JP2004028923A - 原子炉プラント - Google Patents

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仁田脇 武志
Yasuyoshi Kato
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Abstract

【課題】本発明は、二酸化炭素の小さい圧縮仕事のメリットを生かしつつ、デメリットである再生熱交換器での大きな温度差を低減し、サイクル効率を高めた原子炉プラントを提供することを課題とする。
【解決手段】原子炉熱で加熱された冷却材である二酸化炭素がタービン2を直接に駆動する原子炉プラントにおいて、前記タービン2から導出された前記冷却材は前記再生熱交換器5の低圧側流路を経由した後に一部と残部とに分流し、前記一部の前記冷却材は、前置冷却器6により冷却され、第1圧縮機7により加圧された後に前記再生熱交換器5の高圧側流路を経由し、前記残部の前記冷却材は、前記前置冷却器6、前記第1圧縮機7及び再生熱交換器5を迂回して第2圧縮機8により加圧された後に、前記一部の前記冷却材と混合され、再び原子炉1に循環することを特徴とする原子炉プラント。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子炉プラントに関する。
【0002】
【従来の技術】
原子炉で加熱された冷却材で直接タービンを駆動する直接サイクル原子炉の冷却材として、ヘリウムなどの気体を用いることが考えられる。しかし、ヘリウムは冷却性能が低いため、原子炉の出力密度を下げざるを得ない。従って、大きな発電出力を得るためには炉心容積を大きくしなければならず、原子炉のプラント物量が増大することに起因した建設コストの上昇という問題を生じさせていた。
【0003】
直接サイクル原子炉においてヘリウムに代わる気体状の冷却材としては二酸化炭素が考えられる。二酸化炭素は、ヘリウムなどの気体に比して2〜3倍の高い冷却性能(熱伝達率及び熱輸送力)を有するために、二酸化炭素の凝縮を行わない場合でもヘリウムを冷却材とした場合に比べて高温で原子炉を稼動することができ、原子炉を小型化することが可能となる。
【0004】
また、ヘリウムの臨界点(約5.2K、約0.2MPa)に比べて二酸化炭素の臨界点(約304K、約7.4MPa)は温度、圧力ともに高い。
ところで、二酸化炭素を冷却材として使用した直接サイクル原子炉においては、タービンを駆動した後にタービンより排出される冷却材(二酸化炭素)の圧縮がこの臨界点付近(理想気体特性から外れた領域)で行われるために、冷却材(二酸化炭素)の圧縮仕事がヘリウムを冷却材として用いた場合よりも大幅に低減できる。
【0005】
このことから、気体状の二酸化炭素を冷却材として用いて直接サイクル原子炉を構築すれば、ヘリウムを冷却材として用いた場合に比べて、原子炉の出力密度を向上することが可能であり、原子炉の小型化、建設コストの低減につながる。
【0006】
気体を冷却材として用いる直接サイクル原子炉の一例を図3に示した。
この直接サイクル原子炉は、原子炉111と、タービン112と、発電機113とを備えている。タービン112の冷却材出口112bと原子炉111の冷却材入口111aとの間には、再生熱交換器114、前置冷却器116、圧縮機117とが備えられている。尚、図中における矢印は、直接サイクル原子炉中における冷却材の流れる方向を示すものである。
【0007】
原子炉111の炉心で加熱された冷却材は、原子炉111の冷却材出口111bから導出され、タービンの冷却材入口112aからタービン112に導入され、タービン112すなわち発電機113を駆動する。
続いて、冷却材は、タービン112の冷却材出口112bから導出され、再生熱交換器114の低圧側入口114aより再生熱交換器114に導入される。
【0008】
再生熱交換器114は、タービン112から導出される冷却材(高温低圧)と後記する圧縮機117から導出される冷却材(低温高圧)との熱交換を行い、圧縮機117から導出される冷却材を原子炉111の入口温度にまで昇温する機能を有する。
【0009】
より詳細には、タービン112から導出される冷却材(高温低圧)は低圧側入口114aより再生熱交換器114に導入され、圧縮機117から導出され高圧側入口114cより再生熱交換器114に導入された冷却材(低温高圧)と熱交換を行う。
【0010】
その後、タービン112から導出された冷却材(高温低圧)は熱交換により降温されて低圧側出口114bより導出される。一方、圧縮機117から導出された冷却材は、熱交換により原子炉111の入口温度にまで昇温されて、高圧側出口114dより導出される。
【0011】
低圧側出口114bから導出された気体状態の冷却材は前置冷却器116によりさらに冷却され、圧縮機117の冷却材入口117bより、タービン112により駆動される圧縮機117に導入される。冷却材は、圧縮機117中で圧縮され、圧縮機117の冷却材出口117bから導出される。
【0012】
このように圧縮機117から導出された冷却材は、高圧側入口114cより再生熱交換器114に導入され、再生熱交換器114内部で、タービン112から導出される冷却材(高温低圧)との熱交換により、原子炉111の入口温度にまで昇温され、高圧側出口114dから導出される。
高圧側出口114dから導出された冷却材は、原子炉111の冷却材入口111aより炉心に導入され、再び加熱される。
【0013】
図4にこの直接サイクル原子炉のT−S線図を示した。図4において、T−S線図中に記された符号は、図3の符号と対応しており、図3のそれぞれの点における冷却材のエントロピと温度を示すものである。
【0014】
E’点〜F’点は、タービン112に対応する経路であり、原子炉111で加熱された冷却材は、タービン112を駆動する仕事を行う。F’点〜H’点及びB’点〜D’点は、再生熱交換器114に対応する経路であり、タービン112から導出された高温低圧の冷却材は再生熱交換器114においてF’点〜H’点の経路に沿って降温する。再生熱交換器114においては、F’点〜H’点に沿った降温に対応して、圧縮機117から導出された低温高圧の冷却材が熱交換によりB’点〜D’点の経路に沿って昇温される。
【0015】
H’点〜A’点は、前置冷却器116に対応する経路であり、タービン112から導出された冷却材は前置冷却器116により冷却され更に降温する。A’点〜B’点は、圧縮機117に対応する経路であり、冷却材は、圧縮機117から圧縮仕事を加えられることで昇温される。そして、前記したように、B’点〜D’点の経路において更に昇温される。
D点〜E点は、原子炉111に対応する経路であり、冷却材は、原子炉111により加熱され、E’点に至る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、二酸化炭素は理想気体に近いヘリウムと異なり、実存気体としての特徴があり、温度・圧力によってその定圧比熱が大きく異なる。特に、原子炉の再生熱交換器の温度・圧力条件においては、高温低圧側で定圧比熱が小さく、低温高圧側で定圧比熱が大きくなる。
そのため、再生熱交換器114における熱交換の際に、B点〜D点の経路で圧縮機117から導出された低温高圧の冷却材が、充分に昇温されず、低圧側(F点)と高圧側(D点)との温度差が大きくなる傾向がある。
【0017】
よって、二酸化炭素の全量を単一の経路で循環する場合には、同じ構成でヘリウムを用いた場合に比べると、再生熱交換器114の高圧側出口114d(D点)での冷却材温度が低くなり、結果的に冷却材をE点まで加熱するために必要な原子炉入熱が大きくなり、前記の圧縮仕事が小さくなる効果を相殺してしまい、サイクル効率が思うほどには向上しない等の問題がある。
【0018】
本発明は、このような問題点に鑑みなされたものであり、冷却材として二酸化炭素を使用し、この冷却材によって直接的にタービンを回して発電を行う直接サイクル原子炉であって、二酸化炭素の実存ガス特性を利用して、低い圧縮仕事を確保しながら、かつ、再生熱交換器における冷却材の温度差が大きくなるという不都合を解消するようにして、サイクル効率を高めた原子炉プラントを提供することを課題とする。
【0019】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために以下のように構成した。
請求項1記載の発明は、原子炉熱で加熱された冷却材である二酸化炭素がタービンを直接に駆動する原子炉プラントにおいて、前記タービンから導出された前記冷却材は前記再生熱交換器の低圧側流路を経由した後に一部と残部とに分流し、前記一部の前記冷却材は、前置冷却器により冷却され、第1圧縮機により加圧された後に前記再生熱交換器の高圧側流路を経由し、前記残部の前記冷却材は、前記前置冷却器、前記第1圧縮機及び再生熱交換器を迂回して第2圧縮機により加圧された後に、前記一部の前記冷却材と混合され、再び原子炉に循環することを特徴とする原子炉プラントである。
【0020】
請求項1に記載の発明においては、再生熱交換器の低圧側流路を経由した冷却材(二酸化炭素)を分流し、その一部を再生熱交換器の高圧温側流路に導入して昇温する。一方、冷却材の残部は、前記前置冷却器、前記第1圧縮機及び再生熱交換器を迂回して第2圧縮機で加圧された後に、前記一部の冷却材と混合される。そして、混合された冷却材は、再び原子炉へと循環する。
【0021】
本発明では、再生熱交換器における高圧側流路を流通する冷却材(以下、「高圧側冷却材」と言う)の流量を、低圧側流路を流通する冷却材(以下、「低圧側冷却材」という)の流量より小さくした。これにより、定圧比熱の大きな高圧側冷却材の再生熱交換器内における温度上昇を、低圧側冷却材の温度低下幅と同程度にまで増大させることができた。
【0022】
よって、高圧側流路の下流にある原子炉入口における冷却材温度を上昇させることができ、冷却材を所定温度まで加熱するために必要な原子炉入熱を低減させることができた。
【0023】
この構成により、小さい圧縮仕事という利点を残しながら、再生熱交換器での大きい温度差という不利点を改善でき、原子炉プラントのサイクル効率を向上させることが可能となった。
【0024】
請求項2記載の発明は、前記原子炉として、高速炉を採用することを特徴とする請求項1に記載の原子炉プラントである。
請求項3記載の発明は、前記原子炉として、熱中性子炉を採用することを特徴とする請求項1に記載の原子炉プラントである。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、適宜図面を参照して説明する。
図1は、本発明の原子炉プラントの好ましい態様を示す構成図であり、図2は、本発明の原子炉プラントの冷却材のサイクルを示すT−S線図である。
【0026】
=原子炉プラントの構成=
図1に示す原子炉プラントは、原子炉1と、タービン2と、発電機3とを備えている。さらに、タービン2の冷却材出口2bと原子炉1の冷却材入口1aとの間において第1再生熱交換器4及び第2再生熱交換器5と、前置冷却器6と第1圧縮機7及び第2圧縮機8とを備えている。
【0027】
尚、図中における矢印は、本サイクル中における冷却材の流れる方向を示すものである。また、冷却材としては二酸化炭素を用いることを前提としている。
【0028】
原子炉1の炉心で加熱された冷却材は、冷却材出口1aより導出されタービン2へ直接導かれてタービン2を回し、これによって発電機3を駆動させる。タービン2の冷却材出口2bから排出された気体状態の冷却材は、第1再生熱交換器4の低圧側入口4aから第1再生熱交換器に導入され、低圧側流路を流通して、低圧側出口4bより導出される。尚、ここで、第1再生熱交換器の低圧側流路とは、第1再生熱交換器の低圧側入口4aと低圧側出口4bとを結ぶ流路のことを示す。
第1熱交換器から導出された冷却材は、第2再生熱交換器に導入され低圧側流路(低圧側入口5a〜低圧側出口5b)を流通して冷却される。
【0029】
その後、冷却材は分岐点9で所定の配分比率で一部と残部とに分配され、一部の冷却材は、冷却材配管10を経て前置冷却器6へ導かれて冷却され、タービンにより駆動される第1圧縮機7で加圧される。残部の冷却材は、冷却材配管11を経て冷却されずに第2圧縮機8で加圧される。
【0030】
分岐点9における冷却材の分配の方法としては、第1圧縮機7及び第2圧縮機8の吸引力の差、冷却材配管10,11に設けるオリフィス及び冷却材の流量調節弁等を組み合わせて用いることが可能である。
一例としては冷却材配管10,11に流量計(不図示)を設けるとともに分岐点9に冷却材の流量調節弁(不図示)を設け、流量計の信号に基づいて冷却材の分配割合を微調整する方法が考えられる。また、前記の流量調節弁に代わり冷却材配管10,11のどちらかにオリフィスを設ける方法も考えられる。
【0031】
前置冷却器6に導入され、冷却されて低温となった一部の冷却材は第1圧縮機7よって加圧される。その後に、一部の冷却材は、第2再生熱交換器5の高圧側入口5cから第2再生熱交換器に導入され、高圧側流路(5c〜5d間)を流通する過程で、タービン2から排出され前記低圧側流路(5a〜5b間)を流通する高温の冷却材との熱交換によって昇温され、高圧側出口5dより導出される。
この後に、合流点12において、前置冷却器6をバイパスして冷却材配管11を流通し第2圧縮機8で圧縮されることで、一部の冷却材と等温、等圧とされた残部の冷却材と混合される。
【0032】
混合された冷却材は、第1再生熱交換器4の高圧側入口4cから第1再生熱交換器4に導入され、高圧側流路(4c〜4d間)を流通する過程で、タービン2から排出され、低圧側流路(4a〜4b間)流通する高温の冷却材との熱交換によって原子炉1の入口温度まで上昇させられる。
第1再生熱交換器4の高圧側出口4dから導出された冷却材は、原子炉1の冷却材入口1aから炉心に導入され、ここで再び加熱される。そして上記のような工程を再び経ることによって発電機3を連続的に駆動させ、発電を行うものである。
【0033】
冷却材を分岐点9で一部と残部とに分流させることで、第2再生熱交換器5の高圧側流路(5c〜5d間)を流通する低温の冷却材の流量を少なくすることができる。これにより、第2再生熱交換器5の高圧側流路(5c〜5d間)流通する一部の冷却材の温度上昇幅を従来よりも大きくすることができ、第2再生熱交換器5での高圧側出口5dにおける冷却材温度(すなわち第1再生熱交換器4の高圧側入口4cにおける冷却材温度)を高くできる。
【0034】
第1再生熱交換器4の高圧側入口4cにおける冷却材温度を高くできれば、高圧側出口4dにおける冷却材温度(すなわち原子炉1の冷却材入口1aにおける冷却材温度)を従来よりも高くすることができる。
【0035】
このように、本発明においては、原子炉1に導入する冷却材の温度を従来よりも高温とすることができるので、炉心において、冷却材を所定のタービン入口温度まで昇温するために必要な原子炉入熱量が少なくてすみ、原子炉1のサイクル効率を高めることができる。
【0036】
尚、本発明の原子炉プラントにおいては、冷却材を一部と残部とに分流することにより、残部の冷却材を圧縮するために第2圧縮機8を新たに追加する必要が生じる。
【0037】
ここで、第2圧縮機8の追加に伴う、原子炉プラントのサイクル効率上の得失を考えると、第2圧縮機8が圧縮する残部の冷却材は、前置冷却器6で冷却されていないので、第1圧縮機7で圧縮される一部の冷却材よりも高温である。
ところで、気体状態の冷却材の圧縮は、その比体積が小さいほど(すなわち低温ほど)圧縮仕事は小さくなるので、第2圧縮機8は、第1圧縮機7に比べて大きな圧縮仕事を行うことになる。
【0038】
つまり、圧縮仕事の面から見ると、本発明の原子炉プラントは、冷却材の全量を圧縮機117(図3)で圧縮する従来法よりも大きな圧縮仕事を行うこととなり、サイクル効率上デメリットである。しかし、圧縮仕事の増加分よりも、前記した第1再生熱交換器4の高圧側出口4dにおける冷却材温度を高温にできる効果の法が大きく、結果的に原子炉プラントのサイクル効率が向上する。
【0039】
二酸化炭素は、ヘリウムなどの気体に比して2〜3倍の高い冷却性能(熱伝達率及び熱輸送力)を有する。従って、ヘリウムを冷却材として用いた直接サイクル炉に比べて、出力密度の高い炉心を冷却することが可能であり、原子炉の小型化、建設コストの低減につながる。
【0040】
さらに、二酸化炭素は、空気や水に対して化学的に不活性であるため、冷却系統から外部に漏洩した場合においても空気や水と激しく反応することが無い。従って、液体金属ナトリウムを冷却材として用いた場合に懸念される冷却材漏洩に伴う冷却系統や周辺設備の損傷と言う問題を回避することができる。
【0041】
また、本発明で用いる二酸化炭素は炉心において気体状態にあるので沸騰によるボイドの発生を回避することができる。従って、過大な正の反応度の挿入による炉心の過熱という問題を回避することができる。
【0042】
なお、上記においては具体例の一態様を示すものであり、具体的な原子炉の構成や大きさ、発電量などによって加熱温度などは異なってくる。
また、二酸化炭素の凝縮性を利用して、本発明の構成に凝縮サイクルを組み込むことで、圧縮仕事を低減させ、サイクル効率を更に向上させることも可能である(特願2001−241499号公報参照)。
【0043】
=T−S線図について=
図2に本発明の原子炉プラントのT−S線図を示した。図2において、T−S線図中に記された符号は、図2の符号と対応しており、図2のそれぞれの点における冷却材のエントロピと温度を示すものである。
【0044】
本発明の原子炉プラントにおいては、一部の冷却材と残部の冷却材との流通経路が異なるために、T−S線図は二つのT−Sサイクルが合成されたものとなっている。すなわち、分岐点9において分流され、前置冷却器6に導入される一部の冷却材は、図2において、E→F→G→H→A→B→C→D→Eという経路を辿る。それに対し、分岐点9において分流され、第2圧縮機8に導入される残部の冷却材は、図2において、E→F→G→H→C→D→Eという経路を辿る。
【0045】
E点〜F点は、タービン2に対応する経路であり、原子炉1で加熱された冷却材は、タービン2を駆動する仕事を行う。
F点〜G点及びC点〜D点は、第1再生熱交換器4に対応する経路であり、タービン2から導出された低圧側冷却材(高温)は第1再生熱交換器4においてF点〜G点の経路に沿って降温する。第1再生熱交換器4においては、F点〜G点に沿った降温に対応して、合流点12で混合された高圧側冷却材(低温)が熱交換により、C点〜D点の経路に沿って昇温される。
【0046】
G点〜H点は、第2再生熱交換器5に対応する経路であり、第1再生熱交換器4から導出された低圧側冷却材(高温)は、第2再生熱交換器5においてG点〜H点の経路に沿って降温する。第2再生熱交換器5においては、G点〜H点に沿った降温に対応して、分岐点9で分流された一部の冷却材が熱交換によりB点〜C点の経路に沿って昇温される。
【0047】
本発明の原子炉プラントにおいては、第2再生熱交換器5に分岐点9で分留した一部の冷却材のみを導入するので、B点〜C点の経路における冷却材の昇温幅、つまり、C点における冷却材温度を高くすることができる。このように、C点の冷却材温度が高くなることにより、必然的にD点における冷却材温度も上昇し、原子炉1に対して従来よりも高温の冷却材を導入できるので、原子炉1において、冷却材温度をE点まで上昇させるための原子炉入熱を小さくすることができる。
【0048】
点H〜点Cは、分岐点9で分流された残部の冷却材が辿る経路であり、第2圧縮機8に対応する。残部の冷却材は前置冷却器6、第1圧縮機7及び第2再生熱交換器5をバイパスし、第2圧縮機8で圧縮された後に合流点12において、一部の冷却材と混合される。点H〜点Cでは、第2圧縮機8による圧縮仕事が加えられることで、残部の冷却材が点Cまで加圧昇温される。
【0049】
点H〜点Aは、分岐点9で分流された一部の冷却材が辿る経路であり、前置冷却器6に対応する。一部の冷却材は、前置冷却器6により冷却され、点H〜点Aの経路に沿って温度がA点まで降温される。
【0050】
点A〜点Bは、分岐点9で分流された一部の冷却材が辿る経路であり、第1圧縮機7に対応する。点A〜点Bでは、第1圧縮機7による圧縮仕事が加えられることで、一部の冷却材が点Bまで加圧昇温される。
【0051】
点B〜点Cは、分岐点9で分流された一部の冷却材が辿る経路であり、第2再生熱交換器5に対応する。この経路においては、一部の冷却材は、第2再生熱交換器5の高圧側流路(5c〜5d間)に導入され、低圧側流路(5a〜5b間)を流通する低圧側冷却材との熱交換により、点Cまで昇温される。
【0052】
点C〜点Dは、合流点12で混合された冷却材が辿る経路であり、第1再生熱交換器4に対応する。この経路においては、冷却材は、第1再生熱交換器4の高圧側流路(4c〜4d間)に導入され、低圧側流路(4a〜4b間)を流通する低圧側冷却材との熱交換により、点Dまで昇温される。
【0053】
点D〜点Eは、原子炉1に対応する経路である。第1再生熱交換器4の高圧側出口4dから導出された冷却材は、原子炉1に導入され、炉心で加熱されることで、温度がE点まで昇温する。
【0054】
=冷却材の流量配分の好適値について=
本発明の原子炉プラントにおいては、原則的には一部と残部の冷却材の流量配分率は0〜100%の間で任意に設定することができる。しかし、第1圧縮機7に流通する一部の冷却材の流量が多ければ、全体の圧縮仕事は小さくなるが第2再生熱交換器5での温度差改善の効果は小さくなり、逆に第1圧縮機7に流通する一部の冷却材の流量が少なければ、全体の圧縮仕事は大きくなるが第2再生熱交換器5での温度差改善効果が大きくなる。このように、高いサイクル効率を得るためには、冷却材の流量配分率を好適な範囲とする必要がある。
【0055】
冷却材の好適な流量配分率は原子炉プラントの設計パラメータ(サイクル中の各温度、圧力、各機器の効率、再生熱交換器の再生効率、タービン膨張比、圧損等)によって変化するため、本発明の原子炉プラントを稼動させる際には、原子炉プラントの冷却材温度、冷却材圧力条件及びその他の設計パラメータを勘案して最大サイクル効率を与える流量配分率を設定すればよい。
【0056】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、冷却材として二酸化炭素を用いて再生熱交換器における流量バランスを調節することで、二酸化炭素の小さい圧縮仕事のメリットを受けながら、再生熱交換器での大きな温度差というデメリットを低減して、高いサイクル効率を得ることができ、或いはより低温の条件でも同程度の効率を得ることができる(請求項1)。
【0058】
また、原子炉内で加熱された冷却材で直接的にタービンを回し発電機を駆動するので、中間の冷却系統を必要とせず、発電プラントの構成自体を簡易化することができる。そして構成が簡易化されることにより、保守・運転をも簡易化することができる(請求項1)。
【0059】
また、本原子炉プラントに用いる原子炉として高速炉を採用することにより、従来以上にサイクル効率のよい原子炉プラントを得ることが可能となる(請求項2)。
さらに、本原子炉プラントに用いる原子炉として熱中性子炉を採用することにより、従来以上にサイクル効率のよい原子炉プラントを得ることが可能となる(請求項3)。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の原子炉プラントの構成図である。
【図2】本発明の原子炉プラントの冷却材のサイクルを示すT−S線図である。
【図3】従来のガスサイクルの代表的な構成図である。
【図4】従来のガスサイクルの代表的な構成でのサイクルを示すT−S線図である。
【符号の説明】
1 原子炉
2 タービン
3 発電機
4 第1再生熱交換器
5 第2再生熱交換器
6 前置冷却器
7 第1圧縮機
8 第2圧縮機
9 分岐点
10,11 冷却材配管
12 合流点

Claims (3)

  1. 原子炉熱で加熱された冷却材である二酸化炭素がタービンを直接に駆動する原子炉プラントにおいて、
    前記タービンから導出された前記冷却材は再生熱交換器の低圧側流路を経由した後に一部と残部とに分流し、
    前記一部の前記冷却材は、前置冷却器により冷却され、第1圧縮機により加圧された後に前記再生熱交換器の高圧側流路を経由し、
    前記残部の前記冷却材は、前記前置冷却器、前記第1圧縮機及び再生熱交換器を迂回して第2圧縮機により加圧された後に、前記一部の前記冷却材と混合され、再び原子炉に循環することを特徴とする原子炉プラント。
  2. 前記原子炉として、高速炉を採用することを特徴とする請求項1に記載の原子炉プラント。
  3. 前記原子炉として、熱中性子炉を採用することを特徴とする請求項1に記載の原子炉プラント。
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