JP2004026962A - ポリイソシアネート溶液、並びにそれを用いた接着剤及び塗料 - Google Patents

ポリイソシアネート溶液、並びにそれを用いた接着剤及び塗料 Download PDF

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Abstract

【課題】貯蔵安定性の向上したポリイソシアネート溶液を、更には接着性や密着性が向上した接着剤・塗料用のポリイソシアネート溶液を提供する。
【解決手段】有機ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)を反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、リン酸シリルエステル及び/又は亜リン酸シリルエステル(B)、有機溶剤(C)とからなることを特徴とするポリイソシアネート溶液により解決する。なお有機ポリイソシアネート(A1)はTDIが好ましい。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、イソシアネート基末端プレポリマー、リン酸シリルエステル及び/又は亜リン酸シリルエステル、有機溶剤とからなるポリイソシアネート溶液、並びにそれを用いた接着剤及び塗料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリイソシアネート溶液は、粘度が低いので取り扱いやすく、また、イソシアネート基の反応性が非常に高いために反応(硬化・架橋等)に要する時間も短くすることができるため、接着剤や塗料の分野で広く用いられている。
【0003】
しかしながら、イソシアネート基の反応性が高いが故に、貯蔵安定性についてしばしば問題が生じている。そこで、この点を改良するため、様々な試みがなされている。例えば、特開昭59−98050号公報では、有機ポリイソシアネートの空気・光・熱等による着色に対する安定性を改良するため、ジデシルペンタエリスリト−ルジホスフアイト等の有機亜リン酸エステル類と、2,6−ジターシャリブチル−4−メチルフェノール、及び2(2′−ヒドロキシ−3′,5′ジターシャリアミルフェニル)ベンゾトリアゾールとを、有機ポリイソシアネートに併用して添加することにより、安定性改善を図っている。また、特開平5−117220号公報では、イソシアヌレート変性ポリイソシアネートを得るに際し、(薄膜)蒸留する前に、特定の有機系強酸のシリル化エステルを添加することにより、安定性改善を図っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明では、リン酸シリルエステル及び/又は亜リン酸シリルエステルが、貯蔵安定性の向上だけではなく、接着性や密着性の向上にも効果があることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)に示されるものである。
(1) 有機ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)を反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、リン酸シリルエステル及び/又は亜リン酸シリルエステル(B)、有機溶剤(C)とからなることを特徴とするポリイソシアネート溶液。
【0006】
(2) 有機ポリイソシアネート(A1)がトルエンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項1記載のポリイソシアネート溶液。
【0007】
(3) 前記(1)、(2)のポリイソシアネート溶液を用いることを特徴とする接着剤。
【0008】
(4) 前記(1)、(2)のポリイソシアネート溶液を用いることを特徴とする塗料。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の構成成分について説明する。
本発明に用いられるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)は、有機ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)を、イソシアネート基過剰の雰囲気下でウレタン化反応させて得られるものである。
【0010】
本発明に用いられる有機ポリイソシアネート(A1)としては、1分子中にイソシアネート基を2個以上有する化合物、たとえばトルエンジイソシアネート(以下、TDIと略称する)、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略称する)、MDIとMDI系多核縮合体との混合物(以下、ポリメリックMDIと略称する)、キシレンジイソシアネート、ジフェニルエーテルジイソシアネート、ジメチルジフェニルメタンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、テトラメチルキシレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(以下、HDIと略称する)、3−メチル−1、5−ペンタンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水素添加トルエンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネートも使用できる。また、これらのイソシアネート基の一部を変性したビウレット、アロファネート、イソシアヌレート(3量体)、ウレトジオン(2量体)、カルボジイミド、ウレトンイミン等の変性体やオキサゾリドン、アミド、イミド等で変性したものも使用することができる。これらは、単独又は2種以上の混合物として使用することができる。
【0011】
前記の有機ポリイソシアネートの中ではTDIが好ましく、その中でも特に、2,4−TDIが100〜50重量%、2,6−TDIが0〜50重量%からなるTDIが好ましい。
【0012】
本発明に用いられるポリオール(A2)は、1分子中にアルコール性水酸基を2個以上、好ましくは2〜3個有するものである。また、(A2)の数平均分子量は、64〜10,000が好ましく、特に好ましくは76〜5、000である。具体的には、(数平均)分子量500未満の低分子ポリオール、及び数平均分子量500以上高分子ポリオールが挙げられる。これらは、単独又は二種以上の混合物を使用することができる。本発明においては、得られるポリイソシアネート溶液の粘度やイソシアネート含量等を考慮すると、(A2)は(数平均)分子量が500未満の低分子ポリオールが好ましい。
【0013】
低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1、2−プロパンジオール、1、3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1、2−ブタンジオール、1、3−ブタンジオール、1、4−ブタンジオール、1、6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、シクロヘキサン−1、4−ジオール、シクロヘキサン−1、4−ジメタノール、水素添加ビスフェノールA、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、蔗糖、ジグリセリン等が挙げられる。
【0014】
高分子ポリオールとしては、前記低分子ポリオールにアルキレンオキサイド等の低分子環状エーテルを開環付加させて得られるポリエーテルポリオール、アルキルアミン、エチレンジアミン等の低分子アミンにアルキレンオキサイド等の低分子環状エーテルを開環付加させて得られるアミノ基含有アミン系ポリエーテルポリオール、アジピン酸、無水フタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸と前記低分子ポリオールとの脱水縮合反応により得られる各種ポリエステルポリオール、前記低分子ポリオールにε−カプロラクタム等の環状エステルモノマーの開環重合により得られるラクトン系ポリオールポリエステルポリオール、多塩基酸と低分子ポリオールの少なくとも一方にエチレン性不飽和結合を有する化合物を用いたアルキッドポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリル系ポリオール、ポリブタジエン系ポリオール、ノボラック樹脂やレゾール樹脂等のフェノール系ポリオール、シリコン系ポリオール、フッ素系ポリオール、更にはポリオール中でアクリロニトリル、ポリオール中でスチレン等のビニル系モノマーを分散・ラジカル重合させたいわゆるポリマーポリオール等が挙げられる。
【0015】
有機ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)との反応において、イソシアネート基と水酸基との当量比(イソシアネート基/水酸基)は1.5〜500が好ましく、更には2〜400の範囲が好ましい。ウレタン化反応の反応温度は、30〜120℃が好ましく、特に好ましくは50〜100℃である。またウレタン化反応の際、公知の三級アミン系触媒や金属系触媒等のウレタン化触媒を用いることができる。
【0016】
三級アミン系触媒の具体例として、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、N−メチルモルホリン、N−メチルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−シアノイミダゾール、1−シアノメチルイミダゾール、1、2−ジメチルイミダゾール、1、4−ジメチルイミダゾール、1−メチル−2−エチルイミダゾール、1−メチル−4−エチルイミダゾール、1−エチル−2−メチルイミダゾール、1−エチル−4−メチルイミダゾール、ピリジン、α−ピコリン等の触媒が挙げられる。
【0017】
また、ポリイソシアネート組成物と反応する活性水素を有するアミン系触媒としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N、N、N′−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N、N、N′、N′−テトラメチルヒドロキシプロピレンジアミン等が挙げられる。
【0018】
金属系触媒の具体例としては、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸カリウム、オクチル酸スズ、オクチル酸亜鉛等を挙げられる。
【0019】
本発明に用いられるリン酸シリルエステル及び/又は亜リン酸シリルエステル(B)は、リン酸や亜リン酸の酸性水素原子を、以下の式で示すシリル基で置換した分子構造を有するものである。
【化1】
Figure 2004026962
【0020】
(B)には、モノエステル、ジエステル、トリエステルの3種類があり、モノ−(トリメチルシリル)ホスフェート、ジ−(トリメチルシリル)ホスフェート、トリス−(トリメチルシリル)ホスフェート、モノ−(トリエチルシリル)ホスフェート、ジ−(トリエチルシリル)ホスフェート、トリス−(トリエチルシリル)ホスフェート、モノ−(トリブチルシリル)ホスフェート、ジ−(トリブチルシリル)ホスフェート、トリス−(トリブチルシリル)ホスフェート、モノ−(トリフェニルシリル)ホスフェート、ジ−(トリフェニルシリル)ホスフェート、トリス−(トリフェニルシリル)ホスフェート、トリメチルシリルホスフェート、トリエチルシリルホスフェート、トリブチルシリルホスフェート、モノ−(2−エチルヘキシルシリル)ホスフェート、ジ−(2−エチルヘキシルシリル)ホスフェート、トリス−(2−エチルヘキシルシリル)ホスフェート、モノ−(トリメチルシリル)ホスファイト、ジ−(トリメチルシリル)ホスファイト、トリス−(トリメチルシリル)ホスファイト、モノ−(トリエチルシリル)ホスファイト、ジ−(トリエチルシリル)ホスファイト、トリス−(トリエチルシリル)ホスファイト、モノ−(トリブチルシリル)ホスファイト、ジ−(トリブチルシリル)ホスファイト、トリス−(トリブチルシリル)ホスファイト、モノ−(トリフェニルシリル)ホスファイト、ジ−(トリフェニルシリル)ホスファイト、トリス−(トリフェニルシリル)ホスファイト、モノメチルシリルホスファイト、ジメチルシリルホスファイト、トリメチルシリルホスファイト等が挙げられる。本発明では、亜リン酸モノエステルタイプ、リン酸トリエステルタイプが好ましい。
【0021】
(B)の添加量は、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)に対して、0.0001〜5.0質量%が好ましく、特に好ましくは0.0001〜1質量%である。また、(B)の添加時期については、有機ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)との反応の前後を問わないが、反応後が好ましい。
【0022】
(B)の効果とするところは、ポリイソシアネート溶液の貯蔵期間中における湿気等の活性水素化合物との反応を抑制することによる貯蔵安定性の向上を図ることである。
【0023】
本発明に用いられる有機溶剤(C)は、ポリウレタン工業において常用の、イソシアネート基に対して不活性の溶剤であり、例えばトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル系溶剤、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤等が挙げられる。これらは、1種又は2種以上混合して使用することができる。
【0024】
本発明のポリイソシアネート溶液の固形分は、10〜90質量%が好ましく、特に好ましくは20〜80質量%である。また、イソシアネート含量は、溶液状態で1〜30質量%が好ましく、特に好ましくは2〜25質量%である。
【0025】
本発明の接着剤及び塗料は、前述のポリイソシアネート溶液を硬化剤として用いることを特徴とするものである。接着剤及び塗料は、一液タイプと二液タイプとに大別される。また、一液タイプは、ポリイソシアネート溶液中のイソシアネート基を更にブロック剤で封鎖したものを潜在性硬化剤として、あらかじめ主剤としての多価ヒドロキシル化合物に配合したタイプと、単独で用いて湿気硬化させるタイプがある。二液タイプは、前述のポリイソシアネート溶液を硬化剤として、使用直前にこれと主剤としての多価ヒドロキシル化合物を配合して使用するものである。本発明では、主剤としての多価ヒドロキシル化合物を配合して使用する二液タイプが好ましい。
【0026】
本発明によって得られるポリイソシアネート溶液を硬化剤として用いる二液タイプの塗料や接着剤において、主剤に用いられる多価ヒドロキシル化合物としては、前記のポリオール(A2)だけでなく、分子内に二個以上の水酸基を有する数平均分子量500〜100、000の化合物が好ましい。具体的には、飽和又は不飽和ポリエステルポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、飽和又は不飽和の油変性又は脂肪酸変性アルキッドポリオール、アミノアルキッドポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリエーテルポリオール、エポキシポリオール、含フッ素ポリオール、更には飽和又は不飽和ポリエステル樹脂、ポリカプロラクトン樹脂、飽和又は不飽和の油変性又は脂肪酸変性アルキッド樹脂、アミノアルキッド樹脂、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、ポリエーテル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、セルロースアセテートブチラート樹脂、含フッ素樹脂等が挙げられる。
【0027】
本発明の接着剤及び塗料において、ポリイソシアネート組成物中の(潜在する)イソシアネート基と多価ヒドロキシル化合物中の水酸基とのモル比は、9:1〜1:9、好ましくは7:3〜3:7の範囲である。本発明の組成物は、後述する溶剤の他にラッカー工業に常用の各種顔料及び各種添加剤等を含んでいてもよい。更に、本発明の組成物は従来より行なわれている通常の塗装方法によって塗装することができ、塗装にはエアレススプレー機、エアスプレー機、静電塗装機、浸漬、ロールコーター、ナイフコーター、ハケ等を用いることができる。
【0028】
本発明では、必要に応じて、前述のウレタン化触媒を更に配合して用いることができる。触媒の添加量は、前記イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーに対して、0.01〜20質量%が好ましい。その添加量が前記下限値未満である場合には、硬化反応が不充分で、目的とした物性を得られない。
【0029】
また、更に本発明の接着剤・塗料には、セメント、高炉スラグ、石こう、炭酸カルシウム、粘土、水酸化アルミニウム、三酸化アンチモン、生石灰、消石灰、ベントナイト等の無機充填剤や、レベリング剤、難燃剤、老化防止剤、耐熱性付与剤、抗酸化剤等を適宜配合量を調整して配合することができる。
【0030】
【発明の効果】
本発明によって得られるポリイソシアネート溶液は、イソシアネート基の反応による経時変化が少ないので、色数や粘度の増大といった劣化が少なく、貯蔵安定性の向上にもつながる。更に後述するように、接着性や密着性の向上にも効果があるので、良好な性能の接着剤、塗料用が得られる。
【0031】
【実施例】
次に、本発明のポリイソシアネート組成物及びそれを用いた接着剤、塗料を、実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0032】
[ポリイソシアネート組成物の合成]
実施例1
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管のついた、容量が1,000mlの反応器に、ミリオネートMTLを100g、PP−1000及びPP−2000を各々74g仕込み、撹拌しながら70〜80℃に加熱し、目標のNCO含量に達するまでウレタン化反応を進めた。その後シリルエステル、及び有機溶剤で希釈してポリイソシアネート溶液P−1を合成した。合成結果を表1に示す。
【0033】
実施例2〜5、比較例1〜4
撹拌機、温度計、還流冷却器及び窒素ガス導入管のついた、容量が300mlの反応器に、イソシアネート及びポリオールを所定量仕込んだ。これを撹拌しながら70〜80℃に加熱し、目標のNCO含量に達するまでウレタン化反応を進めた。そしてその後、この反応液中の未反応のTDI(又はHDI)を120〜140℃、1〜5Paで薄膜蒸留により、残留の遊離ジイソシアネート含有量が0.5質量%以下になるように除去し、その後シリルエステル又は安定化剤、及び有機溶剤で希釈してポリイソシアネート溶液P−2〜9を合成した。合成結果を表1、2に示す。
【0034】
[溶剤希釈性試験方法]
一般的にポリイソシアネートは、末端にイソシアネート基を有しているため、貯蔵期間中に湿気との反応等により高分子量化し溶剤への溶解性が低下する。そこで、貯蔵安定性の一つの指標として以下に述べる溶剤希釈性試験を用いて判定した。
【0035】
ポリイソシアネート溶液を5g採取し、ビュレットにてトルエンを少しずつ加え、よく振り混ぜて濁ったところを終点とし、その時の溶剤の所要ml数を求めた。そして次の式にて溶剤希釈性(倍)を求めた。この値が大きいほど溶剤希釈性に優れている。その結果を表1に示す。
溶剤希釈性(倍)=溶剤の所要ml数/サンプル量(5g)
【0036】
【表1】
Figure 2004026962
【0037】
【表2】
Figure 2004026962
【0038】
表1、2において
ミリオネートMTL:MDIのカルボジイミド変性ポリイソシアネート
日本ポリウレタン工業製
イソシアネート含量=29.0%
固形分=100%
コロネートT−80:2,4−TDIと2,6−TDIの混合物
2,4−TDI/2,6−TDI=80/20(質量比)コロネートT−65:2,4−TDIと2,6−TDIの混合物
2,4−TDI/2,6−TDI=65/35(質量比)※ミリオネート、コロネートは登録商標
PP−1000  :ポリ(オキシプロピレン)ポリオール
三洋化成工業製
公称官能基数=2
数平均分子量=1,000
PP−2000  :ポリ(オキシプロピレン)ポリオール
三洋化成工業製
公称官能基数=2
数平均分子量=2,000
1,3−BD      :1,3−ブタンジオール
TMP            :トリメチロールプロパン
Gly            :グリセリン
SE−1     :トリス−(トリメチルシリル)ホスフェート
SE−2     :トリス−(トリフェニルシリル)ホスフェート
SE−3     :モノ−(トリメチルシリル)ホスファイト
EHAP     :2−エチルヘキシルアシッドホスフェート
※モノエステルとジエステル混合物
PTSM     :パラトルエンスルホン酸メチル
【0039】
表1、2から、リン酸シリルエステルや亜リン酸シリルエステルを用いた本発明のポリイソシアネート溶液は、高温貯蔵においてもさほど溶剤希釈性が低下することはなく、また着色も小さいものであった。一方、シリルエステルや安定化剤を用いなかったものは、溶剤希釈性が大幅に低下し、また従来の安定化剤を用いたものは、着色が大きくなった。
【0040】
[接着剤評価]
実施例6〜10、比較例5〜8
実施例1〜5、比較例1〜4で得られたP−1〜9を硬化剤として、二液タイプの接着剤の評価を行った。主剤には接着剤用ポリウレタン樹脂溶液であるニッポラン3016(酢酸エチル溶液、水酸基含有量=0.04mmol/g、日本ポリウレタン工業製、固形分=22%)を用いた。主剤と硬化剤の配合比は、固形分換算で、主剤/硬化剤=10/1(質量比)となる比率とした。
【0041】
長さ100mm、幅25mm、厚さ1mmのポリウレタンRIM(リアクティブインジェクションモールディング)成形品、FRP、ABS、ボンデ鋼板をトリクロロエチレンで脱脂し、その上に上記主剤/硬化剤を配合した接着剤を乾燥膜厚:40〜50μ、塗布面積:25mm×25mmになるように塗布した。そして、50℃で5分間予備乾燥して、接着剤中の溶剤を蒸発させ、気泡がはいらないようにして同一種類の上記の各板を重ねあわせ、2.5Paで圧着し、これを20℃、65%RHの雰囲気で1週間放置し、接着サンプルを得た。その後、引張速度=100mm/min、測定雰囲気=23℃×50%RHの条件で、接着剪断強度を測定した。結果を表3、4に示す。
【0042】
【表3】
Figure 2004026962
【0043】
【表4】
Figure 2004026962
【0044】
実施例11〜15、比較例9〜12
硬化剤を50℃で30日の雰囲気下に放置したものを使用する以外は、前述の実施例、比較例と同様にして接着性を評価した。結果を表5、6に示す。
【0045】
【表5】
Figure 2004026962
【0046】
【表6】
Figure 2004026962
【0047】
表3〜6に示されるように、実施例において硬化剤として本発明のポリイソシアネート溶液を用いた接着剤は、比較例のものより接着強度が優れていた。これは、ポリイソシアネート溶液中に存在するリン酸シリルエステルや亜リン酸シリルエステルが接着性向上に効果があると考えられる。また、硬化剤に熱履歴を加えても、実施例では、接着力の低下が小さいものであった。
【0048】
[塗料評価]
実施例16〜20、比較例13〜16
表7、8に示す配合で、各塗料原料を配合・混練して、塗料を調製した。配合した塗料を、あらかじめトリクロロエチレンで脱脂した鋼板(JIS G3141〈3141−SB〉、仕様:PF−1077、日本テストパネル工業製、以下、ボンデ鋼板と略称する。)に塗布し、20℃×65%RHの環境下で1週間放置して、乾燥膜厚=40〜50μの塗膜を形成させた。そして、形成した塗膜の物性をJIS K5400の処方に従って測定した。結果を表7、8に示す。
【0049】
【表7】
Figure 2004026962
【0050】
【表8】
Figure 2004026962
【0051】
実施例21〜25、比較例17〜20
硬化剤を50℃で30日の雰囲気下に放置したものを使用する以外は、前述の実施例、比較例と同様にして塗膜物性を評価した。結果を表9、10に示す。
【0052】
【表9】
Figure 2004026962
【0053】
【表10】
Figure 2004026962
【0054】
表7〜10において
ヒタロイド3088:アクリルポリオール
日立化成工業製
水酸基価=50mgKOH/g
固形分=50%
ニッポラン800 :ポリエステルポリオール
日本ポリウレタン工業製
水酸基価=290mgKOH/g
固形分=100%
ニッポラン1100:ポリエステルポリオール
日本ポリウレタン工業製
水酸基価=213mgKOH/g
固形分=100%
※ヒタロイド、ニッポランは登録商標
【0055】
表7〜10からに示されるように、実施例において硬化剤として本発明のポリイソシアネート溶液を用いた塗料は、比較例のものより特に密着性が優れていた。これは、ポリイソシアネート溶液中に存在するリン酸シリルエステルや亜リン酸シリルエステルが密着性向上に効果があると考えられる。また、硬化剤に熱履歴を加えても、実施例のものは密着性の低下が小さいものであった。

Claims (4)

  1. 有機ポリイソシアネート(A1)とポリオール(A2)を反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、リン酸シリルエステル及び/又は亜リン酸シリルエステル(B)、有機溶剤(C)とからなることを特徴とするポリイソシアネート溶液。
  2. 有機ポリイソシアネート(A1)がトルエンジイソシアネートであることを特徴とする、請求項1記載のポリイソシアネート溶液。
  3. 請求項1又は2に記載のポリイソシアネート溶液を用いることを特徴とする接着剤。
  4. 請求項1又は2に記載のポリイソシアネート溶液を用いることを特徴とする塗料。
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