JP2004029621A - 配線基板の製造方法およびこれにより得られる配線基板 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学素子および光導波路の位置を精度良く配置できる配線基板の製造方法およびこれにより得られる配線基板を提供する。
【解決手段】表面8および裏面9を有し且つ複数の絶縁層3〜5とその間に位置する配線層6,7とを含む配線基板1において、光学素子16から放射された光Hが上記表面8と裏面9との間を貫通する貫通孔10を通過するように、上記配線基板1の表面8側に上記光学素子16を実装する実装工程と、上記配線基板1の裏面9側において、上記光学素子16から放射された光Hを受光可能な反射ミラー面20を一端に有する光導波路18を上記裏面9に沿ってスライドさせると共に、上記反射ミラー面20が上記光学素子16から放射された光Hを受光した位置で上記光導波路18を上記配線基板1の裏面9に固定する配置工程と、を含む、配線基板の製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】表面8および裏面9を有し且つ複数の絶縁層3〜5とその間に位置する配線層6,7とを含む配線基板1において、光学素子16から放射された光Hが上記表面8と裏面9との間を貫通する貫通孔10を通過するように、上記配線基板1の表面8側に上記光学素子16を実装する実装工程と、上記配線基板1の裏面9側において、上記光学素子16から放射された光Hを受光可能な反射ミラー面20を一端に有する光導波路18を上記裏面9に沿ってスライドさせると共に、上記反射ミラー面20が上記光学素子16から放射された光Hを受光した位置で上記光導波路18を上記配線基板1の裏面9に固定する配置工程と、を含む、配線基板の製造方法。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、通電路の他に光導波路を有する配線基板の製造方法およびこれにより得られる配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図5(A)に示すように、図示しない配線層を有するセラミックからなる基板本体62を有する配線基板60においては、その表面63に光導波路64を先に形成し、かかる光導波路64の上に光学素子70およびこれを動作させるICチップ72を実装している。上記光導波路64は、両端に反射ミラー面68を有するコア66の周囲にクラッド65を被覆したもので、かかるコア66およびクラッド65は、光の屈折率が相違するフッ素ポリイミドなどからなる。
上記実装は、図5(B)に示すように、配線基板60の表面63に形成した光導波路64の上に、複数のパッド73を形成し、図5(C)に示すように、かかるパッド73にハンダhを載せてリフローし、予め光学素子70を固定したICチップ72の端子74とパッド73とをハンダ付けして行われる。
【0003】
前記実装において、図5(D)中の矢印で示すように、光学素子70から放射された光Hが、光導波路64におけるコア66の反射ミラー面68においてほぼ直角に反射し、上記コア66内をその長手方向に沿って伝搬するように、光学素子70と光導波路64とを位置決めしなければならない。
しかしながら、前記ハンダhのリフロー時における凝固収縮により、上記光学素子70の実装位置が本来の実装すべき位置に対して、左右方向に数μm〜50μm程度ずれてしまう場合がある。このため、上記光Hが反射ミラー面68に反射せず、光導波路64のコア66内に入射しなくなる、という問題があった。
しかも、光導波路64は、前記ハンダhのリフロー時の熱に耐え得る光学樹脂素材に限定されるため、光学特性に優れたPMMA(ポリメチルメタクレート)樹脂などが使用できない、という問題もあった。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、光学素子および光導波路の位置を精度良く配置することができる配線基板の製造方法およびこれにより得られる配線基板を提供する、ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、光学素子が実装された配線基板の表面などに光導波路を実装にするに際して、予め上記光学素子から放射された光が光導波路などの反射ミラー面に反射したことを確認した後に実装する、ことに着目して成されたものである。
即ち、本発明における第1の配線基板の製造方法(請求項1)は、表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、光学素子から放射された光が上記表面と上記裏面との間を貫通する貫通孔を通過するように上記配線基板の上記表面側に上記光学素子を実装する実装工程と、上記配線基板の上記裏面側において、上記光学素子から放射された光を受光可能な反射ミラー面を一端に有する光導波路を上記裏面に沿ってスライドさせると共に、上記反射ミラー面が上記光学素子から放射された光を受光した位置で上記光導波路を上記配線基板の上記裏面に固定する配置工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0006】
これによれば、予め配線基板の表面側に実装した光学素子から放射された光を反射ミラー面で反射させて受光したことを確認した配線基板裏面の所定位置に、上記光導波路を固定するため、当該光導波路と上記光学素子との相対的な位置のずれがなく、それらを精度良く配線基板に配置することが可能となる。また、光導波路は、従来のようなハンダのリフローなどに耐え得る耐熱性が不要であるため、様々な素材を活用することが可能となる。
尚、前記配線基板を形成する絶縁層は、セラミックまたは樹脂を含む。かかるセラミックには、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、ガラスセラミックなどが含まれ、上記樹脂には、エポキシ、ポリイミド、フェノール、ポリオレフィンなどが含まれる。また、前記光導波路は、例えばアクリル、シロキサンポリマ、またはフッ素ポリイミドなどの樹脂からなるコアと、かかるコアの周囲に被覆され且つ屈折率が当該コアに比べて約0.3〜5%程度低い上記同様の樹脂などからなるクラッドと、からなる2重構造材が使用される。
【0007】
また、本発明には、前記配置工程は、前記光学素子から放射され且つ前記反射ミラー面に反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で前記光導波路を前記配線基板の前記裏面に固定する、配線基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記光学素子から放射された光を反射ミラー面で反射させ光導波路内を伝搬してきた光を受光する光特性測定手段において、かかる光の光度、輝度、照度、あるいは光束などの光特性の出力が最大値になった位置で、当該光導波路を配線基板の裏面に固定することができる。このため、光学素子から放射された光を確実に光導波路内に導くことができる。
尚、上記光特性測定手段には、例えば光度計(光パワーメータ)、輝度計、照度計、または光束計などが用いられる。
【0008】
更に、本発明における第2の配線基板の製造方法(請求項3)は、表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、光学素子から放射された光が上記表面と上記裏面との間を貫通する貫通孔を通過するように、上記配線基板の上記表面側に上記光学素子を実装する実装工程と、上記配線基板の上記裏面に当該裏面とほぼ平行な光導波路を固定する配置工程と、上記配線基板の上記裏面側で且つ上記光導波路の上記配線基板とは反対側に、所定角度の反射面を有するダイシングブレードを上記配線基板の上記裏面に沿ってスライドさせ、上記反射面が上記光学素子から放射された光を受光した位置において、上記ブレードにより上記光導波路に上記反射面に倣った反射ミラー面を形成する反射ミラー面形成工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0009】
これによれば、予め配線基板の表面で且つ貫通孔の開口部側に光学素子を実装し、且つ上記配線基板の裏面に光導波路を固定した状態で、上記光学素子からの光が貫通孔を通過して上記光導波路をその長手方向とほぼ直角に透過し上記ブレードの反射面に反射したことを確認した位置で、かかるブレードにより光導波路に反射ミラー面が形成される。このため、上記光学素子と光導波路との相対的な位置のずれがなく、且つ光の伝搬路を正確に形成することが可能となる。
しかも、上記光導波路には、耐熱性について特に考慮する必要がなく、様々な素材を適用することもできる。
【0010】
また、本発明には、前記反射ミラー面形成工程は、前記光学素子から放射され且つ前記ブレードの前記反射面に反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で上記ブレードにより、前記光導波路に前記反射ミラー面を形成する、配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。これによれば、前記光学素子から放射され前記ブレードの反射面で反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性の出力が最大値になった位置で上記光導波路をブレードによって切り込むことにより、かかる光導波路に反射ミラー面を正確に形成することができる。このため、光学素子から放射された光を確実に光導波路内に導くことができる。
【0011】
更に、本発明における第3の配線基板の製造方法(請求項5)は、表面および裏面を有し且つかかる表面に開口するキャビティを有し、複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、上記キャビティに光学素子を実装する実装工程と、上記配線基板の上記表面側にかかる表面に沿って配置した光導波路をかかる表面に沿ってスライドさせると共に、上記光学素子から放射された光を上記光導波路の少なくとも一端に形成した反射ミラー面を介して受光した位置で、上記光導波路を上記配線基板の上記表面に固定する配置工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、予め配線基板のキャビティに実装した光学素子から放射された光を反射ミラー面で反射させて受光したことを確認した配線基板表面の所定位置に、上記光導波路を固定するため、当該光導波路と上記光学素子との相対的な位置のずれなくすことが可能となる。しかも、上記光導波路には、耐熱性について特に考慮する必要がなく、様々な素材を適用することもできる。
【0012】
また、本発明には、前記配置工程は、前記光学素子から放射された光を前記光導波路の前記反射ミラー面を介して受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で前記光導波路を前記配線基板の前記表面に固定する、配線基板の製造方法(請求項6)も含まれる。
これによれば、前記光学素子から放射され且つ反射ミラー面で反射されて光導波路内を伝搬してきた光を受光する光特性測定手段において、光特性の出力が最大値になった位置で、当該光導波路を配線基板の表面に固定することができる。このため、光学素子から放射された光を確実に光導波路内に導くことができる。
【0013】
一方、本発明の配線基板(請求項7)は、表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを有する基板本体と、かかる基板本体の上記表面に開口する複数のキャビティと、かかる複数のキャビティにそれぞれ個別に実装された複数の光学素子と、上記基板本体の上記表面に沿って配置され、上記複数の光学素子から放射される光を反射する反射ミラー面を両端に有する光導波路と、を含む、ことを特徴とする。
この配線基板では、基板本体の表面に開口する複数のキャビティに光学素子を個別に実装すると共に、複数の光学素子間を接続し且つ何れかの光学素子からの光を伝搬する光導波路を有する構成とし、かかる光による信号の伝送を行うことにより、確実且つ高速での伝送が可能となる。また、光導波路の表面上に電気配線する必要がないため、電気配線および光配線の設計が容易な配線基板となる。
尚、上記複数のキャビティには、単一の基板本体に併設された形態の他、隣接する複数の配線基板の基板本体に個別に設けたキャビティも含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明における第1の配線基板の製造方法に関し、図1(A)は、かかる製造方法に用いる配線基板1の断面(端面)を示す。
上記配線基板1は、図1(A)に示すように、表面8および裏面9を有し、且つ複数の絶縁層3,4,5とその間に位置する配線層6,7とを含む平面視がほぼ正方形を呈する基板本体2からなる。かかる基板本体2の表面8には、接続端子12が形成され、かかる接続端子12と配線層6,7の相互間は、ビア導体11を介して接続されている。また、基板本体2の中央部には、表面8と裏面9との間を貫通し平面視がほぼ正方形を呈する貫通孔10が形成されている。
【0015】
基板本体2は、アルミナなどを主成分とするセラミックからなる複数のグリーンシートに複数のスルーホールを孔明けし、このスルーホール内にWやMoなどの金属粉末を含む導電性ペーストを印刷法により充填し、更に、複数のグリーンシートの表面に上記導電性ペーストをスクリーン印刷により所定パターンでそれぞれ形成した後、これらのシートを積層し且つ焼結したセラミック基板である。
尚、上記基板本体2は、絶縁層3〜5をエポキシ樹脂などによって形成し、それらを貫通するスルーホール、上記配線層6,7、円錐形状のビア導体11、および表面銅メッキ層などを形成した樹脂基板としても良い。因みに、配線基板1の厚みは、約0.5mmで、且つ貫通孔10の1辺は約0.3mmである。
【0016】
図1(B)に示すように、配線基板1の表面8に、光学素子(光デバイス)14を予め底面に固定したICチップ16を実装する(実装工程)。かかる実装工程は、配線基板1の表面8に位置する接続端子12に、上記ICチップ16の底面に設けた端子13をハンダhを介して接続することにより行われる。上記ICチップ16は、光学素子14に所定の動作をさせるドライバ機能を含む。
ICチップ16の実装と同時に、図1(B)に示すように、光学素子14は、配線基板1の表面8側で且つ貫通孔10の開口部の中央に実装される。即ち、光学素子14は、かかる光学素子14から放射された光が貫通孔10を通って裏面9側に通過するように、表面8側の所定位置に実装される。
因みに、光学素子14は、平面視が1辺約0.4mmの正方形状の1素子タイプで、約0.2mmの厚みである。尚、かかる光学素子14には、アレイタイプの面発光型半導体レーザ(VCSEL)を用いても良い。
次に、図1(C)に示すように、配線基板1の裏面9で且つ貫通孔10の開口部付近に接着剤(プリプレグ)15を形成する。
【0017】
次いで、図1(D)に示すように、配線基板1の裏面9側で且つ貫通孔10の開口部に跨って、光導波路18を裏面9と平行で且つ図1(D)中の水平な矢印で示すように、左右方向に沿ってスライド可能に配置する。
かかる光導波路18は、図1(d)の断面で示すように、アクリル樹脂からなる断面正方形のコア19と、その周囲を囲み且つ屈折率がコア19よりも約1.4%低いアクリル樹脂からなり且つ上記コア19およびクラッド17からなる2重構造材である。コア19の一端には、図1(D)における水平線に対し約45度傾斜した反射ミラー面20が位置する。尚、上記クラッド17の1辺は150μmで、上記コア19の1辺は50μmである。また、光導波路18のコア19の他端側には、光パワーメータ(光特性測定手段)Sが設置されている。
【0018】
図1(D)中の垂直な矢印で示すように、光学素子14から垂直に放射された光Hは、光導波路18のクラッド17に入射する。かかる入射光Hは、コア19の上記反射ミラー面20によりほぼ直角に反射した後、かかるコア19の長手方向に沿って多重反射しつつ水平方向に沿って伝搬する。即ち、かかる光導波路18のコア19は、マルチモードファイバ(MMF)である。そして、上記コア19の長手方向に沿って伝搬した光Hは、光パワーメータSにおいて受光される。
図1(D)中の水平な矢印で示すように、光導波路18を左右方向にスライドさせ、上記受光された光Hの光特性(例えば光度)が最大値になった時点で、図示しない制御手段により、光導波路18の上記スライドを停止する。
【0019】
そして、図1(E)に示すように、上記停止位置で光導波路18を上昇させ、配線基板1の裏面9に接着剤15を介して固定する(配置工程)。
この結果、図1(E)中の矢印で示すように、光学素子14から放射された光Hは、上記光導波路18の反射ミラー面20でほぼ直角に反射した後、コア19の長手方向に沿って高い光特性を伴って確実且つ正確に伝搬する。
以上のような第1の製造方法によれば、予め配線基板1の表面8側に実装した光学素子14からの光Hを反射ミラー面20で反射させる。そして、反射した光Hを光パワーメータSで受光し、かかる光Hの特性が最大値になったことを確認した配線基板1の裏面9の所定位置に、上記光導波路18を固定する。
このため、かかる光導波路18と上記光学素子14との相対的な位置のずれがなく、これらを精度良く確実に配線基板に配置することが可能となる。
【0020】
図2は、本発明における第2の配線基板の製造方法に関し、図2(A)は、かかる製造方法に用いる前記同様の配線基板1の断面(端面)を示す。
また、図2(B)は、配線基板1の表面8側に前記同様の方法により、光学素子14をICチップ16と共に実装する実装工程を示す。
次に、図2(C)に示すように、配線基板1の裏面9で且つ貫通孔10の開口部を跨ぐようにして、光導波路18をかかる裏面9と平行に固定する(配置工程)。
次いで、図2(D)に示すように、配線基板1の裏面9側で且つ光導波路18の配線基板1とは反対側に、ダイシングブレード22を配置する。
【0021】
上記ブレード22は、断面がほぼ直角三角形の本体24と、その傾斜面が後述する反射ミラー面を形成する反射面26と、上端の刃先28とを含み、この反射面26と上端の刃先28とを、図2(D)に示すように、貫通孔10やその上方に位置する光学素子14に向けた姿勢で配置される。しかも、ダイシングブレード22は、図2(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、配線基板1の裏面9に沿ってスライド可能とされ、且つ図2(D)中の破線の矢印で示すように、配線基板1の厚み方向に沿って昇降可能に、図示しないホルダなどに支持されている。
図2(D)に示すように、上記ブレード22の右側方には、前記同様の光パワーメータ(光特性測定手段)Sが設置されている。
【0022】
第2の配線基板の製造方法における反射ミラー面形成工程は、以下のようして行う。図2(D)中の実線の矢印で示すように、光学素子14から放射された光Hは、配線基板1の貫通孔10の中心部を通過した後、光導波路18をその長手方向と直角な方向に透過し、ダイシングブレード22の反射面26において約90度の角度で反射するため、図示で右側の方向に水平に進行する。尚、上記ブレード22は、その反射面26が光学素子14における光放射部のほぼ真下に位置するように予め位置決めされている。
かかる光Hが放射され且つ反射された状態で、図2(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、上記ブレード22を配線基板1の裏面9および光導波路18の長手方向に沿って、スライドさせる。この間において、上記光Hは、図2(D)に示すように、光パワーメータSに受光されている。
【0023】
次いで、上記光パワーメータSが受光した光Hの光特性(例えば光度)が最大値になった時点で、図示しない制御手段により、ダイシングブレード22の上記スライドを停止する。そして、かかる位置で上記ブレード22を上昇させて、その刃先28を光導波路18内に直角に切り込む。
その結果、図2(E)に示すように、上記停止位置にて上昇したダイシングブレード22の刃先28および反射面26を含む本体24により、これらに倣った断面の凹み18aとその傾斜面である反射ミラー面20とが、光導波路18における上記の位置に形成される(反射ミラー面形成工程)。その後、上記ブレード22を下降させる。
【0024】
これにより、図2(E)中の実線の矢印で示すように、光学素子14から放射された光Hは、上記光導波路18の反射ミラー面20にほぼ直角に反射した後、コア19の長手方向に沿って高い光特性を伴って確実且つ正確に伝搬する。
以上の第2の製造方法によれば、予め配線基板1の表面8側に光学素子14を実装し且つ配線基板1の裏面8に光導波路18を固定した状態で、光学素子14からの光Hを前記ブレード22の反射面26で反射させる。そして、反射した光Hを光パワーメータSで受光し、かかる光Hの特性が最大値になったことが確認された上記光導波路18の位置に、上記ブレード22により反射ミラー面20が形成される。このため、光導波路18と上記光学素子14との相対的な位置のずれがなく、放射される光Hの伝搬を精度良く確実にすることが可能となる。
【0025】
図3は、本発明による第3の配線基板の製造方法に関し、図3(A)は、かかる製造方法に用いる配線基板30の断面(端面)を示す。
上記配線基板30は、図3(A)に示すように、表面41および裏面42と、かかる表面41の中央部に開口するキャビティ43を有し、且つ複数の絶縁層32,33,34,35とその間に位置する配線層36,38,40とを含む平面視がほぼ正方形を呈する基板本体31からなる。因みに、かかる配線基板30の厚みは約0.8mmで、且つキャビティ43の深さは約0.2mmである。
上記配線層36,38,40の相互間は、ビア導体37,39を介して接続されている。また、上記キャビティ43の底面には、配線層40の一部が延びた接続用配線40aが形成されている。尚、上記基板本体31およびキャビティ43は、平面視が互いに相似形のほぼ正方形を呈する。
【0026】
基板本体31は、アルミナなどを主成分とするセラミックからなる平板のグリーンシートおよび中央に開口部を設けた複数のグリーンシートに、それぞれ複数のスルーホールを孔明けし、このスルーホール内にWやMoなどの金属粉末を含む導電性ペーストを印刷法により充填し、更に上記複数のグリーンシートの表面に上記導電性ペーストをスクリーン印刷により所定パターンでそれぞれ形成した後、これらのシートを積層し且つ焼結したセラミック基板である。
尚、上記基板本体31は、BT樹脂などからなる平板の絶縁層35と中央に開口部を設けたエポキシ樹脂などからなる絶縁層32〜34とに、それらを貫通するスルーホール、上記配線層36,38,40、円錐形状のビア導体37,39、および表面銅メッキ層などを形成した樹脂基板としても良い。
【0027】
図3(B)に示すように、先ず、配線基板30のキャビティ43に、前記同様の光学素子46を予め上面に固定したICチップ44を実装する(実装工程)。かかる実装工程は、配線層40からキャビティ43の底面に延びた接続用配線40aに、ハンダhを介してICチップ44の底面に設けた接続端子45を接続することによって行われる。尚、ICチップ44も光学素子46に所定の動作をさせるドライバ機能を含む。かかるICチップ44の実装と同時に、図3(B)に示すように、光学素子46は、キャビティ43内に実装される。かかる光学素子46は、その上面から光を上向きに放射する。
次に、図3(C)に示すように、配線基板30の表面41で且つキャビティ43の開口部の外側に接着剤(プリプレグ)47を形成する。
【0028】
次いで、図3(D)に示すように、配線基板30の表面41の上方に、かかる表面41と平行にして光導波路48を配置する。光導波路48も、前記と同様な素材や形状を有するコア54とその周囲を囲むクラッド52とからなる2重構造材で、コア54の両端には、水平線に対しほぼ45度傾斜した反射ミラー面50,51が対称に形成されている。この光導波路48は、図3(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、配線基板30の表面41に沿ってスライド可能に配置される。また、光導波路48のコア54における右端の反射ミラー面51の下方には、前記同様の光パワーメータ(光特性測定手段)Sが設置されている。
【0029】
図3(D)中の垂直な矢印で示すように、光学素子46から垂直に放射された光Hは、光導波路48の左端の反射ミラー面50にてほぼ直角に反射してからコア54内に入射する。かかる光Hは、コア54の長手方向に沿って多重反射しつつ伝搬した後、右端の反射ミラー面51でほぼ直角に反射し、下向きとなって光導波路48から放射することにより、光パワーメータSにおいて受光される。
図3(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、光導波路48を左右方向にスライドさせ、上記メータSが受光した光Hの光特性(光度など)の出力が最大値になった時点で、図示しない制御手段により、光導波路48のスライドを停止する。
【0030】
そして、図3(E)に示すように、上記停止位置で光導波路48を下降させ、配線基板30の表面41に接着剤47を介して固定する(配置工程)。
この結果、図3(E)中の矢印で示すように、光学素子46から放射された光Hは、上記光導波路48の反射ミラー面50にほぼ直角に反射した後、コア54の長手方向に沿って高い光特性を伴って確実且つ正確に伝搬し、反射ミラー面51から外部に放射される。反射ミラー面51の下方には、図示しない別のキャビティに実装した光学素子が位置して、上記光Hを受光し且つ所要の動作を行う。
以上のような第3の製造方法によれば、予め配線基板30のキャビティ43に実装した光学素子46からの光Hを反射ミラー面50,51で反射させ、光パワーメータSで受光した光Hの特性が最大値になったことを確認した配線基板30の表面41の所定位置に上記光導波路48を固定する。このため、かかる光導波路48と上記光学素子46との相対的な位置のずれをなくすことが可能となる。
【0031】
図4(A)は、前記第3の配線基板の製造方法により得られる配線基板55の断面(端面)を示す。配線基板55は、図4(A)に示すように、前記同様の表面41および裏面42と、この表面41に開口する一対のキャビティ43とを有し、複数の絶縁層32,33,34,35とその間に位置する配線層36,38,40とを含む基板本体31を備えている。かかる基板本体31は、平面視で正方形または長方形を呈する。前記と同様に、配線層36,38,40の相互間は、ビア導体37,39を介して接続されている。平面視が正方形の上記キャビティ43の底面には、配線層40の一部が延びた接続用配線40aが形成されている。
【0032】
図4(A)に示すように、一対のキャビティ43には、上記配線40aとハンダhを介してICチップ44の接続端子45が接続され、かかるICチップ44の上面に予め配置された光学素子46が各キャビティ43内に実装されている。
また、図4(A)に示すように、一対のキャビティ43に挟まれた配線基板55の表面41には、前記第3の製造方法により接着剤47を介して光導波路48が上記表面41と平行に固定されている。かかる光導波路48のコア54における左側の反射ミラー面50の真下には、左側のキャビティ43に実装された光学素子46の光放射部が位置し、上記コア54における右側の反射ミラー面51の真下には、右側のキャビティ43に実装された光学素子46の受光部が位置する。
【0033】
このため、図5(A)中の矢印で示すように、左側の光学素子46から放射された光は、光導波路48の反射ミラー面50に反射してコア54内を右側へ多重反射しつつ水平に伝搬した後、かかるコア54の反射ミラー面51に反射して、右側の光学素子46に受光される。
従って、以上のような配線基板55によれば、左右の光学素子46,46間を配線層40および配線40aを介して電気的に導通できるほか、光導波路48を介した光により高速で信号伝送することもできる。また、光導波路48の表面上に電気配線を形成する必要がないため、電気配線および光配線の設計が容易になる。更に、光導波路46およびICチップ44から発生する熱を基板本体31を介して放熱することもできる。
【0034】
図5(B)も、前記第3の配線基板の製造方法にて得られ且つ前記配線基板55の変形形態の配線基板56の断面(端面)を示す。
図5(B)に示すように、配線基板56も、前記同様の基板本体31および一対のキャビティ43を有する。しかし、最下層の配線層40には、前記のような配線40aがなく、各キャビティ43には、光学素子46を上面に配置したICチップ44が接着剤などにより直に実装されている。また、基板本体31において、最上層の配線層36の上には、最上層の絶縁層32を貫通するスルーホール導体57が形成され、配線基板56の表面41には、上記スルーホール導体57と接続する端子58が一対のキャビティ43の周辺に沿って複数形成されている。
【0035】
また、図5(B)に示すように、上記複数の端子58は、各ICチップ44の上面に設けた図示しない端子と、Auなどからなるワイヤ59を介して個別に接続されている。更に、一対のキャビティ43に挟まれた配線基板55の表面41には、前記第3の製造方法により、接着剤47を介して光導波路48がかかる表面41と平行に固定されている。
以上のような配線基板56によれば、左右の光学素子46,46をワイヤ59および配線層36などを介して電気的に導通する他、光導波路48を介した光により高速で信号伝送することもできる。また、前記配線基板55と同様、電気配線および光配線の設計が容易であり、且つ放熱性も優れている。
【0036】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
前記光導波路18,48は、断面が正方形のコア17,54の周囲に1つのクラッド17,52を有する形態としたが、断面が横長の長方形を呈するクラッドの中に断面ほぼ正方形の複数のコアを間隔を置いて平行に内蔵した形態とすることも可能である。
更に、光導波路には、前記マルチモードファイバの他、シングルモードファイバであるものも使用できる。
また、前記光学素子14は、配線基板1に形成した細長い貫通孔の長手方向に沿って、複数の光学素子14を前記表面8側に実装しても良い。
更に、前記光学素子46は、配線基板30における1つのキャビティ43に複数個を実装することも可能である。
また、本発明の配線基板における複数のキャビティには、単一の基板本体に併設された形態の他、隣接する複数の配線基板の基板本体に個別に設けたキャビティも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(E)は本発明における第1の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図、(d)は(D)中のd−d線に沿った矢視における断面図。
【図2】(A)〜(E)は第2の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図。
【図3】(A)〜(E)は第3の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図。
【図4】(A),(B)は第3の製造方法により得られる本発明の配線基板の概略図。
【図5】(A)は従来の配線基板を示す断面図、(B)〜(D)はその製造工程を示す概略図。
【符号の説明】
1,30,55,56…配線基板
3〜5,32〜35……絶縁層
6,7,36,38,40…配線層
8,41…………………表面
9,42…………………裏面
10………………………貫通孔
14,46………………光学素子
18,48………………光導波路
20,50,51………反射ミラー面
22………………………ダイシングブレード
26………………………反射面
31………………………基板本体
43………………………キャビティ
S…………………………光パワーメータ(光特性測定手段)
H…………………………光
【発明の属する技術分野】
本発明は、通電路の他に光導波路を有する配線基板の製造方法およびこれにより得られる配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、図5(A)に示すように、図示しない配線層を有するセラミックからなる基板本体62を有する配線基板60においては、その表面63に光導波路64を先に形成し、かかる光導波路64の上に光学素子70およびこれを動作させるICチップ72を実装している。上記光導波路64は、両端に反射ミラー面68を有するコア66の周囲にクラッド65を被覆したもので、かかるコア66およびクラッド65は、光の屈折率が相違するフッ素ポリイミドなどからなる。
上記実装は、図5(B)に示すように、配線基板60の表面63に形成した光導波路64の上に、複数のパッド73を形成し、図5(C)に示すように、かかるパッド73にハンダhを載せてリフローし、予め光学素子70を固定したICチップ72の端子74とパッド73とをハンダ付けして行われる。
【0003】
前記実装において、図5(D)中の矢印で示すように、光学素子70から放射された光Hが、光導波路64におけるコア66の反射ミラー面68においてほぼ直角に反射し、上記コア66内をその長手方向に沿って伝搬するように、光学素子70と光導波路64とを位置決めしなければならない。
しかしながら、前記ハンダhのリフロー時における凝固収縮により、上記光学素子70の実装位置が本来の実装すべき位置に対して、左右方向に数μm〜50μm程度ずれてしまう場合がある。このため、上記光Hが反射ミラー面68に反射せず、光導波路64のコア66内に入射しなくなる、という問題があった。
しかも、光導波路64は、前記ハンダhのリフロー時の熱に耐え得る光学樹脂素材に限定されるため、光学特性に優れたPMMA(ポリメチルメタクレート)樹脂などが使用できない、という問題もあった。
【0004】
【発明が解決すべき課題】
本発明は、以上に説明した従来の技術における問題点を解決し、光学素子および光導波路の位置を精度良く配置することができる配線基板の製造方法およびこれにより得られる配線基板を提供する、ことを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
本発明は、上記課題を解決するため、光学素子が実装された配線基板の表面などに光導波路を実装にするに際して、予め上記光学素子から放射された光が光導波路などの反射ミラー面に反射したことを確認した後に実装する、ことに着目して成されたものである。
即ち、本発明における第1の配線基板の製造方法(請求項1)は、表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、光学素子から放射された光が上記表面と上記裏面との間を貫通する貫通孔を通過するように上記配線基板の上記表面側に上記光学素子を実装する実装工程と、上記配線基板の上記裏面側において、上記光学素子から放射された光を受光可能な反射ミラー面を一端に有する光導波路を上記裏面に沿ってスライドさせると共に、上記反射ミラー面が上記光学素子から放射された光を受光した位置で上記光導波路を上記配線基板の上記裏面に固定する配置工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0006】
これによれば、予め配線基板の表面側に実装した光学素子から放射された光を反射ミラー面で反射させて受光したことを確認した配線基板裏面の所定位置に、上記光導波路を固定するため、当該光導波路と上記光学素子との相対的な位置のずれがなく、それらを精度良く配線基板に配置することが可能となる。また、光導波路は、従来のようなハンダのリフローなどに耐え得る耐熱性が不要であるため、様々な素材を活用することが可能となる。
尚、前記配線基板を形成する絶縁層は、セラミックまたは樹脂を含む。かかるセラミックには、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライト、ガラスセラミックなどが含まれ、上記樹脂には、エポキシ、ポリイミド、フェノール、ポリオレフィンなどが含まれる。また、前記光導波路は、例えばアクリル、シロキサンポリマ、またはフッ素ポリイミドなどの樹脂からなるコアと、かかるコアの周囲に被覆され且つ屈折率が当該コアに比べて約0.3〜5%程度低い上記同様の樹脂などからなるクラッドと、からなる2重構造材が使用される。
【0007】
また、本発明には、前記配置工程は、前記光学素子から放射され且つ前記反射ミラー面に反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で前記光導波路を前記配線基板の前記裏面に固定する、配線基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、前記光学素子から放射された光を反射ミラー面で反射させ光導波路内を伝搬してきた光を受光する光特性測定手段において、かかる光の光度、輝度、照度、あるいは光束などの光特性の出力が最大値になった位置で、当該光導波路を配線基板の裏面に固定することができる。このため、光学素子から放射された光を確実に光導波路内に導くことができる。
尚、上記光特性測定手段には、例えば光度計(光パワーメータ)、輝度計、照度計、または光束計などが用いられる。
【0008】
更に、本発明における第2の配線基板の製造方法(請求項3)は、表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、光学素子から放射された光が上記表面と上記裏面との間を貫通する貫通孔を通過するように、上記配線基板の上記表面側に上記光学素子を実装する実装工程と、上記配線基板の上記裏面に当該裏面とほぼ平行な光導波路を固定する配置工程と、上記配線基板の上記裏面側で且つ上記光導波路の上記配線基板とは反対側に、所定角度の反射面を有するダイシングブレードを上記配線基板の上記裏面に沿ってスライドさせ、上記反射面が上記光学素子から放射された光を受光した位置において、上記ブレードにより上記光導波路に上記反射面に倣った反射ミラー面を形成する反射ミラー面形成工程と、を含む、ことを特徴とする。
【0009】
これによれば、予め配線基板の表面で且つ貫通孔の開口部側に光学素子を実装し、且つ上記配線基板の裏面に光導波路を固定した状態で、上記光学素子からの光が貫通孔を通過して上記光導波路をその長手方向とほぼ直角に透過し上記ブレードの反射面に反射したことを確認した位置で、かかるブレードにより光導波路に反射ミラー面が形成される。このため、上記光学素子と光導波路との相対的な位置のずれがなく、且つ光の伝搬路を正確に形成することが可能となる。
しかも、上記光導波路には、耐熱性について特に考慮する必要がなく、様々な素材を適用することもできる。
【0010】
また、本発明には、前記反射ミラー面形成工程は、前記光学素子から放射され且つ前記ブレードの前記反射面に反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で上記ブレードにより、前記光導波路に前記反射ミラー面を形成する、配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。これによれば、前記光学素子から放射され前記ブレードの反射面で反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性の出力が最大値になった位置で上記光導波路をブレードによって切り込むことにより、かかる光導波路に反射ミラー面を正確に形成することができる。このため、光学素子から放射された光を確実に光導波路内に導くことができる。
【0011】
更に、本発明における第3の配線基板の製造方法(請求項5)は、表面および裏面を有し且つかかる表面に開口するキャビティを有し、複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、上記キャビティに光学素子を実装する実装工程と、上記配線基板の上記表面側にかかる表面に沿って配置した光導波路をかかる表面に沿ってスライドさせると共に、上記光学素子から放射された光を上記光導波路の少なくとも一端に形成した反射ミラー面を介して受光した位置で、上記光導波路を上記配線基板の上記表面に固定する配置工程と、を含む、ことを特徴とする。
これによれば、予め配線基板のキャビティに実装した光学素子から放射された光を反射ミラー面で反射させて受光したことを確認した配線基板表面の所定位置に、上記光導波路を固定するため、当該光導波路と上記光学素子との相対的な位置のずれなくすことが可能となる。しかも、上記光導波路には、耐熱性について特に考慮する必要がなく、様々な素材を適用することもできる。
【0012】
また、本発明には、前記配置工程は、前記光学素子から放射された光を前記光導波路の前記反射ミラー面を介して受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で前記光導波路を前記配線基板の前記表面に固定する、配線基板の製造方法(請求項6)も含まれる。
これによれば、前記光学素子から放射され且つ反射ミラー面で反射されて光導波路内を伝搬してきた光を受光する光特性測定手段において、光特性の出力が最大値になった位置で、当該光導波路を配線基板の表面に固定することができる。このため、光学素子から放射された光を確実に光導波路内に導くことができる。
【0013】
一方、本発明の配線基板(請求項7)は、表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを有する基板本体と、かかる基板本体の上記表面に開口する複数のキャビティと、かかる複数のキャビティにそれぞれ個別に実装された複数の光学素子と、上記基板本体の上記表面に沿って配置され、上記複数の光学素子から放射される光を反射する反射ミラー面を両端に有する光導波路と、を含む、ことを特徴とする。
この配線基板では、基板本体の表面に開口する複数のキャビティに光学素子を個別に実装すると共に、複数の光学素子間を接続し且つ何れかの光学素子からの光を伝搬する光導波路を有する構成とし、かかる光による信号の伝送を行うことにより、確実且つ高速での伝送が可能となる。また、光導波路の表面上に電気配線する必要がないため、電気配線および光配線の設計が容易な配線基板となる。
尚、上記複数のキャビティには、単一の基板本体に併設された形態の他、隣接する複数の配線基板の基板本体に個別に設けたキャビティも含まれる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下において、本発明の実施に好適な形態を図面と共に説明する。
図1は、本発明における第1の配線基板の製造方法に関し、図1(A)は、かかる製造方法に用いる配線基板1の断面(端面)を示す。
上記配線基板1は、図1(A)に示すように、表面8および裏面9を有し、且つ複数の絶縁層3,4,5とその間に位置する配線層6,7とを含む平面視がほぼ正方形を呈する基板本体2からなる。かかる基板本体2の表面8には、接続端子12が形成され、かかる接続端子12と配線層6,7の相互間は、ビア導体11を介して接続されている。また、基板本体2の中央部には、表面8と裏面9との間を貫通し平面視がほぼ正方形を呈する貫通孔10が形成されている。
【0015】
基板本体2は、アルミナなどを主成分とするセラミックからなる複数のグリーンシートに複数のスルーホールを孔明けし、このスルーホール内にWやMoなどの金属粉末を含む導電性ペーストを印刷法により充填し、更に、複数のグリーンシートの表面に上記導電性ペーストをスクリーン印刷により所定パターンでそれぞれ形成した後、これらのシートを積層し且つ焼結したセラミック基板である。
尚、上記基板本体2は、絶縁層3〜5をエポキシ樹脂などによって形成し、それらを貫通するスルーホール、上記配線層6,7、円錐形状のビア導体11、および表面銅メッキ層などを形成した樹脂基板としても良い。因みに、配線基板1の厚みは、約0.5mmで、且つ貫通孔10の1辺は約0.3mmである。
【0016】
図1(B)に示すように、配線基板1の表面8に、光学素子(光デバイス)14を予め底面に固定したICチップ16を実装する(実装工程)。かかる実装工程は、配線基板1の表面8に位置する接続端子12に、上記ICチップ16の底面に設けた端子13をハンダhを介して接続することにより行われる。上記ICチップ16は、光学素子14に所定の動作をさせるドライバ機能を含む。
ICチップ16の実装と同時に、図1(B)に示すように、光学素子14は、配線基板1の表面8側で且つ貫通孔10の開口部の中央に実装される。即ち、光学素子14は、かかる光学素子14から放射された光が貫通孔10を通って裏面9側に通過するように、表面8側の所定位置に実装される。
因みに、光学素子14は、平面視が1辺約0.4mmの正方形状の1素子タイプで、約0.2mmの厚みである。尚、かかる光学素子14には、アレイタイプの面発光型半導体レーザ(VCSEL)を用いても良い。
次に、図1(C)に示すように、配線基板1の裏面9で且つ貫通孔10の開口部付近に接着剤(プリプレグ)15を形成する。
【0017】
次いで、図1(D)に示すように、配線基板1の裏面9側で且つ貫通孔10の開口部に跨って、光導波路18を裏面9と平行で且つ図1(D)中の水平な矢印で示すように、左右方向に沿ってスライド可能に配置する。
かかる光導波路18は、図1(d)の断面で示すように、アクリル樹脂からなる断面正方形のコア19と、その周囲を囲み且つ屈折率がコア19よりも約1.4%低いアクリル樹脂からなり且つ上記コア19およびクラッド17からなる2重構造材である。コア19の一端には、図1(D)における水平線に対し約45度傾斜した反射ミラー面20が位置する。尚、上記クラッド17の1辺は150μmで、上記コア19の1辺は50μmである。また、光導波路18のコア19の他端側には、光パワーメータ(光特性測定手段)Sが設置されている。
【0018】
図1(D)中の垂直な矢印で示すように、光学素子14から垂直に放射された光Hは、光導波路18のクラッド17に入射する。かかる入射光Hは、コア19の上記反射ミラー面20によりほぼ直角に反射した後、かかるコア19の長手方向に沿って多重反射しつつ水平方向に沿って伝搬する。即ち、かかる光導波路18のコア19は、マルチモードファイバ(MMF)である。そして、上記コア19の長手方向に沿って伝搬した光Hは、光パワーメータSにおいて受光される。
図1(D)中の水平な矢印で示すように、光導波路18を左右方向にスライドさせ、上記受光された光Hの光特性(例えば光度)が最大値になった時点で、図示しない制御手段により、光導波路18の上記スライドを停止する。
【0019】
そして、図1(E)に示すように、上記停止位置で光導波路18を上昇させ、配線基板1の裏面9に接着剤15を介して固定する(配置工程)。
この結果、図1(E)中の矢印で示すように、光学素子14から放射された光Hは、上記光導波路18の反射ミラー面20でほぼ直角に反射した後、コア19の長手方向に沿って高い光特性を伴って確実且つ正確に伝搬する。
以上のような第1の製造方法によれば、予め配線基板1の表面8側に実装した光学素子14からの光Hを反射ミラー面20で反射させる。そして、反射した光Hを光パワーメータSで受光し、かかる光Hの特性が最大値になったことを確認した配線基板1の裏面9の所定位置に、上記光導波路18を固定する。
このため、かかる光導波路18と上記光学素子14との相対的な位置のずれがなく、これらを精度良く確実に配線基板に配置することが可能となる。
【0020】
図2は、本発明における第2の配線基板の製造方法に関し、図2(A)は、かかる製造方法に用いる前記同様の配線基板1の断面(端面)を示す。
また、図2(B)は、配線基板1の表面8側に前記同様の方法により、光学素子14をICチップ16と共に実装する実装工程を示す。
次に、図2(C)に示すように、配線基板1の裏面9で且つ貫通孔10の開口部を跨ぐようにして、光導波路18をかかる裏面9と平行に固定する(配置工程)。
次いで、図2(D)に示すように、配線基板1の裏面9側で且つ光導波路18の配線基板1とは反対側に、ダイシングブレード22を配置する。
【0021】
上記ブレード22は、断面がほぼ直角三角形の本体24と、その傾斜面が後述する反射ミラー面を形成する反射面26と、上端の刃先28とを含み、この反射面26と上端の刃先28とを、図2(D)に示すように、貫通孔10やその上方に位置する光学素子14に向けた姿勢で配置される。しかも、ダイシングブレード22は、図2(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、配線基板1の裏面9に沿ってスライド可能とされ、且つ図2(D)中の破線の矢印で示すように、配線基板1の厚み方向に沿って昇降可能に、図示しないホルダなどに支持されている。
図2(D)に示すように、上記ブレード22の右側方には、前記同様の光パワーメータ(光特性測定手段)Sが設置されている。
【0022】
第2の配線基板の製造方法における反射ミラー面形成工程は、以下のようして行う。図2(D)中の実線の矢印で示すように、光学素子14から放射された光Hは、配線基板1の貫通孔10の中心部を通過した後、光導波路18をその長手方向と直角な方向に透過し、ダイシングブレード22の反射面26において約90度の角度で反射するため、図示で右側の方向に水平に進行する。尚、上記ブレード22は、その反射面26が光学素子14における光放射部のほぼ真下に位置するように予め位置決めされている。
かかる光Hが放射され且つ反射された状態で、図2(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、上記ブレード22を配線基板1の裏面9および光導波路18の長手方向に沿って、スライドさせる。この間において、上記光Hは、図2(D)に示すように、光パワーメータSに受光されている。
【0023】
次いで、上記光パワーメータSが受光した光Hの光特性(例えば光度)が最大値になった時点で、図示しない制御手段により、ダイシングブレード22の上記スライドを停止する。そして、かかる位置で上記ブレード22を上昇させて、その刃先28を光導波路18内に直角に切り込む。
その結果、図2(E)に示すように、上記停止位置にて上昇したダイシングブレード22の刃先28および反射面26を含む本体24により、これらに倣った断面の凹み18aとその傾斜面である反射ミラー面20とが、光導波路18における上記の位置に形成される(反射ミラー面形成工程)。その後、上記ブレード22を下降させる。
【0024】
これにより、図2(E)中の実線の矢印で示すように、光学素子14から放射された光Hは、上記光導波路18の反射ミラー面20にほぼ直角に反射した後、コア19の長手方向に沿って高い光特性を伴って確実且つ正確に伝搬する。
以上の第2の製造方法によれば、予め配線基板1の表面8側に光学素子14を実装し且つ配線基板1の裏面8に光導波路18を固定した状態で、光学素子14からの光Hを前記ブレード22の反射面26で反射させる。そして、反射した光Hを光パワーメータSで受光し、かかる光Hの特性が最大値になったことが確認された上記光導波路18の位置に、上記ブレード22により反射ミラー面20が形成される。このため、光導波路18と上記光学素子14との相対的な位置のずれがなく、放射される光Hの伝搬を精度良く確実にすることが可能となる。
【0025】
図3は、本発明による第3の配線基板の製造方法に関し、図3(A)は、かかる製造方法に用いる配線基板30の断面(端面)を示す。
上記配線基板30は、図3(A)に示すように、表面41および裏面42と、かかる表面41の中央部に開口するキャビティ43を有し、且つ複数の絶縁層32,33,34,35とその間に位置する配線層36,38,40とを含む平面視がほぼ正方形を呈する基板本体31からなる。因みに、かかる配線基板30の厚みは約0.8mmで、且つキャビティ43の深さは約0.2mmである。
上記配線層36,38,40の相互間は、ビア導体37,39を介して接続されている。また、上記キャビティ43の底面には、配線層40の一部が延びた接続用配線40aが形成されている。尚、上記基板本体31およびキャビティ43は、平面視が互いに相似形のほぼ正方形を呈する。
【0026】
基板本体31は、アルミナなどを主成分とするセラミックからなる平板のグリーンシートおよび中央に開口部を設けた複数のグリーンシートに、それぞれ複数のスルーホールを孔明けし、このスルーホール内にWやMoなどの金属粉末を含む導電性ペーストを印刷法により充填し、更に上記複数のグリーンシートの表面に上記導電性ペーストをスクリーン印刷により所定パターンでそれぞれ形成した後、これらのシートを積層し且つ焼結したセラミック基板である。
尚、上記基板本体31は、BT樹脂などからなる平板の絶縁層35と中央に開口部を設けたエポキシ樹脂などからなる絶縁層32〜34とに、それらを貫通するスルーホール、上記配線層36,38,40、円錐形状のビア導体37,39、および表面銅メッキ層などを形成した樹脂基板としても良い。
【0027】
図3(B)に示すように、先ず、配線基板30のキャビティ43に、前記同様の光学素子46を予め上面に固定したICチップ44を実装する(実装工程)。かかる実装工程は、配線層40からキャビティ43の底面に延びた接続用配線40aに、ハンダhを介してICチップ44の底面に設けた接続端子45を接続することによって行われる。尚、ICチップ44も光学素子46に所定の動作をさせるドライバ機能を含む。かかるICチップ44の実装と同時に、図3(B)に示すように、光学素子46は、キャビティ43内に実装される。かかる光学素子46は、その上面から光を上向きに放射する。
次に、図3(C)に示すように、配線基板30の表面41で且つキャビティ43の開口部の外側に接着剤(プリプレグ)47を形成する。
【0028】
次いで、図3(D)に示すように、配線基板30の表面41の上方に、かかる表面41と平行にして光導波路48を配置する。光導波路48も、前記と同様な素材や形状を有するコア54とその周囲を囲むクラッド52とからなる2重構造材で、コア54の両端には、水平線に対しほぼ45度傾斜した反射ミラー面50,51が対称に形成されている。この光導波路48は、図3(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、配線基板30の表面41に沿ってスライド可能に配置される。また、光導波路48のコア54における右端の反射ミラー面51の下方には、前記同様の光パワーメータ(光特性測定手段)Sが設置されている。
【0029】
図3(D)中の垂直な矢印で示すように、光学素子46から垂直に放射された光Hは、光導波路48の左端の反射ミラー面50にてほぼ直角に反射してからコア54内に入射する。かかる光Hは、コア54の長手方向に沿って多重反射しつつ伝搬した後、右端の反射ミラー面51でほぼ直角に反射し、下向きとなって光導波路48から放射することにより、光パワーメータSにおいて受光される。
図3(D)中の一点鎖線の矢印で示すように、光導波路48を左右方向にスライドさせ、上記メータSが受光した光Hの光特性(光度など)の出力が最大値になった時点で、図示しない制御手段により、光導波路48のスライドを停止する。
【0030】
そして、図3(E)に示すように、上記停止位置で光導波路48を下降させ、配線基板30の表面41に接着剤47を介して固定する(配置工程)。
この結果、図3(E)中の矢印で示すように、光学素子46から放射された光Hは、上記光導波路48の反射ミラー面50にほぼ直角に反射した後、コア54の長手方向に沿って高い光特性を伴って確実且つ正確に伝搬し、反射ミラー面51から外部に放射される。反射ミラー面51の下方には、図示しない別のキャビティに実装した光学素子が位置して、上記光Hを受光し且つ所要の動作を行う。
以上のような第3の製造方法によれば、予め配線基板30のキャビティ43に実装した光学素子46からの光Hを反射ミラー面50,51で反射させ、光パワーメータSで受光した光Hの特性が最大値になったことを確認した配線基板30の表面41の所定位置に上記光導波路48を固定する。このため、かかる光導波路48と上記光学素子46との相対的な位置のずれをなくすことが可能となる。
【0031】
図4(A)は、前記第3の配線基板の製造方法により得られる配線基板55の断面(端面)を示す。配線基板55は、図4(A)に示すように、前記同様の表面41および裏面42と、この表面41に開口する一対のキャビティ43とを有し、複数の絶縁層32,33,34,35とその間に位置する配線層36,38,40とを含む基板本体31を備えている。かかる基板本体31は、平面視で正方形または長方形を呈する。前記と同様に、配線層36,38,40の相互間は、ビア導体37,39を介して接続されている。平面視が正方形の上記キャビティ43の底面には、配線層40の一部が延びた接続用配線40aが形成されている。
【0032】
図4(A)に示すように、一対のキャビティ43には、上記配線40aとハンダhを介してICチップ44の接続端子45が接続され、かかるICチップ44の上面に予め配置された光学素子46が各キャビティ43内に実装されている。
また、図4(A)に示すように、一対のキャビティ43に挟まれた配線基板55の表面41には、前記第3の製造方法により接着剤47を介して光導波路48が上記表面41と平行に固定されている。かかる光導波路48のコア54における左側の反射ミラー面50の真下には、左側のキャビティ43に実装された光学素子46の光放射部が位置し、上記コア54における右側の反射ミラー面51の真下には、右側のキャビティ43に実装された光学素子46の受光部が位置する。
【0033】
このため、図5(A)中の矢印で示すように、左側の光学素子46から放射された光は、光導波路48の反射ミラー面50に反射してコア54内を右側へ多重反射しつつ水平に伝搬した後、かかるコア54の反射ミラー面51に反射して、右側の光学素子46に受光される。
従って、以上のような配線基板55によれば、左右の光学素子46,46間を配線層40および配線40aを介して電気的に導通できるほか、光導波路48を介した光により高速で信号伝送することもできる。また、光導波路48の表面上に電気配線を形成する必要がないため、電気配線および光配線の設計が容易になる。更に、光導波路46およびICチップ44から発生する熱を基板本体31を介して放熱することもできる。
【0034】
図5(B)も、前記第3の配線基板の製造方法にて得られ且つ前記配線基板55の変形形態の配線基板56の断面(端面)を示す。
図5(B)に示すように、配線基板56も、前記同様の基板本体31および一対のキャビティ43を有する。しかし、最下層の配線層40には、前記のような配線40aがなく、各キャビティ43には、光学素子46を上面に配置したICチップ44が接着剤などにより直に実装されている。また、基板本体31において、最上層の配線層36の上には、最上層の絶縁層32を貫通するスルーホール導体57が形成され、配線基板56の表面41には、上記スルーホール導体57と接続する端子58が一対のキャビティ43の周辺に沿って複数形成されている。
【0035】
また、図5(B)に示すように、上記複数の端子58は、各ICチップ44の上面に設けた図示しない端子と、Auなどからなるワイヤ59を介して個別に接続されている。更に、一対のキャビティ43に挟まれた配線基板55の表面41には、前記第3の製造方法により、接着剤47を介して光導波路48がかかる表面41と平行に固定されている。
以上のような配線基板56によれば、左右の光学素子46,46をワイヤ59および配線層36などを介して電気的に導通する他、光導波路48を介した光により高速で信号伝送することもできる。また、前記配線基板55と同様、電気配線および光配線の設計が容易であり、且つ放熱性も優れている。
【0036】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
前記光導波路18,48は、断面が正方形のコア17,54の周囲に1つのクラッド17,52を有する形態としたが、断面が横長の長方形を呈するクラッドの中に断面ほぼ正方形の複数のコアを間隔を置いて平行に内蔵した形態とすることも可能である。
更に、光導波路には、前記マルチモードファイバの他、シングルモードファイバであるものも使用できる。
また、前記光学素子14は、配線基板1に形成した細長い貫通孔の長手方向に沿って、複数の光学素子14を前記表面8側に実装しても良い。
更に、前記光学素子46は、配線基板30における1つのキャビティ43に複数個を実装することも可能である。
また、本発明の配線基板における複数のキャビティには、単一の基板本体に併設された形態の他、隣接する複数の配線基板の基板本体に個別に設けたキャビティも含まれる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)〜(E)は本発明における第1の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図、(d)は(D)中のd−d線に沿った矢視における断面図。
【図2】(A)〜(E)は第2の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図。
【図3】(A)〜(E)は第3の配線基板の製造方法における各工程を示す概略図。
【図4】(A),(B)は第3の製造方法により得られる本発明の配線基板の概略図。
【図5】(A)は従来の配線基板を示す断面図、(B)〜(D)はその製造工程を示す概略図。
【符号の説明】
1,30,55,56…配線基板
3〜5,32〜35……絶縁層
6,7,36,38,40…配線層
8,41…………………表面
9,42…………………裏面
10………………………貫通孔
14,46………………光学素子
18,48………………光導波路
20,50,51………反射ミラー面
22………………………ダイシングブレード
26………………………反射面
31………………………基板本体
43………………………キャビティ
S…………………………光パワーメータ(光特性測定手段)
H…………………………光
Claims (7)
- 表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、
光学素子から放射された光が上記表面と上記裏面との間を貫通する貫通孔を通過するように上記配線基板の上記表面側に上記光学素子を実装する実装工程と、
上記配線基板の上記裏面側において、上記光学素子から放射された光を受光可能な反射ミラー面を一端に有する光導波路を上記裏面に沿ってスライドさせると共に、上記反射ミラー面が上記光学素子から放射された光を受光した位置で上記光導波路を上記配線基板の上記裏面に固定する配置工程と、を含む、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記配置工程は、前記光学素子から放射され且つ前記反射ミラー面に反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で前記光導波路を前記配線基板の前記裏面に固定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の配線基板の製造方法。 - 表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、
光学素子から放射された光が上記表面と上記裏面との間を貫通する貫通孔を通過するように上記配線基板の上記表面側に上記光学素子を実装する実装工程と、
上記配線基板の上記裏面に当該裏面とほぼ平行な光導波路を固定する配置工程と、
上記配線基板の上記裏面側で且つ上記光導波路の上記配線基板とは反対側に、所定角度の反射面を有するダイシングブレードを上記配線基板の上記裏面に沿ってスライドさせ、上記反射面が上記光学素子から放射された光を受光した位置において、上記ブレードにより上記光導波路に上記反射面に倣った反射ミラー面を形成する反射ミラー面形成工程と、
を含む、ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記反射ミラー面形成工程は、前記光学素子から放射され且つ前記ブレードの前記反射面に反射した光を受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で上記ブレードにより、前記光導波路に前記反射ミラー面を形成する、
ことを特徴とする請求項3に記載の配線基板の製造方法。 - 表面および裏面を有し且つかかる表面に開口するキャビティを有し、複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを含む配線基板において、
上記キャビティに光学素子を実装する実装工程と、
上記配線基板の上記表面側にかかる表面に沿って配置した光導波路をかかる表面に沿ってスライドさせると共に、上記光学素子から放射された光を上記光導波路の少なくとも一端に形成した反射ミラー面を介して受光した位置で、上記光導波路を上記配線基板の上記表面に固定する配置工程と、を含む、
ことを特徴とする配線基板の製造方法。 - 前記配置工程は、前記光学素子から放射された光を前記光導波路の前記反射ミラー面を介して受光する光特性測定手段において、かかる光特性測定手段の出力が高くなった位置で前記光導波路を前記配線基板の前記表面に固定する、ことを特徴とする請求項5に記載の配線基板の製造方法。
- 表面および裏面を有し且つ複数の絶縁層とその間に位置する配線層とを有する基板本体と、
上記基板本体の上記表面に開口する複数のキャビティと、
上記複数のキャビティにそれぞれ個別に実装された複数の光学素子と、
上記基板本体の上記表面に沿って配置され、上記複数の光学素子から放射される光を反射する反射ミラー面を両端に有する光導波路と、を含む、
ことを特徴とする配線基板。
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