケットが順次アイソクロナス転送される。
【0112】
このようにしてアイソクロナス転送が終了した後、アシンクロナス転送が行われる。すなわち、アイドル期間がアシンクロナス転送の可能なサブアクションギャップ15になると、アシンクロナス転送を行いたいノードはアービトレーションの実行に移れると判断する。ただし、アシンクロナス転送が行える期間は、アイソクロナス転送終了後から、次のサイクル・スタート・パケット38を転送すべき時間までの間にアシンクロナス転送を起動するためのサブアクションギャップ15が得られた場合に限っている。
【0113】
したがって、本例では3つのチャネル分(第1〜第3のチャネル35〜37)のアイソクロナス転送を行い、その後アシンクロナス転送(アービトレーションを含む)で第1及び第2のパケット51、52(各々承認パケットを含む)を転送し、第2のパケット52が転送された後は、アシンクロナス転送を起動するためのサブアクションギャップ15を得ることができないため、アイソクロナスサイクルTが終了し、これにより今回サイクルでのアシンクロナス転送は終了する。
【0114】
尚、非同期または同期転送動作中に次のサイクル・スタート・パケット38を送信すべき時間に至った場合は、無理に中断せず、その転送が終了した後のアイドル期間を待ってから次サイクルのサイクル・ スタート・ パケット38を送信する。すなわち、1サイクルが125μsec を超過して続いたときは、次サイクルは超過時間だけ125μsec から短縮され、したがってアイソクロナスサイクルTは125μsec を基準に可変させることができる。
【0115】
また、アイソクロナス転送はリアルタイム転送を維持するために毎サイクル必要であれば必ず実行され、これによりサイクル時間が短縮された場合は、アシンクロナス転送は次回以降のサイクルで実行される。
【0116】
以上、デジタルI/Fとしての1394シリアルバスの概要について説明した。
【0117】
しかして、本発明の実施の形態に係る情報処理システムは、上記1394シリアルバスを使用してシステムの構築がなされており、以下、本発明の実施の形態を説明する。
【0118】
図18は本発明に係る情報処理システムの一実施の形態を示すシステム構成図であって、該情報処理システムは、パソコン61、2台のプリンタ(第1及び第2のプリンタ62a、62b)、及び動画や静止画を記録再生するデジタルカメラやカメラ一体型デジタルVTR等の記録再生装置63が1394バスケーブル64を介して接続され、該記録再生装置63から出力される映像データは、第1のプリンタ62aに直接転送することにより、ダイレクトプリントが可能とされている。
【0119】
図19は上記情報処理システムの詳細を示すブロック構成図である。
【0120】
記録再生装置63は、外部からの映像データを入力する撮像系73と、入力された映像データをデジタル化するA/Dコンバータ74と、該デジタル化された映像データに所定の信号処理を施す映像信号処理回路75と、デジタル化された映像データをアナログ化するD/Aコンバータ76と、D/Aコンバータ76でアナログ化された映像データを表示する電子ビューファインダ(EVF)77と、所定のアルゴリズムで記録時にデータ圧縮処理を行い再生時にデータ伸張処理を行う圧縮/伸張回路78と、磁気テープや固体メモリ、記録再生ヘッド等を有する記録再生系79と、非圧縮で転送された映像データを記憶する第1のフレームメモリ80と、該第1のフレームメモリ80の読出処理等を制御する第1のメモリ制御部81、圧縮されて転送された映像データを記憶する第2のフレームメモリ82と、該第2のフレームメモリ82の読出処理等を制御する第2のメモリ制御部83と、第1のフレームメモリ80に記憶された非圧縮映像データと第2のフレームメモリ82に記憶された圧縮映像データとの出力切替を行うデータセレクタ84と、上述した1394シリアルバス85と、ユーザによる転送設定などの指示入力を行う操作部86と、上記各構成要素に接続されると共にCPUやROM、RAM等を内蔵して装置全体の制御を行うシステムコントローラ87とを備えている。
【0121】
このように構成された記録再生装置63は、以下のように動作する。
【0122】
すなわち、記録時においては、撮像系73で撮影された映像データは、A/Dコンバータ74でデジタル化された後、映像信号処理回路75で映像処理される。そして、映像信号処理回路75は、2つの出力ポートを有しており、一方の出力ポートからの出力信号は、D/Aコンバータ76でアナログ信号に変換され、撮影中の映像データがEVF77に表示される。また、他方の出力ポートからの出力信号は、圧縮/伸張回路78で所定のアルゴリズムで圧縮処理され、記録再生系79で記録媒体に記録される。
【0123】
尚、圧縮処理としては、デジタルカメラでは代表的なものとしてJPEG方式、家庭用デジタルVTRでは帯域圧縮方法としてのDCT(離散コサイン変換)及びVLC(可変長符号化)に基づいた圧縮方式があり、またその他の圧縮処理としてはMPEG方式等があり、用途に応じて所望の圧縮方式を使用することができる。
【0124】
一方、再生時においては、所望の映像選択が操作部86から入力された指示入力に基づいて選択され、システムコントローラ87の制御下、記録再生系79の記録媒体から所望の映像が再生される。そして、記録媒体から再生された映像データのうち、圧縮状態のまま転送される圧縮映像データは第2のフレームメモリ82に出力され、非圧縮で転送される非圧縮映像データは圧縮/伸張回路78で伸張処理が施された後、第1のフレームメモリ82に出力される。また、再生した映像データをEVF77で表示するときは、圧縮/伸張回路78で伸張処理を施し、D/Aコンバータ76でアナログ信号に変化した後、EVF77に出力して表示する。
【0125】
また、第1及び第2のフレームメモリ80、82は、システムコントローラ87の制御下、第1及び第2のメモリ制御部81、83により書込処理/読出処理が制御され、読み出された映像データはデータセレクタ84に供給される。尚、このとき、第1及び第2のフレームメモリ80、82の出力は、同時間ではいずれか一方の映像データがデータセレクタ84に出力されるように制御される。
【0126】
また、システムコントローラ87は、記録再生装置63内の各部の動作を制御すると共に、データセレクタ84から1394シリアルバス85を介して第1のプリンタ62aやパソコン61に対し、制御コマンドを出力することができる。また、第1のプリンタ62a又はパソコン61から転送されてきた各種コマンドデータは、データセレクタ84からシステムコントローラ87に入力され、記録再生装置63の各部が制御される。
【0127】
第1のプリンタ62a又はパソコン61から転送されてくる制御コマンドのうち、デコーダの有無やデコーダの種類を示す制御コマンドは、要求コマンドとしてシステムコントローラ87に入力された後、記録再生装置63から映像データを転送する際、圧縮映像データ又は非圧縮映像データのうちのいずれの映像データを転送するかを判断するときに使用される。そして、システムコントローラ87は、第1のプリンタ62a又はパソコン61のデコーダ情報に基づいていずれのデータ(圧縮映像データ又は非圧縮映像データ)を転送するかを判断し、その判断結果は第1及び第2のメモリ制御部81、83に伝達される。そして、これにより第1及び第2のフレームメモリ80、82から一方の映像データが読み出されて転送される。すなわち、記録再生装置63での映像データの圧縮方式がデコード可能であると判断されたときは第2のフレームメモリ80に記憶されている圧縮映像データが転送され、デコード不能と判断されたときは第1のフレームメモリ82に記憶されている非圧縮映像データが転送される。
【0128】
データセレクタ84に入力された映像データ及びコマンドデータは、1394バスケーブル64上をデータ転送され、印刷用の映像データは第1のプリンタ62aが受信し、パソコン61に取り込むべき映像データはパソコン61が受信する。コマンドデータも第1のプリンタ62a又はパソコン61に適宜受信される。各データの転送方式については、主に動画データ、静止画データ、音声データはアイソクロナスデータとしてアイソクロナス転送方式で転送され、コマンドデータはアシンクロナスデータとしてアシンクロナス転送方式で転送される。尚、通常は、アイソクロナス転送方式で転送されるデータであっても、転送状況等によりアシンクロナス転送方式でデータ転送した方が好ましいときはアシンクロナス転送でデータ転送することができる。
【0129】
また、第1及び第2のプリンタ62a、62bは共に同一の構成を有し、1394シリアルバス88a、88bと、データセレクタ89a、89bと、所定のアルゴリズムで圧縮された映像データを復号化する復号化回路90a、90bと、復号化された映像データに対し所定の画像処理を施す画像処理回路91a、91bと、該画像処理回路91a、91bで画像処理された画像データを記憶する画像メモリ92a、92bと、プリンタヘッド93a、93bと、該プリンタヘッド93a、93bへの記録用紙の給紙等を制御するプリンタドライバ94a、94bと、コピー枚数等印刷処理に必要なデータを入力するプリンタ操作部95a、95bと、上記各構成要素に接続されて装置全体を制御するプリンタコントローラ96a、96bとを備えている。
【0130】
このように構成されたプリンタ62(第1及び第2のプリンタ62a、62b)は以下のように動作する。
【0131】
すなわち、1394シリアルバス88に入力されたデータはデータセレクタ89で各データの種類毎に分類され、入力された映像データ等プリントすべきデータは、復号化回路90に転送される。コマンドデータの場合はプリンタコントローラ96に制御コマンドとして伝達され、プリンタコントローラ96により各部の制御がなされる。
【0132】
プリンタコントローラ96は、プリンタ62の有する印刷機能情報(印刷方式、記述言語、カラー印刷、用紙サイズ、解像度、印字スピード、両面印刷等)や復号化回路の具備するデコーダの種類、又は復号化回路の有無情報を出力し、パソコン61又は記録再生装置63にコマンドデータを転送することができる。
【0133】
尚、記録再生装置63から転送された映像データは予めプリンタ62で処理可能であることが確認済みとされている。つまり、プリンタ62からパソコン61及び記録再生装置63には上記印刷機能情報やデコーダの有無又は種類、圧縮/非圧縮等の情報が予め送られており、したがって、このような各種情報に応じて最適な印刷制御、転送が行えるという判断の下に映像データが転送されてくるので、プリンタ62の復号化回路90では圧縮データを所定の伸張方式でもって伸張することができる。すなわち、転送されてきた映像データが圧縮データの場合は、復号化回路90で伸張された後、画像処理回路91に入力される。転送されてきた映像データが非圧縮データの場合は、復号化回路90が設けられていないか、又は復号化回路90が記録再生装置63の圧縮方式に対応していないため、データセレクタ89からの出力信号は、直接画像処理回路91に入力される。また、映像データ以外の印刷用データが入力された場合であってデータの伸張を行う必要のないときも、データセレクタ89からの出力信号は、直接画像処理回路91に入力される。
【0134】
画像処理回路91に入力された印刷用データは、印刷に適した画像処理が施された後、プリンタコントローラ96の制御下、画像メモリ92に記憶され、該画像メモリ92から読み出された画像データはプリンタヘッド93に送られ印刷処理される。
【0135】
尚、プリンタヘッド93の駆動や給紙処理等はプリンタドライバ94が行い、またプリンタドライバ94やプリンタヘッド93の動作制御、及びその他各部の制御はプリンタコントローラ96によって行われる。プリンタ操作部95は給送、リセット、インクチェック、プリンタ動作のスタンバイ/開始/停止、用紙サイズの変更指示等の動作を指示入力するためのものであり、その指示入力に応じてプリンタコントローラ26によって各部の制御がされる。
【0136】
また、複数の用紙トレイをプリンタ62に設け、用紙サイズ異なる複数種の記録用紙が給紙可能とするようにしてもよい。
【0137】
尚、復号化回路90の復号化方式としてはJPEG方式が好ましい。すなわち、JPEG方式はソフトウェア的に可能であるので、復号化回路90では、該復号化回路90内のROMにJPEG復号化プログラムファイルを記憶させておいたり、或いは復号化プログラムを他のノードから転送させて使用することによりソフト的に処理することができる。
【0138】
このように記録再生装置63からJPEG方式で圧縮された画像データをプリンタに転送し、プリンタ内で復号化処理する場合は、非圧縮データに変換してから転送するより転送効率が良く、また、ソフトウェアでのデコード処理を用いることで、プリンタ自体にデコーダを設けることにもコスト的にも支障はなく都合が良い。また、復号化回路90ではハード的な復号化として、JPEGデコード回路(ボード)を設けることもできる。
【0139】
そして、映像データを記録再生装置63からパソコン61を介して第2のプリンタ62bに転送し、プリント処理を行うことができる一方で、映像データをパソコン61を経由しないで記録再生装置63から第1のプリンタ62aに転送し、プリント処理を行ったり、或いは映像データをカラー階調や解像度等のプリンタ情報に基づいてパソコン61で再編集した後、記録再生装置63から第1のプリンタ62aに転送し、プリント処理を行うことにより、所謂ダイレクトプリントを実行することができる。
【0140】
また、パソコン61内で予め第1のプリンタ62aの復号化回路90aが具備するデコーダ方式で圧縮し、該圧縮された画像データを記録再生装置63から第1のプリンタ62aに転送することにより、第1のプリンタ62a内では記述言語及び復号化プログラムに対応した特別な処理を要することなくダイレクトプリントを可能とすることもできる(以下、このようなプリンタを「ホストベースドプリンタ」という)。
【0141】
そして、パソコン61は、入力操作を行うキーボードやマウス等を備えた操作部65と、上述した1394シリアルバス66と、所定のアルゴリズムで圧縮された映像データを復号化する復号化回路67と、映像データ等を表示するD/Aコンバータを内蔵したディスプレイ68と、所定の演算プログラムや入力された各種メディア情報が格納されハードディスクドライブ(以下、「HDD」という)69と、所定の演算プログラム等が格納されたROMや演算結果を一時的に記憶したりワークエリアとして使用されるRAMを備えたメモリ部70と、PCI(Peripheral Component Interconnect )バス71を介して上記各構成要素と接続され装置全体を制御するMPU72とを備えている。
【0142】
そして、パソコン61の復号化回路67としては、MPEG方式等のデコーダをボードとしてスロットに差し込んだものや、ハード的に本体に組み込まれたもの、又はMPEG方式やJPEG方式、プリンタ62の復号化回路90におけるプリンタデコーダ方式、その他のソフトデコーダをROM等によって所有することができ、これらデコーダの種類や有無を情報としてコマンドを記録再生装置63に転送することができる。
【0143】
このように構成されたパソコン61においては、記録再生装置63から1394シリアルバス66に転送されてきた映像データ及び各種コマンドデータは、PCIバス71をデータ相互伝送のバスとして各部に転送される。
【0144】
そして、パソコン61では、操作部65からの指示入力と、OS(オペレーティングシステム)やアプリケーションに従い、メモリ部70をワークエリアとしてMPU72によって処理がなされ、また転送されてきた映像データはHDD69に格納される。
【0145】
尚、記録再生装置63から転送されてきた映像データは、予めパソコン61で処理可能であることは確認済みとされている。すなわち、記録再生装置63、第1のプリンタ62aには読込情報(モノクロ/カラー指定、解像度及び階調等)、デコーダの有無やデコーダの種類、圧縮/非圧縮等の情報が送られており、このような各種情報に応じて最適な印刷制御、転送が行えるという判断に基づき映像データが転送されてくるので、パソコン61の復号化回路67では圧縮データを所定の伸張方式でもってデータ伸張することができる。
【0146】
映像データをディスプレイ68で表示するときは、圧縮映像データの場合は復号化回路67で復号化された後に、ディスプレイ68に入力され、また非圧縮映像データの場合は直接ディスプレイ68に入力され、該ディスプレイ68内でD/A変換された後、可視表示される。
【0147】
このようにして転送されてきた映像データはパソコン61内に取り込まれ、記録・編集され、該パソコン61から第2のプリンタ62bに転送可能とされ、また転送先となる第1のプリンタ62aが上述したホストベースドプリンタの場合は、記録再生装置63のデコード方式でパソコン61が一旦映像データを取り込み、第1のプリンタ62aのデコード方式に編集し直してから記録再生装置62を介して第1のプリンタ62aに転送処理することもできる。
【0148】
次に、記録再生装置63から映像データを転送する場合の転送手順を具体的に説明する。
【0149】
図20は記録再生装置63から映像データを転送する場合の転送手順を示すフローチャートであって、本フローチャートでは、記録再生装置63から第1のプリンタ62aやパソコン61に映像データを転送する前に、転送先である第1のプリンタ62a又はパソコン61からデコーダ情報を記録再生装置63にコマンド転送し、記録再生装置63は転送先でデコードできるときは圧縮したままの映像データを転送し、デコードできないときは非圧縮データにした後の映像データを転送するように構成されている。尚、本プログラムは記録再生装置63のシステムコントローラ87で実行される。
【0150】
まず、ステップS51では転送先の機器(例えば、第1のプリンタ62a)を指定し、転送設定を行う。すなわち、ユーザが操作部86を操作して転送設定を行い、設定されたデータはシステムコントローラ87の内蔵RAMに記憶される。
【0151】
次に、ステップS52に進み、1394バスケーブル64を介して記録再生装置63から転送先機器に転送コマンドを送信する。
【0152】
次に、ステップS53に進み、デコーダ情報を受信したか否かを判断する。すなわち、転送先機器は記録再生装置63からの転送コマンドを受信すると該転送先機器からはコマンドデータが記録再生装置63に転送される。そして、ステップS53ではシステムコントローラ87が前記コマンドデータの中にデコーダ情報を含んでいるか否かを判断する。そして、デコーダ情報が含まれている場合は、ステップS54に進み、受信したデコーダ情報から判別されたデコーダの種類が、記録再生装置63の圧縮/伸張回路78で使用される映像データの圧縮方式に対応したデコーダであるか否かを判断する。
【0153】
そしてその答が肯定(Yes)の場合は転送先機器内でのデコードが可能であるため、ステップS55でデコーダ「有り」の設定を行った後、ステップS57に進む。すなわち、映像データの転送実行時に第2のフレームメモリ82からの出力転送が可能となるように制御し、これにより圧縮映像データの1394シリアルバス85からの送出を可能とする。
【0154】
一方、ステップS53又はステップS54の答が否定(No)のとき、すなわち、デコーダ情報を受信しなかったとき、又はデコーダ情報を受信したものの該デコーダ情報が転送先機器にはデコーダが存在しない旨の情報であるとき、或いは転送先機器にデコーダが存在するが当該デコーダの種類が本記録再生装置63の圧縮方式に対応できないときは、ステップS56でデコーダ「無し」の設定を行った後、ステップS57に進む。すなわち、映像データの転送実行時に第1のフレームメモリ80からの出力転送が可能となるように制御し、これにより圧縮映像データの1394シリアルバス85からの送出を可能とする。
【0155】
このようにして転送先機器に応じた映像データ転送時の出力形式の設定を行った後、ステップS57で、ユーザは転送先機器に転送したい映像データを記録再生系79の記録媒体に記録されている映像データから選択し、該映像データを読み出し、続くステップS58ではユーザは操作部86を操作して映像データの転送指令を行う。
【0156】
そして、続くステップS59ではデコーダ「有」に設定されているか否かを判断し、ステップS55でデコーダ「有」に設定されている場合は対応可能なデコーダがあると判断してステップS60に進み、記録媒体から再生した圧縮映像データを第2のフレームメモリ82を介して転送し、ステップS62に進む。
【0157】
一方、ステップS56でデコーダ「無」に設定されている場合はステップS61に進み、圧縮/伸張回路78で伸張された非圧縮データを第1のフレームメモリ80を介して転送し、ステップS62に進む。すなわち、映像データは1394シリアルバス85からアイソクロナス(又はアシンクロナス)転送方式でパケット転送される。
【0158】
そして、ステップS62で、映像データの転送終了を確認した後、続くステップS63では、他の映像データの転送を行うか否かを判断し、その答が肯定(Yes)のときはステップS57に戻って上述の処理を繰り返す一方、その答が否定(No)の場合はステップS64に進み、転送先機器を変更して映像データの転送を続行するか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合はステップS51に戻って上述の処理を繰り返す一方、その答が否定(No)の場合は転送処理を終了する。
【0159】
このようにデコーダ情報は、圧縮して記録した映像データの転送を行う際、圧縮データ転送を行うか、又は非圧縮データ転送を行うかの判断材料となるものであり、しかも転送先機器側からは圧縮データ転送を希望するか、又は非圧縮データ転送を希望するかの要求データとしての役割をも有するものであり、このようにしてデコーダ情報に基づいて記録再生装置63から転送先機器に所望形式で映像データが転送される。
【0160】
尚、予め転送元である記録再生装置63の使用している圧縮方式が転送先機器、例えばパソコン61に事前に通知されている場合、パソコン61側で記録再生装置63から送られる映像データの処理を可能とすることにより、ステップS52におけるパソコン61からのコマンドデータの返送時にパソコン61内のデコーダ情報でなく、映像データ転送に対する命令、すなわち圧縮データ又は非圧縮データの転送指令とする要求コマンドを記録再生装置63に返送するようにしてもよい。
【0161】
また、図20のフローチャートでは、記録媒体に記録されている映像データを使用しているが、記録した映像データに限らず、撮像系73に入力された映像データについても同様に適用することができる。
【0162】
図21及び図22は、本発明に係る情報処理方法としての映像データの処理手順の一実施の形態(第1の実施の形態)を示すフローチャートであって、本第1の実施の形態では映像データの画像情報及びプリンタの機能情報に基づいてプリンタを選択し、またパソコン61に画像データを取り込み、編集モードが設定されている場合はパソコン61で編集した後、転送先プリンタに転送している。
【0163】
ステップS81ではユーザは1394バスケーブル64に接続されているプリンタを指定し、続くステップS82では、前記指定されたプリンタに対し、当該プリンタの有する各種プリンタ情報(カラー印刷情報、記述言語、用紙サイズ、解像度、プリンタステータス情報、デコーダの有無および種類等)を転送するように転送要求コマンドを送信する。
【0164】
そして、ステップS83ではプリンタからのプリンタ情報がパソコン61に転送され、前記各種プリンタ情報がパソコン61のメモリ部70に格納される。次いで、ステップS84では1394バスケーブル64に接続されている他のプリンタがあるか否かを判断し、その答が肯定(Yes)の場合はステップS81に戻ってステップS82、ステップS83の処理を繰り返す。
【0165】
このようにして上記各種プリンタ情報は、各プリンタ毎に区分されてメモリ部70に格納される。
【0166】
次に、ステップS85では、ユーザはパソコン61のメモリ部70に記憶されている映像データの中から転送先プリンタに転送したい映像データを選択し、読み出す。次いで、ステップS86ではパソコン61で既に取り込んだ映像データの画像情報とメモリ部70に格納されているプリンタ情報とを比較し、出力先候補となる少なくとも1つ以上のプリンタを選択する。
【0167】
すなわち、映像データの画像情報(カラー情報、記述言語、データの大きさ、解像度、圧縮方法)とプリンタ情報(印刷可能なカラー情報、プリンタがサポートしている記述言語、用紙サイズ、プリンタがサポートしている解像度、プリンタがサポートしているデコーダ)とが各々一致しているか否かを判断し、一致していれば各要素に対して設定されている設定値を加算する。そして、これら各設定値の総計の数値が大きい順に少なくとも一つ以上のプリンタが転送先プリンタ(本実施の形態では第1のプリンタ62a)として選択される。尚、この場合、総計の数値が同一値の場合は予め設定されている優先順位にしたがって選択され、本実施の形態では優先順位は現在選択されているプリンタが最優先とされている。
【0168】
図23は映像データの画像情報とプリンタ情報との対比テーブルであって、メモリ70に格納されている。本実施の形態では、設定値が、カラー情報は「1」、記述言語は「3」、映像データの大きさ・用紙サイズは「5」、解像度は「2」、圧縮方法・デコーダが「2」に設定されている。
【0169】
尚、映像データの画像情報やプリンタ情報の項目、及び設定値は、図23に示した対比テーブルに限定されるものではなく、例えば印刷速度を優先させる場合は、画像情報とプリンタ情報とが一致しない場合に変換時間に関する項目の設定値を大きくしたり、或いは画質を優先させたい場合は、映像データとプリンタのサポートする解像度が一致するか、画質に最も影響を与える項目の設定値を大きくすることもできる。また、画像情報とプリンタ情報に共通した情報だけではなく、プリンタの印刷速度が速ければ設定値を大きくする等、プリンタのステータスを機能の高さに応じた設定値とし、斯かる機能に応じた設定値を加算していくことにより、最適な転送先プリンタを選択するようにしてもよい。
【0170】
また、ユーザの選択によって設定値の組み合わせを複数の中から選択できるようにすることもできる。例えば、「印刷速度優先」「画質優先」などの設定はパソコン61の設定画面からユーザが入力してその入力結果をメモリ部70に記憶するのも好ましく、これによりユーザが「印刷速度優先」に設定していた場合は印刷速度優先として設定された値の組み合わせを選択し、「画質優先」に設定していた場合は画質優先として設定された値の組み合わせを選択することができる。
【0171】
このように各プリンタの有する機能情報を記憶し、映像データの画像情報とプリンタのプリンタ情報とを比較し、一致した場合の設定値を加算することにより、出力先候補となる所望のプリンタを迅速に選択することができる。
【0172】
そして、ステップS87〜ステップS101では、所定の編集モードに応じた処理を行う。
【0173】
すなわち、本実施の形態では、編集の種類として、用紙サイズに基づく編集、カラー印刷情報に基づく編集、及び解像度情報に基づく編集の3種類が用意されており、これら用紙サイズ、カラー印刷情報、及び解像度情報について映像データの画像情報を適宜編集する。そして、編集モードとしては、図24に示すように、映像データを転送先である第1のプリンタ62aに直接転送する場合、すなわち映像データを編集しない場合は「0」に設定され、第1のプリンタ62aのプリンタ機能情報に基いて不一致項目を自動編集する場合(自動編集モード)は「1」に設定され、ユーザに夫々の不一致項目の変更ガイダンスを表示した後、表示した不一致項目の設定画面と変更ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示に基づいて編集を促して手動編集する場合(手動編集モード)は「2」に設定される。
【0174】
そして、ステップS87では編集モードが「0」か否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合は、映像データの編集を行うことなく第1のプリンタ62aに該映像データを送信する場合であり、図22のステップS103に進む。
【0175】
一方、ステップS87の答が否定(No)の場合はステップS88に進み、パソコン61で受信したプリンタ情報に含まれる用紙サイズ情報と映像データの印刷可能な用紙サイズとが一致し、しかも編集モードが「1」に設定されて自動編集モードとされているか否かを判断する。そしてその答が肯定(Yes)の場合には用紙サイズ編集は不要と判断してステップS95に進む。
【0176】
一方、受信したプリンタ情報に用紙サイズ情報が含まれていなかった場合や、用紙サイズ不一致の場合はステップS88の答は否定(No)となってステップS89に進む。
【0177】
ステップS89では第1のプリンタ62aに装着されている記録用紙の用紙サイズと映像データの用紙サイズとが不一致であって、しかも給紙要求がなされているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合、すなわち、用紙サイズが不一致でしかも所望の記録用紙が第1のプリンタ62aに装着されていない場合はステップS90に進み、第1のプリンタ62aに対して用紙サイズの変更又は記録用紙の給紙を促す要求コマンドを1394バス64を介して転送する。すなわち、第1のプリンタ62aの用紙カセットや用紙トレイに装着されている用紙サイズとは異なる記録用紙に映像データを印刷する場合であり、用紙サイズの変更を促すべく「用紙をA4に変更して下さい。」等メッセージ情報をパソコン61のディスプレイ65に表示する。
【0178】
そして、ステップS91では所望の用紙サイズの記録用紙が給紙されるまで待機し、その後記録用紙が給紙されるとステップS91の答が肯定(Yes)となり、ステップS94で用紙サイズ情報に基づく手動編集を行い、ステップS95に進む。すなわち、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データのファイル拡張子等により、関連するアプリケーションを起動し、パソコン61の内蔵スピーカ等を介して例えば給紙された用紙サイズの確認を促す音声ガイダンスを出力した後、ユーザに用紙サイズ選択リストを表示し、表示された用紙サイズ選択リストから最適な用紙サイズを選択させたりまたは、給紙された用紙サイズに収まるよう拡大または縮小及び回転処理等を指示する設定画面の表示、データサイズ変更ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことにより手動編集処理(拡大または縮小及び回転処理等)を行う。
【0179】
一方、ステップS89の答が否定(No)の場合は、ステップS92に進み、編集モードが「1」(自動編集モード)に設定されているか否かを判断する。すなわち、第1のプリンタ62aに記録用紙が装着されているため給紙要求はないが、用紙サイズが不一致と判断された場合は用紙サイズに基づく編集処理を行う必要があり、ステップS92では編集モードの判別を行う。
【0180】
そして、ステップS92の答が肯定(Yes)となって自動編集モードに設定されていると判断された場合は、ステップS93に進み、自動編集処理を行う。すなわち、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、転送先である第1のプリンタ62aの用紙サイズ情報に基いて映像データが所望の用紙サイズに収まるように自動編集処理(拡大または縮小及び回転処理等)を行う。
一方、ステップS92の答が否定(No)となって手動編集モードに設定されていると判断された場合は、ステップS94に進み、映像データの大きさの変更を促す音声ガイダンスを出力した後、ユーザに用紙サイズ選択リストから最適な用紙サイズを選択するか、また選択した用紙サイズに収まるよう拡大または縮小及び回転処理等を指示する設定画面、データサイズ変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことにより上述と同様、用紙サイズ情報に基づく手動編集処理を行い、ステップS95に進む。
【0181】
次に、ステップS95では、受信したプリンタ情報から第1のプリンタ62aのカラー印刷情報と映像データのカラー情報とが一致し、しかも編集モードが「1」か否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合にはカラー編集は不要と判断して図22のステップS99に進む。
【0182】
一方、ステップS95の答が否定(No)、すなわち受信したプリンタ情報にカラー情報が含まれていない場合や、映像データのカラー情報とプリンタのカラー印刷情報とが一致しない場合はステップS96に進み、編集モードが「1」(自動編集モード)に設定されているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合はステップS97に進み、パソコン61内で映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、転送先のプリンタのカラー情報に基づいた自動編集処理(階調によるグラフィックイメージ処理等)を行う。例えば、映像データの階調とプリンタの印刷可能な階調が異なる場合は、階調の変換を行い、また映像データがカラーデータであるが、プリンタがモノクロ印刷機能しかない場合はカラー画像データの白黒二値データに変換し、その後、図22のステップS99に進む。
【0183】
一方、ステップS96の答が否定(No)となって手動編集モードと判断された場合は、ステップS98に進み、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データのファイル拡張子等により、関連するアプリケーションソフト等を起動した後、パソコン61のディスプレイ65に例えばカラー諧調の変換を促すガイダンス表示した後、ユーザにカラー調整画面を表示し、表示されたカラー調整画面から最適なカラー特性を指示したりまたは、グラフィックス設定画面、グラフィックス変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことによりユーザに最適なカラー調整を要求する手動編集処理(階調によるグラフィックイメージ処理等)を行い、その後、図22のステップS99に進む。
【0184】
次に、ステップS99では、パソコン61で受信したプリンタ情報に含まれる解像度情報と映像データの解像度とが一致し、しかも編集モードが「1」に設定されているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合は解像度編集は不要と判断してステップS103に進む。
【0185】
一方、ステップS99の答が否定(No)の場合、すなわち受信したプリンタ情報に解像度情報が含まれていなかった場合やプリンタの解像度情報と映像データの解像度情報とが不一致の場合はステップS100に進み、編集モードが「1」に設定されているか否かを判断する。そして、その答が肯定(Yes)の場合は自動編集モードに設定されていると判断され、ステップS101に進んで自動編集処理を行う。すなわち、パソコン62a内で映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データを転送先のプリンタの解像度情報に基いて自動編集処理を行う。
【0186】
一方、ステップS100の答が否定(No)となって手動編集モードに設定されていると判断された場合は、ステップS102に進み、解像度情報に基づく手動編集処理を行う。すなわち、映像データの伸張処理が必要であれば伸張処理を行った後、映像データのファイル拡張子等により、関連するアプリケーションソフト等を起動した後、、パソコン61の内蔵スピーカ等を介して例えば解像度の変更を促す音声ガイダンスを出力した後、ユーザに解像度の変更を指示する設定画面の表示、解像度変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示を行うことにより最適な解像度となるように要求する手動編集処理を行う。
【0187】
このようにして映像データの編集処理が終了すると、ステップS103に進む。ステップS103では、受信したプリンタ情報に含まれるデコーダの種類と映像データを圧縮しているデコーダの種類とが一致するか否かを判別する。デコーダの種類が一致し、デコーダの非圧縮での転送要求がないと判断された場合にはステップS104に進む。また受信したプリンタ情報にデコーダ情報が含まれていなかったとき、又は映像データを伸長するデコーダがプリンタに存在しないと判断されたとき、或いは一致している場合でも非圧縮の要求がある場合にはステップS105に進む。
【0188】
そして、ステップS104ではデコーダ「有」、すなわち圧縮したままの圧縮映像データをメモリ部70から1394バス上に転送するように設定し、ステップS106に進む。
【0189】
一方、ステップS105ではデコーダ「無」、すなわち圧縮映像データの場合は映像データを伸張し、非圧縮映像データの場合はそのままのデータ形式で非圧縮映像データをメモリ部70から1394バス上に転送するように設定し、ステップS106に進む。
【0190】
次に、ステップS106ではステップS86で選択した転送先を指定し、指示に基づいた転送設定を行う。そしてステップS106ではこれから映像データの転送を行うことを告げる所定の情報を含んだコマンドを1394シリアルバス66を用いて転送指令を行う。
【0191】
次にステップS108では、ステップS103でデコーダ「有」に設定されているか否かを判断し、その答が肯定(Yes)の場合はステップS109に進み、メモリ部70から圧縮映像データを転送するように制御し、ステップS111に進む。
【0192】
一方、ステップS108の答が否定(No)の場合はステップS110に進み、ステップS107の転送指令に応じてメモリ部70から読み出した非圧縮映像データを転送するように制御し、ステップS111に進む。尚、ここでの映像データの転送は1394シリアルバス85を介してアイソクロナス(又はアシンクロナス)転送方式でパケット転送される。
【0193】
ステップS111で映像データ転送処理を終了すると、続くステップS112では転送先を変更するか否かを判断する。ステップS86で転送先のプリンタを複数選択した場合には、ステップS112の答が肯定(Yes)となってステップS86に戻り上述の処理を繰り返す。これにより、リアルタイムで複数のプリンタからの同一ドキュメントの同時印刷が可能となる。
【0194】
一方ステップS112の答が否定(No)となって転送先を変更して印刷処理を続行する必要が無いときは、ステップS113に進み、他の映像データの転送を行うか否かを判断し、その答が否定(No)のときはそのまま処理を終了する一方、その答が肯定(Yes)のときはステップS85に戻り映像データの読み出した後、ステップS86以降の処理を繰り返す。
【0195】
このように選択したプリンタ等のプリンタ情報に基づいて最適な印刷形式に編集した後、転送先のプリンタ等がデコードできるときは転送先のデコード形式にデコードした圧縮データを転送することができ、デコードできない時は非圧縮のデータを転送することができ、転送効率の向上を図ることができる。
【0196】
また、転送先プリンタの具備するデコーダで伸張できないときは非圧縮映像データを転送しているので、転送元である記録再生装置63から誤った圧縮方式のデータが転送されることも無くなる。
【0197】
図25は、本発明に係る情報処理システムの第2の実施の形態を示すシステム構成図であって、本第2の実施の形態では、第1の実施の形態と同様、1394シリアルバスにより、1394バスケーブル64を介して記録再生装置63の他、3台のプリンタ62a、62b、98及びスキャナ97がパソコン61に接続されている。
【0198】
本第2の実施の形態においても、第1の実施の形態と同様、パソコン61上に格納されているテキストデータや(静止)画像データをアプリケーションを介し1394バスケーブル64により相互に接続された複数のプリンタに転送することが可能である。
【0199】
すなわち、本第2の実施の形態においては、1394シリアルバスを用いて転送先のプリンタ等からプリンタ情報のコマンド受信することにより、パソコン61は映像データのみならず、テキストデータや画像データをプリンタの印刷形式に基づいた情報により編集し、最適な転送先プリンタを選択することが可能となる。
【0200】
尚、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。上記実施の形態では、パソコン61内に取り込まれた圧縮映像データを使用して説明したが、外部入力した映像データであって記録処理が行われていない圧縮映像データ、或いはパソコン61内で作成された圧縮されていないテキストデータや画像データを使用したものであってもよい。
【0201】
また、接続される外部機器としては、ハードディスクなどの外部記憶装置や、CD−R、DVD等の1394シリアルバスでネットワーク構成できる機器であればよく、また、出力装置としても両面印刷機能や高速印刷が可能なレーザプリンタ等のデジタル機器を接続することができ、扱うデータも映像データ、テキストデータ或いは画像データに限らず、音声データや各種ファイルデータなどであっても構わない。
【0202】
【発明の効果】
以上詳述したように本発明によれば、ユーザが出力装置の機能を把握していない場合であっても少なくとも1台以上の出力先候補となる出力装置を選択することができ、該選択された出力装置の機能情報と編集モードに基づいて画像データとの不一致情報を音声ガイダンスで通知し、手動編集モードの場合には、不一致項目の設定画面、不一致項目の変更を促す音声ガイダンスおよびオンラインヘルプ表示に従って、画像データを効率良く再編集し、その後出力データを出力装置に転送することにより、転送効率の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1394シリアルバスを使用して複数のデジタル機器が互いに接続された情報処理システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】1394シリアルバスの概略を示すブロック構成図である。
【図3】1394バスケーブルの断面図である。
【図4】1394シリアルバスのデータ転送における符号化方式を示すタイムチャートである。
【図5】1394シリアルバスのアドレス空間を示すフォーマット図である。
【図6】ノードID決定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図7】ツリー識別処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図8】1394シリアルバスで各ノードのIDを決定するトポロジ設定を説明するための図である。
【図9】ノードID設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図10】通常アービトレーション処理の処理手順を示すフローチャートである。
【図11】1394シリアルバスでのアービトレーションを説明するための図である。
【図12】1394シリアルバスでのアービトレーションを説明するための図である。
【図13】アシンクロナス転送の時間的な状態遷移を示す図である。
【図14】アシンクロナス転送のパケットのフォーマットの一例を示す図である。
【図15】アイソクロナス転送の時間的な状態遷移を示す図である。
【図16】アイソクロナス転送のパケットフォーマットの一例を示す図である。
【図17】1394シリアルバスで実際のバス上を転送されるパケットの様子を示したバスサイクルの一例を示す図である。
【図18】本発明に係る情報処理システムの一実施の形態を示すシステム構成図である。
【図19】上記情報処理システムの詳細を示すブロック構成図である。
【図20】映像データ転送手順の一実施の形態を示すフローチャートである。
【図21】本発明に係る情報処理方法としての映像データの処理手順の一実施の形態を示すフローチャート(1/2)である。
【図22】本発明に係る情報処理方法としての映像データの処理手順の一実施の形態を示すフローチャート(2/2)である。
【図23】画像情報及びプリンタ情報と設定値との組み合わせの一例を示す図である。
【図24】編集モードの設定値を示すテーブル図である。
【図25】本発明の他の実施の形態を示すシステム構成図である。
【符号の説明】
61 パソコン(情報処理装置)
62a プリンタ(出力装置)
62b プリンタ(出力装置)
63 記録再生装置(データ入力装置)
70 メモリ部(記憶手段)
72 MPU(機能情報取得手段、選択手段、判断手段、編集手段)
97 スキャナ(データ入力装置)
98 プリンタ(出力装置)
Claims (41)
- 所定通信網を介して複数の出力装置及びデータ入力装置に接続された情報処理装置であって、
前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、
該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段とを備えていることを特徴とする情報処理装置。 - 前記機能情報取得手段は、前記出力装置の機能情報の要求信号を送信し、該要求信号に応答して転送された機能情報を取得することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
- 前記機能情報は用紙サイズ情報を含み、前記選択手段は、前記外部装置の印刷可能な用紙サイズと前記データの有するデータサイズとに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項1又は2記載の情報処理装置。
- 前記機能情報はカラー情報を含み、前記選択手段は、前記データのカラー特性と前記出力装置が有するカラー出力機能とに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記機能情報は解像度情報を含み、前記選択手段は、前記データの解像度特性と前記出力装置が有する解像度情報とに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記機能情報はデコーダ情報を含み、前記選択手段は、前記出力装置の有するデコーダ情報と出力データの圧縮方式とに基づいて出力先となる出力装置を選択することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記所定の編集モードは、手動編集モードと自動編集モードとを有していることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記機能情報は用紙サイズ情報を含み、前記自動編集モードは、前記外部装置の印刷可能な用紙サイズと前記データの有するデータサイズとに基づいて編集を行う自動編集手段を設け、前記手動編集モードは、前記外部装置の用紙サイズ情報により画像サイズ変更を促す音声ガイダンスに基づいて編集を行う手動編集手段を設けたことを特徴とする請求項1又は7記載の情報処理装置。
- 前記機能情報はカラー情報を含み、前記自動編集モードは、前記データのカラー特性と前記出力装置が有するカラー出力機能とに基づいて編集を行う自動編集手段を設け、前記手動編集モードは、前記出力装置が有するカラー出力機能によりカラー特性変更を促す音声ガイダンスに基づいて前記データの編集を行う手動編集手段を設けたことを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記機能情報は解像度情報を含み、前記自動編集モードは、前記データの解像度特性と前記出力装置が有する解像度情報とに基づいて自動編集を行う自動編集手段を設け、前記手動編集モードでは、前記出力装置が有する解像度情報により解像度変更を促す音声ガイダンスに基づいて前記データの編集を行う手動編集手段を設けたことを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記選択手段で選択された前記出力装置の前記機能情報を検出する機能情報検出手段と、前記機能情報検出手段で検出された機能情報を格納する機能情報格納手段と、前記データの画像情報及び設定情報を格納する設定情報格納手段と、前記機能情報と前記設定情報とを比較解析し、前記機能情報と前記設定情報との機能設定情報不一致を検出する機能設定情報不一致検出手段と、前記検出手段からの機能設定情報不一致情報を格納する機能設定不一致情報格納手段と、前記機能設定不一致情報に対応した音声ガイダンス情報格納手段と、前記音声ガイダンス情報を出力する音声ガイダンス出力手段と、前記データの設定情報の各項目を表示する項目表示情報と各項目の値を格納する項目情報格納手段と、前記設定情報の各項目の表示情報と各項目の値を表示する項目情報表示手段と、前記項目情報表示手段で表示された各項目の表示位置情報を格納する表示位置情報格納手段と、前記項目情報表示手段で表示される各項目と該項目に対応した印刷機能の説明内容(ヘルプ)の表示位置情報を格納するへルプ表示位置情報格納手段と、前記ヘルプ情報を表示するヘルプ表示手段と、時間間隔の計測や入力手段からのタイミング設定を行うタイマ計測手段とを備え、前記機能設定情報不一致検出手段で機能設定不一致が検出されたならば、前記音声ガイダンス出力手段により前記機能設定情報不一致に対応した機能設定情報不一致音声ガイダンス情報を出力した後、入力手段からの入力または所定時間経過後、前記機能設定情報不一致情報に対応した前記データの設定情報の各項目と各項目の値等を含む設定画面を表示すると共に、前記機能設定情報不一致情報に対応した前記設定情報の各項目に対応した前記ヘルプ情報を表示することにより前記出力装置の機能情報に基づいて各項目の設定情報の変更を行う編集手段とを有していることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記所定通信網は、IEEE1394−1995であることを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記データ入力装置は、記録再生装置であることを特徴とする請求請1〜12のいずれかに記載の情報処理装置。
- 前記データ入力装置は、画像読取装置であることを特徴とする請求請1〜13のいずれかに記載の情報処理装置。
- データ入力装置に入力されたデータを編集し、所定通信網を介して出力装置に出力する情報処理方法であって、
前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶ステップと、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得ステップと、前記記憶ステップで記憶されたデータ及び前記機能情報取得ステップで取得した機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択ステップと、該選択ステップにより選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析ステップと、該解析ステップの解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断ステップとを含み、
さらに、該判断ステップでの判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択ステップで選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集ステップを含んでいることを特徴とする情報処理方法。 - 前記機能情報取得ステップは、前記出力装置の機能情報の要求信号を送信し、該要求信号に応答して転送された機能情報を取得することを特徴とする請求項15記載の情報処理方法。
- 前記機能情報は用紙サイズ情報を含み、前記選択ステップは、前記外部装置の印刷可能な用紙サイズと前記データの有するデータサイズとに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項15又は16記載の情報処理方法。
- 前記機能情報はカラー情報を含み、前記選択ステップは、前記データのカラー特性と前記出力装置が有するカラー出力機能とに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項15〜17のいずれかに記載の情報処理方法。
- 前記機能情報は解像度情報を含み、前記選択ステップは、前記データの解像度特性と前記出力装置が有する解像度情報とに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項15〜18のいずれかに記載の情報処理方法。
- 前記機能情報はデコーダ情報を含み、前記選択ステップは、前記出力装置の有するデコーダ情報と出力データの圧縮方式とに基づいて出力先となる出力装置を選択することを特徴とする請求項15〜19のいずれかに記載の情報処理方法。
- 前記所定の編集モードは、手動編集モードと自動編集モードとを有していることを特徴とする請求項15〜20のいずれかに記載の情報処理方法。
- 前記機能情報は用紙サイズ情報を含み、前記自動編集モードは、前記外部装置の印刷可能な用紙サイズと前記データの有するデータサイズとに基づいて編集を行う自動編集ステップを設け、前記手動編集モードは、前記外部装置の用紙サイズ情報により画像サイズ変更を促す音声ガイダンスに基づいて編集を行う手動編集ステップを設けたことを特徴とする請求項15又は21記載の情報処理方法。
- 前記機能情報はカラー情報を含み、前記自動編集モードは、前記データのカラー特性と前記出力装置が有するカラー出力機能とに基づいて編集を行う自動編集ステップを設け、前記手動編集モードは、前記出力装置が有するカラー出力機能によりカラー特性変更を促す音声ガイダンスに基づいて前記データの編集を行う手動編集ステップを設けたことを特徴とする請求項15〜22のいずれかに記載の情報処理方法。
- 前記機能情報は解像度情報を含み、前記自動編集モードは、前記データの解像度特性と前記出力装置が有する解像度情報とに基づいて編集を行う自動編集ステップを設け、前記手動編集モードでは、前記出力装置が有する解像度情報により解像度変更を促す音声ガイダンスに基づいて前記データの編集を行う手動編集ステップを設けたことを特徴とする請求項15〜23のいずれかに記載の情報処理方法。
- 前記選択手段で選択された前記出力装置の前記機能情報を検出する機能情報検出ステップと、前記機能情報検出手段で検出された機能情報を格納する機能情報格納ステップと、前記データの画像情報及び設定情報を格納する設定情報格納ステップと、前記機能情報と前記設定情報とを比較解析し、前記機能情報と前記設定情報との機能設定情報不一致を検出する機能設定情報不一致検出ステップと、前記検出手段からの機能設定情報不一致情報を格納する機能設定不一致情報格納ステップと、前記機能設定不一致情報に対応した音声ガイダンス出力情報格納ステップと、前記音声ガイダンス情報を出力する音声ガイダンス出力ステップと、前記データの設定情報の各項目を表示する項目表示情報と各項目の値を格納する項目情報格納ステップと、前記設定情報の各項目の表示情報と各項目の値を表示する項目情報表示ステップと、前記項目情報表示手段で表示された各項目の表示位置情報を格納する表示位置情報格納ステップと、前記項目情報表示ステップで表示される各項目と該項目に対応した印刷機能の説明内容(ヘルプ)の表示位置情報を格納するへルプ表示位置情報格納ステップと、前記ヘルプ情報を表示するヘルプ表示ステップと、時間間隔の計測や入力手段からのタイミング設定を行うタイマ計測ステップとを備え、前記機能設定情報不一致検出ステップで機能設定不一致が検出されたならば、前記音声ガイダンス出力ステップにより前記機能設定情報不一致に対応した機能設定情報不一致音声ガイダンス情報を出力した後、入力ステップからの入力または所定時間経過後、前記機能設定情報不一致情報に対応した前記データの設定情報の各項目と各項目の値等を含む設定画面を表示すると共に、前記機能設定情報不一致情報に対応した前記設定情報の各項目に対応した前記ヘルプ情報を表示することにより前記出力装置の機能情報に基づいて各項目の設定情報の変更を行う編集ステップとを有していることを特徴とする請求項15〜24のいずれかに記載の情報処理方法。
- 前記所定通信網は、IEEE1394−1995であることを特徴とする請求項15〜25のいずれかに記載の情報処理方法。
- 複数の出力装置及びデータ入力装置が通信回線網を介して情報処理装置と接続された情報処理システムであって、
前記情報処理装置が、前記データ入力装置から転送されてきたデータを記憶する記憶手段と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手段と、前記記憶手段に記憶されたデータ及び前記機能情報取得手段により取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手段と、該選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手段と、該解析手段の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手段とを備え、
該判断手段の判断結果により所定の編集モードに応じ、前記選択手段により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手段を備えていることを特徴とする情報処理システム。 - 前記機能情報取得手段は、前記出力装置の機能情報の要求信号を送信し、該要求信号に応答して転送された機能情報を取得することを特徴とする請求項27記載の情報処理システム。
- 前記機能情報は用紙サイズ情報を含み、前記選択手段は、前記外部装置の印刷可能な用紙サイズと前記データの有するデータサイズとに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項27又は28記載の情報処理システム。
- 前記機能情報はカラー情報を含み、前記選択手段は、前記データのカラー特性と前記出力装置が有するカラー出力機能とに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項27〜29のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記機能情報は解像度情報を含み、前記選択手段は、前記データの解像度特性と前記出力装置が有する解像度情報とに基づいて前記画像の転送先を選択することを特徴とする請求項27〜30のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記機能情報はデコーダ情報を含み、前記選択手段は、前記出力装置の有するデコーダ情報と出力データの圧縮方式とに基づいて出力先となる出力装置を選択することを特徴とする請求項27〜31のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記所定の編集モードは、手動編集モードと自動編集モードとを有していることを特徴とする請求項27〜32のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記機能情報は用紙サイズ情報を含み、前記自動編集モードは、前記外部装置の印刷可能な用紙サイズと前記データの有するデータサイズとに基づいて自動編集を行う自動編集手段を設け、前記手動編集モードでは、前記外部装置の用紙サイズ情報により画像サイズ変更を促す音声ガイダンスに基づいて編集を行う手動編集手段を設けたことを特徴とする請求項27又は33記載の情報処理システム。
- 前記機能情報はカラー情報を含み、前記自動編集モードは、前記データのカラー特性と前記出力装置が有するカラー出力機能とに基づいて編集を行う自動編集手段を設け、前記手動編集モードは、前記出力装置が有するカラー出力機能によりカラー特性変更を促す音声ガイダンスに基づいて前記データの編集を行う手動編集手段を設けたことを特徴とする請求項27〜34のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記機能情報は解像度情報を含み、前記自動編集モードは、前記データの解像度特性と前記出力装置が有する解像度情報とに基づいて編集を行う自動編集手段を設け、前記手動編集モードでは、前記出力装置が有する解像度情報により解像度変更を促す音声ガイダンスに基づいて前記データの編集を行う手動編集手段を設けたことを特徴とする請求項27〜35のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記選択手段で選択された前記出力装置の前記機能情報を検出する機能情報検出手段と、前記機能情報検出手段で検出された機能情報を格納する機能情報格納手段と、前記データの画像情報及び設定情報を格納する設定情報格納手段と、前記機能情報と前記設定情報とを比較解析し、前記機能情報と前記設定情報との機能設定情報不一致を検出する機能設定情報不一致検出手段と、前記検出手段からの機能設定情報不一致情報を格納する機能設定不一致情報格納手段と、前記機能設定不一致情報に対応した音声ガイダンス出力情報格納手段と、前記音声ガイダンス出力情報を表示する音声ガイダンス出力手段と、前記データの設定情報の各項目を表示する項目表示情報と各項目の値を格納する項目情報格納手段と、前記設定情報の各項目の表示情報と各項目の値を表示する項目情報表示手段と、前記項目情報表示手段で表示された各項目の表示位置情報を格納する表示位置情報格納手段と、前記項目情報表示手段で表示される各項目と該項目に対応した印刷機能の説明内容(ヘルプ)の表示位置情報を格納するへルプ表示位置情報格納手段と、前記ヘルプ情報を表示するヘルプ表示手段と、時間間隔の計測や入力手段からのタイミング設定を行うタイマ計測手段とを備え、前記機能設定情報不一致検出手段で機能設定不一致が検出されたならば、前記音声ガイダンス出力手段により前記機能設定情報不一致に対応した機能設定情報不一致音声ガイダンス出力情報を出力した後、入力手段からの入力または所定時間経過後、前記機能設定情報不一致情報に対応した前記データの設定情報の各項目と各項目の値等を含む設定画面を表示すると共に、前記機能設定情報不一致情報に対応した前記設定情報の各項目に対応した前記ヘルプ情報を表示することにより前記出力装置の機能情報に基づいて各項目の設定情報の変更を行う編集手段とを有していることを特徴とする請求項27〜36のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記所定通信網は、IEEE1394−1995であることを特徴とする請求項27〜37のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記データ入力装置は、記録再生装置であることを特徴とする請求請27〜38のいずれかに記載の情報処理システム。
- 前記データ入力装置は、画像読取装置であることを特徴とする請求請27〜39のいずれかに記載の情報処理システム。
- 外部から入力されたデータを編集し、複数の出力装置の中から選択された出力装置に前記データを転送するためのプログラムが記録されたコンピュータ読取可能な記憶媒体であって、
前記外部から転送されてきたデータを記憶する記憶手順と、前記複数の出力装置の機能情報を出力装置毎に取得する機能情報取得手順と、前記記憶手順で記憶されたデータ及び前記機能情報取得手順で取得された機能情報に基づいて出力先候補となる出力装置を選択する選択手順と、該選択手順により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データとの整合性を解析する解析手順と、該解析手順の解析結果に基づいて前記データの編集を行うか否かを判断する判断手順と、該判断手順の判断結果により所定の編集モードに応じて、前記選択手順により選択された出力装置の機能情報に基づいて前記データの編集を行う編集手順とが記憶されていることを特徴とする記憶媒体。
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