JP2004027254A - Titanium alloy having excellent corrosion resistance and method of producing the same - Google Patents

Abstract

<P>PROBLEM TO BE SOLVED: To provide a titanium alloy which does not contain expensive platinum group elements and exhibits excellent corrosion resistance in the severe environment such as a gap part in which nonoxidizing acid or chlorine ions are present, and to provide a method of producing the same. <P>SOLUTION: The titanium alloy comprising, by mass, 0.1 to 1.5% Ni, 0.l to 2.1% Cu and 0.02 to 0.3% Fe is obtained. Alternatively, the titanium alloy comprising one or more of metals selected from Mo, Nb and Zr of 0.05 to 0.5% in total, or comprising one or more kinds of metals selected from Cr and Co of 0.05 to 0.3% in total in addition to the above composition is obtained. The alloys are subjected to hot or cold working, are annealed at 650 to 850°C, and are cooled at a cooling rate slower than air cooling so as to be an equiaxial recrystallized structure, so that the corrosion resistance thereof can further be enhanced. <P>COPYRIGHT: (C)2004,JPO

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、耐食性に優れたチタン合金に関するものであり、特に、非酸化性の酸や隙間部などの厳しい腐蝕環境にて使用されるチタン合金に関する。
【０００２】
【従来の技術】
純チタンは耐食性に優れることから、様々な腐蝕環境下で広く工業用材料として使用されている。特に、硝酸、クロム酸などの酸化性の酸や、海水、塩化物イオン含有溶液に対しては優れた耐食性を示す。
【０００３】
しかし、塩酸、硫酸などの非酸化性酸中では、上記の環境におけるほど高い耐食性が期待できず、また、塩素イオン等が存在する場合、隙間部においていわゆる隙間腐蝕を生じることがあり、この点を改良した合金として、Ｔｉ−０．２％Ｐｄ（ＡＳＴＭ規格のグレード７、１１）などチタンに白金族元素（Ｒｕ、Ｒｈ、Ｐｄ、Ｏｓ、Ｉｒ及びＰｔ）を微量添加した合金（Ｃｏｒｒｏｓｉｏｎ、３１（１９７５）、ｐ．６０）、Ｔｉ−０．５Ｎｉ−０．０５Ｒｕ（米国特許４６６６６６６）のようにＮｉとＲｕを複合添加した合金（特開昭６１−１２７８４４号公報）など、各種の合金が開発されてきた。
【０００４】
しかしながら、これらの合金は耐食性が優れるものの、希少かつ極めて高価な白金族元素を添加していることから、チタン合金の製造コストが大幅に高くなる。
【０００５】
これに対し安価で耐食性に優れた合金として、Ｔｉ−０．８％Ｎｉ−０．３％Ｍｏ（ＡＳＴＭ規格のグレード１２）のようにＮｉとＭｏを複合添加した合金（例えば、特公昭５４−８５２９号公報）及び、ＴｉにＣｒ、Ｃｕ、Ｓｉ及びＡｌの１種以上とＮｉを複合添加した合金が特開平４−３０８０５１号公報に開示されているが、純チタンよりは耐食性が優れるものの、特に非酸化性酸中においてはその改善代が白金族元素添加合金より小さく、さらなる改善が望まれていた。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】
以上のような現状に鑑み、本発明は、高価な白金属元素を添加することなく、酸化性の酸や海水はもとより、非酸化性の酸中のような厳しい環境下においても優れた耐食性を示し、また塩素イオンが存在するような環境下での隙間腐蝕に対しても優れた抵抗力を示すチタン合金を提供しようとするものである。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、チタンの耐食性に及ぼす合金元素及び組織の影響について鋭意研究を重ねた結果、Ｎｉ、Ｃｕ及びＦｅをチタンに複合添加すると、著しく耐食性が向上することを見出し、従来合金のように高価な白金属元素を含有させることなく、非酸化性の酸中の耐食性や耐隙間腐蝕に優れる合金を発明するに至った。その要旨とするところは以下の通りである。
（１）　質量％で、
Ｎｉ：０．１〜１．５％
Ｃｕ：０．１〜２．１％、
Ｆｅ：０．０２〜０．３％、
を含有し、残部Ｔｉと不純物元素からなることを特徴とする耐食性に優れたチタン合金。
（２）　さらに、質量％で、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｚｒの中から１種以上を合計で、０．０５〜０．５％含有することを特徴とする（１）に記載の耐食性に優れたチタン合金。
（３）　さらに、質量％で、Ｃｒ、Ｃｏの中から１種以上を合計で、０．０５〜０．３％含有することを特徴とする（１）又は（２）に記載の耐食性に優れたチタン合金。
（４）　微視組織が等軸再結晶組織からなることを特徴とする（１）〜（３）のいずれか１項に記載の耐食性に優れたチタン合金。
（５）　熱間又は冷間で加工後、６５０℃以上で８５０℃以下の温度にて焼鈍を行い、空冷又は炉冷することを特徴とする（４）に記載の耐食性に優れたチタン合金の製造方法。
【０００８】
【発明の実施の形態】
本発明者は、Ｎｉ及びＣｕを複合添加したチタン合金の非酸化性酸中における耐食性に及ぼす合金元素の影響について詳細な検討を行った。その結果、適量のＮｉ、Ｃｕ及びＦｅをチタンに複合添加することにより、極めて高価な白金族元素を添加した高耐食チタン合金に匹敵する特性を達成できることを見出した。
【０００９】
その理由は次に述べるとおりである。すなわち、Ｎｉはチタン中にほとんど固溶しないため、高温からの冷却中にＮｉの濃化したβ相やＴｉ_２Ｎｉ相（以下、第２相と記す）を生成させる。さらにＣｕを添加するとＣｕが第２相に濃化し、Ｃｕがα相中に均一にかつ希薄に分布しているＣｕ単独添加合金の場合に比べて、チタン全体の耐食性が改善される。
【００１０】
しかし、Ｎｉ及びＣｕを複合添加したチタン合金の場合、白金族元素を添加したチタン合金に匹敵する耐食性を得るには５％以上のＣｕを添加する必要があるが、加工性や偏析の問題を生じる。これに対して微量のＦｅを添加すると、Ｃｕ量が２．１％以下であっても第２相にＣｕが高濃度で濃化し、白金族元素を添加したチタン合金と同等の耐食性が得られる。
【００１１】
以下、成分の限定理由を説明する。なお、以下の説明において特に断らない限り％は質量％を表わすものとする。
【００１２】
Ｎｉは、水素過電圧を変化させることによりチタンの耐食性を向上させる元素であり、Ｃｕ及びＦｅとの複合添加によって極めて高い耐食性が得られる。この効果は、Ｎｉの添加量が０．１％未満では不十分であり、また１．５％を超えて添加してもその効果は飽和してしまい、加工性や偏析の問題を生じ返って悪影響を及ぼす。従って、Ｎｉ量を０．１〜１．５％の範囲とした。
【００１３】
Ｃｕもチタンの耐食性を向上させる元素であり、Ｎｉ及びＦｅとの複合添加によって極めて高い耐食性が得られる。その効果は０．１％未満では不十分であり、２．１％を超えて添加してもその効果は飽和してしまい、加工性や偏析の問題を生じかえって悪影響を及ぼす。従って、Ｃｕ量を０．１〜２．１％の範囲とした。
【００１４】
Ｆｅは、Ｎｉ及びＣｕの複合添加によるＣｕの第２相への濃縮を促進させて耐食性を向上させる元素であり、この効果を得るには、Ｆｅが０．０２％以上添加されていることが必須である。ただし、０．３％を超えてＦｅが添加されると、Ｆｅが本来有する耐食性劣化効果が顕著となり、材料の耐食性が損なわれる。従って、Ｆｅの添加量は０．０２〜０．３％の範囲であることが必要である。
【００１５】
さらに、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｚｒの中から１種以上を含有しても良い。これら元素は単独でチタンに添加しても耐食性改善効果は小さいが、Ｎｉ、Ｃｕ、Ｆｅを複合添加した合金に添加すると、さらに耐食性を高めることができる。ただし、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｚｒの１種以上を合計で０．０５％以上添加しないとその効果は小さく、また、合計で０．５％を超えて添加してもその効果は飽和してしまい、加工性を損なうなどの問題を生じかえって悪影響を及ぼす。従って、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｚｒの１種以上の添加量を合計で、０．０５〜０．５％の範囲とした。
【００１６】
さらに、必要に応じてＣｒ、Ｃｏの１種以上を含有させても良い。これらの元素は単独でチタンに添加すると耐食性はむしろ低下することがあるが、Ｎｉ、Ｃｕ、Ｆｅを複合添加した合金や、さらにＭｏ、Ｎｂ、Ｚｒを添加した合金に複合添加すると、耐食性をより高めることができる。ただし、Ｃｒ、Ｃｏの１種以上の合計が０．０５％未満ではその効果は小さく、また、合計で０．３％を超えて添加してもその効果は飽和してしまい、加工性を損なうなどの問題を生じかえって悪影響を及ぼす。従って、Ｃｒ、Ｃｏの１種以上の添加量を合計で０．０５〜０．５％の範囲とした。
【００１７】
次に微視組織について説明する。チタン合金は一般に高温のβ単相域から低温のα域又はα＋β二相域に冷却されると、冷却速度に応じて大小の針状組織を呈する。このときβ相からα相が生成する変態反応の不均一性に起因して、元素分布がやや不均一になる傾向がある。一方、これら針状組織を熱間又は冷間で加工し、さらに焼鈍により再結晶させ等軸組織化すると、等軸のα相の間（粒界や粒界三重点）に第２相が分布した均一組織が得られる。腐蝕反応は電気化学的な反応であり、このような均一組織の方が、電位が均一化し、耐食性がより高くなる。従って、合金の微視組織は等軸再結晶組織であることとした。
【００１８】
ただし、この第２相の距離があまりにも離れると、その中間領域においてはこの第２相による耐食性向上効果が及ばなくなる。結晶粒径が２００μｍを超えると第２相の距離が離れすぎ、部分的に耐食性が低下するため、２００μｍ以下であることが好ましい。また、結晶粒径は微細であるほど電位が均一化するため、より効果的な範囲は１５０μｍ以下であり、最適な範囲は１００μｍ以下である。
【００１９】
結晶粒径の下限は規定しないが、現状の技術では５μｍ程度である。
【００２０】
次に製造方法について説明する。本発明のチタン合金は、熱間又は冷間で加工した後に、焼鈍を行い、冷却して製造する。焼鈍は熱間又は冷間加工組織をα＋β二相の等軸組織とするために施す。焼鈍温度は６５０℃未満では、合金元素の拡散が不十分なため再結晶が進行しにくく、十分な等軸組織が得られないため、６５０℃を下限とする。一方、焼鈍温度が８５０℃を超えるとβ相の量が多くなりすぎ、冷却課程でβ相中に針状α相が生成し、等軸組織が維持できず、元素の分布が不均一になるため、８５０℃を上限とした。
【００２１】
また、焼鈍後、水冷すると冷却過程でβ相中に針状α相が生成し、等軸組織が維持できず、元素の分布が不均一になる。等軸組織を室温まで冷却維持するため、冷却方法は空冷又は炉冷とした。なお、冷却方法は、結晶粒径が２００μｍ以下の等軸組織が得られる条件であれば、強制空冷でも良く、雰囲気温度を変化させて特定の温度範囲の冷却速度を特定の冷却速度とする制御冷却でも良い。
【００２２】
【実施例】
本発明を、実施例を用いてさらに詳しく説明する。
（実施例１）
表１、表２（表１のつづき１）に示した成分からなるインゴットを、真空アーク２回溶解により準備し、これを熱間鍛造して厚さ１５０ｍｍのスラブとした。このスラブを８５０℃に加熱し、厚さ１０ｍｍの板に熱間圧延し、７５０℃で１時間焼鈍後、空冷した。この製造方法は、本発明（５）に記載の方法に該当し、いずれの試料も等軸の再結晶粒からなり、表中本発明（１）〜（３）のいずれか１項に記載の成分を有する合金は、いずれも本発明（４）の実施例である。
【００２３】
上記の厚板から５ｍｍ厚、３０ｍｍ幅、４０ｍｍ長の試験片を切り出し、１％及び５％の沸騰硫酸中に、また５％の沸騰塩酸中に各々４８時間浸漬し、腐蝕減量を測定し、腐蝕速度を算出した。その結果を表１、表２（表１のつづき１）に合わせて示す。なお、備考欄には本発明の範囲であるものは該当する請求項の番号を示し、本発明の範囲外であるものは比較例とした。
【００２４】
【表１】

【００２５】
【表２】

【００２６】
さて表１、表２（表１のつづき１）において、試験番号１は工業用純チタンに対して行った試験結果であり、いずれの環境においても大きな腐蝕速度にて腐蝕が進行している。これに対し、試験番号２のＰｄ添加合金及び試験番号４のＮｉ及びＲｕ複合添加合金は、著しく耐食性が改善しており、いずれの環境においても腐蝕速度は１ｍｍ／年を大きく下回る値となっている。しかしながら、微量とはいえ高価な白金属元素を添加しており、幅広い用途に多量に使用するには多大なコストがかかってしまう。また、試験番号３のＴｉ−Ｎｉ−Ｍｏ合金は、硫酸中においては純チタンより耐食性は改善しているが、依然として大きな腐蝕速度であり、塩酸中では耐食性改善効果もほとんど認められなかった。
【００２７】
さて、試験番号５及び６は、各々チタンにＮｉ及びＣｕを添加した実質的な２元系合金である。これらの耐食性も、環境によっては純チタンより多少良好であるがその改善しろは小さく、腐蝕環境によっては改善が認められない場合もあった。
【００２８】
これに対し、本発明（１）の実施例で、Ｎｉ、Ｃｕ及びＦｅを複合添加した試験番号８、９、１０、１３、１４、１７及び１８は、いずれの場合も、試験を行ったすべての環境において、純チタン（試験番号１）やＴｉ−Ｎｉ−Ｍｏ合金（試験番号３）を大きく上回る耐食性を示しており、高価なＰｄやＲｕを添加した合金（試験番号２及び４）と同等の耐食性を示している。しかし、試験番号７、１２及び１６では優れた耐食性は得られなかった。その理由は、試験番号７では、Ｎｉの添加量が、試験番号１２ではＣｕの添加量が、また試験番号１６ではＦｅの添加量が、本発明（１）で規定された量に達していなかったためである。
【００２９】
また、試験番号１９でも、Ｆｅの添加量が本発明（１）で規定された量を超えたため、十分な耐食性が得られなかった。さらに、試験番号１１及び１５では、高耐食性が得られているが、これよりもＮｉ又はＣｕの添加量の低い試験番号１０及び１４とほぼ同等の耐食性が得られており、Ｎｉ及びＣｕの効果が飽和している。そればかりか、ＮｉやＣｕを多く添加しすぎて加工性を損なうなどの製造上の問題を生じた。
【００３０】
以上のように適量のＣｕ、Ｎｉ及びＦｅを複合添加することにより、高耐食性のチタン合金が得られるが、これに、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｚｒの中から１種以上を合計で、０．０５〜０．５％含有させることにより、その耐食性をさらに高めることができる。例えば、表２（表１のつづき１）において、本発明（２）の実施例である試験番号２０〜２５では、ほぼ等量のＮｉ、Ｃｕ及びＦｅを複合添加した試験番号９に比べて、腐蝕速度がさらに低下しており、耐食性が向上している。
【００３１】
しかし、試験番号２６〜２９のように、その合計の添加量が本発明（２）で規定された０．０５％に満たない場合、耐食性改善効果はほとんど認められない。また、試験番号３０のように、０．５％を超えてこれらの元素を添加しても、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｚｒの添加量の合計がこれ以下である試験番号２５と同等の耐食性しか得られていない。そればかりか、加工性を損なうなどの製造上の問題を生じた。
【００３２】
このようなＮｉ、Ｃｕ及びＦｅを複合添加した合金の耐食性改善効果は、本発明（３）の効果、すなわちＣｒ、Ｃｏの中から１種以上を合計で、０．０５〜０．３％含有することによって向上させることができる。例えば、表２（表１のつづき１）において、本発明（３）の実施例である試験番号３１〜３５では、ほぼ等量のＮｉ、Ｃｕ及びＦｅを添加した試験番号９に比べて、腐蝕速度がさらに低下しており、耐食性が向上している。
【００３３】
しかし、試験番号３６〜３８のように、その合計の添加量が本発明（３）で規定された０．０５％に満たない場合、耐食性改善効果はほとんど認められない。
【００３４】
また、試験番号３９のように、０．３％を超えてこれらの元素を添加しても、Ｃｒ、Ｃｏの添加量の合計がこれ以下である試験番号３５と同等の耐食性しか得られていない。そればかりか、加工性を損なうなどの製造上の問題を生じた。
【００３５】
試験番号４０〜４２は、Ｎｂ、Ｍｏ、Ｚｒを添加する本発明（２）の効果と、Ｃｏ、Ｃｒを添加する本発明（３）の効果の両方が発現した例であり、いずれも、試験番号１〜４２に記載された合金の中で最も低い腐蝕速度、すなわち最も高い耐食性を示している。
（実施例２）
表１および表２（表１のつづき１）の試験番号９、２１及び３４の成分のインゴットを実施例１と同様に熱間圧延し、表３に示した条件で熱処理を施した。この試料から切り出した試料を、５％沸騰塩酸中に４８時間浸漬し、腐蝕減量を測定し、腐蝕速度を算出した。腐蝕試験結果を表３に合わせて示す。
【００３６】
【表３】

【００３７】
表３において、本発明（５）に記載の方法により製造した本発明（４）の実施例は、いずれも０．５ｍｍ／年未満の腐蝕速度であり、高い耐食性を示したが、焼鈍温度や冷却条件が、本発明（５）に規定された条件を逸脱した試料は、０．７５ｍｍ／年以下の比較的低い腐蝕速度ではあるが、０．５ｍｍ／年以上の腐蝕速度となっており、本発明（４）の実施例に比べるといずれも耐食性が低下していた。
【００３８】
これは、焼鈍温度又は冷却方法が本発明の範囲外であったことが原因である。
【００３９】
すなわち、試験番号４３、５０及び５７は、焼鈍温度が本発明（５）で規定された６５０℃未満であったため、再結晶が十分進行せず所望の等軸組織が十分に得られず、本発明（４）の実施例に比べると耐食性が低下した。一方、試験番号４８、４９、５５、５６、６２及び６３は、焼鈍温度が８５０℃を超えたため、β相の量が多くなりすぎ、冷却中にβ相中に針状α相が生成し、等軸組織が維持できず、元素の分布が不均一になったため、本発明（４）の実施例に比べると耐食性が低下した。また、試験番号４６、５３及び６０では、水冷したため、冷却速度が速すぎ、冷却課程において、β相中に針状α相が生成し、等軸組織が維持できず、元素の分布が不均一になり、本発明（４）の実施例に比べると耐食性が低下した。
（実施例３）
実施例１で使用した材料の一部を用いて隙間腐蝕の実験を行った。試験片は、２枚の試料の中央に穴を空け、これらを付き合わせ、さらにテフロン（登録商標）コーティングしたチタン製ボルトを差し込み、片側をナットで固定し、さらにこれを締め付けたものを用いた。そして、この突き合わせ試料を、ｐＨ　６．０の沸騰１０％ＮａＣｌ水溶液中に１〜３日間浸漬し、隙間腐蝕の有無を調べた。その結果を表４に示す。
【００４０】
【表４】

【００４１】
表４において、試験番号１の工業用純チタンでは、１日の浸漬ですでに隙間腐蝕が発生している。これに対し、試験番号２のＰｄ添加合金及び試験番号４のＮｉ及びＲｕ複合添加合金は、著しく耐隙間腐蝕性が改善しており、いずれの環境においても３日間の浸漬でも隙間腐蝕は発生しなかった。しかしながら、微量とはいえ高価な白金属元素が添加されており、幅広い用途に多量に使用するには、高コストとなってしまう。また、試験番号３のＴｉ−Ｎｉ−Ｍｏ合金は、純チタンより耐隙間腐蝕性は改善しているが、３日目には隙間腐蝕が発生しており、本試験条件では必ずしも十分な耐隙間腐蝕性を示さなかった。
【００４２】
以上の比較例に対し、本発明の実施例である試験番号９、２４、３４及び４１のチタン合金では、いずれも３日間の浸漬で隙間腐蝕は発生しておらず、極めて高い耐隙間耐食性が確認された。
【００４３】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明により、高価な白金属元素を含有せず、非酸化性の酸や、塩素イオンが存在する隙間部のような厳しい環境下において優れた耐食性を示すチタン合金、及びその製造方法を提供することができる。[0001]
TECHNICAL FIELD OF THE INVENTION
The present invention relates to a titanium alloy having excellent corrosion resistance, and more particularly to a titanium alloy used in a severe corrosive environment such as a non-oxidizing acid or a gap.
[0002]
[Prior art]
Pure titanium is widely used as an industrial material under various corrosive environments because of its excellent corrosion resistance. In particular, it exhibits excellent corrosion resistance to oxidizing acids such as nitric acid and chromic acid, seawater, and chloride ion-containing solutions.
[0003]
However, in non-oxidizing acids such as hydrochloric acid and sulfuric acid, high corrosion resistance cannot be expected as in the above-mentioned environment, and when chlorine ions or the like are present, so-called crevice corrosion may occur in gaps. (Ti, 0.2% Pd (ASTM grades 7 and 11)) and an alloy (Corrosion, 31) containing a small amount of a platinum group element (Ru, Rh, Pd, Os, Ir and Pt) added to titanium. (1975), p.60), and various alloys such as Ti-0.5Ni-0.05Ru (U.S. Pat. No. 4,666,666) to which Ni and Ru are added in combination (Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-127844). Has been developed.
[0004]
However, these alloys have excellent corrosion resistance, but the addition of rare and extremely expensive platinum group elements greatly increases the cost of producing titanium alloys.
[0005]
On the other hand, as an alloy which is inexpensive and has excellent corrosion resistance, an alloy containing a combination of Ni and Mo, such as Ti-0.8% Ni-0.3% Mo (ASTM grade 12) (for example, Japanese Patent Publication No. No. 8529) and an alloy in which one or more of Cr, Cu, Si and Al are added to Ti in combination with Ni is disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. Hei 4-308051, but the corrosion resistance is superior to that of pure titanium. Particularly in non-oxidizing acids, the improvement is smaller than that of the alloy containing a platinum group element, and further improvement has been desired.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above situation, the present invention provides excellent corrosion resistance not only in oxidizing acids and seawater but also in severe environments such as in non-oxidizing acids without adding expensive white metal elements. Another object of the present invention is to provide a titanium alloy which exhibits excellent resistance to crevice corrosion in an environment where chlorine ions are present.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The present inventor has conducted intensive studies on the effects of alloy elements and structures on the corrosion resistance of titanium, and as a result, found that when Ni, Cu and Fe are added to titanium in a complex manner, the corrosion resistance is significantly improved. The inventors have invented an alloy which is excellent in corrosion resistance in non-oxidizing acid and crevice corrosion resistance without containing an expensive white metal element. The summary is as follows.
(1) In mass%,
Ni: 0.1 to 1.5%
Cu: 0.1 to 2.1%,
Fe: 0.02 to 0.3%,
A titanium alloy having excellent corrosion resistance, characterized by containing Ti and the balance of Ti and impurity elements.
(2) Titanium excellent in corrosion resistance according to (1), further comprising 0.05 to 0.5% by mass of at least one of Mo, Nb and Zr in mass%. alloy.
(3) Further, it is excellent in corrosion resistance according to (1) or (2), characterized in that it contains 0.05 to 0.3% in total of at least one of Cr and Co in mass%. Titanium alloy.
(4) The titanium alloy excellent in corrosion resistance according to any one of (1) to (3), wherein the microstructure comprises an equiaxed recrystallized structure.
(5) Titanium alloy excellent in corrosion resistance according to (4), characterized in that after working in a hot or cold state, annealing is performed at a temperature of 650 ° C. or more and 850 ° C. or less, and air or furnace cooling is performed. Production method.
[0008]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
The present inventors have conducted detailed studies on the effect of alloying elements on the corrosion resistance of a titanium alloy to which Ni and Cu are added in a non-oxidizing acid. As a result, they have found that by adding a suitable amount of Ni, Cu and Fe to titanium in combination, it is possible to achieve characteristics comparable to a highly corrosion-resistant titanium alloy to which an extremely expensive platinum group element is added.
[0009]
The reason is as follows. That is, since Ni hardly forms a solid solution in titanium, a β phase or a Ti ₂ Ni phase (hereinafter, referred to as a second phase) in which Ni is concentrated is formed during cooling from a high temperature. Further, when Cu is added, Cu is concentrated in the second phase, and the corrosion resistance of the entire titanium is improved as compared with the case of a Cu-only alloy in which Cu is uniformly and dilutely distributed in the α phase.
[0010]
However, in the case of a titanium alloy to which Ni and Cu are added in combination, it is necessary to add 5% or more of Cu in order to obtain corrosion resistance comparable to that of a titanium alloy to which a platinum group element is added. Occurs. On the other hand, when a small amount of Fe is added, Cu is concentrated at a high concentration in the second phase even if the Cu content is 2.1% or less, and the same corrosion resistance as a titanium alloy to which a platinum group element is added can be obtained. .
[0011]
Hereinafter, the reasons for limiting the components will be described. In the following description,% means mass% unless otherwise specified.
[0012]
Ni is an element that improves the corrosion resistance of titanium by changing the hydrogen overvoltage, and extremely high corrosion resistance can be obtained by adding it in combination with Cu and Fe. This effect is insufficient if the amount of Ni added is less than 0.1%, and the effect is saturated even if it is added more than 1.5%, causing problems of workability and segregation. Adversely affect. Therefore, the Ni content is set in the range of 0.1 to 1.5%.
[0013]
Cu is also an element for improving the corrosion resistance of titanium, and extremely high corrosion resistance can be obtained by adding Ni and Fe in combination. If the effect is less than 0.1%, the effect is not sufficient, and if it exceeds 2.1%, the effect is saturated, and the problems of workability and segregation are caused and adversely affected. Therefore, the Cu content is set in the range of 0.1 to 2.1%.
[0014]
Fe is an element that promotes the concentration of Cu into the second phase by the combined addition of Ni and Cu to improve the corrosion resistance. To obtain this effect, Fe must be added in an amount of 0.02% or more. Required. However, when Fe is added in excess of 0.3%, the corrosion resistance deterioration effect inherent to Fe becomes remarkable, and the corrosion resistance of the material is impaired. Therefore, the amount of Fe added needs to be in the range of 0.02 to 0.3%.
[0015]
Further, one or more of Mo, Nb and Zr may be contained. Even if these elements are independently added to titanium, the effect of improving corrosion resistance is small, but if they are added to an alloy to which Ni, Cu, and Fe are added in combination, the corrosion resistance can be further increased. However, the effect is small unless at least one of Mo, Nb, and Zr is added in a total amount of 0.05% or more, and the effect is saturated even if the total amount exceeds 0.5%. Problems such as impairment of workability are caused and adverse effects are caused. Therefore, the total amount of one or more of Mo, Nb, and Zr is set in the range of 0.05 to 0.5%.
[0016]
Further, if necessary, one or more of Cr and Co may be contained. When these elements are added alone to titanium, the corrosion resistance may be rather reduced. However, when these elements are added to an alloy to which Ni, Cu, and Fe are added in a combined manner, and further added to an alloy to which Mo, Nb, and Zr are added, the corrosion resistance is improved. Can be enhanced. However, if the total of at least one of Cr and Co is less than 0.05%, the effect is small, and if the total exceeds 0.3%, the effect is saturated and the workability is impaired. Such problems are adversely affected. Therefore, the addition amount of at least one of Cr and Co is set in the range of 0.05 to 0.5% in total.
[0017]
Next, the microstructure will be described. Generally, when a titanium alloy is cooled from a high-temperature β single-phase region to a low-temperature α region or α + β two-phase region, it exhibits a large or small acicular structure according to the cooling rate. At this time, the element distribution tends to be slightly non-uniform due to the non-uniformity of the transformation reaction in which the α phase is generated from the β phase. On the other hand, when these needle-like structures are worked hot or cold, and then recrystallized by annealing to form an equiaxed structure, the second phase is distributed between equiaxed α phases (grain boundaries and triple points of grain boundaries). The obtained uniform structure is obtained. The corrosion reaction is an electrochemical reaction, and such a uniform structure has a more uniform potential and higher corrosion resistance. Therefore, the microstructure of the alloy was determined to be an equiaxed recrystallization structure.
[0018]
However, if the distance of the second phase is too large, the effect of improving the corrosion resistance by the second phase does not reach the intermediate region. When the crystal grain size exceeds 200 μm, the distance between the second phases is too large, and the corrosion resistance is partially reduced. Therefore, it is preferably 200 μm or less. Further, since the potential becomes more uniform as the crystal grain size becomes finer, the more effective range is 150 μm or less, and the optimal range is 100 μm or less.
[0019]
The lower limit of the crystal grain size is not specified, but is about 5 μm in the current technology.
[0020]
Next, a manufacturing method will be described. The titanium alloy of the present invention is produced by working hot or cold, then annealing and cooling. Annealing is performed to make the hot or cold worked structure an α + β two-phase equiaxed structure. If the annealing temperature is lower than 650 ° C., the diffusion of alloying elements is insufficient, so that recrystallization hardly proceeds and a sufficient equiaxed structure cannot be obtained. On the other hand, if the annealing temperature exceeds 850 ° C., the amount of the β phase becomes too large, needle-like α phases are generated in the β phase in the cooling process, the equiaxed structure cannot be maintained, and the element distribution becomes uneven. Therefore, 850 ° C. was set as the upper limit.
[0021]
Further, if water cooling is performed after annealing, needle-like α-phase is generated in β-phase in the cooling process, so that an equiaxed structure cannot be maintained and the distribution of elements becomes non-uniform. In order to keep the equiaxed structure cooled to room temperature, the cooling method was air cooling or furnace cooling. The cooling method may be forced air cooling as long as an equiaxed structure with a crystal grain size of 200 μm or less can be obtained, and the cooling rate in a specific temperature range is controlled by changing the ambient temperature to a specific cooling rate. Cooling may be used.
[0022]
【Example】
The present invention will be described in more detail with reference to examples.
(Example 1)
An ingot composed of the components shown in Tables 1 and 2 (continuation 1 in Table 1) was prepared by melting twice with a vacuum arc, and was hot forged into a slab having a thickness of 150 mm. The slab was heated to 850 ° C., hot-rolled into a 10 mm thick plate, annealed at 750 ° C. for 1 hour, and air-cooled. This production method corresponds to the method described in the present invention (5), and all the samples consist of equiaxed recrystallized grains, and are described in the table according to any one of the present inventions (1) to (3). All the alloys having the components are examples of the present invention (4).
[0023]
A test piece having a thickness of 5 mm, a width of 30 mm and a length of 40 mm was cut out from the above-mentioned thick plate, immersed in 1% and 5% boiling sulfuric acid, and immersed in 5% boiling hydrochloric acid for 48 hours, and the corrosion loss was measured. The corrosion rate was calculated. The results are shown in Tables 1 and 2 (continuation 1 in Table 1). In the remarks column, those that fall within the scope of the present invention indicate the numbers of the corresponding claims, and those that fall outside the scope of the present invention are comparative examples.
[0024]
[Table 1]

[0025]
[Table 2]

[0026]
In Tables 1 and 2 (continuation 1 in Table 1), Test No. 1 is a test result performed on pure titanium for industrial use, and corrosion progresses at a high corrosion rate in any environment. On the other hand, the Pd-added alloy of Test No. 2 and the Ni- and Ru-combined additive alloys of Test No. 4 have remarkably improved corrosion resistance, and the corrosion rate is much lower than 1 mm / year in any environment. I have. However, since a small amount of an expensive white metal element is added, a large amount of cost is required to use a large amount in a wide range of applications. Further, the Ti—Ni—Mo alloy of Test No. 3 had improved corrosion resistance in pure sulfuric acid compared to pure titanium, but still had a high corrosion rate, and hardly had any effect in improving corrosion resistance in hydrochloric acid.
[0027]
Test Nos. 5 and 6 are substantial binary alloys obtained by adding Ni and Cu to titanium, respectively. The corrosion resistance is slightly better than pure titanium depending on the environment, but the margin of improvement is small, and depending on the corrosive environment, no improvement is observed in some cases.
[0028]
On the other hand, in Examples of the present invention (1), Test Nos. 8, 9, 10, 13, 14, 17 and 18 in which Ni, Cu and Fe were added in combination were all tested. In this environment, it shows much higher corrosion resistance than pure titanium (Test No. 1) or Ti-Ni-Mo alloy (Test No. 3), and is equivalent to alloys containing expensive Pd or Ru (Test Nos. 2 and 4). Shows corrosion resistance. However, in Test Nos. 7, 12, and 16, excellent corrosion resistance was not obtained. The reason is that in Test No. 7, the amount of Ni added does not reach the amount specified in the present invention (1), the amount of Cu added in Test No. 12, and the amount of Fe added in Test No. 16 does not reach the amount specified in the present invention (1). It is because.
[0029]
Also in Test No. 19, sufficient corrosion resistance could not be obtained because the amount of Fe added exceeded the amount specified in the present invention (1). Further, in Test Nos. 11 and 15, high corrosion resistance was obtained, but corrosion resistance almost equivalent to Test Nos. 10 and 14 in which the amount of Ni or Cu added was lower than that of Test Nos. 11 and 15, was obtained. Is saturated. Not only that, too much Ni or Cu was added, resulting in manufacturing problems such as impairment of workability.
[0030]
As described above, a titanium alloy having high corrosion resistance can be obtained by adding an appropriate amount of Cu, Ni, and Fe in combination, and one or more of Mo, Nb, and Zr are added to the alloy in a total amount of 0.05 to 500%. By containing 0.5%, the corrosion resistance can be further enhanced. For example, in Table 2 (continuation 1 in Table 1), in Test Nos. 20 to 25, which are examples of the present invention (2), compared to Test No. 9 in which substantially equal amounts of Ni, Cu and Fe were added in combination. The corrosion rate is further reduced and the corrosion resistance is improved.
[0031]
However, as in Test Nos. 26 to 29, when the total amount of addition is less than 0.05% specified in the present invention (2), the effect of improving corrosion resistance is hardly recognized. Further, even when these elements are added in excess of 0.5% as in Test No. 30, only the same corrosion resistance as in Test No. 25 in which the total amount of Mo, Nb and Zr is less than this is obtained. Not. In addition, there were problems in manufacturing such as impairment of workability.
[0032]
The effect of the present invention (3), that is, the effect of improving the corrosion resistance of the alloy to which Ni, Cu, and Fe are added in a combined manner, that is, containing at least one of Cr and Co in a total amount of 0.05 to 0.3%. Can improve it. For example, in Table 2 (continuation 1 in Table 1), in Test Nos. 31 to 35, which are examples of the present invention (3), corrosion was smaller than Test No. 9 in which almost equal amounts of Ni, Cu and Fe were added. The speed is further reduced and the corrosion resistance is improved.
[0033]
However, when the total amount of addition is less than 0.05% as specified in the present invention (3) as in Test Nos. 36 to 38, the effect of improving corrosion resistance is hardly recognized.
[0034]
Also, as in Test No. 39, even when these elements are added in excess of 0.3%, only the same corrosion resistance as in Test No. 35, in which the total amount of Cr and Co added is less than this, is obtained. . In addition, there were problems in manufacturing such as impairment of workability.
[0035]
Test Nos. 40 to 42 are examples in which both the effect of the present invention (2) adding Nb, Mo, and Zr and the effect of the present invention (3) adding Co and Cr were exhibited. It shows the lowest corrosion rate, that is, the highest corrosion resistance among the alloys described in Nos. 1-42.
(Example 2)
The ingots having the components of Test Nos. 9, 21 and 34 in Tables 1 and 2 (continuation 1 in Table 1) were hot-rolled in the same manner as in Example 1 and heat-treated under the conditions shown in Table 3. A sample cut out from this sample was immersed in 5% boiling hydrochloric acid for 48 hours, the corrosion loss was measured, and the corrosion rate was calculated. The results of the corrosion test are shown in Table 3.
[0036]
[Table 3]

[0037]
In Table 3, the examples of the present invention (4) produced by the method described in the present invention (5) all had a corrosion rate of less than 0.5 mm / year and showed high corrosion resistance. Samples whose cooling conditions deviated from the conditions defined in the present invention (5) had a relatively low corrosion rate of 0.75 mm / year or less, but had a corrosion rate of 0.5 mm / year or more. In all cases, the corrosion resistance was lower than the examples of the present invention (4).
[0038]
This is because the annealing temperature or cooling method was outside the scope of the present invention.
[0039]
That is, in Test Nos. 43, 50 and 57, since the annealing temperature was lower than 650 ° C. specified in the present invention (5), recrystallization did not proceed sufficiently and the desired equiaxed structure was not sufficiently obtained. The corrosion resistance was lower than that of the example of the invention (4). On the other hand, in Test Nos. 48, 49, 55, 56, 62 and 63, since the annealing temperature exceeded 850 ° C., the amount of β phase became too large, and acicular α phase was generated in β phase during cooling, Since the equiaxed structure could not be maintained and the distribution of elements became non-uniform, the corrosion resistance was reduced as compared with the example of the present invention (4). In Test Nos. 46, 53 and 60, the water was cooled with water, so the cooling rate was too high, and in the cooling process, needle-like α-phase was generated in β-phase, the equiaxed structure could not be maintained, and the distribution of elements was uneven. And the corrosion resistance was lower than that of the example of the present invention (4).
(Example 3)
An experiment of crevice corrosion was performed using a part of the materials used in Example 1. A test piece was prepared by making a hole in the center of two samples, joining them together, inserting a Teflon (registered trademark) -coated titanium bolt, fixing one side with a nut, and further tightening this. . Then, this butted sample was immersed in a boiling 10% aqueous NaCl solution having a pH of 6.0 for 1 to 3 days, and the presence or absence of crevice corrosion was examined. Table 4 shows the results.
[0040]
[Table 4]

[0041]
In Table 4, in the case of industrial pure titanium of Test No. 1, crevice corrosion has already occurred after one day of immersion. On the other hand, the Pd-added alloy of Test No. 2 and the Ni- and Ru-combined additive alloys of Test No. 4 have remarkably improved crevice corrosion resistance, and crevice corrosion occurs even after immersion for 3 days in any environment. Did not. However, since a small amount of an expensive white metal element is added, the cost is high if used in a large amount in a wide range of applications. Further, the Ti—Ni—Mo alloy of Test No. 3 has improved crevice corrosion resistance compared to pure titanium, but crevice corrosion occurs on the third day. It was not corrosive.
[0042]
In contrast to the comparative examples described above, in the titanium alloys of Test Nos. 9, 24, 34, and 41, which are examples of the present invention, crevice corrosion did not occur after immersion for 3 days, and extremely high crevice corrosion resistance was achieved. confirmed.
[0043]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a titanium alloy which does not contain an expensive white metal element, and which exhibits excellent corrosion resistance in a severe environment such as a non-oxidizing acid or a gap where chloride ions are present, and The manufacturing method can be provided.

Claims (5)

質量％で、
Ｎｉ：０．１〜１．５％
Ｃｕ：０．１〜２．１％、
Ｆｅ：０．０２〜０．３％、
を含有し、残部Ｔｉ及び不可避的不純物元素からなることを特徴とする耐食性に優れたチタン合金。In mass%,
Ni: 0.1 to 1.5%
Cu: 0.1 to 2.1%,
Fe: 0.02 to 0.3%,
And a balance of Ti and inevitable impurity elements, the titanium alloy having excellent corrosion resistance. さらに、質量％で、Ｍｏ、Ｎｂ、Ｚｒの中から１種以上を合計で、０．０５〜０．５％含有することを特徴とする請求項１に記載の耐食性に優れたチタン合金。2. The titanium alloy according to claim 1, further comprising 0.05 to 0.5% by mass of at least one of Mo, Nb, and Zr in mass%. 3. さらに、質量％で、Ｃｒ、Ｃｏの中から１種以上を合計で、０．０５〜０．３％含有することを特徴とする請求項１又は２に記載の耐食性に優れたチタン合金。The corrosion-resistant titanium alloy according to claim 1 or 2, further comprising 0.05 to 0.3% by mass of at least one of Cr and Co in mass%. 微視組織が等軸再結晶組織からなることを特徴とする請求項１〜３のいずれか１項に記載の耐食性に優れたチタン合金。The titanium alloy excellent in corrosion resistance according to any one of claims 1 to 3, wherein the microstructure has an equiaxed recrystallized structure. 熱間又は冷間で加工後、６５０℃以上で８５０℃以下の温度にて焼鈍を行い、空冷又は炉冷することを特徴とする請求項４に記載の耐食性に優れたチタン合金の製造方法。The method for producing a titanium alloy having excellent corrosion resistance according to claim 4, characterized in that after hot or cold working, annealing is performed at a temperature of 650 ° C or more and 850 ° C or less, and air or furnace cooling is performed.