JP2004029546A - 投影露光装置およびその方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レンズの大口径化に対応でき、装置の高さ寸法を抑え、かつ、熱膨張に対応して露光精度を維持でき、また、倍率調整が容易で、メンテナンス操作が容易となり、塵埃が堆積しにくい投影露光装置およびその方法を提供すること。
【解決手段】紫外線を含む照射光を照射する光照射手段2と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系3と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージ4と、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部5と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージ12と、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段13と、を備える構成とした。
【選択図】 図1
【解決手段】紫外線を含む照射光を照射する光照射手段2と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系3と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージ4と、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部5と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージ12と、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段13と、を備える構成とした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板などのワークにマスクおよび投影レンズを介して紫外線を照射して所定パーンを露光するための投影露光装置のその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線基板、液晶パネル、液晶用のカラーフィルタなどの電子回路等の図形パターンを露光形成するために、所定波長の紫外線を照射して露光処理する投影露光装置は、様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、図6(a)、(b)に示すように、従来の投影露光装置50は、紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と51と、この光照射手段51からの照射光の光路の向きを垂直方向から水平方向に反射して変える第1反射鏡52と、この第1反射鏡52からの照射光を調整するフライアイレンズなどのインテグレータ53と、このインテグレータ53からの照射光の向きを水平方向から垂直方向に反射して変える第2反射鏡54と、この第2反射鏡54からの反射光路に設置されたコリメータレンズなどのコンデンサレンズ55と、このコンデンサレンズ55からの照射光の光路に配置されるマスク56と、このマスク56の後方に垂直方向に配置された投影レンズ57と、この投影レンズ57からの照射光により露光される位置に配置されたワークWを支持するワークステージ58とを備えている。
【0004】
この投影露光装置50は、投影レンズ57などの投影光学系を用いて、マスク56の回路パターンがワークステージ58上のワークWの面上に塗布された感光剤に結像することにより、そのマスク56の回路パターンがワークWに露光されるものである。
【0005】
そして、投影レンズ57は、図6(a)に示すように、設置筺体の垂直壁面に沿って支持フレーム60により垂直方向に支持されている。この投影レンズ57は、ワークWの露光領域をワークステージ58が移動することで変更したときに、ワークWの露光領域内でワーク表面、すなわち、結像位置が規定の解像力を実現できる位置の焦点深度内に入るように焦点位置を、図示しない駆動機構を介して調整して露光作業を行っている。
【0006】
なお、この投影露光装置50により露光されるワークWのサイズが拡大する傾向にあり、そのワークWの一露光領域に対する光照射となる1ショット当たりの大きさがφ200〜φ300mm程度となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の投影露光装置では、さらに改良する余地があり、以下で示す問題を解決する必要があった。
【0008】
(1)従来の投影露光装置は、露光の有効エリアである一露光領域が拡大されることにより投影レンズ(テレセントリック投影レンズ)が、大口径となりレンズ重量も増大すると共に、照射光の光路長も長くなるが、投影レンズが垂直方向に配置されていると、装置本体の高さが大きくなり既存の設置環境を変える必要が生じることになってしまう。また、装置本体の高さが大きくなるとマスクなどの交換する場合に、高所に登って交換作業を行うか、あるいは、自動交換機構を搭載する必要が生じた。さらに、高所に重量物を配置することにより、装置重心が高くなるため、装置筐体の剛性を強化する必要が生じた。また、振動に対する影響も発生し精密な露光精度を要求される投影露光装置として十分な性能を発揮できない。
【0009】
(2)従来の投影露光装置は、装置の省スペース化や搬送機構との干渉を避けるため、投影レンズを垂直壁面に支持フレームにより、片持ち状態で支持する構成となっている。そのため、重量の負担を軽くするために、やむをえずアルミニウム合金などの熱膨張率の高い軽い金属を使用することになり、温度変化に対して機械的精度(投影レンズとマスクとの間、投影レンズとワークとの間の平行度、レンズ鏡筒自身の熱変形など)の維持を困難にしていた。
【0010】
(3)ワークの熱変化による伸縮に対応して投影像の倍率調整を行うため、投影レンズの変倍機構レンズ群を駆動ユニットにより倍率を変化させる機構を備えているが、レンズ面を垂直方向に向けて支持する従来の投影露光装置では、変倍機構レンズ群の移動方向が重力方向となるため、変倍機構レンズ群の荷重を常に駆動ユニットが支持する必要が生じる。
【0011】
さらに、移動方向によって変倍機構レンズ群の駆動ユニットにかかる負荷が変動する。そのため、自動制御などで駆動ユニットの駆動源にモータを使用する場合では、変倍機構レンズ群の荷重を支えるモータが発熱することや、その変倍機構レンズ群を停止させたときに微振動が発生することや、あるいは、移動方向によって回転トルクが変わるため、つまり、重量がある変倍機構レンズ群を下方向に移動させる場合と、上方向に移動させる場合では、移動にかかる力が大きく変わることになり、制御パラメータの調整が困難となる等の弊害が発生していた。
【0012】
なお、投影露光装置は、駆動ユニットにかかる荷重を小さくさせるために、変倍機構レンズ群の枚数を少なくすると、変倍機構レンズ群の枚数の多い場合に比較して、投影倍率を変化させたときの像の歪みが大きくなることが分かっており、ワークパターンとマスクパターンの位置ズレの原因になってしまうため、今後ますます大口径化する投影レンズに対応する構成が望まれていた。
【0013】
(4)従来の投影露光装置は、投影レンズが垂直に配置されているため、その投影レンズ面が装置設置面に対して水平となり、投影露光作業中に塵埃がその投影レンズに付着し易い状態となっていた。
【0014】
本発明は、前記の問題点に鑑み創案されたものであり、レンズの大口径化に対応でき、装置の高さ寸法を抑え、かつ、熱膨張に対応して露光精度を維持でき、また、倍率調整が容易で、メンテナンス操作が容易となり、塵埃が堆積しにくい投影露光装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る投影露光装置は、前記の問題を解決するため、つぎのように構成した。すなわち、ワークの露光領域に対して整合作業を行い、投影レンズ部を介して露光する投影露光装置であって、紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージと、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージと、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段と、を備える構成とした。
【0016】
このように構成されることにより、投影露光装置は、光照射手段により照射される紫外線を含む照射光が、光学系により垂直方向から水平方向になった光路において、マスクステージに保持されているマスクおよび投影レンズを介してワークの露光領域を露光する。
【0017】
なお、投影レンズが装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設置されているため、高所に投影レンズを配置する必要がなく、また、熱膨張に対して十分配慮することができる金属素材を採用することができる。さらに、投影倍率を変更する場合の移動方向が水平方向となり、垂直方向で投影倍率を変更する場合と異なりレンズの自重に対する悪影響を受けることがない。なお、照射光の調整とは、照射エネルギー分布の調整および平行度の調整などである。
【0018】
また、本発明に係る投影露光装置は、紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージと、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージと、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段と、この露光領域変更手段により露光位置に設置された前記ワークに対して整合作業を行う整合手段と、前記ワークステージにワークを搬入するために前記ワークを予備位置決めする予備位置決め機構を有する搬入ステージと、露光作業が終了したワークを前記ワークステージから搬出するための搬出ステージと、前記ワークステージおよび前記搬入ステージ間ならびに前記ワークステージおよび搬出ステージ間において前記ワークの姿勢を水平状態または垂直状態にして移送する移送手段と、を備える構成とした。
【0019】
このように構成されることにより、投影露光装置は、ワークが搬入ステージに搬入されると、予備位置決め機構により予備位置決め作業が行われ、ワークが水平状態から垂直状態の姿勢として移送手段を介してワークステージに移送される。そして、垂直状態の姿勢となったワークに対して整合手段によりマスクと露光領域との整合作業が行われた後に光照射手段から光照射が行われ、光学系および投影レンズ部を介してワークが露光され、再び露光領域ごとに整合作業、露光作業が行われ、露光が終了したワークに対して移送手段により搬出ステージに移送される。
【0020】
さらに、本発明に係る投影露光装置において、前記投影レンズ部は、レンズ群と、このレンズ群を支持する筒状のレンズホルダと、このレンズホルダを載置して支持する支持台とを備え、前記レンズ群は、前記レンズホルダの両端側に配置される固定レンズと、この固定レンズに隣り合う内側で離間して配置され収納筒に収納された変倍機構レンズ群とを有し、前記レンズホルダは、前記収納筒を移動させる移動ユニットを備える構成とした。
【0021】
このように構成されることにより、投影露光装置は、投影レンズ部において移動ユニットにより移動させられる変倍機構レンズ群を収納する収納筒が、レンズホルダに荷重がかかった状態で支持台により支持される。
【0022】
さらに、本発明に係る投影露光装置において、前記移動ユニットは、前記レンズホルダの内面に沿って配置され、前記収納筒を、スライド自在に支持するスライドガイドと、このスライドガイドに沿って移動する前記収納筒に固定され、前記レンズホルダの側面に設けた開口部から突出する突片と、この突片を光軸方向に沿って移動させる移動部と、を備える構成とした。
【0023】
このように構成されることにより、投影露光装置は、移動部が突片を、装置本体の設置面に対して水平方向となる光軸方向に沿って移動させると、突片が固定される収納筒が、レンズホルダの内面に沿って配置されたスライドガイドによりスライドすることで投影レンズ部の倍率を変えることができる。
【0024】
さらに、本発明に係る投影露光方法は、搬入ステージにワークを搬入するステップと、搬入されたワークを予備位置決めするステップと、予備位置決めされたワークの姿勢を水平状態から垂直状態にしてワークステージに移送するステップと、前記ワークステージ上のワークのあらかじめ設定されている露光領域に対して整合作業を行うステップと、整合作業が完了したワークの前記露光領域について、装置本体の設置面に対して水平方向に配置された投影レンズを介すると共に光学系を介して所定波長の紫外線を照射して露光作業を行うステップと、を含むこととした。
【0025】
このように、投影露光方法によれば、ワークを予備位置決めした後に、水平状態から垂直状態に姿勢を変えてワークステージに移送する。そして、光照射手段から照射される照射光の光路を、光学系を介して垂直方向から水平方向に変更させ、装置本体の設置面に対して水平方向に配置された投影レンズ部に入射させることで、その投影レンズ部からの照射光によりワークを露光するようにしている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は投影露光装置の全体を示す斜視図、図2は投影露光装置の光路を模式的に示す模式図、図3は投影レンズ部を示す斜視図、図4は投影レンズ部の中心から半分を切断して内部を示した断面図、図5は投影露光装置の駆動系を模式的に示す模式図である。
【0027】
図1に示すように、投影露光装置1は、ワークWが搬入される位置に設けられた搬入部10と、この搬入部(搬入ステージ)10に搬入されたワークWを移送するハンドラ11と、このハンドラ11により移送されるワークWを垂直方向で支持するワーク垂直保持部(ワークステージ)12と、このワーク垂直保持部12を所定位置に移動させる保持部駆動機構(露光領域変更手段)13と、この保持部駆動機構13により移動して露光位置に配置したワーク垂直保持部12のワークWの位置をマスクMと整合するために撮像する撮像手段20と、この撮像手段20によりマスクMとワークWのアライメントマークMm,Wm(図5参照)を撮像して整合作業が終了したワークWの露光領域に紫外線を含む照射光を照射する光照射部2と、この光照射部2からの照射光の光路を設定する光学系3と、光路上にマスクMを配置するためのマスクステージ4と、このマスクステージ4の後方に離間して配置される投影レンズ部5と、露光作業が終了したワークWを受け取り搬出側に移送するハンドラ14と、このハンドラ14により移送されたワークWを搬出するための搬出部(搬出ステージ)15とを備えている。
【0028】
図1に示すように、搬入部10は、ワークWを受け取りそのワークWの予備位置決めを行う予備位置決め機構10Aを備えている。ここでは、予備位置決め機構10Aとして、ワークWの載置面に設けた複数の孔10aからワークWの下面にエアーを吹き上げ、ワークWの摩擦抵抗を最小限にすると共に、ワークWの載置面を昇降機構10bにより傾斜させ、傾斜させた載置面の一端に配置した位置決めピン10cにワークWが当接することで予備位置決めできるように構成している。昇降機構10bは、ワークWの載置面の一端側を降下させ、あるいは、上昇させることで傾斜させても良い。なお、ここでは、送りローラを用いることなく予備位置決めできる構成として説明したが、もちろん、送りローラを備え、ワークWの端面をそのワークWの中央あるいは所定の辺を基準として予備位置決めするように図示しない押動機構を備える構成としても構わない。
【0029】
図1に示すように、ハンドラ11は、搬入部10に搬入されて予備位置決めされたワークWを吸引支持し、ワークWの姿勢を垂直状態にしてワーク垂直保持部12に受け渡すためのものである。このハンドラ11は、同等の構成のものがハンドラ14として搬出部15とワーク垂直保持部12の間でワークWを移送できるように配置されている。ここでは、ハンドラ11,14は、投影レンズ部5の左右に配置されることで省スペース化を図ると共に、操作性の向上を図っている。
【0030】
図1に示すように、ワーク垂直保持部12は、ワークWを垂直方向に吸引支持するように構成されており、ハンドラ11からワークWが移送されて来ると、ワークWがその保持面に近接あるいは当接したことを図示しないセンサにより感知してエアーの吸引動作を行い、ワークWを確実に保持するように構成されている。このワーク垂直保持部12は、保持部駆動機構13に支持されており、この保持部駆動機構13により、ワークWの受け取り位置、露光位置、および受け渡し位置に移動されるものである。
【0031】
図1に示すように、保持部駆動機構13は、ワーク垂直保持部12を所定位置に移動させるためのものである。この保持部駆動機構13は、ワークWの受け取り位置から受け渡し位置に渡って設けられた水平移動レール13aと、この水平移動レールに移動自在に支持される取付部13bと、この取付部13bに設けた垂直移動レール13cとを備えている。なお、ここでは、垂直移動レール13cにワーク垂直保持部12が支持されている。そして、取付部13bには図示しないワーク支持面に対して直交するZ方向に移動可能な移動機構を備えている。そのため、ワークWを受け取る際、あるいは、受け渡す際に、ハンドラ11,14にワーク垂直保持部12を近づけた状態でワークの移送作業を行うことができるものである。
【0032】
図2に示すように、撮像手段20は、投影レンズ部5とワーク垂直保持部12との間に出没自在に配置されたハーフミラー21と、このハーフミラー21からの反射光を受光するCCDカメラ22と、ハーフミラー21を移動させる移動手段23と、光照射部2からの照射光がマスクMに入射する手前に光路に対して出没自在に配置されたフィルタ24と、このフィルタ24を移動させる移動手段25とを備えている。このフィルタ24は、ワークWの感光特性波長を除去するように形成されている。
【0033】
そのため、この撮像手段20は、整合作業を行う場合、移動機構23,25によりハーフミラー21,21およびフィルタ24を光路上に配置する。そして、光照射部2から照射光を照射して、フィルタ24によりワークWの感光特性波長を除去し、マスクMおよび投影レンズ部5を介してワークWに照射する。このとき、ワークWの露光領域にも照射光が照射されるが、感光特性波長がフィルタ24により除去されているため、ワークWが露光されることはない。一方、ワークWのアライメントマークWm(図5参照)の位置に照射された照射光は、反射してハーフミラー21を介してCCDカメラ22に受光される。受光された照射光には、両マークWm,Mm(図5参照)の画像情報が含まれており、両マークWm,Mm(図5参照)の位置関係が演算されることになる。
【0034】
なお、図5に示すように、撮像手段20により認識された両アライメントマークWm,Mmの位置情報は、主制御ユニット31により演算されあるいは認識され、その両アライメントマークWm,Mmの位置情報に基づいて主制御ユニット31からアライメントユニット30に信号が送られ、マスクMの整合移動や、あるいは、投影レンズ部5の移動ユニット7を制御するために使用される。なお、主制御ユニット31では、アライメントマークMm,Mmあるいは、アライメントマークWm,Wmとの互いの距離についても演算して図示しない記憶手段などに記憶しており、このアライメントマークMm,Mmあるいは、アライメントマークWm,Wmとの距離について整合作業が行われる毎に前回で認識して記憶した距離とを対比して、その距離の度合いにより投影レンズ部5の変倍機構レンズ群6bを、移動ユニット7を介して移動させ投影倍率を調整している。
【0035】
図1および図2に示すように、光照射部2は、紫外線を含む照射光を照射するショートアーク放電灯などの光源2aと、この光源2aを後方から囲む位置に配置された楕円反射鏡2bとを備えている。なお、楕円反射光2bは、赤外線を透過するようなハーフミラーの構成とすることや、また、光源2aの非対面位置の形状が凹凸(図示せず)を備え大気に対して放射面積を大きくする構成としても構わない。また、この光照射部2は、光源2aである放電灯の一方の封止部を保持する保持部2cと、この保持部2cを固定する支持片2dと、この支持片2dを上下XY方向に移動させる位置整合移動機構2eとにより所定位置に設定されている。なお、光照射部2は、図1では、下方から上方に向かって照射光を照射するように配置されているが、上方から下方に向かって照射光を照射するように配置しても構わない。
【0036】
図1および図2に示すように、光学系3は、光照射部2から照射された垂直方向からの照射光を水平方向に反射する第1ミラー3aと、この第1ミラー3aからの反射光のエネルギー分布を均一化させるロッドレンズ3bおよび色消しレンズ群3cと、照射光の方向を変える第2および第3ミラー3d,3eと、照射光を平行光とするコリメータレンズ3fとを備えている。なお、この光学系3は、平行光とするための光路を設定するため、光照射部2からの照射光を投影レンズ部5に水平方向から入射させることができれば、その構成は限定されるものではない。
【0037】
図1および図2に示すように、マスクステージ4は、透光板に添って支持されるマスクMをXYθ方向に整合移動を行うためのアライナ4Aを備えている。このアライナ4Aは、ここでは、マスクMがXYθ方向に移動させるために、各片に押動部および従動部からなる公知の三点ロケータ方式(図示をせず)を採用しているが、マスクMを整合移動させることができるものであれば、特に、その構成は限定されるものではない。
【0038】
図1、図3および図4に示すように、投影レンズ部5は、装置本体の設置面に対して水平方向に設置されており、レンズ群6を支持する筒状のレンズホルダ(鏡筒)5aと、このレンズホルダ5aを載置して支持する支持台8と、この支持台8にレンズホルダ5aを保持するためのアーチホルダ8aと、変倍を行うための移動ユニット7と、を備えている。
【0039】
この投影レンズ部5のレンズ群6は、レンズホルダ5aの両端側に配置される固定レンズ6aと、この固定レンズ6a,6aに隣り合う内側に配置された変倍機構レンズ群6bと、により構成されている。なお、固定レンズ6aの数は、特に限定されるものではない。また、変倍機構レンズ群6bは、収納筒6Aに収納されて支持されている。そして、この収納筒6Aの両端位置には、当接スライダ部6Bが設けられている。
【0040】
図3および図4に示すように、変倍機構レンズ群6bが収納されている収納筒6Aを移動させる移動ユニット7は、収納筒6Aの中央位置にボルトなどの留付手段7dにより固定されレンズホルダ5aから突出するように設けられた突出押動片(突片)7cと、当接スライダ部6Bに対向する位置で、レンズホルダ5aにボルトなどの留付手段7aにより固定され、そのレンズホルダ5aの内側に設けられているスライドガイド7bと、レンズホルダ5aから突出する突出押動片7cの一方の側面に当接するボールネジ7eと、このボールネジ7eを駆動させる駆動部7fと、ボールネジ7eの他端側に配置されてそのボールネジ7eを回動自在に保持する軸受部7gと、を備えている。
【0041】
なお、ここでは、ボールネジ7e、駆動部7fおよび軸受部7gを移動部としている。また、移動ユニット7は、収納筒6Aを、装置本体の設置面に対して水平方向となる光軸方向に沿って移動させるため、垂直方向に変倍機構レンズを移動させる構成と比較して、設置条件が格段と緩和されるため、例えば、リニアモータ方式を用いるなどの構成としても構わない。
【0042】
図3に示すように、レンズホルダ5aは、その表面に凹凸部が形成され強度を維持した状態で材料使用量を軽減できるように構成されている。このレンズホルダ5aは、水平方向に設置されているため、垂直方向にレンズホルダ設置する構成と比較して、重量に関する制限がほとんどないため、熱に対して膨張率が小さな例えば、鉄あるいは鉄合金、銅および銅合金などの素材により形成することができる。
【0043】
そして、駆動部7f、ボールネジ7e、および、軸受部7gは、レンズホルダ5aの上に設置されている載置板5bの上に設けられている。また、突出押動片7cは、図4に示すように、レンズホルダ5aの側面に設けた開口部5c内で移動できるようになっており、ここでは、一例として変倍率を±0.1%になるように設定されており、変倍ストロークとして±0.5mmが移動できるように、開口部5cと突出押動片7cとの少なくとも一方の大きさが調整されている。
【0044】
また、図3に示すように、駆動部7fは、ここでは、一例としてサーボモータなどの精密なストローク調整ができるものが用いられている。そして、移動ユニット7では、この駆動部7fにより駆動するボールネジeにより突出押動片7cが押動させられると、収納筒6Aの当接スライダ部6Bがスライドガイド7bに添って移動することで、その収納筒6Aが移動して照射光の投影倍率を調整することができるものである。なお、当接スライダ部6Bおよびスライドガイド7bの構成および設置数は、収納筒6Aが適切に移動させることができれば、特に限定されるものではない。
【0045】
さらに、レンズホルダ5aは、その両端部分がアーチホルダ8aにより保持されており、そのレンズホルダ5aの下端側が、支持台8に対して少なくとも2箇所の線状態接触部分を介して支持されるように構成されている。なお、線状態接触部分とは、光軸に沿ってあるいは直交する方向に連続して線状に接触する部分、あるいは、光軸に沿ってあるいは直交する方向に連続して点線状に間歇的に連続して接触する部分であり、レンズホルダ5aが支持台8に対して安定して支持される状態であればよい。なお、レンズホルダ5aと支持台8とは、安定的な支持状態を維持した状態で、接触部分を小さくするように構成されることで、レンズホルダ5a側が熱による影響を最小限とするため都合がよい。
【0046】
つぎに、この投影露光装置1の動作について説明する。
ワークWは、はじめに、搬入部10に搬入される。ワークWが搬入されると、孔10aからエアーが供給され、ワークWが上方側に向かって付勢された状態で載置面に対して移動しやすくなる。この状態で昇降機構10bによりワークWの載置面を傾斜させワークWを位置決めピン10cに当接させることで予備位置決め作業を行う。
【0047】
ワークWが予備位置決めされると、ハンドラ11がワークWを吸着保持してワーク垂直保持部12に移送する。このとき、ワークWは、傾斜した状態でハンドラ11に受け渡されるため、ワーク垂直保持部12に垂直な姿勢でワークWを移送し易い。
【0048】
ワークWを保持したワーク垂直保持部12は、保持部駆動機構13により水平移動レール13aに沿って露光位置に移動する。ワークWが露光位置に配置されると、撮像手段20のハーフミラー21,21が、移動機構23を介してワークWのアライメントマークWm上に配置される。それと共に、フィルタ24が移動機構25により光路上に配置される。そして、光照射部2から照射光が光学系3を介して照射されると、フィルタ24によりワークWの感光波長特性が除去された照射光(照明光)が、マスクMおよび投影レンズ部5を介してワークWに照射される。ワークWに照射された照明光は、その反射光がハーフミラー21,21からCCDカメラ22,22に送られ、マスクMとワークWのアライメントマークMm,Wmの位置関係が認識される(図5参照)。
【0049】
そのため、両アライメントマークMm,Wmが許容範囲外として認識された場合は、マスクMのマスクステージ4によりマスクMの位置を整合移動させて整合作業を行う。そして、両アライメントマークMm,Wmが許容範囲内として認識された場合は、撮像手段20のハーフミラー21,21およびフィルタ24が移動機構23,25により光路上から退避させられる。
【0050】
そして、光照射部2から光学系3を介して照射される照射光により、マスクMのパターンが投影レンズ部5から投影されてワークWの露光領域を露光する。ワークWの露光領域の露光作業が終了すると、保持部駆動機構13により同じワークWの次の露光領域に移動させ、再び前記した整合作業、露光作業を繰り返し、ワークWの全ての露光領域について整合作業、露光作業を行う。
【0051】
なお、露光領域が異なることで投影倍率が変化している場合には、投影レンズ部5の移動ユニット7を作動させ、変倍機構レンズ群6bを光軸方向に調整移動させることで投影倍率の変化に対応する。このとき、主制御ユニット31は、撮像手段20を介して、認識されたアライメントマークMm,Mm、あるいは、アライメントマークWm,Wmの距離を演算して認識しており、アライメントマークMm,Mmあるいは、アライメントマークWm,Wmとの距離が所定以上変化したときに、移動ユニット7の駆動部7fに信号を送っている。そのため、駆動部7fは、主制御ユニット31からの信号に基づいて、変倍機構レンズ群6bを収納する収納筒6Aを移動させ、ワークWの露光領域に対応して適正な投影倍率により露光作業を行うことができる。
【0052】
そして、移動ユニット7が駆動している場合は、投影レンズ部5が装置本体の設置面に対して水平方向に支持台8を介して設置されているため、その移動ユニット7の駆動による振動は、最小限なものとなり、また、移動ユニットの駆動を高速で行っても、投影レンズ部5に対する振動による悪影響はほとんど発生することはない。
【0053】
ワークWに対してすべての露光領域について整合作業および露光作業が終了すると、ワークWを保持しているワーク垂直保持部12は、保持部駆動機構13を介して、ワークを搬出するための受け渡し位置まで移動させられる。受け渡し位置に到来したワーク垂直保持部12のワークWは、ハンドラ14により保持され、搬出部15に移送される。なお、この搬出部15にワークを移送する作業を行っているときには、すでに、搬入部10側では、新たなワークWが搬入され予備位置決め作業が行われ、時間のロスがないように各作業が行われる。
【0054】
なお、投影レンズ部5は、水平方向に設置されているため、投影露光装置1の運転時における1℃温度が上昇する場合の変位は、10μm程度となるが、レンズ群6において、従来の垂直方向に設置されるものと比較して、傾くような変位を生じることが全くない。そのため、投影露光装置1の運転時における温度差が発生しても投影露光作業にほとんど影響しない。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されるため以下の優れた効果を奏する。
投影露光装置は、投影レンズ部を装置本体の設置面に対して水平に配置しているため、装置全体の高さ寸法を低く抑えることができ、マスク交換作業やあるいはメンテナンスを行う場合に容易となり、また、投影レンズが垂直状態となるため塵埃が付着しにくい構成を提供できると共に、投影レンズ部を安定して設置することができ、投影レンズ部において熱に対する影響を最小限とすることができるため、倍率調整が容易で、機械的精度が安定して維持できる。
【0056】
また、投影露光装置は、投影レンズ部を装置本体の設置面に対して水平に配置しているため、投影レンズ部に設けられる変倍機構レンズ群を移動させる移動ユニットが、変倍機構レンズ群を支える必要がなく、また、移動ユニットが駆動する際の振動についても照射光の光軸に悪影響を及ぼすことがないため、迅速に変倍機構レンズ群を移動させ、投影倍率調整を正確にかつ迅速に調整することができる。
【0057】
さらに、投影露光装置において、水平方向に設置された投影レンズ部のレンズホルダに設置された移動ユニットは、変倍機構レンズ群を収納する収納筒に固定される突片を、移動部により移動させることで投影倍率を調整することができるため、レンズホルダにかかる荷重を支持台で受け止めることができ、また、変倍機構レンズ群の移動方向によってかかる荷重は略等しくなり、制御パラメータの調整が容易となる。さらに、投影レンズ(固定レンズ、変倍機構レンズ)の口径が将来的に大きくなっても、移動ユニットは、制御パラメータの調整が容易であることに変わりがなく都合がよい。
【0058】
(2)投影露光方法では、光照射部から照射する照射光を、光学系を介して垂直方向から水平方向に変更して、装置本体の設置面に対して水平方向に設定されている投影レンズ部を介してワークのあらかじめ設定された露光領域に対して整合作業および露光作業を行うため、マスク、ワーク、および投影レンズが垂直方向となり塵埃が付着する原因を最小限にすることができると共に、従来の垂直方向に支持されている投影レンズ部と比較すると、投影レンズ部が自重あるいは時間経過または投影倍率を変化させる動作による機械的な光軸の位置に対する悪影響がほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投影露光装置の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る投影露光装置の光路を模式的に示す模式図である。
【図3】本発明に係る投影露光装置の投影レンズ部を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る投影露光装置の投影レンズ部の中心から半分を切断して内部を示した断面図である。
【図5】本発明に係る投影露光装置の駆動系を模式的に示す模式図である。
【図6】(a)、(b)は従来の投影露光装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 投影露光装置
2 光源部
3 光学系
3a 第1ミラー
3b ロッドレンズ
3c 色消しレンズ群
3d 第2ミラー
3e 第3ミラー
3f コリメータレンズ
4 マスクステージ
5 投影レンズ部
5a レンズホルダ(鏡筒)
5b 載置板
5c 開口部
6 レンズ群
6A 収納筒
6B 当接スライダ部
6a 固定レンズ
6b 変倍機構レンズ群
7 移動ユニット
7a 留付手段(固定ボルト)
7b スライドガイド
7c 突出押動片(突片)
7d 留付手段
7e ボールネジ(移動部)
7f 駆動部(移動部)
7g 軸受部(移動部)
8 支持台
8a アーチホルダ
10 搬入部(搬入ステージ)
11 ハンドラ(移送手段)
12 ワーク垂直保持部(ワークステージ)
13 保持部駆動機構(露光領域変更手段)
14 ハンドラ(移送手段)
15 搬出部(搬出ステージ)
20 撮像手段
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリント配線板などのワークにマスクおよび投影レンズを介して紫外線を照射して所定パーンを露光するための投影露光装置のその方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、プリント配線基板、液晶パネル、液晶用のカラーフィルタなどの電子回路等の図形パターンを露光形成するために、所定波長の紫外線を照射して露光処理する投影露光装置は、様々なものが提案されている。
【0003】
例えば、図6(a)、(b)に示すように、従来の投影露光装置50は、紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と51と、この光照射手段51からの照射光の光路の向きを垂直方向から水平方向に反射して変える第1反射鏡52と、この第1反射鏡52からの照射光を調整するフライアイレンズなどのインテグレータ53と、このインテグレータ53からの照射光の向きを水平方向から垂直方向に反射して変える第2反射鏡54と、この第2反射鏡54からの反射光路に設置されたコリメータレンズなどのコンデンサレンズ55と、このコンデンサレンズ55からの照射光の光路に配置されるマスク56と、このマスク56の後方に垂直方向に配置された投影レンズ57と、この投影レンズ57からの照射光により露光される位置に配置されたワークWを支持するワークステージ58とを備えている。
【0004】
この投影露光装置50は、投影レンズ57などの投影光学系を用いて、マスク56の回路パターンがワークステージ58上のワークWの面上に塗布された感光剤に結像することにより、そのマスク56の回路パターンがワークWに露光されるものである。
【0005】
そして、投影レンズ57は、図6(a)に示すように、設置筺体の垂直壁面に沿って支持フレーム60により垂直方向に支持されている。この投影レンズ57は、ワークWの露光領域をワークステージ58が移動することで変更したときに、ワークWの露光領域内でワーク表面、すなわち、結像位置が規定の解像力を実現できる位置の焦点深度内に入るように焦点位置を、図示しない駆動機構を介して調整して露光作業を行っている。
【0006】
なお、この投影露光装置50により露光されるワークWのサイズが拡大する傾向にあり、そのワークWの一露光領域に対する光照射となる1ショット当たりの大きさがφ200〜φ300mm程度となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来の投影露光装置では、さらに改良する余地があり、以下で示す問題を解決する必要があった。
【0008】
(1)従来の投影露光装置は、露光の有効エリアである一露光領域が拡大されることにより投影レンズ(テレセントリック投影レンズ)が、大口径となりレンズ重量も増大すると共に、照射光の光路長も長くなるが、投影レンズが垂直方向に配置されていると、装置本体の高さが大きくなり既存の設置環境を変える必要が生じることになってしまう。また、装置本体の高さが大きくなるとマスクなどの交換する場合に、高所に登って交換作業を行うか、あるいは、自動交換機構を搭載する必要が生じた。さらに、高所に重量物を配置することにより、装置重心が高くなるため、装置筐体の剛性を強化する必要が生じた。また、振動に対する影響も発生し精密な露光精度を要求される投影露光装置として十分な性能を発揮できない。
【0009】
(2)従来の投影露光装置は、装置の省スペース化や搬送機構との干渉を避けるため、投影レンズを垂直壁面に支持フレームにより、片持ち状態で支持する構成となっている。そのため、重量の負担を軽くするために、やむをえずアルミニウム合金などの熱膨張率の高い軽い金属を使用することになり、温度変化に対して機械的精度(投影レンズとマスクとの間、投影レンズとワークとの間の平行度、レンズ鏡筒自身の熱変形など)の維持を困難にしていた。
【0010】
(3)ワークの熱変化による伸縮に対応して投影像の倍率調整を行うため、投影レンズの変倍機構レンズ群を駆動ユニットにより倍率を変化させる機構を備えているが、レンズ面を垂直方向に向けて支持する従来の投影露光装置では、変倍機構レンズ群の移動方向が重力方向となるため、変倍機構レンズ群の荷重を常に駆動ユニットが支持する必要が生じる。
【0011】
さらに、移動方向によって変倍機構レンズ群の駆動ユニットにかかる負荷が変動する。そのため、自動制御などで駆動ユニットの駆動源にモータを使用する場合では、変倍機構レンズ群の荷重を支えるモータが発熱することや、その変倍機構レンズ群を停止させたときに微振動が発生することや、あるいは、移動方向によって回転トルクが変わるため、つまり、重量がある変倍機構レンズ群を下方向に移動させる場合と、上方向に移動させる場合では、移動にかかる力が大きく変わることになり、制御パラメータの調整が困難となる等の弊害が発生していた。
【0012】
なお、投影露光装置は、駆動ユニットにかかる荷重を小さくさせるために、変倍機構レンズ群の枚数を少なくすると、変倍機構レンズ群の枚数の多い場合に比較して、投影倍率を変化させたときの像の歪みが大きくなることが分かっており、ワークパターンとマスクパターンの位置ズレの原因になってしまうため、今後ますます大口径化する投影レンズに対応する構成が望まれていた。
【0013】
(4)従来の投影露光装置は、投影レンズが垂直に配置されているため、その投影レンズ面が装置設置面に対して水平となり、投影露光作業中に塵埃がその投影レンズに付着し易い状態となっていた。
【0014】
本発明は、前記の問題点に鑑み創案されたものであり、レンズの大口径化に対応でき、装置の高さ寸法を抑え、かつ、熱膨張に対応して露光精度を維持でき、また、倍率調整が容易で、メンテナンス操作が容易となり、塵埃が堆積しにくい投影露光装置およびその方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る投影露光装置は、前記の問題を解決するため、つぎのように構成した。すなわち、ワークの露光領域に対して整合作業を行い、投影レンズ部を介して露光する投影露光装置であって、紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージと、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージと、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段と、を備える構成とした。
【0016】
このように構成されることにより、投影露光装置は、光照射手段により照射される紫外線を含む照射光が、光学系により垂直方向から水平方向になった光路において、マスクステージに保持されているマスクおよび投影レンズを介してワークの露光領域を露光する。
【0017】
なお、投影レンズが装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設置されているため、高所に投影レンズを配置する必要がなく、また、熱膨張に対して十分配慮することができる金属素材を採用することができる。さらに、投影倍率を変更する場合の移動方向が水平方向となり、垂直方向で投影倍率を変更する場合と異なりレンズの自重に対する悪影響を受けることがない。なお、照射光の調整とは、照射エネルギー分布の調整および平行度の調整などである。
【0018】
また、本発明に係る投影露光装置は、紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージと、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージと、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段と、この露光領域変更手段により露光位置に設置された前記ワークに対して整合作業を行う整合手段と、前記ワークステージにワークを搬入するために前記ワークを予備位置決めする予備位置決め機構を有する搬入ステージと、露光作業が終了したワークを前記ワークステージから搬出するための搬出ステージと、前記ワークステージおよび前記搬入ステージ間ならびに前記ワークステージおよび搬出ステージ間において前記ワークの姿勢を水平状態または垂直状態にして移送する移送手段と、を備える構成とした。
【0019】
このように構成されることにより、投影露光装置は、ワークが搬入ステージに搬入されると、予備位置決め機構により予備位置決め作業が行われ、ワークが水平状態から垂直状態の姿勢として移送手段を介してワークステージに移送される。そして、垂直状態の姿勢となったワークに対して整合手段によりマスクと露光領域との整合作業が行われた後に光照射手段から光照射が行われ、光学系および投影レンズ部を介してワークが露光され、再び露光領域ごとに整合作業、露光作業が行われ、露光が終了したワークに対して移送手段により搬出ステージに移送される。
【0020】
さらに、本発明に係る投影露光装置において、前記投影レンズ部は、レンズ群と、このレンズ群を支持する筒状のレンズホルダと、このレンズホルダを載置して支持する支持台とを備え、前記レンズ群は、前記レンズホルダの両端側に配置される固定レンズと、この固定レンズに隣り合う内側で離間して配置され収納筒に収納された変倍機構レンズ群とを有し、前記レンズホルダは、前記収納筒を移動させる移動ユニットを備える構成とした。
【0021】
このように構成されることにより、投影露光装置は、投影レンズ部において移動ユニットにより移動させられる変倍機構レンズ群を収納する収納筒が、レンズホルダに荷重がかかった状態で支持台により支持される。
【0022】
さらに、本発明に係る投影露光装置において、前記移動ユニットは、前記レンズホルダの内面に沿って配置され、前記収納筒を、スライド自在に支持するスライドガイドと、このスライドガイドに沿って移動する前記収納筒に固定され、前記レンズホルダの側面に設けた開口部から突出する突片と、この突片を光軸方向に沿って移動させる移動部と、を備える構成とした。
【0023】
このように構成されることにより、投影露光装置は、移動部が突片を、装置本体の設置面に対して水平方向となる光軸方向に沿って移動させると、突片が固定される収納筒が、レンズホルダの内面に沿って配置されたスライドガイドによりスライドすることで投影レンズ部の倍率を変えることができる。
【0024】
さらに、本発明に係る投影露光方法は、搬入ステージにワークを搬入するステップと、搬入されたワークを予備位置決めするステップと、予備位置決めされたワークの姿勢を水平状態から垂直状態にしてワークステージに移送するステップと、前記ワークステージ上のワークのあらかじめ設定されている露光領域に対して整合作業を行うステップと、整合作業が完了したワークの前記露光領域について、装置本体の設置面に対して水平方向に配置された投影レンズを介すると共に光学系を介して所定波長の紫外線を照射して露光作業を行うステップと、を含むこととした。
【0025】
このように、投影露光方法によれば、ワークを予備位置決めした後に、水平状態から垂直状態に姿勢を変えてワークステージに移送する。そして、光照射手段から照射される照射光の光路を、光学系を介して垂直方向から水平方向に変更させ、装置本体の設置面に対して水平方向に配置された投影レンズ部に入射させることで、その投影レンズ部からの照射光によりワークを露光するようにしている。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1は投影露光装置の全体を示す斜視図、図2は投影露光装置の光路を模式的に示す模式図、図3は投影レンズ部を示す斜視図、図4は投影レンズ部の中心から半分を切断して内部を示した断面図、図5は投影露光装置の駆動系を模式的に示す模式図である。
【0027】
図1に示すように、投影露光装置1は、ワークWが搬入される位置に設けられた搬入部10と、この搬入部(搬入ステージ)10に搬入されたワークWを移送するハンドラ11と、このハンドラ11により移送されるワークWを垂直方向で支持するワーク垂直保持部(ワークステージ)12と、このワーク垂直保持部12を所定位置に移動させる保持部駆動機構(露光領域変更手段)13と、この保持部駆動機構13により移動して露光位置に配置したワーク垂直保持部12のワークWの位置をマスクMと整合するために撮像する撮像手段20と、この撮像手段20によりマスクMとワークWのアライメントマークMm,Wm(図5参照)を撮像して整合作業が終了したワークWの露光領域に紫外線を含む照射光を照射する光照射部2と、この光照射部2からの照射光の光路を設定する光学系3と、光路上にマスクMを配置するためのマスクステージ4と、このマスクステージ4の後方に離間して配置される投影レンズ部5と、露光作業が終了したワークWを受け取り搬出側に移送するハンドラ14と、このハンドラ14により移送されたワークWを搬出するための搬出部(搬出ステージ)15とを備えている。
【0028】
図1に示すように、搬入部10は、ワークWを受け取りそのワークWの予備位置決めを行う予備位置決め機構10Aを備えている。ここでは、予備位置決め機構10Aとして、ワークWの載置面に設けた複数の孔10aからワークWの下面にエアーを吹き上げ、ワークWの摩擦抵抗を最小限にすると共に、ワークWの載置面を昇降機構10bにより傾斜させ、傾斜させた載置面の一端に配置した位置決めピン10cにワークWが当接することで予備位置決めできるように構成している。昇降機構10bは、ワークWの載置面の一端側を降下させ、あるいは、上昇させることで傾斜させても良い。なお、ここでは、送りローラを用いることなく予備位置決めできる構成として説明したが、もちろん、送りローラを備え、ワークWの端面をそのワークWの中央あるいは所定の辺を基準として予備位置決めするように図示しない押動機構を備える構成としても構わない。
【0029】
図1に示すように、ハンドラ11は、搬入部10に搬入されて予備位置決めされたワークWを吸引支持し、ワークWの姿勢を垂直状態にしてワーク垂直保持部12に受け渡すためのものである。このハンドラ11は、同等の構成のものがハンドラ14として搬出部15とワーク垂直保持部12の間でワークWを移送できるように配置されている。ここでは、ハンドラ11,14は、投影レンズ部5の左右に配置されることで省スペース化を図ると共に、操作性の向上を図っている。
【0030】
図1に示すように、ワーク垂直保持部12は、ワークWを垂直方向に吸引支持するように構成されており、ハンドラ11からワークWが移送されて来ると、ワークWがその保持面に近接あるいは当接したことを図示しないセンサにより感知してエアーの吸引動作を行い、ワークWを確実に保持するように構成されている。このワーク垂直保持部12は、保持部駆動機構13に支持されており、この保持部駆動機構13により、ワークWの受け取り位置、露光位置、および受け渡し位置に移動されるものである。
【0031】
図1に示すように、保持部駆動機構13は、ワーク垂直保持部12を所定位置に移動させるためのものである。この保持部駆動機構13は、ワークWの受け取り位置から受け渡し位置に渡って設けられた水平移動レール13aと、この水平移動レールに移動自在に支持される取付部13bと、この取付部13bに設けた垂直移動レール13cとを備えている。なお、ここでは、垂直移動レール13cにワーク垂直保持部12が支持されている。そして、取付部13bには図示しないワーク支持面に対して直交するZ方向に移動可能な移動機構を備えている。そのため、ワークWを受け取る際、あるいは、受け渡す際に、ハンドラ11,14にワーク垂直保持部12を近づけた状態でワークの移送作業を行うことができるものである。
【0032】
図2に示すように、撮像手段20は、投影レンズ部5とワーク垂直保持部12との間に出没自在に配置されたハーフミラー21と、このハーフミラー21からの反射光を受光するCCDカメラ22と、ハーフミラー21を移動させる移動手段23と、光照射部2からの照射光がマスクMに入射する手前に光路に対して出没自在に配置されたフィルタ24と、このフィルタ24を移動させる移動手段25とを備えている。このフィルタ24は、ワークWの感光特性波長を除去するように形成されている。
【0033】
そのため、この撮像手段20は、整合作業を行う場合、移動機構23,25によりハーフミラー21,21およびフィルタ24を光路上に配置する。そして、光照射部2から照射光を照射して、フィルタ24によりワークWの感光特性波長を除去し、マスクMおよび投影レンズ部5を介してワークWに照射する。このとき、ワークWの露光領域にも照射光が照射されるが、感光特性波長がフィルタ24により除去されているため、ワークWが露光されることはない。一方、ワークWのアライメントマークWm(図5参照)の位置に照射された照射光は、反射してハーフミラー21を介してCCDカメラ22に受光される。受光された照射光には、両マークWm,Mm(図5参照)の画像情報が含まれており、両マークWm,Mm(図5参照)の位置関係が演算されることになる。
【0034】
なお、図5に示すように、撮像手段20により認識された両アライメントマークWm,Mmの位置情報は、主制御ユニット31により演算されあるいは認識され、その両アライメントマークWm,Mmの位置情報に基づいて主制御ユニット31からアライメントユニット30に信号が送られ、マスクMの整合移動や、あるいは、投影レンズ部5の移動ユニット7を制御するために使用される。なお、主制御ユニット31では、アライメントマークMm,Mmあるいは、アライメントマークWm,Wmとの互いの距離についても演算して図示しない記憶手段などに記憶しており、このアライメントマークMm,Mmあるいは、アライメントマークWm,Wmとの距離について整合作業が行われる毎に前回で認識して記憶した距離とを対比して、その距離の度合いにより投影レンズ部5の変倍機構レンズ群6bを、移動ユニット7を介して移動させ投影倍率を調整している。
【0035】
図1および図2に示すように、光照射部2は、紫外線を含む照射光を照射するショートアーク放電灯などの光源2aと、この光源2aを後方から囲む位置に配置された楕円反射鏡2bとを備えている。なお、楕円反射光2bは、赤外線を透過するようなハーフミラーの構成とすることや、また、光源2aの非対面位置の形状が凹凸(図示せず)を備え大気に対して放射面積を大きくする構成としても構わない。また、この光照射部2は、光源2aである放電灯の一方の封止部を保持する保持部2cと、この保持部2cを固定する支持片2dと、この支持片2dを上下XY方向に移動させる位置整合移動機構2eとにより所定位置に設定されている。なお、光照射部2は、図1では、下方から上方に向かって照射光を照射するように配置されているが、上方から下方に向かって照射光を照射するように配置しても構わない。
【0036】
図1および図2に示すように、光学系3は、光照射部2から照射された垂直方向からの照射光を水平方向に反射する第1ミラー3aと、この第1ミラー3aからの反射光のエネルギー分布を均一化させるロッドレンズ3bおよび色消しレンズ群3cと、照射光の方向を変える第2および第3ミラー3d,3eと、照射光を平行光とするコリメータレンズ3fとを備えている。なお、この光学系3は、平行光とするための光路を設定するため、光照射部2からの照射光を投影レンズ部5に水平方向から入射させることができれば、その構成は限定されるものではない。
【0037】
図1および図2に示すように、マスクステージ4は、透光板に添って支持されるマスクMをXYθ方向に整合移動を行うためのアライナ4Aを備えている。このアライナ4Aは、ここでは、マスクMがXYθ方向に移動させるために、各片に押動部および従動部からなる公知の三点ロケータ方式(図示をせず)を採用しているが、マスクMを整合移動させることができるものであれば、特に、その構成は限定されるものではない。
【0038】
図1、図3および図4に示すように、投影レンズ部5は、装置本体の設置面に対して水平方向に設置されており、レンズ群6を支持する筒状のレンズホルダ(鏡筒)5aと、このレンズホルダ5aを載置して支持する支持台8と、この支持台8にレンズホルダ5aを保持するためのアーチホルダ8aと、変倍を行うための移動ユニット7と、を備えている。
【0039】
この投影レンズ部5のレンズ群6は、レンズホルダ5aの両端側に配置される固定レンズ6aと、この固定レンズ6a,6aに隣り合う内側に配置された変倍機構レンズ群6bと、により構成されている。なお、固定レンズ6aの数は、特に限定されるものではない。また、変倍機構レンズ群6bは、収納筒6Aに収納されて支持されている。そして、この収納筒6Aの両端位置には、当接スライダ部6Bが設けられている。
【0040】
図3および図4に示すように、変倍機構レンズ群6bが収納されている収納筒6Aを移動させる移動ユニット7は、収納筒6Aの中央位置にボルトなどの留付手段7dにより固定されレンズホルダ5aから突出するように設けられた突出押動片(突片)7cと、当接スライダ部6Bに対向する位置で、レンズホルダ5aにボルトなどの留付手段7aにより固定され、そのレンズホルダ5aの内側に設けられているスライドガイド7bと、レンズホルダ5aから突出する突出押動片7cの一方の側面に当接するボールネジ7eと、このボールネジ7eを駆動させる駆動部7fと、ボールネジ7eの他端側に配置されてそのボールネジ7eを回動自在に保持する軸受部7gと、を備えている。
【0041】
なお、ここでは、ボールネジ7e、駆動部7fおよび軸受部7gを移動部としている。また、移動ユニット7は、収納筒6Aを、装置本体の設置面に対して水平方向となる光軸方向に沿って移動させるため、垂直方向に変倍機構レンズを移動させる構成と比較して、設置条件が格段と緩和されるため、例えば、リニアモータ方式を用いるなどの構成としても構わない。
【0042】
図3に示すように、レンズホルダ5aは、その表面に凹凸部が形成され強度を維持した状態で材料使用量を軽減できるように構成されている。このレンズホルダ5aは、水平方向に設置されているため、垂直方向にレンズホルダ設置する構成と比較して、重量に関する制限がほとんどないため、熱に対して膨張率が小さな例えば、鉄あるいは鉄合金、銅および銅合金などの素材により形成することができる。
【0043】
そして、駆動部7f、ボールネジ7e、および、軸受部7gは、レンズホルダ5aの上に設置されている載置板5bの上に設けられている。また、突出押動片7cは、図4に示すように、レンズホルダ5aの側面に設けた開口部5c内で移動できるようになっており、ここでは、一例として変倍率を±0.1%になるように設定されており、変倍ストロークとして±0.5mmが移動できるように、開口部5cと突出押動片7cとの少なくとも一方の大きさが調整されている。
【0044】
また、図3に示すように、駆動部7fは、ここでは、一例としてサーボモータなどの精密なストローク調整ができるものが用いられている。そして、移動ユニット7では、この駆動部7fにより駆動するボールネジeにより突出押動片7cが押動させられると、収納筒6Aの当接スライダ部6Bがスライドガイド7bに添って移動することで、その収納筒6Aが移動して照射光の投影倍率を調整することができるものである。なお、当接スライダ部6Bおよびスライドガイド7bの構成および設置数は、収納筒6Aが適切に移動させることができれば、特に限定されるものではない。
【0045】
さらに、レンズホルダ5aは、その両端部分がアーチホルダ8aにより保持されており、そのレンズホルダ5aの下端側が、支持台8に対して少なくとも2箇所の線状態接触部分を介して支持されるように構成されている。なお、線状態接触部分とは、光軸に沿ってあるいは直交する方向に連続して線状に接触する部分、あるいは、光軸に沿ってあるいは直交する方向に連続して点線状に間歇的に連続して接触する部分であり、レンズホルダ5aが支持台8に対して安定して支持される状態であればよい。なお、レンズホルダ5aと支持台8とは、安定的な支持状態を維持した状態で、接触部分を小さくするように構成されることで、レンズホルダ5a側が熱による影響を最小限とするため都合がよい。
【0046】
つぎに、この投影露光装置1の動作について説明する。
ワークWは、はじめに、搬入部10に搬入される。ワークWが搬入されると、孔10aからエアーが供給され、ワークWが上方側に向かって付勢された状態で載置面に対して移動しやすくなる。この状態で昇降機構10bによりワークWの載置面を傾斜させワークWを位置決めピン10cに当接させることで予備位置決め作業を行う。
【0047】
ワークWが予備位置決めされると、ハンドラ11がワークWを吸着保持してワーク垂直保持部12に移送する。このとき、ワークWは、傾斜した状態でハンドラ11に受け渡されるため、ワーク垂直保持部12に垂直な姿勢でワークWを移送し易い。
【0048】
ワークWを保持したワーク垂直保持部12は、保持部駆動機構13により水平移動レール13aに沿って露光位置に移動する。ワークWが露光位置に配置されると、撮像手段20のハーフミラー21,21が、移動機構23を介してワークWのアライメントマークWm上に配置される。それと共に、フィルタ24が移動機構25により光路上に配置される。そして、光照射部2から照射光が光学系3を介して照射されると、フィルタ24によりワークWの感光波長特性が除去された照射光(照明光)が、マスクMおよび投影レンズ部5を介してワークWに照射される。ワークWに照射された照明光は、その反射光がハーフミラー21,21からCCDカメラ22,22に送られ、マスクMとワークWのアライメントマークMm,Wmの位置関係が認識される(図5参照)。
【0049】
そのため、両アライメントマークMm,Wmが許容範囲外として認識された場合は、マスクMのマスクステージ4によりマスクMの位置を整合移動させて整合作業を行う。そして、両アライメントマークMm,Wmが許容範囲内として認識された場合は、撮像手段20のハーフミラー21,21およびフィルタ24が移動機構23,25により光路上から退避させられる。
【0050】
そして、光照射部2から光学系3を介して照射される照射光により、マスクMのパターンが投影レンズ部5から投影されてワークWの露光領域を露光する。ワークWの露光領域の露光作業が終了すると、保持部駆動機構13により同じワークWの次の露光領域に移動させ、再び前記した整合作業、露光作業を繰り返し、ワークWの全ての露光領域について整合作業、露光作業を行う。
【0051】
なお、露光領域が異なることで投影倍率が変化している場合には、投影レンズ部5の移動ユニット7を作動させ、変倍機構レンズ群6bを光軸方向に調整移動させることで投影倍率の変化に対応する。このとき、主制御ユニット31は、撮像手段20を介して、認識されたアライメントマークMm,Mm、あるいは、アライメントマークWm,Wmの距離を演算して認識しており、アライメントマークMm,Mmあるいは、アライメントマークWm,Wmとの距離が所定以上変化したときに、移動ユニット7の駆動部7fに信号を送っている。そのため、駆動部7fは、主制御ユニット31からの信号に基づいて、変倍機構レンズ群6bを収納する収納筒6Aを移動させ、ワークWの露光領域に対応して適正な投影倍率により露光作業を行うことができる。
【0052】
そして、移動ユニット7が駆動している場合は、投影レンズ部5が装置本体の設置面に対して水平方向に支持台8を介して設置されているため、その移動ユニット7の駆動による振動は、最小限なものとなり、また、移動ユニットの駆動を高速で行っても、投影レンズ部5に対する振動による悪影響はほとんど発生することはない。
【0053】
ワークWに対してすべての露光領域について整合作業および露光作業が終了すると、ワークWを保持しているワーク垂直保持部12は、保持部駆動機構13を介して、ワークを搬出するための受け渡し位置まで移動させられる。受け渡し位置に到来したワーク垂直保持部12のワークWは、ハンドラ14により保持され、搬出部15に移送される。なお、この搬出部15にワークを移送する作業を行っているときには、すでに、搬入部10側では、新たなワークWが搬入され予備位置決め作業が行われ、時間のロスがないように各作業が行われる。
【0054】
なお、投影レンズ部5は、水平方向に設置されているため、投影露光装置1の運転時における1℃温度が上昇する場合の変位は、10μm程度となるが、レンズ群6において、従来の垂直方向に設置されるものと比較して、傾くような変位を生じることが全くない。そのため、投影露光装置1の運転時における温度差が発生しても投影露光作業にほとんど影響しない。
【0055】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成されるため以下の優れた効果を奏する。
投影露光装置は、投影レンズ部を装置本体の設置面に対して水平に配置しているため、装置全体の高さ寸法を低く抑えることができ、マスク交換作業やあるいはメンテナンスを行う場合に容易となり、また、投影レンズが垂直状態となるため塵埃が付着しにくい構成を提供できると共に、投影レンズ部を安定して設置することができ、投影レンズ部において熱に対する影響を最小限とすることができるため、倍率調整が容易で、機械的精度が安定して維持できる。
【0056】
また、投影露光装置は、投影レンズ部を装置本体の設置面に対して水平に配置しているため、投影レンズ部に設けられる変倍機構レンズ群を移動させる移動ユニットが、変倍機構レンズ群を支える必要がなく、また、移動ユニットが駆動する際の振動についても照射光の光軸に悪影響を及ぼすことがないため、迅速に変倍機構レンズ群を移動させ、投影倍率調整を正確にかつ迅速に調整することができる。
【0057】
さらに、投影露光装置において、水平方向に設置された投影レンズ部のレンズホルダに設置された移動ユニットは、変倍機構レンズ群を収納する収納筒に固定される突片を、移動部により移動させることで投影倍率を調整することができるため、レンズホルダにかかる荷重を支持台で受け止めることができ、また、変倍機構レンズ群の移動方向によってかかる荷重は略等しくなり、制御パラメータの調整が容易となる。さらに、投影レンズ(固定レンズ、変倍機構レンズ)の口径が将来的に大きくなっても、移動ユニットは、制御パラメータの調整が容易であることに変わりがなく都合がよい。
【0058】
(2)投影露光方法では、光照射部から照射する照射光を、光学系を介して垂直方向から水平方向に変更して、装置本体の設置面に対して水平方向に設定されている投影レンズ部を介してワークのあらかじめ設定された露光領域に対して整合作業および露光作業を行うため、マスク、ワーク、および投影レンズが垂直方向となり塵埃が付着する原因を最小限にすることができると共に、従来の垂直方向に支持されている投影レンズ部と比較すると、投影レンズ部が自重あるいは時間経過または投影倍率を変化させる動作による機械的な光軸の位置に対する悪影響がほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る投影露光装置の全体を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る投影露光装置の光路を模式的に示す模式図である。
【図3】本発明に係る投影露光装置の投影レンズ部を示す斜視図である。
【図4】本発明に係る投影露光装置の投影レンズ部の中心から半分を切断して内部を示した断面図である。
【図5】本発明に係る投影露光装置の駆動系を模式的に示す模式図である。
【図6】(a)、(b)は従来の投影露光装置の構成を示す模式図である。
【符号の説明】
1 投影露光装置
2 光源部
3 光学系
3a 第1ミラー
3b ロッドレンズ
3c 色消しレンズ群
3d 第2ミラー
3e 第3ミラー
3f コリメータレンズ
4 マスクステージ
5 投影レンズ部
5a レンズホルダ(鏡筒)
5b 載置板
5c 開口部
6 レンズ群
6A 収納筒
6B 当接スライダ部
6a 固定レンズ
6b 変倍機構レンズ群
7 移動ユニット
7a 留付手段(固定ボルト)
7b スライドガイド
7c 突出押動片(突片)
7d 留付手段
7e ボールネジ(移動部)
7f 駆動部(移動部)
7g 軸受部(移動部)
8 支持台
8a アーチホルダ
10 搬入部(搬入ステージ)
11 ハンドラ(移送手段)
12 ワーク垂直保持部(ワークステージ)
13 保持部駆動機構(露光領域変更手段)
14 ハンドラ(移送手段)
15 搬出部(搬出ステージ)
20 撮像手段
Claims (5)
- ワークの露光領域に対して整合作業を行い、投影レンズ部を介して露光する投影露光装置であって、
紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージと、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージと、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段と、を備えることを特徴とする投影露光装置。 - 紫外線を含む照射光を照射する光照射手段と、この光照射手段から照射された照射光の光路を変更すると共にその照射光の調整を行う光学系と、この光学系により垂直方向から水平方向となった前記照射光の光路に配置されるマスクを保持するマスクステージと、前記マスクから離間した位置で前記照射光の光路に配置され、装置本体を設置する設置面に対して水平方向に設けられた投影レンズ部と、この投影レンズ部を介して前記照射光により露光されるワークを支持するワークステージと、このワークステージに支持されているワークの露光領域を変更する露光領域変更手段と、この露光領域変更手段により露光位置に設置された前記ワークに対して整合作業を行う整合手段と、前記ワークステージにワークを搬入するために前記ワークを予備位置決めする予備位置決め機構を有する搬入ステージと、露光作業が終了したワークを前記ワークステージから搬出するための搬出ステージと、前記ワークステージおよび前記搬入ステージ間ならびに前記ワークステージおよび前記搬出ステージ間において前記ワークの姿勢を水平状態または垂直状態にして移送する移送手段と、を備えることを特徴とする投影露光装置。
- 前記投影レンズ部は、レンズ群と、このレンズ群を支持する筒状のレンズホルダと、このレンズホルダを載置して支持する支持台とを備え、
前記レンズ群は、前記レンズホルダの両端側に配置される固定レンズと、この固定レンズに隣り合う内側で離間して配置され収納筒に収納された変倍機構レンズ群とを有し、前記レンズホルダは、前記収納筒を移動させる移動ユニットを備えることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の投影露光装置。 - 前記移動ユニットは、前記レンズホルダの内面に沿って配置され、前記収納筒を、スライド自在に支持するスライドガイドと、このスライドガイドに沿って移動する前記収納筒に固定され、前記レンズホルダの側面に設けた開口部から突出する突片と、この突片を光軸方向に沿って移動させる移動部とを備えることを特徴とする請求項3に記載の投影露光装置。
- 搬入ステージにワークを搬入するステップと、搬入されたワークを予備位置決めするステップと、予備位置決めされたワークの姿勢を水平状態から垂直状態にしてワークステージに移送するステップと、前記ワークステージ上のワークのあらかじめ設定されている露光領域に対して整合作業を行うステップと、整合作業が完了したワークの前記露光領域について、装置本体の設置面に対して水平方向に配置された投影レンズを介すると共に光学系を介して所定波長の紫外線を照射して露光作業を行うステップと、を含むことを特徴とする投影露光方法。
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JP2002188163A JP2004029546A (ja) | 2002-06-27 | 2002-06-27 | 投影露光装置およびその方法 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20160026683A (ko) | 2014-08-28 | 2016-03-09 | 가부시키가이샤 오크세이사쿠쇼 | 투영 노광 장치, 투영 노광 방법, 투영 노광 장치용 포토마스크, 및 기판의 제조 방법 |
-
2002
- 2002-06-27 JP JP2002188163A patent/JP2004029546A/ja active Pending
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